JP2505012Y2 - 飲料自動販売機のカップ供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はカップ式飲料自動販売機に設けられ、多数
のカップを収納するとともに、販売信号により前記カッ
プを１個ずつ搬出するカップ供給装置に関する。

〔従来の技術〕

カップ式飲料自動販売機では、例えば、実開昭63−55
83号公報に示されているように、機内にカップ供給装置
を備え、このカップ供給装置の収納ケース内に、多数の
カップが積み重なってカップ列をなしかつ複数のカップ
列として収納される。前記カップ列は直下にカップ搬出
機構が取り付けられた搬出位置に順次移動させられ、搬
出位置において販売信号により１個ずつベンドステージ
に送出される。又前記収納ケース内にはケース側壁に回
動可能に支持されるアームの前端に固着され上下に延び
る細い軸状の支えが設けられ、この支えをカップ列に向
けてばね付勢することにより、カップ列を搬出位置へ向
けて移動させる際にカップが傾いたり又は倒れないよう
にしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで従来のカップ供給装置では、カップ列の移動
の際に、カップが前記支えをなめらかに滑らず、支えが
カップの上端縁にくい込んでカップを変形させたり、カ
ップ列が傾いたりすることがあった。

さらに、カップ列を例えば２列搬出位置へ向けて移動
させる際、移動方向の前側に位置するカップ列はカップ
列を支えるガイドとの摩擦力のために前方へ進み難く、
そのために移動方向の後側に位置するカップ列が前側に
位置するカップ列に迫り、その結果後側に位置するカッ
プ列のカップと前側に位置するカップ列のカップとが噛
み合う。そのために、前側に位置するカップ列のカップ
は、カップ搬出位置に辿りついても、後側に位置するカ
ップ列のカップとの噛み合いによって宙吊りになり、カ
ップ搬出位置から搬出され得ないという問題があった。

この考案はカップを変形させる等のことがなくカップ
列を極めて円滑に移動させることのできる飲料自動販売
機のカップ供給装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

このような目的は、この考案によれば、回動可能に支
持されたアームの先端に上下に延びる支えを備え、収納
ケースの底板上に複数のカップ列が搬出位置に向けて押
し動かされる際に、ばね付勢された前記支えがカップ列
の外周に当接してカップ列を支える飲料自動販売機のカ
ップ供給装置において、前記支えを、アームの先端に固
定された軸と、この軸の外周上に遊嵌された回転可能な
ローラとから構成し、このローラを隣接するカップ列間
に割り込ませることによって達成される。

〔作用〕

カップ列が移動する際に、カップは支えに対して従来
滑り接触であったが、支えにローラを設けることによ
り、転り接触にすることができる。従って支えがカップ
にくい込むこともなく、カップ列は円滑に移動する。

さらに、ローラが隣接するカップ列間に割り込ませら
れるので、隣接するカップ列のカップ同士の干渉が防止
される。

〔実施例〕

この考案の実施例を第１図ないし第３図に基づいて説
明する。図において、１はカップ供給装置の収納ケース
である。２はカップで、収納ケース１の底板11上にかつ
一方の側板12に沿って積み重ねられ、カップ充填時には
カップ列2A,及び底板11に取付けられる図示しないカッ
プ搬出機構の上に即ち搬出位置1aに積み重ねられるカッ
プ列2Bを形成する。３はカップ列2Aを押して搬出位置1a
に移動させるプッシャ、４は基端部が収納ケース１の側
壁13に回動可能に支持されかつばね５により矢印方向に
付勢されるアームである。６は支えでアーム４の先端に
固着される上下に延びる軸61の外周上に回転自在にロー
ラ62が嵌合し構成される。７はアーム４と同様のアーム
で矢印方向にのみ回動可能に支持されており、先端に支
え６と同様の支え6Aが設けられる。

前述の構成において、カップ充填時にはプッシャ３は
左端にあり、カップ２がカップ列2A,2Bを形成し積み重
ねられる。かつカップ列2Aと2Bとの間には支え６が割り
込み両カップ列のカップ２の間で干渉が生じるのを防止
している、従って販売信号によりカップ列2Bのカップ２
がカップ列2Aのカップ２に阻害されることなく順次１個
ずつ落下搬出される。カップ列2Bがすべて搬出される
と、プッシャ３が動作しカップ列2Aを押してカップ列2B
が占めていた搬出位置1aに移動させる。このカップ列2A
の移動の際に、支え６が適当な力でカップ列2Aに押し付
けられる。従ってカップ列2Aは、進行方向あるいは側壁
13側に傾き倒れるのが防止され、かつカップ２の外縁部
がローラ62を回転させてこれと転り接触をしながらアー
ム４を矢印と反対方向に回動させて移動し、ストッパを
兼ねる支え6Aに当接して搬出位置1aに停止する。このよ
うにカップ列2Aは円滑に、かつ支え６によってカップ２
が変形させられることもなく搬出位置1aに移動する。そ
して販売信号によりカップ２が引き続きベンドステージ
に搬出される。

〔考案の効果〕

この考案によれば、支えを、アームの先端に固定され
た軸と、この軸の外周上に遊嵌された回転可能なローラ
とから構成したので、カップ列を移動させる際、カップ
列に対してローラが転り接触し、それゆえカップ列を変
形させたりまたカップ列が倒れたりすることなく極めて
円滑にカップ列を移動させることができる。

さらに、この考案によれば、ローラを隣接するカップ
列間に割り込ませることによって、隣接するカップ列間
のカップ同士の干渉が防止される。その結果、この考案
によれば、隣接するカップ列間のカップ同士が噛み合
い、そのために前側に位置するカップ列のカップが、カ
ップ搬出位置に辿りついても、後側に位置するカップ列
のカップとの噛み合いによって宙吊りになり、カップ搬
出位置から搬出され得ないという問題は解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示すカップ供給装置の考案
要部の平面図、第２図は支えの拡大斜視図、第３図はカ
ップと支えの接触状態を説明するための側面図である。 １……収納ケース、２……カップ、2A,2B……カップ
列、４……アーム、５……ばね、６……支え、62……ロ
ーラ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回動可能に支持されたアームの先端に上下
   に延びる支えを備え、収納ケースの底板上に複数のカッ
   プ列が搬出位置に向けて押し動かされる際に、ばね付勢
   された前記支えが前記カップ列の外周に当接してカップ
   列を支える飲料自動販売機のカップ供給装置において、
   前記支え（６）を、前記アーム（４）の先端に固定され
   た軸（61）と、この軸の外周上に遊嵌された回転可能な
   ローラ（62）とから構成し、このローラを隣接するカッ
   プ列間に割り込ませたことを特徴とする飲料自動販売機
   のカップ供給装置。