JPH08278139A - 方位出力装置 - Google Patents

方位出力装置

Info

Publication number
JPH08278139A
JPH08278139A JP10712395A JP10712395A JPH08278139A JP H08278139 A JPH08278139 A JP H08278139A JP 10712395 A JP10712395 A JP 10712395A JP 10712395 A JP10712395 A JP 10712395A JP H08278139 A JPH08278139 A JP H08278139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
azimuth
value
declination
output
true
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10712395A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Hasegawa
浩二 長谷川
Isao Watanabe
勲 渡邉
Shinji Azumi
伸児 安住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10712395A priority Critical patent/JPH08278139A/ja
Publication of JPH08278139A publication Critical patent/JPH08278139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真方位を提示できる方位出力装置を実現し、
測定者が磁方位から真方位への補正を行なう必要を解消
する。 【構成】 電子コンパスを、地磁気情報θmgを出力す
る地磁気センサ手段1,2と、偏角値Dを出力する偏角
値出力手段5と、地磁気情報θmgと偏角値Dを用いて
真方位θtrを算出する真方位算出手段3と、算出され
た真方位θtrを提示する提示手段4とを備えて構成す
るようにする。つまり地磁気センサ手段で測定された磁
方位θmgに対して偏角値Dで補正した値が真方位θt
rとして表示されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に電子コンパスと
呼ばれる方位出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶などの移動体の運航や登山などの分
野においては磁気コンパスや電子コンパスが用いられて
おり、コンパス機器の態様としても、操縦席のコンソー
ルに取り付けられるものや、或は登山などで便利な携帯
用のものまで各種知られている。これらのコンパスは、
例えばまわりの地形の示す方位を地図上の地形に一致さ
せることで、測定者の位置を測位したり、今後の進行方
向の決定などに用いられる。
【0003】電子コンパスとしての構成は図12に示さ
れる。電子コンパスは地磁気センサ部31を有し、内蔵
されている地磁気センサによって地磁気を検出するよう
になされている。そして検出された地磁気は方位算出部
に供給され、地磁気情報から所定の演算処理で現在の方
位が算出される。そして算出された方位は、方位表示部
33においてメータ形態や数値などで表示されるように
構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
電子コンパスでも、またいわゆる磁針によって方位を示
す磁気コンパスでも、地磁気を検出して方位を得るわけ
であるが、実際には地図上で示される真方位である北
と、コンパスが示す磁方位としての北は異なっている。
このため、地図とコンパスを用いて現在位置や進行方向
の方位を確認する場合には、測定者はコンパスによって
示される磁方位に補正を加えて真方位を認識しなければ
ならなかった。磁方位と真方位の差は偏角とよばれる
が、つまり補正とは測定された磁方位に対して偏角分を
補正した方位を得る作業となる。
【0005】ところが、この作業は通常の状態でも十分
な知識や経験を必要とし、ましてや荒天時や緊急時など
に迅速かつ正確に真方位を知ることはきわめて困難なも
のとなっている。
【0006】また、真方位と磁方位の差である偏角の値
は地球上の場所(緯度/経度)によって異なっており、
またわずかづつではあるが常に変動しているものであ
る。例えば1990年における測定では、偏角の値は図
11のような分布状態となっている。なお、図11は地
球上における等偏角曲線を10°毎に示しているもので
ある。
【0007】このように偏角値は地球上で複雑に分布し
ているため、例えば日本国内のみなど一部地域内で使用
する場合はさほど問題ではないが、船舶などでワールド
ワイドに使用するコンパスでは、測定時に上述の補正作
業を行なおうとしても、偏角値自体を知ることが難し
く、補正作業はより困難となる。例えば緯度/経度に応
じた偏角値を記録した表などを常時用意しておかなけれ
ばならない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点に鑑みて、真方位を提示できる方位出力装置を実現
し、測定者が磁方位から真方位への補正を行なう必要を
解消することを目的とする。
【0009】このため方位出力装置を、地磁気情報を出
力する地磁気センサ手段と、偏角値を出力する偏角値出
力手段と、地磁気センサ手段からの地磁気情報と偏角値
出力手段からの偏角値を用いて真方位を算出する真方位
算出手段と、真方位算出手段によって算出された真方位
を提示する提示手段とを備えるようにする。偏角値出力
手段は、例えば測定者の偏角値入力に基づいて偏角値を
出力したり、または緯度/経度の情報に応じて、該当す
る偏角値を記憶部で検索するようにするか、もしくは緯
度/経度の情報に応じて偏角値を算出する部位として実
現できる。
【0010】
【作用】方位出力装置により提示される方位自体に既に
偏角分の補正が施されることにより、測定値として真方
位が提示できることになり、測定者が補正計算などを行
なう必要はなくなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の方位出力装置となる電子コン
パスの各種実施例を説明する。なお実施例としての電子
コンパスの説明に先立って、各実施例で用いられる磁方
位センサについて述べ、その後、第1〜第5の実施例と
なる電子コンパスについて説明する。
【0012】[磁方位センサ]磁方位センサの構造例及
び動作を図7〜図10で説明する。図7は磁方位センサ
の一構造例の説明図である。この磁方位センサは、それ
ぞれが約1/4リング状に形成された4つの強磁性体コ
アT1 ,T2 ,T3 ,T4が円周方向に配置されてい
る。そして、各強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4
間には所定幅のギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 が形成
された状態となっている。
【0013】また各強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T
4 には励磁用コイルCが巻装されており、これによって
ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 には図中Hbとして示
す方向にバイアス磁界が発生されるようになされてい
る。ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 おいては、バイア
ス磁界Hbと直角の状態にMR(磁気抵抗効果)センサ
MRX1,MRX2,MRY1,MRY2が配される。MRセン
サMRX1,MRX2はX軸方向検出用とされ、それぞれが
対向する位置となるギャップG1 ,G3 に配置される。
またMRセンサMRY1,MRY2はY軸方向検出用とさ
れ、それぞれが対向する位置となるギャップG2 ,G4
に配置される。各MRセンサMRX1,MRX2,MRY1
MRY2は、定電位の電源電圧VCCとグランドGNDに接
続されている。そして各MRセンサMRX1,MRX2,M
Y1,MRY2からはその抵抗体中点位置から信号X1
2 ,Y1 ,Y2 が取り出されるように構成されてい
る。
【0014】この磁方位センサの等価回路が図8に示さ
れる。この等価回路において、抵抗RX11 ,RX12 はM
RセンサMRX1としての抵抗成分に相当し、抵抗R
X21 ,RX22 はMRセンサMRX2としての抵抗成分に相
当する。また抵抗RY11 ,RY12 はMRセンサMRY1
しての抵抗成分に相当し、抵抗RY21 ,RY22 はMRセ
ンサMRY2としての抵抗成分に相当する。
【0015】まずX軸に関しては、図に示すようにMR
センサMRX1となる抵抗RX11 に対して矢印方向にバイ
アス磁界Hbが印加され、またMRセンサMRX2となる
抵抗RX21 に対しては、矢印で示すように方位として1
80°異なるバイアス磁界−Hbが印加される。同様に
Y軸に関しては、MRセンサMRY1となる抵抗RY11
対して矢印方向にバイアス磁界Hbが印加され、またM
RセンサMRY2となる抵抗RY21 に対しては、矢印で示
すように方位として180°異なるバイアス磁界−Hb
が印加される。X軸検出用のMRセンサMRX1,MRX2
と、Y軸検出用のMRセンサMRY1,MRY2に対するバ
イアス磁界Hb(及び−Hb)の向きは、それぞれ90
°異なるものとなっている。
【0016】X軸検出動作としては、MRセンサMRX1
からの信号X1 とMRセンサMRX2からの信号X2 が差
動アンプAX に供給され、その差動アンプAX の出力
が、いわゆるX軸検出出力となる。またY軸検出動作と
しては、MRセンサMRY1からの信号Y1 とMRセンサ
MRY2からの信号Y2 が差動アンプAY に供給され、そ
の差動アンプAY の出力が、いわゆるY軸検出出力とな
る。
【0017】このような構成において、MRセンサMR
X1,MRX2,MRY1,MRY2は、磁界の強度により抵抗
値が変化する磁気抵抗効果を備えているため、図7のよ
うに或る方向から地磁気HE が印加されると、その地磁
気HE の印加方向に応じた値として各MRセンサM
X1,MRX2,MRY1,MRY2から信号X1 ,X2 ,Y
1,Y2 が得られ、この信号X1 ,X2 ,Y1 ,Y2
ら、地磁気の方位に応じたX軸検出出力、Y軸検出出力
が得られるものである。また、地磁気は例えば 0.3ガウ
ス程度の弱いものであるため、単にMRセンサMRX1
MRX2,MRY1,MRY2のみでは良好な検出動作が実行
できないが、この地磁気センサでは強磁性体コアT1
2 ,T3 ,T4 で 0.3ガウス程度の地磁気を検出し、
交流バイアス磁界HbとしてMRセンサMRX1,M
X2,MRY1,MRY2に伝えるようにしているため、良
好な検出動作が可能となっている。
【0018】図9でMRセンサMRX1,MRX2,M
Y1,MRY2の特性及びX軸検出出力、Y軸検出出力を
得るための動作原理を説明する。図9の横軸はMRセン
サに垂直に加わる磁界の強さを示し、また縦軸はMRセ
ンサの抵抗値の変化、及びMRセンサに直流電流を流し
た場合の出力される信号(X1 ,X2 ,Y1 ,Y2 )の
出力電圧を示している。
【0019】MRセンサの抵抗値は、図示するように磁
界ゼロで最大となり、磁界が大きくなるに従って図示す
るカーブで抵抗値が下がっていく。このようなMRセン
サにおける出力のS/N及び歪率向上のためにはバイア
ス磁界Hbが必要になる。このバイアス磁界Hbは、上
述したように強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 に励
磁用コイルCを巻装し、これにバイアス電流を流すこと
で与えられるものである。
【0020】X軸用のMRセンサMRX1,MRX2を例に
あげてX軸検出出力動作を説明する。上記のとおりMR
センサMRX1に印加されるバイアス磁界方向とMRセン
サMRX2に印加されるバイアス磁界方向とは互いに18
0°反転している。ここで、地磁気HE が印加される
と、MRセンサMRX1,MRX2に加わる磁界の強さは次
のようになる。 MRセンサMRX1 : Hb+HE MRセンサMRX2 : −Hb+HE
【0021】従って交流バイアス磁界Hbを印加する
と、MRセンサMRX1に印加される磁界は図9ので示
すように変化し、これによってMRセンサMRX1からの
信号X1 としては図中として示すような電圧変化が出
力される。またMRセンサMRX2に印加される磁界は図
9ので示すように変化し、これによってMRセンサM
X2からの信号X2 としては図中として示すような電
圧変化が出力される。この信号X1 (線)と信号X2
(線)の出力差Lは、即ち図8における差動アンプA
X の出力として得られ、これがX軸検出出力となるもの
である。Y軸についても同様の動作でY軸検出出力が取
り出される。
【0022】これらの差動信号としてのX軸検出出力,
Y軸検出出力は、地磁気HE の方位により変化し、それ
ぞれHE sinθ、HE cosθに比例する。従って、
横軸に方位θをとって出力電位をプロットすると、X出
力及びY出力は図10のようになり、このX出力及びY
出力から地磁気HE に対する方位θを算出できる。
【0023】即ち、X出力とY出力の比X/Yは、これ
らがHE sinθ、HE cosθに比例することから、
sinθ/cosθで表わすことができ、従って、 X/Y=sinθ/cosθ=tanθ とできる。このため方位θは θ=tan-1(X/Y) (ただし、0°≦θ≦180°のときX≧0,18°<
θ<360°のときX<0である)として、地磁気HE
の方位θを算出できる。
【0024】[第1の実施例]例えば以上のような地磁
気センサを用いた電子コンパスとなる、本発明の第1の
実施例を図1で説明する。この電子コンパスは、地磁気
センサ部1、磁方位算出部2、真方位算出部3、方位表
示部4、偏角値入力部5から構成される。
【0025】地磁気センサ部1は、上記した地磁気セン
サとされるもので、地磁気HE に応じたX出力、Y出力
を行なう。このX出力、Y出力は磁方位算出部2に供給
され、地磁気HE の方位θが算出される。即ち上記のθ
=tan-1(X/Y)の演算がなされる。ただし、ここ
で算出される方位θは、いわゆる真方位ではなく、磁方
位である。そのため、算出された方位θは磁方位θmg
として出力され、真方位算出部3に供給される。
【0026】また、真方位算出部3に対しては、偏角値
入力部5から偏角値Dが供給される。偏角値入力部5は
例えば数値を入力することができる操作入力キーを備え
ており、ユーザーが偏角値Dを入力できるようにされて
いる。つまり、ユーザーは使用時に、その使用地域にお
ける偏角値Dを入力することになる。そして、入力され
た数値としての偏角値Dは偏角値入力部5から真方位算
出部3に対して出力されることになる。
【0027】ここで、偏角とは真方位θtrと磁方位θ
mgの差であり、その関係は例えば図6のようになる。
いま地図上の北をNtr、磁方位としての北をNmgと
し、当該電子コンパスで図中の目的方向について計測す
ると、磁方位算出部2で算出される磁方位θmgとして
70°という値が得られたとする。そして、その測定地
域では、偏角Dは−6°であったとすると、地図に合致
する方位となる真方位θtrは70°に対して偏角−6
°を加えた値である64°となる。
【0028】真方位算出部3では、磁方位θmgと偏角
値Dが入力されることになるが、図6から理解されるよ
うに、磁方位θmgと偏角値Dを加算することで真方位
θtrを得ることになる。真方位算出部3で算出された
真方位θtrは方位表示部4に供給され、ユーザーに提
示されることになる。例えば図6の例でいえば、測定時
に64°という真方位が表示される。
【0029】このように本実施例ではユーザーはその測
定地域における偏角値Dを入力しておけば、測定結果は
真方位θtrとして表示されるため、従来のように表示
された値から偏角値分を自分で計算して地図と照合する
などの煩雑な作業は不要となる。
【0030】なお、この実施例では偏角値Dをユーザー
が入力するようにしているが、必ずしも測定毎に入力す
るように構成する必要はなく、偏角値入力部5にメモリ
を配置しておき、ユーザーが1度偏角値Dを入力した
ら、それを記憶して、以降はその記憶された偏角値Dを
真方位算出部3に供給するようにすればよい。例えば日
本国内等のみなどの特定地域で使用する場合は、殆ど偏
角値Dの差はないため、このようにすることで実際の使
用時におけるユーザーの入力の手間はなくなる。また、
偏角値Dの異なる地域で使用する場合には、そのときに
応じて再入力できるようにすれば、ワールドワイドに用
いることができる。
【0031】[第2の実施例]本発明の第2の実施例と
なる電子コンパスの構成を図2に示す。なお、以下の各
実施例の説明において、説明済の実施例と同一の構成要
素については同一符号を付し、重複説明を省略する。こ
の実施例は第1の実施例と異なり、ユーザーが偏角値D
を入力する必要をなくしたものである。
【0032】この場合、ユーザーの操作部として、緯度
/経度入力部6が設けられ、ユーザーは方位測定時にそ
の地点での緯度/経度を入力することになる。入力され
た緯度/経度の値はメモリ制御部7に送られる。メモリ
制御部7は緯度/経度の値に対応する偏角値Dを記憶部
8において検索し、読み出された偏角値Dを真方位算出
部3に供給することになる。
【0033】この場合記憶部8は、例えばROM又はR
AMのメモリ素子として構成され、世界各地における緯
度/経度に対応した偏角値Dを、いわゆるメモリーテー
ブルとして保持している。このため、緯度/経度が入力
されたら、それに対応する偏角値Dを読み出すことがで
き、ユーザーが偏角値Dを入力する必要はなくなる。
【0034】そしてこのように偏角値Dが得られること
で真方位算出部3で真方位θtrが算出され、方位表示
部4で表示されることになる。この実施例では、いわゆ
る偏角や、真方位、磁方位といった知識のないユーザー
でも、緯度/経度を入力することのみで正確な測定がで
きるようになる。
【0035】なお、この実施例の変形例として、緯度/
経度を入力するのではなく、例えば地名を入力するよう
にすることも考えられる。つまり、記憶部8に地名に対
応させて偏角値Dを記憶させておけばよい。また記憶部
8は、固体メモリ素子を用いる必要はなく、例えばCD
−ROMなどのメディアを用いるような形態でもよい。
【0036】[第3の実施例]図3に第3の実施例とな
る電子コンパスの構成を示す。この実施例は上記第2の
実施例における緯度/経度測定部6を、測位装置部10
に置き換えた構成となっている。
【0037】測位装置部10としては、例えばGPS
(グローバルポジショニングシステム)などとして知ら
れている機器を用いて実現できる。GPSとは公知のと
おり、人工衛星からの信号をGPSアンテナで受信し、
その受信信号から現在位置としての緯度/経度を判別す
るシステムである。
【0038】即ちこの実施例ではユーザーが緯度/経度
を入力しなくても、測位装置部10によって自動的に現
在の緯度/経度を判別し、これをメモリ制御部7に供給
する。そしてメモリ制御部7は供給された緯度/経度の
値に対応する偏角値Dを記憶部8から読出、真方位算出
部3に供給する。そして真方位算出部3で真方位θtr
が算出され、方位表示部4で表示されることになる。つ
まりこの実施例では、ユーザーは測定時に何も入力しな
くても、正確な真方位を測定できるようになる。
【0039】[第4の実施例]図4に第4の実施例を示
す。この実施例では上記第2の実施例と同様に、ユーザ
ーの操作部として、緯度/経度入力部6が設けられ、ユ
ーザーは方位測定時にその地点での緯度/経度を入力す
ることになる。そして入力された緯度/経度の値は偏角
値演算部9に送られる。偏角値演算部9は緯度/経度の
値に対応する偏角値Dを算出し、算出した偏角値Dを真
方位算出部3に供給することになる。そして真方位算出
部3では偏角値Dと磁方位θmgから真方位θtrを算
出し、その真方位θtrが方位表示部4で表示されるこ
とになる。つまりこの実施例でも、ユーザーが緯度/経
度を入力することのみで正確な真方位の測定ができるよ
うになる。
【0040】この実施例における偏角値演算部9は、緯
度/経度から偏角値Dを求めることになるわけである
が、この算出方法は次のようになる。地球表面上で与え
られた磁場は、ポテンシャルから導かれる。通常地球表
面上には電流は流れていないため、磁場はスカラーポテ
ンシャルUから導かれる。
【0041】ポテンシャルUは、ラプラスの方程式によ
り、
【数1】 を満たすことになる。そして球座標(r,θ,λ)を用
いると、地磁気ポテンシャルUは、
【数2】 となる。ただし(数2)中、『Pn m(μ)』『gn m(t)
』『hn m(t) 』『μ』及び『εm』と『m』について
は、
【数3】 のようになる。なお、rは地球中心からの距離、Rは地
球の半径、θは余緯度(=90−Φ(緯度))、λは経
度、nは次数、mは位数、t0 は基準年、g(t) ,h
(t) はガウス係数、g ̄(t) ,h ̄(t) は永年変化とす
る。
【0042】従って、地球磁場の北向きの成分NH 、東
向きの成分EH 、鉛直向きの成分ZH のそれぞれは、ポ
テンシャルUの値についてそれぞれの方向に微分すれば
求められる。つまり、
【数4】 となる。そして地磁気の偏角を求めるには、地球磁場の
北向きの成分NH 及び東向きの成分EH を用いればよ
く、即ち偏角Dは、
【数5】 のようにして求められる。
【0043】つまり本実施例の偏角値演算部9は、経度
/緯度が入力されたら、その経度λ及び余緯度θを用い
てポテンシャルUを求め、さらに地球磁場の北向きの成
分NH 及び東向きの成分EH を求めて偏角Dを算出する
ものである。
【0044】[第5の実施例]第5の実施例となる電子
コンパスの構成を図5に示す。この実施例は上記第4の
実施例における緯度/経度測定部6を、測位装置部10
に置き換えた構成となっている。測位装置部10として
は、第3の実施例と同様に例えばGPSを用いて実現す
る。
【0045】即ちこの実施例ではユーザーが緯度/経度
を入力しなくても、測位装置部10によって自動的に現
在の緯度/経度を判別し、これを偏角値演算部9に供給
する。そして偏角値演算部9は供給された緯度/経度の
値から、上記第4の実施例で説明したように偏角値Dを
算出し、真方位算出部3に供給する。そして真方位算出
部3で真方位θtrが算出され、方位表示部4で表示さ
れることになる。つまりこの実施例では、ユーザーは測
定時に何も入力しなくても、正確な真方位を測定できる
ようになる。
【0046】以上各種実施例を説明したが、本発明の方
位出力装置の構成はこれ以外にも各種変形例が考えら
れ、また実際の製品としては、携帯用や、移動体搭載用
など各種の形態の電子コンパスとして実現できるもので
ある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方位出力装
置は、地磁気センサ手段からの地磁気情報と偏角値出力
手段からの偏角値を用いて真方位を算出し、その真方位
を提示するように構成したため、ユーザーが偏角の補正
を行なう必要はなくなり、これによって熟練した測定者
でなくても、また荒天時、緊急時などのどんな状況で
も、迅速かつ正確に方位を知ることができるようになる
という効果がある。
【0048】また偏角値出力手段を、測定者の偏角値入
力に基づいて偏角値を出力するようにすることで、機器
構成の簡易化が実現できる。また偏角値出力手段を、緯
度/経度の情報に応じて、該当する偏角値を記憶部で検
索するように構成することで、測定時に偏角値が分から
なくても、正確な真方位が測定できる。さらに偏角値出
力手段を、緯度/経度の情報に応じて偏角値を算出する
部位として構成することで、記憶部としての構成を持つ
ことなく、より簡易な構成で、測定時に偏角値が分から
なくても正確な真方位が測定できる方位出力装置を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第2の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図3】本発明の第3の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図4】本発明の第4の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図5】本発明の第5の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図6】磁方位、真方位、偏角の関係の説明図である。
【図7】実施例に搭載される地磁気センサの構造の説明
図である。
【図8】実施例に搭載される地磁気センサの等価回路図
である。
【図9】実施例に搭載される地磁気センサの動作の説明
図である。
【図10】実施例に搭載される地磁気センサの出力の説
明図である。
【図11】偏角の分布状態の説明図である。
【図12】従来の電子コンパスのブロック図である。
【符号の説明】
1 地磁気センサ部 2 磁方位算出部 3 真方位算出部 4 方位表示部 5 偏角値入力部 6 緯度/経度入力部 7 メモリ制御部 8 記憶部 9 偏角値演算部 10 測位装置部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地磁気情報を出力する地磁気センサ手段
    と、 偏角値を出力する偏角値出力手段と、 前記地磁気センサ手段からの地磁気情報と前記偏角値出
    力手段からの偏角値を用いて真方位を算出する真方位算
    出手段と、 前記真方位算出手段によって算出された真方位を提示す
    る提示手段と、 を有して構成されることを特徴とする方位出力装置。
  2. 【請求項2】 前記偏角値出力手段は、入力部の操作に
    よって入力された値に基づいて偏角値を発生させ、前記
    真方位算出手段に対して出力するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の方位出力装置。
  3. 【請求項3】 前記偏角値出力手段は、各種位置に対応
    する偏角値を記憶した記憶部を有し、入力された現在位
    置情報に応じて前記記憶部から該当する偏角値を選択
    し、前記真方位算出手段に対して出力するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の方位出力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記偏角値出力手段は、各種位置に対応
    する偏角値を算出する偏角値算出部を有し、入力された
    現在位置情報に応じて前記偏角値算出部で偏角値を算出
    し、前記真方位算出手段に対して出力するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の方位出力装
    置。
JP10712395A 1995-04-07 1995-04-07 方位出力装置 Pending JPH08278139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10712395A JPH08278139A (ja) 1995-04-07 1995-04-07 方位出力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10712395A JPH08278139A (ja) 1995-04-07 1995-04-07 方位出力装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08278139A true JPH08278139A (ja) 1996-10-22

Family

ID=14451084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10712395A Pending JPH08278139A (ja) 1995-04-07 1995-04-07 方位出力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08278139A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005283386A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Navitime Japan Co Ltd 携帯型ナビゲーション装置
JP2007101354A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Japan Radio Co Ltd 方位測定装置および方位測定システム
JP2009258130A (ja) * 2009-08-05 2009-11-05 Navitime Japan Co Ltd 携帯型ナビゲーション装置
JP2017181091A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 セイコーエプソン株式会社 電子時計

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005283386A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Navitime Japan Co Ltd 携帯型ナビゲーション装置
JP2007101354A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Japan Radio Co Ltd 方位測定装置および方位測定システム
JP2009258130A (ja) * 2009-08-05 2009-11-05 Navitime Japan Co Ltd 携帯型ナビゲーション装置
JP2017181091A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 セイコーエプソン株式会社 電子時計

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6860023B2 (en) Methods and apparatus for automatic magnetic compensation
US6536123B2 (en) Three-axis magnetic sensor, an omnidirectional magnetic sensor and an azimuth measuring method using the same
EP1148459A2 (en) Positional information display system
CN100504295C (zh) 移动电子三维罗盘
US20070156337A1 (en) Systems, methods and apparatuses for continuous in-vehicle and pedestrian navigation
JPS5991311A (ja) 電子コンパスを有する乗物ナビゲーション装置
US20110066375A1 (en) Methods and apparatus for providing navigational information associated with locations of objects
JP2006234581A (ja) 電子コンパス及び方位測定方法
JPH07508349A (ja) 相対方位センサのキャリブレーション方法
JP2005221509A (ja) 伏角検出機能をサポートする地磁気センサおよびその方法
WO2006088057A1 (ja) 方位計測装置
US6166686A (en) Corrected magnetic compass
KR20090073038A (ko) 자기 데이터 처리 장치, 네비게이션 장치, 자기 데이터 처리 방법 및 자기 데이터 처리 프로그램을 포함하는 기계 판독가능 매체
JPH08278137A (ja) 方位出力装置
JPH11325904A (ja) 地磁気方位センサ
CN108871301A (zh) 磁场方位测量方法
JPH08278139A (ja) 方位出力装置
CA2255115C (en) Method and device for determining correction parameters
JP2006275523A (ja) 電子方位装置および記録媒体
JP3008813B2 (ja) 方位出力装置
JP2005207799A (ja) 立体画像表示システム及び立体ナビゲーションシステム
JP2007256161A (ja) 電子方位計
Langley The magnetic compass and GPS
JP2001091257A (ja) 方位計及び真北計測方法
KR100743250B1 (ko) 네비게이션 기능을 구비한 휴대용 단말기

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19990608