JP6083279B2 - 移動状況情報算出方法及び移動状況情報算出装置 - Google Patents
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Description
1−1.システム構成
図1は、本実施形態における進行方向速度算出装置1の全体システムの構成例を示す図である。この進行方向速度算出装置1は、例えばユーザーの腰(右腰又は左腰)に装着して利用される小型電子機器であり、ユーザーの進行方向の速度(以下、適宜「進行方向速度」と称す。)を移動状況情報として算出する移動状況情報算出装置の一種である。
図2は、進行方向速度算出装置1の機能構成の一例を示す図である。
進行方向速度算出装置1は、加速度センサー10と、処理部100と、操作部200と、表示部300と、音出力部400と、通信部500と、記憶部600とを有して構成される。
処理部100は、ローカル座標速度ベクトル算出部120と、姿勢算出部130と、LV座標変換行列算出部140と、移動体座標加速度ベクトル算出部150と、進行方向加速度振幅算出部160と、進行方向速度算出部170と、一歩検出部180とを機能部として有する。
最初に、ユーザーの右足のタイミング(左足の着地から右足の着地までの間のあるタイミング)で加速度センサー10のセンサー姿勢を判定する。次に、左足のタイミング(右足の着地から左足の着地までの間の同様のタイミング)では何も行わず、次の右足のタイミングで、先に判定しておいたセンサー姿勢を用いて進行方向の速度を算出する。以後は、右足のタイミングで進行方向の速度を算出していく。
先ず、時刻t1〜時刻t3は、ユーザーの1歩の変化を示している。x軸方向の速度を減速して時刻t1付近でユーザーの左足が着地し、胴体の上下動速度(z軸方向の速度)が反転して時刻t2付近で胴体の高度が最高点に到達した後、胴体の上下動速度が反転してx軸方向の速度が減速して時刻t3付近で逆足の右足が着地した。着地したタイミング(以下、「着地タイミング」と称す。)か、胴体が最高点に到達したタイミング(以下、「最高点到達タイミング」と称す。)かの何れかのタイミングにおいて、ユーザーの鉛直方向の速度(z軸方向の速度)が、その鉛直方向の速度変化のおよそ中央値(図6の太線)を横切ることがわかる。
ローカル座標速度ベクトルデータ640は、ローカル座標速度ベクトル算出部120によって算出されたローカル座標速度ベクトルが時系列に記憶されたデータである。
座標変換行列データ660は、LV座標変換行列算出部140によって算出されたLV座標変換行列が記憶されたデータである。
進行方向速度データ680は、進行方向速度算出部170によって算出された進行方向速度が時系列に記憶されたデータである。
図8は、処理部100が記憶部600に記憶されている進行方向速度算出プログラム610に従って実行する進行方向速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
一歩検出部180は、サンプルデータの取得のために、所定時間が経過するまでデータを蓄積する(ステップB1;No)。つまり、所定時間の間、加速度センサー10の検出データに基づいてローカル座標速度ベクトルを算出して、データを蓄積する。そして、所定時間が経過したならば(ステップB1;Yes)、一歩検出部180は、蓄積したデータに基づいて、鉛直方向速度の極大値の平均値を算出する処理と(ステップB3)、鉛直方向速度の極小値の平均値を算出する処理とを行う(ステップB5)。
ユーザーの身体に装着される進行方向速度算出装置1において、加速度を検出する加速度センサー10に対応付けられたローカル座標系で表された検出結果の変化が所定の特異条件を満たした時の当該検出結果を用いて、ユーザーに対する加速度センサー10の姿勢を算出する。そして、算出した姿勢を用いて、姿勢を算出した時と異なり、かつ、特異条件を満たした時の加速度センサー10の検出結果をユーザーに対応付けられた移動体座標系に変換する。そして、変換された加速度センサー10の検出結果を用いて、ユーザーの進行方向の速度を算出する。
2−1.機能構成
図10は、第2実施形態における位置算出装置2Aの機能構成の概要を示す図である。位置算出装置2Aは、第1実施形態の進行方向速度算出装置1の機能に付加して構成される装置である。説明を分かり易くするために、図10では、位置算出装置2Aは進行方向速度算出装置1を具備することとして図示しているが、実際には、進行方向速度算出装置1の処理部100に図10の処理部110の機能を付加し、更に、ジャイロセンサー20及びGPS(Global Positioning System)センサー30を進行方向速度算出装置1に付加して構成することができる。
図11は、位置算出装置2Aの処理部110が実行する位置算出処理の流れを示すフローチャートである。
図13は、位置算出装置2Aで位置算出を行った実験結果を示す図である。位置算出装置2Aを装着した被験者を所定の経路に沿って走行させて位置を算出する実験を行った。図13において、横軸は経度、縦軸は緯度をそれぞれ示している。また、真位置の軌跡を細破線で、従来の手法を用いて位置算出を行った場合の算出位置の軌跡を太破線で、本実施形態の手法を用いて位置算出を行った場合の算出位置の軌跡を実線でそれぞれ示している。なお、従来の手法は、特異条件を満たすタイミングとは無関係なあるタイミングで算出されたユーザーに対するセンサーの姿勢を、以後の任意のタイミングにおける進行方向速度算出に用いる方法とした。
位置算出装置2Aにおいて、慣性航法演算部40は、進行方向速度算出装置1から出力されるローカル座標加速度ベクトルと、ジャイロセンサー20から出力されるローカル座標角速度とを用いて、慣性航法演算処理を行って、絶対座標系におけるユーザーの位置、速度ベクトル及び姿勢角を算出する。誤差推定部50は、慣性航法演算部40によって算出された慣性航法演算結果に含まれる誤差を推定する。そして、慣性航法演算部40は、誤差推定部50によって推定された慣性航法演算誤差を用いて、慣性航法演算結果を補正する。
図14は、第3実施形態における位置算出装置2Bの概要を示す図である。
位置算出装置2Bは、第1実施形態の進行方向速度算出装置1の機能に付加して構成される装置である。説明を分かり易くするために、図14では、位置算出装置2Bは進行方向速度算出装置1を具備することとして図示しているが、実際には、進行方向速度算出装置1の処理部100に図14の慣性航法演算部80の機能を付加し、更に、方位計70を進行方向速度算出装置1に付加して構成することができる。
本発明を適用可能な実施形態は、上記の第1〜第3の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
上記の実施形態では、ユーザーの身体に装着されるセンサーを加速度センサー10として説明したが、加速度センサー10ではなく、ユーザーの速度を検出する速度センサーをユーザーの身体に装着することとしてもよい。この場合は、速度センサーを具備する進行方向速度算出装置1や位置算出装置2A,2Bを構成して、ユーザーの身体の所定部位に装着するようにすればよい。
上記の実施形態では、センサー(進行方向速度算出装置1や位置算出装置2A,2B)のユーザーへの装着部位を腰として説明したが、腰以外の部位に装着することとしてもよい。好適な装着部位はユーザーの体幹(四肢以外の部位)である。しかし、体幹に限らず、腕以外の例えばユーザーの頭や足に装着することとしてもよい。
上記の実施形態では、進行方向速度算出タイミングを、1つおきの最高点到達タイミングとして説明したが、最高点到達タイミングそれぞれにおいて進行方向の速度の算出を行うこととしてもよい。
右足に係る最高点到達タイミング(右足の着地から左足の着地までの最高点到達タイミング)を第1の姿勢算出タイミングとして第1のセンサー姿勢を算出する。そして、次の左足に係る最高点到達タイミング(左足の着地から右足の着地までの最高点到達タイミング)を第2の姿勢算出タイミングとして第2のセンサー姿勢を算出する。その後は、右足に係る最高点到達タイミングが到来する毎に第1のセンサー姿勢を用いて第1の進行方向速度を算出し、左足に係る最高点到達タイミングが到来する毎に第2のセンサー姿勢を用いて第2の進行方向速度を算出する。なお、センサー姿勢の算出方法や進行方向速度の算出方法は、上記の実施形態と同じである。
第2実施形態において、慣性航法演算部40が演算した慣性航法演算結果に含まれる絶対座標速度ベクトルを用いてユーザーに対するセンサーの姿勢を算出するようにしてもよい。具体的には、慣性航法演算部40が演算した絶対座標速度ベクトルを絶対姿勢角を用いてローカル座標速度ベクトルに座標変換する。そして、当該ローカル座標速度ベクトルを用いて、式(2)及び(3)に従ってセンサー姿勢を算出する。
上記の実施形態では、姿勢算出タイミングにおいてセンサー姿勢を一度算出した後は、進行方向速度算出タイミングにおいて、上記のセンサー姿勢を用いて進行方向速度の算出を行うこととして説明した。しかし、ユーザーが歩行中又は走行中に同じ姿勢になると考えられるタイミングにおいても、ユーザーに対するセンサーの姿勢は僅かではあるが変化するものと考えられる。そこで、次のようにしてもよい。
センサーの検出結果に含まれるユーザーの進行方向成分以外の成分の値を補正することとしてもよい。具体的には、上記の実施形態の進行方向速度算出装置1において、センサー姿勢を算出した後、当該センサー姿勢を用いてLV座標変換行列を算出する。そして、このLV座標変換行列を用いて、加速度センサー10のローカル座標加速度ベクトルを移動体座標加速度ベクトルに座標変換する。そして、この移動体座標加速度ベクトルを積分及び継ぎ足し処理して移動体座標速度ベクトルを算出し、当該移動体座標速度ベクトルの進行方向成分以外の値をゼロに補正する。これにより、第1実施形態で説明した進行方向速度の算出方法とは異なる手法でユーザーの進行方向速度を算出することができる。
上記の実施形態では、進行方向加速度振幅と進行方向速度との相関関係を表す相関式を予め定められた固定的な相関式として説明した。しかし、歩幅や歩行速度はユーザー毎に異なる。このため、ユーザー毎に相関式を作成することとしてもよい。
上記の実施形態では、ユーザーに対するセンサーの姿勢のピッチ成分及びヨー成分の両方を判定するものとして説明したが、ピッチ成分及びヨー成分の何れか一方のみを判定することとしてもよいのは勿論である。
上記の実施形態では、鉛直方向速度が、変化している範囲の中央部の値になり、かつ、当該速度の変化方向が増加方向または減少方向となるタイミングを判定することで一歩検出を行うものとして説明した。しかし、他の公知の一歩検出処理を行ってセンサー姿勢を算出するタイミングを判定してもよい。例えば、鉛直方向速度または鉛直方向加速度が極小値または極大値となるタイミングを判定してもよい。また、センサーの検出結果から高周波ノイズを除去するフィルター処理を行ったデータを用いてもよい。
Claims (8)
- ユーザーの身体に装着され、速度及び加速度の何れかを検出するセンサーの、前記センサーに対応付けられている座標系で表された検出結果の変化が所定の特異条件を満たした時の当該検出結果を用いて、前記ユーザーに対する前記センサーの姿勢を算出するステップと、
前記算出された前記姿勢を用いて、前記姿勢を算出した時と異なり、かつ、前記特異条件を満たした時の検出結果を前記ユーザーに対応付けられている移動体座標系で表された移動体検出結果に変換するステップと、
前記変換された前記移動体検出結果を用いて、前記ユーザーの位置及び速度の何れかを含む移動状況情報を算出するステップと、
を含む移動状況情報算出方法。 - 請求項1において、
前記移動状況情報を算出するステップの後に行われるステップであって、前記移動体検出結果に含まれ、前記ユーザーの進行方向成分以外の成分を補正するステップ、
を含む移動状況情報算出方法。 - 請求項1又は2において、
前記移動状況情報を算出するステップは、
前記移動体検出結果を用いて、前記ユーザーの進行方向の加速度の振幅を算出するステップと、
前記振幅に基づいて前記ユーザーの進行方向の速度を算出するステップと、
を含む、
移動状況情報算出方法。 - 請求項1〜3の何れか一項において、
前記姿勢を算出するステップは、
前記センサーに対応付けられている前記座標系で表された前記検出結果から求められる鉛直方向の速度の変化に基づいて、前記特異条件を満たすタイミングを判定するステップを含む、
移動状況情報算出方法。 - 請求項4において、
前記特異条件は、
前記鉛直方向の前記速度が、変化している範囲の中央部の値になり、
且つ、当該速度の変化する方向が増加方向、又は減少方向である場合である、
移動状況情報算出方法。 - 請求項1〜5の何れか一項において、
前記センサーは、前記ユーザーの腕以外の所定部位に装着される、
移動状況情報算出方法。 - ユーザーの身体に装着され、速度及び加速度の何れかを検出するセンサーと、
前記センサーに対応付けられている座標系で表された前記センサーの検出結果の変化が所定の特異条件を満たした時の当該検出結果を用いて、前記ユーザーに対する前記センサーの姿勢を算出する姿勢算出部と、
前記算出された前記姿勢を用いて、前記姿勢を算出した時と異なり、かつ、前記特異条件を満たした時の検出結果を前記ユーザーに対応付けている移動体座標系で表された移動体検出結果に変換する座標変換算出部と、
前記変換された前記移動体検出結果を用いて、前記ユーザーの位置及び速度の何れかを含む移動状況情報を算出する移動状況情報算出部と、
を含む移動状況情報算出装置。 - ユーザーの身体に装着され、速度及び加速度の何れかを検出するセンサーの、前記センサーに対応付けられている座標系で表された検出結果の変化が所定の特異条件を満たした時の当該検出結果を用いて、前記ユーザーに対する前記センサーの姿勢を算出し、
前記算出された前記姿勢を用いて、前記姿勢を算出した時と異なり、かつ、前記特異条件を満たした時の検出結果を前記ユーザーに対応付けられている移動体座標系で表された移動体検出結果に変換し、
前記変換された前記移動体検出結果を用いて、前記ユーザーの位置及び速度の何れかを含む移動状況情報を算出する、
移動状況情報算出装置。
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