JP3008813B2 - 方位出力装置 - Google Patents

方位出力装置

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JP3008813B2
JP3008813B2 JP7107124A JP10712495A JP3008813B2 JP 3008813 B2 JP3008813 B2 JP 3008813B2 JP 7107124 A JP7107124 A JP 7107124A JP 10712495 A JP10712495 A JP 10712495A JP 3008813 B2 JP3008813 B2 JP 3008813B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に電子コンパスと
呼ばれる方位出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶などの移動体の運航や、登山などの
分野においては磁気コンパスや電子コンパスが用いられ
ており、コンパス機器の態様としても、操縦席のコンソ
ールに取り付けられるものや、或は登山などで便利な携
帯用のものまで各種知られている。これらのコンパス
は、例えばまわりの地形の示す方位を地図上の地形に一
致させることで、測定者の位置を測位したり、今後の進
行方向の決定などに用いられる。
【0003】電子コンパスとしての構成は図15に示さ
れる。電子コンパスは地磁気センサ部31を有し、内蔵
されている地磁気センサによって地磁気を検出するよう
になされている。そして検出された地磁気は方位算出部
に供給され、地磁気情報から所定の演算処理で現在の方
位が算出される。そして算出された方位は、方位表示部
33においてメータ形態や数値などで表示されるように
構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
電子コンパスでも、またいわゆる磁針によって方位を示
す磁気コンパスでも、地磁気を検出して方位を得るわけ
であるが、実際には地図上で示される真方位である北
と、コンパスが示す磁方位としての北は異なっている。
このため、地図とコンパスを用いて現在位置や進行方向
の方位を確認する場合には、測定者はコンパスによって
示される磁方位に補正を加えて真方位を認識しなければ
ならなかった。磁方位と真方位の差は偏角とよばれる
が、つまり補正とは測定された磁方位に対して偏角分を
補正した方位を得る作業となる。
【0005】ところが、この作業は通常の状態でも十分
な知識や経験を必要とし、ましてや荒天時や緊急時など
に迅速かつ正確に真方位を知ることはきわめて困難なも
のとなっている。
【0006】また、真方位と磁方位の差である偏角の値
は地球上の場所(緯度/経度)によって異なっており、
またわずかづつではあるが常に変動しているものであ
る。例えば1990年における測定では、偏角の値は図
14のような分布状態となっている。なお、図14は地
球上における等偏角曲線を10°毎に示しているもので
ある。
【0007】このように偏角値は地球上で複雑に分布し
ているため、例えば日本国内のみなど一部地域内で使用
する場合はさほど問題ではないが、船舶などでワールド
ワイドに使用するコンパスでは、測定時に上述の補正作
業を行なおうとしても、偏角値自体を知ることが難し
く、補正作業はより困難となる。例えば緯度/経度に応
じた偏角値を記録した表などを常時用意しておかなけれ
ばならない。
【0008】さらにこのような偏角による事情とともに
コンパスを用いる場合の問題として、測定時にコンパス
が水平面より傾いた状態であると、測定結果に誤差が生
ずることが知られている。このため、船舶、航空機、自
動車などに搭載するコンパスでは、そのコンパスを機械
的に水平状態に保つ機構が必ず必要となる。例えば2軸
の回動機構などで、常にコンパスが水平状態に保たれる
ようにすることになる。
【0009】しかしながらこのような水平保持機構は複
雑な構造にならざるを得ず、コンパスの装置としてのサ
イズの大型化を招き、また水平保持の精度や信頼性も十
分といえるものも容易に実現することができないという
問題が生じた。さらにまた、登山などで用いられる携帯
型のコンパスでは、このような水平保持機構を用いるこ
とができないため、測定者がコンパスを水平状態にして
計測する必要が生じ、従ってかなりの熟練者でもない限
りは、精度よく方位を測定することは困難となってい
た。
【0010】また、2次元的に地磁気を測定するととも
に、測定時の傾斜状態を検出し、これによって地磁気か
ら測定された方位を補正することも可能ではあるが、こ
の場合補正作業のための計算には地磁気の鉛直下向きの
成分が必要となる。ところが地磁気の鉛直成分の値は地
球上で複雑に分布しており、つまり偏角値の補正作業の
場合と同様に、例えば緯度/経度に応じた鉛直成分を記
録した表などを常時用意しておかなければならず、また
補正作業としての計算も複雑なものとなるため、莫大な
労力を要することになってしまう。もちろんこれも実際
にはかなりの熟練者でなければ実行は難しいものとな
り、またこれらの事情から緊急時などに正確な方位測定
ができないという状況になっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題点
に鑑みて、水平状態でなくても傾斜による誤差のない方
位測定が可能となる方位出力装置を実現し、さらにま
た、真方位を提示できる方位出力装置を実現することを
目的とする。
【0012】このため方位出力装置を、水平の2次元方
向での地磁気情報を出力する地磁気センサ手段と、水平
からの傾斜量を検出する傾斜センサ手段を設ける。ま
た、入力された情報に基づいて、鉛直方向(=地球に対
し静止した、単純かつ理想的な、摩擦のない振り子が示
す方向)の地磁気情報を出力する地磁気鉛直成分出力手
段とを設ける。そして地磁気センサ手段からの地磁気情
報と、傾斜センサ手段で検出された傾斜量と、地磁気鉛
直成分出力手段からの鉛直方向の地磁気情報とを用い
て、方位を算出する方位算出手段を設け、算出された方
位を提示手段で提示するように構成する。地磁気鉛直成
分出力手段は、例えば測定者の鉛直方向の地磁気情報の
入力により鉛直方向の地磁気情報を方位算出手段に出力
するようにしたり、または入力された緯度/経度の情報
に応じて、該当する鉛直方向の地磁気情報を記憶部で検
索するようにするか、もしくは入力された緯度/経度の
情報に応じて鉛直方向の地磁気情報を算出する部位とし
て実現する。または本発明の方位出力装置としては、上
記の地磁気鉛直成分出力手段を設けずに、上記の地磁気
センサ手段(水平の2次元方向での地磁気情報を出力す
る地磁気センサ手段)の検出方向を変動させることで地
磁気鉛直成分に相当する第3次元方向の地磁気情報を検
出するようにすることもできる。
【0013】さらに方位出力装置として、上記構成にお
ける地磁気センサ手段、傾斜センサ手段、地磁気鉛直成
分出力手段に加えて、偏角値を出力する偏角値出力手段
を設ける。偏角値出力手段は、地磁気鉛直成分出力手段
と共通の入力情報に基づいて、偏角値を出力する。そし
て真方位算出手段を設け、地磁気センサ手段からの地磁
気情報と、傾斜センサ手段で検出された傾斜量と、地磁
気鉛直成分出力手段からの鉛直方向の地磁気情報と、偏
角値出力手段からの偏角値を用いて、真方位を算出する
ことができるようにする。そして提示手段は算出された
真方位を提示するように構成する。この場合偏角値出力
手段は、入力された緯度/経度の情報に応じて、該当す
る偏角値を記憶部で検索するようにするか、もしくは
力された緯度/経度の情報に応じて偏角値を算出する部
位として実現できる。
【0014】
【作用】方位出力装置により提示される方位自体に既に
傾斜状態に対する補正が施されることにより、方位出力
装置が水平状態でなくても傾斜による誤差のない測定が
できる。また、提示される方位に偏角分の補正が施され
ていることにより、測定値として真方位が提示できるこ
とになり、測定者が補正計算などを行なう必要はなくな
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の方位出力装置となる電子コン
パスの各種実施例を説明する。なお実施例としての電子
コンパスの説明に先立って、各実施例で用いられる磁方
位センサについて述べ、その後、第1〜第8の実施例と
なる電子コンパスについて説明する。
【0016】[磁方位センサ]磁方位センサの構造例及
び動作を図10〜図13で説明する。図10は磁方位セ
ンサの一構造例の説明図である。この磁方位センサは、
それぞれが約1/4リング状に形成された4つの強磁性
体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 が円周方向に配置されて
いる。そして、各強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4
の間には所定幅のギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 が形
成された状態となっている。
【0017】また各強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T
4 には励磁用コイルCが巻装されており、これによって
ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 には図中Hbとして示
す方向にバイアス磁界が発生されるようになされてい
る。ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 おいては、バイア
ス磁界Hbと直角の状態にMR(磁気抵抗効果)センサ
MRX1,MRX2,MRY1,MRY2が配される。MRセン
サMRX1,MRX2はX軸方向検出用とされ、それぞれが
対向する位置となるギャップG1 ,G3 に配置される。
またMRセンサMRY1,MRY2はY軸方向検出用とさ
れ、それぞれが対向する位置となるギャップG2 ,G4
に配置される。各MRセンサMRX1,MRX2,MRY1
MRY2は、定電位の電源電圧VCCとグランドGNDに接
続されている。そして各MRセンサMRX1,MRX2,M
Y1,MRY2からはその抵抗体中点位置から信号X1
2 ,Y1 ,Y2 が取り出されるように構成されてい
る。
【0018】この磁方位センサの等価回路が図11に示
される。この等価回路において、抵抗RX11 ,RX12
MRセンサMRX1としての抵抗成分に相当し、抵抗R
X21 ,RX22 はMRセンサMRX2としての抵抗成分に相
当する。また抵抗RY11 ,RY12 はMRセンサMRY1
しての抵抗成分に相当し、抵抗RY21 ,RY22 はMRセ
ンサMRY2としての抵抗成分に相当する。
【0019】まずX軸に関しては、図に示すようにMR
センサMRX1となる抵抗RX11 に対して矢印方向にバイ
アス磁界Hbが印加され、またMRセンサMRX2となる
抵抗RX21 に対しては、矢印で示すように方位として1
80°異なるバイアス磁界−Hbが印加される。同様に
Y軸に関しては、MRセンサMRY1となる抵抗RY11
対して矢印方向にバイアス磁界Hbが印加され、またM
RセンサMRY2となる抵抗RY21 に対しては、矢印で示
すように方位として180°異なるバイアス磁界−Hb
が印加される。X軸検出用のMRセンサMRX1,MRX2
と、Y軸検出用のMRセンサMRY1,MRY2に対するバ
イアス磁界Hb(及び−Hb)の向きは、それぞれ90
°異なるものとなっている。
【0020】X軸検出動作としては、MRセンサMRX1
からの信号X1 とMRセンサMRX2からの信号X2 が差
動アンプAX に供給され、その差動アンプAX の出力
が、いわゆるX軸検出出力となる。またY軸検出動作と
しては、MRセンサMRY1からの信号Y1 とMRセンサ
MRY2からの信号Y2 が差動アンプAY に供給され、そ
の差動アンプAY の出力が、いわゆるY軸検出出力とな
る。
【0021】このような構成において、MRセンサMR
X1,MRX2,MRY1,MRY2は、磁界の強度により抵抗
値が変化する磁気抵抗効果を備えているため、図10の
ように或る方向から地磁気HE が印加されると、その地
磁気HE の印加方向に応じた値として各MRセンサMR
X1,MRX2,MRY1,MRY2から信号X1 ,X2 ,Y
1 ,Y2 が得られ、この信号X1 ,X2 ,Y1 ,Y2
ら、地磁気の方位に応じたX軸検出出力、Y軸検出出力
が得られるものである。また、地磁気は例えば 0.3ガウ
ス程度の弱いものであるため、単にMRセンサMRX1
MRX2,MRY1,MRY2のみでは良好な検出動作が実行
できないが、この地磁気センサでは強磁性体コアT1
2 ,T3 ,T4 で 0.3ガウス程度の地磁気を検出し、
交流バイアス磁界HbとしてMRセンサMRX1,M
X2,MRY1,MRY2に伝えるようにしているため、良
好な検出動作が可能となっている。
【0022】図12でMRセンサMRX1,MRX2,MR
Y1,MRY2の特性及びX軸検出出力、Y軸検出出力を得
るための動作原理を説明する。図12の横軸はMRセン
サに垂直に加わる磁界の強さを示し、また縦軸はMRセ
ンサの抵抗値の変化、及びMRセンサに直流電流を流し
た場合の出力される信号(X1 ,X2 ,Y1 ,Y2 )の
出力電圧を示している。
【0023】MRセンサの抵抗値は、図示するように磁
界ゼロで最大となり、磁界が大きくなるに従って図示す
るカーブで抵抗値が下がっていく。このようなMRセン
サにおける出力のS/N及び歪率向上のためにはバイア
ス磁界Hbが必要になる。このバイアス磁界Hbは、上
述したように強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 に励
磁用コイルCを巻装し、これにバイアス電流を流すこと
で与えられるものである。
【0024】X軸用のMRセンサMRX1,MRX2を例に
あげてX軸検出出力動作を説明する。上記のとおりMR
センサMRX1に印加されるバイアス磁界方向とMRセン
サMRX2に印加されるバイアス磁界方向とは互いに18
0°反転している。ここで、地磁気HE が印加される
と、MRセンサMRX1,MRX2に加わる磁界の強さは次
のようになる。 MRセンサMRX1 : Hb+HE MRセンサMRX2 : −Hb+HE
【0025】従って交流バイアス磁界Hbを印加する
と、MRセンサMRX1に印加される磁界は図12ので
示すように変化し、これによってMRセンサMRX1から
の信号X1 としては図中として示すような電圧変化が
出力される。またMRセンサMRX2に印加される磁界は
図12ので示すように変化し、これによってMRセン
サMRX2からの信号X2 としては図中として示すよう
な電圧変化が出力される。この信号X1 (線)と信号
2 (線)の出力差Lは、即ち図11における差動ア
ンプAX の出力として得られ、これがX軸検出出力とな
るものである。Y軸についても同様の動作でY軸検出出
力が取り出される。
【0026】これらの差動信号としてのX軸検出出力,
Y軸検出出力は、地磁気HE の方位により変化し、それ
ぞれHE sinθ、HE cosθに比例する。従って、
横軸に方位θをとって出力電位をプロットすると、X出
力及びY出力は図13のようになり、このX出力及びY
出力から地磁気HE に対する方位θを算出できる。
【0027】即ち、X出力とY出力の比X/Yは、これ
らがHE sinθ、HE cosθに比例することから、
sinθ/cosθで表わすことができ、従って、 X/Y=sinθ/cosθ=tanθ とできる。このため方位θは θ=tan-1(X/Y) (ただし、0°≦θ≦180°のときX≧0,18°<
θ<360°のときX<0である)として、地磁気HE
の方位θを算出できる。
【0028】[第1の実施例]例えば以上のような地磁
気センサを用いた電子コンパスとなる、本発明の第1の
実施例を図1で説明する。この電子コンパスは、地磁気
センサ部1、磁方位算出部2、方位表示部4、傾斜セン
サ部11、傾斜演算部12、地磁気入力部13から構成
される。
【0029】地磁気センサ部1は、上記した2次元の観
測座標(X軸,Y軸)についての地磁気検出を行なう地
磁気センサとされるもので、地磁気HE に応じたX出
力、Y出力を行なう。このX出力、Y出力は磁方位算出
部2に供給され、地磁気HE の方位θが算出される。即
ち基本的には、上記のθ=tan-1(X/Y)の演算が
なされることによって磁方位θmgが算出され、方位表
示部4に供給されて方位が表示されることになる。
【0030】ただし、磁方位算出部2には傾斜演算部1
2で算出された傾斜量と、地磁気入力部から出力される
地磁気鉛直成分zが入力され、これによって算出された
磁方位に対する補正演算が行なわれるものとなってい
る。つまり、磁方位算出部2から出力される磁方位θm
gは、たとえ水平状態で測定されなかった場合でも、そ
れによる誤差は生じていない磁方位θmgとなっている
ものである。
【0031】傾斜センサ部11は、例えば導電性の液体
を封入した容器内に複数の電極を設け、傾きに応じて液
体が接する電極が変化するようにし、傾斜量に応じた電
圧が得られるような構成などで実現できる。また例えば
円筒形状の容器内を球体が重力方向に移動するように
し、球体が接する電極位置により傾き量に応じた信号が
得られるようにしてもよい。もちろんこれ以外にも各種
の検出機構が考えられる。
【0032】この傾斜センサ部11からの検出信号は傾
斜演算部12に供給される。そして、傾斜演算部12は
検出信号から、現在の傾斜量を算出することになる。出
力する傾斜量としては、地磁気センサ部1の観測座標系
のX軸と水平面との間に生じている傾斜角度αと、観測
座標系のY軸と水平面との間に生じている傾斜角度βと
している。
【0033】また地磁気鉛直成分zは、地磁気入力部1
3から磁方位算出部2に供給される。地磁気入力部13
は例えば数値を入力することができる操作入力キーを備
えており、ユーザーが地磁気鉛直成分zを入力できるよ
うにされている。つまり、ユーザーは使用時に、その使
用地域における地磁気鉛直成分zを入力することにな
る。
【0034】磁方位算出部2はこのように、地磁気セン
サ部1からの信号X,Yとともに、傾斜演算部からの傾
斜角度α,β、及び地磁気入力部13からの地磁気鉛直
成分zを用いて、測定が非水平状態で行なわれたとして
も、それによる誤差のない磁方位θmgを算出すること
になる。この磁方位θmgの算出動作は次のように行な
われる。
【0035】水平から傾いた状態での方位の補正原理
は、観測座標系のX軸/Y軸を、それぞれの軸と水平面
のなす角度α,βを用いて水平面に座標変換することに
よる。この座標変換された状態のX軸をX’軸とする
と、このX’軸と地磁気ベクトルとの成す角度が、傾き
を補正した方位を示すことになる。測定座標系のXY平
面を水平面に座標変換する手順は次のとおりである。
【0036】まず、地磁気ベクトルを地球に固定された
絶対座標系が(x,y,z)、地磁気センサ部1による
観測座標系が(X,Y,Z)であるとする。X軸の回り
にα回転させる座標変換によって、Y軸を水平面(xy
平面)にうつすと、観測座標系で測定された測定ベクト
ル(X,Y,Z)は、(X'',Y'',Z'')となり、こ
れは次の(数1)で表わされる。
【数1】
【0037】次にY軸の回りにβ回転させ、X軸を水平
面に移すと、座標系(X'',Y'',Z'')は座標系
(X’,Y’,Z’)となり、これは次の(数2)で表
わされる。
【数2】 従って上記(数1)(数2)を用いると、
【数3】 が成立する。
【0038】ここでX’Y’平面は、水平面すなわち絶
対座標系のxy平面に一致しているため、Z’は絶対座
標系での地磁気ベクトルのz成分と一致するとすると、
【数4】 となる。従ってあらかじめ地磁気のz成分がわかってい
れば、Z’の値が既知となり、上記(数3)から観測座
標系でのZの値が、X,Yの値から計算できることにな
る。
【0039】すなわち、Z’については、
【数5】 となり、この(数5)をZについて解き、(数4)を代
入すると、Zの値は、
【数6】 で求めることができる。これで、Zの値を上記(数3)
に代入すれば、XY軸が水平面に座標変換された測定ベ
クトルX’,Y’が計算できることになる。なお(数
3)におけるX,Yの値は、即ち磁気センサ部1から出
力される信号X,信号Yの値である。
【0040】ここで最終的に、絶対座標系の水平面内で
の地磁気ベクトル成分と、測定されたXの値(信号X)
を水平面に座標変換したX’の成す角、即ち磁方位θm
gは、X’,Y’の値より次の(数7)で求められる。
【数7】 (ただし、0°≦θmg≦90°の場合。それ以外は条
件分けが必要)
【0041】以上の演算において、角度α,βは傾斜演
算部12から供給され、また地磁気のz成分の値は、地
磁気入力部13から供給されるものであるため、磁方位
算出部2において上記演算処理が可能となり、従って傾
斜状態による誤差を補正した磁方位θmgが算出できる
ことが理解される。
【0042】このように本実施例では、磁方位算出部2
によって傾斜状態による誤差を補正した磁方位θmgが
得られ、これが方位表示部4で表示されるため、この電
子コンパスを用いて測定する場合には水平状態とする必
要はなくなり、つまり測定者が測定時の水平状態に気を
つかったり、もしくは測定後に非水平状態の計測値から
の補正計算を行なう必要はなくなり、容易に方位計測を
行なうことができることになる。
【0043】なお、この実施例では地磁気鉛直成分zを
ユーザーが入力するようにしているが、これは例えば測
定毎に入力するものとするほか、地磁気入力部13にメ
モリを配置しておき、ユーザーが1度地磁気鉛直成分z
を入力したら、それを記憶して、以降はその記憶された
地磁気鉛直成分zを磁方位算出部2に供給するようにし
てもよい。特に特定地域で使用する場合は、殆ど地磁気
鉛直成分zの差はないため、このようにすることで実際
の使用時におけるユーザーの入力の手間はなくなる。ま
た、地磁気鉛直成分zの異なる地域で使用する場合に
は、そのときに応じて再入力できるようにすれば、ワー
ルドワイドに用いることができる。
【0044】[第2の実施例]本発明の第2の実施例と
なる電子コンパスの構成を図2に示す。なお、以下の各
実施例の説明において、説明済の実施例と同一の構成要
素については同一符号を付し、重複説明を省略する。こ
の実施例は第1の実施例の構成に加えて偏角値入力部
5、真方位算出部3を備えるもので、これによって非水
平状態による測定誤差の解消だけでなく、偏角による測
定誤差を解消し、地図上の方位と一致する真方位を計測
できるようにするものである。
【0045】偏角値入力部5は例えば数値を入力するこ
とができる操作入力キーを備えており、ユーザーが偏角
値Dを入力できるようにされている。つまり、ユーザー
は使用時に、その使用地域における偏角値Dを入力する
ことになる。また、磁方位算出部2からは、上記第1の
実施例で説明したように水平方向の傾斜状態に基づく補
正がなされた磁方位θmgが出力されるが、この磁方位
θmgは真方位算出部3に供給される。さらに、偏角値
入力部5からの偏角値Dも真方位算出部3に供給される
ことになる。真方位算出部3では、供給された磁方位θ
mgと偏角値Dから真方位θtrを算出し、それを方位
表示部4に供給する。
【0046】偏角とは真方位θtrと磁方位θmgの差
であり、その関係は例えば図9のようになる。いま地図
上の北をNtr、磁方位としての北をNmgとし、当該
電子コンパスで図中の目的方向について計測すると、磁
方位算出部2で算出される磁方位θmgとして70°と
いう値が得られたとする。そして、その測定地域では、
偏角Dは−6°であったとすると、地図に合致する方位
となる真方位θtrは70°に対して偏角−6°を加え
た値である64°となる。
【0047】真方位算出部3では、磁方位θmgと偏角
値Dが入力されることになるが、図9から理解されるよ
うに、磁方位θmgと偏角値Dを加算することで真方位
θtrを得ることができる。そして真方位算出部3で算
出された真方位θtrは方位表示部4に供給され、ユー
ザーに提示されることになる。例えば図9の例でいえ
ば、測定時に64°という真方位が表示される。
【0048】このように本実施例ではユーザーはその測
定地域における偏角値Dを入力しておけば、測定結果は
真方位θtrとして表示されるため、従来のように表示
された値から偏角値分を自分で計算して地図と照合する
などの煩雑な作業は不要となる。もちろん第1の実施例
と同様に非水平状態で計測を行なっても、誤差は補正さ
れているため、この実施例の電子コンパスにより測定す
れば、測定者は水平補正作業と偏角補正作業の両方が不
要になるものである。
【0049】なお、この実施例では偏角値Dをユーザー
が入力するようにしているが、必ずしも測定毎に入力す
るように構成する必要はなく、偏角値入力部5にメモリ
を配置しておき、ユーザーが1度偏角値Dを入力した
ら、それを記憶して、以降はその記憶された偏角値Dを
真方位算出部3に供給するようにすればよい。例えば日
本国内等のみなどの特定地域で使用する場合は、殆ど偏
角値Dの差はないため、このようにすることで実際の使
用時におけるユーザーの入力の手間はなくなる。また、
偏角値Dの異なる地域で使用する場合には、そのときに
応じて再入力できるようにすれば、ワールドワイドに用
いることができる。
【0050】[第3の実施例]本発明の第3の実施例と
なる電子コンパスの構成を図3に示す。この実施例は第
1,第2の実施例と異なり、ユーザーが地磁気鉛直成分
zや偏角値Dを入力する必要をなくしたものである。
【0051】この場合、ユーザーの操作部として、緯度
/経度入力部6が設けられ、ユーザーは方位測定時にそ
の地点での緯度/経度を入力することになる。入力され
た緯度/経度の値はメモリ制御部7に送られる。メモリ
制御部7は緯度/経度の値に対応する地磁気鉛直成分z
と偏角値Dを記憶部8において検索し、読み出された地
磁気鉛直成分zを磁方位算出部2に供給し、また読み出
された偏角値Dを真方位算出部3に供給することにな
る。
【0052】この場合記憶部8は、例えばROM又はR
AMのメモリ素子として構成され、世界各地における緯
度/経度に対応した地磁気鉛直成分zと偏角値Dを、い
わゆるメモリーテーブルとして保持している。このた
め、緯度/経度が入力されたら、それに対応する地磁気
鉛直成分z、偏角値Dを読み出すことができ、ユーザー
が地磁気鉛直成分z、偏角値Dを入力する必要はなくな
る。
【0053】そしてこのように地磁気鉛直成分zと偏角
値Dが得られることで非水平状態での測定による誤差が
補正され、さらに真方位算出部3で真方位θtrが算出
され、方位表示部4で表示されることになる。この実施
例では、いわゆる偏角や地磁気鉛直成分、さらに真方
位、磁方位といった知識のないユーザーでも、緯度/経
度を入力することのみで正確な測定ができるようにな
る。
【0054】なお、この実施例の変形例として、緯度/
経度を入力するのではなく、例えば地名を入力するよう
にすることも考えられる。つまり、記憶部8に地名に対
応させて地磁気鉛直成分z、偏角値Dを記憶させておけ
ばよい。また記憶部8は、固体メモリ素子を用いる必要
はなく、例えばCD−ROMなどのメディアを用いるよ
うな形態でもよい。
【0055】[第4の実施例]図4に第4の実施例とな
る電子コンパスの構成を示す。この実施例は上記第3の
実施例における緯度/経度測定部6を、測位装置部10
に置き換えた構成となっている。
【0056】測位装置部10としては、例えばGPS
(グローバルポジショニングシステム)などとして知ら
れている機器を用いて実現できる。GPSとは公知のと
おり、人工衛星からの信号をGPSアンテナで受信し、
その受信信号から現在位置としての緯度/経度を判別す
るシステムである。
【0057】即ちこの実施例ではユーザーが緯度/経度
を入力しなくても、測位装置部10によって自動的に現
在の緯度/経度を判別し、これをメモリ制御部7に供給
する。そしてメモリ制御部7は供給された緯度/経度の
値に対応する地磁気鉛直成分z及び偏角値Dを記憶部8
から読み出し、それぞれ磁方位算出部2と真方位算出部
3に供給する。そして磁方位算出部2では非水平状態で
の測定による誤差が補正された磁方位θmgが得られ、
さらに真方位算出部3で真方位θtrが算出され、方位
表示部4で表示されることになる。つまりこの実施例で
は、ユーザーは測定時に何も入力しなくても、正確な真
方位を測定できるようになる。
【0058】[第5の実施例]図5に第5の実施例を示
す。この実施例では上記第3の実施例と同様に、ユーザ
ーの操作部として、緯度/経度入力部6が設けられ、ユ
ーザーは方位測定時にその地点での緯度/経度を入力す
ることになる。そして入力された緯度/経度の値は地磁
気/偏角値演算部14に送られる。地磁気/偏角値演算
部14は緯度/経度の値に対応する地磁気鉛直成分zと
偏角値Dを算出し、算出した地磁気鉛直成分zと偏角値
Dをそれぞれ磁方位算出部2と真方位算出部3に供給す
ることになる。
【0059】そして磁方位算出部2では非水平状態での
測定による誤差が補正された磁方位θmgが得られ、さ
らに真方位算出部3では偏角値Dと磁方位θmgから真
方位θtrが算出され、その真方位θtrが方位表示部
4で表示されることになる。つまりこの実施例でも、ユ
ーザーが緯度/経度を入力することのみで正確な真方位
の測定ができるようになる。
【0060】この実施例における地磁気/偏角値演算部
14は、緯度/経度から地磁気鉛直成分zと偏角値Dを
求めることになるわけであるが、この算出方法は次のよ
うになる。地球表面上で与えられた磁場は、ポテンシャ
ルから導かれる。通常地球表面上には電流は流れていな
いため、磁場はスカラーポテンシャルUから導かれる。
【0061】ポテンシャルUは、ラプラスの方程式によ
り、
【数8】 を満たすことになる。そして球座標(r,θ,λ)を用
いると、地磁気ポテンシャルUは、
【数9】 となる。ただし(数9)中、『Pn m(μ)』『gn m(t)
』『hn m(t) 』『μ』及び『εm』と『m』について
は、
【数10】 のようになる。なお、rは地球中心からの距離、Rは地
球の半径、θは余緯度(=90−Φ(緯度))、λは経
度、nは次数、mは位数、t0 は基準年、g(t) ,h
(t) はガウス係数、g ̄(t) ,h ̄(t) は永年変化とす
る。
【0062】従って、地球磁場の北向きの成分NH 、東
向きの成分EH 、鉛直向きの成分ZH のそれぞれは、ポ
テンシャルUの値についてそれぞれの方向に微分すれば
求められる。つまり、
【数11】 となる。ここで(数11)における鉛直向きの成分ZH
とは、地磁気鉛直成分zにほかならず、つまり地磁気鉛
直成分zはポテンシャルUの値から算出できることが理
解される。
【0063】また地磁気の偏角を求めるには、地球磁場
の北向きの成分NH 及び東向きの成分EH を用いればよ
く、即ち偏角Dは、
【数12】 のようにして求められる。
【0064】つまり本実施例の地磁気/偏角値演算部1
4は、経度/緯度が入力されたら、その経度λ及び余緯
度θを用いてポテンシャルUを求め、このポテンシャル
Uから地磁気鉛直成分zを求める。そしてさらに地球磁
場の北向きの成分NH 及び東向きの成分EH を求めて偏
角Dを算出するものである。
【0065】[第6の実施例]第6の実施例となる電子
コンパスの構成を図6に示す。この実施例は上記第5の
実施例における緯度/経度測定部6を、測位装置部10
に置き換えた構成となっている。測位装置部10として
は、第4の実施例と同様に例えばGPSを用いて実現す
る。
【0066】即ちこの実施例ではユーザーが緯度/経度
を入力しなくても、測位装置部10によって自動的に現
在の緯度/経度を判別し、これを地磁気/偏角値演算部
14に供給する。そして地磁気/偏角値演算部14は供
給された緯度/経度の値から、上記第5の実施例で説明
したように地磁気鉛直成分zと偏角値Dを算出し、それ
ぞれ磁方位算出部2と真方位算出部3に供給する。そし
て真方位算出部3で求められた真方位θtrが方位表示
部4で表示されることになる。つまりこの実施例でも、
ユーザーは測定時に何も入力しなくても、正確な真方位
を測定できるようになる。
【0067】[第7の実施例]第7の実施例を図7に示
す。この実施例では地磁気鉛直成分zではなく、観測座
標系での地磁気Z軸成分Zを検出する部位として地磁気
測定部15を設けている。この地磁気測定部15は地磁
気センサ部1と同様の地磁気センサで構成できる。つま
り、少なくとも地磁気センサ部1における観測座標系で
あるX軸、Y軸と垂直となるZ軸方向が観測対象となる
ように配置された1次元又は2次元の地磁気センサとす
ればよい。そしてこの地磁気測定部15からは観測座標
系でのZ軸での地磁気の値としての信号Zが得られるこ
とになる。
【0068】従って、磁方位算出部では、地磁気センサ
部1からの信号X,信号Y、傾斜演算部12からの角度
α,β、及び地磁気測定部15から信号Zを用いて上記
(数3)によりX’,Y’,Z’の各値を求めることが
でき、(数7)の演算処理により非水平状態での測定に
よる誤差が補正された磁方位θmgを得ることができ
る。
【0069】また、偏角演算部9として、第5、第6の
実施例における地磁気/偏角演算部14における偏角算
出機能のみを備えた部位を有しており、この偏角演算部
9は、測位装置部10から経度/緯度が入力されたら、
その経度λ及び余緯度θを用いてポテンシャルUを求
め、さらに地球磁場の北向きの成分NH 及び東向きの成
分EH を求めて偏角Dを算出するようにしている。そし
て算出された偏角Dは真方位算出部3に供給され、真方
位算出部3では偏角値Dと磁方位θmgから真方位θt
rを算出し、その真方位θtrが方位表示部4で表示さ
れることになる。
【0070】つまりこの実施例でも、ユーザーは測定時
に特別な操作を行なわなくとも、また水平状態に気をつ
けなくとも、正確な真方位を測定できるようになる。な
お、この実施例の変形例として、偏角値Dの発生方式が
各種考えられる。即ち測位装置部10及び偏角演算部9
に代えて第2の実施例のように偏角値入力部5を設けた
り、また第3の実施例のように緯度/経度入力部6,メ
モリ制御部7、及び記憶部8を設けるようにしてもよ
い。さらに測位装置部10に代えて緯度/経度入力部6
を設ける構成も考えられる。
【0071】[第8の実施例]第8の実施例を図8に示
す。この実施例では地磁気鉛直成分z、又は観測座標系
での地磁気Z軸成分Zを検出する部位として、独立した
部位は設けられていない。そして、地磁気Z軸成分Z
を、2次元地磁気センサとして構成されている地磁気セ
ンサ部1を利用して検出するようにしている。他の部位
は第7の実施例と同様である。
【0072】この実施例では、図10に示したような2
次元の地磁気センサを垂直方向に90°回転させること
ができる機構を設けるようにし、つまり、測定時に地磁
気センサを回転させることで、地磁気Z軸成分Zを検出
できるようにするものである。そして検出された地磁気
Z軸成分Zは磁方位算出部2に供給されるが、磁方位算
出部2はこれを記憶するようにする。
【0073】その後ユーザーは地磁気センサの回転位置
状態を元に戻す操作を行なう。すると、地磁気の水平成
分としての信号X,信号Yが得られ、磁方位算出部2に
供給される。この時点で磁方位算出部2は信号X,信号
Yと記憶されている信号Zを用いて非水平状態での測定
による誤差が補正された磁方位θmgを得るようにして
いる。
【0074】そしてこの磁方位θmgと、偏角演算部9
からの偏角Dは真方位算出部3に供給され、真方位算出
部3では偏角値Dと磁方位θmgから真方位θtrを算
出し、その真方位θtrが方位表示部4で表示されるこ
とになる。つまりこの実施例でも、ユーザーは簡単な操
作で、また水平状態に気をつけなくとも、正確な真方位
を測定できるようになる。
【0075】以上各種実施例を説明したが、本発明の方
位出力装置の構成はこれ以外にも各種変形例が考えら
れ、また実際の製品としては、携帯用や、移動体搭載用
など各種の形態の電子コンパスとして実現できるもので
ある。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方位出力装
置は、地磁気センサ手段からの地磁気情報と傾斜センサ
手段からの傾斜量、及び地磁気鉛直成分出力手段からの
鉛直方向の地磁気情報を用いて、非水平状態での測定に
よる誤差が補正された方位を得るようにしたため、測定
者が水平状態に気をつかったり、測定後に補正計算をす
る必要はなくなり、容易に測定ができるようになる。ま
た方位出力装置として複雑な水平保持機構を設ける必要
はなくなり、小型化、低コスト化が実現される。
【0077】さらに本発明では、偏角値出力手段からの
偏角値を用いて真方位を算出できるようにしたため、ユ
ーザーが偏角の補正を行なう必要はなくなり、これによ
って熟練した測定者でなくても、また荒天時、緊急時な
どのどんな状況でも、迅速かつ正確に真方位を知ること
ができるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第2の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図3】本発明の第3の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図4】本発明の第4の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図5】本発明の第5の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図6】本発明の第6の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図7】本発明の第7の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図8】本発明の第8の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図9】磁方位、真方位、偏角の関係の説明図である。
【図10】実施例に搭載される地磁気センサの構造の説
明図である。
【図11】実施例に搭載される地磁気センサの等価回路
図である。
【図12】実施例に搭載される地磁気センサの動作の説
明図である。
【図13】実施例に搭載される地磁気センサの出力の説
明図である。
【図14】偏角の分布状態の説明図である。
【図15】従来の電子コンパスのブロック図である。
【符号の説明】
1 地磁気センサ部 2 磁方位算出部 3 真方位算出部 4 方位表示部 5 偏角値入力部 6 緯度/経度入力部 7 メモリ制御部 8 記憶部 9 偏角値演算部 10 測位装置部 11 傾斜センサ部 12 傾斜演算部 13 地磁気入力部 14 地磁気/偏角値演算部 15 地磁気測定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−5610(JP,A) 特開 昭62−245111(JP,A) 実開 平5−66518(JP,U) 特公 平3−76685(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 17/38

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平の2次元方向での地磁気情報を出力
    する地磁気センサ手段と、 水平からの傾斜量を検出する傾斜センサ手段と、入力された情報に基づいて、鉛直方向の 地磁気情報を出
    力する地磁気鉛直成分出力手段と、 前記地磁気センサ手段からの地磁気情報と、前記傾斜セ
    ンサ手段で検出された傾斜量と、前記地磁気鉛直成分出
    力手段からの鉛直方向の地磁気情報とを用いて、方位を
    算出する方位算出手段と、 前記方位算出手段によって算出された方位を提示する提
    示手段と、 を有して構成されることを特徴とする方位出力装置。
  2. 【請求項2】 前記地磁気鉛直成分出力手段は、入力部
    の操作によって入力された地磁気鉛直成分値を出力する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の方位出力装置。
  3. 【請求項3】 前記地磁気鉛直成分出力手段は、各種位
    置に対応する鉛直方向の地磁気情報を記憶した記憶部を
    有し、入力された現在位置情報に応じて前記記憶部から
    該当する鉛直方向の地磁気情報を選択し、前記方位算出
    手段に対して出力するように構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の方位出力装置。
  4. 【請求項4】 前記地磁気鉛直成分出力手段は、各種位
    置に対応する鉛直方向の地磁気情報を算出する鉛直地磁
    気算出部を有し、入力された現在位置情報に応じて前記
    鉛直地磁気算出部で鉛直方向の地磁気情報を算出し、前
    記方位算出手段に対して出力するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の方位出力装置。
  5. 【請求項5】 水平の2次元方向での地磁気情報を出力
    するとともに、地磁気検出方向を変動させることによ
    り、前記2次元方向に垂直な第3次元方向の地磁気情報
    を出力することができる地磁気センサ手段と、 水平からの傾斜量を検出する傾斜センサ手段と、 前記地磁気センサ手段からの前記2次元方向の地磁気情
    報と、前記傾斜センサ 手段で検出された傾斜量と、前記
    地磁気センサ手段からの前記第3次元方向の地磁気情報
    とを用いて、方位を算出する方位算出手段と、 前記方位算出手段によって算出された方位を提示する提
    示手段と、 を有して構成されることを特徴とする方位出力装置。
  6. 【請求項6】 水平の2次元方向での地磁気情報を出力
    する地磁気センサ手段と、 水平からの傾斜量を検出する傾斜センサ手段と、入力された情報に基づいて、 鉛直方向の地磁気情報を出
    力する地磁気鉛直成分出力手段と、前記入力された情報に基づいて、 偏角値を出力する偏角
    値出力手段と、 前記地磁気センサ手段からの地磁気情報と、前記傾斜セ
    ンサ手段で検出された傾斜量と、前記地磁気鉛直成分出
    力手段からの鉛直方向の地磁気情報と、前記偏角値出力
    手段からの偏角値を用いて、真方位を算出する真方位算
    出手段と、 前記真方位算出手段によって算出された真方位を提示す
    る提示手段と、 を有して構成されることを特徴とする方位出力装置。
  7. 【請求項7】 前記偏角値出力手段は、各種位置に対応
    する偏角値を記憶した記憶部を有し、入力された現在位
    置情報に応じて前記記憶部から該当する偏角値を選択
    し、前記真方位算出手段に対して出力するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項6に記載の方位出力装
    置。
  8. 【請求項8】 前記偏角値出力手段は、各種位置に対応
    する偏角値を算出する偏角値算出部を有し、入力された
    現在位置情報に応じて前記偏角値算出部で偏角値を算出
    し、前記真方位算出手段に対して出力するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項6に記載の方位出力装
    置。
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