JP5245446B2 - カップ飲料提供装置のカップ供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カップ式の飲料自動販売機や飲料ディスペンサなどのカップ飲料提供装置に内蔵され、飲料の提供時にカップを供給するカップ飲料提供装置のカップ供給装置に関する。
従来、この種のカップ供給装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。このカップ供給装置は、カップ式自動販売機に内蔵されており、カップを収納するカップ収納器と、このカップ収納器の底部に設けられ、販売時にカップを1つずつ下方に搬出するカップ搬出装置とを備えている。カップ収納器は、ボックス状に形成されており、その内部には、多数のカップが積み重なった状態の複数のカップ列が、互いに隣接した状態で載置され、一列に並ぶように収納される。また、カップ収納器内には、上下方向に延びるカップ押し板がカップ列の並び方向に沿って移動自在に設けられている。このカップ押し板は、ばねの付勢力によってカップ搬出装置側に移動しながら、複数のカップ列のうちの最後尾のカップ列を後ろ側から押圧し、それにより、カップ列全体をカップ搬出装置側に搬送する。
一方、カップ搬出装置は、通常、平面形状がリング状のカップドロップリングを有している。販売用のカップ列(以下「販売カップ列」という)は、その下部がカップドロップリングの内側の開口部に挿通した状態でセットされる。そして、販売時に、カップドロップリングによって、販売カップ列の最下位のカップが直ぐ上のカップから切り離され、下方に搬出される。
このカップ供給装置では、飲料の販売が進み、カップドロップリングにセットされていた販売カップ列が無くなると、カップ収納器内の複数の予備用のカップ列(以下「予備カップ列」という)が、カップ押し板で後ろ側から押圧されることによって移動する。具体的には、最後尾の予備カップ列がカップ押し板で押圧されるとともに、他の予備カップ列が自身の直ぐ後ろの予備カップ列で押圧され、それにより、複数の予備カップ列全体が、カップ搬出装置側に移動する。そして、複数の予備カップ列のうちの先頭の予備カップ列が、カップドロップリングの開口部に案内されながら落下し、カップドロップリングにセットされる。これにより、その予備カップ列は、販売カップ列として、カップ搬出装置に補充される。
このように、従来のカップ供給装置では、カップ搬出装置への予備カップ列の補充の際に、最後尾以外の予備カップ列は、後ろ側の予備カップ列で押圧される。そのため、隣接する予備カップ列同士が、カップの開口周縁部のカール部で噛み合い、くっついてしまうことがある。特に、カップ搬出装置に補充すべき先頭の予備カップ列と、その直ぐ後ろ側の予備カップ列とがくっついていると、先頭の予備カップ列をカップドロップリングの開口部に落下させることができなくなることで、カップドロップリングに適正にセットできず、その結果、カップの供給不良が生じてしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、隣接するカップ列同士がくっついている場合でも、両カップ列を簡単に引き離せることによって、カップ列を適正にセットでき、その結果、カップを安定して供給することができるカップ飲料提供装置のカップ供給装置を提供することを目的とする。
特開平7−175967号公報
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、各々が積み重なった状態の複数のカップから成る複数のカップ列を収納するとともに、飲料の提供時にカップを供給するカップ飲料提供装置のカップ供給装置であって、複数のカップ列のうち、カップを供給するためのカップ列がセットされるカップ列セット部と、このカップ列セット部に連なる通路を有し、通路内に、カップ列セット部に最も近い先頭の第1カップ列、およびその直ぐ後ろ側の第2カップ列を含む複数のカップ列を互いに隣接した状態で載置し、一列に並ぶように収容するカップ列収容部と、複数のカップ列の後方の待機位置と、第1カップ列をカップ列セット部にセットするための搬送位置との間で、通路に沿って移動自在のプッシャと、カップ列セット部への第1カップ列のセット時に、プッシャを搬送位置に駆動することにより、プッシャで複数のカップ列を押圧することによってカップ列セット部側に搬送し、第1カップ列がカップ列セット部に到達した後、プッシャを待機位置に駆動し、復帰させる駆動手段と、プッシャが待機位置に復帰する際に、第2カップ列を第1カップ列から引き離すカップ列引離し手段と、を備え、カップ列引離し手段は、第2カップ列を、プッシャ側に移動させるように押圧する押圧手段と、この押圧手段によって第2カップ列が押圧される際に、第1カップ列の第2カップ列側への移動を阻止する移動阻止手段と、を有していることを特徴とする。
この構成によれば、カップ列収容部が、カップ列セット部に連なる通路を有しており、この通路内に、カップ列セット部に最も近い先頭の第1カップ列、およびその直ぐ後ろ側の第2カップ列を含む複数のカップ列が、互いに隣接した状態で載置され、一列に並ぶように収容される。また、カップ供給装置には、第1カップ列をカップ列セット部にセットするために、上記待機位置と搬送位置の間で通路に沿って移動自在のプッシャが設けられている。このプッシャは、カップ列セット部への第1カップ列のセット時に、駆動手段によって搬送位置に駆動されると、複数のカップ列を押圧することによってカップ列セット部側に搬送する。そして、第1カップ列がカップ列セット部に到達した後、プッシャは、待機位置に駆動され、復帰する。この際に、カップ列引離し手段により、第2カップ列が第1カップ列から引き離される。つまり、第1カップ列と第2カップ列が互いにくっついている場合でも、第2カップ列が第1カップ列から強制的に引き離される。したがって、カップ列セット部に搬送された第1カップ列は、第2カップ列で邪魔されることなく、カップ列セット部に適正にセットされ、その結果、カップを安定して供給することができる。
また、上記の構成によれば、カップ列引離し手段によって、第2カップ列を第1カップ列から引き離す場合、押圧手段によって第2カップ列をプッシャ側に移動させるように押圧し、その押圧の際に、移動阻止手段によって、第1カップ列の第2カップ列側への移動を阻止する。つまり、第1カップ列を止めた状態で、第2カップ列をプッシャ側に移動させる。これにより、第2カップ列を第1カップ列から簡単かつ確実に引き離すことができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載のカップ飲料提供装置のカップ供給装置において、押圧手段は、カップ列セット部付近に設けられ、上下方向に延びる軸線を中心として、カップ列セット部への第1カップ列の通過を許容する第1許容位置と、第2カップ列を押圧する押圧位置との間で回動自在の押圧部材と、この押圧部材を押圧位置側に付勢する押圧部材付勢手段と、を有していることを特徴とする。
この構成によれば、第2カップ列を押圧する押圧手段が、上記第1許容位置と押圧位置との間で回動自在の押圧部材を有しており、この押圧部材が押圧部材付勢手段によって、押圧位置側に付勢されている。プッシャが搬送位置に駆動されることで、複数のカップ列をカップ列セット部側に搬送する際に、押圧部材は、第1カップ列に押圧され、押圧部材付勢手段の付勢力に抗して、第1許容位置側に回動する。これにより、第1カップ列は、押圧部材で阻害されることなく、カップ列セット部に円滑に搬送される。その後、押圧部材は、押圧部材付勢手段の付勢力によって、押圧位置側に回動し、第2カップ列に当接する。プッシャが搬送位置から待機位置側に移動すると、複数のカップ列をカップ列セット部側に押圧していた力が、第2カップ列に作用しなくなり、それにより、第2カップ列に当接した押圧部材が、押圧部材付勢手段の付勢力によって、押圧位置まで回動する。その結果、第2カップ列は、押圧部材で押圧されることによってプッシャ側に移動し、第1カップ列から離れる。以上のように、本発明によれば、第2カップ列を第1カップ列から引き離す際に第2カップ列を押圧する押圧手段を、上記のような簡単な構成で容易に実現することができる。
請求項に係る発明は、請求項1または2に記載のカップ飲料提供装置のカップ供給装置において、移動阻止手段は、カップ列セット部付近に設けられ、上下方向に延びる軸線を中心として、カップ列セット部への第1カップ列の通過を許容する第2許容位置と、通路の内方に突出し、第1カップ列の第2カップ列側への移動を阻止する移動阻止位置との間で回動自在のストッパと、このストッパを移動阻止位置側に付勢するストッパ付勢手段と、を有していることを特徴とする。
この構成によれば、第1カップ列の移動を阻止する移動阻止手段が、上記第2許容位置と移動阻止位置の間で回動自在のストッパを有しており、このストッパがストッパ付勢手段によって、移動阻止位置側に付勢されている。プッシャが搬送位置に駆動されることで、複数のカップ列をカップ列セット部側に搬送する際に、ストッパは、前記押圧部材と同様、第1カップ列に押圧され、ストッパ付勢手段の付勢力に抗して、第2許容位置側に回動する。これにより、第1カップ列は、ストッパで阻害されることなく、カップ列セット部に円滑に搬送される。その後、ストッパは、ストッパ付勢手段の付勢力によって、通路の内方に突出する移動阻止位置に回動する。前述したように、第1カップ列がカップ列セット部に搬送された後、第2カップ列が押圧手段によってプッシャ側に移動するように押圧される。この場合、第1カップ列と第2カップ列が互いにくっついていると、第1カップ列が第2カップ列に追随して移動するものの、移動阻止位置に位置するストッパによって、第1カップ列の移動が阻止され、その結果、第1カップ列が第2カップ列から離れる。以上のように、本発明によれば、第2カップ列を第1カップ列から引き離す際に第1カップ列の移動を阻止する移動阻止手段を、上記のような簡単な構成で容易に実現することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるカップ供給装置を示している。このカップ供給装置1は、カップ式自動販売機(図示せず)に内蔵され、自動販売機内で調理されたコーヒーやジュースなどの飲料が注がれるカップを、自動販売機内でカップを搬送する搬送装置や販売口(いずれも図示せず)などに供給するものである。
図1に示すように、カップ供給装置1は、多数のカップCを収納するカップ収納器2と、このカップ収納器2の底部に設けられ、販売時にカップCを1つずつ下方に搬出する左右2つのカップ搬出装置3、3と、上記カップ収納器2および両カップ搬出装置3、3を制御するマイクロコンピュータを有する制御装置(図示せず)などで構成されている。なお、各カップ搬出装置3から搬出されたカップCは、前記搬送装置のカップホルダに直接、供給されたり、搬出装置3から販売口に延びるカップシュートを介して、販売口に供給されたりする。
カップ収納器2は、前面が開放する縦長ボックス状のケース4を有しており、その前面には、正面形状が縦長矩形状でかつ左端部を支点として回動自在の前面ドア5が、開閉自在に取り付けられている。ケース4内には、図2に示すように、左右2つの販売用のカップ列(以下「販売カップ列H」という)、および両販売カップ列H、H間の2つの予備用カップ列(以下「予備カップ列Y」という)の計4つのカップ列が左右方向に一列に並んだ状態で収容される。具体的には、ケース4内には、カップ列の収容スペースとして、左右端部にそれぞれ、カップ列セット部6、6が設けられ、両カップ列セット部6、6の間に、予備カップ列収容部7(カップ列収容部)が設けられている。そして、各カップ列セット部6に、販売カップ列Hが搬出装置3にセットした状態で収容される一方、予備カップ列収容部7に、2つの予備カップ列Y、Yが互いに隣接しかつ載置した状態で収容される。
ケース4は、平面形状が横長矩形状のベース11と、このベース11の周縁部のうちの左右端部および後端部から上方に延びるケース本体12などで構成されている。ベース11の左右端部にはそれぞれ、上記カップ列セット部6、6に対応して、上下方向に貫通し、カップCの外径よりも一回り大きい直径を有する開口部11a、11aが設けられている。両開口部11a、11aの上端部はいずれも、直径が上方に向かって次第に大きくなるように形成されている。そして、販売カップ列Hは、各開口部11aに挿通した状態で、カップ列セット部6にセットされるとともに、最下位のカップ(以下「販売カップ」という)Cが、カップ搬出装置3にセットされる。
このカップ搬出装置3は、販売カップCを切り離すためのカップドロップリング13と、これを駆動する駆動機構14とを備えている。カップドロップリング13は、平面形状がリング状に形成されており、その内側の開口部が、ベース11の開口部11aに合致するように配置されている。また、図3に示すように、カップドロップリング13の内周縁部には、内方に臨むとともに周面に所定形状のカムを有する複数(本実施形態では6つ)のカップ切離しカム15が、回転自在に設けられている。販売時には、それらのカップ切離しカム15が、駆動機構14で駆動されることにより、同期して所定角度、回転する。これにより、販売カップCは、直ぐ上側のカップCから切り離され、カップドロップリング13から下方に延びるシュート16を介して、下方に搬出される。
また、ベース11上には、左右の開口部11a、11aの間に、前記予備カップ列収容部7に対応して、2つの予備カップ列Y、Yを載置するカップ列載置台17が設けられている。このカップ列載置台17は、左右方向に延び、ベース11の上面よりも一段高くなっている。カップ列載置台17の左右端部はそれぞれ、左右の開口部11a、11aに向かって前下がりに傾斜するように形成されている。そして、このカップ載置台17上には、予備カップ列Yを載置した状態で左右方向に搬送するための搬送通路18(通路)が、カップ列セット部6に連なるように画成されている。なお、カップ列載置台17の上面は、互いに平行に左右方向に延びかつ前後方向に並ぶ複数の凸部によって、波状に形成されており、これに載置される予備カップ列Yの接触面積が小さくなることで、カップ列載置台17上における予備カップ列Yの左右方向への円滑な移動を確保することができる。
ケース本体12は、所定形状の金属板を折曲げ加工したり、複数の金属板を組み付けたりすることによって構成されている。具体的には、このケース本体12は、ベース11の後端部から上方に延びる背板21と、この背板21の上端から、直角に屈曲して前方に延びる天板22と、これらの背板21および天板22の左右端部に組み付けられた左右の側板23、23などで構成されている。
また、ケース本体12の前面上部の所定位置には、販売カップ列Hおよび予備カップ列Yの姿勢を保持するための上部姿勢保持部材24が設けられている。この上部姿勢保持部材24は、所定形状の金属板を折曲げ加工することなどで構成されており、ケース4の内方に突出した状態で、左右の側板23、23間に連結されている。この上部姿勢保持部材24により、販売カップ列Hや予備カップ列Yの上部が前方に偏ることによるカップ列の姿勢の乱れを防止することができる。なお、前記前面ドア5の背面下部の所定位置には、上記の上部姿勢保持部材24と同様に構成され、前面ドア5が閉鎖された状態において、ケース4の内方に突出する下部姿勢保持部材25が設けられている。この下部姿勢保持部材25により、販売カップ列Hや予備カップ列Yの下部が前方に偏ることによるカップ列の姿勢の乱れを防止することができる。
また、カップ収納器2は、飲料の販売が進み、カップ列セット部6にセットされていた販売カップ列Hが無くなったときに、予備カップ列Yをカップ列セット部6に搬送し、補充するカップ列搬送装置31と、予備カップ列Yをカップ列セット部6に補充する際に、その予備カップ列Yから後続の予備カップ列Yを引き離すためのカップ列引離し機構32(カップ列引離し手段)とを備えている。
なお、このカップ収納器2は、所定の設定により、予備カップ列Yを左右のカップ列セット部6、6のいずれか一方に搬送可能であるとともに、その搬送された予備カップ列Yから後続の予備カップ列Yを引離し可能なものである。本実施形態では、カップ収納器2が、予備カップ列Yを右側のカップ列セット部6に補充するように設定されており、したがって、以下の説明では、上記のように設定されたカップ列搬送装置31およびカップ列引離し機構32を中心として説明するものとする。
カップ列搬送装置31は、ケース4内において上下方向に延び、搬送通路18に沿って左右方向に移動自在のプッシャ33と、このプッシャ33を駆動するプッシャ駆動機構34(駆動手段、図4参照)とを備えている。プッシャ33は、縦長の金属板で構成されており、カップ列載置台17とケース4の天板22との間にわたって上下方向に延びるとともに、搬送通路18を横切るように、ケース4の背板21から前方に所定長さ突出している。また、プッシャ33は、後端部が左方に直角に屈曲しており、この後端部の下部の所定位置に、縦長のローラ35が回転自在に取り付けられている。このローラ35は、プッシャ33が右側のカップ列セット部6に移動する際に、後述する押戻し部材41に当接し、これを後述する第1許容位置に円滑に回動させるためのものである。以上のように構成されたプッシャ33は、背板21を貫通するとともに左右方向に移動自在のプッシャ支持部材36を介して、プッシャ駆動機構34に連結されている。なお、プッシャ支持部材36は、ケース本体12の所定位置に形成されかつ互いに左右方向に平行に延びる上下2つのガイド孔21a、21aを挿通し、前端部がプッシャ33の後端部にねじ止めされる一方、後端部がプッシャ駆動機構34に固定されている。
プッシャ駆動機構34は、背板21の背面に取り付けられている。このプッシャ駆動機構34についての詳細な説明は省略するが、例えばモータ、ギヤボックス、駆動および従動プーリ、ならびにこれらのプーリに巻き掛けられたベルトなどで構成されている。モータが作動することにより、ギヤボックスを介して駆動プーリが回転し、それに伴い、ベルトも回転する。このベルトは、プッシャ支持部材36に連結されており、したがって、モータが作動することにより、プッシャ33が、プッシャ支持部材36とともに左右方向に移動する。
また、背板21の背面には、プッシャ33が複数の所定位置に位置するか否かを検出するための複数のマイクロスイッチ(図示せず)が設けられている。具体的には、これらのマイクロスイッチは、プッシャ33が、搬送通路18の左端部の待機位置(図1〜図4、図5(a)など参照)、ほぼ中央部の第1搬送位置(図5(c)参照)、および右端部の第2搬送位置(図7(b)参照)などに位置するときに、前記プッシャ支持部材36などによって、それぞれON/OFF切り替えされ、それにより、プッシャ33の位置が制御装置によって認識される。
カップ列引離し機構32は、右側の予備カップ列Yをカップ列セット部6に補充する際に、左側の予備カップ列Yを左方に押し戻すための押戻し部材41(押圧手段、押圧部材)と、カップ列セット部6に搬送された右側の予備カップ列Yの左方への移動を阻止するためのストッパ42(移動阻止手段)とを備えており、これらの押戻し部材41およびストッパ42がいずれも、カップ列セット部6付近に設けられている。
押戻し部材41は、背板21の下部の所定位置に形成された開口部21bを介して、搬送通路18に対し、出没自在に設けられている。この押戻し部材41は、所定形状の金属板を、所定形状に折曲げ加工することなどで構成されており、背板21よりも後方に位置する後端部において、上下方向に延びる支軸41a(軸線)を介して回動自在に支持されている。具体的には、押戻し部材41は、搬送通路18の内方に突出し、予備カップ列Yを左方に押圧する押圧位置(図4(b)の実線で示す位置)と、搬送通路18から退避し、予備カップ列Yの右方への通過を許容する第1許容位置(図4(b)の2点差線で示す位置)との間で、回動自在に構成されている。
また、この押戻し部材41の支軸41aには、ねじりコイルばね43(押圧部材付勢手段、図1参照)が取り付けられており、このねじりコイルばね43によって、押戻し部材41が押圧位置側に付勢されている。なお、このねじりコイルばね43は、予備カップ列Yがプッシャ33で押圧されることによって右方に移動する際に、予備カップ列Yを押し潰すことなく、かつ、プッシャ33による押圧が解除された予備カップ列Yを左方に押し戻せる程度の付勢力を有している。
一方、ストッパ42は、ケース4内において上下方向に延び、上記押戻し部材41の前方に間隔を隔てて配置されている。このストッパ42は、縦長の金属板で構成されており、カップ列載置台17とケース4の天板22との間にわたって上下方向に延びている。また、ストッパ42は、上下端部が同じ方向に直角に屈曲されており、上端部が上支軸部44を介して天板22に、下端部が下支軸部45を介してベース11に、同一鉛直線を中心として、回動自在に支持されている。具体的には、ストッパ42は、搬送通路18の内方に突出し、カップ列セット部6に搬送された予備カップ列Yの左方への移動を阻止する移動阻止位置(図4(b)などの実線で示す位置)と、予備カップ列Yの右方への通過を許容する第2許容位置(図4(b)の2点鎖線で示す位置)との間で、回動自在に構成されている。
また、このストッパ42の下端部を支持する下支軸部45には、図示しないねじりばね(ストッパ付勢手段)が内蔵されており、このねじりばねによって、ストッパ42が移動阻止位置側に付勢されている。なお、天板22の上支持部44の付近には、ストッパ42の上端部よりも若干下方の位置まで突出し、ストッパ42を移動阻止位置に係止するための係止ピン46が固定されている。したがって、ストッパ42は、第2許容位置と反対方向に、移動阻止位置を越えて回動することはない。
なお、ケース4の左部には、上記ストッパ42と左右対称に、ストッパ47が配置されている。このストッパ47は、予備カップ列Yを左側のカップ列セット部6に補充可能な状態に、カップ収納器2が設定される場合に、上記ストッパ42と同様の役割を果たすものである。なお、上記の場合には、前記押戻し部材41と同様の役割を果たす押戻し部材(図示せず)が、押戻し部材41と左右対称に配置される。
また、ケース4には、背板21の上部中央に、搬送通路18に対して出没自在の凸部材51が設けられている。この凸部材51は、予備カップ列Yが前記押戻し部材41で左方に押し戻される際に、その予備カップ列Yを適正な姿勢に保持するためのものである。凸部材51は、背板21の上部中央の所定位置に設けられた開口部21cを介して、搬送通路18に対し、出没自在に構成され、板ばね52によって突出するように付勢されている。図1〜図3に示すように、凸部材51は、正面形状が上記開口部21cよりも一回り小さい縦長矩形状に形成され、上半部に楔状の横断面を有している。
また、カップ収納器2には、図2および図3(b)に示すように、予備カップ列収容部7に予備カップ列Y、Yが収容されているか否かを検出するための左右2つの予備カップ列センサ53、54が設けられている。両予備カップ列センサ53、54はいずれも、互いに前後方向に対向する発光素子および受光素子を有する光センサで構成されており、発光素子および受光素子の一方が上部姿勢保持部材24に内蔵され、他方が背板21の背面に取り付けられている。
以上のように構成されたカップ収納器2では、飲料の販売が進み、カップ列セット部6にセットされていた販売カップ列Hが無くなると、カップ列搬送装置31が作動し、プッシャ33が搬送通路18に沿って右方に移動することにより、予備カップ列Yを右側のカップ列セット部6に補充する。
ここで、図5〜図7を参照しながら、カップ収納器2におけるカップ列セット部6への予備カップ列Yの補充動作について説明する。なお、以下の説明では、左右2つの予備カップ列Y、Yのうち、右側の予備カップ列Yを「第1カップ列Y1」と称呼し、左側の予備カップ列Yを「第2カップ列Y2」と称呼するものとする。
図5(a)は、プッシャ33が待機位置に位置する状態を示している。この状態からまず、同図(b)に示すように、プッシャ33が、カップ列セット部6に向かって右方に移動する。この場合、プッシャ33で第2カップ列Y2が押圧されるとともに、第2カップ列Y2で第1カップ列Y1が押圧され、これにより、第1および第2カップ列Y1、Y2が右方に移動する。またこの場合、押戻し部材41およびストッパ42は、第1カップ列Y1で押圧されることにより、ねじりコイルばね43や下支持部45に内蔵されたねじりばねの付勢力に抗して、第1許容位置側および第2許容位置側にそれぞれ回動し、カップ列セット部6への第1カップ列Y1の通過を許容する。なお、ケース4の背板21から搬送通路18に突出する凸部材51は、その前方を通過する第2カップ列Y2で押圧されることによって、搬送通路18から退避する。
そして、プッシャ33は、図5(c)に示す第1搬送位置に達したときに停止し、第1カップ列Y1がカップ列セット部6に到達する。この場合、同図(c)に示すように、押戻し部材41は、ねじりコイルばね43の付勢力によって、押圧位置側に回動し、第2カップ列Y2に当接する。一方、ストッパ42は、ねじりばねの付勢力によって、移動阻止位置に自動復帰する。
次いで、図6(a)〜(c)に順に示すように、プッシャ33は、左方に移動し、同図(c)に示す待機位置に復帰する。このように、プッシャ33が待機位置に戻ることにより、プッシャ33による第2カップ列Y2への押圧が解除されるため、その第2カップ列Y2は、押圧位置側に回動する押戻し部材41によって左方に押し戻される。この場合、カップ列セット部6に搬送された第1カップ列Y1と、第2カップ列Y2が、互いにカップCの開口周縁部のカール部で噛み合い、くっついている場合には、同図(a)に示すように、第1カップ列Y1が、左方に押し戻される第2カップ列Y2に追随して左方に移動することがある。しかし、この第1カップ列Y1は、移動阻止位置に位置するストッパ42に当接し、それ以上の左方への移動が阻止される。
次いで、図6(b)に示すように、押戻し部材41が、押圧位置まで回動することにより、第2カップ列Y2をさらに左方に押し戻し、それにより、第2カップ列Y2が第1カップ列Y1から引き離される。そして、第2カップ列Y2から離れた第1カップ列Y1は、カップ列載置台17の右端部の傾斜面や、ベース11の開口部11aの上端部の傾斜面などに案内されながら落下し、同図(c)に示すように、上記開口部11aおよびカップドロップリング13に挿通した状態で、カップ列セット部6にセットされる。また、プッシャ33は、待機位置に復帰する。なお、第1カップ列Y1と第2カップ列Y2が、互いにくっついていない場合には、第1カップ列Y1は、カップ列セット部6に到達すると同時に、上記のように落下し、カップ列セット部6にセットされる。以上により、第1カップ列Y1のカップ列セット部6への補充が完了する。
また、押戻し部材41で左方に押し戻された第2カップ列Y2は、図6(c)に示すように、搬送通路18のカップ列セット部6寄りの位置に保持される。なお、この第2カップ列Y2は、搬送通路18に突出する凸部材51と、押戻し部材41とで、左右両側から規制された状態となる。これにより、第2カップ列Y2は、左右方向に偏ることなく、適正な姿勢の状態で保持される。
図7は、上述したカップ列セット部6への第1カップ列Y1の補充後における第2カップ列Y2の補充動作を順に示している。カップ列セット部6にセットされていた第1カップ列Y1が無くなると、同図(a)に示すように、待機位置のプッシャ33が右方に移動し、第2カップ列Y2を押圧する。そして、プッシャ33が、同図(b)に示す第2搬送位置まで移動する。これにより、第2カップ列Y2がカップ列セット部6に到達し、これにセットされる。その後、プッシャ33は、同図(c)に示すように、待機位置に復帰する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、第1および第2カップ列Y1およびY2をプッシャ33で押圧し、第1カップ列Y1をカップ列セット部6に補充する際に、押戻し部材41で第2カップ列Y2をプッシャ33側に押し戻すとともに、ストッパ42で第1カップ列Y1の第2カップ列Y2側(左方)への移動を阻止する。これにより、第1および第2カップ列Y1およびY2がくっついている場合でも、第2カップ列Y2を第1カップ列Y1から強制的に引き離すことができる。したがって、カップ列セット部6に搬送された第1カップ列Y1は、第2カップ列Y2で邪魔されることなく、カップ列セット部6に適正にセットされ、その結果、カップCを安定して供給することができる。
また、第1カップ列Y1から第2カップ列Y2を引き離すための機構として、構造が比較的単純な押戻し部材41およびストッパ42を採用しているので、上記機構にモータなどの駆動源を用いたり、複雑な制御を行ったりする必要がない。したがって、両カップ列Y1およびY2の引離し機能を有するカップ供給装置1を、比較的安価に製造することができる。
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。実施形態では、カップ収納器2の予備カップ列収容部7に、2つの予備カップ列Yを収容した場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、3つ以上の予備カップ列Yを、一列に並ぶように収容するカップ供給装置に適用できることは、もちろんである。また、本発明のカップ供給装置は、カップ式自動販売機の他、飲料ディスペンサなどの各種のカップ飲料提供装置にも適用することができる。また、実施形態で示したカップ供給装置1の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
本発明の一実施形態によるカップ供給装置を示す斜視図であり、前面ドアを開放した状態を示す。 前面ドアを省略したカップ供給装置を示す正面図である。 図2のカップ供給装置を示す平面図であり、(a)は、天板を省略した状態、(b)は、図2のIIIb−IIIb線に沿って切断したときの状態を示す。 図2のカップ供給装置を示す平面図であり、(a)は、図2のIVa−IVa線に沿って切断したときの状態、(b)は、同図のIVb−IVb線に沿って切断したときの状態を示す。 カップ列セット部への予備カップ列の補充動作を説明するための説明図である。 図5に続く説明図である。 図6に続く説明図である。
符号の説明
1 カップ供給装置
2 カップ収納器
3 カップ搬出装置
6 カップ列セット部
7 予備カップ列収容部(カップ列収容部)
18 搬送通路(通路)
31 カップ列搬送装置
32 カップ列引離し機構(カップ列引離し手段)
33 プッシャ
34 プッシャ駆動機構(駆動手段)
41 押戻し部材(押圧手段、押圧部材)
41a 押戻し部材の支軸
42 ストッパ(移動阻止手段)
43 ねじりコイルばね(押圧部材付勢手段)
C カップ
H 販売カップ列
Y 予備カップ列
Y1 第1カップ列
Y2 第2カップ列

Claims (3)

  1. 各々が積み重なった状態の複数のカップから成る複数のカップ列を収納するとともに、飲料の提供時にカップを供給するカップ飲料提供装置のカップ供給装置であって、
    前記複数のカップ列のうち、カップを供給するためのカップ列がセットされるカップ列セット部と、
    このカップ列セット部に連なる通路を有し、当該通路内に、前記カップ列セット部に最も近い先頭の第1カップ列、およびその直ぐ後ろ側の第2カップ列を含む複数のカップ列を互いに隣接した状態で載置し、一列に並ぶように収容するカップ列収容部と、
    前記複数のカップ列の後方の待機位置と、前記第1カップ列を前記カップ列セット部にセットするための搬送位置との間で、前記通路に沿って移動自在のプッシャと、
    前記カップ列セット部への前記第1カップ列のセット時に、前記プッシャを前記搬送位置に駆動することにより、当該プッシャで前記複数のカップ列を押圧することによって前記カップ列セット部側に搬送し、前記第1カップ列が前記カップ列セット部に到達した後、前記プッシャを前記待機位置に駆動し、復帰させる駆動手段と、
    前記プッシャが前記待機位置に復帰する際に、前記第2カップ列を前記第1カップ列から引き離すカップ列引離し手段と、
    を備え
    前記カップ列引離し手段は、
    前記第2カップ列を、前記プッシャ側に移動させるように押圧する押圧手段と、
    この押圧手段によって前記第2カップ列が押圧される際に、前記第1カップ列の前記第2カップ列側への移動を阻止する移動阻止手段と、
    を有していることを特徴とするカップ飲料提供装置のカップ供給装置。
  2. 前記押圧手段は、
    前記カップ列セット部付近に設けられ、上下方向に延びる軸線を中心として、前記カップ列セット部への前記第1カップ列の通過を許容する第1許容位置と、前記第2カップ列を押圧する押圧位置との間で回動自在の押圧部材と、
    この押圧部材を前記押圧位置側に付勢する押圧部材付勢手段と、
    を有していることを特徴とする請求項に記載のカップ飲料提供装置のカップ供給装置。
  3. 前記移動阻止手段は、
    前記カップ列セット部付近に設けられ、上下方向に延びる軸線を中心として、前記カップ列セット部への前記第1カップ列の通過を許容する第2許容位置と、前記通路の内方に突出し、前記第1カップ列の前記第2カップ列側への移動を阻止する移動阻止位置との間で回動自在のストッパと、
    このストッパを前記移動阻止位置側に付勢するストッパ付勢手段と、
    を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のカップ飲料提供装置のカップ供給装置。
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