JP5198174B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
ここで、半導体素子とバスバーの接続構造の従来例としては、例えば、特許文献1に開示されているように、導電性を有するベースプレートを用いる構造が知られている。ベースプレートには、半導体素子が実装された電子回路基板が搭載されると共に、バスバーが半田で固定される。半導体素子のリードには金属線の一端が接合され、金属線の他端はベースプレートに接続される。ベースプレートはバスバーに半田付けされているので、ベースプレート及び金属線を介して半導体素子とバスバーとが電気的に接続される。バスバーの固定位置には、ベースプレートに切込部を設けることで肉薄部が形成されており、バスバーを抵抗加熱したり、コテで加熱したりする際の熱マスを減少させることで半田を溶融させ易くしていた。なお、切込部は、バスバーの接合時に発生する熱がベースプレート全体に伝わることを抑制する役割も担っていた。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、バスバーの取り付け工程に要する時間を短縮化しつつ、半田付け性を向上させることを主な目的とする。
ことを主な目的とする。
請求項2又は請求項3に係る発明によれば、電子回路基板を通過した熱風でバスバーを効率良く温めることができる。
請求項4又は請求項5に係る発明によれば、開口部又は切り欠きによってバスバーの熱マスが減少させられるので、温度を上昇させ易くなる。また、開口部又は切り欠きを通過した熱風で電子回路基板が温められる。これらのことから、半田の溶融が促進されて半田付け性が向上する。
請求項6に係る発明によれば、傾斜部を設けることによってバスバーが熱風に曝され易くなる。バスバーが効率良く温められて半田付け性が向上する。
図1及び図2に本実施の形態に係る半導体装置の一例としてインバータ装置の構成を示す。インバータ装置1は、樹脂製のケース10上に制御基板12が固定され、ケース10内に本実施の形態が特徴とするバスバーの接合構造を有する電子回路基板14が収容されている。なお、ケース10は、図示を省略するが、ボルト等の締結部材で、金属製等の放熱部材に固定される。
電子回路基板14は、図示を省略するが、ケース10の内側に配置される面に金等の導電性材料からなる回路パターンが形成されており、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタである半導体素子16が実装されている。半導体素子16は、図示は省略するが、電子回路基板上に形成された導電性のパッドに半田により接着されている。なお、半導体素子16は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタに限定されない。
U相端子20Uのバスバー20buは、樹脂部20muに支持されており、樹脂部20muから電子回路基板14外に延出される一方の端部は、図示を省略する外部機器などに接続される。樹脂部20muから電子回路基板14の上方に延びる部分は、電子回路基板14から離間し、かつ電子回路基板14の基板面14に略平行して延びる対向部31になっている。さらに、屈曲部32によって電子回路基板14に向かって略垂直に折り曲げられた後、電子回路基板14に略平行な接続部33が形成されている。接続部33は、半田34によって電子回路基板14上の導電性のパッド35に接合されている。
U相端子20Uを電子回路基板14に実装する際には、予め公知の印刷技術を用いてペースト状の半田34を電子回路基板14のパッド35上に印刷しておく。その後、図示を省略する吸着パッドを備えるマウンタで樹脂部20muを吸着保持し、U相端子20Uを電子回路基板14上の予め定められた位置に載置させる。他の必要な部品も同様にして所定位置に載置させたら電子回路基板14をリフロー炉に搬入して半田付けを行う。
具体的には、図示を省略する入力電源から平滑コンデンサを介して、入力端子18におけるP端子のバスバー18bp及びN端子のバスバー18bnに直流電流が供給される一方で、コントローラからの制御信号が接続ピン22bを介して中継端子22に入力されると、半導体素子16は、コントローラの制御の下でスイッチング動作をしながら、出力端子20におけるU相端子20Uのバスバー20bu、V相端子20Vのバスバー20bv及びW相端子20Wのバスバー20bwから、対応してU相、V相及びW相の3相交流を出力し、負荷を駆動させる。
図7に示すバスバーの接合構造は、バスバー20buの対向部31に開口部51を有することを特徴とする。開口部51は、バスバー20buを接合する半田34が設けられた位置から樹脂部20muに至るまでの間に設けられ、半田34による接合部に対応し、その近傍に設けられている。開口部51は基板面14Aに交差する方向、より好ましくは基板面14Aに略直交する方向に対向部31を貫通する。開口部51の形状は、対向部31の長さ方向に延びる長円形であるが、真円やその他の形状でも良い。
このようなバスバー20buを含む入力端子18の接合時には、上側からの熱風がバスバー20buを温める。バスバー20buは傾斜部61を有することで平面視の投影面積が大きくなっているので、熱風が当たり易く所定温度まで速やかに温められる。傾斜部61は、半田34の配置に対応し、半田34の近傍に設けられているので、傾斜部61から伝達された熱で半田34が速やかに温められる。この結果、半田34が確実に溶融してバスバー20buが電子回路基板14に接合される。
なお、傾斜部61は、平面視におけるバスバー20buの投影面積を増大させるものであれば良く、直線形状に限定されずに曲面形状や、階段形状等であっても良い。
バスバー20buは、接合時に上側からの熱風で温められ、特に傾斜部61の存在によって半田34に近い領域が所定温度まで速やかに昇温させられる。さらに、対向部31は、開口部36を通過した下側からの熱風によっても温められる。この結果、半田34が確実に溶融してバスバー20buが電子回路基板14に接合される。
バスバー20buは、接合時に上側からの熱風で温められる。開口部51によって熱マスを減少させられており、さらに傾斜部61が形成されていることから半田34に近い領域が所定温度まで速やかに昇温させられる。さらに、開口部51を通って上側からの熱風の一部が、半田34の近傍の電子回路基板14に直接に吹き付けられる。この結果、半田34が確実に溶融してバスバー20buが電子回路基板14に接合される。
なお、バスバー20bu側の開口部51を平面視で真円にし、電子回路基板14側の開口部36を開口部51に一部が重なる長穴にしても良い。また、2つの開口部36,51の両方を長穴又は真円にしても良い。一部を重ねる代わりに、全く重ならない位置に形成しても良い。
さらに、図12に示すバスバーの接合構造において、バスバー20buに傾斜部61を設けても良い。
電子回路基板14の開口部36の径は、対向部31の幅より大きくても良い。
また、本発明の半導体装置は、半導体素子16とバスバー(例えば、バスバー20bu)を電子回路基板14に実装した構成を有していれば良く、インバータ装置1に限定されない。
さらに、本発明は前記の実施の形態に限定されずに発明の要旨を逸脱しない範囲で広く応用することができる。
14 電子回路基板
20U U相端子
20bu バスバー
20mu 樹脂部
31 対向部
33 接続部
34 半田
36,51 開口部
61 傾斜部
71 切り欠き
Claims (6)
- 導電性のバスバーを有する端子と、前記端子を通して電力の供給や信号の入出力が行われる半導体素子とを備え、半田を用いて前記バスバーを電子回路基板に接合させた半導体装置において、
前記バスバーの一部を前記電子回路基板に対向して配置させ、前記電子回路基板に貫通孔からなる開口部を前記バスバーの前記電子回路基板に対向配置された部分と少なくとも一部が重なるように設けたことを特徴とする半導体装置。 - 前記端子は前記バスバーの一部を前記電子回路基板に対向配置させるように支持する絶縁性の支持部を有し、前記開口部は前記支持部が前記電子回路基板上に載置される位置から前記半田が配置される位置に至るまでの間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前前記開口部の開口幅は、前記バスバーの対向配置された部分の幅以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
- 前記バスバーの前記電子回路基板に対向配置された部分に、前記バスバーが接合される前記電子回路基板の基板面と交差する方向に前記バスバーを貫通する開口部、又は前記バスバーの断面積を減少させる切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 導電性のバスバーを有する端子と、前記端子を通して電力の供給や信号の入出力が行われる半導体素子とを備え、半田を用いて前記バスバーを電子回路基板に接合させた半導体装置において、
前記端子は前記バスバーの一部を前記電子回路基板に対向配置させるように支持する絶縁性の支持部を有し、前記バスバーの前記電子回路基板に対向配置された部分に、前記バスバーが接合される前記電子回路基板の基板面と交差する方向に前記バスバーを貫通する開口部、又は前記バスバーの断面積を減少させる切り欠きを設けたことを特徴とする半導体装置。 - 前記バスバーは、前記電子回路基板に対向配置された部分として、前記電子回路基板から離間して配置される対向部を有し、前記対向部から前記電子回路基板に半田付けされる接合部に至るまでの間に前記電子回路基板に対して傾斜する傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
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