JP2023005102A - 再剥離性粘着剤組成物 - Google Patents

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Fujio Someya
健太郎 勝山
Kentaro Katsuyama
南帆子 仁平
Nahoko Nihei
誠貫 加茂
Naruyuki Kamo
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Abstract

【課題】高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離できる再剥離性粘着剤組成物を提供する。【解決手段】スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物であって、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下である、前記再剥離性粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、仮固定用や、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、保護フィルム、養生テープ及び工程用テープ等の粘着加工製品に好適に用いられる、再剥離性の良好な再剥離性粘着剤組成物に関する。
近年、リサイクル性の観点から、ラベル用、物品の保護用や仮固定用、工程用として、使用時は適度な粘着強度を有し、使用後は糊残りなくきれいに剥せるという、再剥離性粘着剤に関する要求が高まり、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても再剥離できることが求められてきている。
このような要求に対して、従来は架橋型のアクリル樹脂系粘着剤が用いられてきた。しかしながら、架橋型であると、直接被着体に塗布して仮固定に用いることは困難なため、粘着加工製品に加工して用いる必要が生じる。また、架橋型粘着剤を用いた粘着加工製品においては、基材と粘着剤を分離して基材や粘着剤自体をリサイクルしたいという要求に応えることも難しい。
リサイクルの容易な熱可塑性粘着剤としては、スチレン系熱可塑性エラストマーベースのホットメルト型を用いて、再剥離性粘着剤を得る試みがなされてきた(特許文献1乃至6)。
特開平10-182204号公報 特開平11-323026号公報 特開2001-081277号公報 特開2007-224101号公報 特開2014-159526号公報 特開2021-001263号公報
特許文献1には、スチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂、プロセスオイル、ワックスからなる可剥離性のホットメルト組成物が開示されているが、非粘着性の組成物に関するもので粘着剤としての機能を有していない。
特許文献2及び3には高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーをベースにするホットメルト組成物が開示されているが、いずれも粘着剤用途ではないシール材用途向けであり、粘着付与樹脂を配合していないことから、粘着剤としての機能を有していない。
特許文献4には、スチレン系熱可塑性エラストマーに粘着付与樹脂を配合した、自着性、表面タックを有しながら、再剥離性良好な滑り止め用組成物が開示されているが、例示されているスチレン系熱可塑性エラストマーはいずれも分子量が低く、高温に曝された際や長期の貼り付け後には、糊残りが生じる問題がある。
特許文献5には、特定のスチレン系熱可塑性エラストマーに粘着付与樹脂、酸化防止剤、離型剤からなる再剥離性粘着剤が開示されているが、ここで用いているスチレン系熱可塑性エラストマーも、分子量が低いので、高温に曝された際や長期の貼り付け後には、糊残りが生じる問題がある。
特許文献6には、高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーと特定のスチレン含有率の低分子量スチレン系熱可塑性エラストマーと特定の粘着付与樹脂、特定のオイルが配合されたホットメルト組成物が開示されているが、ヘッドランプのシール材用途向けであり
、粘着剤用途ではなく、まして粘着剤の再剥離性については開示も示唆もされていない。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、加工性、リサイクル性に優れるスチレン系熱可塑性エラストマーを用いて、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離できる再剥離性粘着剤組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記再剥離性粘着剤組成物を基材上に膜形成した粘着テープを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記再剥離性粘着剤組成物の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記再剥離性粘着剤組成物の再剥離性向上方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題解決を目標に鋭意検討した結果、スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含み、該スチレン系熱可塑性エラストマーの粘度を特定範囲とし、該粘着付与樹脂中に脂肪族粘着付与樹脂を含有するとともに該脂肪族粘着付与樹脂の含有量を特定の範囲とした再剥離性着剤組成物は、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明はスチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物であって、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下である、前記再剥離性粘着剤組成物を提供する。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が260000以上400000以下であることが好ましい。
前記再剥離性粘着剤組成物中の前記スチレン系熱可塑性エラストマーに対する前記脂肪族粘着付与樹脂の質量比(脂肪族粘着付与樹脂/スチレン系熱可塑性エラストマー)が、1.8以上4.5以下であることが好ましい。
前記再剥離性粘着剤組成物中の前記スチレン系熱可塑性エラストマー及び前記脂肪族粘着付与樹脂の合計含有量が40質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
前記再剥離性粘着剤組成物中に可塑剤を15質量%以上60質量%以下含むことが好ましい。
さらに本発明は、上記再剥離性粘着剤組成物を、基材上に膜形成した粘着テープを提供する。
さらに本発明は、スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を160℃以上190℃以下にて加熱混合する工程を含む再剥離性粘着剤組成物の製造方法であって、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下である、前記製造方法を提供する。
さらに本発明は、スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物の再剥離性向上方法であって、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下とすることを特徴とする、前記再剥離性向上方法を提供する。
前記再剥離性向上方法において、前記再剥離性粘着剤組成物中に、可塑剤を15質量%以上60質量%以下含有させることが好ましい。
本発明によれば、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離できる再剥離性粘着剤組成物を提供できる。
さらに本発明によれば、上記再剥離性粘着剤組成物を備えることで、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離できる粘着テープを提供できる。
さらに本発明によれば、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離できる再剥離性粘着剤組成物の製造方法を提供できる。
さらに本発明によれば、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離できる再剥離性粘着剤組成物の再剥離性向上方法を提供できる。
[再剥離性粘着剤組成物]
本発明の再剥離性粘着剤組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物であって、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下である。
本発明における再剥離とは、貼り付け後、糊残りが無く剥がせることを意味する。
<スチレン系熱可塑性エラストマー>
本発明に用いるスチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレンによって形成される繰り返し単位を有するとともに、30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であれば特に限定されない。また、上記スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加されていてもよい。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、好ましくは、1200mPa・s以上7500mPa・sであり、より好ましくは、1500mPa・s以上6000mPa・s以下である。上記トルエン溶液の粘度は、ブルックフィールド型粘度計で測定す
ることで決定される。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられるがこれらに限定されない。また、スチレン系熱可塑性エラストマーとして、これらの1種若しくは複数種を混合したものも30℃での10質量%トルエン溶液粘度が上記範囲に入るものであれば、本発明の対象となりえる。
なかでも、本発明の効果に優れるという観点から、SEPS及びSEEPSが好ましい。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量(Mw)は、260000以上400000以下であることが好ましく、280000以上380000以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値をもとにした標準ポリスチレン換算値である(以下本明細書において重量平均分子量(Mw)の値は同様に換算値を表す)。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、市販品を用いることができ、一例として以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、クラレ社製「セプトン4055」、クラレ社製「セプトン2005」を用いることができる。
<粘着付与樹脂>
本発明に用いる粘着付与樹脂としては、粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下、好ましくは90質量%以上100質量%以下であれば特に限定されない。
上記脂肪族粘着付与樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)系部分水添石油樹脂、及びジシクロペンタジエン系完全水添石油樹脂等の脂環族系石油樹脂;C5系石油樹脂、C5系部分水添石油樹脂、C5系完全水添石油樹脂、C9系部分水添石油樹脂、C9系完全水添石油樹脂、C5/C9系部分水添石油樹脂及びC5/C9系完全水添石油樹脂等の脂肪族系石油樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、C5系石油樹脂は石油のC5留分を原料とした石油樹脂であり、C9系石油樹脂は石油のC9留分を原料とした石油樹脂であり、C5/C9系石油樹脂は石油のC5留分とC9留分とを原料とした石油樹脂である。C5留分としては、イソプレン、ペンタン等が挙げられる。C9留分としては、スチレン、ビニルトルエン、インデン等が挙げられる。
なかでも、本発明の効果に優れるという観点から、上記石油樹脂の中でも水素化することによって不飽和結合を減少された部分水添又は完全水添石油樹脂が好ましく、完全水添石油樹脂がより好ましい。
これら脂肪族粘着付与樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
脂肪族粘着付与樹脂としては、市販品を用いることができ、一例として以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、JXTG社製「T-REZ HA-85」、JXTG社製「T-REZ HA-103」、JXTG社製「T-REZ HA-125」、荒川化学工業社製「アルコンP-90」、荒川化学工業社製「アルコンP-100」、荒川化学工業社製「アルコンP-115」、荒川化学工業社製「アルコンP-125」、出光興産社製「アイマーブS-100」を用いることができる。
本発明に用いる粘着付与樹脂は、0質量%以上12質量%以下、好ましくは0質量%以上10質量%以下であれば、非脂肪族粘着付与樹脂を配合することもできる。そのような非脂肪族粘着付与樹脂としては、たとえば、テルペン樹脂(α-ピネン主体、β-ピネン主体、ジペンテン主体等)、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂及び水素化テルペンフェノール共重合樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
後述する実施例においても示されるが、粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上である場合、該粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物は、120℃の高温に曝されたり、長期間(120℃の恒温槽に20時間放置する。)貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件で使用することができる。
前記再剥離性粘着剤組成物中の前記スチレン系熱可塑性エラストマーに対する前記脂肪族粘着付与樹脂の質量比(脂肪族粘着付与樹脂/スチレン系熱可塑性エラストマー)が、1.8以上4.5以下であることが好ましく、2.0以上3.7以下であることがより好ましい。
前記再剥離性粘着剤組成物中の前記スチレン系熱可塑性エラストマー及び前記脂肪族粘着付与樹脂の合計含有量が40質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
合計含有量が上記範囲にあれば、再剥離性に優れた再剥離性粘着剤組成物とすることができる。
<可塑剤>
本発明の再剥離性粘着剤は、可塑剤を含有することができる。なお、可塑剤は限定的ではないが、液状可塑剤であることが好ましい。なお、上記「液状」とは、25℃で流動性をもつことを意味する。
そのような可塑剤としては、例えば、石油系のプロセスオイル(パラフィン系、ナフテン酸系、芳香族系)、流動パラフィン、炭化水素系合成油等が挙げられるがこれらに限定されない。スチレン系熱可塑性エラストマーとの相溶性からパラフィン系プロセスオイルが好ましい。また、これら可塑剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
可塑剤としては、市販品を用いることができ、一例として以下のものが挙げられるが、これに限定されない。
例えば、出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW-90」を用いることができる。
前記再剥離性粘着剤組成物中における可塑剤の含有量は、15質量%以上60質量%以下であることが好ましい。可塑剤の含有量が上記の範囲内であれば、再剥離性に優れた再剥離性粘着剤組成物とすることができる。
<その他の添加剤>
本発明の再剥離性粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記の成分以外にも、粘着剤などで汎用されている添加剤を用いることができる。そのような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、難燃
剤及び発泡防止剤等が挙げられるがこれらに限定されない。
酸化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系、p-フェニレンジアミン系、キノリン系、フェノール系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系等が挙げられ、なかでもヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の市販品としては、エバースプリングケミカル社製「エバノックス10」を挙げることができる。
[粘着テープ]
本発明の粘着テープは、本発明の再剥離性粘着剤組成物を、基材上に膜形成した粘着テープである。
本発明の再剥離性粘着剤組成物を適用することができる基材、すなわち、接着用部材、及び被着材は、とくに制限されない。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンのようなポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリアミド、ポリアセタールのようなエンジニアリングプラスチック;金属、ガラス、ゴム等が挙げられる。
上記基材上に膜形成する方法としては例えば吐出機(アプリケーター)を用いる方法が挙げられるがこれに限定されない。
本発明の粘着テープには、粘着シート、粘着ラベル、保護フィルム、養生テープ及び工程用テープ等も包含する。これら製品の用途ごとに再剥離性粘着剤組成物の好適な粘着力は変化するため、その範囲は一義的には決定できないが、後述する実施例の方法で25℃の粘着力が1.0N以上あれば、これら用途に使用し得る。また、本発明の再剥離性粘着剤組成物は、前記スチレン系熱可塑性エラストマー及び前記脂肪族粘着付与樹脂の含有量を変えることで上記製品が要求するそれぞれ好適な粘着力に調整することができる。
[再剥離性粘着剤組成物の製造方法]
本発明の再剥離性粘着剤組成物の製造方法は、スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を160℃以上190℃以下にて加熱混合する工程を含み、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下であることを特徴とする。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を160℃以上190℃以下にて加熱混合する工程は、上記温度範囲まで加熱して混合可能であればその方法はとくに限定されない。例えば、捏和機を用いることができる。また、上記加熱混合工程において、「スチレン系熱可塑性エラストマー」及び「粘着付与樹脂」等は上記の[再剥離性粘着剤組成物]で説明したとおりである。
[再剥離性粘着剤組成物の再剥離性向上方法]
本発明の再剥離性粘着剤組成物の再剥離性向上方法は、スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含み、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下とすることを特徴とする。
上記「スチレン系熱可塑性エラストマー」及び「粘着付与樹脂」等は上記の[再剥離性粘着剤組成物]で説明したとおりである。
前記再剥離性向上方法において、前記再剥離性粘着剤組成物中に、可塑剤を15質量%以上60質量%以下含有させることが好ましい。上記「可塑剤」は、上記の[再剥離性粘着剤組成物]で説明したとおりである。
以下に、本発明の実施例を示して、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、実施例に限定されるものではない。
略記号は以下の意味を表す。
<Aスチレン系熱可塑性エラストマー>
A1:クラレ社製セプトン4055(スチレン含有率30%のSEEPS、10質量%トルエン溶液粘度5,800mPa・s/30℃)
A2:クラレ社製セプトン2005(スチレン含有率20%のSEPS、10質量%トルエン溶液粘度1,700mPa・s/30℃)
A3:クラレ社製セプトン2063(スチレン含有率16%のSEPS、10質量%トルエン溶液粘度29mPa・s/30℃)
A4:クラレ社製セプトン8007L(スチレン含有率30%のSEBS、10質量%トルエン溶液粘度20mPa・s/30℃)
A5:クレイトンポリマー社製クレイトンD-1161JSP(スチレン含有率12%のSIS、10質量%トルエン溶液粘度<100mPa・s/30℃)
A6:クレイトンポリマー社製クレイトンD-1118DT(スチレン含有率30%のSBS、10質量%トルエン溶液粘度<100mPa・s/30℃)
A7:日本ゼオン社製クインタック3433N(スチレン含有率16%のSIS、10質量%トルエン溶液粘度<100mPa・s/30℃)
<B粘着付与樹脂>
B1:JXTG社製T-REZ HA-85(脂肪族粘着付与樹脂である水素化DCPD樹脂。軟化点85℃)
B2;JXTG社製T-REZ HA-103(脂肪族粘着付与樹脂である水素化DCPD樹脂。軟化点103℃)
B3:JXTG社製T-REZ HA-125(脂肪族粘着付与樹脂である水素化DCPD樹脂。軟化点125℃)
B4:荒川化学工業社製アルコンP-90(脂肪族粘着付与樹脂である水素化C9樹脂。軟化点90℃)
B5:荒川化学工業社製アルコンP-100(脂肪族粘着付与樹脂である水素化C9樹脂。軟化点100℃)
B6:荒川化学工業社製アルコンP-115(脂肪族粘着付与樹脂である水素化C9樹脂。軟化点115℃)
B7:荒川化学工業社製アルコンP-125(脂肪族粘着付与樹脂である水素化C9樹脂。軟化点125℃)
B8:出光興産社製アイマーブS-100(脂肪族粘着付与樹脂である水素化DCPD/C9共重合樹脂。軟化点100℃)
B9:荒川化学工業社製タマノル803L(非脂肪族粘着付与樹脂であるテルペンフェノール樹脂。軟化点150℃)
B10:イーストマンケミカル社製フォーラリン5020F(非脂肪族粘着付与樹脂であるロジンエステル樹脂。液状)
B11:三井化学社製FTR-6100(非脂肪族粘着付与樹脂である脂肪族変性スチレ
ン樹脂。軟化点95℃)
B12:ヤスハラケミカル社製YSポリスターUH-115(非脂肪族粘着付与樹脂であるテルペンフェノール樹脂。軟化点115℃)
B13:荒川化学工業社製パインクリスタルKR-612(非脂肪族粘着付与樹脂である超淡色ロジン。軟化点85℃)
<可塑剤>
C:出光興産社製ダイアナプロセスオイルPW-90(パラフィンオイル)
<酸化防止剤>
D:エバースプリングケミカル社製エバノックス10(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
[実施例1]
スチレン系熱可塑性エラストマーとして上記A1及びA2、粘着付与樹脂として上記B3、可塑剤として上記C、並びに酸化防止剤として上記Dをそれぞれ下記表1-1に記載の割合で配合し、ラボニーダーを用いて160℃から190℃の温度で約60分間混合することで実施例1の再剥離性粘着剤組成物を調製した。なお、下記表1中、「部」は「質量部」を表す。
[実施例2乃至10及び比較例1乃至15]
上記実施例1と同様の手順にて、(A)乃至(D)成分を下記表1-1乃至1-3に示す割合で混合することで、実施例2乃至10及び比較例1乃至15の再剥離性粘着剤組成物を調製した。
Figure 2023005102000001
Figure 2023005102000002
Figure 2023005102000003
[再剥離性評価]
実施例1乃至10及び比較例1乃至15で調製した各再剥離性粘着剤組成物を、190℃のホットプレート上で、100μm厚のPETフィルムにおよそ100μm塗布し、室温まで冷却して粘着テープを得た。これら粘着テープを25mm幅にカットし、2mm厚のSUS板に貼り付け、2kgの荷重ローラーで2往復した。これら試験片を25℃、60℃、80℃又は120℃の恒温槽に10分間放置した後、取り出して直ちにテープの片耳をプッシュプルゲージでつかみ、180度方向に引きはがし、最大荷重を測定し、剥離強さとした。剥離強さ測定後の試験片についてSUS板への糊残りの状態を観察した。剥離強さと糊残りの結果を表2-1及び2-2に示した。
また、長期の貼付後の再剥離性を評価する促進試験方法として、粘着テープを貼付した上記の試験片を120℃の恒温槽に20時間放置した後、恒温槽中で25℃まで放冷し、取り出して直ちにテープの片耳をプッシュプルゲージでつかみ、180度方向に引きはがし、最大荷重を測定し、はく離強さとした。剥離強さ測定後の試験片についてSUS板への糊残り状態を観察した。ここで糊残りが生じたものについては、さらに40℃恒温槽中に10分間再加熱した後取り出して直ちに引きはがし、糊残りの状態を観察した。はく離強さと糊残りの結果を表2-1及び2-2に示した。表2-1及び2-2において、25℃の試験片に糊残りが生じないものは、なしと、25℃に糊残りがあっても、40℃に再加熱後糊残りなく剥がせたものについては、△と、再加熱後も糊残りが生じたものは、ありと記述した。
Figure 2023005102000004
Figure 2023005102000005
表2-1及び表2-2に示す結果より、以下の点が判明した。実施例1乃至10の再剥離性粘着剤組成物から作製した粘着テープは、120℃の高温に晒されても糊残りがなく、また長期の貼付後の再剥離性でも良好な特性を示した。
したがって、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件で使用される粘着シート、粘着ラベル、保護フィルム、養生テープ及び工程用テープ等の様々な粘着力が求められる粘着テープに好適に使用できることを示している。
一方で、比較例1乃至15の再剥離性粘着剤組成物は、上記製品に使用するには不適当であることが示唆された。すなわち、30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s未満のスチレン系熱可塑性エラストマーを含む比較例1乃至6の再剥離性粘着剤組成物から作製した粘着テープは、120℃においていずれも糊残りがある結果となった。さらに、長期の貼付後の再剥離性を評価する促進試験においても比較例1乃至6の再剥離性粘着剤組成物から作製した粘着テープは、いずれも糊残りがある結果となった。
また、粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以下である該粘付与樹脂を含む比較例7乃至15の再剥離性粘着剤組成物から作製した粘着テープは、25℃において元より粘着性が発現しない比較例13の例を除き、120℃においていずれも糊残りがある結果となった。さらに、長期の貼付後の再剥離性を評価する促進試験においても比較例7乃至15の再剥離性粘着剤組成物から作製した粘着テープ(比較例13の例を除く)はいずれも糊残りがある結果となった。
本発明の再剥離性粘着剤組成物は、高温に曝されたり、長期間貼付された後に剥がされたりするなど過酷な条件を経ても糊残りなく再剥離でき、仮固定用や、粘着シート、粘着ラベル、保護フィルム、養生テープ及び工程用テープ等の粘着テープに好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物であって、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
    前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下である、前記再剥離性粘着剤組成物。
  2. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が260000以上400000以下である、請求項1に記載の再剥離性粘着剤組成物。
  3. 前記再剥離性粘着剤組成物中の前記スチレン系熱可塑性エラストマーに対する前記脂肪族粘着付与樹脂の質量比(脂肪族粘着付与樹脂/スチレン系熱可塑性エラストマー)が、1.8以上4.5以下である、請求項1又は2に記載の再剥離性粘着剤組成物。
  4. 前記再剥離性粘着剤組成物中の前記スチレン系熱可塑性エラストマー及び前記脂肪族粘着付与樹脂の合計含有量が40質量%以上80質量%以下である、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の再剥離性粘着剤組成物。
  5. 前記再剥離性粘着剤組成物中に可塑剤を15質量%以上60質量%以下含む、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の再剥離性粘着剤組成物。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の再剥離性粘着剤組成物を、基材上に膜形成した粘着テープ。
  7. スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を160℃以上190℃以下にて加熱混合する工程を含む再剥離性粘着剤組成物の製造方法であって、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
    前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下である、前記製造方法。
  8. スチレン系熱可塑性エラストマー及び粘着付与樹脂を含む再剥離性粘着剤組成物の再剥離性向上方法であって、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマーの30℃での10質量%トルエン溶液粘度が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
    前記粘着付与樹脂中の脂肪族粘着付与樹脂の含有量が88質量%以上100質量%以下とすることを特徴とする、前記再剥離性向上方法。
  9. 前記再剥離性粘着剤組成物中に、可塑剤を15質量%以上60質量%以下含有させる、請求項8に記載の再剥離性向上方法。
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