JP5104785B2 - クラッチ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の駆動系等に適用され、クラッチレリーズ装置を備えたクラッチ構造に関するものである。
従来、回転伝達軸にベアリングを介して固定されたクラッチハウジングに、回転伝達軸を包囲する円筒状のシリンダーと、このシリンダーに嵌合する環状ピストンとを有するクラッチレリーズ装置を固定したクラッチ構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-340026号公報
ところで、従来のクラッチ構造では、回転伝達軸から径方向(ラジアル方向)の荷重が入力した場合、この荷重による衝撃力がクラッチレリーズ装置にダイレクトに伝達されてしまうという問題があった。さらに、回転伝達軸からの衝撃力の緩和のためにクラッチハウジングに柔構造を設けると、衝撃力によるクラッチハウジングの変形に伴ってクラッチレリーズ装置のシリンダーに変形歪が生じるおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、クラッチレリーズ装置に入力する衝撃力を緩和すると共に、クラッチレリーズ装置の変形を防止することができるクラッチ構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、回転伝達軸に取り付けられた乾式クラッチと、油圧によりシリンダーに挿入されたピストンが移動して乾式クラッチを開放するクラッチレリーズ装置と、ベアリングを介して回転伝達軸を支持すると共に乾式クラッチに対向した支持壁とを備えたクラッチ構造において、支持壁は、回転伝達軸を取り囲むと共に、内側にクラッチレリーズ装置を配置する薄肉の環状収納部を有している。また、クラッチレリーズ装置は、シリンダーから延在され、環状収納部の外周壁部から径方向外側に延びる隔壁部に固定手段を介して固定されるフランジ部を有し、クラッチレリーズ装置と環状収納部との間には、回転伝達軸とクラッチレリーズ装置との中心軸合わせのための合せ代部を有している。そして、環状収納部の内周壁部とシリンダーとの間には、合せ代部と回転伝達軸の径方向揺動可能量とを合計した大きさ以上の隙間を設けた。そして、環状収納部の外周壁部とシリンダーとの間には、合せ代部以上の隙間を設けた。さらに、環状収納部の底壁部とシリンダーとの間には、油圧によるシリンダーの変形可能量以上の隙間を設けた。
よって、本発明のクラッチ構造にあっては、内側にクラッチレリーズ装置を配置する薄肉の環状収納部を支持壁に設け、環状収納部の外周壁部から径方向外側に延びる隔壁部に固定手段を介して固定されるフランジ部をクラッチレリーズ装置のシリンダーに設けたことで、回転駆動軸から入力した衝撃力を環状収納部が変形することによって吸収することができる。また、環状収納部とクラッチレリーズ装置のシリンダーとの間に隙間を設けたことで、回転伝達軸からの荷重による環状収納部の変形をこの隙間で吸収し、シリンダーに変形歪が生じることを防止できる。
この結果、クラッチレリーズ装置に入力する衝撃力を緩和すると共に、クラッチレリーズ装置の変形を防止することができる。
実施例1のクラッチ構造が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1のクラッチ構造が適用されたモータユニットを示す全体概略図である。 実施例1のサブアッセンブリーによるモータ/ジェネレータMGを示す組み立て構成図である。 図2に示すA部の拡大図である。 (a)は実施例1のクラッチ構造における衝撃力緩和作用を説明する説明図であり、(b)は実施例1のクラッチ構造における変形防止作用を説明する説明図である。 実施例1のクラッチ構造における第一の変形例を示す要部拡大図である。 実施例1のクラッチ構造における第二の変形例を示す要部拡大図である。 (a) は図7に示すクラッチ構造における作用を説明するための説明図であり、(b) は図7に示すクラッチ構造における作用を説明するための正面模式図である。 (a)は実施例1のクラッチ構造における第三の変形例を示す要部拡大図であり、(b)は図9に示すクラッチ構造における作用を説明するための説明図である。 実施例2のクラッチ構造を示す要部拡大図である。 実施例2のクラッチ構造における第一の変形例を示す要部拡大図である。 (a)はシリンダー固定ボルトの内側位置に柔構造を設けたクラッチ構造(比較例1)を示す要部拡大図であり、(b)はシリンダー固定ボルトの外側位置に柔構造を設けたクラッチ構造(比較例2)を示す要部拡大図である。
以下、本発明のクラッチ構造を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2、それらの変形例に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のクラッチ構造が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両を示す全体システム図である。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータ/ジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
前記エンジンEngは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御やフューエルカット制御等が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
前記第1クラッチCL1は、前記エンジンEngとモータ/ジェネレータMGの間に介装されたクラッチであり、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、締結・スリップ締結(半クラッチ状態)・開放が制御される。この第1クラッチCL1としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力にて完全締結を保ち、ピストン14aを有するクラッチレリーズ装置14を用いたストローク制御により、スリップ締結から完全開放までが制御されるノーマルクローズの乾式単板クラッチが用いられる。クラッチレリーズ装置14は、レリーズフォークの代わりに、クラッチレリーズ軸受をピストン14aに取り付けてダイアフラムスプリングを押圧する油圧アクチュエータであり、CSC(Concentric Slave Cylinderの略)とも呼ばれる。
前記モータ/ジェネレータMGは、モータロータに永久磁石を埋設しモータステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータ/ジェネレータであり、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータ/ジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この動作状態を「力行」と呼ぶ)、モータロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギーを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータ/ジェネレータMGのモータロータは、自動変速機ATの変速機入力軸に連結されている。
前記第2クラッチCL2は、前記モータ/ジェネレータMGと左右後輪RL、RRの間に介装されたクラッチであり、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、締結・スリップ締結・開放が制御される。この第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できるノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。なお、第1クラッチ油圧ユニット6と第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに付設されるAT油圧コントロールバルブユニットCVUに内蔵している。
前記自動変速機ATは、例えば、前進7速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機であり、前記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。そして、前記自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL、RRに連結されている。
実施例1のハイブリッド駆動系は、電気車両走行モード(以下、「EVモード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)と、駆動トルクコントロール走行モード(以下、「WSCモード」という。)等の走行モードを有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。前記「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、モータシスト走行モード・走行発電モード・エンジン走行モードの何れかにより走行するモードである。前記「WSCモード」は、「HEVモード」からのP、N→Dセレクト発進時、あるいは、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時等において、モータ/ジェネレータMGの回転数制御により第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバー操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。なお、「WSC」とは「Wet Start clutch」の略である。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne、Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。
前記モータコントローラ2は、モータ/ジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標MGトルク指令および目標MG回転数指令と、他の必要情報を入力する。そして、モータ/ジェネレータMGのモータ動作点(Nm、Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電容量をあらわすバッテリSOCを監視していて、このバッテリSOC情報は、モータ/ジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
前記第1クラッチコントローラ5は、クラッチレリーズ装置14のピストン14aのストローク位置を検出する第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標CL1トルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結・スリップ締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。
前記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、他のセンサ類18(変速機入力回転数センサ、インヒビタースイッチ等)からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。なお、シフトマップとは、アクセル開度と車速に応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップをいう。上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2のスリップ締結を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。また、統合コントローラ10から変速制御変更指令が出力された場合、通常の変速制御に代え、変速制御変更指令にしたがった変速制御を行う。
前記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行う。
前記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21や他のセンサ・スイッチ類22からの必要情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク指令、モータコントローラ2へ目標MGトルク指令および目標MG回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標CL1トルク指令、ATコントローラ7へ目標CL2トルク指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。
図2は、実施例1のクラッチ構造が配置されたモータユニットの構成を示す全体概略図である。図3は、実施例1のサブアッセンブリーによるモータ/ジェネレータMGを示す組み立て構成図である。図4は、図2に示すA部の拡大図である。以下、図2〜図4に基づいて、実施例1のクラッチ構造及びこれが配置されたモータユニットの構成を説明する。
実施例1のモータ/ジェネレータMGを内蔵するモータユニットのハウジング30は、図2に示すように、フロント側がエンジンEngのエンジンブロック31にフランジでボルト連結され、リア側が自動変速機ATのトランスミッションケース32にフランジでボルト連結されている。
前記ハウジング30の内部には、図2に示すように、サブアッセンブリーの形態によりボルト34でハウジング30の内面側から固定されたモータ/ジェネレータMGと、モータ/ジェネレータMGの中空のモータシャフト(回転伝達軸)43に装着された第1クラッチCL1と、が配置されている。
前記第1クラッチCL1は、図2に示すように、エンジンEngのクランク軸33と、モータ/ジェネレータMGのモータシャフト43の間に介装され、ダイアフラムスプリング35による付勢力にて完全締結を保ち、第1クラッチCL1とモータ/ジェネレータMGとの間に配置されたクラッチレリーズ装置14のピストンストローク制御により、スリップ締結から完全開放までが制御されるノーマルクローズの乾式単板クラッチである。
前記クラッチレリーズ装置14は、モータシャフト43を取り囲む円筒状のシリンダー14b及びこのシリンダー14b内に挿入される円筒状のピストン14aを有している。シリンダー14bとピストン14aとの間に形成される油圧室14c内の油量を制御することで、ピストン14aのストローク位置が変化し、クラッチレリーズ軸受14dを介して当接するダイアフラムスプリング35に作用する押圧力が変化して第1クラッチCL1の開放/締結状態が制御される。なお、14eは油密性を保つシール材である。
さらに、シリンダー14bは、開放端部からモータシャフト43の径方向外側に延在されたフランジ部14fを有している。このフランジ部14fは、円筒状のシリンダー14bの周方向の複数箇所に等間隔をあけて部分的に形成されており、固定手段であるボルトBが貫通するボルト孔14gを有している。このボルト孔14gは、ボルトBの外径よりも大きい径にされている。すなわち、フランジ部14fは、ボルトBとの間にモータシャフト43とクラッチレリーズ装置14との中心軸合わせのための合せ代部S1を有している。この合せ代部S1の寸法(大きさ)は、ここでは、例えば20〜30μmである。
前記モータ/ジェネレータMGは、図3に示すように、モータカバー(支持壁)40と、モータステータ41と、モータロータ42と、の3部品を組み立てるサブアッセンブリー構成となっている。
前記モータカバー40は、ボルト36によりハウジング30の段差部に対し固定される部材で、図2に示すように、モータシャフト43を取り囲むと共に、内側にクラッチレリーズ装置14を配置する環状収納部40aが形成されている。この環状収納部40aは、エンジンEng側に開放した断面コ字状の凹部であり、後述する4.0〜5.0mm程度の厚みを持つステータハウジング46よりも薄肉(厚みが薄い状態)になっている。また、モータカバー40の中心部位置には、中空のモータシャフト43を回転可能に支持するフロント側ベアリング(ベアリング)44と、モータシャフト43との油密性を保つシールリング45が設けられている。なお、フロント側ベアリング44及びシールリング45は、環状収納部40aの内周壁部61とモータシャフト43との間に介装されている。
この内周壁部61には、フロント側ベアリング44とシールリング45とのそれぞれの大きさに合わせた段差部61aが形成されている。そして、この段差部61aよりも奥側に位置する内周壁部61は、シリンダー14bとの間が狭くなったシリンダー嵌合面部61bになる。
さらに、環状収納部40aの外周壁部62には、開放側端部から環状収納部40aの径方向外側に伸びる隔壁部63が連続形成され、この隔壁部63には、クラッチレリーズ装置14を固定する固定用孔63aが形成されている。ここで、固定用孔63aは、モータシャフト43の周方向の複数箇所に等間隔をあけて複数形成されている。
そして、環状収納部40a内にクラッチレリーズ装置14が配置された際、隔壁部63とフランジ部14fとが当接すると共に、固定用孔63aとボルト孔14gとが対向し、ボルトBが双方を貫通してナットNに螺合することで、クラッチレリーズ装置14は環状収納部40a内に保持される。このとき、フランジ部14fが有する合せ代部S1によって、クラッチレリーズ装置14の軸位置が調整可能になっている。なお、ナットNは、隔壁部63の固定用孔63aに対向する位置に予め溶接等で固定されている。
また、このとき、隔壁部63と、環状収納部40aの内周壁部61のシリンダー嵌合面部61bとは、モータシャフト43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットしている。ここでは、隔壁部63がエンジンEng寄りに位置し、シリンダー嵌合面部61bがモータ/ジェネレータMG寄りに位置している。
さらに、環状収納部40a内にクラッチレリーズ装置14が配置された際、環状収納部40aの外周壁部62とシリンダー14bとの間には、合せ代部S1以上の寸法を有する外側隙間S3が設けられている。この外側隙間S3の寸法は、合せ代部S1に、モータシャフト43と円筒状のシリンダー14bの中心開口との間の各加工精度を加算した合計寸法よりも大きく設定されており、中心軸合わせに支障がない程度となっている。例えば、合せ代部S1=20〜30μm、モータシャフト43の中心開口加工精度=15μm、シリンダー14bの中心開口加工精度=15μmとした場合、合計寸法は50〜60μmになるので、外側隙間S3は、それよりも大きい60〜100μmになる。
また、環状収納部40aの内周壁部61のシリンダー嵌合面部61bとシリンダー14bとの間には、外側隙間S3とモータシャフト43の揺動可能量を加算した合計寸法よりも大きい寸法を有する内側隙間S2が設けられている。この内側隙間S2は、例えば、合せ代部S1=20〜30μm、モータシャフト43の中心開口加工精度=15μm、シリンダー14bの中心開口加工精度=15μm、モータシャフト43の揺動可能量50μm(直径では100〜110μm)とした場合、120〜150μmになる。
さらに、環状収納部40aの底壁部64とシリンダー14bとの間には、油圧によるシリンダー14bの変形可能量以上の底部隙間S4が設けられている。この底部隙間S4は、例えば上記シリンダー変形可能量を150μmとすると、200〜300μmになる。
前記モータステータ41は、図3に示すように、ステータハウジング46に圧入固定され、ステータコイル41aを巻き付けた複数のコアピースを円環状に配置したステータコア41bにより構成されている。前記ステータハウジング46のモータステータ41の外周部には、冷却水が流通するウォータージャケット47が形成されており、モータステータ41を冷却する。このモータステータ41の中心部位置には、中空のモータシャフト43を回転可能に支持するリア側ベアリング48が設けられている。
前記モータロータ42は、モータシャフト43から径方向に延びて一体的に設けられたロータ支持部品49に対し圧入固定され、積層板の内部に永久磁石42aを埋設することで構成されている。このモータロータ42は、モータステータ41に対し径方向のエアギャップを介して配置されている。
前記モータ/ジェネレータMGを構成するモータカバー40とモータステータ41とモータロータ42の3部品の組み立ては、図3に示すように、モータシャフト43及びロータ支持部品49に固定されたモータロータ42の一方側からモータカバー40を挟み込み、他方側からモータステータ41が固定されたステータハウジング46を挟み込み、ボルト36によりモータカバー40とモータステータ41を固定することで行われる。
前記トランスミッションケース32には、図2に示すように、AT変速部50と、AT油圧コントロールバルブユニットCVUと、サブバルブユニット51と、オイルパン52と、変速機入力軸53と、メカオイルポンプ54と、ポンプハウジング55と、ポンプカバー56と、を有する。変速機入力軸53の先端部は、中空のモータシャフト43にスプライン結合される。
前記モータ/ジェネレータMGには、図2に示すように、ステータコイル41aに接続される強電ハーネス57と、ウォータージャケット47に連通する冷却水出入口58が設けられている。また、ハウジング30には、エンジンEng側の下部に貫通穴59を形成し、第1クラッチCL1を配置した空間から水・空気が出入りする構成としている。
第1クラッチCL1のクラッチ回転中心軸に対するモータ/ジェネレータMGのモータ軸合せ構成について説明する。
エンジンEng側は、クランク軸33→エンジンブロック31→ハウジング30の経路で第1クラッチCL1のクラッチ回転中心軸を合せる。一方、モータ/ジェネレータMG側は、中空のモータシャフト43のフロント側ベアリング44の位置が、モータカバー40→ハウジング30の経路により決められ、中空のモータシャフト43のリア側ベアリング48の位置が、ステータハウジング46→モータカバー40→ハウジング30の経路により決められる。よって、クラッチ回転中心軸にモータ軸(モータシャフト43)を合わせることができる。
モータシャフト43に対するクラッチレリーズ装置14の中心軸合せ構成について説明する。
予めクラッチ回転中心軸にモータ軸(モータシャフト43)を合わせておき、クラッチレリーズ装置14を環状収納部40a内に挿入した際に、環状収納部40a→シリンダー14b→フランジ部14fの経路で中心軸を合せる。このとき、合せ代部S1によって軸位置を調整した上で、ボルトBによる固定で中心軸合せを行う。なお、リーマーボルトによる軸合せを採用してもよい。
モータ/ジェネレータMGのモータステータ41とモータロータ42の中心合せ構成について説明する。
モータステータ41は、モータカバー40とステータハウジング46が一体であり、ハウジング30に対するボルト34による固定で中心軸が決まる。このモータステータ41に対しモータロータ42は、一体であるモータカバー40とステータハウジング46に対し前後位置のフロント側ベアリング44とリア側ベアリング48により、モータシャフト43を回転可能に支持することで中心軸が決まる。よって、モータステータ41とモータロータ42の中心を合わせることができる。
変速機入力軸53の中心軸に対するモータ/ジェネレータMGのモータ軸合わせ構成について説明する。
変速機入力軸53の中心軸に対し、軸合わせしてポンプハウジング55を固定し、さらに、ポンプハウジング55に軸合わせ嵌合によりポンプカバー56を固定する。一方、ステータハウジング46にポンプカバー56の外周面に嵌合する内周面を有する軸合わせ嵌合部60を突設する。そして、組み付け時に軸合わせ嵌合部60の内周面をポンプカバー56の外周面に嵌合することで、短い経路で、精度良く、変速機入力軸53の中心軸にモータ軸を合わせることができる。
第1クラッチCL1の油圧操作の反力を受ける構成について説明する。
第1クラッチCL1を油圧操作すると、第1クラッチCL1がエンジンEng側についており、クラッチレリーズ装置14がモータ/ジェネレータMGのモータカバー40についているため、モータ付近の力は、レリーズ力(150kg〜300kg程度)が、モータカバー40→ステータハウジング46→ハウジング30に伝わり、その荷重を支える必要がある。これに対し、ステータハウジング46に負荷される軸方向力は、トランスミッションケース32側から、図2に示す三角形部分で突き当て支持している。
前記ハウジング30の端部には、自動変速機AT(変速機)のトランスミッションケース32(変速機ケース)を連結し(図2参照)、リア側ベアリング48は、モータシャフト43を介し、メカオイルポンプ54(オイルポンプ)を駆動する変速機入力軸53を支持している。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例におけるクラッチ構造の課題」の説明を行い、続いて、実施例1のクラッチ構造における作用を、「クラッチレリーズ装置への衝撃力緩和作用」、「クラッチレリーズ装置の変形防止作用」に分けて説明する。
[比較例におけるクラッチ構造の課題]
図12(a)はシリンダー固定ボルトの内側位置に柔構造を設けたクラッチ構造(比較例1)を示す要部拡大図であり、(b)はシリンダー固定ボルトの外側位置に柔構造を設けたクラッチ構造(比較例2)を示す要部拡大図である。
図12(a)に示す比較例1では、フロント側ベアリング44を介してモータシャフト43を支持壁40に回転自在に支持すると共に、この支持壁40にクラッチレリーズ装置14のシリンダー14bをボルトBにより固定する。このとき、ボルトBはシリンダー14bから径方向に延在されたフランジ部14fを介して支持壁40に固定され、シリンダー14bとモータシャフト43との間にはシールリング45が介装されている。さらに、ボルトBの内側(モータシャフト43側)には、凹み部Xが形成されており、この凹み部Xが形成された部分が柔構造になっている。なお、シリンダー14bの奥面14b´は凹み部Xが形成された部分の支持壁40に密着している。
このような比較例1のクラッチ構造において、モータシャフト43の回転時に径方向(ラジアル方向)の荷重F1が作用すると、フロント側ベアリング44を介して荷重が支持壁40に入力する。
ここで、支持壁40には凹み部Xによる柔構造があるので、この凹み部Xが変形して荷重F1による衝撃力の緩和を図ることはできる。しかしながら、シリンダー14bの奥面14b´が支持壁40のうち凹み部Xが形成された部分に密着しているので、凹み部Xの変形に伴う変形歪がシリンダー14bに入力することとなる。
さらに、モータシャフト43の中心軸に対して相対的にクラッチレリーズ装置14の中心軸がずれるので、ダイアフラムスプリング(ここでは図示せず)に対するピストン14aの中心軸がずれて、クラッチ締結の不安定化を生じるおそれがある。
一方、図12(b)に示す比較例2では、フロント側ベアリング44を介してモータシャフト43をクラッチレリーズ装置14のシリンダー14bに回転自在に支持すると共に、このシリンダー14bから径方向に延在されたフランジ部14fを介して支持壁40をボルトBにより固定する。すなわち、フロント側ベアリング44と支持壁40との間にクラッチレリーズ装置14を介装する。なお、シリンダー14bとモータシャフト43との間にはシールリング45も介装されている。さらに、ボルトBの外側には、凹み部X´が形成されており、この凹み部X´が形成された部分が柔構造になっている。
このような比較例2のクラッチ構造において、モータシャフト43の回転時に径方向(ラジアル方向)の荷重F1が作用すると、フロント側ベアリング44を介して荷重がクラッチレリーズ装置14に入力する。
ここで、支持壁40には凹み部X´による柔構造があるので、この凹み部X´が変形して荷重F1による衝撃力の緩和を図ることはできる。しかしながら、シリンダー14bにモータシャフト43からの荷重が直接入力するため、シリンダー14bの内側面14b´´が変形しやすく、シリンダー14bのシール性が悪化するおそれがある。
[クラッチレリーズ装置への衝撃力緩和作用]
図5(a)は、モータシャフトからの径方向(ラジアル方向)の荷重入力時のクラッチレリーズ装置の状態を示す説明図であり、(b)は、油圧力でシリンダーが変形した状態を示す説明図である。
モータシャフト43が回転すると、このモータシャフト43及びモータシャフト43に出力側ハブ37(図2参照)を介して固定された第1クラッチCL1には径方向(ラジアル方向)の荷重F1が作用する。
この荷重F1は、フロント側ベアリング44を介して支持壁40に形成された環状収納部40aに伝達される。ここで、環状収納部40aがステータハウジング46よりも薄肉になった、いわゆる薄肉構造であるので、モータシャフト43から伝達した荷重による衝撃力で環状収納部40aが撓み、この衝撃力を吸収して緩和することができる。
さらに、環状収納部40aが撓んだ際に生じる揺動変形可能量は、例えばモータシャフト43からの入力荷重が80kgとすると、50μm程度になる。このとき環状収納部40aの内周壁部61のシリンダー嵌合面部61bとシリンダー14bとの間である内側隙間S2は、120〜150μm程度になっている。そのため、この内側隙間S2が変形することで上述の揺動変形を吸収し、クラッチレリーズ装置14に荷重による衝撃力が伝達することを防止できる。
[クラッチレリーズ装置の変形防止作用]
上述のように、モータシャフト43から径方向荷重が伝達しても、内側隙間S2の変形によって荷重が伝達されないため、クラッチレリーズ装置14に変形歪が入力せず、クラッチレリーズ装置14の変形を防止することができる。さらに、シリンダー14bのシール性の悪化も防止することができる。
また、第1クラッチCL1の油圧操作時の反力F2によって、図5(b)に示すようにシリンダー14bが底壁部64に向かって膨張変形するが、このときのシリンダー変形可能量を150μmとすると、環状収納部40aの底壁部64とシリンダー14bとの間の底部隙間S4は200〜300μmである。そのため、この底部隙間S4によってシリンダー変形を吸収し、シリンダー14bと環状収納部40aとが干渉することはない。これにより、環状収納部40aが薄肉構造であっても耐久性を確保することができる。
さらに、実施例1のクラッチ構造では、隔壁部63と、シリンダー嵌合面部61bとが、モータシャフト43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットしているので、モータシャフト43からの荷重によって環状収納部40aがシリンダー14bに干渉しても、シリンダー14bが隔壁部63を中心に回動するように柔軟に変形する。そのため、シリンダー14bの内部変形を抑制することができ、ピストン14aの装着部分が変形しにくくなる。つまり、シリンダー14bが傾き変形になって、シリンダー14b内部の変形を減少することができる。
以上説明した本実施例1では、以下に列挙する効果が得られる
(1) 回転伝達軸(モータシャフト)43に取り付けられた乾式クラッチ(第1クラッチ)CL1と、シリンダー14bに挿入されたピストン14aが油圧により移動して前記乾式クラッチCL1を開放するクラッチレリーズ装置14と、ベアリング(フロント側ベアリング)44を介して前記回転伝達軸43を回転可能に支持する共に前記乾式クラッチCL1に対向した支持壁(モータカバー)40とを備えたクラッチ構造において、前記支持壁40は、前記回転伝達軸43を取り囲むと共に、内側に前記クラッチレリーズ装置14を配置する薄肉の環状収納部40aを有し、前記ベアリング44は、前記環状収納部40aの内周壁部61と前記回転伝達軸43との間に介装し、前記クラッチレリーズ装置14は、前記シリンダー14bから延在され、前記環状収納部40aの外周壁部62から径方向外側に延びる隔壁部63に固定手段(ボルト)Bを介して固定されるフランジ部14fを有し、前記フランジ部14fは、前記固定手段Bとの間に前記回転伝達軸43と前記クラッチレリーズ装置14との中心軸合わせのための合せ代部S1を有し、前記環状収納部40aの内周壁部61と前記シリンダー14bとの間には、合せ代部S1と前記回転伝達軸43の径方向揺動可能量を合計した大きさ以上の隙間(内側隙間)S2を設け、前記環状収納部40aの外周壁部62と前記シリンダー14bとの間には、前記合せ代部S1以上の隙間(外側隙間)S3を設け、前記環状収納部40aの底壁部64と前記シリンダー14bとの間には、油圧による該シリンダー14bの変形可能量以上の隙間(底部隙間)S4を設けた構成とした。このため、クラッチレリーズ装置に入力する衝撃力を緩和すると共に、クラッチレリーズ装置の変形を防止することができる。
(2) 前記環状収納部40aの内周壁部61は、前記シリンダー14bとの間が最も狭くなるシリンダー嵌合面部61bを有し、前記隔壁部63と、前記シリンダー嵌合面部61bとは、前記回転伝達軸43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットしている構成とした。このため、回転伝達軸43からの荷重入力でシリンダー嵌合面部61bがシリンダー14bに干渉した際に、シリンダー14bが隔壁部63を中心に回動するように柔軟に変形することができ、シリンダー14bの内部変形を抑制することができる。
図6は、実施例1のクラッチ構造における第一の変形例を示す要部拡大図である。
実施例1のクラッチ構造では、図4に示すように、環状収納部40aの外周壁面62と隔壁部63とが連続する角部は、ほぼ直角に屈曲している。しかしながらこれに限定されず、図6に示すように、角部Cはモータ/ジェネレータMG内部に向かって凹んでいても良い。そして、この凹んだ角部Cにシリンダー14bから延在されたフランジ部14fの一部を嵌入させてもよい。この場合、角部及びフランジ部14fの強度を向上させることができて、シリンダー14bの変形抑制力をさらに高めることができる。
図7は、実施例1のクラッチ構造における第二の変形例を示す要部拡大図である。
図7に示すクラッチ構造では、環状収納部40aの内周壁部61のシリンダー嵌合面部61bとシリンダー14bとの間には、モータシャフト43とクラッチレリーズ装置14との中心軸合せのための合せ代となる隙間(内側隙間)S2´を設け、前記環状収納部40aの外周壁部62と前記シリンダー14bとの間には、上記内側隙間S2´分のモータシャフト43の揺動があっても互いに干渉しない大きさになる内側隙間S2´よりも大きい隙間(外側隙間)S3´を設けた。
つまり、例えば内側隙間S2´の大きさを、モータシャフト43とクラッチレリーズ装置14との中心軸合せに必要な50〜60μmとすれば、外側隙間S3´の大きさは、100〜150μmとなる(このとき、内側隙間S2´=50〜60μm、モータシャフト43の中心開口加工精度=15μm、シリンダー14bの中心開口加工精度=15μmとすると、合計寸法は80〜90μmとなり、外側隙間S3´はこれよりも大きくなるため)。
さらに、環状収納部40aの底壁部64とシリンダー14bとの間には、油圧によるシリンダー14bの変形可能量以上の隙間(底部隙間)S4を設ける。この底部隙間S4は、シリンダー変形可能量を150μmとすると、200〜300μmになる。そして、フランジ部14fのボルト孔14gは、ボルトBの外径とほぼ同じ大きさである。
図8(a)は、図7に示すクラッチ構造における作用を説明するための説明図であり、(b)は図7に示すクラッチ構造における作用を説明するための正面図の模式図である。
図7に示すクラッチ構造において、モータシャフト43から径方向(ラジアル方向)の荷重入力があると、外側隙間S3´の変化によって、クラッチレリーズ装置14のシリンダー内側(ピストン14aが挿入されている部分)が変形しにくくなる。また、上記荷重入力がクラッチレリーズ装置14に対して引張方向に作用する部分(図8(a)では下側)では、内側隙間S2´が拡大する隙間変化が生じるので、こちら側でもシリンダー内側に変形が生じにくくなり、荷重によるクラッチレリーズ装置14に対する影響を半減することができる。
さらに、内側隙間S2´によって中心軸合せのための合せ代となる隙間を確保し、フランジ部14fのボルト孔14gをボルトBの外径とほぼ同じ大きさに設定したことによって、図8(b)に示すように、モータシャフト43とクラッチレリーズ装置14との軸ズレを抑制し、同軸度を確保することができる(図7に示すクラッチ構造では、50〜60μm程度)。これにより、第1クラッチCL1の締結性能を確保することができる。なお、ボルトBによって固定された部分(周方向の任意の複数位置)は、ボルトBによってほとんどズレが生じない。
すなわち、以上説明した実施例1の第二の変形例では、下記(3)の効果を得ることができる。
(3) 回転伝達軸(モータシャフト)43に取り付けられた乾式クラッチ(第1クラッチ)CL1と、シリンダー14bに挿入されたピストン14aが油圧により移動して前記乾式クラッチCL1を開放するクラッチレリーズ装置14と、ベアリング(フロント側ベアリング)44を介して前記回転伝達軸43を回転可能に支持すると共に前記乾式クラッチCL1に対向した支持壁(モータカバー)40とを備えたクラッチ構造において、前記支持壁40は、前記回転伝達軸43を取り囲むと共に、内側に前記クラッチレリーズ装置14を配置する薄肉の環状収納部40aを有し、前記クラッチレリーズ装置14は、前記シリンダー14bから延在され、前記環状収納部40aの外周壁部62から径方向外側に延びる隔壁部63に固定手段(ボルト)Bを介して固定されるフランジ部14fを有し、前記クラッチレリーズ装置14と前記環状収納部40aとの間には、前記回転伝達軸43と前記クラッチレリーズ装置14との中心軸合わせのための合せ代部を有し、前記環状収納部40aの内周壁部61と前記シリンダー14bとの間には、少なくとも前記合せ代部相当の隙間(内側隙間)S2´を設け、前記環状収納部40aの外周壁部62と前記シリンダー14bとの間には、前記合せ代部以上の隙間(外側隙間)S3´を設け、前記環状収納部40aの底壁部64と前記シリンダー14bとの間には、油圧による該シリンダー14bの変形可能量以上の隙間(底部隙間)S4を設けた構成とした。このため、クラッチレリーズ装置14に入力する衝撃力を緩和すると共に、クラッチレリーズ装置の変形を防止することができる。さらに、回転伝達軸43とクラッチレリーズ装置14との軸ズレを防止して、同軸度を確保することができる。
図9(a)は、実施例1のクラッチ構造における第三の変形例を示す要部拡大図であり、(b)は、図9(a)に示すクラッチ構造における作用を説明するための説明図である。
図9(a)に示すクラッチ構造では、隔壁部63と、環状収納部40aの内周壁部61のシリンダー嵌合面部61bとの、モータシャフト43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットしている。ここでは、隔壁部63がモータ/ジェネレータMG寄りに位置し、シリンダー嵌合面部61bがエンジンEng寄りに位置している。
図9(a)に示すクラッチ構造において、モータシャフト43から径方向(ラジアル方向)の荷重入力F1によって、シリンダー嵌合面部61bがシリンダー14bに干渉した場合、シリンダー14bが隔壁部63を中心に回動する方向に変形する(図9(b)参照)。ここで、隔壁部63がモータ/ジェネレータMG寄りに位置し、シリンダー嵌合面部61bがエンジンEng寄りに位置しているので、シリンダー14bは開口端部を上方に向けて変形することとなり、このシリンダー14b内部の変形を抑制することができる。
実施例2は、シリンダー嵌合面部とフロント側ベアリングとの位置を軸方向に沿ってオフセットさせた例である。
まず、構成を説明する。
図10は実施例2のクラッチ構造を示す要部拡大図である。
実施例2のクラッチ構造では、環状収納部70の内周壁部71は、クラッチレリーズ装置14Aのシリンダー14Abとの間が最も狭くなるシリンダー嵌合面部71bと、モータシャフト43との間に介装されたフロント側ベアリング44が当接したベアリング嵌合面部71cとを有している。
そして、上記シリンダー嵌合面部71bと、上記ベアリング嵌合面部71cとは、モータシャフト43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットすると共に、環状収納部70の外周壁部72からの距離が異なっている。つまり、シリンダー嵌合面部71bとベアリング嵌合面部71cとの間に段差部Dが設けられ、異なる径の円筒体が連続した形状を呈している。ここでは、シリンダー嵌合面部71bと外周壁部72との距離の方が、ベアリング嵌合面部71cと外周壁部72との距離よりも大きくなっている。
さらに、クラッチレリーズ装置14Aのシリンダー14Abのうち、環状収納部70の内周壁部71に対向する内周側は、内周壁部71に沿って途中が屈曲している。そのため、シリンダー14Abは、開口側が奥側に比して大径になっている。ここで、シリンダー14Abとシリンダー嵌合面部71bとの距離は、シリンダー14Abとベアリング嵌合面部71cとの距離よりも小さい。そして、このシリンダー14Abに挿入されるピストン14Aaも、シリンダー14Abに合わせて先端部が大径になっている。
他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に作用を説明する。
図10に示す実施例2のクラッチ装置において、モータシャフト43から径方向(ラジアル方向)の荷重入力があると、この荷重はまずフロント側ベアリング44に作用する。そのため、環状収納部70では、このフロント側ベアリング44に当接したベアリング嵌合面部71cにおける変形が最もおおきくなる。
このとき、段差部Dによってベアリング嵌合面部71cに入力した変形歪を吸収することができ、シリンダー嵌合面部71bへの変形歪の影響を小さくすることができる。そのため、シリンダー嵌合面部71bからシリンダー14Abに入力する変形歪をさらに抑制することができ、シリンダー14Abの変形をさらに減少することができる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2のクラッチ構造にあっては、実施例1の(1)〜(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(4) 前記環状収納部70の内周壁部71は、前記シリンダー14Abとの間が最も狭くなるシリンダー嵌合面部71bと、前記ベアリング44が当接したベアリング嵌合面部71cとを有し、前記シリンダー嵌合面部71bと、前記ベアリング嵌合面部71cとは、前記回転伝達軸(モータシャフト)43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットすると共に、前記環状収納部70の外周壁部72からの距離が異なっている構成とした。このため、シリンダー嵌合面部71bとベアリング嵌合面部71cとの間で、ベアリング44から入力した変形歪を吸収することができ、シリンダー嵌合面部71bへの変形歪の影響を小さくしてシリンダー14Abに入力する変形歪をさらに抑制することができる。
図11は、実施例2のクラッチ構造における第一の変形例を示す要部拡大図である。
図11に示すクラッチ構造では、シリンダー嵌合面部71bと、ベアリング嵌合面部71cとの、モータシャフト43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットすると共に、環状収納部70の外周壁部72から径方向に延在された隔壁部73と、シリンダー嵌合面部71bとの、モータシャフト43の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットしている。ここでは、隔壁部73がモータ/ジェネレータMG寄りに位置し、シリンダー嵌合面部71bがエンジンEng寄りに位置している。
この場合では、シリンダー嵌合面部71bとベアリング嵌合面部71cとの間に設けた段差部Dにより、ベアリング嵌合面部71cに入力した変形歪を吸収して、シリンダー14Abの変形をさらに防止すると同時に、シリンダー嵌合面部71bがシリンダー14Abに干渉した場合であっても、シリンダー14Abが隔壁部73を中心に回動しながら変形するので、シリンダー14Ab内部の変形を抑制することができる。このように、シリンダー14Abの変形の最小化を図ることができる。
以上、本発明のクラッチ構造を、実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1では、実施例FRハイブリッド車両への適用例を示したが、前輪駆動や四輪駆動タイプのハイブリッド車両へ適用することもできる。また、ハイブリッド車両以外の駆動源にモータのみを備えた電動車両にも適用することができる。また、変速機として、手動変速機や機械式の自動変速機なども適用することができる。
40 モータカバー(支持壁)
40a 環状収納部
43 モータシャフト(回転伝達軸)
44 フロント側ベアリング(ベアリング)
61 内周壁部
62 外周壁部
63 隔壁部
64 底壁部
14 クラッチレリーズ装置
14a ピストン
14b シリンダー
14f フランジ部
CL1 第1クラッチ(乾式クラッチ)
S1 合せ代部
S2 内側隙間
S3 外側隙間
S4 底部隙間

Claims (4)

  1. 回転伝達軸に取り付けられた乾式クラッチと、シリンダーに挿入されたピストンが油圧により移動して前記乾式クラッチを開放するクラッチレリーズ装置と、ベアリングを介して前記回転伝達軸を回転可能に支持すると共に前記乾式クラッチに対向した支持壁とを備えたクラッチ構造において、
    前記支持壁は、前記回転伝達軸を取り囲むと共に、内側に前記クラッチレリーズ装置を配置する薄肉の環状収納部を有し、
    前記クラッチレリーズ装置は、前記シリンダーから延在され、前記環状収納部の外周壁部から径方向外側に延びる隔壁部に固定手段を介して固定されるフランジ部を有し、
    前記クラッチレリーズ装置と前記環状収納部との間には、前記回転伝達軸と前記クラッチレリーズ装置との中心軸合わせのための合せ代部を有し、
    前記環状収納部の内周壁部と前記シリンダーとの間には、前記合せ代部と前記回転伝達軸の径方向揺動可能量を合計した大きさ以上の隙間を設け、
    前記環状収納部の外周壁部と前記シリンダーとの間には、前記合せ代部以上の隙間を設け、
    前記環状収納部の底壁部と前記シリンダーとの間には、油圧による該シリンダーの変形可能量以上の隙間を設けたことを特徴とするクラッチ構造。
  2. 回転伝達軸に取り付けられた乾式クラッチと、シリンダーに挿入されたピストンが油圧により移動して前記乾式クラッチを開放するクラッチレリーズ装置と、ベアリングを介して前記回転伝達軸を回転可能に支持すると共に前記乾式クラッチに対向した支持壁とを備えたクラッチ構造において、
    前記支持壁は、前記回転伝達軸を取り囲むと共に、内側に前記クラッチレリーズ装置を配置する薄肉の環状収納部を有し、
    前記クラッチレリーズ装置は、前記シリンダーから延在され、前記環状収納部の外周壁部から径方向外側に延びる隔壁部に固定手段を介して固定されるフランジ部を有し、
    前記クラッチレリーズ装置と前記環状収納部との間には、前記回転伝達軸と前記クラッチレリーズ装置との中心軸合わせのための合せ代部を有し、
    前記環状収納部の内周壁部と前記シリンダーとの間には、少なくとも前記合せ代部相当の隙間を設け、
    前記環状収納部の外周壁部と前記シリンダーとの間には、前記合せ代部以上の隙間を設け、
    前記環状収納部の底壁部と前記シリンダーとの間には、油圧による該シリンダーの変形可能量以上の隙間を設けたことを特徴とするクラッチ構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたクラッチ構造において、
    前記環状収納部の内周壁部は、前記シリンダーとの間が最も狭くなるシリンダー嵌合面部を有し、
    前記隔壁部と、前記シリンダー嵌合面部とは、前記回転伝達軸の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットしていることを特徴とするクラッチ構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたクラッチ構造において、
    前記環状収納部の内周壁部は、前記シリンダーとの間が最も狭くなるシリンダー嵌合面部と、前記ベアリングが当接したベアリング嵌合面部とを有し、
    前記シリンダー嵌合面部と、前記ベアリング嵌合面部とは、前記回転伝達軸の軸方向に沿った軸方向位置がオフセットすると共に、前記環状収納部の外周壁部からの距離が異なっていることを特徴とするクラッチ構造。
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