JP5201325B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム状の外装部材の内部に、正極および負極と共に電解質を備えた電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(videotape recorder)、携帯電話あるいは携帯用コンピューターなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池の開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を実現できるものとして注目されている。
その一方で、リチウムイオン二次電池は電圧が高く、正極の酸化電位が非常に貴となると共に、負極の還元電位が非常に卑となるので、電池反応以外の副反応として電解液に用いる非水溶媒が分解し、ガスが発生してしまうという問題があった。また、水分が混入した場合にも、リチウムと反応してフッ酸を生じ、やはり副反応が生じる虞がある。そこで、従来より、一次電池、二次電池を問わず、電池内にガス吸収材として高い比表面積を有する炭素材料を投入することが検討されてきた(例えば、特許文献1,2参照。)。また、ガス吸収材としてではないが、複数の炭素材料を混合して用いることも検討されている(例えば、特許文献3〜7参照。) 。
特許第3067080号公報 特開平8−24637号公報 特許第3216661号公報 特開平6−111818号公報 特開2001−196095号公報 特開2002−8655号公報 特開2004−87437号公報
しかしながら、近年における電池性能の向上に伴い、電池の膨れについてもより抑制することが望まれていた。また、従来よりガス吸収材として知られている活性炭などを電池内に入れると、電池内で副反応が起こり、容量などの電池特性が低下してしまうという問題もあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、膨れをより抑制することができると共に、容量などの電池特性を改善することができる電池を提供することにある。
本発明による電池は、フィルム状の外装部材の内部に、正極および負極と共に非水溶媒 を含む電解質を備えたものであって、正極および負極のうちの少なくとも一方は、吸収材 として、X線回折法により求められる六方晶の(002)面の平均面間隔d002が0.3354nm以上かつ0.3370nm以下であり、かつ、X線回折法により菱面体晶の(101)面に帰属するピークが得られる球状化された黒鉛材料を含有するものである。
本発明の電池によれば、正極および負極のうちの少なくとも一方が上述した黒鉛材料を吸収材として含有するようにしたので、フィルム状の外装部材を備えていても、水分などの不純物および副反応により発生したガスなどを吸収して、膨れを抑制することができると共に、容量などの電池特性を改善することができる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図1に示した巻回電極体のII−II線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、電極反応物質としてリチウムを用いるものであり、正極端子11および負極端子12が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に備えている。
正極端子11および負極端子12は、それぞれ、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極端子11および負極端子12は、例えば、アルミニウム,銅(Cu),ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極端子11および負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11および負極端子12に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、アルミニウム箔を他の高分子フィルムで挟んだ他のアルミラミネートフィルムにより構成するようにしてもよく、また、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図2は、図1に示した巻回電極体20のII−II線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体20は、正極21と負極22とをセパレータ23および電解質24を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aと、正極集電体21Aの両面に設けられた正極活物質層21Bとを有している。正極集電体21Aには、長手方向における一方の端部に正極活物質層21Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に正極端子11が取り付けられている。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材および結着材を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しないカルコゲン化物、またはリチウムを含有するリチウム複合酸化物あるいはリチウム含有リン酸化合物、またはポリアセチレンあるいはポリピロールなどの高分子化合物が挙げられる。
中でも、リチウムと遷移金属元素とを含むリチウム複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリチウム含有リン酸化合物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましく、特に遷移金属元素としてコバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn)および鉄(Fe)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。その化学式は、例えば、Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz 2 (z<1))、スピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )、リチウム鉄リン酸化合物(Liy FePO4 )、あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(Liy Fe1-v Mnv PO4 (v<1))などが挙げられる。
導電材としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いてもよい。結着材としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aと、負極集電体22Aの両面に設けられた負極活物質層22Bとを有している。負極集電体22Aにも、長手方向における一方の端部に負極活物質層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極端子12が取り付けられている。負極集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて導電材および結着材を含んでいてもよい。導電材および結着材については正極21で説明したものと同様のものを用いることができる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子化合物などが挙げられる。炭素材料としては、例えば、易黒鉛化炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化炭素、あるいは(002)面の面間隔が0.340nm以下の黒鉛が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維あるいは活性炭などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子化合物を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素を構成元素として含む材料が挙げられる。具体的には、リチウムと合金を形成可能な金属元素の単体,合金,あるいは化合物、またはリチウムと合金を形成可能な半金属元素の単体,合金,あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズである。ケイ素およびスズはリチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の化合物あるいはスズの化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、ケイ素またはスズに加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
また、正極21あるいは負極22のいずれか一方、またはその両方には、吸収材として、X線回折法により求められる六方晶の(002)面の平均面間隔が0.3354nm以上かつ0.3370nm以下であり、かつ、X線回折法により菱面体晶の(101)面に帰属するピークが得られる黒鉛材料が含まれている。電池内に含まれる水分などの不純物および副反応により発生したガスなどを吸収することができると共に、吸収材を添加したことによる容量などの電池特性の低下を抑制することができるからである。なお、黒鉛における六方晶の(002)面の理論的な平均面間隔は、0.3354nmである。
この黒鉛材料は、例えば、六方晶の(002)面の平均面間隔d002が0.3354nm以上かつ0.3370nm以下である結晶性の高い天然黒鉛を粉砕するなどして、物理的な力を加えることにより得ることができる。また、粉砕したのち機械的に成形し球状化するようにしてもよい。更に、コークス,タールあるいはピッチなどを原料として約2900℃で焼成し黒鉛化した人造黒鉛を用い、同様に物理的な力を加えることによっても得ることができる。人造黒鉛を作製する際には、触媒を加えて焼成すれば黒鉛化度を高めることができるので好ましい。
なお、この黒鉛材料は、正極活物質層21Bに含まれる場合には導電材としても機能し、負極活物質層22Bに含まれる場合には負極活物質あるいは導電材としても機能する。この黒鉛材料を正極活物質層21Bに添加する場合には、正極活物質層21Bにおける含有量を0.2質量%以上10質量%以下の範囲内とすることが好ましい。この範囲よりも少ないと膨れを十分に抑制することができず、多いと正極活物質の割合が低くなり、容量が低下してしまうからである。この黒鉛材料を負極活物質層22Bに添加する場合には、負極活物質層22Bにおける含有量を1質量%以上100質量%以下の範囲内、更には2質量%以上50質量%以下の範囲内とすることが好ましい。この範囲よりも少ないと膨れを十分に抑制することができず、多いと容量が低下してしまうからである。
また、この黒鉛材料を用いる場合には、正極21または負極22についてX線回折法により得られる黒鉛の菱面体晶の(101)面に帰属するピーク強度が、X線回折法により得られる黒鉛の六方晶の(101)面に帰属するピーク強度の1%以上となるようにすることが好ましく、60%以下となるようにすればより好ましい。菱面体晶が少ないと十分な吸収能を得ることができないが、あまり多いと容量が低下してしまうことがあるからである。
セパレータ23は、例えば、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
電解質24は、電解液を高分子化合物に保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。電解質24はセパレータ23に含浸されていてもよく、また、セパレータ23と正極21および負極22との間に存在していてもよい。
電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン,γ−バレロラクトン,δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ブチレン,炭酸ビニレン,炭酸ジメチル,炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン,1−エトキシ−2−メトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩は、溶媒に溶解してイオンを生ずるものであればいずれを用いてもよく、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。例えばリチウム塩であれば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 ),ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2 CF3 2 ),トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SO2 CF3 3 ),四塩化アルミン酸リチウム(LiAlCl4 )あるいは六フッ化ケイ酸リチウム(LiSiF6 )などが挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルが挙げられる。
なお、電解質24には、電解液を高分子化合物に保持させることなく、液状の電解質としてそのまま用いてもよい。この場合、電解液はセパレータ23に含浸されている。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質の粉末と導電材と結着材とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより形成する。また、例えば、正極21と同様にして、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成し負極22を作製する。その際、必要に応じて、正極活物質層21Bあるいは負極活物質層22B、またはその両方に、上述した黒鉛材料を添加する。正極21に添加する場合には、導電材として添加してもよく、また他の導電材と共に添加してもよい。また、負極22に添加する場合には、負極活物質または導電材として添加してもよく、他の負極活物質または他の導電材と共に添加してもよい。
次いで、正極集電体21Aに正極端子11を取り付けると共に、負極集電体22Aに負極端子12を取り付ける。続いて、正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層し、長手方向に巻回して最外周部に保護テープを接着し、巻回電極体20の前駆体である巻回体を作製する。そののち、この巻回体を外装部材30の間に挟み、外装部材30の外周縁部を一辺を除いて熱融着し、電解液および高分子化合物の原料であるモノマーを含む電解質組成物を注入する。次いで、外装部材30の残りの一辺を熱融着して密閉したのち、モノマーを重合させて電解質24を形成する。これにより、図1,2に示した二次電池が得られる。
また、外装部材30の内部に電解質組成物を注入し、モノマーを重合させて電解質24を形成するのではなく、正極21および負極22を作製したのち、それらの上に、電解液および高分子化合物を含む電解質24を形成し、それらをセパレータ23を介して巻回し、外装部材30の内部に封入するようにしてもよい。
更に、電解質24として電解液を用いる場合には、上述したようにして巻回体を作製し、外装部材30の間に挟み込んだのち、電解液を注入して外装部材30を密閉する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解質24を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解質24を介して正極21に吸蔵される。その際、正極21または負極22には上述した黒鉛材料が含まれているので、水分などの不純物および副反応により発生したガスが吸収され、膨れが抑制されると共に、容量の低下も抑制される。
このように本実施の形態によれば、正極21または負極22に、六方晶の(002)面の平均面間隔d002が0.3354nm以上かつ0.3370nm以下であり、かつ、X線回折法により菱面体晶の(101)面に帰属するピークが得られる黒鉛材料を含有するようにしたので、水分などの不純物および副反応により発生したガスなどを吸収して、膨れを抑制することができると共に、容量などの電池特性も改善することができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−3)
図1,2に示したフィルム状の外装部材を用いた二次電池を作製した。
まず、炭酸リチウム0.5molと炭酸コバルト1molとを混合し、この混合物を空気中において900℃で5時間焼成して正極活物質であるリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )を合成した。次いで、このリチウムコバルト複合酸化物粉末85質量%と、導電材であるケッチェンブラック5質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合して正極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを作製した。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に塗布し乾燥させたのち、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。そののち、正極21に正極端子11を取り付けた。
また、負極活物質として人造黒鉛を用い、この人造黒鉛粉末89質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン6質量%と、吸収材5質量%とを混合して負極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを作製した。負極活物質として用いた人造黒鉛は、コークスをバインダーピッチで練り固めた成形物を焼成して炭素化したのち、更にピッチを加えて3000℃で黒鉛化したものであり、この人造黒鉛についてX線回折法により2θ=26°付近にある六方晶の(002)面の回折線からその平均面間隔d002を求めたところ、0.3372nmであった。吸収材には、実施例1−1では球状化天然黒鉛を用い、実施例1−2,1−3では球状化高結晶人造黒鉛を用いた。実施例1−1で用いた球状化天然黒鉛は、高純度の天然黒鉛を粉砕し、不純物を除去したのち、機械的に成形し球状化したものであり、実施例1−2,1−3で用いた球状化高結晶人造黒鉛は、コークスを原料として黒鉛化の際に触媒を加えて焼成することにより黒鉛化度を高めた高結晶化人造黒鉛を粉砕したのち機械的に成形し球状化したものである。
実施例1−1で用いた球状化天然黒鉛、実施例1−2および実施例1−3で用いた球状化高結晶人造黒鉛について、それぞれX線回折法により炭素を同定し、2θ=26°付近にある六方晶の(002)面の回折線からその平均面間隔d002をそれぞれ求めた。その結果、実施例1−1で用いた球状化天然黒鉛の平均面間隔d002は0.3364nmであり、実施例1−2で用いた球状化高結晶人造黒鉛の平均面間隔d002は0.3368nmであり、実施例1−3で用いた球状化高結晶人造黒鉛の平均面間隔d002は0.3359であった。それらの結果を表1に示す。
次いで、この負極合剤スラリーを厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に塗布し乾燥させたのち、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。作製した実施例1−1〜1−3の負極22について、それぞれX線回折法により、2θ=43.3°付近にある黒鉛の菱面体晶の(101)面の回折線と、2θ=44.5°付近にある黒鉛の六方晶の(101)面の回折線とから、六方晶の(101)面に対する菱面体晶の(101)面のピーク強度比を求めた。その結果、実施例1−1のピーク強度比は0.02、すなわち菱面体晶の(101)面のピーク強度が六方晶の(101)面のピーク強度の2%であり、実施例1−2のピーク強度は0.01、すなわち菱面体晶の(101)面のピーク強度が六方晶の(101)面のピーク強度の1%であった。また、実施例1−3のピーク強度比は0.03、すなわち菱面体晶の(101)面のピーク強度が六方晶の(101)面のピーク強度の3%であった。それらの結果を表1に示す。
続いて、負極22に負極端子12を取り付けたのち、作製した正極21および負極22を、厚み25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ23を介して密着させ、長手方向に巻き回して巻回体を作製した。次いで、作製した巻回体を外装部材30の間に装填し、外装部材30の外周縁部を一辺を除いて熱融着した。外装部材30には最外層から順に25μm厚のナイロンフィルムと40μm厚のアルミニウム箔と30μm厚のポリプロピレンフィルムとが積層されてなる防湿性のアルミラミネートフィルムを用いた。
続いて、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとを、炭酸エチレン:炭酸ジエチル=3:7の質量比で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウムを1mol/lの濃度で溶解させて電解液を調製した。そののち、この電解液100質量部に対して、重合性化合物を5質量部、および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.1質量部の割合で混合し、電解質組成物を作製した。その際、重合性化合物には、化1に示したトリメチロールプロパントリアクリレートと、化2に示したネオペンチルグリコールジアクリレートとを、トリメチロールプロパントリアクリレート:ネオペンチルグリコールジアクリレート=3:7の質量比で混合したものを用いた。
(化1)
CH3 CH2 C(CH2 OOCCH=CH2 3
(化2)
CH2 =CHCOOCH2 C(CH3 2 CH2 OOCCH=CH2
次いで、外装部材30の内部に電解質組成物を注入し、外装部材30の残りの1辺を熱融着して、これをガラス板に挟んで80℃で15分間加熱し、重合性化合物を重合させることによりゲル状の電解質24を形成した。これにより、図1,2に示した二次電池を得た。
また、実施例1−1〜1−3に対する比較例1−1として、負極活物質層を形成する際に吸収材を添加せず、人造黒鉛の割合を94質量%としたことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。更に、比較例1−2〜1−1−9として、負極活物質層に添加する吸収材の種類を表1に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。具体的には、比較例1−2ではレーヨンを焼成することにより得た炭素繊維を炭酸ガス中において賦活した活性炭を用い、比較例1−3ではコークスを用い、比較例1−4ではプロパンを熱分解し流動床で得られた熱分解炭素を用い、比較例1−5ではフェノール樹脂を焼成することにより得られたハードカーボンを用い、比較例1−6ではメソフェーズ小球体を黒鉛化することにより得たメソカーボンマイクロビーズを用い、比較例1−7では炭化水素ガス雰囲気中において1100℃で触媒上に気相成長させた気相成長炭素繊維を用い、比較例1−8では高純度の天然黒鉛を粉砕し、不純物を除去した天然黒鉛粉末を用い、比較例1−9ではコークスを原料として黒鉛化の際に触媒を加えて焼成することにより黒鉛化度を高めた高結晶化人造黒鉛粉末を用いた。
比較例1−2〜1−9で用いた吸収材についても、実施例1−1〜1−3と同様にして、六方晶の(002)面の回折線からその平均面間隔d002を求めた。また、比較例1−1〜1−9の負極についても、実施例1−1〜1−3と同様にして、黒鉛の六方晶の(101)面に対する菱面体晶の(101)面のピーク強度比をそれぞれ求めた。それらの結果も表1に合わせて示す。なお、表1に示した“−”は測定不能であったことを意味している。また、負極活物質として用いた人造黒鉛の物性値は、比較例1−1の欄に示した。
作製した実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−9の二次電池について、23℃で100mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで15時間行ったのち、23℃で100mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、初回放電容量を求めた。
また、上述した条件で初回放電容量を求めた各二次電池について、23℃で500mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで2時間行ったのち、−20℃で250mAの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行い、低温での放電容量を測定した。得られた低温での放電容量と23℃における初回放電容量とから、低温特性として、低温での放電容量維持率を(低温での放電容量/初回放電容量)×100により算出した。
更に、別途に上述した条件で初回充放電を行った各二次電池について、電池の厚みを測定したのち、再度4.31Vまで3時間充電して60℃の恒温槽内で1ヶ月保管し、保存後の電池の厚みを測定した。保存後の電池厚みから保存前の電池厚みを引いた値を、保存後の膨れとして求めた。
加えて、別途に上述した条件で初回充放電を行った各二次電池を解体し、負極活物質層22Bを20mg削り取り、アルゴンボックス中において密閉ガラス瓶に封入し、シリンジで二酸化炭素標準ガスを注入して、90℃で4時間保存したのちの二酸化炭素の残存率を調べた。測定にはガスクロマトグラフィ/質量分析装置を用い、密閉ガラス瓶内のガス0.2mlを定性・定量した。それらの結果を表1に示す。
Figure 0005201325
表1に示したように、実施例1−1〜1−3によれば、吸収材を添加しなかった比較例1−1に比べて、保存後の膨れおよび二酸化炭素残存率が小さくなり、初回放電容量および低温特性は向上した。これに対して、活性炭素繊維を用いた比較例1−2では、比較例1−1に比べて膨れおよび二酸化炭素残存率は小さくなったものの実施例1−1〜1−3ほどではなく、また初回放電容量は低下した。比較例1−3〜1−7では、膨れを抑制することはできず、初回放電容量および低温特性も比較例1−1と同等かそれよりも低下した。更に、六方晶の(002)面の平均面間隔d002が0.3354nm以上かつ0.3370nm以下の天然黒鉛または高結晶化人造黒鉛を用いた比較例1−8,1−9では、比較例1−1に比べて膨れおよび二酸化炭素残存率を小さくでき、初回放電容量および低温特性も向上させることができたものの、活性炭素繊維を用いた比較例1−2ほどには膨れを抑制することができなかった。
すなわち、六方晶の(002)面の平均面間隔d002が0.3354nm以上かつ0.3370nm以下であり、菱面体晶の(101)面に帰属するピークが得られる黒鉛材料を用いるようにすれば、電池の膨れを抑制することができると共に、容量および低温特性などの電池特性を改善できることが分かった。
(実施例2−1〜2−4)
負極活物質層22Bにおける球状化天然黒鉛の割合および球状化天然黒鉛の物性値を変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。その際、実施例2−1では粒状人造黒鉛を93.06質量%、ポリフッ化ビニリデンを6質量%、球状化天然黒鉛を0.94質量%とし、実施例2−2では粒状人造黒鉛を47質量%、ポリフッ化ビニリデンを6質量%、球状化天然黒鉛を47質量%とし、実施例2−3,2−4では粒状人造黒鉛を0質量%、ポリフッ化ビニリデンを6質量%、球状化天然黒鉛を94質量%とした。
実施例2−1〜2−4で用いた球状化天然黒鉛についても、実施例1−1と同様にして、六方晶の(002)面の回折線からその平均面間隔d002を求めた。また、実施例2−1〜2−4の負極22についても、実施例1−1と同様にして、六方晶の(101)面に対する菱面体晶の(101)面のピーク強度比をそれぞれ求めた。更に、作製した実施例2−1〜2−4の二次電池についても、実施例1−1と同様にして、初回放電容量、低温特性、保存後の膨れ、および二酸化炭素残存率を測定した。それらの結果を、実施例1−1および比較例1−1の結果と共に表2に示す。
Figure 0005201325
表2に示したように、実施例2−1〜2−4によれば、実施例1−1と同様に、球状化天然黒鉛を添加していない比較例1−1に比べて、膨れおよび二酸化炭素残存率を小さくすることができた。但し、球状化天然黒鉛の添加量を増加させると、膨れおよび二酸化炭素残存率は小さくなるものの、初回放電容量および低温特性は低下する傾向が見られた。また、負極22における黒鉛の六方晶の(101)面に対する菱面体晶の(101)面のピーク強度比を大きくしても、同様の傾向がみられた。
すなわち、負極活物質層22Bにおける吸収材の含有量は、1質量%以上100質量%以下の範囲内、更には2質量%以上50質量%以下の範囲内とすることが好ましいことが分かった。また、負極22について、X線回折法により得られる黒鉛の菱面体晶の(101)面に帰属するピーク強度は、X線回折法により得られる黒鉛の六方晶の(101)面に帰属するピーク強度の1%以上となるようにすることが好ましく、60%以下となるようにすればより好ましいことが分かった。
(実施例3−1〜3−6)
吸収材を負極活物質層22Bに代えて、正極活物質層21Bに添加したことを除き、他は実施例1−1,1−2と同様にして二次電池を作製した。その際、実施例3−1,3−2では、正極活物質層21Bを形成する際に導電材として球状化天然黒鉛または球状化高結晶人造黒鉛を5質量%添加し、負極活物質層22Bを形成する際には吸収材を添加せず、粒状人造黒鉛の割合を94質量%とした。また、実施例3−3〜3−6では、正極活物質層21Bを形成する際に導電材として球状化天然黒鉛を用い、その正極活物質層21Bにおける含有量を0.1質量%〜12質量%の範囲内で変化させ、負極活物質層22Bを形成する際には吸収材を添加せず、粒状人造黒鉛の割合を94質量%とした。実施例3−1〜3−6で用いた球状化天然黒鉛および球状化高結晶人造黒鉛は、実施例1−1,1−2で用いたものと同一である。
作製した実施例3−1〜3−6の二次電池についても、実施例1−1,1−2と同様にして、初回放電容量、低温特性、保存後の膨れ、および二酸化炭素残存率を測定した。それらの結果を実施例1−1,1−2および比較例1−1の結果と共に表3,4に示す。
Figure 0005201325
Figure 0005201325
表3に示したように、実施例3−1,3−2においても、実施例1−1,1−2と同様に、吸収材を添加していない比較例1−1に比べて、膨れおよび二酸化炭素残存率が小さくなり、初回放電容量および低温特性が向上した。すなわち、吸収材を正極21に添加しても負極22に添加しても同様の効果を得られることが分かった。
また、表4に示したように、吸収材の添加量を増加させると、膨れおよび二酸化炭素残存率は小さくなり、低温特性も向上するものの、初回放電容量は低下する傾向が見られた。すなわち、正極活物質層21Bにおける吸収材の含有量は、0.2質量%以上10質量%以下の範囲内とすることが好ましいことが分かった。
(実施例4−1)
負極活物質として人造黒鉛に代えてケイ素粉末を用いたことを除き、他は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。吸収材として用いた球状化高結晶人造黒鉛は実施例1−2と同一のものである。また、実施例4−1に対する比較例4−1として、吸収材に代えて導電材として人造黒鉛を5質量%添加したことを除き、他は実施例4−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例4−1および比較例4−1の二次電池についても、実施例1−2と同様にして、初回放電容量、低温特性、保存後の膨れ、および二酸化炭素残存率を測定した。それらの結果を実施例1−2の結果と共に表5に示す。
Figure 0005201325
表5に示したように、実施例4−1によれば、実施例1−2と同様に、比較例4−1に比べて、膨れおよび二酸化炭素残存率を大幅に小さくすることができた。すなわち、他の負極活物質を用いても同様の効果を得られることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電解質として電解液を用いる場合および電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を溶解または分散させた有機固体電解質、イオン伝導性セラミックス,イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などのイオン伝導性無機化合物を含む無機固体電解質、またはこれらと電解液との混合したものが挙げられる。
また、上記実施の形態および実施例では、正極21および負極22を巻回した巻回電極体を外装部材30の内部に備える場合について説明したが、正極21と負極22とを1層または複数積層したものを備えるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。加えて、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。

Claims (5)

  1. フィルム状の外装部材の内部に、正極および負極と共に非水溶媒を含む電解質を備え、
    前記正極および負極のうちの少なくとも一方は、吸収材として、X線回折法により求められる六方晶の(002)面の平均面間隔d002が0.3354nm以上かつ0.3370nm以下であり、かつ、X線回折法により菱面体晶の(101)面に帰属するピークが得られる球状化された黒鉛材料を含有する電極である電池。
  2. 前記黒鉛材料を含有する電極について、X線回折法により得られる前記黒鉛材料を含む黒鉛の菱面体晶の(101)面に帰属するピーク強度は、当該黒鉛の六方晶の(101)面に帰属するピーク強度の1%以上60%以下である請求項1記載の電池。
  3. 前記外装部材は、アルミラミネートフィルムよりなる請求項1記載の電池。
  4. 前記負極は、前記黒鉛材料と共に、負極活物質として炭素材料を含む、請求項1記載の電池。
  5. 前記負極は負極集電体に設けられた負極活物質層を有し、前記負極活物質層は前記黒鉛材料を含み、
    前記負極活物質層における前記黒鉛材料の含有量は2質量%以上50質量%以下である、請求項1記載の電池。
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