JP2011150193A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着装置と光沢付与装置の間で用紙が撓んでも、画像擦れを防止し、安定して用紙を搬送することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙搬送経路PL上の用紙Sのトナー面に対向し用紙搬送方向に連なって並ぶ基準状態に配置される複数のガイド部材21a,21bをそれぞれ用紙Sのトナー面から離れる方向に移動可能に有し、定着装置5から光沢付与装置6まで用紙Sを案内する搬送ガイド機構部20を備え、1枚の用紙Sがニップ部N1及びN2でニップされているときには、ガイド部材21a,21bそれぞれについて前記移動を行い、ニップ部N1,N2いずれかでニップされているときには、ガイド部材21a,21bそれぞれを前記基準状態とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、定着画像に光沢を付与する手段を有する画像形成装置に関するものである。
近年、カラー電子写真装置において、定着装置にて、コート紙等の地肌光沢が高い用紙(記録媒体ともいう)に対して画像光沢も地肌光沢に近い光沢を付与することが行なわれてきている。
このような光沢度を高くする方法として、通常線速の半分以下等の線速にして、定着熱量を増して、トナー画像をよりゲル化させて、トナー粒子形状を無くし、光沢を付与することが一般的である。
また、定着装置の用紙に熱量と圧を加えるニップ部において、その圧が高い構成が画像表面をレベリングするため光沢を高くすることが知られている。そのため、高い光沢を付与できるようにするためには、高いニップ圧を形成する構成となるが、その構成にて高生産性を上げる場合には大きな定着装置になり、且つ、光沢付与時の線速ダウンにて熱量アップを行なうため、生産性を大幅に落とす必要があった。
また、光沢の制御を目的として、従来から、特許文献1で開示されているように定着装置を複数設け、それを通過する定着装置個数により光沢制御を行なうものが知られている。実際には複数の定着装置を設ける構成では、普通紙を通紙するときとコート紙を通紙して光沢を付与するときとで、2つの搬送路に切り分ける必要があった。
そこで、特許文献2では、第2定着器に通紙するルートと通紙しないルートを設け、光沢モードと低光沢モードで2つのルートを使い分けるものが提示されているが、光沢モード時に第1定着器の定着性を甘くして、第2定着器を通過させて定着の完了と高光沢を出している状態にすると、第2定着器に入るまでの搬送部材の接触により画像欠損や前の用紙の欠損トナーが次の用紙に付着する等の問題が発生する。そのため、第1定着器にて全て定着を完了させ、第2定着器への安定した画像搬送を行うことが必要である。
また、特許文献3では、第1定着工程と第2定着工程にてローラ間を各々離間させて、光沢付与する/しないを切り分ける方法が提示されている。しなしながら、実際には、第1定着工程と第2定着工程の間に設ける共有ガイド板について光沢付与する/しない切替に対応可能とすることが形状的に難しいため、ジャム(紙詰まり)が発生した。
また、第2定着工程の簡素化を目的として、特許文献4では、第2定着工程のローラ温度を進入用紙温度より低くすることが提示されているが、第1定着工程−第2定着工程間をガイド板等で通紙するとガイド板に用紙やトナー表層温度が熱を奪われ、本来の目的である光沢付与が出来なかった。
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、定着装置の近くに光沢付与装置を配置し、定着装置と光沢付与装置の間に用紙搬送のガイド部材を有する構成において、定着装置と光沢付与装置の間で用紙が撓んでも、画像擦れを防止し、安定して用紙を搬送することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 回動可能に設けられる定着部材(定着ベルト11、定着ローラ12R)と該定着部材に圧接して記録媒体(用紙S)上の未定着トナーを熱と圧力により定着させる第1ニップ部(ニップ部N1)を形成する加圧部材(加圧ローラ14、加圧ベルト14a)とを有する定着装置(定着装置5,5’,5'',5''')と、前記定着装置の記録媒体搬送方向下流側であって、記録媒体の後端が前記第1ニップ部を抜ける前に該記録媒体の先端が到達する位置に配置され、前記記録媒体のトナー面に熱と圧力を付与する第2ニップ部(ニップ部N2)を有する光沢付与装置(光沢付与装置6)と、前記定着装置から前記光沢付与装置まで記録媒体を案内する搬送ガイド機構部(搬送ガイド機構部20)と、を備え、前記搬送ガイド機構部は、記録媒体搬送経路(用紙搬送経路PL)上の前記記録媒体のトナー面に対向し記録媒体搬送方向に連なって並ぶ基準状態に配置される複数のガイド部材(ガイド部材21a,21b)をそれぞれ前記記録媒体のトナー面から離れる方向に移動可能に有し、通紙される記録媒体1枚ごとに、該1枚の記録媒体が第1ニップ部及び第2ニップ部でニップされているときには、前記複数のガイド部材それぞれについて前記移動を行い、第1ニップ部、第2ニップ部のいずれかでニップされているときには、前記複数のガイド部材それぞれを前記基準状態とすることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置100、図1,図4,図12〜図14)。
〔2〕 前記定着装置と前記光沢付与装置との間に記録媒体検知手段(用紙検知センサ24)を有し、前記記録媒体検知手段が記録媒体先端の通過を検知した後に、前記搬送ガイド機構部は、前記複数のガイド部材それぞれについて前記移動を行い、前記記録媒体検知手段が記録媒体後端の通過を検知すると、前記搬送ガイド機構部は、前記複数のガイド部材それぞれを前記基準状態とすることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像形成装置(図5)。
〔3〕 前記複数のガイド部材の移動は、隣接する2つのガイド部材の突合せ端部側をそれぞれ前記記録媒体のトナー面とは反対方向に跳ね上げる態様であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の画像形成装置(図5)。
〔4〕 前記2つのガイド部材は、それぞれの突合せ端部が櫛歯形状とされており、お互いの櫛歯が交互に噛み合うように配置されることを特徴とする前記〔3〕に記載の画像形成装置(図6)。
〔5〕 前記複数のガイド部材の記録媒体搬送経路側の面はフッ素系樹脂で被覆されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の画像形成装置(図7)。
〔6〕 前記複数のガイド部材は、記録媒体搬送経路側の面から反対面側に貫通する穴を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の画像形成装置(図8)。
〔7〕 前記複数のガイド部材は、記録媒体搬送経路側の面に該記録媒体搬送経路側に突出するリブ(リブ21r)を設けてなる溝を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の画像形成装置(図9〜図11)。
〔8〕 前記リブは、少なくともその表面がフッ素系樹脂からなることを特徴とする前記〔7〕に記載の画像形成装置。
〔9〕 前記複数のガイド部材は、記録媒体搬送経路側の面が記録媒体搬送方向下流側になるほど記録媒体搬送経路から離れるように配置されることを特徴とする前記〔7〕または〔8〕に記載の画像形成装置(図10)。
〔10〕 前記リブは、記録媒体搬送方向下流側になるほど記録媒体搬送経路側に突出して、その突出先端が該記録媒体搬送経路に近づくことを特徴とする前記〔9〕に記載の画像形成装置(図10)。
〔11〕 前記リブは、その長手方向が記録媒体搬送方向に対して斜めに配置されてなることを特徴とする前記〔7〕〜〔11〕のいずれかに記載の画像形成装置(図11)。
本発明の画像形成装置によれば、通紙される用紙1枚ごとに、該1枚の用紙が第1ニップ部及び第2ニップ部でニップされているときに、複数のガイド部材それぞれを用紙のトナー面から離れる方向に移動させることにより、用紙が撓んでも用紙のガイド部材への接触圧を軽減するので、画像擦れを防止し、用紙の進行を安定させてシワ防止を図ることができる。また、用紙の紙種や紙厚等に応じて、定着装置と光沢付与装置との線速差の微妙な調整を行うことなく、用紙搬送を安定させ、シワ等の発生を防止することができる。
本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。 図1の画像形成装置の定着工程以降の構成であって、本発明の前提となる構成を示す断面概略図である。 描画定着性試験の説明図である。 本発明に係る画像形成装置の定着工程以降の構成を示す断面概略図である。 図4の搬送ガイド機構部の構成例を示す断面図である。 2つのガイド部材それぞれの突合せ端部の構成例を示す概略図である。 本発明に係る画像形成装置の定着工程以降のその他の構成例(1)を示す断面概略図である。 2つのガイド部材のその他の構成例を示す概略図である。 本発明に係る画像形成装置の定着工程以降のその他の構成例(2)を示す断面概略図である。 本発明に係る画像形成装置の定着工程以降のその他の構成例(3)を示す断面概略図である。 2つのガイド部材に設けられるリブの配置例を示す概略図である。 本発明に用いられる定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(1)を示す断面図である。 本発明に用いられる定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(2)を示す断面図である。 本発明に用いられる定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(3)を示す断面図である。
以下に、本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一態様であるデジタルカラー複写機装置本体の全体構成を示す断面概略図である。
カラー複写機100は、装置本体上部に位置する画像読取部100Aと、装置本体中央部に位置する画像形成部100Bと、装置本体下部に位置する給紙部100Cと、を有する。
画像読取部100Aには、原稿の画像情報を光学読み取りするスキャナ部1と、原稿を連続してスキャナ部1に搬送するADF(自動原稿送り装置)10と、を備える。
画像形成部100Bには、水平方向に延びる転写面を有するベルト状の中間転写体30が配置されており、該中間転写体30の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての4つの感光体31が中間転写体30の転写面に沿って並置されている。
感光体31の上方には、スキャナ画像情報、外部画像情報に基いた露光光を各感光体31の周面に照射する書込み部2が配置されている。また、各感光体31はそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置、現像装置、1次転写装置からなる現像部3と、転写後の感光体31の残留トナーを回収するクリーニング部36と、が配置されている。また、各現像装置には、それぞれのカラートナーが収容されている。
中間転写体30は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて各感光体31との対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つに対向する位置に転写ローラである2次転写部34が設けられている。また、2次転写部34の位置からの用紙(記録媒体ともいう)搬送のパスライン上に、搬送ベルト35、定着装置5、光沢付与装置6、搬送ローラ対7がこの順番で配置されている。
給紙部200Cは、記録媒体としての用紙を積載収容する給紙トレイ41(各給紙トレイとして41a,41b,41c,41dがある)と、該給紙トレイ41内の用紙を最上のものから順に1枚ずつ分離して、2次転写部の位置まで搬送する搬送路37、画像形成とのタイミングやスキュー補正を行うレジスト部38を含む搬送機構を有している。
本発明の画像形成装置100における画像形成に当たっては、感光体31の表面が現像部3の帯電装置により一様に帯電され、画像読取部100Aからのスキャナ画像情報、あるいは外部画像情報に基づいて書込み部2により各感光体31上にその色に応じた静電潜像が形成される。該静電潜像は対応する色のトナーを収容した現像装置によりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置により中間転写体30上に1次転写される。これにより、それぞれの色のトナー像が中間転写体30上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられることになる。
つぎに、中間転写体30上に1次転写されたトナー像は、2次転写部34で搬送されてきた用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、さらに定着装置5まで搬送され、定着部材と加圧部材との定着ニップ部にて定着が行なわれる。つぎに、用紙上の定着トナーは必要に応じて光沢付与装置6にて光沢が付与され、搬送ローラ対7で搬送され、排紙部8から排出経路に沿って送出された後に、出力画像として装置本体から排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
本発明に係る画像形成装置では、高度な定着、光沢付与機能が得られ、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)・画像(光沢付与、光沢付与なし)への対応が記録媒体(用紙)生産性を低下させることなしに可能となる。
図2は、図1に示した画像形成装置(カラー複写機)の定着工程以降の構成を示す概略図であり、本発明の前提となる構成を示すものである。
画像形成装置100は、用紙上の画像に光沢を付与するモードと光沢を付与しないモードを有する画像形成装置であって、回動可能に設けられる定着部材(定着ベルト11)と該定着部材に圧接してトナーを用紙に定着させる第1のニップ部N1を形成する加圧部材(加圧ローラ14)とを有する定着装置(定着装置5)と、加熱手段(加熱部材85)を有する第1回転体(加熱ローラ80)と定着トナーに光沢を付与する第2のニップ部N2を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体(加圧ローラ90)とを有する光沢付与装置(光沢付与装置6)と、前記定着装置のニップ部後端から距離L1として210mm以内に配置され、前記用紙を搬送する搬送ローラ対(搬送ローラ対7)と、を1つの用紙搬送のパスラインPL上にこの順番で備える。
(定着装置)
定着装置5は、円筒形状の定着ローラ12と、加熱ローラ15と、テンションローラ16と、該定着ローラ12,加熱ローラ15及びテンションローラ16に架け渡された定着部材である定着ベルト11と、該定着ベルト11に対して回転自在に圧接しニップ部N1を形成する加圧部材である加圧ローラ14と、を備える。ここでは、加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12に圧接する構成となっている。なお、ニップ部N1の用紙排出側であって先端が加圧ローラ14に近接して配置され該加圧ローラ14への用紙の巻き付きを防止する分離部材43と、ニップ部N1の用紙排出側であって先端が定着ベルト11に近接して配置され該定着ベルト11への用紙の巻き付きを防止する分離部材44を備える。
ここで、定着ベルト11は、用紙S上の未定着トナーTを定着する無端ベルトであり、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコーンゴム層などの弾性層、更にその上に離型層を形成した3層構造となっている。例えば、定着ベルト11は、内径110mmであり、耐熱性が高く、熱膨張量が少なく、しかも比較的強度が大きな無端状のポリイミド樹脂からなる基材の上に弾性層として厚み200μmのシリコーンゴムの層が形成され、更に最外層に離型層としてトナーとの離型性に優れたフッ素樹脂(PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)など)のチューブが被覆され、あるいはフッ素樹脂がコーティングされたものである。
定着ローラ12は、中空円筒状の基体ローラの外周にシリコーンゴム(ソリッドシリコーンゴム)又はシリコーンスポンジ(発泡シリコーンゴム)などの耐熱弾性層を形成してなるローラであり、例えば基体ローラ外周に厚み14mmの発泡シリコーンゴムからなる耐熱弾性層を形成して外径65mmとしたものである。また、定着ローラ12のニップ部N1の手前の領域の温度を検知する温度検知センサ52を備えている。
テンションローラ16は、定着ローラ12と加熱ローラ15間に配置され、定着ベルト11を支持しつつ、スプリングバネ16sを使用した機構により定着ベルト11に所定の張力を付与する機能を有する。定着装置5では、例えば軸方向片側9.8N、両側で合計19.6Nの張力を付与する。
加熱ローラ15は、アルミ又は鉄の中空ローラであり、例えば外径35mm、厚み0.6mmのアルミ製中空円筒ローラである。また、内部に定着ベルト11を加熱するためのハロゲンヒータなどのヒータ15hからなる熱源を有していて、定着ベルト11の内周側の加圧ローラ14とは圧接しない位置に、すなわちニップ部N1に加熱源を有しないように配置されている。熱源は誘導加熱機構(IH)でもよい。また、定着ベルト11が加熱ローラ15に接触している領域の温度を検知する温度検知センサ62を備えている。
加圧ローラ14は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコーンゴム(ソリッドシリコーンゴム)又はシリコーンスポンジ(発泡シリコーンゴム)などの耐熱弾性層が設けられた円筒形状のローラであり、例えば、厚み1mmの鋼製中空芯金の外周を厚み1.5mmのシリコーンゴムで覆い、更に最外層をPFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブで被覆した外径65mmのローラである。また、加圧ローラ14は、内部にヒータ14hを有し、温度検知センサ72により検知される加圧ローラ14の温度に基づいてヒータ14hの点灯制御が行われて、ニップ部N1を用紙が通過する時に該用紙から加圧ローラ14が熱を奪うことを防止している。
また、加圧ローラ14の外周には、ローラ上のオフセットトナーや紙粉等を取り除くウェブクリーニングユニット(不図示)が設けられている。
また、図2に示すように、加圧ローラ14には、加圧レバー76、スプリング77、加圧中間部材76a、カム78からなる加圧手段が設けられている。該加圧手段により加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12に圧接してニップ部N1を形成したり、該ニップ部N1を開放したりするようになっている。また、そのニップ部N1のニップ幅は用紙の種類(紙種)やモード(光沢を付与するモード、光沢を付与しないモード)によって複数の通紙状態に可変可能な構成になっている。
この加圧手段により加圧ローラ14を加圧状態とする動作としては、まず、外部からの駆動力によりカム78が図2中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該カム78が加圧中間部材76aを押し上げる(図2中矢印方向)。加圧中間部材76aが押されると、該加圧中間部材76aに固定されているスプリング77が一定の圧力で加圧レバー76の端部を押し上げる。つぎに、加圧レバー76のスプリング77側の端部が押し上げられると、該加圧レバー76は支持軸76bを中心軸として回転する(図2では反時計回り方向)。ついで、加圧レバー76のスプリング77側の端部と支持軸76bの中間にある加圧部76cが加圧ローラ14の軸に当接し、定着ローラ12方向に押すように作用する。最後に、加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12に圧接して、一定の圧力で加圧する状態の定着用のニップ部N1となる。なお、加圧手段として、スプリング77は省略可能であり、その場合にはカム78が直接加圧レバー76の端部を押し上げるように作用する。
このとき、加圧ローラ14は、定着ベルト11を介して定着ローラ12に対して所定の深さ(例えば、2〜4mm)食い込む。これにより、ニップ部N1は、所定のニップ幅を有することになる。
なお、定着装置5では、前記加圧手段により加圧ローラ14の加圧状態を変更して、定着ベルト11内の定着ローラ12と加圧ローラ14の当接状態を変化させ、ニップ部N1のニップ幅を複数段階に切り替えることが可能である。これは、定着装置5においてニップ幅を一定としていると、画像光沢を付与するモードにおいて用紙の厚さによって光沢が異なることがあったり、画像光沢を付与しないモードにおいて薄い用紙では光沢が増加することがあったりすることに対応するものであり、画像光沢に関するモードごと、用紙の厚さや種類などの条件に応じて、前記加圧手段によりニップ部N1のニップ幅を調整して光沢度を調整することを行う。
例えば、厚紙(坪量124〜300g/m2の用紙)の用紙を用いる場合には、カム78を調整して、ニップ幅を増大させる。また、普通紙以下の坪量の用紙を用いる場合には、そのままではニップ部N1から該用紙に定着に必要な熱量以上の熱量を供給することになり、画像の光沢度が予定以上に上昇するため、これを抑制する必要があり、カム78を調整して、ニップ幅を減少させ、光沢を抑えることが可能となる。これにより、光沢を付与しないモードにおいて、用紙として熱量過多となる傾向のある普通紙以下の坪量の用紙を使っても、ニップ圧の調整により、厚紙の場合と同等の画像光沢を維持することができる。
また、光沢を付与するモードにおいても、用紙の厚さを考慮してカム78を調整し定着装置5におけるニップ部N1のニップ幅を調整して、定着後の画像(定着トナー)の光沢度を10〜30%、より好ましくは20〜30%、さらに好ましくは25%以上、例えば25〜30%とする。これにより、最終的な画像の光沢度を用紙の光沢度に合わせて一定にすることが可能となる。
なお、加圧条件の例としては、ニップ部N1における荷重を15〜25N/cm2とする。そして、前記加圧手段により、用紙Sがグロスコート紙の場合(光沢を付与するモード)、ニップ部N1におけるニップ幅を20mmとする。また、用紙Sが普通紙の場合(光沢を付与しないモード)、ニップ部N1におけるニップ幅を15mmとする。その結果、ニップ部N1は、線速に対する総ニップ時間を50msec以上有し、それを減少調整させることで、厚紙(坪量300g/m2程度の用紙)を含めて定着装置5で十分な定着を行うことが可能である。
以上のように、光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードそれぞれでの希望光沢の信頼性を向上させることができる。また、この広いニップ部により、多種多様な紙種の定着性を良好にし、高速化・高生産性を実現することが可能となる。
なお、定着性が確保されているか否かは、以下に示す描画定着性試験により判定するとよい(図3)。
(描画定着性試験)
(1)試験準備
図3(a)に示すルビー針(直径8mm、針先端角60°、先端R260〜320μmR)と研磨紙(ハニーテックス#440又は相当品)を準備する。
(2)試験方法
(i) 画像形成装置100により、縦横20mm×50mm以上の2色カラー赤ベタ画像を測定用紙に定着させる。
(ii) (i)の赤ベタ画像を金属平滑面の上に置き、その赤ベタ画像の上からルビー針で50gfの荷重を掛けながら螺旋1〜2回/秒程度の速さで螺旋形状の曲線を罫書く(図3(b))。
(iii) 罫書いたサンプルを研磨紙で5往復程度強く擦る。この作業の意味は、描画で試験用紙から剥れたトナーを取り除く事である。
(3)判定方法
「罫書きした個所で用紙下地が見えない。」又は「罫書きした個所で用紙下地が見える欠損点が繋がっていない。」ものを定着性良好(OK)と判定する(図3(c))。
定着装置5の駆動の際には、例えば図2において、定着装置5用に設けられた駆動モータ(不図示)により加圧ローラ14が図中反時計回り方向に回転駆動する。また別の駆動モータ(不図示)により定着ローラ12が図中時計回り方向に回転駆動し、定着ベルト11が適切なテンションが付与された状態で用紙Sを排出する方向(図2では時計回り方向)に回動する。なおここでは、加圧ローラ14が定着装置5における主駆動ローラとして制御される。ここで、主駆動ローラとは、モータなどの駆動機構により回転駆動され、そのローラ外周の周速が定着装置5における用紙の搬送速度(用紙搬送速度または単に搬送速度という)となるローラである。加圧ローラ14のほうが、定着ローラ12よりも弾性層が薄く、表面温度の変動が小さいことから、外径変動が小さくなり、主駆動ローラに好適である。
また、定着の際には、定着ベルト11は、従動ローラである加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱により温度検知センサ62で検出される温度が所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。
ついで、ニップ部N1に未定着トナーTが形成された用紙Sが通され(図中、右側から左側方向への通紙)、ニップ部N1における加圧及び加熱により未定着トナーTを用紙S上に熱融着させて定着が行なわれる。
そして、ニップ部N1の排出側で用紙Sは、分離部材44により定着ベルト11から分離され、あるいは分離部材43により加圧ローラ14から分離されて排出される。
ニップ出口で分離部材44により定着ベルト11から分離した用紙Sは分離ニップ出口に配置されたガイド板45にガイドされて、搬送経路に誘導される。また、両面印刷のときに用紙Sの1面目がベタ画像、2面目が白紙等のトナー画像が少ない場合に加圧ローラ14に巻きつき易くなるが、この場合にはニップ出口の下方に配置された分離部材43により用紙Sが加圧ローラ14から分離され、搬送経路に誘導される。
このように、定着装置5から排出された用紙Sは、つぎに光沢付与装置6に搬送される。なお、図2では、定着装置5と光沢付与装置6との間に、例えば2枚の板状部材がパスラインPLの上下に配置され、搬送される用紙を通す隙間を定着装置5から光沢付与装置6に向かって狭くしたガイド板45が設けられている。
(光沢付与装置)
光沢付与装置6は、加熱手段(加熱部材85)を内部に有する中空円筒形状の第1回転体(加熱ローラ80)と、用紙上の画像(トナー面)に熱と圧力により光沢を付与する第2のニップ部N2を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体(加圧ローラ90)と、を有する。なお、加熱ローラ80を光沢付与装置6の主駆動ローラとする。
また、加熱ローラ80のニップ部N2入側に近い表面温度を検知する温度検知センサ82を備えており、該温度検知センサ82で検知される温度に基づいて加熱手段85であるハロゲンヒータなどのヒータの点灯制御が行われ、加熱ローラ80の表面温度が一定に保たれている。
この加熱ローラ80の表面温度は、画像に光沢を付与するモードのときに、定着トナーに適切に光沢を付与するためにコントロールされる温度である。例えば、用紙上の定着トナーに接触する加熱ローラ80の表面温度は、定着装置5の定着部材(定着ベルト11)の表面温度より低い。あるいは、加熱ローラ80の表面温度は、光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下であることが好ましい。
あるいは、加熱ローラ80の表面温度は、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下であることが好ましく、軟化温度以上、流出開始温度以下であることがより好ましい。ここで、これらのトナー物性温度は、例えばフローテスター(CFT−500D(島津製作所製))を使って、荷重5kg/cm2、昇温速度3.0℃/min、ダイ口径1.00mm、ダイ長さ10.0mmの条件で測定し、温度に対するピストンストロークの関係から求めるとよい。なお、1/2流出開始温度とは、流出開始温度と流出終了温度の中点となる温度である。
具体的な加熱ローラ80の表面温度は、例えば60℃(使用トナーの物性温度における軟化温度)〜137℃(使用トナーの物性温度における1/2流出開始温度)が好ましく、60〜120℃(使用トナーの物性温度における流出開始温度)が好ましく、さらに好ましくは80〜100℃である。なお、トナーに関する温度(トナー物性温度)は、トナーロットや色によりばらつきがあり、ここで示す温度はその平均値である。
画像形成装置100において、定着装置5通過時(定着工程)では、用紙上の未定着状態のトナーは、ニップ部N1で熱と圧力を受けて、トナー表面から用紙上までトナー層全体が溶融されており、これにより定着が完了する。また、トナーはある程度の平滑化等とともに用紙に密着するようになり、トナー表面にも強い粘着力が発生している。
これに対して、光沢付与装置6通過時(光沢付与工程)では、すでに定着が完了しているので、トナー表面をレベリングするだけの熱量を付与する。ここでいう「レベリング」とは、トナー表面を平滑化して光沢度を上げることである。光沢付与装置6に入ってきた用紙上のトナーはニップ部N2で熱と圧力を受けるが、加熱ローラ80の表面温度が光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下(あるいは、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下。またあるいは、60〜120℃)であるため、トナー層の全体を溶かすのではなく表層を軟化させるのみとなり、トナーとしての色はそのまま保持されつつ、表層のみが平滑な加熱ローラ80の表面によりレベリングされ光沢が向上する。このときのトナー表面は定着工程のときほどの粘着力はないため、加熱ローラ80の直径を30mm以上、40mm以下としても、用紙の分離性が良好である。すなわち、光沢付与装置6の用紙排出側に設けた分離部材83を省略することができ、装置構成の簡素化によるコストダウンが可能となる。また、定着工程のようにトナー層全体を溶かすことによるオフセットが発生しないため、加圧ローラ90の表面のトナー汚れを除去するためのクリーニング部材93を省略することができ、装置構成の簡素化によるコストダウンが可能となる。
加圧ローラ90は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコーンゴム等の弾性層が設けられた円筒形状のローラである。また、加圧ローラ90には、加圧レバー96、スプリング97、加圧中間部材96a、カム98からなる加圧調整手段が設けられており、画像に光沢を付与するモードのときには、この加圧調整手段により加圧ローラ90を加圧状態とする。
その動作としては、まず、外部からの駆動力によりカム98が図中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該カム98が加圧中間部材96aを押し上げる(図中矢印方向)。加圧中間部材96aが押されると、該加圧中間部材96aに固定されているスプリング97が一定の圧力で加圧レバー96の端部を押し上げる。つぎに、加圧レバー96のスプリング97側の端部が押し上げられると、該加圧レバー96は支持軸96bを中心軸として回転する(図2では時計回り方向)。ついで、加圧レバー96のスプリング97側の端部と支持軸96bの中間にある加圧部96cが加圧ローラ90の軸に当接し、加熱ローラ80方向に押すように作用する。最後に、加圧ローラ90が加熱ローラ80に当接し、所定の圧力で加圧する状態となり光沢付与用のニップ部N2を形成する。なお、加圧調整手段として、スプリング97は省略可能であり、その場合にはカム98が直接加圧レバー96の端部を押し上げるように作用する。
加圧調整手段による圧力の調整はカム98の回転角の調整で行われ、カム98の所定の回転位置で加熱ローラ80と加圧ローラ90とを離間させ、ニップ部N2を開放することが可能である。
なお、ニップ部N2におけるニップ圧は、用紙上の画像に光沢を付与するモードのとき、前記加圧調整手段により、25〜30N/cm2に調整されることが好ましい。これにより、定着装置5から搬送されてきた用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーに熱を加えるとともに所定の圧力が加えられることにより、該定着トナー表層のレベリングが行われて光沢が付与されることになる。
また、光沢を付与しないモードであって、用紙の長さが210mm未満のとき、前記加圧調整手段により、ニップ部N2におけるニップ圧は光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整される。例えば、15N/cm2未満に調整されることが好ましく、5N/cm2以下に調整されることがより好ましい。このときのニップ圧とは、ニップ幅全体の平均値である。これにより、用紙は加熱ローラ80、加圧ローラ90でニップされるが、ニップ圧が弱いため、画像の光沢を上昇させることなく、用紙を搬送するだけの装置(搬送手段)として機能する。
また、光沢を付与しないモードであって、用紙の長さが210mm以上のとき、前記加圧調整手段により、加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ニップ部N2)を開放することが好ましい。
光沢を付与しないモードでは、薄紙長手用紙として秤量80g/m2以下のA3版等の用紙を使用することがあるが、この用紙の場合には、定着装置5と光沢付与装置6との間のわずかな用紙線速差によっても撓みや引張り合いにより用紙に微小シワ等が発生する。そのため、光沢付与装置6の加熱ローラ80と加圧ローラ90とを離間させて、この問題を解決するものである。このとき、用紙は光沢付与装置6を通過するだけであるが、用紙の長さが210mm以上であるため、定着装置5のニップ部N1から出てきた用紙先端は搬送ローラ対7まで到達し、搬送ローラ対7が用紙をニップして搬送することになる。これにより、形成された画像にローラが接触する機会を減らして画像品質を確保するとともに、確実に搬送することができる。
また、この開放するときの加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ローラ間ギャップ)は2mm以下にするとよい。ローラ間ギャップを2mmより大きくすると、用紙がパスラインPLから外れてジャムが発生しやすくなるためである。
なお、加熱ローラ80、加圧ローラ90のそれぞれの表層にフッ素樹脂で被覆することが好ましい。これによれば、光沢を付与しないモードで前記のようにローラ間ギャップを2mm以下として加熱ローラ80と加圧ローラ90を離間させて、この間を用紙を通過させる際に、画像面が加熱ローラ80に部分的に接触することがあるが、表面のフッ素樹脂層80aが離型性を有しているために、画像が部分的に接触したとしても画像削れ等の発生を防止することができる。
以上のように光沢付与装置6を構成することにより、光沢を付与するモードにおいて目標光沢を安定して得ることができ、また光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードそれぞれにおける目標光沢の信頼性を向上させている。
また、光沢付与装置6の配置位置は、用紙の後端が前記ニップ部N1を抜ける前に該用紙の先端が光沢付与装置6のニップ部N2に到達する位置とする。すなわち、光沢付与装置6は、定着装置5で十分な分離が可能な構成から50mm以上で、他の搬送ローラを必要としない130mm以下に配置されている。
光沢付与装置6から排出された、または通過した用紙は、つぎに搬送ローラ対7に送られるが、光沢付与装置6と搬送ローラ対7との間に、例えば2枚の板状部材がパスラインPLの上下に配置され、搬送される用紙を通す隙間を光沢付与装置6から搬送ローラ対7に向かって狭くしたガイド板95を設けるとよい。ガイド板95が用紙のカール等を補正して用紙先端が搬送方向に向くようになるため、搬送ローラ対7でのシワやジャムを防止することができ、搬送品質を安定化させることができる。
(搬送ローラ対)
搬送ローラ対7は、クロロプレンゴムやシリコーンゴムなどからなる円筒形状のローラ7aと樹脂からなる円筒形状のローラ7bとが当接した構成となっている。ローラ7a,7bのいずれか一方、あるいは両方が回転駆動しており、搬送されてきた用紙を挟み込んで排出経路に搬送する。ここで、搬送ローラ対7は、定着装置5のニップ部N1の後端から210mm以内に配置されているので、画像に光沢を付与しないモードであって、用紙の搬送方向の長さが210mm(A4版用紙の短手方向の長さ)以上の場合、光沢付与装置6の加熱ローラ80、加圧ローラ90間が開放されているが、定着装置5のニップ部N1を出た用紙の先端は該用紙の後端がニップ部N1を出る前に搬送ローラ対7に到達するために、適切に搬送することが可能である。
なお、本発明では光沢付与装置6では加熱ローラ80の表面温度が低め(光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下(あるいは、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下。またあるいは、60〜120℃))とされているので、光沢を付与するモードのときの搬送ローラ対7に到達したときの用紙の温度は定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度と同等以下となっており、搬送ローラ対7へのトナーの固着等を防止することができる。また、同様の理由からガイド板95等へのトナー固着も防止できる。
ここで、前述したように定着装置5、光沢付与装置6ともに用紙搬送力が強いローラ同士が用紙S及び用紙S上のトナーが温められた状態で近接するので、用紙Sにおいてシワや画像擦れが発生しやすかった。具体的には、定着装置5、光沢付与装置6の用紙搬送線速の関係で光沢付与装置6の用紙搬送が定着装置5の用紙搬送より線速が遅い場合は、用紙が線速差により撓みが発生して、上側のガイド板45と強く擦るようになると、用紙はガイド板45の装置手前側と奥側で接触度合いが異なる状態となりやすく、用紙進行に対して斜めの力が作用するようになり、用紙にシワが発生する。逆に、光沢付与装置6の用紙搬送の方が速いと、定着装置5と光沢付与装置6の間で用紙の引張り合いが発生して、トルク異常や加圧力の弱いほうのニップ部でのすべりが発生して光沢変動等を起こしてしまう。また、用紙の撓み量を見て定着装置5、光沢付与装置6それぞれの線速を調整する方法も考えられるが(例えば、特開2002−351237号公報参照。)、定着装置5と光沢付与装置6を近接して配置した構成(図2)では、定着装置5、光沢付与装置6間の線速差による影響が大きく、また定着装置5、光沢付与装置6ではともに用紙の種類による表面すべり性や紙厚によるローラ変形度合いにより微妙に線速が変化するため、最適線速条件内に収めることは困難であった。
そこで、本発明では、搬送ガイド板45に替えて、定着装置5と光沢付与装置6の間の用紙搬送経路PL上にある空間を利用する搬送ガイド機構部を設け、前述の問題を解決した。以下、本発明に係る画像形成装置の要部構成について説明する。
図4は、本発明に係る画像形成装置の要部構成を示す断面図である。
画像形成装置100は、用紙搬送経路(パスラインともいう)PL上の用紙Sのトナー面(図中上側の面)に対向し用紙搬送方向に連なって並ぶ基準状態(図4中、実線で示すガイド部材21a,21bの状態)に配置される複数のガイド部材(上側ガイド部材ともいう)21a,21bをそれぞれ用紙Sのトナー面から離れる方向に移動可能に有し、定着装置5から光沢付与装置6まで用紙Sを案内する搬送ガイド機構部20を備える。図4に示す画像形成装置100は、搬送ガイド機構部20以外の構成は、図2に示すものと同じである。なお、ガイド部材21cは、図2の下側のガイド部材45と同じである。
ここで、ガイド部材21a,21bは、定着装置5と光沢付与装置6の間に搬送される用紙Sが用紙搬送経路PLを外れたときに接触し、用紙搬送経路PL側に案内可能に配置される板状の部材である。
また、複数のガイド部材21a,21bそれぞれの前記移動(用紙Sのトナー面から離れる方向への移動)は、隣接する2つのガイド部材21a,21bの突合せ端部側をそれぞれ用紙Sのトナー面とは反対方向に跳ね上げる態様(図4中、点線で示すガイド部材21a’,21b’の状態)であることが好ましい。
図5に、複数のガイド部材21a,21bの移動機構の構成例を示す。
移動機構は、用紙搬送方向に対して平行なガイド溝22gに沿って移動が可能な突起22a,22bを有するリンク22と、リンク22を昇降させる駆動装置である駆動モータ23と、搬送される用紙Sの先端、後端を検知する用紙検知センサ24と、からなる。また、ガイド部材21aは定着装置5側の端部が回動自在に支持され、ガイド部材21bは光沢付与装置6側の端部が回動自在に支持されており、ガイド部材21a,21bのお互いの突合せ端部がそれぞれ突起22a,22bと連結されている。
この移動機構の構成により、駆動モータ23の駆動によりリンク22が上昇すると、突起22a,22bがガイド溝22gに沿ってそれぞれガイド溝22gの端部方向に移動しながら、連結しているガイド部材21a,21bの突合せ端部を上方に引張ることになり、ガイド部材21a,21bの突合せ端部側がそれぞれ用紙Sのトナー面とは反対方向に跳ね上げられ、その状態で保持されるようになる(図5中、点線で示すガイド部材21a’,21b’の状態)。この結果、定着装置5と光沢付与装置6の間の中央に行くほど、ガイド部材21a,21bが用紙搬送経路PLから離れた空間が形成されるようになる。
一方、駆動モータ23の駆動によりリンク22が降下すると、突起22a,22bがガイド溝22gに沿ってそれぞれガイド溝22gの中央方向に移動しながら、連結しているガイド部材21a,21bの突合せ端部を下方に引張ることになり、ガイド部材21a,21bの突合せ端部側が基準状態となる(図5中、実線で示すガイド部材21a,21bの状態)。
以上の移動機構を有する画像形成装置100では、定着装置5から光沢付与装置6にかけての用紙搬送は、以下のようにして行う。
(S1) 画像形成処理が開始されると、給紙トレイ41から供給された用紙Sは、トナー像が転写され、さらに定着装置5を通過する。そして、用紙検知センサ24が定着装置5を通過してきた用紙Sの先端を検知する。なお、このときのガイド部材21a,21bは、基準状態(図4中、実線で示すガイド部材21a,21bの状態)にあり、用紙Sの先端を光沢付与装置6まで適正に案内する。
(S2) 用紙検知センサ24が検知した信号により、該用紙Sの先端が光沢付与装置6に到達すると想定される時から、駆動モータ23がリンク22を上昇させるように駆動して、ガイド部材21a,21bの突合せ端部側をそれぞれ用紙Sのトナー面とは反対方向に跳ね上げるようにする。この時、すなわち1枚の用紙Sが第1のニップ部N1及び第2のニップ部N2でニップされている時には、画像形成装置100における用紙搬送制御として、光沢付与装置6における用紙搬送速度を定着装置5における用紙搬送速度よりも若干遅くし、定着装置5と光沢付与装置6の間で用紙Sにある程度の撓みが発生するようにしている。用紙Sは、定着装置5において熱と圧力が加えられてトナーが定着されることから用紙Sのトナー面側が凸形状となるような撓みが発生する(図4中、点線で示す用紙S’の状態)。このときのガイド部材21a,21bは、用紙Sの撓みが生じる動きに合わせて該用紙Sの撓みに沿って、突合せ端部側をそれぞれ用紙Sのトナー面とは反対方向に跳ね上げる状態(図4中、点線で示すガイド部材21a’,21b’の状態)にあり、用紙Sのトナー面と接触しないか、接触しても接触圧力の小さな接触状態となる。
(S3) ついで、前記用紙Sの後端が定着装置5を通過して、用紙検知センサ24がその後端を検知すると、駆動モータ23がリンク22を降下させるように駆動して、ガイド部材21a,21bを基準状態とし、ガイド部材21a,21bが用紙Sの後端を光沢付与装置6まで適正に案内する。
以上の用紙搬送制御を、通紙される用紙1枚ごとに行う。
以上のように、通紙される用紙1枚ごとに、該1枚の用紙Sが第1のニップ部N1及び第2のニップ部N2でニップされているときには、複数のガイド部材21a,21bそれぞれを用紙Sのトナー面から離れる方向に移動させて、図4中、点線で示すガイド部材21a’,21b’の状態とする。これにより、用紙Sのガイド部材21a,21bへの接触圧を軽減し、画像擦れの防止及び用紙Sの進行を安定させてシワ防止を図ることができる。また、用紙Sの紙種や紙厚等に応じて、定着装置5と光沢付与装置6との線速差の微妙な調整を行うことなく、用紙搬送を安定させ、シワ等の発生を防止することができる。
ここで、図4に示す構成のように、上側のガイド部材21a,21bについてお互いの突合せ端部側を跳ね上げるように開閉させる構成の場合に、突合せ端部側を跳ね上げるタイミングや力の加わり方によって、用紙Sの先端が定着装置5と光沢付与装置6の間の中間部を通過する時のガイド部材21a,21b間の隙間が大きくなり、用紙Sのジャムが発生し易い状態になる。
そこで、図6に示すように、2つのガイド部材21a,21bそれぞれの突合せ端部を櫛歯形状とし、お互いの櫛歯が交互に噛み合うように配置することが好ましい。なお、図6は、用紙搬送経路PLから2つのガイド部材21a,21bを見た図である。これにより、ガイド部材21a,21bのお互いの突合せ端部側を跳ね上げても、用紙搬送経路PL上での隙間ができないようにすることができ、用紙先端の引っ掛かりによるジャムが防止でき、用紙Sの搬送性不具合を改善し、用紙搬送の信頼性を向上させることが可能となる。
また、図4に示す構成では、1枚の用紙Sが第1のニップ部N1及び第2のニップ部N2でニップされ撓んでも、ガイド部材21a,21bは用紙Sのトナー画像と強く摺動することはないが、まったくトナー画像と接触しない訳ではない。このとき、定着装置5から出てきた用紙S上のトナー画像は定着しているが完全に固まりきってはいないので、ガイド部材21a,21bと摺動した際に該ガイド部材21a,21bに固着する可能性があった。とくに、ガイド部材21a,21bのモールドを耐熱性の観点からガラス繊維等が入っている材料からなるものとしたときには、ガイド部材21a,21bの表面に凹凸が形成されることから、トナーがより固着しやすかった。また、一度トナーが固着すると、次に搬送されてくる用紙S上のトナー画像のトナーとの親和性により、更に画像擦れが発生し、画像欠けがしやすくなった。
そこで、図7に示すように、複数のガイド部材21a,21bの用紙搬送経路PL側の面をフッ素系樹脂で被覆されてなるものとすることが好ましい。具体的には、ガイド部材21a,21bの対象面にフッ素樹脂シート(用紙搬送経路側にPFAやPTFEからなる樹脂をシート基材にコートしたもの)21dを貼り付けるとよい。これにより、ガイド部材21a,21bの用紙搬送経路PL側の表面は滑らかになり、用紙Sが接触した程度では用紙S上のトナー画像からトナーが固着しないようにすることができる。その結果、用紙搬送性の不具合を改善し、用紙搬送の信頼性を向上させることが可能となる。
また、図4,図6,図7に示す構成では、定着装置5において画像定着する時に熱を用紙Sに与えると用紙S内に含まれていた水分が蒸発するが、この発生した水蒸気は用紙Sとともに定着装置5と光沢付与装置6の間の上側のガイド部材21a,21bと下側のガイド部材21cで囲まれる閉空間に流入してきた。そして、その閉空間の上方に向かって伝わって行きながら、冷やされて、上側のガイド部材21a,21bに結露水として付着し、それが次に搬送されて来る用紙Sに水滴となって付着し、画像品質を劣化させることがあった。
そこで、図8に示すように、複数のガイド部材21a,21bは、用紙搬送経路PL側の面から反対面側に貫通する穴21hを有することが好ましい。これにより、発生した水蒸気をガイド部材21a,21bの穴21hを通して上方に逃がすことができ、結露による画像異常及び用紙搬送性の不具合を改善し、用紙搬送の信頼性を向上させることが可能となる。なお、図7に示すような用紙搬送経路PL側の面にフッ素樹脂シート21dを貼り付けたガイド部材21a,21bについては、フッ素樹脂シート21dに形成する穴をガイド部材21a,21bに形成する穴よりも小さくすると、ガイド部材21a,21bの用紙搬送経路PL側の面の平滑性を保ちつつ水蒸気を逃がし易くできるのでより好ましい。
あるいは、図9に示すように、複数のガイド部材21a,21bは、用紙搬送経路PL側の面に該用紙搬送経路PL側に突出する複数のリブ21rを設けてなる溝を有することが好ましい。これにより、水蒸気をリブ21r間の溝(隙間)に沿わせて、前記閉空間から逃がすことができ、結露による画像異常及び用紙搬送性の不具合を改善し、用紙搬送の信頼性を向上させることが可能となる。なお、リブ21rをPFAなどのフッ素樹脂にて成形して少なくともその表面がフッ素系樹脂からなるようにすることによって、リブ21rに用紙Sのトナー画像が接触しても該トナー画像からのトナーの付着も防止することができる。
またこのとき、図10に示すように、複数のガイド部材21a,21bは、用紙搬送経路PL側の面が用紙搬送方向下流側になるほど用紙搬送経路PLから離れるように配置されることが好ましい。これにより、上側のガイド部材21a,21bの用紙搬送経路PL側の面が用紙搬送方向下流に向かって用紙搬送経路PLから離れるように位置が高くなっていることから、水蒸気が上方に逃げる性質を利用して、より水蒸気を逃げ易くすることができる。
なお、図10において、ガイド部材21a,21bは、光沢付与装置6の第2のニップ部N2に向かうように、用紙Sを導かなければならないため、ガイド部材21a,21bのリブ21rを用紙搬送方向下流側になるほど用紙搬送経路PL側に突出させ、その突出先端が該用紙搬送経路PLに近づくようにすることが好適である。これにより、結露による画像異常及び用紙搬送性の不具合をより改善し、用紙搬送の信頼性をさらに向上させることができる。
また、図9,図10のリブ21rについて、用紙搬送方向に平行に設置すると、用紙Sの幅方向の特定の位置の画像でリブ21rが連続して摺動し、それ以外の位置の画像では摺動しない状態となり、リブ21rが連続して摺動した個所が摺動しなかった個所に比べて画像の光沢が上がり、光沢が不均一になる光沢スジが発生する場合があった。
そこで、図11に示すように、リブ21rは、その長手方向が用紙搬送方向に対して斜めに配置されてなることが好ましい。これにより、用紙搬送中にリブ21rが摺動する部分を用紙Sの幅方向に分散させ接触面積を上げることで圧を低減し、かつリブ21rが用紙Sの幅方向の特定の位置の画像に集中して摺動することがなくなり、用紙搬送中のリブ21rによる光沢スジを防止することができ、結露による画像異常及び用紙搬送性の不具合を改善し、用紙搬送の信頼性を向上させることができる。
(光沢付与モード・光沢非付与モード)
つぎに、本発明の画像形成装置100における画像形成の手順を説明する。
本発明の画像形成装置100では、同じ連量(秤量)の用紙を用いて、該用紙上の画像に光沢を付与するモード(光沢付与モード)と、光沢を付与しないモード(光沢非付与モード)と、を選択可能に有している。例えば、画像形成装置100の表示モニタに、光沢付与モードと光沢非付与モードとをユーザが選択可能なように表示する。ここで、光沢付与モードとは、コート紙などの光沢度の高い(30〜50%)の用紙を用いて、画像(定着トナー画像)を形成し、画像に対して下地である用紙と同等の光沢を付与するモードであり、グラビア写真印刷用として好適である。また、光沢非付与モードとは、普通紙など光沢度のあまり高くない用紙を用いて、画像を形成し、該画像にとくに光沢を付与する処理を行わないモードである。なお、ここでいう光沢度とは、60°光沢度計で測定した値(%)としている。
光沢付与モードが選択された場合、用紙として光沢度30〜50%のコート紙などを用いて、以下のように処理が行われる。ここでは、図4の装置構成を前提に説明する。
(S11) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ幅全体におけるニップ圧が15〜30N/cm2となる領域の割合を50%以上としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上のトナーは完全に定着されるとともに、画像(定着トナー)に25%以上の光沢が付与されるようになる。
(S12) 定着装置5から排出された用紙Sは、ガイド部材21a,21bが実線で示す状態にある搬送ガイド機構部20により、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。ついで、用紙Sの先端が光沢付与装置6のニップ部N2に到達すると、搬送ガイド機構部20においてガイド部材21a,21bが点線で示す状態(ガイド部材21a’,21b’)となり、撓んだ状態の用紙S’のガイド部材21a,21bへの接触圧を軽減し、画像擦れの防止及び用紙Sの進行を安定させてシワ防止を図ることができる。
(S13) 光沢付与装置6において、用紙上の画像に光沢がさらに付与される。このとき、加熱ローラ80の表面温度は80〜100℃であり、加圧調整手段によりニップ部N2のニップ圧が15〜30N/cm2に調整されている。これにより、用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーに熱及び所定の圧力が加えられ、該定着トナー表層のレベリングが行われて、用紙の光沢度に対して±15%以内、より好ましくは±10%以内となった光沢度が定着トナーに付与される。
(S14) 光沢付与装置6から排出された用紙はガイド板95、搬送ローラ対7を経由して、搬送経路を通って排紙される。
光沢非付与モードが選択された場合、用紙のサイズが確認され、用紙の搬送方向の長さとして210mm未満、210mm以上で区分けされて、以下のように処理が行われる。
まず、用紙の搬送方向の長さが210mm未満の場合を説明する。
(S21) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ幅全体におけるニップ圧が15〜30N/cm2となる領域の割合を50%未満としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上の画像(定着トナー)の光沢があまり上昇しない状態で、トナーは完全に定着されるようになる。あるいは、用紙の種類によっては、定着装置5の条件は光沢付与モードと同じとしてもよい。
(S22) 定着装置5から排出された用紙Sは、ガイド部材21a,21bが実線で示す状態にある搬送ガイド機構部20により、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。ついで、用紙Sの先端が光沢付与装置6のニップ部N2に到達すると、搬送ガイド機構部20においてガイド部材21a,21bが点線で示す状態(ガイド部材21a’,21b’)となり、撓んだ状態の用紙S’のガイド部材21a,21bへの接触圧を軽減し、画像擦れの防止及び用紙Sの進行を安定させてシワ防止を図ることができる。
(S23) 光沢付与装置6において、ニップ部N2で用紙を挟み込んで該用紙の搬送を行う。このとき、加熱ローラ80の表面温度は80〜100℃であるが、加圧調整手段によりニップ部N2のニップ圧が、光沢付与モードのときのニップ部N2のニップ圧よりも低く、例えば5N/cm2以下に調整されている。このように軽圧下とすることにより、用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーにあまり熱及び圧力が加えられず、該定着トナーの光沢を上昇させることがない。
(S24) 光沢付与装置6から排出された用紙はガイド板95、搬送ローラ対7を経由して、搬送経路を通って排紙される。
つぎに、光沢非付与モードが選択され、用紙の搬送方向の長さが210mm以上の場合、以下のように処理が行われる。
(S31) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ幅全体におけるニップ圧が15〜30N/cm2となる領域の割合を50%未満としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上の画像(定着トナー)の光沢があまり上昇しない状態で、トナーは完全に定着されるようになる。
(S32) 定着装置5から排出された用紙Sは、ガイド部材21a,21bが実線で示す状態にある搬送ガイド機構部20により、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。ついで、用紙Sの先端が光沢付与装置6のニップ部N2に到達すると、搬送ガイド機構部20においてガイド部材21a,21bが点線で示す状態(ガイド部材21a’,21b’)となり、撓んだ状態の用紙S’のガイド部材21a,21bへの接触圧を軽減し、画像擦れの防止及び用紙Sの進行を安定させてシワ防止を図ることができる。
(S33) 光沢付与装置6では、ローラ間ギャップが2mm以下となるように加熱ローラ80と加圧ローラ90を離間させた状態となっており、用紙はこの加熱ローラ80と加圧ローラ90の間を通過していく。
(S34) 光沢付与装置6を通過した用紙はガイド板95を通り、搬送ローラ対7まで到達する。搬送ローラ対7は、定着装置5のニップ部N1の後端から210mm以内に配置されているので、前記用紙の先端は該用紙の後端がニップ部N1を出る前に搬送ローラ対7に到達し、該搬送ローラ対7が用紙を挟み込んで適切に搬送を継続する。搬送ローラ対7を出た用紙は、搬送経路を通って排紙される。
以上のように、光沢非付与モード(例えば、通常印字)で、用紙の搬送方向の長さが210mm未満、210mm以上のいずれの場合においても、定着装置5及び光沢付与装置6でトナーの光沢を上昇させることがなく、かつ安定して搬送できるように工夫されているので、光沢付与モード、光沢非付与モードのいずれのモードであっても用紙搬送のパスラインを変更しないで所望の光沢の画像形成が可能となっており、画像形成装置として小型化が可能である。
また、光沢付与モードにおいて、定着装置5におけるニップ時間として30msec以上、より好ましくは60msec以上とし、光沢付与装置6におけるニップ時間を15msec以上とすることが可能である。これにより、光沢付与モードにおいても光沢非付与モードの場合と同等の用紙生産性を有することになり、いずれのモードを選択しても高い生産性を維持することができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、図4の画像形成装置において、定着装置5における定着ベルト11、加熱ローラ15、テンションローラ16を省略し、図12に示すようなヒータ12hを内蔵する定着ローラ12Rと加圧ローラ14とがニップ部N1を形成する定着装置5’としてもよい。
あるいは、図4の画像形成装置において、定着装置5に代えて、図13に示すような加圧ベルトを用いた方式の定着装置5''としてもよい。
定着装置5''では、上側に回転自在に配置された図12に示したものと同様な定着ローラ12Rと、定着ローラ12Rの下にローラ13R,14R,15Rに回動自在に架け渡された加圧ベルト14aと、が当接して加圧ベルト14aの裏面にある加圧パッドであるバックアップ部材14bにより定着ニップ部N1を形成可能に配置されている。また、定着ローラ12Rはヒータ12hにより加熱され、加圧ベルト14aはヒータ14h’により加熱されるようになっている。
また、少なくともバックアップ部材14bには、前述したものと同様の加圧制御が行われる加圧手段を備えており、ニップ部N1のニップ幅が用紙の種類(紙種)やモード(光沢を付与するモード、光沢を付与しないモード)によって複数の状態に可変可能な構成になっている。
また、図4の画像形成装置において、定着装置5に代えて、図14に示すように、定着部材、加圧部材ともにベルトとして構成するようにしても良い。具体的には、この定着装置5’’’では、定着部材としての定着ベルト11がローラ16R、17R及び案内部材12gに掛け渡され、ローラ17Rが回転駆動されて定着ベルト11が回転する。加圧部材としての加圧ベルト14aは、ローラ18R,19R及び案内部材14gに掛け渡され、ローラ18Rは加圧ベルト14a及び定着ベルト11をローラ16Rに押圧する。ローラ16R、18Rはそれぞれ内部に設けられている加熱手段としてのヒータ12h’、14h’’により加熱されて定着ベルト11及び加圧ベルト14aを加熱する。
また、ローラ18Rは、前述したものと同様の加圧制御が行われる加圧手段を備えており、ニップ部N1のニップ幅が用紙の種類(紙種)やモード(光沢を付与するモード、光沢を付与しないモード)によって複数の状態に可変可能な構成になっている。
また、図4の構成において、光沢付与装置6に代えて用紙のトナー面に熱と圧力を付与する第2のニップ部を有する第2の定着装置とし、定着装置5及び該第2の定着装置の2つの定着装置を使って用紙上へのトナーの定着を完了する構成とし、定着装置5と第2の定着装置との間に搬送ガイド機構部20を適用してもよい。あるいは、光沢付与装置6に代えて1対のローラからなる単に用紙を搬送する搬送機構としてもよい。
1 スキャナ部
2 書込み部
3 現像部
5,5’,5’’,5’’’ 定着装置
6 光沢付与装置
7 搬送ローラ対
7a,7b ローラ
8 排紙部
10 自動原稿送り装置(ADF)
11 定着ベルト
12,12R 定着ローラ
14,90 加圧ローラ
14a 加圧ベルト
12h,14h,14h’,14h'',15h,85 ヒータ(加熱手段)
15,80 加熱ローラ
16 テンションローラ
16s スプリングバネ
20 搬送ガイド装置
21a,21a’,21b,21b’,21c ガイド部材
21d フッ素樹脂シート
21r リブ
21h 穴
22 リンク
22a,22b 突起
22g ガイド溝
23 駆動モータ
24 用紙検知センサ
30 中間転写体
31 感光体
34 2次転写部
35 搬送ベルト
37 搬送路
38 レジスト部
41,41a,41b,41c,41d 給紙トレイ
43,44,83 分離部材
45,95 ガイド板
52,62,72,82 温度検知センサ
76,96 加圧レバー
76a,96a 加圧中間部材
76b,96b 支持軸
76c,96c 加圧部
77,97 スプリング
78,98 カム
91 クリーニング部材
100 画像形成装置
100A 画像読取部
100B 画像形成部
100C 給紙部
N1,N2 ニップ部
PL 用紙搬送経路(パスライン)
S 用紙(記録媒体)
特開昭63−192068号公報 特開2006−171220号公報 特開2003−167459号公報 特開2004−139040号公報 特開2002−351237号公報

Claims (11)

  1. 回動可能に設けられる定着部材と該定着部材に圧接して記録媒体上の未定着トナーを熱と圧力により定着させる第1ニップ部を形成する加圧部材とを有する定着装置と、
    前記定着装置の記録媒体搬送方向下流側であって、記録媒体の後端が前記第1ニップ部を抜ける前に該記録媒体の先端が到達する位置に配置され、前記記録媒体のトナー面に熱と圧力を付与する第2ニップ部を有する光沢付与装置と、
    前記定着装置から前記光沢付与装置まで記録媒体を案内する搬送ガイド機構部と、を備え、
    前記搬送ガイド機構部は、記録媒体搬送経路上の前記記録媒体のトナー面に対向し記録媒体搬送方向に連なって並ぶ基準状態に配置される複数のガイド部材をそれぞれ前記記録媒体のトナー面から離れる方向に移動可能に有し、
    通紙される記録媒体1枚ごとに、該1枚の記録媒体が第1ニップ部及び第2ニップ部でニップされているときには、前記複数のガイド部材それぞれについて前記移動を行い、第1ニップ部、第2ニップ部のいずれかでニップされているときには、前記複数のガイド部材それぞれを前記基準状態とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着装置と前記光沢付与装置との間に記録媒体検知手段を有し、
    前記記録媒体検知手段が記録媒体先端の通過を検知した後に、前記搬送ガイド機構部は、前記複数のガイド部材それぞれについて前記移動を行い、
    前記記録媒体検知手段が記録媒体後端の通過を検知すると、前記搬送ガイド機構部は、前記複数のガイド部材それぞれを前記基準状態とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記複数のガイド部材の移動は、隣接する2つのガイド部材の突合せ端部側をそれぞれ前記記録媒体のトナー面とは反対方向に跳ね上げる態様であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記2つのガイド部材は、それぞれの突合せ端部が櫛歯形状とされており、お互いの櫛歯が交互に噛み合うように配置されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記複数のガイド部材の記録媒体搬送経路側の面はフッ素系樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記複数のガイド部材は、記録媒体搬送経路側の面から反対面側に貫通する穴を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記複数のガイド部材は、記録媒体搬送経路側の面に該記録媒体搬送経路側に突出するリブを設けてなる溝を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記リブは、少なくともその表面がフッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記複数のガイド部材は、記録媒体搬送経路側の面が記録媒体搬送方向下流側になるほど記録媒体搬送経路から離れるように配置されることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  10. 前記リブは、記録媒体搬送方向下流側になるほど記録媒体搬送経路側に突出して、その突出先端が該記録媒体搬送経路に近づくことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記リブは、その長手方向が記録媒体搬送方向に対して斜めに配置されてなることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
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