JP5678357B2 - 回転情報演算方法、回転情報演算プログラム、磁気型ジャイロスコープおよび移動体 - Google Patents

回転情報演算方法、回転情報演算プログラム、磁気型ジャイロスコープおよび移動体 Download PDF

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Description

本発明は、地磁気などの基準磁気を利用して、携帯端末等のように姿勢が変動し得る移動体の角速度、回転速度、回転角などの回転情報を極短時間で取得可能な回転情報演算方法に関する。また本発明は、その方法を実行できる回転情報演算プログラム、そのプログラムを備えた磁気型ジャイロスコープおよびそれを備えた移動体に関する。
航空機、船舶、自動車等のみならず、携帯電話、スマートホン、タブレット端末などの携帯情報端末、カーナビゲーションなどの位置情報端末、デジタルカメラ等の電子器機などでも、自身の姿勢(方位、向き、傾き等)やその変化を精確にかつリアルタイムに把握することが求められており、移動体の回転情報(特に角速度)を的確かつ迅速に検出または測定することが不可欠となっている。
角速度を検出できるセンサとして、振動型ジャイロスコープが知られており、これを携帯端末等に組み込めるサイズに小型化したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ジャイロセンサーが多用されている。このジャイロセンサーは、例えば、シリコン基板を櫛歯状に微細加工した振動子(質量m)からなる。電気的に共振(振動速度v)している振動子へ角速度(ω)が印加されると、振動子の振動方向と回転軸方向の両方に直交する方向へコリオリ力(2mvω)が作用し、振動子の櫛歯間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を検出することにより、角速度がリアルタイムで検出され得る。この検出された角速度を積分すれば、所定時間内の回転角も求まり、移動体の姿勢変動を把握することが可能となる。
ところが、このようなジャイロセンサーは、携帯端末等に同時に組み込まれる磁気センサーや加速度センサーに比べて高価である。また、角速度の検出にはその振動子を電気的に常時振動させておく必要があり、消費電力が大きくなる。さらに、その振動子は、回転運動以外の力学的な振動や衝撃等にも反応するため、MEMSジャイロセンサーだけでは必ずしも角速度を精確に検出できるものではなかった。
そこで、MEMSジャイロセンサー等による角速度等の検出を、磁気センサーで代替することにより、携帯端末等の小型化、省電力化、低コスト化さらには姿勢情報の検出精度向上等を図ることが考えられている。これに関連する記載が、例えば、下記の特許文献にある。
WO2007/99599号公報
特許文献1は、被測定体に固定された3軸直交座標系で地磁気を検出して得られた3時点以上の磁気ベクトルに基づいて、回転軸とその回転軸を中心とした回転角度とその回転角度から求まる回転角速度を算出できる磁気式ジャイロを提案している。この磁気式ジャイロを用いれば、MEMSジャイロセンサー等を省略しても回転情報を取得することが可能となる。
もっとも、特許文献1では、ある時点の回転情報を取得するために、それ以前に取得した3時点の磁気ベクトルを必要としており、得られる回転情報はいわば3時点における回転状態を平均化したものに過ぎない。また、その算出精度を向上させるためには、それら3時点で形成される扇形の面積を十分に大きく確保する必要がある。換言するなら磁気ベクトルのサンプリング間隔を大きくする必要がある。これでは算出時間が長くなり、移動体の姿勢変化に追従した迅速な回転情報の取得が困難となる。具体的にいうと、特許文献1にあるような磁気式ジャイロを用いた場合、MEMSジャイロセンサーを用いた場合と比較して、100〜200ms程度の測定遅れを生じ得る。一般に端末のスクリーン画面は16ms程度で変化するため、100ms以上の遅れは操作者にとって無視できない遅れとなる。従って、磁気型ジャイロスコープの実用化を図るには、その遅れを16ms以下に抑制することが重要となる。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、従来のジャイロセンサー等を用いるまでもなく、磁気センサーから得られる磁気情報に基づいて、各種の移動体の回転情報を素早く取得できる回転情報演算方法と、その方法を実行できる回転情報演算プログラム、そのプログラムを備えた磁気型ジャイロスコープおよびそれを備えた移動体を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、従来と異なり、2時点の磁気ベクトルを用いて、現時点における角速度ベクトルをほぼ瞬間的に算出できる新たなアルゴリズム(回転情報演算方法)を考案した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《回転情報演算方法》
(1)本発明の回転情報演算方法は、向きと大きさが安定な基準磁気を連続的に測定して三次元の磁気成分からなる磁気ベクトルを微小時間毎に取得する磁気ベクトル取得ステップと、第一時刻(t)で取得された第一磁気ベクトル(H)と、該第一磁気ベクトル(H)と該第一時刻よりも微小時間(Δt)前である第二時刻(ti−1=t−Δt)で取得された第二磁気ベクトル(Hi−1)との差分である第一差分ベクトル(ΔH=H−Hi−1)との外積(H×ΔH)を用いて仮性角速度ベクトル(ωpr)を算出する仮性角速度ベクトル算出ステップと、該第一時刻における回転軸を指標する回転軸ベクトル(n)を特定する回転軸ベクトル特定ステップと、該第一磁気ベクトル(H)と該回転軸ベクトル(n)のなす角である差角(α)または該差角を指標する差角指標値を算出する差角算出ステップと、該仮性角速度ベクトル(ωpr)の大きさと該差角または該差角指標値と該回転軸ベクトル(n)を用いて該第一時刻における真性角速度ベクトル(ωth)を算出する真性角速度ベクトル算出ステップとを備え、
前記回転軸ベクトル特定ステップは、移動体が回転軸を変化させつつ回転運動をする自由軸回転モードにあるとき、前記第二時刻(t i−1 )における回転軸ベクトル(n i−1 )を用いた回転座標系により表現された前記第一時刻(t )における瞬間回転中心(O )から前記第一磁気ベクトル(H )の終点に向かう動径ベクトル(Hr)と、該第一磁気ベクトル(H )と、前記第一差分ベクトル(ΔH )とを用いて、該回転軸ベクトル(n i−1 )に対する傾きをフィードバック演算により修正して回転軸ベクトル(n )を特定するステップであり、
前記回転座標系は、前記第一時刻(t )における回転軸ベクトル(n )を近接している前記第二時刻(t i−1 )における回転軸ベクトル(n i−1 )と仮定( n =n i−1 )して、e =n i−1 とした軸方向の基本ベクトル(e )と、該第一磁気ベクトル(H )と前記差角(α )から求めた前記動径方向ベクトル(Hr)の基本ベクトル(e )と、該基本ベクトル(e )と該基本ベクトル(e )の外積(e × e )から求まる進行方向の基本ベクトル(e )と、により該第一時刻(t )において定義される瞬間座標系(e , e , e )であり、
前記回転軸ベクトル(n )と、前記差角(α )または前記差角指標値と、前記仮性角速度ベクトル(ω pr )とにより、下式(式10)から求まる前記真性角速度ベクトル(ωth)を用いて前記移動体に関する回転情報を求めることを特徴とする回転情報演算方法。

ω th (|ω pr |/sinα )・n (式10)
(2)本発明の回転情報演算方法では、移動体の回転速度(真性角速度ベクトル:ωth)を、その大きさ(|ωth|)とその方向(回転軸ベクトル:n)に分けて求めている。ここで、その大きさ(|ωth|)は仮性角速度ベクトル(ωpr)および差角指標値から算出される。その方向は、移動体の回転状況(回転モード)に応じて、適切な回転軸ベクトル(n)が算出される。これにより、移動体の回転軸が変動する場合でも、実質的な遅れを感じさせることなく、精確な回転情報の演算が可能となる。
具体的にいうと、移動体が特定の回転軸まわりに回転運動をする固定軸回転モードにあるとき、回転軸ベクトル特定ステップは、第二磁気ベクトル(Hi−1)と第二時刻よりも微小時間(Δt)前である第三時刻(ti−2=ti−1−Δt)で取得された第三磁気ベクトル(Hi−2)との差分である第二差分ベクトル(ΔHi−1=Hi−1−Hi−2)と、第一差分ベクトル(ΔH)との外積(ΔHi−1×ΔH)に基づいて回転軸ベクトル(nΔ)を特定するステップであると好適である。
また、移動体が回転軸を変化させつつ回転運動をする自由軸回転モードにあるとき、回転軸ベクトル特定ステップは、第二時刻(ti−1)における回転軸ベクトル(ni−1)を用いた回転座標系により表現された第一時刻(t)における瞬間回転中心(O)から第一磁気ベクトル(H)の終点に向かう動径ベクトル(Hr)と、第一磁気ベクトル(H)と、第一差分ベクトル(ΔH)とを用いて、回転軸ベクトル(n)を特定するステップであると好適である。このように第二時刻(ti−1)における回転軸ベクトル(ni−1)を、第一時刻(t)における回転軸ベクトル(n)と仮定して、フィードバックした演算を行うことにより、演算を簡素化しつつ正確な結果を安定して得ることができる。
《磁気型ジャイロスコープ等》
(1)本発明は上述した回転情報演算方法としてのみならず、メモリーへの格納若しくは媒体への記録または通信がなされ得ると共に、上述した回転情報演算方法をコンピューターで実行可能なことを特徴とする回転情報演算プログラムとしても把握できる。
なお、プログラム自体が物の発明として認められない場合は、上記の回転情報演算プログラムを記録した記録媒体、その回転情報演算プログラムを格納したメモリーまたはそのメモリーを備えたコンピューター等として本発明は把握される。なお、本発明でいうメモリーは、いわゆるROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などのコンピューターに装備される記憶装置である。
(2)また本発明は、向きと大きさが安定な基準磁気を三次元的に測定可能な磁気センサーと、上述した回転情報演算プログラムを格納したメモリーと、回転情報演算プログラムを実行可能な演算装置とを備え、移動体の姿勢変化に関する回転情報を出力し得ることを特徴とする磁気型ジャイロスコープとしても把握できる。この磁気型ジャイロスコープは、重力加速度を含む加速度を三次元的に測定可能な加速度センサーも備えると、後述するように種々の状況下でも精確な回転情報を算出できるようになり好ましい。なお、ここでいうメモリーや演算装置は、磁気型ジャイロスコープに専用なものでも、移動体に元々備わるメモリーや演算装置を兼用したものでもよい。
(3)さらに本発明は、上述した磁気型ジャイロスコープを備えたことを特徴とする移動体としても把握できる。移動体は、例えば、方位、向き、姿勢などを測定できる測定モジュールや測定器機等でも良いし、それらを組み込んだ各種の電子器機(例えば携帯端末)等でもよい。
《その他》
(1)本発明の構成要素である各「ステップ」は、適宜、「手段」と読み替えられる。これにより、例えば、上述した本発明の回転情報演算方法の各構成要素は、実質的に本発明の回転情報演算プログラムの各構成要素となり得る。
本発明でいう「回転情報」は、移動体の回転運動に伴う状態または結果を指標する情報であり、真性角速度ベクトルに基づくものであれば足る。回転情報は、例えば、移動体の角速度の他、その角速度を積分して得られる回転量(回転角)、回転軸の特定情報等でもよい。また本発明に係る各ベクトルは、当然に大きさと向きを有するが、本発明に係る回転情報はそれらの一方のみを利用したものでもよい。
本発明に係る「座標系」は、移動体の回転運動により変化する磁気ベクトルや差分ベクトルを独立した3成分として特定できるものであれば足り、センサー系、地球系、回転系がある。従って、本発明に係る座標系は、移動体や磁気センサー等に固定された三軸直交座標(デカルト座標)に限るものではない。
(2)本明細書でいう「基準磁気」は、移動体の回転運動に伴い変化する磁気ベクトルが安定して検出されるものであれば足り、地磁気が代表的である。また本明細書でいう「第一」、「第二」等は便宜的な記載であり、特定の時刻やベクトルを意味するものではない。本明細書でいう微小時間(Δt)は、小さいほど高精度化を図れるが、使用する磁気センサーの精度、演算装置への負荷等を考慮して、例えば、3〜8ms程度とすると好ましい。
(3)本明細書中では、表示の制限上、各ベクトルを表示する際に、アルファベット文字の上部に矢印を付したり、その文字の一部または全部を太くしたりしていない。従って、ベクトルであっても、適宜、アルファベット文字のみを用いる。なお「i」は、各添字が負とらない整数である。また、特に断らない限り本明細書では、添字が小さくなるほど過去側を示す。つまり、現時点の考察対象(ベクトル等)には「i」を付し、それよりも微小時刻だけ過去のものに順次「i−1」、「i−2」・・・を付した。ちなみに、各微小時刻Δtは一定でなくてもよい。本明細書では適宜、微小時刻をΔt、Δtのように表記するが、それらの時間間隔は等しくてもよいが、現実には異なることが多い。
特に断らない限り、本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。なお、本明細書でいう「(所定)範囲」は、当然、少なくとも上限値または下限値の一方が存在すれば足る。
回転運動により検出される3時点の磁気ベクトルの終点(H、H、H)の様子を示す磁気ベクトル空間における模式図である。 その部分拡大図である。 回転運動により検出される2時点の磁気ベクトルの終点(H、Hi−1)の様子を示す磁気ベクトル空間における模式図である。 その部分拡大図である。 自由軸回転モードの回転軸ベクトル(n)を算出する際に用いた基本ベクトル(e’、e’、e’)を示す説明図である。 軌道軸回転モードの様子を示す回転軸ベクトル空間における模式図である。 反転モードを判定する際に用いる差分ベクトルと角速度(ω)の関係を示す説明図である。 本発明の回転情報演算方法に係る一実施例を示すフローチャートである。 本発明に係る固定軸回転モードで算出した角速度ベクトル(ω、ω、ω)の一例を、従来のジャイロセンサーによる測定値と比較したグラフである。 本発明に係る軌道軸回転モードで算出した角速度ベクトル(ω、ω、ω)の一例を、従来のジャイロセンサーによる測定値と比較したグラフである。 本発明に係る自由軸回転モードで算出した角速度ベクトル(ω、ω、ω)の一例を、従来のジャイロセンサーによる測定値と比較したグラフである。
本明細書で説明する内容は、本発明の回転情報演算方法のみならず、回転情報演算プログラム、磁気型ジャイロスコープおよび移動体にも適宜該当し得る。方法に関する構成要素は、「ステップ」を「手段」として理解すれば物に関する構成要素ともなり得る。上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《アルゴリズム》
本発明の回転情報演算方法は、例えば、以下に説明するような演算を順次繰り返して行うことにより実現され、これにより移動体の迅速な姿勢把握に必要な真性角速度ベクトル(ωth)を、ほぼ瞬間的に得ることが可能となる。
[概要]
(1)回転運動する物体(質点)の瞬間的な角速度(時間Δtにおける角速度)は、式1Aに示す物理式により、回転軸に沿ったベクトル(角速度ベクトルωΔ)として算出される。その角速度の大きさはその角速度ベクトルの絶対値として求まり、回転軸はその角速度ベクトルを式1Bに示すように正規化した回転軸方向の単位ベクトル(nΔ)として求めることができる。
もっとも、式1Aを用いるには、図1Aに示すように、回転運動の軌跡上にある3点(H、H、H)を確保して、それらの座標から図1Bに示すような差分ベクトル(ΔH=H−H、ΔH=H−H)を用意する必要がある。
この算出方法を用いると、少なくとも3点が必要となり、高精度を確保するにはさらに、それら3点の磁気成分を取得する時間間隔を相対的に大きくせざるを得ない。このため式1Aによる角速度の算出は、移動体の姿勢変化(回転軸の変化)が小さい回転初期などでは有効であるが、急激な姿勢変化が生じる場合には追従し切れない。
(2)そこで、式1Aに替えて、表現が異なる別の物理式である式2を用いて角速度ベクトルを算出することが考えられる。これによれば、図2Aおよび図2Bにも示すように、前述した3点を確保する必要が無く、任意の時刻(t=t+Δt・i、但しt:測定開始時刻)における磁気ベクトルHおよびその直前の磁気ベクトルHi−1を利用して、各時刻(t)における瞬間的な角速度ベクトル(真性角速度ベクトルωth)を算出することができる。これにより、移動体の姿勢変化が急激な場合でも、殆ど遅れなく角速度を算出することが可能となり得る。
もっとも、式2、図2Aおよび図2Bからわかるように、上記の方法でωthを算出するには、瞬間的な回転中心(O)から磁気ベクトルHへ向かう動径ベクトルHrが、ΔH以外に必要となる。この動径ベクトルHrを直接算出することは容易ではない。そこで本発明では、次のように場合分けしてωthを算出している。すなわち、移動体が回転する際の回転軸が固定的または安定的な場合(このような場合を適宜、「固定軸回転モード」という。)と、その回転軸が変動し得る場合(このような場合を適宜、「自由軸回転モード」という。)とに分けてωthを考えた。
なお、角運動量保存則により、回転軸は急激に変化しないから、回転モードの変更または移行は滑らかに行うことが可能である。そして、各回転モードによる演算開始時に適切な初期値が付与されることにより、回転モードが変更されても、高精度な演算結果を安定的または継続的に得ることができる。例えば、自由軸回転モードで角速度ベクトルωthを算出する際の初期値として、移行直前に固定軸回転モードで算出された角速度ベクトルωthを利用することが考えられる。
[固定軸回転モード]
固定軸回転モードは、回転軸が安定的で実質的に変化しない場合である。この場合、式1Aおよび式1Bに基づく演算により、その回転軸または回転軸ベクトルnΔが特定される(回転軸ベクトル特定ステップ)。
真性角速度ベクトルωthを確定するには、残るその大きさを算出する必要がある。そこで、式3に示す仮想的な角速度ベクトル(仮性角速度ベクトルωpr)を考える。この角速度ベクトルωprは、最終的に求めたい角速度ベクトルωthと回転軸が異なるが、両者の大きさ(|ωpr|と|ωth|)の間には、式4に示すような関係が成立する。ここで式4中のα は、図2Aに示すように、回転軸(回転軸ベクトルnΔ)と磁気ベクトルHのなす角(∠OOH)である。
ちなみに、式4が成立することは次のことからわかる。磁気ベクトルHの終点が回転運動する軌跡(平面S*の円周)上を微小時間Δtに移動する距離を考えると、|ωth|・Δt・|Hr|=|ωpr|・Δt・|H|が成立し得る。ここで図2Aに示す直角三角形OOから、|Hr|=|H|sinα であるから、式4に示す|ωth|=|ωpr|/sinα が導かれる。
なお、角α は、式1Aおよび式1Bにより初期に算出された回転軸ベクトルnΔと磁気ベクトルHの単位ベクトルhとのなす角でもあるから、両ベクトルの内積(h・nΔ)から求まるcosα から、sinα を容易に算出することができる(差角算出ステップ)。
このように本発明では、先ずは、磁気ベクトルH(第二磁気ベクトル)と、その近傍にある過去(または直前)の磁気ベクトルHi−1(第一磁気ベクトル)から求まる差分ベクトル(ΔH=H−Hi−1)との外積を用いて、式3から角速度ベクトルωpr(仮性角速度ベクトル)を求める(仮性角速度ベクトル算出ステップ)。こうして求まったωprの大きさおよびsinα と、式1Aおよび式1Bから求まるnΔとを用いて、角速度ベクトルωth(真性角速度ベクトル)は式5のように算出される(真性角速度ベクトル算出ステップ)。
[自由軸回転モード]
自由軸回転モードは、回転軸が変化する場合である。この場合も、任意のH点(時刻t)における真の角速度ベクトルωthを遅れなく算出するために、前述した式2を基本式とする点は同様である。もっとも、固定軸回転モードの場合と同様に動径ベクトルHrを直接的に求めることは困難であるため、自由軸回転モードの場合も、大きさと向き(角速度ベクトルn)に分けて角速度ベクトルωthを算出する。
先ず、角速度ベクトルωthの大きさは、固定軸回転モードの場合と同様に、式3および式4から求まるωprおよびsinα を用いて後述する式10のように|ωpr|/|sinα|として算出される(仮性角速度ベクトル算出ステップ、差角算出ステップ)。
次に、角速度ベクトルωthの回転軸ベクトルnを、式2に基づいて求める。その前提として、式6に示す瞬間3軸直交座標系(回転座標系)を定義する。この座標系は、直前に特定されている(i−1)番目の回転軸ベクトルni−1 および角αi−1 は、次のi番目でも同じであると仮定して、基本ベクトルe=ni−1、このeとh(=H/|H|)に基づき正規化した基本ベクトルe、およびeとeの外積である基本ベクトルeにより構成した。この3軸直交座標系の様子を図2Aおよび図2Bに併記した。これら3つの基本ベクトルe、e、eを用いると、式2にあるΔHは、e、e、e の各方向の成分をa、b、c(実係数)として式7のように表現される。
ここで実際にα=αi−1 ならc=0となるが、そうでないとき(α ≠αi−1 )はc≠0となり、回転軸ベクトルn は回転軸ベクトルni−1(基本ベクトルe)よりも磁気ベクトルH(またはh)の側へある角Δα だけ傾いていることになる。この角Δα は式8Aのように表現できるので、これらと式6に示した基本ベクトルe、e、eとを用いて、式8Bに示す新たな3軸直交座標系を再定義する(図2C参照)。そうすると差分ベクトルΔH は、式8Cのように表現される。また動径ベクトルHrは、大きさが|Hr|(=OH)でその単位ベクトルが基本ベクトルe’と同じであるから、式8Dのように表現される。このように表現されたHrとΔHを式2に代入してベクトル積を計算する。この際、右手系で考えるとe×e=−e、e×e=e、e×e=0(零ベクトル)であるから、式2は結局、式9Aのように整理され、角速度ベクトルωが求まる。このωを正規化すると、式9Bに示すように回転軸ベクトルnが得られる(回転軸ベクトル特定ステップ)。
この回転軸ベクトルnと前述した角速度ベクトルの大きさ|ωpr|を用いて、角速度ベクトルωthは式10に示すようにωth=(|ωpr|/sinα )・nとして算出される(真性角速度ベクトル算出ステップ)。
なお、nは次のni+1を求める際の基本ベクトルeとしてフィードバックされる(式6参照)。初期値は、静止状態から回転状態に移行する時または他の回転モードから移行する時のnである。詳細は後述するが、そのnは、例えば、ΔHとΔHの外積に基づき計算される(式1A参照)。また、加速度センサーと一体で静止状態の三次元方位(角)が計算済みであれば、その変化量から回転速度nを計算することもできる。固定軸回転モードから自由軸回転モードへ移行した直後にわずかな誤差を生じるとしても、上述した演算を繰り返すことにより、その結果は精確なnへ極短時間内に収束する。
ちなみに、式7で用いた係数a、b、cは、差分ベクトルΔHと各基本ベクトルe、e、eとの内積計算により方向余弦として順次求めることができる。つまりa=ΔH・e、b=ΔH・e、c=ΔH・eとして求まる。
[モード判定]
(1)基本判定
移動体の回転運動が、上述した固定軸回転モードにあるか、自由軸回転モードにあるかは、例えば、式1Aおよび式1Bから求まる上述した回転軸ベクトルnΔとΔHとにより、式11から算出されるモード判定値Jを用いて判定可能である。このJは、nΔとΔHのなす角をγとすると、cosγとなり、0〜1の範囲で変化し得る。
このJが0近傍にあるとき、γは90°近傍となり、移動体が安定した軸回りに回転運動する固定軸回転モードとなり、回転軸ベクトルnとしてnΔが継承される(一回転軸ベクトル特定ステップ)。そしてこの固定軸回転モードでは、式5により真の角速度ベクトルωthが算出される(真性角速度ベクトル算出ステップ)。
逆に、Jが所定の閾値以上または閾値超である場合、移動体が変化する軸回りで回転運動する自由軸回転モードとなり、式8Aまたは式9Aにより算出されるnにより回転軸ベクトルnが順次更新される。この自由軸回転モードでは、式10により真の角速度ベクトルωthが算出される(真性角速度ベクトル算出ステップ)。
従って、本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、移動体が特定の回転軸まわりに回転運動をする固定軸回転モードと、移動体が回転軸を変化させつつ回転運動する自由軸回転モードとを判定するモード判定ステップを備えると好適である。
そして本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、モード判定ステップにより固定軸回転モードと判定されたときに回転軸ベクトルnΔ を回転軸ベクトルnとし、モード判定ステップにより自由軸回転モードと判定されたときに逐次算出される回転軸ベクトルnを回転軸ベクトルnとして更新するステップであると好適である。
(2)待機判定
移動体が静止状態から回転状態に移行したり、固定軸回転モード中に移動体の回転変化が急激になったり、逆に自由軸回転モード中に移動体の回転変化が緩慢になったりする場合、モード判定値J(式11参照)による判定結果が、移動体の回転状態を的確に反映していない場合が生じ得る。具体的にいうと、例えば、固定軸回転モード中に、移動体の回転半径(曲率半径)が急減すると、式1Aおよび式1Bにより求まる回転軸ベクトルΔnも微小となり、相対的に誤差の影響を大きく受けるようになる。その結果、固定軸回転モードを維持すればよい状況であるにも拘わらず、Jの数値自体は自由軸回転モードを示すようなことが起こり得る。但し、回転する移動体に作用する角運動量保存則を考慮すると、固定軸回転モードと自由軸回転モードが極短時間に頻繁に入れ替わることは考えられず、Jに基づくモード判定が不安定になるのは過渡的または一時的であると考えられる。
そこで本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、モード判定値(J)が所定時間(判定時間)継続して所定範囲内となる場合になされると好ましい。つまり本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、第一差分ベクトル(ΔH)と第二差分ベクトル(ΔHi−1=Hi−1−Hi−2)の外積(ΔHi−1×ΔH)から求まる回転軸ベクトル(nΔ)と、第一差分ベクトル(ΔH)とを用いて算出されたモード判定値に基づき、選択すべき回転モードを判定するモード判定ステップを備え、さらに、このモード判定ステップが、所定時間継続して(待機して)モード判定値が所定範囲内となるときに回転モードの変更を判定する待機判定ステップを備えるとより好適である。
(3)凍結判定
本発明では、移動体に設定した座標系に基づいて基準磁気を連続的に測定して得られた三次元の磁気成分からなる磁気ベクトルの変化分(差分ベクトル)を微小時間毎に逐次算出して、回転情報の演算を行っている。このため、移動体の回転軸が、その基準磁気の軸(以下「基準軸」または「特異軸」という。基準磁気が地磁気の場合なら地軸が基準軸に相当する。)に近接すると、検出される磁気ベクトルの回転方向成分(差分ベクトル)が相対的に非常に小さくなる。このようなときに回転軸ベクトルの算出を行うと、誤差が生じ易くなる。もっとも、このような誤差を生じ易い特異領域は、全体の僅か数%程度である。また、移動体の回転運動が自由軸回転モードにある場合、その回転軸が一時的(または瞬間的)に特異領域に属する(基準軸に近接する)ことがあっても、通常、その回転軸は極短時間後にその特異領域から脱出する。
そこで、あらゆる回転領域で移動体の回転情報を安定的に演算するために、算出された回転軸ベクトルと基準軸(基準磁気ベクトルHs)のなす角(δ)が所定範囲内にあるとき、回転モードの変更、さらには回転軸ベクトルの置換を凍結すると好適である。すなわち、本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップ(モード判定ステップ)は、さらに、基準磁気を指標する基準磁気ベクトル(Hs)と回転軸ベクトルの近接具合を指標する近接指標値が所定の第一範囲内となるときに、回転モードの変更を凍結するモード判定凍結ステップを備えると好適である。また凍結判定ステップは、さらに、その近接指標値が第一範囲に含まれる第二範囲内となるときに、回転軸ベクトルの更新を凍結する回転軸凍結ステップを含むとより好適である。なお、近接指標値は、例えば、上述した角δでもよいし、回転軸ベクトルと基準磁気ベクトルの内積値等でもよい。
このような凍結を行う特異領域の設定は磁気センサーの性能に応じて適宜設定すればよい。例えば、δ<10°〜20°(第一範囲)のときは回転モードの変更を凍結し、さらにδ<6°〜10°(第二範囲)のときはそれ以前に算出した回転軸ベクトルを継承して回転軸ベクトルの更新を凍結すると好ましい。
[軌道軸回転モード]
(1)本発明者がさらに研究したところ、移動体の回転モードとして、上述した固定軸回転モードと自由軸回転モード以外に、移動体が回転軸を変化させつつも、特定の姿勢を保持してほぼ一定の軌道軸周りに回転運動する軌道軸回転モードがさらに存在することがわかった。
磁気ベクトル空間とは別に、回転軸ベクトル空間を三軸直交座標系で考えた場合、回転軸ベクトル(n)の終点N(n、n、n)は原点を中心とした半径1の球面(単位球)上を移動する。この終点Nの軌跡は回転モード毎に特有なものとなるが、軌道軸回転モードの軌跡は、固定軸回転モードや自由軸回転モードとは異なるものとなった。具体的にいうと、固定軸回転モードに係る軌跡は単位球上の一点となり、自由軸回転モードに係る軌跡は単位球上の任意の曲線となるが、軌道軸回転モードに係る軌跡はそれらと異なり、単位球上の円または楕円(特定の投影面で観れば直線)となった。
このような軌道軸回転モードは、移動体が自由に移動できず、その回転が特定の軌道軸周りに拘束されている場合に生じる。このため、前述した自由軸回転モードによる演算のみでは、軌道軸回転モードにある移動体の精確な回転情報を安定的に得ることはできない。但し、軌道軸回転モードは、自由軸回転モードの特異モードと考えることができる。このため、軌道軸回転モードに係る回転軸ベクトルは、自由軸回転モードで得られた回転軸ベクトル(n)を適切に修正した修正回転軸ベクトル(n’)として求めることが可能である。そして、n’をnと置換することにより、上述した自由軸回転モードに係るアルゴリズムを軌道軸回転モードでも利用することが可能となる。n’の算出方法(nの修正方法)は、具体的にいうと次の通りである。
(2)軌道軸回転モードの場合、図3を参照するとわかるように、軌道軸(Nob)に沿って正規化された軌道軸ベクトル(nob)は、隣接する各時刻における回転軸ベクトル(n、ni−1、ni−2)の変化分を示す軸変化ベクトル(Δn、Δni−1)を用いて、式21Aにより求まる。そして、その軌道軸と軸変化ベクトル(Δn)のなす角である軌道角(φob)およびその指標値(cosφob、sinφob)が式21Bから求まる。これらを用いて、n’は式22のように求めることができる。こうして得られたn’を新たなnとする。軌道軸回転モードが継続していれば、そのnを用いて次のni+1(暫定回転軸ベクトル)を自由軸回転モードで算出する。このni+1を用いて式21Aにより算出したni+1’を、再度新たなnとする。このような操作を、軌道軸回転モードが継続する限り繰り返す。
(3)なお、軌道軸回転モードか否かの判定は、例えば、軌道軸ベクトル(nob)と軸変化ベクトル(Δn)を用いて式23により算出される指標値(K)が、特定範囲内にあるか否か(より具体的にいえば0近傍か否か)により判断し得る。
以上を踏まえて、本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、さらに、移動体が回転軸を変化させつつ特定の姿勢を保持して略一定の軌道軸の周りに回転運動する軌道軸回転モードにあるとき、自由軸回転モードで得られた少なくとも3つの時刻(t、ti−1、ti−2)における各回転軸ベクトル(n、ni−1、ni−2)の隣接間の差分ベクトルである第一軸変化ベクトル(Δn=n−ni−1)と第二軸変化ベクトル(Δni−1=ni−1−ni−2)の外積(Δni−1×Δn)により軌道軸を指標する軌道軸ベクトル(nob)を特定する軌道軸ベクトル特定ステップと、軌道軸ベクトル(nob)と回転軸ベクトル(n)のなす角である軌道角(φob)または軌道角を指標する軌道角指標値を算出する軌道角算出ステップと、軌道角に基づいて自由軸回転モードで得られた回転軸ベクトル(n)を修正した修正回転軸ベクトル(n’)を軌道軸回転モードにおける新たな回転軸ベクトル(n)とする回転軸ベクトル修正ステップと、を有すると好適である。
この場合、本発明に係るモード判定ステップは、固定軸回転モードと自由軸回転モードの判定以外に、上述した指標値(K)等を用いて軌道軸回転モードの判定も行うステップであると好ましい。そして、その判定結果に応じて、回転軸ベクトル(n)を算出する回転モードの選択(継続または変更)が適切になされると好ましい。
[反転モード]
(1)本発明では、移動体の回転運動が角運動量保存則(または慣性の法則)により急激な変化をしないことを前提として、適切な演算を逐次繰り返すことにより移動体の回転情報を精確に求めている。しかし、軌道軸回転モードの場合と同様に、人為的な操作等により移動体は急激な回転運動や特異な回転運動をし得る。その一例として、特定の回転軸まわりに回転している移動体の回転方向を、急激に反転(逆転)させたり、その反転を繰り返すような振動をさせたりする場合がある。なお、本明細書では、その振動も含めて単に反転という。
このような反転運動がなされると、回転軸ベクトル(n)の向き(正負)が急激に変化する。このため、上述した逐次演算のみでは、その急激な変化に追従しきれず、移動体の回転情報を適時に精確に算出できないおそれが生じ得る。そこで、移動体に反転が生じた反転モードか否かを判定し、反転モードのときは、回転軸ベクトル(n)の向き(正負)を反転させた反転回転軸ベクトル(−n)を、新たな回転軸ベクトル(n)として上述した演算を繰り返すことにより、移動体の回転運動に追従しつつ、その回転運動を精確に求めることができる。
(2)反転モードの判定は、例えば、次のようにして行うことができる。移動体の回転運動は連続的であるから、回転軸まわりの角速度が正から負または負から正へ変化する点(反転ポイント)で、移動体の角速度ω(具体的には仮性角速度ベクトル(ωpr)または真性角速度ベクトル(ωth))の大きさはゼロとなる。そこで、移動体の角速度ωを与える式2、式3または式9Aを考慮して、角速度の大きさ|ω|がゼロとなる前後で、二つの磁気ベクトル(H)の差分ベクトル(ΔH=H−Hi−1)を求める。その一方は|ω|が0に近づく側(|ω|が減少する側)の前差分ベクトル(ΔHb)であり、他方は|ω|が0から遠ざかる側(|ω|が増加する側)の後差分ベクトル(ΔHa)である。
これら両差分ベクトルを単位ベクトル化(Δha=ΔHa/|ΔHa|、Δhb=ΔHb/|ΔHb|)した後にその内積(P=Δhb・Δha)を求める。その内積値が負であれば、|ω|がゼロとなる前後で求めた両差分ベクトルは、向き(符号)がほぼ反転していると判断できる。つまり、反転ポイントの前後で移動体には反転運動が生じていると判断できる。逆にその内積値が正であれば、両差分ベクトルは同符号であるから、反転ポイントの前後で移動体に反転運動は生じていないと判断できる。なお、指標値Pは式24に示すように算出してもよい。この場合、反転時に−1、非反転時に1となるため、本発明に係る演算アルゴリズム(回転軸ベクトル特定ステップ)へ組み込み易い。
なお、|ω|が0となる極近傍では、差分ベクトルの符号(正負)が微妙に変化(振動)することがあり、反転モードが誤判定されるおそれがある。そこで、|ω|が0となる極近傍(−ε<|ω|<+ε、ε:微小値)を除く範囲で算出した差分ベクトルを保存(記憶)し、それらを上述した前差分ベクトル(ΔHb)および後差分ベクトル(ΔHa)として採用するとよい。この様子を図4に示した。
このように本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、仮性角速度ベクトル(ωpr)または真性角速度ベクトル(ωth)の大きさがゼロとなる前後のそれぞれで磁気ベクトルの差分ベクトルとして求められた前差分ベクトル(ΔHb)と後差分ベクトル(ΔHa)の向きが反転するとき、回転軸ベクトル(n)の向きを反転させた反転回転軸ベクトル(−n)を新たな回転軸ベクトル(n)とする回転軸ベクトル反転ステップをさらに有すると好適である。そして本発明に係るモード判定ステップは、前述した各回転モードの判定と併行して反転モードの判定も行うと好ましい。なお、本明細書でいう「反転」とは、反転ポイントの前後の差分ベクトル(ΔHa、ΔHb)の向きが実質的に反対方向であれば、両差分ベクトルのなす角が180°でなくてもよい。つまり、本明細書でいう「反転」は、前述した指標値Pを用いた判定方法からもわかるように、両差分ベクトルのなす角が鈍角となればよい。
[初期値]
移動体の回転情報(特に角速度)を追従性よく精確に求めるには、演算方法のみならず、初期値(特に回転軸ベクトルnの初期値n)が重要となる。移動体が回転状態にあれば、回転モードが変更になっても、継承できる初期値があるため、問題はあまり生じない。
しかし、回転軸ベクトルも角速度ベクトルも実質的にゼロとなっている静止状態または準静止状態(非常に緩やかに移動している状態等)から回転状態へ移行して各回転モードで演算を開始(または再開)する場合、継承すべき初期値がないため、精確な演算結果を迅速に得るには適切な初期値を与えることが必要となる。
(1)移行期
移動体は、通常、基準磁気(地磁気)を三次元的に測定可能な磁気センサーのみならず、基準加速度(重力加速度)を三次元的に測定可能な加速度センサーも備え、それらセンサーにより得られた各成分(合計6成分)を処理して自身の姿勢(方位または向き)を把握する公知な三次元方位計算プログラムを備える。このようなシステムを本明細書では、適宜、「姿勢ジャイロスコープ」という。
三次元方位計算プログラムを実行すると、各時刻における移動体の方位が求まる。その方位成分(三次元座標軸とのなす角度(θ、η、φ))を、時間微分、具体的には所定時間(Δt)の間に生じた各方位成分の変化量(回転変化量)をその時間(Δt)で除すことにより、任意の時刻における移動体の角速度ベクトルが求まり、ひいては回転軸ベクトルも求まる。こうして求まった角速度ベクトルまたは回転軸ベクトル(n)を初期値として用いると、静止状態(特に断らない限り、準静止状態を含む。)から回転状態へ移行する移行期(過渡期)からでも、追従性のよい精確な演算が可能となる。
ところで、姿勢ジャイロスコープは、通常、向きと大きさが安定している重力加速度を加速度センサーで検出し、その検出結果を磁気センサーによる地磁気の検出結果と併せて移動体の方位(姿勢)を算出している。ところが加速度センサーは、重力加速度のみならず、動加速度も検出する。このため移動体が静止状態から急激に回転運動を開始するような場合、姿勢ジャイロスコープから得られる初期値は、移動体に作用する大きな動加速度も加味した値となり、必ずしも正確ではない。つまり、動加速度が大きくなるほど、姿勢ジャイロスコープから求まる回転軸の誤差は大きくなる。なお、ここでいう動加速度(G)は、回転加速度(ra/a:角加速度、r:回転半径)と遠心加速度(rω)の和であり、加速度センサーにより検出される加速度(G)は、その動加速度(G)と重力加速度(G)の和となる。
一方、移動体が静止状態から急激に回転運動を開始する場合、磁気ベクトルも急激に変化し、十分に大きな差分ベクトルΔHが回転初期に得られる。十分に大きな二つの差分ベクトル(ΔH、ΔH)が得られれば、式1Aおよび式1Bから、正確な回転軸ベクトル(nΔ0)も求まる。この回転軸ベクトル(nΔ0)を、自由軸回転モードにおける初期値(n)とすることにより、移行期以降の演算を正確に行うことが可能となる。なお、上述した初期値(n、nΔ0)のいずれを採用するかは、例えば、移行期にお移動体の動加速度(G=ra+rω)またはその指標値を、所定の閾値と比較することにより判定できる。
そこで、移動体が静止状態または準静止状態から回転状態へ移行する移行期(動加速度が少なくとも所定の閾値を超える範囲にあるとき)のような、微小時間(Δt)内の磁気変化量(ΔH)が所定の微小範囲内にあるとき、本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、さらに、第一時刻(t)と第二時刻(ti−1)で測定した基準磁気と基準加速度の三次元測定値を三次元方位計算プログラムで処理して得た各時刻における三次元方位値に基づいて算出した回転状態以前の静的回転軸ベクトル(ns0)を、回転状態へ移行した時の前記回転軸ベクトルの初期値(n)とする初期値設定ステップを有すると好適である。
この初期値設定ステップは、さらに、微小時間(Δt)内の磁気変化量(ΔH)が所定の微小範囲内であると共に前記移動体の動加速度が少なくとも所定の閾値以上(所定範囲内)となるとき、第一差分ベクトル(ΔH)と第二差分ベクトル(ΔHi−1)との外積(ΔHi−1×ΔH)により算出される回転軸ベクトル(nΔ0)を、回転軸ベクトルの初期値(n)とするステップを備えると好適である。
(2)特異環境下/水平回転
既述したように、移動体の回転軸が基準磁気の軸(基準軸または特異軸)に近接すると、検出される磁気ベクトルひいては差分ベクトルの回転方向成分が小さくなる。このような状況は、瞬間的または一時的に回転運動している移動体の回転軸が基準軸に近接する場合の他、鉛直方向に延在する鉄筋(強磁性体)を有する建物内等で基準磁気が強磁性体によって垂直方向(鉛直方向)に偏向している環境下で移動体を略水平回転させる場合にも生じ得る。また基準磁気が地磁気である場合、地球の極点付近でも同様な状況が生じる。
このような特異環境下で移動体を略水平回転させるとき、上述した姿勢ジャイロスコープから算出される回転軸ベクトル(nまたはns0)や二つの差分ベクトルの外積(ΔH×ΔH)から算出される回転軸ベクトル(nΔ0)は、垂直軸(鉛直軸)方向以外の成分を含み易く、必ずしも移動体の回転状態に適した初期値とはならない。このような場合、垂直軸を回転軸として固定軸回転モードにより演算を行う(開始する)ことにより、回転初期から精確な演算結果を得ることが可能となる。
なお、基準加速度(重力)は特異環境下による影響を基本的に受けない。このため特異環境下にあるか否かは、その環境下で磁気センサーにより測定される基準磁気(地磁気)と加速度センサーにより測定される基準加速度(重力)とのなす角(ζ)またはその指標値が所定範囲内(例えば、ζ<20°)にあるか否かにより判断できる。また、移動体が略水平回転をしているか否かは、例えば、式25に示すように、重力加速度ベクトル(G)と動加速度ベクトル(G)の内積値からなる水平指標値Qが所定範囲内(ゼロ近傍)にあるか否かにより判断できる。なお、移動体が完全な水平回転をしているとき、動加速度(G)は遠心加速度(rω)のみとなり、水平指標値Q=0となる。
ちなみに、特異環境下であるか否かを問わず、移動体の略水平回転は頻繁になされる。そこで、略水平回転であることが水平指標値Q等により判定された場合、垂直軸を回転軸とした固定軸回転モードによる演算を自動的に行うようにしてもよい。
そこで本発明に係る回転軸ベクトル特定ステップは、移動体が静止状態または準静止状態から回転状態へ移行する移行期等で、重力加速度ベクトルと動加速度ベクトルのなす角またはその指標値が所定範囲内となるとき、重力加速度ベクトルを指標する指標ベクトル(n/例えば、その単位ベクトル)を回転軸ベクトルの初期値(n)とする水平初期値設定ステップを有すると好適である。
《磁気センサー》
本発明に係る磁気センサーは、特定の三次元座標系に沿って地磁気等の基準磁気を測定した際に三次元の磁気成分を検出できるものであれば足り、その種類等は問わない。例えば、磁気センサーとして、マグネト・インピーダンス素子(MI素子)、ホール素子、磁気抵抗素子等を利用することが考えられる。もっとも、応答性、感度、精度等のいずれにも優れ、小型化を図れるMIセンサーが磁気センサーとして好ましい。
MIセンサーは、アモルファスワイヤからなる感磁体とその周囲に巻回した検出コイルとからなるMI素子により構成される。MIセンサーは、高周波電流が流れる感磁体のインピーダンスが周辺磁界に応じて変化するMI効果を利用したものであり、そのインピーダンスの変化を検出コイルで検出することにより周辺磁界が測定される。このMIセンサーに関する出願は多数されており、例えば、WO2005/19851号公報、WO2009/119081号公報などに詳しく記載されている。
なお、MI素子は、磁気ベクトルの検出方向(座標軸方向)毎に1つ設けられているとよい。例えば、三軸直交座標系で磁気ベクトルを検出する場合なら、x軸方向、y軸方向およびz軸方向のそれぞれに対応してアモルファスワイヤを平行にした3つのMI素子を配置してMIセンサー(3軸磁気センサー)を構成するとよい。もっとも、WO2005/19851号公報にあるように、MI素子の1つを省略して2つのMI素子で三軸方向の磁気成分を検出できるように構成したMIセンサーを用いてもよい。
《移動体》
(1)本発明に係る移動体は、本発明の磁気型ジャイロスコープを備えた測定モジュール、測定器機、それらを組み込んだ各種の電子器機等である。本発明の磁気型ジャイロスコープを用いると、方位や姿勢把握等に従来必要とされていた3軸ジャイロセンサーを省略できる。従って本発明の移動体は、携帯電話、スマートホン、タブレット端末、カーナビゲーション、デジタルカメラ等のように、小型化や低コスト化等が厳しく要請される電子器機であると好適である。ちなみに本発明の移動体は、回転情報を手ぶれ補正などに利用するデジタルカメラでもよい。
なお、本発明の移動体は、磁気センサーの他、加速度センサーおよびそれらによる検出データを処理して方位等を算出する各種のプログラム等を備えると好ましい。また本発明の移動体は、上述した磁気型ジャイロスコープを備えれば足り、従来型のジャイロセンサーまたはジャイロスコープ(姿勢ジャイロスコープ)が併設されるものでもよい。
(2)移動体の姿勢やその回転情報の演算に必要な回転軸ベクトルを精確に把握するには、移動体の運動状態に応じた的確な三次元方位値が必要となる。そこで本発明の移動体は、磁気型ジャイロスコープから算出される三次元方位値(ベクトル)と姿勢ジャイロスコープ(いわゆる電子コンパス)から算出される三次元方位値とを用いて、移動体の方位(三次元方位値)を、その運動状態に応じて決定する手段(三次元方位値決定手段)を備えると好適である。具体的に説明すると次の通りである。
本発明の回転情報演算方法または磁気型ジャイロスコープにより得られる角速度を積分して算出される三次元方位値は、角速度(回転速度)の小さい連続回転の継続時間が長くなるほど、誤差が拡大し得る傾向にある。逆に、姿勢ジャイロスコープから算出される三次元方位値は、そのような角速度(回転速度)の小さい準静止状態さらには静止状態であるほど、高精度な三次元方位値が得られる。
そこで、移動体が静止状態または準静止状態にあるときは、姿勢ジャイロスコープの出力値(第一方位値:D)を移動体の三次元方位値とし、移動体が高速回転状態にあるときは、磁気型ジャイロスコープの出力値(第二方位値:D)を移動体の三次元方位値とすると好ましい。また、移動体の運動状態がそれらの中間域(「中間運動状態」という。)にあるときは、各ジャイロスコープの出力値(D、D)を、移動体の角速度(ω)および動加速度(G=G−G)を考慮して平均化した適正方位値(Dav)を移動体の三次元方位値とすると好ましい。これにより移動体が静止状態にあるときから高速回転状態にあるときまで、移動体の三次元方位値を、その運動状態に応じて的確に把握することが可能となる。
なお、移動体が静止状態または準静止状態にあるときは、動加速度も角速度も小さく、移動体が高速回転状態にあるときは、通常、動加速度も角速度も大きい。従って、動加速度と角速度を考慮することにより、移動体の運動状態の的確な把握が可能となる。
そこで本発明の移動体は、上述した磁気型ジャイロスコープと、磁気センサーと加速度センサーとの出力値に基づいて三次元方位値を算出する姿勢ジャイロスコープと、姿勢ジャイロスコープから求まる三次元方位値である第一方位値(D)、磁気型ジャイロスコープから求まる三次元方位値である第二方位値(D)、および角速度に基づいて算出される角速度パラメータ(Rω)と動加速度に基づいて算出される動加速度パラメータ(R)から求まる重み係数(A、B)を用いて求まる運動状態に応じた三次元方位値である適正方位値(Dav)を決定する三次元方位値決定手段と、を備えると好適である。
このような適正方位値(Dav)は、例えば、式31〜式33Bに示すようにして求められる。なお、式33Aおよび式33Bにあるαωとαは、それぞれ、角速度と動加速度に基づいて、中間運動状態の範囲(中間域、接続域)を定めるパラメータである。また、式33Aおよび式33Bにあるβωとβは、それぞれ、角速度と動加速度に基づいて、静止状態(または準静止状態)の範囲を定めるパラメータである。一例を示すと、αω=24dps(°/秒)、α=18mg(重力加速度G=1000mg)、βω=60dps、β=20mgとするとよい。
《フローチャート》
本発明の回転情報演算方法に係る一実施例であるフローチャートを図5に示した。先ず、ステップS1で、微小時間Δt毎に、地磁気(基準磁気)を測定する。地磁気の測定は、3軸磁気センサーを介してなされる。こうして3軸直交座標系に沿った3つの磁気成分からなる磁気ベクトルHが順次取得される。得られた磁気ベクトルHは携帯情報端末(移動体)等に備えられたメモリーに一時的に格納される(磁気ベクトル取得ステップ)。
次に、ステップS2で、時刻t(t=t+Δt・i)で取得された磁気ベクトルHとその直前に取得されている磁気ベクトルHi−1とを用いて、前述した式3から仮の角速度ベクトル(ωpr)を算出する(仮性角速度ベクトル算出ステップ)。
ステップS3で、初期の回転軸ベクトル(nΔ0)を特定する(初期回転軸ベクトル算出ステップ)。この際、移動体の環境や回転状態等に応じて、適宜、姿勢ジャイロスコープによる算出値や重力加速度ベクトルが利用してもよい。
ステップS41で、固定軸回転モードに対応した回転軸ベクトルをnΔを、ステップS1で取得された3つの磁気ベクトルを利用して、前述した式1Aおよび式1Bに基づいて算出する(一回転軸ベクトル特定ステップ)。なお、複数のnΔを算出して、それらの平均値をnΔとしてもよい。
ステップS42で、自由軸回転モードに対応した回転軸ベクトルnを前述した式6〜式9Bにより算出する(自由回転軸ベクトル特定ステップ)。これらステップS41およびステップS42が本発明でいう回転軸ベクトル特定ステップに相当する。
ステップS5で、磁気ベクトルHと磁気ベクトルHi−1の差分ベクトルΔH(H−Hi−1)と、既出の回転軸ベクトルnΔとを用いて、前述した式11からモード判定値Jを算出する。このJが所定の閾値(f)よりも小さいときは移動体の回転運動が固定軸回転モードにあると判断し、そのJがf以上であるときは移動体の回転運動が自由軸回転モードにあると判断する(モード判定ステップ)。但し、このとき、ステップS42で得られた回転軸ベクトル(n、ni−1、ni−2)から得られた軸変化ベクトル(Δni−1、Δn)を用いて、式21Aにより軌道軸ベクトルnobを求める。そして式23に示す指標値Kが所定範囲内(0近傍内)にあるときは、移動体の回転運動は軌道軸回転モードであると判断して、ステップS42で得られた回転軸ベクトルnを式22に基づいて修正した回転軸ベクトルn’を新たな回転軸ベクトルn とした。
ステップS61で、ステップS5の判定結果に応じて、式4または式5に基づいてsinαを算出する(差角算出ステップ)。そしてステップS62で、ステップS5の判定結果に応じて、時刻t(t=t+Δt・i)における真の角速度ベクトルωthを式5または式10に基づき算出する(真性角速度ベクトル算出ステップ)。
このような演算を繰り返すことにより、任意の時刻における移動体の角速度ひいてはそれに基づく回転情報を、その姿勢変化等に対して実質的に遅れることなく迅速に把握できるようになる。
《実験》
上述したフローチャートを実行できる回転情報演算プログラムを組み込んだ磁気型ジャイロスコープと、従来の振動型ジャイロスコープ(MEMSジャイロセンサー)とを用いて、移動体の角速度を測定した結果を図6A〜図6Cに示した。図6Aは固定軸回転モード(z軸が回転軸)の場合であり、図6Bは回転軸が二次元的に変動する軌道軸回転モードの場合であり、図6Cは回転軸が三次元的に変動する自由軸回転モードの場合である。いずれのモードでも、本実施例に係る磁気型ジャイロスコープを用いたときの測定結果と、MEMSジャイロセンサーを用いたときの測定結果とはよく一致していた。なお、図6Cに示した自由軸回転モードのz成分(ω)を観ると、両者間で多少ズレが生じているようにみえるが、これはMEMSジャイロセンサーのドリフト(ゼロ点の変動量)の影響が生じているに過ぎない。
ちなみに、本実験は、アイチ・マイクロ・インテリジェント株式会社製AMI306(磁気センサー)およびInvensense社製MPU3050(MEMSジャイロセンサー)を用いて、測定間隔Δt:8msとして行った。また、図6Aおよび図6Cには角速度を800dps(度/秒)とした場合を示し、図6Bには角速度を200dps(度/秒)とした場合を示した。
Figure 0005678357
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Claims (16)

  1. 向きと大きさが安定な基準磁気を連続的に測定して三次元の磁気成分からなる磁気ベクトルを微小時間毎に取得する磁気ベクトル取得ステップと、
    第一時刻(t)で取得された第一磁気ベクトル(H)と、該第一磁気ベクトル(H)と該第一時刻よりも微小時間(Δt)前である第二時刻(ti−1=t−Δt)で取得された第二磁気ベクトル(Hi−1)との差分である第一差分ベクトル(ΔH=H−Hi−1)との外積(H×ΔH)を用いて仮性角速度ベクトル(ωpr)を算出する仮性角速度ベクトル算出ステップと、
    該第一時刻における回転軸を指標する回転軸ベクトル(n)を特定する回転軸ベクトル特定ステップと、
    該第一磁気ベクトル(H)と該回転軸ベクトル(n)のなす角である差角(α)または該差角を指標する差角指標値を算出する差角算出ステップと、
    該仮性角速度ベクトル(ωpr)の大きさと該差角または該差角指標値と該回転軸ベクトル(n)を用いて該第一時刻における真性角速度ベクトル(ωth)を算出する真性角速度ベクトル算出ステップとを備え、
    前記回転軸ベクトル特定ステップは、
    移動体が回転軸を変化させつつ回転運動をする自由軸回転モードにあるとき、
    前記第二時刻(t i−1 )における回転軸ベクトル(n i−1 )を用いた回転座標系により表現された前記第一時刻(t )における瞬間回転中心(O )から前記第一磁気ベクトル(H )の終点に向かう動径ベクトル(Hr)と、該第一磁気ベクトル(H )と、前記第一差分ベクトル(ΔH )とを用いて、該回転軸ベクトル(n i−1 )に対する傾きをフィードバック演算により修正して回転軸ベクトル(n )を特定するステップであり、
    前記回転座標系は、前記第一時刻(t )における回転軸ベクトル(n )を近接している前記第二時刻(t i−1 )における回転軸ベクトル(n i−1 )と仮定( n =n i−1 )して、e =n i−1 とした軸方向の基本ベクトル(e )と、該第一磁気ベクトル(H )と前記差角(α )から求めた前記動径方向ベクトル(Hr)の基本ベクトル(e )と、該基本ベクトル(e )と該基本ベクトル(e )の外積(e × e )から求まる進行方向の基本ベクトル(e )と、により該第一時刻(t )において定義される瞬間座標系(e , e , e )であり、
    前記回転軸ベクトル(n )と、前記差角(α )または前記差角指標値と、前記仮性角速度ベクトル(ω pr )とにより、下式(式10)から求まる前記真性角速度ベクトル(ωth)を用いて前記移動体に関する回転情報を求めることを特徴とする回転情報演算方法。

    ω th (|ω pr |/sinα )・n (式10)
  2. 前記回転軸ベクトル特定ステップは、前記瞬間座標系(e , e , e )において、
    該座標系へ該第一時刻(t )における実際の第一差分ベクトル(ΔH )を射影した成分(a, b, c)を求め、該成分(a, b, c)を用いて下式(式9A、式9B)から該第一差分ベクトルに直交する該第一時刻(t )における真の回転軸ベクトル(n )を算出するステップである請求項1に記載の回転情報演算方法

    ω ={(ab/d)e −de +(ac/d)e }/|Hr|・Δt(式9A)
    ω /|ω (式9B)
    ここで d=(b +c 1/2 (式8A)
  3. 前記移動体が回転軸を変化させつつ特定の姿勢を保持して略一定の軌道軸の周りに回
    転運動する軌道軸回転モードにあるとき、前記回転軸ベクトル特定ステップは、
    前記自由軸回転モードで得られた少なくとも3つの時刻(t 、t i−1 、t i−2 )における各回転軸ベクトル(n 、n i−1 、n i−2 )の隣接間の差分ベクトルである第一軸変化ベクトル(Δn =n −n i−1 )と第二軸変化ベクトル(Δn i−1 =n i−1 −n i−2 )の外積(Δn i−1 ×Δn )により前記軌道軸を指標する軌道軸ベクトル(n ob )を特定する軌道軸ベクトル特定ステップと、
    該軌道軸ベクトル(n ob )と該回転軸ベクトル(n )のなす角である軌道角(φ ob )または該軌道角を指標する軌道角指標値を算出する軌道角算出ステップと、
    該軌道角または該軌道角指標値に基づいて該自由軸回転モードで得られた回転軸ベクトル(n )を下式に基づいて修正した修正回転軸ベクトル(n ’)を該軌道軸回転モードにおける新たな回転軸ベクトル(n )とする回転軸ベクトル修正ステップと、
    を有する請求項1に記載の回転情報演算方法。

    ’=n i−1 +{Δn sinφ ob −(n ×Δn )cosφ ob
    (式22)
  4. 前記回転軸ベクトル特定ステップは、さらに、
    前記仮性角速度ベクトル(ωpr)または前記真性角速度ベクトル(ωth)の大きさがゼロとなる前後それぞれで、前記磁気ベクトルの差分ベクトルとして求められた前差分ベクトル(ΔHb)と後差分ベクトル(ΔHa)の向きが反転するとき
    前記回転軸ベクトル(n)の向きを反転させた反転回転軸ベクトル(−n)を新たな回転軸ベクトル(n)とする回転軸ベクトル反転ステップを有する請求項1〜のいずれかに記載の回転情報演算方法。
  5. 前記回転軸ベクトル特定ステップは、さらに、
    微小時間(Δt)内の磁気変化量(ΔH)が所定の微小範囲内にあるとき、
    第一時刻(t)と第二時刻(ti−1)で測定した基準磁気と基準加速度の三次元測定値を三次元方位計算プログラムで処理して得た各時刻における三次元方位値に基づいて算出した回転状態以前の静的回転軸ベクトル(ns0)を、回転状態へ移行した時の前記回転軸ベクトルの初期値(n)とする初期値設定ステップを有する請求項1〜のいずれかに記載の回転情報演算方法。
  6. 前記初期値設定ステップは、さらに、
    微小時間(Δt)内の磁気変化量(ΔH)が所定の微小範囲内にあると共に前記移動体の動加速度が少なくとも所定の閾値以上となるとき、
    前記第一差分ベクトル(ΔH)と前記第二差分ベクトル(ΔHi−1)との外積(ΔHi−1×ΔH)により算出される回転軸ベクトル(nΔ0)を、前記回転軸ベクトルの初期値(n)とするステップを備える請求項に記載の回転情報演算方法。
  7. 前記回転軸ベクトル特定ステップは、
    重力加速度ベクトル(G)と動加速度ベクトル(G)のなす角またはその指標値(Q)が所定範囲内となるとき、
    該重力加速度ベクトルを指標する指標ベクトル(n)を前記回転軸ベクトルの初期値(n)とする水平初期値設定ステップを有する請求項1〜のいずれかに記載の回転情報演算方法。
  8. 前記回転軸ベクトル特定ステップは、前記第一差分ベクトル(ΔH)と前記第二差分ベクトル(ΔHi−1=Hi−1−Hi−2)の外積(ΔHi−1×ΔH)から求まる前記回転軸ベクトル(nΔ)と、該第一差分ベクトル(ΔH)とを用いて算出されたモード判定値(J)に基づき、選択すべき回転モードを判定するモード判定ステップを備える請求項またはに記載の回転情報演算方法。
  9. 前記モード判定ステップは、さらに、所定時間継続して前記モード判定値が所定範囲内となるときに、前記回転モードの変更を判定する待機判定ステップを備える請求項に記載の回転情報演算方法。
  10. 前記モード判定ステップは、さらに、前記基準磁気を指標する基準磁気ベクトル(Hs)と前記回転軸ベクトルの近接具合を指標する近接指標値が所定の第一範囲内となるときに、前記回転モードの変更を凍結するモード判定凍結ステップを備える請求項またはに記載の回転情報演算方法。
  11. 前記モード判定凍結ステップは、さらに、前記近接指標値が前記第一範囲に含まれる第二範囲内となるときに、前記回転軸ベクトルの更新を凍結する回転軸凍結ステップを含む請求項10に記載の回転情報演算方法。
  12. メモリーへの格納若しくは媒体への記録または通信がなされ得ると共に、請求項1〜11のいずれかに記載の回転情報演算方法をコンピューターで実行可能なことを特徴とする回転情報演算プログラム。
  13. 向きと大きさが安定な基準磁気を三次元的に測定可能な磁気センサーと、
    請求項12に記載した回転情報演算プログラムを格納したメモリーと、
    該回転情報演算プログラムを実行可能な演算装置とを備え、
    移動体の姿勢変化に関する回転情報を出力し得ることを特徴とする磁気型ジャイロスコープ。
  14. さらに、重力加速度を含む加速度を三次元的に測定可能な加速度センサーを備える請求項13に記載の磁気型ジャイロスコープ。
  15. 請求項13または14に記載の磁気型ジャイロスコープを備えたことを特徴とする移動体。
  16. 請求項14に記載の磁気型ジャイロスコープと、
    前記磁気センサーと前記加速度センサーとの出力値に基づいて三次元方位値を算出する姿勢ジャイロスコープと、
    該姿勢ジャイロスコープから求まる三次元方位値である第一方位値(D)、該磁気型ジャイロスコープから求まる三次元方位値である第二方位値(D)、および角速度に基づいて算出される角速度パラメータ(Rω)と動加速度に基づいて算出される動加速度パラメータ(R)から求まる重み係数(A、B)を用いて求まる運動状態に応じた三次元方位値である適正方位値(Dav)を決定する三次元方位値決定手段と、
    を備えることを特徴とする移動体。
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