JP3206268B2 - 磁気測定器 - Google Patents
磁気測定器Info
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Description
特に感度軸を自動的に一致させ得る磁気測定器に関す
る。
置して、磁界の測定を行う場合、磁界の感度軸は、鉛直
方向、磁気的な東西方向、そして南北方向に一致させて
設置する。そのため、蓄積されたデータも、これらの感
度軸方向で得られたものが大部分である。従来、鉛直方
向、磁気的な東西方向、南北方向に一致させるために、
人が何回か、測定をしながら一致させる方法、あるいは
鉛直方向にジンバル機構を用いて一致させ、方位方向は
人手あるいはモータにより物理的に感度軸を回転させる
方法を採っていた。
を一致させる方法では、人手による場合は手間、時間が
かかるし、ジンバル機構やモータを使用すると、その
分、磁気測定器が大型化するという問題があった。この
発明は、上記問題点に着目してなされたものであって、
比較的容易に、かつ自動的に感度軸を一致させ得、かつ
小型の磁気測定器を提供することを目的としている。
測定器は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向にそ
れぞれ配置された磁気センサ素子を有する3軸磁気セン
サと、この3軸磁気センサの検知した磁界値をディジタ
ル値に変換する手段と、地磁気を測定して得られた磁界
の3成分より、地磁気の3軸磁気センサの感度軸に対す
るずれ角を算出する手段と、被測定磁界に対し、前記ず
れ角に基づいて軸まわりの回転演算を行い、感度軸に対
して所望する関係となるように、被測定磁界値を変換す
る手段とを備えている。
た状態で、地磁気のみを測定し、その測定した3方向成
分値と、本来、鉛直方向、磁気的東西方向、南北方向に
一致させた場合の磁界値より、感度軸に対するずれ角を
算出する。その後、その姿勢で、被測定磁界を測定し、
その磁界をそれぞれずれ角を参照して、軸まわりに回転
演算し、3軸センサを感度軸に一致させた場合に得られ
る磁界値を変換演算して出力する。具体的に請求項1で
は、変換手段は、地磁気H’をZ軸の回りに回転させて
磁界ベクトルH’ 1 を得、次にその磁界ベクトルH’ 1
をY軸の回りに回転させて磁界ベクトルH’ 2 を得、最
後に磁界ベクトルH’ 2 をZ軸の回りに回転させ、得ら
れた磁界ベクトルH’ 1 ,H’ 2 及び変換結果後の地磁
気ベクトルH’ 0 の各軸成分を示す関係式と回転角度と
から、変換結果後の地磁気ベクトルH’ 0 を求める。 ま
た、請求項2では、変換手段は、地磁気H’をZ軸の回
りに回転させて磁界ベクトルH’ 3 を得、次にその磁界
ベクトルH’ 3 をX軸の回りに回転させて磁界ベクトル
H’ 4 を得、最後に磁界ベクトルH’ 4 をZ軸の回りに
回転させ、得られた磁界ベクトルH’ 3 ,H’ 4 及び変
換結果後の地磁気ベクトルH’ 0 の各軸成分を示す関係
式と回転角度とから、変換結果後の地磁気ベクトルH’
0 を求める。
に説明する。図1は、この発明の一実施例磁気測定器の
構成を示すブロック図である。この実施例磁気測定器
は、3軸磁気センサ素子1と、センサ制御器2と、A/
D変換器3と、コンピュータ4とから構成されている。
x、Hy、Hzに反応してアナログ信号を発生する。例
えば、フラックスゲート型の磁気センサ素子を3個、互
いに直交させて配置した構成を用いる。センサ制御器2
は、3軸磁気センサ素子1を駆動し、3軸磁気センサ素
子が磁界に反応して発生したアナログ信号の増幅、ある
いは不用な周波数成分の除去等の信号処理を行い、結果
をアナログ信号として出力する。この3軸磁気センサ素
子1とセンサ制御器2とで、3軸磁気センサ5が構成さ
れている。
力されるアナログの検出信号を、コンピュータ4に取り
込む信号、つまりディジタル信号に変換する。コンピュ
ータ4は、ディジタルに変換された検出信号、すなわち
検出磁界の3成分Hx、Hy、Hzを取り込み、後述す
るアルゴリズムで演算を行う。これにて得られた結果
を、また別に目的を持つ演算に使用し、あるいはディス
プレイ6またはプリンタ7等へ出力する等の処理を行
う。
ついて説明する。地磁気に対して、3軸磁気センサの感
度軸が種々の方向を向く状態というのは、逆の見方とし
て、感度軸の方を基準として考えれば、感度軸に対して
地磁気が種々の方向を向くことを意味する。図2に示す
ように、地磁気H’と3軸感度軸の位置関係は、極座標
表現にてZ軸方向と地磁気のなす角θ、およびX軸方向
と地磁気のXY平面成分のなす角φで一義的に定義可能
である。感度軸に対して地磁気が種々の方向を向く状態
というのは、この角度θ、φが種々の値をとることを意
味する。3軸磁気センサにより計測可能なものは、地磁
気の各軸成分であるが、この各軸成分値をHx、Hy、
Hzとすれば、
感度軸を所定の方向に向ける方法とはHを一定とし、角
度θ、φを任意の値に変更する方法ということが言え
る。角度θ、φを変化させると、式(1) 〜(3) により、
磁界Hx、Hy、Hzが変化することが理解できる。逆
な見方をすればHx、Hy、HzをHを一定にしたまま
変化させると角度θ、φが変化することになる。したが
って、Hx、Hy、Hzを目標とする角度θ、φとなる
ように、自分自身を用いて変換する方法が得られれば、
地磁気を等価的に感度軸に一致させるという、今回の目
的が達成されることになる。
θ、φとし、所望する値をθ0 、φ0 とし、θ、φおよ
びθ0 、φ0 である地磁気をそれぞれ H’=(Hx、Hy、Hz) …(5) H'0=(Hx0 、Hy0 、Hz0 ) …(6) ただし、H’の絶対値=H'0の絶対値 …(7) とすると、式(1) 〜(3) より、
より求めることができる。なお、各文字の右肩の ’は
便宜上、ベクトル記号として用いている(以下同じ)。
一般にXYZ3次元座標系における点(x、y、z)の
移動変換の1つとして軸のまわりの回転がある。3次元
であるので、この軸のまわりの回転は、図4で示すよう
に、X軸のまわりの回転〔図4の(a)〕、Y軸まわり
の回転〔図4の(b)〕、及びZ軸のまわりの回転〔図
4の(c)〕の3通りの回転変換が存在する。
z)の移動後の座標を(xa 、ya、za )とし、回転
の正の向きを座標軸の正方向に右ネジを進めた場合の回
転向きを定め、回転角をαで表すとき、 ・x軸まわりの回転 xa =x …(10) ya =ycosα−zsinα …(11) za =ysinα+zcosα …(12) ・Y軸まわりの回転 xa =zsinα+xcosα …(13) ya =y …(14) za =zcosα−xsinα …(15) ・Z軸まわりの回転 xa =xcosα−ysinα …(16) ya =xsinα+ycosα …(17) za =z …(18) となる。
う視点で図3に示すH’のH'0への変換という問題を見
るに、次の2つの手順により、変換が可能であることに
気付いた。 〈第1の手順〉説明は図5を参照して行う。
せる。この変換により、得られる磁界ベクトルを H’1 =(Hx1 、Hy1 、Hz1 ) …(19) とし、次に、ベクトルH’1 をY軸のまわりに−(θ
−θ0 )回転させる。この変換により、得られる磁界ベ
クトルを H’2 =(Hx2 、Hy2 、Hz2 ) …(20) とし、最後に H’2 をZ軸のまわりにφ0 回転させ
る。
う。 H’をZ軸のまわりに(90°−φ)回転させる。こ
の変換により、得られる磁界ベクトルを H'3=(Hx3 、Hy3 、Hz3 ) …(21) とし、次に H'3をX軸のまわりに(θ−θ0 )回転させる。この
変換により、得られる磁界ベクトルを H'4=(Hx4 、Hy4 、Hz4 ) …(22) とし、最後に H'4をZ軸のまわりに−(90°−φ0 )回転させ
る。座標点も磁界ベクトルも数学的には表現が同じこと
から、式(10)〜(18)を磁界ベクトルにあてはめると、例
えば手順1で示したH'1、H'2、そして変換結果である
H'0の各軸成分は、 Hx1 =Hxcos(−φ)−Hysin(−φ) …(23) Hy1 =Hxsin(−φ)+Hycos(−φ) …(24) Hz1 =Hz …(25) Hx2 =Hz1 sin -(θ−θ0 ) +Hx1 cos -(θ−θ0) …(26) Hy2 =Hy1 …(27) Hz2 =Hz1 cos -(θ−θ0 ) −Hx1 sin -(θ−θ0) …(28) Hx0 =Hx2 cos φ0 −Hy2 sin φ0 …(29) Hy0 =Hx2 sin φ0 +Hy2 cos φ0 …(30) Hz0 =Hz2 …(31) となる。
x、Hy、Hzを計測し、これらの値より、式(8)(9)よ
り、θ、φを求め、次に式(23)〜(25)よりH'1を求め、
これを式(26)〜(28)に代入し、H'2を求め、最後にこれ
を式(29)〜(31)に代入すれば、H'0が求まる。これらの
ことは手順2にも同様にあてはまり、いずれの手順によ
っても、H0 をθ0 、φ0 、Hx、Hy、Hzより求め
ることができる。
トウェア処理により、物理的に決まる感度軸に対して、
任意の姿勢に設置しても、測定値をあたかも磁気センサ
を感度軸に一致させたのと、等価な値に変換して出力す
るので、設定時にいろいろ感度軸を一致させるための手
間が不要となり、また感度軸を調整するためのジンバル
構成やモータも不要なので、小型化を実現できる。
ロック図である。
ある。
順例を説明する図である。
の手順例を説明する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向に
それぞれ配置された磁気センサ素子を有する3軸磁気セ
ンサと、この3軸磁気センサの検知した磁界値をディジ
タル値に変換する手段と、地磁気を測定して得られた磁
界の3成分より、地磁気の3軸磁気センサの感度軸に対
するずれ角を算出する手段と、被測定磁界に対し、前記
ずれ角に基づいて軸まわりの回転演算を行い、感度軸に
対して所望する関係となるように、被測定磁界値を変換
する手段とを備え、前記変換手段は、地磁気H’をZ軸
の回りに回転させて磁界ベクトルH’ 1 を得、次にその
磁界ベクトルH’ 1 をY軸の回りに回転させて磁界ベク
トルH’ 2 を得、最後に磁界ベクトルH’ 2 をZ軸の回
りに回転させ、得られた磁界ベクトルH’ 1 ,H’ 2 及
び変換結果後の地磁気ベクトルH’ 0 の各軸成分を示す
関係式と回転角度とから、変換結果後の地磁気ベクトル
H’ 0 を求めるものであることを特徴とする磁気測定
器。 - 【請求項2】 互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向に
それぞれ配置された磁気センサ素子を有する3軸磁気セ
ンサと、この3軸磁気センサの検知した磁界値をディジ
タル値に変換する手段と、地磁気を測定して得られた磁
界の3成分より、地磁気の3軸磁気センサの感度軸に対
するずれ角を算出する手段と、被測定磁界に対し、前記
ずれ角に基づいて軸まわりの回転演算を行い、感度軸に
対して所望する関係となるように、被測定磁界値を変換
する手段とを備え、前記変換手段は、地磁気H’をZ軸
の回りに回転させて磁界ベクトルH’ 3 を得、次にその
磁界ベクトルH’ 3 をX軸の回りに回転させて磁界ベク
トルH’ 4 を得、最後に磁界ベクトルH’ 4 をZ軸の回
りに回転させ、得られた磁界ベクトルH’ 3 ,H’ 4 及
び変換結果後の地磁気ベクトルH’ 0 の各軸成分を示す
関係式と回転角度とから、変換結果後の地磁気ベクトル
H’ 0 を求めるものであることを特徴とする磁気測定
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35345293A JP3206268B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 磁気測定器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35345293A JP3206268B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 磁気測定器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07198809A JPH07198809A (ja) | 1995-08-01 |
JP3206268B2 true JP3206268B2 (ja) | 2001-09-10 |
Family
ID=18430950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35345293A Expired - Fee Related JP3206268B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 磁気測定器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3206268B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3885318B2 (ja) * | 1997-10-31 | 2007-02-21 | 株式会社島津製作所 | 磁気式3次元ディジタイザ |
JP5109800B2 (ja) * | 2008-05-19 | 2012-12-26 | 株式会社島津製作所 | 磁気計測装置 |
-
1993
- 1993-12-29 JP JP35345293A patent/JP3206268B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07198809A (ja) | 1995-08-01 |
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