JP5200753B2 - 車両制動装置と車両制動装置の異常検出方法 - Google Patents

車両制動装置と車両制動装置の異常検出方法 Download PDF

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本発明は、車両制動装置と車両制動装置の異常検出方法に関する。
従来、油圧系統内の油圧の供給や停止をアクチュエータにより電子制御して、各ホイールシリンダに供給する油圧を調整するブレーキ制御装置が知られている。このようなブレーキ制御装置は、動力液圧源としてアキュムレータを備えることもでき、ブレーキペダルからの操作に応じたマスタシリンダユニットからの油圧とともに、ホイールシリンダを動作させる動力源となる。
また、ブレーキ制御装置は、適切な油圧系統の制御を行なうために複数の油圧センサを備えている。そして、油圧センサで検出した油圧に基づいて、油圧系統に設けられた制御弁を開閉したり遮蔽したりして、油圧の供給と遮断とを制御して油圧を所望の値に調整する。
また、油圧系統内における障害の発生等を把握するために、同一油圧系統内の複数の油圧センサの検出値を比較することにより、異常部位を特定する方法が提案されている。例えば、マスタシリンダとホイールシリンダとが連通接続されると、マスタシリンダ圧力とホイールシリンダ圧力とが互いに等しくなることを利用して異常部位を特定する方法が、下記特許文献1に開示されている。
また、制動入力側と制動出力側とが遮断されているときにも、制動入力側の各圧力検出手段の検出値に基づいて、制動入力側の圧力検出手段の故障診断を容易に行なうことが可能な車両ブレーキ装置が、下記特許文献2に開示されている。
特開平11−301463号公報 特開2006−193136号公報
従来の車両ブレーキ装置の異常検出方法は、車両が停止する状態において、故障診断を行なう方法であり、走行中に生じた異常についてはその走行中に異常検出することができなかった。
本発明は、このような問題点に鑑み為されたものであり、より頻度高く、かつ迅速に異常を検出可能な車両制動装置と車両制動装置の異常検出方法とを提供することを目的とする。
本発明にかかる車両制動装置のある態様では、液圧をホイールシリンダに供給する液圧配管に設けられた複数の液圧検出部と、液圧配管に設けられ液圧を供給し又は遮断するように開閉動作する液圧制御弁と、液圧検出部の出力値に基づいて液圧制御弁の開閉動作を制御するブレーキ電子制御部と、を備える車両制動装置において、ブレーキ電子制御部は、複数の液圧検出部の各々の出力値の相対関係に基づいて異常検出処理をする異常検出処理部と、車両が制動されていない状態で異常検出処理部が異常検出処理をするように、異常検出処理をする時期を判断する異常検出時期判断部とを備える。
また、本発明にかかる車両制動装置の他の態様では、異常検出時期判断部が、運転者による車両を制動動作させる指示入力があるか否かを判断する車両制動動作指示入力有無判断部を備え、異常検出処理部は、車両制動動作指示入力有無判断部が、指示入力が無いと判断した場合に、異常検出処理をする。
また、本発明にかかる車両制動装置の他の態様では、異常検出時期判断部が、自動的に車両を制動動作させる自動制動が実行されているか否かを判断する自動制動制御実行有無判断部を備え、異常検出処理部は、自動制動制御実行有無判断部が、自動制動が実行されていないと判断した場合に、異常検出処理をする。
また、本発明にかかる車両制動装置の他の態様では、異常検出時期判断部が、ホイールシリンダに液圧の封じ込めが生じているか否かを判断するホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部を備え、異常検出処理部は、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部が、ホイールシリンダに液圧の封じ込めが生じていないと判断した場合に、異常検出処理をする。
また、本発明にかかる車両制動装置の他の態様では、異常検出処理部が、第一の液圧検出部の出力値の変化量が、所定の第一閾値より小さい場合に、第一の液圧検出部よりもホイールシリンダ側に配設された第二の液圧検出部の出力値の変化量が、所定の第二閾値よりも大きいか否かにより、異常を検出する。
また、本発明にかかる車両制動装置の他の態様では、好ましくは第一の液圧検出部はレギュレータ圧センサであり、第二の液圧検出部は制御圧センサであって、所定の第二閾値は、所定の第一閾値よりも大きく、異常検出処理部は、第二の液圧検出部の出力値の変化量が、所定の第二閾値よりも大きい場合に異常と判断する。
また、本発明にかかる車両制動装置の他の態様では、さらに好ましくは液圧配管に設けられた第一の液圧検出部と、第一の液圧検出部と離間して設けられた第二の液圧検出部と、第一の液圧検出部と第二の液圧検出部との間を連通する液圧配管に設けられた分離弁とを備え、異常検出処理部は異常検出処理をする場合に、分離弁が開状態であるか否かを確認し、開状態であれば、第一の液圧検出部と第二の液圧検出部との出力値の比較に基づいて異常検出処理をし、開状態でなければ、ブレーキ電子制御部が分離弁を開状態とした後に、第一の液圧検出部と第二の液圧検出部との出力値の比較に基づいて異常検出処理をする異常検出処理部とする。
また、本発明にかかる車両制動装置の異常検出方法のある態様は、液圧をホイールシリンダに供給する液圧配管に設けられた第一の液圧検出部と、第一の液圧検出部よりもホイールシリンダ側の液圧配管に設けられた第二の液圧検出部と、第一の液圧検出部と第二の液圧検出部との出力値に基づいて、液圧配管の液圧を制御するブレーキ電子制御部と、を備える車両制動装置の異常検出方法であって、ブレーキ電子制御部は、第一の液圧検出部の検出値の変化量が所定の第一閾値より小さい場合に、第二の液圧検出部の検出値の変化量が、第一閾値よりも大きい所定の第二閾値より大きいか否かを比較する比較工程と、比較工程で、第二の液圧検出部の検出値の変化量が、第二閾値より大きい場合に異常と判断する判断工程とを有する。
より頻度高く、かつ迅速に異常を検出可能な車両制動装置と車両制動装置の異常検出方法とできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る液圧ブレーキユニット20を示す系統図である。図1に記載の液圧ブレーキユニット20は、請求項に記載する車両制動装置に対応する。また、液圧ブレーキユニット20は、図1に示されるように、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR、21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット27と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40とを含む。以下、図1を用いて液圧ブレーキユニット20の構成について詳述する。
ディスクブレーキユニット21FR、21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット27は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の運転者による操作量に応じて加圧されたブレーキフルードを、ディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。
動力液圧源30は、動力の供給により加圧されたブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。
また、液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット27から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。
次に、ディスクブレーキユニット21FR〜21RL、マスタシリンダユニット27、動力液圧源30、および液圧アクチュエータ40のそれぞれについて以下で更に詳しく説明する。
各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22と、不図示のブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ23FR、23FL、23RR、23RLとを含む。
そして、各ホイールシリンダ23FR、23FL、23RR、23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR、23FL、23RR、23RLを総称して「ホイールシリンダ23」という。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、車輪と共に回転するブレーキディスク22に、摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。
これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット27は、本実施形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を具備する。また、液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。
動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。
一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ35との双方と連通しており、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。
動力液圧源30は、アキュムレータ35およびポンプ36を具備する。アキュムレータ35は、ポンプ36により昇圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギ、例えば14〜22MPa程度に変換して蓄えるものである。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続される。
また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット27に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、液圧ブレーキユニット20は、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35を有している。マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続されている。
これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。つまり、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35のそれぞれは、ホイールシリンダ23への液圧源として液圧アクチュエータ40に並列に接続されている。
本実施形態における作動液供給系統としての液圧アクチュエータ40は、複数の流路が形成されるアクチュエータブロックと、複数の電磁制御弁を含む。アクチュエータブロックに形成された流路には、個別流路41、42、43および44と、主流路45とが含まれる。
また、個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL、21RR、21RLのホイールシリンダ23FR、23FL、23RR、23RLに接続されている。これにより、各ホイールシリンダ23は、主流路45と独立して連通可能となる。
また、個別流路41、42、43および44の中途には、各々ABS保持弁51、52、53および54が設けられている。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。
また、開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。典型的には、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを供給して液圧を供給することができる。
また、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すこともできる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断され、典型的には液圧の供給が遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46、47、48および49を介してリザーバ流路55に接続されている。減圧用流路46、47、48および49の中途には、各々ABS減圧弁56、57、58および59が設けられている。
また、各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。これにより、典型的にはホイールシリンダ23の液圧が増圧状態から低減されて減圧状態となる。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット27のリザーバ34に接続されている。
主流路45は、中途に分離弁60を有する(なお、分離弁を連通弁とも称呼するが、実施形態においては分離弁とする)。この分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされている。
第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は、主流路45の第1流路45aに接続されており、レギュレータ流路62は、主流路45の第2流路45bに接続されている。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。
開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断され、典型的にはマスタシリンダ32から第1流路45aの液圧供給が遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、シミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続されている。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられている。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。
また、シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを含むものであり、シミュレータカット弁68の開放時に運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69としては、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有するものが採用されると好ましく、本実施形態のストロークシミュレータ69は多段のバネ特性を有する。
また、レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。
開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断され、典型的にはレギュレータ33から第2流路45bへの液圧供給が遮断される。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成されている。アキュムレータ流路63の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、他端は、アキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁67を介してリザーバ流路55に接続されている。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧用制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対して共通の減圧用制御弁として設けられている。
つまり、本実施形態においては、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、動力液圧源30から送出される作動流体を、各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の制御弁として設けられている。典型的には増圧リニア制御弁66を開とすれば、アキュムレータ35からの液圧を第2流路45bに供給することができ、減圧リニア制御弁67を開とすれば、第2流路45bのブレーキフルードを排出して液圧を低減することができる。
なお、増圧リニア制御弁66の出入口間の差圧は、アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力と、主流路45におけるブレーキフルードの圧力と、の差圧に対応する。また、減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧は、主流路45におけるブレーキフルードの圧力と、リザーバ34におけるブレーキフルードの圧力と、の差圧に対応する。
また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力に応じた電磁駆動力をF1とし、スプリングの付勢力をF2とし、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧に応じた差圧作用力をF3とすると、F1+F3=F2という関係が成立する。
従って、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力を連続的に制御することにより、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧を制御することができる。
液圧ブレーキユニット20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、本実施形態における制御部としてのブレーキ電子制御部(Electrical Control Unit:ブレーキECU)70により制御される。ブレーキ電子制御部70は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。
また、ブレーキ電子制御部70は、上位のハイブリッドECUなどと通信可能である。また、ブレーキ電子制御部70は、ハイブリッドECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54、56〜59、60、64〜68を制御して、液圧制動力を制御可能である。
また、ブレーキ電子制御部70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキ電子制御部70に与える。
また、アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキ電子制御部70に与える。
また、制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキ電子制御部70に与える。また、分離弁60が開となって第1流路と第2流路とが連通している場合には、制御圧センサ73は主流路45内のブレーキフルードの圧力を検知する。各圧力センサ71〜73の検出値は、所定時間おきにブレーキ電子制御部70に順次与えられ、ブレーキ電子制御部70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
従って、分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合、制御圧センサ73の出力値は、増圧リニア制御弁66の低圧側の液圧を示すと共に減圧リニア制御弁67の高圧側の液圧を示す。従って、制御圧センサ73のこの出力値を、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の制御に利用することができる。
また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67が閉鎖されていると共に、マスタカット弁64が開状態とされている場合、制御圧センサ73の出力値は、マスタシリンダ圧を示す。更に、分離弁60が開放されて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通し、かつ各ABS保持弁51〜54が開放される一方、各ABS減圧弁56〜59が閉鎖されている場合には、制御圧センサの73の出力値は、各ホイールシリンダ23に作用する作動流体圧、すなわちホイールシリンダ圧を示す。
また、分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合にレギュレータカット弁65を開状態とすれば、制御圧センサ73の出力値は、通常はレギュレータ圧センサ71の出力値と等しくなる。
典型的には、車両が停止状態にあるときに、ブレーキペダル24の踏力がホイールシリンダ23へ伝達されるように、増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とを共に閉状態とし、分離弁60が開状態とされて、かつレギュレータカット弁65が開状態とされる。この状態が、後に詳述する停止中レギュレータ増圧モードである。
このため、典型的には車両が停止状態にあるときに、制御圧センサ73の出力値を、レギュレータ圧センサ71の出力値と比較して、同一であるか否かを比較判断することで、液圧ブレーキユニット20の異常を検出することができる。この場合の異常検出は、レギュレータ圧センサ71の出力値異常と、制御圧センサ73の出力値異常と、ブレーキ電子制御部70の異常とを含めて検出できることとなる。
例えば、レギュレータ圧センサ71の出力値が比較的高い出力値で中間値固着した場合には、ブレーキ電子制御部70は急制動指示がされたと誤認識し、車両に急制動が働く現象が生じ得る。また、制御圧センサ73の出力値が比較的高い出力値で中間値固着した場合には、ブレーキ電子制御部70は制動が効いていると誤認識し、運転者からの制動指示にも拘わらず、初期制動が機能しない状態が生じ得る。
また、制御圧センサ73の出力値が比較的低い出力値で中間値固着した場合には、ブレーキ電子制御部70は制動が効いていないと誤認識し、運転者からの制動指示が僅かでも、急制動を効かせる事態が生じ得る。また、ブレーキ電子制御部70内の配線回路や通信バスにバグ等の異常が生じた場合でも、上述のような問題により、いわゆるブレーキフィーリングが悪化することが懸念される。
換言すると、現実の液圧と、液圧計が出力する液圧変換電圧又はブレーキ電子制御部70が認識する液圧変換電圧と、の対応関係に生じる異常を含めて検出できる。より具体的には、油圧が18.68メガパスカルである場合に液圧センサの出力電圧は、通常4.3ボルトであるとする。しかし、現実の液圧に拘わらず液圧センサの出力電圧が、例えば2.5ボルトで固定したり、−1.5ボルトで固定したりする現象がいわゆる中間値固着である。
さらに、ブレーキ電子制御部70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25も含まれる。ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキ電子制御部70に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間おきにブレーキ電子制御部70に順次与えられ、ブレーキ電子制御部70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキ電子制御部70に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えば、ブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどがある。また、ブレーキ電子制御部70には、図示されない車輪速度センサ等も接続され、検知された信号が所定時間おきに与えられ、所定の記憶領域に格納保持される。
また、ブレーキ操作入力手段は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24に限定されることはなく、例えば押圧ボタンによるブレーキ操作入力手段とすることもできる。押圧ボタンによるブレーキ操作入力手段とした場合においても、押圧ボタンのストローク検知に加え、押圧ボタンの操作力を検出する押圧力センサや、押圧ボタンが押し込まれたことを検出する押圧ボタンスイッチなどがある。
上述のように構成された液圧ブレーキユニット20は、リニア制御モード、走行中モード、停止中レギュレータ増圧モードの3つの制御モードを取ってもよい。いずれの制御モードにおいても、液圧ブレーキユニット20はブレーキ電子制御部70により制御される。なお、以下では、停止中レギュレータ増圧モードを停止中Reg増モードと呼ぶ。
リニア制御モードにおいては、各ホイールシリンダ23は、マスタシリンダユニット27から遮断される。すなわち、ブレーキ電子制御部70は、レギュレータカット弁65を閉状態とし、レギュレータ33から送出されるブレーキフルードが主流路45へ供給されないようにする。
またブレーキ電子制御部70は、マスタカット弁64を閉状態とするとともにシミュレータカット弁68を開状態とする。これは、運転者によるブレーキペダル24の操作に伴ってマスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードがストロークシミュレータ69へと供給されるようにするためである。またブレーキ電子制御部70は、分離弁60を開状態とする。
また、リニア制御モードにおいては、ブレーキ電子制御部70は、要求制動力から回生制動力を減じることにより、液圧ブレーキユニット20により発生させるべき液圧制動力を算出する。ここで、回生制動力の値は、ハイブリッドECUからブレーキ電子制御部70に供給される。
そして、ブレーキ電子制御部70は、算出した液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧を算出する。ブレーキ電子制御部70は、ホイールシリンダ圧が目標液圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67に対する供給電流の値を決定する。
その結果、液圧ブレーキユニット20においては、動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介してブレーキフルードが各ホイールシリンダ23に供給されて車輪に所定目標の制動力が付与される。また、各ホイールシリンダ23からブレーキフルードが減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が適宜調整される。このようにして、リニア制御モードにおいては、液圧制動と回生制動とを併用して、要求制動力を発生させるブレーキ回生協調制御が実行される。
また、いわゆるオートクルーズコントロール(Auto Cruise Control:ACC)や車両挙動安定化制御(Vehicle Stability Control:VSC)等の自動制動制御においても、上述したリニア制御モードと同様の油圧制御により制動動作が実行される。
また、走行中モードにおいては、ブレーキ電子制御部70は、増圧リニア制御弁66への制御電流の供給を停止して増圧リニア制御弁66を閉状態とし、各ホイールシリンダ23から動力液圧源30を遮断する。更にブレーキ電子制御部70は、レギュレータカット弁65及びマスタカット弁64を開状態とするとともにシミュレータカット弁68を開状態とする。またブレーキ電子制御部70は、分離弁60を開状態とする。
さらに、停止中Reg増モードにおける各電磁制御弁の開閉状態は、上述の走行中モードとはマスタカット弁64の開閉状態が異なり、他の電磁制御弁の開閉状態は同様である。つまり、停止中Reg増モードにおいては、マスタカット弁64が閉状態とされるという点で、走行中モードとは異なる。
その結果、停止中Reg増モードにおいては、レギュレータ圧がそのままホイールシリンダ23に伝達されるので、運転者によるブレーキペダル24の操作量に応じた液圧制動力を発生させることができる。
ブレーキ電子制御部70は、これらのリニア制御モード、走行中モード、及び停止中Reg増モードのいずれかを、車両の走行速度、あるいは回生制動力の値などの車両の状態、またはオペレータからの指示に応じて選択してもよい。次に、図2を用いて実施形態にかかるブレーキ電子制御部70の構成について説明する。
図2は、実施形態にかかるブレーキ電子制御部270の構成概念ブロック図である。図2において、ブレーキ電子制御部270は、異常検出処理を実行するタイミングを判断する異常検出時期判断部210と、異常検出処理を実行する異常検出処理部220とを備える。なお、ブレーキ電子制御部270は、ブレーキ電子制御部70に対応する。
異常検出時期判断部210は、車両制動動作指示入力有無判断部211と、自動制動制御実行有無判断部212と、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213とを有する。ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213には、車両が走行する速度を検出するいわゆるスピードメータ等の車速検出部200から車速情報が入力される。
また、異常検出処理部220は、第一の液圧検出部230と第二の液圧検出部240とから入力される液圧を比較する比較部221を有する。第一の液圧検出部230は、典型的にはレギュレータ圧センサ71であり、第二の液圧検出部240は、典型的には制御圧センサ73である。
また、比較部221は、第一の液圧検出部230と第二の液圧検出部240とから入力される液圧値の相互関係が、異常検出ゾーン記憶部222が記憶する異常と判断するためのテーブルや相対関係に該当する継続時間を積算する継続時間積算部223を備える。典型的には、継続時間積算部223は、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73との各々の出力値が、異常検出ゾーン記憶部222が記憶する異常範囲に該当することとなる継続時間を積算する。
図2に示すブレーキ電子制御部270は、車両制動動作指示入力有無判断部211と、自動制動制御実行有無判断部212と、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213のうち、任意の一つ以上を有することとできる。ブレーキ電子制御部270は、上述の構成とすることにより、例えば車両が走行中である場合においても、典型的にはレギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73とを比較する事が可能な油圧系状態を判断して、異常検出処理を実行できることとなる。また、異常検出処理部220が、異常検出処理をするに際し、比較対象となる第一の液圧検出部230と第二の液圧検出部240とが連通されていることを確認する。また、第一の液圧検出部230と第二の液圧検出部240とが連通されていなければ、ブレーキ電子制御部270は、両者を連通させる。これにより、正確な比較判断が可能となるので好ましい。
また、図3は、ブレーキ電子制御部270の典型的な動作例を示すフロー図である。そこで、各ステップごとに以下に説明する。
(ステップS31)
車両制動動作指示入力有無判断部211は、車両の運転者から車両制動の指示入力があるか否かを判断する。例えば、車両制動動作指示入力有無判断部211は、ブレーキペダル24に備えられたブレーキスイッチの情報から、車両の運転者によるブレーキペダル24操作があるか否かを判断する。
車両制動動作指示入力有無判断部211が、車両の運転者から車両制動の指示入力が無いと判断すると、ステップS32へと進む。また、車両制動動作指示入力有無判断部211が、車両の運転者から車両制動の指示入力があると判断すると、このステップS31で待機する。なお、この場合に、待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードである停止中Reg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
(ステップS32)
自動制動制御実行有無判断部212は、オートクルーズコントロールや車両挙動安定化制御からの自動制動制御の実行があるか否かを判断する。自動制動制御実行有無判断部212が、自動制動制御の実行が無いと判断すればステップS33へと進む。また、自動制動制御実行有無判断部212が、自動制動制御の実行があると判断すればこのステップS32で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるリニア制御モード等を継続することとしてもよい。
(ステップS33)
ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、ホイールシリンダ23への油圧封じ込めが生じているか否かを判断する。油圧封じ込めは、典型的には、停車中の発車間際にブレーキペダル24の踏力を急激に低減させた場合に生じ得る。
例えば、ブレーキペダル24から急激に足を外すと、レギュレータカット弁65が閉状態となり、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73とが、レギュレータカット弁65により分離される。すなわち、ブレーキペダル24が踏まれた状態の液圧がほぼそのまま、レギュレータカット弁65からホイールシリンダ23側に封じ込められることとなる。このように液圧が封じ込められた状態では、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73との各出力値を比較しても、異常の検出は困難である。
従って、このステップS33では、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、上述したようにホイールシリンダ23への封じ込めが生じていないことを確認する。ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213が、ホイールシリンダ23への液圧封じ込めが生じていないと判断すれば、異常検出処理部220へ異常検出タイミングを出力してステップS34へと進む。
また、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213が、ホイールシリンダ23への液圧封じ込めが生じていると判断すれば、このステップS33で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードである停止中Reg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
(ステップS34)
異常検出処理部220は、異常検出時期判断部210から異常検出タイミングが入力されれば、異常検出処理を実行する。具体的には、比較部221が第一の液圧検出部230の出力値と第二の液圧検出部240とをプロットし、異常検出ゾーン記憶部222が記憶するゾーンに該当するか否かを比較判断する。また、継続時間積算部223が、異常検出ゾーン記憶部222が記憶するゾーンに該当している時間を積算し、所定時間以上継続すれば、異常検出処理部220が異常を検出したと判断する。
上述するように、異常検出時期判断部210は、車両の運転者による制動指示もなく(ステップS31)、自動制動の実行されておらず(ステップS32)、かつホイールシリンダ23への液圧封じ込めもない場合(ステップS33)に、異常検出処理部220に異常検出をさせるを指示を出す。このため、異常検出処理部220は、異常検出に適した適切な状態において、正確かつ確実迅速に、異常検出処理を実行することが可能となる。
なお、図3に示すフロー図において、ステップS31とステップS32とステップS33として示す順序は一例であり、必ずしもこの順序で実行する必要はなく順不同であってもよい。すなわち、ステップS31とステップS32とステップS33とは、異常検出処理部220が異常検出処理を実行するための条件を並列的に示すものであって、優劣関係はなくてもよい。また、下記の各実施形態で示すように、ステップS31とステップS32とステップS33とのいずれか一つ以上を実行して、ステップS34の異常検出処理を実行してもよい。
上述は、実施形態全体の概要を説明したものであるが、以下に各実施形態ごとにさらに詳細に説明する。なお、以下の説明において、液圧ブレーキユニット20の動作処理に関する全ての動作処理は、ブレーキ電子制御部270からの指示に基づくものとする。
(第一の実施形態)
第一の実施形態では、典型的には車両が走行中である場合に、車両の運転者がブレーキペダル24を踏んでブレーキ操作を行なったか否かを判断する車両制動動作指示入力有無判断部211について詳細に説明する。車両が走行中である場合に、車両の運転者がブレーキペダル24を踏んでブレーキ操作を行なうと、リニア制御モードとなる。リニア制御モードにおいては、レギュレータカット弁65が閉状態とされ、増圧リニア制御弁66が開状態となり、動力液圧源30からアキュムレータ35の液圧がホイールシリンダ23に供給されることから、この場合には異常検出処理を行なわない。
また、図4は、車両制動動作指示入力有無判断部211の構成を概念的に示す図である。車両制動動作指示入力有無判断部211は、制御圧センサ73の出力値と、レギュレータ圧センサ71の出力値と、ブレーキスイッチの出力値と、ストロークセンサ25の出力値とから、車両の運転者が制動指示を行なったか否かを判断する。
このため、車両制動動作指示入力有無判断部211は、制御圧センサ出力値比較部410と、レギュレータ圧センサ出力値比較部420とを備える。また、制御圧センサ出力値比較部410とレギュレータ圧センサ出力値比較部420とは、各々制御圧センサ閾値記憶部411とレギュレータ圧センサ閾値記憶部421とを備える。
また、車両制動動作指示入力有無判断部211は、ブレーキペダル24が備えるブレーキスイッチがオフされた事を確認するブレーキスイッチオフ確認部430を備える。さらに、車両制動動作指示入力有無判断部211は、ブレーキペダル24の踏み込みによるストロークセンサ25への信号入力が無いことを確認するストロークセンサ入力無し確認部440を備える。
また、制御圧センサ出力値比較部410は、制御圧センサ閾値記憶部411が記憶する制御圧センサ閾値と制御圧センサ73の出力値とを比較する。また、レギュレータ圧センサ出力値比較部420は、レギュレータ圧センサ閾値記憶部421が記憶するレギュレータ圧センサ閾値とレギュレータ圧センサ71の出力値とを比較する。
車両制動動作指示入力有無判断部211は、制御圧センサ73の出力値が制御圧センサ閾値以下であり、かつレギュレータ圧センサ71の出力値がレギュレータ圧センサ閾値以下であり、かつブレーキスイッチがオフであり、かつストロークセンサへのブレーキペダル24の踏み込み入力が無ければ、運転者からの車両制動指示入力がないものと判断する。
また、図5は、走行中モードの油圧系統を点線で概略的に示す図である。図5に示すように、車両が走行中にブレーキペダル24が踏まれなければ、走行中モードとなり、レギュレータ33の液圧とマスタシリンダ32の液圧とが、ホイールシリンダ23に供給される。
また、図5中に点線で示すように走行中モードでは、レギュレータカット弁65と分離弁60とは開状態とされるので、異常が無ければレギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73との出力値は同程度となる。仮に、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73とブレーキ電子制御部270と主流路45とのいずれか一つ又は複数に、異常が生じた場合には、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73との出力値は同程度とならず、後述するように大きく値がずれることとなる。
次に、図6を用いて車両制動動作指示入力有無判断部211の動作処理について説明する。図6は、車両制動動作指示入力有無判断部211の動作処理を概念的に示す動作フロー図である。そこで、図6に示す各ステップごとに以下に説明する。なお、下記に説明するステップS61乃至ステップS64は、運転者によるブレーキ操作が無いことを確認するための条件を並列的に示すものであって、車両制動動作指示入力有無判断部211が必ずしもこの順序で処理する必要はない。また、以下の処理をする前処理として、レギュレータカット弁65と連通弁60とが閉じている場合には、共に開状態とするものとする。
(ステップS61)
ストロークセンサ入力無し確認部440は、ストロークセンサ25にブレーキペダル24の踏み込みがあったか否かを確認する。ストロークセンサ25にブレーキペダル24の踏み込み入力が無ければ、ステップS62へと進む。また、ストロークセンサ25にブレーキペダル24の踏み込み入力があれば、このステップS61で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードである停止中Reg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の踏み込みに応じてその踏み込み深さ程度を検出可能である。このため、ストロークセンサ入力無し確認部440は、ストロークセンサ25への踏み込み入力が無ければ、ブレーキペダル24の踏み込みが無いものと認識する。
(ステップS62)
ブレーキスイッチオフ確認部430は、ブレーキスイッチがオフであるか否かを確認する。ブレーキスイッチがオフであればステップS63へと進む。また、ブレーキスイッチがオフでなければこのステップS62で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
ブレーキスイッチは、ブレーキペダル24がある一定量だけ踏み込まれた場合に、オンとなる。このため、ブレーキスイッチオフ確認部430は、ブレーキスイッチがオフである事を確認することで、ブレーキペダル24が踏み込まれていない事を確認できることとなる。
(ステップS63)
レギュレータ圧センサ出力値比較部420は、レギュレータ圧センサ71の出力値が、レギュレータ圧センサ閾値記憶部421が予め記憶するレギュレータ圧センサ閾値以下であるか否かを判断する。
レギュレータ圧センサ71の出力値が、レギュレータ圧センサ閾値以下であれば、ステップS64へと進む。また、レギュレータ圧センサ71の出力値が、レギュレータ圧センサ閾値以下でなければ、このステップS63で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
仮にブレーキペダル24が踏み込まれた場合には、Reg増モードによりレギュレータ圧センサ71の出力値がいち早く上昇する。従って、レギュレータ圧センサ71の出力値が、所定のレギュレータ圧センサ閾値以下であるか否かを確認することにより、ブレーキペダル24の踏み込みを検出できることとなる。
(ステップS64)
制御圧センサ出力値比較部410は、制御圧センサ73の出力値が、制御圧センサ閾値記憶部411が予め記憶する制御圧センサ閾値以下であるか否かを判断する。
制御圧センサ73の出力値が、制御圧センサ閾値以下であれば、異常検出時期判断部210が異常検出タイミングの指示を異常検出処理部220へと出力し、ステップS65へと進む。また、制御圧センサ73の出力値が、制御圧センサ閾値以下でなければ、このステップS64で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
仮にブレーキペダル24が踏み込まれた場合には、レギュレータ圧センサ71の出力値が上昇した後、リニア制御モードにより制御圧センサ73の出力値が上昇する。従って、制御圧センサ73の出力値が、所定の制御圧センサ閾値以下であるか否かを確認することにより、ブレーキペダル24の踏み込みを検出できることとなる。
(ステップS65)
車両制動動作指示入力有無判断部211からの異常検出タイミングの指示により、異常検出処理を実行する。ここで、異常検出ゾーン記憶部222が記憶する異常検出ゾーンは、典型的には図7に斜線で示すようになる。図7は、異常検出ゾーンを概念的に示す図である。
また、比較部221は、異常検出ゾーン記憶部222から読み出した図7(a)に斜線で示す異常検出ゾーン内に、レギュレータ圧センサ71の出力値と制御圧センサ73の出力値がプロットされるか否かを判断する。
また、継続時間積算部223は、このプロットが典型的には500ミリ秒以上異常検出ゾーン内にあるか否か、すなわちレギュレータ圧センサ71の出力値と制御圧センサ73の出力値とが500ミリ秒以上異常検出ゾーン内にあるか否かを判断する。異常検出処理部220は、継続時間積算部223が500ミリ秒以上異常検出ゾーン内にプロットされることを積算すれば、異常を検出したと判断する。
また、図7(a)に比して図7(b)の異常検出ゾーンは、さらに原点補正の誤差とAD変換誤差とに加えて出力値の変動や不均一に対する余裕を見込んだゾーンとなっている。このため、より安全かつ確実に、車両の運転者による制動がないことを判断できることとなるので好ましい。
この実施形態においては、車両制動動作指示入力有無判断部211が、上述のステップS61乃至ステップS64に示す条件を満足するか否かを判断するだけで、簡易かつ確実に制動がされていないことを判断できるので好ましい。この実施形態においては、車両制動動作指示入力有無判断部211が、制動がされていない典型的には液圧ゼロの状況下で異常検出処理を実行するので、液圧センサ等の出力誤差や偏差が小さく正確な異常検出が行えるので好ましい。
(第二の実施形態)
次に、図8を用いて自動制動制御実行有無判断部212により制動有無の判断を行なう第二の実施形態について詳細に説明する。図8は、自動制動制御実行有無判断部212の概念的な構成を示すブロック図である。第二の実施形態においては、自動制動制御実行有無判断部212が自動制動が実行されていないと判断した場合に、異常検出処理部220が異常検出処理を行なう。
図8に示すように、自動制動制御実行有無判断部212は、アキュムレータ35の圧力を検知するアキュムレータ圧センサ72の出力値が所定の状態にあるか否かを確認するアキュムレータ圧センサ出力値確認部810を備える。また、アキュムレータ圧センサ出力値確認部810は、アキュムレータ圧センサ72の出力値の時間に対する低下勾配を演算するアキュムレータ圧低下勾配演算部813を備える。
液圧ブレーキユニット20では、自動制動制御が実行される場合には、増圧リニア制御弁66を開状態として動力液圧源30の液圧をホイールシリンダ23に供給する。このため、自動制動制御が実行される場合には、アキュムレータ圧センサ72の出力値は、増圧リニア制御弁66が開状態となった後の経過時間とともに低下する。従って、アキュムレータ圧低下勾配演算部813が、アキュムレータ圧センサ72の出力値の時間に対する低下勾配を監視することで、自動制動制御の実行有無を判断することが可能となる。
また、アキュムレータ圧センサ出力値確認部810は、アキュムレータ圧センサ72の出力値の時間に対する所定の低下勾配閾値を記憶する低下勾配閾値記憶部811を備える。また、アキュムレータ圧センサ出力値確認部810は、アキュムレータ圧低下勾配演算部813が演算した低下勾配と、低下勾配閾値記憶部811が記憶する所定の低下勾配閾値と、を比較するアキュムレータ圧低下勾配比較部812を備える。
アキュムレータ圧低下勾配比較部812は、演算した低下勾配と所定の低下勾配閾値とを比較して、アキュムレータ圧低下勾配演算部813が演算した低下勾配の方が大きければ、自動制動制御が実行されたと判断する。
また、自動制動制御実行有無判断部212は、レギュレータカット弁65が開状態であることを確認するレギュレータカット弁開状態確認部820を備える。典型的にはレギュレータカット弁65が、常開型電磁制御弁であるため、非通電状態にある場合に開状態となる。
従って、レギュレータカット弁開状態確認部820は、レギュレータカット弁65に通電していないことを確認することとなる。レギュレータカット弁開状態確認部820が、レギュレータカット弁65が開状態でないと判断した場合には、ブレーキ電子制御部270が、レギュレータカット弁65に通電指示を出して開状態とする。
また、自動制動制御実行有無判断部212は、マスタカット弁64が開状態であることを確認するマスタカット弁開状態確認部830を備える。典型的にはマスタカット弁64が、常開型電磁制御弁であるため、非通電状態にある場合に開状態となる。
従って、マスタカット弁開状態確認部830は、マスタカット弁64に通電していないことを確認することとなる。マスタカット弁開状態確認部830が、マスタカット弁64が開状態でないと判断した場合には、ブレーキ電子制御部270が、マスタカット弁64に通電指示を出して開状態とする。
また、自動制動制御実行有無判断部212は、レギュレータカット弁65とマスタカット弁64とが開状態であれば、自動制動が実行されておらず、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73とが連通し同一液圧であり、他の条件を具備すれば異常検出処理が可能あると判断する。
また、自動制動制御実行有無判断部212は、減圧リニア制御弁67が開状態ではないことを確認する減圧リニア制御弁通電確認部840を備える。典型的には減圧リニア制御弁67が、常閉型電磁制御弁であるため、非通電状態にある場合に閉状態となる。従って、減圧リニア制御弁通電確認部840は、減圧リニア制御弁67に通電していないことを確認することとなる。
また、自動制動制御実行有無判断部212は、減圧リニア制御弁67が閉状態であれば、自動制動が実行されておらず、他の条件を具備すれば異常検出処理が可能あると判断する。
また、自動制動制御実行有無判断部212は、増圧リニア制御弁66が開状態ではないことを確認する増圧リニア制御弁通電確認部850を備える。典型的には増圧リニア制御弁66が、常閉型電磁制御弁であるため、非通電状態にある場合に閉状態となる。従って、増圧リニア制御弁通電確認部850は、増圧リニア制御弁66に通電していないことを確認することとなる。
また、自動制動制御実行有無判断部212は、増圧リニア制御弁66が閉状態であれば、自動制動が実行されておらず、他の条件を具備すれば異常検出処理が可能あると判断する。
次に、自動制動制御実行有無判断部212の処理フローについて図9を用いて説明する。図9は、自動制動制御実行有無判断部212の動作処理フローの概要を例示するフロー図である。そこで、図9に示す各ステップごとに、以下に順次説明する。
(ステップS91)
増圧リニア制御弁通電確認部850は、増圧リニア制御弁66に通電されておらず閉状態であることを確認する。増圧リニア制御弁通電確認部850が、増圧リニア制御弁66が閉状態であることを確認すれば、ステップS92へと進む。また、増圧リニア制御弁通電確認部850が、増圧リニア制御弁66が閉状態であることを確認できなければ、ステップS91で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
(ステップS92)
減圧リニア制御弁通電確認部840は、減圧リニア制御弁67に通電されておらず閉状態であることを確認する。減圧リニア制御弁通電確認部840が、減圧リニア制御弁67が閉状態であることを確認すれば、ステップS93へと進む。また、減圧リニア制御弁通電確認部840が、減圧リニア制御弁67が閉状態であることを確認できなければ、ステップS92で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
(ステップS93)
アキュムレータ圧センサ出力値確認部810のアキュムレータ圧低下勾配演算部813は、アキュムレータ圧センサ72の出力値の経時的低下勾配を算出する。アキュムレータ圧低下勾配演算部813が、アキュムレータ圧センサ72の出力値の経時的低下勾配を算出すれば、ステップS94へと進む。
(ステップS94)
アキュムレータ圧低下勾配比較部812は、アキュムレータ圧低下勾配演算部813が演算した低下勾配と、低下勾配閾値記憶部811が記憶する所定の低下勾配閾値と、を比較する。
アキュムレータ圧低下勾配比較部812が、アキュムレータ圧低下勾配演算部813が演算した低下勾配は、所定の低下勾配閾値以下であると判断すれば、ステップS95へと進む。なお、アキュムレータ圧低下勾配演算部813が演算した低下勾配が所定の低下勾配閾値以下であるとは、すなわちアキュムレータ圧センサ72の出力値が、所定以上に大きくは低下していないという状態に対応する。
また、アキュムレータ圧低下勾配比較部812が、アキュムレータ圧低下勾配演算部813が演算した低下勾配は、所定の低下勾配閾値以下ではないと判断すれば、ステップS94で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
(ステップS95)
レギュレータカット弁開状態確認部820は、レギュレータカット弁65が開状態であることを確認する。また、マスタカット弁開状態確認部830は、マスタカット弁64が開状態であることを確認する。
レギュレータカット弁開状態確認部820がレギュレータカット弁65が開状態でないと判断した場合、又はマスタカット弁開状態確認部830がマスタカット弁64が開状態でないと判断した場合には、ステップS96へと進む。
また、レギュレータカット弁開状態確認部820がレギュレータカット弁65が開状態であると判断した場合、かつマスタカット弁開状態確認部830がマスタカット弁64が開状態であると判断した場合には、ステップS97へと進む。
(ステップS96)
レギュレータカット弁開状態確認部820が、レギュレータカット弁65が開状態でないと判断した場合には、ブレーキ電子制御部270が、レギュレータカット弁65に通電指示を出して開状態とする。また、この場合に開状態とする事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
また、マスタカット弁開状態確認部830が、マスタカット弁64が開状態でないと判断した場合には、ブレーキ電子制御部270が、マスタカット弁64に通電指示を出して開状態とする。また、この場合に開状態とする事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
(ステップS97)
異常検出処理部220は、異常検出処理を実行する。なお、このステップS97での異常検出処理部220の処理は、ステップS34とステップS64とで既に説明した内容と重複するので、ここでは説明を省略する。
上述したように、自動制動制御実行有無判断部212は、図9に示す処理を実行すると、安全かつ確実に自動制動制御が実行されているのか否かを判断することが可能となる。このため、自動制動制御に起因する圧力変動による誤判断や処理ミスを低減した異常検出時期判断部210とすることができるので、より安全かつ迅速確実に異常検出処理部220に異常検出処理を実行させることが可能となる。
なお、図9に示すフロー図において、ステップS91とステップS92とステップS94及びステップS95として示す順序は一例であり、必ずしもこの順序で実行する必要はなく順不同であってもよい。
すなわち、ステップS91とステップS92とステップS94及びステップS95とは、異常検出処理部220が異常検出処理を実行するための条件を並列的に示すものであって、優劣関係や前後関係は付けなくてもよい。また、ステップS91とステップS92とステップS94及びステップS95のいずれか一つ以上を実行して、ステップS97の異常検出処理を実行してもよい。
(第三の実施形態)
次に、図10を用いてホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213によりホイールシリンダ23への液圧封じ込め有無の判断を行なう第三の実施形態について詳細に説明する。図10は、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213の概念的な構成を示すブロック図である。第三の実施形態においては、車両に制動指示がされていない状態において、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213がホイールシリンダ23への液圧封じ込めが生じていないと判断した場合に、異常検出処理部220が異常検出処理を行なう。
ここで、ホイールシリンダ23への液圧封じ込めとは、典型的には図11に点線で示すようにレギュレータカット弁65が閉状態となり、ホイールシリンダ23に液圧が保持されている状態をいう。図11は、ホイールシリンダ23への液圧封じ込めを概念的に説明する図である。このような液圧封じ込め状態は、例えば車両停止中にブレーキペダル24が踏まれている状態から、急遽ブレーキペダル24を離して車両を発進させた場合に生じ得る。
この場合には、急激にブレーキペダル24の踏み込みが開放されたことに伴い、レギュレータカット弁65が閉状態となる。また、レギュレータカット弁65の上下流の差圧が例えば9.5メガパスカル以上であれば、レギュレータカット弁65に弁を閉める方向に大きな差圧が働き、閉状態となるか開状態が困難な状況が生じる。
この場合に、ホイールシリンダ23にはレギュレータ33からの液圧が残存している。この状態では、いわゆるブレーキが効いた状態であって、通常車両の走行は困難となる。そこで、ブレーキ電子制御部270は、例えば減圧リニア制御弁67に最大通電指示をだして全開状態とし、ホイールシリンダ23に生じている液圧封じ込めを開放する。
また、図10に示すように、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、車速検出部200から取り込む車両の速度が、所定の速度閾値以上であるか否かを判断する車速判断部1010を備える。また、車速判断部1010は、所定の速度閾値を予め記憶する車速閾値記憶部1012を備える。
また、車速判断部1010は、車速閾値記憶部1012が記憶する所定の速度閾値と、車速検出部200から取り込む車両の速度と、を比較する車速比較部1011を備える。ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、車速比較部1011が、車両の速度が所定の速度閾値以上であれば、ホイールシリンダ23への液圧封じ込めが生じていないと判断する。
そして、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、他の条件具備のもと、異常検出処理部220へ異常検出処理をさせる指示をする。なお、仮にホイールシリンダ23への液圧封じ込めが生じている場合には、車両には制動力が付与されることとなるので、所定以上の車速が出ないものと考えられる。
また、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、レギュレータカット弁65が所定時間以上開状態であることを確認するレギュレータカット弁所定時間開状態確認部1020を備える。また、レギュレータカット弁所定時間開状態確認部1020は、レギュレータカット弁65が開状態となってからの継続時間を積算するSRC開弁時間積算部1021と、レギュレータカット弁65の開状態の継続時間閾値を予め記憶するSRC開弁時間閾値記憶部1022とを備える。
なお、SRC開弁時間積算部1021は、例えばレギュレータカット弁開状態確認部820から開状態である信号を取り込み、開状態の継続時間を積算してもよい。レギュレータカット弁65が開となった直後では、未だ異常検出処理部220が異常検出処理を実行するのに適さない場合も生じる。
典型的には、レギュレータカット弁65が開となった直後では、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73とが、同一の液圧として馴染んでいないことも生じ得る。このため、レギュレータカット弁所定時間開状態確認部1020は、レギュレータカット弁65が開状態を所定の閾値時間以上継続していることを確認した場合に、他の条件具備のもと、異常検出処理部220へ異常検出処理をさせる指示をする。
また、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、マスタカット弁64が所定時間以上開状態であることを確認するマスタカット弁所定時間開状態確認部1030を備える。また、マスタカット弁所定時間開状態確認部1030は、マスタカット弁64が開状態となってからの継続時間を積算するSMC開弁時間積算部1031と、マスタカット弁64の開状態の継続時間閾値を予め記憶するSMC開弁時間閾値記憶部1032とを備える。
なお、SMC開弁時間積算部1031は、例えばマスタカット弁開状態確認部830から開状態である信号を取り込み、開状態の継続時間を積算してもよい。マスタカット弁64が開となった直後では、未だ異常検出処理部220が異常検出処理を実行するのに適さない場合も生じる。このため、マスタカット弁所定時間開状態確認部1030は、マスタカット弁64が開状態を所定の閾値時間以上継続していることを確認した場合に、他の条件具備のもと、異常検出処理部220へ異常検出処理をさせる指示をする。
また、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、車両制動動作指示入力有無判断部211から取り込んだ信号により、車両制動の指示入力がない期間中に、減圧リニア制御弁67が開状態とされたことがあるか否かを判断する減圧リニア制御弁通電確認部1040を備える。
また、減圧リニア制御弁通電確認部1040は、車両制動動作指示入力有無判断部211から取り込んだ信号により、車両制動の指示入力がない連続する一期間中に、減圧リニア制御弁67に通電して液圧を開放した経験を保持する満通電フラグ保持部1041を備える。ここで、車両制動の指示入力がない連続する一期間中とは、図12に示すように車両運転者による制動指示がない連続する制動オフ期間T1を意味する。図12は、制動オフ期間中と減圧リニア制御弁67の開放動作との関係を示す図である。
また、車両運転者による制動指示がない連続する制動オフ期間T1は、車両制動動作指示入力有無判断部211からの入力有無を判断する信号入力により、減圧リニア制御弁通電確認部1040が判断できる。
次に、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213の動作処理について、図13を用いて詳細に説明する。図13は、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213に関連する動作処理を概念的に示す処理フロー図である。そこで、以下図13に示す各ステップごとに、以下に順次詳述する。
(ステップS131)
車両制動動作指示入力有無判断部211からの入力信号により、減圧リニア制御弁通電確認部1040が、制動オフ期間T1内であるか否かを判断する。典型的には制動オフであれば、ステップS132へと進む。また、制動オフでなければ、このステップS131で待機する。なお、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
(ステップS132)
減圧リニア制御弁通電確認部1040は、満通電フラグ保持部1041が減圧リニア制御弁67の全開放動作を行なったことを示すフラグを保持するか否かを確認する。満通電フラグ保持部1041がフラグを保持していれば、減圧リニア制御弁通電確認部1040は、ホイールシリンダ23の液圧が開放されたものと判断してステップS133へと進む。ホイールシリンダ23の液圧が開放されれば、他の条件具備の下、異常検出処理部220が異常検出の処理を実行できる。
また、満通電フラグ保持部1041がフラグを保持していなければ、減圧リニア制御弁通電確認部1040は、ホイールシリンダ23の液圧が開放されていないものと判断してステップS132で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
なお、減圧リニア制御弁通電確認部1040は、制動オフ期間T1において一回の全開動作があればホイールシリンダ23への液圧封じ込めは解消されることとなるので、一度だけ減圧リニア制御弁67の全開放動作を行なったことを確認できればよい。
(ステップS133)
レギュレータカット弁所定時間開状態確認部1020は、レギュレータカット弁65が所定の継続時間閾値以上開放状態であるか否かを判断する。レギュレータカット弁所定時間開状態確認部1020が、レギュレータカット弁65が所定の開状態の継続時間閾値以上開状態であると判断すれば、ステップS134へと進む。
また、レギュレータカット弁所定時間開状態確認部1020が、レギュレータカット弁65が所定の開状態の継続時間閾値以上開状態ではないと判断すれば、このステップS133で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
具体的には、レギュレータカット弁所定時間開状態確認部1020は、SRC開弁時間積算部1021が積算したレギュレータカット弁65の開状態の継続時間が、SRC開弁時間閾値記憶部1022が記憶する継続時間閾値以上であるか否かを判断する。
このステップS133により、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73との連通後、適切な異常検出処理のタイミングを判断することができる。
(ステップS134)
マスタカット弁所定時間開状態確認部1030は、マスタカット弁64が所定の継続時間閾値以上開状態であるか否かを判断する。マスタカット弁所定時間開状態確認部1030が、マスタカット弁64が所定の継続時間閾値以上開状態であると判断すれば、ステップS135へと進む。
また、マスタカット弁所定時間開状態確認部1030が、マスタカット弁64が所定の開状態の継続時間閾値以上開状態ではないと判断すれば、このステップS134で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
具体的には、マスタカット弁所定時間開状態確認部1030は、SMC開弁時間積算部1031が積算したマスタカット弁64の開状態の継続時間が、SMC開弁時間閾値記憶部1032が記憶する継続時間閾値以上であるか否かを判断する。
このステップS134により、マスタカット弁64の連通後、適切な異常検出処理のタイミングを判断することができる。
(ステップS135)
車速判断部1010は、車両の速度が所定の速度閾値以上であるか否かを判断する。具体的には、車速比較部1011が、車速閾値記憶部1012が記憶する所定の速度閾値と、車速検出部200から取り込む車両の速度と、を比較し、車両の速度が所定の速度閾値以上であるか否かを判断する。
車速判断部1010が、車両の速度が所定の速度閾値以上であると判断すれば、ステップS136へと進む。また、車速判断部1010が、車両の速度が所定の速度閾値以上ではないと判断すれば、ステップS135で待機する。また、この場合に待機する事に替えて、通常のブレーキ動作モードであるReg増モードやリニア制御モードを継続することとしてもよい。
このステップS135により、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213は、ホイールシリンダ23に液圧封じ込めが生じていないことを、さらに確認できることとなる。
(ステップS136)
異常検出処理部220は、異常検出処理を実行する。なお、このステップS136での異常検出処理部220の処理は、ステップS34とステップS64とステップS97とで既に説明した内容と重複するので、ここでは説明を省略する。
なお、図13に示すフロー図において、ステップS132とステップS133とステップS134及びステップS135として示す順序は一例であり、必ずしもこの順序で実行する必要はなく順不同であってもよい。すなわち、ステップS132とステップS133とステップS134及びステップS135とは、異常検出処理部220が異常検出処理を実行するための条件を並列的に示すものであって、優劣関係や前後関係は付けなくてもよい。また、ステップS132とステップS133とステップS134及びステップS135のいずれか一つ以上を実行して、ステップS136の異常検出処理を実行してもよい。
上述するように、第三の実施形態で示すブレーキ電子制御部270は、ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部213が確実に、液圧の封じ込めが生じていない期間を判断することにより、この期間中に異常検出処理部220が異常検出処理を実行できる。このため、車両走行中においても、安全かつ確実に、また高い頻度で異常検出が行え、早期に異常への対応が可能となるので好ましい。
(第四の実施形態)
次に、第四の実施形態においては異常検出処理部220が、さらに迅速に異常検出処理を実行する事が可能となる異常検出処理方法について以下に説明する。第四の実施形態で示す異常検出処理方法は、第一乃至第三の実施形態で示した適切なタイミングで実行することとできる。
図14は、第四の実施形態にかかるブレーキ電子制御部1470の構成を概念的に示すブロック図である。図14においては、上述のブレーキ電子制御部270において既に説明した構成部位と同一の構成部位については、同一の符号を付してその説明を省略する
図14に示すようにブレーキ電子制御部1470の異常検出処理部1420は、液圧センサの出力値の時間変化量を演算する変化量演算部1430を備える。変化量演算部1430が演算する変化量は、例えば図15に示すように一定時間内での最大値と最小値の差異や、極大値と極小値との差異や、いわゆるエッジ立ち上がりや傾き等である。また、異常検出処理部1420は、例えば制御圧センサ73が故障した瞬間に、その故障を検出できる。
図15は、変化量演算部1430が演算する変化量を、時間軸をもとに説明する模式図である。図15(a)は、制御圧センサ73の出力値1510の時間変化を示し、図15(b)は、レギュレータ圧センサ71の出力値1520の時間変化を示す。また、制御圧センサ73は、第二の液圧検出部240の典型例であり、レギュレータ圧センサ71は、第一の液圧検出部230の典型例である。
図15(a)に示すように、レギュレータ圧センサ71は変化量αの範囲内で時間変化する。また、図15(b)に示すように、制御圧センサ73は変化量βの時間変化を示す。異常検出処理部1420は、典型的にはレギュレータ圧センサ71の出力値変化量がαの範囲内である場合に、制御圧センサ73の変化量がαよりも大きなβを示した場合に、異常と判断する。
すなわち、レギュレータ圧センサ71の出力値に大きな変化がない場合(例えば、ブレーキペダル24が踏み込まれない場合に対応)に、制御圧センサ73の出力値に大きな変化が生じることは通常生じ得ないことを利用して、異常検出処理部1420が異常を検出する。
また、上述のβは、αよりも絶対値として大きな値とすることが好ましい。これにより、理想的には、レギュレータ圧センサ71と制御圧センサ73とが同一出力値であるはずの状況下において、制御圧センサ73の出力値がレギュレータ圧センサ71の出力値と乖離して大きく変化した事を確実に検出できる。
このため、異常検出処理部1420は、第一の液圧検出部230の出力値の変化量の閾値を記憶する第一閾値記憶部1440と、第二の液圧検出部240の出力値の変化量の閾値を記憶する第二閾値記憶部1450とを備える。また、変化量演算部1430は、第一の液圧検出部230の出力値の変化量を演算する第一の液圧検出部出力値変化量演算部1431と、第二の液圧検出部240の出力値の変化量を演算する第二の液圧検出部出力値変化量演算部1432とを備える。
また、比較部1421が、第一閾値記憶部1440が記憶する第一の液圧検出部230の出力値の変化量の閾値と、第一の液圧検出部出力値変化量演算部1431が演算する第一の液圧検出部230の出力値の変化量と、を比較する。
また、比較部1421が、第二閾値記憶部1450が記憶する第二の液圧検出部240の出力値の変化量の閾値と、第二の液圧検出部出力値変化量演算部1432が演算する第二の液圧検出部240の出力値の変化量と、を比較する。
また、異常検出処理部1420は、第一の液圧検出部230の出力値の変化量が第一閾値記憶部1440が記憶する閾値(典型的には上述のαに対応)以内である場合に、第二の液圧検出部240の出力値の変化量が第二閾値記憶部1450が記憶する閾値(典型的には上述のβに対応)以上である場合に、異常であると判断する。
これにより、異常検出処理部1420は、第二の液圧検出部240の出力値の変化が所定以上となると、迅速に、異常判断を下すことが可能となる。例えば、ブレーキ電子制御部1470のクロックが6ミリ秒程度のクロック周波数である場合には、大凡6ミリ秒程度の期間T2で、出力値変化を検出して異常判定が可能となる。
なお、この場合に異常検出処理部1420は、異常検出ゾーン記憶部222を備え、第一の液圧検出部230の出力値と第二の液圧検出部240の出力値と、異常検出ゾーン記憶部222が記憶する異常判定ゾーンと照合することとしてもよい。これにより、さらに確実な異常判断が可能となる。さらにこの場合には、比較部1421は継続時間積算部223を備えることとできる。
また、異常検出処理部1420は、第一の液圧検出部230の出力値の変化量が第一閾値記憶部1440が記憶する閾値以内である場合に、第二の液圧検出部240の出力値の傾きが第二閾値記憶部1450が記憶する閾値以上であって、かつ所定の閾値時間以上継続した場合に、異常であると判断してもよい。
また、液圧ブレーキユニット20は、一個の制御圧センサ73で四輪の油圧制御をモニターする関係上、制御圧センサ73の異常は、四輪の制御全てに影響を及ぼす。この点異常検出処理部1420は、短時間で異常検出が行えるので、制御圧センサ73等に異常があった場合でも車両への影響を低減することができる。
上述した実施形態においては、車両走行中においても制動がオフのタイミングで異常検出処理が可能となる。このため、仮に走行中にレギュレータ圧センサ71や制御圧センサ73の出力値異常が生じた場合でも、ブレーキペダル24を踏んだ時に、これに起因する急制動やブレーキの効き遅れの発生を低減することができる。また、上述した実施形態においては、車両走行中においても液圧の変動が無い状況下で、容易に異常検出処理が可能となる。
また、上述した実施形態においては、ABS制御等により油圧の変動が生じて検出値の乱れから異常判定が困難となる状況下での誤判定を確実に回避し、適切なタイミングで安全かつ信頼性の高い異常検出処理を実行することができる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、自明な範囲で適宜構成を変更し、また自明な範囲で動作及び処理を変更して実施することができる。
液圧ブレーキユニットを示す系統図である。 実施形態のブレーキ電子制御部の構成概念ブロック図である。 ブレーキ電子制御部の典型的な動作例を示すフロー図である。 車両制動動作指示入力有無判断部の構成を概念的に示す図である。 走行中モードの油圧系統を点線で概略的に示す図である。 車両制動動作指示入力有無判断部の動作処理を概念的に示す動作フロー図である。 異常検出ゾーンを概念的に示す図である。 自動制動制御実行有無判断部の概念的な構成を示すブロック図である。 自動制動制御実行有無判断部の動作処理フローの概要を例示するフロー図である。 ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部の概念的な構成を示すブロック図である。 ホイールシリンダへの液圧封じ込めを概念的に説明する図である。 制動オフ期間中と減圧リニア制御弁の開放動作との関係を示す図である。 ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部に関連する動作処理を概念的に示す処理フロー図である。 第四の実施形態にかかるブレーキ電子制御部の構成を概念的に示すブロック図である。 変化量演算部が演算する変化量を、時間軸をもとに説明する模式図である。
符号の説明
20・・液圧ブレーキユニット、21・・ディスクブレーキユニット、22・・ブレーキディスク、23・・ホイールシリンダ、24・・ブレーキペダル、25・・ストロークセンサ、27・・マスタシリンダユニット、30・・動力液圧源、31・・液圧ブースタ、32・・マスタシリンダ、33・・レギュレータ、34・・リザーバ、35・・アキュムレータ、35a・・リリーフバルブ、36・・ポンプ、36a・・モータ、37・・マスタ配管、38・・レギュレータ配管、39・・アキュムレータ配管、40・・液圧アクチュエータ、41・・個別流路、45・・主流路、45a・・第1流路、45b・・第2流路、46・・減圧用流路、51・・ABS保持弁、55・・リザーバ流路、56・・ABS減圧弁、60・・分離弁、61・・マスタ流路、62・・レギュレータ流路、63・・アキュムレータ流路、64・・マスタカット弁、65・・レギュレータカット弁、66・・増圧リニア制御弁、67・・減圧リニア制御弁、68・・シミュレータカット弁、69・・ストロークシミュレータ、70・・ブレーキ電子制御部。

Claims (8)

  1. レギュレータとホイールシリンダとを接続するレギュレータ流路に設けられたレギュレータ圧センサと、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続するマスタ流路に設けられた制御圧センサと、前記レギュレータ流路内で前記レギュレータ圧センサよりも下流に設けられたレギュレータカット弁と、前記レギュレータ流路と前記マスタ流路の間を連通する液圧配管に設けられた分離弁と、前記ホイールシリンダの液圧を制御するブレーキ電子制御部と、を備える車両制動装置において、
    前記ブレーキ電子制御部は、
    車両の走行中に、制動がなされておらず前記レギュレータカット弁と前記分離弁とがいずれも開状態であるとき、前記レギュレータ圧センサと前記制御圧センサの各々の出力値の比較に基づいて異常検出処理をする異常検出処理部と、
    車両が制動されていない状態で前記異常検出処理部が前記異常検出処理をするように、前記異常検出処理をする時期を判断する異常検出時期判断部と、を備える
    ことを特徴とする車両制動装置。
  2. 請求項1に記載の車両制動装置において、
    前記異常検出時期判断部は、
    運転者による前記車両を制動動作させる指示入力があるか否かを判断する車両制動動作指示入力有無判断部を備え、
    前記異常検出処理部は、
    前記車両制動動作指示入力有無判断部が、前記指示入力が無いと判断した場合に、前記異常検出処理をする
    ことを特徴とする車両制動装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両制動装置において、
    前記異常検出時期判断部は、
    自動的に前記車両を制動動作させる自動制動が実行されているか否かを判断する自動制動制御実行有無判断部を備え、
    前記異常検出処理部は、
    前記自動制動制御実行有無判断部が、前記自動制動が実行されていないと判断した場合に、前記異常検出処理をする
    ことを特徴とする車両制動装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両制動装置において、
    前記異常検出時期判断部は、
    前記ホイールシリンダに液圧の封じ込めが生じているか否かを判断するホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部を備え、
    前記異常検出処理部は、
    前記ホイールシリンダ液圧封じ込め有無判断部が、前記ホイールシリンダに液圧の封じ込めが生じていないと判断した場合に、前記異常検出処理をする
    ことを特徴とする車両制動装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両制動装置において、
    前記異常検出処理部は、
    前記レギュレータ圧センサの出力値の変化量が、所定の第一閾値より小さい場合に、
    前記制御圧センサの出力値の変化量が、所定の第二閾値よりも大きいか否かにより、異常を検出する
    ことを特徴とする車両制動装置。
  6. 請求項5に記載の車両制動装置において、
    前記所定の第二閾値は、前記所定の第一閾値よりも大きく、
    前記異常検出処理部は、
    前記制御圧センサの出力値の変化量が、前記所定の第二閾値よりも大きい場合に異常と判断する
    ことを特徴とする車両制動装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の車両制動装置において、
    前記異常検出処理部は、前記異常検出処理をする前に前記分離弁が開状態であるか否かを確認し、
    開状態であれば、前記異常検出処理を実行し、
    開状態でなければ、前記ブレーキ電子制御部が前記分離弁を開状態とした後に、前記異常検出処理を実行する
    ことを特徴とする車両制動装置。
  8. レギュレータとホイールシリンダとを接続するレギュレータ流路に設けられたレギュレータ圧センサと、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続するマスタ流路に設けられた制御圧センサと、前記レギュレータ流路内で前記レギュレータ圧センサよりも下流に設けられたレギュレータカット弁と、前記レギュレータ流路と前記マスタ流路の間を連通する液圧配管に設けられた分離弁と、前記ホイールシリンダの液圧を制御するブレーキ電子制御部と、を備える車両制動装置の異常検出方法であって、
    前記ブレーキ電子制御部は、車両の走行中に、制動がなされておらず前記レギュレータカット弁と前記分離弁とがいずれも開状態であるとき、前記レギュレータ圧センサの検出値の変化量が所定の第一閾値より小さい場合に、
    前記制御圧センサの検出値の変化量が、前記第一閾値よりも大きい所定の第二閾値より大きいか否かを比較する比較工程と、
    前記比較工程で、前記制御圧センサの検出値の変化量が、前記第二閾値より大きい場合に異常と判断する判断工程と、
    を有することを特徴とする車両制動装置の異常検出方法。
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