JP2016211906A - 傾斜度測定方法及び装置並びに電子機器及びプログラム - Google Patents

傾斜度測定方法及び装置並びに電子機器及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 回転停止位置にて異なるドリフト等を除去して、加速度センサーの設置面の傾斜度を精度高く測定できる傾斜度測定方法を提供すること。
【解決手段】 重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサー10x(10y)の検出軸の一方を、基準方位である第1測定方位(0度)と、仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて第1測定方位から180度離れた第2測定方位と、基準方位に戻した第3測定方位と、の各々に設定する。第1〜第3測定方位に設定された加速度センサーの静止状態での出力を用いて、測定方位で異なる動的誤差を、第1及び第3測定方位に設定された加速度センサーの出力の差分に基づいて測定する。加速度センサーの出力から、動的誤差と静的誤差とが除去された、仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、傾斜度測定方法及び装置並びに電子機器及びプログラム等に関する。
加速度センサーの出力には、環境変化及び経時変化等によるバイアスやドリフトがある。また、加速度センサーに特有の誤差として、加速度センサーを含む機器が水平面に対して傾斜としている場合には、加速度センサーの出力には重力加速度成分に起因した誤差(オフセット)が生ずる。
特許文献1では、自転車などの移動体に配置した加速度センサー10を水平方向に180°反転させる前後の静止状態(加速度=0)で加速度検出を行ない、両方の検出値の平均値を取ることにより、傾斜に基づくオフセット量を求めている。
特許文献2は、ターンテーブルの角度位置が0度(S1)、90度(S2)、180度(S3)、270度(S4)での感度軸の出力値に基づいて、感度軸の出力値を補正する較正値を求めている。具体的には、90度ずつの位相の違う4点(S1〜S4)の静止データの統計平均値から2直線を表わす連立一次方程式を解き、多軸センサーの最大・最小出力点と振り幅の中心値を求めることで較正値を算出している。
特許文献3は、検出面が傾いた場合でも角速度を検出する角速度センサーを提供するために、角速度検出部と同じ面内に少なくとも三つの加速度検出部を設置している。これらの加速度検出部で検出した加速度を用いて角速度検出面の傾斜角を算出した後、傾斜角による角速度の変動量を推測して補正している。
特開2004―354214号公報(0013) 特開2010―281598号公報(0044−0045) 特開平06―324066号公報
特許文献1,2では、加速度センサーを0度と180度の各停止位置に回転し(特許文献1)、あるいは加速度センサーを0度、90度、180度、270度の各停止位置に回転し(特許文献2)、各停止位置で静止状態にて加速度センサーで加速度を検出し、それらの平均値に基づいてオフセット量や較正値を求めている。このような手法で求めたオフセット量や較正値でもなお誤差が存在している。
加速度センサーを搭載するセンサー機器は水平に設置されるが、例えば地震等の外的要因により設置面が傾斜することがある。あるいは、特許文献1のようにセンサー機器が移動体に搭載される場合、移動面は傾斜している。このような場合、水平面に対する傾斜度(傾斜角や傾斜方位)を測定する必要がある。傾斜度を測定する際、加速度センサーの測定値には傾斜による重力加速度成分が誤差(傾斜誤差とも称する)として重畳される。また、特許文献1,2のようにセンサー機器を回転してオフセット量や較正値を求める場合でも、回転前後の各停止位置にて異なるドリフト(動的誤差とも称する)や、各停止位置にて実質的に一定のバイアス(静的誤差とも称する)を除去する必要がある。
本発明の幾つかの態様は、加速度センサーの出力に重畳する誤差として、回転前後の各停止位置にて異なるドリフト(動的誤差)や、各停止位置にて実質的に一定のバイアス(静的誤差)を除去して、加速度センサーの設置面の傾斜度(傾斜角や傾斜方位)を精度高く測定できる傾斜度測定方法及び装置並びに電子機器及びプログラムを提供することを目的とする。
(1)本発明の一態様は、重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第2測定方位と、前記基準方位に戻した第3測定方位と、の各々に設定した静止状態にて測定される前記直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第3測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定工程と、
前記第1測定方位及び前記第2測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第3測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する傾斜度測定工程と、
を有し、
前記誤差測定工程は、前記第1測定方位及び前記第3測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する工程を含む傾斜度測定方法に関する。
第1測定方位と第3測定方位とは、加速度センサーの検出軸が共に基準方位に設定される同一方位と平行になる。ここで、静止状態で測定される加速度センサーの出力には、その測定方位に固有の動的誤差(ドリフト)と、他の測定方位でも等しい静的誤差(バイアス)と、その測定方位に固有の傾斜誤差が含まれる(後述の式(7)(8)を参照のこと)。また、後述の式(7)(8)に示すように、傾斜誤差は傾斜角φと傾斜方位θに依存するので、未知数は4である。よって、検出軸を計3つ以上の異なる測定方位に設定して計4回以上測定(直交二軸の検出軸の一方では基準方位で2回測定)している。直交二軸の検出軸を持つ加速度センサーであれば、直交二軸のうちの各一軸を第2測定方位に設定した後に基準方位に戻すことで、計4つ以上の測定方位(0°、90°、180°、270°360°=0°)に設定することができる。
ここで、平行な同一方位である第1,第3測定方位での加速度センサーの出力の差分は、第1測定方位と第3測定方位との動的誤差の差分となる。この動的誤差の差分は、測定中の傾斜変化あるいは、温度特性変動、環境振動変化、ランダムドリフトなどが考えられるが、測定自体を比較的短時間に行われ、測定タイミングも環境温度変動が小さい、安定している時間帯を選択し、また測定時に測定端末の消費電流変化も安定させる条件とすることで、測定中の傾斜変化あるいは、環境振動変化、などを殆ど無視できるほどに縮小できる。また測定条件を適宜選択することで、ランダムドリフトを殆ど無視できるほどに縮小できる。そこで、例えば第1測定方位の動的誤差は零とし、第3測定方位では動的誤差が最大または最小となり、第3測定方位と第1測定方位との間の第2測定方位の動的誤差は、第1,第3測定方位間の動的誤差の差分に基づいて割り当てることができる。
ランダムドリフトを無視すると、静止状態での加速度センサーの出力は、水平面に対する前記仮想平面の傾斜に起因した重力加速度成分による傾斜誤差(傾斜角φと傾斜方位θに依存する)、動的誤差及び静的誤差の総和となる。静止状態での加速度センサーの出力から動的誤差及び静的誤差を除去することで、傾斜誤差が求められ、傾斜誤差から傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定することができる。
(2)本発明の一態様では、前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”とを求め、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”01=(X”−X”)/2と、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記Y軸成分の平均値Y”01=(Y”−Y”)/2とを用いて、Iφ=(X”01 +Y”01 1/2を求め、傾斜角φ=180×Iφ/πを算出することができる。
このように、第1,第2測定方位が同一方向で逆向きの関係にあることから、X”=−X”及びY成分Y”=−Y”の関係を利用して、比較的簡易に傾斜角φを求めることができる。
(3)本発明の一態様では、前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”、前記第2測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”と、を求め、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”01=(X”−X”)/2と、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記Y軸成分の平均値Y”01=(Y”−Y”)/2とを用いてIφ=(X”01 +Y”01 1/2を求め、前記X及びY軸成分X”、X”、Y”、Y”をIφで除して正規化して、前記傾斜方位角θを測定することができる。
この場合も、第1,第2測定方位が同一方向で逆向きの関係にあることから、X”=−X”及びY成分Y”=−Y”の関係を利用して、比較的簡易に傾斜方位角θを求めることができる。
(4)本発明の他の態様は、重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から90度離れた第2測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第3測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から270度離れた第4測定方位と、前記基準方位に戻した第5測定方位と、の各々で静止状態にて測定される前記加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の出力を用いて、前記第1〜第5測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定工程と、
前記第1〜第4測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第5測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する傾斜度測定工程と、
を有し、
前記誤差測定工程は、前記第1測定方位及び前記第5測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する工程を含む傾斜度測定方法に関する。
本発明の他の態様は、本発明の一態様である2軸2方位回転測定とは異なり、2軸4方位回転測定であり、直交二軸の検出軸の各々を異なる4つの測定方位に設定して、傾斜角及び傾斜方位角の少なくとも一方を測定することができる。
(5)本発明の他の態様では、前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X=Iφ(sinθ)及びY成分Y=Iφ(cosθ)と、前記第3測定方位での重力のX成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”と、前記第4測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”とを求め、前記第1測定方位と前記第3測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”03=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”03=(Y”−Y”)/2と、前記第2測定方位と前記第4測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”24=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”24=(Y”−Y”)/2とを用いて、Iφ=(X”03 +X”24 1/2またはIφ=(Y”03 +Y”24 1/2を求め、傾斜角φ=180×Iφ/πを算出することができる。
この場合、第1,第3測定方位が同一方向で逆向きの関係にあり、第2,第4測定方位が同一方向で逆向きの関係にあることから、X”=−X”、X”=−X”及びY成分Y”2=−Y”、Y”=−Y”の関係を利用して、比較的簡易に傾斜角φを求めることができる。
(6)本発明の他の態様では、前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X=Iφ(sinθ)及びY成分Y=Iφ(cosθ)と、前記第3測定方位での重力のX成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”と、前記第4測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”とを求め、前記第1測定方位と前記第3測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”03=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”03=(Y”−Y”)/2と、前記第2測定方位と前記第4測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”24=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”24=(Y”−Y”)/2とを用いて、Iφ=(X”03 +X”24 1/2またはIφ=(Y”03 +Y”24 1/2を求め、前記X及びY軸成分X”、X”、Y”、Y”をIφで除して正規化して、前記傾斜方位角θを測定することができる。
この場合、第1,第3測定方位が同一方向で逆向きの関係にあり、第2,第4測定方位が同一方向で逆向きの関係にあることから、X”=−X”、X”=−X”及びY成分Y”2=−Y”、Y”=−Y”の関係を利用して、比較的簡易に傾斜方位角θを求めることができる。
(7)上述した(3)または(6)の態様では、前記傾斜度測定工程は、前記X及びY軸成分X”、X”、Y”、Y”をIφで除して正規化した、振幅が±1のX及びY軸成分X'''、X'''、Y'''、Y'''をガウス平面の直交座標に変換し、前記傾斜方位角θが前記ガウス平面の第1〜第4象限の何れに存在するかを判定する工程を含むことができる。複素数の実数と虚数でそれぞれ求められる傾斜方位角の一致、不一致が、傾斜方位角が存在する象限と関係するからである。
(8)本発明の一態様では、前記第1〜第3測定方位での測定を1サイクルとしたとき、サイクル数nを2以上とする場合、nサイクルに亘って測定し、nサイクル目の前記第1測定方位を(n−1)サイクル目の測定方位として兼用することができる。
このようにnサイクルに亘って測定値をサンプリングすることで、測定精度を高めることができる上、隣り合う2サイクルにて同一測定値を利用することができる。
また、本発明の一態様では、本測定は連続して方位を変えながら、静止状態で計測を行うもので、測定は、測定順にほぼ等時間間隔で測定され、回転して方位を変えながら連続して計測した時の測定データ列から1サイクルの区間を抽出し、解析することができる。この抽出した1サイクルの区間は、サイクルの最初と最後の方位が同一であり、その他の方位は、測定に必要なすべての方位を含む区間である。この測定順は、方位の並び順に優先し、測定順に方位が並ぶ必要はない。
本発明の一態様では、抽出した1サイクルの測定順に動的誤差を測定し、測定結果から、動的誤差を補正したデータ列について、1サイクルのデータ中の同一方位のデータについて平均値を求めて、測定方位毎に丸めたデータを生成し、この結果について静的誤差を測定する手順に進むことができる。
本発明の一態様では、回転計測の測定方位の基準方向を、センサーの設置された環境のNorth-East-Down(NED)座標系に関連付けて方位を決定して設置することで、回転計測の結果得られる傾斜方位角を環境の座標系方位で示すことができる。
(9)本発明の一態様では、前記加速度センサーの前記検出軸は、前記基準方位から第1方向に回転された後に、前記基準方位に向けて、前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転されもよい。こうすると、動的誤差の偏りが平均化される。
(10)本発明のさらに他の態様は、
重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第2測定方位と、前記基準方位に戻した第3測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手段と、
前記第1〜第3測定方位にそれぞれ設定された前記加速度センサーの出力を受信する手段と、
前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第3測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定手段と、
前記前記第1測定方位及び前記第2測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第3測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手段と、
を有し、
前記誤差測定手段は、前記第1測定方位及び前記第3測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する傾斜度測定装置に関する。
に関する。
本発明のさらに他の態様に係る傾斜度測定装置により、本発明の一態様に係傾斜度測定方法を好適に実施することができる。
(11)本発明のさらに他の態様は、
重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から90度離れた第2測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第3測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から270度離れた第4測定方位と、前記基準方位に戻した第5測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手段と、
前記第1〜第3測定方位にそれぞれ設定された前記加速度センサーの出力を受信する手段と、
前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第5測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定手段と、
前記前記第1〜第4測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第5測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手段と、
を有し、
前記誤差測定手段は、前記第1測定方位及び前記第5測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する傾斜度測定装置に関する。
本発明のさらに他の態様に係る傾斜度測定装置により、本発明の他の態様に係傾斜度測定方法を好適に実施することができる。
(12)本発明のさらに他の態様は、(8)または(9)に記載の誤差測定装置を有する電子機器を定義している。
(13)本発明のさらに他の態様は、
重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第2測定方位と、前記基準方位に戻した第3測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手順と、
前記第1〜第3測定方位に設定された前記加速度センサーからの出力を受信する手順と、
前記第1〜第3測定方位の各々にて、静止状態で測定される前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第3測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する手順と、
前記第1測定方位及び前記第2測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第3測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手順と、
をコンピューターに実施させ、
前記動的誤差を測定する手順は、前記第1測定方位及び前記第3測定方位での前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する手順を含むことを特徴とするプログラムに関する。
(14)本発明のさらに他の態様は、
重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から90度離れた第2測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第3測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から270度離れた第4測定方位と、前記基準方位に戻した第5測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手順と、
前記第1〜第5測定方位に設定された前記加速度センサーからの出力を受信する手順と、
前記第1〜第5測定方位の各々にて、静止状態で測定される前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第5測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する手順と、
前記第1〜第4測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第5測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手順と、
をコンピューターに実施させ、
前記動的誤差を測定する手順は、前記第1測定方位及び前記第5測定方位での前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する手順を含むプログラムに関する。
これらのプログラムをパーソナルコンピューター等の汎用機にインストールすることで、汎用機にて傾斜度測定を実現できる。
本発明の一実施形態に係る測定システムの全体図である。 図1に示す測定端末装置の外観図である。 図2に示す筐体内に配置される三軸加速度センサーの配置を示す斜視図である。 水平座標系に対して傾斜したセンサー座標系を示す図である。 加速度センサーを回転させた時の回転角度と、各測定方位でのセンサー出力、動的誤差、静的誤差及び傾斜誤差との関係を示す図である。 図1に示す端末装置及び測定端末装置のブロック図である。 2軸4方位回転測定にてX軸加速度センサーで得られた測定値を正規化した値(縦軸)と回転角度との関係を示す特性図である。 2軸4方位回転測定にて直交二軸(X軸及びY軸)加速度センサーで得られた測定値を正規化した値(縦軸)と回転角度との関係を示す特性図である。 重力加速度に基づく入力Iの傾斜方位角を示す説明である。 2軸4方位回転測定にて直交二軸(X軸及びY軸)加速度センサーで得られた測定値を示す図である。 2軸4方位回転測定にて直交二軸(X軸及びY軸)加速度センサーで得られた出力から動的誤差を減算した一次加工データを示す図である。 2軸4方位回転測定にて直交二軸(X軸及びY軸)加速度センサーで得られた出力から動的誤差及び静的誤差を減算した二次加工データ(傾斜誤差)を示す図である。 図12に示すデータを傾斜量Iφで除算した、規格化された三次加工データを示す図である。 傾斜量Iφで規格化された三次加工データを複素平面上に置き換えて示す図である。 傾斜方位θを実数成分と虚数成分とで示すフェザー座標を説明する図である。 2軸4方位回転測定で計算される三次加工データと傾斜方位角θとの関係を示す図である。 2軸2方位回転測定で収集される加速度の規格化された値と方位との関係を示す図である。 2軸2方位回転測定で収集される加速度の測定値を示す図である。 2軸2方位回転測定で計算される一次加工データを示す図である。 2軸2方位回転測定で計算される二次加工データを示す図である。 2軸2方位回転測定で計算される二次加工データの計算例を示す図である。 2軸2方位回転測定で計算される三次加工データを示す図である。 2軸2方位回転測定で計算されるノルムIφ、sinθ、cosθ、tanθを示す図である。 2軸2方位回転測定で計算される三次加工データと傾斜方位角θとの関係を示す図である。 North-East-Down(NED)座標系を示す図である。 加速度センサーの出力ノイズ分析を示す図である。 回転区間t、測定区間t及び1サイクル区間を説明するための図である。 各サイクルにて最初に設定される方向を同一とした複数サイクルを示す図である。 各サイクルにて最初に設定される方向を異ならせた複数サイクルを示す図である。 図29の変形例を示す図である。 傾斜方位角θφ、測定方位と傾斜方位角の差ψn、測定方位角θn及び仮想平面Pφを説明するための図である。 傾斜角φと傾斜量Iφとを説明するための図である。 1次加工データを示す図である。 二次加工データを示す図である。 方位角方向の求め方を示す図である。 静的誤差の温度依存性を示す図である。 更正値の更新動作を示すフローチャートである。 傾斜測定動作を示すフローチャートである。 各サイクルで基準方位を変えながらデータ収集を複数サイクルで実施する例を示す図である。 各サイクルで基準方位を変えながらデータ収集を複数サイクルで実施する他の例を示す図である。 測定開始指令から待ち時間を経てデータ収集する動作フローを示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、比較例を参照して詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1. 測定システム
図1に示す測定システムは、測定データを集中管理するホスト装置1と、ホスト装置1と例えばインターネットや無線、携帯電話で接続された複数の端末装置2と、各端末装置2と例えばWiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信、移動体通信システム、ローカルエリアネットワーク(LAN)で接続された一又は複数の測定端末装置3と、を有する。端末装置2は携帯電話やスマートフォン、タブレット、又は端末PC等の汎用機であっても専用機であっても良い。測定端末装置3は、加速度センサーに接続或いは内蔵している機器、携帯電話やスマートフォン、タブレット、又は端末PC等の汎用機であっても専用機、加速度計測器であってもよい。
各測定端末3では、設置時での初期較正と、定期的な維持較正が実施される。各測定端末3には、経時的変化や環境変化に起因したドリフトや、設置面の傾斜に起因した誤差が生ずるからである。その較正を実施するために、ホスト装置1または各端末装置2の記憶装置に較正プログラム(誤差測定プログラム、傾斜度測定プログラム、バイアス補正プログラム等を含む)が格納されている。各測定端末3での較正は、較正プログラムに従って実行される。較正プログラムは、ホスト装置1より端末装置2に送信されても良い。
図2に示す測定端末装置2は、底面4Aを設置面とする筐体4内部に、図3に示す三軸(X,Y,Z)加速度センサー10x,10y,10zを有する。なお、誤差測定や傾斜角・傾斜方位角測定には加速度センサー10zの出力は用いず、後述の通り二軸加速度センサー10x,10yの一方又は双方を用いることができる。換言すれば、加速度センサー10zの出力を用いずに測定できる、傾斜角φが過度に大きくない範囲で本実施形態は有効である。
三軸加速度センサー10x,10y,10zの座標X,Y,Zにおいて、直交X,Y軸を含むX−Y平面(仮想平面ともいう)は底面4Aと平行であり、Z軸はX−Y平面と直交する。筐体4には回転操作部5とインジケーター(LED等)6が設けられている。測定端末2にて、較正プログラムに従った処理が実施される手順を、インジケーター6の点灯または点滅により操作者に指示することができる。指示に従い回転操作部5が回転操作されると、底面(設置面)4Aと直交する法線(Z軸)回りで、三軸加速度センサー10x,10y,10zが回転される。なお、特に定期的な維持較正を無人で実施するために、回転操作部5に代えて、あるいは回転操作部5に加えて、上述の軸を自動回転させるモーター等の回転駆動部8(図6参照)を設けても良い。具体的には、筐体4の外からツマミにより加速度センサーを回転することができ、ツマミが必要な方向で止まるようにクリックがある。また、回転による較正作業の開始をプログラムに通知するトリガ入力部がある。回転させて良い時間を表示したり、較正作業が終了したことを示す表示部がある。また取得した較正値の適用を指示する入力部がある。
2. 加速度センサーの出力に重畳する誤差
図4には、水平座標系(Xr,Yr,Zr)と、センサー座標系(X,Y,Z)が示されている。水平座標系(Xr,Yr,Zr)の直交二軸Xr,Yrを含む(Xr−Yr)平面は水平面であり、Zr軸は水平面(Xr−Yr)に直交する鉛直軸である。
図4に示すように、水平座標系(Xr,Yr,Zr)のZr軸(鉛直軸)とセンサー座標系(X,Y,Z)のZ軸とは傾斜角φであり、センサー座標系(X,Y,Z)の(X−Y)平面は水平座標系(Xr,Yr,Zr)の(Xr−Yr)平面に対して傾斜しているものと仮定する。回転操作部5により三軸加速度センサー10x,10y,10zをZr軸周りで回転させると、Zr軸に沿って作用する重力加速度Gは、図4に示すようにZ軸を中心に円又は楕円或いは直線Cを描く。この円又は楕円或いは直線Cの大きさは、回転静止される二軸加速度センサー10x,10yの測定値Dx,Dy値のいずれか一方又は双方から求めることができる。また、(X−Y)平面と(Xr−Yr)平面の交わる直線がXrまたはYrのどちらか一方と平行の場合、Zr軸に沿って作用する重力加速度Gは、Z軸を中心に直線の軌跡を描く。この直線の大きさは、測定値Dx,Dy値のいずれか一方又は双方から求めることができる。なお、加速度センサー10x,10y,10zの座標系(X,Y,Z)では、加速度Xと加速度Yは右手系座標となっており、−Z方向から見てYはXに対して反時計回りに90度の方向となっている。
加速度センサー10x,10y,10zの出力軸を、図25に示すNorth-East-Down(NED)座標系に方位が関連付けて位置決定された第1測定方位を基準方位とすることができる。図25に示すN-E平面で示される水平面に投影したセンサーの基準方向を、NED座標系のN-E平面内の方位に関連付けする。加速度センサー10x,10y,10zによって傾斜方位角ψを求めるため、この傾斜方位角ψは加速度センサー10x,10y,10zが設置された場所で、設置場所のNED座標系と加速度センサー10x,10y,10zの出力軸方向が関連付けされていることで、傾斜の方角を示すことができる。つまり、図25に示すように、加速度センサーの基準方向出力の水平面への投影方向とNED座標系の基準とする方向のなす角をψとする。
ここで、三軸加速度センサー10x,10y,10zが静止している場合、入力Iは重力加速度Gの傾き成分となる。傾斜角φによる加速度GのX−Y平面上のバイアスシフトのノルムIφは、
となる。また、図4の通りX軸とIφとの交差角を、傾斜方位角θとする。加速度センサー10xの測定値Dxと、加速度センサー10yの測定値Dyとは、ノルムIφと傾斜方位角θを用いて次の式で表すことができる。
加速度センサー10x,10yの測定値には、実際にはドリフトによる誤差が重畳されている。このドリフトを次のように定義する。
ここで、三軸加速度センサー10x,10yが静止している場合、入力Iは重力加速度Gの傾き成分Iφのみとなるので、式(5)は次式(6)となる。
図26に示す加速度センサーの出力ノイズ分析から、フリッカー・ノイズDRBが主たる区間A−Bをデータ取得時の平均区間として選択する。レート・ホワイト・ノイズDRNは、最小になる測定区間の時間長さ以上に調整します。測定データの平均計算区間をこのように選択することで、レート・ホワイト・ノイズDRNの少ない精度の高い測定データが得られる。レート・ランダム・ウォーク・ノイズDRRのように平均区間が長くなるとドリフトが増大するノイズは、データ測定環境下で最小になる測定区間の時間長さ以下に調整する。測定データの平均計算区間をこのように選択することで、レート・ランダム・ウォーク・ノイズDRRが少ない精度の高い測定データが得られる。フリッカー・ノイズDRBは除去できないので、計測時間が不要に長くならないように適正化します。従って、データの平均値区間と異なり、方位を変えて測定する1サイクル全体がこの適正区間の最長以内に入るように選択することが望ましい。計測条件はランダムドリフトレートDが最小となるA-B区間の計測時間とするのが望ましい。
環境によるドリフトレートEは、測定中の温度ドリフトによるオフセットDxΔTΔT,DyΔTΔTと表記する。以上のことから、加速度センサー10xの測定値Dxと加速度センサー10yの測定値Dyは、誤差を考慮すると次の式(7)(8)の通りとなる。
式(7)のモデルは、加速度センサー10xを回転させると、回転角度(横軸)と出力(縦軸)の関係は図5の通りとなる。図5に示す加速度センサー10xの測定値Dxの振幅は、傾斜角φに依存する。式(8)のモデルも同様となる。ここで、DFx,DFyは回転前後の各静止位置で実質的に一定であることから、静的誤差とも称する。一方、温度ドリフトによるオフセットDxΔTΔT,DyΔTΔTは、回転前後の各静止位置で異なることから、動的誤差とも称する。なお図5では、温度ドリフトDxΔTΔTを一定レートとして示している。実際の温度ドリフトDxΔTΔTは一定レートではないと予想されるが、ここでは一定のレートに近似して示している。また、重力加速度Gの傾き成分Iφ・cosθ,Iφ・sinθは、傾斜による誤差としてセンサー出力に重畳することから、傾斜誤差と称する。
3. 端末装置及び測定端末装置
図6に、端末装置2及び測定端末装置3を示す。測定端末装置3は、三軸加速度センサー10x,10y,10z、回転操作部5、インジケーター6、通信装置7を有する。端末装置2は上述した回転駆動部8を有していても良い。また、測定端末装置3は、回転操作部5と回転駆動部8を外部に有してもよい。
端末PC等で構成される端末装置2は、上述した較正プログラム(誤差測定プログラム、傾斜度測定プログラム、バイアス補正プログラム等)を記憶する記憶装置20を有する。端末装置2で実施される誤差測定、傾斜度測定、バイアス補正は、較正プログラムに従って実施される。
例えば端末装置2は、較正プログラムに従って実行制御される回転司令部30、誤差測定部40、傾斜度測定部50、傾斜バイアス補正部60及び通信装置70等を有する。回転司令部30は、較正プログラムに従って、通信装置70を介して測定端末装置3に送信される回転指令を生成する。
誤差測定部40は、測定端末装置3からの出力に基づいて、加速度センサー10x,10Yの出力に重畳している誤差を測定する誤差測定部40は、ドリフト(動的誤差)を測定する動的誤差測定部41と、バイアス(静的誤差)を測定する静的誤差測定部42と、例えば加速度センサー10X,10Yの出力から動的誤差及び静的誤差を除去して傾斜誤差を測定する傾斜誤差測定部43と、を有する。なお、加速度センサー10X,10Yの出力を処理する過程で静的誤差を除去できる場合には、静的誤差測定部42は不要であるか、あるいは不使用とすることができる。
傾斜度測定部50は、例えば加速度センサー10X,10Yの出力から動的誤差及び静的誤差を除去して得られたデータから、傾斜度(傾斜角、傾斜方位)を測定する。傾斜度測定部50は、傾斜角測定部51と傾斜方位角測定部52とを有する。
これら回転司令部30、誤差測定部40(動的誤差測定部41、静的誤差測定部42、傾斜誤差測定部43)、傾斜度測定部50(傾斜角測定部51、傾斜方位角測定部52)の機能は、以下にて説明する各種の回転測定方法にて明らかにされる。
傾斜バイアス補正部60は、傾斜誤差測定部43で求められる傾斜誤差を傾斜バイアスとして、加速度検出時に、加速度センサーからの出力から傾斜バイアスを取り除くものである。
4. 誤差測定方法
以下に、較正プログラムに従って回転操作部5を操作して設定される回転位置(静止位置)での動的誤差DxΔTΔT,DyΔTΔT、静的誤差DFx,DFy及び傾斜誤差Iφ・cosθ,Iφ・sinθの測定方法について説明する。
本実施形態では、測定手法として以下の通り定める。
(i) 測定時に設定される加速度センサーの検出軸の方位を測定方位と称する。少なくとも一つの測定方位(基準方位)を重複させて測定し、基準方位とは異なる方位でも測定する。好ましくは最初と最後の測定方位を基準方位とする。
(ii)式(7)(8)中の未知数はそれぞれ4つ(例えば式(7)では、Iφ、cosθ、DFx及びDxΔTΔTの4つ)であるので、加速度センサーの検出軸を少なくとも4つ以上の測定方位(静止位置)に設定して測定する。つまり、未知数は、傾斜誤差Iφcosθ、バイアス(静的誤差)DFx及びドリフト(動的誤差)DxΔTΔTであり、これらの誤差を求めることになる。ただし、二軸加速度センサー10x,10yの出力を用いれば一測定方位での測定は2つと数えることができる。
(iii)測定間の回転角度は、測定方位の数に依存して任意に定めることができるが、計算の都合上好ましくは測定間の回転角度は90度または180度刻みとする。
測定間の回転角度を90度または180度刻みとする場合には、2軸2方位回転測定(測定方位は0度、180度、360度)と、2軸4方位回転測定(測定方位は0度、90度、180度、270度、360度)とを挙げることができる。
4.1. 2軸4方位回転測定
図7は、2軸4方位で測定した時の測定方位(0度、90度、180度、270度、360度)毎の加速度センサー10xの測定値を示す。図7に示すように、0度と360度で測定値が同じである場合、この測定の間に加速度センサー10xの出力中のドリフトが安定していると仮定する。測定中のドリフトが安定していると仮定した場合、0度方位から+270度方位の間で直交する4方位の測定値は、測定時点の測定系の傾斜量と、加速度センサー10x(または10y)のドリフト(静的誤差)とによるオフセットの和であるとする。0度と360度で値に変動があるようなら、その差分を動的誤差として各測定に等分に割り当てて引き算する必要がある(動的誤差の除去)。任意の検出軸の直交する4方位での測定値の平均値は、バイアスのドリフトによるオフセット量を示す。任意の検出軸の直交する4方位の出力の回転方位に対する軌跡は、図7の通りサインカーブ上の4点となり、その振幅は水平面に対する傾きとなる。また、図7に示す最大値と最小値を取る方位は、その傾きの方位となる。
なお、図7の縦軸は、測定値そのものではなく、予想される最大振幅と測定結果の比(振幅±1)に正規化されている。もし、センサー座標系(X,Y,Z)の(X−Y)平面が水平面に対して平行である場合、図7の縦軸の値は全て0になる。図7と同様にして、直交二軸加速度センサー10x,10yの出力を示すと、図8の通りとなる。図8に示すように、直交二軸加速度センサー10x,10yの出力の位相は90度ずれている。
ここで、センサー座標系の(X−Y)平面を図9の通り定義する。X軸方向に対してY軸は反時計回りに90度の方向とする。加速度センサーの回転方向は、例えば反時計回りとし、0度→90度→180度→270度→0度(360度)の方向に回転させる。リリースする時には、内部配線が伸びきらないように、時計回り方向に戻すことができる。
図9に示すように、0度方向からの傾斜方位角をθとし、傾斜量をIとし、測定順をn(n=0,1,2,3)とし、測定方位をn・π/2とすると、式(7)(8)に示す各測定値は次の通りとなる。
例えば、n=0の時の0度方向の測定値は、誤差をXe,Yeと表記すると次の式(9(10)の通りとなる。
4.1.1. 測定手順1(2軸4方位データ収集)
先ず、図2に示す回転操作部5を操作して直交二軸加速度センサー10x,10yを回転させ、例えば0度→90度→180度→270度→0度(360度)の順に各測定方位で停止させる。各測定方位にて、静止状態で2軸4方位データを加速度センサー10x,10yにて収集する。2軸4方位データを図10の通り定義する。
4.1.2. 測定手順2(動的誤差の測定)
次に、動的誤差である、測定中のドリフトDxΔTΔT,DyΔTΔTを測定する。図7について上述した通り、もし最初(0度)と最後(360度=0度)の測定値が等しい場合には測定中のドリフトは無視できるが、変動があるようなら、最初(0度)と最後(360度)の測定値の差分からドリフトDxΔTΔT,DyΔTΔTを求めることができる。なぜなら、式(7)(8)から分かる通り、測定方位が0度で共に等しい測定値X0,X4は、ドリフトDxΔTΔTのみが異なり、他の値であるIφ・cosθ及びDFxについては測定値X0,X4間で共に等しいからである。本実施形態にて、最初と最後の測定方位を等しくした理由は、全ての測定方位でのドリフト(動的誤差)の測定を可能とするためである。
ここで、測定方位が0度で共に等しい測定値X0,X4の差分、測定値X0,X4中の動的誤差の差分となる。この動的誤差の差分は、測定中の傾斜変化或いは、温度特性変動、環境振動変化、などが考えられるが、測定自体を比較的短時間に行われ、測定タイミングも環境温度変動が小さい、安定している時間帯を選択し、また測定時に測定端末の消費電流変化も安定させる条件とすることで、殆ど無視できるほどに縮小できる。そこで、最初の0度の測定方位の動的誤差は零とし、最後の360度の3測定方位では動的誤差が最大または最小となり、その間の90度、180度、270度の各測定方位での動的誤差は、測定値X0,X4の差分に基づいて割り当てることができる。
例えば、上述したように測定中のドリフトDxΔTΔT,DyΔTΔTをそれぞれ一定レート(傾き)で近似した場合、最初(0度)と最後(360度)の測定値の差分(X4−X0)を線形補完することで、n回目の測定値Xnに重畳しているドリフト(動的誤差)は、n(X4−X0)/4と表すことができる。こうして、全ての測定方位での測定値に重畳しているドリフト(動的誤差)を測定することが可能となる。なお、n番目の測定値Xnからドリフト(動的誤差)が除外されたデータXn’は次の通り示される。また、図10に示す各測定値からはドリフト(動的誤差)が除外された一次加工データXn’Yn’は図11に示すようになる。
4.1.3. 測定手順3(静的誤差の測定)
式(9)(10)に示す表記を用いると、測定値X0〜X3は、次のように示すことができる。
X0〜X3の計測値の平均は、
となる。右辺第1項のカッコ内は、測定の前提としての対称性から、
となり、このことから、下記の式が成立する。
以上のことから、次の式が成立する。
このように、直交する測定方位(0度、90度、180度、270度)の計測値を加算平均することで、正弦波または余弦波の成分の値は消去されて、誤差Xeのみを取り出すことができる。
誤差Xe=DFx+DRx+DxΔTΔTまたは誤差Xe=DFy+DRy+DyΔTΔTであるので、Xavgに代えて、X’avgを計算する。
データX’は動的誤差DxΔTΔT,DyΔTΔTが除去されているため、その平均値X’avgも動的誤差DxΔTΔT,DyΔTΔTを含まない誤差(Xe−DxΔTΔT)または(Xe−DyΔTΔT)を求めることができる。ここで、上述したようにランダムドリフトDRx,DRyを無視できるとすれば、平均値X’avg=DFxまたは平均値Y’avg=DFyとなり、平均値X’avgまたはY’avgにより静的誤差DFxまたはDFyが求まることが分かる。
4.1.4. 測定手順4(傾斜誤差の測定)
次に、動的誤差が除去されたデータX’からさらに静的誤差DFxを除去するために次式を計算し、図12に示す二次加工データを求める。
こうして求められた二次加工データX”nは、測定値Xから動的誤差DxΔTΔT及び静的誤差DFxが減算されたものであり、式(7)からX”n=Iφ・cosθが傾斜誤差として求められる。同様に、式(8)からY”n=Iφ・sinθが傾斜誤差として求められる。
以上により、2軸4方位データから、動的誤差、静的誤差及び傾斜誤差の全てを求めることができる。
4.1.5. 測定手順5(傾斜角φの測定)
求められた二次加工データX”nを測定順序nを用いて示すと次式の通りである。
この式を用いると、手順4で求めた各二次加工データX”nの関係は次の通りとなる。
測定誤差等を縮小するために、次の通りの組み合わせで平均を計算する。
このX”02とX”13は互いに直交するので、この2値から傾斜量Iφを次式の通りに計算する。
この傾斜量Iφは傾斜角φの水平面への投影であることから、傾斜角Iφangleは、次の通りとなる。
測定値がG単位である場合、傾斜角φは次の通り表記される。
以上の通り、2軸4方位データから傾斜角φを求めることができる。
4.1.6. 測定手順6(傾斜方位角θの測定)
先ず、手順5で求めた傾斜量Iφで、手順4で求められた各二次加工データX”nを次式の通り除算して、図13に示す三次加工データを求める。
この三次加工データは、X'''=cosθ、Y'''=sinθとなり、図8に示す振幅±1に規格化された正弦波または余弦波を意味する。
この正弦波または余弦波を、図14に示すようにガウス平面に直交座標に並べ替え、その際に測定方向を考慮して極性を付与する。
式(12)を式(11)を用いて変形するとともに、図14に示すX,Yの実数毎及びX,Yの虚数毎に平均する。それにより、X軸及びY軸の複素数表現は次式の通りとなる。
式(18)に示すX軸及びY軸の複素数のノルムは、次式の通り1となる。
例えばX軸の実数及び虚数とノルムとの関係は図15に示す通りとなり、図15から傾斜方位角θについては、実数及び虚数から次式が成立する。
図15に示す第1〜第4象限の各区間で取り得る値から、次のことが成立する。
第1象限 θs>0,θc>0 結果θ=θc,θs=θc
第2象限 θs>0,θc>0 結果θ=θc,θs≠θc
第3象限 θs<0,θc>0 結果θ=2π−≠θc,θs=θc
第4象限 θs<0,θc>0 結果θ=2π−θc,θs≠θc
その結果、θs>0,θc>0の場合には、次式が成立する(単位はradian)。
同様に、θs>0,θc>0の場合には、次式が成立する(単位はradian)。
以上のことから、傾斜方位角θxn,θynは図16の通りとなる。図16に示す傾斜方位角θxn,θynの平均値を計算することもできる。
X平均値θavg−xとY平均値θavg−yは前提としては同値になるが、種々の要因で異なる値となる場合があるが概ね等しい。
以上の通り、測定手順1〜6により、式(7)(8)中の未知数4つの全てについて解を求めることができる。
4.2. 2軸2方位回転測定
4.2.1. 測定手順1(2軸2方位データ収集)
先ず、図2に示す回転操作部5を操作して直交二軸加速度センサー10x,10yを回転させ、0度→180度→0度(360度)の順に各測定方位で停止させる。各測定方位にて、静止状態で2軸2方位での測定値を加速度センサー10x,10yにて収集する。図17は、2軸2方位で測定した時の測定方位(0度、180度、360度)毎の加速度センサー10xの測定値を示す(Y軸は省略)。図7に示す2軸4方位回転測定と同様に、0度と360度で値が同じである場合、この測定の間に加速度センサー10xの出力中のドリフトが安定していると仮定する。もし変動があるようなら、その差分を動的誤差として各測定に等分に割り当てて引き算する。なお、図17の縦軸も図7と同様に測定値そのものではなく、予想される最大振幅と測定結果の比(振幅±1)に正規化されている。2軸2方位データを図18の通り定義する。
4.2.2. 測定手順2(動的誤差の測定)
次に、式(7)(8)中の動的誤差である、測定中のドリフトDxΔTΔTn,DyΔTΔTnを測定する。図17について上述した通り、もし最初(0度)と最後(360度=0度)の測定値が等しい場合には測定中のドリフトは無視できるが、変動があるようなら、2軸4方位回転測定の測定手順2(4.1.1)と同様にして、最初(0度)と最後(360度)の測定値の差分からドリフトDxΔTΔTn,DyΔTΔTnを求めることができる。
ここで、測定方位が0度で共に等しい測定値X0,X2の差分が、測定値X0,X2中の動的誤差の差分となる。最初の0度の測定方位の動的誤差は零とし、最後の360度の3測定方位では動的誤差が最大または最小となり、その間の180度の測定方位での動的誤差は、測定値X0,X2の差分に基づいて割り当てることができる。例えば、上述したように測定中のドリフトDxΔTΔTn,DyΔTΔTnをそれぞれ一定レート(傾き)で近似した場合、最初(0度)と最後(360度)の測定値の差分(X2−X0)を線形補完することで、n回目の測定値Xnに重畳しているドリフト(動的誤差)は、n(X2−X0)/2と表すことができる。こうして、全ての測定方位での測定値に重畳しているドリフト(動的誤差)を測定することが可能となる。なお、n番目の測定値Xnからドリフト(動的誤差)が除外されたデータXn’は次の通り示される。また、図18に示す各測定値からはドリフト(動的誤差)が除外された一次加工データXn’ ,Yn’は図19に示すようになる。
4.2.3. 測定手順3(静的誤差の測定)
2軸4方位回転測定の処理手順3(4.1.3)と同様にして、式(13)で定義されるX’0とX’1との平均から静的誤差DFxを求め、Y’0とY’1との平均から静的誤差DFyを求める。
4.2.4. 測定手順4(傾斜誤差の測定)
次に、動的誤差が除去された一次加工データX’からさらに静的誤差DFxを除去するために次式を計算し、図20に示す二次加工データを求める。
こうして求められた二次加工データX”nは、測定値Xから動的誤差DxΔTΔT及び静的誤差DFxが減算されたものであり、式(7)からX”n=Iφ・cosθが傾斜誤差として求められる。同様に、式(8)からY”n=Iφ・sinθが傾斜誤差として求められる。式(16)を計算することにより、各測定方位での傾斜誤差X”n,Y”nは図21の通りとなる。
以上により、2軸2方位回転測定から、動的誤差、静的誤差及び傾斜誤差の全てを求めることができる。
4.2.5. 測定手順5(傾斜角φの測定)
処理手順4で求められた二次加工データX”n,Y”nを次式の通り変形して、X”0,X”1,Y”0,Y”1をそれぞれ求める。
以上のことから、次式が成立する。
測定誤差等を縮小するため、X軸、Y軸についてそれぞれ次式により平均化する。なお、次式では正負の符号を考慮して平均化している。
上述の式を計算して次式を求める。
このX”01とY”01は直交しているので、この2値から次式により傾斜量Iφを計算することができる。
この傾斜量Iφは傾斜角φの水平面への投影であることから、2軸4方位回転測定の式(12)(13)と同様にして傾斜角φを求めることができる。
以上の通り、2軸2方位データから傾斜角φを求めることができる。
4.2.6 測定手順6(傾斜方位角θの測定)
先ず、手順5で求めた傾斜量Iφで、手順4で求められた各二次加工データX”nを式(14)の通り除算して規格化して、図22に示す三次加工データX'''nを求める。
次に、0度及び180度の三次加工データについて、X軸を実数としY軸を虚数として複素数Vを表すと次の通りとなる。
0度及び180度の三次加工データについての複素数Vを用いて、図15に示す複素数のノルム、sinθ、cosθ及びtanθを求めると、図23の通りとなる。また、傾斜方位角θxn,θynは図24の通りとなる。図24に示す傾斜方位角θxn,θynの平均値を計算することもできる。
X平均値θavg-xとY平均値θavg-yは前提としては同値になるが、種々の要因で異なる値となる場合があるが概ね等しい。
以上の通り、測定手順1〜6により、2軸2方位回転測定でも式(7)(8)中の未知数4つの全てについて解を求めることができる。なお、2軸4方位回転測定と比べると、2軸2方位回転測定ではデータ数が小さくなるので精度は劣化するが、測定量が約1/2となるので計測上の負荷は減少する。
4.3. 回転角が90度の整数倍以外を含む回転測定の一般的手法
上述した各実施形態では加速度センサーの回転角度を90度の整数倍としたが、以下、90度の整数倍の以外の回転角を含む方位回転測定の一般的手法について説明する。
4.3.1. 処理手順1(データ収集)
加速度センサーの検出軸を回転させ方向を変えて静止状態で測定する計測を連続して行う。図27に示すように、加速度センサーの検出軸を回転させて所望の方向に向ける区間tと、静止状態の間に加速度を測定する区間tとの一対で、一方向の測定を構成する。この一方向の測定が繰り返され、検出軸を回転させて方向を変えながら連続して計測する。測定方位を変えながら測定された連続した測定データから、誤差を測定するデータ処理の区間を切り出し、これを1サイクルとする。計測方向は、円周(2π)を3以上の自然数で割った角度ステップで計測する。円の中心から円に内接する正多角形の頂点への方向を測定方位とする。1サイクルの区間をm=0,1,2,…,mとする。1サイクル区間は、区間の最初の測定方向(基準方位)m=0とし、この方向から回転したその他の方向の測定と、最初の測定方向(基準方位)と同じ方向の測定m=mまでの区間とする。この1サイクルの区間内に設定される方位は、最初の方位(基準方位)と、基準方位と同じ方向である最後の方位と、その他の方位とは、誤差を測定するために必要なすべての方位を含む。測定に必要な全ての方位が1サイクル中に1回以上含まれる。従って、1サイクルの区間の長さは異なる場合がある。方位を変更する回転の方向は交互に反転してもよい。また、隣り合うサイクル区間の回転は、サイクル区間内の方向順番が対称であってもよいし、あるいは同順であってもよい。
図28〜図30に示すように、誤差測定に必要な方向数を例えば5つとし、その方向をa,b,c,d,e,fとし、この5つの方向が[0:2π]の範囲にあるとする。図28〜図30に示すように、回転して方位を変えながら連続して計測した時の測定をs=0,1,2,…とする。なお、図28〜図30において、s=0,1,2,…の各回での回転方向は同一方向でも良いし、交互に逆回転させても良い。
図28及び図29では、例えばk番目のサイクルは、S=14の測定の後、1サイクルの成立が判定され、kサイクル区間が成立する。成立したkサイクル区間について、後述する誤差評価プロセスを行う。1サイクルの最初と最後が同じ方向である。図28では全てのサイクルの最初の方向は方向aで同じであるが、図29での隣り合うサイクルは、サイクルの最初の方向が異なる。図30でも、サイクルの最初と最後が同じ方向であるが、1サイクル中に5つの方向(a,b,c,d,e,f)が各2回ずつ設定されている。
なお、上述した通り、加速度センサーの検出軸を、図25に示すNorth-East-Down(NED)座標系に方位が関連付けて位置決定された第1測定方位を基準方位とすることができる。重力方向と交差する仮想平面に検出軸を有する加速度センサーの検出軸を、概ね水平面とする。図25に示すように、加速度センサーの基準方向出力の水平面への投影方向とNED座標系の基準とする方向のなす角をψとする。回転計測の測定方位の基準方向を、加速度センサーの設置された環境のNorth-East-Down(NED)座標系に関連付けて方位を決定する。また、図26に示すように、計測条件はランダムドリフトレートDが最小となるA-B区間の計測時間とするのが望ましい。
4.3.2. 処理手順2(動的誤差の測定)
測定結果を次のモデル式でそれぞれのパラメータが表される関係とする。測定データからそれぞれの項が44見積もられる。
ここで、図31には上記式中の傾斜方位角θφ、測定方位と傾斜方位角の差ψn、測定方位角θnが示されている。また、重力方向と交差する仮想平面Pφ(図31)に検出軸を有する加速度センサーが、平面Pφの法線周りに回転した時の、水平面Pに対して傾斜している最大角度を図32の通り傾斜角φとし、この時加速度センサーの検出軸に出力される重力加速度成分を傾斜量Iφとする。重力加速度の傾斜角φによる傾斜量Iφは、次の通り上述した式(1)と同じとなる。
ここで、傾斜量Iφは、傾斜の方向と加速度センサ出力軸を基準方位とした時の仮想平面Pφ上の方向との関係を、基準方向に対して以下の式の通りとする。
計測した1サイクルのデータについて、測定データの順番mを、m=0,1,2,…,mとし、m回目の加速度センサー出力をDmとし、測定の方位角をθmとする。1サイクルのデータ区間の最初の測定方向(基準方位)をm=0とし、最後の測定方向(基準方位)をm=mとする。測定単位区間の基準方向の最初のデータm=0と最後のデータm=mの差を求め、その差をそれぞれの測定データに測定中に、均等に配分して、m回目の測定中の動的誤差を求める。m回目の加速度センサーの出力Dmから動的誤差を引き算する。
上述の通り動的誤差を減算したデータについて、1サイクルの測定区間の中で測定方位が重複している測定値は、同じ方位で平均し、測定方位角毎のデータすることができる。
測定方位毎のデータは、測定方位番号nで区分された測定値Dnと測定方位角θnの組合せとし、それらを図33に示す1次加工データDn’とする。
4.3.3. 処理手順3(静的誤差の測定)
次に、1次加工データの平均値を計算して、静的誤差Dを算出する。ただし、測定方位番号n=0,1,2,…,nであり、測定方位数はnである。
4.3.4. 処理手順4(二次加工データの生成)
1次加工データDn’から静的誤差Dを減算して二次加工データDn”を生成する。この二次加工データを図34に示す。
こうして求められた二次加工データX”mは、測定値Xから動的誤差DxΔTΔT及び静的誤差DFxが減算されたものであり、式(7)からX”m=Iφ・cosθが傾斜誤差として求められる。同様に、式(8)からY”m=Iφ・sinθが傾斜誤差として求められる。
4.3.5. 処理手順5(二次加工データを用いた計算)
測定方位角θnと二次加工データDn”の関係は次式で表される。
測定方位θnは測定条件なので既知数とし、傾斜量Iφ、傾斜方位角θφを未知数A,Bとして、任意のA,Bから二次加工データC”nを推測する。
推定された二次加工データC”nと計測された二次加工データDn”との比Rnを求める。
未知数Bを任意の範囲で調整して、Bが傾斜方位角と等しくなる場合(B=θφ)、次の式が成立し、それぞれの測定方位角におけるこの比は一定の値になる。
これを利用して、任意のBについて二次加工データのそれぞれの測定方位角θnにおける比Rnの分散σを計算し、この分散σが最小となるBmlを、傾斜方位角θφの最尤値とする。
これより傾斜量Iφを算出する。求めた傾斜方位角θφの最尤値Bmlの時の比Rnの相加平均は、未知数Aを1とした時、次のように示される。
B=Bmlの時の相加平均を傾斜量Iφの最尤値とする。図35に示すように、未知数Bを全周の範囲でこの分散σが最小となるBmlを求めると、180度方位差の2方向が求まる。従って、未知数Bを任意の範囲振って分散σを計算する区間は[0〜π]の区間とし、この区間で最尤値となる方位角にπを加算した方位角の近傍の最尤値を算出する。測定値には誤差が含まれるので、算出した2傾斜方位角の平均を求めて、方位角方向とします。この2つの平行な方向に傾斜方位角があり、傾斜の仰角方向を傾斜方位角方向とすると、この算出された2傾斜方向の相加平均が正の整数区間にある方位を傾斜方位角として選択する。
4.3.6. 処理手順6(平均値の計算)
それぞれの測定サイクルをk=1,2,…,k回繰り返して計測したとき、測定サイクルkで得られた計測値を次の通り定義する。
測定精度を向上させるため、全サイクルk=1〜kでの計測値の平均を求める。
4.3.7. 処理手順7(温度依存性の評価)
それぞれの測定サイクルをk=1,2,…として、サイクルの測定区間の温度センサー出力Tmの平均を計算し、Tmをサイクル区間の測定温度とする。kサイクルの測定温度平均値Tkは次の通りとなる。
それぞれの測定サイクルkの平均温度Tkと静的誤差の計測値DFkとの相関から、静的誤差DFkの温度依存性は、図36に示す通りに評価される。図36に示す相関は、次の通り、各項毎に温度特性補正係数を有する二次関数以上(h≧2)の多項式で近似することができる。
4.3.8. 処理手順8(測定結果に対する補正)
加速度センサーの入出力を次の通り定義して、補正を行うことができる。
バイアス補正は、加速度センサーの入出力を次の通り定義して、補正を行うことができる。なお、温度特性相関を更新するために、較正測定時には温度特性補正を行わない。
4.3.9. 更正値の更新処理
次に、図37を参照して、上述した処理手順1〜7に従った更正値の更新動作につて説明する。先ず、加速度センサーに関して、図4に示す水平座標系への関連付け、測定条件等が初期設定される(ステップ1)。個別の測定条件として、例えば図26に示すようにランダムドリフトレートDが最小となる測定条件を設定し(ステップ2)、図26に示す区間A−Bを初期設定する(ステップ3)。その後、図27〜図30に示すようにして加速度センサーを順次回転静止させて測定を行う(ステップ4)。各回転静止毎に、図27〜図30に示す1サイクル区間の定義の判定を実施する(ステップ5)。図27〜図30に示す1サイクル区間が成立していなければ(ステップ6がNO)、ステップ4に戻る。1サイクル区間が成立していれば(ステップ6がYES)、ステップ7に移行する。ステップ7では、加速度センサーの出力Dmから動的誤差を引き算して一次加工データを生成し、さらに1サイクル区間で一次加工データの平均値を生成する。さらに、一次加工データから静的誤差を引き算して二次加工データを求め、二次加工データに基づいて各種の補正値を計算する(ステップ8)。全サイクルについて回転静止位置での測定が終了したか否かが判断され(ステップ9)、ステップ9での判断がNOであればステップ4に戻り、ステップ9での判断がYESであればステップ10に移行する。ステップ10では、統計計算として例えば全サイクルk=1〜kでの計測値の平均が求められ、その統計値が更正値として更新される(ステップ11)。
4.3.10. 傾斜角等の測定
図38は、上述した処理手順1〜8に従った傾斜角、傾斜方位角、傾斜量等の傾斜計測定動作について説明する。図38において、ステップ1〜ステップ11は図37と同じであり、ステップ12が追加されている。図38において、ステップ11にて更正値が更新された後に、傾斜角、傾斜方位角、傾斜量等の傾斜計測定動作が終了したか否かが判断される(ステップ12)。ステップ12での判断がNOであれば、ステップ4に戻って、ステップ4〜ステップ11による傾斜角、傾斜方位角、傾斜量等の傾斜計測定動作が行われる。ここで、図38のステップ10での統計計算では、測定データ及び更正値を用いて傾斜方位角の平均値θφR、傾斜量の平均値IφR、傾斜角の平均値φが求められる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、基準方位に設定した第1静止位置(例えば0度)から少なくとも2つの第2静止位置(例えば、90度、180度、270度)を経て再度基準方位である第3静止位置(360度=0度)にて測定する1サイクルとしたときには、図39及び図40に示すようにして複数サイクルで実施される。
図39に示す例では、0度→90度→180度と反時計回り方向に回転させた後に、180度→90度→0度と時計回転方向に回転させ、逆方向の回転を交互に繰り返している。一方向に連続回転させると内部配線が破綻するからである。また、図39の例では、1サイクル目(0度→90度→180度→0度)と2サイクル目(180度→90度→0→180度)とは、基準方位が0度、180度とそれぞれ異なっている。
一方、図40に示す例では、0度→90度→180→270度と反時計回り方向に回転させた後に、270度→0度と時計回転方向に戻し回転させている。また、図40の例でも、1サイクル目(0度→90度→180度→270度→0度)と、2サイクル目(90度→180度→270度→0度→90度)と、3サイクル目(180度→270度→0度→90度→180度)、4サイクル目(270度→0度→90度→180度→270度)とは、基準方位が0度、90度、180度、270度とそれぞれ異なっている。
図41は、測定開始指令から待ち時間を経てデータ収集する動作フローが示されている。端末PC2から測定端末装置3へ指令後に、測定端末装置3はデータ出力するが、端末PC2はそのデータを取り込まない。待ち時間は、上述した通り、環境温度変動が小さい、安定している時間帯を選択するために設けられている。待ち時間経過後に端末PCに取り込まれるデータは、図41に示すように、所定サイクル毎に平均化することで測定精度を高めることができる。
1 ホスト装置、2 端末装置、3 測定端末装置、4 筐体、4A 設置面、5 回転操作部、6 インジケーター、7 通信装置、8 回転駆動部、10x,10y,10z 加速度センサー、20 記憶装置、30 回転司令部、40 誤差測定部、41 動的誤差測定部、42 静的誤差測定部、43 傾斜誤差測定部、50 傾斜度測定部、51 傾斜角測定部、52 傾斜方位角測定部、60 傾斜バイアス補正部、70 通信装置、XYZ センサー座標系、XrYrZr 絶対座標系、θ 傾斜方位角、φ 傾斜角、Iφ・cosθ,Iφ・sinθ 傾斜誤差、DFx,DFy 静的誤差、DxΔTΔT,DyΔTΔT 動的誤差、X0,X1,X2,…Y0,Y1,Y2… 測定値、X0,X’1,X’2,…Y’0,Y’1,Y’2… 一次加工データ

Claims (14)

  1. 重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の一方の検出軸を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第2測定方位と、前記基準方位に戻した第3測定方位と、の各々に設定した静止状態にて測定される前記直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第3測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定工程と、
    前記第1測定方位及び前記第2測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第3測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する傾斜度測定工程と、
    を有し、
    前記誤差測定工程は、前記第1測定方位及び前記第3測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する工程を含むことを特徴とする傾斜度測定方法。
  2. 請求項1に記載の傾斜度測定方法において、
    前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”とを求め、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”01=(X”−X”)/2と、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記Y軸成分の平均値Y”01=(Y”−Y”)/2とを用いて、Iφ=(X”01 +Y”01 1/2を求め、傾斜角φ=180×Iφ/πを算出することを特徴とする傾斜度測定方法。
  3. 請求項1に記載の傾斜度測定方法において、
    前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”、前記第2測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”と、を求め、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”01=(X”−X”)/2と、前記第1測定方位と前記第2測定方位での重力の前記Y軸成分の平均値Y”01=(Y”−Y”)/2とを用いてIφ=(X”01 +Y”01 1/2を求め、前記X及びY軸成分X”、X”、Y”、Y”をIφで除して正規化して、前記傾斜方位角θを測定することを特徴とする傾斜度測定方法。
  4. 重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から90度離れた第2測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第3測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から270度離れた第4測定方位と、前記基準方位に戻した第5測定方位と、の各々で静止状態にて測定される前記加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の出力を用いて、前記第1〜第5測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定工程と、
    前記第1〜第4測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第5測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する傾斜度測定工程と、
    を有し、
    前記誤差測定工程は、前記第1測定方位及び前記第5測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する工程を含むことを特徴とする傾斜度測定方法。
  5. 請求項4に記載の傾斜度測定方法において、
    前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X=Iφ(sinθ)及びY成分Y=Iφ(cosθ)と、前記第3測定方位での重力のX成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”と、前記第4測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”とを求め、前記第1測定方位と前記第3測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”03=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”03=(Y”−Y”)/2と、前記第2測定方位と前記第4測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”24=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”24=(Y”−Y”)/2とを用いて、Iφ=(X”03 +X”24 1/2またはIφ=(Y”03 +Y”24 1/2を求め、傾斜角φ=180×Iφ/πを算出することを特徴とする傾斜度測定方法。
  6. 請求項4に記載の傾斜度測定方法において、
    前記傾斜度測定工程は、前記直交二軸の検出軸をX軸及びY軸とし、前記傾斜角をφとし、前記傾斜方位角をθとし、前記仮想平面に投影される重力成分をIφとしたとき、前記第1測定方位での重力のX軸成分X”=Iφ(cosθ)及びY軸成分Y”=Iφ(sinθ)と、前記第2測定方位での重力のX軸成分X=Iφ(sinθ)及びY成分Y=Iφ(cosθ)と、前記第3測定方位での重力のX成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”と、前記第4測定方位での重力のX軸成分X”=−X”及びY成分Y”=−Y”とを求め、前記第1測定方位と前記第3測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”03=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”03=(Y”−Y”)/2と、前記第2測定方位と前記第4測定方位での重力の前記X軸成分の平均値X”24=(X”−X”)/2または前記Y軸成分の平均値Y”24=(Y”−Y”)/2とを用いて、Iφ=(X”03 +X”24 1/2またはIφ=(Y”03 +Y”24 1/2を求め、前記X及びY軸成分X”、X”、Y”、Y”をIφで除して正規化して、前記傾斜方位角θを測定することを特徴とする傾斜度測定方法。
  7. 請求項3または6において、
    前記傾斜度測定工程は、前記X及びY軸成分X”、X”、Y”、Y”をIφで除して正規化した、振幅が±1のX及びY軸成分X’‘‘、X’‘‘、Y’‘‘、Y’‘‘をガウス平面の直交座標に変換し、前記傾斜方位角θが前記ガウス平面の第1〜第4象限の何れに存在するかを判定する工程を含むことを特徴とする傾斜度測定方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の傾斜度測定方法において、
    前記検出軸を前記基準方位から回転させて前記基準方位に戻すまでの間の測定を1サイクルとしたとき、サイクル数nを2以上とする場合、nサイクルに亘って測定し、nサイクル目の前記第1測定方位を(n−1)サイクル目の測定方位として兼用することを特徴とする傾斜度測定方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の傾斜度測定方法において、
    前記加速度センサーの前記検出軸は、前記基準方位から第1方向に回転された後に、前記基準方位に向けて、前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転されることを特徴とする傾斜度測定方法。
  10. 重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第2測定方位と、前記基準方位に戻した第3測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手段と、
    前記第1〜第3測定方位にそれぞれ設定された前記加速度センサーの出力を受信する手段と、
    前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第3測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定手段と、
    前記前記第1測定方位及び前記第2測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第3測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手段と、
    を有し、
    前記誤差測定手段は、前記第1測定方位及び前記第3測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定することを特徴とする傾斜度測定装置。
  11. 重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から90度離れた第2測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第3測定方位と、前記法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から270度離れた第4測定方位と、前記基準方位に戻した第5測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手段と、
    前記第1〜第5測定方位にそれぞれ設定された前記加速度センサーの出力を受信する手段と、
    前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第5測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する誤差測定手段と、
    前記前記第1〜第4測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第5測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手段と、
    を有し、
    前記誤差測定手段は、前記第1測定方位及び前記第5測定方位に設定された前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定することを特徴とする傾斜度測定装置。
  12. 請求項10または11に記載の傾斜度測定装置を有することを特徴とする電子機器。
  13. 重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第2測定方位と、前記基準方位に戻した第3測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手順と、
    前記第1〜第3測定方位に設定された前記加速度センサーからの出力を受信する手順と、
    前記第1〜第3測定方位の各々にて、静止状態で測定される前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第3測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する手順と、
    前記第1測定方位及び前記第2測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第3測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手順と、
    をコンピューターに実施させ、
    前記動的誤差を測定する手順は、前記第1測定方位及び前記第3測定方位での前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する手順を含むことを特徴とするプログラム。
  14. 重力方向と交差する仮想平面に直交二軸の検出軸を有する加速度センサーの前記直交二軸の検出軸の一方を、基準方位に設定した第1測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から90度離れた第2測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から180度離れた第3測定方位と、前記仮想平面に対する法線の周りの回転位置にて前記第1測定方位から270度離れた第4測定方位と、前記基準方位に戻した第5測定方位と、の各々に設定する指令を出力する手順と、
    前記第1〜第5測定方位に設定された前記加速度センサーからの出力を受信する手順と、
    前記第1〜第5測定方位の各々にて、静止状態で測定される前記加速度センサーの出力を用いて、前記第1〜第5測定方位の各々で異なる動的誤差を測定する手順と、
    前記第1〜第4測定方位の各々の測定方位に設定された前記加速度センサーの出力から、前記動的誤差と、前記第1〜第5測定方位の各々で実質的に一定の静的誤差とが除去された、前記仮想平面が水平面に対して傾斜する傾斜角及び傾斜方位角に依存するデータに基づいて、前記傾斜角及び前記傾斜方位角の少なくとも一方を測定する手順と、
    をコンピューターに実施させ、
    前記動的誤差を測定する手順は、前記第1測定方位及び前記第5測定方位での前記加速度センサーの出力の差分に基づいて、前記動的誤差を測定する手順を含むことを特徴とするプログラム。
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