JP5401878B2 - ゴルフボール用材料、ゴルフボール及びゴルフボール用材料の製造方法 - Google Patents

ゴルフボール用材料、ゴルフボール及びゴルフボール用材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゴルフボールの構成要素として有用なゴルフボール用材料に関し、更に詳述すると、柔軟性、耐久性、反発弾性、及び成形加工性に優れたゴルフボール用材料、及びそのゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールに関する。
アイオノマー樹脂(アイオノマー)は、数ある中でゴルフボールにとって有用な材料である。特に、エチレン等のα−オレフィンと、アクリル酸(AA),メタクリル酸(MAA),またはマレイン酸等の不飽和カルボン酸と、それらの不飽和カルボン酸のエステル(柔軟化モノマー)との三元共重合体を金属カチオンで中和して得られるターポリマーアイオノマーはゴルフボールに柔軟性を付与できる材料として有用である。
一般に、アイオノマー材料を用いて作製されるゴルフボールは、バラタボール構造と比べて反発弾性、強靭性および耐久性が改良される。このため、アイオノマーはゴルフボールの構成上の重要な材料となっている。DuPont社の「サーリン(Surlyn)」、ExxonMobil Chemicalの「アイオテック(Iotek)」などに代表されるアイオノマー樹脂が従来のバラタ(トランスポリイソプレン、天然、または合成)ゴムを凌いで使用されている。しかしながら、高耐久性を有するアイオノマーは、一般には、非常に硬い傾向にあり、ゴルフボール材料として用いた場合、ボールの柔軟性を欠き、ボールのコントロールに必要なスピンを付与できず、しかも打球感が劣る傾向にあった。
一方、エチレンと(メタ)アクリル酸共重合体に代表されるハードなコポリマーアイオノマーの優れた耐衝撃性および飛距離と、バラタのソフトな打球感及びスピン付与を両立した特性を有するゴルフボールがゴルファーの間で切望されていた。
上記のエチレンなどのα−オレフィンと、アクリル酸(AA),メタクリル酸(MAA),またはマレイン酸等の不飽和カルボン酸と、及びそれらの不飽和カルボン酸のエステル(柔軟化モノマー)との三元共重合体を金属カチオンで中和して得られるターポリマーアイオノマーは、柔軟性を提供できる半面、反発弾性が低い欠点があり、単独で用いた場合にはゴルフボール材料として好ましくない面があった。
過去の技術の中では、米国特許公報(下記特許文献1−3)に例示されるように、柔軟性、高反発弾性、高耐久性、その上、スピンコントロールのあるアイオノマー材料を調製するために、硬いアイオノマー樹脂と柔軟なアイオノマー樹脂とのメルトブレンドが検討されている。しかしながら、柔軟なアイオノマー樹脂のブレンドは、硬いコポリマーアイオノマー単独と比較すると、ゴルフボールカバーに使用した場合には、耐擦過傷性が劣る傾向があった。更に、米国特許公報(下記特許文献4−7)に例示されるように、耐擦過傷性を改良するために高分子量体の高中和アイオノマーと低分子量体の一官能性高級脂肪酸又はその金属塩とを併用した材料が報告されている。しかし、その高分子量体のアイオノマー成分と比較すると、低分子量体の高級脂肪酸金属塩を多量に配合しており、相溶性に問題があり、その結果、ゴルフボールのある層に使用した場合には、ゴルフボールの耐久性が劣る問題があった。また、その金属塩でない一官能性高級脂肪酸を使用する場合、その中和に多量のカチオン源を使用する必要があり、更に、高中和度を行うために、プロセス上、かなりの厳しい中和反応条件が必要であった。しかも、得られる材料が低MFR(低流動性)化を起こし、ゴルフボール射出成形時に成形加工性の問題が生じ、更には、使用される一官能性高級脂肪酸の種類によっては悪臭を放ち、環境汚染の問題が生じた。尚、高級脂肪酸ではなく高級脂肪酸金属塩を使用した場合には、コスト高の問題があり工業的に不利であった。
一方、米国特許公報(下記特許文献8−10)に例示されるように、ポリウレタンがゴルフボール材料として開発されている。ポリウレタンは、ゴルフボールの構成要素、特にカバーに使用した場合、優れた耐擦過傷性、スピンコントロール及びソフト打球感を兼ね備えた材料である。しかしながら、ポリウレタンは、反発弾性が低く、ゴルフボールの性能を損なうという欠点もある。また、熱硬化性ポリウレタンの使用では、熱可塑性アイオノマー樹脂よりも加工が難しくなり、その上、リサイクルができず、材料コストが高くなってしまう。
また、米国特許公報(下記特許文献11)には、分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体を配合した高中和アイオノマー樹脂材料が熱安定性、流動性及び成形性に良好であることが記載されているが、柔軟性、反発弾性及び耐久性などの面において未だ改良の余地があった。
米国特許第4,884,814号明細書 米国特許第5,120,791号明細書 米国特許第5,971,871号明細書 米国特許第6,100,321号明細書 米国特許第6,653,382号明細書 米国特許第6,777,472号明細書 米国特許第6,815,480号明細書 米国特許第6,974,854号明細書 米国特許第7,041,769号明細書 米国特許第7,090,798号明細書 米国特許第6,962,951号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、一官能性高級脂肪酸又はその金属塩を用いることによる、高級脂肪酸の多量配合や、厳しい高中和反応条件,反応生成物の部分的不均一化及び低MFR化などの問題を解決したゴルフボール用材料を提供することを目的とする。更に言えば、本発明は、一官能性高級脂肪酸の使用による上記の問題点を克服し、より均一に分散されたアイオノマー配合組成物を得ることができ、柔軟性(ソフトな打撃感)、耐久性、反発弾性、及び成形加工性に優れたゴルフボール用材料、及びゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、一官能性高級脂肪酸又はその金属塩を使用する代わりに、二官能性以上の多官能性高級脂肪酸(多カルボン酸)、その酸無水物、またはその金属塩を使用し、コポリマー(アイオノマー)及び/又はターポリマー(アイオノマー)を配合し、これをカチオン源で高中和することにより、(i)金属カチオン源による中和反応が速やかに起こり、(ii)一官能性高級脂肪酸より少ない配合量で同等の物性が発現でき、しかも(iii)一官能性高級脂肪酸より高MFR化、(iv)低臭化、(v)コストダウンした、より均一に分散されたアイオノマー配合組成物のゴルフボール材料を提供できることを見出した。更に、意外にも熱安定性、流動性、成形性が良好で、射出成形に適しており、しかも成形物の反発性を損なうことなく、耐久性、耐擦過傷性、適正硬度等に優れる高性能のゴルフボールを形成するのに最適な材料であることを知見した。
また、本発明者らは更に検討を行ったところ、上記ゴルフボール用材料の成形物を構成要素(コアとこのコアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、一層以上のコアとこのコアを被覆する一層以上の中間層とこの中間層を被覆する一層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材、以下、同じ。)として具備したゴルフボールは、反発性を損なうことなく、優れた耐久性、耐擦過傷性、適正硬度を有することを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のゴルフボール用材料、ゴルフボール及びゴルフボール用材料の製造方法を提供する。
〔1〕下記(a)及び(b)成分から構成され、これらの成分中の酸基の少なくとも一部を下記(c)成分で中和したアイオノマー配合組成物を含有することを特徴とするゴルフボール用材料。
(a)成分
少なくとも1種類のE/Xで表される二元共重合体(コポリマー)、及び/又は、E/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、Eはα−オレフィン、XはC3〜C8の不飽和モノカルボン酸または不飽和ジカルボン酸(酸無水物含む)、Yはアルキル基が1〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸のアルキルエステルであり、XがE/XコポリマーまたはE/X/Yターポリマーの全質量に対して1〜30質量%の量で存在し、YがE/X/Yコポリマーの全質量に対して2〜30質量%の量で存在すると共に、GPC(ゲルパーミェションクロマトグラフ)におけるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが100,000以上であり、且つ、上記二元共重合体及び三元共重合体は、金属イオンにより部分中和されたもの、完全中和されたもの及び未中和物の群から選ばれる1種単独又は2種以上の混合物を含む
(b)成分
多カルボン酸の炭素数を含めた炭素数が8以上100未満のアルケニル及びアルキル誘導体からなり、分子量200以上1,500未満の二官能性以上のカルボン酸基を有する高級脂肪酸の酸無水物
(c)成分
金属酸化物,金属炭酸塩及び金属水酸化物の群から選ばれる酸素含有無機金属化合物
〔2〕(b)成分の高級脂肪酸が、ヘキセニルコハク酸,オクテニルコハク酸,デセニルコハク酸,テトラプロペニルコハク酸,ドデセニルコハク酸,ヘキサデセニルコハク酸,オクタデセニルコハク酸,エイコデセニルコハク酸,マレイン化ポリブテン,マレイン化ポリイソブテン,ヘキサニルコハク酸,オクタニルコハク酸,デカニルコハク酸,ドデカニルコハク酸,ヘキサデカニルコハク酸,オクタデカニルコハク酸,エイコデカニルコハク酸並びに、これらのリチウム,ナトリウム,亜鉛,マグネシウム,カルシウム及びカリウムの金属塩の群から選ばれる化合物の少なくとも1種類である〔1〕記載のゴルフボール用材料。
〔3〕(b)成分が(a)及び(b)成分の合計質量に対し、1〜70質量%含まれる〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール用材料。
〔4〕(c)成分の金属カチオン種として、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛,酸化カルシウム,水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムの群から選ばれる〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載のゴルフボール用材料。
〔5〕(c)成分がマスターバッチの形で用いられると共に、その(c)成分が(a)及び(b)成分の合計質量に対し、0.1〜20質量%含まれる〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
〔6〕上記アイオノマー配合組成物のJIS−K 7210に準じたMFRが、少なくとも1.0g/10min以上である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
〔7〕上記アイオノマー配合組成物に、更に下記の(d)成分及び/又は(e)成分の熱可塑性成分を含む〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
(d)成分
少なくとも1種類のE/Xで表される共重合体(コポリマー)、及び/又は、E/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、かつXがE/XまたはE/X/Yの全質量に対して1〜30質量%で存在し、YがE/X/Yコポリマーの全質量に対して2〜30質量%の量で存在し、その重量平均分子量Mwが、GPCにおけるポリスチレン換算重量平均分子量Mwで1,500〜95,000を有すること
(e)成分
(e)が、ポリオレフィン系エラストマー(エチレン系アイオノマー,ポリオレフィン,メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールの群から選択される少なくとも1種類のポリマー材料
〔8〕(d)成分が、得られるアイオノマー配合組成物の全質量に対して、5〜45質量%の量で存在する〔7〕記載のゴルフボール用材料。
〔9〕(e)成分が、得られるアイオノマー配合組成物の全質量に対して、5〜95質量%の量で存在する〔7〕記載のゴルフボール用材料。
〔10〕上記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
〔11〕上記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載のアイオノマー配合組成物が二軸押出機を用いて製造されるゴルフボール材料の製造方法。
〔12〕(C)成分がマスターバッチであり、水注入を行いながら二軸押出機で製造される〔11〕記載のゴルフボール材料の製造方法。
〔13〕スクリュー全体のL/Dが25以上、ニーディングディスクゾーンL/Dが全体L/Dの20〜80%の範囲にある二軸押出機を使用してアイオノマー配合組成物中の中和反応を行う〔11〕記載のゴルフボール材料の製造方法。
本発明のゴルフボール用材料は、熱安定性、流動性、成形性が良好で、射出成形に適しており、成形物の反発性を損なうことがない。また、本発明のゴルフボール用材料は、耐久性、耐擦過傷性、適正硬度等に優れる高性能のゴルフボールを形成するのに最適な材料である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、少なくとも下記の2成分(a)及び(b)から構成され、それらを金属カチオン(c)で中和したアイオノマー配合組成物からなる。
(a)成分
少なくとも1種類のE/Xで表される二元共重合体(コポリマー)、及び/又は、E/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、Eはα−オレフィン、XはC3〜C8の不飽和モノカルボン酸または不飽和ジカルボン酸(酸無水物含む)であり、Yはアルキル基が1〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸のアルキルエステルであり、XがE/XコポリマーまたはE/X/Yターポリマーの全質量に対して1〜30質量%の量で存在し、YがE/X/Yターポリマーの全質量に対して2〜30質量%の量で存在する。また、GPC(ゲルパーミエションクロマトグラフ)におけるポリスチレン換算重量平均分子量Mwにおいて、重量平均分子量が100,000以上であり、且つ上記二元共重合体及び三元共重合体としては、未中和物の他に、金属イオンにより部分中和されたもの、完全中和されたものを含み、また、未中和物,部分中和物及び完全中和物から選ばれる2種以上の混合物を含む。
(b)成分
多カルボン酸の炭素数を含めた炭素数が8以上100未満のアルケニル及びアルキル誘導体からなり、分子量200以上1,500未満の二官能性以上のカルボン酸基を有する高級脂肪酸の酸無水物であり、これはアイオノマー配合組成物に対する可塑化効果をもたらすものであり、好ましくは二官能性の高級脂肪酸である。(b)成分が(a)及び(b)成分の全質量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、上限として、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは35質量%以下の量で存在する。また、その分子量が200以上、上限として1,500未満で、その炭素数が8以上100未満である。
なお、多官能性高級脂肪酸(多カルボン酸)酸無水物については、その金属塩を使用しても良い。但し、コストアップになること、また、多官能性高級脂酸(多カルボン酸)酸無水物は金属カチオン源との中和反応が容易に起こるため、敢えてそれらの金属塩を使用しなくても良い。
(c)成分として、酸素含有無機金属化合物から構成される金属酸化物,金属炭酸塩,及び金属水酸化物の群から選ばれる金属カチオン源が配合される。この成分は、上記の(a)及び(b)成分の熱可塑性成分中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和し、本発明の所望のアイオノマー配合組成物を得る。金属カチオン種としては、周期率表第IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIB及びVIIIBの群から選択される。
上記の(a)及び(b)成分の二成分系配合物に対して、中和後のアイオノマー配合組成物のMFRをアップする目的で下記の熱可塑性成分(d)成分を任意に配合することができる。この(d)成分は、E/Xで表される共重合体(コポリマー)及び/又はE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、そのX及び構成モノマーについては、上記熱可塑性成分(a)の記載と同じであるが、重量平均分子量Mwが1,500〜95,000の範囲にあるものが配合される。
上記の熱可塑性成分(a)コポリマーE/X及びターポリマーE/X/Y中、Eのオレフィンとしては、例えば、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン等を挙げることができ、特にエチレンが好適に用いられる。
また、Xの不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸,メタクリル酸等を挙げることができ、特に、アクリル酸,メタクリル酸が好適に用いられる。Xの不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸,フマル酸,イタコン酸等を、Xの不飽和無水カルボン酸としては、無水マレイン酸,無水イタコン酸等を挙げることができ、特にマレイン酸及び無水マレイン酸が好適である。
また、Yの不飽和カルボン酸エステルとしては、上記の不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルを好適に用いることができる。例えば、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチル,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル等を挙げることができる。特に、アクリル酸ブチル(アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル)が好適に用いられる。Yの不飽和ジカルボン酸ハーフエステルとしては、上記のジカルボン酸のモノエステルであり、例えば、マレイン酸モノエチルエステル,フマル酸モノメチルエステル,イタコン酸モノエチルエステル等を挙げることができ、特にマレイン酸モノエチルエステルが好適に用いられる。
オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルターポリマーとしては、例えば、Nucrel AN4319、Nucrel 9−1、Bynel 2022(いずれもDuPont社製)、ESCOR ATX325、ESCOR ATX320(いずれもExxon−Mobil Chemical社製)等を挙げることができる。また、オレフィン−不飽和カルボン酸コポリマーとしては、例えば、Nucrel 925、Nucrel 960(いずれもDuPont社製)、ESCOR 5110、ESCOR 5200(いずれもExxon−Mobil Chemical社製)等を挙げることができる。
上記の(b)成分については、分子量として、200以上、上限として1,500未満の少なくとも1種類以上の二官能性以上の高級脂肪酸酸無水物が用いられる。その中で好ましいのは、多カルボン酸の炭素数を含めた炭素数が8以上100未満のアルケニル及びアルキル誘導体からなる二官能性以上の高級脂肪酸酸無水物である。なお、化学構造の観点から、二官能性高級脂肪酸酸無水物が好ましく用いられる。また、二塩基酸(ジカルボン酸)の各カルボン酸基については、酸無水物を形成できるような隣接位置が好ましく、分子鎖中の位置は、中間または片末端でもよく、特に好ましくは、アイオノマーとの相溶性の観点から、片末端にある方がよい。
上記成分の具体例として、これらに限定するものではないが、ヘキセニルコハク酸,オクテニルコハク酸,デセニルコハク酸,テトラプロペニルコハク酸,ドデセニルコハク酸,ヘキサデセニルコハク酸,オクタデセニルコハク酸,エイコデセニルコハク酸,マレイン化ポリブテン,マレイン化ポリイソブテン,ヘキサニルコハク酸,オクタニルコハク酸,デカニルコハク酸,ドデカニルコハク酸,ヘキサデカニルコハク酸,オクタデカニルコハク酸,エイコデカニルコハク酸,及びそれらの酸無水物などが挙げられる。また、それらのリチウム,ナトリウム,亜鉛,マグネシウム,カルシウム,またはカリウムの金属塩であってもよい。尚、これらの二官能性高級脂肪酸は、一官能性高級脂肪酸と比較すると低臭の化合物である。
上記の(b)成分において、(b)成分が金属塩の場合、或いは、(c)成分によって中和後に金属塩になった場合、一官能性高級脂肪酸の金属塩とは異なり、多塩基酸残基の塩基性強度が強いため、その金属塩の金属カチオンが(a)コポリマー及び/又はターポリマー成分中のカルボン酸への中和に使用されることは殆どない、即ち、金属カチオンの移動が起こりにくい。但し、その金属カチオンを介してコポリマー及び/又はターポリマー成分中のカルボン酸との相互作用はある。
上記の(c)酸素含有無機金属化合物から構成される金属酸化物,金属炭酸塩及び金属水酸化物の群から選ばれる金属カチオン源としては、周期率表の第IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIB及びVIIIBから選択される。酸素含有無機金属化合物の具体例としては、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛,酸化カルシウム,水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムなどが挙げられ、それらの1種又は2種以上が使用される。ただし、上記の具体例に限定されるものではない。
上記の(c)酸素含有無機金属化合物の使用形態として、超微粒子として用いることが好適であり、その平均粒径は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.003μm以上、更に好ましくは0.005μm以上、上限として、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは1.0μm以下、更に好ましくは0.5μm以下である。また、その粒度分布については、好ましくは0.001〜50.0μmであり、より好ましくは0.001〜10.0μm、更に好ましくは0.001〜1.0μmである。上記の超微粒子は、通常の平均粒径が数十μmの粒子と比較すると、その表面が活性であり、酸に対する反応性が高く、また分散性も良好であることから、本発明の中和反応には好適である。また、使用形態として、マスターバッチ化したもの(MBと略す)を使用することができる。そのMB化に使用される酸素含有無機金属化合物の平均粒径は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.005μm以上、上限として好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であり、その粒度分布が0.001〜500μm、好ましくは0.001〜400μm、より好ましくは0.001〜300μmである。その粒径に関しては、上記の酸素含有無機金属化合物の超微粒子ほど微細化したものを使用する必要は必ずしもない。ただし、酸素含有無機金属化合物の平均粒径が大きすぎると、中和反応が完結しない場合があり、一方、小さすぎると、MB化時、分散不良を起こす場合がある。ここで、本発明において平均粒径、粒度分布とは、レーザー回折式粒度分布測定(レーザー回折・散乱法)に準拠して測定した値を意味する。
上記の(c)酸素含有無機金属化合物のMB化に用いるベースポリマー材料としては、高いMFR値を有するものが好適である。例えば、高MFRのエチレン系ワックス、低酸含量高MFRのエチレン系ポリマーなどがあり、Nucrel 699(メタクリル酸含有量11質量%、MFR100g/10min、DuPont社製)、Nucrel N0200H(メタクリル酸含有量2質量%、MFR130g/10min、DuPont社製)などが例示される。また、MB中の酸素含有無機金属化合物の質量%(濃度)は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、上限として、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。MB中の酸素含有無機金属化合物の質量%(濃度)が高くなり過ぎると、MBのMFRが極端に低下し(MFR<0.1g/10min)、その結果、上記(a)及び(b)成分の配合物にMBを配合した際、マスターバッチ中の酸素含有無機金属化合物の分散不良が生じることがある。逆に、低濃度の場合には、MBの添加量が多くなり、MBに使用している高MFRの熱可塑性樹脂(エチレン系ワックス、低酸含量高MFRのエチレン系ポリマー等)の影響が出てしまい、ゴルフボール用材料の物性を低下させるおそれがある。
上記の金属カチオン源として用いられる(c)酸素含有無機金属化合物の配合量に関しては、上記(a)及び(b)の二成分系配合物中に含まれる酸基の中和によって得られるアイオノマー配合組成物のJIS−K 7210に準じたMFRが少なくとも1.0g/10min以上になるように決定することが好ましい。金属カチオン源を多く配合すると、過剰な中和になり、ゴルフボール用材料としての流動性(MFR)が低下し、成形性が損なわれると共に、成形物にウェルドラインが発生しやすく割れやすい原因になる。一方、金属カチオン源配合が不足する場合、ゴルフボール用材料としての物性、反発弾性や耐久性が損なわれるおそれがある。中和度としては、全酸含量に対し、40モル%〜120モル%、好ましくは50モル%〜110モル%である。
上記の(a)及び(b)の二成分系配合物に、中和後のアイオノマー配合組成物のMFR及び相溶性をアップする目的で、任意に配合できる熱可塑性成分(d)として、E/Xで表される共重合体(コポリマー)及び/又はE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)が挙げられる。その構成モノマーは、上記熱可塑性成分(a)記載と同じであるが、重量平均分子量Mwが1,500〜95,000の範囲にあるものに限られる。例えば、Nucrel 599(Mw84,000、DuPont社製)、Primacor 59901(Mw60,000、Dow Chemical社製)、AC580(Mw26,000、Allied Signal社製)、AC5120(Mw5,200、Allied Signal社製)などが挙げられる。
更に、本発明で得られたアイオノマー配合組成物には、更に、他の熱可塑性樹脂成分(e)を配合することができる。この(e)成分としては、下記の例示に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(エチレン系アイオノマー,ポリオレフィン,メタロセンポリオレフィン含む),ポリスチレン系エラストマー,ジエン系ポリマー,ポリアクリレート系ポリマー,ポリアミド系エラストマー,ポリウレタン系エラストマー,ポリエステル系エラストマー,ポリアセタールなどが挙げられる。これらを任意に配合し、ゴルフボール用材料としても利用することができる。
また、上述した熱可塑性樹脂成分(d)及び/又は(e)成分の少なくとも1種類以上を、上記(a)及び(b)の二成分系配合物に予め配合し、その後(c)成分で中和反応を行い、(d)及び/又は(e)成分を配合したアイオノマー配合組成物を得ることができる。(e)成分を配合する場合、アイオノマー配合組成物はIPN(相互侵入網目)構造を少なくとも部分的に有することになる。
上述した熱可塑性樹脂成分(d)及び(e)成分のうち、各々の配合量に関しては、得られるアイオノマー配合組成物の全質量に対して、(d)成分が5〜45質量%、(e)成分が5〜95質量%の範囲であることが好適である。
本発明のゴルフボール用材料(アイオノマー配合組成物)の製法としては、大きく分けて二つの方法がある。一つは、予め(a)成分であるコポリマー及び/又はターポリマー中のカルボン酸をある程度中和し、即ち、コポリマー及び/又はターポリマーのアイオノマーを使用し、(b)成分,(c)成分,及び、任意に(d)成分及び/又は(e)成分を加えて中和反応を行う方法である。もう一つは、(a)成分である未中和のコポリマー及び/又はターポリマーを使用し、(b)成分,(c)成分,及び、任意に(d)成分及び/又は(e)成分を加えて、中和反応を行う方法である。コポリマー及び/又はターポリマーの中和反応を効率的に行う観点から、前者の方法を好適に使用することができる。また、両者の方法において、予め(a)成分,(b)成分、及び任意に(d)成分及び/又は(e)成分をメルトブレンドし、次いで(c)成分を加えて中和反応を行っても良い。
上記の前者の方法において、予め(a)成分として、コポリマー及び/又はターポリマーのアイオノマーを調製する場合、その中和度は、他の成分(b)成分,(c)成分,及び任意に配合される成分(d)成分及び/又は(e)成分とのメルトブレンドを考慮し、そのコポリマー及び/又はターポリマー・アイオノマーの熱溶融時の流動性を損なわない程度にすべきであり、コポリマー及び/又はターポリマー中の酸含有量に対して、10mol%〜90mol%以下に設定することが好ましい。
上記の(c)成分である酸素含有無機金属化合物の金属カチオン源による(a)及び(b)成分と、任意に配合される(d)及び/又は(e)の成分の配合物中の酸中和反応を、ニーディングディスクゾーンを有するスクリューセグメント配置のベント付二軸押出機を使用して行うことが好ましく、スクリュー全体のL/Dが25以上、ニーディングディスクゾーンL/Dが全体L/Dの20〜80%の範囲にある二軸押出機を使用することが好ましい。中和反応を促進するために、液体を添加(注入または滴下)してもよい。その液体としてはROH(RはH又はアルキル基)が好ましく、その添加量は、樹脂押出量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、上限として、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。
本発明のゴルフボール用材料には、更に任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。本発明のゴルフボール用材料をカバー材として用いる場合には上記(a)〜(c)成分と、任意に配合される(d)及び/又は(e)成分のアイオノマー配合組成物に対して、例えば、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などを加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、上記(a)〜(c)成分と、任意に配合される(d)及び/又は(e)成分の総和100質量部に対して0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、上限として10質量部以下、好ましくは4質量部以下である。
なお、本発明のゴルフボール用材料においては、(a)〜(c)成分と、任意に配合される(d)及び/又は(e)成分のアイオノマー配合組成物を必須成分とし、これに所望の材料物性及びゴルフボール物性を付与するものであるが、例えば、中間層材及び/又はカバー材として用いる場合には、上記アイオノマー配合組成物がそれらの部材の全質量に占める割合は、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。
本発明のゴルフボール用材料の比重としては、0.9以上、好ましくは0.92以上、より好ましくは0.94以上、上限として1.3以下、好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.05以下である。
本発明のゴルフボール用材料を用いた成形物のショアD硬度としては、好ましくは35以上、より好ましくは40以上、上限として好ましくは75以下、より好ましくは70以下である。ショアD硬度が高すぎると、形成されたゴルフボールの打撃時のフィーリングが著しく低下する場合があり、ショアD硬度が低すぎると、そのゴルフボールの反発性が低下する場合がある。
本発明で使用される熱可塑性アイオノマー配合組成物は、ゴルフボール用材料として、コアとこのコアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、一層以上のコアとこのコアを被覆する一層以上の中間層とこの中間層を被覆する一層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、本発明の実施例に使用した中和反応用二軸押出機は、スクリュー径32mmΦ、全体L/D41、ニーディングディスクゾーンL/Dが全体L/Dの40%、真空ベントポート及び水圧注入装置付きである。
〔実施例1〕
表1に記載の配合組成において、(a)成分として、Terpolymer−2及び(c)成分としてMgMBを予めドライブレンドし、210℃設定の反応用ニ軸押出機のホッパーに投入した。(b)成分として二官能性高級脂肪酸のComponent−2を使用し、定量フィーダでホッパー下部からペレットフィードと同時に滴下しながら、真空ベント下、二軸押出機の途中から水を圧注入し(注入量2質量% vs.樹脂押出量)、中和反応を行い、均一なアイオノマー配合組成物1を得た(スクリュー回転数135rpm、押出量5.0kg/hr)。得られたアイオノマー配合組成物のMFR、硬度、引張特性を表1に示した。そのアイオノマー配合組成物1をスリーピースゴルフボールの中間層に使用し、コアにBR架橋体(外径37.3mmΦ、重さ32.8g、圧縮歪4.10mm)を用い、射出成形機(設定温度ホッパー:160℃、C1〜ヘッド:180〜220℃)を使用し、射出圧力6.0MPa、保持圧力5.0MPa、射出・保持時間8秒、冷却時間25秒の条件下、射出成形を行い、厚み1.35mmの中間層を作成し、一日ボールを放置後、カバー層にアイオノマーブレンド樹脂(Surlyn8940/Surlyn9910/TiO2配合系)を、同様に射出成形しスリーピースゴルフボール(直径42.7mmΦ、重さ45.5g)を作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表1に記載した。
尚、上記のコア(BR架橋体)は以下の配合で調製した。
コア配合
1,4−シス−ポリブタヂエンゴム 100質量部
アクリル酸亜鉛 21質量部
酸化亜鉛 5質量部
硫酸バリウム 26質量部
ジクミルパ−オキサイド 0.8質量部
比較例1における(a)成分として、Terpolymer−2、(b)成分として、一官能性高級脂肪酸のComponent−1及び(c)成分としてMgMBを用いて得られるアイオノマー配合組成物と比較して、二官能性高級脂肪酸を使用した実施例1のアイオノマー配合組成物1は、(b)成分使用量が少なく、しかもカチオン源の(c)成分も削減でき、中和反応も比較容易に進行し、調製しやすかった。また、ゴルフボール物性の比較では、初速度及び反発弾性が同等もしくは高めであり、耐久性が優れていた。
尚、金属酸化物マスターバッチは特開2007−29668号公報(特許出願番号2005−227691号)に記載した方法に準じて調整した。即ち、5リットル加圧ニーダー(ナニワ製造機械社製、設定温度100℃)を使用し、マスターバッチ用ベースポリマーとして、Nucrel N0200H(エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体、DuPont社製)を用い、水酸化マグネシウムMg(OH)2(平均粒径0.8μm、協和化学社製)との配合比N0200H/Mg(OH)2が50/50(質量比)になるように2.0Kg仕込み、ローター回転数35rpm、混練温度が120℃〜130℃の範囲になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸単軸押出機40mmΦ(ナニワ製造機械社製、温度設定180℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化した。得られたMg(OH)2含有量50質量%のMg(OH)2マスターバッチのMFRは2.3g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られたマスターバッチをMgMBと略した。
〔実施例2〕
表1の実施例2において、(d)成分として、Component−3を追加する以外は、実施例2に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、アイオノマー配合組成物2を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。比較例2の(a)(b)(c)及び(d)成分から得られるアイオノマー配合組成物と比較し、そのアイオノマー配合組成物2は、少ない配合量の二官能性高級脂肪酸の(b)成分及びカチオン源の(c)成分であるにもかかわらず、そのアイオノマー配合組成物を材料に用いたゴルフボールの物性は、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
〔実施例3〕
表1の実施例3において、(a)成分として、Terpolymer−2の代わりにTerpolymer−1を用いる以外は、実施例3に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、アイオノマー配合組成物3を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。実施例2と同様に、比較例2の(a)(b)(c)及び(d)成分から得られるアイオノマー配合組成物と比較すると、そのアイオノマー配合組成物3は、少ない配合量の二官能性高級脂肪酸の(b)成分及びカチオン源の(c)成分であるにもかかわらず、そのアイオノマー配合組成物を材料に用いたゴルフボールの物性は、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
〔実施例4〕
表1の実施例4において、二官能性高級脂肪酸の(b)成分、即ち、Component−2の配合量を増量する以外は、実施例4に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、アイオノマー配合組成物4を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。比較例3のアイオノマー配合組成物、即ち、一官能性高級脂肪酸の(b)成分であるComponent−1の配合量を20質量%まで減らしたアイオノマー配合組成物と比較すると、そのアイオノマー配合組成物4は、適度なMFRで、射出成形が容易であり、そのアイオノマー配合組成物を材料に用いたゴルフボールは、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性は優れていた。
〔実施例5〕
表1の実施例5において、(a)成分として、Terpolymer−1、(b)成分としてComponent−2、(c)成分としてMgMB、及び(d)成分としてComponent−3を用い、実施例5に示した配合割合で、実施例3の操作を繰り返して得られるアイオノマー配合組成物以外に、(e)成分としてComponent−4を用い、実施例5に示した配合割合で、混練配合してアイオノマー配合組成物5を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。(a)(b)(c)(d)に更に(e)成分を配合したアイオノマー配合組成物5を使用したゴルフボールは、どの比較例と比べても、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
〔比較例1〕
実施例1の比較として、(a)成分として、Terpolymer−2、一官能性高級脂肪酸の(b)成分としてComponent−1、及び(c)成分としてMgMBを用いる以外は、表1に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、(a)(b)(c)三成分系アイオノマー配合組成物を得、またその材料を中間層に使用したスリーピースボールを調製した。実施例1の材料と比較し、一官能性高級脂肪酸の(b)成分Component−1を使用しているため、カチオン源である(c)成分MgMBと共に、配合量が多く、その分、中和反応もスムーズに進行せず、そのアイオノマー配合組成物は低MFR(1.0g/10min未満)であり、重要項目であるゴルフボールの初速度、COR反発弾性はやや劣り、耐久性も劣っていた。
〔比較例2〕
実施例2及び実施例3の比較として、(a)成分として、Terpolymer−2、一官能性高級脂肪酸の(b)成分としてComponent−1、(c)成分としてMgMB、及び(d)成分としてComponent−3を用いる以外は、表1に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、(a)(b)(c)及び(d)四成分系アイオノマー配合組成物を得、またその材料を中間層に使用したスリーピースボールを調製した。実施例2及び実施例3の材料と比較し、一官能性高級脂肪酸の(b)成分Component−1を使用しているため、カチオン源である(c)成分MgMBと共に、配合量が多く、その分、中和反応もスムーズに進行しなかった。また、(d)成分配合の影響もあり、MFRは適度であったが、ゴルフボール物性はやや劣っていた。特に、重要項目の一つである耐久性は劣っていた。
〔比較例3〕
実施例4の比較として、一官能性高級脂肪酸の(b)成分であるComponent−1配合量を20質量%にし、(c)成分としてMgMBを用い、表1の配合割合で配合する以外は、上記の比較例1の操作を繰り返し、(a)(b)(c)三成分系アイオノマー配合組成物を得、またその材料を中間層に使用したスリーピースボールを調製した。実施例4の材料と比較して、一官能性高級脂肪酸の(b)成分Component−1を使用しているため、(a)(b)(c)三成分系アイオノマー配合組成物は低MFR(<1.0g/10min)であり、成形加工性が劣ると共に、重要項目の一つであるゴルフボールの耐久性も劣っていた。尚、初速度とCOR反発弾性は同等であった。
Figure 0005401878
※ 上記表中(a)−(e)成分の数字は、質量部で表される。
Terpolymer−1
Terpolymer−2の酸基をマグネシウムイオンで80mol%中和したもの
Terpolymer−2
エチレン−メタアクリル酸−アクリル酸n−ブチル三元共重合体、MFR50g/10min、Mw160,000、DuPont社製
Component−1
オレイン酸、NOF社製
Component−2
ドデセニルコハク酸無水物/ヘキサデセニルコハク酸無水物/オクタデセニルコハク酸無水物=50/48/2(質量比)、酸価380mg KOH/g、DIXIE Chemical社製
Component−3
エチレン−アクリル酸共重合体、Mw5,000、Allied Signal社製
Component−4
エチレン−メタアクリル酸共重合体Naアイオノマー、MFR5.6g/10min、DuPont社製
MgMB
水酸化マグネシウム/エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体=50/50質量%。
MFR(g/10min)
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値である。
ショアD硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度をいう。
UTE(破断点伸び%)、UTS(破断点強度MPa)
JIS−K7161に準じた測定値である。
たわみ変形量
23±1℃の温度で、ゴルフボールを鋼板の上に置き、初期荷重98N(10Kgf)から終荷重1275N(130Kgf)に負荷したときのゴルフボールのたわみ量(mm)である。
初速度
初速はR&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、同温度で測定した。250ポンド(113.4Kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。10個のボールを各々2回打撃して、6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。15分間でこのサイクルを行った。
反発係数(C.O.R 値)
空気砲弾によりボールをスチール板に向けて43m/sで発射させたとき、その跳ね返り速度を計測した。反発係数(C.O.R)は、ボール初速と跳ね返り速度との比率である。
連続耐久性
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ボールの耐久性(Durability)を評価した。ボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させ、ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を耐久性とした。この場合、平均値とは、同種のボールを4個用意し、それぞれのボールを発射させて4個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。試験機のタイプは横型CORであり、金属板への入射速度は43m/sであった。

Claims (13)

  1. 下記(a)及び(b)成分から構成され、これらの成分中の酸基の少なくとも一部を下記(c)成分で中和したアイオノマー配合組成物を含有することを特徴とするゴルフボール用材料。
    (a)成分
    少なくとも1種類のE/Xで表される二元共重合体(コポリマー)、及び/又は、E/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、Eはα−オレフィン、XはC3〜C8の不飽和モノカルボン酸または不飽和ジカルボン酸(酸無水物含む)、Yはアルキル基が1〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸のアルキルエステルであり、XがE/XコポリマーまたはE/X/Yターポリマーの全質量に対して1〜30質量%の量で存在し、YがE/X/Yコポリマーの全質量に対して2〜30質量%の量で存在すると共に、GPC(ゲルパーミェションクロマトグラフ)におけるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが100,000以上であり、且つ、上記二元共重合体及び三元共重合体は、金属イオンにより部分中和されたもの、完全中和されたもの及び未中和物の群から選ばれる1種単独又は2種以上の混合物を含む
    (b)成分
    多カルボン酸の炭素数を含めた炭素数が8以上100未満のアルケニル及びアルキル誘導体からなり、分子量200以上1,500未満の二官能性以上のカルボン酸基を有する高級脂肪酸の酸無水物
    (c)成分
    金属酸化物,金属炭酸塩及び金属水酸化物の群から選ばれる酸素含有無機金属化合物
  2. (b)成分の高級脂肪酸が、ヘキセニルコハク酸,オクテニルコハク酸,デセニルコハク酸,テトラプロペニルコハク酸,ドデセニルコハク酸,ヘキサデセニルコハク酸,オクタデセニルコハク酸,エイコデセニルコハク酸,マレイン化ポリブテン,マレイン化ポリイソブテン,ヘキサニルコハク酸,オクタニルコハク酸,デカニルコハク酸,ドデカニルコハク酸,ヘキサデカニルコハク酸,オクタデカニルコハク酸,エイコデカニルコハク酸並びに、これらのリチウム,ナトリウム,亜鉛,マグネシウム,カルシウム及びカリウムの金属塩の群から選ばれる化合物の少なくとも1種類である請求項1記載のゴルフボール用材料。
  3. (b)成分が(a)及び(b)成分の合計質量に対し、1〜70質量%含まれる請求項1又は2記載のゴルフボール用材料。
  4. (c)成分の金属カチオン種として、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛,酸化カルシウム,水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムの群から選ばれる請求項1、2又は3記載のゴルフボール用材料。
  5. (c)成分がマスターバッチの形で用いられると共に、その(c)成分が(a)及び(b)成分の合計質量に対し、0.1〜20質量%含まれる請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  6. 上記アイオノマー配合組成物のJIS−K 7210に準じたMFRが、少なくとも1.0g/10min以上である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  7. 上記アイオノマー配合組成物に、更に下記の(d)成分及び/又は(e)成分の熱可塑性成分を含む請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
    (d)成分
    少なくとも1種類のE/Xで表される共重合体(コポリマー)、及び/又は、E/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、かつXがE/XまたはE/X/Yの全質量に対して1〜30質量%で存在し、YがE/X/Yコポリマーの全質量に対して2〜30質量%の量で存在し、その重量平均分子量Mwが、GPCにおけるポリスチレン換算重量平均分子量Mwで1,500〜95,000を有すること
    (e)成分
    (e)が、ポリオレフィン系エラストマー(エチレン系アイオノマー,ポリオレフィン,メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールの群から選択される少なくとも1種類のポリマー材料
  8. (d)成分が、得られるアイオノマー配合組成物の全質量に対して、5〜45質量%の量で存在する請求項7記載のゴルフボール用材料。
  9. (e)成分が、得られるアイオノマー配合組成物の全質量に対して、5〜95質量%の量で存在する請求項7記載のゴルフボール用材料。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項記載のアイオノマー配合組成物が二軸押出機を用いて製造されるゴルフボール材料の製造方法。
  12. (C)成分がマスターバッチであり、水注入を行いながら二軸押出機で製造される請求項11記載のゴルフボール材料の製造方法。
  13. スクリュー全体のL/Dが25以上、ニーディングディスクゾーンL/Dが全体L/Dの20〜80%の範囲にある二軸押出機を使用してアイオノマー配合組成物中の中和反応を行う請求項11記載のゴルフボール材料の製造方法。
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