JP4051969B2 - 地磁気センサを利用した首振り範囲の制御装置及び首振り部を備える装置 - Google Patents

地磁気センサを利用した首振り範囲の制御装置及び首振り部を備える装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地磁気センサを利用した首振り範囲の制御装置及び首振り部を備える装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
首振り動作をする首振り部を備える装置としては、代表的なものとして扇風機が挙げられる。一般的な扇風機では、プロペラとその駆動用モータが設けられた首振り部を予め設計された首振り範囲内で、駆動用モータによる駆動力により機械的に首振り動作させる機構が組み込まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、機械的に首振り動作させる従来の扇風機のような首振り部を備える装置では、首振り部を手で動かして首振りの範囲を一度設定しても、首振り部を動かしてしまったり、土台部の向きを変えたりすると、先に設定した首振り範囲内での首振り動作をしなくなる問題がある。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、首振り部を動かしてしまったり、土台部の向きを変えたりしても、設置方向に関係なく、設定した首振り範囲内で首振り動作させることができる首振り範囲の制御装置及び首振り部を備える装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明の首振り範囲の制御装置は、首振り動作をする首振り部を備える装置において、その首振り動作を制御する制御装置であって、前記首振り部に地磁気センサを設け、前記地磁気センサの出力に基づき求められる前記首振り部が向く方向の情報から、前記首振り部が設定された首振り範囲内で首振り動作するように制御することを特徴とする。
【0006】
また、発明は、前記首振り部が向く方向の情報を周期的に求め、前記首振り部が設定された首振り範囲の端部の方向を向いた時点に、その首振り動作を反転させる制御をすることを特徴とする。
【0007】
また、発明は、首振り動作をする首振り部を備える装置において、前記首振り部に地磁気センサを設けるとともに、前記地磁気センサの出力に基づき求められる前記首振り部が向く方向の情報から、前記首振り部が設定された首振り範囲内で首振り動作するように制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
発明では、上記のように、首振り範囲の制御装置(制御手段)が、首振り部に設けられた地磁気センサの出力から、この首振り部が向く方向の情報を求め、この首振り部の首振り動作を、設定された首振り範囲内で行うように制御するので、常に設定された首振り範囲を正確に首振り動作させることができる。
【0009】
なお、前記地磁気センサとしては、前記首振り部内に固定されるとともに該首振り部の第1所定軸方向の外部磁界の成分に応じた値を示す第1軸磁気センサと、前記首振り部内に固定されるとともに前記第1所定軸と所定の角度を持って交差する該首振り部の第2所定軸方向における外部磁界の成分に応じた値を示す第2軸磁気センサと、からなるXY2軸地磁気センサを用いることができる。そして、前記制御装置(制御手段)が、前記第1軸磁気センサが示す値と、前記第2軸磁気センサが示す値と、前記首振り部の第3所定軸の方位との関係を予め規定した変換テーブル、前記第1軸磁気センサが実際に示す値、及び前記第2軸磁気センサが実際に示す値に基づいて前記第3所定軸の方位、及び/又は、前記首振り部の第3所定軸の傾斜角を決定する。
【0010】
この場合、上記第1〜第3所定軸は、第1所定軸と第2所定軸とが所定の角度(例えば、90°)を持って交差する点を除き、任意に定めることができ、例えば、第1所定軸、及び第2所定軸の何れか一方が、第3所定軸と一致していてもよい。また、例えば、上記首振り部を備える装置が使用される状態において、その首振り部の前後軸と左右軸とが定まっている場合、前記第3所定軸は首振り部の前後軸であってよい。更に、この場合、第1所定軸が首振り部の左右軸であり、第2所定軸が首振り部の前後軸であってもよい。
【0011】
ところで、地磁気の向きは、水平面に対して所定の角度を有している。この地磁気の傾きは場所に応じて変化する。また、上記XY2軸地磁気センサが傾いた状態にある場合、検出される地磁気と地磁気センサの前後軸とのなす角度は、同前後軸の方位が同一であっても、当該地磁気センサが使用される場所、及び使用される際の地磁気センサの傾斜角に応じて変化する。このため、XY2軸地磁気センサの出力は方位以外の影響(即ち、地磁気の傾きと前後軸の傾き)を受けて変化する。
【0012】
したがって、このXY2軸地磁気センサが使用される場所が解れば、このXY2軸地磁気センサを用いて、地磁気の水平面からの傾きが特定される。従って、ある既知の場所において本発明の装置が使用されるとの前提にたてば、前記第1軸磁気センサの示す値Sx、及び前記第2軸磁気センサの示す値Syの組み合わせの値(Sx,Sy)により、首振り部の任意の軸である第3所定軸(例えば、本体の前後軸)の方位α、及び同第3所定軸の基準面(例えば、水平面)からの傾斜角βが実質的に特定される。かかる事実に基づき、第1軸磁気センサが示す値と、第2軸磁気センサが示す値と、前記本体の第3所定軸の方位との関係を予め規定した変換テーブルを使用して、同本体の第3所定軸の実際の方位αを決定する。また、第1軸磁気センサが示す値と、前記第2軸磁気センサが示す値と、前記本体の第3所定軸の基準面に対する傾斜角との関係を予め規定した変換テーブルを使用して、同本体の第3所定軸の基準面からの傾斜角βを求める。
【0013】
以上のようにして、前記第3所定軸の方位、及び/又は、前記首振り部の第3所定軸の基準面に対する傾斜角を決定することで、前記首振り部が向く方向の情報が求められ、該方向の情報に基づき該首振り部の首振り動作を制御することができる。
なお、以上において、方向の情報とは、首振り部が向く方位の情報および傾き(傾斜角)の情報を含むものとする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である扇風機の構成を示すブロック図である。
【0015】
本実施の形態の扇風機1は、図1において、符号11に示す操作部と、符号12に示す赤外線受信部と、符号30に示すXY2軸地磁気センサ(以下、磁気センサと称す)と、符号13に示すA/Dコンバータと、符号14に示す制御部と、符号15に示す首振り用モータ部と、符号16に示すプロペラ用モータと、プロペラ(図1において図示せず)から構成される。また、同図符号50は、リモコンを示している。
【0016】
操作部11は、プロペラの回転速度や、下記の首振り部10の首振り範囲等を設定するための設定手段である。
ここで設定される首振り範囲は、首振り部10が向く方位および傾きの角度の範囲が設定されるものとするが、首振り中心の方位及び傾きを設定し、首振り範囲は、この首振り中心から所定の角度(例えば、首振り中心から±60°固定等)を首振り動作するようにしてもよい。
【0017】
赤外線受信部12は、リモコン50から送信される赤外線信号を受信し、制御部14に与える。
リモコン50は、操作部11と同様の設定を、赤外線通信により遠隔設定するために用いられるものであり、従来の赤外線通信を利用するリモコン装置と同様に構成される。
【0018】
磁気センサ30は、図2に示したように、扇風機1の上面(X−Y平面と平行な平面)とほぼ平行となるように、同扇風機1の内部に保持されていて、図1に示すように、X軸(首振り部10の左右軸)方向の外部磁界(地磁気)の成分に応じた値を示すX軸磁気センサ31と、Y軸(首振り部10の前後軸)方向の外部磁界の成分に応じた値を示すY軸磁気センサ32とから構成されている(詳細は、後述する)。そして、このX軸磁気センサ31とY軸磁気センサ32からの出力は、A/Dコンバータ(A/DC)13により、A/D(Analog to Digital)変換され、変換されたデジタルデータが制御部14に与えられる。
【0019】
首振り用モータ部15は、下記の首振り部10を首振り動作させるための駆動手段であり、一般のモータ、あるいは、ステッピングモータ等を使用する。首振り部10は、この首振り用モータ部15に備わるモータの回転軸の回転/静止/反転に応じて首振り部10を首振り動作させるものである。なお、この首振り用モータ部15は、水平面内の首振り動作のみならず、垂直面内の首振り動作をさせる場合には、それぞれの首振り動作をさせるために2個のモータを使用するものとする。
プロペラ用モータ16は、従来の扇風機に用いられるものと同様のモータを用いることができ、また、プロペラも、従来の扇風機に用いられるプロペラを使用する。
【0020】
制御部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random−Access Memory)、CPU(中央処理装置)等により構成される。ROMには、扇風機1を構成する各部を制御するための制御プログラムおよび後述する変換テーブル等を記憶している。また、RAMは、CPUのワークエリアとして使用される。そして、このROMに記憶された制御プログラム等を、RAMにロードするとともにCPUが制御プログラムを実行することによりその機能が実現されるものとする。なお、この制御部14で行う処理は、後述する動作説明において詳述する。
【0021】
また、扇風機1は、図2に示すように、首振り部10と台座20とから構成され、また、プロペラ40と、図1に示したプロペラ用モータ16、首振り用モータ部15、A/Dコンバータ13および磁気センサ30は、首振り部10に設けられる。また、本実施の形態においては、操作部11と赤外線受信部12と制御部14は、台座20に設けられるものとする。
【0022】
また、扇風機1は、簡単のため、図2に示すように、互いに直交する上記X軸、Y軸、及びZ軸に沿って延びる辺を有するほぼ直方体の首振り部10を備えているものとする。この図に示す例では、前述のように、X軸が首振り部10の第1所定軸としての左右軸と一致し、Y軸が同首振り部10の第2所定軸としての前後軸に一致している。さらに、後述する方位α及び傾斜角βを検出するための基準となる首振り部10の第3所定軸は、この場合、Y軸(Y軸正方向)となる。
【0023】
ここで、上記磁気センサ30について詳述する。
この磁気センサ30は、その平面図である図3に示したように、基板30a、基板30a上に形成された4つのGMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)31a〜31d、基板30aの上に形成された4つのGMR素子32a〜32d、及び制御回路33を備えている。各GMR素子31a〜31d,32a〜32dは、外部磁界に応じて磁化の向きが変化する自由層、導電性のスペーサ層、及び磁化の向きが固定(ピン)された固着層を備える周知の膜構造を有し、図4に示したように、固着層の磁化の向きと白由層の磁化の向きがなす角度θに応じて抵抗値Rが変化するようになっている。各GMR素子31a〜31d,32a〜32dの固着層の固定された磁化の向きは、図3において矢印に示す通りになっている。
【0024】
図5は、かかる磁気センサ30の等価回路を示している。図5においても、GMR素子31a〜31d,32a〜32dの各固着層の固定された磁化の向きが各素子を表すブロック内に矢印にて示されている。図5に示したように、前記制御回路33は、出力処理回路33a,33b、及び定電圧回路33c,33dを備えている。
【0025】
X軸磁気センサ31においては、GMR素子31a〜31dがフルブリッヂ接続されていて、GMR素子31dとGMR素子31bとの結合点P1、及びGMR素子31aとGMR素子31cとの結合点P2が、それぞれ定電圧回路33cの正極、及び負極に接続され、これらの結合点P1,P2の間に一定の電圧Vが付与されるようになっている。また、GMR素子31aとGMR素子31dとの結合点P3、及びGMR素子31bとGMR素子31cとの結合点P4が、出力処理回路33aに接続されている。
【0026】
出力処理回路33aは、結合点P3,P4の間の電位差Vxを入力し、電位差Vxを規格化し、規格化した値をADコンバータ13にX軸磁気センサ31の出力Sxとして出力するようになっている。なお、規格化とは、首振り部10の上面あるいは底面(X−Y平面)が地表面に平行(水平)であるときのX軸磁気センサ31(又はY軸磁気センサ32)の実際の出力Sx(又は出力Sy)を、同出力Sx(又は出力Sy)の最大値と最小値の差で除することである。このように構成される結果、X軸磁気センサ31の出力Sxは、図6(A)に示したように、X軸方向の外部磁界(磁場)の成分に応じた値(ほぼ比例した値)を示すようになっている。
【0027】
Y軸磁気センサ32においては、X軸磁気センサ31と同様に、GMR素子32a〜32dがフルブリッヂ接続されている。GMR素子32aとGMR素子32cとの結合点P5、及びGMR素子32bとGMR素子32dとの結合点P6が、それぞれ定電圧回路33dの正極、及び負極に接続され、これらの結合点P5,P6の間に一定の電圧Vが付与されるようになっている。また、GMR素子32aとGMR素子32dとの結合点P7、及びGMR素子32cとGMR素子32bとの結合点P8が、出力処理回路33bに接続されている。出力処理回路33bは、結合点P7,P8の間の電位差Vyを入力し、電位差Vyを規格化し、規格化した値をADコンバータ13にY軸磁気センサ32の出力Syとして出力するようになっている。このように構成される結果、Y軸磁気センサ32の出力Syは、図6(B)に示したように、Y軸方向の外部磁界(磁場)の成分に応じた値(ほぼ比例した値)を示すようになっている。
【0028】
次に、上記のように構成された扇風機1の制御部14が、首振り部10の前後軸(Y軸)の方位α(deg)、さらに同前後軸の水平面からの傾斜角β(deg)を求める際の動作について説明する。なお方位αは、例えば首振り部10の前後軸の向き(Y軸正方向)が南を向いているとき「0又は360(deg)」とし、西を向いているとき「90(deg)」、北を向いているとき「180(deg)」、東を向いているとき「270(deg)」となるように定義されている。
【0029】
首振り部10が水平面内で回転すると、上記X軸磁気センサ31の出力Sxは正弦波状に変化し、Y軸磁気センサ32の出力Syは出力Sxと位相が90°だけ異なる正弦波状に変化する。従って、出力Sxと出力Syの軌跡は、図7の実線で示すように、原点を中心としたほぼ楕円状の軌跡となる。ところが、地磁気は水平ではなく、地球上の場所に応じた角度だけ水平面に対し傾斜しているために、首振り部10が水平面から傾斜角βだけ傾けられると、地磁気の向きと首振り部10のY軸正方向のなす角度が変化し、その影響が出力Syに現われる。
【0030】
すなわち、図8に示すように、首振り部10が、水平面から傾斜角β1だけ傾けられた状態で、鉛直上下方向の軸Jの周りに回転されると、出力Sxと出力Syの軌跡は図7の破線で示すような楕円形の軌跡となり、その中心が出力Syの負方向に移動する。さらに、首振り部10が傾斜角β1より大きい傾斜角β2だけ傾けられた状態で軸Jの周りに回転されると、図8の一点鎖線で示すように、出力Sxと出力Syの軌跡は、短軸がより短い楕円形となるとともに、その中心が出力Syの負方向にさらに移動する。
【0031】
換言すると、地磁気の水平面に対する角度が一定であれば、すなわち、扇風機1の存在する位置(緯度、経度)が一定であれば、出力Sxと出力Syの値(Sx,Sy)は一定の軌跡を描くので、この値(Sx,Sy)から方位αと傾斜角βを特定することができる。そこで、本実施の形態では、扇風機1が地磁気の傾きがほぼ一定である範囲内に存在すると仮定した場合の出力値(Sx,Sy)と、方位α及び傾斜角βとの関係を予め測定し、これらの関係を変換テーブルとして用意し、制御部14に備わるROMに格納しておく。そして、実際の方位α、及び傾斜角βを求める際に、実際の出力値(Sx,Sy)とこのROM内に格納された変換テーブルとから、方位αと傾斜角βを決定する。
【0032】
以上のようにして、方位αと傾斜角βを決定するが、図7の点Kのように、同一の出力値(Sx、Sy)に対し、二組以上の方位αと傾斜角βの組(α,β)が存在する場合がある,この場合、その値(Sx,Sy)が生じうる方位αと傾斜角βの組(α、β)を、扇風機1の想定し得る使用状態の範囲で複数個求め、この複数個の組(α,β)の平均値を前記変換テーブルの値として採用する。ここで扇風機1において想定し得る使用状態の範囲(首振り部10の最大の首振り範囲)とは、例えば、方位αについては0〜360(deg)、及び傾斜角βについては0〜45(deg)とする。このようにして得られる変換テーブルの例を以下の表に示す。なお、この例では、扇風機1の首振り部10の前後軸(Y軸)周りの回転角γは0(deg)としたが、同回転角γについても所定の角度範囲内で変化させ、そのときの出力値(Sx,Sy)と方位αと傾斜角βの組(α、β)との関係を複数求め、これらを平均して変換テーブルの値を得てもよい。以下に、この変換テーブルの一例を示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004051969
【0034】
次に、方位αと傾斜角βを算出する際のCPU11の処理について説明する。
CPU11は、所定時間の経過毎に図9に示したルーチン(プログラム)を繰り返し実行する。
【0035】
はじめに、ステップS901において、CPU11はX軸磁気センサ31の出力SxとY軸磁気センサ32の出力Syを読み込む。
次いで、CPU11はステップS902に進み、前述した表1に示した変換テーブルを制御部14に備わるROMから読み出し、ステップS901で読み込んだ出力値Sx,Syと、この変換テーブルとに基づいて実際の方位αと実際の傾斜角βとを求める。例えば、(Sx,Sy)が(−0.35,+0.08)であれば、方位αは256(deg)、及び傾斜角βは1(deg)であるとして求められる。
そしてここで求めた方位αと傾斜角βを、例えば、サブルーチンの戻り値として設定し、本ルーチンを一旦終了する。
このようにして、扇風機1の首振り部10が向く方向の情報として、方位αと傾斜角βが、所定時間の経過毎に求められる。
【0036】
次に、本実施の形態における制御部14の制御フローの一例を、図10を参照して説明する。
以下では、首振り部10の首振り範囲が予め設定されているものとする。
【0037】
制御部14は、上記のように所定時間の経過毎に図9に示したルーチン(プログラム)を実行し、首振り部10が向く方位αと傾斜角βを算出する(ステップS101)。この方位αと傾斜角βの算出は、上記のように所定時間の経過毎に図9に示したルーチン(プログラム)を繰り返し実行される。
【0038】
次いで、制御部14は、ステップS101で算出した首振り部10が向く方位αと、さらには傾斜角βから、首振り部10が現に向いている向きが設定された首振り範囲内にあるか判断する(ステップS102)。
【0039】
そして、ステップS102の判断で、首振り部10が現に向いている向きが設定された首振り範囲内にないと判定された場合(Noと判定された場合)、すなわち、首振り部10が現に向いている向きが設定された首振り範囲の端部あるいはこの端部より外の範囲を向いた場合、制御部14は、首振り用モータ部15のモータの回転を反転させる制御をし(ステップS103)、ステップS101に移る。
一方、首振り部10が現に向いている向きが設定された首振り範囲内にあると判定された場合、そのままステップS101に移る。
【0040】
以上のようにして、制御部14は、首振り部10の首振り動作を制御するが、上記で説明した制御フローは一例であり、上記の処理の流れに限定されるものではない。
また、以上に説明したように、本実施の形態では、磁気センサ30を用いて、その出力から得られる首振り部10が向く方位αと、さらにはその傾斜角βから、首振り部10の首振り範囲の制御をするので、首振り部10が向く方位のみならず、その傾き(傾斜角)についても、設定された首振り範囲内で、首振り動作の制御を行えるものとなっている。
【0041】
また、本実施の形態では、磁気センサ30の出力値(Sx,Sy)、方位α、及び傾斜角βの関係を予め規定した変換テーブルを用意し、この変換テーブルと実際に得られた値(Sx,Sy)とから、実際の方位α、及び傾斜角βを得るようにしている。従って、首振り部10の前後軸が水平面に対して傾いた状態にあっても、扇風機1の制御部14は精度良く方位αを取得することができるとともに、傾斜角βを取得することができる。また、磁気センサ30を3軸構成として、より精度高く方位αおよび傾斜角βを算出してもよい。
【0042】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれる。例えば、上記実施の形態は、本発明を扇風機に適用した例であるが、その他、車両/船舶(艦船)に搭載されたレーダアンテナ等の首振り部を有する装置において、その首振り部の首振り範囲の制御にも適用できる。
【0043】
また、上記実施形態においては、一つの変換テーブルを予め制御部14に備わるROM内に格納しているが、扇風機1が異なる場所(位置)で使用される場合(地磁気の傾きが異なる場合)についても、その位置に対応した同様の変換テーブルをこのROM内に格納しておき、操作部11あるいはリモコン50を介して、当該扇風機1の位置の設定を受け、設定された扇風機1の位置に応じ、適切な変換テーブルを読み出すようにしてもよい。このようにすれば、扇風機1が広範囲の地域で使用されることにより地磁気の向きの水平面に対する傾きが変化した場合であっても、扇風機1の方位α及び傾斜角βを精度良く求めることができる。
【0044】
なお、上記実施形態において磁気センサ30は、GMR素子により構成されていたが、これに限定されることなく、例えば、磁気トンネル効果素子等の他の磁気抵抗効果素子を用いて構成することもできる。
【0045】
さらに、上記実施形態においては、X軸磁気センサ31の出力Sx及びY軸磁気センサ32の出力Syをそれぞれ規格化していたが、同規格化を行う前に、これらの出力Sx,Syが有するオフセット量OFx,OFyをそれぞれの出力Sx,Syから減じ、同オフセット量OFx,OFyを減じた値を各磁気センサ31,32の正規の出力Sx,Syとするように構成してもよい。このようなオフセット量OFx,OFyは、X軸磁気センサ31及びY軸磁気センサ32の近傍に存在する永久磁石部品や、各GMR素子3la〜31b,32a〜32dの抵抗値のばらつきにより生じるものであり、所定の条件が成立したときに首振り部10を水平面内で180度回転させて、その際の出力Sx,Syの各平均値からそれぞれ求めることができる。
【0046】
また、上記実施形態においては、X軸が首振り部10の第1所定軸としての左右軸となり、Y軸が同首振り部10の第2所定軸、及び第3所定軸としての前後軸になっていたが、これに限定されない。即ち、前記首振り部10の第1〜第3所定軸は、第1所定軸と第2所定軸とが所定の角度θ(上記実施形態では90°)を持って交差する点を除き、任意に定めることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、地磁気センサを首振り部に設け、首振り部が向く方向の情報を基にその首振り範囲を制御することで、首振り部が外力により動かされたり、また、首振り部が設けられた土台部の向きが変えられたりしても、常に設定された首振り範囲を首振り動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に一実施の形態である扇風機の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施の形態の扇風機の外観を模式的に表した図である。
【図3】 同実施の形態の磁気センサの概略平面図である。
【図4】 同実施の形態の磁気センサを構成する各GMR素子の特性を示す図である。
【図5】 同実施の形態の磁気センサの等価回路図である。
【図6】 (A)X軸磁気センサの出力特性図、(B)Y軸磁気センサの出力特性図である。
【図7】 同実施の形態の扇風機の首振り部が回転された場合における磁気センサの出力値の軌跡図である。
【図8】 図7の軌跡図を得る際の扇風機の首振り部の動きを示した図である。
【図9】 同実施の形態の制御部が実行する方位と傾斜角を算出するプログラム(ルーチン)のフローチャートである。
【図10】 同実施の形態の制御部が実行する首振り動作の制御フローの一例である。
【符号の説明】
1…扇風機、10…首振り部、11…操作部、12…赤外線受信部、13…A/Dコンバータ(A/DC)、14…制御部(制御手段)、15…首振り用モータ部、16…プロペラ用モータ、20…台座(土台部)、30…磁気センサ(XY2軸磁気センサ、地磁気センサ)、31…X軸磁気センサ、32…Y軸磁気センサ、33…制御回路、40…プロペラ、50…リモコン

Claims (2)

  1. 首振り動作をする首振り部を備える装置において、その首振り動作を制御する制御装置であって、
    前記首振り部に設けられ、第1所定軸方向と第2所定軸方向におけるそれぞれの地磁気の磁界強さの値を検出して出力する地磁気検出手段と、
    第1所定軸方向と第2所定軸方向のそれぞれの磁界強さの値と、前記首振り部の第3所定軸の向く方位情報及び水平面に対する傾斜角の情報とが関係付けられた変換テーブルを記憶する記憶手段と、
    前記変換テーブルを参照して、前記地磁気検出手段が検出した前記第1所定軸方向と前記第2所定軸方向におけるそれぞれの地磁気の磁界強さの値から前記第3の所定軸の方位情報及び水平面に対する傾斜角情報を取得する方向取得手段と、
    前記首振り部が首振り動作を行う際に、前記第3所定軸が向く方位情報と水平面に対する傾斜角情報の範囲が予め設定されており、前記方向取得手段により取得した前記第3の所定軸の向く方位情報と水平面に対する傾斜角情報が、前記範囲の端部である場合に前記首振り部の首振り動作を反転させる制御手段と
    を備えることを特徴とする首振り範囲の制御装置。
  2. 首振り動作をする首振り部を備える装置において、
    前記首振り部に設けられ、第1所定軸方向と第2所定軸方向におけるそれぞれの地磁気の磁界強さの値を検出して出力する地磁気検出手段と、
    第1所定軸方向と第2所定軸方向のそれぞれの磁界強さの値と、前記首振り部の第3所定軸の向く方位情報及び水平面に対する傾斜角の情報とが関係付けられた変換テーブルを記憶する記憶手段と、
    前記変換テーブルを参照して、前記地磁気検出手段が検出した前記第1所定軸方向と前記第2所定軸方向におけるそれぞれの地磁気の磁界強さの値から前記第3の所定軸の方位情報及び水平面に対する傾斜角情報を取得する方向取得手段と、
    前記首振り部が首振り動作を行う際に、前記第3所定軸が向く方位情報と水平面に対する傾斜角情報の範囲が予め設定されており、前記方向取得手段により取得した前記第3の所定軸の向く方位情報と水平面に対する傾斜角情報が、前記範囲の端部である場合に前記首振り部の首振り動作を反転させる制御手段と
    を備えることを特徴とする首振り部を備える装置。
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