JP5194180B2 - モーションセンシングプログラム及びそれを備えた電子コンパス - Google Patents

モーションセンシングプログラム及びそれを備えた電子コンパス Download PDF

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Description

本発明は、地磁気を検出する磁気センサを用いてモーションセンシングを行うモーションセンシングプログラム及びそれを備えた電子コンパスに関する。
近年、装置本体を傾けたり、振ったりしたときに、その状態を検出する機能を備えた携帯端末装置が開発されている。このような携帯端末装置には、装置本体を傾けたときにその傾きを検出する傾きセンサや、装置本体を振ったときにその振動を検出する加速度センサが必要となる。このような傾きセンサや加速度センサを搭載することなく、地磁気を検出する磁気センサの出力に基づいて画面スクロールなどの動き(モーション)を行う携帯端末装置が開発されている(特許文献1)。この技術においては、ユーザが特定の方位を向いていた状態でモーションセンシングを行って、そのモーションに対応づけられた機能を実行する。
特開2006−128789号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術においては、携帯端末装置を持つユーザの向いている方位が変わると出力値が異なってしまう、すなわちユーザが東を向いている場合と西を向いている場合とでは出力値が異なってしまう。このため、ユーザの向いている方位を特定するためにキャリブレーションなどの処理を行わなければ、正確にモーションセンシングを行うことができないという問題がある。
また、モーションとされる動作は、例えば携帯端末装置を水平に置かれた状態から持ち上げる際など、ユーザが通常使用する範囲において意図せずに行って誤検出する可能性がある。また、周辺に磁気源が移動することによっても誤検出する可能性がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、キャリブレーションなどの処理が必要なく、正確にモーションセンシングを行うことができるモーションセンシングプログラム及びそれを備えた電子コンパスを提供することを目的とする。
本発明のモーションセンシングプログラムは、コンピュータにより実行可能であり、少なくとも2軸の磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行うモーションセンシングプログラムであって、前記モーションセンシングプログラムは、前記磁気センサが所定時間内に所定方向に回転した際の開始測定点における特定の2軸の磁気センサの出力、及び前記所定時間内における前記開始測定点以後の他の測定点における前記特定の2軸のセンサの出力に基づいて前記開始測定点と前記開始測定点以後の複数の他の測定点との間の出力座標上の距離を求め、前記距離に対して閾値判定を行ってモーションセンシングであるかどうかを判断する手順と、前記モーションセンシングである場合において回転方向を特定する手順と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、回転方向の特定も行うことができるので、キャリブレーションなどの処理が必要なく、正確にモーションセンシングを行うことができる。また、このモーションセンシングプログラムにおいては、X軸、Y軸、Z軸のうちの2軸の出力座標における距離を求め、この距離に対して閾値判定を行ってモーションセンシングを行う。このため、手振れなどの微動操作や単なる回転操作でのモーションセンシングの誤作動を防止することができる。
本発明のモーションセンシングプログラムにおいては、前記モーションセンシングであるかどうかを判断する手順においては、前記特定の2軸の磁気センサの出力座標における開始測定点から前記開始測定点に対する最遠測定点までの出力座標上の距離が第1の所定値以上であり、前記磁気センサを回転開始位置にほぼ戻した際の測定点から前記開始測定点までの出力座標上の距離が第2の所定値以下であるときに前記モーションセンシングであると判断することが好ましい。この構成によれば、往復の回転運動があった場合のみモーションセンシングであると判断するため、意図しない動作、周辺の磁場などによる誤検知を減らすことができる。
本発明のモーションセンシングプログラムにおいては、前記特定の2軸の磁気センサがコイルを有し、当該コイルにより漏洩磁場に対して補正することが好ましい。
本発明の電子コンパスは、磁気センサを有するコンパスモジュールと、前記磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行う上記モーションセンシングプログラム及び前記磁気センサの出力を用いて方位を求める方位算出プログラムを備えた制御手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の携帯端末装置は、上記電子コンパスを搭載し、前記電子コンパスにより、方位を求めると共にスイッチングを行うことを特徴とする。
本発明の携帯端末装置は、磁気センサと、前記磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行う上記モーションセンシングプログラム及び前記磁気センサの出力を用いて方位を求める方位算出プログラムを備えた制御手段と、を具備し、モーションセンシングによりスイッチングを行うことを特徴とする。
本発明の携帯端末装置においては、前記磁気センサの所定方向の回転が装置表面内における長手方向を軸とした回転であることが好ましい。
本発明のモーションセンシングプログラムによれば、コンピュータにより実行可能であり、少なくとも2軸の磁気センサの出力を用い、前記磁気センサが所定時間内に所定方向に回転した際の開始測定点における特定の2軸の磁気センサの出力、及び前記所定時間内における前記開始測定点以後の他の測定点における前記特定の2軸のセンサの出力に基づいて前記開始測定点と前記開始測定点以後の複数の他の測定点との間の出力座標上の距離を求めてモーションセンシングであるかどうかを判断し、前記モーションセンシングである場合に回転方向を特定するので、キャリブレーションなどの処理が必要なく、正確にモーションセンシングを行うことができる。
(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係るモーションセンシングプログラムにおけるモーションセンシングを説明するための図である。 (a),(b)は、本発明の実施の形態に係るモーションセンシングプログラムにおけるモーションセンシングを説明するための図である。 (a),(b)は、本発明の実施の形態に係るモーションセンシングプログラムにおけるモーションセンシングの原理を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るモーションセンシングプログラムのモーションセンシングを説明するためのフロー図である。 本発明の実施の形態に係る電子コンパスを備えた携帯端末装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電子コンパスの概略構成を示すブロック図である。 本発明の効果を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明のモーションセンシングプログラムにおけるモーションセンシングでは、磁気センサが所定方向に回転した際のモーションをセンシングする。図1(a)〜(c)は、磁気センサの回転方向を説明するための図であり、図1(a)は、磁気センサ1を水平方向に回転した場合(鉛直方向を軸とした回転)を示し、図1(b)は、磁気センサ1を縦方向に回転した場合(水平方向を軸とした回転)を示し、図1(c)は、磁気センサ1を横方向に回転した場合(水平方向を軸とした回転)を示す。なお、図1(b)、(c)に示す回転は、いずれも水平方向を軸とした回転であるが、磁気センサ1を搭載するデバイス(例えば、携帯端末装置)が長軸及び短軸を持つ略直方体形状である場合には、図1(b)に示す回転は、水平方向の短軸を軸とした回転であり、図1(c)に示す回転は、水平方向の長軸(装置表面内における長手方向)を軸とした回転である。ここで、図1(b),(c)に示す回転における水平方向とは、磁気センサを搭載した装置表面内における方向を意味し、地表面に対して水平な方向の意味ではない。
図1(a)〜(c)に示す回転方向に磁気センサを1回転(360°回転)すると、いずれの場合でもX軸、Y軸又はZ軸のうちの出力座標で略円形の出力が得られる。すなわち、図1(a)に示す水平回転においては、X軸−Y軸の出力座標において90°の位相出力を示し、Z軸の出力は変化がない。図1(b)に示す縦回転においては、Y軸−Z軸の出力座標において90°の位相出力を示し、X軸の出力は変化がない。図1(c)に示す横回転においては、X軸−Z軸の出力座標において90°の位相出力を示し、Y軸の出力は変化がない。
本実施の形態においては、図2(a),(b)に示すように、回転方向が横方向(図1(c))である場合について説明する。この場合のモーションセンシングにおいては、図2(a),(b)に示すように、磁気センサ1を横方向に約60°程度、往復回転することにより行う。この場合、往復回転動作は、他の動作と識別するために、ある程度高速(0.5秒〜1秒程度)で往復させることが好ましい。このとき、往路をどちら側に回転するかで、正方向(図2(a))と負方向(図2(b))の2方向のセンシングを行うことができる。
なお、この横方向は、例えば、本プログラムを搭載した電子コンパスを携帯端末に実装した場合において、水平回転などに比べて、ユーザが意図しないとできない動作であるので、モーションスイッチなどに利用する場合では、他の動作と区別することが容易で、誤動作の減少に繋がり有利である。
次に、本発明に係るモーションセンシングの原理について説明する。
ここでは、磁気センサが3軸の磁気センサであり、所定の回転方向が横方向であり、X軸−Z軸の出力座標において90°の位相出力を示し、Y軸の出力は変化がない場合について説明する。
磁気センサを図2(a)に示すように横方向(正方向)に往復運動させると、Z軸センサ及びX軸センサの出力は、図3(a)に示すようにZ軸−X軸出力座標上において円状の軌道上にプロットされる。また、磁気センサを図2(b)に示すように横方向(負方向)に往復運動させると、Z軸センサ及びX軸センサの出力は、図3(b)に示すようにZ軸−X軸出力座標上において円状の軌道上にプロットされる。なお、実際のZ軸センサ及びX軸センサの出力のプロットは、手振れにより正確に円軌道上にプロットされずに、円軌道上の付近にプロットされる。また、図3における丸数字内の数字は、プロットの順番を示す。
本発明に係るモーションセンシングプログラムにおいては、少なくとも2軸の磁気センサの出力を用い、前記磁気センサが所定方向に回転した際の特定の2軸の磁気センサの出力からモーションセンシングであるかどうかを判断し、前記モーションセンシングである場合において回転方向を特定する。
まず、モーションセンシングしているかどうかの判断は、上記のような磁気センサ1の回転動作において、Z軸−X軸出力座標における開始測定点から前記開始測定点に対する最遠測定点までの距離Aが所定値以上であり、Z軸−X軸出力座標において、前記磁気センサを元に戻した際(回転開始位置に戻した際)の測定点から前記開始測定点までの距離Bが所定値以下であることを基準に行う。すなわち、図3を用いて説明すると、開始測定点から最遠測定点までの距離A(図中、開始測定点1〜最遠測定点5までの距離)が所定の閾値以上であり、磁気センサを元に戻した際の測定点、すなわち最遠測定点の測定以降(図中の測定点6〜測定点10)の測定点のうち、開始測定点1からの距離が最も近い測定点(図中の測定点9)までの距離B(図中、開始測定点1〜測定点9までの距離)が所定の閾値以下であることを判断基準とする。ここで、磁気センサ1を元に戻すとは、モーションセンシングのために磁気センサ1を所定方向に回転させ、その後反対方向に回転させて戻す動作を意味する。
上記距離Aについての閾値判定を行うことにより、例えば、手振れなどの微動操作でのモーションセンシングの誤作動を防止することができる。また、上記距離Bについての閾値判定を行うことにより、例えば単なる回転操作でのモーションセンシングの誤作動を防止することができる。なお、閾値は、地磁気の大きさと、X軸−Z軸出力座標における円の半径とから設定する。
また、上記閾値判定に加えて、Z軸−X軸出力座標において、開始測定点及び最遠測定点の中間の中間点と開始測定点とを結ぶ仮想線と、中間点と最遠測定点とを結ぶ仮想線との間のなす角度が所定の閾値以上であるときに、モーションセンシングしているかどうかを判断するようにしても良い。すなわち、図3において、中間点(図中、測定点7)と開始測定点とを結ぶ仮想線Cと、中間点と最遠測定点とを結ぶ仮想線Dとの間のなす角度θが所定の閾値以上である場合に、モーションセンシングしているかどうかを判断するようにしても良い。このように角度θについての閾値判定を行うことにより、例えば、外部磁場でのモーションセンシングの誤作動を防止することができる。
回転方向の判断、すなわち、正方向の回転か、負方向の回転かの判断は、仮想線C(開始測定点1から中間点7までの線)の法線の向きと、仮想線D(中間点7から最遠測定点5までの線)の法線の向きとにより判断する。すなわち、仮想線C,Dのベクトルの外積により法線ベクトルを求め、その法線ベクトルのY軸成分の正負により正方向の回転か、負方向の回転かを判断する。具体的には、法線ベクトルのY軸成分が正であれば正方向の回転であり、法線ベクトルのY軸成分が負であれば負方向の回転である。
本発明に係るモーションセンシングは、磁気センサの所定の回転動作が所定時間内に行われたときに行われる。この所定時間としては、約0.5秒〜1秒程度である。所定の回転動作を行っても、所定時間を超えて行われた場合には、モーションセンシングに必要となる測定値が得られないので、その他動作として判定され、モーションセンシングは行われない。
次に、実際のモーションセンシングについて説明する。図4は、本発明の実施の形態に係るモーションセンシングプログラムのモーションセンシングを説明するためのフロー図である。
ここで、X軸センサの出力をXoutとし、Z軸センサの出力をZoutとする。また、測定点(出力プロット)の必要数をPcountとする。また、開始測定点から磁気センサを横回転させたときの最遠測定点(折り返し点)までの距離(距離A)の閾値をDth1とし、開始測定点から磁気センサを戻したときの測定点までの距離(距離B)の閾値をDth2とする。ただし、ここでは1プロットにつき50msecとする。
まず、X軸及びZ軸の出力値がPcount以上まで出力値を取得する。そして、取得されたX軸及びZ軸の出力値を用いてZ軸−X軸出力座標における折り返し測定点を求める。
次いで、開始測定点の出力をXout(0)、Zout(0)とする。また、磁気センサを横回転させたときの出力をXout(i)、Zout(i)とし、出力変化を下記式(1)に基づいて距離で算出する。
D(i)=√[{Xout(i)−Xout(0)}2+{Zout(i)−Zout(0)}2] 式(1)
ここで、Dth1≦D(i)であるかどうか、すなわち距離Aが閾値以上であるかどうかを判断する(ST11)。Dth1≦D(i)であれば、そのiに対応する測定点を最遠測定点(折り返し測定点)とし、そのときのXの出力とZの出力を記憶する。このとき、i=kとおくと下記式(2)のようになる。
D(k)=√[{Xout(k)−Xout(0)}2+{Zout(k)−Zout(0)}2] 式(2)
次いで、磁気センサを元の位置に戻したときの出力の変化を上記と同様にして求める。このとき、i=endとすると下記式(3)のようになる。
D(end)=√[{Xout(end)−Xout(0)}2+{Zout(end)−Zout(0)}2]式(3)
ここで、Dth2≧D(end)であるかどうか、すなわち距離Bが閾値以下であるかどうかを判断する(ST12)。Dth2≧D(end)であれば、その測定点を終了測定点とし、そのときのXの出力とZの出力を記憶する。このような2つの閾値判定で条件を満足すると、モーションセンシングであることを識別する(ST13)。一方、2つの閾値判定でいずれかの条件を満足しなければ、モーションセンシングでないと判定する(ST15)。
次いで、横回転の出力変化の方向を特定する(ST14)。この場合、開始測定点と折り返し測定点との間の中間点の出力を算出する。中間点でのX軸出力及びZ軸出力は、それぞれ下記式(4)、式(5)に示すようになる。
MP=(Xout(0)+Xout(k))/2 式(4)
MP=(Zout(0)+Zout(k))/2 式(5)
開始測定点から中間点までの仮想線(図3における仮想線C)と中間点から折り返し測定点までの仮想線(図3における仮想線D)の法線とから求められた法線ベクトルの向きに基づいて横回転の出力変化の方向(回転方向)を特定する。仮想線C,Dのベクトルは、それぞれ下記式(6)、式(7)に示すようになる。
仮想線Cのベクトル:Cx=Xout(0)−XMP、Cz=Zout(0)−ZMP 式(6)
仮想線Dのベクトル:Dx=Xout(k)−XMP、Cz=Zout(k)−ZMP 式(7)
これらのベクトルCx,Cz、Dx,Dzのそれぞれの外積を求めて法線ベクトルを求め、この法線ベクトルのY軸成分の正負を判定し、この正負により回転の方向を特定する。
図5は、本発明の実施の形態に係る電子コンパスを搭載した携帯端末装置の概略構成を示す図である。図5に示す携帯端末装置は、装置全体を制御する制御部11と、他の通信機器と無線通信を行う通信部12と、種々のデータを表示する表示部13と、種々のデータを入力したり装置の操作を行うための入力部14と、方位を求める電子コンパス15とから主に構成されている。この電子コンパス15は、本発明に係るモーションセンシング機能によりスイッチングを行うことができ、モーションを検知して制御部11に出力を行うモーションスイッチとしても機能する。電子コンパス15がモーションスイッチとしても機能することにより、この携帯端末装置は他にセンサを搭載する必要なく、方向の入力や機能の切り替えなどを行うことが可能となる。なお、この携帯端末装置は、この他に携帯端末装置において通常搭載されているデバイスを搭載しているものとする。
図6は、本発明の実施の形態に係る電子コンパスの概略構成を示すブロック図である。図6に示す電子コンパス15は、コンパスモジュール151と、制御部152とから主に構成されている。コンパスモジュール151は、磁気センサ部1511を有している。また、制御部152は、磁気センサ部1511の出力を用いて方位を求める方位算出プログラム1521と、磁気センサ部1511の出力を用いてモーションセンシングを行うモーションセンシングプログラム1522とを有する。
コンパスモジュール151の磁気センサ部1511における磁気センサは、磁気検出用に少なくとも3軸に対応するものが用いられる。磁気センサを構成するセンサ素子の種類については特に制限はない。例えば、センサ素子としては、GMR(Giant MagnetoResistance)素子、GIG(Granular In Gap)素子、ホール素子などを用いることができる。また、コンパスモジュール151には、磁気センサ部1511に電圧や磁界を印加するための処理部や磁気センサ部1511からのアナログ信号をディジタル信号に変換する処理部などが含まれる。
制御部152は、コンパスモジュール151を駆動するドライバソフトウェアとして少なくとも方位算出プログラム1521と、モーションセンシングプログラム1522とを有する。方位算出プログラム1521については、コンパスモジュール151からの磁気検出情報に基づいて基準方向に対する方位角を求めることができればその方法については特に制限はない。
モーションセンシングプログラム1522は、コンピュータにより実行可能であり、少なくとも2軸の磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行うモーションセンシングプログラムであって、前記モーションセンシングプログラムは、前記磁気センサが所定時間内に所定方向に回転した際の特定の2軸の磁気センサの出力からモーションセンシングであるかどうかを判断する手順と、前記モーションセンシングである場合において回転方向を特定する手順と、を含む。
このモーションセンシングプログラムによれば、回転方向の特定も行うことができるので、キャリブレーションなどの処理が必要なく、正確にモーションセンシングを行うことができる。また、このモーションセンシングプログラムにおいては、X軸、Y軸、Z軸のうちのX軸及びZ軸の出力座標における距離を求め、この距離に対して閾値判定を行ってモーションセンシングを行う。このため、手振れなどの微動操作や単なる回転操作でのモーションセンシングの誤作動を防止することができる。
例えば、本発明の技術的思想においては、携帯端末装置の近傍を磁気を帯びた物体が通過する場合を想定すると、図7のようなZ軸−X軸出力座標上において直線状の軌道上にプロットされる。上記特許文献1に開示された技術においては、X軸、Z軸の出力それぞれについて所定の閾値と比較した結果のみで、モーションデータを取得するかどうかを判定している。このため、図7に示すような場合においても、X軸及びZ軸それぞれの出力が所定の閾値を超えればモーションデータを取得する。このため、外部磁場の影響であっても有効なモーションであると誤判定してしまう可能性がある。しかしながら、本発明においては、図7に示す場合では、角度θがほぼ0°となり、所定の閾値を超えないためにモーションとは判断しない。したがって、外部磁場の影響による誤動作を防ぐことができる。
また、本発明に係るモーションセンシングは、漏洩磁場に対して、磁気センサのコイルによる補正を利用することで対応することができる。すなわち、磁気センサのコイルによる補正を行うことにより、外部磁場が変化しても正常にモーションセンシングを行うことが可能であり、誤作動も防止することができる。
本発明は、電子コンパスを有しない装置、例えば携帯端末装置にも適用することができる。すなわち、磁気センサと、前記磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行う上記モーションセンシングプログラム及び前記磁気センサの出力を用いて方位を求める方位算出プログラムを備えた制御手段と、を具備し、モーションセンシングにより方向の入力、機能の切り替えなどのスイッチングを行う携帯端末装置にも適用することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、磁気センサに対する回転方向が横方向である場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、回転方向が水平方向や縦方向であっても同様に適用することができる。また、上記実施の形態においては、モーションセンシングプログラムを携帯端末装置のスイッチングに適用した場合について説明しているが、本発明のモーションセンシングプログラムは、他のデバイスにおけるスイッチングにも同様に適用することができる。また、上記実施の形態においては、電子コンパスにおいてコンパスモジュールと制御部とが個別に構成されている場合について説明しているが、本発明においては、電子コンパスにおいてコンパスモジュールと制御部とが一体で構成されていても良い。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明は、地磁気を検出する磁気センサを用いてモーションセンシングを行うモーションセンシングプログラム、モーションセンシングプログラムを備えた電子コンパス及び電子コンパスを備えた携帯端末装置として好適に用いることが可能である。
1 磁気センサ
11 制御部
12 通信部
13 表示部
14 入力部
15 電子コンパス
151 コンパスモジュール
1511 磁気センサ部
152 制御部
1521 方位算出プログラム
1522 モーションセンシングプログラム

Claims (7)

  1. コンピュータにより実行可能であり、少なくとも2軸の磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行うモーションセンシングプログラムであって、前記モーションセンシングプログラムは、前記磁気センサが所定時間内に所定方向に回転した際の開始測定点における特定の2軸の磁気センサの出力、及び前記所定時間内における前記開始測定点以後の他の測定点における前記特定の2軸のセンサの出力に基づいて前記開始測定点と前記開始測定点以後の複数の他の測定点との間の出力座標上の距離を求め、前記距離に対して閾値判定を行ってモーションセンシングであるかどうかを判断する手順と、前記モーションセンシングである場合において回転方向を特定する手順と、を含むことを特徴とするモーションセンシングプログラム。
  2. 前記モーションセンシングであるかどうかを判断する手順においては、前記特定の2軸の磁気センサの出力座標における開始測定点から前記開始測定点に対する最遠測定点までの出力座標上の距離が第1の所定値以上であり、前記磁気センサを回転開始位置にほぼ戻した際の測定点から前記開始測定点までの出力座標上の距離が第2の所定値以下であるときに前記モーションセンシングであると判断することを特徴とする請求項1記載のモーションセンシングプログラム。
  3. 前記特定の2軸の磁気センサがコイルを有し、当該コイルにより漏洩磁場に対して補正することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のモーションセンシングプログラム。
  4. 磁気センサを有するコンパスモジュールと、前記磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行う請求項1から請求項3のいずれかに記載のモーションセンシングプログラム及び前記磁気センサの出力を用いて方位を求める方位算出プログラムを備えた制御手段と、を具備することを特徴とする電子コンパス。
  5. 請求項4記載の電子コンパスを搭載し、前記電子コンパスにより、方位を求めると共にスイッチングを行うことを特徴とする携帯端末装置。
  6. 磁気センサと、前記磁気センサの出力を用いてモーションセンシングを行う請求項1から請求項3のいずれかに記載のモーションセンシングプログラム及び前記磁気センサの出力を用いて方位を求める方位算出プログラムを備えた制御手段と、を具備し、モーションセンシングによりスイッチングを行うことを特徴とする携帯端末装置。
  7. 前記磁気センサの所定方向の回転が装置表面内における長手方向を軸とした回転であることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の携帯端末装置。
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