JP2000271249A - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
マルチピースソリッドゴルフボールInfo
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Abstract
実現により、低ヘッドスピードでの打撃時や、アイアン
クラブでの打撃時においても優れた飛行性能を有し、か
つ良好な打球感を有するマルチピースソリッドゴルフボ
ールを提供する。 【解決手段】 本発明は、内層コア(1)と外層コア(2)と
から成るコア(4)と該コア上に形成された1層以上のカ
バー(3)とから成り、内層コア(1)が、直径30〜39.5mmお
よびJIS-C中心硬度55〜70を有し、中心からの距離15mm
の位置のJIS-C硬度が中心硬度より5以上だけ高く、か
つゴム組成物から形成され、外層コア(2)が、厚さ0.3〜
2.0mmおよびJIS-C表面硬度75〜90を有し、表面硬度が内
層コアの中心硬度より10以上だけ高く、かつゴム組成物
から形成され、および該カバー(3)が熱可塑性樹脂から
形成され、最外層カバーが厚さ1.5〜2.5mmおよびショア
D表面硬度64以上を有するマルチピースソリッドゴルフ
ボールに関する。
Description
打出角化の実現により、低ヘッドスピードでの打撃時
や、アイアンクラブでの打撃時においても優れた飛行性
能を有し、かつ良好な打球感を有するマルチピースソリ
ッドゴルフボールに関する。
ず登場したのが糸巻きゴルフボールである。糸巻きゴル
フボールは、中心の固体または液体の芯部上に、糸ゴム
を高延伸力下に巻き付けて糸巻きコアを形成し、これに
厚さ1〜2mmのバラタ等によるカバーで被覆して形成さ
れる。
ルフボールと呼ばれるもので、一体成形されたゴム製コ
アをアイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂製のカバーで被
覆したものである。ツーピースソリッドゴルフボール
は、簡単な構造を有しているので、製造が容易で、かつ
高い反発特性と優れた耐久性を有し、アマチュアゴルフ
ァーを中心に広く受け入れられた。
ボールは、糸巻きゴルフボールに比べて硬いため、打球
感が悪いという欠点があった。
において、糸巻きゴルフボールに近い打球感を得るた
め、ソフトタイプのツーピースゴルフボールも提案され
ている。しかしながら、そのようなツーピースゴルフボ
ールを得るためには、軟らかいコアを使用する必要があ
り、それによってボールの反発性能が低下するため、ツ
ーピースソリッドゴルフボールの特徴である飛距離が低
下すると共に耐久性も低下する。
のコアとカバーの間に中間層を設けてスリーピースにし
て、飛行性能と打球感を両立させる試みが多数なされて
おり、現在ではこのスリピース構造が主流となってい
る。例えば、ツーピースソリッドゴルフボールのコアと
同様の組成から成る加硫ゴムを中間層に用いて2層構造
コアとしたスリーピースソリッドゴルフボールが、特開
平8-332247号公報等に開示されている。これらは、いず
れも中間層の厚さが大きく、打撃時のヘッドスピードの
低いゴルファー(特に、ミドルアイアンからショートア
イアンクラブでの打撃時)にとっては、十分な反発特性
と高打出角を得ることが困難であった。
ースソリッドゴルフボールも数多く開示されている(例
えば、特開平9-313643号公報、特開平9-239063号公報
等)。しかしながら、これらはいずれも中間層部分が熱
可塑性樹脂から成り、反発特性が劣り、打球感が硬くて
悪いという問題点があった。
な従来のソリッドゴルフボールの有する問題点を解決
し、打撃時のヘッドスピードの低いゴルファーにでも、
打球感を損なうことなく、十分な反発特性と高打出角化
により飛行性能を向上させたマルチピースソリッドゴル
フボールを提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、内層コアおよび外
層コアから成るコアと該コア上に形成された1層以上の
カバーとから成るマルチピースソリッドゴルフボールに
おいて、内層コアの直径、中心硬度および硬度分布、外
層コアの厚さおよび表面硬度、コアの硬度分布、並びに
カバーの厚さおよび硬度を特定範囲に規定することによ
り、打撃時のヘッドスピードの低いゴルファーにでも、
打球感を損なうことなく、十分な反発特性と高打出角化
により飛行性能を向上させ得ることを見い出し、本発明
を完成した。
コア(2)から成るコア(4)と該コア上に形成された1層以
上のカバー(3)とから成るマルチピースソリッドゴルフ
ボールにおいて、該内層コア(1)が、直径30〜39.5mmお
よびJIS-C硬度による中心硬度55〜70を有し、中心から
の距離15mmの位置のJIS-C硬度が中心硬度より5〜20だ
け高く、かつポリブタジエン、共架橋剤、有機過酸化物
および充填材を必須成分として含有するゴム組成物を加
熱成形して形成され、該外層コア(2)が、厚さ0.3〜2.0m
mおよびJIS-C硬度による表面硬度75〜90を有し、該表面
硬度が該内層コアの中心硬度より10〜35だけ高く、かつ
ポリブタジエン、共架橋剤、有機過酸化物および充填材
を必須成分として含有するゴム組成物を加熱成形して形
成され、および該カバー(3)が熱可塑性樹脂を基材樹脂
として含有し、最外層カバーが厚さ1.5〜2.5mmおよびシ
ョアD硬度による表面硬度64〜72を有することを特徴と
するマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
について更に詳しく説明する。図1は、本発明のゴルフ
ボールの1つの態様を示す概略断面図である。図1に示
すように、本発明のゴルフボールは内層コア(1)と該内
層コア上に形成された外層コア(2)とから成るコア(4)
と、該コアを被覆する1層以上のカバー(3)とから成
る。但し、図1では説明をわかりやすくするため、1層
のカバー(3)を有するゴルフボールとした。
(2)共に、ポリブタジエンに共架橋剤、有機過酸化物お
よび充填材を必須成分として配合したゴム組成物を加熱
加圧成形して製造することを必要とする。ポリブタジエ
ンは、従来からソリッドゴルフボールのコアに用いられ
ているものであればよいが、特にシス-1,4-結合少なく
とも40%以上、好ましくは80%以上を有するいわゆるハ
イシスポリブタジエンゴムが好ましく、所望により上記
ポリブタジエンゴムには、天然ゴム、ポリイソプレンゴ
ム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン‐プロピレ
ン‐ジエンゴム(EPDM)等を配合してもよい。
クリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カ
ルボン酸の、亜鉛、マグネシウム塩等の一価または二価
の金属塩、またはそれらとアクリルエステルやメタクリ
ルエステルとのブレンド等が挙げられるが、高い反発性
を付与するアクリル酸亜鉛が好適である。配合量はポリ
ブタジエン100重量部に対して、5〜70重量部、好まし
くは5〜65重量部、より好ましくは5〜50重量部、更に
好ましくは10〜40重量部である。70重量部より多いと硬
くなり過ぎて打球感が悪くなり、5重量部未満では、適
当な硬さにするために有機過酸化物の量を増加しなけれ
ばならず反発が悪くなり飛距離が低下する。
ーオキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,
5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐
ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ‐t‐ブチルパー
オキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好
適である。配合量はポリブタジエン100重量部に対して
0.2〜7.0重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部である。0.
2重量部未満では軟らかくなり過ぎて反発が悪くなり飛
距離が低下する。7.0重量部を越えると適切な硬さにす
るためにα,β-不飽和カルボン酸の金属塩の量を減少し
なければならず反発が悪くなり飛距離が低下する。
コアに通常配合されるものであればよく、例えば無機充
填材、具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カル
シウム、酸化マグネシウム等が挙げられ、高比重金属充
填材、例えばタングステン粉末、モリブデン粉末等およ
びそれらの混合物と併用してもよい。配合量は、それぞ
れポリブタジエン100重量部に対して3〜50重量部、好
ましくは10〜30重量部である。3重量部未満では重量調
整が難しく、50重量部を越えるとゴムの重量分率が小さ
くなり反発が低くなり過ぎる。
化防止剤またはしゃく解剤、その他ソリッドゴルフボー
ルのコアの製造に通常使用し得る成分を適宜配合しても
よい。配合量は、ポリブタジエン100重量部に対して、
老化防止剤は0.1〜1.0重量部、しゃく解剤は0.1〜5.0重
量部であることが好ましい。
製造方法を、図2〜図3を用いて説明する。図2は、本
発明のゴルフボールに用いられる外層コア成形用金型の
1つの態様の概略断面図である。図3は、本発明のゴル
フボールに用いられるコア成形用金型の1つの態様の概
略断面図である。まず、上記内層コア用ゴム組成物を、
押出機を用いて円筒状の未加硫内層コアに成形する。次
いで、図2に示すような半球状キャビティを有する半球
状金型(5)と内層コアと同形の半球凸部を有する中子金
型(6)とを用いて、上記外層用ゴム組成物を、例えば120
〜160℃で2〜30分間加熱プレスして、加硫半球殻状外
層コア(7)を成形する。続いて、図3に示すような上下
2つのコア用金型(8)を用いて、上記未加硫内層コア(9)
を上記半球殻状外層コア(7)2個で挟んで、例えば140〜
180℃で10〜60分間一体加硫成形して、内層コア(1)と該
内層コア上に形成された外層コア(2)とから成るコア(4)
を形成する。
5mm、好ましくは32.5〜38.5mm、より好ましくは32.5〜3
8.0mm、更に好ましくは32.5〜36.5mmとするが、30mmよ
り小さいと、外層コアまたはカバーを所望の厚さより厚
くする必要があり、その結果、打球感が硬く悪いものと
なる。また内層コアの直径が39.5mmより大きいと、得ら
れるゴルフボールとしての外剛内柔の効果が薄れて打出
角が低くなる。
による中心硬度を55〜70、好ましくは59〜67、より好ま
しくは62〜66とするが、55より小さいと、打球感が重く
なるとともに、軟らかくなり過ぎて反発性能が低下し、
飛距離が低下する。また、70より大きいと、硬い芯のあ
る悪い打球感となってしまい、反発性は有するものの打
出角が低くなって飛距離が低下する。特に、打撃時に低
ヘッドスピードのゴルファーにとっては、そのような影
響が大きくなる。
離15mmの位置でのJIS‐C硬度が中心硬度より5〜20、好
ましくは5〜15だけ高いことを要件とするが、5より小
さいと、打出角が低くなって飛距離が低下する。また、
上記硬度差が20より大きくなると、反発性能が低下し、
打球感が重く悪くなる。上記内層コアの中心からの距離
15mmの位置でのJIS‐C硬度は、60〜90、好ましくは65〜
85、より好ましくは70〜80である。60より小さいと打球
感が重くなるとともに、軟らかくなり過ぎて反発性能が
低下し、90より大きいと打球感が硬くて悪くなる。尚、
内層コアの中心硬度および中心からの距離15mmの位置で
の硬度とは、上記のように内層コアと外層コアを一体加
硫成形して形成したコアを、通常2等分切断し、コアの
中心および中心からの距離15mmの位置で測定した硬度を
意味する。
0mm、好ましくは0.5〜1.8mm、更に好ましくは1.3〜1.8m
mとするが、0.3mmより小さいと、内層コアとの硬度差は
あるものの、それによる効果が薄れ、高打出角化および
高反発化にロスが生じる。よって、外層コア(2)の厚さ
の下限については、0.4mm以上、更に0.5mm以上とするの
がよい。2.0mmより大きいと、反発特性は向上するが打
出角が低くなり、また打球感も硬く悪いものとなる。特
に、打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーや、あるい
はミドルアイアンからショートアイアンクラブ等での打
撃時には、そのような影響が大きく、打出角が低くなっ
て飛距離が低下する。よって、外層コア(2)の厚さの上
限については、1.8mm以下、更に1.5mm以下とするのがよ
く、この上限規定は前記下限規定のいずれとも組み合わ
せて、上下限の好ましい範囲を定めることができる。
による表面硬度を75〜90、好ましくは79〜88、より好ま
しくは82〜86とするが、75より小さいと、打出角が低
く、反発性能も低下し、飛距離が低下する。90より大き
いと、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。加えて、本発
明では、外層コアの表面硬度が内層コアの中心硬度より
10〜35、好ましくは15〜30だけ高いことを要件とする
が、10より小さいと、高打出角化および高反発化の効果
が薄れて飛距離が低下する。また、上記硬度差が35より
大きくなると、打球感が重くなったり、或いは硬くなっ
て悪くなる。ここで、外層コアの表面の硬度とは、上記
のように内層コアと外層コアを一体加硫成形して形成し
た2層構造を有するコアの表面硬度を意味する。
内層コア(1)と同様にポリブタジエン、共架橋剤、有機
過酸化物および充填材を必須成分として含有するゴム組
成物を加熱成形して形成されることを要件とする。この
ように、外層コア(2)が、アイオノマー樹脂、熱可塑性
エラストマー、ジエン系共重合体等の熱可塑性樹脂から
構成されるのではなく、上記ゴム組成物の加熱成形体か
ら構成されることによって、反発特性が向上し、打球感
が良好となる。また、内層コア(1)と外層コア(2)との両
層が同様の加硫ゴム組成物から成るために、両層間の優
れた密着性により耐久性も向上する。更に、周知の通
り、ゴムは樹脂に比較して、常温以下の低温領域での性
能低下が小さいため、それを用いた本発明の外層コアは
低温反発特性が優れる。
バー(3)を被覆する。本発明では、カバー(3)のうち、最
外層カバーの厚さを1.5〜2.5mm、好ましくは1.8〜2.3mm
とするが、1.5mmより小さいと反発性や耐久性が低下
し、2.5mmより大きいと打球感が硬くて悪くなる。また
本発明では、最外層カバーのショアD硬度による表面硬
度を64〜72、好ましくは65〜71とするが、64より小さい
と、低打出角および高スピン量となるとともに反発性能
が低下して飛距離が低下する。また、上記最外層カバー
表面硬度が72より大きくなると、打球感が硬くて悪くな
る。
通常ゴルフボールのカバーに用いられるアイオノマー樹
脂を基材樹脂として含有する。上記アイオノマー樹脂と
しては、エチレンとα,β‐不飽和カルボン酸との共重
合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオン
で中和したもの、またはエチレンとα,β‐不飽和カル
ボン酸とα,β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元共
重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオ
ンで中和したものである。上記のα,β‐不飽和カルボ
ン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマ
ル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアク
リル酸とメタクリル酸が好ましい。また、α,β‐不飽
和カルボン酸エステル金属塩としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、
エチル、プロピル、n‐ブチル、イソブチルエステル等
が用いられ、特にアクリル酸エステルとメタクリル酸エ
ステルが好ましい。上記エチレンとα,β‐不飽和カル
ボン酸との共重合体中や、エチレンとα,β‐不飽和カ
ルボン酸とα,β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元
共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和す
る金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アル
ミニウム、錫、ジルコニウム、カドミウムイオン等が挙
げられるが、特にナトリウム、亜鉛、マグネシウムイオ
ンが反発性、耐久性等からよく用いられ好ましい。
それだけに限定されないが、ハイミラン1555、1557、16
05、1652、1702、1705、1706、1707、1855、1856(三井
デュポンポリケミカル社製)、サーリン8945、サーリン9
945、サーリンAD8511、サーリンAD8512、サーリンAD854
2(デュポン社製)、IOTEK 7010、8000(エクソン(Exxo
n)社製)等を例示することができる。これらのアイオノ
マーは、上記例示のものをそれぞれ単独または2種以上
の混合物として用いてもよい。
の例としては、上記のようなアイオノマー樹脂のみであ
ってもよいが、アイオノマー樹脂と熱可塑性エラストマ
ーやジエン系ブロック共重合体等の1種以上とを組合せ
て用いてもよい。上記熱可塑性エラストマーの具体例と
して、例えば東レ(株)から商品名「ペバックス」で市販
されている(例えば、「ペバックス2533」)ポリアミド
系熱可塑性エラストマー、東レ・デュポン(株)から商品
名「ハイトレル」で市販されている(例えば、「ハイト
レル3548」、「ハイトレル4047」)ポリエステル系熱可
塑性エラストマー、武田バーディシュ(株)から商品名
「エラストラン」で市販されている(例えば、「エラス
トランET880」)ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
等が挙げられる。
ク共重合体または部分水添ブロック共重合体の共役ジエ
ン化合物に由来する二重結合を有するものである。その
基体となるブロック共重合体とは、少なくとも1種のビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少な
くとも1種の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBとから成るブロック共重合体である。また、部分
水添ブロック共重合体とは、上記ブロック共重合体を水
素添加して得られるものである。ブロック共重合体を構
成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、
α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐t‐ブチル
スチレン、1,1‐ジフェニルスチレン等の中から1種ま
たは2種以上を選択することができ、スチレンが好まし
い。また、共役ジエン化合物としては、例えばブタジエ
ン、イソプレン、1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐
1,3‐ブタジエン等の中から1種または2種以上を選択
することができ、ブタジエン、イソプレンおよびこれら
の組合せが好ましい。上記ジエン系ブロック共重合体の
具体例としては、例えばダイセル化学工業(株)から商品
名「エポフレンド」市販されているもの(例えば、「エ
ポフレンドA1010」)が挙げられる。
ロック共重合体等の配合量は、カバー用の基材樹脂100
重量部に対して、1〜60重量部、好ましくは1〜35であ
る。1重量部より少ないとそれらを配合することによる
打球時の衝撃低下等の効果が不十分となり、60重量部よ
り多いとカバーが軟らかくなり過ぎて反発性が低下した
り、またアイオノマーとの相溶性が悪くなって耐久性が
低下しやすくなる。
以外に必要に応じて、種々の添加剤、例えば二酸化チタ
ン等の顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤等を添加してもよい。
も、特に限定されるものではなく、通常のカバーを被覆
する方法で行うことができる。カバー用組成物を予め半
球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコア
を包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、また
は上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコア
を包み込む方法が用いられる。そして、カバー成形時
に、必要に応じて、ボール表面にディンプルを形成し、
また、カバー成形後、ペイント仕上げ、スタンプ等も必
要に応じて施し得る。
実現により、低ヘッドスピードでの打撃時やアイアンク
ラブでの打撃時においても優れた飛行性能を有し、かつ
良好な打球感を有するマルチピースソリッドゴルフボー
ルを提供する。
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
較例)に示した配合の内層コア用ゴム組成物を混練し、
押出成形して円筒状の未加硫成形物を得た。
較例)に示した配合の外層コア用ゴム組成物を混練し、
図2に示すような金型(5、6)内で、同表に示す加硫条件
により加熱プレスすることによって、外層コア用の半球
殻状加硫成形物(7)を得た。
i)で作製した2つの外層コア用半球殻状加硫成形物(7)
で挟んで、図3に示すような金型(8)内で、以下の表1
および2(実施例)並びに表3および4(比較例)に示
す加硫条件により加熱プレスすることによって、2層構
造を有するコア(4)を作製した。得られたコア(4)の表面
硬度を測定し、その結果を外層コアのJIS-C硬度による
表面硬度として表8および9(実施例)並びに表10およ
び11(比較例)に示した。更に、内層コアの直径および
硬度(中心および中心からの距離15mmの位置)並びに外
層コアの厚さを測定し、その結果を同表に示した。それ
らの結果から、内層コアの中心からの距離15mmの位置と
中心との硬度差、外層コアの表面と内層コアの中心との
硬度差を計算し、同表に示した。
表5に示した配合の外層コア用組成物を直接射出成形す
ることにより、2層構造を有するコア(4)を作製した。
得られたコア(4)の表面硬度を測定し、その結果を外層
コアの表面硬度として表11に示した。更に、内層コアの
直径および硬度(中心および中心からの距離15mmの位
置)並びに外層コアの厚さを測定し、その結果を同表に
示した。それらの結果から、内層コアの中心からの距離
15mmの位置と中心との硬度差、外層コアの表面と内層コ
アの中心との硬度差を計算し、同表に示した
合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、
ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、
スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリュ
ーL/D=35であり、配合物は押出機のダイの位置で150
〜260℃に加熱された。得られたカバー用組成物のショ
アD硬度を測定し、その結果を表8および9(実施例)
並びに表10および11(比較例)に示した。試験方法は後
述の通り行った。
ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体
系アイオノマー樹脂、ショアD硬度=61、曲げ剛性率=
300MPa (注3)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中
和エチレン-メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂、、ショアD硬度=63、曲げ剛性率=215MPa (注4)三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイ
オン中和エチレン-メタクリル酸共重合体系アイオノマ
ー樹脂、ショアD硬度=62、曲げ剛性率=310MPa (注5)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中
和エチレン-メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂、、ショアD硬度=62、曲げ剛性率=150MPa (注6)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中
和エチレン-メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂、、ショアD硬度=60、曲げ剛性率=270MPa (注7)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中
和エチレン-メタクリル酸-アクリル酸イソブチル三元共
重合体系アイオノマー樹脂、ショアD硬度=54、曲げ剛
性率=87MPa (注8)デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン-メ
タクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、ショアD硬度
=63、曲げ剛性率=270MPa (注9)デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン-メタクリ
ル酸共重合体系アイオノマー樹脂、ショアD硬度=61、
曲げ剛性率=220MPa (注10)デュポン社製のマグネシウムイオン中和エチレン
-メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、ショアD
硬度=44、曲げ剛性率=35MPa (注11)アトケム(ATOCHEM)社製のポリエーテルアミド系
熱可塑性エラストマー (注12)ダイセル化学工業(株)製のエポキシ基を含有する
ポリブタジエンブロックを有するスチレン-ブタジエン-
スチレン(SBS)構造のブロック共重合体、JIS-A硬度
=67、スチレン/ブタジエン=40/60(重量比)、エポキシ
含量約1.5〜1.7重量%
のカバー用組成物を、上記のように得られた2層構造を
有するコア(4)上に直接射出成形することにより、表8
および9(実施例)並びに表10および11(比較例)に示
すカバー厚さを有するカバー層(3)を形成し、表面にペ
イントを塗装して、直径42.7mmを有するゴルフボールを
作製した。得られたゴルフボールのボール初速度、打出
角、スピン量、飛距離および打球感を測定または評価
し、その結果を表8および9(実施例)並びに表10およ
び11(比較例)に示した。試験方法は後述の通り行っ
た。
て、その表面の硬度をASTM-D 224Dに規定されるスプリ
ング式硬度計ショアD型を用いて23℃の環境下で測定す
る。
ラブ(I#5)を取付け、ゴルフボールをヘッドスピー
ド30m/秒で打撃し、ボール初速、打出角(打ち出された
時のゴルフボールの発射角度)、飛距離としてキャリー
(落下点までの距離)を測定し、打撃されたゴルフボー
ルを連続写真撮影することによってスピン量を求めた。
ーでの実打テストで評価する。評価基準は以下の通りで
ある。 評価基準 ◎ … 10人中10人が打球感が良好と答え、非常に軟ら
かい ○ … 10人中9〜8人が打球感が良好と答え、軟らかい △ … 10人中7〜4人が打球感が良好と答え、普通 △H … 10人中7〜4人が打球感が良好と答え、少し硬い △W … 10人中7〜4人が打球感が良好と答え、少し重い ×H … 10人中3人以下が打球感が良好と答え、少し硬
い ×W … 10人中3人以下が打球感が良好と答え、少し重
い
度および硬度分布、外層コアの厚さおよび表面硬度、コ
アの硬度分布、並びにカバーの厚さおよび硬度を特定範
囲に規定した実施例1〜12の本発明のゴルフボールは、
比較例1〜11のゴルフボールに比べて、アイアン5番ク
ラブによる打撃時においても打出角が高く、飛距離が大
きく、非常に良好な打球感を有することがわかった。
硬度が高いため、打球感が硬くて悪く、打出角が低くて
飛距離が小さい。比較例2のゴルフボールは内層コアの
中心からの距離15mmの位置と中心との硬度差が小さいた
め、打出角が低くて飛距離が小さい。比較例3のゴルフ
ボールは内層コアの中心硬度が高いため、打球感が悪
く、打出角が低くて飛距離が小さく、また外層コアの表
面と内層コアの中心との硬度差が小さいため、打出角が
低くて飛距離が小さい。比較例4のゴルフボールは外層
コアの表面硬度が低いために、打出角が低くて飛距離が
小さい。
硬度が小さいため、低打出角および高スピン量となって
飛距離が小さい。比較例6のゴルフボールは外層コアの
厚さが大きいため、打出角が低くて飛距離が小さく、ま
た打球感も硬くて悪い。比較例7のゴルフボールは最外
層のカバー硬度が小さいため、低打出角および高スピン
量となって飛距離が小さい。比較例8のゴルフボール
は、外層コアがゴム組成物ではなくて熱可塑性樹脂から
成るため打球感が硬くて悪く、また最外層のカバー硬度
が小さいため、低打出角および高スピン量となって飛距
離が小さい。また、比較例8は比較例7とは外層コアが
ゴムと樹脂の違いのみであるが、それと比べても、打球
感が硬くて悪く、また飛距離が小さい。
塑性樹脂から成り、カバー配合のみ異なって最外層のカ
バー硬度が更に小さいため、打球感が重くて悪く、また
低打出角および高スピン量となって飛距離が非常に小さ
い。比較例10および11のゴルフボールは、外層コアがゴ
ム組成物ではなくて熱可塑性樹脂から成るため打球感が
硬くて悪く、また反発性が低くてボール初速が小さく、
飛距離が短い。
ールは、内層コアの直径、中心硬度および硬度分布、外
層コアの厚さおよび表面硬度、コアの硬度分布、並びに
カバーの厚さおよび硬度を特定範囲に規定することによ
り、高打出角化の実現により、低ヘッドスピードでの打
撃時や、アイアンクラブでの打撃時においても優れた飛
行性能を有し、かつ良好な打球感を有する。
面図である。
の1つの態様の概略断面図である。
つの態様の概略断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 内層コア(1)および外層コア(2)から成る
コア(4)と該コア上に形成された1層以上のカバー(3)と
から成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、 該内層コア(1)が、直径30〜39.5mmおよびJIS-C硬度によ
る中心硬度55〜70を有し、中心からの距離15mmの位置の
JIS-C硬度が中心硬度より5〜20だけ高く、かつポリブ
タジエン、共架橋剤、有機過酸化物および充填材を必須
成分として含有するゴム組成物を加熱成形して形成さ
れ、 該外層コア(2)が、厚さ0.3〜2.0mmおよびJIS-C硬度によ
る表面硬度75〜90を有し、該表面硬度が該内層コアの中
心硬度より10〜35だけ高く、かつポリブタジエン、共架
橋剤、有機過酸化物および充填材を必須成分として含有
するゴム組成物を加熱成形して形成され、および該カバ
ー(3)が熱可塑性樹脂を基材樹脂として含有し、最外層
カバーが厚さ1.5〜2.5mmおよびショアD硬度による表面
硬度64〜72を有することを特徴とするマルチピースソリ
ッドゴルフボール。 - 【請求項2】 前記内層コアが中心硬度59〜67を有する
請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 【請求項3】 前記カバーが1層である請求項1記載の
マルチピースソリッドゴルフボール。
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