以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるカップ供給装置であり、(a)はその外観、(b)はカップ収納器の内部構造を示している。このカップ供給装置1は、カップ式自動販売機(図示せず)に内蔵され、自動販売機内で調理されたコーヒーやジュースなどの飲料が注がれるカップを、販売口(図示せず)などに供給するものである。
図1および図2に示すように、カップ供給装置1は、多数のカップCを収納するカップ収納器2と、このカップ収納器2の底部に設けられ、販売時にカップCを1つずつ下方に搬出するカップ搬出装置3と、これらを制御するためのマイクロコンピュータを有する図示しない制御装置(カップ列補充判定手段、カップ切れ判定手段)などで構成されている。なお、カップCは、円形の横断面を有する一般的な紙製のものであり、下方に向かってテーパ状に形成され、上端部の開口周縁部にカール部を有している。
カップ収納器2は、ベース4と、このベース4から上方に延びるように設けられ、販売用のカップ列(以下「販売カップ列H」という)、および2つの予備用のカップ列(以下「予備カップ列Y」という)の計3つのカップ列を収納する縦長ボックス状の収納器本体5とを備えている。
ベース4は、所定形状の上ケース6および下ケース7(図5参照)が互いに組み付けられることによって、横長ボックス状に形成されている。ベース4の中央部には、上下方向に貫通し、カップCの開口部の外径よりも一回り大きな円形の開口4aが形成されている。また、上ケース6の開口4aの左右には、周囲よりも一段低く、凹状に形成されるとともに平面形状が開口4a側に開放するU字状のカップ列載置部6a、6aが左右対称に設けられている。各カップ列載置部6aの円弧部は、カップCの底面の直径よりも若干大きく、かつ、カップCの開口部の外径よりも小さく形成されている。また、ベース4には、カップ搬出装置3および後述するカップ列補充機構21を駆動する駆動機構8が設けられている。なお、この駆動機構8については後述する。
収納器本体5は、所定形状の金属板を折曲げ加工することなどによって形成された外壁11を有している。この外壁11は、正面形状が縦長矩形状の背壁部11aと、この背壁部11aの左右端部から直角に屈曲して前方に延びる側壁部11b、11bとで、平面形状が前方に開放したコ字状に形成されている。背壁部11aの前面の所定箇所には、前方に突出し、正面形状が円形でかつ横断面形状が台形の4つのスペーサ11cが設けられている。また、外壁11には、その天井部および前面上部を覆うように、上部カバー12が取り付けられている。この上部カバー12の前面下端部には、透明なシートから成る前面カバー13が垂下するように取り付けられている。したがって、カップ収納器2へのカップ列の収納は、前面カバー13を捲り上げ、収納器本体5の前面を開放した状態で行われる。
また、収納器本体5内の上端部には、左右の側壁部11b、11b間に、水平に延びる金属製のストッパロッド14が取り付けられている。このストッパロッド14は、収納器本体5に収納されるカップ列の上限高さを規制するとともに、後述するサポートロッド24のストッパとしての役割を果たすものである。
以上のように構成されたベース4および収納器本体5により、収納器本体5の内部には、その中央部に、販売カップ列Hを収納するための販売コラム15(提供カップ列収納部)が、左右両側に、予備カップ列Yを収納するための2つの予備コラム16、16(予備カップ列収納部)が画成されている。具体的には、販売コラム15は、ベース4上に、開口4aの上方に延びるように設けられ、一方、両予備コラム16、16は、販売コラム15の左右両側に、これに隣接するように、ベース4の上方に延びるように設けられている。そして、図2に示すように、販売カップ列Hは、その下部が、ベース4の開口4aおよびカップ搬出装置3に挿通し、これにセットされた状態で、販売コラム15に収納される一方、各予備カップ列Yは、カップ列載置部6aに載置した状態で、予備コラム16に収納される。
また、収納器本体5内には、販売コラム15内の販売カップ列Hの残存するカップ数(以下「残存カップ数」という)が、所定数(本実施形態では5個)以下になったときに、左右の予備コラム16、16内の一方の予備カップ列Yを、販売コラム15に移動させ、補充するカップ列補充機構21、21(カップ列補充手段)が設けられている。これらのカップ列補充機構21、21は、左右対称に設けられているので、以下の説明では、右側のものを中心に説明するものとする。
図1〜図3に示すように、カップ列補充機構21は、予備カップ列Yを販売コラム15側に押圧することによって移動させるプッシャロッド22と、予備カップ列Yの底部Bを販売コラム15側から支持するとともに、予備カップ列Yの姿勢を保持しながら、予備カップ列Yを販売コラム15側に案内するボトムガイド23と、予備カップ列Yを販売コラム15側から支持することにより、予備カップ列Yの姿勢を保持するためのサポートロッド24とを備えている。
プッシャロッド22は、金属棒を折曲げ加工することなどにより、所定形状に形成されている。具体的には、上下方向に延びる本体部22aと、この本体部22aの上端部および下端部から直角に屈曲し、互いに平行に後方に水平に延びる上連接部22bおよび下連接部22cとにより、コ字状に形成されている。なお、プッシャロッド22は、収納器本体5内の前記ストッパロッド14に対し、本体部22aが前側に、上連接部22bが上側に位置するように配置されている。
本体部22aは、ベース4の上面と上部カバー12の天井面との距離よりも若干短い程度の長さを有している。また、上連接部22bは、所定長さを有し、その先端部が、上方に直角に屈曲し、上部カバー12に取り付けられた軸受け25に回動自在に支持されている。一方、下連接部22cは、上連接部22bと同じ長さを有し、その先端部に下方に直角に屈曲して延びる屈曲部22dが設けられている。この屈曲部22dは、上ケース6のカップ列載置部6aよりも若干後ろ側の位置において、上ケース6を貫通するとともに、ベース4内の駆動機構8に連結されている。以上のように構成されたプッシャロッド22は、上下の連接部22b、22cの先端部を通る鉛直軸線、具体的には、屈曲部22dを中心として、本体部22aが予備コラム16側に位置する待機位置(図1〜3などに示す位置)と、本体部22aが販売コラム15側に位置し、予備カップ列Yを販売コラム15に補充する補充位置(図8(b)に示す位置)との間で回動自在になっている。
ボトムガイド23は、ベース4上の後部に設けられ、カップ列載置部6aに後方から臨むとともに、プッシャロッド22の下連接部22cの下側に配置されている。このボトムガイド23は、プラスチックから成る成型品であり、図4に示すように、平面形状が「ヘ」の字状に形成されている。ボトムガイド23の内側面は、円弧状に形成されており、その曲率が、カップCの底部よりも若干大きく、かつカップCの開口部よりも小さくなっている。また、ボトムガイド23の左半部には、ボトムガイド23の右半部よりも高く形成され、所定の高さ寸法を有するガイド壁部23aが設けられている。一方、ボトムガイド23の右半部の先端部には、上方に突出する係合凸部23bが設けられている。この係合凸部23bは、プッシャロッド22の下連接部22cの右側に位置するとともに、その下連接部22cに右方から当接可能な高さを有している。また、ボトムガイド23の中央部には、平面形状が後方に開放するU字状の逃げ溝23cが形成されており、この逃げ溝23cにより、ボトムガイド23が、プッシャロッド22の屈曲部22dに干渉しないようになっている。さらに、ボトムガイド23には、上記逃げ溝23cの左方に、上下方向に貫通する孔23dが形成されている。この孔23dには、サポートロッド24の後述する下連接部24cの先端部から下方に屈曲して延びる屈曲部24dが貫通している。したがって、ボトムガイド23は、上記屈曲部24dを中心として回動自在になっている。
サポートロッド24は、前記プッシャロッド22とほぼ同様に構成され、プッシャロッド22と同様の本体部24a、上連接部24b、下連接部24cおよび屈曲部24dを有している。なお、このサポートロッド24は、収納器本体5内の前記ストッパロッド14の後ろ側に位置している。
本体部24aは、プッシャロッド22の本体部22aとほぼ同じ長さを有する一方、上連接部24bおよび下連接部24cは、プッシャロッド22の上連接部22bおよび下連接部22cよりも短くなっている。また、上連接部24bは、その先端部が上方に直角に屈曲し、プッシャロッド22の上連接部22bの先端部から左方に若干離れた位置に、前記軸受け25によって、回動自在に支持されている。この軸受け25には、サポートロッド24を、図3において反時計方向に付勢するばね(図示せず)が内蔵されている。一方、下連接部24cは、ボトムガイド23のガイド壁部23aの背面側に位置している。下連接部24cの先端部から下方に屈曲する屈曲部24dは、ボトムガイド23の前記孔23dに貫通した状態で、ベース4の上ケース6に回動自在に支持されている。
以上のように構成されたサポートロッド24は、上下の連接部24b、24cの先端部を通る鉛直軸線、具体的には、屈曲部24dを中心として、回動自在になっている。また、図1〜図3に示すように、待機状態のサポートロッド24の本体部24aは、販売コラム15と予備コラム16の間に、ストッパロッド14および販売カップ列Hに近接するように位置しており、より具体的には、ストッパロッド14の後ろ側に、かつ販売カップ列Hの斜め後ろ側に位置している。なお、後述するように、予備カップ列Yの販売コラム15への補充時には、その予備カップ列Yに押圧されることにより、右側のサポートロッド24は、屈曲部24dを中心として、図3において時計方向に回動し、左側のサポートロッド24は、反時計方向に回動する。
また、左右のサポートロッド24、24は、販売コラム15に収納された販売カップ列Hの左右方向への傾斜を防止する役割も果たす。例えば、販売カップ列Hが右側に傾斜し、右側のサポートロッド24に当接することで、そのサポートロッド24が反時計方向に回動した場合でも、サポートロッド24がストッパロッド14に当接することにより、それ以上の回動が阻止される。このことは、左側のサポートロッド24も同様である。このように、左右のサポートロッド24、24により、販売カップ列Hの左右方向への傾斜が防止されるので、販売カップ列Hを垂直な姿勢で安定して保持することができる。したがって、販売カップ列Hと予備カップ列Yが互いに干渉することに起因する不具合、例えば、販売カップ列Hの供給不良を回避でき、カップCの安定した供給を確保することができる。
ここで、カップ搬出装置3について簡単に説明する。このカップ搬出装置3は、販売カップ列Hから最下位のカップCを切り離すためのカップドロップリング26で構成されている。このカップドロップリング26は、一般的なものと同様に構成されており、平面形状がリング状に形成され、その内側の開口部がベース4の開口4aに合致するように配置されている。カップドロップリング26の内周縁部には、複数(本実施形態では6つ)のカップ切離しカム27が、開口部に臨んだ状態で、鉛直軸線を中心として回転自在に設けられている。各カップ切離しカム27は、周面に所定形状のカムを有するとともに、軸部にギヤ部が設けられている。また、カップドロップリング26の内部には、平面形状がリング状の駆動リング(図示せず)が設けられており、その駆動リングの内周縁部に、各カップ切離しカム27のギヤ部に噛み合うギヤ部が設けられている。
以上のように構成されたカップドロップリング26では、各カップ切離しカム27が販売カップ列Hの最下位のカップCのカール部に係合することにより、販売カップ列Hを下方から支持する。そして、カップドロップリング26の駆動リングが、駆動機構8によって駆動されることにより、待機位置から所定方向に所定角度、回転した後、逆方向に回転し、待機位置に戻る。これに伴い、すべてのカップ切離しカム27は、同期して所定角度、回転した後、逆方向に回転し、元の位置に戻る。このようなカップ切離しカム27の動作により、販売カップ列Hから最下位のカップCが切り離され、カップシュート3aを介して、下方に搬出される。また、このようなカップCの搬出の際には、販売カップ列Hは、カップ切離しカム27の上記回転に伴い、全体が回りながら、一段下がるように動作する。
図5は、ベース4から上ケース6を省略し、カップドロップリング26および左右のカップ列補充機構21、21を駆動する駆動機構8を示しており、(a)は背面図、(b)は平面図である。この駆動機構8は、駆動源としてのモータ31を有しており、このモータ31で駆動されることによって主に回転動作を行う回転駆動部32と、この回転駆動部32で駆動されることにより、左右方向へのスライド動作を行うスライド機構部33とを備えている。
回転駆動部32は、ギヤボックス34を介して、上記モータ31で駆動されることにより、回転および昇降する駆動体35と、この駆動体35の回転により、いずれか1つが回動駆動される3つの回動プレート36とを有している。駆動体35は、平面形状が円形の偏心カム35aを有している。駆動体35の詳細な構造についての説明は省略するが、モータ31が所定方向に回転したときには、図5(b)において、駆動体35が例えば反時計方向に回転することにより、偏心カム35aが昇降する。一方、モータ31が上記と逆方向に回転したときには、駆動体35が時計方向に回転し、それに伴い、偏心カム35aも時計方向に回転するようになっている。
また、3つの回動プレート36は、スライド機構部33の後述する3つのスライドプレート41に対応するように設けられている。これらの回動プレート36は、互いに同一で、前後方向に延びる所定形状に形成されるとともに、互いに積み重なるように配置されている。また、各回動プレート36は、前端部において、下ケース7から上方に延びる支軸37によって貫通され、この支軸37を中心として、回動自在になっている。
スライド機構部33は、左右方向に延びるとともに、互いに積み重なるように配置された3つのスライドプレート41と、これらのうち、上段のスライドプレート(以下「上段プレート41A」という)に係合し、右側のカップ列補充機構21のプッシャロッド22を駆動するための右スライダ42と、中段のスライドプレート(以下「中段プレート41B」という)に係合し、左側のカップ列補充機構21のプッシャロッド22を駆動するための左スライダ43などを備えている。また、下段のスライドプレート(以下「下段プレート41C」という)は、カップドロップリング26を駆動するためのものであり、下方に延びる駆動レバー44が、カップドロップリング26の図示しない前記駆動リングに連結されている。
上段、中段および下段プレート41A、41B、41Cはいずれも、上下方向に貫通し、左右方向に所定長さ延びる長孔40を有しており、この長孔40を介して、付勢機構45により、左方に付勢されている。この付勢機構45は、上段プレート41Aの上方に、左右方向に水平に延びるように配置され、上ケース6の内部に支持された水平ロッド46と、この水平ロッド46に沿ってスライド自在に設けられたスライダ47と、水平ロッド46に取り付けられ、スライダ47を左方に付勢するコイルばね48とで構成されている。スライダ47には、下方に延び、上段、中段および下段プレート41A、41B、41Cの長孔40に挿通する挿通部47aが設けられている。図5に示す待機状態では、スライダ47の挿通部47aが、長孔40の左内壁付近に位置している。
右スライダ42は、左右方向に延びる所定形状に形成されており、上面の右端部に、左右方向に所定長さ延びるラック42aを有している。また、右スライダ42の上側には、上記ラック42aに噛み合うピニオン51が、鉛直軸線を中心として回転自在に設けられている。このピニオン51の上部には、上方に開口し、平面形状が十字状の溝51aが設けられている。そして、この溝51aに、前述した右側のカップ列補充機構21のプッシャロッド22の屈曲部22dが嵌合した状態で固定されている。また、右スライダ42の内部には、ばね50aが設けられており、このばね50aにより、右スライダ42が左方に付勢されている。これにより、ピニオン51は、反時計方向に付勢された状態となり、したがって、これに固定された前記プッシャロッド22は、常時、反時計方向に付勢された状態となる。
一方、左スライダ43は、左右方向に延びる所定形状に形成されており、上記右スライダ42と前後および左右対称に、上面の左端部にラック43aを有している。このラック43aには、ピニオン53が噛み合っており、十字状の溝53aに、左側のカップ列補充機構21のプッシャロッド22の屈曲部22dが嵌合した状態で固定されている。また、左スライダ43も、右スライダ42と同様に、その内部に設けられたばね50bによって左方に付勢されている。これにより、ピニオン53は、時計方向に付勢された状態となり、したがって、これに固定された左側のプッシャロッド22も、時計方向に付勢された状態となる。
ここで、以上のように構成された駆動機構8の動作について説明する。モータ31が作動し、所定方向に回転すると、駆動体35が反時計方向に回転し、それにより、偏心カム35aが昇降する。
例えば、カップドロップリング26を駆動する場合には、偏心カム35aが下段の回動プレート36と同じ高さに位置するように停止する。その後、モータ31が上記と逆方向に回転することにより、駆動体35が時計方向に1回転し、それに伴い、偏心カム35aも同じ方向に1回転する。この場合、偏心カム35aが下段の回動プレート36を右方に押圧することにより、この回動プレート36が支軸37を中心として、時計方向に回動し、付勢機構45の付勢力に抗して、下段プレート41Cを右方に押圧する。それにより、下段プレート41Cは、右方にスライドする。なおその際には、付勢機構45のスライダ47は、その挿通部47aが下段プレート41Cの長孔40の左内壁で押圧され、右方にスライドする。また、偏心カム35aが半回転を過ぎると、右方にスライドしていた下段プレート41Cは、その長孔40を介して、付勢機構45のスライダ47で押圧され、左方にスライドして、元の位置に戻る。このような下段プレート41の左右方向の往復動により、カップドロップリング26の駆動リングが周方向に往復動する。それにより、すべのカップ切離しカム27は、同期して所定方向に所定角度、回転した後、逆方向に回転し、元の位置に戻る。以上のようにして、カップドロップリング26が駆動されることにより、販売カップ列Hから最下位のカップCが切り離され、下方に搬出される。
また、右側のカップ列補充機構21を駆動する場合には、偏心カム35aが昇降し、上段の回動プレート36と同じ高さに位置するように停止する。その後、カップドロップリング26を駆動する場合と同様に、偏心カム35aが1回転することにより、上段の回動プレート36を介して、上段プレート41Aを付勢機構45の付勢力に抗して、右方に押圧する。それにより、上段プレート41Aは、右方にスライドするとともに、右スライダ42を、ばね50aの付勢力に抗して押圧し、右方にスライドさせる。このように、右スライダ42が右方にスライドすることにより、ラック42aに噛み合うピニオン51が、時計方向に所定角度、回転する。また、偏心カム35aが半回転を過ぎると、上段プレート41Aは、付勢機構45のスライダ47によって押圧されることで左方にスライドし、元の位置に戻る。それに伴い、右スライダ42が、ばね50aの付勢力によって左方にスライドし、元の位置に戻るとともに、ピニオン51が、反時計方向に回転し、元の位置に戻る。このような右スライダ42の左右方向の往復動により、ピニオン51が周方向に往復動する。それにより、右側のカップ列補充機構21のプッシャロッド22は、待機位置から補充位置に回動し、その後、逆方向に回動し、待機位置に戻る。つまり、プッシャロッド22では、待機位置から補充位置への回動が、モータ31の動力によって行われ、補充位置から待機位置への復帰回動がばね50aの付勢力によって行われる。以上のようにして、右側のカップ列補充機構21が駆動されることにより、右側の予備コラム16内の予備カップ列Yが、販売コラム15に補充される。
さらに、左側のカップ列補充機構21を駆動する場合には、偏心カム35aが昇降し、中段の回動プレート36と同じ高さに位置するように停止する。その後、上述した場合と同様に、偏心カム35aが1回転することにより、中段の回動プレート36を介して、中段プレート41Bを付勢機構45の付勢力に抗して、右方に押圧する。それにより、中段プレート41Bは、右方にスライドするとともに、左スライダ43を、ばね50bの付勢力に抗して押圧し、右方にスライドさせる。このように、左スライダ43が右方にスライドすることにより、ラック43aに噛み合うピニオン53が、反時計方向に所定角度、回転する。また、偏心カム35aが半回転を過ぎると、前記上段プレート41Aの場合と同様に、中段プレート41Bが左方にスライドし、元の位置に戻る。それに伴い、左スライダ43が、ばね50bの付勢力によって左方にスライドし、元の位置に戻るとともに、ピニオン53が、時計方向に回転し、元の位置に戻る。このような左スライダ43の左右方向の往復動により、ピニオン53が周方向に往復動する。それにより、左側のカップ列補充機構21のプッシャロッド22は、前述した右側のカップ列補充機構21のそれと同様に、待機位置から補充位置に回動した後、待機位置に戻る。以上のようにして、左側のカップ列補充機構21が駆動されることにより、左側の予備コラム16内の予備カップ列Yが、販売コラム15に補充される。
また、図5(b)に示すように、ベース4内には、予備カップ列Yの補充の要否および補充の有無を判定するためのカップ列補充センサ54(カップ数検出手段)が設けられている。このカップ列補充センサ54は、開口4aに対して出没自在のカップ検出レバー55と、出没によるカップ検出レバー55の位置を検出するセンサ56などで構成されている。カップ検出レバー55は、平面形状がほぼL字状に形成されていて、その基部の傾斜する回動軸55aを介して、開口4a付近に回動自在に取り付けられている。
図6は、カップ検出レバー55の動作を示している。同図(a)に示すように、販売カップ列Hの残存カップ数が所定数(本実施形態では5個)を上回っている場合、カップ検出レバー55は、カップCによって押圧され、開口4aから退避する。一方、同図(b)に示すように、販売カップ列Hの残存カップ数が所定数以下の場合、カップ検出レバー55は、その自重により、開口4aの内方に突出する。したがって、このカップ列補充センサ54により、販売カップ列Hの残存カップ数が所定数以下であるか否かが検出され、後述するように、その検出結果に応じて、予備カップ列Yの補充の要否および補充の有無が判定される。
以上のように構成されたカップ供給装置1では、飲料の販売時に、前述したようにして、カップドロップリング26が駆動機構8によって駆動されることにより、販売コラム15に収納されている販売カップ列Hから最下位のカップCが切り離され、カップシュート3aを介して、販売口に供給される。また、飲料の販売が進むことにより、販売カップ列HのカップCが消費され、次第に少なくなる。そして、カップ列補充センサ54により、販売カップ列Hの残存カップ数が所定数以下であることが検出されたときには、予備カップ列Yの補充が必要であるとして、以下のようにして、予備コラム16内の予備カップ列Yが販売コラム15に補充される。
図7および図8は、右側の予備コラム16から販売コラム15への予備カップ列Yの補充動作を示している。なお、補充動作開始前の待機状態においては、図7(a)に示すように、プッシャロッド22が待機位置に位置することにより、その本体部22aが予備カップ列Yの右方に位置するとともに、ボトムガイド23のガイド壁部23aが、予備カップ列Yの底部Bの左斜め後ろ側に位置している。
この状態から、プッシャロッド22が、屈曲部22dを中心として時計方向に回動すると、図7(b)および(c)に順に示すように、本体部22aが予備カップ列YのすべてのカップCのカール部に当接し、それらが押圧されることによって、予備カップ列Yが左方の販売コラム15側へ移動する。この場合、予備カップ列Yの底部Bが、ボトムガイド23のガイド壁部23aに当接し、これを押圧することによって、ボトムガイド23がサポートロッド24の屈曲部24dを中心として時計方向に回動する。またこの場合、ボトムガイド23は、その係合凸部23bがプッシャロッド22の下連接部22cを越えて左方に移動できないことにより、プッシャロッド22で販売コラム15側への回動が規制された状態で回動する。さらにこの場合、予備カップ列YのすべてのカップCのカール部が、サポートロッド24の本体部24aに当接し、これを押圧することにより、サポートロッド24も、その屈曲部24dを中心として時計方向に回動する。このように、予備カップ列Yは、カール部の右側方、底部の左後方、およびカール部の左後方から、プッシャロッド22、ボトムガイド23およびサポートロッド24によってそれぞれ支持されながら、左方に移動する。またこの場合、予備カップ列Yは、カップ列載置部6aに載置した状態で移動するので、このカップ列載置部6aの周壁部により、予備カップ列Yの底部Bがガイドされながら、左方に円滑にかつ安定して移動する。
プッシャロッド22がさらに回動すると、図8(a)に示すように、予備カップ列Yは、さらに左方に移動する。そして、ボトムガイド23による予備カップ列Yの底部Bの支持が解除され、ボトムガイド23は、その位置に留まる。その後、プッシャロッド22がさらに回動することで、サポートロッド24による予備カップ列Yの支持も解除され、サポートロッド24は、上端部のばねの付勢力によって反時計方向に回動し、元の位置に戻る。そして、同図(b)に示すように、プッシャロッド22が補充位置に到達すると、予備カップ列Yは、開口4aの上方に到達することで、開口4aの内側に案内されながら落下し、下端部が開口4aに挿通するとともに、残存する販売カップ列Hに対し、その最上位のカップCに入り込んだ状態で積み重なり、販売コラム15に補充される。このように、予備カップ列Yが販売カップ列Hに積み重なることにより、カップ列補充センサ54のカップ検出レバー55は、補充された予備カップ列Yで押圧され、開口4aから退避する。
その後、プッシャロッド22は、図8(c)に示すように、反時計方向に回動し、待機位置に戻る。この待機位置への復帰時には、プッシャロッド22の下連接部22cが、ボトムガイド23の係合凸部23bに当接し、これを右方に押圧することにより、ボトムガイド23も、反時計方向に回動し、元の位置に戻る。以上により、予備カップ列Yの販売コラム15への補充動作が完了する。
なお、上記の予備カップ列Yの補充後、飲料の販売が進み、販売カップ列Hの残存カップ数が所定数以下になったときには、上述した場合と同様にして、左側の予備コラム16の予備カップ列Yが販売コラム15に補充される。このように、カップ供給装置1では、左右の予備コラム16、16に対し、予備カップ列Yの補充動作が順に行われる。
以上のように、このカップ供給装置1では、予備カップ列Yを販売コラム15に補充する場合、プッシャロッド22で販売コラム15側への回動が規制されたボトムガイド23によって、予備カップ列Yの底部Bを支持しながら、予備カップ列Yを販売コラム15側へ移動させる。そのため、予備カップ列Yが、その下端部を上端部よりも販売コラム15側に位置させるような姿勢の傾きを生じようとしても、予備カップ列Yの底部Bがボトムガイド23で規制されることによって、予備カップ列Yの上記のような姿勢の傾きを防止することができる。また、予備カップ列Yは、販売コラム15側のカール部が、サポートロッド24によって支持されながら、販売コラム15側に移動する。以上により、予備コラム16に収納された予備カップ列Yを、収納時の姿勢に保ちながら安定して移動させることができる。
次に、図9〜図13を参照して、カップ供給装置1におけるカップの売切れ判定処理、およびその際のカップ供給装置1の動作について説明する。図9は、カップ売切れ判定処理を示すフローチャートであり、本処理は、所定のタイミングで開始され、開始後は、所定の周期で実行される。本処理ではまず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、カップ列補充要求の有無を判別する。カップ列補充センサ54により、販売カップ列Hの残存カップ数が所定数以下であることが検出されたときには、カップ列の補充要求有りと判定される一方、残存カップ数が所定数を上回っているときには、カップ列の補充要求無しと判定される。上記ステップ1の判別結果がNOで、残存カップ数が所定数を上回っているときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ1の判別結果がYESで、残存カップ数が所定数以下のときには、ステップ2に進み、補充判定完了フラグが「1」であるか否かを判別する。この補充判定完了フラグは、本処理の実行が開始されてから、後述する予備コラムIの予備カップ列Yの補充判定が行われたときに、「1」にセットされるものであり、本処理の実行開始前には、「0」にリセットされている。ステップ2の判別結果がNOで、今回が予備カップ列Yの最初の補充判定のときには、ステップ3に進み、左右いずれかの予備コラム16(以下、「予備コラムI」という)に対し、カップ列補充機構21による補充動作が完了したか否かを判別する。この判別結果がNOで、補充動作が完了していないときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ3の判別結果がYESで、補充動作が完了しているときには、ステップ4に進み、カップ搬出動作の有無を判別する。
このカップ搬出動作は、カップ搬出装置3が作動することにより、販売カップ列Hから最下位のカップCを切り離し、搬出する動作であり、したがって、カップ搬出装置3の動作が完了したときに、カップ搬出動作有りと判定される。ステップ4の判別結果がNOのとき、すなわち、予備コラムIに対する補充動作が完了していても、カップ搬出装置3によるカップ搬出が行われていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ4の判別結果がYESのとき、すなわち、予備コラムIに対する補充動作が完了し、かつカップ搬出装置3によるカップ搬出が行われたときには、予備コラムIの予備カップ列Yについての補充判定が完了したとして、そのことを表すために、補充判定完了フラグを「1」にセットする(ステップ5)。
次いで、ステップ6において、前記ステップ1と同様、カップ列補充要求の有無を判別する。この判別結果がNOで、カップ列の補充要求が無いときには、予備コラムIの予備カップ列Yが補充されたことによって、販売カップ列Hが増加し、残存カップ数が所定数を上回ったために、前記ステップ1で判別されたカップ列の補充要求が解消されており、したがって、本処理をそのまま終了する。一方、ステップ6の判別結果がYESのとき、すなわちカップ列の補充要求が解消されず、補充要求が継続しているときには、ステップ7に進む。また、前記ステップ2の判別結果がYESのとき、すなわち予備コラムIの予備カップ列Yに対する補充判定が完了しているときには、上記と同様、ステップ7に進む。
このステップ7では、補充動作が既に実行された予備コラムIと異なる予備コラム16(以下「予備コラムII」という)に対し、前記ステップ3と同様、前記カップ列補充機構21による補充動作が完了したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ7の判別結果がYESのときには、ステップ8に進み、前記ステップ4と同様、カップ搬出動作の有無を判別する。この判別結果がNOで、予備コラムIIに対する補充動作の完了後、カップ搬出装置3によるカップ搬出が行われていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ8の判別結果がYESのとき、すなわち、予備コラムIIに対する補充動作が完了し、かつカップ搬出装置3によるカップ搬出が行われたときには、ステップ9に進み、カップ列補充要求の有無を判別する。
このステップ9の判別結果がNOで、カップ列の補充要求が無いときには、予備コラムIIの予備カップ列Yが補充されたことによって、販売カップ列Hが増加し、残存カップ数が所定数を上回ったために、カップ列の補充要求が解消されており、したがって、本処理をそのまま終了する。一方、ステップ9の判別結果がYESのとき、すなわち予備コラムIおよびIIに対して補充動作を実行しても、カップ列の補充要求が解消されず、補充要求が継続しているときには、ステップ10において、カップ売切れ(カップ切れ)と判定し、本処理を終了する。なお、カップ売切れと判定されたときには、自動販売機において所定の処理、例えば、飲料の販売を直ちに停止したり、所定回数、販売を行った後に飲料の販売を停止したりする処理が実行される。
図10は、カップ売切れ判定を行う際のカップ供給装置1における各種のタイムチャート、具体的には、(a)〜(c)はそれぞれ、カップ搬出装置3、カップ列補充センサ54およびカップ列補充機構21のタイムチャート、(d)は残存カップ数、(e)は売切れ判定を示している。また、このタイムチャートは、両予備コラムI、IIのいずれにも予備カップ列Yが無い場合を例示したものである。なお、時点t0では、販売カップ列Hの残存カップ数が6個であり、予備カップ列Yの補充要求が有る所定数である5個を上回っている。
図10(a)に示すように、販売時にカップ搬出装置3が作動し、販売カップ列Hから最下位のカップCが切り離され、搬出されると、同図(d)に示すように、残存カップ数が5個になるため、同図(b)に示すように、カップ列補充センサ54の検出結果に基づき、補充要求有りと判定される(時点t1、ステップ1:YES)。その判定に基づき、同図(c)に示すように、左右のカップ列補充機構21、21のいずれかが作動し、補充動作を実行する(時点t2、ステップ3:YES)。その後、次回の販売時に、カップ搬出装置3が作動し、販売カップ列Hから最下位のカップCが切り離され、搬出されると、残存カップ数が4個になる(時点t3、ステップ4:YES)。そして、カップ搬出装置3の作動終了直後に、カップ列補充センサ54による補充要求の有無の判定結果に基づき、予備コラムIの予備カップ列Yについての補充の有無を判定する(ステップ6)。本例では、予備コラムIに予備カップ列Yが無いため、同図(b)に示すように、カップ列補充センサ54による補充要求有りが継続し(ステップ6:YES)、それにより、予備コラムIについては、予備カップ列Yの補充無しと判定される。
この判定後、図10(c)に示すように、上記のカップ列補充機構21と異なる他方のカップ列補充機構21、すなわち、補充動作を実行していないカップ列補充機構21が作動し、補充動作を実行する(時点t4、ステップ7:YES)。その後、次回の販売時に、カップ搬出装置3が作動し、販売カップ列Hから最下位のカップCが切り離され、搬出されると、残存カップ数が3個になる(時点t5、ステップ8:YES)。そして、カップ搬出装置3の作動終了直後に、カップ列補充センサ54による補充要求の有無の判定結果に基づき、予備コラムIIの予備カップ列Yについての補充の有無を判定する(ステップ9)。本例では、予備コラムIIにも予備カップ列Yが無いため、同図(b)に示すように、カップ列補充センサ54による補充要求有りが継続する(ステップ9:YES)。それにより、予備コラムIIについても、予備カップ列Yの補充無しと判定され、同図(e)に示すように、カップ売切れと判定される(ステップ10)。
図11は、上述した図10と同様のタイムチャートであり、このタイムチャートは、両予備コラムI、IIの少なくとも一方に予備カップ列Yが有る場合を例示したものである。図11(a)に示すように、販売時にカップ搬出装置3が作動すると、同図(d)に示すように、残存カップ数が5個になるため、同図(b)に示すように、補充要求有りと判定される(時点t1、ステップ1:YES)。その判定に基づき、同図(c)に示すように、左右のカップ列補充機構21、21のいずれかが作動し、補充動作が実行される(時点t2、ステップ3、7:YES)。この場合、両予備コラムI、IIの少なくとも一方に予備カップ列Yが有るため、予備カップ列Yを有する予備コラムIまたはIIに対する補充動作の実行により、予備カップ列Yが適切に補充されたとき、すなわち、予備カップ列Yが残存する販売カップ列Hに積み重なるように補充されたときには、販売カップ列Hが増加し、残存カップ数が所定数を大幅に上回る。そのため、カップ列補充センサ54の検出結果に基づき、補充要求有りとの判定が解消され、補充要求無しと判定される(時点t2)。その後、次回の販売時に、カップ搬出装置3が作動し、その作動終了(時点t3)直後に、カップ列補充センサ54による補充要求の有無の判定結果に基づき、予備コラムIまたはIIの予備カップ列Yについての補充の有無を判定する(ステップ6、9)。この場合、同図(b)に示すように、補充要求無しと判定される(ステップ6、9:NO)ので、同図(e)に示すように、カップ有りとの判定が継続する。
図12は、図11と同様、両予備コラムI、IIの少なくとも一方に予備カップ列Yが有る場合のタイムチャートであり、予備カップ列Yが開口4aにおいてカップ詰まりを生じた場合を例示したものである。図12(a)に示すように、販売時にカップ搬出装置3が作動すると、同図(d)に示すように、残存カップ数が5個になるため、同図(b)に示すように、補充要求有りと判定される(時点t1、ステップ1:YES)。その判定に基づき、同図(c)に示すように、左右のカップ列補充機構21、21のいずれかが作動し、補充動作が実行される(時点t2、ステップ3、7:YES)。
図13(a)は、カップ列補充機構21による補充動作が実行されたときに、予備カップ列Yが開口4aにおいてカップ詰まりを生じた状態を示している。前述したように、予備カップ列Yは、ベース4の開口4aの内側に案内されながら落下するため、残存する販売カップ列Hの上端周縁部に載った状態で引っ掛かり、カップ詰まりが生じた場合、同図に示すように、予備カップ列Yでカップ列補充センサ54のカップ検出レバー55を押圧不能になることがある。この場合、予備カップ列Yを有する予備コラムI、IIの一方に対して、補充動作が実行されていても、その予備カップ列Yが適正に補充されず、図12(b)に示すように、時点t2において、補充要求有りとの判定が継続する。
その後、次回の販売時にカップ搬出装置3が作動すると、前述したように、販売カップ列Hは、全体が回りながら、一段下がるように動作する。このため、販売カップ列Hに載っていた予備カップ列Yは、バランスが崩れ、販売カップ列Hの最上位のカップCに入り込み、図13(b)に示すように、販売カップ列Hに積み重なり、適正な状態で補充される。つまり、カップ搬出装置3の作動によって、予備カップ列Yのカップ詰まりが自動的に解消される。これにより、販売カップ列Hが増加し、残存カップ数が所定数を大幅に上回るため、図12(b)に示すように、カップ列補充センサ54の検出結果に基づき、補充要求有りとの判定が解消され、補充要求無しと判定される(時点t3)。そして、カップ搬出装置3の上記の作動終了(時点t4)直後に、カップ列補充センサ54による補充要求の有無の判定結果に基づき、予備コラムIまたはIIの予備カップ列Yについての補充の有無を判定する(ステップ6、9)。この場合、図12(b)に示すように、補充要求無しと判定される(ステップ6、9:NO)ので、同図(e)に示すように、カップ有りとの判定が継続する。
なお、前述したカップの売切れ判定処理は、例えば、オペレータが左右の予備コラム16、16に予備カップ列Y、Yを充填したときに、開始するように設定する他、一方の予備コラム16に対して補充動作が実行されたときに、開始するように設定してもよい。後者の場合には、例えば、オペレータが、既に補充動作が実行された予備コラム16に、補充動作が実行されていない予備コラム16の予備カップ列Yを、誤って移動させた場合でも、補充動作が実行されていない予備コラム16が、予備コラムIに設定される一方、既に補充動作が実行された予備コラム16が、予備コラムIIに設定されることにより、カップ供給装置1におけるカップの売切れ判定を適切に行うことができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、カップ列補充機構21による補充動作の実行後、カップ搬出装置3が作動したときに、カップ列補充センサ54の検出結果に応じて、予備カップ列Yの補充の有無を判定するので、上述したような予備カップ列Yのカップ詰まりが生じた場合でも、予備カップ列Yの補充の有無を適正に判定することができる。また、このように、予備カップ列Yの補充の有無を適正に判定できることにより、カップ売切れなどの誤判定を防止でき、その結果として、カップCを安定して供給することができる。
また、左右の予備コラム16、16に対して順に、予備カップ列Yの補充動作が実行されるので、予備カップ列Yが有る限り、販売コラム15への補充を安定して行うことができる。さらに、予備カップ列Yの前述したようなカップ詰まりが生じた状態で、他の予備カップ列Yが補充されることがないので、予備カップ列Y同士が当たることによるカップCの変形やカップ供給装置1自体の故障を確実に防止することができる。また、予備カップ列Yの補充の有無が適正に判定されるため、その判定結果に基づき、カップ切れも適正に判定することができる。
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態は、本発明のカップ供給装置1をカップ式自動販売機に適用した例であるが、飲料を提供する飲料ディスペンサなど、各種のカップ飲料提供装置に適用することができる。また、実施形態では、予備カップ列Yを収納する2つの予備コラム16を有するカップ供給装置1を例示したが、本発明は、予備コラムを1つまたは3つ以上有するカップ供給装置にも適用可能である。また、実施形態で示したカップ供給装置1の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。