JP5192681B2 - 親水性ホットメルト接着剤 - Google Patents

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本発明は接着剤に関する。さらに詳しくは、親水性に優れたホットメルト接着剤に関する。
ホットメルト接着剤は、固体且つ無溶剤タイプであり、加温する操作を伴うだけで使用できる。また瞬間接着、高速接着が可能であることから生産性の向上に伴う経済性利点を有しているため、衛材、包装、製本、建材、自動車、繊維加工、電気・電子等の分野を中心に使用されている。
従来、ポリオレフィン系のフィルム、不織布、紙、樹脂成型品などの接着に用いられるホットメルト接着剤としては、ジエン共重合体に粘着付与樹脂成分及びプロセスオイル等の液状可塑剤、他添加剤等を配合してなるものなど(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開平8−60121号公報
しかしながら、従来のホットメルト接着剤は、疎水性であるため被着体が水に濡れた状態では接着強度が極端に低下するといった問題点があった。例えば、衛生材料関係において、紙おむつなど親水性不織布或いはティッシュ等とポリエチレン又はポリプロピレンの接着にもホットメルト接着剤が使用されている。しかし、これらの被着体が水に濡れた状態では、ホットメルト接着剤と親水性不織布或いはティッシュとの間で界面剥離が発生しやすくなり、接着部分がはがれるおそれがあった。
本発明の目的は、被着体が水に濡れた状態でも良好な接着力を示すホットメルト接着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、親水性を有する特定のポリマーを含有するホットメルト接着剤が上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合又はアミド結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーであって下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するブロックポリマー(A1)、ジエン共重合体(B)及び粘着付与樹脂(C)からなる親水性ホットメルト接着剤;該接着剤で接着されてなる接着体である。
Figure 0005192681
Figure 0005192681
Figure 0005192681
[(1)式中、nは2〜50の整数、R 1 及びR 2 の一方はHで他方はH又はメチル基、yは15〜800の整数、E 1 はジオール又は2価フェノールから水酸基を除いた残基、A 1 はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数2〜12のアルキレン基、m及びm’は1〜300の整数、X及びX’は一般式(2)、(3)及び対応する(2’)、(3’)から選ばれる基(但し、X’はXに対応する左右対称の基);(2)、(3)及び対応する(2’)、(3’)式中、RはH又は炭素数1〜4のアルキル基、R 3 は炭素数1〜11の2価の炭化水素基、R 4 はH又は炭素数1〜10のアルキル基、A 2 はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数2〜12のアルキレン基、rは1〜20の整数、uは0又は1、Q、T、Q’及びT’は一般式(4)、(5)及び対応する(4’)、(5’)で示される基;一般式(4)、(5)及び対応する(4’)、(5’)式中、R 5 はH又は炭素数1〜10のアルキル基、R 6 はH又はメチル基、tはR 6 がメチル基のとき1、Hのとき0を表す。]
本発明のホットメルト接着剤は下記の効果を奏することから極めて有用である。
(1)被着体が水に濡れた状態でも良好な接着力を示す。
(2)親水性を付与する成分がポリマーであるので、ブリードアウト等による親水性能の低下がない。
ブロックポリマー(A)は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1
×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、
アミド結合、エーテル結合及びイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有する。
(a)のブロックとしては、カルボニル基(好ましくはカルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)が使用でき、さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a4)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)及びアミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)が使用できる。これらのうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィン(a1)及び(a4)が好ましい。
(a1)としては、両末端が変性可能なポリオレフィンを好ましくは主成分(含量50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上、とくに好ましくは80〜100重量%)とするポリオレフィン(a0)の両末端にカルボニル基を導入したものが挙げられる。
(a0)は、通常、両末端が変性可能なポリオレフィン、片末端が変性可能なポリオレフィン及び変性可能な末端基を持たないポリオレフィンの混合物であるが、両末端が変性可能なポリオレフィンが主成分であるものが好ましい。
(a0)としては、炭素数(以下、Cと略記)2〜30のオレフィンの1種又は2種以上の混合物の(共)重合(重合又は共重合を意味する。以下同様。)によって得られるポリオレフィン[重合法]及び高分子量のポリオレフィン(C2〜30のオレフィンの重合によって得られるポリオレフィン)の熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィン[熱減成法]が使用できる。
C2〜30のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、C4〜30(好ましくは4〜12、さらに好ましくは4〜10)のα−オレフィン、及びC4〜30(好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜8)のジエンなどが挙げられる。
α−オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン及び1−ドデセンなどが挙げられ、ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエンなどが挙げられる。
これらのうち後述するジエン共重合体(B)との相溶性の観点から好ましいのは、C2〜12(エチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィン、ブタジエン及び/又はイソプレンなど)、さらに好ましいのはC2〜10(エチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィン及び/又はブタジエンなど)、とくに好ましいのはエチレン、プロピレン及び/又はブタジエンである。
熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィンは、例えば、特開平3−62804号公報記載の方法等により容易に得ることができる。
重合法によって得られるポリオレフィンは公知の方法等で製造でき、例えば、ラジカル触媒、金属酸化物触媒、チーグラー触媒及びチーグラー−ナッタ触媒等の存在下で上記オレフィンを(共)重合させる方法等により容易に得ることができる。
ラジカル触媒としては、公知のもの、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、デカノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、パーオキシ−ジ−カーボネートエステル、アゾ化合物等、及びγ−アルミナ担体に酸化モリブデンを付着させたもの等が挙げられる。
金属酸化物触媒としては、シリカ−アルミナ担体に酸化クロムを付着させたもの等が挙げられる。
チーグラー触媒及びチーグラー−ナッタ触媒としては、(C253Al−TiCl4等が挙げられる。
重合法又は熱減成法で得られるポリオレフィンのうち、変性基であるカルボニル基の導入のしやすさ、及び入手のしやすさの点で、熱減成法による低分子量ポリオレフィンが好ましい。
(a0)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(以下、Mnと略記。)は塗工性の観点から好ましくは800〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000、とくに好ましくは1,200〜6,000である。
(a0)中の二重結合の量は、相溶性の観点から好ましくは、C1,000当たり1〜40個、さらに好ましくは2〜30個、とくに好ましくは4〜20個である。
1分子当たりの二重結合の平均数は、繰り返し構造の形成性の観点及び相溶性の観点から好ましくは、1.1〜5、さらに好ましくは1.3〜3、とくに好ましくは1.5〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2である。
熱減成法においては、Mnが800〜6,000の範囲で、一分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔例えば、村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)参照〕。
Mnの測定条件は以下の通りである(以下、Mnは同じ条件で測定するものである)。
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :135℃
カルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)としては、(a0)の両末端をα、β−不飽和カルボン酸(無水物)(α,β−不飽和カルボン酸、そのC1〜4のアルキルエステル又はその無水物を意味する。以下、同様。)で変性した構造を有するポリオレフィン(a11)、(a11)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a12)、(a0)を酸化又はヒドロホルミル化変性した構造を有するポリオレフィン(a13)、(a13)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a14)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
(a11)は、(a0)をα,β−不飽和カルボン酸(無水物)により変性することにより得られる。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、C3〜12のカルボン酸、例えばモノカルボン酸[(メタ)アクリル酸など]、ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など)、これらのアルキル(C1〜4)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イタコン酸ジエチルなど]及びこれらの無水物が挙げられる。
これらのうち(a0)との反応性の観点から好ましいのは、ジカルボン酸、これらのアルキルエステル及びこれらの無水物、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)及びフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α、β−不飽和カルボン酸(無水物)の使用量は、ポリオレフィン(a0)の重量に基づき、繰り返し構造の形成性及び相溶性の観点から好ましくは、0.5〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%、とくに好ましくは2〜20重量%である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)によるポリオレフィン(a0)の変性は公知の方法、例えば、(a0)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。
溶液法としては、キシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒の存在下、(a0)にα,β
−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法などが挙げられる。
溶融法としては、(a0)を加熱溶融した後に、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法が挙げられる。これらの方法のうち、反応の均一性の観点から好ましいのは溶液法である。
(a12)は、(a11)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得られる。
ラクタムとしては、C6〜12(好ましくは6〜8、さらに好ましくは6)のラクタム、例えば、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、C2〜12(好ましくは4〜12、さらに好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸、例えば、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸が挙げられる。
これらのうち、二次変性の反応性の観点から好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
ラクタム又はアミノカルボン酸の使用量は、相溶性の観点から好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸からカルボキシル基を除いた残基1個当たり、ラクタム又はアミノカルボン酸0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜15個、特に好ましくは0.5〜10個である。
(a13)は、(a0)を酸素及び/又はオゾンにより酸化又はオキソ法によりヒドロホルミル化してカルボニル基を導入することにより得られる。
酸化によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば、Macromolecules、Vol.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a14)は、(a13)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得られる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、(a12)で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
カルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)のMnは、耐熱性及び後述する親水性ポリマー(b)との反応性の観点から好ましくは、800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、とくに好ましくは2,500〜10,000である。
また、(a1)の酸価は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280(mgKOH/g、以下、数値のみを記載する。)、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
親水性ポリマー(b)としては、ポリエーテルジオール(b1)及びポリエーテルジアミン(b2)が使用できる。
ポリエーテルジオール(b1)としては、ジオール(b01)又は2価フェノール(b02)にアルキレンオキシド(以下、AOと略記)(C2〜12)を付加反応させることにより得られる構造のもの、例えば、一般式:H(OA1)mO−E1−O(A1O)m'Hで示されるもの等が挙げられる。
式中、E1は、(b01)又は(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A1は、ハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基;m及びm’は1〜300、好ましくは2〜250、さらに好ましくは5〜200、とくに好ましくは8〜150、最も好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。また、m個の(OA1)とm’個の(A1O)とは同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロック、ランダム又はこれらの組合せのいずれでもよい。
ジオール(b01)としては、C2〜12(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)の2価アルコール(脂肪族、脂環式及び芳香脂肪族2価アルコール)及びC1〜12の3級アミノ基含有ジオールなどが挙げられる。
脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。
脂環式2価アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロオクタンジオール及び1,3−シクロペンタンジオールなどが挙げられる。
芳香脂肪族2価アルコールとしては、キシリレンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどが挙げられる。
3級アミノ基含有ジオールとしては、脂肪族又は脂環式1級モノアミン(C1〜12、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)のビスヒドロキシアルキル(アルキル基のC1〜12、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)化物及び芳香(脂肪)族1級モノアミン(C6〜12)のビスヒドロキシアルキル(アルキル基のC1〜12)化物等が挙げられる。
モノアミンのビスヒドロキシアルキル化物は、公知の方法、例えば、モノアミンとC2〜4のAO[エチレンオキシド(以下、EOと略記)プロピレンオキシド(以下、POと略記)、ブチレンオキシドなど]とを反応させるか、モノアミンとC1〜12のハロゲン化ヒドロキシアルキル(2−ブロモエチルアルコール、3−クロロプロピルアルコールなど)とを反応させることにより容易に得ることができる。
脂肪族1級モノアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、1−及び2−プロピルアミン、n−及びi−アミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−及び3−アミノヘプタン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン及びドデシルアミンなどが挙げられる。
脂環式1級モノアミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
芳香(脂肪)族1級モノアミンとしては、アニリン及びベンジルアミンなどが挙げられる。
2価フェノール(b02)としては、C6〜18(好ましくは8〜18、さらに好ましくは10〜15)、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオールなど)、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、ジヒドロキビフェニルなど)及び縮合多環2価フェノール(ジヒドロキシナフタレン、ビナフトールなど)などが挙げられる。
(b01)及び(b02)のうち相溶性の観点から好ましいのは、2価アルコール及び2価フェノール、さらに好ましいのは脂肪族2価アルコール及びビスフェノール、とくに好ましいのはエチレングリコール及びビスフェノールAである。
ジオール(b01)又は2価フェノール(b02)に付加反応させるAOとしては、C2〜12のAO(EO、PO、1,2−、1,4−、2,3−及び1,3−ブチレンオキシド及びこれらの2種以上の混合物)等が挙げられるが、必要によりその他のAO及び置換AOを併用してもよい。
その他のAO及び置換AOとしては、C5〜12のα−オレフィンのエポキシ化物、スチレンオキシド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン及びエピブロモヒドリン等)等が挙げられる。他のAO及び置換AOのそれぞれの使用量は、全AOの重量に基づいて親水性の観点から好ましくは、30重量%以下、さらに好ましくは0又は25重量%以下、とくに好ましくは0又は20重量%以下である。
2種以上のAOを併用するときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。AOのうち親水性の観点から好ましいのは、EO単独、及びEOとEO以外のAOとの併用(ブロック及び/又はランダム付加)、さらに好ましいのはEO単独及びEOとPOの併用、とくに好ましいのはEO単独である。
AOの付加モル数は、親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、(b01)又は(b02)の水酸基1個当り1〜300モル、さらに好ましくは2〜250モル、とくに好ましくは10〜100モルである。
AOの付加反応は、公知の方法、例えばアルカリ触媒(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)の存在下、100〜200℃、圧力0〜0.5MPaGの条件で行なうことができる。
ポリエーテルジオール(b1)中のオキシアルキレン単位の含量は、(b1)の重量に基づいて親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜99.8重量%、さらに好ましくは8〜99.6重量%、とくに好ましくは10〜98重量%である。また、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、ポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%、とくに好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
ポリエーテルジアミン(b2)としては、ポリエーテルジオール(b1)の水酸基をアミノ基(1級又は2級アミノ基)に変性した構造のもの、例えば、一般式:
RNH−A2−(OA1)mO−E1−O(A1O)m'−A2−NHR
で示されるものが挙げられる。
式中の記号E1は、(b01)又は(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A1は、ハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基;m及びm’は1〜300、好ましくは2〜250、さらに好ましくは5〜200、とくに好ましくは8〜150、最も好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。A2はハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基を表し、A1とA2とは同じでも異なってもよい。RはH又はC1〜4(好ましくは1又は2)のアルキル基を表す。
(b2)は、(b1)の両末端水酸基を公知の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、公知の方法、例えば、(b1)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b1)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b1)とアミノカルボン酸又はラクタムとを反応させる方法、及び(b1)
とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
(b)として上述したものは、2種以上を任意に併用してもよい。
親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値(後述の方法で、23℃、50%RHの雰囲気下で測定される値)は105〜1011Ω・cm、好ましくは106〜1010Ω・cm、さらに好ましくは107〜109Ω・cmである。体積固有抵抗値が105未満のものは樹脂物性が悪化し、1011を超えると相溶性が悪化する。
(b)のMnは、耐熱性及びポリオレフィン(a)との反応性の観点から好ましくは、150〜20,000、さらに好ましくは300〜18,000、とくに好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
ブロックポリマー(A)は、上記ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合及びイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものであり、これらのうち相溶性及び透明性の観点から好ましいのは下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリマーである。
Figure 0005192681
式(1)において、nは2〜50(好ましくは3〜40、さらに好ましくは4〜30)の整数;R1及びR2の一方はHで他方はH又はメチル基;yは15〜800(好ましくは20〜500、さらに好ましくは30〜400)の整数;E1は、ジオール(b01)又は2価フェノール(b02)から水酸基を除いた残基;A1はハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基;m及びm’は1〜300(好ましくは2〜250、さらに好ましくは5〜200、とくに好ましくは8〜150、最も好ましくは10〜100)の整数;X及びX’は、下記一般式(2)、(3)及び対応する(2’)、(3’)から選ばれる基、すなわち、Xが一般式(2)で示される基のとき、X’は一般式(2’)で示される基であり、一般式(3)と(3’)についても同様の関係である。
Figure 0005192681
;一般式(2)、(3)及び対応する(2’)、(3’)式において、Rは前記(b2)
において述べたものと同じでH又はC1〜4(好ましくは1又は2)のアルキル基、R3
はC1〜11(好ましくは2〜11、さらに好ましくは5〜11)の2価の炭化水素基、R4はH又はC1〜10(好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6)のアルキル基、
2はC2〜4のアルキレン基;rは1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)の整数であり、uは0又は1;Q、Q’、T及びT’は次式で示される基
Figure 0005192681
;上記の一般式(4)、(5)及び対応する(4’)、(5’)式中、R5はH又はC1
〜10(好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6)のアルキル基、R6はH又はメチ
ル基、tはR6がメチル基のとき1、Hのとき0である。
一般式(1)で示される繰り返し単位中の{ }内のポリエーテルセグメント{(OA1)mO−E1−O(A1O)m'}は、前記ポリエーテルジオール(b1)又はポリエーテルジアミン(b2)に由来する構造であり、式中のE1、A1、m及びm’は前記と同様である。
一般式(1)において、Xが一般式(2)で示される基、及びX’が一般式(2’)で示される基であるブロックポリマーには、(a11)及び/又は(a12)と(b1)とを重合反応させることにより得られる(A1)と、(a11)及び/又は(a12)と(b2)とを重合反応させることにより得られる(A2)とが含まれる。
(A1)には(a11)と(b1)とを組み合わせた(A11)、(a12)と(b1)とを組み合わせた(A12)、及び(A11)と(A12)の混合物が含まれる。また、同様に(A2)には(a11)と(b2)とを組み合わせた(A21)、(a12)と(b2)とを組み合わせた(A22)、及び(A21)と(A22)の混合物が含まれる。
(A1)は、公知の方法等、例えば(a11)及び/又は(a12)に、(b1)を加えて減圧下、通常200〜250℃で重合(重縮合)反応を行う方法、又は、一軸もしくは二軸の押出機を用い、通常160〜250℃、滞留時間0.1〜20分で重合する方法により製造することができる。
上記の重合反応では、公知の触媒等、例えばアンチモン触媒(三酸化アンチモン等);スズ触媒(モノブチルスズオキシド等);チタン触媒(テトラブチルチタネート等);ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等);有機酸金属塩触媒[ジルコニウム有機酸塩(酢酸ジルコニル等)、酢酸亜鉛等];及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジルコニウム触媒及びジルコニウム有機酸塩、さらに好ましいのは酢酸ジルコニルである。
触媒の使用量は、(a11)及び/又は(a12)と(b1)の合計重量に対して、通常0.001〜5%、好ましくは0.01〜3%である。
(A1)のうち、(A12)は(a11)を前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸で二次変性した後に、(b1)を加えて反応させてもよいし、(a11)とラクタムもしくはアミノカルボン酸を(b1)の存在下反応させ、続いて(b1)と反応させて製造してもよい。
(A2)は、(A1)における(a11)及び/又は(a12)と(b1)の組み合わせを、(a11)及び/又は(a12)と(b2)の組み合わせに代える以外は(A1)と同様の方法で製造することができる。
また、(A2)のうち、(A22)は(b2)を前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸で二次変性した後に、これと(a11)とを反応させて製造してもよい。
一般式(1)において、Xが一般式(3)で示される基、及びX’が一般式(3’)で示される基であるブロックポリマーには、(a13)(r=1の場合)及び/又は(a14)(r≧2の場合)と(b1)とを重合反応させることにより得られる(A3)と、(a13)及び/又は(a14)と(b2)とを重合反応させることにより得られる(A4)とが含まれる。
(A3)には(a13)と(b1)とを組み合わせた(A31)、(a14)と(b1)とを組み合わせた(A32)、及び(A31)と(A32)の混合物が含まれる。また、同様に(A4)には(a13)と(b2)とを組み合わせた(A41)、(a14)と(b2)とを組み合わせた(A42)、及び(A41)と(A42)の混合物が含まれる。
(A3)及び(A4)は(A1)や(A2)と同様の方法で製造することができる。
ブロックポリマー(A)を構成する(b)の量は、相溶性の観点から好ましくは、(a)と(b)との合計重量に基づいて20〜90重量%、さらに好ましくは25〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%である。
ブロックポリマー(A)のMnは、塗工性の観点から好ましくは、2,000〜60,000、さらに好ましくは5,000〜40,000、特に好ましくは8,000〜30,000である。また、Mnがこの範囲であれば、(A)がホットメルト接着剤から、経時的にブリードアウトすることがない。
(A)の構造において、ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、塗工性の観点から好ましくは、2〜50、さらに好ましくは3〜40である。
Nnは、(A)のMn及び1H−NMR分析によって求めることができる。
例えば、(a11)のブロックと(b1)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有する(A1)の場合は、1H−NMR分析において、4.0〜4.1ppmのエステ
ル結合{−C(C=O)−OCH2−}のプロトンに帰属されるシグナル、及び3.2〜
3.7ppmのポリエチレングリコールのプロトンに帰属されるシグナルが観測できることから、これらのプロトン積分値の比を求めて、この比とMnとからNnを求めることができる。
(A)の末端は、(a)由来のカルボニル基、アミノ基及び/又は無変性ポリオレフィン末端(何ら変性がなされていないポリオレフィン末端、すなわち、アルキル基又はアルケニル基)、あるいは(b)由来の水酸基及び/又はアミノ基のいずれかである。これら
のうち反応性の観点から末端として好ましいのはカルボニル基、アミノ基、水酸基、さらに好ましいのはカルボニル基、水酸基である。
ジエン共重合体(B)としては、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体(SBR)、ジエン(共)重合体のジエン部分の一部又は全部が水素化された水素化体[スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEPS;SISの水素化体)、スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS;SBSの水素化体)、スチレン−エチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEEPS;スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素化体)、水素化SBR等]、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等を挙げることができる。
これらのうち好ましいものは、接着強度の観点から、SBS、SIS、SEPS、SEBS、SEEPS、SIBSである。
SBSの具体例としては、クレイトンポリマー(株)製「クレイトンD−1155」(スチレン含量40重量%)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフプレン315」(スチレン含量20重量%)等、SISの具体例としては、クレイトンポリマー(株)製「クレイトンD−1107」(スチレン含量15重量%)等、SEPSの具体例としては、(株)クラレ製「セプトン2063」(スチレン含量13重量%)等、SEBSの具体例としては、クレイトンポリマー(株)製「クレイトンG1651」(スチレン含量33重量%)等、SEEPSの具体例としては、(株)クラレ製「セプトン4033」(スチレン含量30重量%)等、SIBSの具体例としては、(株)カネカ製「シブスター072T」(スチレン含量23重量%)等がそれぞれ挙げられる。
粘着付与樹脂(C)としては、公知の粘着性付与剤{接着の技術20,(2),13(2000)等}等が使用でき、ロジン、ロジン誘導体(重合ロジン及びロジンエステル等;Mn200〜1,000)、テルペン樹脂(αピネン、βピネン及び/又はリモネン等の(共)重合体等;Mn300〜1,200)、クマロン−インデン樹脂、石油樹脂(C5留分、C9留分、C5/C9留分及び/又はジシクロペンタジエン等の(共)重合体等;Mn300〜1,200)、スチレン樹脂(スチレン、α−メチルスチレン及び/又はビニルトルエン等の(共)重合体等;Mn200〜3,000)、アクリル樹脂{アルキルまたはアルケニル(メタ)アクリレート及び/又は(メタ)アクリル酸等の(共)重合体等;Mn200〜3,000}、スチレン−アクリル共重合体樹脂(Mn200〜5,000)、キシレン樹脂(キシレンホルムアルデヒド樹脂等;Mn300〜3,000)、フェノール樹脂(フェノールキシレンホルムアルデヒド樹脂等;Mn300〜3,000)及びこれらの樹脂の水素化体等が用いられる。上記粘着付与樹脂を構成する共重合体は、ランダム、ブロック及び/又はグラフト共重合体を含む。また、後述する可塑剤(E)中で存在下重合した(共)重合体を含む。
これらのうち、熱安定性及び相溶性の観点から、テルペン樹脂の水素化体、石油樹脂の水素化体、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましいのはC9留分、C5/C9留分の(共)重合石油樹脂の水素化体、ジシクロペンタジエンの(共)重合石油樹脂の水素化体、スチレン重合体、スチレン−アルケニルメタクリレート共重合体及びこれらの混合物である。
ブロックポリマー(A)の含量(重量%)は、(A)、(B)及び(C)の合計の重量
に基づいて、要求される性能に応じて種々変えることができるが、十分な親水性及び接着性を付与する観点から、好ましくは2〜80%、さらに好ましくは5〜70%である。
ジエン共重合体(B)の含量(重量%)は、(A)、(B)及び(C)の合計の重量に基づいて、接着力の観点から、3%以上が好ましく、さらに好ましくは5%以上である。また塗工性の観点から、50%以下が好ましく、さらに好ましくは40%以下である。
粘着付与樹脂(C)の含量(重量%)は、(A)、(B)及び(C)の合計の重量に基づいて、粘着力を向上させる観点から、10%以上が好ましく、さらに好ましくは15%以上である。また柔軟性の向上及びタックの観点から、90%以下が好ましく、さらに好ましくは80%以下である。
本発明のホットメルト接着剤は、必要に応じて、低分子量ポリオレフィン(D)及び可塑剤(E)を含有することができる。(D)を加えると樹脂の相溶性が向上し、(E)を加えると塗工性が向上する。
低分子量ポリオレフィン(D)としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンと他の1種以上のビニル化合物[エチレン、α−オレフィン(C4〜12、例えば1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等)、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸等]との共重合体、これらの(共)重合体の(無水)不飽和カルボン酸[前記のもの、例えば(無水)マレイン酸]によるグラフト変性体、及びこれらの共重合体もしくは変性体の2種以上のブレンド物が挙げられる。
これらのうち、相溶性の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン/エチレン共重合体およびこれらの(無水)不飽和カルボン酸によるグラフト変性体が好ましく、さらに好ましいのはポリプロピレンおよびポリプロピレンの(無水)不飽和カルボン酸によるグラフト変性体である。
低分子量ポリオレフィン(D)のMnは、ホットメルト接着剤の凝集力を向上させる観点から500以上が好ましく、さらに好ましくは800以上、特に好ましくは1,000以上であり、かつ、前述したジエン共重合体(B)との相溶性を向上させる観点から25,000以下が好ましく、さらに好ましくは23,000以下、特に好ましくは20,000以下である。
(D)の使用量は(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは0.1〜25%、さらに好ましくは0.5〜20%である。
可塑剤(E)としては、公知の可塑剤{接着の技術20,(2),21(2000)等}等が使用でき、パラフィン系、ナフテン系もしくは芳香族系のプロセスオイル、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン及び液状ポリイソプレン等の液状樹脂[重量平均分子量(以下Mwと略記。測定はGPC法による。)=300〜10,000]、これらの液状樹脂の水素化体、天然もしくは合成のワックス{パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及び低分子量ポリオレフィンワックス(Mw=1,000〜30,000)等}、及びこれらの2種以上の混合物等が用いられる。
これらのうち、熱安定性及び耐候性の観点から、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル及びこれらの混合物が好ましい。
(E)の使用量は(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、通常50%以下、好ましくは1〜45%、さらに好ましくは5〜40%である。
上記ホットメルト接着剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(F)、イオン性液体(G)、及びその他の樹脂用添加剤(H)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させてもよい。
(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づく該添加剤全体の使用量は、通常170%以下、好ましくは0.001〜100%である。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(F)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)及び/又はアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の有機酸[C1〜12のモノ−及びジ−カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸等)、C1〜20のスルホン酸(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等)、チオシアン酸等]の塩、及び無機酸[ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸等)、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸等]の塩が挙げられる。
(F)の具体例としては、酢酸塩(酢酸リチウム、酢酸カリウム等)、ハライド[塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、過塩素酸塩(過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等)等]、硫酸カリウム、燐酸カリウム、チオシアン酸カリウム等が挙げられる。
(F)のうち親水性の観点から好ましいのは、酢酸塩(さらに好ましいのは酢酸カリウム)、ハライド[さらに好ましいのは塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、過塩素酸塩(さらに好ましいのは過塩素酸カリウム)]である。
(F)の使用量は(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、通常5%以下、樹脂表面に析出せず良好な外観の樹脂を与えるとの観点から、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%、とくに好ましくは0.1〜2.5%、最も好ましくは0.15〜1.5%である。
(F)を含有させる方法としては、好ましくは(A)中に予め分散させておく方法、さらに好ましくは(A)の製造時に(F)を含有させ分散、溶解させておく方法である。(F)を(A)の製造時に含有させるタイミングとしては特に限定はなく、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックとの重合前、重合中及び重合後のいずれでもよい。
イオン性液体(G)は、前記(F)を除く化合物で、室温以下の融点を有し、(G)を構成するカチオン又はアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンで、初期電導度が1〜200ms/cm(好ましくは10〜200ms/cm)である常温溶融塩であって、例えばWO95/15572公報に記載の常温溶融塩が挙げられる。
(G)を構成するカチオンとしては、例えばアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン及び3級アンモニウムカチオンが挙げられる。
アミジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウムカチオン[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムなど];イミダゾリウムカチオン[1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムなど];テトラヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1
,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど];及びジヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウムなど]が挙げられる。
グアニジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエ
チルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−
ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムなど];イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウムなど];テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど];及びジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウムなど]が挙げられる。
3級アンモニウムカチオンとしては、例えばメチルジラウリルアンモニウムが挙げられる。
上記のアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン及び3級アンモニウムカチオンは1種単独でも、また2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
(G)において、アニオンを構成する有機酸及び/又は無機酸としては下記のものが挙げられる。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸及びリン酸エステルが挙げられる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸及び六フッ化ヒ素酸)、リン酸及びホウ酸が挙げられる。
上記有機酸及び無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸及び無機酸のうち、(G)の初期電導度の観点から好ましいのは(G)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸、超強
酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸及びこれらの混合物である。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えばハロゲン(例えばフッ素、塩素及び臭素)イオン、アルキル(C1〜12)ベンゼンスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸など)イオン及びポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(例えばウンデカフルオロペンタンスルホン酸)イオンが挙げられる。
超強酸としては、プロトン酸及びプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、及びこれらの混合物が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸など)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸及びトリデカフルオロヘキサンスルホン
酸)、ホウフッ素酸及び四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えばハロゲン化水素(例えばフッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸及びこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち(G)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタル及びこれらの混合物が挙げられる。
これらのうちで、(G)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素及び五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸及びこれらの混合物が挙げられる。
上記のアニオンのうち、(G)の初期電導度の観点から好ましいのは超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)、さらに好ましいのはプロトン酸からなる超強酸及びプロトン酸と、三フッ化ホウ素及び/又は五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
(G)の使用量は、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて通常10%以下、親水性及びイオン溶出の観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(G)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(A)中に予め分散させておくことが好ましく、(A)の製造後に(G)を予め添加し分散させておくのがさらに好ましい。
上記添加剤のうちその他の樹脂用添加剤(H)としては、着色剤(H1)、充填剤(H2)、核剤(H3)、滑剤(H4)、離型剤(H5)、酸化防止剤(H6)、難燃剤(H7)、紫外線吸収剤(H8)及び抗菌剤(H9)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
着色剤(H1)としては、顔料及び染料が挙げられる。
顔料としては、無機顔料[アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン(超微粒子酸化チタンなど)、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、モリブデン赤、ベンガラ、鉛丹、黄鉛、バリウム黄、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、オーレオリン、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等]、及び有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ等)が挙げられる。
染料としては、アゾ、アンスラキノン、インジゴイド、硫化、トリフェニルメタ ン、
ピラゾロン、スチルベン、ジフェニルメタン、キサンテン、アリザリン、アクリジン、キノンイミン、チアゾール、メチン、ニトロ、ニトロソ及びアニリン染料等が挙げられる。
充填剤(H2)としては、繊維状、粉粒状、板状の充填剤が挙げられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、アラミド繊維及び金属(ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等)繊維等が挙げられる。これらのうち成形品の機械強度の観点から好ましいのはガラス繊維及びカーボン繊維である。
粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、珪石粉、等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等)、金属の炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、金属の(亜)硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸カルシウム等)、金属の硫化物(二硫化モリブデン等)、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素及び各種金属(マグネシウム、珪素、アルミ、チタン、銅、銀、金等)粉末等が挙げられる。
板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク及び各種の金属(アルミ、銅、銀、金等)箔等が挙げられる。
これらの充填剤は1種単独又は2種以上の併用のいずれでもよい。
上記の充填剤のうち成形品の機械強度の観点から好ましいのは繊維状充填剤であり、より好ましいのはガラス繊維である。
核剤(H3)としては、多価の有機酸及び/又はその金属塩、アリールホスフェート化合物、環状多価金属アリールホスフェート化合物及びジベンジリデンソルビトール化合物が挙げられる。
多価の有機酸及び/又はその金属塩としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ナフテン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などのカルボン酸(但し、脂肪族モノカルボン酸を除く)又はこれらのリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、亜鉛もしくはアルミニウムの塩が挙げられる。
アリールホスフェート化合物としては、次の化合物の金属塩が挙げられる。
ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ビス(4−クミルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−クミル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2
’−ビフェニル)ホスフェート等のアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)の塩、モノ−及びビス−(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート等のアルミニウム、カルシウム及び亜鉛の塩が挙げられる。
環状多価金属アリールホスフェート化合物としては、ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス[2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス[2,2’−チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス[2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェニル)ホスフェート]、ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス[(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート]、ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、トリス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、トリス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ジヒドロオキシ−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−2,2’−メチレン−ビス(4−クミル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ジヒドロオキシ−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロオキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ヒドロオキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−クミル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロオキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ヒドロオキシ−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]のアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム)、アルミニウム、チタン、マグネシウム、亜鉛、オキシジルコニウムの塩等が挙げられる。
ジベンジリデンソルビトール化合物としては、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1
・3−p−クロルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、及び1・3,2・4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
滑剤(H4)としては、ワックス(カルナバロウワックスなど)、高級脂肪酸(ステアリン酸など)、高級アルコール(ステアリルアルコールなど)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミドなど)などが挙げられる。
離型剤(H5)としては、高級脂肪酸の低級アルコールエステル(ステアリン酸ブチルなど)、脂肪酸の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油など)、脂肪酸のグリコールエステル(エチレングリコールモノステアレートなど)、流動パラフィン及びこれらの中で水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。
酸化防止剤(H6)としては、フェノール系〔単環フェノール[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソールなど]、ビスフェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノールなど]、多環フェノール[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど〕;硫黄系〔ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、ジラウリルサルファイドなど〕;リン系〔トリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイトなど〕;アミン系〔オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェノチアジンなど〕などが挙げられる。
難燃剤(H7)としては、有機系難燃剤〔含窒素系[尿素化合物、グアニジン化合物及びトリアジン化合物(メラミン、グアナミンなど)等の塩(無機酸塩、シアヌール酸塩、イソシアヌール酸塩等)など]、含硫黄系〔硫酸エステル、有機スルホン酸、スルファミン酸、有機スルファミン酸、及びそれらの塩、エステル、アミドなど〕、含珪素系(ポリオルガノシロキサンなど)、含リン系[リン酸エステル(トリクレジルホスフェートなど)など]など〕、無機系難燃剤〔三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、赤リン、ポリリン酸アンモニムなど〕などが挙げられる。
紫外線吸収剤(H8)としては、ベンゾトリアゾール系[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなど]、ベンゾフェノン系[2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど]、サリチレート系[フェニルサリチレート、エチレングリコールモノサリチレートなど]、アクリレート系[2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’1−ジフェニルアクリレートなど]などが挙げられる。
抗菌剤(H9)としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール(2,4,6−トリブロモフェノールナトリウム塩など)、有機ヨウ素(4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマールなど)、ニトリル(2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなど)、チオシアノ(メチレンビスチアノシアネートなど)、N−ハロアルキルチオイミド(N−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミドなど)、銅剤(8−オキシキノリン銅など)、ベンズイミダゾール(2−4−チアゾリルベンズイミダゾールなど)、ベンゾチアゾール(2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾールなど)、トリハロアリル(3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナートなど)、トリアゾール(アザコナゾールなど)、有機窒素硫黄化合物(スラオフ39など)、4級アンモニウム化合物(トリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライドなど)、ピリジン系化合物(2,3,5,6−チトクロロ−4−(メチルスルフォニル)−ピリジン)などが挙げられる。
(H)の合計の使用量は、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、通常180%以下、好ましくは0.1〜100%である。それぞれの(H)の使用量は(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、(H1)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(H2)は通常150%以下、好ましくは5〜100%;(H3)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(H4)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(H5)は通常10%以下、好ましくは0.1〜5%;(H6)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(H7)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(H8)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(H9)は通常3%以下、好ましくは0.05〜1%である。
上記それぞれの(H)は1種用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記(H1)〜(H9)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれが添加効果を奏する量を他の効果に関わりなく使用するのではなく、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
本発明のホットメルト接着剤の25℃における吸水率は、好ましくは2〜100%であり、さらに好ましくは3〜90%、特に好ましくは5〜80%である。吸水率が2以上であればホットメルト接着剤の親水性が十分であり、100%以下では良好な接着力が得られる。吸水率の測定方法は以下の通りである。
(測定方法);ホットメルト接着剤約10gを離型紙に挟み加熱プレス成形して厚み1mmのシート状に成形し、30mm×30mm×1mmのシートサンプルにカットして、重量(X)を電子天秤で小数点以下4桁まで測定する。次いで、25℃に温調された水中に8時間浸せきし、表面の水滴を除去後重量(Y)を同様に測定する。次式により吸水率を算出する。

吸水率(%)=[{(Y)−(X)}/(X)]×100
本発明のホットメルト接着剤の160℃における溶融粘度は、好ましくは1〜100Pa・sであり、さらに好ましくは1.5〜90Pa・s、特に好ましくは2〜80Pa・sである。160℃溶融粘度が1Pa・s以上であれば凝集力が十分であり、100Pa・s以下では良好な塗工性が得られる。160℃における溶融粘度は、以下の方法で測定
する。
(測定方法);内径16mm×高さ105mmの試験管に約8gのサンプルを投入し、オイルバス中で160℃に20分間温調し、SB型粘度計(JIS k7117−1987、SB4号スピンドル、例えば東機産業社製のBL型粘度計及び4号ローター)をセットしてさらに10分間温調した後、ローターを回転させ10分後の溶融粘度を読み取る。
本発明のホットメルト接着剤の製造方法としては、特に限定されないが、例えば(1)(A)、(B)及び(C)、又はこれらに必要に応じて(D)、(E)、(F)、(G)及び/又は(H)を加えて[(F)及び(G)については前記のように効果的な分散の観点から(A)に予め含有させておいてもよい。]溶融混合する方法;(2)有機溶剤(トルエン、キシレン等)を加えて各成分を加熱溶解させ、均一混合した後に溶剤を留去する方法;等を用いることができる。工業的に好ましいのは(1)の方法である。
混合装置としては加熱溶融混練機を用いることができる。加熱溶融混練機としては、その様式形状などは特に限定されるものではないが、例えば撹拌機付き加圧反応器、圧縮性の高い形状のスクリュー又はリボン状撹拌機を有する混合機、ニーダー、一軸又は多軸押出機、ミキサーなどを挙げることができる。混合温度は、通常100℃〜250であり、樹脂劣化を防ぐため窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の接着体は、上記のホットメルト接着剤を被着体に塗工して得られる。被着体としては、例えば各種プラスチック成形品、ゴム、紙(ティッシュ等)、布(綿、絹等)、金属、木材、ガラス、モルタルコンクリート等に適応できるが、特に難接着体であるポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)系樹脂成形品同士またはこれらと上記の他の被着体とを接着するのに好適である。
本発明のホットメルト接着剤を被着体に適用する方法としては、(1)溶融して被着体に塗工する方法、(2)フィルム状等に成形したホットメルト接着剤を被着体間に配置させてから加熱する方法等が挙げられる。
塗工方法としては、スパイラル塗工、スプレー塗工、ロール塗工、スロットコート塗工、コントロールシーム塗工及びビード塗工等の公知のいずれの塗工方法でもよいが、これらに限定されるものではない。塗工量(g/m2)としては、面塗工では接着性の観点から0.1以上が好ましく、さらに好ましくは1以上である。また裏抜け性の観点から100以下が好ましく、さらに好ましくは50以下である。
線塗工における塗工量(g/m)は、接着性の観点から0.005以上が好ましく、さらに好ましくは0.01以上である。また柔軟性の観点から1以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
(2)の方法において、フィルム状の厚み(μm)としては、接着性の観点から1以上が好ましく、さらに好ましくは5以上である。また柔軟性の観点から500以下が好ましく、さらに好ましくは300以下である。
被着体に適用するときの本発明の接着剤の溶融温度(℃)は、塗工性の観点から80以上が好ましく、さらに好ましくは100以上である。また熱安定性の観点から220以下が好ましく、さらに好ましくは200以下である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において部は重量部、%は重量%を示す。尚、以下における実施例7及び8は参考例である。
製造例1
熱減成法[23℃における密度0.90(単位はg/cm3、以下数値のみを示す。)
MFR6.0g/10分のエチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含量2%)
を410±0.1℃で熱減成]で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn3,500、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量7.1個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を混合後、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、200℃で溶融させ、200℃で20時間反応させた。
その後、過剰の無水マレイン酸とキシレンを減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリプロピレン(a111)を得た。(a111)の酸価は27.2、Mnは3,700であった。
製造例2
熱減成法[23℃における密度が0.90でMFRが10(g/10分)のポリプロピレンを410±0.1℃で熱減成] で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn10,0
00、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量1.3個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90重量%)94部、無水マレイン酸6部及びキシレン30部を混合後、製造例1と同様にして、酸変性ポリプロピレン(a112)を得た。(a112)の酸価は5.0、Mnは10,000であった。
製造例3
酸変性ポリプロピレン(a111)を66部と12−アミノドデカン酸34部を窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃、3時間、10mmHg以下の減圧下で反応させ、酸変性ポリプロピレン(a121)を得た。
(a121)の酸価は17.7、Mnは、5,700であった。
製造例4
製造例2で用いた低分子量ポリプロピレン90部及び水酸化コバルト0.5部を耐圧反応容器に入れ、150℃で溶融し、水素と一酸化炭素1:1の混合気体を100気圧になるまで吹き込み、150℃で5時間反応させた。その後、圧力を常圧に戻し、Tollens試薬(硝酸銀−アンモニア水溶液)を加え、150℃で3時間反応させ、酸変性ポリプロピレン(a131)を得た。(a131)の酸価は41.6、Mnは2,600であった。
製造例5
酸変性ポリプロピレン(a111)95部とビス(2−アミノエチル)エーテル40部を窒素ガス雰囲気下、180℃で溶融し、同温度で2時間反応させた。その後、過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下、180℃、2時間で留去して、アミノ基を有する変性ポリプロピレン(a141)と得た。(a141)のアミン価は26.2、Mn
は3,800であった。
製造例6
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a121)を60部、ポリエチレングリコール(b11)(Mn3,200、体積固有抵抗値3×108Ω・cm)3
3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7部、酸化防止剤[イルガノックス10
10、チバスペシャリティケミカルズ(株)製、以下同じ。]0.3部及び酢酸亜鉛0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによって、ブロックポリマー(A11)を得た。
(A11)のMnは、28,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より
求めた(A11)の平均繰り返し数Nnは3.4であった。
製造例7
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a112)を71部、12−アミノドデカン酸2部、α、ω−ジアミノポリエチレングリコール(b21)(Mn8,000、体積固有抵抗値3×107Ω・cm)25部、トリフルオロメタンスルホン酸リ
チウム0.5部、酸化防止剤0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例6と同様にしてブロックポリマー(A21)を得た。
(A21)のMnは、36,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より
求めた(A21)の平均繰り返し数Nnは2.0であった。
製造例8
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a131)を31部、ポリエチレングリコール(b12)(Mn6,000、体積固有抵抗値2×105Ω・cm)6
9部、酢酸カリウム0.5部、酸化防止剤0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合し、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例6と同様にしてブロックポリマー(A31)を得た。
(A31)のMnは、59,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より
求めた(A31)の平均繰り返し数Nnは6.6であった。
製造例9
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a112)を71部、α、ω−ジアミノポリエチレングリコール(b21)(Mn8,000、体積固有抵抗値3×107Ω・cm)25部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム0.5部、酸化防止剤0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例6と同様にしてブロックポリマー(A41)を得た。(A41)のMnは、33,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A41)の平均繰り返し数Nnは1.9であった。
製造例10
ステンレス製のオートクレーブに、アミノ基を有する変性ポリプロピレン(a141)71部、α、ω−ジエポキシポリエチレングリコール(b31)(Mn1,700、体積固有抵抗値2×107Ω・cm)29部、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド
酸リチウム2.0部、酸化防止剤0.3部、酸化亜鉛0.5部を仕込み、撹拌下、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例6と同様にしてブロックポリマー(A51)を得た。(A51)のMnは12,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A51)の平均繰り返し数Nnは2.2であった。
表1に示す配合処方(部)に従って、各成分を攪拌可能なステンレス製加圧反応容器に投入し、容器内を窒素置換した後、密閉化で160℃まで昇温し、4時間撹拌下で溶融混合を行うことにより、本発明のホットメルト接着剤及び比較のホットメルト接着剤を得た。
Figure 0005192681
記号の説明
(B1):スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体[商品名:TR−2000
、JSR(株)製、スチレン含量40重量%;MFR:3(230℃、2.1
6kg)]
(B2):スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレンブロック共重合体[商品名:
セプトン2063、(株)クラレ製、スチレン含量13重量%;MFR:7(2
30℃、2.16kg)]
(C1):ジシクロペンタジエン共重合石油樹脂の水素化体[商品名:エスコレッツE−
5600、エクソンモービル(有)製、軟化点:100℃]
(C2):C9留分の共重合石油樹脂の水素化体[商品名:アルコンP−100、荒川化
学工業(株)製、軟化点:100℃]
(D1):低分子量ポリオレフィン[商品名:ビスコール660P、三洋化成工業(株)
製、軟化点:145℃]
(D2):無水カルボン酸変性低分子量ポリオレフィン[商品名:ユーメックス1010
、三洋化成工業(株)製、軟化点:145℃]
(E1):パラフィン系プロセスオイル[商品名:ダイアナプロセスオイルPW−90、
出光興産(株)製]
(E2):ナフテン系プロセスオイル[商品名:ダイアナプロセスオイルNS−100、
出光興産(株)製]
(H1):フェノール系酸化防止剤[商品名:イルガノックス1010、チバスペシャリ
ティーケミカルズ(株)製]
(H2):リン系酸化防止剤[商品名:アデカスタブ2112、旭電化工業(株)製]
得られたホットメルト接着剤について、T型剥離強度の測定による接着性の評価、及び
熱安定性評価を実施した。測定方法は以下の通りである。
(1)T型剥離強度
本発明及び比較のホットメルト接着剤を長さ100mm×幅25mm×厚さ100μmのポリプロピレン不織布に25mm幅でビード状に塗布(塗布温度160℃、塗布量0.2g/m)し、同じ大きさの綿布を貼り合わせた後25℃雰囲気下で24時間放置したものをT型剥離強度評価用テストピースとした。
(i)乾燥(ドライ)状態
上記テストピースを引張試験機(オートグラフAGS−500B((株)島津製
作所社製)を用いて300mm/分の引張速度で剥離強度を測定し、最大値をT型
剥離強度(ドライ)とした(N/25mm)。
(ii)水に濡れた(ウエット)状態
上記テストピースを引張試験機(オートグラフAGS−500B((株)島津製
作所社製)にセットし、綿布側にスポイドで水を落とし(約3〜5滴)、ホットメ
ルト接着剤塗布部全体が水に濡れた状態にする。30秒後に300mm/分の引張
速度で剥離強度を測定し、最大値をT型剥離強度(ウエット)とした(N/25m
m)。
本発明のホットメルト接着剤(実施例1〜8)及び比較のホットメルト接着剤(比較例1〜3)の物性及び性能評価結果を表2に示す。
Figure 0005192681
表2から明らかなように、本発明の親水性ホットメルト接着剤(実施例1〜8)は、比較のホットメルト接着剤(比較例1〜3)と比較して、親水性(吸水率)及び水に濡れたときの接着強度が良好であることに加え、親水性を付与する成分がポリマーであることから、ブリードアウト等による親水性能の低下もない。
本発明のホットメルト接着剤は、優れた親水性、接着特性及び熱安定性を有することから、各種プラスチック成形品、ゴム、紙(ティッシュ等)、布(綿、絹等)、金属、木材、ガラス、モルタルコンクリート等に適応できるが、特に難接着体であるポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)系樹脂成形品同士またはこれらと上記の他の被着体とを接着するのに好適である。また、表面が水に濡れた状態でも接着強度を確保できることからバスマット等水回り製品の貼り合わせ、衛生材料等(使い捨て紙おむつ、生理用品等)の接着及び雨具用基材等の接着にも適応することができる。

Claims (3)

  1. ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合又はアミド結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーであって下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するブロックポリマー(A1)、ジエン共重合体(B)及び粘着付与樹脂(C)からなる親水性ホットメルト接着剤。
    Figure 0005192681
    Figure 0005192681
    Figure 0005192681
    [(1)式中、nは2〜50の整数、R 1 及びR 2 の一方はHで他方はH又はメチル基、yは15〜800の整数、E 1 はジオール又は2価フェノールから水酸基を除いた残基、A 1 はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数2〜12のアルキレン基、m及びm’は1〜300の整数、X及びX’は一般式(2)、(3)及び対応する(2’)、(3’)から選ばれる基(但し、X’はXに対応する左右対称の基);(2)、(3)及び対応する(2’)、(3’)式中、RはH又は炭素数1〜4のアルキル基、R 3 は炭素数1〜11の2価の炭化水素基、R 4 はH又は炭素数1〜10のアルキル基、A 2 はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数2〜12のアルキレン基、rは1〜20の整数、uは0又は1、Q、T、Q’及びT’は一般式(4)、(5)及び対応する(4’)、(5’)で示される基;一般式(4)、(5)及び対応する(4’)、(5’)式中、R 5 はH又は炭素数1〜10のアルキル基、R 6 はH又はメチル基、tはR 6 がメチル基のとき1、Hのとき0を表す。]
  2. さらに、低分子量ポリオレフィン(D)及び可塑剤(E)を含んでなる請求項記載の親水性ホットメルト接着剤。
  3. 請求項1又は2記載の親水性ホットメルト接着剤で接着されてなる接着体。
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