JP5192824B2 - 改良された自己融着ループ面ファスナー - Google Patents

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Description

本発明は、ループ面ファスナーに関する。さらに詳しくは、面ファスナー基布を構成する繊維とループ糸の融着によりループ係合素子が固定されており、いわゆるバックコート層を有さない自己融着ループ面ファスナーに関する。
繊維を製織または編成して得られた基布の片面に係合素子を立設した面ファスナーは、布製の面ファスナーとして広く使用されている。
通常、布製面ファスナー、例えばループ面ファスナーは、編成または製織された基布の地組織とその上に形成されるループ糸からなり、地組織を形成する繊維とループ糸は地組織の裏面に付与されるバックコート層、代表的にはポリウレタン層により固定される。かかる構造により、ループ糸は地組織に対して確実に固定され、長期間の使用や洗濯にも耐えることができる。
しかし、該バックコート層を付与する技術は、追加の資材、工程が必要であるために、面ファスナーの製造コストを上げる一因となっている。また、バックコート層は液状で付与されるために溶媒が必要である。溶媒として広く使用される有機溶媒は揮発して環境を汚染する。近年の環境負荷軽減の観点、および作業員の衛生上好ましくない。
かかる問題を解決するために、従来、バインダー繊維の融着により係合素子を地組織に固定した自己融着面ファスナーが提案されている。しかしながら、これら面ファスナーは、該バインダー繊維と面ファスナーの係合素子を形成するパイル繊維とがある程度は融着されているものの、融着は十分でなく、長期間の使用には耐えられない問題があった(特許文献1〜3参照)。
さらに、特許文献4は、布製面ファスナーのループ状係合素子糸に低融点融着性の絡み糸を添装し、絡み糸を溶融してループ状係合素子糸を地組織糸に融着固定する技術を開示している。該技術は、地経糸の一部、即ちループ状係合素子糸に隣接する経糸にバインダー繊維を用い、該バインダー繊維を溶融することにより地緯糸とループ状係合素子糸を融着固定する技術である。
特許文献4の技術は、「ループ状係合素子糸が基布と交錯している部分、即ち、絡み糸との交絡点を基布に固定する」ように構成するものであり、特許文献4の図1〜3から明らかなように、ループ状係合素子糸と絡み糸は交差して配置されている。従って、該技術はループ状係合素子糸と経糸が交差する従来の技術の一つである。特許文献4には、絡み糸にバインダー繊維を使用した構造、および、さらにループ状係合素子糸および絡み糸に隣接した経糸にもバインダー繊維を使用した構造が開示されている。このような構造の面ファスナーは、ループ状係合素子糸近傍以外の地組織部分にはバインダー繊維が存在せず、その部分では基布繊維は実質的に固定されていない。従って、該構造では、面ファスナー全体としての地組織の固定耐久性に劣り、地組織の繊維が移動しやすく、面ファスナーの変形を起こしやすい。
特開平1−250434号公報 特開平5−115312号公報 特開2003−144208号公報 特開2001−238708公報
本発明者らは、上記技術につきさらに検討を進めた結果、マルチフィラメント糸からなるループ糸を係合素子とするループ面ファスナーにおいては、バインダー繊維の自己融着によるループ糸の固定が不十分で、面ファスナーの係合脱着を繰り返すとループ糸の一部が抜ける問題があることを見出し、その解決が自己融着面ファスナーの改善に不可欠であることを認めた。
本発明は、上述の問題を解決するものであり、その目的はループ面ファスナーにおいて、ループ糸の融着固定および固定状態の耐久性を改善した面ファスナーを提供することにある。
すなわち本発明は、地経糸および地緯糸から形成される基布の片面に、経糸方向に延在するマルチフィラメントループ糸により形成された多数のループ係合素子が立設し、かつ該地緯糸との融着により該マルチフィラメントループ糸が基布に固定されてなる自己融着ループ面ファスナーであって、該地経糸と該マルチフィラメントループ糸が互いに交差しないように配置されていることを特徴とする自己融着性ループ面ファスナーである。
従来のループ面ファスナーにおける地組織糸とループ糸の配置を示す平面斜視図。 本発明の自己融着ループ面ファスナーの地組織糸とループ糸の配置を示す平面斜視図。
本発明のループ面ファスナーは、基布を構成する地組織糸が溶融し、ループ係合素子を構成するマルチフィラメントループ糸を基布に融着固定する自己融着ループ面ファスナーであり、バックコート剤が実質的に必要ない。本発明の自己融着ループ面ファスナーは、基布の地緯糸としてバインダー繊維を用い、該地緯糸を溶融させ、ループ係合素子となるマルチフィラメントループ糸を固定させる構造とすることが望ましい。
通常、布製面ファスナーの繊維としては、強度、弾性、変形回復性などの点からポリアミド系繊維またはポリエステル系繊維が主として使用されている。これらの繊維を布製面ファスナーの基布および係合素子を構成する繊維として編成または織製し、面ファスナーを作製する。面ファスナーを形成する繊維をバインダー繊維で融着することは公知であるが、ポリエステル系のバインダー繊維を使用した公知の面ファスナーでは前記した問題があった。バインダー繊維としては、上記の低融点ポリエステル系繊維の他、低融点のポリアミド系繊維やポリオレフィン系繊維も公知であるが、従来のバインダー繊維を用いた面ファスナーの構成繊維の融着が不十分であるか、基布の硬化が激しいなどの理由により、充分な品質水準に達するものではなかった。
本発明者らは、特に地組織糸と、係合素子を構成する繊維の融着が難しいとされるループ面ファスナーの織組織を検討した結果、地組織糸とループ糸の配置を特定なものにすることにより、地組織糸とマルチフィラメントループ糸との融着固定が大きく改善されることを見出した。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、従来のループ面ファスナーにおける地組織糸(地経糸および地緯糸)とループ糸の配置を示す平面斜視図である。
図1において地経糸1、2、3、4、5・・・と地緯糸11、12、13、14・・・は通常の織組織の面ファスナー基布を構成する。マルチフィラメントからなるループ糸L1、L2は、ループ(ループ係合素子)P1、P2、P3、P4を形成しつつ、隣接する地経糸と跨ぐように交差するように配置される。すなわち、図1に示すように、ループ糸L2は、地経糸5の左側から基布表面上に突出し、ループP4を形成した後、地経糸5の右側から、すなわち、地経糸5と交差した後、地緯糸の下へと延びる。その後ループ糸L2は、地緯糸との交差点で交互に浮沈しながら地経糸5の右側を地経糸5に沿って延びる。次いで、ループ糸L2は地経糸5の右側から再び基布表面上に突出してループP3を形成し、地経糸5の左側から(地経糸5と交差して)地緯糸13の下へと延びる。かかる交差構造を設けることで、地経糸とループ糸とが接触する部分でループ糸が拘束を受け、ループの位置が安定すると同時に、地緯糸をバインダー繊維とした場合には、溶融部分においてループ糸に溶融した樹脂がよく進入すると従来考えられていた。
しかし実際に図1の構造、すなわち、ループ糸が地経糸と跨ぐように交差する構造の自己融着ループ面ファスナーは、バインダー繊維によるループ糸の固定が不十分で、係合/脱着耐久性が劣っていた。
図2は、本発明の自己融着ループ面ファスナーの地組織糸(地経糸および地緯糸)とループ糸の配置を示す平面斜視図である。図2において、地経糸1、2、3、4、5・・・は、地緯糸11、12、13、14・・・とその上下で交差するが、ループ糸L1、L2とは交差することがない。すなわち、地経糸とマルチフィラメントループ糸とは互いに交差しないように配置されている。図2に示したように、例えば、ループ糸L2は地経糸5の左側から基布表面上に突出し、ループP4を形成した後、地経糸5を跨ぐことなく(交差することなく)地経糸5の左側から地緯糸の下へと延びる。その後ループ糸L2は、地緯糸との交差点で交互に浮沈しながら地経糸5の左側を地経糸5に沿って延びる。ループ糸L2は地経糸5の左側から再び基布表面上に突出してループP3を形成し、地経糸5を跨ぐことなく(交差することなく)地経糸5の左側から地緯糸14の下へと延びる。このように本発明においてはマルチフィラメントループ糸は、面ファスナーの長さ方向(経糸方向)に沿って、隣接する地経糸を跨ぐことなく織り込まれている。
従来は、かかるルーズな構成では、ループ糸が地組織に拘束されず容易に移動するため、面ファスナーの構造が弱くなると考えられていた。しかし、本発明者らの検討によれば、バインダー繊維の溶融樹脂量は地組織の構造に拘わらずほぼ一定であるので、図1の構造のようにループ糸とバインダー繊維との交差点において、ループ糸に隣接する地経糸もバインダー繊維の同じ側に接触している、すなわち、バインダー繊維との交差点においてループ糸が隣接地経糸と接触していると溶融樹脂が広く分布してしまう。その結果、必要とするループ糸への溶融樹脂の進入が少ない結果となることが判明した。
図2の構造においては、ループ糸とバインダー繊維との交差点において、隣接する地経糸はループ糸とは逆の側からバインダー繊維に接触している。従って、バインダー繊維との交差点において、ループ糸は地径糸と接触していないので、溶融樹脂はループ糸だけに進入する。その結果、ループ糸は地緯糸に対して強固に融着固定される。地経糸もバインダー繊維との交差点において、ループ糸と接触しないので、地経糸と地緯糸との融着も強固であり、地組織の構造が安定になる。従来望ましくない結果が得られると考えられていた地組織を採用しているにも拘わらず、本発明では予想に反して上記のような優れた効果が得られた。
本発明の自己融着ループ面ファスナーにおいて、地経糸(マルチフィラメントループ糸を含む)の密度は、80〜250本/インチが好ましく、100〜220本/インチがより好ましい。地緯糸の密度は、20〜70本/インチが好ましく、30〜60本/インチがより好ましい。マルチフィラメントループ糸の密度は、20〜50本/インチが好ましく、25〜35本/インチがより好ましい。
なお、実際のループ面ファスナーとしては、その両端部にはマルチフィラメントループ糸が存在していないような構造が好ましい。例えば織物の両端それぞれ2〜6mmはマルチフィラメントループ糸が存在せず、経糸はマルチフィラメントループ糸が存在しない地経糸のみから構成されているのが、強度等の点で好ましい。
従来のループ面ファスナーにおいては、マルチフィラメントループ糸は、地経糸と一緒に合糸した後、地織組織に製織されていた。これはマルチフィラメントループ糸だけでは弱く、ループの安定性や、マルチフィラメント糸の引抜抵抗を高めるために有効であったためである。しかし、バインダー繊維によってマルチフィラメントループ糸を融着固定する場合、マルチフィラメントループ糸と合糸された地経糸が溶融バインダー樹脂を消費するので、マルチフィラメントループ糸に進入する溶融バインダー樹脂の量が少なくなり、マルチフィラメントループ糸がバインダー繊維に融着固定されるのを妨害する要因となる。
本発明によれば、地経糸と合糸することなくマルチフィラメントループ糸を単独で使用しても、マルチフィラメントループ糸は強固に融着固定され、補強のための地経糸がなくても、ループの安定性とマルチフィラメントループ糸の引抜抵抗が充分高くなる。マルチフィラメントループ糸と地経糸が合糸されている従来の組織では、マルチフィラメントループ糸が地経糸の上に重なったり、地経糸の両側に移動してループの足元位置が不安定になりやすい。しかし、本発明の組織では、マルチフィラメントループ糸と地経糸が合糸されていないため、ループ足元位置が安定し、均一なループ(ループ係合素子)が形成可能である。また、マルチフィラメントループ糸と、バインダー繊維である地緯糸とが各交差点で強固に融着固定されるために、従来予想された欠陥が防止される。なお、ループの高さは1〜4mmが好ましく、2〜3mmが係合維持の点でさらに好ましい。
以下、図1および図2を参照して、上記構造の相違をさらに詳しく説明する。
図1のマルチフィラメントループ糸L2は、ループ部分P3、P4を除く地組織部分においては地経糸5(斜線にて示す)と引き揃えられた状態で存在している。従って、マルチフィラメントループ糸L2と地経糸5は、地緯糸との各交差点で密接して存在する。地緯糸であるバインダー繊維が溶融すると、溶融した樹脂は両繊維に移行するのでマルチフィラメントループ糸L2へ進入する量が少なくなる。更に、マルチフィラメントループ糸L2は、隣り合う2本の地経糸のいずれか一方と地緯糸に対する浮沈状態が同一であるため、バインダー繊維を溶融しても、浮沈状態が同一である地経糸と接する側のマルチフィラメントループ糸L2は殆ど固定されず、必然的にループの固定も劣ることとなる。
一方、本発明による図2の組織では、マルチフィラメントループ糸L2と地経糸5は、地緯糸との交差点において密接して存在することはない。例えば、図2に示すように、地緯糸との各交差点において、マルチフィラメントループ糸L1と、隣り合う2本の地経糸2及び3の地緯糸に対する浮沈状態は逆である。すなわち、地緯糸との各交差点において、マルチフィラメントループ糸L1は地緯糸の上に浮いているが、地経糸2及び3の双方は地緯糸の下に沈んでいる、あるいはその逆である。バインダー繊維(地緯糸)とマルチフィラメントループ糸L1との各交差点でバインダー繊維が溶融すると、溶融した樹脂はマルチフィラメントループ糸L1だけに進入する。この結果、、図1の構造に比してマルチフィラメントループ糸L1への進入量が多くなり、更に個々のマルチフィラメントループ糸が隣接地経糸と接触することなく地緯糸により融着固定されるから、図1の構成に比してループ糸の融着固定が強固となる。
本発明の自己融着ループ面ファスナーに用いる繊維(地経糸、地緯糸およびループ糸)は、面ファスナーに必要な性能を有するものであれば制限がなく、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、およびそれらの組み合わせが使用できる。もちろんバインダー繊維以外は、バインダー繊維を熱溶融させる温度条件のもとでは溶融または軟化しない繊維であるのが好ましい。
地緯糸は、バインダー繊維(90℃以上で熱溶融又は熱軟化する)であることが好ましく、熱溶融性芯鞘型複合繊維がさらに好ましい。
鞘成分は低融点(90〜220℃)または低軟化点(90〜220℃)ポリマーであるのが好ましく、非晶性ポリエステルであるのがより好ましい。非晶性ポリエステルとしては、繊維の物性、品質、繊維形成性、コストの点からテレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールを主成分とする共重合ポリエステルが好ましく、イソフタル酸をジカルボン酸成分の15〜60モル%、好ましくは20〜50モル%共重合したポリエチレンテレフタレートが好適である。
芯成分は、高軟化点(160〜300℃)または高融点(160〜300℃)ポリマーであるのが好ましく、鞘成分ポリマーとの耐剥離性の点でポリエステルであるのがより好ましく、なかでもバインダー繊維間の接着性が良好であるので、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であるポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルであるのがさらに好ましい。そして、芯成分ポリマーの融点又は軟化点が鞘成分ポリマーの融点又は軟化点よりも30℃以上高いポリマーの組み合わせが好ましい。芯鞘比率は芯/鞘=75/25〜30/70(断面上の面積比)が好ましい。芯鞘比率が75/25を超えると融着量が少なく固定が不十分となる場合がある。一方、芯鞘比率が30/70未満の場合は、融着量が多く、柔軟性が低下し、さらに芯が細くて基布の引裂けが生じやすい場合がある。
地緯糸を形成するバインダー繊維は、10〜100本のフィラメントからな全繊度が100〜500dtexのマルチフィラメント糸を用いることが好ましく、より好ましくは全繊度が150〜400dtexのマルチフィラメント糸であり、基布を形成する他の繊維との混繊糸として使用してもよい。
該バインダー繊維の単繊維繊度については特に制限はなく、通常の面ファスナーに使用される繊維と同様1〜20dtexが好ましい。また、バインダー繊維として芯鞘型複合繊維を用いると、鞘成分が融着成分として作用し、芯成分が繊維形態を維持するので、面ファスナーの融着処理を行った場合でも、複合繊維の減量、収縮などの変形が少なく、面ファスナーの変形および強度低下などを少なくできるので特に好ましい。
本発明の自己融着ループ面ファスナーを形成する地経糸は、10〜100本のフィラメントからなる全繊度が100〜400dtexのマルチフィラメント糸が好ましい。
また、地経糸は、製織性向上のため糸に撚りをかけたものがよく、さらに面ファスナー形態安定のため、S撚りとZ撚りの地経糸を交互に配置するのが好ましい。
本発明に用いるマルチフィラメントループ糸は、5〜20本のフィラメントからなる全繊度が150〜350dtexのマルチフィラメントであるのが好ましい。該マルチフィラメントループ糸は、係合性向上のため捲縮糸を使用することが好ましい。マルチフィラメントループ糸は、地経糸(マルチフィラメントループ糸を含む)3〜10本に1本、特に4〜6本に1本の割合で、均等に地経糸の一部として織物に織り込んでいくのが好ましい。ループは、緯糸3〜11本、特に3〜7本を浮沈する毎に形成するのが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
以下に各測定方法を記載する。
(1)ループ引抜力
ニードル針にループ束を引掛け、基布からの引抜抵抗を定速伸長型引張試験機にて測定した。引張試験の引張速度は300mm/分で、チャック間距離を50mmにして、20℃の温度条件下で測定した。
(2)バインダー繊維を構成するポリマーの融点
結晶性ポリマーの場合、メトラー社示差走査熱量測定装置(DSC−20)を用い、試料を窒素雰囲気下20℃/minの速度で昇温した際の吸熱ピークを示す温度を測定した。
(3)バインダー繊維を構成するポリマーの軟化点
非晶性ポリマーの場合、ポリマーチップ又は同ポリマーが表面に存在している繊維を所定温度の熱風乾燥機にいれ、0.1kg/cm2の圧力を10分間印加した際、チップ又は繊維間の境界が判定できない程度にチップ同志又は繊維同志が融着する最低の温度を測定した。
実施例1
地経糸として下記ポリエチレンテレフタレート繊維、地緯糸として下記バインダー繊維、マルチフィラメントループ糸として下記ポリエチレンテレフタレート繊維を使用して、図2に示した地組織を有する巾1インチの面ファスナー中間体を作製した。経糸密度(経糸の一部として使用したマルチフィラメントループ糸を含む)は180本/インチであった。また、巾方向両端部には、マルチフィラメントループ糸を含まない15本の地経糸のみからなる耳部を設けた。緯糸密度は47本/インチであり、マルチフィラメントループ糸は地経糸(マルチフィラメントループ糸を含む)5本に1本の割合で均等に織物に挿入した。したがって、マルチフィラメントループ糸の密度は30本/インチである。ループは、マルチフィラメントループ糸が緯糸5本を浮沈するごとに、ループ糸が緯糸上に浮いた個所で形成した。

地経糸
ポリエチレンテレフタレート繊維
全繊度:167dtex
フィラメント数:48本
地緯糸
芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点:190℃)
芯/鞘比率:70/30
全繊度:167dtex
フィラメント数:48本
マルチフィラメントループ糸
ポリエチレンテレフタレート繊維
全繊度:265dtex
フィラメント数:10本

該面ファスナー中間体を温度197℃で60秒間熱処理し、本発明の自己融着ループ面ファスナーを作製した。
得られたループ面ファスナーのループ引抜力は、1500g/ループであり、従来の面ファスナーの1.5倍と大きく、ループ糸が強固に固定されていた。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング社製、A86900)との係合/剥離試験(JIS L3416準拠)を行ったところ、繰返し係合/剥離5000回後においてもループ抜け、毛羽立ちはみられず、強度に優れていた。
比較例1
図1に示した地組織に変更した以外は実施例1と同様にして、ループ糸と地経糸が交差する面ファスナーを得た。
得られたループ面ファスナーのループ引抜力は、1000g/ループであり、実施例1のループ面ファスナーに比べ低いものであった。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング社製、A86900)との係合/剥離試験(JIS L3416準拠)を行ったところ、繰返し係合/剥離5000回後で、マルチフィラメントループ糸のループ根元部分でのループ抜け、毛羽立ちがみられ、強度が不足していた。
本発明により、バックコート層を設けることなく、マルチフィラメントループ糸を地組織に強固に融着固定することができ、糸抜けのない、係合力、特に係合/脱着耐久性に優れたループ面ファスナーを製造することができる。

Claims (8)

  1. 地経糸および地緯糸から形成される基布の片面に、経糸方向に延在するマルチフィラメントループ糸により形成された多数のループ係合素子を立設し、かつ該地緯糸として用いたバインダー繊維を溶融することにより該マルチフィラメントループ糸を基布に固定してなる自己融着ループ面ファスナーであって、該地緯糸との交差点において、前記マルチフィラメントループ糸の地緯糸に対する浮沈状態が、隣り合う両地経糸のそれとは逆であり、該地経糸および該マルチフィラメントループ糸は該バインダー繊維を溶融させる温度条件では溶融または軟化しない繊維であり、該地経糸と該マルチフィラメントループ糸が互いに交差しないように配置され、かつ該ループ係合素子が該地緯糸3〜7本を浮沈する毎に形成されていることを特徴とする自己融着ループ面ファスナー。
  2. 糸が、高軟化点または高融点ポリマーを芯成分、低軟化点または低融点ポリマーを鞘成分とし、芯鞘比率が面積比で75/25〜30/70の範囲である芯鞘型複合繊維からなる全繊度が100〜500dtexのマルチフィラメント糸である請求項に記載の自己融着ループ面ファスナー。
  3. 地経糸及びマルチフィラメントループ糸がポリエチレンテレフタレート系ポリマーからなる繊維から構成され、地緯糸が、芯成分がポリエチレンテレフタレート系ポリマーで鞘成分がイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート系ポリマーからなる芯鞘型複合繊維から構成されている請求項1または2に記載の自己融着ループ面ファスナー。
  4. S撚りのマルチフィラメント糸からなる地経糸とZ撚りのマルチフィラメント糸からなる地経糸が交互に配置されている請求項1〜のいずれかに記載の自己融着ループ面ファスナー。
  5. マルチフィラメントループ糸が捲縮糸である請求項1〜のいずれかに記載の自己融着ループ面ファスナー。
  6. 地経糸(マルチフィラメントループ糸を含む)の密度が80〜250本/インチであり、かつ地緯糸の密度が20〜70本/インチである請求項1〜のいずれかに記載の自己融着ループ面ファスナー。
  7. 地経糸が、10〜100本のフィラメントからなる全繊度が100〜400dtexのマルチフィラメント糸である請求項1〜のいずれかに記載の自己融着ループ面ファスナー。
  8. マルチフィラメントループ糸が、5〜20本のフィラメントからなる全繊度が150〜350dtexのマルチフィラメントである請求項1〜のいずれかに記載の自己融着ループ面ファスナー。
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