JP5206515B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着ベルト駆動方式の定着装置及び該定着装置を用いたレーザビームプリンタ、デジタル複写機、普通紙ファックス等のOA機器である画像形成装置に関するものである。
可視像形成のためにトナーを用いる画像形成装置においては、トナー画像を転写紙等の記録媒体に永久画像として定着するために定着装置が備えられている。その定着装置では、加熱され回転している定着部材(定着ローラや定着ベルト)と、それに圧接・回転している加圧部材(加圧ローラや加圧ベルト)等によって形成された圧接部を記録媒体が通過することによって、記録媒体上に担持されたトナーが溶融され記録媒体上にトナー画像が定着される。
近年、省エネルギー化が進んでおり、電力を多く必要とする高熱容量の定着部材を用いた蓄熱型よりも小熱容量型の定着装置が主流になってきている。その為、熱容量の大きな定着ローラよりも、断熱タイプの発泡シリコン等を用いた定着ローラを使用し、蓄熱部には小熱容量である無端状の定着ベルトを用いた定着装置が増えている。定着ベルトを用いると、熱容量が小さいので、定着装置の立ち上げ時に、短時間で定着ベルトの温度を必要温度まで上昇させることができ、ウォームアップ時間を短縮することができる。その為、省エネルギーを目的とした定着装置においては必要不可欠な部材である。定着ベルトの基体としては、耐熱性が高く、熱膨張量が少なく、しかも比較的強度が大きな無端状のポリイミド樹脂が多用されている。その表層に弾性層としてシリコンゴム等が被覆され、さらに最外層にトナーとの離型性に優れたフッ素系のチューブが被覆、もしくはコーティングされた構成が多い。
また、近年さらに高速化及び高生産性が求められており、且つ機械サイズも大きくできないので、ベルト定着において、記録媒体を挟持加熱加圧する圧接部をなるべく広くする検討がなされてきた。その達成手段として、定着ベルト(もしくは加圧ベルト)を挟んだ定着ローラと加圧ローラのニップ部(圧接部)だけではなく、別ローラもしくは別部材を用いて定着ベルト(もしくは加圧ベルト)を加圧ローラ(もしくは定着ローラ)に巻きつけた構成によって、ニップ部(圧接部)を広げる(ニップ幅を長くするともいう)ことによって定着性を向上し、高速化や高生産性に対応する定着装置が増えてきている。また、紙種多様性に対する要求も増えてきており、紙種に応じて加圧ローラ位置を変えることによって上記ニップ部の長さを変える構成も必要になってきている。
しかし、この形式の定着装置においては、圧力の安定した定着ローラと加圧ローラ間の第一のニップ部に加えて別ローラ及び別部材による第二のニップ部が存在し、両者間の中間ニップ部の圧力が不安定になりがちであり、この不安定な圧力の中間ニップ部で画像を乱すなどの課題が生じている。不安定な中間ニップ部で定着ベルト(もしくは加圧ベルト)の浮きやスリップ及び定着側と加圧側の相対速度差が生じやすいためである。
上記課題を解決する発明として、特許文献1に、定着ベルトを加熱ローラ,駆動ローラ,支持・押圧ローラに掛け渡し、定着ベルトを挟んで駆動ローラ及び支持・押圧ローラと圧接するように加圧ローラを設ける構成が提案されている。この発明では、駆動ローラは支持・押圧ローラよりも下流側(記録紙の通過方向)に配置され、駆動ローラと加圧ローラの軸はアーム部材に枢着され、軸端部のギヤが互いに噛み合わされる。そして、駆動ローラに対して記録紙排出方向の引張り力を作用させるようにしている。これにより、定着ベルトの浮き及びスリップを防止するものである。また、駆動ローラと加圧ローラのニップ圧が常に安定し、梨地画像を防止することもできる。
上記構成により、支持・押圧ローラと加圧ローラ間の第一ニップ及び駆動ローラと加圧ローラ間の第二ニップの間に位置する中間ニップでの浮きや、不安定な圧の低減は向上するが、駆動ローラと加圧ローラとが互いにギヤ連結されているためにお互いの速度を別々に調整することができない。
また、特許文献2でも、定着部材と加圧部材間の相対速度差低減に関する発明が開示されている。この発明は、第1駆動源により駆動回転する定着ローラと定着ローラに圧接して回動する無端状の加圧ベルトとでトナー画像を担持する記録材を挟持し、加熱加圧により定着する定着ニップ部を有する定着装置において、無端状の加圧ベルトを回動する第2駆動源と、トナー画像を担持する記録材を定着ニップ部において加熱加圧する積算時間を計測する積算時間計測手段と、積算時間計測手段が所定の積算時間を計測したとき、第2駆動源の出力を所定量だけ増加させる第2駆動源出力制御手段と、を備える定着装置である。
上記構成は、耐久性改善を目的として、初期と経時で発生する定着ローラと加圧ベルトユニットとの相対速度変動を低減する構成である。ユニット寿命の長いスパンで発生する相対速度変動低減には有効であるが、紙種毎の設定温度の違いや、通紙中初期と経時で発生する相対速度変動には対応できない課題がある。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、定着ベルトユニット(定着ベルト、定着ローラ、分離ローラ)と加圧ローラのニップ部での相対速度差を低減し該ニップ部の中間領域で発生しがちな異常画像を防止する定着装置及び該定着装置を用いた画像形成装置を提供することを目的する。更には、前記定着装置の下流に光沢付与装置を設けて光沢制御を行う構成においてもそれに伴い画像乱れや記録媒体の皺等の不具合が発生しない画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 駆動ローラである定着ローラ(定着ローラ12)と、駆動ローラである分離ローラ(分離ローラ13)と、前記定着ローラ及び分離ローラに架け渡される無端状の定着ベルト(定着ベルト11)と、駆動ローラであって、前記定着ベルトを介して定着ローラ及び分離ローラに圧接してニップ部(ニップ部N1)を形成する加圧ローラ(加圧ローラ14)と、第1モータ(第1モータ11m)と、一方向クラッチ(一方向クラッチ18a)を有し、前記分離ローラの周速(Vs)が定着ローラの周速(Vf)よりも大となる駆動伝達系(駆動伝達系11t)とからなり、前記第1モータの駆動を前記一方向クラッチを介して定着ローラに伝達するとともに、該第1モータの駆動を分離ローラに伝達する第1駆動機構(第1駆動機構11s)と、第2モータ(第2モータ14m)と、駆動伝達系(駆動伝達系14t)とからなり、前記第2モータの駆動を前記加圧ローラに伝達する第2駆動機構(第2駆動機構14s)と、を備え、前記加圧ローラの周速(Vp)が前記定着ローラの周速(Vf)よりも大の関係になると、前記一方向クラッチが空転して該定着ローラは加圧ローラの回転に連れ回りすることを特徴とする定着装置(定着装置5、図1〜図5)。
〔2〕 前記加圧ローラの周速(Vp)が前記定着ローラの周速(Vf)よりも大の関係になると、前記一方向クラッチが空転して該定着ローラは加圧ローラの回転に連れ回りするとともに、前記分離ローラは第1駆動機構により駆動回転することを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置(図5)。
〔3〕 前記第1駆動機構は、駆動伝達系に、前記加圧ローラの周速(Vp)が前記分離ローラの周速(Vs)よりも大の関係になると空転して該分離ローラが加圧ローラの回転に連れ回りするようになる第2の一方向クラッチ(一方向クラッチ22a)を有することを特徴とする前記〔2〕に記載の定着装置(図4(d))。
〔4〕 前記加圧ローラの周速をVp、前記一方向クラッチがロックした状態での定着ローラ、分離ローラそれぞれの周速をVf,Vsとしたとき、記録媒体搬送中に、Vs≧Vp>Vfの関係が成り立つように、前記第1駆動機構及び/又は第2駆動機構の駆動制御が行われることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の定着装置。
〔5〕 前記第1モータの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出する第1モータ検出手段と、該第1モータの回転数を変更する第1モータ回転数変更手段と、を備え、記録媒体搬送中に、前記第1モータ検出手段の検出値が所定範囲内になるように、前記第1モータの回転数についてフィードバック制御を行い、Vs≧Vp>Vfの関係を成り立たせることを特徴とする前記〔4〕に記載の定着装置。
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置(定着装置5)を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置100、図6)。
〔7〕 加熱部材(加熱ローラ80)と、該加熱部材に圧接してニップ部(ニップ部N2)を形成する加圧部材(加圧ローラ90)と、前記加熱部材又は加圧部材を回動させる第3モータ(第3モータ80m)を含む第3駆動機構(第3駆動機構80s)と、を有する光沢付与装置(光沢付与装置6)を前記定着装置の記録媒体搬送方向下流側に備え、前記定着装置における記録媒体の搬送速度をV1、前記光沢付与装置における搬送速度をV2としたとき、1.05×V1≧V2≧V1の関係が成り立つように、前記第3駆動機構における駆動制御が行われることを特徴とする前記〔6〕に記載の画像形成装置(図7〜図9)。
〔8〕 前記第3モータの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出する第3モータ検出手段と、該第3モータの回転数を変更する第3モータ回転数変更手段と、を備え、記録媒体搬送中に、前記第3モータ検出手段の検出値が所定範囲内になるように、前記第3モータの回転数についてフィードバック制御を行い、1.05×V1≧V2≧V1の関係を成り立たせることを特徴とする前記〔7〕に記載の画像形成装置。
本発明の定着装置によれば、定着ベルトユニット(定着ベルト、定着ローラ及び分離ローラ)と加圧ローラとはそれぞれ別々のモータ(駆動源)から駆動伝達されているので両者間の周速の調整が駆動源の調整によって可能である。また、第1駆動機構における駆動伝達系に一方向クラッチを入れることにより、加圧ローラの周速が速く設定されていても、定着ローラと分離ローラは加圧ローラに対して連れ回りする。これにより、定着ベルトユニット(定着ベルト、定着ローラ、分離ローラ)と加圧ローラのニップ部での相対速度差を低減しこすれやゆず肌などの定着画像不良を防止することができる。また、定着ベルトユニットの速度が加圧ローラの速度より小さい条件下で極力定着ベルトユニットの速度が加圧ローラの速度に等しくなる条件に第1モータの回転数を調整することにより、加圧ローラ側への負荷を減らし、容易にお互いの相対速度差が生じない条件に設定することができる。
また、本発明の画像形成装置によれば、本発明の定着装置を用いるので、定着装置においてニップ部の中間領域のニップで発生しがちな異常画像が紙種によるモードの違いや通紙中の状態の違いによっても発生しない、安定した画像形成を行うことができる。更には、定着装置の下流に光沢付与装置を設けた画像の光沢制御を行う構成とした場合でも、所定の駆動制御により画像乱れや用紙の皺等の不具合を防止することができる。
本発明に係る定着装置の構成例を示す断面図である。 図1の定着装置の加圧手段の構成を示す断面図である。 図1の定着装置が有する2つの駆動機構の構成を示す斜視図である。 定着装置における2つの駆動伝達系の駆動の伝達経路を示した図である。 図1の定着装置における第1モータの回転数と、第1モータの電流値(あるいは電力値、トルク指令値)との関係を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の構成例を示す断面図である。 図6の画像形成装置の要部構成を示す概略図である。 定着装置及び光沢付与装置における駆動機構の構成を示す斜視図である 定着装置と光沢付与装置の組み合わせにおける、第3モータの回転数と、第3モータの電流値(あるいは電力値、トルク指令値)との関係を示す図である。 本発明に係る定着装置の別の構成例を示す断面図である。
以下に、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の構成を示す断面図であり、定着装置を操作側から見た図である。
定着装置5は、円筒形状の定着ローラ12と、分離ローラ13と、加熱ローラ15と、テンションローラ16と、従動ローラ17と、該定着ローラ12,分離ローラ13,加熱ローラ15,テンションローラ16及び従動ローラ17に一定のテンションで架け渡された定着ベルト11と、該定着ベルト11に対して回転自在に圧接しニップ部N1を形成する加圧ローラ14と、を備える。ここでは、加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12及び分離ローラ13の2箇所で圧接するダブルニップの構成となっている。なお、定着ベルト11,定着ローラ12,分離ローラ13,加熱ローラ15,テンションローラ16及び従動ローラ17を組み合わせた構成を定着ベルトユニットという。また、ニップ部N1の用紙排出側であって先端が加圧ローラ14に近接して配置され該加圧ローラ14への用紙の巻き付きを防止する分離部材43を備える。
ここで、定着ベルト11は、記録媒体(用紙ともいう)P上の未定着トナーTを定着する無端ベルトであり、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコンゴム層などの弾性層を形成した積層構造となっている。例えば、定着ベルト11は、内径115mmであり、耐熱性が高く、熱膨張量が少なく、しかも比較的強度が大きな無端状のポリイミド樹脂からなる基体表層に厚み200μmのシリコンゴム、更に最外層にトナーとの離型性に優れたフッ素系(PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)など)のチューブが被覆されたものである。
定着ローラ12は、中空円筒状の基体ローラの外周に発泡シリコンゴムなどの耐熱弾性層を形成してなるローラであり、例えば基体ローラ外周に厚み14mmの発泡シリコンゴムからなる耐熱弾性層を形成して外径65mmとしたものである。
また、分離ローラ13は、定着ローラ12よりも外径が小さく軸方向の温度ムラを防止する目的でヒートパイプが内蔵された金属製の芯金にフッ素樹脂あるいはソリッドゴムがコーティングされたものである。例えば、肉厚1mmのアルミ製のローラにフッ素樹脂がコーティングされてなる外径が16mmのローラである。また、分離ローラ13は定着ローラ12の軸心を中心に回動自在な構成であり、定着ベルト11を介して加圧ローラ14が押圧する構成になっている。
テンションローラ16は、スプリングバネを使用した機構により定着ベルト11に所定の張力を付与する機能を有する。定着装置5では、例えば片側9.8N、両側で合計19.6Nの張力を付与する。
加熱ローラ15は、アルミ又は鉄の中空ローラであり、例えば外径35mm、厚み0.6mmのアルミ製中空円筒ローラである。また、内部に定着ベルト11を加熱するためのハロゲンヒータなどのヒータ15hからなる熱源を有していて、定着ベルト11の内周側の加圧ローラ14とは圧接しない位置に、すなわちニップ部N1に加熱源を有しないように配置されている。熱源は誘導加熱機構(IH)でもよい。また、定着ベルト11が加熱ローラ15に接触している領域の温度を検知する温度検知センサ62を備えている。
加圧ローラ14は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコンゴム等の弾性層が設けられた円筒形状のローラであり、例えば、厚み1mmの鋼製中空芯金の外周を厚み1.5mmのシリコンゴムで覆い、更に最外層をPFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブで被覆した外径65mmのローラである。また、加圧ローラ14は、内部にヒータ14hを有し、温度検知センサ72により検知される加圧ローラ14の温度に基づいてヒータ14hの点灯制御が行われて、ニップ部N1を用紙が通過する時に該用紙から加圧ローラ14が熱を奪うことを防止している。
また、加圧ローラ14の外周には、ローラ上のオフセットトナーや紙粉等を取り除くウェブクリーニングユニット14cが設けられている。
また、図2に示すように、加圧ローラ14には、加圧レバー76、スプリング77、加圧部材76a、カム78からなる加圧手段が設けられている。該加圧手段により加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12及び分離ローラ13に圧接に加圧するようになっているが、その位置は記録媒体の種類(紙種)やモード(光沢を付与するモード、光沢を付与しないモード)によって可変可能な構成になっている。なお、図2では、加圧手段においてカム78が回転することにより、ニップ圧が最大となっている状態と最小となっている状態の2つの状態を示している。
この加圧手段により加圧ローラ14を加圧状態とする動作としては、まず、外部からの駆動力によりカム78が図中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該カム78が加圧部材76aを押し上げる(図中矢印方向)。加圧部材76aが押されると、該加圧部材76aに固定されているスプリング77が一定の圧力で加圧レバー76の端部を押し上げる。つぎに、加圧レバー76のスプリング77側の端部が押し上げられると、該加圧レバー76は支持軸76bを中心軸として回転する(図2では反時計回り方向)。ついで、加圧レバー76のスプリング77側の端部と支持軸76bの中間にある加圧部76cが加圧ローラ14の軸に当接し、定着ローラ12方向に押すように作用する。最後に、加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12及び分離ローラ13に圧接して、定着ローラ12と加圧ローラ14による第1ニップ部と分離ローラ13と加圧ローラ14による第2ニップ部がそれぞれ一定の圧力で加圧する状態で形成され、それらの間の中間ニップ部も含めて、定着用のニップ部N1となる。なお、加圧手段として、スプリング77は省略可能であり、その場合にはカム78が直接加圧レバー76の端部を押し上げるように作用する。
このとき、加圧ローラ14は、定着ベルト11を介して定着ローラ12に対して所定の深さ(例えば、3〜3.5mm)食い込む。また、分離ローラ13は、加圧ローラ14に対して所定の圧力(例えば、片側9.8Nの力)で押圧された状態となる。これにより、ニップ部N1は、所定のニップ幅(例えば、35mm)を有することになる。この広いニップ部により、多種多様な紙種の定着性を良好にし、高速化・高生産性を実現することが可能となる。
定着装置5の駆動の際には、例えば図1において、定着ローラ12及び分離ローラ13の図中時計回り方向の回転駆動により定着ベルト11が従動ローラ17及びテンションローラ16の押圧により適切なテンションが付与された状態で用紙Pを排出する方向(図1では時計回り方向)に回動する。また、加圧ローラ14も図中反時計回り方向に回転駆動する。これらの駆動機構については後述する。また、定着の際には、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱により温度検知センサ62で検出される温度が所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。
ついで、ニップ部N1に未定着トナーTが形成された用紙Pが通され(図中、右側から左側方向への通紙)、ニップ部N1における加圧及び加熱により未定着トナーTを用紙P上に熱融着させて定着が行なわれる。
このとき、ニップ部N1においては、入口領域にて用紙P上のトナーTをほぼ定着させることになる。ついで該トナーは十分に溶けた状態となって強い粘性をもつことになるので、定着ベルト11に用紙Pが貼り付いて中間領域を進むが、用紙を固定した状態で搬送するためにはこの時のニップ圧として5N/cm2以上が必要である。また、ニップ圧15N/cm2以下として光沢ありの状態までは上がらないようにしている。そして、小径ローラである分離ローラ13の曲率分離の強い分離力によって、用紙Pは定着ベルト11から分離され、また分離部材43により加圧ローラ14から分離されて排出される。
なお、ニップ部N1は、線速に対する総ニップ時間を60msec以上有しており、ニップ幅全体の50%以上の領域においてニップ圧が15〜30N/cm2となっている(光沢を付与するモード時)。これにより、厚紙(秤量300g/m2程度の用紙)を含めて定着装置5で十分な定着を行うことができる。
また、定着ベルト11内の定着ローラ12と加圧ローラ14の当接状態を変化させることにより、前記中間領域のニップ幅の増減の調整が可能である。そこで、普通紙以下の秤量の用紙を用いる場合には、定着ローラ12と加圧ローラ14の当接状態を調整して、5〜15N/cm2の中間領域のニップ幅を増やすようにする。このように、普通紙などの薄い用紙を用いるような供給熱量が増える場合にはニップ圧を低くして、光沢を抑えることが可能となる。これにより、後述する画像形成装置における光沢を付与しないモードにおいて、用紙として熱量過多となる傾向のある普通紙以下の秤量の用紙を使っても、ニップ幅の調整により、厚紙の場合と同等の画像光沢を維持することができる。また、光沢を付与するモードにおいても、用紙の厚さを考慮して中間領域のニップ幅を調整し定着装置5におけるニップ圧を調整することにより、最終的な画像の光沢度を一定にすることが可能である。そのため、光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードそれぞれでの希望光沢の信頼性を向上させることができる。
なお、加圧条件の例としては、ニップ部N1におけるニップ圧の分布として、用紙搬送方向の入口領域(加圧ローラ14と定着ローラ12の当接部分(第1ニップ部))の荷重を15〜30N/cm2とし、出口領域(加圧ローラ14と分離ローラ13の当接部分(第2ニップ部))の荷重を15〜30N/cm2とする。また、前記入口領域と出口領域の間である中間領域で5〜15N/cm2となっている。そして、前記加圧手段により、記録媒体が光沢紙の場合(光沢を付与するモード)、ニップ部N1における第1ニップ部(定着ローラ12−加圧ローラ14間)のニップ幅を20mm、中間領域のニップ幅を13mm、第2ニップ部(分離ローラ13−加圧ローラ14間)のニップ幅を2mmとする。また、記録媒体が普通紙の場合(光沢を付与しないモード)、ニップ部N1における第1ニップ部(定着ローラ12−加圧ローラ14間)のニップ幅を15mm、中間領域のニップ幅を13mm、第2ニップ部(分離ローラ13−加圧ローラ14間)のニップ幅を1mmとする。
つぎに、本発明の根幹部分について説明する。
図3は、定着装置5において、定着ベルトユニット(定着ベルト11,定着ローラ12,分離ローラ13,加熱ローラ15,テンションローラ16及び従動ローラ17の組み合わせ)と加圧ローラ14の駆動に関して、それぞれ独立した駆動機構を備えていることを示す斜視図である。
ここで、定着装置5は、定着ベルトユニットに対応して、第1モータ11mと、一方向クラッチ,ジョイントギヤ11g,複数の駆動伝達ギヤを有する駆動伝達系11tとからなり、前記第1モータ11mの駆動を前記一方向クラッチを介して定着ローラ12に伝達するとともに、該第1モータ11mの駆動を分離ローラ13に伝達する第1駆動機構11sと、加圧ローラ14に対応して、第2モータ14mと、ジョイントギヤ14g,複数の駆動伝達ギヤを有する駆動伝達系14tとからなり、前記第2モータ14mの駆動を前記加圧ローラ14に伝達する第2駆動機構14sと、を備える。
なお、第1モータ11m、第2モータ14mは、後述する画像形成装置本体側に設けられており、定着装置5を画像形成装置本体に装着したときに、第1モータ11mと定着ベルトユニットの駆動入力部であるジョイントギヤ11gとが連結される。また同様に、第2モータ14mと加圧ローラ14の駆動入力部であるジョイントギヤ14gとが連結される。
上記構成により、第1モータ11mの駆動は、ジョイントギヤ11gを介して駆動伝達系11tにより定着ベルトユニットに伝達され、第2モータ14mの駆動は、ジョイントギヤ14gを介して駆動伝達系14tにより加圧ローラ14に伝達される。また、第1駆動機構11s、第2駆動機構14sにより、定着ベルトユニットと加圧ローラ14の駆動をそれぞれ独立に制御できる。
図4は、定着装置5における駆動伝達系11t、14tの駆動の伝達経路を示した図である。図4において、(a)は定着装置5をドライブ側から見た正面図であり、(b)は(a)におけるA視図、(c)は定着ギヤ18の断面図、(d)はシャフト駆動ギヤ20及びワンウエイギヤ22の断面図である。なお、第1モータ11m及び第2モータ14mは省略している。
駆動伝達系11tは、第1モータ11mと連結されるジョイントギヤ11gと、ジョイントギヤ11gと噛み合わされる定着ギヤ18と、定着ギヤ18と噛み合わされる2つのギヤである2段ギヤ19と、2段ギヤ19の1つのギヤと噛み合わされるシャフト駆動ギヤ20と、シャフト駆動ギヤ20及びワンウエイギヤ22が固定されている回転自在な軸である駆動伝達シャフト21と、ワンウエイギヤ22と噛み合わされる分離ローラギヤ23と、から構成される。
また、駆動伝達系14tは、第2モータ14mと連結されるジョイントギヤ14gと、ジョイントギヤ14gと噛み合わされる加圧アイドラギヤ24と、加圧アイドラギヤ24と噛み合わされる加圧ギヤ25と、から構成される。
ここで、第1駆動機構11sにおける駆動の伝達はつぎのように行われる。まず、第1モータ11mから連結しているジョイントギヤ11gに駆動が伝達される。ついで、ジョイントギヤ11gから直接、定着ギヤ18に駆動が伝達される。このとき、定着ギヤ18は、図4(c)に示すように、定着ギヤ18内に一方向クラッチ18aが内蔵された構成となっており、この一方向クラッチ18aを介して定着ローラ12のフランジ部12aへ駆動が伝達され、定着ローラ12がこの駆動を受けて回転可能になっている。
また、定着ギヤ18からは2段ギヤ19へも駆動伝達され、2段ギヤ19の働きにより、回転数が増幅される。そして、2段ギヤ19からシャフト駆動ギヤ20へ駆動伝達され、シャフト駆動ギヤ20の駆動は駆動伝達シャフト21へ駆動伝達される。更に、駆動伝達シャフト21の駆動は、図4(d)に示すように、第2の一方向クラッチである一方向クラッチ22aを介してワンウエイギヤ22へ駆動伝達される。そして最後に、ワンウエイギヤ22の駆動は分離ローラギヤ23へ伝達されて分離ローラ13が回転可能になっている。
一方向クラッチ18a,22aは、方向性を持ったカップリングであり、駆動軸側のギヤの回転が被駆動軸側のギヤの回転よりも速い場合には、両者をクラッチした状態で駆動を伝達し、被駆動軸側のギヤの回転よりも遅い場合には両者間のクラッチを解除して空転し、駆動を伝達しない構造になっている。すなわち、一方向クラッチ18aは、定着ギヤ18(駆動軸側のギヤ)の回転がフランジ部12a(被駆動軸側のギヤ)の回転よりも速い場合には、両者をクラッチした状態で第1モータ11mの駆動を伝達し、フランジ部12a(被駆動軸側のギヤ)の回転よりも遅い場合には両者間のクラッチを解除して空転し、第1モータ11mの駆動を伝達しない構造になっている。また、一方向クラッチ22aは、シャフト駆動ギヤ20(駆動軸側のギヤ)の回転がワンウエイギヤ22(被駆動軸側のギヤ)の回転よりも速い場合には、両者をクラッチした状態で第1モータ11mの駆動を伝達し、ワンウエイギヤ22(被駆動軸側のギヤ)の回転よりも遅い場合には両者間のクラッチを解除して空転し、第1モータ11mの駆動を伝達しない構造になっている。
このとき、2段ギヤ19の働きでギヤ駆動では、一方向クラッチ18a,22aがクラッチ(ロック)した状態での定着ローラ12の周速をVf、分離ローラ13の周速をVsとすると、Vs>Vfの関係が成り立つようにギヤ比が設定されている。
したがって、加圧ローラ14の周速が定着ローラ12の周速よりも大の関係になると、一方向クラッチ18aが空転して定着ローラ12は加圧ローラ14の回転に連れ回りするようになる。
また、加圧ローラ14の周速が分離ローラ13の周速よりも大の関係になると、一方向クラッチ22aが空転して分離ローラ13は加圧ローラ14の回転に連れ回りするようになる。
一方、第2駆動機構14sでは、まず第2モータ14mから連結しているジョイントギヤ14gに駆動が伝達される。ついで、ジョイントギヤ14gから加圧アイドラギヤ24に駆動が伝達され、さらに加圧アイドラギヤ24から加圧ギヤ25に駆動が伝達される。このとき、加圧アイドラギヤ24及び加圧ギヤ25には一方向クラッチは内蔵されておらず、加圧ローラ14のフランジ部へ駆動がそのまま伝達され、加圧ローラ14がこの駆動を受けて回転するようになっている。
上記構成により、定着ベルトユニットと加圧ローラ14とが第1駆動機構11s、第2駆動機構14sそれぞれ独立して駆動制御されるが、定着ローラ12と分離ローラ13は一方向クラッチ18a,22aを介して駆動伝達される構成なので、加圧ローラ14の周速が定着ローラ12,分離ローラ13の周速よりも大きくなるように設定されていても、定着ローラ12と分離ローラ13は加圧ローラ14に対して連れ回りして、加圧ローラ14の周速に対して、定着ローラ12及び分離ローラ13の周速が遅くなることはなくなる。すなわち、定着ベルトユニットと加圧ローラ14のニップ部N1での相対速度差を低減することとなり、中間ニップ部で発生しがちな異常画像を防止することができる。
つぎに、加圧ローラ14の周速をVpとしたとき、記録媒体搬送中に、以下の関係式(1)が成り立つように、第1駆動機構11s及び/又は第2駆動機構14sの駆動制御が行われることが好ましい。
Vs≧Vp>Vf ・・・(1)
図5に、定着装置5において、加圧ローラ14の回転数が一定の下で、2段ギヤ19のギヤ比によって、Vs>Vfになるように設定してある定着ベルトユニットを駆動する第1モータ11mの回転数と、第1モータ11mの電流値(あるいは電力値、トルク指令値)との関係を示す。なお、図中では、一方向クラッチ18a,22aがクラッチ(ロック)したものと仮定した定着ローラ12及び分離ローラ13の周速Vf,Vsと、加圧ローラ14の周速Vpの関係を示している。
第1モータ11mの回転数と電流値(あるいは電力値、トルク指令値)との関係として、基本的には、回転数が増加すると電流値も増加する比例関係にあるが、各ローラの周速の大小関係によりその傾き(増加比率)が異なった3つの領域に分けることができる。
すなわち、第1モータ11mの回転数が小さいとき、各ローラの周速の関係はVp>Vs>Vfとなり、定着ローラ12と分離ローラ13は、一方向クラッチ18a,22aの働きで加圧ローラ14に対して連れ回りするので、第1モータ11mのトルクすなわち電流及び電力は小さく、トルク指令値も小さい(領域(1))。また、定着ローラ12と分離ローラ13が連れ回りされている限り、第1モータ11mの回転数が増加しても電流値、電力値、トルク指令値の増加はわずかである。なお、トルク指令値とは、定着装置5の駆動系制御部から第1モータ11mのコントローラに対して指示する第1モータ11mが出力すべきトルク値である。
ついで、第1モータ11mの回転数を増加させると、Vs>Vfになるように設定してあるため、まず分離ローラ13の周速Vsが加圧ローラ14の周速Vpを上回るようになり、各ローラの周速の関係はVs>Vp>Vfの関係になる(領域(2))。これにより、第1駆動機構11sにおいて一方向クラッチ18aは空転して定着ローラ12は加圧ローラ14の回転に連れ回りし、一方向クラッチ22aはクラッチして第1モータ11mの駆動を分離ローラ13に伝達する状態となり、分離ローラ13の駆動分だけ第1モータ11mのトルクすなわち電流値、電力値、トルク指令値は増加し、領域(1)よりもその傾きは大きくなる。
更に、第1モータ11mの回転数を増加させると、定着ローラ12の周速Vfも加圧ローラ14の周速Vpを上回るようになり、各ローラの周速の関係はVs>Vf>Vpの関係になる(領域(3))。これにより、第1駆動機構11sにおいて一方向クラッチ18a,22aはともにクラッチして第1モータ11mの駆動を定着ローラ12及び分離ローラ13に伝達する状態となり、定着ローラ12及び分離ローラ13の駆動分として第1モータ11mのトルクすなわち電流値、電力値、トルク指令値は急激に増加し、領域(2)よりもその傾きはさらに大きくなる。
ここで、領域(1)では、分離ローラ13は加圧ローラ14の回転に連れ回りして、定着ベルト11を引張る作用がなくなるため、ニップ部N1の中間領域(第1ニップ部と第2ニップ部の間)において定着ベルト11はたるむようになって、ニップ圧不足に陥り、その結果、定着後の仕上がりがゆず肌となる(定着画像不良)。また、定着ローラ12及び分離ローラ13が加圧ローラ14の回転に連れ回りすることから、第2駆動機構14s側の第2モータ14mへの負荷が非常に大きくなり、好ましくない。
また、領域(3)では、定着ローラ12が加圧ローラ14よりも速く回転することから定着ベルト11と加圧ローラ14との間で相対速度差が生じることとなり、定着画像にこすれが発生する(定着画像不良)。また、定着ローラ12における発泡シリコンゴムなどからなる厚い耐熱弾性層に加圧ローラ14を食い込ませた状態で両者が回転することから、定着ローラ12側の線速は変動し易く、ローラの回転が不安定な傾向にある。そのため、領域(3)のように定着ローラ12、加圧ローラ14をそれぞれ別々に独立した状態で駆動させようとした場合には、定着ローラ12の回転のばらつきの大きいことが影響して、第1モータ11m、第2モータ14mそれぞれへの負荷が増大し、好ましくない。
領域(2)では、これらの不具合を改善するものである。すなわち、まずVp>Vfの関係であることから、定着ローラ12は加圧ローラ14の回転に連れ回りするようになることから、定着ローラ12の回転は安定するようになり、両者の間の相対速度差が生じないことから、こすれなどの定着画像不良を防止することができる。また、定着ローラ12及び加圧ローラ14は第2駆動機構14sの駆動に支配され、定着ローラ12の回転のばらつきの影響が排除されることから、第1モータ11m及び第2モータ14mへの余計な負荷をかけることもない。
また、領域(2)において、Vs>Vpの関係であることから、分離ローラ13は加圧ローラ14よりも速く回転する状態となっている。このとき、分離ローラ13は定着ローラ12よりも小径ローラであって前記Vp>Vfの関係となっていることから、ニップ部N1における搬送速度は加圧ローラ14の回転速度が支配的になっており、かつ定着ベルト11と加圧ローラ14との接触部分(第1ニップ部)のそれぞれの表面は同じ速度となっている。したがって、分離ローラ13は、第1ニップ部に対してある程度定着ベルト11を引張りながら該定着ベルト11の内面上をすべる状態で回転するようになる。その結果、分離ローラ13の回転は定着ベルト11を引張ってニップ部N1の中間領域におけるニップ圧を所定の圧力とするようになり、ゆず肌などの定着画像不良を防止することができる。なお、このように適度に定着ベルト11を引張るために、分離ローラ13の表面と定着ベルト11との摩擦係数を考慮するとよく、例えば分離ローラ13をシリコンゴムローラとするとよい。
以上のように、式(1)の関係において、こすれやゆず肌などの定着画像不良が防止できるとともに、第1モータ11m及び第2モータ14mの負荷を軽減し、負荷バランスを改善することができる。
この場合の第1駆動機構11s及び/又は第2駆動機構14sの駆動制御としては、例えば、加圧ローラ14の周速Vpを一定として、定着ローラ12及び分離ローラ13の周速Vs,Vfが前記関係式(1)の関係を満たすように、第1駆動機構11sの駆動制御を行う。あるいは、前述のように2段ギヤ19の設定により定着ローラ12及び分離ローラ13の周速はVs>Vfとなるように構成されているので、加圧ローラ14の周速VpをVs≧Vp>Vfの関係式が成り立つように第2駆動機構14sの駆動を制御してもよい。
ところで、実際には加圧ローラ14の周速Vp、分離ローラ13の周速Vs、定着ローラ12の周速Vfは、設定温度の違いや、それぞれのローラ熱膨張の違いや、それぞれのローラ間食い込み量の違いによっても変動するので、第1モータ11m,第2モータ14mの駆動条件を一定として、常に式(1)の関係が成り立つように駆動するのは困難である。
そこで、サーボモータである第1モータ11mの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出する第1モータ検出手段と、該第1モータ11mの回転数を変更する第1モータ回転数変更手段と、を備え、記録媒体搬送中に、前記第1モータ検出手段の検出値が所定範囲(設定範囲)内になるように、前記第1モータの回転数についてフィードバック制御を行い、式(1)(Vs≧Vp>Vf)の関係を成り立たせるようにするとよい。なお、前記所定範囲とは、図5における領域(2)の第1モータ11mの電流値(あるいは電力値、トルク指令値)の範囲(設定範囲)である。
すなわち、定着装置5において、第1モータ11mの回転数と電流値(電力値、トルク指令値)との間には、図5の関係が成り立つため、前記第1モータ検出手段により第1モータ11mの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出するようにしておき、該第1モータ検出手段の検出値が所定範囲(設定範囲)を外れていた場合には、該検出値が所定範囲(設定範囲)内となるように第1モータ回転数変更手段が第1モータ11mの回転数を変更する。例えば、検出値が領域(1)に該当した場合には、第1モータ11mの回転数を増加させる方向に変更し、領域(3)に該当した場合には、第1モータ11mの回転数を減少させる方向に変更する。このような制御を行うことにより、式(1)(Vs≧Vp>Vf)の関係を成り立たせることができる。
なお、このような制御を記録媒体搬送の際に常に行ってもよいが、画像形成のモード(光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードなど)ごとや、一定時間経過後に定期的に行ってもよい。
ところで、定着装置5では、第1駆動機構11sにおいて定着ギヤ18内に一方向クラッチ18aを内蔵する構成だけでも、前記関係式(1)が成り立つような制御を行うは可能である。しかしながら、定着装置5の駆動開始時に、加圧ローラ14側の第2駆動機構14s及び定着ベルト11側の第1駆動機構11sの駆動を開始すると、定着ベルトユニットの装着状態によっては、駆動開始時に第1モータ11mとジョイントギヤ11gとが完全に連結している状態になっているとは限らず、第1モータ11mが駆動を開始しある程度回り始めた後に両者が連結するようになることがあるため、前記駆動開始時に加圧ローラ14と定着ベルト11側のローラ(定着ローラ12,分離ローラ13)の駆動回転には少なからずタイムラグが生じることとなり、その瞬間に分離ローラ13は加圧ローラ14に対して止まっていてその剪断力を定着ベルト11及び分離ローラ13に受けてしまう不都合が起こる可能性がある。これを回避するためにも、ワンウエイギヤ22に一方向クラッチ22aを設けることが好ましい。すなわち、駆動開始時に第2駆動機構14sが加圧ローラ14を回転させるとともに一方向クラッチ18a,22aの働きにより定着ローラ12及び分離ローラ13が連れ回りされるようにし、ついで定着ベルト11側の第1駆動機構11sの駆動を開始する制御を行うことにより、前記のような不都合を回避することができる。
つぎに、本発明に係る画像形成装置の構成について図面を参照して説明する。
図6は、本発明に係る画像形成装置の一態様であるデジタルカラー複写機装置本体の全体構成を示す断面概略図である。
カラー複写機100は、装置本体上部に位置する画像読取部100Aと、装置本体中央部に位置する画像形成部200Bと、装置本体下部に位置する給紙部200Cと、を有する。
画像読取部100Aには、原稿の画像情報を光学読み取りするスキャナ部1と、原稿を連続してスキャナ部1に搬送するADF(自動原稿送り装置)101と、を備える。
画像形成部100Bには、水平方向に延びる転写面を有するベルト状の中間転写体30が配置されており、該中間転写体30の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての4つの感光体31が中間転写体30の転写面に沿って並置されている。
感光体31の上方には、スキャナ画像情報、外部画像情報に基いた露光光を各感光体31の周面に照射する書込み部2が配置されている。また、各感光体31はそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置、現像装置、1次転写装置からなる現像部3と、転写後の感光体31の残留トナーを回収するクリーニング部36と、が配置されている。また、各現像装置には、それぞれのカラートナーが収容されている。
中間転写体30は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて各感光体31との対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つに対向する位置に転写ローラである2次転写部34が設けられている。また、2次転写部34の位置からの用紙搬送のパスライン上に、搬送ベルト35、前述した定着装置5、光沢付与装置6、搬送ローラ対7がこの順番で配置されている。
給紙部200Cは、記録媒体としての用紙を積載収容する給紙トレイ41(各給紙トレイとして41a,41b,41c,41dがある)と、該給紙トレイ41内の用紙を最上のものから順に1枚ずつ分離して、2次転写部の位置まで搬送する搬送路37、画像形成とのタイミングやスキュー補正を行うレジスト部38を含む搬送機構を有している。
本発明の画像形成装置100における画像形成に当たっては、感光体31の表面が現像部3の帯電装置により一様に帯電され、画像読取部100Aからのスキャナ画像情報、あるいは外部画像情報に基づいて書込み部2により各感光体31上にその色に応じた静電潜像が形成される。該静電潜像は対応する色のトナーを収容した現像装置によりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置により中間転写体30上に1次転写される。これにより、それぞれの色のトナー像が中間転写体30上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられることになる。
つぎに、中間転写体30上に1次転写されたトナー像は、2次転写部34で搬送されてきた用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、さらに定着装置5まで搬送され、定着部材(定着ベルト)と加圧部材(加圧ローラ)との定着ニップ部にて定着が行なわれる。つぎに、用紙上の定着トナーは必要に応じて光沢付与装置6にて光沢が付与され、搬送ローラ対7で搬送され、排紙部8から排出経路に沿って送出された後に、出力画像として装置本体から排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
このように、図6の画像形成装置においては、高度な定着、光沢付与機能が得られ、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)・画像(光沢付与、光沢付与なし)への対応が用紙生産性を低下させることなしに可能である。
また本発明に係る画像形成装置では、本発明の定着装置5を備えているので、定着装置5においてニップ部N1の中間領域のニップで発生しがちな異常画像が紙種によるモードの違いや通紙中の状態の違いによっても発生しない、安定した画像形成を行うことができる。更には、定着装置5の下流に光沢付与装置6を設けて光沢制御を行う構成としているが、ここでも後述する駆動制御により画像乱れや用紙の皺等の不具合を防止することができる。
図7は、図6に示した画像形成装置(カラー複写機)の要部構成を示す概略図である。
本発明に係る画像形成装置100は、用紙上の画像に光沢を付与するモードと光沢を付与しないモードを有する画像形成装置であって、回動可能に設けられる定着部材(定着ベルト11)と該定着部材に圧接してトナーを用紙に定着させるニップ部N1を形成する加圧部材(加圧ローラ14)とを有する定着装置(定着装置5)と、加熱手段(加熱部材85)を有する第1回転体(加熱ローラ80)と定着トナーに光沢を付与するニップ部N2を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体(加圧ローラ90)とを有する光沢付与装置(光沢付与装置6)と、前記定着装置のニップ部後端から距離L1として210mm以内に配置され、前記用紙を搬送する搬送ローラ対(搬送ローラ対7)と、を1つの用紙搬送のパスラインPL上にこの順番で備えるものである。
ここで、前記用紙上の画像に光沢を付与しないモードの場合であって、該用紙の長さが210mm未満のときに、光沢付与装置6は、加熱ローラ80への加圧ローラ90のニップ圧を、光沢を付与するモードのときの該加熱ローラ80への加圧ローラ90のニップ圧よりも低くして前記用紙の搬送を行う。また、前記用紙の長さが210mm以上のときに、光沢付与装置6は加熱ローラ80と加圧ローラ90の間を開放し、搬送ローラ対7が該用紙の搬送を行う。
(定着装置)
定着装置5は、図1に示した構成のものであり、定着ベルト11、加圧ローラ14が回転駆動された状態で、定着ベルト11の表面は所定の温度まで加熱されており、ニップ部N1に未定着トナーTが形成された用紙が通され(図中、右側から左側方向への通紙)、ニップ部N1における加圧及び加熱により未定着トナーを用紙上に熱融着させて定着が行なわれる。ついで、トナー定着された用紙はニップ部N1から排出されるが、分離部材43により用紙が加圧ローラ14から分離されて排出される。
このとき、前述したように、式(1)の関係が成り立つように第1駆動機構11s及び第2駆動機構14sは制御されており、こすれやゆず肌などの定着画像不良が防止できるとともに、第1モータ11m及び第2モータ14mの負荷を軽減し、負荷バランスを改善することが可能である。
定着装置5から排出された用紙は、つぎに光沢付与装置6に送られるが、定着装置5と光沢付与装置6との間に、例えば2枚の板状部材がパスラインPLの上下に配置され、搬送される用紙を通す隙間を定着装置5から光沢付与装置6に向かって狭くしたガイド板45を設けるとよい。分離ローラ13の曲率により分離された用紙はカールする傾向があるが、ガイド板45が用紙のカール等を補正して用紙先端が搬送方向に向くようになるため、光沢付与装置6でのシワやジャムを防止することができ、搬送品質を安定化させることができる。なお、本発明では定着装置5により用紙上のトナーは十分に定着されているので、ガイド板45に接触しても画像品質が損なわれることはない。
(光沢付与装置)
光沢付与装置6は、加熱手段(加熱部材85)を内部に有する中空円筒形状の第1回転体(加熱ローラ80)と、用紙上の画像(定着トナー)に光沢を付与するニップ部N2を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体(加圧ローラ90)と、を有する。
また、加熱ローラ80のニップ部N2入側に近い表面温度を検知する温度検知センサ82を備えており、該温度検知センサ82で検知される温度に基づいて加熱手段85であるハロゲンヒータなどのヒータの点灯制御が行われ、加熱ローラ80の表面温度が一定に保たれている。
この加熱ローラ80の表面温度は、画像に光沢を付与するモードのときに、定着トナーに適切に光沢を付与するためにコントロールされる温度である。例えば、用紙上の定着トナーに接触する加熱ローラ80の表面温度は、定着装置5の定着部材(定着ベルト11)の表面温度より低い。あるいは、加熱ローラ80の表面温度は、光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下であることが好ましい。
あるいは、加熱ローラ80の表面温度は、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下であることが好ましく、軟化温度以上、流出開始温度以下であることがより好ましい。ここで、これらのトナー物性温度は、例えばフローテスター(CFT−500D(島津製作所製))を使って、荷重5kg/cm2、昇温速度3.0℃/min、ダイ口径1.00mm、ダイ長さ10.0mmの条件で測定し、温度に対するピストンストロークの関係から求めるとよい。なお、1/2流出開始温度とは、流出開始温度と流出終了温度の中点となる温度である。
具体的な加熱ローラ80の表面温度は、例えば60℃(使用トナーの物性温度における軟化温度)〜137℃(使用トナーの物性温度における1/2流出開始温度)が好ましく、60〜120℃(使用トナーの物性温度における流出開始温度)が好ましく、さらに好ましくは80〜100℃である。なお、トナーに関する温度(トナー物性温度)は、トナーロットや色によりばらつきがあり、ここで示す温度はその平均値である。
本発明において、定着装置5通過時(定着工程)では、用紙上の未定着状態のトナーは、ニップ部N1で熱と圧力を受けて、トナー表面から用紙上までトナー層全体が溶融されており、これにより定着が完了する。また、トナーはある程度のレベリングとともに用紙に密着するようになり、トナー表面にも強い粘着力が発生している。
これに対して、光沢付与装置6通過時(光沢付与工程)では、すでに定着が完了しているので、トナー表面をレベリングするだけの熱量を付与する。光沢付与装置6に入ってきた用紙上のトナーはニップ部N2で熱と圧力を受けるが、加熱ローラ80の表面温度が光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下(あるいは、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下。またあるいは、60〜120℃)であるため、トナー層の全体を溶かすのではなく表層を軟化させるのみとなり、トナーとしての色はそのまま保持されつつ、表層のみが平滑な加熱ローラ80の表面によりレベリングされ光沢が向上する。このときのトナー表面は定着工程のときほどの粘着力はないため、加熱ローラ80の直径を30mm以上、40mm以下としても、用紙の分離性が良好である。すなわち、光沢付与装置6の用紙排出側に設けた分離部材83を省略することができ、装置構成の簡素化によるコストダウンが可能となる。また、定着工程のようにトナー層全体を溶かすことによるオフセットが発生しないため、加圧ローラ90の表面のトナー汚れを除去するためのクリーニング部材93を省略することができ、装置構成の簡素化によるコストダウンが可能となる。
加圧ローラ90は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコンゴム等の弾性層が設けられた円筒形状のローラである。また、加圧ローラ90には、加圧レバー96、スプリング97、加圧部材96a、カム98からなる加圧調整手段が設けられており、画像に光沢を付与するモードのときには、この加圧調整手段により加圧ローラ90を加圧状態とする。
その動作としては、まず、外部からの駆動力によりカム98が図中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該カム98が加圧部材96aを押し上げる(図中矢印方向)。加圧部材96aが押されると、該加圧部材96aに固定されているスプリング97が一定の圧力で加圧レバー96の端部を押し上げる。つぎに、加圧レバー96のスプリング97側の端部が押し上げられると、該加圧レバー96は支持軸96bを中心軸として回転する(図7では時計回り方向)。ついで、加圧レバー96のスプリング97側の端部と支持軸96bの中間にある加圧部96cが加圧ローラ90の軸に当接し、加熱ローラ80方向に押すように作用する。最後に、加圧ローラ90が加熱ローラ80に当接し、所定の圧力で加圧する状態となり光沢付与用のニップ部N2を形成する。なお、加圧調整手段として、スプリング97は省略可能であり、その場合にはカム98が直接加圧レバー96の端部を押し上げるように作用する。
加圧調整手段による圧力の調整はカム98の回転角の調整で行われ、カム98の所定の回転位置で加熱ローラ80と加圧ローラ90とを離間させ、ニップ部N2を開放することが可能である。
なお、ニップ部N2におけるニップ圧は、用紙上の画像に光沢を付与するモードのとき、前記加圧調整手段により、15〜30N/cm2に調整されることが好ましい。これにより、定着装置5から搬送されてきた用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーに熱を加えるとともに所定の圧力が加えられることにより、該定着トナー表層のレベリングが行われて光沢が付与されることになる。
また、光沢を付与しないモードであって、用紙の長さが210mm未満のとき、前記加圧調整手段により、ニップ部N2におけるニップ圧は光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整される。例えば、15N/cm2未満に調整されることが好ましく、5N/cm2以下に調整されることがより好ましい。このときのニップ圧とは、ニップ幅全体の平均値である。これにより、用紙は加熱ローラ80、加圧ローラ90でニップされるが、ニップ圧が弱いため、画像の光沢を上昇させることなく、用紙を搬送するだけの装置として機能する。
また、光沢を付与しないモードであって、用紙の長さが210mm以上のとき、前記加圧調整手段により、加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ニップ部N2)を開放することが好ましい。
光沢を付与しないモードでは、薄紙長手用紙として秤量80g/m2以下のA3版等の用紙を使用することがあるが、この用紙の場合には、定着装置5と光沢付与装置6との間のわずかな用紙線速差によっても撓みや引張り合いにより用紙に微小シワ等が発生する。そのため、光沢付与装置6の加熱ローラ80と加圧ローラ90とを離間させて、この問題を解決するものである。このとき、用紙は光沢付与装置6を通過するだけであるが、用紙の長さが210mm以上であるため、定着装置5のニップ部N1から出てきた用紙先端は搬送ローラ対7まで到達し、搬送ローラ対7が用紙をニップして搬送することになる。これにより、形成された画像にローラが接触する機会を減らして画像品質を確保するとともに、確実に搬送することができる。
また、この開放するときの加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ローラ間ギャップ)は2mm以下にするとよい。ローラ間ギャップを2mmより大きくすると、用紙がパスラインPLから外れてジャムが発生しやすくなるためである。
なお、加熱ローラ80、加圧ローラ90のそれぞれの表層にフッ素樹脂で被覆することが好ましい。これによれば、光沢を付与しないモードで前記のようにローラ間ギャップを2mm以下として加熱ローラ80と加圧ローラ90を離間させて、この間を用紙を通過させる際に、画像面が加熱ローラ80に部分的に接触することがあるが、表面のフッ素樹脂層80aが離型性を有しているために、画像が部分的に接触したとしても画像削れ等の発生を防止することができる。
以上のように光沢付与装置6を構成することにより、光沢を付与するモードにおいて目標光沢を安定して得ることができ、また光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードそれぞれにおける目標光沢の信頼性を向上させている。
また、光沢付与装置6の配置位置として、定着装置5のニップ部N1の後端から該光沢付与装置6のニップ部N2の先端までの距離L2が60〜182mmとなるように、より好ましくは70〜150mmとなるように、さらに好ましくは80〜100mmとなるように、加熱ローラ80及び加圧ローラ90が配置されることが好ましい。距離L2が60mm未満となると、ガイド板45の2枚の板部材の入り側の間隔と出側の間隔は決まっていることから、該板部材の傾斜が急となりすぎて、ガイド板45でジャムが発生しやすくなり不適である。また、距離L2の上限は最小用紙長さとするとよい、例えば、距離L2=182mmはB5版用紙の短手方向を搬送方向として搬送する場合に対応するための距離である。また、ハーフレターサイズの用紙の短手方向を搬送方向として搬送する場合には、距離L2の上限を150mmとする。
図8に、定着装置5及び光沢付与装置6における駆動機構の構成を示す。なお、定着装置5の駆動機構は図3と同じであるので説明は省略する。
ここで、光沢付与装置6は、加熱ローラ80に対応して、第3モータ80mと、ジョイントギヤ80g,1又は複数の駆動伝達ギヤを有する駆動伝達系80tとからなり、前記第3モータ80mの駆動を前記加熱ローラ80に伝達する第3駆動機構80sを備える。
第3モータ80mは、画像形成装置本体側に設けられており、光沢付与装置6を画像形成装置本体に装着したときに、第3モータ80mと加熱ローラ80の駆動入力部であるジョイントギヤ80gとが連結される。
この構成により、第3モータ80mの駆動は、ジョイントギヤ80gを介して駆動伝達系80tにより加熱ローラ80に伝達され、光沢付与装置6が駆動されることになる。なお、ここでは第3駆動機構80sが加熱ローラ80を駆動する構成を示したが、第3駆動機構80sが加圧ローラ90を駆動する構成としてもよい。
ここで、定着装置5における記録媒体の搬送速度をV1、光沢付与装置6における搬送速度をV2としたとき、以下の関係式(2)が成り立つように、第3駆動機構80sにおける駆動制御が行われることが好ましい。
1.05×V1≧V2≧V1 ・・・(2)
図9に、定着装置5から所定の搬送速度V1で搬送される記録媒体を受ける光沢付与装置6において、第3モータ80mの回転数と、第3モータ80mの電流値(あるいは電力値、トルク指令値)との関係を示す。なお、図中では、定着装置5における記録媒体の搬送速度V1と、光沢付与装置6における記録媒体の搬送速度V2の関係も示している。
第3モータ80mの回転数と電流値(あるいは電力値、トルク指令値)との関係として、基本的には、回転数が増加すると電流値も増加する比例関係にあるが、記録媒体の搬送速度V1,V2の大小関係により3つの領域に分けることができる。
すなわち、第3モータ80mの回転数が小さいとき、記録媒体の搬送速度の関係はV1>V2となり、定着装置5における搬送速度V1が支配的になり、第3モータ80mのトルクすなわち電流及び電力は小さく、トルク指令値も小さい(領域(I))。また、領域(I)では、第3モータ80mの回転数が増加しても電流値、電力値、トルク指令値の増加はわずかである。なお、ここでのトルク指令値とは、光沢付与装置6の駆動系制御部から第3モータ80mのコントローラに対して指示する第3モータ80mが出力すべきトルク値である。
ついで、第3モータ80mの回転数を増加させると、光沢付与装置6における搬送速度V2が定着装置5における搬送速度V1を上回るようになり、1.05*V1>V2>V1の関係になる(領域(II))。また、さらに搬送速度V2が増加すると、V2>1.05*V1の関係になる(領域(III))。この領域(II),(III)では、第3モータ80mのトルクすなわち電流値、電力値、トルク指令値の増加率(傾き)は同じであり、領域(I)よりも大きい。
ここで、領域(I)では、光沢付与装置6において記録媒体を排出する速度(V2)よりも定着装置5から搬入される速度(V1)の方が大きいため、定着装置5と光沢付与装置6の間で記録媒体が波打って弛み、該記録媒体又は画像にたるみ皺が発生する不具合が起こる。一方、領域(III)では、光沢付与装置6において記録媒体を排出する速度(V2)が定着装置5から搬入される速度(V1)より大きい過ぎるため、記録媒体を強く引張ることになり、記録媒体または画像にろっ骨皺と呼ばれる記録媒体のエッジから中央方向に斜めに延びる皺が発生する不具合が起こる。
領域(II)では、光沢付与装置6において記録媒体を適度に引張ることによりたるみ皺及びろっ骨皺の不具合を改善するものである。すなわち、式(2)の関係のように光沢付与装置6における搬送速度V2を定着装置5における搬送速度V1に対して+5%以内とすることによって、たるみ皺及びろっ骨皺などの外観不良を防止することができる。
ところで、実際には定着装置5と光沢付与装置6の搬送速度V1,V2は、それぞれの設定温度や各ローラの熱膨張の違い、ローラ間の食い込み量の違いや紙種の違いによっても変動するので、それぞれの駆動条件を一定として、式(2)の関係が成り立つように駆動することは困難である。
そこで、第3モータ80mの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出する第3モータ検出手段と、該第3モータ80mの回転数を変更する第3モータ回転数変更手段と、を備え、記録媒体搬送中に、前記第3モータ検出手段の検出値が所定範囲内になるように、前記第3モータ80mの回転数についてフィードバック制御を行い、式(2)(1.05×V1≧V2≧V1)の関係を成り立たせるようにするとよい。なお、前記所定範囲とは、図9における領域(II)の第3モータ80mの電流値(あるいは電力値、トルク指令値)の範囲(設定範囲)である。
すなわち、光沢付与装置6において、第3モータ80mの回転数と電流値(電力値、トルク指令値)との間には、図9の関係が成り立つため、前記第3モータ検出手段により第3モータ80mの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出するようにしておき、該第3モータ検出手段の検出値が所定範囲(設定範囲)を外れていた場合には、該検出値が所定範囲(設定範囲)内となるように第3モータ回転数変更手段が第3モータ80mの回転数を変更する。例えば、検出値が領域(I)に該当した場合には、第3モータ80mの回転数を増加させる方向に変更し、領域(III)に該当した場合には、第3モータ80mの回転数を減少させる方向に変更する。このような制御を行うことにより、式(2)(1.05×V1≧V2≧V1)の関係を成り立たせることができる。
なお、このような制御は光沢付与装置6において加熱ローラ80と加圧ローラ90が圧接している限り、記録媒体搬送の際に常に行ってもよいが、画像形成のモード(光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードなど)ごとや、一定時間経過後に定期的に行ってもよい。
光沢付与装置6から排出された、または通過した用紙は、つぎに搬送ローラ対7に送られるが、光沢付与装置6と搬送ローラ対7との間に、例えば2枚の板状部材がパスラインPLの上下に配置され、搬送される用紙を通す隙間を光沢付与装置6から搬送ローラ対7に向かって狭くしたガイド板95を設けるとよい。ガイド板95が用紙のカール等を補正して用紙先端が搬送方向に向くようになるため、搬送ローラ対7でのシワやジャムを防止することができ、搬送品質を安定化させることができる。
(搬送ローラ対)
搬送ローラ対7は、クロロプレンゴムやシリコンゴムなどからなる円筒形状のローラ7aと樹脂からなる円筒形状のローラ7bとが当接した構成となっている。ローラ7a,7bのいずれか一方、あるいは両方が回転駆動しており、搬送されてきた用紙を挟み込んで排出経路に搬送する。ここで、搬送ローラ対7は、定着装置5のニップ部N1の後端から210mm以内に配置されているので、画像に光沢を付与しないモードであって、用紙の搬送方向の長さが210mm(A4版用紙の短手方向の長さ)以上の場合、光沢付与装置6の加熱ローラ80、加圧ローラ90間が開放されているが、定着装置5のニップ部N1を出た用紙の先端は該用紙の後端がニップ部N1を出る前に搬送ローラ対7に到達するために、適切に搬送することが可能である。
なお、本発明では光沢付与装置6では加熱ローラ80の表面温度が低め(光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下(あるいは、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下。またあるいは、60〜120℃)とされているので、光沢を付与するモードのときの搬送ローラ対7に到達したときの用紙の温度は定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度と同等以下となっており、搬送ローラ対7へのトナーの固着等を防止することができる。また、同様の理由からガイド板95等へのトナー固着も防止できる。
(光沢付与モード・光沢非付与モード)
本発明の画像形成装置100では、同じ連量(秤量)の用紙を用いて、該用紙上の画像に光沢を付与するモード(光沢付与モード)と、光沢を付与しないモード(光沢非付与モード)と、を選択可能に有している。例えば、画像形成装置100の表示モニタに、光沢付与モードと光沢非付与モードとをユーザが選択可能なように表示する。ここで、光沢付与モードとは、コート紙などの光沢度の高い(30〜50%)の用紙を用いて、画像(定着トナー画像)を形成し、画像に対して下地である用紙と同等の光沢を付与するモードであり、グラビア写真印刷用として好適である。また、光沢非付与モードとは、普通紙など光沢度のあまり高くない用紙を用いて、画像を形成し、該画像にとくに光沢を付与する処理を行わないモードである。なお、ここでいう光沢度とは、60°光沢度計で測定した値(%)としている。
光沢付与モードが選択された場合、用紙として光沢度30〜50%のコート紙などを用いて、以下のように処理が行われる。ここでは、図7の装置構成を前提に説明する。
(S11) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ幅全体におけるニップ圧が15〜30N/cm2となる領域の割合を50%以上としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上のトナーは完全に定着されるとともに、画像(定着トナー)に25%以上の光沢が付与されるようになる。
(S12) 定着装置5から排出された用紙はガイド板45によりカール等が補正され、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。
(S13) 光沢付与装置6において、用紙上の画像に光沢がさらに付与される。このとき、加熱ローラ80の表面温度は80〜100℃であり、加圧調整手段によりニップ部N2のニップ圧が15〜30N/cm2に調整されている。これにより、用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーに熱及び所定の圧力が加えられ、該定着トナー表層のレベリングが行われて、用紙の光沢度に対して±15%以内、より好ましくは±10%以内となった光沢度が定着トナーに付与される。
(S14) 光沢付与装置6から排出された用紙はガイド板95、搬送ローラ対7を経由して、搬送経路を通って排紙される。
光沢非付与モードが選択された場合、用紙のサイズが確認され、用紙の搬送方向の長さとして210mm未満、210mm以上で区分けされて、以下のように処理が行われる。
まず、用紙の搬送方向の長さが210mm未満の場合を説明する。
(S21) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ幅全体におけるニップ圧が15〜30N/cm2となる領域の割合を50%未満としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上の画像(定着トナー)の光沢があまり上昇しない状態で、トナーは完全に定着されるようになる。あるいは、用紙の種類によっては、定着装置5の条件は光沢付与モードと同じとしてもよい。
(S22) 定着装置5から排出された用紙はガイド板45によりカール等が補正され、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。
(S23) 光沢付与装置6において、ニップ部N2で用紙を挟み込んで該用紙の搬送を行う。このとき、加熱ローラ80の表面温度は80〜100℃であるが、加圧調整手段によりニップ部N2のニップ圧が、光沢付与モードのときのニップ部N2のニップ圧よりも低く、例えば5N/cm2以下に調整されている。このように軽圧下とすることにより、用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーにあまり熱及び圧力が加えられず、該定着トナーの光沢を上昇させることがない。
(S24) 光沢付与装置6から排出された用紙はガイド板95、搬送ローラ対7を経由して、搬送経路を通って排紙される。
つぎに、光沢非付与モードが選択され、用紙の搬送方向の長さが210mm以上の場合、以下のように処理が行われる。
(S31) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ幅全体におけるニップ圧が15〜30N/cm2となる領域の割合を50%未満としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上の画像(定着トナー)の光沢があまり上昇しない状態で、トナーは完全に定着されるようになる。
(S32) 定着装置5から排出された用紙はガイド板45によりカール等が補正され、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。
(S33) 光沢付与装置6では、ローラ間ギャップが2mm以下となるように加熱ローラ80と加圧ローラ90を離間させた状態となっており、用紙はこの加熱ローラ80と加圧ローラ90の間を通過していく。
(S34) 光沢付与装置6を通過した用紙はガイド板95を通り、搬送ローラ対7まで到達する。搬送ローラ対7は、定着装置5のニップ部N1の後端から210mm以内に配置されているので、前記用紙の先端は該用紙の後端がニップ部N1を出る前に搬送ローラ対7に到達し、該搬送ローラ対7が用紙を挟み込んで適切に搬送を継続する。搬送ローラ対7を出た用紙は、搬送経路を通って排紙される。
以上のように、光沢非付与モード(例えば、通常印字)で、用紙の搬送方向の長さが210mm未満、210mm以上のいずれの場合においても、定着装置5及び光沢付与装置6でトナーの光沢を上昇させることがなく、かつ安定して搬送できるように工夫されているので、光沢付与モード、光沢非付与モードのいずれのモードであっても用紙搬送のパスラインを変更しないで所望の光沢の画像形成が可能となっており、画像形成装置として小型化が可能である。
また、光沢付与モードにおいて、定着装置5におけるニップ時間として30msec以上、より好ましくは60msec以上とし、光沢付与装置6におけるニップ時間を15msec以上とすることが可能である。これにより、光沢付与モードにおいても光沢非付与モードの場合と同等の用紙生産性を有することになり、いずれのモードを選択しても高い生産性を維持することができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。例えば、図10に示すように、定着装置5においてテンションローラ16,従動ローラ17を省略した構成としてもよい。
また、本発明の画像形成装置として、図6,図7の構成から光沢付与装置6を省略したもの、あるいは光沢付与装置6に代えて第2定着装置とし、定着装置5及び該第2定着装置の2つの定着装置を使って用紙上へのトナーの定着を完了する構成のものでもよい。
1 スキャナ部
2 書込み部
3 現像部
5 定着装置
6 光沢付与装置
7 搬送ローラ対
7a,7b ローラ
8 排紙部
11 定着ベルト
11g,14g,80g ジョイントギヤ
11m 第1モータ
11s 第1駆動機構
11t,14t,80t 駆動伝達系
12 定着ローラ
13 分離ローラ
14,90 加圧ローラ
14c ウェブクリーニングユニット
14h,15h,85 ヒータ(加熱手段)
14m 第2モータ
14s 第2駆動機構
15,80 加熱ローラ
16 テンションローラ
17 従動ローラ
18 定着ギヤ
18a,22a 一方向クラッチ
19 2段ギヤ
20 シャフト駆動ギヤ
21 駆動伝達シャフト
22 ワンウエイギヤ
23 分離ローラギヤ
24 加圧アイドラギヤ
25 加圧ギヤ
30 中間転写体
31 感光体
34 2次転写部
35 搬送ベルト
37 搬送路
38 レジスト部
41,41a,41b,41c,41d 給紙トレイ
43,44,83 分離部材
45,95 ガイド板
62,72,82 温度検知センサ
76,96 加圧レバー
76a,96a 加圧部材
76b,96b 支持軸
76c,96c 加圧部
77,97 スプリング
78,98 カム
80m 第3モータ
80s 第3駆動機構
93 クリーニング部材
100 画像形成装置
100A 画像読取部
100B 画像形成部
100C 給紙部
101 自動原稿送り装置(ADF)
N1,N2 ニップ部
P 用紙(記録媒体)
PL パスライン
T トナー
特開2004−191858号公報 特開2008−185682号公報

Claims (8)

  1. 駆動ローラである定着ローラと、
    駆動ローラである分離ローラと、
    前記定着ローラ及び分離ローラに架け渡される無端状の定着ベルトと、
    駆動ローラであって、前記定着ベルトを介して定着ローラ及び分離ローラに圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、
    第1モータと、一方向クラッチを有し、前記分離ローラの周速が定着ローラの周速よりも大となる駆動伝達系とからなり、前記第1モータの駆動を前記一方向クラッチを介して定着ローラに伝達するとともに、該第1モータの駆動を分離ローラに伝達する第1駆動機構と、
    第2モータと、駆動伝達系とからなり、前記第2モータの駆動を前記加圧ローラに伝達する第2駆動機構と、
    を備え、
    前記加圧ローラの周速が前記定着ローラの周速よりも大の関係になると、前記一方向クラッチが空転して該定着ローラは加圧ローラの回転に連れ回りすることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧ローラの周速が前記定着ローラの周速よりも大の関係になると、前記一方向クラッチが空転して該定着ローラは加圧ローラの回転に連れ回りするとともに、前記分離ローラは第1駆動機構により駆動回転することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1駆動機構は、駆動伝達系に、前記加圧ローラの周速が前記分離ローラの周速よりも大の関係になると空転して該分離ローラが加圧ローラの回転に連れ回りするようになる第2の一方向クラッチを有することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記加圧ローラの周速をVp、前記一方向クラッチがロックした状態での定着ローラ、分離ローラそれぞれの周速をVf,Vsとしたとき、
    記録媒体搬送中に、Vs≧Vp>Vfの関係が成り立つように、前記第1駆動機構及び/又は第2駆動機構の駆動制御が行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記第1モータの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出する第1モータ検出手段と、
    該第1モータの回転数を変更する第1モータ回転数変更手段と、を備え、
    記録媒体搬送中に、前記第1モータ検出手段の検出値が所定範囲内になるように、前記第1モータの回転数についてフィードバック制御を行い、Vs≧Vp>Vfの関係を成り立たせることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 加熱部材と、該加熱部材に圧接してニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱部材又は加圧部材を回動させる第3モータを含む第3駆動機構と、を有する光沢付与装置を前記定着装置の記録媒体搬送方向下流側に備え、
    前記定着装置における記録媒体の搬送速度をV1、前記光沢付与装置における搬送速度をV2としたとき、
    1.05×V1≧V2≧V1の関係が成り立つように、前記第3駆動機構における駆動制御が行われることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記第3モータの電流値、電力値、トルク指令値のいずれかを検出する第3モータ検出手段と、
    該第3モータの回転数を変更する第3モータ回転数変更手段と、を備え、
    記録媒体搬送中に、前記第3モータ検出手段の検出値が所定範囲内になるように、前記第3モータの回転数についてフィードバック制御を行い、1.05×V1≧V2≧V1の関係を成り立たせることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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