JP5196003B2 - 内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、EGRガス供給手段を備える多気筒内燃機関に適用され、各気筒に供給される混合気の空燃比の不均衡(空燃比気筒間インバランス、空燃比気筒間ばらつき、気筒間における空燃比の不均一性)が過度に大きくなったことを判定(監視・検出)することができる「内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置」に関する。
広く採用されている電子燃料噴射式内燃機関は、各気筒又は各気筒に連通した吸気ポートに少なくとも一つの燃料噴射弁を備えている。従って、ある特定の気筒の燃料噴射弁の特性が「指示された燃料噴射量よりも過大な量の燃料を噴射する特性」となると、その特定の気筒に供給される混合気の空燃比のみが大きくリッチ側に変化する。この結果、気筒間における空燃比の不均一性が大きくなる。換言すると、各気筒に供給される混合気の空燃比である気筒別空燃比の間に不均衡が生じている状態(即ち、空燃比気筒間インバランス状態)が発生する。空燃比気筒間インバランス状態は、特定の気筒の燃料噴射弁の特性が「指示された燃料噴射量よりも過小な量の燃料を噴射する特性」となった場合等においても発生する。
空燃比気筒間インバランス状態が発生すると、排ガスの空燃比が比較的大きく変動するから、複数の気筒からの排ガスが集合する排気集合部に配設された空燃比センサの出力値も大きく変動する。そこで、従来の空燃比気筒間インバランス判定装置の一つは、空燃比センサの出力値の軌跡長を取得し、その軌跡長と「機関回転速度に応じて変化する参照値」とを比較し、その比較結果に基づいて空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを判定するようになっている(例えば、米国特許第7,152,594号を参照。)。
なお、本明細書において、「空燃比気筒間インバランス状態」が発生したか否かの判定は、「過度の空燃比気筒間インバランス状態」が発生したか否かを判定することである。過度の空燃比気筒間インバランス状態とは、各気筒の空燃比(気筒別空燃比)の気筒間の差が所定値以上となった状態を言う。「空燃比気筒間インバランス状態」が発生したか否かの判定は、単に「空燃比気筒間インバランス判定、又は、インバランス判定」とも称呼される。更に、残りの気筒に供給される混合気の空燃比(一般に、略理論空燃比)から乖離した空燃比の混合気が供給される気筒は「インバランス気筒」とも称呼される。インバランス気筒に供給される混合気の空燃比は「インバランス気筒の空燃比」とも称呼される。残りの気筒(インバランス気筒以外の気筒)は「非インバランス気筒」又は「正常気筒」とも称呼される。非インバランス気筒に供給される混合気の空燃比は「非インバランス気筒の空燃比」又は「正常気筒の空燃比」とも称呼される。これらの定義によれば、気筒別空燃比の気筒間の差は、「インバランス気筒の空燃比と非インバランス気筒の空燃比との差」であり、「気筒別空燃比差」とも称呼される。
加えて、上記空燃比センサの出力値の軌跡長のように、空燃比センサの出力値に基いて求められるとともに「気筒別空燃比差が大きいほど大きくなる排気空燃比の変動の大きさ」を反映したパラメータであって、インバランス判定を行う際に所定のインバランス判定用閾値と比較されるパラメータは、インバランス判定用パラメータとも称呼される。
ところで、図1に示したように、一つの気筒に対し一つのEGRガス供給口(54b)を備え、各気筒に各気筒のEGRガス供給口(54b)を通してEGRガス(外部EGRガス)を供給する気筒別EGR装置が提案されている。この気筒別EGR装置においては、EGRガス供給口(54b)が燃焼室の近傍に配置される。従って、水蒸気を比較的多量に含むEGRガスがEGRガス供給口の近傍において冷却され難いので、EGRガス中の水蒸気が水へと変化し難い。よって、「そのような水が氷結してスロットル弁等の吸気部材に悪影響を及ぼすこと」を回避することができる。
このような気筒別EGR装置を備えた内燃機関において、複数のEGRガス供給口のうちの一つが目詰まりを起こすと、その目詰まりを起こしたEGRガス供給口に対応する気筒にはEGRガスが供給されなくなる。従って、その気筒に供給される大気(新気)の量は他の気筒に供給される大気の量よりもEGRガスが供給されない分だけ多くなる。一方、各気筒に対応して設けられている燃料噴射弁から噴射される燃料の量は、それらの燃料噴射弁が正常である限り互いに略同一である。この結果、目詰まりを起こしたEGRガス供給口に対応する気筒に供給される混合気の空燃比は、他の気筒に供給される混合気の空燃比に比較してリーン側へと偏移する。即ち、EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生する。
しかしながら、従来の空燃比気筒間インバランス判定装置により「EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否か」を判定することは容易ではない。以下、この点について図2及び図3を参照しながら説明を加える。なお、以下において、特定の一つの気筒に対するEGRガス供給口が目詰まりを起こした状態(EGRガス供給口閉塞状態)をEGR異常状態とも称呼し、総てのEGRガス供給口が正常である状態をEGR正常状態とも称呼する。
混合気の供給系(例えば、吸気ポートの形状及び燃料噴射弁等)を含む内燃機関には個体差(機差)が必ず存在する。従って、気筒別EGR装置(EGRガス供給手段)がEGR正常状態であったとしても、気筒別空燃比差は0ではない。そのため、特定機種の内燃機関を搭載した車両Aの気筒別空燃比差と、同じ特定機種の内燃機関を搭載した車両Bの気筒別空燃比差と、は必ずしも一致しない。即ち、図2に示したように、EGRガス供給手段がEGR正常状態であったとしても、「EGRガス供給状態における車両Aのインバランス判定用パラメータP1」と「EGRガス供給状態における車両Bのインバランス判定用パラメータP2」とは一致しない。なお、図2に示した例においては、パラメータP1の方がパラメータP2よりも大きい。
この車両A及び車両Bにおいて、EGR異常状態が発生した場合、インバランス判定用パラメータはそれぞれパラメータP3及びパラメータP4へと変化する。前述したように、EGR異常状態が発生するとインバランス判定用パラメータは大きくなる。従って、車両Aのインバランス判定用パラメータP3は車両Aのインバランス判定用パラメータP1よりも大きくなる。同様に、車両Bのインバランス判定用パラメータP4は車両Bのインバランス判定用パラメータP2よりも大きくなる。
しかしながら、EGR率はそれ程大きくないので、特定気筒の燃料噴射弁の噴射特性が変化した場合等に比べ、EGR正常状態からEGR異常状態へと変化した場合の気筒別空燃比差の変化量は僅かである。この結果、図2に示したように、EGR異常状態において得られるインバランス判定用パラメータP4がEGR正常状態において得られるインバランス判定用パラメータP1よりも小さい場合が生じる。
この場合、インバランス判定用閾値をインバランス判定用パラメータP4よりも僅かに小さい値P1thに設定すると、EGR正常状態にある車両Aにおいて空燃比気筒間インバランス状態が発生していると誤って判定してしまう。この誤判定を回避するために、インバランス判定用閾値をインバランス判定用パラメータP3よりも僅かに小さい値P2thに設定すると、EGR異常状態にある車両Bにおいて空燃比気筒間インバランス状態が発生していないと誤って判定してしまう。従って、本発明の目的の一つは、EGRガス(EGR異常状態)に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したことを、出来る限り精度良く判定することが可能な空燃比気筒間インバランス判定装置を提供することにある。
係る目的を達成するための本発明による空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、「本判定装置」とも称呼する。)は、複数の気筒を有する多気筒内燃機関に適用される。本判定装置は、「気筒別空燃比差」が所定値以上である「空燃比気筒間インバランス状態」が発生しているか否かを判定する空燃比気筒間インバランス判定装置である。気筒別空燃比差とは、「前記機関の排気通路の一つの排気集合部」に排ガスを排出するように構成された「前記複数の気筒のうちの少なくとも2以上の気筒」のそれぞれに供給される混合気の空燃比の、その2以上の気筒の間における差、のことである。
本判定装置は、複数の燃料噴射弁と、EGRガス供給手段と、EGRガス供給制御手段と、インバランス判定用パラメータ取得手段と、インバランス判定手段と、を備える。
前記複数の燃料噴射弁は、前記少なくとも2以上の気筒のそれぞれに対応して配設される。前記複数の燃料噴射弁のそれぞれは、前記2以上の気筒のそれぞれの燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料を噴射する。即ち、燃料噴射弁は、一つの気筒に対して一つ以上設けられている。各燃料噴射弁は、その燃料噴射弁に対応する気筒に対して燃料を噴射する。
EGRガス供給手段は、前記少なくとも2以上の気筒のそれぞれに対応して配設されるEGRガス供給口を複数備える。この複数のEGRガス供給口のそれぞれは、前記2以上の気筒のそれぞれの燃焼室に外部EGRガスを供給する。
前記EGRガス供給制御手段は、前記機関の運転状態が所定のEGR実行条件を満たしたとき前記複数のEGRガス供給口を通して前記外部EGRガスの供給を行うEGRガス供給状態を実現する。更に、前記EGRガス供給制御手段は、前記機関の運転状態が前記EGR実行条件を満たしていないとき前記外部EGRガスの供給を停止するEGRガス停止状態を実現する。
前記空燃比センサは、「前記排気集合部」又は「前記排気通路の前記排気集合部よりも下流側の部位」に配設される。前記空燃比センサは、その空燃比センサが配設された部位の排ガスの空燃比に応じた出力値を発生する。
前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
(1)前記空燃比センサの出力値に基いて、前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR供給中インバランス判定用パラメータを取得し、
(2)前記空燃比センサの出力値に基いて、前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR停止中インバランス判定用パラメータを取得する。
EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータは、空燃比センサの出力値の変動(即ち、排ガスの空燃比の変動)が大きくなるほど大きくなるパラメータであり、空燃比センサ出力値に基づいて互いに同じ手法に従って算出されるパラメータである。EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータは、例えば、上述した空燃比センサの出力値の軌跡長に応じた値の他、空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に応じた値、及び、空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量の変化量に応じた値等である。
前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、更に、
(3)前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと前記EGR停止中インバランス判定用パラメータとに基いて、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと前記EGR停止中インバランス判定用パラメータとの相違の程度に応じて変化するEGR起因インバランス判定用パラメータを取得する。
このEGR起因インバランス判定用パラメータは、例えば、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと前記EGR停止中インバランス判定用パラメータとの差に応じた値(この差そのもの、及び、この差の絶対値等)であってもよく、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータに対する前記EGR供給中インバランス判定用パラメータの比に応じた値(この比そのもの、及び、この比の逆数等)であってもよい。
前記インバランス判定手段は、前記EGR起因インバランス判定用パラメータと所定のEGR起因インバランス判定用閾値とを比較するとともに、その比較の結果に基づいて前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定する。
本判定装置によれば、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、EGRガスが供給されていないときに取得される。従って、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、EGRガス供給手段がEGR正常状態にあるかEGR異常状態にあるかによって変化しない。換言すると、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、EGRガス供給手段によって供給されるEGRガス以外の要因に依る「気筒別空燃比差」を示す値になる。
一方、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、前記EGRガス供給状態が実現されているときに取得される。EGRガス供給手段がEGR正常状態にあれば、EGRガスの供給によって気筒別空燃比差は実質的に変化しない。換言すると、EGRガス供給手段がEGR正常状態にあれば、EGR供給中インバランス判定用パラメータは、EGRガス供給手段によって供給されるEGRガス以外の要因に依る「気筒別空燃比差」を示す値になる。従って、図3のP5及びP6、並びに、図3のP7及びP8、から理解されるように、EGRガス供給手段がEGR正常状態にあれば、特定の車両における前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、その特定の車両における前記EGR停止中インバランス判定用パラメータと実質的に一致する。
これに対し、EGRガス供給手段がEGR異常状態にあれば、EGRガスが供給されることによって気筒別空燃比差が増大(変化)する。換言すると、EGRガス供給手段がEGR異常状態にあるとき、EGR供給中インバランス判定用パラメータは、EGRガス以外に起因する気筒別空燃比差にEGRガスに起因する気筒別空燃比差が重畳した値に応じた値になる。従って、図3のP9及びP10、並びに、図3のP11及びP12、から理解されるように、EGRガス供給手段がEGR異常状態にあれば、特定の車両における前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、その特定の車両における前記EGR停止中インバランス判定用パラメータよりも増大する。
従って、ある車両における「前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと前記EGR停止中インバランス判定用パラメータとの相違の程度に応じて変化するEGR起因インバランス判定用パラメータ」は、その車両のEGRガス以外に起因する気筒別空燃比差の影響が殆ど排除された値となる。これにより、図4に示したように、EGRガス供給手段がEGR正常状態にある場合には何れの車両においてもEGR起因インバランス判定用パラメータは略0(EGR起因インバランス判定用パラメータが、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータに対する前記EGR供給中インバランス判定用パラメータの比に応じた値であるときに「略1」)となり、EGRガス供給手段がEGR異常状態にある場合には何れの車両においてもEGR起因インバランス判定用パラメータは所定の閾値DPthよりも大きくなる。従って、このEGR起因インバランス判定用パラメータと、EGR起因インバランス判定用閾値DPthと、の比較に基くことにより、内燃機関の個体差に影響を受けることなく、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを精度良く判定することができる。
本判定装置において、前記EGR実行条件は、前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが「EGR実行領域(機関回転速度と機関の負荷とにより定められた領域)」内にあるときに成立する条件に設定され得る。
この場合、前記EGRガス供給制御手段は、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されていない場合、並びに、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されている場合、前記EGR実行領域を「所定の通常EGR実行領域」に設定し、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行領域を「前記通常EGR実行領域内であって且つ同通常EGR実行領域よりも狭い縮小EGR実行領域」に設定するように構成され得る。
これによれば、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが先に取得されていて、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが未だ取得されていない場合、前記EGR実行領域が狭められるので、EGRガス停止状態が実現される頻度が増大する。従って、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを早期に取得することができる。
換言すると、本態様によれば、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの双方を早期に取得することができる。この結果、EGR起因インバランス判定用パラメータを早期に取得することができるので、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
この態様において、
前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが「前記インバランス判定用パラメータの取得を許容する所定のパラメータ取得領域」内にあるときに、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得するように構成される。このパラメータ取得領域も、機関回転速度と機関の負荷とにより定められた領域である。
即ち、前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが前記インバランス判定用パラメータの取得を許容する所定のパラメータ取得領域内にあり且つ前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得し、
前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが前記パラメータ取得領域内にあり且つ前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得するように構成される。
前述したように、縮小EGR実行領域は、EGR供給中インバランス判定用パラメータは所得されているもののEGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合のEGR実行領域である。従って、EGR実行領域を縮小EGR実行領域に設定すれば、EGRガス停止状態が実現される頻度が増大するから、EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得する頻度が増大する。しかしながら、本来はEGRを実行する領域(通常EGR実行領域)にて機関が運転されているときにEGR停止状態が実現されたとしても、機関が「インバランス判定用パラメータの取得を許容するパラメータ取得領域」にて運転されていなければ、EGR停止中インバランス判定用パラメータは取得されない。つまり、このような場合、EGR停止状態を実現する意味がない。
そこで、前記EGRガス供給制御手段は、
前記縮小EGR実行領域を「前記通常EGR実行領域のうちの前記パラメータ取得領域でない領域」に設定するように構成される。
これによれば、本来はEGRガスが供給されるべきときにEGRガスが供給されない事態が発生する頻度が低下するので、エミッションが悪化する可能性を低減することができる。
同様に、前記EGR実行条件が、前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが「EGR実行領域」内にあるときに成立する条件に設定される場合、
前記EGRガス供給制御手段は、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されていない場合、並びに、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されている場合、前記EGR実行領域を「所定の通常EGR実行領域」に設定し、
前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行領域を「前記通常EGR実行領域を含み且つ同通常EGR実行領域よりも広い拡大EGR実行領域」に設定するように構成され得る。
これによれば、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが先に取得されていて、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが未だ取得されていない場合、前記EGR実行領域が広げられるので、EGRガス供給状態が実現される頻度が増大する。従って、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを早期に取得することができる。
換言すると、本態様によれば、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの双方を早期に取得することができる。この結果、EGR起因インバランス判定用パラメータを早期に取得することができるので、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
この態様においても、前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが所定のパラメータ取得領域内にあるときに、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得するように構成され得る。
前述したように、拡大EGR実行領域は、EGR停止中インバランス判定用パラメータは所得されているもののEGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合のEGR実行領域である。これによれば、EGRガス供給状態が実現される頻度が増大するから、EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得する頻度が増大する。しかしながら、本来はEGRを実行するべきでない領域(通常EGR実行領域以外の領域)にて機関が運転されているときにEGR供給状態が実現されたとしても、機関がパラメータ取得領域にて運転されていなければ、EGR供給中インバランス判定用パラメータは取得されない。つまり、このような場合、EGR供給状態を実現する意味がない。
そこで、前記EGRガス供給制御手段は、
前記拡大EGR実行領域を、「前記通常EGR実行領域」と「前記パラメータ取得領域」との少なくとも一方に含まれる領域(即ち、「前記通常EGR実行領域」に「その通常EGR実行領域と前記パラメータ取得領域とが重複しない領域」を加えた領域)、に設定するように構成される。
これによれば、本来はEGRガスが停止されるべきときにEGRガスが供給される事態が発生する頻度が低下するので、燃費が悪化したりドライバビリティが悪化したりする等の可能性を低減することができる。
本判定装置の他の態様における前記EGRガス供給制御手段は、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足した状態が所定の開始遅延時間以上経過したとき前記EGR供給状態を実現する(EGRガスの供給を開始する)とともに前記EGR実行条件が満足されなくなったとき前記EGR停止状態を実現する(EGRガスの供給を停止する)、ように構成される。
これによれば、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが先に取得されていて、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが未だ取得されていない場合、EGR実行条件が満足した状態が所定の開始遅延時間以上経過するまで前記EGR供給状態は実現されない。換言すると、EGR停止状態が実現される頻度が増大するから、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを早期に取得することができる。
従って、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの双方を早期に取得することができる。この結果、EGR起因インバランス判定用パラメータを早期に取得することができるので、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
この態様において、前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
前記インバランス判定用パラメータを取得するための所定のパラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得し、
前記パラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得するように構成され得る。
これによれば、パラメータ取得条件が成立していないとき、EGR停止状態が実現されていたとしてもEGR停止中インバランス判定用パラメータは取得されない。つまり、このような場合、EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得するために、前記開始遅延時間が経過するまでEGR停止状態を実現する意味がない。
そこで、前記EGRガス供給制御手段は、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足している状態において前記開始遅延時間以上経過する以前であっても前記パラメータ取得条件が不成立となったとき前記EGR供給状態を実現するように構成される。
これによれば、本来はEGRガスが供給されるべきときにEGRガスが供給されない事態が発生する頻度が低下するので、エミッションが悪化する可能性を低減することができる。
本判定装置の他の態様における前記EGRガス供給制御手段は、
前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足したとき前記EGR供給状態を実現する(EGRガスの供給を開始する)とともに前記EGR実行条件が満足されなくなった状態が所定の停止遅延時間以上経過したとき前記EGR停止状態を実現する(EGRガスの供給を停止する)ように構成される。
これによれば、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが先に取得されていて、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが未だ取得されていない場合、EGR実行条件が満足されなくなった状態が所定の終了遅延時間以上経過するまで前記EGR供給状態が継続される。即ち、EGR供給状態が実現される頻度が増大するから、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを早期に取得することができる。
従って、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの双方を早期に取得することができる。この結果、EGR起因インバランス判定用パラメータを早期に取得することができるので、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
この態様においても、前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
前記インバランス判定用パラメータを取得するための所定のパラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得し、
前記パラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得するように構成され得る。
この態様によれば、パラメータ取得条件が成立していなければ、EGR供給状態が実現されていたとしてもEGR供給中インバランス判定用パラメータは取得されない。つまり、このような場合、EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得するために、前記終了遅延時間が経過する時点までEGR供給状態を実現する意味がない。
そこで、前記EGRガス供給制御手段は、
前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足されなくなった状態において前記停止遅延時間以上経過する以前であっても前記パラメータ取得条件が不成立となったとき前記EGR停止状態を実現するように構成される。
これによれば、本来はEGRガスが停止されるべきときにEGRガスが供給される事態が発生する頻度が低下するので、燃費が悪化したりドライバビリティが悪化したりする等の可能性を低減することができる。
本判定装置の前記インバランス判定手段は、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと所定のEGR供給中インバランス判定用閾値とを比較するとともにその比較の結果に基づいても前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するように構成されてもよい。
これによれば、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得された際、仮に、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていなくても、大きな気筒別空燃比差が生じている場合には空燃比気筒間インバランス状態が発生していると判定することができる。このような空燃比気筒間インバランス状態は、例えば、燃料噴射弁の噴射特性が大きく変化した場合等に発生する。
同様に、本判定装置の前記インバランス判定手段は、
前記EGR停止中インバランス判定用パラメータと所定のEGR停止中インバランス判定用閾値とを比較するとともにその比較の結果に基づいても前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するように構成されてもよい。
これによれば、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得された際、仮に、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていなくても、大きな気筒別空燃比差が生じている場合には空燃比気筒間インバランス状態が発生していると判定することができる。このような空燃比気筒間インバランス状態は、例えば、燃料噴射弁の噴射特性が大きく変化した場合等に発生する。
前述したように、本判定装置において、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に応じた値であり、
前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に応じた値であってもよい。
前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量(即ち、空燃比センサの出力値の時間についての微分値に相当する値)は、吸入空気流量の影響を受けるが、機関回転速度の影響を殆ど受けない。従って、インバランス判定用パラメータと比較される「インバランス判定用の閾値」を機関回転速度毎に精度良く設定する必要がない。これにより、開発時間を短縮することができ、且つ、インバランス判定の精度を向上することができる。
更に、本判定装置において、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量の変化量に応じた値であり、
前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に変化量に応じた値であってもよい。
前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量の変化量は、(即ち、空燃比センサの出力値の時間についての二階微分値に相当する値)は、機関の空燃比の平均値の変動を受け難い。従って、インバランス判定の精度を向上することができる。
更に、本判定装置において、
前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の軌跡長に応じた値であり、
前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の軌跡長に応じた値であってもよい。
これによれば、排ガスの空燃比の変動を表すインバランス判定用パラメータを簡単に取得することができる。
図1は、本発明の各実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置が適用される内燃機関の概略平面図である。 図2は、互いに異なる2台の車両において、EGR供給状態にあるときに取得される「EGR正常状態時のインバランス判定用パラメータ及びEGR異常状態時のインバランス判定用パラメータ」を示したグラフである。 図3は、互いに異なる2台の車両において、EGR供給状態及びEGR停止状態にあるときにそれぞれ取得される「EGR正常状態時のインバランス判定用パラメータ及びEGR異常状態時のインバランス判定用パラメータ」を示したグラフである。 図4は、互いに異なる2台の車両において、EGR供給状態及びEGR停止状態にあるときにそれぞれ取得されるEGR起因インバランス判定用パラメータを示したグラフである。 図5は、図1に示した内燃機関の概略構成を示した図である。 図6は、図1及び図5に示した空燃比センサ(上流側空燃比センサ)の部分概略斜視図(透視図)である。 図7は、図1及び図5に示した空燃比センサの部分断面図である。 図8の(A)〜(C)は、図1及び図5に示した空燃比センサが備える空燃比検出素子の概略断面図である。 図9は、排ガスの空燃比と空燃比センサの限界電流値との関係を示したグラフである。 図10は、排ガスの空燃比と空燃比センサの出力値との関係を示したグラフである。 図11は、排ガスの空燃比と図1及び図5に示した下流側空燃比センサの出力値との関係を示したグラフである。 図12は、空燃比気筒間インバランス状態が発生した場合及び同状態が発生していない場合の「インバランス判定用パラメータに関連する各値の挙動」を示したタイムチャートである。 図13は、本発明の第1実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(第1判定装置)のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図14は、第1判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図15は、第1判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図16は、第1判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図17は、第1判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図18は、第1判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図19は、第1判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図20は、本発明の第2実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(第2判定装置)のCPUが参照するEGR実行領域を示した図である。 図21は、第2判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図22は、本発明の第3実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(第3判定装置)のCPUが参照するEGR実行領域を示した図である。 図23は、第3判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図24は、本発明の第4実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(第4判定装置)の作動を説明するための「各フラグの変化を示したタイムチャート」である。 図25は、第4判定装置の作動を説明するための「各フラグの変化を示したタイムチャート」である。 図26は、第4判定装置の作動を説明するための「各フラグの変化を示したタイムチャート」である。 図27は、第4判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図28は、第4判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図29は、第4判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図30は、第4判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図31は、第4判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図32は、本発明の第5実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(第5判定装置)の作動を説明するための「各フラグの変化を示したタイムチャート」である。 図33は、第5判定装置の作動を説明するための「各フラグの変化を示したタイムチャート」である。 図34は、第5判定装置の作動を説明するための「各フラグの変化を示したタイムチャート」である。 図35は、第5判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図36は、第5判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図37は、第5判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図38は、本発明の第6実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置(第6判定装置)のパラメータ取得領域を示したグラフである。 図39は第6判定装置の修正されたパラメータ取得領域を示したグラフである。 図40は第6判定装置の別の修正されたパラメータ取得領域を示したグラフである。 図41は、第6判定装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の各実施形態に係る内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、単に「判定装置」とも称呼する。)について図面を参照しながら説明する。この判定装置は、内燃機関に供給される混合気の空燃比(機関の空燃比)を制御する空燃比制御装置の一部であり、更に、燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置及びEGR制御装置の一部でもある。
<インバランス判定用パラメータ>
各実施形態に係る判定装置は、外部EGRガスが機関に供給されているときに得られるインバランス判定用パラメータをEGR供給中インバランス判定用パラメータとして取得し、外部EGRガスが機関に供給されていないときに得られるインバランス判定用パラメータをEGR停止中インバランス判定用パラメータとして取得する。EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータは、それぞれ排ガスの空燃比の変動に応じて変化する値であり、気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなる値である。EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータは、共に空燃比センサの出力値に基いて同じ算出方法により取得される。
各実施形態に係る判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータとして、空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量(即ち、空燃比センサの出力値の時間についての微分値)に応じた値を取得する。ただし、EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータは、空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に応じた値に限られず、後述するように、空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量の変化量(空燃比センサの出力値の二階微分値)に応じた値及び空燃比センサ出力値の軌跡長に応じた値等であってもよい。
<第1実施形態>
(構成)
図5は、第1実施形態に係る判定装置(以下、「第1判定装置」とも称呼する。)を、4サイクル・火花点火式・多気筒(直列4気筒)・内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図5は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50と、を含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21の壁面及びピストン22の上面は、シリンダヘッド部30の下面とともに燃焼室25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング制御装置33、可変吸気タイミング制御装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフトを含むとともに同エキゾーストカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変排気タイミング制御装置36、可変排気タイミング制御装置36のアクチュエータ36a、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38及び燃料噴射弁(燃料噴射手段、燃料供給手段)39を備えている。
燃料噴射弁39は、一つの燃焼室25に対して一つずつ配設されている。燃料噴射弁39は吸気ポート31に設けられている。燃料噴射弁39は、噴射指示信号に応答し、正常である場合に「その噴射指示信号に含まれる指示燃料噴射量の燃料」を対応する吸気ポート31内に噴射するようになっている。このように、複数の気筒のそれぞれは、他の気筒とは独立して燃料供給を行う燃料噴射弁39を備えている。
吸気系統40は、インテークマニホールド41、吸気管42、エアフィルタ43、及び、スロットル弁44を備えている。インテークマニホールド41は、図1にも示したように、複数の枝部41aとサージタンク41bとからなる。複数の枝部41aのそれぞれの一端は複数の吸気ポート31のそれぞれに接続されている。複数の枝部41aの他端はサージタンク41bに接続されている。吸気管42の一端はサージタンク41bに接続されている。エアフィルタ43は吸気管42の他端に配設されている。スロットル弁44は、吸気管42内にあって吸気通路の開口断面積を可変とするようになっている。スロットル弁44は、DCモータからなるスロットル弁アクチュエータ44a(スロットル弁駆動手段の一部)により吸気管42内で回転駆動されるようになっている。
排気系統50は、各気筒の排気ポート34に一端が接続された複数の枝部を含むエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51の複数の枝部の各他端であって総ての枝部が集合している集合部(図1に示したエキゾーストマニホールド51の排気集合部HK)に接続されたエキゾーストパイプ52、エキゾーストパイプ52に配設された上流側触媒53、及び、上流側触媒53よりも下流のエキゾーストパイプ52に配設された図示しない下流側触媒を備えている。排気ポート34、エキゾーストマニホールド51及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。このように、上流側触媒53は、排気通路の「総ての燃焼室25(少なくとも2以上の燃焼室)から排出された排ガスが集合する排気集合部HKよりも下流側の部位」に配設されている。
上流側触媒53及び下流側触媒のそれぞれは、所謂、白金等の貴金属からなる活性成分(酸化触媒用金属及び還元触媒用金属)を担持する三元触媒装置(排気浄化触媒)である。各触媒は、各触媒に流入するガスの空燃比が理論空燃比であるとき、HC,CO,Hなどの未燃成分を酸化するとともに窒素酸化物(NOx)を還元する機能を有する。この機能は触媒機能とも称呼される。更に、各触媒は、酸素を吸蔵(貯蔵)する酸素吸蔵機能を有し、この酸素吸蔵機能により空燃比が理論空燃比から偏移したとしても未燃成分及び窒素酸化物を浄化することができる。この酸素吸蔵機能は、触媒に担持されているセリア(CeO)等の酸素吸蔵物質によってもたらされる。
更に、機関10は、EGRガス供給手段(排気還流システム)を備えている。EGRガス供給手段は、外部EGR通路を構成する排気還流管54、及び、EGR制御弁55を含んでいる。
図1に示したように、排気還流管54の一端54aは、エキゾーストマニホールド51の排気集合部HK、又は、エキゾーストパイプ52の上流側触媒53よりも上流位置、に接続されている。排気還流管54の他端は、図1に示したように気筒数と同じ数の枝部に分岐している。その枝部の端部は開口していて、EGRガス供給口54bを形成している。複数のEGRガス供給口54bのそれぞれは、インテークマニホールド41の複数の枝部41aのそれぞれに配設されている。即ち、EGRガス供給手段は、前記少なくとも2以上の気筒(本例は総ての気筒)のそれぞれに対応して配設される複数のEGRガス供給口54bを備え、それぞれの燃焼室25にそれぞれのEGRガス供給口54bを通して外部EGRガスを供給するようになっている。なお、以下、単に「EGRガス」というとき、そのEGRガスは外部EGRガスを意味する。
EGR制御弁55は排気還流管54に配設されている。EGR制御弁55は、DCモータを駆動源として内蔵している。EGR制御弁55は、そのDCモータへの指示信号であるデューティ比DEGRに応答して弁開度を変更し、それにより排気還流管54の通路断面積を変更するようになっている。デューティ比DEGRが「0」であるとき、EGR制御弁55は排気還流管54を完全に遮断する。このとき、EGRガスが燃焼室25に供給されない状態であるEGRガス停止状態が実現される。デューティ比DEGRが「0」でないとき、EGR制御弁55はデューティ比DEGRが大きいほど排気還流管54の通路断面積を大きくする。このとき、EGRガスが燃焼室25に供給される状態であるEGRガス供給状態が実現される。
再び、図5を参照すると、このシステムは、熱線式エアフローメータ61、スロットルポジションセンサ62、水温センサ63、クランクポジションセンサ64、インテークカムポジションセンサ65、エキゾーストカムポジションセンサ66、上流側空燃比センサ67、下流側空燃比センサ68、及び、アクセル開度センサ69を備えている。
エアフローメータ61は、吸気管42内を流れる吸入空気の質量流量(吸入空気流量)Gaに応じた信号を出力するようになっている。即ち、吸入空気流量Gaは、単位時間あたりに機関10に吸入される空気量を表す。
スロットルポジションセンサ62は、スロットル弁44の開度(スロットル弁開度)を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。
水温センサ63は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
クランクポジションセンサ64は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、後述する電気制御装置70によって機関回転速度NEに変換される。
インテークカムポジションセンサ65は、インテークカムシャフトが所定角度から90度、次いで90度、更に180度回転する毎に一つのパルスを出力するようになっている。後述する電気制御装置70は、クランクポジションセンサ64及びインテークカムポジションセンサ65からの信号に基づいて、基準気筒(例えば第1気筒)の圧縮上死点を基準とした絶対クランク角CAを取得するようになっている。この絶対クランク角CAは、基準気筒の圧縮上死点において「0°クランク角」に設定され、クランク角の回転角度に応じて「720°クランク角」まで増大し、その時点にて再び「0°クランク角」に設定される。
エキゾーストカムポジションセンサ66は、エキゾーストカムシャフトが所定角度から90度、次いで90度、更に180度回転する毎に一つのパルスを出力するようになっている。
上流側空燃比センサ67(本発明における空燃比センサ)は、図1及び図5に示したように、エキゾーストマニホールド51の集合部(排気集合部HK)と上流側触媒53との間の位置において「エキゾーストマニホールド51及びエキゾーストパイプ52の何れか(即ち、排気通路)」に配設されている。上流側空燃比センサ67は、例えば、特開平11−72473号公報、特開2000−65782号公報及び特開2004−69547号公報等に開示された「拡散抵抗層を備える限界電流式広域空燃比センサ」である。
上流側空燃比センサ67は、図6及び図7に示したように、空燃比検出素子67aと、外側保護カバー67bと、内側保護カバー67cと、を有している。
外側保護カバー67bは金属からなる中空円筒体である。外側保護カバー67bは内側保護カバー67cを覆うように、内側保護カバー67cを内部に収容している。外側保護カバー67bは、流入孔67b1をその側面に複数備えている。流入孔67b1は、排気通路を流れる排ガス(外側保護カバー67bの外部の排ガス)EXを外側保護カバー67bの内部に流入させるための貫通孔である。更に、外側保護カバー67bは、外側保護カバー67bの内部の排ガスを外部(排気通路)に流出させるための流出孔67b2をその底面に有している。
内側保護カバー67cは、金属からなり、外側保護カバー67bの直径よりも小さい直径を有する中空円筒体である。内側保護カバー67cは、空燃比検出素子67aを覆うように空燃比検出素子67aを内部に収容している。内側保護カバー67cは流入孔67c1をその側面に複数備えている。この流入孔67c1は、外側保護カバー67bの流入孔67b1を通して「外側保護カバー67bと内側保護カバー67cとの間の空間」に流入した排ガスを、内側保護カバー67cの内部に流入させるため貫通孔である。更に、内側保護カバー67cは、内側保護カバー67cの内部の排ガスを外部に流出させるための流出孔67c2をその底面に有している。
図8の(A)〜(C)に示したように、空燃比検出素子67aは、固体電解質層671と、排ガス側電極層672と、大気側電極層673と、拡散抵抗層674と、隔壁部675と、を含んでいる。
固体電解質層671は酸素イオン導電性酸化物焼結体である。本例において、固体電解質層671は、ZrO(ジルコニア)にCaOを安定剤として固溶させた「安定化ジルコニア素子」である。固体電解質層671は、その温度が活性温度以上であるとき、周知の「酸素電池特性」及び「酸素ポンプ特性」を発揮する。
排ガス側電極層672は、白金(Pt)等の触媒活性の高い貴金属からなる。排ガス側電極層672は、固体電解質層671の一つの面上に形成されている。排ガス側電極層672は、化学メッキ等により浸透性を十分に有するように(即ち、多孔質状に)形成されている。
大気側電極層673は、白金(Pt)等の触媒活性の高い貴金属からなる。大気側電極層673は、固体電解質層671の他の面上であって、固体電解質層671を挟んで排ガス側電極層672に対向するように形成されている。大気側電極層673は、化学メッキ等により浸透性を十分に有するように(即ち、多孔質状に)形成されている。
拡散抵抗層(拡散律速層)674は、多孔質セラミック(耐熱性無機物質)からなる。拡散抵抗層674は、排ガス側電極層672の外側表面を覆うように、例えば、プラズマ溶射法等により形成されている。
隔壁部675は、緻密であってガスを透過させないアルミナセラミックスからなる。隔壁部675は大気側電極層673を収容する空間である「大気室676」を形成するように構成されている。大気室676には大気が導入されている。
上流側空燃比センサ67には電源677が接続されている。電源677は、大気側電極層673側が高電位となり、排ガス側電極層672が低電位となるように、電圧Vを印加する。
このような構造を有する上流側空燃比センサ67は、図8の(B)に示したように、排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーン側の空燃比であるとき、拡散抵抗層674を通って排ガス側電極層672に到達した酸素をイオン化して大気側電極層673へと通過させる。
この結果、電源677の正極から負極へと電流Iが流れる。この電流Iの大きさは、図9に示したように、電圧Vを所定値Vp以上に設定すると、排ガス側電極層672に到達した酸素の濃度(酸素分圧、排ガスの空燃比)に比例した一定値となる。上流側空燃比センサ67は、この電流(即ち、限界電流Ip)を電圧に変換した値を出力値Vabyfsとして出力する。
これに対し、図8の(C)に示したように、排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチ側の空燃比であるとき、上流側空燃比センサ67は、大気室676に存在する酸素をイオン化して排ガス側電極層672へと導き、拡散抵抗層674を通って排ガス側電極層672に到達する未燃物(HC,CO及びH等)を酸化する。この結果、電源677の負極から正極へと電流Iが流れる。
この電流Iの大きさも、図9に示したように、電圧Vを所定値Vp以上に設定すると、排ガス側電極層672に到達した未燃物の濃度(即ち、排ガスの空燃比)に比例した一定値となる。上流側空燃比センサ67は、この電流(即ち、限界電流Ip)を電圧に変換した値を出力値Vabyfsとして出力する。
即ち、空燃比検出素子67aは、図10に示したように、上流側空燃比センサ67の配設位置を流れ、且つ、外側保護カバー67bの流入孔67b1及び内側保護カバー67cの流入孔67c1を通って空燃比検出素子67aに到達しているガスの空燃比(上流側空燃比abyfs、検出空燃比abyfs)に応じた出力値Vabyfsを「空燃比センサ出力」として出力する。出力値Vabyfsは、空燃比検出素子67aに到達しているガスの空燃比が大きくなるほど(リーンとなるほど)増大する。即ち、出力値Vabyfsは、空燃比検出素子67aに到達している排ガスの空燃比に実質的に比例する。
電気制御装置70は、図10に示した空燃比変換テーブル(マップ)Mapabyfsを記憶していて、空燃比センサ67の出力値Vabyfsを空燃比変換テーブルMapabyfsに適用することにより、実際の上流側空燃比abyfsを検出する(即ち、検出空燃比abyfsを取得する)。
ところで、上流側空燃比センサ67は、エキゾーストマニホールド51の複数の枝部の集合部(排気集合部HK)と上流側触媒53との間の位置においてエキゾーストマニホールド51及びエキゾーストパイプ52の何れかに外側保護カバー67bが露呈するように配設される。
より具体的には、空燃比センサ67は、図6及び図7に示したように、保護カバー(67b、67c)の底面が排ガスEXの流れと平行であり、保護カバー(67b、67c)の中心軸線CCが排ガスEXの流れと直交するように排気通路内に配設される。これにより、外側保護カバー67bの流入孔67b1に到達した排気通路内の排ガスEXは、外側保護カバー67bの流出孔67b2近傍を流れる排気通路内の排ガスEXの流れにより、外側保護カバー67b及び内側保護カバー67cの内部へと吸い込まれる。
従って、排気通路を流れる排ガスEXは、図6及び図7において矢印Ar1により示したように外側の保護カバー67bの流入孔67b1を通って外側の保護カバー67bと内側の保護カバー67cとの間に流入する。次いで、その排ガスは、矢印Ar2に示したように「内側の保護カバー67cの流入孔67c1」を通って「内側の保護カバー67cの内部」に流入した後に、空燃比検出素子67aに到達する。その後、その排ガスは、矢印Ar3に示したように「内側の保護カバー67cの流出孔67c2及び外側の保護カバー67bの流出孔67b2」を通って排気通路に流出する。
このため、「外側保護カバー67b及び内側保護カバー67c」の内部における排ガスの流速は、外側保護カバー67bの流出孔67b2近傍を流れる排ガスEXの流速(従って、単位時間あたりの吸入空気量である吸入空気流量Ga)に応じて変化する。換言すると、「ある空燃比の排ガス(第1排ガス)が流入孔67b1に到達した時点」から「その第1排ガスが空燃比検出素子67aに到達する時点」までの時間は、吸入空気流量Gaに依存するが機関回転速度NEには依存しない。このことは、上流側空燃比センサ67が内側保護カバー67cのみを有する場合にも成立する。
再び、図5を参照すると、下流側空燃比センサ68は、エキゾーストパイプ52であって上流側触媒53よりも下流側であり且つ下流側触媒よりも上流側(即ち、上流側触媒53と下流側触媒との間の排気通路)に配設されている。下流側空燃比センサ68は、周知の起電力式の酸素濃度センサ(安定化ジルコニアを用いた周知の濃淡電池型の酸素濃度センサ)である。下流側空燃比センサ68は、排気通路であって下流側空燃比センサ68が配設されている部位を流れるガスである被検出ガスの空燃比(即ち、上流側触媒53から流出し且つ下流側触媒に流入するガスの空燃比、従って、機関に供給される混合気の空燃比の時間的平均値)に応じた出力値Voxsを発生するようになっている。
この出力値Voxsは、図11に示したように、被検出ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチのとき最大出力値max(例えば、約0.9V)となり、被検出ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンのとき最小出力値min(例えば、約0.1V)となり、被検出ガスの空燃比が理論空燃比であるとき最大出力値maxと最小出力値minの略中間の電圧Vst(中間電圧Vst、例えば、約0.5V)となる。更に、この出力値Voxsは、被検出ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチな空燃比からリーンな空燃比へと変化する際に最大出力値maxから最小出力値minへと急変し、被検出ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンな空燃比からリッチな空燃比へと変化する際に最小出力値minから最大出力値maxへと急変する。従って、電圧Vstは、理論空燃比に相当する出力値Voxsである。
図5に示したアクセル開度センサ69は、運転者によって操作されるアクセルペダル81の操作量Accp(アクセルペダル操作量Accp)を表す信号を出力するようになっている。アクセルペダル操作量Accpは、アクセルペダル81の開度(アクセルペダル操作量)が大きくなるとともに大きくなる。
電気制御装置70は、互いにバスで接続された「CPU71、CPU71が実行するプログラム、テーブル(マップ、関数)及び定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM73、バックアップRAM74、並びに、ADコンバータを含むインターフェース75等」からなる周知のマイクロコンピュータである。
バックアップRAM74は、機関10を搭載した車両の図示しないイグニッション・キー・スイッチの位置(オフ位置、始動位置及びオン位置等の何れか)に関わらず、車両に搭載されたバッテリから電力の供給を受けるようになっている。バックアップRAM74は、バッテリから電力の供給を受けている場合、CPU71の指示に応じてデータを格納する(データが書き込まれる)とともに、そのデータを読み出し可能となるように保持(記憶)する。バックアップRAM74は、バッテリが車両から取り外される等によりバッテリからの電力供給が遮断されると、データを保持することができない。そこで、CPU71は、バックアップRAM74への電力供給が再開されたとき、バックアップRAM74に保持されるべきデータを初期化(デフォルト値に設定)するようになっている。
インターフェース75は、センサ61〜69と接続され、CPU71にそれらのセンサからの信号を供給するようになっている。更に、インターフェース75は、CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング制御装置33のアクチュエータ33a、可変排気タイミング制御装置36のアクチュエータ36a、各気筒のイグナイタ38、各気筒に対応して設けられた燃料噴射弁39、スロットル弁アクチュエータ44a、及び、EGR制御弁55等に駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。
なお、電気制御装置70は、取得されたアクセルペダルの操作量Accpが大きくなるほどスロットル弁開度TAが大きくなるように、スロットル弁アクチュエータ44aに指示信号を送出するようになっている。即ち、電気制御装置70は、運転者により変更される機関10の加速操作量(アクセルペダル操作量Accp)に応じて「機関10の吸気通路に配設されたスロットル弁44」の開度を変更するスロットル弁駆動手段を備えている。
(空燃比気筒間インバランス判定装置の作動の概要)
次に、第1判定装置及び他の実施形態に係る判定装置(以下、「第1判定装置等」とも称呼する。)が採用した「空燃比気筒間インバランス判定」の作動の概要について説明する。
第1判定装置等は、複数のEGRガス供給口54bを備えている。従って、EGRガス供給状態において、その複数のEGRガス供給口54bのうちの一つが目詰まりを起こすと、その目詰まりを起こしたEGRガス供給口に対応する気筒にはEGRガスが供給されなくなる。このため、その気筒に供給される大気(新気)の量は他の気筒に供給される大気の量よりもEGRガスが供給されない分だけ多くなる。一方、各気筒に対応して設けられている燃料噴射弁39から噴射される燃料量は、それらの燃料噴射弁39が正常である限り互いに同一である。この結果、目詰まりを起こしたEGRガス供給口に対応する気筒に供給される混合気の空燃比は、他の気筒に供給される混合気の空燃比に比較してリーン側へと偏移する。即ち、EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態(EGR起因空燃比気筒間インバランス状態)が発生する。
そこで、第1判定装置等は、空燃比センサ67の出力値Vabyfsに基いて、EGRガス停止状態が実現されているときに「気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR停止中インバランス判定用パラメータ」を取得するとともに、EGRガス供給状態が実現されているときに「気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR供給中インバランス判定用パラメータ」を取得する。
EGR停止中インバランス判定用パラメータは、EGRガス停止状態が実現されている場合(EGRガスが燃焼室25に供給されていない場合)における「空燃比センサ67の出力値Vabyfsにより表される検出空燃比abyfsの単位時間(一定のサンプリング時間ts)あたりの変化量に応じて変化する値」である。
EGR供給中インバランス判定用パラメータは、EGRガス供給状態が実現されている場合(EGRガスが燃焼室25に供給されている場合)における「空燃比センサ67の出力値Vabyfsにより表される検出空燃比abyfsの単位時間(一定のサンプリング時間ts)あたりの変化量に応じて変化する値」である。
「空燃比センサ67の出力値Vabyfsにより表される検出空燃比abyfs」は、出力値Vabyfsを図10に示した空燃比変換テーブルMapabyfsに適用することにより得られる空燃比である。この「検出空燃比abyfsの単位時間当たりの変化量」は、その単位時間が例えば4m秒程度の極めて短い時間であるとき、検出空燃比abyfsの時間微分値d(abyfs)/dtであると言うこともできる。従って、「検出空燃比abyfsの単位時間当たりの変化量」は、単に「微分値d(abyfs)/dt」又は「検出空燃比変化率ΔAF」とも称呼される。
更に、第1判定装置等は、EGR供給中インバランス判定用パラメータとEGR停止中インバランス判定用パラメータとの相違の程度に応じて変化するEGR起因インバランス判定用パラメータを取得するとともに、取得したEGR起因インバランス判定用パラメータとEGR起因インバランス判定用閾値とを比較し、その比較の結果に基づいてEGR起因空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定する。
加えて、第1判定装置等は、EGR供給中インバランス判定用パラメータと所定のEGR供給中インバランス判定用閾値との比較の結果に基づいても空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するとともに、前記EGR停止中インバランス判定用パラメータと所定のEGR停止中インバランス判定用閾値との比較の結果に基づいても空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定する。
ところで、前述した微分値d(abyfs)/dtは、気筒別空燃比差が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるパラメータである。以下、この点について説明を加える。
空燃比センサ67には、各気筒からの排ガスが点火順(故に、排気順)に到達する。空燃比気筒間インバランス状態が発生していない場合(気筒別空燃比差が小さい場合)、各気筒から排出され且つ空燃比センサ67に到達する排ガスの空燃比は互いに略同一である。従って、空燃比気筒間インバランス状態が発生していない場合の空燃比センサ67の出力値Vabyfsにより表される検出空燃比abyfsは、例えば、図12の(B)において破線C1により示したように変化する。即ち、空燃比気筒間インバランス状態が発生していない場合、空燃比センサ67の出力値Vabyfs及び検出空燃比abyfsの波形は略平坦である。このため、図12の(C)において破線C3により示したように、空燃比気筒間インバランス状態が発生していない場合、検出空燃比変化率ΔAFの絶対値は小さい。
一方、特定気筒の空燃比のみが理論空燃比よりもから大きく乖離すると、その特定気筒の排ガスの空燃比(インバランス気筒の空燃比)と、その特定気筒以外の気筒の排ガスの空燃比(非インバランス気筒の空燃比)と、は大きく相違する。即ち、気筒別空燃比差が大きくなる。
従って、空燃比気筒間インバランス状態が発生している場合の検出空燃比abyfs(及び出力値Vabyfs)は、例えば図12の(B)の実線C2により示したように、4気筒・4サイクル・エンジンの場合に720°クランク角(一つの空燃比センサ67に到達する排ガスを排出している総ての気筒である第1〜第4気筒において各一回の燃焼行程が終了するのに要するクランク角)毎に大きく変動する。このため、図12の(C)において実線C4により示したように、空燃比気筒間インバランス状態が発生している場合、検出空燃比変化率ΔAFの絶対値は大きくなる。
しかも、検出空燃比abyfsは、インバランス気筒の空燃比が非インバランス気筒の空燃比から乖離するほど大きく変動する。例えば、インバランス気筒の空燃比と非インバランス気筒の空燃比との差の大きさが第1の値であるときの検出空燃比abyfsが図12(B)の実線C2のように変化するとすれば、インバランス気筒の空燃比と非インバランス気筒の空燃比との差の大きさが「第1の値の値よりも大きい第2の値」であるときの検出空燃比abyfsは図12(B)の一点鎖線C2aのように変化する。従って、検出空燃比変化率ΔAF(微分値d(abyfs)/dt)の絶対値は、インバランス気筒の空燃比が非インバランス気筒の空燃比から乖離するほど(気筒別空燃比差が大きくなるほど)大きくなる。
そこで、第1判定装置等は、「検出空燃比変化率ΔAFに応じて変化する空燃比変化率指示量」をインバランス判定用パラメータ(EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータ)として取得する。空燃比変化率指示量は、例えば、サンプリング時間tsが経過する毎に得られる検出空燃比変化率ΔAFの絶対値そのもの、複数の検出空燃比変化率ΔAFの絶対値の平均値及び複数の検出空燃比変化率ΔAFの絶対値のうちの最大値等である。なお、第1判定装置等は、後述するように、他のパラメータを「インバランス判定用パラメータ」として取得するように構成され得る。
ところで、燃料噴射弁39が指示燃料噴射量よりも非常に多くの量又は非常に少ない量の燃料を噴射するようになった場合、気筒別空燃比差が大きくなる。従って、微分値d(abyfs)/dtである検出空燃比変化率ΔAFの絶対値は大きくなる。
一方、前述したように、複数のEGRガス供給口54bのうちの一つが目詰まりを起こした場合、EGR供給状態において、その気筒に供給される大気(新気)の量は他の気筒に供給される大気の量よりもEGRガスが供給されない分だけ多くなる。
他方、各気筒に対応して設けられている燃料噴射弁39から噴射される燃料量は、それらの燃料噴射弁39が正常である限り互いに略同一である。この結果、EGR供給状態において、目詰まりを起こしたEGRガス供給口54bに対応する気筒に供給される混合気の空燃比は、他の気筒に供給される混合気の空燃比に比較してリーン側へと偏移する。即ち、EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生する。
しかしながら、上記空燃比変化率指示量と閾値との単純な比較に基いて「EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否か」を判定することは容易ではない。
何故なら、混合気の供給系(例えば、吸気通路の形状及び燃料噴射弁の噴射特性等)を含む内燃機関には個体差(機差)が必ず存在する。従って、EGRガス供給手段がEGR正常状態(総てのEGRガス供給口54bが正常である状態)であったとしても、気筒別空燃比差は0ではない。そのため、EGRガス供給手段がEGR正常状態であったとしても、特定機種の内燃機関を搭載した車両Aの気筒別空燃比差と、同じ特定機種の内燃機関を搭載した車両Bの気筒別空燃比差と、は必ずしも一致しない。
即ち、図2に示したように、EGRガス供給手段がEGR正常状態であったとしても、「EGRガス供給状態における車両Aのインバランス判定用パラメータP1」と「EGRガス供給状態における車両Bのインバランス判定用パラメータP2」とは一致しない。
この車両A及び車両Bにおいて、「EGRガス供給口54bの一つが閉塞するEGR異常状態」が発生した場合、インバランス判定用パラメータはそれぞれパラメータP3及びパラメータP4へと変化する。前述したように、EGR異常状態が発生するとインバランス判定用パラメータは大きくなる。従って、車両Aにおいて、インバランス判定用パラメータP3はインバランス判定用パラメータP1よりも大きくなる。同様に、車両Bにおいて、インバランス判定用パラメータP4はインバランス判定用パラメータP2よりも大きくなる。
しかしながら、EGR率はそれ程大きくないので、特定気筒の燃料噴射弁39の噴射特性が変化した場合等に比べ、EGR正常状態からEGR異常状態へと変化した場合の気筒別空燃比差の変化量は僅かである。この結果、図2に示したように、車両BにおいてEGR異常状態にあるときに得られるインバランス判定用パラメータP4が、車両AにおいてEGR正常状態にあるときに得られるインバランス判定用パラメータP1よりも小さい場合が生じる。
この場合、インバランス判定用閾値をインバランス判定用パラメータP4よりも僅かに小さい値P1thに設定すると、EGR正常状態にある車両Aにおいて空燃比気筒間インバランス状態が発生していると誤って判定してしまう。この誤判定を回避するために、インバランス判定用閾値を「値P1thよりも大きく且つインバランス判定用パラメータP3よりも僅かに小さい値P2th」に設定すると、EGR異常状態にある車両Bにおいて空燃比気筒間インバランス状態が発生していないと誤って判定してしまう。
そこで、本発明者は、ある車両におけるEGR供給中インバランス判定用パラメータとEGR停止中インバランス判定用パラメータとの差に着目した。EGR停止中インバランス判定用パラメータは、EGRガスが供給されていない状態(EGRガス停止状態)において得られるインバランス判定用パラメータであるから、上述した機関10の個体差に基く気筒別空燃比差を反映した値である。これに対し、EGR供給中インバランス判定用パラメータは、機関10の個体差に基く気筒別空燃比差に更に「EGR異常状態により生じた気筒別空燃比差」が重畳した値である。
即ち、図3及び図4の左半分に示したように、EGR異常状態が発生していなければ、EGR供給中インバランス判定用パラメータとEGR停止中インバランス判定用パラメータとの差は、車両に拘わらず略「0」になる。一方、図3及び図4の右半分に示したように、EGR異常状態が発生していると、EGR供給中インバランス判定用パラメータとEGR停止中インバランス判定用パラメータとの差は、ある値DPthよりも大きくなる。
係る知見に基き、第1判定装置等は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoff及びEGR供給中インバランス判定用パラメータPonを取得するとともに、取得したEGR供給中インバランス判定用パラメータPonと取得したEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffとの相違の程度に応じて変化するEGR起因インバランス判定用パラメータPegr(例えば、|Pon−Poff|及び(Pon/Poff)等)を取得する。
そして、第1判定装置等は、そのEGR起因インバランス判定用パラメータPegrと所定のEGR起因インバランス判定用閾値Pegrth(=DPth)とを比較するとともに、その比較の結果に基づいてEGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定する。以上が、第1判定装置等の空燃比気筒間インバランス判定の原理である。
なお、第1判定装置等は、各気筒に供給されるEGRガスの量が不均一になったこと以外の事象(例えば、燃料噴射弁39の噴射特性の変化)に起因して気筒別空燃比差が過大になっているか否かについても判定する。具体的には、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffがEGR停止中インバランス判定用閾値以上となったとき、及び/又は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonがEGR供給中インバランス判定用閾値以上となったとき、EGRガス以外の混合気供給系の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したと判定する。
(実際の作動)
<燃料噴射量制御>
第1判定装置のCPU71は、図13に示した「指示燃料噴射量Fiの計算及び燃料噴射の指示を行うルーチン」を、任意の気筒のクランク角が吸気上死点前の所定クランク角度(例えば、BTDC90°CA)となる毎に、その気筒(以下、「燃料噴射気筒」とも称呼する。)に対して繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1300から処理を開始し、以下に述べるステップ1310乃至ステップ1350の処理を順に行い、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1310:CPU71は、「エアフローメータ61により計測された吸入空気流量Ga、クランクポジションセンサ64の信号に基いて取得された機関回転速度NE、及び、ルックアップテーブルMapMc」に基いて「燃料噴射気筒に吸入される空気量」である「筒内吸入空気量Mc(k)」を取得する。筒内吸入空気量Mc(k)は、各吸気行程に対応されながらRAM内に記憶される。筒内吸入空気量Mc(k)は、周知の空気モデル(吸気通路における空気の挙動を模した物理法則に従って構築されたモデル)により算出されてもよい。
ステップ1320:CPU71は、上流側目標空燃比abyfrを機関10の運転状態に応じて設定する。第1判定装置において、上流側目標空燃比abyfrは特別な場合を除き理論空燃比stoichに設定される。
ステップ1330:CPU71は、筒内吸入空気量Mc(k)を上流側目標空燃比abyfrで除することにより基本燃料噴射量Fbaseを求める。従って、基本燃料噴射量Fbaseは、上流側目標空燃比abyfr(理論空燃比)を得るために必要な燃料噴射量のフィードフォワード量である。
ステップ1340:CPU71は、基本燃料噴射量Fbaseをメインフィードバック量DFiにより補正する。より具体的には、CPU71は、基本燃料噴射量Fbaseにメインフィードバック量DFiを加えることにより、指示燃料噴射量(最終燃料噴射量)Fiを算出する。メインフィードバック量DFiについては後述する。
ステップ1350:CPU71は、指示燃料噴射量Fiの燃料が燃料噴射気筒に対応して設けられている燃料噴射弁39から噴射されるように、その燃料噴射弁39に対して噴射指示信号を送出する。
<メインフィードバック量の算出>
CPU71は図14にフローチャートにより示した「メインフィードバック量算出ルーチン」を所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1400から処理を開始し、ステップ1405に進んで「メインフィードバック制御条件(上流側空燃比フィードバック制御条件)」が成立しているか否かを判定する。
メインフィードバック制御条件は以下の総ての条件が成立したときに成立する。
(A1)上流側空燃比センサ67が活性化している。
(A2)機関10の負荷(負荷率)KLが閾値KLth以下である。
(A3)フューエルカット制御中でない。
なお、負荷率KLは、ここでは下記の(1)式により求められる。この負荷率KLに代え、アクセルペダル操作量Accpが用いられても良い。(1)式において、Mcは筒内吸入空気量であり、ρは空気密度(単位は(g/l))、Lは機関10の排気量(単位は(l))、「4」は機関10の気筒数である。
KL=(Mc/(ρ・L/4))・100% …(1)
いま、メインフィードバック制御条件が成立しているものとして説明を続ける。この場合、CPU71はステップ1405にて「Yes」と判定して以下に述べるステップ1410乃至ステップ1440の処理を順に行い、ステップ1495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1410:CPU71は、下記(2)式に従ってフィードバック制御用出力値Vabyfcを取得する。(2)式において、Vabyfsは上流側空燃比センサ67の出力値、Vafsfbは下流側空燃比センサ68の出力値Voxsに基づいて算出されるサブフィードバック量である。これらの値は、何れも現時点において得られている値である。サブフィードバック量Vafsfbの算出方法は周知である。サブフィードバック量Vafsfbは、例えば、下流側空燃比センサ68の出力値Voxsが理論空燃比に相当する値Vstよりもリッチ側の空燃比を示す値であるとき減少させられ、下流側空燃比センサ68の出力値Voxsが理論空燃比に相当する値Vstよりもリーン側の空燃比を示す値であるとき増大させられる。第1判定装置は、サブフィードバック量Vafsfbを「0」に設定してもよい。
Vabyfc=Vabyfs+Vafsfb …(2)
ステップ1415:CPU71は、下記(3)式に示したように、上記フィードバック制御用出力値Vabyfcを図10に示したテーブルMapabyfsに適用することにより、フィードバック制御用空燃比abyfscを得る。
abyfsc=Mapabyfs(Vabyfc) …(3)
ステップ1420:CPU71は、下記(4)式に従って、「現時点よりもNサイクル前の時点において燃焼室25に実際に供給された燃料の量」である「筒内燃料供給量Fc(k−N)」を求める。即ち、CPU71は、「現時点よりもNサイクル(即ち、N・720°クランク角)前の時点における筒内吸入空気量Mc(k−N)」を「上記フィードバック制御用空燃比abyfsc」により除すことにより、筒内燃料供給量Fc(k−N)を求める。
Fc(k−N)=Mc(k−N)/abyfsc …(4)
このように、筒内燃料供給量Fc(k−N)を求めるために、現時点からNストローク前の筒内吸入空気量Mc(k−N)をフィードバック制御用空燃比abyfscで除すのは、「燃焼室25内での混合気の燃焼により生成された排ガス」が上流側空燃比センサ67に到達するまでに「Nストロークに相当する時間」を要しているからである。
ステップ1425:CPU71は、下記(5)式に従って、「現時点よりもNサイクル前の時点において燃焼室25に供給されるべきであった燃料の量」である「目標筒内燃料供給量Fcr(k−N)」を求める。即ち、CPU71は、現時点からNストローク前の筒内吸入空気量Mc(k−N)を上流側目標空燃比abyfr(=stoich)で除すことにより、目標筒内燃料供給量Fcr(k−N)を求める。
Fcr=Mc(k−N)/abyfr …(5)
ステップ1430:CPU71は、上記(6)式に従って、筒内燃料供給量偏差DFcを取得する。即ち、CPU71は、目標筒内燃料供給量Fcr(k−N)から筒内燃料供給量Fc(k−N)を減じることにより、筒内燃料供給量偏差DFcを求める。この筒内燃料供給量偏差DFcは、Nストローク前の時点で筒内に供給された燃料の過不足分を表す量となる。
DFc=Fcr(k−N)−Fc(k−N) …(6)
ステップ1435:CPU71は、上記(7)式に従って、メインフィードバック量DFiを求める。この(7)式において、Gpは予め設定された比例ゲイン、Giは予め設定された積分ゲインである。更に、(7)式の「値SDFc」は「筒内燃料供給量偏差DFcの積分値」である。つまり、CPU71は、フィードバック制御用空燃比abyfscを上流側目標空燃比abyfrに一致させるための比例積分制御により「メインフィードバック量DFi」を算出する。
DFi=Gp・DFc+Gi・SDFc …(7)
ステップ1440:CPU71は、その時点における筒内燃料供給量偏差DFcの積分値SDFcに上記ステップ1430にて求められた筒内燃料供給量偏差DFcを加えることにより、新たな筒内燃料供給量偏差の積分値SDFcを取得する。
以上により、メインフィードバック量DFiが比例積分制御により求められ、このメインフィードバック量DFiが前述した図13のステップ1350の処理により指示燃料噴射量Fiに反映される。
一方、図14のステップ1405の判定時において、メインフィードバック制御条件が不成立であると、CPU71はそのステップ1405にて「No」と判定してステップ1445に進み、メインフィードバック量DFiの値を「0」に設定する。次いで、CPU71は、ステップ1450にて筒内燃料供給量偏差の積分値SDFcに「0」を格納する。その後、CPU71は、ステップ1495に進んで本ルーチンを一旦終了する。このように、メインフィードバック制御条件が不成立であるとき、メインフィードバック量DFiは「0」に設定される。従って、基本燃料噴射量Fbaseのメインフィードバック量DFiによる補正は行われない。
<EGR制御>
次に、「EGR制御」を実行するための処理について説明する。CPU71は、所定時間が経過する毎に、図15にフローチャートにより示した「EGR制御ルーチン」を実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPUは図15のステップ1500から処理を開始してステップ1510に進み、機関10の運転パラメータ(ここでは、負荷KL及び機関回転速度NE)により表される機関10の運転状態がEGR実行領域内にあるか否かを判定する。EGR実行領域は、ステップ1510のブロック内に示したように、「負荷KL及び機関回転速度NEからなる点の集合体からなる線ARN」内の領域(斜線部)である。このステップ1510は、機関10の運転状態が所定のEGR実行条件を満たしたか否かを判定するステップであると言うこともできる。
機関10の運転状態がEGR実行領域内にない場合、CPU71はステップ1510にて「No」と判定してステップ1520に進み、デューティ比DEGRを「0」に設定する。この結果、EGR制御弁55が全閉となるので、EGRガス(外部EGRガス)は機関10(燃焼室25)に供給されない。即ち、EGRガス停止状態が実現させられる。次に、CPU71はステップ1530に進んでEGR供給フラグXEGRの値を「0」に設定し、ステップ1595に進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、EGR供給フラグXEGRの値は、機関10を搭載した車両のイグニッション・キー・スイッチがオフからオンへと変更されるときに実行される図示しないイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
一方、CPU71がステップ1510の処理を実行する時点において、機関10の運転状態がEGR実行領域内にあると、CPU71はステップ1510にて「Yes」と判定してステップ1540に進み、その時点の「負荷KL及び機関回転速度NE」をテーブルMapDEGR(KL,NE)に適用することにより、デューティ比DEGRを決定する。即ち、CPU71は、負荷KL及び機関回転速度NEに基いてデューティ比DEGRを算出し、そのデューティ比DEGRに基く指示信号をEGR制御弁55に送出する。ここで決定されるデューティ比DEGRは正の値である。従って、EGR制御弁55がデューティ比DEGRに応じて開弁され、EGRガスが各EGRガス供給口54bを通して各気筒の燃焼室25に供給される。この結果、EGRガス供給状態が実現させられる。
次に、CPU71はステップ1550に進み、EGR供給フラグXEGRの値を「1」に設定する。従って、EGR供給フラグXEGRは、その値が「1」であるときにEGRガス供給状態が実現されていることを示し、その値が「0」であるときにEGRガス停止状態が実現されていることを示す。その後、CPU71はステップ1595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
<EGR停止中インバランス判定用パラメータの取得>
次に、「EGR停止中インバランス判定用パラメータ」を取得するための処理について説明する。CPU71は、4ms(4ミリ秒=所定の一定サンプリング時間ts)が経過する毎に、図16にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1600から処理を開始してステップ1605に進み、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」であるか否かを判定する。
このパラメータ取得許可フラグXkyokaは、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。更に、パラメータ取得許可フラグXkyokaは、図示しないルーチンを実行することにより、基準気筒(本例では第1気筒)が圧縮上死点に達した時点において、パラメータ取得条件が成立しているとき「1」に設定される。パラメータ取得条件は、以下に述べる取得許可条件の総てが成立したときに成立する。この取得許可条件のそれぞれは、インバランス判定用パラメータ(EGR供給中インバランス判定用パラメータ及びEGR停止中インバランス判定用パラメータ)を安定して取得するために必要な条件である。更に、パラメータ取得許可フラグXkyokaは、パラメータ取得条件が不成立であるとき直ちに「0」に設定される。即ち、パラメータ取得許可フラグXkyokaは、以下に述べる複数の取得許可条件のうちの少なくとも一つが不成立であると、「0」に設定される。なお、取得許可条件は以下に述べる条件に限定されない。
(取得許可条件1)冷却水温THWが閾値冷却水温THWth以上である。
(取得許可条件2)アクセルペダル操作量Accpの単位時間あたりの変化量ΔAccpが閾値アクセルペダル変化量ΔAccpth以下である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件3)吸入空気流量Gaが閾値吸入空気流量Gath以上である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件4)機関回転速度NEが閾値回転速度NEth以下である状態が所定時間以上継続している。
いま、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」であると仮定する。この場合、CPU71はステップ1605にて「Yes」と判定してステップ1610に進み、EGR供給フラグXEGRの値が「0」であるか否かを判定する。
このとき、EGR供給フラグXEGRの値が「0」であると、CPU71はステップ1610にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1615及びステップ1630の処理を順に行ってステップ1635に進む。
ステップ1615:CPU71は、本ルーチンを前回実行したときに得た検出空燃比abyfs(後述するステップ1625を参照。)を前回の検出空燃比abyfsoldとして記憶する。即ち、前回の検出空燃比abyfsoldは、現時点から4ms(サンプリング時間ts)前の時点における検出空燃比abyfsである。なお、検出空燃比abyfsの初期値は上述したイニシャルルーチンにおいて理論空燃比に相当する値に設定されている。
ステップ1620:CPU71は、その時点の空燃比センサ67の出力値VabyfsをAD変換することにより取得する。
ステップ1625:CPU71は、空燃比センサ67の出力値Vabyfsを図10に示した空燃比変換テーブルMapabyfsに適用することにより、今回の検出空燃比abyfsを取得する。
ステップ1630:CPU71は、EGRガス停止状態における検出空燃比変化率ΔAFoff、その検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値の積算値SAFDoff及び積算回数カウンタCnoffの値を更新する。以下、これらの更新方法について具体的に説明する。
(A)検出空燃比変化率ΔAFoffの更新。
CPU71は、検出空燃比変化率ΔAFoffを、今回の検出空燃比abyfsから前回の検出空燃比abyfsoldを減じることによって取得する。即ち、今回の検出空燃比abyfsをabyfs(n)、前回の検出空燃比abyfsをabyfs(n−1)と表記すると、CPU71はステップ1630にて「今回の検出空燃比変化率ΔAFoff(n)」を下記の(8)式に従って求める。
ΔAFoff(n)=abyfs(n)−abyfs(n−1) …(8)
(B)検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値|ΔAFoff|の積算値SAFDoffの更新。
CPU71は今回の積算値SAFDoff(n)を下記の(9)式に従って求める。即ち、CPU71は、ステップ1630に進んだ時点における前回の積算値SAFDoff(n−1)に上記算出した今回の検出空燃比変化率ΔAFoff(n)の絶対値|ΔAFoff(n)|を加えることにより、積算値SAFDoffを更新する。
SAFDoff(n)=SAFDoff(n−1)+|ΔAFoff(n)| …(9)
積算値SAFDoffに「今回の検出空燃比変化率の絶対値|ΔAFoff(n)|」を積算する理由は、図12の(B)及び(C)からも理解されるように、検出空燃比変化率ΔAFoff(n)は正の値にも負の値にもなるからである。なお、積算値SAFDoffも、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
(C)検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値の、積算値SAFDoffへの積算回数カウンタCnoffの更新。
CPU71は、下記の(10)式に従って、カウンタCnoffの値を「1」だけ増大する。Cnoff(n)は更新後のカウンタCnoffであり、Cnoff(n−1)は更新前のカウンタCnoffである。このカウンタCnoffの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるとともに、後述するステップ1660にても「0」に設定される。従って、カウンタCnoffの値は、積算値SAFDoffに積算された検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値|ΔAFoff|のデータ数を示す。
Cnoff(n)=Cnoff(n−1)+1 …(10)
次に、CPU71はステップ1635に進み、第1気筒の圧縮上死点を基準としたクランク角CA(絶対クランク角CA)が720°クランク角になっているか否かを判定する。このとき、絶対クランク角CAが720°クランク角未満であると、CPU71はステップ1635にて「No」と判定してステップ1695に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
なお、ステップ1635は、検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値|ΔAFoff|の平均値を求めるための最小単位の期間(単位燃焼サイクル期間)を定めるステップであり、ここでは720°クランク角がその最小期間に相当する。もちろん、この最小期間を定めるクランク角は720°クランク角よりも短くてもよい。但し、最小期間は、サンプリング時間tsの複数倍の長さ以上の期間であることが望ましい。
一方、CPU71がステップ1635の処理を行う時点において、絶対クランク角CAが720°クランク角になっていると、CPU71はそのステップ1635にて「Yes」と判定してステップ1640に進む。CPU71は、そのステップ1640にて、
(D)検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値|ΔAFoff|の平均値AveΔAFoff算出、
(E)平均値AveΔAFoffの積算値Saveoffの算出、及び、
(F)積算回数カウンタCsoffのインクリメント、
を行う。以下、これらの更新方法について具体的に説明する。
(D)検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値|ΔAFoff|の平均値AveΔAFoff算出。
CPU71は、積算値SAFDoffをカウンタCnoffの値により除することにより、直前の単位燃焼サイクル期間における絶対値|ΔAFoff|の平均値AveΔAFoff(=SAFDoff/Cnoff)を算出する。この後、CPU71は積算値SAFDoffを「0」に設定する。
(E)平均値AveΔAFoffの積算値Saveoffの算出。
CPU71は今回の積算値Saveoff(n)を下記の(11)式に従って求める。即ち、CPU71は、ステップ1640に進んだ時点における前回の積算値SaVeoff(n−1)に上記算出した今回の平均値AveΔAFoffを加えることにより、積算値Saveoffを更新する。この積算値Saveoffの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定される。
Saveoff(n)=Saveoff(n−1)+AveΔAFoff …(11)
(F)積算回数カウンタCsoffのインクリメント。
CPU71は、下記の(12)式に従って、カウンタCsoffの値を「1」だけ増大する。Csoff(n)は更新後のカウンタCsoffであり、Csoff(n−1)は更新前のカウンタCsoffである。このカウンタCsoffの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定される。従って、カウンタCsoffの値は、積算値Saveoffに積算された平均値AveΔAFoffのデータ数を示す。
Csoff(n)=Csoff(n−1)+1 …(12)
次に、CPU71はステップ1645に進み、カウンタCsoffの値が閾値Csoffth以上であるか否かを判定する。このとき、カウンタCsoffの値が閾値Csoffth未満であると、CPU71はそのステップ1645にて「No」と判定し、ステップ1695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、閾値Csoffthは自然数であり、2以上であることが望ましい。
一方、CPU71がステップ1645の処理を行う時点において、カウンタCsoffの値が閾値Csoffth以上であると、CPU71はそのステップ1645にて「Yes」と判定してステップ1650に進み、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを算出する。
より具体的に述べると、CPU71は下記(13)式に従って積算値SaveoffをカウンタCsoffの値(=Csoffth)によって除することにより、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを算出する。このEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは、EGRガス停止状態が実現されている期間において、検出空燃比変化率ΔAFoffの絶対値|ΔAFoff|の一つの単位燃焼サイクル期間における平均値を、複数(Csoffth回分)の単位燃焼サイクル期間について平均した値である。従って、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは、気筒別空燃比差が大きいほど大きくなるインバランス判定用パラメータである。
Poff=Saveoff/Csoffth …(13)
次いで、CPU71はステップ1655に進み、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値を「1」に設定する。その後、CPU71はステップ1695に進んで、本ルーチンを一旦終了する。なお、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。従って、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffは、その値が「1」であるとき「今回の機関10の運転開始後においてEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されたこと」を示し、その値が「0」であるとき「今回の機関10の運転開始後においてEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていないこと」を示す。
一方、CPU71がステップ1605に進んだ際にパラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」でない場合、及び、CPU71がステップ1610に進んだ際にEGR供給フラグXEGRの値が「0」でない場合、CPU71はステップ1660に進む。そして、CPU71はステップ1660にて各値(例えば、ΔAFoff,SAFDoff,Cnoff等)を「0」に設定(クリア)し、その後、ステップ1695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。以上のようにして、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得される。
<EGR供給中インバランス判定用パラメータの取得>
次に、「EGR供給中インバランス判定用パラメータ」を取得するための処理について説明する。CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonをEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffと同じ手法に基いて算出する。
具体的に述べると、CPU71は、4ms(4ミリ秒=所定の一定サンプリング時間ts)が経過する毎に、図17にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1700から処理を開始してステップ1705に進み、前述したパラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」であるか否かを判定する。
いま、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」であると仮定する。この場合、CPU71はステップ1705にて「Yes」と判定してステップ1710に進み、EGR供給フラグXEGRの値が「1」であるか否かを判定する。
このとき、EGR供給フラグXEGRの値が「1」であると、CPU71はステップ1710にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1715及びステップ1730の処理を順に行ってステップ1735に進む。
ステップ1715:CPU71は、本ルーチンを前回実行したときに得た検出空燃比abyfs(後述するステップ1725を参照。)を前回の検出空燃比abyfsoldとして記憶する。即ち、前回の検出空燃比abyfsoldは、現時点から4ms前の時点における検出空燃比abyfsである。
ステップ1720:CPU71は、その時点の空燃比センサ67の出力値VabyfsをAD変換することにより取得する。
ステップ1725:CPU71は、空燃比センサ67の出力値Vabyfsを図10に示した空燃比変換テーブルMapabyfsに適用することにより、今回の検出空燃比abyfsを取得する。
ステップ1730:CPU71は、EGRガス停止状態における検出空燃比変化率ΔAFon、検出空燃比変化率ΔAFonの絶対値の積算値SAFDon及び積算回数カウンタCnonの値を更新する。以下、これらの更新方法について具体的に説明する。
(G)検出空燃比変化率ΔAFonの更新。
CPU71は、検出空燃比変化率ΔAFonを、今回の検出空燃比abyfsから前回の検出空燃比abyfsoldを減じることによって取得する。即ち、今回の検出空燃比abyfsをabyfs(n)、前回の検出空燃比abyfsをabyfs(n−1)と表記すると、CPU71はステップ1730にて「今回の検出空燃比変化率ΔAFon(n)」を下記の(14)式に従って求める。
ΔAFon(n)=abyfs(n)−abyfs(n−1) …(14)
(H)検出空燃比変化率ΔAFonの絶対値|ΔAFon|の積算値SAFDonの更新。
CPU71は今回の積算値SAFDon(n)を下記の(15)式に従って求める。
SAFDon(n)=SAFDon(n−1)+|ΔAFon(n)|…(15)
積算値SAFDonに「今回の検出空燃比変化率の絶対値|ΔAFon(n)|」を積算する理由は、図12の(B)及び(C)からも理解されるように、検出空燃比変化率ΔAFon(n)は正の値にも負の値にもなるからである。なお、積算値SAFDonも、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
(I)検出空燃比変化率ΔAFonの絶対値の、積算値SAFDonへの積算回数カウンタCnonの更新。
CPU71は、下記の(16)式に従って、カウンタCnonの値を「1」だけ増大する。このカウンタCnonの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるとともに、後述するステップ1760にても「0」に設定される。従って、カウンタCnonの値は、積算値SAFDonに積算された検出空燃比変化率ΔAFonの絶対値|ΔAFon|のデータ数を示す。
Cnon(n)=Cnon(n−1)+1 …(16)
次に、CPU71はステップ1735に進み、第1気筒の圧縮上死点を基準としたクランク角CA(絶対クランク角CA)が720°クランク角になっているか否かを判定する。このとき、絶対クランク角CAが720°クランク角未満であると、CPU71はステップ1735にて「No」と判定してステップ1795に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。ステップ1735は、図16のステップ1635と同じ意義を有する。
一方、CPU71がステップ1735の処理を行う時点において、絶対クランク角CAが720°クランク角になっていると、CPU71はそのステップ1735にて「Yes」と判定し、ステップ1740に進む。CPU71は、そのステップ1740にて、
(J)検出空燃比変化率ΔAFonの絶対値|ΔAFon|の平均値AveΔAFonの算出、
(K)平均値AveΔAFonの積算値Saveonの算出、及び、
(L)積算回数カウンタCsonのインクリメント、
を行う。以下、これらの更新方法について具体的に説明する。
(J)検出空燃比変化率ΔAFonの絶対値|ΔAFon|の平均値AveΔAFon算出。
CPU71は、積算値SAFDonをカウンタCnonの値により除することにより、絶対値|ΔAFon|の平均値AveΔAFon(=SAFDon/Cnon)を算出する。この後、CPU71は積算値SAFDonを「0」に設定する。
(K)平均値AveΔAFonの積算値Saveonの算出。
CPU71は今回の積算値Saveon(n)を下記の(17)式に従って求める。即ち、CPU71は、ステップ1740に進んだ時点における前回の積算値Saveon(n−1)に上記算出した今回の平均値AveΔAFonを加えることにより、積算値Saveonを更新する。この積算値Saveonの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定される。
Saveon(n)=Saveon(n−1)+AveΔAFon …(17)
(L)積算回数カウンタCsonのインクリメント。
CPU71は、下記の(18)式に従って、カウンタCsonの値を「1」だけ増大する。Cson(n)は更新後のカウンタCsonであり、Cson(n−1)は更新前のカウンタCsonである。このカウンタCsonの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定される。従って、カウンタCsonの値は、積算値Saveonに積算された平均値AveΔAFonのデータ数を示す。
Cson(n)=Cson(n−1)+1 …(18)
次に、CPU71はステップ1745に進み、カウンタCsonの値が閾値Csonth以上であるか否かを判定する。このとき、カウンタCsonの値が閾値Csonth未満であると、CPU71はそのステップ1745にて「No」と判定し、ステップ1795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、閾値Csonthは閾値Csoffthと同じ値に設定される。
一方、CPU71がステップ1745の処理を行う時点において、カウンタCsonの値が閾値Csonth以上であると、CPU71はそのステップ1745にて「Yes」と判定してステップ1750に進み、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonを算出する。
より具体的に述べると、CPU71は下記(19)式に従って積算値SaveonをカウンタCsonの値(=Csonth)によって除することにより、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonを算出する。このEGR供給中インバランス判定用パラメータPonは、EGRガス供給状態が実現されている期間において、検出空燃比変化率ΔAFonの絶対値|ΔAFon|の一つの単位燃焼サイクル期間における平均値を、複数(Csonth回分)の単位燃焼サイクル期間について平均した値である。従って、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは、気筒別空燃比差が大きいほど大きくなるインバランス判定用パラメータである。
Pon=Saveon/Csonth …(19)
次いで、CPU71はステップ1755に進み、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値を「1」に設定する。その後、CPU71はステップ1795に進んで、本ルーチンを一旦終了する。なお、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。従って、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonは、その値が「1」であるとき「今回の機関10の運転開始後においてEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されたこと」を示し、その値が「0」であるとき「今回の機関10の運転開始後においてEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていないこと」を示す。
一方、CPU71がステップ1705に進んだ際にパラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」でない場合、及び、CPU71がステップ1710に進んだ際にEGR供給フラグXEGRの値が「1」でない場合、CPU71はステップ1760に進む。そして、CPU71はステップ1760にて各値(例えば、ΔAFon,SAFDon,Cnon等)を「0」に設定(クリア)し、その後、ステップ1795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。以上のようにして、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得される。
<空燃比気筒間インバランス判定(EGR起因のインバランス判定)>
次に、「空燃比気筒間インバランス判定」を行うための処理について説明する。CPU71は、4ms(4ミリ秒=所定の一定サンプリング時間ts)が経過する毎に、図18にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPUは図18のステップ1800から処理を開始してステップ1805に進み、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」であるか否かを判定する。このインバランス判定用パラメータの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定され、後述するステップ1840にて「1」に設定される。
いま、インバランス判定完了フラグXFINの値が「0」であると仮定する。この場合、CPU71はステップ1805にて「No」と判定してステップ1810に進み、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、フラグXPonの値が「1」でなければ(即ち、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていなければ)、CPU71はステップ1810にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「1」であると、CPU71はステップ1810にて「Yes」と判定してステップ1815に進み、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、フラグXPoffの値が「1」でなければ(即ち、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていなければ)、CPU71はステップ1815にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「1」であると、CPU71はステップ1815にて「Yes」と判定してステップ1820に進む。即ち、CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が、今回の機関10の始動後において取得された後にステップ1820に進む。
CPU71は、ステップ1820に進んだとき、下記の(20)式に従って、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonからEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを減じることにより、EGR起因インバランス判定用パラメータPegrを算出する。即ち、CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonとEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffとの差に応じた値(Pon−Poff及び|Pon−Poff|等)をEGR起因インバランス判定用パラメータPegrとして取得する。前述したように、このEGR起因インバランス判定用パラメータPegrは、EGRガスの供給に伴って発生する気筒別空燃比差を精度良く表す。なお、CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffに対するEGR供給中インバランス判定用パラメータPonの比(=Pon/Poff)をEGR起因インバランス判定用パラメータPegrとして取得してもよい。
Pegr=Pon−Poff …(20)
次に、CPU71はステップ1825に進み、EGR起因インバランス判定用パラメータPegrが所定のEGR起因インバランス判定用閾値Pegrthよりも大きいか否かを判定する。そして、EGR起因インバランス判定用パラメータPegrがEGR起因インバランス判定用閾値Pegrthよりも大きいとき、CPU71はEGR起因空燃比気筒間インバランス状態が発生したと判定してステップ1830に進み、EGR起因インバランス発生フラグXEGRINBの値を「1」に設定する。なお、このEGR起因インバランス発生フラグXEGRINBの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
次に、CPU71はステップ1835に進み、インバランス発生フラグXINBの値を「1」に設定する。このインバランス発生フラグXINBの値も上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
その後、CPU71はステップ1840に進んで判定完了フラグXFINの値を「1」に設定し、その後、ステップ1895に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、CPU71が本ルーチンを所定時間後に再び開始すると、CPU71はステップ1805にて「Yes」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ1825の処理を実行する時点において、EGR起因インバランス判定用パラメータPegrがEGR起因インバランス判定用閾値Pegrth未満であると、CPU71はEGR起因空燃比気筒間インバランス状態は発生していないと判定してステップ1845に進み、EGR起因インバランス発生フラグXEGRINBの値を「2」に設定する。
次に、CPU71はステップ1850に進み、後述する通常インバランス発生フラグXINJINBの値が「1」でないか否かを判定する。即ち、「EGRガスの供給以外の要因に依る空燃比気筒間インバランス状態(通常空燃比気筒間インバランス状態)が発生したと判定されていないか否か」を判定する。そして、フラグXINJINBの値が「1」でなければ、CPU71はステップ1855に進み、インバランス判定の結果「空燃比気筒間インバランス状態は発生していない」と判定されたことを示すために、インバランス発生フラグXINBの値を「2」に設定する。その後、CPU71はステップ1840を経由してステップ1895に進む。
また、フラグXINJINBの値が「1」であると、CPU71はステップ1850にて「Yes」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71は、図19にフローチャートにより示した「通常の空燃比気筒間インバランス判定ルーチン」を、4ms(一定サンプリング時間ts)が経過する毎に実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPUは図19のステップ1900から処理を開始してステップ1905に進み、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、インバランス判定完了フラグXFINの値が既に「1」に設定されていれば、CPU71はステップ1910からステップ1995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPU71がステップ1910の処理を実行する時点において、インバランス判定完了フラグXFINの値が「0」であると、CPU71はそのステップ1910にて「No」と判定してステップ1920に進み、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「1」であり且つEGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「0」であるか否かを判定する。即ち、CPU71は、機関10の始動後において、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない状態であるか否かを判定する。
このとき、ステップ1920の判定条件が成立していると、CPU71はステップ1920にて「Yes」と判定してステップ1930に進み、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが所定のEGR供給中インバランス判定用閾値Ponthよりも大きいか否かを判定する。
そして、パラメータPonが閾値Ponthよりも大きいとき、CPU71はステップ1930にて「Yes」と判定してステップ1940に進み、通常インバランス発生フラグXINJINBの値を「1」に設定する。即ち、CPU71は、パラメータPonが閾値Ponthよりも大きいとき、主としてEGRガスの供給以外の要因に依る空燃比気筒間インバランス状態(通常空燃比気筒間インバランス状態)が発生したと判定する。なお、通常インバランス発生フラグXINJINBの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
次いで、CPU71はステップ1950に進みインバランス発生フラグXINBの値を「1」に設定し、その後、ステップ1995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPU71がステップ1930の処理を実行する時点において、パラメータPonが閾値Ponth未満であるとき、CPU71はそのステップ1930にて「No」と判定し、ステップ1995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71がステップ1920の処理を実行する時点において、ステップ1920における判定条件が成立していないとき、CPU71はそのステップ1920にて「No」と判定してステップ1960に進み、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「0」であり且つEGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「1」であるか否かを判定する。即ち、CPU71は、機関10の始動後において、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない状態であるか否かを判定する。
このとき、ステップ1960の判定条件が成立していると、CPU71はステップ1960にて「Yes」と判定してステップ1970に進み、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが所定のEGR停止中インバランス判定用閾値Poffthよりも大きいか否かを判定する。
そして、パラメータPoffが閾値Poffthよりも大きいとき、CPU71はステップ1970にて「Yes」と判定してステップ1940に進み、通常インバランス発生フラグXINJINBの値を「1」に設定する。即ち、CPU71は、パラメータPoffが閾値Poffthよりも大きいとき、主としてEGRガスの供給以外の要因に依る空燃比気筒間インバランス状態(通常空燃比気筒間インバランス状態)が発生したと判定する。次いで、CPU71はステップ1950に進みインバランス発生フラグXINBの値を「1」に設定し、その後、ステップ1995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPU71がステップ1970の処理を実行する時点において、パラメータPoffが閾値Poffth未満であるとき、CPU71はそのステップ1970にて「No」と判定し、ステップ1995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、第1判定装置は、機関10の排気集合部HKに排ガスを排出するように構成された少なくとも2以上の気筒(第1判定装置においては第1〜第4気筒の総て)のそれぞれに供給される混合気の空燃比の、同2以上の気筒の間における差(気筒別空燃比差)が、所定値以上である状態(空燃比気筒間インバランス状態)が発生しているか否かを判定するための装置である。
更に、第1判定装置は、
複数の燃料噴射弁39と、
複数のEGRガス供給口54bを備えたEGRガス供給手段(54、55)と、
機関10の運転状態が所定のEGR実行条件を満たしたとき前記複数のEGRガス供給口を通してEGRガスの供給を行うEGRガス供給状態を実現し(図15のステップ1510における「Yes」との判定を参照。)、且つ、機関10の運転状態が前記EGR実行条件を満たしていないときEGRガスの供給を停止するEGRガス停止状態を実現する(図15のステップ1510における「No」との判定を参照。)、EGRガス供給制御手段(図15のルーチン)と、
空燃比センサ67と、
前記空燃比センサ67の出力値Vabyfsに基いて、前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを取得し(図16のルーチン)、
前記空燃比センサ67の出力値Vabyfsに基いて、前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR供給中インバランス判定用パラメータPonを取得し(図17のルーチン)、
EGR供給中インバランス判定用パラメータPonとEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffとの相違の程度に応じて変化するEGR起因インバランス判定用パラメータPegrを取得する(図18のステップ1820)、インバランス判定用パラメータ取得手段と、
EGR起因インバランス判定用パラメータPegrとEGR起因インバランス判定用閾値Pegrthとを比較するとともにその比較の結果に基づいて前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するインバランス判定手段と(図18のステップ1825を参照。)、
を備える。
前述したように、EGR起因インバランス判定用パラメータPegrは、EGRガスの供給以外の要因による気筒別空燃比差の影響を受け難く、EGRガスの供給に基づいて発生する気筒別空燃比差を精度良く表す。従って、第1判定装置は、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを精度良く判定することができる。
更に、第1判定装置のインバランス判定手段は、
EGR供給中インバランス判定用パラメータPonと所定のEGR供給中インバランス判定用閾値Ponthとを比較するとともにその比較の結果に基づいても前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するように構成されている(図19のステップ1930を参照。)。
従って、仮に、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていなくても、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されていれば、大きな気筒別空燃比差が生じている場合には空燃比気筒間インバランス状態が発生していると判定することができる。
更に、第1判定装置の前記インバランス判定手段は、
EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffと所定のEGR停止中インバランス判定用閾値Poffthとを比較するとともにその比較の結果に基づいても前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するように構成されている(図19のステップ1970を参照。)。
従って、仮に、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されていなくても、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていれば、大きな気筒別空燃比差が生じている場合には空燃比気筒間インバランス状態が発生していると判定することができる。
なお、第1判定装置のCPU71は、図18のステップ1820にて「EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffに対するEGR供給中インバランス判定用パラメータPonの比(=Pon/Poff)」をEGR起因インバランス判定用パラメータPegrとして取得してもよい。この場合、CPU71は、ステップ1825にて「そのパラメータPegrが、「1」よりも大きい所定のEGR起因インバランス判定用閾値Pegrthよりも大きいか否かを判定する」ように構成される。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る判定装置(以下、単に「第2判定装置」と称呼する。)について説明する。第2判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが既に取得されているか否か、及び、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが既に取得されているか否か、に応じて、EGR実行領域を変更することにより、これらの両パラメータをできるだけ早期に取得するように構成されている点のみにおいて、第1判定装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第2判定装置のCPU71は、EGR実行領域を次のように設定する。
(場合1)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が未だ取得されていない場合、EGR実行領域を通常EGR実行領域に設定する。通常EGR実行領域は、図20の(A)に線L1により囲まれた斜線の付された領域である。この通常EGR実行領域は、図15のステップ1510のブロック内に示されたEGR実行領域と同じ領域である。
(場合2)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が既に取得されている場合、EGR実行領域を通常EGR実行領域に設定する。なお、CPU71は、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」である場合にも、EGR実行領域を通常EGR実行領域に設定する。
(場合3)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合、EGR実行領域を縮小EGR実行領域に設定する。縮小EGR実行領域は、図20の(B)に線L2により囲まれた斜線の付された領域である。この縮小EGR実行領域は、通常EGR実行領域よりも狭く、通常EGR実行領域の内側に設定されている。即ち、縮小EGR実行領域は、通常EGR実行領域の一部の領域である。
(場合4)CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合、EGR実行領域を拡大EGR実行領域に設定する。拡大EGR実行領域は、図20の(C)に線L3により囲まれた斜線の付された領域である。この拡大EGR実行領域は、通常EGR実行領域よりも広い。即ち、通常EGR実行領域は、拡大EGR実行領域の一部の領域である。
第2判定装置のCPU71は、第1判定装置と同様、図13乃至図19に示したルーチンを実行する。更に、第2判定装置のCPU71は、図15のステップ1510の処理を実行する際、図21にフローチャートにより示した「EGR実行領域決定ルーチン」を実行することにより、ステップ1510の処理を行うためのEGR実行領域を定めるようになっている。以下、CPU71が図15のステップ1510に進んだ際の処理を図21に従って説明する。
CPU71は、ステップ1510に進むと図21のステップ2100からステップ2105に進み、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、インバランス判定完了フラグXFINの値が既に「1」に設定されていれば、CPU71はステップ2105からステップ2110に進んで、EGR実行領域を定めるマップとして通常EGR実行領域を定めるマップ(図20の(A)を参照。)を設定する。その後、CPU71はステップ2195に進んで本ルーチンを終了し、図15のステップ1510の判定を行う。
CPUがステップ2105の処理を実行する時点において、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」でなければ、CPU71はそのステップ2105にて「No」と判定してステップ2115に進み、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、フラグXPonの値が「1」であると、CPU71はステップ2115にて「Yes」と判定してステップ2120に進み、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「1」であるか否かを判定する。
このとき、フラグXPoff値が「1」であるとCPU71はステップ2120にて「Yes」と判定してステップ2125に進み、EGR実行領域を定めるマップとして通常EGR実行領域を定めるマップ(図20の(A)を参照。)を設定する。その後、CPU71はステップ2195に進んで本ルーチンを終了し、図15のステップ1510の判定を行う。
これに対し、CPUがステップ2120の処理を実行する時点において、フラグXPoff値が「0」であると、CPU71はそのステップ2120にて「No」と判定してステップ2130に進み、EGR実行領域を定めるマップとして縮小EGR実行領域を定めるマップ(図20の(B)を参照。)を設定する。その後、CPU71はステップ2195に進んで本ルーチンを終了し、図15のステップ1510の判定を行う。
更に、CPUがステップ2115の処理を実行する時点において、フラグXPonの値が「0」であると、CPU71はステップ2115にて「No」と判定してステップ2135に進み、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「1」であるか否かを判定する。
このとき、フラグXPoff値が「1」であるとCPU71はステップ2135にて「Yes」と判定してステップ2140に進み、EGR実行領域を定めるマップとして拡大EGR実行領域を定めるマップ(図20の(C)を参照。)を設定する。その後、CPU71はステップ2195に進んで本ルーチンを終了し、図15のステップ1510の判定を行う。
これに対し、CPUがステップ2135の処理を実行する時点において、フラグXPoffの値が「0」であると、CPU71はそのステップ2135にて「No」と判定してステップ2145に進み、EGR実行領域を定めるマップとして通常EGR実行領域を定めるマップ(図20の(A)を参照。)を設定する。その後、CPU71はステップ2195に進んで本ルーチンを終了し、図15のステップ1510の判定を行う。
そして、CPU71は、図15のステップ1510にて、機関10の運転パラメータ(ここでは、負荷KL及び機関回転速度NE)により表される機関10の運転状態が「上述のように設定されたマップにより定められるEGR実行領域」にあるか否かを判定する。更に、CPU71は、機関10の運転状態が「上述のように設定されたマップにより定められるEGR実行領域」にある場合、ステップ1540に進んでEGR供給状態を実現する。これに対し、機関10の運転状態が「上述のように設定されたマップにより定められるEGR実行領域」にない場合、ステップ1520に進んでEGR停止状態を実現する。
以上、説明したように、第2判定装置において、EGR実行条件は少なくとも「機関10の実際の回転速度NEと機関10の実際の負荷KLとがEGR実行領域内にあるとき」に成立するように定められている。
更に、第2判定装置のCPU71は、
EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの両者が共に取得されていない場合(図21のステップ2115及びステップ2135の両ステップにおいて「No」と判定される場合)、並びに、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの両者が共に取得されている場合(図21のステップ2115及びステップ2120の両ステップにおいて「Yes」と判定される場合)、前記EGR実行領域を通常EGR実行領域に設定し(ステップ2125及びステップ2145を参照。)、
EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得され且つEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていない場合(図21のステップ2115にて「Yes」と判定され且つステップ2120にて「No」と判定される場合)、前記EGR実行領域を縮小EGR実行領域に設定するEGRガス供給制御手段を有する(ステップ2130を参照。)。
これによれば、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが先に取得されていて、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合、EGR実行領域が狭められるので、EGRガス停止状態が実現される頻度が増大する。従って、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを早期に取得することができる。
よって、第2判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方を早期に取得することができる。この結果、第2判定装置は、EGR起因インバランス判定用パラメータPegrを早期に取得することができるので、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
更に、第2判定装置のCPU71は、
EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得され且つEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されていない場合(図21のステップ2115にて「No」と判定され且つステップ2135にて「Yes」と判定される場合)、前記EGR実行領域を拡大EGR実行領域に設定するEGRガス供給制御手段を有する(ステップ2140を参照。)。
これによれば、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが先に取得されていて、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合、前記EGR実行領域が広げられるので、EGRガス供給状態が実現される頻度が増大する。従って、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonを早期に取得することができる。
よって、第2判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方を早期に取得することができる。この結果、第2判定装置は、EGR起因インバランス判定用パラメータPegrを早期に取得することができるので、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る判定装置(以下、単に「第3判定装置」と称呼する。)について説明する。第3判定装置は、機関回転速度NE及び機関10の負荷KLが所定のパラメータ取得領域内にあるときにインバランス判定用パラメータ(EGR停止中インバランス判定用パラメータPoff及びEGR供給中インバランス判定用パラメータPon)の取得を許容する点、縮小EGR実行領域を「通常EGR実行領域のうちのパラメータ取得領域以外の領域」に設定する点、並びに、拡大EGR実行領域を「通常EGR実行領域に、通常EGR実行領域とパラメータ取得領域とが重複しない領域を加えた領域(即ち、通常EGR実行領域とパラメータ取得領域との少なくとも一方に含まれる(属する)領域)」に設定する点のみにおいて、第2判定装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。なお、本例において、パラメータ取得領域と通常EGR実行領域とは一部のみにおいて重複している。
第3判定装置のCPU71は、機関回転速度NE及び機関負荷KLが図22の(A)〜(C)に破線L4に囲まれたパラメータ取得領域にある場合であってEGRガス供給状態が実現されているときにEGR供給中インバランス判定用パラメータPonを取得する。更に、第3判定装置のCPU71は、機関回転速度NE及び機関負荷KLがパラメータ取得領域にある場合であってEGRガス停止状態が実現されているときにEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを取得する。
第3判定装置のCPU71は、EGR実行領域を次のように設定する。
(場合1)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が未だ取得されていない場合、EGR実行領域を通常EGR実行領域に設定する。通常EGR実行領域は、図22の(A)に線L1により囲まれた斜線の付された領域である。この領域は、図15のステップ1510のブロック内に示されたEGR実行領域、及び、図20の線L1により囲まれた領域と同じ領域である。
(場合2)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が既に取得されている場合、EGR実行領域を通常EGR実行領域に設定する。なお、CPU71は、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」である場合にも、EGR実行領域を通常EGR実行領域に設定する。
(場合3)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合、EGR実行領域を「図22の(B)に線L2により囲まれた斜線の付された領域」に設定する。この縮小EGR実行領域は、通常EGR実行領域よりも狭く、通常EGR実行領域であってパラメータ取得領域でない領域である。
(場合4)CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合、EGR実行領域を「図22の(C)に線L3により囲まれた斜線の付された領域」に設定する。この拡大EGR実行領域は、通常EGR実行領域よりも広く、「通常EGR実行領域に、通常EGR実行領域とパラメータ取得領域とが重複しない領域、を加えた領域」である。
第3判定装置のCPU71は、第1判定装置と同様、図13乃至図19に示したルーチンを実行する。更に、第3判定装置のCPU71は、図15のステップ1510の処理を実行する際、図21にフローチャートにより示した「EGR実行領域決定ルーチン」を実行することにより、ステップ1510の処理を行うためのEGR実行領域を定めるようになっている。加えて、第3判定装置のCPU71は、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値を設定するために図23にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。図23に示したルーチン以外は説明済みであるので、ここでは図23に示したルーチンについて主として説明する。
<パラメータ取得許可フラグXkyokaの設定>
前述したように、CPU71は、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」であるとき、インバランス判定用パラメータを取得する(図16のステップ1605及び図17のステップ1705を参照。)。
このパラメータ取得許可フラグXkyokaは、CPU71が図23にフローチャートにより示した「判定許可フラグ設定ルーチン」を所定時間(4ms)が経過する毎に実行することにより設定される。なお、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
所定のタイミングになると、CPU71は図23のステップ2300から処理を開始してステップ2310に進み、絶対クランク角CAが0°クランク角(=720°クランク角)であるか否かを判定する。
CPU71がステップ2310の処理を行う時点において、絶対クランク角CAが0°クランク角でなければ、CPU71はそのステップ2310にて「No」と判定してステップ2340に直接進む。
これに対し、CPU71がステップ2310の処理を行う時点において、絶対クランク角CAが0°クランク角であると、CPU71はそのステップ2310にて「Yes」と判定してステップ2320に進み、パラメータ取得条件が成立しているか否かを判定する。即ち、CPU71は以下に述べる取得許可条件1〜5の総てが成立しているか否かを判定する。取得許可条件1〜4は、上述した取得許可条件1〜4とそれぞれ同じ条件である。
(取得許可条件1)冷却水温THWが閾値冷却水温THWth以上である。
(取得許可条件2)アクセルペダル操作量Accpの単位時間あたりの変化量ΔAccpが閾値アクセルペダル変化量ΔAccpth以下である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件3)吸入空気流量Gaが閾値吸入空気流量Gath以上である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件4)機関回転速度NEが閾値回転速度NEth以下である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件5)機関回転速度NE及び機関負荷KLにより表される機関10の運転状態が「図22の(A)に破線L4により示したパラメータ取得領域」内にある。
CPU71がステップ2320の処理を行う時点において、パラメータ取得条件が成立していなければ、CPU71はそのステップ2320にて「No」と判定し、ステップ2340に直接進む。
これに対し、CPU71がステップ2320の処理を行う時点において、パラメータ取得条件が成立していると、CPU71はそのステップ2320にて「Yes」と判定してステップ2330に進み、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値を「1」に設定する。その後、CPU71はステップ2340に進む。
CPU71はステップ2340にて、上記パラメータ取得条件が不成立であるか否かを判定する。そして、パラメータ取得条件が不成立であると、CPU71はそのステップ2340からステップ2350に進み、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値を「0」に設定し、ステップ2395に進んで本ルーチンを一旦終了する。これに対し、CPU71がステップ2340の処理を行う時点において、パラメータ取得条件が成立していれば、CPU71はそのステップ2340からステップ2395へと直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
このように、パラメータ取得許可フラグXkyokaは、絶対クランク角が0°クランク角になった時点においてパラメータ取得条件が成立しているときに「1」に設定され、パラメータ取得条件が不成立になった時点において「0」に設定される。
この結果、CPU71は、機関回転速度NE及び機関負荷KLにより表される機関10の運転状態がパラメータ取得領内にあることを条件に、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを取得する(図16のステップ1605及び図17のステップ1705を参照。)。
更に、CPU71は、図21のステップ2110、ステップ2125、ステップ2145に進んだとき、EGR実行領域を「図22の(A)に線L1により囲まれた斜線の付された領域」に設定する。CPU71は、図21のステップ2130に進んだとき、EGR実行領域を「図22の(B)に線L2により囲まれた斜線の付された領域」に設定する。更に、CPU71は、図21のステップ2140に進んだとき、EGR実行領域を「図22の(C)に線L3により囲まれた斜線の付された領域」に設定する。
以上、説明したように、第3判定装置におけるインバランス判定用パラメータ取得手段は、機関10の実際の回転速度NEと機関10の実際の負荷KLとが「インバランス判定用パラメータの取得を許容する所定のパラメータ取得領域」内にあり(図23のステップ2320の取得許可条件5及びステップ2330を参照。)且つEGRガス供給状態が実現されているときにEGR供給中インバランス判定用パラメータPonを取得し(図17のステップ1705及びステップ1710の両ステップにおける「Yes」との判定を参照。)、機関10の実際の回転速度NEと機関10の実際の負荷KLとが前記パラメータ取得領域内にあり(図23のステップ2320の取得許可条件5及びステップ2330を参照。)且つEGRガス停止状態が実現されているときにEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを取得するように構成されている(図16のステップ1605及びステップ1610の両ステップにおける「Yes」との判定を参照。)。
これによれば、EGR停止状態が実現されているとしても、機関10が「インバランス判定用パラメータの取得を許容するパラメータ取得領域」にて運転されていなければ、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されない。
そこで、第3判定装置におけるEGRガス供給制御手段は、
縮小EGR実行領域を「通常EGR実行領域のうちのパラメータ取得領域でない領域」に設定するように構成されている(図21のステップ2130及び図22の(B)の斜線部を参照。)。
この結果、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているがEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていない場合において、そのEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを取得するために「本来はEGRガスが供給されるべきとき(即ち、機関10が通常EGR実行領域にて運転されているとき)にEGRガスの供給が不必要に停止される事態」が発生しないので、エミッションが悪化する可能性を低減することができる。
同様に、第3判定装置においては、EGR供給状態が実現されているとしても、機関10が「インバランス判定用パラメータの取得を許容するパラメータ取得領域」にて運転されていなければ、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されない。
そこで、第3判定装置におけるEGRガス供給制御手段は、
拡大EGR実行領域を「通常EGR実行領域に、通常EGR実行領域とパラメータ取得領域とが重複しない領域、を加えた領域」に設定するように構成されている(図21のステップ2140及び図22の(C)の斜線部を参照。)。
この結果、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているがEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されていない場合において、そのEGR供給中インバランス判定用パラメータPonを取得するために「本来はEGRガスが供給されるべきでないとき(即ち、機関10が通常EGR実行領域以外の領域にて運転されているとき)にEGRガスが不必要に供給される事態」が発生しないので、燃費が悪化したりドライバビリティが悪化したりする等の可能性を低減することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る判定装置(以下、単に「第4判定装置」と称呼する。)について説明する。
第4判定装置は、EGRガスを供給すべき条件(EGR実行条件)が成立している期間と、実際にEGRガスを供給する期間とを、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffのそれぞれが取得されているか否かに応じて以下に述べるように相違させる。
(場合1)EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が未だ取得されていない場合。
CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立している期間と実際にEGRガスを供給する期間とを一致させる。
即ち、CPU71は、図24のタイムチャートに示したように、EGRガスを供給すべき条件が成立しているときに「1」に設定されるEGR実行条件成立フラグXEGRjokenと、その値が「1」であるときにEGRガスの供給を許可(実行)するEGR実行許可フラグXEGRkyokaと、を同じように変化させる(時刻t2及び時刻t4を参照。)。
(場合2)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が既に取得されている場合。
この場合においても、CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立している期間と実際にEGRガスを供給する期間とを一致させる。なお、CPU71は、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」である場合にも、EGRガスを供給すべき条件が成立している期間と実際にEGRガスを供給する期間とを一致させる。
(場合3)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合。
CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立していて且つEGRガスを供給すべき条件が成立してからの経過時間(EGR実行条件成立後経過時間)Tonが開始遅延時間Tondth以上となった時点からEGRガスの供給を開始するとともに、EGRガスを供給すべき条件が不成立となったときEGRガスの供給を直ちに停止する。これにより、EGR停止状態が実現されている期間が長くなるので、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが早期に取得され得る。
即ち、CPU71は、図25のタイムチャートに示したように、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「0」から「1」へと変化してから、開始遅延時間Tondthが経過した時点にてEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「1」に変更する(時刻t2及び時刻t3を参照。)。これに対し、CPU71は、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「1」から「0」へと変化した時点にてEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「0」に変更する(時刻t4を参照。)。
(場合4)CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合。
CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立したときEGRガスの供給を直ちに開始するとともに、EGRガスを供給すべき条件が不成立となってからの経過時間(EGR実行条件不成立後経過時間)Toffが停止遅延時間Toffdth以上となった時点にてEGRガスの供給を停止する。これにより、EGR供給状態が実現されている期間が長くなるので、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが早期に取得され得る。
即ち、CPU71は、図26のタイムチャートに示したように、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「0」から「1」へと変化した時点にてEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「1」に変更する(時刻t2を参照。)。これに対し、CPU71は、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「1」から「0」へと変化してから、停止遅延時間Toffdthか経過した時点にてEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「0」に変更する(時刻t4及び時刻t5を参照。)。
次に、第4判定装置の実際の作動について説明する。第4判定装置のCPU71は、図13乃至図19(但し、図15を除く。)に示したルーチンと、図27乃至図31に示したルーチンと、を実行する。図27乃至図31に示したルーチン以外は説明済みであるので、ここでは図27乃至図31に示したルーチンについて主として説明する。なお、既に他のルーチンにおいて説明したステップと同一の処理を行うためのステップには、そのような既に説明したステップに付された符号と同一の符合を付している。
CPU71は、所定時間が経過する毎に図27にフローチャートにより示した「EGR制御ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ2700から処理を開始してステップ2710に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値が「1」であるか否かを判定する。EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値は、図28乃至図31に示したルーチンにより設定される。なお、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値が「0」であると、CPU71はステップ1520及びステップ1530の処理を実行し、本ルーチンを一旦終了する。従って、EGR停止状態が実現されるとともに、EGR供給フラグXEGRの値が「0」に設定される。これに対し、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値が「1」であると、CPU71はステップ1540及びステップ1550の処理を実行し、本ルーチンを一旦終了する。従って、EGR供給状態が実現されるとともに、EGR供給フラグXEGRの値が「1」に設定される。
CPU71は、所定時間が経過する毎に図28にフローチャートにより示した「EGR実行条件成立フラグ設定ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ2800から処理を開始してステップ2810に進み、ステップ1510と同様の判定を行う。即ち、CPU71は、機関回転速度NE及び機関負荷KLにより表される機関10の運転状態がEGR実行領域(通常EGR実行領域)内にあるか否かを判定する。
機関回転速度NE及び機関負荷KLにより表される機関10の運転状態がEGR実行領域内にあるとき、CPU71はステップ2810にて「Yes」と判定してステップ2820に進み、その他のEGR実行条件が成立しているか否かを判定する。その他のEGR実行条件は、例えば、冷却水温THWがEGR許容冷却水温THWthegr以上であるときに成立する。なお、ステップ2810及びステップ2820は、EGR実行条件が成立しているか否かを判定するステップである。
そして、その他のEGR実行条件が成立していると、CPU71はステップ2830に進んでEGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値を「1」に設定する。なお、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値は上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
これに対し、機関回転速度NE及び機関負荷KLにより表される機関10の運転状態がEGR実行領域内にない場合、及び/又は、その他のEGR実行条件が成立していない場合、CPU71はステップ2840に進んでEGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値を「0」に設定する。
更に、CPU71は、所定時間が経過する毎に図29にフローチャートにより示した「EGR実行許可フラグ設定ルーチン(1)」を実行するようになっている。このルーチンによれば、CPU71は、次に述べる場合においてステップ2940に進み、その他の場合にはステップ2940に進むことなく本ルーチンを一旦終了する。
(1)EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が取得されておらず、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの両方の値が「0」である場合(ステップ2910における「Yes」との判定を参照。)、
(2)EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が取得されていて、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの両方の値が「1」である場合(ステップ2920における「Yes」との判定を参照。)、及び、
(3)インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」である場合(ステップ2930における「Yes」との判定を参照。)。
CPU71は、ステップ2940に進んだ場合、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「1」であるか否かを判定する。そして、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「1」である場合、CPU71はステップ2950に進んでEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「1」に設定する。この結果、EGR供給状態が実現される(図27のステップ2710での「Yes」との判定を参照。)。
これに対し、CPUがステップ2940に進んだとき、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「0」であれば、CPU71はステップ2960に進んでEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「0」に設定する。この結果、EGR停止状態が実現される(図27のステップ2710での「No」との判定を参照。)。この結果、CPU71がステップ2940に進む場合、CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立している期間と実際にEGRガスを供給する期間とを一致させる。
更に、CPU71は、所定時間が経過する毎に図30にフローチャートにより示した「EGR実行許可フラグ設定ルーチン(2)」を実行するようになっている。このルーチンによれば、CPU71は、「EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは既に取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合」においてステップ3020に進み、その他の場合にはステップ3020に進むことなく本ルーチンを一旦終了する。
即ち、CPU71はステップ3010にて「EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「1」であり、且つ、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「0」であるか否か」を判定し、そのステップ3010にて「Yes」と判定したときステップ3020に進む。
CPU71は、ステップ3020に進んだ場合、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「1」であるか否かを判定する。そして、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「1」である場合、CPU71はステップ3030に進み、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「0」から「1」へと変化してからの経過時間であるEGR実行条件成立後経過時間Tonが開始遅延時間Tondth以上となったか否かを判定する。
このとき、EGR実行条件成立後経過時間Tonが開始遅延時間Tondth未満であると、CPU71はステップ3030にて「No」と判定してステップ3050に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値の値を「0」に設定し、その後、ステップ3095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUがステップ3030の処理を実行する時点において、EGR実行条件成立後経過時間Tonが開始遅延時間Tondth以上であると、CPU71はステップ3030にて「Yes」と判定してステップ3040に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値の値を「1」に設定し、その後、ステップ3095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUがステップ3020の処理を実行する時点において、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「0」である場合、CPU71はステップ3050に進んでEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値の値を「0」に設定し、その後、ステップ3095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
この結果、CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合、EGR実行条件成立後経過時間Tonが開始遅延時間Tondth以上となった時点からEGRガスの供給を開始するとともに、EGRガスを供給すべき条件が不成立となったときEGRガスの供給を直ちに停止する。
更に、CPU71は、所定時間が経過する毎に図31にフローチャートにより示した「EGR実行許可フラグ設定ルーチン(3)」を実行するようになっている。このルーチンによれば、CPU71は、「EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは既に取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合」においてステップ3120に進み、その他の場合にはステップ3120に進むことなく本ルーチンを一旦終了する。
即ち、CPU71はステップ3110にて「EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「0」であり、且つ、EGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「1」であるか否か」を判定し、そのステップ3110にて「Yes」と判定したときステップ3120に進む。
CPU71は、ステップ3120に進んだ場合、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「0」であるか否かを判定する。そして、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「0」である場合、CPU71はステップ3130に進み、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「1」から「0」へと変化してからの経過時間であるEGR実行条件不成立後経過時間Toffが停止遅延時間Toffdth以上となったか否かを判定する。
このとき、EGR実行条件不成立後経過時間Toffが停止遅延時間Toffdth未満であると、CPU71はステップ3130にて「No」と判定してステップ3150に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値の値を「1」に設定し、その後、ステップ3195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUがステップ3130の処理を実行する時点において、EGR実行条件不成立後経過時間Toffが停止遅延時間Toffdth以上であると、CPU71はステップ3130にて「Yes」と判定してステップ3140に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値の値を「0」に設定し、その後、ステップ3195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUがステップ3120の処理を実行する時点において、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値が「1」である場合、CPU71はステップ3150に進んでEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値の値を「1」に設定し、その後、ステップ3195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
この結果、CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合、EGRガスを供給すべき条件が成立したときEGRガスの供給を直ちに開始するとともに、EGR実行条件不成立後経過時間Toffが停止遅延時間Toffdth以上となった時点にてEGRガスの供給を停止する。
以上、説明したように、第4判定装置のEGRガス供給制御手段は、
EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得され且つEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていない場合、EGR実行条件が満足した状態が所定の開始遅延時間Tondth以上経過したときEGR供給状態を実現するとともに、EGR実行条件が満足されなくなったときEGR停止状態を実現するように構成されている(図27、図28及び図30のルーチンを参照。)。
従って、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが先に取得されていて、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合、開始遅延時間Tondthが経過する期間においてEGR供給状態は実現されないから、EGR停止状態が実現される頻度が増大する。よって、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを早期に取得することができる。その結果、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方を早期に取得することができるので、EGR起因インバランス判定用パラメータを早期に取得することができる。従って、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
更に、第4判定装置のEGRガス供給制御手段は、
EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得され且つEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されていない場合、EGR実行条件が満足したときEGR供給状態を実現するとともに、EGR実行条件が満足されなくなった状態が所定の停止遅延時間Toffdth以上経過したときEGR停止状態を実現するように構成されている(図27、図28及び図31のルーチンを参照。)。
従って、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが先に取得されていて、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合、停止遅延時間Toffdthが経過する期間においてEGR停止状態は実現されないから、EGR供給状態が実現される頻度が増大する。よって、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonを早期に取得することができる。その結果、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方を早期に取得することができるので、EGR起因インバランス判定用パラメータを早期に取得することができる。従って、EGRガス供給手段の異常に起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを早期に判定することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る判定装置(以下、単に「第5判定装置」と称呼する。)について説明する。
第5判定装置は、以下の点のみにおいて、第4判定装置と相違する。
(相違点1)第5判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合において、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「0」から「1」へと変化してから開始遅延時間Tondthが経過する前の時点(即ち、EGR開始遅延期間中)であっても、パラメータ取得条件が不成立となれば直ちにEGRガスの供給を開始する。
(相違点2)第5判定装置は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合において、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「1」から「0」へと変化してから停止遅延時間Toffdthが経過する前の時点(即ち、EGR終了遅延期間中)であっても、パラメータ取得条件が不成立となれば直ちにEGRガスの供給を停止する。
より具体的に述べると、第5判定装置のCPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立している期間と、実際にEGRガスを供給する期間とを、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されているか否か、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されているか否か、及び、パラメータ取得条件が成立しているか否か、に応じて以下に述べるように相違させる。
(場合1、2)EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が未だ取得されていない場合、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの双方が既に取得されている場合、並びに、インバランス判定完了フラグXFINの値が「1」である場合。
CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立している期間と実際にEGRガスを供給する期間とを、パラメータ取得条件が成立しているか否かに拘わらず一致させる。
即ち、CPU71は、図32のタイムチャートに示したように、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenと、EGR実行許可フラグXEGRkyokaと、を同じように変化させる(時刻t2及び時刻t4を参照。)。
(場合3)CPU71は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない場合。
CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立していて且つEGRガスを供給すべき条件が成立してからの経過時間(EGR実行条件成立後経過時間)Tonが開始遅延時間Tondth以上となった時点からEGRガスの供給を開始する。但し、CPU71は、EGR実行条件成立後経過時間Tonが開始遅延時間Tondth以上となる前の時点であっても、パラメータ取得条件が不成立になると、直ちにEGRガスの供給を開始する。
更に、CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が不成立となったときEGRガスの供給を直ちに停止する。
即ち、CPU71は、図33のタイムチャートに示したように、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「0」から「1」へと変化してから開始遅延時間Tondthが経過する時点(時刻t3)よりも前の時点であっても、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」になればEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「1」に変更する(時刻tc2を参照。)。これに対し、CPU71は、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「1」から「0」へと変化した時点にてEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「0」に変更する(時刻t4を参照。)。
(場合4)CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない場合。
CPU71は、EGRガスを供給すべき条件が成立したときEGRガスの供給を直ちに開始するとともに、EGRガスを供給すべき条件が不成立となってからの経過時間(EGR実行条件不成立後経過時間)Toffが停止遅延時間Toffdth以上となった時点にてEGRガスの供給を停止する。但し、CPU71は、EGR実行条件不成立後経過時間Toffが停止遅延時間Toffdth以上となる前の時点であっても、パラメータ取得条件が不成立になると、直ちにEGRガスの供給を停止する。
即ち、CPU71は、図34のタイムチャートに示したように、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「0」から「1」へと変化した時点にてEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「1」に変更する(時刻t2を参照。)。更に、CPU71は、EGR実行条件成立フラグXEGRjokenが「1」から「0」へと変化した時点から停止遅延時間Toffdthが経過する時点(時刻t5)よりも前の時点であっても、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」になればEGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「0」に変更する(時刻td1を参照。)。
次に、第5判定装置の実際の作動について説明する。第5判定装置のCPU71は、図13乃至図19(但し、図15を除く。)に示したルーチンと、図35乃至図37に示したルーチンと、を実行する。図35乃至図37に示したルーチン以外は説明済みであるので、ここでは図35乃至図37に示したルーチンについて主として説明する。なお、既に他のルーチンにおいて説明したステップと同一の処理を行うためのステップには、そのような既に説明したステップに付された符号と同一の符合を付している。
CPU71は、所定時間が経過する毎に図35にフローチャートにより示した「EGR実行許可フラグ設定ルーチン(1)」を実行するようになっている。このルーチンは、図29に示したルーチンと同一のルーチンである。従って、フラグXPon及びフラグXPoffの値が共に「0」又は「1」である場合、及び、フラグXFINの値が「1」である場合、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値はEGR実行条件成立フラグXEGRjokenの値と同じように変更させられる。
更に、CPU71は、所定時間が経過する毎に図36にフローチャートにより示した「EGR実行許可フラグ設定ルーチン(2)」を実行するようになっている。このルーチンは、図30に示したルーチンにステップ3610を追加したルーチンである。
即ち、CPU71はステップ3030にて「No」と判定するとステップ3610に進み、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」であるか否かを判定する。
そして、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」である場合、CPU71はステップ3610にて「Yes」と判定してステップ3040に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「1」に設定する。これに対し、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」である場合、CPU71はステップ3610にて「No」と判定してステップ3050に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「0」に設定する。
これにより、EGR実行条件成立後経過時間Tonが開始遅延時間Tondth以上となる前の時点であっても、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」になれば、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値が「1」に設定され、EGRガスの供給が開始される。
更に、CPU71は、所定時間が経過する毎に図37にフローチャートにより示した「EGR実行許可フラグ設定ルーチン(3)」を実行するようになっている。このルーチンは、図31に示したルーチンにステップ3710を追加したルーチンである。
即ち、CPU71はステップ3130にて「No」と判定するとステップ3710に進み、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」であるか否かを判定する。
そして、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」である場合、CPU71はステップ3710にて「Yes」と判定してステップ3140に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「0」に設定する。これに対し、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「1」である場合、CPU71はステップ3710にて「No」と判定してステップ3150に進み、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値を「1」に設定する。
これにより、EGR実行条件不成立後経過時間Toffが停止遅延時間Toffdth以上となる前の時点であっても、パラメータ取得許可フラグXkyokaの値が「0」になれば、EGR実行許可フラグXEGRkyokaの値が「0」に設定され、EGRガスの供給が停止される。
以上、説明したように、第5判定装置は第4判定装置のインバランス判定用パラメータ取得手段と同じインバランス判定用パラメータ取得手段を備える。
加えて、第5判定装置のEGRガス供給制御手段は、
EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得され且つEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていない場合、EGR実行条件が満足した状態が所定の開始遅延時間Tondth以上経過したときEGR供給状態を実現するとともに、EGR実行条件が満足されなくなったときEGR停止状態を実現するように構成されている(図27、図28及び図36のルーチンを参照。)。これにより、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを早期に取得することができる。
但し、パラメータ取得条件が成立していないとき、EGR停止状態が実現されていたとしてもEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されない。つまり、このような場合、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを取得するために、開始遅延時間Tondthが経過するまでEGR停止状態を実現する意味がない。
そこで、このEGRガス供給制御手段は、
EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得され且つEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていない場合、EGR実行条件が満足している状態において開始遅延時間Tondth以上が経過する前であってもパラメータ取得条件が不成立となったときにはEGR供給状態を実現するように構成されている(図36のステップ3030、ステップ3610及びステップ3040を参照。)。
これによれば、本来はEGRガスが供給されるべきときにEGRガスが供給されない事態が発生する頻度が低下するので、エミッションが悪化する可能性を低減することができる。
加えて、第5判定装置のEGRガス供給制御手段は、
EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得され且つEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されていない場合、EGR実行条件が満足したときEGR供給状態を実現するとともに、EGR実行条件が満足されなくなった状態が所定の停止遅延時間Toffdth以上経過したときEGR停止状態を実現するように構成されている(図27、図28及び図37のルーチンを参照。)。これにより、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonを早期に取得することができる。
但し、パラメータ取得条件が成立していないとき、EGR供給状態が実現されていたとしてもEGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されない。つまり、このような場合、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonを取得するために、停止遅延時間Toffdthが経過するまでEGR供給状態を実現する意味がない。
そこで、このEGRガス供給制御手段は、
EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得され且つEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されていない場合、EGR実行条件が満足されなくなった状態において停止遅延時間Toffdth以上経過する以前であってもパラメータ取得条件が不成立となったときEGR停止状態を実現するように構成されている(図37のステップ3130、ステップ3710及びステップ3140を参照。)。
これによれば、本来はEGRガスが停止されるべきときにEGRガスが供給される事態が発生する頻度が低下するので、燃費が悪化したりドライバビリティが悪化したりする等の可能性を低減することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る判定装置(以下、単に「第6判定装置」と称呼する。)について説明する。
第6判定装置は、以下の点のみにおいて、第1判定装置と相違する。
(相違点1)第6判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの両方が取得されていない場合、以下に述べる複数の取得許可条件が成立したとき、パラメータ取得許可フラグXkyokaを「1」に設定する。即ち、第6判定装置のパラメータ取得条件は、以下の取得許可条件1,2,6及び7の総てが成立したときに成立する。このうち、取得許可条件1及び2は第1判定装置における取得許可条件1及び2とそれぞれ同じ条件である。
(取得許可条件1)冷却水温THWが閾値冷却水温THWth以上である。
(取得許可条件2)アクセルペダル操作量Accpの単位時間あたりの変化量ΔAccpが閾値アクセルペダル変化量ΔAccpth以下である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件6)機関回転速度NEが低側機関回転速度NELow1以上であり且つ高側機関回転速度NEHi1以下である(図38を参照。)。
(取得許可条件7)吸入空気流量Gaが低側吸入空気流量GaLow1以上であり且つ高側吸入空気流量GaHi1以下である(図38を参照。)。
(相違点2)第6判定装置は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoff及びEGR供給中インバランス判定用パラメータPonの両方が取得されていない場合、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを求めている期間における「機関回転速度NE及び吸入空気流量Ga」の平均値をそれぞれ「停止時平均回転速度NEoff及び停止時平均吸入空気流量Gaoff」として取得するとともに、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonを求めている期間における「機関回転速度NE及び吸入空気流量Ga」の平均値をそれぞれ「供給時平均回転速度NEon及び供給時平均吸入空気流量Gaon」として取得する。
例えば、停止時平均回転速度NEoffは、次のようにして求められる。
CPU71は、図16のステップ1630において、その時点の機関回転速度NEを積算しておき、ステップ1640においてその積算値を積算回数カウンタCnoffの値により除することにより単位燃焼サイクル期間における平均回転速度を求め、更に、その平均回転速度をステップ1640において積算しておき、ステップ1650においてその積算値を積算回数カウンタCsoffの値(=Csoffth)により除することにより、停止時平均回転速度NEoffを求める。
同様に、停止時平均吸入空気流量Gaoffは、次のようにして求められる。
CPU71は、図16のステップ1630において、その時点の吸入空気流量Gaを積算しておき、ステップ1640においてその積算値を積算回数カウンタCnoffの値により除することにより単位燃焼サイクル期間における平均負荷を求め、更に、その平均負荷をステップ1640において積算しておき、ステップ1650においてその積算値を積算回数カウンタCsoffの値(=Csoffth)により除することにより、停止時平均吸入空気流量Gaoffを求める。
例えば、供給時平均回転速度NEonは、次のようにして求められる。
CPU71は、図17のステップ1730において、その時点の機関回転速度NEを積算しておき、ステップ1740においてその積算値を積算回数カウンタCnonの値により除することにより単位燃焼サイクル期間における平均回転速度を求め、更に、その平均回転速度をステップ1740において積算しておき、ステップ1750においてその積算値を積算回数カウンタCsonの値(=Csonth)により除することにより、供給時平均回転速度NEonを求める。
同様に、供給時平均吸入空気流量Gaonは、次のようにして求められる。
CPU71は、図17のステップ1730において、その時点の吸入空気流量Gaを積算しておき、ステップ1740においてその積算値を積算回数カウンタCnonの値により除することにより単位燃焼サイクル期間における平均負荷を求め、更に、その平均負荷をステップ1740において積算しておき、ステップ1750においてその積算値を積算回数カウンタCsonの値(=Csonth)により除することにより、供給時平均吸入空気流量Gaonを求める。
(相違点3)第6判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonは取得されているが、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが未だ取得されていない状態になったとき、その時点までにEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを算出するために取得したデータを総て破棄する。更に、第6判定装置は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの取得を許可する条件を以下に述べる複数の取得許可条件が成立したときに成立する条件へと変更する。
(取得許可条件1)冷却水温THWが閾値冷却水温THWth以上である。
(取得許可条件2)アクセルペダル操作量Accpの単位時間あたりの変化量ΔAccpが閾値アクセルペダル変化量ΔAccpth以下である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件6a)機関回転速度NEが、修正低側機関回転速度NELow2以上であり且つ修正高側機関回転速度NEHi2以下である(図39の実線を参照。)。修正低側機関回転速度NELow2は、供給時平均回転速度NEonから一定回転速度dNE(>0)を減じた値である。修正高側機関回転速度NEHi2は、供給時平均回転速度NEonに一定回転速度dNEを加えた値である。
(取得許可条件7a)吸入空気流量Gaが、修正低側吸入空気流量GaLow2以上であり且つ修正高側吸入空気流量GaHi2以下である(図39の実線を参照。)。修正低側吸入空気流量GaLow2は、供給時平均吸入空気流量Gaonから一定吸入空気流量dGa(>0)を減じた値である。修正高側吸入空気流量GaHi2は、供給時平均吸入空気流量Gaonに一定吸入空気流量dGaを加えた値である。
(相違点4)第6判定装置は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffは取得されているが、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが未だ取得されていない状態になったとき、その時点までにEGR供給中インバランス判定用パラメータPonを算出するために取得したデータを総て破棄する。更に、第6判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonの取得を許可する条件を以下に述べる複数の取得許可条件が成立したときに成立する条件へと変更する。
(取得許可条件1)冷却水温THWが閾値冷却水温THWth以上である。
(取得許可条件2)アクセルペダル操作量Accpの単位時間あたりの変化量ΔAccpが閾値アクセルペダル変化量ΔAccpth以下である状態が所定時間以上継続している。
(取得許可条件6b)機関回転速度NEが、修正低側機関回転速度NELow3以上であり且つ修正高側機関回転速度NEHi3以下である(図40の実線を参照。)。修正低側機関回転速度NELow3は、停止時平均回転速度NEoffから一定回転速度dNE(>0)を減じた値である。修正高側機関回転速度NEHi3は、停止時平均回転速度NEoffに一定回転速度dNEを加えた値である。
(取得許可条件7b)吸入空気流量Gaが、修正低側吸入空気流量GaLow3以上であり且つ修正高側吸入空気流量GaHi3以下である(図40の実線を参照。)。修正低側吸入空気流量GaLow3は、停止時平均吸入空気流量Gaoffから一定吸入空気流量dGa(>0)を減じた値である。修正高側吸入空気流量GaHi3は、停止時平均吸入空気流量Gaoffに一定吸入空気流量dGaを加えた値である。
EGR停止中インバランス判定用パラメータPoff及びEGR供給中インバランス判定用パラメータPonは、それらの元となるデータ(検出空燃比変化率ΔAFon及びΔAFoff)が取得された期間における機関10の運転状態によっても変動する。従って、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが互いに近しい運転状態において取得されたパラメータである方が、それらの差である上記EGR起因インバランス判定用パラメータPegrに運転状態の相違による影響が現れ難い。その結果、インバランス判定の精度が向上する。
そこで、第6判定装置は、EGR供給中インバランス判定用パラメータPonがEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffよりも先に取得された場合、そのEGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得された期間における運転状態(機関回転速度NE及び吸入空気流量Ga)と近しい運転状態においてEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを取得するように構成される。
同様に、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffがEGR供給中インバランス判定用パラメータPonよりも先に取得された場合には、そのEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得された期間における運転状態(機関回転速度NE及び吸入空気流量Ga)と近しい運転状態においてEGR供給中インバランス判定用パラメータPonを取得するように構成される。
そして、このように取得されたEGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffに基いて上記EGR起因インバランス判定用パラメータPegrを取得する。
この結果、第6判定装置は、EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを第1判定装置よりも精度良く判定することができる。
(実際の作動)
第6判定装置のCPU71は、所定時間が経過する毎に図41にフローチャートにより示した「パラメータ取得領域再設定ルーチン」を実行するようになっている。
CPU71はステップ4110にて、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「1」であり且つEGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「0」であるか否かを判定する。EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得され且つEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されていない場合、このステップ4110の条件は成立する。従って、この場合、CPU71はステップ4110にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ4120乃至ステップ4140の処理を順に行い、ステップ4195に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ4120:CPU71は、修正低側機関回転速度NELow2(=供給時平均回転速度NEon−一定回転速度dNE)、修正高側機関回転速度NEHi2(=供給時平均回転速度NEon+一定回転速度dNE)、修正低側吸入空気流量GaLow2(=供給時平均吸入空気流量Gaon−一定吸入空気流量dGa)、及び、修正高側吸入空気流量GaHi2(=供給時平均吸入空気流量Gaon+一定吸入空気流量dGa)を求める。
ステップ4130:CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffを求めるために取得していた各データ(ΔAFoff、SAFDoff、Cnoff、AveΔAFoff、Saveoff、Csoff等)を破棄する。
ステップ4140:EGR停止中インバランス判定用パラメータPoffの取得を許可する条件のうちの「上記取得許可条件6及び上記取得許可条件7」を「上記取得許可条件6a及び上記取得許可条件7a」に変更する。
一方、CPUがステップ4110の処理を行う時点において、そのステップ4110の条件が成立していなければ、CPU71はそのステップ4110にて「No」と判定してステップ4150に進む。
CPU71は、ステップ4150にて、EGR供給中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPonの値が「0」であり且つEGR停止中インバランス判定用パラメータ算出完了フラグXPoffの値が「1」であるか否かを判定する。EGR供給中インバランス判定用パラメータPonが取得されておらず且つEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffが取得されている場合、このステップ4150の条件は成立する。従って、この場合、CPU71はステップ4150にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ4160乃至ステップ4180の処理を順に行い、ステップ4195に進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、CPU71はステップ4150にて「No」と判定した場合、ステップ4195に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ4160:CPU71は、修正低側機関回転速度NELow3(=停止時平均回転速度NEoff−一定回転速度dNE)、修正高側機関回転速度NEHi3(=停止時平均回転速度NEoff+一定回転速度dNE)、修正低側吸入空気流量GaLow3(=停止時平均吸入空気流量Gaoff−一定吸入空気流量dGa)、及び、修正高側吸入空気流量GaHi3(=停止時平均吸入空気流量Gaoff+一定吸入空気流量dGa)を求める。
ステップ4170:CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPonを求めるために取得していた各データ(ΔAFon、SAFDon、Cnon、AveΔAFon、Saveon、Cson等)を破棄する。
ステップ4180:CPU71は、EGR停止中インバランス判定用パラメータPonの取得を許可する条件のうちの「上記取得許可条件6及び上記取得許可条件7」を「上記取得許可条件6b及び上記取得許可条件7b」に変更する。
以上、説明したように、第6判定装置によれば、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffのうち先に取得されたパラメータが得られた期間における運転状態と近しい運転状態にて未だ取得されていないパラメータが取得される。その結果、EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoffとの差に基くEGR起因インバランス判定用パラメータPegrが運転状態の相違による影響を受けない。従って、EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを精度良く判定することができる。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係る空燃比気筒間インバランス判定装置は、EGRガスに起因する空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを精度良く且つ早期に判定することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、インバランス判定用パラメータ(EGR供給中インバランス判定用パラメータPon及びEGR停止中インバランス判定用パラメータPoff)は、以下に述べるパラメータであってもよい。
(P1)インバランス判定用パラメータは、空燃比センサ67の出力値Vabyfsの軌跡長又は検出空燃比abyfsの軌跡長に応じた値であってもよい。例えば、検出空燃比abyfsの軌跡長は、一定サンプリング時間tsが経過する毎に出力値Vabyfsを取得するとともに、その出力値Vabyfsを検出空燃比abyfsへと変換し、その検出空燃比abyfsと、一定サンプリング時間ts前に取得した検出空燃比abyfsと、の差の絶対値を積算することによって求めることができる。
この軌跡長は、単位燃焼サイクル期間毎に求められることが望ましい。複数の単位燃焼サイクル期間についての軌跡長の平均値(即ち、軌跡長に応じた値)をインバランス判定用パラメータとして採用してもよい。なお、出力値Vabyfsの軌跡長及び検出空燃比abyfsの軌跡長は、機関回転速度NEが大きいほど大きくなる傾向を有するので、各判定装置は、機関回転速度NEが大きいほどインバランス判定用閾値を大きくすることが好ましい。
(P2)インバランス判定用パラメータは、図12の(D)に示したような「空燃比センサ67の出力値Vabyfs又は検出空燃比abyfs」の変化率の変化率(即ち、これらの値の時間に関する二階微分値)に応じた値であってもよい。例えば、インバランス判定用パラメータは、「空燃比センサ67の出力値Vabyfsの時間に関する二階微分値d(Vabyfs)/dt」の絶対値の単位燃焼サイクル期間における最大値、又は、「上流側空燃比センサ67の出力値Vabyfsにより表される検出空燃比abyfsの時間に関する二階微分値d(abyfs)/dt)」の絶対値の単位燃焼サイクル期間における最大値であってもよい。
例えば、検出空燃比abyfsの変化率の変化率は次のようにして取得することができる。
・一定サンプリング時間tsが経過する毎に出力値Vabyfsを取得する。
・その出力値Vabyfsを検出空燃比abyfsへと変換する。
・その検出空燃比abyfsと、一定サンプリング時間ts前に取得した検出空燃比abyfsと、の差を検出空燃比abyfsの変化率として取得する。
・その検出空燃比abyfsの変化率と、一定サンプリング時間ts前に取得した検出空燃比abyfsの変化率と、の差を検出空燃比abyfsの変化率の変化率として取得する。
この場合、「単位燃焼サイクル期間内において複数得られた検出空燃比abyfsの変化率の変化率」の中から「その絶対値が最大である値」を選択し、その最大値を複数の単位燃焼サイクル期間に対して求め、それらの平均値をインバランス判定用パラメータとして採用していもよい。
上述したように、空燃比気筒間インバランス状態が発生している場合、空燃比センサ67の出力値Vabyfsは、空燃比センサ67に到達する排ガスが、「非インバランス気筒からの排ガスからインバランス気筒からの排ガスへと変化したとき、及び、インバランス気筒からの排ガスから非インバランス気筒からの排ガスへと変化したとき」に急激に変化する。従って、図12の(D)に実線C4により示したように、空燃比センサ67の出力値Vabyfsにより表される検出空燃比abyfsの変化率の変化率は、空燃比気筒間インバランス状態が発生すると、その絶対値が大きくなる。更に、検出空燃比abyfsの変化率の変化率の絶対値は、インバランス気筒の空燃比と非インバランス気筒の空燃比との差の大きさ(気筒別空燃比差)が大きいほど大きくなる。
(P4)インバランス判定用パラメータは、「上流側空燃比センサ67の出力値Vabyfsを機関回転速度NE、機関10の絶対クランク角CA及び吸入空気流量Ga等に基づいて分析することによって推定される気筒別空燃比」の間の差の大きさ(例えば、気筒別空燃比のうちの最大値と最小値との差の絶対値等)であってもよい(例えば、特開2000−220489号公報を参照。)。
なお、上記各実施形態がインバランス判定用パラメータの基礎となるデータとして取得する検出空燃比変化率ΔAFは、吸入空気流量Gaに依存して変化するが、機関回転速度NEに依存しては殆ど変化しない。これは、「外側保護カバー67b及び内側保護カバー67c」の内部における排ガスの流速は、外側保護カバー67bの流出孔67b2近傍を流れる排ガスEXの流速(従って、吸入空気流量Ga)に応じて変化するが、機関回転速度NEに応じては変化しないからである。

Claims (16)

  1. 複数の気筒を有する多気筒内燃機関に適用され、前記機関の排気通路の一つの排気集合部に排ガスを排出するように構成された前記複数の気筒のうちの少なくとも2以上の気筒のそれぞれに供給される混合気の空燃比の、同2以上の気筒の間における差、である気筒別空燃比差が所定値以上である空燃比気筒間インバランス状態が発生しているか否かを判定する空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記少なくとも2以上の気筒のそれぞれに対応して配設されるとともに同2以上の気筒のそれぞれの燃焼室に供給される前記混合気に含まれる燃料をそれぞれ噴射する複数の燃料噴射弁と、
    前記少なくとも2以上の気筒のそれぞれに対応して配設されるとともに同2以上の気筒のそれぞれの燃焼室に外部EGRガスをそれぞれ供給する複数のEGRガス供給口を備えたEGRガス供給手段と、
    前記機関の運転状態が所定のEGR実行条件を満たしたとき前記複数のEGRガス供給口を通して前記外部EGRガスの供給を行うEGRガス供給状態を実現し、且つ、前記機関の運転状態が前記EGR実行条件を満たしていないとき前記外部EGRガスの供給を停止するEGRガス停止状態を実現するEGRガス供給制御手段と、
    前記排気集合部又は前記排気通路の前記排気集合部よりも下流側の部位に配設されるとともにその配設された部位の排ガスの空燃比に応じた出力値を発生する空燃比センサと、
    前記空燃比センサの出力値に基いて、前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR停止中インバランス判定用パラメータを取得し、
    前記空燃比センサの出力値に基いて、前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記気筒別空燃比差が大きくなるほどその絶対値が大きくなるEGR供給中インバランス判定用パラメータを取得し、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと前記EGR停止中インバランス判定用パラメータとの相違の程度に応じて変化するEGR起因インバランス判定用パラメータを取得するインバランス判定用パラメータ取得手段と、
    前記EGR起因インバランス判定用パラメータと所定のEGR起因インバランス判定用閾値とを比較するとともにその比較の結果に基づいて前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するインバランス判定手段と、
    を備えた空燃比気筒間インバランス判定装置。
  2. 請求項1に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと前記EGR停止中インバランス判定用パラメータとの差に応じた値を前記EGR起因インバランス判定用パラメータとして取得するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  3. 請求項1に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータに対する前記EGR供給中インバランス判定用パラメータの比に応じた値を前記EGR起因インバランス判定用パラメータとして取得するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記EGR実行条件は、前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とがEGR実行領域内にあるときに成立する条件であり、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されていない場合、並びに、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されている場合、前記EGR実行領域を所定の通常EGR実行領域に設定し、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行領域を前記通常EGR実行領域内であって且つ同通常EGR実行領域よりも狭い縮小EGR実行領域に設定するように構成された、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  5. 請求項4に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
    前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが前記インバランス判定用パラメータの取得を許容する所定のパラメータ取得領域内にあり且つ前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得し、
    前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが前記パラメータ取得領域内にあり且つ前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得するように構成され、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記縮小EGR実行領域を前記通常EGR実行領域のうちの前記パラメータ取得領域でない領域に設定するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  6. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記EGR実行条件は、前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とがEGR実行領域内にあるときに成立する条件であり、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されていない場合、並びに、前記EGR供給中インバランス判定用パラメータ及び前記EGR停止中インバランス判定用パラメータの両者が共に取得されている場合、前記EGR実行領域を所定の通常EGR実行領域に設定し、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行領域を前記通常EGR実行領域を含み且つ同通常EGR実行領域よりも広い拡大EGR実行領域に設定するように構成された、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  7. 請求項6に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
    前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが前記インバランス判定用パラメータの取得を許容する所定のパラメータ取得領域内にあり且つ前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得し、
    前記機関の実際の回転速度と前記機関の実際の負荷とが前記パラメータ取得領域内にあり且つ前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得するように構成され、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記拡大EGR実行領域を前記通常EGR実行領域と前記パラメータ取得領域との少なくとも一方に含まれる領域に設定するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  8. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足した状態が所定の開始遅延時間以上経過したとき前記EGR供給状態を実現するとともに前記EGR実行条件が満足されなくなったとき前記EGR停止状態を実現するように構成された、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  9. 請求項8に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
    前記インバランス判定用パラメータを取得するための所定のパラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得し、
    前記パラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得するように構成され、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足している状態において前記開始遅延時間以上経過する以前であっても前記パラメータ取得条件が不成立となったとき前記EGR供給状態を実現するように構成された、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  10. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足したとき前記EGR供給状態を実現するとともに前記EGR実行条件が満足されなくなった状態が所定の停止遅延時間以上経過したとき前記EGR停止状態を実現するように構成された、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  11. 請求項10に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記インバランス判定用パラメータ取得手段は、
    前記インバランス判定用パラメータを取得するための所定のパラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス停止状態が実現されているときに前記EGR停止中インバランス判定用パラメータを取得し、
    前記パラメータ取得条件が成立していて且つ前記EGRガス供給状態が実現されているときに前記EGR供給中インバランス判定用パラメータを取得するように構成され、
    前記EGRガス供給制御手段は、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータが取得され且つ前記EGR供給中インバランス判定用パラメータが取得されていない場合、前記EGR実行条件が満足されなくなった状態において前記停止遅延時間以上経過する以前であっても前記パラメータ取得条件が不成立となったとき前記EGR停止状態を実現するように構成された、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  12. 請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記インバランス判定手段は、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータと所定のEGR供給中インバランス判定用閾値とを比較するとともにその比較の結果に基づいても前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  13. 請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
    前記インバランス判定手段は、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータと所定のEGR停止中インバランス判定用閾値とを比較するとともにその比較の結果に基づいても前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについて判定するように構成された空燃比気筒間インバランス判定装置。
  14. 請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に応じた値であり、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に応じた値である、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  15. 請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量の変化量に応じた値であり、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の単位時間あたりの変化量に変化量に応じた値である、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
  16. 請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
    前記EGR供給中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の軌跡長に応じた値であり、
    前記EGR停止中インバランス判定用パラメータは、前記空燃比センサの出力値の軌跡長に応じた値である、
    空燃比気筒間インバランス判定装置。
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