JP7346994B2 - ゴルフボール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内層コア及び外層コアからなる2層のコアと少なくとも1層からなるカバーとを具備するゴルフボールに関する。
ゴルフボールについては、ドライバーショットやロングアイアンショット、更にはミドルアイアンショットの弾道の吹け上がりを抑えるためには、ショット時のバックスピン量を低く抑えることが重要であることは既に知られている。また、ゴルフボールを構成するコアについては、中心付近を軟らかく、外側付近を硬く、且つ、中心から表面に向かって硬度を高くするように硬度設計することにより、各種クラブでショットした時のバックスピン量を低く抑える先行技術文献が多数存在する。
コア内部に所定の硬度の傾斜を設けるために、例えば、(i)ゴム基材としてのシス-1,4-ポリブタジエン、アクリル酸亜鉛及び有機過酸化物(ラジカル開始剤)を含むゴム組成物をコンプレッション成形してなる単層コアや、(ii)上記(i)と同様の組成物に更に硫黄や水などを添加したものをコンプレッション成形してなる単層コア、或いは、(iii)一つのシス-1,4-ポリブタジエン及びアクリル酸亜鉛を含むゴム組成物と、これよりもアクリル酸亜鉛の組成比が高い別のゴム組成物を用い、これらをコンプレッション成形して、それぞれ、内層コア及び外層コアの2層構造にしたコアが例示される。これらの技術は、いずれも、基材ゴムとしてポリブタジエンゴムが使用されているが、その理由は、ソフトなフィーリングと高い反発性能とを両立できる点にある。また、これらのコアについて、中心から表面における内部硬度の硬度傾斜を高くするためには、(i)では、有機過酸化物の種類や使用量及び成形温度を適宜調整すること、(ii)では、上記(i)の方法のほかに、特許文献1や特許文献2に提案されるように、硫黄や水の量を操作すること、(iii)については、特許文献3や特許文献4に提案されるように、内層コア中のアクリル酸亜鉛の組成比と、外層コア中のアクリル酸亜鉛の組成比との差を大きくすること、或いはコアをさらに複数層化することなどの手法が挙げられる。
しかしながら、これらの手法では、ゴルフボールの打撃耐久性の悪化を招くおそれがある。特に、アクリル酸亜鉛の組成比を高めて外層コアを高硬度化しようとすると、コアが脆くなり破壊され易くなってしまう。
また、コアを複数層化に設計することは、1層あたりの直径または厚みを減らすことになり、ゴルフボールの打撃時の耐久性の悪化は避けられない。さらに、内層および外層のいずれの成形工程で、加熱によるコンプレッション成形を行うことは、比較的、大きな時間とエネルギーを要するうえに、複数層化は、加工コストがより一層掛かることになり一般的には好ましくなかった。
特開2015-047502号公報 特開2016-112159号公報 特開2017-046930号公報 特開2018-089103号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、コアの内部に硬度の傾斜を設けてボールの低スピン化を実現するとともに、割れ耐久性を改善し、さらには外層コアの製造コストを比較的抑えて安価に製造できるゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コアを内層コア及び外層コアの2層に形成し、外層コアについては、下記(A)~(C)成分
(A)1,2結合量が50~95%を含むポリブタジエン 100質量部
(B)光硬化型のモノマー,オリゴマー又はポリマー 5~45質量部
(C)光重合開始剤 0.1~2.0質量部
を含むエラストマー組成物により形成し、外層コアの厚さ及び2層からなるコアの表面硬度を特定範囲に設定するようにゴルフボールを設計することにより、ドライバー(W#1)によるフルショット時の低スピン化の効果が大きくなるとともに、ボールの割れ耐久性が改善できることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、コアの中心から表面に向けて硬度傾斜を高く設計するためには、コアを複数層に形成することで容易に行うことができる。しかし、2層以上の複数層からなるコアのうち外層コアの硬度を高くするために、比較的硬いゴム材料で形成すると、ボールの割れ耐久性が悪くなる傾向があった。本発明では、この外層コアの材料を、100~400%の破断伸びを有する優れた引張特性のエラストマー組成物により形成することにより、従来から使用されているコア用ゴム組成物よりも良く伸びるので耐久性が改善されることを知見した。そして、本発明の得られた複数層コアは、コア内部の硬度の傾斜が高く設けられており、ドライバーショットやロングアイアンショット、更にはミドルアイアンショットのバックスピン量を低く抑えることができる。さらに、生産性(加工性)の点においても、内層コアの周囲にプレ成型した外層コアをUV照射で30~60秒程度行うことにより、所望の硬化した外層コアを完成することができるので、この点で加工性に優れる。
従って、本発明は、下記のゴルフボール及びその製造方法を提供する。
1.内層コア及び外層コアからなる2層のコアと、1層または2層以上のカバーとを具備するゴルフボールであって、外層コアは、下記(A)~(C)成分
(A)1,2結合量が50~95%を含むポリブタジエン 100質量部
(B)光硬化型のモノマー,オリゴマー又はポリマー 5~45質量部
(C)光重合開始剤 0.1~2.0質量部
を含むエラストマー組成物(但し、アイオノマー樹脂を含む場合を除く。)により形成され、外層コアの厚さが1.0~4.0mmであると共に、2層からなるコアの表面硬度がJIS-C硬度で75~95であることを特徴とするゴルフボール。
2.内層コアの中心硬度がJIS-C硬度で45~60である上記1記載のゴルフボール。
3.2層からなるコアの表面硬度と中心硬度との差がJIS-C硬度で30~45である上記1又は2記載のゴルフボール。
4.(C)成分の光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤及び光アニオン重合開始剤の群から選ばれる上記1~3のいずれかに記載のゴルフボール。
5.(B)成分が光硬化型のモノマーであって、このモノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸塩、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及びメタクリル酸塩の群から選ばれる上記1~4のいずれかに記載のゴルフボール。
6.外層コアを形成するエラストマー組成物のJIS-K 7161-1規格に準拠した引張試験における破断伸びが100~500%である上記1~5のいずれかに記載のゴルフボール。
7.外層コアは複数層からなり、そのうち、少なくとも最外層が上記(A)~(C)成分を含むエラストマー組成物により形成される上記1~6のいずれかに記載のゴルフボール。
8.上記エラストマー組成物中の上記(A)成分の占める割合が76.0質量%以上である上記1~7のいずれかに記載のゴルフボール。
9.上記エラストマー組成物は、上記(A)、(B)及び(C)成分のみからなる上記1~8のいずれかに記載のゴルフボール。
10.内層コア及び外層コアからなる2層のコアと、1層または2層以上のカバーとを具備するゴルフボールの製造方法であって、内層コアがセットされた金型のキャビティ内に外層コア用のエラストマー組成物を射出し、次いで、上記金型を脱型してUV照射を行うことにより、外層コアを内層コアの周囲に形成する工程を有し、且つ、上記エラストマー組成物は、下記(A)~(C)成分
(A)1,2結合量が50~95%を含むポリブタジエン 100質量部
(B)光硬化型のモノマー,オリゴマー又はポリマー 5~45質量部
(C)光重合開始剤 0.1~2.0質量部
を含むエラストマー組成物(但し、アイオノマー樹脂を含む場合を除く。)であることを特徴とするゴルフボールの製造方法。
11.上記のUV照射の条件が、照射エネルギーが80~150Wであり、照射時間が10~60秒である上記10記載のゴルフボールの製造方法。
本発明のゴルフボールによれば、コアを少なくとも内層及び外層の2層以上に形成することによりコア内部に硬度傾斜を設けてボールの低スピン化が実現するとともに、割れ耐久性を改善し、さらには外層コアの製造コストを比較的抑えて安価に製造できる。
本発明の一実施例を示したゴルフボールの概略断面図である。 各実施例及び各比較例のゴルフボールにおいて、6番アイアンでショットした時のスピン量と耐久性とを示すグラフである。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、内層コア及び外層コアからなる2層のコアと、1層または2層以上のカバーとを具備するゴルフボールである。例えば、図1に示すように、内層コア1aと、該内層コアを被覆する外層コア1bと、これら内層及び外層からなるコア1を被覆する2層からなるカバー(中間層2及び最外層3)を有するゴルフボールGが例示される。また、上記最外層3の外表面には、通常、空力特性の向上のためにディンプルDが多数形成される。以下、上記の各層について詳述する。
本発明で用いるコアは、上記のとおり、内層コア及び外層コアの少なくとも2層からなり、内層コアはゴルフボールの最内芯に相当する。内層コアの材料としては、ゴム材を主材として用いられ、具体的には、主材である基材ゴム、有機過酸化物のほか、共架橋剤、不活性充填剤、必要により有機硫黄化合物等を配合するゴム組成物を採用し得る。
基材ゴムとしては、ポリブタジエンを用いることが好適である。ポリブタジエンについては、そのポリマー鎖中に、シス-1,4-結合を60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上有することが好適である。分子中の結合に占めるシス-1,4-結合が少なすぎると、反発性が低下する場合がある。
なお、基材ゴムには、上記ポリブタジエン以外にも他のゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
有機過酸化物としては、特に制限されるものではないが、1分間半減期温度が110~185℃である有機過酸化物を用いることが好適であり、1種または2種以上の有機過酸化物を使用することができる。有機過酸化物の配合量としては、基材ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、上限値としては、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。上記の有機過酸化物は、市販品を用いることができ、具体的には、商品名「パークミルD」、「パーヘキサC-40」、「ナイパーBW」、「パーロイルL」等(いずれも日油社製)、または、Luperco 231XL(アトケム社製)などを例示することができる。
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常10質量部以上、好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、上限として通常60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
内層コアの製造方法としては、常法に従って、140℃以上180℃以下、10分以上60分以下の加硫条件で加熱圧縮し、球状成形物(内層コア)を成形することができる。
内層コアの直径としては、好ましくは15mm以上、より好ましくは25mm以上、更に好ましくは35mm以上であり、上限として、38mm以下であり、好ましくは37mm以下とすることが推奨される。上記の直径よりも小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時に実打初速が低くなり、狙いの飛距離が得られなくなることがある。逆に、上記の値が大き過ぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなり、或いは、フルショットした時の低スピン効果が足りずに狙いの飛距離が得られなくなる場合がある。
内層コアの中心硬度は、JIS-C硬度で、好ましくは45~60、より好ましくは47~55である。この値が大きすぎると、スピンが増え過ぎて飛ばなくなることがあり、或いは、打感が硬く感じられることがある。逆に、上記の値が小さすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがあり、または、打感が軟らかくなりすぎる場合がある。
内層コアの表面硬度は、JIS-C硬度で、好ましくは75~88、より好ましくは80~85である。この値が大きすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。上記の値が小さすぎると、フルショット時のスピンが増えて狙いの飛距離が得られなくなる場合がある。
本発明の外層コアのエラストマー組成物については、上述した内層コアのゴム組成物の各成分とは異なり本発明では、下記(A)~(C)成分
(A)1,2結合量が50~95%を含むポリブタジエン 100質量部
(B)光硬化型のモノマー,オリゴマー又はポリマー 5~45質量部
(C)光重合開始剤 0.1~2.0質量部
を含むエラストマー組成物により形成される。
(A)成分は、1,2結合量が50~95%を含むポリブタジエンである。即ち、(A)成分のポリブタジエンは、そのポリマー鎖中に、1,2-結合(ビニル構造)以外の結合、即ち、シス-1,4結合及びトランス-1,4結合が5~50%を含むポリブタジエンである。1,2結合量が50%を下回ると、熱や光の刺激による十分な反応が得られない場合がある。
このようなポリブタジエンとしては、市販品を用いることができ、例えば、JSR社製の「JSR RB」のシンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン(熱可塑性エラストマー)が挙げられ、具体的には、「RB810」(メルトインデックス 3g/10min、150℃、21.2N)、「RB820」(メルトインデックス 3g/10min、150℃、21.2N)、「RB830」(メルトインデックス 3g/10min、150℃、21.2N)、「RB840」(メルトインデックス 3g/10min、150℃、21.2N)などが挙げられる。上記ポリブタジエンの流動性については、加工性の観点から、試験法ASTM-D1238によるメルトインデックス(150℃、21.2N)が好ましくは1.0g/10min以上、より好ましくは2.0g/10min以上である。メルトインデックスが上記範囲を下回ると、加工性が悪くなり、射出成型において薄い層の加工が困難になるおそれがある。
(B)成分は、光硬化型のモノマー,オリゴマー又はポリマーであり、これは、(A)成分のベースポリマーの共架橋剤としての役割、または、(B)成分同士を結合させてモノマー又はオリゴマーをポリマー化させる役割を果たす。具体的には、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸塩、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及びメタクリル酸塩の群から選ばれることが好適である。上記のアクリル酸塩又はメタクリル酸塩としては、亜鉛塩やマグネシウム塩等の金属塩が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛又はメタクリル酸塩が好適に用いられる。
(B)成分は、(A)成分100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、上限として45質量部以下、好ましくは40質量部以下配合する。この配合量が多すぎると、コア全体の硬度傾斜は得られるものの、硬くなりすぎてしまい耐久性が悪化するおそれがある。一方、上記の配合量が少なすぎると、コア全体の反発性が低下してしまう場合がある。
(C)成分は光重合開始剤であり、主に、光ラジカル開始剤、光カチオン開始剤及び光アニオン開始剤が例示される。
光ラジカル重合開始剤としては、具体的には、acetophenone, 3'-hydroxyacetophenone, anthraquinone, sodium anthraquinone-2-sulfonate monohydrate, anisoin, p-anisil, benzyl, benzoin, benzophenone, 2-benzoylbenzoic acid, 4,4'-bis(diethylamino)benzophenone, 4,4'-bis(dimethylamino)benzophenone, benzoin methyl ether, benzoin isopropyl ether, 3,3',4,4'-benzophenonetetracarboxylic dianhydride, benzoin isobutyl ether, benzoin ethyl ether, methyl benzoylformate, 4-benzoylbenzoic acid, 2,2'-bis(2-chlorophenyl)-4,4',5,5'-tetraphenyl-1,2'-biimidazole [Photopolymerization initiator], methyl 2-benzoylbenzoate, 4-benzoyl 4'-methyldiphenyl sulfide, 2-(1,3-benzodioxol-5-yl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine, 2-benzyl-2-(dimethylamino)-4'-morpholinobutyrophenone が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、具体的には、bis(4-tert-butylphenyl)iodonium hexafluorophosphate, cyclopropyldiphenylsulfonium tetrafluoroborate, dimethylphenacylsulfonium tetrafluoroborate, diphenyliodonium hexafluorophosphate, diphenyliodonium hexafluoroarsenate, diphenyliodonium trifluoromethanesulfonate, 2-(3,4-dimethoxystyryl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine, 2-[2-(furan-2-yl)vinyl]-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine, 4-isopropyl-4'-methyldiphenyliodonium tetrakis(pentafluorophenyl)borate, 2-[2-(5-methylfuran-2-yl)vinyl]-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine, 2-(4-methoxyphenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine, 2-(4-methoxystyryl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine, 4-nitrobenzenediazonium tetrafluoroborate, triphenylsulfonium tetrafluoroborate, triphenylsulfonium bromide, tri-p-tolylsulfonium hexafluorophosphate, tri-p-tolylsulfonium trifluoromethanesulfonate が挙げられる。
光アニオン重合開始剤としては、具体的には、acetophenone o-benzoyloxime, 1,2-bis(4-methoxyphenyl)-2-oxoethyl cyclohexylcarbamate, nifedipine, 2-nitrobenzyl cyclohexylcarbamate, 2-(9-oxoxanthen-2-yl)propionic acid 1,5,7-triazabicyclo[4.4.0]dec-5-ene salt, 2-(9-oxoxanthen-2-yl)propionic acid 1,5-diazabicyclo[4.3.0]non-5-ene salt, 2-(9-oxoxanthen-2-yl)propionic acid 1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene salt が挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上であり、上限として2.0質量部以下である。この配合量が多すぎると、コア全体の硬度傾斜は得られるものの、硬くなりすぎてしまい耐久性が悪化するおそれがある。一方、上記の配合量が少なすぎると、硬化時間の延長、所望の硬度が得られない場合がある。
外層コアを形成するエラストマー組成物については、JIS-K 7161-1規格に準拠した引張試験における破断伸びが100~500%であることが好適であり、より好ましくは140~450%の範囲である。このように外層コアを形成するゴム材料として硬くて所定範囲で伸びるものを選択することにより、コアの中心と表面との硬度差を大きくして低スピン化を実現させ、ボールの割れ耐久性の悪化を防ぐことができる。
この外層コアの製造方法としては、例えば、射出成形により、内層コアがセットされた金型のキャビティ内に外層コア用のエラストマー組成物を射出し、次いで、金型を脱型してUV照射を行うことにより、外層コアを内層コアの周囲に形成することができる。或いは、外層コア成形用金型に外層コア材である熱可塑性エラストマーを射出し、該エラストマー組成物を冷却させて一対の半球カップ体を製造した後、予め製作した内層コアを一方の半球カップ体に載せ、更に他方の半球カップ体をこれに被せた状態で、UV照射を行うことにより、上記エラストマー組成物を硬化させ、外層コアを内層コアに被覆することができる。
上記のUV照射の条件としては、照射エネルギーが80~150Wであり、照射時間が10~60秒であることが好適である。
外層コアの厚さは、好ましくは1.0~4.0mmであり、より好ましくは1.2~2.0mmである。上記の厚さが厚すぎると、フルショットした時の実打初速が低くなり狙いの飛距離が出なくなることがある。また、上記厚さが薄過ぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなり、或いは、フルショットした時の低スピン効果が足りずに狙いの飛距離が得られなくなる場合がある。
なお、外層コアは1層のほか複数層に形成することができる。外層コアを複数層に形成する場合、少なくとも最外層が上記(A)~(C)成分を含むエラストマー組成物により形成されていることが好適である。
外層コアの表面硬度、即ち全体コアの表面硬度は、JIS-C硬度で75以上であり、好ましくは85以上であり、上限値は95以下であり、好ましくは93以下である。上記の値が大きすぎると、打感が硬くなり、または、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなる場合がある。一方、上記の値が小さすぎると、スピンが増えすぎて飛ばなくなる場合がある。
外層コアの表面と内層コアの中心との硬度差の値は、好ましくは30以上、より好ましくは35以上である。一方、この硬度差の上限値としては、好ましくは45以下、より好ましく42以下である。上記の値が大きすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、上記の値が小さすぎると、スピンが増えすぎて飛距離が出なくなることがある。
なお、上述した内層コアの中心硬度とは、内層コアを半分に(中心を通るように)切断して得た断面の中心において測定される硬度を意味し、外層コアの表面とは、外層コアの表面(球面)において測定される硬度を意味する。
本発明のゴルフボールは、上記コアと、1層または複数層のカバーとを具備する構造を有する。次に、コアを被覆する1層または複数層のカバーについて説明する。
カバー材料については、特に制限はないが、ゴルフボールに用いられている各種のアイオノマー樹脂のほか、ウレタン系、アミド系、エステル系、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマーよりなる群から選択される1種又は2種以上を使用することができる。
上記アイオノマー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。該アイオノマー樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、三井・ダウポリケミカル社製の商品名「H1706」、「H1605」、「H1557」、「H1601」、「AM7329」、「AM7317」及び「AM7318」等を挙げることができる。
また、ボールの低スピン化をより一層実現するために、コアに隣接する層には高度に中和されたアイオノマー材料を用いることもできる。具体的には、下記(i)~(iv)成分を配合した材料を用いることができる。
(i-1)オレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(i-2)オレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0~0:100になるように配合した(i)ベース樹脂と、(ii)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを質量比で100:0~50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(iii)分子量が228~1500の脂肪酸及び/又はその誘導体 5~80質量部と、
(ix)上記(i)成分及び(iii)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1~17質量部
とを配合する混合材料。特に、上記(i)~(ix)成分の混合材料を用いる場合には、酸基が70%以上中和されているものを採用することが好ましい。
本発明におけるカバーを得るには、例えば、ボールの種類に応じて予め作製した2層以上のコアを金型内に配備し、上記混合物を加熱混合溶融し、射出成形することにより、コアの周囲に所望のカバーを被覆する方法等を採用できる。また、カバーの形成方法は、上記のほかに、例えば、本発明のカバー材により予め一対の半球状のハーフカップを成形し、このハーフカップでコアを包んで120~170℃、1~5分間、加圧成形する方法などを採用することもできる。
上記カバーが1層の場合、その厚さは0.3~3mmとすることができる。上記カバーが2層の場合、外層カバーの厚さは0.3~2.0mm、内層カバーの厚さは0.3~2.0mmの範囲とすることができる。また、上記カバーを構成する各層(カバー層)のショアD硬度は、特に制限はないが、40以上とすることが好ましく、より好ましくは45以上であり、上限としては、好ましくは70以下、より好ましくは65以下である。
なお、上記カバーの最外層の表面には、多数のディンプルが形成されるものであり、更にカバー上には下地処理、スタンプ、塗装等種々の処理を行うことができる。特に本発明のカバー材で形成されたカバーにこのような表面処理を施す場合、カバー表面の成形性が良好であるため作業性を良好にして行うことができる。
なお、本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、ボール外径は42.672mm内径のリングを通過しない大きさで42.80mm以下、質量は好ましくは45.0~45.93gに形成することができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
〔実施例1~9、比較例1~14〕
コアの形成
表1に示した各実施例及び比較例の内層用ゴム組成物を調製した後、155℃、15分の加硫条件により加硫成形することにより内層コアを作製した。
Figure 0007346994000001
なお、表1に記載した各成分の詳細は以下の通りである。
・cis-1,4-ポリブタジエン:JSR社製、商品名「BR51」
・アクリル酸亜鉛:日本触媒社製
・酸化亜鉛:商品名「三種酸化亜鉛」(堺化学工業社製)
・硫酸バリウム:商品名「バリコ#100」(ハクスイテック社製)
・老化防止剤:2,2-メチレンビス(4-メチル-6-ブチルフェノール)、商品名「ノクラックNS-6」(大内新興化学工業社製)
・有機過酸化物(1):ジクミルパーオキサイド、商品名「パークミルD」(日油社製)
・有機過酸化物(2):1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC-40」(日油社製)
・ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:和光純薬工業社製
・蒸留水:和光純薬工業社製
次に、表2に示した各実施例及び比較例のエラストマー組成物を調製した後、該エラストマー組成物を、内層コアをセットした金型キャビティ内に射出し、内層コアをエラストマー組成物(外層コア)で被覆した。次いで、金型を脱型して、内層コアの表面に形成された球殻状態の外層コアに対して、UVランプにより照射エネルギー120W、同表に示す照射時間(0秒,25秒,50秒)によりUV照射を実施し、厚さ1.35mmの外層コアを形成したソリッドコア(全体コア)を作製した。各実施例及び比較例のエラストマー組成物による射出成型については問題なく良好に行うことができ、外層コアの加工性が良いことを示すものであった。
比較例14の外層コアについては、ゴム組成物(表1のb11の配合)を未加硫状態でシート状にして一対の外層コア用シートを作製し、該シートを半球状突部が設けられた半型により型押した。その後、型押しされた半加硫状態のゴム組成物を内層コアに被せて155℃で15分間加硫し、内層及び外層からなる2層コアを作製した。このように比較例14では、ゴム組成物を用いているため射出成型を行うことができず上記のように煩雑な工程となり、外層コアの加工性が悪いと判断した。
Figure 0007346994000002
なお、表2に記載した各成分の詳細は以下の通りである。
・1,2-ポリブタジエン:JSR社製、商品名「RB840」〔ショアD硬度:52、メルトインデックス(150℃、21.2N):3g/10min〕
・アクリル酸亜鉛:日本触媒社製
・ベンゾフェノン(光ラジカル重合開始剤):東京化成工業社製、製品名「B0083」
次に、上記で得た直径38.7mmのコアの周囲に、全ての例に共通する材料として表3に示すアイオノマー樹脂を用い、この材料を射出成形法により被覆して、厚さ1.15mmの中間層が被覆された球体(中間層被覆球体)を製造した。次に、上記中間層被覆球体の周囲に、全ての例に共通する材料として表3に示す熱可塑性ポリウレタン樹脂を用い、これを射出成形法により被覆して、厚さ0.85mmの最外層が被覆された球体、即ち、ボール本体(直径42.7mmのフォーピースゴルフボール)を作製した。この際、各実施例、比較例のボール表面には、特に図示してはいないが、共通するディンプルが形成された。
Figure 0007346994000003
表中に記載した主な材料の商品名は以下の通りである。
「サーリン8150」「サーリン9150」:デュポン社製のアイオノマー樹脂
「パンデックス8290」「パンデックス8283」:ディーアイシーコベストロポリマー社製のエーテルタイプの熱可塑性ポリウレタン
「ポリエステルエラストマー」、東レデュポン社製の商品名「ハイトレル4001」
「イソシアネート化合物」:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
「ポリエチレンワックス」:商品名「サンワックス161P」、三洋化成社製
「二酸化チタン」:堺化学工業社製
得られた各ゴルフボールにつき、内層コア(インナーコア)の中心硬度、外層コア(アウターコア)の表面硬度、外層コア材料の破断伸び、および外層コアの成形時の加工性を下記の方法で評価し、下記表4(各実施例)及び表5(各比較例)に示す。
内層コア(インナーコア)の中心及び外層コア(アウターコア)の表面硬度(JIS-C硬度)
内層コア(インナーコア)の中心硬度は、内層コアを半分に(中心を通るように)切断して得た断面の中心硬度を計測した。外層コア(アウターコア)の表面硬度は、コア全体の表面に対して針を垂直になるように押し当てて計測した。いずれも、JIS K 6301-1975に規定するスプリング式硬度計(JIS-C形)により計測した。
引張試験による破断伸び(%)
表2に示す各例の外層コア用エラストマーを、140℃,1分間で加熱し、次いで、10℃,10分間で冷却することによりシート状物を作製し、次いで、同表に示す条件でUV照射して試験片を作製した。得られた試験片について、JIS-K 7161-1に準拠した引張試験を行い、破断伸び(%)を計測した。
各ゴルフボールの飛び性能及び繰り返し打撃耐久性を下記の方法で評価した。その結果を表4に示す。なお、全て23℃の環境下で測定した。
飛び性能(スピン量)
ゴルフ打撃ロボットにドライバー(W#1)をつけてヘッドスピード45m/sにて打撃した時のスピン量を測定した。使用したクラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「TourB XD-5 ドライバー」(ロフト角9.5°)であり、スピン量については打撃した直後のボールを初期条件計測装置により測定した。
また、ゴルフ打撃ロボットにドライバー(6番アイアン)をつけてヘッドスピード42m/sにて打撃した時のスピン量を測定した。使用したクラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「TourB X-CB I#6」であり、スピン量については打撃した直後のボールを初期条件計測装置により測定した。
繰り返し打撃耐久性
ゴルフ打撃ロボットに上記と同様のドライバー(W#1)を付けて、各例のボールをヘッドスピード(HS)40m/sで繰り返し打撃した。比較例10のボール初速が初期10回平均の初速対比で97%以下になった時の回数を100として以下の指標により判断した。各例のボールを3個ずつ使用し、その平均値を用いた。
Figure 0007346994000004
Figure 0007346994000005
各実施例及び各比較例のゴルフボールにおいて、6番アイアンでショットした時のスピン量と耐久性とを示すグラフを図2に示す。
表4、表5及び図2から以下の点が考察される。
実施例1と比較例9とは同等のボール耐久指数を有するが、比較例9の方が6番アイアンでショットした時のバックスピン量が高くなりすぎる。これに対し、実施例1は、6番アイアンでショットした時のバックスピン量が抑えられていて良い。
実施例2~9も実施例1と同様に、耐久性に優れていると共に、6番アイアンでショットした時のバックスピン量が適度に抑えられていて良い。
比較例10~14は、いずれの例も耐久性が劣っている。

Claims (11)

  1. 内層コア及び外層コアからなる2層のコアと、1層または2層以上のカバーとを具備するゴルフボールであって、外層コアは、下記(A)~(C)成分
    (A)1,2結合量が50~95%を含むポリブタジエン 100質量部
    (B)光硬化型のモノマー,オリゴマー又はポリマー 5~45質量部
    (C)光重合開始剤 0.1~2.0質量部
    を含むエラストマー組成物(但し、アイオノマー樹脂を含む場合を除く。)により形成され、外層コアの厚さが1.0~4.0mmであると共に、2層からなるコアの表面硬度がJIS-C硬度で75~95であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 内層コアの中心硬度がJIS-C硬度で45~60である請求項1記載のゴルフボール。
  3. 2層からなるコアの表面硬度と中心硬度との差がJIS-C硬度で30~45である請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. (C)成分の光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤及び光アニオン重合開始剤の群から選ばれる請求項1~3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  5. (B)成分が光硬化型のモノマーであって、このモノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸塩、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及びメタクリル酸塩の群から選ばれる請求項1~4のいずれか1項記載のゴルフボール。
  6. 外層コアを形成するエラストマー組成物のJIS-K 7161-1規格に準拠した引張試験における破断伸びが100~500%である請求項1~5のいずれか1項記載のゴルフボール。
  7. 外層コアは複数層からなり、そのうち、少なくとも最外層が上記(A)~(C)成分を含むエラストマー組成物により形成される請求項1~6のいずれか1項記載のゴルフボール。
  8. 上記エラストマー組成物中の上記(A)成分の占める割合が76.0質量%以上である請求項1~7のいずれか1項記載のゴルフボール。
  9. 上記エラストマー組成物は、上記(A)、(B)及び(C)成分のみからなる請求項1~8のいずれか1項記載のゴルフボール。
  10. 内層コア及び外層コアからなる2層のコアと、1層または2層以上のカバーとを具備するゴルフボールの製造方法であって、内層コアがセットされた金型のキャビティ内に外層コア用のエラストマー組成物を射出し、次いで、上記金型を脱型してUV照射を行うことにより、外層コアを内層コアの周囲に形成する工程を有し、且つ、上記エラストマー組成物は、下記(A)~(C)成分
    (A)1,2結合量が50~95%を含むポリブタジエン 100質量部
    (B)光硬化型のモノマー,オリゴマー又はポリマー 5~45質量部
    (C)光重合開始剤 0.1~2.0質量部
    を含むエラストマー組成物(但し、アイオノマー樹脂を含む場合を除く。)であることを特徴とするゴルフボールの製造方法。
  11. 上記のUV照射の条件が、照射エネルギーが80~150Wであり、照射時間が10~60秒である請求項10記載のゴルフボールの製造方法。
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