JP5203209B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/48Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members with members having orbital motion
    • F16H15/50Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/52Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of another member

Description

本発明は、トラクション力を用いたトラクションドライブによって、入力軸の回転速度を連続的に変化させて出力軸に伝達する無段変速装置に関し、特に、円錐状の遊星ローラを用いて連続的な無段変速を行う無段変速装置に関する。
従来の無段変速装置としては、図1に示すように、筒状のハウジング1の両側に連結されたフランジ部1aに軸受2を介してそれぞれ回動自在に支持された入力軸3及び出力軸4、入力軸3と一体的に回転するようにキー3aを用いて連結された円錐台状のサンローラ(内輪)5、入力軸3に軸受3bを介して回動自在に支持されたホルダ(保持器)6、ホルダ6に回動自在に支持されかつサンローラ5の外周面を転動する複数のテーパローラ(遊星ローラ)7、出力軸4と一体的に回転すると共にテーパローラ7に外接する出力リング(従動外輪)8、テーパローラ7に一体的に設けられた円錐部7aに外接すると共に円錐部7aの母線方向にのみ往復駆動される変速リング(回転固定外輪)9等を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この無段変速装置では、入力軸3が回転すると、サンローラ5が一体的に回転し、サンローラ5に外接するテーパローラ7が回転及び公転し、テーパローラ7の回転により出力リング8が回転し、出力リング8と一体となって出力軸4が回転し、変速リング9の位置に応じて出力軸4の回転速度が増減されるようになっている。
しなしながら、この無段変速装置においては、テーパローラ(遊星ローラ)7とサンローラ5の接触面における法線荷重、テーパローラ7と出力リング8の接触面における法線荷重、及びテーパローラ7の円錐部7aと変速リング9の接触面における法線荷重は、初期の組付け精度に依存し、又、経時変化等による法線荷重の変動を補正する手段がないため、必要なトラクション力が得られず、変速動作が確実に行われない虞がある。特に、テーパローラ7はホルダ5により片持ち状に支持されているため、テーパローラ7の円錐部7a側は撓み易くなっており、変速リング9との接触圧を大きくするのは困難である。
また、上記法線荷重の増加に伴って入力軸3及び出力軸4の軸線方向にスラスト荷重が発生し、このスラスト荷重は入力軸3及び出力軸4の軸受2あるいはハウジング1が受けることになるため、軸受2及びハウジング1の経時的な変形あるいは軸受領域の発熱による潤滑油温度の上昇等を生じ、磨耗、動力伝達効率の低下等を招く虞がある。一方、変形等に対処するべく、ハウジング1の剛性を高めると、大型化あるいは重量化を招くことになる。
特開平6−280961号公報
本発明は、上記従来の装置の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、小型化、機能上の信頼性の向上、コストの低減等を図りつつ、十分なトラクション力あるいは伝達トルクを確保でき、伝達効率を向上させることができ、法線荷重の増加に伴う入力軸方向のスラスト荷重を相殺でき、安定して所望の変速比に確実に変速することができる無段変速装置を提供することにある。
本発明の無段変速装置は、ハウジングに回動自在に支持された入力軸と、入力軸の回転をトラクション力によりそれぞれ無段変速するべく,入力軸の軸線方向に垂直な面に対して対称的に向かい合うようにハウジング内に設けられた第1変速ユニット及び第2変速ユニットと、第1変速ユニット及び第2変速ユニットにより変速された回転に連動して回転するべく入力軸回りに回動自在に支持された出力回転体と、出力回転体に連動して回転するべくハウジングに回動自在に支持された出力軸とを備え、上記第1変速ユニットは、入力軸と一体的に回転する円錐台状の第1サンローラと、第1サンローラの外周面を転動する複数の第1遊星ローラと、第1遊星ローラを内接させると共に回動自在に設けられた第1出力リングと、第1遊星ローラに一体的に形成された円錐部を転動自在に内接させると共にその内接位置を移動させて変速するべく入力軸回りに回転不能に保持された状態で入力軸の軸線方向に可動に設けられた第1変速リングとを含み、上記第2変速ユニットは、入力軸と一体的に回転する円錐台状の第2サンローラと、第2サンローラの外周面を転動する複数の第2遊星ローラと、第2遊星ローラを内接させると共に回動自在に設けられた第2出力リングと、第2遊星ローラに一体的に形成された円錐部を転動自在に内接させると共にその内接位置を移動させて変速するべく入力軸回りに回転不能に保持された状態で入力軸の軸線方向に可動に設けられた第2変速リングとを含み、出力回転体は、第1出力リングと第2出力リングの間に配置され、第1出力リングと出力回転体の間及び第2出力リングと出力回転体の間の少なくとも一方の間には、回転力を伝達し得ると共に入力軸の軸線方向に押圧力を発生するローディングカム機構が配置されている、構成となっている。
この構成によれば、入力軸の回転駆動力は、第1変速ユニット及び第2変速ユニットにより無段変速され、出力回転体を介して、出力軸から回転駆動力として出力される。
このように、入力軸のトルクを、二つの変速ユニット(第1変速ユニット及び第2変速ユニット)により倍増しつつ無段変速でき、又、二つの変速ユニット(第1変速ユニット及び第2変速ユニット)は、入力軸の軸線方向に垂直な面に対して対称的に向かい合うように配置されているため、二つの変速ユニットにおいてそれぞれ発生する入力軸の軸線方向におけるスラスト荷重をお互いに逆向きに作用させて相殺することができる。それ故に、ハウジングあるいは入力軸の軸受等に無理な荷重が加わるのを防止することができ、又、軸受領域等における潤滑油の温度上昇を抑制でき、それ故に接触界面に潤滑油膜を形成させてトラクション力を確実に得ることができる。
すなわち、入力軸から入力される回転駆動力は、第1変速ユニットにおいて、第1変速リングを適宜駆動しつつ、第1サンローラ→複数の第1遊星ローラ→第1出力リングを経由して変速され、又、第2変速ユニットにおいて、第2変速リングを適宜駆動しつつ、第2サンローラ→複数の第2遊星ローラ→第2出力リングを経由して変速され、出力回転体を介して、出力軸から変速された回転駆動力として出力され、特に、第1サンローラと第2サンローラに作用する互いに反対向きのスラスト荷重は、入力軸が受けることで相殺されるため、軸受等に作用するスラスト荷重を抑制することができ、それ故に、第1サンローラと第1遊星ローラとの接触圧(法線荷重)及び第2サンローラと第2遊星ローラとの接触圧(法線荷重)を大きくすることができ、確実なトラクション力を得ることができる。また、二つの変速ユニットに共通部品を採用することで、構造を簡素化しつつ、部品の種類を減らして、コストを低減することができる。
特に、第1出力リングと出力回転体の間又は第2出力リングと出力回転体の間において回転差が生じると、ローディングカム機構のカム作用により入力軸の軸線方向に押圧力が発生し、第1出力リングを第1遊星ローラにかつ第2出力リングを第2遊星ローラに押し付ける法線荷重すなわちトラクション力が増加する。これにより、外部から負荷トルクが加わっても、トラクション力が確実に得られて出力軸は所定の変速比で確実に回転駆動される。
上記構成において、出力回転体は、第1出力リング及び第2出力リングの一方に対して一体的に形成され、ローディングカム機構は、第1出力リング及び第2出力リングの他方と出力回転体の間に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1出力リング及び第2出力リングの一方(及び出力回転体)と第1出力リング及び第2出力リングの他方との間において回転差が生じると、ローディングカム機構のカム作用により入力軸の軸線方向に押圧力が発生し、第1出力リングを第1遊星ローラにかつ第2出力リングを第2遊星ローラに押し付ける法線荷重すなわちトラクション力が増加する。これにより、外部から負荷トルクが加わっても、トラクション力が確実に得られて出力軸は所定の変速比で確実に回転駆動される。
上記構成において、第1変速リングと第2変速リングを、入力軸の軸線方向において互いに近接及び離隔するように同期させて駆動する駆動機構を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動機構で二つの変速リングを同期させて駆動するため、二つの変速ユニット(第1変速ユニット及び第2変速ユニット)において変速比のズレを生じないようにすることができるため、一つの入力軸→二つの変速ユニット→一つの出力軸という駆動力の伝達を確実に行わせることができる。
上記構成において、入力軸の回転速度に応じて、第1サンローラと第1遊星ローラの間及び/又は第2サンローラと第2遊星ローラの間でのトラクション力による回転力の伝達をオン/オフするトリガ機構が設けられている、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1サンローラ(又は第2サンローラ)と第1遊星ローラ(又は第2遊星ローラ)が常時直結(トラクション力を発生するように密接)されているのではなく、入力軸の回転速度が増加すると、トリガ機構がオン作動して第1サンローラ(又は第2サンローラ)の回転駆動力がトラクション力を介して第1遊星ローラ(又は第2遊星ローラ)に伝達されるため、入力軸の回転を所望のタイミングで出力軸に連動させることができ、一方、入力軸の回転速度が減少すると、トリガ機構がオフ作動して第1サンローラ(又は第2サンローラ)の回転駆動力は第1遊星ローラ(又は第2遊星ローラ)に伝達されないため、入力軸の回転に拘わらず出力軸をフリー(外力により回転可能)にすることができる。
上記トリガ機構を含む構成において、第1サンローラを第1遊星ローラから離す向きに付勢力を及ぼす付勢手段及び/又は第2サンローラを第2遊星ローラから離す向きに付勢力を及ぼす付勢手段が設けられている、構成を採用することができる。
この構成によれば、入力軸の回転速度に応じて(例えば、回転速度が所定レベルよりも遅くなると、付勢手段の付勢力により、第1サンローラ(又は第2サンローラ)を第1遊星ローラ(又は第2遊星ローラ)から積極的に離脱させることができ、回転力の伝達を確実に遮断することができる。
上記構成をなす無段変速装置によれば、構造の簡素化、小型化、機能上の信頼性の向上、コストの低減等を達成しつつ、十分なトラクション力あるいは伝達トルクを確保でき、伝達効率を向上させることができ、法線荷重の増加に伴う入力軸方向のスラスト荷重を相殺でき、安定して所望の変速比に確実に変速することができる。
従来の無段変速装置を示す断面図である。 本発明に係る無段変速装置の一実施形態を示す部分断面図である。 図2に示す無段変速装置の内部を示す断面図である。 図3に示す無段変速装置の概略構成を示した模式図である。 図1に示す無段変速装置に含まれるローディングカム機構の概略を示す斜視分解図である。 図1に示す無段変速装置に含まれるローディングカム機構の概略を示す部分断面図である。 本発明に係る無段変速装置の他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
L 入力軸の軸線方向
10 ハウジング
11 フランジ壁部
12 軸受
13 リングシール
14 連結ガイドロッド
15,16 カバー
17 軸受
18 リングシール
20,20´ 入力軸
21 外部入力軸
21a 回転フランジ
21b 連結穴
22,22´ 内部入力軸
22a 一端部
22b 他端部
22c ストッパ
23 端部入力軸
23a 回転フランジ
23b 連結孔
U1 第1変速ユニット
U2 第2変速ユニット
30 第1サンローラ
30´,30´´ 第2サンローラ
31 外周面
32 凹部
32´´ 円筒部
33´´ 縮径円筒部
40 第1遊星ローラ
40´ 第2遊星ローラ
41 第1円錐部
42 第2円錐部
43 軸部
44 第1可動ホルダ
44´ 第2可動ホルダ
50 第1出力リング
50´,50´´ 第2出力リング
51 内周面
52 端面
53´´ 大径スリーブ
54´´ 歯車
55´´ 軸受
60 第1変速リング
60´ 第2変速リング
61 内周面
62 雌ネジ部
63 被ガイド部
70 駆動機構
71 リードスクリュー
72 歯車
73 ウォーム
74 モータ
80,80´ トリガ機構
81 遠心ウエイト
82 端面
83 傾斜面
84 コイルスプリング(付勢手段)
90 出力回転ギヤ(出力回転体)
91 歯車
92,92´ 端面
93,93´ 小径スリーブ
94,94´ 大径スリーブ
95 軸受
100,100´ ローディングカム機構
101,102 カム溝
103 転動体
110 出力軸
111 歯車
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
この無段変速装置は、図2及び図3に示すように、ハウジング10、入力軸20、ハウジング10内において入力軸20の軸線方向Lに垂直な面に対して対称的に向かい合うように設けられた第1変速ユニットU1及び第2変速ユニットU2、駆動機構70、二つのトリガ機構80,80´、出力回転体としての出力回転ギヤ90、二つのローディングカム機構100,100´、出力軸110等を備えている。
第1変速ユニットU1は、図3に示すように、円錐台状に形成された第1サンローラ30、第1サンローラ30の外周面を転動する複数の第1遊星ローラ40、第1遊星ローラ40を内接させると共に回動自在に支持された第1出力リング50、第1遊星ローラ40に一体的に形成された第2円錐部42を転動自在に内接させると共にその内接位置を移動させて変速する第1変速リング60等を備えている。
第2変速ユニットU2は、図3に示すように、円錐台状に形成された第2サンローラ30´、第2サンローラ30´の外周面を転動する複数の第2遊星ローラ40´、第2遊星ローラ40´を内接させると共に回動自在に支持された第2出力リング50´、第2遊星ローラ40´に一体的に形成された第2円錐部42を転動自在に内接させると共にその内接位置を移動させて変速する第2変速リング60´等を備えている。
すなわち、第1変速ユニットU1(第1サンローラ30、第1遊星ローラ40、第1出力リング50、第1変速リング60)と第2変速ユニットU2(第1サンローラ30´、第1遊星ローラ40´、第1出力リング50´、第1変速リング60´)は、図3に示すように、出力回転ギヤ90及び二つのローディングカム機構100,100´を挟んで、入力軸20の軸線方向Lにおけるハウジング10の略中間位置に位置する垂直面(入力軸20の軸線方向Lに垂直な面)対して、対称的に向かい合うように配置されている。
ハウジング10は、図2及び図3に示すように、入力軸20を回動自在に支持する左右のフランジ壁部11、軸受12、リングシール13、左右のフランジ壁部11を連結する連結ガイドロッド14、外周を覆うカバー15、出力軸110を支持すると共に周りを覆うカバー16、軸受17,リングシール18等を備えている。
そして、ハウジング10内には、二つの変速ユニットU1,U2のトラクション力が発生する接触界面、その他の摺動面、転動面等に供給される潤滑油が注入されている。
入力軸20は、図3に示すように、ハウジング10の外部に突出してエンジン等から駆動力を伝達される外部入力軸21、ハウジング10の内部に配置されて外部入力軸21と一体的に回転するように連結された内部入力軸22、内部入力軸22の端部に連結された端部入力軸23により形成されている。
外部入力軸21は、図3に示すように、円板状の回転フランジ21a、内部入力軸22を連結する連結穴21bを備えており、軸受12を介してハウジング10(フランジ壁部11)に回動自在に支持されている。回転フランジ21aは、第1サンローラ30の端面と対向する位置に配置されて後述するトリガ機構80の端面82を画定している。
内部入力軸22は、図3に示すように、一端部22a、他端部22b、ストッパ22cを備えており、第1サンローラ30と第2サンローラ30´をお互いに向き合うように(円錐台状の小径側をお互いに向かい合わせるように)配置した状態で、第1サンローラ30を一体的に回転するようにかつ軸線方向Lに所定量だけ移動可能に(ストッパ22cで左向きの移動を規制するように)連結し、第2サンローラ30´を螺合により固定して一体的に回転するように連結している。また、内部入力軸22は、一端部22aが外部入力軸21の連結孔21bに挿入され、他端部22bが端部入力軸23の後述する連結孔23bに挿入されて、同軸上に(共通の軸線Lを画定するように)配置されている。
端部入力軸23は、図3に示すように、円板状の回転フランジ23a、内部入力軸22を連結する連結孔23bを備えており、軸受12を介してハウジング10(フランジ壁部11)に回動自在に支持されている。
そして、外部入力軸21、内部入力軸22、及び端部入力軸23は、軸線L回りに一体的に回転するようにかつ軸線方向Lにそれぞれ相対的に移動可能に連結されている。
第1サンローラ30は、図3に示すように、略円錐台状に形成され、第1遊星ローラ40が転動する円錐面状の一部をなす外周面31、端面に形成された凹部32等を備えるように形成されている。第1サンローラ30は、凹部32において、トリガ機構80の遠心ウエイト81を受ける傾斜面83を画定している。
第2サンローラ30´は、図3に示すように、略円錐台状に形成され、第2遊星ローラ40´が転動する円錐面状の一部をなす外周面31、端面に形成された凹部32等を備えるように形成されている。第2サンローラ30´は、凹部32において、トリガ機構80´の遠心ウエイト81を受ける傾斜面83を画定している。
第1遊星ローラ40は、図3に示すように、第1サンローラ30(外周面31)を転動する第1円錐部41、第1変速リング60に内接する先細り状の第2円錐部42、第1円錐部41及び第2円錐部42の共通の軸部43を備えている。
第2遊星ローラ40´は、図3に示すように、第2サンローラ30´(外周面31)を転動する第1円錐部41、第2変速リング60´に内接する先細り状の第2円錐部42、第1円錐部41及び第2円錐部42の共通の軸部43を備えている。
そして、第1変速ユニットU1に含まれる複数の第1遊星ローラ40は、図3及び図4に示すように、それぞれの軸部43がハウジング10内の右側寄りに頂点A1をもつ仮想の円錐面内に等間隔に配列されるように第1可動ホルダ44により保持されている。また、第2変速ユニットU2に含まれる複数の第2遊星ローラ40´は、図4に示すように、それぞれの軸部43がハウジング10内の左側寄りに頂点A2をもつ仮想の円錐面内に等間隔に配列されるように第2可動ホルダ44´により保持されている。
第2円錐部42は、図4に示すように、内部入力軸22から径方向に最も離れた位置にある母線(第1変速リング60及び第2変速リング60´がそれぞれ接触する稜線)M2が内部入力軸22の軸線方向Lと平行に伸長するように形成されている。
第1遊星ローラ40の軸部43は、第1可動ホルダ44に対して所定の範囲内で遊動自在に保持されている。第2遊星ローラ40´の軸部43は、第2可動ホルダ44´に対して所定の範囲内で遊動自在に保持されている。
第1可動ホルダ44は、骨組み構造(鳥籠形状)に形成され、ハウジング10内において他の部品と接触しないように、外部入力軸21の回転フランジ21aの外周面と後述する出力回転ギヤ90の小径スリーブ93に軸受を介して保持され、入力軸20(内部入力軸22)回りに回動自在で、第1遊星ローラ40を公転可能に保持している。
第2可動ホルダ44´は、骨組み構造(鳥籠形状)に形成され、ハウジング10内において他の部品と接触しないように、端部入力軸23の回転フランジ23aの外周面と後述する出力回転ギヤ90の小径スリーブ93´に軸受を介して保持され、入力軸20(内部入力軸22)回りに回動自在で、第2遊星ローラ40´を公転可能に保持している。
第1出力リング50は、図3に示すように、第1遊星ローラ40の第1円錐部41が内接して転動する内周面51、ローディングカム機構90が介在する環状の端面52等を備えるように形成されている。そして、第1出力リング50は、後述する出力回転ギヤ90の大径スリーブ94に回動自在にかつ軸線方向Lに可動に支持され、第1遊星ローラ40が回転及び公転することで、そのトラクション力により回転するようになっている。したがって、内周面51における法線荷重を大きくすることにより、より大きなトラクション力が得られ、回転力が確実に伝達される。
第2出力リング50´は、図3に示すように、第2遊星ローラ40´の第1円錐部41が内接して転動する内周面51、ローディングカム機構90´が介在する環状の端面52等を備えるように形成されている。そして、第2出力リング50´は、後述する出力回転ギヤ90の大径スリーブ94´に回動自在にかつ軸線方向Lに可動に支持され、第2遊星ローラ40´が回転及び公転することで、そのトラクション力により回転するようになっている。したがって、内周面51における法線荷重を大きくすることにより、より大きなトラクション力が得られ、回転力が確実に伝達される。
第1変速リング60は、図3に示すように、第1遊星ローラ40の第2円錐部42に接触する内周面61、駆動機構70の一部をなすリードスクリュー71が螺合する雌ネジ部62、連結ガイドロッド14に外嵌されてガイドされる被ガイド部63等を備えるように形成されている。そして、第1変速リング60は、ハウジング10内において、入力軸20(内部入力軸22)回りに回転不能に保持された状態で、入力軸20(内部入力軸22)の軸線方向Lに所定範囲に亘って往復動自在に支持されている。
第2変速リング60´は、図3に示すように、第2遊星ローラ40´の第2円錐部42に接触する内周面61、駆動機構70の一部をなすリードスクリュー71が螺合する雌ネジ部62、連結ガイドロッド14に外嵌されてガイドされる被ガイド部63等を備えるように形成されている。そして、第2変速リング60´は、ハウジング10内において、入力軸20(内部入力軸22)回りに回転不能に保持された状態で、入力軸20(内部入力軸22)の軸線方向Lに所定範囲に亘って往復動自在に支持されている。
駆動機構70は、図2及び図3に示すように、ハウジング10内において入力軸20(内部入力軸22)と平行に伸長するように配置されて第1変速リング60及び第2変速リング60´の雌ネジ部62に螺合するリードスクリュー71、リードスクリュー71の中央部に固着された歯車72、歯車72に噛合するウォーム73、ウォーム73を回転駆動するモータ74等を備えている。
そして、モータ74が一方向に回転すると、ウォーム73→歯車72→リードスクリュー71を介して、二つの変速リング60,60´を図4の軸線方向Lの中央に向けてお互いに近接するように同期させて駆動し(移動させ)、一方、モータ74が逆向きに回転すると、ウォーム73→歯車72→リードスクリュー71を介して、二つの変速リング60,60´を図4中の軸線方向Lの両外側に向けてお互いに離隔するように同期させて駆動する(移動させる)ようになっている。
すなわち、第1変速リング60及び第2変速リング60´を入力軸20の軸線方向Lに移動させることで、第1遊星ローラ40及び第2遊星ローラ40´の第2円錐部42が内周面61と内接する内接位置を移動させ、これにより、変速を行うようになっている。
具体的には、図4に示すように、第1変速リング60及び第2変速リング60´が、第2円錐部42の所定の中立位置Nにおいて接触している場合、第1遊星ローラ40は第1出力リング50に対して転動しかつ第2遊星ローラ40´は第2出力リング50´に対して転動し、第1出力リング50及び第2出力リング50´は回転することなく停止した状態、すなわち、出力軸110も停止した状態にある。
次に、第1変速リング60及び第2変速リング60´をハウジング10内の両側に向けて(図4中において矢印Dで示すように)、すなわち第2円錐部42の小径端部側に向けて接触位置を移動させると、第1出力リング50及び第2出力リング50´の回転速度は次第に増速され、出力軸110も増速されて回転するようになっている。
一方、第1変速リング60及び第2変速リング60´を中立位置Nから反対側(ハウジング10内の中央側)に向けて(図4中において矢印Rで示すように)、第2円錐部42の大径端部側に接触位置を移動させると、第1出力リング50及び第2出力リング50´は逆向きに回転するようになっている。
このように、駆動機構70は、第1変速リング60と第2変速リング60´を同期させて駆動するため、二つの変速ユニットU1,U2において変速比のズレを生じないようにすることができ、入力軸20→二つの変速ユニットU1,U2→出力回転ギヤ90→出力軸110という駆動力の伝達を確実に行わせることができる。
トリガ機構80は、入力軸20すなわち第1サンローラ30の回転速度に応じて、第1サンローラ30と第1遊星ローラ40の間でのトラクション力による回転力の伝達をオン/オフするものであり、図3に示すように、球状をなす複数の遠心ウエイト81、外部入力軸21の回転フランジ21aに形成された端面82、第1サンローラ30の凹部32に形成された複数の傾斜面83、第1サンローラ30を第1遊星ローラ40から離す向きに付勢力を及ぼす付勢手段としてのコイルスプリング84により構成されている。
トリガ機構80´は、入力軸20すなわち第2サンローラ30´の回転速度に応じて、第2サンローラ30´と第2遊星ローラ40´の間でのトラクション力による回転力の伝達をオン/オフするものであり、図3に示すように、球状をなす複数の遠心ウエイト81、端部入力軸23の回転フランジ23aに形成された端面82、第2サンローラ30´の凹部32に形成された複数の傾斜面83、第2サンローラ30´を第2遊星ローラ40´から離す向きに付勢力を及ぼす付勢手段としてのコイルスプリング84により構成されている。
そして、トリガ機構80は、第1サンローラ30と第1遊星ローラ40がお互いに空回りする状態(接触面におけるトラクション力が作用しない状態)から、入力軸20(第1サンローラ30)の回転速度が増加すると、遠心ウエイト81が径方向の外側に移動して傾斜面83を押圧し、第1サンローラ30を内部入力軸22の軸線方向L内向きに押圧する(オン作動する)。すなわち、第1サンローラ30は、複数の第1遊星ローラ40に食い込むように押圧される。その結果、トラクション力が発生して、入力軸20(第1サンローラ30)の回転駆動力が第1遊星ローラ40に伝達され、所望のタイミングで出力軸110まで伝達されることになる。
一方、入力軸20(第1サンローラ30)の回転速度が減少すると、遠心ウエイト81が径方向の中心寄りに移動して、傾斜面83を押す力が弱くなり、第1サンローラ30はコイルスプリング84の付勢力により複数の第1遊星ローラ40から抜け出すように僅かに移動する(オフ作動する)。その結果、トラクション力が小さくなり、入力軸20(第1サンローラ30)の回転駆動力は第1遊星ローラ40に伝達されなくなり、入力軸20(第1サンローラ30)の回転に拘わらず出力軸110は自由に回転する(外力により回転する)ことができるようになる。
このように、トリガ機構80がオン作動する際に、第1サンローラ30はくさび作用を強めるように形成されているため、第1サンローラ30と第1遊星ローラ40との接触面における法線荷重すなわちトラクション力を確実に得ることができる。
尚、トリガ機構80´は、第2サンローラ30´と第2遊星ローラ40´に対して、前述のトリガ機構80と同様の作用をなすため、説明を省略する。
出力回転ギヤ90は、図3に示すように、外周に形成された歯車91、端面92,92´、小径スリーブ93,93´、大径スリーブ94,94´等を備え、軸受95を介して内部入力軸22に回動自在に支持されている。
端面92は第1出力リング50の端面52と対向し、端面92´は第2出力リング50´の端面52と対向するようになっている。
ローディングカム機構100は、図3ないし図5Bに示すように、第1出力リング50の端面52に形成された円弧状の複数のカム溝101、出力回転ギヤ90の端面92においてカム溝101に対応して形成された複数のカム溝102、両方のカム溝101,102内に介在する転動体93等を備えている。
ローディングカム機構100´は、図3ないし図5Bに示すように、第2出力リング50´の端面52に形成された円弧状の複数のカム溝101、出力回転ギヤ90の端面92´においてカム溝101に対応して形成された複数のカム溝102、両方のカム溝101,102内に介在する転動体103等を備えている。
すなわち、ローディングカム機構100は、第1出力リング50と出力回転ギヤ90の間に相対的な回転差を生じると、転動体103が移動してカム溝101,102によりカム作用を受け、入力軸20(内部入力軸22)の軸線方向Lに押圧力(スラスト荷重)を発生する。すると、第1出力リング50と第1遊星ローラ40(及び第2出力リング50´と第2遊星ローラ40´)の接触面での法線荷重が増加し、又、スラスト荷重の反力として第1出力リング50(及び第2出力リング50´)と出力回転ギヤ90が一体的に回転するようになる。
また、ローディングカム機構100´は、第2出力リング50´と出力回転ギヤ90の間に相対的な回転差を生じると、転動体103が移動してカム溝101,102によりカム作用を受け、入力軸20(内部入力軸22)の軸線方向Lに押圧力(スラスト荷重)を発生する。すると、第2出力リング50´と第2遊星ローラ40´(及び第1出力リング50と第1遊星ローラ40)の接触面での法線荷重が増加し、又、スラスト荷重の反力として第2出力リング50´(及び第1出力リング50)と出力回転ギヤ90が一体的に回転するようになる。
すなわち、出力軸110の負荷トルクは、ローディングカム機構100,100´を介して、第1出力リング50を第1遊星ローラ40に又第2出力リング50´を第2遊星ローラ40´に押し付ける押圧力(法線荷重)すなわちトラクション力を増加させる。
また、第1出力リング50が第1遊星ローラ40に押圧される法線荷重が大きくなると、第1サンローラ30と第1遊星ローラ40の接触圧(法線荷重)も大きくなり、第1サンローラ30と第1遊星ローラ40の接触位置を支点として、第1遊星ローラ40の第2円錐部42と第1変速リング60との接触圧(法線荷重)も大きくなる。
さらに、第2出力リング50´が第2遊星ローラ40´に押圧される法線荷重が大きくなると、第2サンローラ30´と第2遊星ローラ40´の接触圧(法線荷重)も大きくなり、第2サンローラ30´と第2遊星ローラ40´の接触位置を支点として、第2遊星ローラ40´の第2円錐部42と第2変速リング60´との接触圧(法線荷重)も大きくなる。
したがって、全体としてトラクションドライブにおける法線荷重が増加し、外部から負荷トルクが加わっても、トラクション力が確実に得られて、出力軸110は所定の変速比で確実に回転駆動される。
出力軸110は、図2及び図3に示すように、出力回転ギヤ90の歯車91と噛合する歯車111を一体的に備えており、ハウジング10に対して軸受17及びリングシール18を介して回動自在に支持されている。
したがって、入力軸20の回転駆動力は、二つの変速ユニットU1,U2により変速され、その変速された回転駆動力が出力回転ギヤ90を介して出力軸110に伝達されることになる。
次に、上記無段変速装置の動作について説明する。
先ず、入力軸20が停止している場合、二つの変速ユニット(第1変速ユニットU1,第2変速ユニットU2)にはトラクション力が発生せずトルクが伝達されないため、出力軸110は自由に回転できる状態にある(オフの状態)。
続いて、入力軸20が停止した状態から回転し始め、その回転速度が上昇すると、トリガ機構80,80´がオン作動して(遠心ウエイト81が径方向外向きに移動して、第1サンローラ30を第1遊星ローラ40内に入り込ませかつ第2サンローラ30´を第2遊星ローラ40´内に入り込ませ)、第1サンローラ30が第1遊星ローラ40に押し付けられかつ第2サンローラ30´が第2遊星ローラ40´に押し付けられて、所定レベル以上の法線荷重すなわちトラクション力が発生し、第1サンローラ30から第2遊星ローラ40にかつ第2サンローラ30´から第2遊星ローラ40´にトルク(回転駆動力)が伝達される。
そして、駆動機構70により第1変速リング60及び第2変速リング60´が同期して適宜駆動され、第1サンローラ30→複数の第1遊星ローラ40→第1出力リング50及び第2サンローラ30´→複数の第2遊星ローラ40´→第2出力リング50´を経て変速された回転速度が、ローディングカム機構100,100´を介して出力回転ギヤ90に伝達され、出力軸110が回転する。
一方、出力軸110に負荷トルクが加わった場合は、ローディングカム機構100,100´が作動して、第1出力リング50を第1遊星ローラ40に押し付ける押圧力(法線荷重)及び第2出力リング50´を第2遊星ローラ40´に押し付ける押圧力(法線荷重)すなわちトラクション力を増加させる。これにより、外部から負荷トルクが加わっても、トラクション力が確実に得られて、出力軸110は所定の変速比で確実に回転駆動される。
上記トラクションドライブにおいて、二つの変速ユニットU1,U2にはそれぞれ入力軸20の軸線方向Lにスラスト荷重が発生するが、二つの変速ユニットU1,U2は入力軸20の軸線方向Lに垂直な面に対して対称的に向かい合うように配置されているため、それぞれのスラスト荷重をお互いに逆向きに作用させて相殺することができる。その結果、ハウジング10あるいは入力軸20の軸受12等に無理な荷重が加わるのを防止することができる。
特に、第1サンローラ30と第2サンローラ30´に作用する互いに反対向きのスラスト荷重は、入力軸20(内部入力軸22)が受けることで相殺されるため、軸受12等に作用するスラスト荷重を抑制することができ、それ故に、第1サンローラ30と第1遊星ローラ40との接触圧(法線荷重)及び第2サンローラ30´と第2遊星ローラ40´との接触圧(法線荷重)を大きくすることができ、確実なトラクション力を得ることができる。また、二つの変速ユニットU1,U2に共通部品を採用することで、構造を簡素化しつつ、部品の種類を減らして、コストを低減することができる。
すなわち、この装置によれば、構造の簡素化、小型化、機能上の信頼性の向上、コストの低減等を達成しつつ、十分なトラクション力あるいは伝達トルクを確保でき、伝達効率を向上させることができ、法線荷重の増加に伴う入力軸20の軸線方向Lのスラスト荷重を相殺でき、安定して所望の変速比に確実に変速することができる。
図6は、本発明に係る無段変速装置の他の実施形態を示すものであり、コイルスプリング84を廃止した一つのトリガ機構80、一つのローディングカム機構100を採用し、第2出力リングに出力回転体を一体的に形成した以外は、前述の実施形態と同一である。したがって、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
この無段変速装置は、図6に示すように、ハウジング10、入力軸20´、第1変速ユニットU1(第1サンローラ30、第1遊星ローラ40、第1出力リング50、第1変速リング60)及び第2変速ユニットU2(第2サンローラ30´´、第2遊星ローラ40´、出力回転体を兼ねる第2出力リング50´´、第2変速リング60)、駆動機構70、トリガ機構80、ローディングカム機構100、出力軸110等を備えている。
入力軸20´は、図6に示すように、外部入力軸21、内部入力軸22´により形成されている。
内部入力軸22´は、図6に示すように、一端部22a、他端部22b、ストッパ22cを備えており、第1サンローラ30と第2サンローラ30´´をお互いに向き合うように(円錐台状の小径側をお互いに向かい合わせるように)配置した状態で、第1サンローラ30を一体的に回転するようにかつ軸線方向Lに所定量だけ移動可能に(ストッパ22cで左向きの移動を規制するように)連結し、第2サンローラ30´´を螺合により固定して一体的に回転するように連結している。
第2サンローラ30´´は、図6に示すように、略円錐台状に形成され、外周面31、円筒部32´´、縮径円筒部33´´等を備えるように形成されている。縮径円筒部33´´は、軸受12を介してハウジング10(フランジ壁部11)に回動自在に支持されている。
第2出力リング50´´は、図6に示すように、内周面51、ローディングカム機構90が介在する環状の端面52、第1出力リング50を支持する大径スリーブ53´´、出力軸110の歯車111に噛合する歯車54´´等を備えるように形成されている。
そして、第2出力リング50´´は、軸受55´´を介して内部入力軸22´に回動自在にかつ軸線方向Lに僅かに可動に支持され、第2遊星ローラ40´が回転及び公転することで、そのトラクション力により回転するようになっている。
すなわち、第2出力リング50´´には、前述の出力回転ギヤ90に相当するもの(歯車54´´)が一体的に形成されている。
この装置においても、前述同様に、入力軸20´のトルクを、二つの変速ユニットU1,U2により倍増しつつ無段変速でき、又、二つの変速ユニットU1,U2は、入力軸20´の軸線方向Lに垂直な面に対して対称的に向かい合うように配置されているため、二つの変速ユニットU1,U2においてそれぞれ発生する入力軸20´の軸線方向Lにおけるスラスト荷重をお互いに逆向きに作用させて相殺することができる。それ故に、ハウジング10あるいは入力軸20´の軸受12等に無理な荷重が加わるのを防止することができ、又、軸受12領域等における潤滑油の温度上昇を抑制でき、それ故に接触界面に潤滑油膜を形成させてトラクション力を確実に得ることができる。
すなわち、この装置によれば、構造の簡素化、小型化、機能上の信頼性の向上等を達成しつつ、十分なトラクション力あるいは伝達トルクを確保でき、コストを低減でき、伝達効率を向上させることができ、法線荷重の増加に伴う入力軸20´の軸線方向Lのスラスト荷重を相殺でき、安定して所望の変速比に確実に変速することができる。
記実施形態においては、ローディングカム機構100,100´を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、出力リング50,50´から直接的に出力回転ギヤ90に駆動力を伝達する構成を採用してもよい。
上記実施形態においては、二つトリガ機構80,80´又は一つのトリガ機構80を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、トリガ機構80,80´を廃止してもよい。
上記実施形態においては、トリガ機構80,80´の一部として付勢手段(コイルスプリング84)を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、一方の付勢手段(コイルスプリング84)のみを採用してもよく、又、付勢手段(コイルスプリング84)を全て廃止してもよい。
以上述べたように、本発明の無段変速装置は、構造の簡素化、小型化、機能上の信頼性の向上、コストの低減等を達成しつつ、十分なトラクション力あるいは伝達トルクを確保でき、伝達効率を向上させることができ、所望の変速比に確実に変速することができるため、車両等に搭載される変速装置として適用できるのは勿論のこと、入力軸から入力される回転駆動力を無段変速して出力軸から出力するものであれば、その他の駆動装置、機械装置、工作機械等にも有用である。

Claims (5)

  1. ハウジングに回動自在に支持された入力軸と、前記入力軸の回転をトラクション力によりそれぞれ無段変速するべく,前記入力軸の軸線方向に垂直な面に対して対称的に向かい合うように前記ハウジング内に設けられた第1変速ユニット及び第2変速ユニットと、前記第1変速ユニット及び第2変速ユニットにより変速された回転に連動して回転するべく前記入力軸回りに回動自在に支持された出力回転体と、前記出力回転体に連動して回転するべく前記ハウジングに回動自在に支持された出力軸とを備えた無段変速装置であって、
    前記第1変速ユニットは、前記入力軸と一体的に回転する円錐台状の第1サンローラと、前記第1サンローラの外周面を転動する複数の第1遊星ローラと、前記第1遊星ローラを内接させると共に回動自在に設けられた第1出力リングと、前記第1遊星ローラに一体的に形成された円錐部を転動自在に内接させると共にその内接位置を移動させて変速するべく前記入力軸回りに回転不能に保持された状態で前記入力軸の軸線方向に可動に設けられた第1変速リングとを含み、
    前記第2変速ユニットは、前記入力軸と一体的に回転する円錐台状の第2サンローラと、前記第2サンローラの外周面を転動する複数の第2遊星ローラと、前記第2遊星ローラを内接させると共に回動自在に設けられた第2出力リングと、前記第2遊星ローラに一体的に形成された円錐部を転動自在に内接させると共にその内接位置を移動させて変速するべく前記入力軸回りに回転不能に保持された状態で前記入力軸の軸線方向に可動に設けられた第2変速リングとを含
    前記出力回転体は、前記第1出力リングと前記第2出力リングの間に配置され、
    前記第1出力リングと前記出力回転体の間及び前記第2出力リングと前記出力回転体の間の少なくとも一方の間には、回転力を伝達し得ると共に前記入力軸の軸線方向に押圧力を発生するローディングカム機構が配置されている、
    ことを特徴とする無段変速装置。
  2. 前記出力回転体は、前記第1出力リング及び第2出力リングの一方に対して一体的に形成され、
    前記ローディングカム機構は、前記第1出力リング及び第2出力リングの他方と前記出力回転体の間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 前記第1変速リングと前記第2変速リングを、前記入力軸の軸線方向において互いに近接及び離隔するように同期させて駆動する駆動機構を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速装置。
  4. 前記入力軸の回転速度に応じて、前記第1サンローラと前記第1遊星ローラの間及び/又は前記第2サンローラと前記第2遊星ローラの間でのトラクション力による回転力の伝達をオン/オフするトリガ機構が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか一つに記載の無段変速装置。
  5. 前記第1サンローラを前記第1遊星ローラから離す向きに付勢力を及ぼす付勢手段及び/又は前記第2サンローラを前記第2遊星ローラから離す向きに付勢力を及ぼす付勢手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項に記載の無段変速装置。
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