JP2013181900A - 姿勢算出方法、位置算出方法及び姿勢算出装置 - Google Patents

姿勢算出方法、位置算出方法及び姿勢算出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静止しなくとも、初期姿勢を算出可能とすること。
【解決手段】位置算出装置1は、移動中に、加速度センサー10によって計測される加速度ベクトルの大きさである加速度値が重力加速度相当値になったことを検出すると、そのときの加速度ベクトルから算出される姿勢を、基準姿勢とする。そして、それ以降は、この基準姿勢に、ジャイロセンサー20によって計測される角速度ベクトルを時間積分して積算することで、位置算出装置1の姿勢を算出する。更に、加速度ベクトルと、算出した姿勢とを用いて、位置算出装置1の位置を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、姿勢算出方法、位置算出方法及び姿勢算出装置に関する。
近年、歩行者が携帯する端末装置に搭載された各種センサーを利用して、歩行者の位置を推定する歩行者用PDR(Pedestrian Dead-Reckoning)ナビゲーションシステムの開発が進められている。この歩行者用PDRでは、当該装置の姿勢と加速度センサーによって計測される加速度ベクトルから変位を算出し、これを積算することで現在位置を算出している。装置の姿勢は、例えばジャイロセンサーによって計測された角速度を時間積分し、これを積算することで算出する(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−245285号公報
ところで、姿勢の算出には、初期姿勢とも呼ばれる基準となる姿勢(基準姿勢)が必要である。基準姿勢は、装置を静止させた状態での姿勢が用いられる。静止時には重力加速度のみが作用しているため、静止時の加速度ベクトルから算出される装置の姿勢を基準姿勢とする。しかしながら、基準姿勢を算出するためには、数十秒程度の静止が必要であった。つまり、利用者に、移動前の数十秒程度の静止を強いるものであり、使い勝手が悪いという問題があった。また、利用者が静止しているつもりでも、実際には完全に静止しておらず、算出された基準姿勢に誤差が含まれるという問題も生じ得る。本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、静止しなくとも、基準姿勢を算出可能とすることである。
上記課題を解決するための第1の形態は、移動体に設置された加速度センサーの計測値が、移動中に重力加速度相当の値となったことを検出することと、前記検出時の前記計測値を用いて、前記加速度センサーの移動空間中の絶対姿勢の基準となる基準姿勢を算出することと、を含む姿勢算出方法である。
また、他の形態として、移動体に設置された加速度センサーの計測値が、移動中に重力加速度相当の値となったことを検出する検出部と、前記検出時の前記計測値を用いて、前記加速度センサーの移動空間中の絶対姿勢の基準となる基準姿勢を算出する算出部と、を備えた姿勢算出装置を構成しても良い。
この第1の形態等によれば、移動中に、重力加速度相当の値となったときの加速度センサーの計測値を用いて、加速度センサーの移動空間中の絶対姿勢の基準となる基準姿勢を算出することができる。
また、第2の形態として、第1の形態の姿勢算出方法であって、前記計測値からノイズ成分を除去するためのフィルター処理を施すことを更に含み、前記検出は、前記フィルター処理された計測値が重力加速度相当の値となったことを検出することである、姿勢算出方法を構成しても良い。
この第2の形態によれば、加速度センサーの計測値に対してフィルター処理を施すことで、例えば歩行中の着地や体動などの移動に起因するノイズ成分が、計測値から除去される。これにより、基準姿勢算出の精度の向上が図れる。
また、第3の形態として、第1又は第2の形態の姿勢算出方法であって、前記基準姿勢の算出は、前記検出時の前記計測値のうち、所定条件を満たす計測値を用いて、前記基準姿勢を算出することである、姿勢算出方法を構成しても良い。
この第3の形態によれば、重力加速度相当の値となったことが検出されたときの加速度センサーの計測値のうち、所定条件を満たす計測値を用いて、基準姿勢が算出される。所定条件としては、例えば、複数の計測値の平均値とすることができる。これにより、重力加速度相当の値となったときの加速度センサーの計測値のばらつきを抑え、基準姿勢の算出精度を向上させることができる。また、所定条件を、移動体に設置されたジャイロセンサーによって計測される角速度の変化としても良い。この場合、角速度の変化が小さいことを所定条件とすることで、移動体の向きが変化していない状態での計測値を基準姿勢の算出に用いることができ、その算出精度を向上させることが可能となる。
また、第4の形態として、第1〜第3の何れかの形態の姿勢算出方法であって、前記検出時以外は、前記移動体に設置されたジャイロセンサーの出力を前記基準姿勢に積算することで前記加速度センサーの前記移動空間中の絶対姿勢を随時算出することを含む、姿勢算出方法を構成しても良い。
この第4の形態によれば、加速度センサーの計測値が重力加速度相当値となったことが検出されていないときは、移動体に設置されたジャイロセンサーの出力に基づく姿勢の変化量を基準姿勢に積算していくことで、移動空間中の絶対姿勢が随時算出される。そして、加速度センサーの計測値が重力加速度相当値となったことが検出されると、基準姿勢が更新されることになる。随時算出される絶対姿勢には、ジャイロセンサーの出力に基づく姿勢の変化量が積算される毎に誤差が蓄積されるが、基準姿勢が更新されることで、この絶対姿勢に蓄積される誤差がリセットされる。これにより、移動空間中の絶対姿勢の算出精度の向上が図れる。
また、第5の形態として、第4の形態の姿勢算出方法であって、前記検出時に、前記基準姿勢と前記絶対姿勢との差に基づいて前記絶対姿勢及び前記ジャイロセンサーの出力の何れかを補正することを含む姿勢算出方法を構成してもよい。
この第5の形態によれば、基準姿勢の更新時に、新しく算出された基準姿勢と、更新時までに積算して得られた絶対姿勢との差に基づいて、絶対姿勢の誤差やジャイロセンサーのバイアス誤差が補正されるため、移動空間中の絶対姿勢の算出精度の一層の向上が図れる。
また、第6の形態として、第4又は第5の形態の姿勢算出方法によって算出された絶対姿勢と、前記加速度センサーの計測値とを用いて、前記移動体の位置を算出する位置算出方法を構成しても良い。
この第6の形態によれば、算出された移動空間中の絶対姿勢と、加速度センサーとの計測値とを用いて、移動体の位置が算出される。つまり、従来のように静止しなくとも、移動中に基準姿勢が算出されるので、移動体の位置を算出することができる。
位置算出装置の概要図。 位置算出装置の内部構成図。 処理部の機能構成図。 位置算出処理のフローチャート。 実験結果。 実験結果。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
[外観]
図1は、本実施形態における位置算出装置1の概略構成を示す図である。位置算出装置1は、携帯可能な大きさの装置であり、例えば利用者の右腰に装着して利用される。この位置算出装置1には、操作スイッチ等の各種スイッチやディスプレイが設けられているとともに、加速度センサー10やジャイロセンサー20、CPUやメモリを実装した制御装置を内蔵している。
加速度センサー10は、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系であるローカル座標系(センサー座標系)における加速度を計測する。ジャイロセンサー20は、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系であるローカル座標系(センサー座標系)における角速度を計測する。そして、位置算出装置1は、加速度センサー10やジャイロセンサー20の計測値をもとに、絶対座標系における当該装置の位置を算出・蓄積記憶する。なお、本実施形態において、加速度センサー10のセンサー座標系及びジャイロセンサー20のセンサー座標系は座標軸が同一として説明するが、異なる場合には、座標変換行列計算などを行えば、一方の座標系を他方の座標系に置換することが可能である。
[機能構成]
図2は、位置算出装置1の内部構成を示すブロック図である。位置算出装置1は、加速度センサー10と、ジャイロセンサー20と、操作部110と、表示部120と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
操作部110は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作信号を処理部200に出力する。表示部120は、例えばLCD等の表示装置で実現され、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。
処理部200は、例えばCPU等の演算装置で実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部110からの操作信号等に基づいて、位置算出装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行い、位置算出装置1の全体制御を行う。本実施形態では、記憶部300の位置算出プログラム310に従った位置算出処理(図4参照)や、現在時刻を算出する時刻算出処理を行う。
図3は、処理部200の機能構成を示す図である。処理部200は、移動状況判定部210と、基準姿勢算出部220と、現在姿勢算出部230と、座標変換部240と、速度ベクトル算出部250と、位置算出部260とを有している。
移動状況判定部210は、加速度センサー10からのローカル座標加速度ベクトルを用いて、位置算出装置1の移動状況を判定する。具体的には、ローカル座標加速度ベクトルの変動が、所定の変動幅以下であるか否かに応じて、移動状況を「停止/移動中」として判定する。
基準姿勢算出部220は、検出部221と、算出部222とを有し、加速度センサー10から出力されるローカル座標加速度ベクトルをもとに基準姿勢を算出する。
検出部221は、加速度センサー10から出力されるローカル座標加速度ベクトルが、重力加速度相当値となったか否かを検出する。すなわち、ローカル座標加速度ベクトル(a,a,a)の大きさである加速度値aを算出する。
この加速度値aは、次式(1)で算出される。
Figure 2013181900
また、重力加速度相当値とは、重力加速度である「9.8m/s」に相当する値であり、例えば、これを中心とする「8.8〜10.8m/s」の範囲の値とする。なお、地球上の地点毎に重力加速度は異なるため、次のように構成しても良い。すなわち、地球上を所定範囲に区切り、各範囲の重力加速度を記憶しておく。そして、位置算出部260で算出された位置を含む範囲から、当該範囲の重力加速度を読み出す。この読み出した重力加速度の±数%以内を、重力加速度相当値とする。
算出部222は、検出部221によってローカル座標加速度ベクトルが重力加速度相当値となったことが検出されると、そのときのローカル座標加速度ベクトルから、移動空間を定義する絶対座標系における位置算出装置1の姿勢である基準姿勢を算出する。ローカル座標加速度ベクトル(ax,ay,az)と、姿勢(φ,θ)との間には、次式(2)の関係がある。
Figure 2013181900
上式(2)より、姿勢のロール角φ、ピッチ角θは、次式(3)のように算出される。
Figure 2013181900
式(2),(3)において、「g」は重力加速度である。
現在姿勢算出部230は、基準姿勢算出部220によって算出された基準姿勢、及び、ジャイロセンサー20からのローカル座標角速度をもとに、移動空間における当該位置算出装置1の現在の姿勢(絶対姿勢)を算出する。具体的には、ローカル座標角速度に対する時間積分処理を行って、所定時間における姿勢の変化分を算出し、これを直前の姿勢に加算して、現在の姿勢(ロール角φ、及び、ピッチ角θ)を算出(更新)する。またこのとき、基準姿勢算出部220から新しい基準姿勢が算出されると、この時点の絶対姿勢と比較して、絶対姿勢の誤差及びジャイロセンサー20のバイアス誤差の何れか或いは両方を推定し、補正する。
推定及び補正の具体的な処理方法としては、次が考えられる。例えば、基準姿勢を真値とみなし、基準姿勢と絶対姿勢との差を、姿勢の誤差及びジャイロセンサー20のバイアス誤差とする。そして、この差に基づいて絶対姿勢を補正する。なお、基準姿勢を絶対姿勢として補正(リセット)することとしてもよい。また、基準姿勢と絶対姿勢との差を、前回の基準姿勢からの経過時間(時間積分した時間)或いは積分回数で除算することで、単位時間当たり或いは積分1回当たりのジャイロセンサー20のバイアス誤差とする。そして、以降の絶対姿勢の算出時に、ジャイロセンサー20の出力を補正することとする。
座標変換部240は、現在姿勢算出部230によって算出された現在の姿勢を用いて、加速度センサー10からのローカル座標加速度ベクトルを、移動空間の座標系である絶対座標系における加速度ベクトルに変換する。具体的には、現在の姿勢を用いて、ローカル座標系から絶対座標系への座標変換行列を算出し、この座標変換行列を用いて、絶対座標加速度ベクトルに座標変換する。
速度ベクトル算出部250は、座標変換部240からの絶対座標加速度ベクトルに対する時間積分処理を行って、絶対座標速度ベクトルを算出する。
位置算出部260は、速度ベクトル算出部250からの絶対座標速度ベクトルを用いて、位置算出装置1の絶対座標系における現在位置を算出する。すなわち、絶対座標速度ベクトルに基づき所定時間の間の位置の変化分を算出し、これを直前の位置に加算して、現在の位置を算出(更新)する。
図2に戻り、記憶部300は、ROMやRAM等の記憶装置で実現され、処理部200が位置算出装置1を統合的に制御するためのシステムプログラムや、各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、加速度センサー10及びジャイロセンサー20の計測データ等が一時的に格納される。本実施形態では、プログラムとして位置算出プログラム310が記憶されるとともに、データとして、センサーデータ330と、基準姿勢データ340と、姿勢蓄積データ350と、位置蓄積データ360とが記憶される。
センサーデータ330は、各種センサーによる計測データであり、加速度センサー10によって計測された加速度データ331と、ジャイロセンサー20によって計測された角速度データ332とを含んでいる。基準姿勢データ340は、基準姿勢算出部220によって算出された最新の基準姿勢である。姿勢蓄積データ350は、現在姿勢算出部230によって算出された姿勢を、時刻と対応付けて蓄積記憶したデータである。位置蓄積データ360は、位置算出部260によって算出された位置を、時刻と対応付けて蓄積記憶したデータである。
[処理の流れ]
図4は、位置算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200が、記憶部300の位置算出プログラム310を読み出して実行する処理である。
先ず、移動状況判定部210によって判定された移動状況が「停止」ならば(ステップA1:YES)、停止時処理を行う(ステップA3)。この停止時処理の内容としては、例えば、位置の更新を行わないことを含む。
一方、移動状況が「移動中」ならば(ステップA1:NO)、基準姿勢算出部220が、基準姿勢を算出する処理を行う。すなわち、加速度センサー10から出力されるローカル座標加速度ベクトルを取り込む(ステップA5)。次いで、検出部221が、このローカル座標加速度ベクトルに対してLPF処理を行った後(ステップA7)、その大きさである加速度値aを算出する(ステップA9)。
そして、この加速度値aが、重力加速度相当値であるか否かを判定する(ステップA11)。重力加速度相当値であるならば(ステップA13:YES)、ローカル座標加速度ベクトルから、姿勢のロール角φ及びピッチ角θを算出し、これを基準姿勢とする(ステップA15)。
次いで、初期姿勢の有無を判断する。初期姿勢があるならば(ステップA17:NO)、新しく算出した基準姿勢と前回の姿勢とを比較して、姿勢の誤差及びジャイロセンサー20のバイアス誤差を推定し、推定した誤差を用いて、姿勢とジャイロセンサー20の出力の補正を行う(ステップA19)。そして、補正した姿勢を前回の姿勢とする(ステップA21)。一方、初期姿勢がないならば(ステップA17:NO)、算出した基準姿勢を前回の姿勢とする(ステップA23)。
また、加速度値aが重力加速度相当値でないならば(ステップA13:NO)、初期姿勢の有無を判断し、初期姿勢がないならば(ステップA25:NO)、ステップA5に戻る。
基準姿勢の算出を行うと、続いて、現在姿勢算出部230が、位置算出装置1の現在の姿勢を算出する。すなわち、ジャイロセンサー20から出力されるローカル角速度を取り込む(ステップA27)。そして、このローカル角速度に対する時間積分処理を行って姿勢角の変化分を算出し、これを前回の姿勢に加算して、現在の姿勢を算出(更新)する(ステップA29)。
次いで、座標変換部240が、算出された姿勢を用いて、加速度センサー10から出力されるローカル座標加速度ベクトルを、絶対座標加速度ベクトルに座標変換する(ステップA31)。続いて、速度ベクトル算出部250が、座標変換された絶対座標加速度ベクトルに対する時間積分処理を行って、速度ベクトルを算出する(ステップA33)。そして、位置算出部260が、算出された速度ベクトルに対する時間積分処理を行って、位置の変化分を算出し、これを前回の位置に加算して、現在の位置を算出(更新)する(ステップA35)。
その後、電源遮断指示等によって本処理を終了するか否かを判断し、終了しないならば(ステップA37;NO)、続いて、移動状況判定部210によって判定されている移動状況を判断する。そして、移動状況が「停止」ならば(ステップA39:YES)、ステップA3に戻り、移動状況が「移動中」ならば(ステップA39:NO)、ステップA5に戻る。一方、本処理を終了するならば(ステップA27:YES)、位置算出処理を終了する。
[実験結果]
図5,図6は、本実施形態における基準姿勢の算出方法を用いた実験結果である。この実験では、被験者に、本実施形態の位置算出装置1を取り付けて歩行してもらった。静止時における位置算出装置1の姿勢(絶対座標系における姿勢)は、大凡、ロール角φ=90度、ピッチ角θ=0度、であった。また、本実験では、移動を開始した後、最初に加速度値が重力加速度相当値となったときの加速度ベクトルから算出した姿勢を基準姿勢とし、以降は更新しないこととした。
図5は、LPF処理を施した後の加速度値aのグラフである。図5では、被験者が停止している状態から、時刻t1において歩行を開始した場合を示している。歩行中(移動中)の期間(時刻t1以降の期間)は、被験者の一歩一歩に合わせて、着地や体動の変化に伴って加速度値aが周期的に変動していることがわかる。そして、時刻t2において、加速度値aが重力加速度相当値となった。そのときの加速度ベクトルを用いて基準姿勢を算出した。算出した基準姿勢は、大凡、ロール角φ=89.04度、ピッチ角θ=3.37度、となり、これは、実際の姿勢であるロール角φ=90度、ピッチ角θ=0、にほぼ一致する。そして、時刻t1以降は、この基準姿勢に、ジャイロセンサー20による角速度ベクトルを時間積分し積算することで、位置算出装置1の姿勢角(ロール角φ、ピッチ角θ)を算出した。
図6は、位置検出結果の一例を示す図である。何れも、位置算出装置を装着した被験者が、直方形状を描くように歩行したときの、位置算出装置によって算出された位置の履歴(移動軌跡)を示している。具体的には、被験者は、主発地点Oから、先ずは東に向かって歩行し、次いで、北方向、西方向、南方向と進行方向を変えて、出発地点Oに戻るように歩行した。
同図(a)は、従来の姿勢算出方法を用いた場合の位置算出結果である。従来の姿勢算出方法とは、静止して初期姿勢を算出した後に移動を開始し、移動中は、この初期姿勢を用いて現在の姿勢を算出する方法である。また、同図(b)は、本実施形態の姿勢算出方法を用いた場合の位置算出結果である。本実施形態の姿勢算出方法とは、従来の方法のように静止をせずに移動を開始し、移動中に、その大きさ(加速度値)が重力加速度相当値となったときの加速度ベクトルから算出した姿勢を基準姿勢(初期姿勢)として、現在の姿勢を算出する方法である。
図6によれば、従来の方法(同図(a))より、本実施形態の方法(同図(b))のほうが、実際の移動軌跡(直方形状)に近い。すなわち、本実施形態の位置算出方法によれば、従来の位置算出方法に比較して、精度が向上したといえる。
[作用効果]
本実施形態の位置算出装置1によれば、移動中に基準姿勢を算出することができる。つまり、位置算出装置1は、移動中に、加速度センサー10によって計測される加速度ベクトルの大きさである加速度値が重力加速度相当値になったことを検出すると、そのときの加速度ベクトルから算出される姿勢を、基準姿勢とする。そして、それ以降は、この基準姿勢に、ジャイロセンサー20によって計測される角速度ベクトルを時間積分し積算することで、位置算出装置1の姿勢を算出する。更に、加速度ベクトルと、算出した姿勢とを用いて、位置算出装置1の位置を算出する。従って、基準姿勢を算出するために一定時間停止する必要がない。
また、移動中、位置算出装置1の姿勢は、ジャイロセンサー20による角速度ベクトルを時間積分することで姿勢の変位角を算出し、これを前回の姿勢に加算することで算出している。つまり、時間積分及び加算毎に誤差が蓄積されることになる。しかし、本実施形態では、加速度値が重力加速度相当値となったことを検出すると、新しい基準姿勢を算出し、前回の姿勢と比較して、姿勢の誤差及びジャイロセンサー20のバイアス誤差を推定して補正するため、姿勢算出の精度の向上を図ることができる。更に、この姿勢を用いて位置を算出することから、位置算出の精度の向上を図ることができる。
[変形例]
但し、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)基準姿勢の算出
上述した実施形態では、加速度センサー10で計測された加速度ベクトルの大きさ(加速度値)が重力加速度相当値となったときの当該加速度ベクトルに基づいて、基準姿勢を算出することとした。これを、重力加速度相当値となった今回の加速度ベクトルと、過去に重力加速度相当値となったときの加速度ベクトルとの平均ベクトルを用いて、基準姿勢を算出することにしても良い。使用する過去の加速度ベクトルは、直近1回分でも良いし、複数回分でも良い。
また、上述の実施形態では、基準姿勢の算出に用いる加速度ベクトルの条件として、加速度値が重力加速度相当値になったときとしたが、これを、加速度値が重力加速相当値になり、且つ、そのときのジャイロセンサー20による角速度ベクトルの変化が小さい(所定の微小変化条件を満たす)場合に、当該加速度ベクトルを用いて基準姿勢を算出することにしても良い。角速度ベクトルの変化が小さいということは、位置算出装置1の回転(無機の変化)が殆ど無い状態である。
(B)カルマンフィルターの利用
上述の実施形態では、加速度値が重力加速度相当値になったときに基準姿勢を新たに算出・更新することとしたが、カルマンフィルターを利用して加速度センサー10及びジャイロセンサー20のバイアスを推定することにしても良い。例えば、加速度センサー10及びジャイロセンサー20のバイアスを状態推定値Xとし、基準姿勢の更新時に更新直前の基準姿勢と新たに算出した基準姿勢との差(ロール角φ及びピッチ角θそれぞれの差)を観測値Zとするカルマンフィルター処理を構成する。なお、観測行列Hは、状態推定値Xの次元を観測値Zの次元に変換するための行列とすれば良い。この場合、基準姿勢を更新する度に、加速度センサー10及びジャイロセンサー20のバイアスが補正され、適切なバイアスが推定されることとなる。なお、状態推定値Xに姿勢角誤差を加えて、更に姿勢角誤差を推定するカルマンフィルター処理を構成しても良い。
1 位置算出装置、10 加速度センサー、20 ジャイロセンサー、110 操作部120 表示部、200 処理部、210 移動状況判定部、220 基準姿勢算出部、230 現在姿勢算出部、240 座標変換部、250 速度ベクトル算出部、260 位置算出部、300 記憶部、310 位置算出プログラム、330 センサーデータ、331 加速度データ、332 角速度データ、340 基準姿勢角データ、350 姿勢角蓄積データ、360 位置蓄積データ

Claims (7)

  1. 移動体に設置された加速度センサーの計測値が、移動中に重力加速度相当の値となったことを検出することと、
    前記検出時の前記計測値を用いて、前記加速度センサーの移動空間中の絶対姿勢の基準となる基準姿勢を算出することと、
    を含む姿勢算出方法。
  2. 前記計測値からノイズ成分を除去するためのフィルター処理を施すことを更に含み、
    前記検出は、前記フィルター処理された計測値が重力加速度相当の値となったことを検出することである、
    請求項1に記載の姿勢算出方法。
  3. 前記基準姿勢の算出は、前記検出時の前記計測値のうち、所定条件を満たす計測値を用いて、前記基準姿勢を算出することである、
    請求項1又は2に記載の姿勢算出方法。
  4. 前記検出時以外は、前記移動体に設置されたジャイロセンサーの出力を前記基準姿勢に積算することで前記加速度センサーの前記移動空間中の絶対姿勢を随時算出することを含む、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の姿勢算出方法。
  5. 前記検出時に、前記基準姿勢と前記絶対姿勢との差に基づいて前記絶対姿勢及び前記ジャイロセンサーの出力の何れかを補正することを含む、
    請求項4に記載の姿勢算出方法。
  6. 請求項4又は5に記載の姿勢算出方法によって算出された絶対姿勢と、前記加速度センサーの計測値とを用いて、前記移動体の位置を算出する位置算出方法。
  7. 移動体に設置された加速度センサーの計測値が、移動中に重力加速度相当の値となったことを検出する検出部と、
    前記検出時の前記計測値を用いて、前記加速度センサーの移動空間中の絶対姿勢の基準となる基準姿勢を算出する算出部と、
    を備えた姿勢算出装置。
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