JP5193516B2 - 投射型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源からの光を液晶パネルに照射し、該液晶パネル上に形成した光学像である画像を投射レンズで拡大して投射する投射型表示装置に関する。
特開2004−77850号公報には、液晶表示素子の入射側もしくは出射側の少なくとも何れか一方に偏光板を備え、該偏光板に金属粒子を含有する偏光硝子の構成が開示されている。
特開2006−259282号公報の図3及び図4(a)には、色合成プリズム14とそれぞれの透光基板29に狭持され、それぞれのフレーム部材30によって上下のホルダ部材28a、28bに押圧固定された出射側偏光板18の構成が開示されている。また、特開2006−259282号公報の図8には、下側ホルダ部材28dには、ピンフィンタイプのヒートシンク38が接続された構成が開示されている。
特開2004−77850号公報 特開2006−259282号公報
一般に、投射型表示装置に用いられる偏光素子は、高温になると、熱収縮による色ムラや、寿命の低下(例えば偏光度の劣化)といった問題が発生する。
特開2004−77850号公報に記載の金属粒子を含有する偏光硝子は、一般的に、偏光素子を透明基板に貼り合せた偏光板に比べコストが高いが、耐熱温度に優れている。例えば、G光路の出射側偏光板に偏光硝子を配置した場合、コスト低減のために有機の補助偏光板は削除するので、偏光硝子の中心温度は200度になる場合がある。この偏光硝子からの輻射熱は、偏光硝子を保持する構造部品及び液晶パネルへ熱的影響を与え、光学的性能の低下を招く要因となる。
そこで、偏光硝子からの輻射熱の影響を小さくするために、偏光硝子を液晶パネルから遠ざけ、かつ、構造部品で保持する必要が無い様に、偏光硝子を色合成素子に貼り付ける必要がある。
しかし、色合成素子に貼り付けたR光用、G光用、B光用の出射側偏光板の内、有機の偏光フィルムを使用した光路に関しては、偏光硝子の熱が色合成素子を伝わって、偏光フィルムに伝わり、偏光フィルムの温度を上昇させ、熱収縮による色ムラや、寿命の低下といった問題が発生する。
また、有機の偏光フィルムを適用する光路に関しては、偏光フィルムをサファイア等の基板に貼り付け、色合成素子から分離して、保持する方法もある。しかしながら、有機の偏光フィルムを使用する光路には、補助偏光板が既に存在するため、出射側偏光板を色合成素子から分離するための空間が無く、無理に分離すれば、高性能のファンの使用が必須となり、コストの増大を招く。
また、特開2006−259282号公報のように、ホルダ部材に接触するヒートシンクを冷却することにより、偏光板を冷却する方法もあるが、システムが大掛かりでコストが増大するとともに、フレーム部材が偏光板と接触する領域は偏光板の端の領域のみであるため、偏光板の中心と偏光板の端での温度差が大きく、熱収縮による色ムラが発生する。
本発明は、上記した実情に鑑みて成されたもので、コストの大幅な増大を抑えるとともに、偏光板の熱収縮による色ムラを発生させることなく、偏光板の信頼性を向上させることが可能な投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一面は、出射側偏光素子に異方性形状の金属粒子を含有する偏光硝子を使用し、該偏光硝子の光入射側に透光性基板を貼りあわせる。
本発明によれば、コストの大幅な増大を抑えるとともに、偏光板の熱収縮による色ムラを発生させることなく、偏光板の信頼性を向上させた投射型表示装置を提供することができる。
以下、実施例について、図を参照して説明する。なお、各図において、同一な部分には同一符号を付して、一度説明したものについては、その説明を省略する。
まず、図3を用いて、実施例1の投射型表示装置の光学系について説明する。図3は、実施例1の投射型表示装置の光学系を示す図である。
図3において、投射型表示装置の光学系は、光源ユニット1と、照明光学ユニット100と、3つの映像表示素子としての液晶パネル19(19R,19G,19B)と、色合成素子としてのダイクロイックプリズム22と、投射ユニットとしての投射レンズ23とを備えている。液晶パネル19(19R,19G,19B)は、それぞれ、入射側に入射側偏光板18(18R,18G,18B)を有し、R,B光路の出射側に補助偏光板14(14R,14B)と出射側偏光板21(21R,21B)を有し、G光路の出射側に出射側偏光板21Gを有している。そして、これらの光学素子は、図示しない基体に装着されて、光学ユニット(図示せず)を構成し、この光学ユニットは、液晶パネルを駆動する駆動回路(図示せず)や電源回路(図示せず)と共に、図示しない筐体に搭載され、投射型表示装置を成す。なお、実施例1では、偏光板14(14R,14B)と、出射側偏光板21R,21Bは、有機の偏光フィルムであり、出射側偏光板21Gは、異方性形状の金属粒子を含有する偏光硝子であるものとする。
照明光学ユニット100は、光源からの光の照度分布の一様化(均一化)を図ると共に、偏光方向を所定偏光方向に統一し、光源からの略白色光を例えば3原色光(R光,G光,B光)に色分離して、対応する色光の液晶パネルに照射する光学系である。すなわち、照度分布の一様化を行うインテグレータを成す第1アレイレンズ3及び第2アレイレンズ4と、偏光方向を所定偏光方向に揃える偏光変換素子5と、集光レンズ(重畳レンズともいう)6と、光路方向を変える反射ミラー7と、色分離光学系である色分離素子としてのダイクロイックミラー11,12及び光路方向を変える反射ミラー10と、コンデンサレンズ13(13R,13G,13B)と、リレー光学系を成すリレーレンズ15,16及び光路方向を変える反射ミラー8,9とを含んでなる。なお、コンデンサレンズ13Bは、リレー光学系の出射側レンズを形成する。
光源ユニット1は、光源(ランプともいう)1aと、リフレクタ1bとから成る。光源1aは、例えば、超高圧水銀ランプの略白色ランプである。また、リフレクタ1bは、光源1aを背後側から覆うように配置された、例えば、回転放物面形状の反射面を有するもので、円形乃至多角形の出射開口を持つ。
光源1aから出射した光は、例えば、回転放物面鏡であるリフレクタ1bで反射されて平行光に変換され、照明光学ユニット100に入射する。
照明光学ユニット100に入射した光は、まず照度分布の一様化(均一化)を行う第1アレイレンズ3と第2アレイレンズからなるインテグレータに入射する。
第1アレイレンズ3及び第2アレイレンズ4は、それぞれ、照明光軸方向から見て液晶パネルと略相似な矩形形状を有する複数のレンズセルがマトリックス状に配置されたものである。
第1アレイレンズ3は、光源ユニット1から入射した光をレンズセルで複数の光に分割して、効率よく第2アレイレンズ4と偏光変換素子5を通過するように導く。即ち、第1アレイレンズ3は光源1aと第2アレイレンズ4の各レンズセルとが互いに物体と像の関係(共役関係)になるように設計されている。
第1アレイレンズ3と同様に、マトリックス状に配設された複数のレンズセルを持つ第2アレイレンズ4は、レンズセルそれぞれが対応する第1アレイレンズ3のレンズセルの形状を液晶パネル19(19R,19G,19B)に投影(写像)する。
この時、偏光変換素子5で第2アレイレンズ4からの光は所定の直線偏光光(ここではS偏光光)に統一される。そして、第1アレイレンズ3の各レンズセルの投影像は、それぞれ集光レンズ6、反射ミラー7及びコンデンサレンズ13R,13G、リレー光学系(リレーレンズ15,反射ミラー8,リレーレンズ16、反射ミラー9),コンデンサレンズ13Bにより各液晶パネル19(19R,19G,19B)上に重ね合わせられる。
なお、第2アレイレンズ4とこれに近接して配設される集光レンズ6とは、第1アレイレンズ3と液晶パネル19(19R,19G,19B)とが、互いに物体と像の関係(共役関係)になるように設計されているので、第1アレイレンズ3で複数に分割された光束は、第2アレイレンズ4と集光レンズ6によって、液晶パネル19(19R,19G,19B)上に重畳して投影され、実用上問題のないレベルの均一性の高い照度分布の照明が可能となる。
その過程で、集光レンズ6で集光されたS偏光光の白色光は、反射ミラー7で反射されて、色分離光学系に入射する。実施例1の色分離光学系は、ダイクロイックミラー11とダイクロイックミラー12と反射ミラー10とを含んでなり、入射する白色光を光の3原色の色光に色分離する。例えば、第1の色光であるR光(赤色帯域の光)と、第2の色光であるG光(緑色帯域の光)と、第3の色光であるB光(青色帯域の光)とに色分離する。そして、色分離した各色光を対応する液晶パネル19(19R,19G,19B)に向かうそれぞれの光路(第1の色光のR光路,第2の色光のG光路,第3の色光のB光路)に導光する。すなわち、ダイクロイックミラー11により、例えば、R光は反射され、対応する液晶パネル19R(R光路)に向かう。また、G光及びB光は、ダイクロイックミラー11を透過し、ダイクロイックミラー12でG光とB光に分離される。ここでは、G光は、ダイクロイックミラー12で反射して対応する液晶パネル19G(G光路)に向かい、B光は、ダイクロイックミラー12を透過して対応する液晶パネル19B(B光路)に向かう。
ダイクロイックミラー11で反射したR光は、反射ミラー10で反射されて光路方向を変更され、コンデンサレンズ13Rを介してR光用の液晶パネル19Rの入射側偏光板18Rに入射する。入射側偏光板18Rには、偏光フィルム(図示せず)の直前に位相を90度回転するλ/2板(図示せず)が配置されており、λ/2板でS偏光光がP偏光光に変換される。入射側偏光板18Rの偏光フィルムは、S偏光光を吸収、P偏光光を透過する方向に配置されているため、入射側偏光板18Rで透過軸方向のP偏光光の純度が高められ、R光用の液晶パネル19Rに照射される。液晶パネル19Rでは、R光のP偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、S偏光光の光学像を形成した光(以下、「光学像光」という)として出射される。液晶パネル19Rから出射されたR光のS偏光光(光学像光)は、有機の偏光フィルムである補助偏光板14Rと出射側偏光板21Rに順次入射する。そして、それらの透過軸方向の偏光光成分が透過されることで偏光方向が揃えられ、色合成素子としてのダイクロイックプリズム22に入射する。
一方、ダイクロイックミラー11を透過したG光及びB光のS偏光光は、さらに、ダイクロイックミラー12に約45゜の入射角で入射し、ダイクロイックミラー12で、G光のS偏光光は反射され、B光のS偏光光は透過される。反射されたG光のS偏光光は、コンデンサレンズ13Gを介してG光用の液晶パネル19Gの入射側偏光板18Gに入射する。
G光のS偏光光は、入射側偏光板18Gにおいて入射側偏光板18Gの透過軸方向のものが透過されることで偏光方向を揃えられ、G光用の液晶パネル19Gに照射される。液晶パネル19Gでは、G光のS偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、G光のP偏光光の光学像を形成した光(光学像光)として出射される。液晶パネル19Gから出射されたG光のP偏光光(光学像光)は、透光性基板29を介して、異方性形状の金属粒子を含有する偏光硝子である出射側偏光板21Gに入射する。そして、出射側偏光板21Gでは、その透過軸方向の偏光光成分が透過されることで偏光方向が揃えられ、ダイクロイックプリズム22に入射する。
また、ダイクロイックミラー12を透過したB光のS偏光光は、リレーレンズ15を経て反射ミラー8で反射され、さらにリレーレンズ16を経て反射ミラー9で反射され、コンデンサレンズ18Bを介してB光用の液晶パネル19Bの入射側偏光板18Bに入射する。入射側偏光板18Bは、偏光フィルム(図示せず)の直前に位相を90度回転するλ/2板(図示せず)が配置されており、λ/2板でS偏光光がP偏光光に変換される。入射側偏光板18Bの偏光フィルムは、S偏光光を吸収、P偏光光を透過する方向に配置されているため、入射側偏光板18Bで透過軸方向のP偏光光の純度が高められ、B光用の液晶パネル19Bに照射される。液晶パネル19Bでは、B光のP偏光光が透過時に映像信号に基づいて変調され、B光のS偏光光の光学像を形成した光(光学像光)として出射される。液晶パネル19Bから出射されたB光のS偏光光(光学像光)は、有機の偏光フィルムである補助偏光板14Bと出射側偏光板21Bに入射する。そして、それらの透過軸方向の偏光光成分が透過されることで偏光方向が揃えられ、ダイクロイックプリズム22に入射する。
色合成素子としてのダイクロイックプリズム22は、R光を反射するダイクロイック膜(誘電体多層膜)と、B光を反射するダイクロイック膜(誘電体多層膜)とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状(クロス状)に形成されたものである。そして、3色光の各光学像を合成してカラー映像光(画像光)とする機能を有する。ダイクロイックプリズム22の3つの入射面の内、対向する入射面に入射したR光のS偏光光(光学像光)とB光のS偏光光(光学像光)は、クロスしたR光用のダイクロイック膜及びB光用のダイクロイック膜でそれぞれ反射され、また、中央の入射面に入射したG光のP偏光光(光学像光)は直進して、カラー映像光として合成され、出射面から出射する。その後、投射レンズ23によりスクリーン(図示せず)などに映像光として拡大投射される。
以上説明した投射型表示装置においては、変調信号が白信号の場合、出射側偏光板21による吸収はわずかであるため、出射側偏光板の温度上昇は少ない。しかし、変調信号が黒信号の場合、液晶パネルでの偏光回転が起こらないため、補助偏光板14、出射側偏光板21により、ほぼ全ての光が吸収されるため、出射側偏光板の温度が上昇する。
この出射側偏光板の温度上昇を軽減するため、一般に、出射側偏光板21(21R,21G,21B)は、ダイクロイックプリズム22の対応する入射面に、図示しない接着剤で貼着されている。これにともない、出射側偏光板21で生じた熱はダイクロイックプリズム22に移動し、出射側偏光板21の温度上昇が軽減される。
また、液晶パネル19を冷却すると共に、偏光板14,21を冷却するファン27が設けられている。ファン27からの風が風路28を通り、偏光板、液晶パネルに風34(34R,34G,34B)として吹き付けられ、冷却している。
しかし、高輝度化と投射型表示装置の小型化が進むにつれて、補助偏光板の追加やファンだけでは出射側偏光板の温度上昇の抑制が困難となりつつある。特に、G光がもつ光エネルギーは他の色光より大きく、G光路の出射側偏光板の温度上昇を抑えることは特に難しい。
そこで、出射側偏光板として、特開2004−77850号公報に記載の偏光硝子を用いることを考えた。しかし、単に有機の偏光フィルム構成の偏光板に代えて、偏光硝子を用いれば、図2で後述する問題が生じる。
なお、偏光板の温度劣化を考慮すれば、RGB全光路に金属粒子を含有する偏光硝子を使用することが望ましい。しかし、現在、偏光硝子は高価であるため、実施例1では、偏光板の劣化によるコントラスト低下の問題が顕著に発生する、G光路の出射側のみに偏光硝子を使用するものとする。勿論、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、有機の偏光フィルムの偏光板に代えて、偏光硝子を使用した場合の問題について、図2を用いて説明する。
図2は、G光路の出射側偏光板のみ偏光硝子とした場合における、ダイクロイックプリズム22周辺の部品の配置を示す図である。
図2において、R,B光路の出射側偏光板21R,21Bは、有機の偏光フィルムで形成されている。また、G光路の出射側偏光板21Gは、異方性形状の金属粒子を含有する偏光硝子で形成されている。出射側偏光板21R,21G,21Bは、何れもダイクロイックプリズム22の対応する入射面に貼り付けられている。
R,B光路の出射側偏光板21R,21Bは、図3で示したように、その前に補助偏光板14R,14が設けられ、光吸収量の分担がなされるため、熱の発生が軽減されている。しかし、G光路の出射側偏光板21Gは、その前に補助偏光板が配置されないため、熱の発生量が出射側偏光板21R,21Bに比べて非常に大きい。
G光路の出射側偏光板21Gで生じた高温の熱は、矢印で示すように、一つはダイクロイックプリズム22の方向に伝わる熱32となり、他方は風34Gが流れる空間の方向に伝わる熱33となる。このとき、空間よりも、ダイクロイックプリズム22を成す硝子の方に熱が伝わり易いため、熱32の方が大きくなる。そのため、有機の偏光フィルムである出射側偏光板21R,21Bが熱32の影響を受け、温度が下がらず、場合によっては温度が上昇し、出射側偏光板21R,21Bの性能が劣化する懸念がある。
図1は、実施例1のダイクロイックプリズム22周辺の部品の配置を示す図である。
図1においても、図2と同様、R,B光路の出射側偏光板21R,21Bは有機の偏光フィルムであり、G光路の出射側偏光板21Gは異方性形状の金属粒子を含有する偏光硝子である。また、出射側偏光板21R,21G,21Bは、何れもダイクロイックプリズム22の対応する入射面に貼り付けられている。
さらに、実施例1では、偏光硝子の出射側偏光板21Gの上(液晶パネル19G側)に、ダイクロイックプリズム22よりも熱伝導率の高い透光性基板29が図示しない接着剤を用いて貼り付けられている。このとき、偏光硝子の出射側偏光板21Gで吸収した光が熱に変換され、周囲に伝わる様子を矢印で示している。
出射側偏光板21Gで発生する熱は、透光性基板29の方向に伝わる熱31と、ダイクロイックプリズム22の方向に伝わる熱30とになる。しかし、実施例1では、図2の場合と異なり、ダイクロイックプリズム22よりも、透光性基板29の方が熱伝導率が高いため、熱31の方が熱量が大きい。また、透光性基板29が出射側偏光板に直接貼り付けられているため、かつ、補助偏光板を用いないので、偏光板周辺(具体的には、液晶パネル19Gと透光性基板29との間)に十分な空間が確保できる(図3参照)。これにより、透光性基板29に伝わった熱31を、風34Gで一様に効率的に逃がすことができる。その結果、出射側偏光板21Gが効率よく冷却されることになる。従って、出射側偏光板21R,21Bに対するダイクロイックプリズム22を介しての出射側偏光板21Gの熱30の影響が低減される。
すなわち、実施例1によれば、偏光硝子の出射側偏光板21Gで発生した熱は、透光性基板29を伝わり、風34Gにより、効率的に放熱されるため、有機の偏光フィルムである出射側偏光板21R、21Bの温度上昇を防ぐことができる。つまり、出射側偏光板21R,21Bの温度ムラが低減され、熱収縮による色ムラも低減されることになる。
ここで、偏光硝子の出射側偏光板21Gと同様に、有機の偏光フィルムである出射側偏光板21R,21Bの入射側に、透光性基板を貼り冷却する方法も考えられる。しかし、有機の偏光フィルムを使用するR,B光路には、補助偏光板14R,14Bが既に存在しているため、透光性基板を貼るとファンからの風を通過させる空間が狭くなり、結局、出射側偏光板21R,21Bを効率的に冷却できない。また、ダイクロイックプリズム22に貼り付けた、有機フィルムの出射偏光板21R,21Bに、更に透光性基板を貼り付けると、有機フィルムは硬度が低いため、透光性基板の自重で引っ張られて、歪みが発生し、色ムラの原因となる。そこで、偏光硝子の出射側偏光板21Gに透光性基板29を貼り付け、透光性基板29から熱31を逃がす方法が、最適である。
ダイクロイックプリズムとしては、一般的に、安価なBK7(熱伝導率〜1W/(m・K))が使用されるため、偏光硝子に貼り付ける透光性基板としては、水晶基板(熱伝導率〜8W/(m・K))やサファイア基板等(熱伝導率〜42W/(m・K))が考えられる。
以上述べたように、実施例1によれば、白色光をR,G,Bの3色に色分離する色分離ユニットと、各色の映像信号に応じて変調する液晶パネルと、液晶パネルの映像を拡大投影する投射ユニットを有する光学ユニットにおいて、コストの増大を抑えながら、偏光板の熱収縮による色ムラを発生させることなく、偏光板の信頼性を向上させた投射型表示装置を提供することができる。
なお、実施例1では、出射側偏光板21Gのみに偏光硝子を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、出射側偏光板21Bのみ偏光硝子の場合、出射側偏光板21Rのみ偏光硝子の場合、出射側偏光板21R,21Gが偏光硝子の場合、出射側偏光板21G,21Bが偏光硝子の場合、出射側偏光板21R,21Bが偏光硝子の場合にも適用できることは言うまでもない。
実施例1の偏光板を示す図。 G光路の出射側偏光板のみ偏光硝子とした場合における偏光板を示す図。 実施例1の投射型表示装置の光学系の模式図。
符号の説明
1…光源ユニット、1a…光源、1b…リフレクタ、3…第1アレイレンズ、4…第2アレイレンズ、5…偏光変換素子、6…集光レンズ、7,8,9,10…反射ミラー、11,12…ダイクロイックミラー、13(13R,13G,13B)…コンデンサレンズ、14R,14B…補助偏光板、15,16…リレーレンズ、19(19R,19G,19B)…液晶パネル、18(18R,18G,18B)…入射側偏光板、21(21R、21G、21B)…出射側偏光板、22…ダイクロイックプリズム、23…投射レンズ、27…ファン、28…風路、29…透光性基板、30,31,32,33…熱、34(34R、34G、34B)…風、100…照明光学ユニット。

Claims (3)

  1. 白色光を出射する光源ユニットと、
    前記光源ユニットからの白色光を所定の偏光方向に統一する偏光変換素子と、
    前記偏光変換素子からの白色光を第1、第2及び第3の光に分離する分離ユニットと、
    前記第1、第2及び第3の光の各々に対応して配置され、前記第1、第2及び第3の光を光学像に変調する第1、第2及び第3の映像表示素子と、
    前記第1、第2及び第3の映像表示素子の各々の出射側に配置された第1、第2及び第3の出射側偏光素子と、
    前記第1、第2及び第3の出射側偏光素子からの光を合成する合成素子と、
    前記合成素子で合成された光を投射する投射ユニットとを備え、
    前記第1の光は緑、前記第2の光は赤、前記第3の光は青であり、
    前記第1出射側偏光素子異方性形状の金属粒子を含有する偏光硝子であり、
    前記第2及び第3の出射側偏光素子は有機の偏光フィルムであり、
    前記偏光硝子の光入射側に、前記合成素子の熱伝導率よりも熱伝導率が高い透光性基板が貼り付けられている、投射型表示装置。
  2. 前記第1、第2、及び第3の出射側偏光素子は、前記合成素子に貼り付けられている、請求項1記載の投射型表示装置。
  3. 前記合成素子は、ダイクロイックプリズムである、請求項1又は2記載の投射型表示装置。
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