JP6167747B2 - バイアス算出方法及びバイアス算出装置 - Google Patents

バイアス算出方法及びバイアス算出装置 Download PDF

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Description

本発明は、加速度センサーのバイアスを算出するバイアス算出方法及びバイアス算出装置に関する。
現在、いわゆるシームレス測位やモーションセンシング、姿勢制御など様々な分野において、慣性センサーの活用が注目されている。慣性センサーとしては、加速度センサーやジャイロセンサー、圧力センサー、地磁気センサーなどが広く知られている。
例えば慣性センサーの一種である加速度センサーの出力には、ゼロ点バイアスに代表されるバイアス(加速度バイアス)が含まれる。加速度センサーの出力は、例えば慣性航法演算などに用いられるが、加速度バイアスによってその演算結果に大きな誤差が生じる可能性がある。このため、予め加速度バイアスを算出(推定)しておき、加速度センサーの出力値を用いる際に、この加速度バイアスを考慮する必要がある。加速度バイアスを算出する技術として、特許文献1には、加速度センサーの検出軸を鉛直方向(重力が作用する方向)に一致させて配置することで、当該検出軸の加速度バイアスを算出できることが開示されている。
特開2012−8096号公報
しかしながら、上述の従来の技術は、一軸分の加速度バイアスを算出するものである。つまり、複数軸(多軸)の加速度センサーの場合、これらの複数の検出軸(3軸)それぞれについて、順に1軸ずつ、鉛直方向に一致させて配置して当該検出軸の加速度バイアスの算出を行う必要があり、手間がかかる。
ところで、加速度センサーは、外界の温度変化による影響を受けやすいため、温度補償が行われている。しかし、温度補償を行っても、電源を入れる度に生じるバイアスであるターンオンバイアスや、温度以外の外界の影響により、加速度センサーの出力に含まれるバイアスはゼロとならない。このため、電源を投入して使用を開始する毎に、加速度バイアスの算出(初期キャリブレーション)を行う必要があるが、その度に、上述のように、各軸それぞれについて、鉛直方向に向けて加速度バイアスの算出を行うことは、非常に面倒であった。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加速度センサーのバイアス値の算出を、手間を軽減して容易に行えるようにすることである。
上記課題を解決するための第1の発明は、加速度センサーとジャイロセンサーとを有するセンサー部を、前記加速度センサーの第1軸及び第2軸がなす平面を鉛直方向に対して略垂直にした状態で、前記鉛直方向を軸中心に回転させることと、前記センサー部の検出値を用いて前記加速度センサーの前記第1軸及び前記第2軸のバイアスを算出することと、を含む加速度バイアス算出方法である。
また、他の発明として、
加速度センサーとジャイロセンサーとを有するセンサー部の前記加速度センサーのバイアスを算出するバイアス算出装置であって、前記加速度センサーの第1軸及び第2軸がなす平面を鉛直方向に対して略垂直にした状態で、前記鉛直方向を軸中心にして前記センサー部を回転させる旨の報知を行う報知制御部と、前記センサー部の検出値を用いて前記加速度センサーの前記第1軸及び前記第2軸のバイアスを算出するバイアス算出部と、を備えたバイアス算出装置を構成しても良い。
この第1の発明等によれば、加速度センサーとジャイロセンサーとを有するセンサー部を、加速度センサーの第1軸及び第2軸がなす平面を略水平にした状態で鉛直方向を軸中心にして回転させることで、加速度センサーの第1軸及び第2軸の両軸のバイアスを算出することができる。
また、第2の発明は、第1の発明の加速度バイアス算出方法であって、前記バイアスを算出することは、前記バイアスを未知数として前記センサー部の姿勢を前記検出値を用いて表した瞬時成立条件を、前記回転中に複数算出することと、複数の前記瞬時成立条件を用いて前記バイアスを算定することと、を含む加速度バイアス算出方法である。
この第2の発明によれば、バイアスを未知数としてセンサー部の姿勢を検出値を用いて表した瞬時成立条件を回転中に複数算出し、算出した瞬時成立条件を用いて、加速度センサーのバイアスが算出される。回転中は、センサー部の姿勢は時々刻々と変化する。つまり、センサー部の姿勢が異なる複数の状態それぞれにおける瞬時成立条件が生成されることになる。瞬時成立条件の数が多いほど、バイアスの算出精度を高めることができる。
また、第3の発明は、第2の発明の加速度バイアス算出方法であって、前記センサー部の検出値を用いて前記センサー部の姿勢角を判定することを更に含み、前記瞬時成立条件を算出することは、前記検出値と、前記姿勢角と、重力加速度とを用いて前記瞬時成立条件を算出することである、加速度バイアス算出方法である。
この第3の発明によれば、瞬時成立条件は、センサー部の検出値と、センサー部の検出値を用いて判定されるセンサー部の姿勢角と、重力加速度とを用いて算出される。
また、第4の発明は、第3の発明の加速度バイアス算出方法であって、前記姿勢角を判定することは、前記センサー部を静止させた状態での前記加速度センサーの検出値と、重力加速度とを用いて初期の姿勢角を判定することと、従前に判定した姿勢角を前記ジャイロセンサーの検出値を用いて更新することで複数の前記姿勢における姿勢角を判定することとを含む、加速度バイアス算出方法である。
この第4の発明によれば、姿勢角の判定として、センサー部を静止させた状態での加速度センサーの検出値と重力加速度とを用いて初期の姿勢角を判定し、従前に判定した姿勢角をジャイロセンサーの検出値を用いて更新することで、複数の姿勢における姿勢角の判定が行われる。
また、第5の発明は、第2〜第4の何れかの発明の加速度バイアス算出方法であって、前記バイアスを算定することは、複数の前記瞬時成立条件を用いた所定の近似計算を行って前記バイアスを算定することである、加速度バイアス算出方法である。
この第5の発明によれば、複数の瞬時成立条件を用いた所定の近似計算を行うことで、バイアスが算出される。
また、第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明の加速度バイアス算出方法であって、前記回転させることは、前記第1軸と前記鉛直方向に対して垂直な水平面とがなす角度と、前記第2軸と前記水平面とがなす角度との和が10度以下の状態で、前記センサー部を回転させることである、加速度バイアス算出方法である。
この第6の発明によれば、第1軸と前記鉛直方向に対して垂直な水平面とがなす角度と、第2軸と水前記平面とがなす角度との和が10度以下の状態で、センサー部を回転することで、加速度バイアスを算出できる。
また、第7の発明は、第1〜第6の何れかの発明の加速度バイアス算出方法であって、前記センサー部は、ユーザーの胴体部、頭部、或いは脚部に装着されて用いられる、加速度バイアス算出方法である。
この第7の発明によれば、加速度センサーの第1軸及び第2軸がなす平面が略水平となる状態で、センサー部を、ユーザーの胴体部、頭部、或いは脚部に装着し、ユーザーがその場で左右方向に回転するといった簡易な動作で、加速度センサーのバイアスを算出することができる。
位置算出装置の全体構成図。 加速度バイアスの算出実験結果。 位置算出装置の機能構成図。 加速度バイアス算出用データのデータ構成例。 加速度バイアスデータのデータ構成例。 加速度バイアス算出処理のフローチャート。
[全体構成]
図1は、本実施形態における位置算出装置1の構成図である。この位置算出装置1は、ユーザー20の腰部に装着して利用される小型の電子機器であり、慣性航法演算を行うことで当該装置の位置を算出することができる。位置算出装置1には、操作スイッチ3やディスプレイ5、スピーカー7等が設けられているとともに、IMU(Inertial Measurement Unit)10と、CPU(Central Processing Unit)やメモリーを実装した制御装置とを内蔵している。
IMU10は、加速度センサー12と、ジャイロセンサー14とを有するセンサーユニットである。加速度センサー12は、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系であるローカル座標系(センサー座標系)における加速度を検出する。ジャイロセンサー14は、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系であるローカル座標系(センサー座標系)における角速度を検出する。なお、加速度センサー12のセンサー座標系、及び、ジャイロセンサー14のセンサー座標系は座標軸が同一として説明するが、異なる場合には、座標変換行列演算を行えば、一方の座標系を他方の座標系に置換することが可能である。座標変換行列演算については公知の手法を採用可能であるため説明を省略する。
そして、この位置算出装置1は、ローカル座標系のZ軸が鉛直下向きとなり、X−Y平面が略水平(鉛直方向に対して略垂直)となる姿勢を推奨姿勢として、ユーザー20に装着されるように構成されている。本実施形態においては、X軸及びY軸が、第1軸及び第2軸に相当する。また、この位置算出装置1は、加速度センサー12の各検出軸のバイアスを算出するバイアス算出装置でもある。
[原理]
本実施形態において、加速度センサー12の出力は温度補償されていることとする。すなわち、加速度センサー12の出力には、ゼロ点バイアスやスケールファクター、二次感度といった温度の依存する成分(温度依存成分)が含まれる。これらの温度依存成分の温度特性が加速度センサー12の製造段階において求められ、補償される。なお、温度補償は、加速度センサー12の内部で行っても良いし、外部で行っても良い。すなわち、加速度センサー12内部に温度補償用の回路部を設けて、加速度センサー12の出力値が既に温度補償されているものとしても良いし、加速度センサー12とは別の処理回路部が加速度センサー12の出力値を温度補償(より正確には補正)することとしても良い。いずれにせよ、本実施形態においては、加速度センサー12で検出され、温度補償された後の値を、加速度センサー12の検出値として説明する。
しかしながら、温度補償を行っても、電源投入の度に生じるターンオンバイアスや、温度依存成分以外のバイアス成分により、検出値に含まれるバイアスが完全にゼロとならず、バイアス値が残存する。この検出値に残存するバイアスの大きさを推定することが、本実施形態の目的である。
(A)静止時
先ず、静止時における加速度センサー12のバイアスの推定について説明する。静止時には、加速度センサー12には重力のみが作用する。また、推定する加速度センサー12の各検出軸(X,Y,Z軸)のバイアス値を、b=(bax,bay,baz)、とする。
理想状態として、加速度センサー12を、Z軸を鉛直下向きに設置した場合(すなわち、X−Y平面が完全に水平となるように設置した場合)、加速度センサー12の各検出軸(X,Y,Z軸)の検出値f=(f,f,f)は、次式(1)で与えられる。つまり、加速度センサー12の各検出軸(X,Y,Z軸)のバイアス値b=(bax,bay,baz)を容易に求められる。
Figure 0006167747
しかし、実際には、X−Y平面が完全に水平となるように加速度センサー12を設置することは困難である。水平面(鉛直方向に対して垂直な平面)に対するX−Y平面の傾きを加速度センサー12の姿勢とし、X軸周りの回転角であるピッチ角φ、及び、Y軸周りの回転角であるロール角θによって表現すると、加速度センサー12の各検出軸(X,Y,Z軸)の検出値f=(f,f,f)は、次式(2)で与えられる。
Figure 0006167747
この式(2)は行列表現であるが、行列を用いない表現に改めると、次式(3)のようになる。
Figure 0006167747
式(3)からわかるように、加速度センサー12の検出値f=(f,f,f)には、重力加速度gの各軸方向成分と、バイアス成分との2種類が含まれる。加速度センサー12の姿勢角φ,θが不明であるため、この式(3)からは、バイアス値b=(bax,bay,baz)を算出することは困難である。そこで、本実施形態では、式(3)において、バイアスをゼロと仮定した場合の姿勢角である仮姿勢角を用いて、加速度センサー12の検出値に含まれるバイアス値を推定する。
式(3)において、加速度センサー12のバイアスをゼロ(bax=0,bay=0,baz=0)と仮定した場合の姿勢角である仮の姿勢角φ、θは、次式(4)となる。
Figure 0006167747
加速度センサー12はX−Y平面が略水平に配置されているため、姿勢角φ,θは十分に小さい(φ+θ≦10度)。このため、仮の姿勢角φ、θは、近似的に次式(5)によっても求められる。
Figure 0006167747
また、この仮の姿勢角φ,θと実際の姿勢角φ,θとの差である姿勢角誤差δφ,δθは、次式(6)となる。
Figure 0006167747
そして、式(3)において、仮の姿勢角φ,θから算出(逆算)されるバイアス値を、仮のバイアス値b=(bax ,bay ,baz )、とする。また、この仮のバイアス値bと実際のバイアス値bの差をバイアス誤差δbとする。
Figure 0006167747
さて、本実施形態のポイントの1つとして、加速度センサー12のゼロ点バイアスのばらつきが誤差分散σmg以下ならば、ゼロ点バイアスを無視して、静止時の加速度センサー12の検出値から得られる姿勢角φ,θの誤差は、ほぼarcsin(0.001σ)以下となる発見がある。
バイアス値の誤差分散σは、加速度センサー12のバイアス値の誤差の広がりを表す。本実施形態では、加速度センサー12の出力は温度補償されているとしているため、検出値に含まれるバイアス値は温度依存成分による誤差が低減された値となる。しかし、製品間のばらつきにより、全ての加速度センサー12においてバイアス値が均一とはならない。
製品間のばらつきは、加速度センサー12の製造段階において、例えば試験装置を用いた試験を行うことで測定することができる。つまり、加速度センサー12の製品それぞれについて温度補償を行った後、加速度センサー12の検出値に残存するバイアス値を測定することで、バイアス値の誤差分布が求まる。そして、このバイアス値の誤差分布から、バイアス値の誤差の広がりを誤差分散σとして求める。誤差分散σは、例えばバイアス値の標準偏差や分散値として求めることができる。
近年では、小型で安価な慣性センサーとして、半導体の微細加工技術を応用したMEMSセンサーが種々の民生機器に搭載されている。このMEMSセンサーを例に挙げると、温度補償された加速度センサー12のバイアス値は、mg=0.001g、のオーダーの値となる。本実施形態では、MEMSセンサーによる加速度センサー12を想定して、バイアス値の誤差分散σを、「σmg」とする。
先ず、ロール角θについて説明する。式(3)におけるX軸の検出値fの式から、次式(8)が得られる。
Figure 0006167747
加速度センサー12のゼロ点バイアスのばらつきが誤差分散σmg以下(bax≦σmg)であることから、式(8)は、次式(9)となる。
Figure 0006167747
式(5),(6)から、式(9)は次式(10)となる。
Figure 0006167747
ロール角θ、及び、ロール角誤差δθは十分小さい(φ+θ≦10度)ため、cosθ≒1、cosδθ≒1、と近似すると、式(10)は、次式(11)となる。
Figure 0006167747
このロール角誤差δθを表す式(11)によれば、加速度センサー12のゼロ点バイアスの誤差が10mg以下ならば、このゼロ点バイアスを無視して求められるロール角角誤差δθ、及び、ピッチ角誤差δφは、ほぼ0.6deg以下となる。
続いて、式(3)において、加速度センサー12のZ軸のバイアス値bazは、次式(12)である。
Figure 0006167747
この式(12)から、仮の姿勢角φ,θを用いて、Z軸の仮のバイアス値bazを表す次式(13)が成立する。
Figure 0006167747
この式(13)は、式(6)から、次式(14)となる。
Figure 0006167747
姿勢角誤差δφ,δθは十分小さい(φ+θ≦10度)ため、cosθ≒1、cosδθ≒1、δθ≒δφ、sinδφ・sinδθ≒0、と近似すると、式(14)は、次式(15)となる。
Figure 0006167747
式(7)から、加速度センサー12のZ軸のバイアス値bazの誤差δbazは、次式(16)となる。
Figure 0006167747
更に、式(11)から、式(16)は、次式(17)となる。
Figure 0006167747
また、加速度センサー12のX軸のバイアス値baxの誤差δbaxについても同様に求められ、次式(18)となる。
Figure 0006167747
また、加速度センサー12のY軸のバイアス値bayの誤差δbayについても同様に求められ、次式(19)となる。
Figure 0006167747
このように、式(17)〜(19)から、静止時における加速度センサー12の各検出軸(X,Y,Z軸)のバイアス誤差δbax,δbay,δbazは、姿勢角φ,θ、及び、姿勢角誤差δφ,δθに依存することがいえる。
また、加速度センサー12は、X−Y平面が水平になるように配置されるため、姿勢角φ,θは小さい。この姿勢角φ,θが小さいほど、sin(θ+φ)→0、cosθ,cos(θ+φ)→1、となるため、Z軸のバイアス誤差δbazのほうが、X,Y軸の誤差δbax,δbazよりも小さいといえる。例えば、姿勢角φ,θの和が10度以下(φ+θ≦10度)であり、加速度センサー12のゼロ点バイアスがσmgの場合、各検出軸(X,Y,Z軸)の推定されるバイアス誤差δbax,δbay,δbazは、次式(20)となる。
Figure 0006167747
式(20)によれば、静止時には、Z軸のバイアス誤差δbazが小さいため、式(3)からZ軸のバイアス値bazを算出可能である。一方、X,Y軸については、式(18),(19)によれば、バイアス誤差δbax,δbayが大きい(誤差分散σに近い)ため、バイアス値bax,bayを正確に算出し難い。
(B)回転
そこで、本実施形態は、加速度センサー12を、Z軸を回転軸として軸回転(鉛直方向を軸中心に回転させる)させることで、X,Y軸のバイアス値bax,bayを算出する。上述のように、静止時には、鉛直下向きの重力のみが作用する。加速度センサー12を回転させた場合、Z軸と回転軸とがほぼ一致する場合、重力以外の回転力を無視できるため、静止時と同様に、鉛直下向きの重力のみが作用しているとみなすことができる。具体的には、図1に示すように、ユーザー20は、Z軸を鉛直下向きに略一致させて位置算出装置1を装着した状態で、矢印22が示すように、腰を左右方向(水平方向)に回転させる動作を行う。
先ず、加速度センサー12の静止時を時刻tとし、このときの初期姿勢角φ,θから、X軸の検出値fx0は、次式(21)となる。
Figure 0006167747
また、加速度センサー12の回転時には、姿勢角φ,θが変化する。回転中の時刻t(i=1,2,・・・)における姿勢角φ,θから、時刻tにおけるX軸の検出値fは次式(22)となる。但し、時刻tは、t=ti−1+dt、と定められることとする。
Figure 0006167747
また、姿勢角φ,θは、ジャイロセンサー14の検出値(角速度ω)によって求められる。すなわち、時刻tにおけるジャイロセンサー14の各検出軸(X,Y,Z軸)の検出値(角速度)を、ω=(ωxi、ωyi,ωzi)、とすると、時刻tにおける仮の姿勢角φ ,θ は、直前の時刻tにおける仮の姿勢角φ ,θ に対する更新値として与えられ、次式(23)となる。
Figure 0006167747
従って、式(22)から、時刻tにおけるバイアス値baxを表す次式(24)が成り立つ。
Figure 0006167747
また同様に、次の時刻tにおける仮の姿勢角φ ,θ は、直前の時刻tにおける仮の姿勢角φ ,θ に対する更新値として与えられ、次式(25)となる。
Figure 0006167747
従って、式(22)から、時刻tにおけるバイアス値baxを表す次式(26)が成り立つ。
Figure 0006167747
更に、次の時刻tについても同様に、仮の姿勢角φ ,θ は、直前の時刻tにおける仮の姿勢角φ ,θ に対する更新値として与えられ、この仮の姿勢角φ ,θ を用いて、式(22)から、時刻tにおけるバイアス値baxについての式「fx3−g・sinθ 」を求めることができる。以降の時刻t,t,・・についても同様である。
このように、式(24),(26)によれば、X軸のバイアス値baxを表す式「f−g・sinθ」は、次式(27)に示すように、未知数のバイアス値bax,bayの線形結合になるといえる。この式(27)を、「X軸の成立条件式」と呼ぶ。
Figure 0006167747
この式(27)において、係数A,Bは、該当する時刻tにおけるジャイロセンサー14の検出値ωziと、直前の時刻ti−1におけるジャイロセンサー14の検出値ωz,i−1とによって決まる。つまり、加速度センサー12を回転させて各時刻tにおける加速度センサー12の検出値fxiを取得することで、各時刻tにおけるX軸の成立条件式(式(27))を得ることができる。そして、これらの各時刻t(i=0,1,・・・)におけるX軸の成立条件式を連立方程式とし、例えば最小二乗法といった近似計算によって、加速度センサー12のバイアス値bax,bayの近似解を求めることができる。
また、Y軸についても同様である。すなわち、加速度センサー12の静止時の時刻tにおけるY軸の検出値fy0、及び、回転中の時刻t(i=1,2,・・・)におけるY軸の検出値fは、次式(28)となる。
Figure 0006167747
この式(28)から、時刻t,tそれぞれにおけるバイアス値bayを表す次式(29),(30)が、それぞれ成り立つ。
Figure 0006167747
つまり、Y軸のバイアス値bayを表す式「fy+g・sinφ・cosθ」は、次式(31)に示すように、未知数のバイアス値bax,bayの線形結合となるといえる。この式(31)を、「Y軸の成立条件式」と呼ぶ。
Figure 0006167747
この式(31)において、係数C,Dは、該当する時刻tにおけるジャイロセンサー14の検出値ωziと、直前の時刻ti−1におけるジャイロセンサー14の検出値ωz,i−1とによって決まる。つまり、加速度センサー12を回転させて各時刻tにおける加速度センサー12の検出値fyiを取得することで、各時刻tにおけるY軸の成立条件式(式(31))を得ることができる。そして、これらの各時刻t(i=0,1,・・・)におけるY軸の成立条件式を連立方程式とし、例えば最小二乗法といった近似計算によって、加速度センサー12のバイアス値bax,bayの近似解を求めることができる。
[実験結果]
本実施形態の加速度バイアスbの算出原理を用いた実験結果を説明する。図2は、被験者が、IMU(を含む装置)を腰部に装着して腰回転動作を行った場合の実験結果である。本実験の1回の腰回転動作は、腰を一方向(例えば右方向)にひねり、次いで反対方向(例えば左方向)にひねり、正面を向くところまでを含んでいる。正面を向いた後はそのまま静止した。図2では、横軸を時刻t、縦軸を加速度センサー12のX,Y軸のバイアス値bax,bayとしている。時刻t=25〜32の期間が、腰回転中の期間に相当する。
この実験では、腰回転の開始時点から、時間間隔dtで定められる各時刻t(=ti−1+dt)において、加速度センサー12の検出値f、及び、ジャイロセンサー14の検出値ωをもとに、X,Y軸それぞれの成立条件式を生成した。そして、開始時刻tから時刻tまでのX,Y軸それぞれの成立条件式を用いて、逐次近似法(逐次推定法)の1つである逐次最小二乗法によって、時刻tにおける加速度センサー12のバイアス値baxi,bayiを算出した。時刻tにおける姿勢角φ,θは、式(23),(25)に一例を示すように、ジャイロセンサー14の検出値ωをもとに、前回時刻ti−1における姿勢角φi−1,θi−1に対して更新して算出した。逐次最小二乗法は公知の手法であるので、詳細な説明を省略する。
この実験結果によれば、加速度バイアスbax,bayは、腰回転の開始直後は変動して不安定となったが、腰回転が終了する頃(時刻t=32付近)にはほぼ一定値に落ち着いた(収束した)。最終的に、この実験結果からは、加速度バイアスbは、X軸加速度バイアスbax≒−0.62[m/s/s]、Y軸加速度バイアスbay≒−0.2[m/s/s]、と算出された。また、この実験では、継続して腰回転をもう1回行って同様にバイアスを算出した結果、X軸加速度バイアスbax≒−0.6[m/s/s]、Y軸加速度バイアスbay≒−0.2[m/s/s]、と算出された。別途求めたより正確な値が、X軸加速度バイアスbax=−0.56[m/s/s]、Y軸加速度バイアスbay=−0.19[m/s/s]である。このことから、短時間で行える簡易な回転動作によって高精度に加速度バイアスを推定できるという本実施形態の効果が確認できた。
[機能構成]
図3は、位置算出装置1の機能構成を示すブロック図である。図3によれば、位置算出装置1は、センサー部10と、操作部110と、表示部120と、音出力部130と、時計部140と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
センサー部10は、慣性センサー(IMU)を備えて構成されるセンサーユニットであり、加速度センサー12と、ジャイロセンサー14とを有する。センサー部10による検出値は、処理部200に出力される。
操作部110は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部に出力する。表示部120は、例えばLCD等の表示装置で実現され、処理部からの表示信号に基づく各種表示を行う。音出力部130は、例えばスピーカー等の音出力装置で実現され、処理部からの音信号に基づく各種音出力を行う。時計部140は、位置算出装置1の内部時計であり、水晶発振器等を有する発振回路によって構成され、計時した現在時刻や、指定タイミングからの経過時間等の時間信号を、処理部200に出力する。
処理部200は、例えばCPU等の演算装置で実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部110からの操作信号等に基づいて、位置算出装置1の全体制御を行う。処理部200は、センサー部10からの検出値を、初期設定で求めた加速度バイアスデータ350で補正し、補正後の値を用いて位置算出し、算出した位置を表示部120に表示させる。本実施形態では、加速度バイアスデータ350を求めるための機能部として、処理部200は、加速度バイアス算出部210を含む。
加速度バイアス算出部210は、姿勢角判定部212と、成立条件式生成部214と、バイアス算定部216と、バイアス決定部218と、報知制御部220とを有し、センサー部10の検出値をもとに、加速度センサー12の各検出軸(X,Y,Z軸)のバイアス値b=(bax,bay,baz)を算出する。
姿勢角判定部212は、静止時に、加速度センサー12の検出値f=(f,f,f)をもとに、式(4)に従って、静止時の姿勢角である初期姿勢角φ,θを算出する。それ以降は、直前の時刻ti−1における姿勢角φi−1,θi−1と、ジャイロセンサー14の検出値ω=(ωxi,ωyi,ωzi)とをもとに、式(23),(25)に従って、現在時刻tにおける姿勢角φ,θを算出する。算出した初期姿勢角φ,θは、初期姿勢データ330として記憶される。また、時刻tにおける姿勢角φ,θは、時刻tと対応付けて、加速度バイアス算出用データ340に蓄積記憶される。初期姿勢角φ,θを算出することと、時刻tにおける姿勢角φ,θを算出することとが、姿勢角を判定することに相当する。
図4は、加速度バイアス算出用データ340のデータ構成例である。図4に示すように、加速度バイアス算出用データ340は、時刻341毎に生成され、加速度センサー12の検出軸342それぞれについて、姿勢角343と、成立条件式の係数344と、加速度バイアス345とを対応付けて格納している。
成立条件式生成部214は、加速度センサー12の検出値f=(fxi,fyi,fzi)と、ジャイロセンサー14の検出値ω=(ωxi,ωyi,ωzi)と、姿勢角φ,θとをもとに、式(27),(31)に従って、時刻tにおける瞬時成立条件であるX,Y軸の成立条件式を算出する。算出したX,Y軸それぞれの成立条件式における係数A〜Dは、時刻tと対応付けて、加速度バイアス算出用データ340に蓄積記憶される。
バイアス算定部216は、時刻tにおける加速度バイアスbaiを算出する。具体的には、時刻tから時刻tまでの各時刻におけるX,Y軸それぞれの成立条件式を連立方程式とし、この連立方程式に対する所定の近似演算(例えば、最小二乗法)を行うことで、時刻tにおけるX,Y軸のバイアス値bax,bayを算出する。また、加速度センサー12のZ軸の検出値fziと、姿勢角φ,θとをもとに、式(3)に従って、Z軸のバイアス値baziを算出する。算出したバイアス値b=(bax,bay,baz)は、時刻tと対応付けて、加速度バイアス算出用データ340に蓄積記憶される。
バイアス決定部218は、回転中の各時刻tにおける加速度バイアスbaiから、最終的な加速度バイアスを決定する。すなわち、図2に示したように、加速度バイアスbは、ある程度の時間経過、すなわち、連立方程式を構成するX,Y軸それぞれの成立条件式の数の増加に伴って、一定値に収束する。このため、回転中の加速度バイアスbaiの時間経過に伴う収束を判断し、収束した値を、最終的な加速度バイアスとして決定する。収束の判断は、例えば、所定時間の間の加速度バイアスの変動幅が所定範囲内に収まっている場合に収束したと判断してもよいし、各時刻tの加速度バイアスの値の時間微分を求め、この時間微分の値がゼロ近傍を示す所定条件を連続して所定回数満足した場合に収束したと判断してもよい。決定した加速度バイアスは、加速度バイアスデータ350として記憶される。ここで決定した加速度バイアスb=(bax,bay,baz)を用いて、当該装置の位置算出が行われる。
図5は、加速度バイアスデータ350のデータ構成例である。図5に示すように、加速度バイアスデータ350は、加速度センサー12の検出軸351それぞれのバイアス値352を格納している。
報知制御部220は、加速度バイアスの算出の際に、ユーザーに向けた必要な報知制御を行う。具体的には、初期姿勢角φ,θの和が所定角度(例えば、10度)を超える場合に(φ+θ>10度)、当該装置を推奨姿勢となるように再装着することをユーザーに促す所定の報知メッセージを音出力部130から音声出力させたり、所定の報知ランプや報知メッセージを表示部120に表示出力させたりする。また、瞬時バイアスbaiを取得するために、当該装置を装着した状態での左右方向への腰回転をユーザーに促す所定の報知メッセージを音出力部130から音声出力させたり、所定の報知ランプや報知メッセージを表示部120に表示出力させたりする。また、バイアス決定部218が、収束を判断して加速度バイアスを決定できた場合にも報知制御を行い、加速度バイアスの決定・設定に係る初期設定が完了したことをユーザーに知らせる。
記憶部300は、ROMやRAM等の記憶装置で実現され、処理部200が位置算出装置1を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、センサー部10からの検出値データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、システムプログラム310と、加速度バイアス算出プログラム312と、センサー検出データ320と、初期姿勢データ330と、加速度バイアス算出用データ340と、加速度バイアスデータ350とが記憶される。
センサー検出データ320は、センサー部10による検出値の蓄積データであり、加速度センサー12の検出値(加速度)fの蓄積データである加速度検出データ322と、ジャイロセンサー14の検出値(角速度)ωの蓄積データであるジャイロ検出データ324とを含んでいる。
[処理の流れ]
図6は、加速度バイアス推定処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、位置算出処理に先立ち、加速度バイアス算出部210が、加速度バイアス算出プログラム312に従って実行する処理である。例えば、初期設定として実行したり、校正を必要とする任意のタイミングで実行する処理である。
先ず、姿勢角判定部212が、加速度センサー12の検出値f=(f,f,f)をもとに、初期姿勢φ,θを算出する(ステップS1)。そして、算出した初期姿勢角φ,θの和が10度以下となっているかを判断する(ステップS3)。10度を超えているならば(ステップS3:NO)、報知制御部220が、ユーザーに対して、推奨姿勢となるように当該装置の再装着を促す所定の報知を行う(ステップS5)。その後、再度、姿勢角判定部212が、初期姿勢角φ,θを算出する(ステップS1)。
初期姿勢φ,θの和が10度以下となっているならば(ステップS3:YES)、報知制御部220が、ユーザーに対して、腰の左右回転を促す所定の報知を行う(ステップS7)。
その後、所定の時間間隔dtで、ループAの処理を繰り返し実行する。ループAでは、先ず、時刻tにおける加速度センサー12の検出値f=(fxi,fyi,fzi)と、ジャイロセンサー14の検出値ω=(ωxi,ωyi,ωzi)とを取得する(ステップS9)。次いで、姿勢角判定部212が、ジャイロセンサー14の検出値ωをもとに、時刻tにおける姿勢角φ,θを算出する(ステップS11)。
続いて、成立条件式生成部214が、加速度センサー12の検出値fと、ジャイロセンサー14の検出値ωと、時刻tにおける姿勢角φ,θとをもとに、時刻tにおけるX,Y軸それぞれの成立条件式を生成する(ステップS13)。そして、生成したX,Y軸それぞれの成立条件式を追加して連立方程式を更新し、更新した連立方程式に対する所定の近似計算(例えば、最小二乗法)を行うことで、時刻tにおけるバイアス値baxi,bayiを算出する(ステップS15)。また、加速度センサー12の検出値fと、姿勢角φ,θとをもとに、Z軸の加速度バイアス値baziを算出する(ステップS17)。
続いて、バイアス決定部218が、開始時刻tから現在時刻tまでの各時刻において算出した加速度バイアスbaiが一定値範囲に収束したかを判断する(ステップS19)。収束していないならば(ステップSS19:NO)、ループAの処理を繰り返す。収束したならば(ステップS19:YES)、ループAの処理を終了した後、加速度バイアス値bの収束値を、最終的な加速度バイアス値として決定し、加速度バイアスデータ350に設定する(ステップS21)。そして、加速度バイアス算出処理を終了する。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、IMU10を有する位置算出装置1をユーザー20の腰部に装着し、ユーザー20が、左右方向に腰回転するといった簡易な動作で、加速度センサー12のバイアス値b=(bax,bay,baz)を算出することができる。位置算出装置1は、加速度センサー12のZ軸を鉛直下向きに向け、X−Y平面が略水平となるように、ユーザー20に装着すればよい。
なお、上述の実施形態において、加速度センサー12を回転させた場合、Z軸と回転軸とがほぼ一致するならば、重力以外の回転力を無視でき、静止時と同様に鉛直下向きの重力のみが作用しているとみなすことができるとした。このことについて、詳細に説明する。加速度センサー12を回転させた場合にX−Y平面方向に作用する遠心加速度aは、回転加速度ω、及び、回転半径R、によって決まり、a=ω・R、で与えられる。本願発明者らの実験結果から、遠心加速度aが重力加速度gの0.1倍以下(a≦0.1g)ならば、遠心加速度aを無視しても、加速度バイアスの算出の際に生じる誤差が無視できることがわかっている。
ユーザー20が腰部に位置算出装置1(加速度センサー12)を装着して腰回転を行った場合の、回転半径R及び回転加速度ωの上限について考えてみる。例えば、ユーザー20が、成人の平均腰囲85cmを有する場合、回転半径Rは、R=13cm、程度となる。この場合、回転加速度ωが、ω≦2[rps]、ならば、遠心加速度aは、a≦0.52[m/s/s]、であり、無視できる。しかし、回転加速度ωが、ω≧3[rps]、ならば、遠心加速度aは、a≧1.17[m/s/s]、となり、無視できない程度の大きさとなる。つまり、普通体型のユーザー20ならば、1〜2[rps]程度の回転角度ωで腰回転を行えば良い。
[変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明が適用可能な形態は、上述した実施形態に限らない。
例えば、加速度センサー12のZ軸を鉛直方向とすることとして説明したが、X軸やY軸を鉛直方向としてもよい。直交3軸のうち、1軸が鉛直方向であれば、他の2軸がなす平面が水平面となるからである。この場合、当該平面に含まれる他の2軸が、第1軸及び第2軸に相当する。
また、鉛直方向を軸中心として回転することの意味は、Z軸が軸中心である必要はなく、Z軸を鉛直方向に向けた偏心回転としてもよい。
また、位置算出装置1をユーザー20の腰部に装着して使用することとして説明したが、胸部などの他の胴体部や、頭部、或いは脚部に装着して用いることとしてもよい。加速度バイアスの算出において、Z軸を鉛直方向に沿った方向とした状態で、鉛直方向を軸中心として回転できれば装着位置は任意である。
また、各時刻tで求めたX,Y軸それぞれの成立条件式を用いて、最小二乗法で加速度バイアスを算出することとして説明したが、他の近似計算(推定計算)を用いることとしてもよい。例えば、カルマンフィルターや、最尤推定法を用いて加速度バイアスを算出してもよい。
また、腰を左右方向に回転させる動作を行うこととして説明したが、鉛直方向を軸中心として位置算出装置1を360度回転させても良い。位置算出装置1の使用時に対して条件変化が少ないので、回転はユーザー20に装着して行うことが望ましいが、略水平な地面などに置いた状態で回転させても良い、鉛直方向を軸中心として回転ができれば、回転のさせ方は任意である。
また、位置算出装置1を例として説明したが、携帯型のスポーツ機器、携帯型電話機やパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)といった他の電子機器についても本発明を同様に適用して、加速度センサー12のバイアスを算出することが可能である。
1 位置算出装置、10 センサー部、12 加速度センサー、14 ジャイロセンサー、110 操作部、120 表示部、130 音出力部、140 時計部、200 処理部、210 加速度バイアス算出部、212 姿勢角判定部、214 成立条件式生成部、216 バイアス算定部、218 バイアス決定部、220 報知制御部、300 記憶部、310 システムプログラム、312 加速度バイアス算出プログラム、320 センサー検出データ、322 加速度検出データ、324 ジャイロ検出データ、330 初期姿勢データ、340 加速度バイアス算出用データ、350 加速度バイアスデータ、3 操作スイッチ、5 ディスプレイ、7 スピーカー、20 ユーザー

Claims (8)

  1. 加速度センサーとジャイロセンサーとを有するセンサー部を、前記加速度センサーの第1軸及び第2軸がなす平面を鉛直方向に対して略垂直にした状態で、前記鉛直方向を軸中心に回転させることと、
    前記回転中に得られた前記センサー部の検出値を用いて前記加速度センサーの前記第1軸及び前記第2軸のバイアスを算出することと、
    を含む加速度バイアス算出方法。
  2. 前記バイアスを算出することは、
    前記バイアスを未知数として前記センサー部の姿勢を前記検出値を用いて表した瞬時成立条件を、前記回転中に複数算出することと、
    複数の前記瞬時成立条件を用いて前記バイアスを算定することと、
    を含む請求項1に記載の加速度バイアス算出方法。
  3. 前記センサー部の検出値を用いて前記センサー部の姿勢角を判定することを更に含み、
    前記瞬時成立条件を算出することは、前記検出値と、前記姿勢角と、重力加速度とを用いて前記瞬時成立条件を算出することである、
    請求項2に記載の加速度バイアス算出方法。
  4. 前記姿勢角を判定することは、前記センサー部を静止させた状態での前記加速度センサーの検出値と、重力加速度とを用いて初期の姿勢角を判定することと、従前に判定した姿勢角を前記ジャイロセンサーの検出値を用いて更新することで複数の前記姿勢における姿勢角を判定することとを含む、
    請求項3に記載の加速度バイアス算出方法。
  5. 前記バイアスを算定することは、複数の前記瞬時成立条件を用いた所定の近似計算を行って前記バイアスを算定することである、
    請求項2〜4の何れか一項に記載の加速度バイアス算出方法。
  6. 前記回転させることは、前記第1軸と前記鉛直方向に対して垂直な水平面とがなす角度と、前記第2軸と前記水平面とがなす角度との和が10度以下の状態で、前記センサー部を回転させることである、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の加速度バイアス算出方法。
  7. 前記センサー部は、ユーザーの胴体部、頭部、或いは脚部に装着されて用いられる、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の加速度バイアス算出方法。
  8. 加速度センサーとジャイロセンサーとを有するセンサー部の前記加速度センサーのバイアスを算出するバイアス算出装置であって、
    前記加速度センサーの第1軸及び第2軸がなす平面を鉛直方向に対して略垂直にした状態で、前記鉛直方向を軸中心にして前記センサー部を回転させる旨の報知を行う報知制御部と、
    前記回転中に得られた前記センサー部の検出値を用いて前記加速度センサーの前記第1軸及び前記第2軸のバイアスを算出するバイアス算出部と、
    を備えたバイアス算出装置。
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