JP5195513B2 - 車両のクラッチユニット - Google Patents
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Description
さらに、冷却用の潤滑油を供給する油路は、変速機入力軸に沿って軸方向に延在され、第2クラッチの内周で第2クラッチに向かうものと、軸方向に沿って第1クラッチに向かうものとに分岐された構造となっている。
したがって、2個のクラッチの圧油の供給バランスが、温度影響などで変化する場合があり、この場合、冷却性能が不安定になるおそれがある。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図2に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
外周円筒部301aは、その外周に、モータジェネレータMGのロータ100が、一体的に結合されている。
前端壁301bおよび後端壁301cは、モータハウジングMHに回転可能に支持されている。
そして、外側円筒部601が、ユニットハウジング301の外周円筒部301aとの間に隙間709を有した状態で、この外周円筒部301aに結合されている。一方、内周リング部603は、入力軸500の先端に相対回転可能に支持されている。
フリクションプレート211bは、各セパレートプレート211aの間に介在され、出力軸400に一体に設けられた内周クラッチハブ401に、軸方向に移動可能で円周方向に移動不可能にスプライン結合されている。なお、内周クラッチハブ401は、出力軸400の先端から外径方向に延在された先端フランジ402の外周部に結合されている。
フリクションプレート221bは、各セパレートプレート221aの間に介在され、入力軸500側に結合された内周クラッチハブ510に、軸方向に移動可能で円周方向に移動不可能にスプライン結合されている。
なお、内周クラッチハブ510は、入力軸500にスプライン結合された出力軸側回転部材520と、両者の間にトーションスプリング530を周方向に介在した一体構造となっている。
そこで、以下に、その構成について説明する。
この循環油路700において、クラッチユニット300には、ユニット内経路RTが設けられており、このユニット内経路RTによる潤滑油の流れを矢印で示している。
図において矢印で示すように、ポンプ702の吐出圧は、入力軸500を通り、入力軸500と出力軸400との間に至るポンプ油路705に導かれる。なお、図では、ポンプ油路705は、入力軸500の外部に示されているが、入力軸500に沿って形成されている。
この連通路770は、スプライン707、連通室708、隙間709で構成されている。
すなわち、第1背室312は、セパレートプレート211aを結合するスプライン707を介して、第1ピストン212と底壁部材600との間に形成された連通室708に連通されている。この連通室708は、外側シール材212bにより第1油室311とシールされている。
この連通室708は、底壁部材600の外周とユニットハウジング301の外周円筒部301aとの間に形成された隙間709を介し、第2背室322に連通されている。
以上説明したように、流入口706から第1締結部211および第2締結部221を経由して、流出口711aに至る経路が、ユニット内経路RTである。
実施例1のクラッチユニット300では、エンジン始動時など、第1クラッチCL1を締結する際などには、ショックを軽減するために、スリップ制御が行なわれる。
また、WSCモード時には、第2クラッチCL2がスリップ制御される。なお、前述したように、WSCモードは、HEVモードからのP,N→Dセレクト発進時、EVモードやHEVモードからのDレンジ発進時等に実行される。
また、第1クラッチCL1のスリップは、エンジン始動時に締結を完了するまでの短時間のみ行なわれるのに対し、第2クラッチCL2のスリップは、発進の度に実行され、また変速時にも実行してもよく、頻度、時間とも第1クラッチCL1よりも多くなる。
この排出路711を通る潤滑油は、クーラ703で冷却された後、自動変速機ATの内部機構704の冷却を行なった後、オイルパン701に戻る。この経路の循環を繰り返して両クラッチCL1,CL2および内部機構704の冷却を行なう。
a)潤滑油が、第1クラッチCL1と第2クラッチCL2とを直列に流れて冷却するため、それぞれのクラッチCL1、CL2を別個に並列に冷却するのと比較して、潤滑油の流量を抑えることが可能となる。したがって、潤滑油を供給するポンプ702の仕事量を低減させることが可能となり、燃費の改善を図ることが可能となる。
しかも、第1クラッチCL1と第2クラッチCL2とを直列に冷却するため、各クラッチCL1,CL2に個別に温度変化などが生じても、両クラッチCL1,CL2の流量は同じであり、流量バランスが変化することがない。したがって、流量バランスが変化するものと比較して、両クラッチCL1,CL2を一定のバランスで冷却することができる。
したがって、第1クラッチCL1の熱容量を小さく設定することができ、レイアウト性で有利になる。
特に、本実施例1のように、ユニットハウジング301の外側にモータジェネレータMGを配置したHEVユニットでは、第1クラッチCL1を通過した相対的に低温の潤滑油を外周円筒部301aの内周に供給するようにしている。よって、第2クラッチCL2を通過したものを供給するものと比較して、外周円筒部301aの冷却効果が高く、モータジェネレータMGの熱による減磁に対して有利となる。
ユニット内経路RTをこのように形成したことで、クラッチユニット300の回転を利用して、潤滑油を効率良く循環させることができる。
一方、第2クラッチCL2は、シールリング721,721を設けているため、潤滑油の全体流量における第2締結部221の通過量を確保でき、冷却性能を確保することができる。
このように、発熱量が相対的に高い第2クラッチCL2の冷却性は確保しながらも、全体では、ポンプ仕事量を抑えて、燃費向上を図ることが可能である。
しかも、クラッチユニット300の冷却で加熱された冷却用流体を、いったんクーラ703で冷却した後に、内部機構704に供給するため、内部機構704の冷却性能を確保できる。
221 第2締結部
300 クラッチユニット
301 ユニットハウジング
310 第1クラッチ室
320 第2クラッチ室
400 出力軸
500 入力軸
700 循環油路
702 ポンプ
703 クーラ
704 内部機構(被冷却部)
706 流入口
707 スプライン
708 連通室
709 隙間
711a 流出口
721 シールリング(シール材)
770 連通路
CL1 第1クラッチ(第1のクラッチ)
CL2 第2クラッチ(第2のクラッチ)
RT ユニット内経路
Claims (5)
- 車両の駆動伝達経路に、回転軸方向に並んで配置された湿式の第1のクラッチおよび湿式の第2のクラッチと、
両クラッチを、液密下に収容したユニットハウジングと、
を備え、前記ユニットハウジングに、両クラッチの冷却用の潤滑油を循環可能に形成された循環油路が接続された車両のクラッチユニットであって、
前記循環油路の、前記ユニットハウジング内の経路であるユニット内経路が、両クラッチを直列に通過する経路構成であり、
前記ユニット内経路は、前記第1のクラッチの軸心側に設けられた流入口と、前記ユニットハウジングにおいて、前記第1のクラッチの外周と前記第2のクラッチの外周とを連通させる連通路と、前記第2のクラッチの軸心側に設けられた流出口と、を備えていることを特徴とする車両のクラッチユニット。 - 両クラッチの相対的に発熱量の小さなものを第1のクラッチとするとともに、相対的に発熱量の大きなものを第2のクラッチとし、
前記ユニット内経路は、前記第1のクラッチを前記第2のクラッチの上流とする向きに前記潤滑油を流す構成であることを特徴とする請求項1に記載の車両のクラッチユニット。 - 前記循環油路は、前記ユニットハウジングに向けて前記潤滑油を圧送するポンプを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両のクラッチユニット。
- 前記第2のクラッチの、相互に擦れ合って締結する締結要素を備えた締結部に、前記潤滑油が、前記締結部の軸方向外部に漏れるのを抑制するシール材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のクラッチユニット。
- 前記循環経路には、前記クラッチユニットの下流に、他の冷却対象である被冷却部が設けられているとともに、この被冷却部と前記クラッチユニットとの間に、前記潤滑油を冷却するクーラが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のクラッチユニット。
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