JP4657756B2 - 帯電防止性粘着シート - Google Patents
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Description
本発明の目的は、永久帯電防止性、低汚染性および機械特性に優れた帯電防止性粘着シートを提供することにある。
即ち、本発明は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの、ポリエーテルジオールおよびポリエーテルジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤と、熱可塑性樹脂(B)からなるシート状基材の片面もしくは両面の少なくとも一部に粘着剤(C)層を有し、該(C)が(C)を構成するポリマーの重量に基づいて15%以下の放射線重合性化合物を含有してなる帯電防止性粘着シートである。
(1)永久帯電防止性に優れ、かつ機械特性にも優れる。
(2)イオン溶出量が少ないため、被着体に対して低汚染性である。
(a)のブロックとしては、カルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)が使用でき、さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a4)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)およびアミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)が使用できる。これらのうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィン(a1)および(a4)が好ましい。
(a0)は、通常、両末端が変性可能なポリオレフィン、片末端が変性可能なポリオレフィンおよび変性可能な末端基を持たないポリオレフィンの混合物であるが、両末端が変性可能なポリオレフィンが主成分であるものが好ましい。
α−オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンなどが挙げられ、ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、シクロペンタジエンおよび1,11−ドデカジエンなどが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、C2〜12(エチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィン、ブタジエンおよび/またはイソプレンなど)、さらに好ましいのはC2〜10(エチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィンおよび/またはブタジエンなど)、とくに好ましいのはエチレン、プロピレンおよび/またはブタジエンである。
重合法によって得られるポリオレフィンは公知の方法で製造でき、例えば、ラジカル触媒、金属酸化物触媒、チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒等の存在下で上記オレフィンを(共)重合させる方法等により容易に得ることができる。
ラジカル触媒としては、公知のもの、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、デカノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、パーオキシ−ジ−カーボネートエステル、アゾ化合物等、およびγ−アルミナ担体に酸化モリブデンを付着させたもの等が挙げられる。
金属酸化物触媒としては、シリカ−アルミナ担体に酸化クロムを付着させたもの等が挙げられる。
チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒としては、(C2H5)3Al−TiCl4等が挙げられる。
変性基であるカルボニル基の導入のしやすさ、および入手のしやすさの点で、熱減成法による低分子量ポリオレフィンが好ましい。
(a0)中の二重結合の量は、帯電防止性の観点から好ましくは、C1,000当たり1〜40個、さらに好ましくは2〜30個、とくに好ましくは4〜20個である。
1分子当たりの二重結合の平均数は、繰り返し構造の形成性の観点および帯電防止性の観点から好ましくは、1.1〜5、さらに好ましくは1.3〜3、とくに好ましくは1.5〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2である。
熱減成法においては、Mnが800〜6,000の範囲で、一分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔例えば、村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)参照〕。
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :135℃
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、C3〜12のカルボン酸、例えばモノカルボン酸[(メタ)アクリル酸など]、ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など)、これらのアルキル(C1〜4)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イタコン酸ジエチルなど]およびこれらの無水物が挙げられる。
これらのうち(a0)との反応性の観点から好ましいのは、ジカルボン酸、これらのアルキルエステルおよびこれらの無水物、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)およびフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)によるポリオレフィン(a0)の変性は公知の方法、例えば、(a0)の末端二重結合に、溶液法または溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。
溶液法としては、キシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒の存在下、(a0)にα,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法などが挙げられる。
溶融法としては、(a0)を加熱溶融した後に、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法が挙げられる。
これらの方法のうち、反応の均一性の観点から好ましいのは溶液法である。
ラクタムとしては、C6〜12(好ましくは6〜8、さらに好ましくは6)のラクタム、例えば、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、C2〜12(好ましくは4〜12、さらに好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸、例えば、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸が挙げられる。
これらのうち、二次変性の反応性の観点から好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタムおよび12−アミノドデカン酸である。
ラクタムまたはアミノカルボン酸の使用量は、帯電防止性の観点から好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸からカルボキシル基を除いた残基1個当たり、ラクタムまたはアミノカルボン酸0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜15個、特に好ましくは0.5〜10個である。
酸化によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば、Macromolecules、Vol.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
ラクタムおよびアミノカルボン酸としては、(a12)で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
また、(a1)の酸価は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280(mgKOH/g、以下、数値のみを記載する。)、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
式中、E1は、(b01)または(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A1は、ハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基;mおよびm’は1〜300、好ましくは2〜250、とくに好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。また、m個の(OA1)とm’個の(A1O)とは同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロック、ランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。
脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。
脂環式2価アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロオクタンジオールおよび1,3−シクロペンタンジオールなどが挙げられる。
芳香脂肪族2価アルコールとしては、キシリレンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオールおよび1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどが挙げられる。
モノアミンのビスヒドロキシアルキル化物は、公知の方法、例えば、モノアミンとC2〜4のAO[エチレンオキシド(以下、EOと略記)プロピレンオキシド(以下、POと略記)、ブチレンオキシドなど]とを反応させるか、モノアミンとC1〜12のハロゲン化ヒドロキシアルキル(2−ブロモエチルアルコール、3−クロロプロピルアルコールなど)とを反応させることにより容易に得ることができる。
脂環式1級モノアミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
芳香(脂肪)族1級モノアミンとしては、アニリンおよびベンジルアミンなどが挙げられる。
その他のAOおよび置換AOとしては、C5〜12のα−オレフィンのエポキシ化物、スチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリンおよびエピブロモヒドリン等)等が挙げられる。他のAOおよび置換AOのそれぞれの使用量は、全AOの重量に基づいて帯電防止性の観点から好ましくは、30重量%以下、さらに好ましくは0または25重量%以下、とくに好ましくは0または20重量%以下である。
AOのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、EO単独、およびEOとEO以外のAOとの併用(ブロックおよび/またはランダム付加)、さらに好ましいのはEO単独およびEOとPOの併用、とくに好ましいのはEO単独である。
AOの付加モル数は、親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、(b01)または(b02)の水酸基1個当り1〜300モル、さらに好ましくは2〜250モル、とくに好ましくは10〜100モルである。
ポリエーテルジオール(b1)中のオキシアルキレン単位の含量は、(b1)の重量に基づいて親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜99.8重量%、さらに好ましくは8〜99.6重量%、とくに好ましくは10〜98重量%である。また、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、ポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%、とくに好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
式中の記号E1は、(b01)または(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A1は、ハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基;mおよびm’は1〜300、好ましくは2〜250、とくに好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。A2はハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基を表し、A1とA2とは同じでも異なってもよい。RはHまたはC1〜4(好ましくは1または2)のアルキル基を表す。
(b2)は、(b1)の両末端水酸基を公知の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、公知の方法、例えば、(b1)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b1)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b1)とアミノカルボン酸またはラクタムとを反応させる方法、および(b1)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
(b)として上述したものは、2種以上を任意に併用してもよい。
(b)のMnは、耐熱性およびポリオレフィン(a)との反応性の観点から好ましくは、150〜20,000、さらに好ましくは300〜18,000、とくに好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
(A1)には(a11)と(b1)とを組み合わせた(A11)、(a12)と(b1)とを組み合わせた(A12)、および(A11)と(A12)の混合物が含まれる。また、同様に(A2)には(a11)と(b2)とを組み合わせた(A21)、(a12)と(b2)とを組み合わせた(A22)、および(A21)と(A22)の混合物が含まれる。
上記の重合反応では、公知の触媒、例えばアンチモン触媒(三酸化アンチモン等);スズ触媒(モノブチルスズオキシド等);チタン触媒(テトラブチルチタネート等);ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等);有機酸金属塩触媒[ジルコニウム有機酸塩(酢酸ジルコニル等)、酢酸亜鉛等];およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジルコニウム触媒およびジルコニウム有機酸塩、さらに好ましいのは酢酸ジルコニルである。
触媒の使用量は、(a11)および/または(a12)と(b1)の合計重量に対して、通常0.001〜5%、好ましくは0.01〜3%である。
二次変性した後に、(b1)を加えて反応させてもよいし、(a11)とラクタムもしくはアミノカルボン酸を(b1)の存在下反応させ、続いて(b1)と反応させて製造してもよい。
また、(A2)のうち、(A22)は(b2)を前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸で二次変性した後に、これと(a11)とを反応させて製造してもよい。
(A3)には(a13)と(b1)とを組み合わせた(A31)、(a14)と(b1)とを組み合わせた(A32)、および(A31)と(A32)の混合物が含まれる。また、同様に(A4)には(a13)と(b2)とを組み合わせた(A41)、(a14)と(b2)とを組み合わせた(A42)、および(A41)と(A42)の混合物が含まれる。
(A3)および(A4)は(A1)や(A2)と同様の方法で製造することができる。
Nnは、(A)のMnおよび1H−NMR分析によって求めることができる。
例えば、(a11)のブロックと(b1)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有する(A1)の場合は、1H−NMR分析において、4.0〜4.1ppmのエステル結合{−C(C=O)−OCH2−}のプロトンに帰属されるシグナル、および3.2〜3.7ppmのポリエチレングリコールのプロトンに帰属されるシグナルが観測できることから、これらのプロトン積分値の比を求めて、この比とMnとからNnを求めることができる。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えばアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等]、ヒドロキシアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−およびジ−アルキル(C1〜4)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート[メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、シアノ基含有モノマー[(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等]、不飽和カルボン酸アミド[(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等]およびエポキシ基含有モノマー[(メタ)クリル酸グリシジル等]が挙げられる。
不飽和アルコールのアルキルエーテルとしては、上記不飽和アルコールのアルキル(C1〜20)エーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等)が挙げられる。
ハロゲン含有ビニルモノマーとしては、C2〜12、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン およびクロロプレンが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンおよび/またはエチレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体[共重合比(重量比)=90/10〜10/90、ランダムおよび/またはブロック付加]である。
(B2)の結晶化度は、帯電防止性の観点から好ましくは0〜98%、より好ましくは0〜80%、特に好ましくは0〜70%である。
結晶化度は、X線回折、赤外線吸収スペクトル等の方法によって測定される〔「高分子の固体構造−高分子実験学講座2」(南篠初五郎)、42頁、共立出版1958年刊参照〕。
ビニル基含有芳香族炭化水素としては、C8〜30の、スチレンおよびその誘導体 、例えばo−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(ビニルトルエン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)およびハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)が挙げられる。
(B3)の具体例としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)[共重合比(重量比)=70/30〜80/20]、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)[共重合比(重量比)=60/40〜90/10]、スチレン/ブタジエン共重合体[共重合比(重量比)=60/40〜95/5]、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]、メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(MABS樹脂)[共重合比(重量比)=(48〜70)/(0〜5)/(2〜20)/(25〜50)]等が挙げられる。
(B52)におけるジアミンとジカルボン酸としては、前記(a11)で例示したものが挙げられ、(B52)としては、ヘキサンメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重縮合によるナイロン610等が挙げられる。
(B53)におけるアミノカルボン酸としては、前記(a11)で例示したものが挙げられ、(B53)としては、アミノエナント酸の重縮合によるナイロン7、ω−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11、12−アミノドデカン酸の重縮合によるナイロン12等が挙げられる。
分子量調整剤としてのジカルボン酸のうち、好ましいのは脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩であり、より好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
また、分子量調整剤としてのジアミンのうち、好ましいのはヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミンである。
ビスフェノールとしては、C12〜20、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンが挙げられ、これらのうち分散性の観点からより好ましいのはビスフェノールAである。
(B6)のMFRは、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。(B6)のMFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリカーボネート樹脂の場合は280℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B7)のMFRは、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜150、より好ましくは1〜100である。(B7)のMFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアセタール樹脂の場合は190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B7)の固有粘度[η]は、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.1〜4、より好ましくは0.2〜3.5、特に好ましくは0.3〜3である。
(C1)を構成するポリマーとしては、Mn30,000〜5,000,000(好ましくは50,000〜3,000,000)のゴム、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が挙げられる。
アクリルモノマーとしては、前記のアクリルモノマーが使用でき、また、共重合可能なその他のビニルモノマーとしては、前記のビニルモノマーが挙げられる。
共重合体中の該その他のビニルモノマーの含量(重量%)は、通常10%以下、共重合体のTgおよび、粘着剤のタックの観点から好ましくは5%以下である。
共重合体の製造は、公知の重合方法(塊重合、溶液重合、乳化重合および懸濁重合等)で重合開始剤[アゾ系重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等)、パーオキサイド系重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)等]を使用して行うことができる。
粘着性付与樹脂の使用量は、(C)を構成するポリマーの重量に基づいて、通常100%以下、粘着剤の粘着力とタックの観点から好ましくは5〜50%である。
放射線重合性化合物の使用量は、粘着性と重合性の観点から(C)を構成するポリマーの重量に基づいて好ましくは0.01〜15%、さらに好ましくは0.1〜10%である。
放射線によりラジカル重合するモノマーおよびオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和基を少なくとも2個有するモノマー(C6〜30)およびオリゴマー(Mn300〜10,000)が挙げられる。
該モノマーのうち、ビニル基を少なくとも2個有するモノマーとしては、ビニル基が2個のもの[ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレン及びジビニルキシレン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等]、3個のもの[トリビニルベンゼン、グリセリントリビニルエーテル等]、4個のもの[ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等]および5個またはそれ以上のもの[ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタビニルエーテル等]が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートには、多価アルコールと多価カルボン酸から得られる、2個以上の末端が水酸基のポリエステルに(メタ)アクリル酸を反応させたものが含まれる。
エポキシ(メタ)アクリレートには、2個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させたものが含まれる。
ウレタン(メタ)アクリレートには、多価アルコール(後述のもの、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等)、多価イソシアネート(前記のもの、例えばTDI、MDI、フェニレンジイソシアネート等)、水酸基含有(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]をワンショット法もしくはプレポリマー法により反応させたものが含まれる。
エポキシドとしては、C2〜20、例えば多価フェノールまたは多価アルコールとエピハロヒドリン(例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等)との反応で得られるグリシジルエーテル型エポキシドが挙げられる。
2価アルコール(C2〜20またはそれ以上)、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1 ,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール、ドデカンジオール等];C6〜10の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等];C8〜20の芳香族2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾインおよびその誘導体(ベンゾイン、ベンソインメチルエーテル、ベンソインエチルエーテル、o−ベンソイル安息香酸メチル−p−ベンソインエチルエーテル、ベンソインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン等)、アセトフェノン誘導体(ジメチルベンジルケタール、トリクロルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン等)およびプロピオフェノン誘導体(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン等)が挙げられる。
(B)に含有させる(A)の量は、要求される性能に応じて種々変えることができるが、十分な帯電防止性および機械的強度を付与する観点から、(A)と(B)の合計重量に基づいて好ましくは2〜40%、さらに好ましくは5〜30%である。
(A)を(B)に含有させて樹脂組成物を形成させるに際しては、予め(A)を高濃度[例えば(A)と(B)の合計重量に基づいて10〜80%]に含有するマスターバッチ組成物を形成させておいてもよい。
(D)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)および/またはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の有機酸[C1〜12のモノ−およびジ−カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸等)、C1〜20のスルホン酸(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等)、チオシアン酸等]の塩、および無機酸[ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸等)、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸等]の塩が挙げられる。
(D)の使用量は(A)と(B)の合計の重量に基づいて、通常5%以下、樹脂表面に析出せず良好な外観の樹脂を与えるとの観点から、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%、とくに好ましくは0.1〜2.5%、最も好ましくは0.15〜1.5%である。
(D)を含有させる方法としては、好ましくは(A)中に予め分散させておく方法、さらに好ましくは(A)の製造時に(D)を含有させ分散、溶解させておく方法である。(D)を(A)の製造時に含有させるタイミングとしては特に限定はなく、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックとの重合前、重合中および重合後のいずれでもよい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型[高級アルコール(C8〜18、例えばステアリルアルコール、ラウリルアルコールおよびミリスチルアルコール、以下同じ。)EO(2〜50モル)付加物、高級脂肪酸(C8〜24、例えばステアリン酸、ラウリン酸およびミリスチン酸、以下同じ。)EO(2〜50モル)付加物、高級アルキルアミン(C8〜24、例えばステアリルアミン、ラウリルアミンおよびミリスチルアミン、以下同じ。)EO(2〜50モル)付加物、ポリプロピレングリコール(Mn800〜4,000)EO(2〜50モル)付加物等]、および多価アルコール型[ポリオキシエチレン(Mn200〜3,000)、グリセリンの高級脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの高級脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの高級脂肪酸エステル、多価(2価〜5価またはそれ以上)アルコール(C3〜60、例えばグリセリン、ペンタエリスリット、ソルビットおよびグルコース)のアルキル(C3〜60)エーテル、アルカノールアミン(C2〜24)の高級脂肪酸アミド等]等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩[アルキル(C8〜24)トリメチルアンモニウム塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型(高級アルキルアミノプロピオン酸塩等)、ベタイン型[高級アルキル(C8〜24)ジメチルベタイン、高級アルキル(C8〜24)ジヒドロキシエチルベタイン等]等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独でも2種以上を併用してもいずれでもよい。これらのうち耐熱性および帯電防止性の観点から好ましいのは、アニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、とくに好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩およびパラフィンスルホン酸塩である。
(E)を含有させる方法については特に限定はないが、シート状基材に効果的に分散させるためには、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。(A)中へ(E)を予め分散させる場合、(A)の製造(重合)時に該(E)を予め含有させ分散させておくのが特に好ましい。(E)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックの重合前、重合中および重合後のいずれでもよい。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステルが挙げられる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。
上記有機酸および無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸および無機酸のうち、(F)の初期電導度の観点から好ましいのは(F)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸など)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
これらのうち(F)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
これらのうちで、(F)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
(F)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(A)中に予め分散させておくことが好ましく、(A)の製造後に(F)を予め添加し分散させておくのがさらに好ましい。
(G)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基およびポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性基を有する変性ビニル重合体(特開平3−258850号公報に記載のもの等)、スルホニル基を有する変性ビニル重合体(例えば、特開平6−345927号公報に記載のもの等)およびポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等が挙げられる。
これらの(G)は単独でも2種以上併用してもよい。
(G)の使用量は(A)と(B)の合計重量に基づいて、通常20重量%以下、相溶性の観点から好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、とくに好ましくは1.5〜8重量%である。
顔料としては、無機顔料[アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン(超微粒子酸化チタンなど)、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、モリブデン赤、ベンガラ、鉛丹、黄鉛、バリウム黄、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、オーレオリン、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等]、および有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ等)が挙げられる。
染料としては、アゾ、アンスラキノン、インジゴイド、硫化、トリフェニルメタ ン、ピラゾロン、スチルベン、ジフェニルメタン、キサンテン、アリザリン、アクリジン、キノンイミン、チアゾール、メチン、ニトロ、ニトロソおよびアニリン染料等が挙げられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、アラミド繊維および金属(ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等)繊維等が挙げられる。これらのうち成形品の機械強度の観点から好ましいのはガラス繊維およびカーボン繊維である。
粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、珪石粉、等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等)、金属の炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、金属の(亜)硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸カルシウム等)、金属の硫化物(二硫化モリブデン等)、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素及び各種金属(マグネシウム、珪素、アルミ、チタン、銅、銀、金等)粉末等が挙げられる。
板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク及び各種の金属(アルミ、銅、銀、金等)箔等が挙げられる。
これらの充填剤は1種単独または2種以上の併用のいずれでもよい。
上記の充填剤のうち成形品の機械強度の観点から好ましいのは繊維状充填剤であり、より好ましいのはガラス繊維である。
ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ビス(4−クミルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−クミル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)ホスフェート等のアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)の塩、モノ−およびビス−(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート等のアルミニウム、カルシウムおよび亜鉛の塩が挙げられる。
離型剤(H6)としては、高級脂肪酸の低級アルコールエステル(ステアリン酸ブチルなど)、脂肪酸の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油など)、脂肪酸のグリコールエステル(エチレングリコールモノステアレートなど)、流動パラフィンおよびこれらの中で水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。
上記それぞれの(H)は1種用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記(H1)〜(H10)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれが添加効果を奏する量を他の効果に関わりなく使用するのではなく、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
溶融混合する方法としては、通常の方法、例えばペレット状または粉体状の成分を適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で混合した後、押出機で溶融混合(温度150〜260℃)してペレット化する方法が挙げられる。
混合に際しての各成分の添加順序には特に限定はないが、例えば、(1)(A)と(B)、またはこれらに必要に応じて(D)、(E)、(F)、(G)および/または(H)を加えてブレンド・混練する方法、(2)(A)と、(B)の一部、またはこれらに必要に応じて(D)、(E)、(F)、(G)および/または(H)をブレンド・混練した後、残りの(B)をブレンド・混練する方法、(3)(A)と(D)と必要に応じて一部の(B)、さらに(E)、(F)、(G)および/または(H)をブレンド・混練した後、残りの(B)をブレンド・混練する方法等が挙げられる。
これらのうち(2)および(3)の方法は、マスターバッチ法またはマスターペレット法と呼ばれ、少量の(D)、(E)、(F)、(G)および/または(H)を均一に樹脂に分散させる観点から好ましい方法である。
また、多層成形による共押出により、基材と粘着剤層を同時に成形させてもよく、その場合、好ましいのは押出成形、インフレーション成形である。
製造例1
熱減成法[23℃における密度0.90(単位はg/cm3、以下数値のみを示す。)メルトフローレート6.0g/10分のエチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含量2%)を410±0.1℃で熱減成]で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn3,500、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量7.1個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)90部、無水マレイン酸10部およびキシレン30部を混合後、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、200℃で溶融させ、200℃で20時間反応させた。
その後、過剰の無水マレイン酸とキシレンを減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリプロピレン(a111)を得た。(a111)の酸価は27.2、Mnは3,700であった。
熱減成法[23℃における密度が0.90でメルトフローレートが10(g/10分)のポリプロピレンを410±0.1℃で熱減成] で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn10,000、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量1.3個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90重量%)94部、無水マレイン酸6部およびキシレン30部を混合後、製造例1と同様にして、酸変性ポリプロピレン(a112)を得た。(a112)の酸価は5.0、Mnは10,000であった。
熱減成法[23℃における密度が0.90でメルトフローレートが10(g/10分)のポリプロピレンを410±0.1℃で熱減成]で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn1,500、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量13.9個、1分子当たりの二重結合の平均数1.95、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量98重量%)80部、無水マレイン酸20部およびキシレン30部を混合後、製造例1と同様にして、酸変性ポリプロピレン(a113)を得た。(a113)の酸価は55.3、Mnは1,600であった。
酸変性ポリプロピレン(a111)を66部と12−アミノドデカン酸34部を窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃、3時間、10mmHg以下の減圧下で反応させ、酸変性ポリプロピレン(a121)を得た。
(a121)の酸価は17.7、Mnは、5,700であった。
酸変性ポリプロピレン(a113)を47部、ε−カプロラクタム53部および水3部を混合後、窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃で2時間反応させて、酸変性ポリプロピレン(a122)を得た。
(a122)の酸価は26.1、Mnは、3,700であった。
製造例2で用いた低分子量ポリプロピレン90部および水酸化コバルト0.5部を耐圧反応容器に入れ、150℃で溶融し、水素と一酸化炭素1:1の混合気体を100気圧になるまで吹き込み、150℃で5時間反応させた。その後、圧力を常圧に戻し、Tollens試薬(硝酸銀−アンモニア水溶液)を加え、150℃で3時間反応させ、酸変性ポリプロピレン(a131)を得た。(a131)の酸価は41.6、Mnは2,600であった。
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a121)を60部、ポリエチレングリコール(b11)(Mn3,200、体積固有抵抗値3×108Ω・cm)33部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7部、酸化防止剤[イルガノックス1010、チバスペシャリティケミカルズ(株)製、以下同じ。]0.3部および酢酸亜鉛0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによって、ブロックポリマー(A11)を得た。
(A11)のMnは、28,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A11)の平均繰り返し数Nnは3.4であった。
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a112)を71部、12−アミノドデカン酸2部、α、ω−ジアミノポリエチレングリコール(b21)(Mn8,000、体積固有抵抗値3×107Ω・cm)25部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム0.5部、酸化防止剤0.3部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例7と同様にしてブロックポリマー(A21)を得た。
(A21)のMnは、36,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A21)の平均繰り返し数Nnは2.0であった。
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a131)を31部、ポリエチレングリコール(b12)(Mn6,000、体積固有抵抗値2×105Ω・cm)69部、酢酸カリウム0.5部、酸化防止剤0.3部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合し、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例7と同様にしてブロックポリマー(A31)を得た。
(A31)のMnは、59,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A31)の平均繰り返し数Nnは6.6であった。
熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn12,000、密度0.89)95部および無水マレイン酸5部を、窒素雰囲気下180℃で溶融し、次いで、これにジクミルパーオキサイド1.5部を溶かしたキシレン50%溶液を15分かけて滴下した後、1時間反応させた。その後、溶剤を留去して相溶化剤である変性ビニル重合体(G1)を得た。(G1)の酸価は25.7、Mnは15,000であった。
表1に示す配合処方(部)に従って、ブロックポリマー(A11、A21、A31)と熱可塑性樹脂[後述の(B1)、(B2)]を、場合により相溶化剤(G1)と共に、ヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、200℃[(B1)使用時]、または220℃[(B2)使用時]、100rpm、滞留時間3分間の条件で溶融混練した。この樹脂組成物をTダイを備えた押出機[シリンダー温度は(B1)使用時は200℃、(B2)使用時は220℃]を用いて溶融押出しを行い、20℃の冷却ロールで急冷することにより厚さ100μm、幅80mmの押出シートを得た。これを15cmの長さに切断し、シート基材[(S1)〜(S3)、(S’1)、(S’2)]を得た。
(B1):ポリエチレン[商品名:UBEポリエチレンF222、宇部興産(株)製]
(B2):ポリプロピレン[商品名:三井ポリプロF107DV、三井化学(株)製]
(S1)にアクリル系粘着剤[商品名:S665、一方社油脂工業(株)製]100部に、イソシアネート系硬化剤[商品名:BH8515、東洋インキ製造(株)製]を4部添加混合したものを、ナイフコーターで乾燥後厚さが20μmになるように基材の片側全面に塗布した後、80℃で2分間乾燥させて、粘着剤層を有する粘着シートを作成した。
(S1)の代わりに、(S2)または(S3)を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行い、それぞれ粘着シートを作成した。
(S1)と同じ組成の樹脂組成物と、エチレン/酢酸ビニル共重合体[商品名:ウルトラセン635、東ソー(株)製、酢酸ビニル含有量25重量%](粘着剤)を多層成形可能なTダイを備えた押出機を用いて、シリンダー温度200℃で共押出を行い、基材層が100μm、粘着剤層が15μmの粘着シートを作成した。
(S’1)に第4級アンモニウム塩を含む表面塗布型帯電防止剤液[商品名:サフトマーST−2000H、三菱化学(株)製]を、乾燥後厚さ0.1μmになるように基材の片側全面にナイフコーターで塗布し、80℃で1時間乾燥させた。その後、実施例1と同様にして、粘着剤を塗布し、比較の粘着シートを作成した。
比較例2
ウレタンアクリレート[商品名:UV−3000B、日本合成化学工業(株)製]20部と、メトキシポリエチレングリコールアクリレート[商品名:AM−90G、新中村化学工業(株)製]30部を混合し、20℃で1時間撹拌混合した。次に、ヒドロキシプロピルアクリレート35部、イソオクチルアクリレート15部、過塩素酸リチウム4部および光重合開始剤[商品名:ダロキュア1173、チバスペシャリティケミカルズ(株)製]1部を添加し、20℃で2時間撹拌混合した。得られた粘着剤をナイフコーターで、シート状基材(S’2)に乾燥後厚さ20μmとなるように基材の片側全面に塗布し、紫外線照射機[DNA−FIX DF−365型、アトー(株)製]にて、波長365nm、紫外線エネルギー800mJ/cm2の紫外線を5秒間照射し、粘着剤層を硬化させて、比較の粘着シートを作成した。
実施例1〜4および比較例1、2で得た粘着シートについて、帯電防止性(飽和帯電圧および半減時間)、機械特性およびイオン溶出性の試験を行った。結果を表2に示す。
粘着シートから切り出したタテ5cm×ヨコ5cmの粘着シート試験片を用い、
JIS L1094(1988年)に従ってスタティックオネストメーター[T
YPE H0110、シシド静電気(株)製]を用い、印加電圧10,000V
の条件で飽和帯電圧および電荷半減時間を評価した。
(2)水洗後の帯電防止性
粘着シートから切り出したタテ5cm×ヨコ5cmの粘着シート試験片を、20
℃の超純水(比抵抗17.5MΩ・cm、以下同じ。)で、100ml/分の流
速で、2分間水洗し、循風乾燥機内80℃で3時間乾燥した。該水洗・乾燥の操
作を10回繰り返した試験片を用い、上記(1)と同様に帯電防止性を評価した。
(3)機械特性
引張強さ、引張破壊伸び
粘着シートをダンベル状に打ち抜き、ASTM D683(試験片形状Type
II)に準拠して測定した。
(4)イオン溶出性
超純水を128ml入れた容量200mlのポリプロピレン製容器に、粘着シー
トから切り出したタテ8cm×ヨコ8cmの粘着シート試験片を入れて、水中に
完全に沈めて、密栓し、80℃の恒温槽に1時間入れて、イオンの抽出を行い、
水を別の容量200mlのポリプロピレン製容器に移して、この水についてイオ
ンクロマトグラフィーによる溶出イオンの定量を行った。測定条件は以下の通り
である。
装置 :イオンクロマトグラフィー[HIC−6A、(株)島津製作所製]
流速 :1.2ml/分
カラム温度 :40℃
<カチオンの場合>
カラム :Shim−pack IC−C1
移動相 :5mM硝酸水溶液
サンプル量 :10μl
<アニオンの場合>
カラム :Shim−pack IC−A1
移動相 :2.5mMフタル酸
2.4mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液
サンプル量 :20μl
Claims (4)
- ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの、ポリエーテルジオールおよびポリエーテルジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤と、熱可塑性樹脂(B)からなるシート状基材の片面もしくは両面の少なくとも一部に粘着剤(C)層を有し、該(C)が(C)を構成するポリマーの重量に基づいて15%以下の放射線重合性化合物を含有してなる帯電防止性粘着シート。
- (A)が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するブロックポリマー(A1)である請求項1記載の粘着シート。
- (A)と(B)の合計重量に基づく(A)の割合が2〜40%である請求項1または2記載の粘着シート。
- 帯電防止性粘着シートが半導体加工用シートである請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
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