JP5200992B2 - サスペンション制御装置、及びサスペンション制御方法 - Google Patents
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《第1実施形態》
《構成》
図1は、電磁式ショックアブソーバの概略構成である。
電磁式ショックアブソーバ10は、下端が車輪側に弾性支持された円筒状のシェルケース11と、このシェルケース11に進退可能に挿通され、上端が車体側に弾性支持されたロッド12と、このロッド12の上端側に固定され、シェルケース11の外周面に対向した内周面を有する外筒13と、を備える。
シェルケース11の内部には、ダンパーオイルを封入しており、シェルケース11とロッド12とが軸方向に相対変位するときに、ロッド12の下端に連結されたピストン14がダンパーオイルの流動抵抗を受けることで減衰力が発生する。
電磁式ショックアブソーバ10は、コイルスプリング17の内側に配置され、コイルスプリング17は、車体側に固定されたスプリングシート18と、シェルケース11の外周面に固定されたスプリングシート19とによって支持されている。
ストロークセンサ31は、バネ上とバネ下の相対速度、つまりサスペンションのストローク速度を検出し、接地荷重センサ32は、車輪の接地荷重を検出する。なお、接地荷重センサ32は、車輪の接地荷重を直接検出するものでもよいが、ここでは、ストロークセンサ31で検出したストローク速度に基づいて推定するものとする。走行状態検出部33は、車速V、前後加速度ax及び横加速度ay、並びに操舵速度dδを検出する。すなわち、走行状態検出部33は、車速センサ、加速度センサ、及び舵角センサを有する。
コントローラ40は、第一の算出部41と、周波数特性調整部43と、第二の算出部44と、目標制御量演算部45と、を備える。
第一の算出部41は、ストローク速度に基づいて乗心地制御項となる第一の制御量を算出する。この演算は、スカイフック制御、最適制御、及びロバスト制御など、一般に乗心地制御で用いられるものである。
第二の算出部44は、周波数特性を調整した接地荷重に、所定の減衰係数を乗じることで、接地性制御項となる第二の制御量を算出する。ここでは、各輪の夫々に対して個別に算出する。
目標制御量演算部45は、第一の制御量と第二の制御量とを加え、最終的な目標制御量を演算し、電磁式ショックアブソーバ10を駆動制御する。
周波数特性調整部43は、図3に示すように、車両の走行状態に基づいて接地荷重の周波数特性を調整するためのフィルタ特性L30を決定するフィルタ特性決定部52と、接地荷重をフィルタ処理するフィルタ処理部53と、を備える。
図4は、決定したフィルタ特性L30であり、下記式は、フィルタ特性L30を1次進み/2次遅れ系で表したものである。ここでは、本次数とするが、より高次のフィルタ特性にすることで、限定された周波数帯域のみに作用するフィルタ特性としてもよい。例えば、接地性調整対象である周波数帯域が、限定された周波数帯域のみである場合である。
中心周波数fCTRは、フィルタを積極的に作用させたい周波数を指し、ここではバネ下共振周波数に設定している。微分ゲインKは、中心周波数fCTRでのゲインの強弱を決定する値であり、大きくすると中心周波数でのゲインが大きくなる。減衰係数ζは、中心周波数fCTRに対するゲインのピーク形状を決定する値であり、大きい値にすればなだらかなゲイン特性となり、小さい値にするほど急な立ち上がりをするゲイン特性となる。
KFL=KvF+KxF
KFR=KvF+KxF
KRL=KvR+KxR
KRR=KvR+KxR ………(2)
先ず、前輪用ゲインKvF及び後輪用ゲインKvRについて説明する。
ここでは、図6のマップを参照し、車速Vに応じてKvF及びKvRを算出する。
このマップによれば、車速Vが高いほど、KvF及びKvRが大きくなる。但し、車速Vが低速域の閾値V0以下のときには、KvF及びKvRが0に近い所定値Kv0を維持する。また、車速Vが閾値V0より高いときには、前輪用ゲインKvFよりも後輪用ゲインKvRの方が大きくなる。
図7は、輪荷重とコーナリングパワーの関係である。
図8は、車速とタイヤ横力動特性の関係である。
タイヤは、図7に示すように、或る輪荷重範囲では、輪荷重の増加に応じて線形にコーナリングパワーが増加する特性をもっている。但し、これは静的な場合のイメージであって、動的に輪荷重が変わる場合には、タイヤの弾性変形によって発生する横力の応答、つまりコーナリングパワーが変化する。
そこで、図8に示すように、フィルタ特性L30の中心周波数fCTRとタイヤ横力動特性との交点に位置する車速を、前述した閾値V0として設定する。すなわち、中心周波数fCTRまで、つまりタイヤ横力動特性がない低速域では、KvF及びKvRを0に近い所定値Kv0にする。これにより、接地荷重は変動するが車両への影響が少ない走行状態での無駄な接地性制御項によるエネルギーロスを軽減する。
ここでは、前輪駆動車両(FF車両)の場合には、図9(a)のマップを参照し、後輪駆動車両(FR車両)の場合には、図9(b)のマップを参照し、加減速度axに応じてKxF及びKxRを算出する。なお、減速方向のaxを負値とし、加速方向のaxを正値とするのが一般的であるが、便宜上、ここでは減速方向のaxを減速度と称して正値で扱い、加速方向のaxを加速度と称して正値で扱う。
図9(b)のマップによれば、減速度については、図9(a)と同一であるが、加速度axが大きいほど、後輪用ゲインKxRだけが大きくなる。但し、加速度axが所定値ax0以下のときには、KxRが0を維持する。
接地性を優先すべくダンパ定数を大きくする、つまりハードダンパにすると、特定の周波数帯域の路面外乱に対しては有効であるが、それ以外の周波数帯域では、路面変位から車体上下加速度へのゲインが増加し、乗心地が低下する可能性がある。これは、車両の加減速状態や旋回状態など、車両の走行状態によっても変化してしまう。
そこで、本実施形態では、検出したストローク速度に基づいて乗心地制御項となる第一の制御量を算出し、検出した接地荷重の周波数特性を車両の走行状態に基づいて調整し、周波数特性を調整した接地荷重に基づいて接地性制御項となる第二の制御量を算出し、第一の制御量及び第二の制御量に基づいて目標制御量を設定する。
このように、乗心地制御項と接地性制御項とを個別に調整し、特に接地性制御項を車両の走行状態に基づいて調整することで、乗心地と接地性とのトレードオフの関係を改善することができる。
ここでは、車速Vが高いほど、接地荷重における周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項(第二の制御量)の働きを強める。一般に、車速が増加すると、輪荷重の変動のない定常状態での操舵応答性や車両安定性が低下し、これらは接地荷重の変動によって更に低下し得るものである。したがって、車速Vが高いほど接地性制御項の働きを強めて接地荷重の変動を抑制することで、操舵応答性や車両安定性の低下を抑制することができる。
また、前輪よりも後輪で、周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項の働きを強める。すなわち、後輪は車両の安定性(アンチスピン性能)や、操舵応答性に大きく影響を及ぼすため、後輪の接地性を向上させることで、限られた制御力で効率よく安定性と応答性を高めることができる。
ここでは、減速度axが大きいほど、接地荷重における周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項(第二の制御量)の働きを強める。このように、制動時の接地荷重の変動を抑制することで、制動距離を短くするなど、制動性能を向上させることができる。
また、後輪よりも前輪で、周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項の働きを強める。このように、略直進走行している状態で制動しているときに、重心移動によって輪荷重が増加する前輪の接地荷重変動を抑制することで、制動距離を短くするなど、制動性能を高めることができる。
また、加速度axが閾値ax0よりも小さいときには、周波数特性のゲインを制限することで、接地性制御項の働きを弱める。これにより、接地性制御項の効果が小さい領域では、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
図10は、バネ上加速度及び定常ヨーレートゲインのタイムチャートである。
なお、ヨーレートの定常ゲインについては、先ず瞬間の輪荷重に基づいて瞬間のタイヤのコーナリングパワーを算出し、このコーナリングパワーに基づいてヨーレートの定常ゲインを算出している。ここで、バネ上の加速度(乗心地)については、大きな相違はないが、本実施形態では接地荷重の変動を抑制しているため、従来技術と比べてヨーレートの定常ゲインが抑制されていることが分かる。
図11は、瞬間ヨーレートの定常ゲイン及び共振周波数の平均二乗偏差(RMS:Root Mean Square)である。
本実施形態では、従来技術と比べて、ヨーレートの定常ゲイン(定常的なヨー応答)のみならず、ヨーレートの共振周波数(過渡的なヨー応答)の変動も抑制できることが確認できる。
本実施形態では、電磁式ショックアブソーバ10について説明したが、これに限定されるものではなく、ボールねじ式のショックアブソーバを採用してもよい。また、電動式のアクティブサスペンションに限らず、油圧式のアクティブサスペンションにも適用可能である。
以上より、電磁式ショックアブソーバ10が「アクチュエータ」に対応し、ストロークセンサ31が「ストローク状態検出手段」に対応し、接地荷重センサ32が「荷重検出手段」に対応し、走行状態検出部33が「走行状態検出手段」に対応する。また、第一の算出部41が「第一の算出手段」に対応し、周波数特性調整部43が「調整手段」に対応し、第二の算出部44が「第二の算出手段」に対応し、目標制御量演算部45が「設定部」に対応する。
このように、乗心地制御項と接地性制御項とを、異なる変数に基づいて調整し、特に接地性制御項を車両の走行状態に基づいて調整することで、乗心地と接地性とのトレードオフの関係を改善することができる。
一般に、車速が増加すると、輪荷重の変動のない定常状態での操舵応答性や車両安定性が低下し、これらは接地荷重の変動によって更に低下し得るものである。したがって、車速が高いほど接地性制御項の働きを強めて接地荷重の変動を抑制することで、操舵応答性や車両安定性の低下を抑制することができる。
一般に、輪荷重の変動に伴うタイヤの横力発生特性は、車速に依存し、車速が低いとタイヤの応答性も低くなる。タイヤの接地荷重が変動しやすいバネ下の共振周波数程度の周波数が、タイヤの横力発生周波数と同じになるような車速以下では、周波数特性のゲインを制限することで、接地性制御項の効果が小さい領域では、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
後輪は車両の安定性(アンチスピン性能)や、操舵応答性に大きく影響を及ぼすため、後輪の接地性を向上させることで、限られた制御力で効率よく安定性と応答性を高めることができる。
(5)前記走行状態検出手段は、車両の減速度を検出し、前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した減速度が大きいほど、前記周波数特性のゲインを大きくする。
このように、制動時の接地荷重の変動を抑制することで、制動距離を短くするなど、制動性能を向上させることができる。
これにより、接地性制御項の効果が小さい領域では、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
(7)前記調整手段は、後輪よりも前輪の、前記周波数特性のゲインを大きくする。
このように、略直進走行している状態で制動しているときに、重心移動によって輪荷重が増加する前輪の接地荷重変動を抑制することで、制動距離を短くするなど、制動性能を高めることができる。
このように、駆動輪の接地荷重変動を抑制することで、加速性能を向上させることができる。
(9)前記調整手段は、前記走行制御手段が検出した加速度が所定の加速度閾値よりも小さいときには、前記周波数特性のゲインを制限する。
これにより、接地性制御項の効果が小さい領域では、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
このように、乗心地制御項と接地性制御項とを個別に調整し、特に接地性制御項を車両の走行状態に基づいて調整することで、乗心地と接地性とのトレードオフの関係を改善することができる。
《構成》
本実施形態では、下記(3)式に示すように、車速V、及び前後加速度axに加え、更に横加速度ay、及び操舵速度dδに応じて、各輪の微分ゲインKiを算出する。KyLは横加速度ayに応じた左輪用のゲインであり、KyRは横加速度ayに応じた右輪用のゲインであり、Kdは操舵速度dδに応じたゲインである。
KFL=KvF+KxF+KyL+Kd
KFR=KvF+KxF+KyR+Kd
KRL=KvR+KxR+KyL+Kd
KRR=KvR+KxR+KyR+Kd ………(2)
先ず、左輪用ゲインKyL及び右輪用ゲインKyRについて説明する。
ここでは、図12のマップを参照し、横加速度ayに応じてKyL及びKyRを算出する。
このマップによれば、横加速度ayが大きいほど、KyL及びKyRが大きくなる。但し、横加速度ayが閾値ay0以下のときには、KyL及びKyRが0を維持する。また、左方向への横加速度ayが閾値ay0より大きいときには、左輪用ゲインKyLよりも右輪用ゲインKyRの方が大きくなり、右方向への横加速度ayが閾値ay0より大きいときには、右輪用ゲインKyRよりも左輪用ゲインKyLの方が大きくなる。すなわち、旋回内輪用ゲインよりも旋回外輪用ゲインの方が大きくなる。
ここでは、図13のマップを参照し、操舵速度dδに応じてKdを算出する。
このマップによれば、操舵速度dδが大きいほど、Kdが大きくなる。但し、操舵速度dδが閾値dδ0以下のときには、Kdが0を維持する。
したがって、前記(1)式、及び(3)式に基づいたフィルタ処理により、操舵速度dδが大きいほど、接地荷重における周波数特性のゲインが大きくなり、接地性制御項(第二の制御量)の働きが強まる。但し、操舵速度dδが閾値dδ0よりも小さいときには、周波数特性のゲインが制限され、接地性制御項の働きが弱まる。
ここでは、前述した図9のマップにおいて、減速度axに応じたKxF及びKxRの傾き(変化率)を、横加速度ayに応じて変化させる。すなわち、図14(a)に示すように、減速度axが閾値ax0より大きい範囲において、この減速度axに応じたKxFの傾きをαFとし、減速度axに応じたKxRの傾きをαRとし、図14(b)のマップを参照し、横加速度ayに応じて、傾きαF及びαRを算出する。このマップによれば、横加速度ayが大きいほど、前輪用ゲインの傾きαFが小さくなり、且つ後輪用ゲインの傾きαRが大きくなる。また、横加速度ayが閾値ay1より小さいときには、後輪用ゲインの傾きαRよりも前輪用ゲインの傾きαFの方が大きくなり、横加速度ayが閾値ay1より大きいときには、前輪用ゲインの傾きαFよりも後輪用ゲインの傾きαRの方が大きくなる。
本実施形態では、前記(1)式、及び(3)式に従い、車速V、加減速度ax、横加速度ay、及び操舵速度dδに応じて、フィルタ特性L30を決定し、このフィルタ特性L30を介して接地荷重の周波数特性を調整する。
先ず、横加速度ayに応じて左輪用ゲインKyL及び右輪用ゲインKyRを算出する。
ここでは、横加速度ayが大きいほど、接地荷重における周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項(第二の制御量)の働きを強める。旋回走行時には、路面凹凸によって接地荷重が変動し、タイヤのコーナリングパワーが変化することで、各輪の横力が変動し車両挙動が不安定になる可能性がある。したがって、横加速度ayが大きいほど接地性制御項の働きを強めて接地荷重の変動を抑制することで、車両挙動が不安定になることを防止することができる。
また、旋回内輪よりも旋回外輪で、周波数特性のゲインが大きくすることで、接地性制御項の働きを強める。一般に、横加速度ayが上昇すると、旋回内輪に比べ旋回外輪の横力配分が増加するので、旋回外輪は旋回運動への影響が大きくなる。したがって、旋回外輪の接地荷重変動を抑制することで、より効果的に路面外乱に対する平面運動への影響を抑制することができる。
ここでは、操舵速度dδが大きいほど、接地荷重における周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項(第二の制御量)の働きを強める。これにより、過渡的に接地性を高めることができるので、急なステアリング操作に対しても操舵応答性の変動を抑制し、操縦安定性を向上させることができる。
また、操舵速度dδが閾値dδ0よりも小さいときには、周波数特性のゲインを制限することで、接地性制御項の働きを弱める。これにより、接地性制御項の効果が小さい領域では、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
ここでは、減速度axが閾値ax0より大きく、且つ横加速度ayが閾値ay1より小さいときに、後輪よりも前輪で、周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項の働きを強める。また、減速度axが閾値ax0より大きく、且つ横加速度ayが閾値ay1より大きいときには、前輪よりも後輪で、周波数特性のゲインを大きくすることで、接地性制御項の働きを強める。
これにより、前述したように、略直進走行している状態で制動しているときには、制動距離を短くするなど、制動性能を高めることができ、また旋回走行している状態で制動しているときには、後輪がすべるスピン傾向を抑制し、旋回挙動の安定性を向上させることができる。
(1)前記走行状態検出手段は、車両の横加速度を検出し、前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した横加速度が大きいほど、前記周波数特性のゲインを大きくする。
旋回走行時には、路面凹凸によって接地荷重が変動し、これによってタイヤのコーナリングパワーが変化して各輪の横力が変動し車両挙動が不安定になる可能性がある。したがって、横加速度ayが大きいほど接地性制御項の働きを強めて接地荷重の変動を抑制することで、車両挙動が不安定になることを防止することができる。
これにより、接地性制御項の効果が小さい領域では、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
(3)前記調整手段は、前輪よりも後輪の、前記周波数特性のゲインを大きくする。
これにより、後輪がすべるスピン傾向を抑制し、旋回挙動の安定性を向上させることができる。
一般に、横加速度ayが上昇すると、旋回内輪に比べ旋回外輪の横力配分が増加するので、旋回外輪は旋回運動への影響が大きくなる。したがって、旋回外輪の接地荷重変動を抑制することで、より効果的に路面外乱に対する平面運動への影響を抑制することができる。
これにより、過渡的に接地性を高めることができるので、急なステアリング操作に対しても操舵応答性の変動を抑制し、操縦安定性を向上させることができる。
(6)前記調整手段、前記走行状態検出手段が検出した操舵速度が所定の操舵速度閾値よりも遅いときには、前記周波数特性のゲインを制限する。
これにより、接地性制御項の効果が小さい領域では、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
11 シェルケース
12 ロッド
13 外筒
15 マグネット
16 コイルセル
31 ストロークセンサ
32 接地荷重センサ
33 走行状態検出部
40 コントローラ
41 第一の算出部
43 周波数特性調整部
44 第二の算出部
45 目標制御量演算部
52 フィルタ特性決定部
53 フィルタ処理部
Claims (16)
- サスペンションのストロークを制御可能なアクチュエータに対して、目標制御量を設定し、該目標制御量に応じて前記アクチュエータを駆動制御するサスペンション制御装置であって、
前記サスペンションのストローク状態を検出するストローク状態検出手段と、車輪の接地荷重を検出する荷重検出手段と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記ストローク状態検出手段が検出したストローク状態に基づいて乗心地制御項となる第一の制御量を算出する第一の算出手段と、前記荷重検出手段が検出した接地荷重の周波数特性を前記走行状態検出手段が検出した走行状態に基づいて調整する調整手段と、該調整手段によって周波数特性を調整した接地荷重に基づいて接地性制御項となる第二の制御量を算出する第二の算出手段と、前記第一の算出手段が算出した第一の制御量、及び前記第二の算出手段が算出した第二の制御量に基づいて前記目標制御量を設定する設定手段と、を備えることを特徴とするサスペンション制御装置。 - 前記走行状態検出手段は、車速を検出し、
前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した車速が高いほど、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。 - 前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した車速が所定の車速閾値よりも低いときには、前記周波数特性のゲインを制限することを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
- 前記調整手段は、前輪よりも後輪の、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項2又は3に記載のサスペンション制御装置。
- 前記走行状態検出手段は、車両の減速度を検出し、
前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した減速度が大きいほど、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のサスペンション制御装置。 - 前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した減速度が所定の減速度閾値よりも小さいときには、前記周波数特性のゲインを制限することを特徴とする請求項5に記載のサスペンション制御装置。
- 前記調整手段は、後輪よりも前輪の、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項5又は6に記載のサスペンション制御装置。
- 前記走行状態検出手段は、車両の加速度を検出し、
前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した加速度が大きいほど、駆動輪の、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のサスペンション制御装置。 - 前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した加速度が所定の加速度閾値よりも小さいときには、前記周波数特性のゲインを制限することを特徴とする請求項8に記載のサスペンション制御装置。
- 前記走行状態検出手段は、車両の横加速度を検出し、
前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した横加速度が大きいほど、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のサスペンション制御装置。 - 前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した横加速度が所定の横加速度閾値よりも小さいときには、前記周波数特性のゲインを制限することを特徴とする請求項10に記載のサスペンション制御装置。
- 前記調整手段は、前輪よりも後輪の、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項10又は11に記載のサスペンション制御装置。
- 前記調整手段は、旋回内輪よりも旋回外輪の、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載のサスペンション制御装置。
- 前記走行状態検出手段は、運転者の操舵速度を検出し、
前記調整手段は、前記走行状態検出手段が検出した操舵速度が速いほど、前記周波数特性のゲインを大きくすることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載のサスペンション制御装置。 - 前記調整手段、前記走行状態検出手段が検出した操舵速度が所定の操舵速度閾値よりも遅いときには、前記周波数特性のゲインを制限することを特徴とする請求項14に記載のサスペンション制御装置。
- サスペンションのストロークを制御可能なアクチュエータに対して、目標制御量を設定し、該目標制御量に応じて前記アクチュエータを駆動制御するサスペンション制御方法であって、
前記サスペンションのストローク状態と、車輪の接地荷重と、車両の走行状態とを検出し、検出したストローク状態に基づいて乗心地制御項となる第一の制御量を算出し、検出した接地荷重の周波数特性を車両の走行状態に基づいて調整し、周波数特性を調整した接地荷重に基づいて接地性制御項となる第二の制御量を算出し、前記第一の制御量及び前記第二の制御量に基づいて前記目標制御量を設定することを特徴とするサスペンション制御方法。
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