JP5191285B2 - 伝送回路 - Google Patents

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Description

本発明は、伝送回路と、この伝送回路を用いる伝送方法とに係り、特に、複数のデバイスに接続されるための伝送回路と、この伝送回路を用いる伝送方法とに係る。
近年、技術の急速な進歩に伴って、SiP(System in Package)は、ますます高密度化が進んでいる。SiP内およびSiPと別のデバイスで構成される伝送回路網システムにおいても、高密度化、かつ、高速化が進んでいる。
一般的な伝送回路網において、所望の伝送を実現する場合は、伝送回路網のチューニングが施される。例えば、終端抵抗の活用、ダンピング抵抗(シリーズ終端)の活用、伝送線路インピーダンスの調整、伝送線路長の調整などが施される。
ここで、特に、SiP内にDRAMを搭載し、更にPCB(Printed Circuit Board:プリント基板)上でDRAMを接続したような、小型化された高密度実装からなる伝送回路網システムにおいては、次のような制限が発生している。
すなわち、SiP内伝送線路は、非常に高密度な実装状態であるため、チューニングをするための余地が無く、伝送線路となる配線をチューニングすることは厳しい。
また、終端抵抗を用いる施策は、消費電力の増大を招く。
さらに、高速伝送を実現する上で、複数のデバイスが接続され、相互に信号を送受信する場合においては、複数の受信デバイス間への伝播遅延を等しくする事が出来ない。この伝播遅延による時間的なズレが、高速伝送での大きな制約となっている。
最初に、歪の無い一般的な伝送回路網を比較対象として図1、図2を用い説明する。
図1は、一般的な従来技術による伝送回路の回路図である。この伝送回路は、2つの伝送線路T12、T13を具備する。2つの伝送線路T12、T13は、直列に接続されている。
2つの伝送線路T12、T13を接続する接点を、接続点N72と呼ぶ。伝送線路T12のもう一方の先端を、接続点N71と呼ぶ。伝送線路T13のもう一方の先端を、接続点N73と呼ぶ。
3つの接続点N71、N72、N73にはそれぞれ、デバイスDEV1、DEV2、DEV3に接続されている。
2つの接続点N71、N73は、伝送回路の2つの終端でもある。2つの接続点N71、N73はそれぞれ、2つの終端抵抗RT1、RT2を介して、2つの終端電源VT1、VT2に接続されている。
具体的な接続としては、まず終端電源VT1と接続点N71の間に終端抵抗RT1が接続され、接続点N71にはデバイスDEV1が接続される。接続点N71と接続点N72の間には、伝送線路T12が接続され、接続点N72にはデバイスDEV2が接続される。また接続点N72と接続点N73の間には伝送線路T23が接続され、接続点N73にはデバイスDEV3が接続される。そして接続点N73と終端電源VT2の間に終端抵抗RT2が接続される。
また、各デバイスDEV1、DEV2、DEV3は、ドライバとレシーバとを具備する双方向インターフェイスのデバイスである。
図1における伝送回路の動作について説明する。まず、2つの伝送線路T12、T23はそれぞれ、伝送線路インピーダンスが50Ωであり、伝播遅延が250psであるとする。2つの終端抵抗RT1、RT2の抵抗値も、それぞれ50Ωとする。そして、2つの終端電源VT1、VT2はそれぞれ、電圧を0Vとする。
図1において、デバイスDEV1のドライバから信号を出力し、デバイスDEV2、DEV3のレシーバに伝播する場合を考える。デバイスDEV1から出力される信号の電圧は、1Vとする。出力インピーダンスは、伝送線路インピーダンスの半分の25Ωとする。出力信号の立ち上がり時間は、200psとする。デバイスの端子容量は、1pFとする。
デバイスDEV1から見た伝送線路は、終端抵抗RT1の50Ωと伝送線路T12の50Ωが並列に接続された状態と見える。つまりデバイスDEV1から見た伝送線路の等価インピーダンスは25Ωとして見え、出力インピーダンスの25Ωとマッチングがとれた状態となる。
立ち上がり時出力レベルは、1Vを線路の等価インピーダンスの25Ωと、デバイスDEV1の出力インピーダンスの25Ωで抵抗分圧したレベルとなり、その値は式(1)に示すように0.5Vとなる。
(式1)
1×25/(25+25)=0.5
信号が伝送線路に伝播した場合について考える。この信号は、伝送線路T12、T23を50Ωでマッチングがとれた状態として伝播し、RT2の終端により最後まで50Ωでマッチングがとれた状態で伝播する。つまりデバイスDEV1、DEV2、DEV3の端子容量による劣化以外に反射が生じない。
最終的な直流レベルは、50Ωの終端抵抗RT1、RT2が並列接続された25Ωの合成抵抗と、デバイスDEV1の出力インピーダンス25Ωの分圧となり、最終レベルも0.5Vとなる。
次に、図1における2つの接続点N72、N73の特性について説明する。デバイスDEV1の波形で反射が生じないのと同様に、2つの接続点N72、N73の特性は、信号の伝播における経過点としての特性となる。つまり、2つの接続点N72、N73の特性は、接続点N71の特性が、伝送線路T12、T23の伝播遅延だけ時間が経過した後に伝播した特性となる。
つまり、最初のレベルも最終的なレベルも0.5Vと同じであり、伝播においても常にインピーダンスがマッチしており、反射による歪は抑制されている。
図2は、図1の伝送回路が動作した際における伝播特性グラフである。横軸は、時間を表し、単位はナノ秒(ns:nano second)である。縦軸は、伝送回路の出力における電圧を表し、単位はボルト(V:Volt)である。
3つの波形W3N1、W3N2、W3N3はそれぞれ、3つの接続点N71、N72、N73の特性に対応する。
したがって、電子機器内のバス接続において、高速なデータ伝送を実現する為には、伝送回路網での反射抑制が重要となる。
以上に関連して、特許文献1(特開平11−45138号公報)には、高速バス回路方式に係る発明が開示されている。
特許文献1に記載の高速バス回路方式は、複数の集積回路間を各々抵抗器を経由して伝送線路に接続するとともに、抵抗器および伝送線路が交互となるように接続してバス全体を1つのループ状に形成するようにしたことを特徴とする。
特許文献1には、明細書段落「0003」において、「本発明の第2の実施形態における伝送回路に、6つの抵抗器r12、r23、r34、r45、r56、r61を追加したものに等しい」と記載されている。
また、同じく段落「0015」において、「抵抗器R25が終端抵抗として作用して反射を抑えることができる。すなわち、交流的にはグランドおよび電源と同電位とみなすことができ、終端抵抗として動作して反射成分の発生が抑えられるのである」と記載されている。
以上の記載から、各構成要素における、回路定数の最前の値は、次のとおりであると類推される。
すなわち、まず伝送線路SL21、SL22、SL23、SL24、SL25、SL26は、伝送線路インピーダンスが50Ω、伝播遅延が250psである。また、抵抗R21、R22、R23、R24、R25、R26の抵抗値も同じく50Ωである。
ここで、デバイスIC25のドライバから信号を出力し、デバイスIC21、IC22、IC23、IC24、IC26に伝播する場合を考える。
このとき、デバイスIC25から出力される信号は、出力信号が1Vであるとする。また、出力インピーダンスは50Ωとする。さらに、出力信号の立ち上がり時間が200psであり、デバイスの端子容量は1pFとする。
まず、図2における接続点N95の波形について説明する。
デバイスIC25から見た伝送線路は、左回りのパスと、右回りのパスとが、並列に接続した状態と見える。ここで、左回りのパスとは、伝送線路SL24、抵抗R24の方向に向かうパスである。また、右回りのパスとは、抵抗R25、伝送線路SL25の方向に向かうパスである。
デバイスIC25から見た場合、2つのパスでは、デバイスIC25から見た等価インピーダンスがそれぞれ異なる。
まず、伝送線路SL24、抵抗R24の方向に向かう左回りパスは、伝送線路が先にあるので等価的に50Ωとして見える。
一方、抵抗R25、伝送線路SL25の方向に向かう右回りパスは、抵抗が先にあるので等価的に100Ωと見える。
したがって、デバイスIC21から見た合成の等価インピーダンスは、式(2)に示すように約33.3Ωとなる。
(式2)
(50×100)/(50+100)=33.3
したがって、出力レベルは、1Vを線路の等価インピーダンスの33.3Ωと、IC21の出力インピーダンスの50Ωで抵抗分圧したレベルとなる。その値は、式(3)に示すように0.4Vである。
(式3)
1×R/(50+R)=0.4
ただし、
R=(50×100)/(50+100)
伝送線路に伝播した信号電圧の、各接続点における変化は、0.4Vの信号がリング状に接続された伝送線路を右回りパスと左回りパスとを伝播する事で、順次決定していく。
伝播においては、各接続点での等価インピーダンスが、「伝送線路が先で抵抗が後」の場合は50Ωであり、「抵抗が先で伝送線路が後」の場合は100Ωである。この違いはすなわちミスマッチとなる為、信号の伝播は、接続点毎に、反射と減衰とを繰返し発生させる。
さらに、伝送線路がリング状に接続されている事で、逆周りの信号と重ね合わされて、特性もこの重ね合わせに応じて変化する。
伝送回路はリング状であり、終端されていないため、最終的な直流レベルは入力信号と同じ1Vとなる。しかし、「右回りの信号」と「左回りの信号」と、各接続点でミスマッチにより発生する「多重反射」が重ね合わさることで、電圧が上がる結果、最終的にこの1Vとなるのである。
特許文献1発明による伝送回路の、接続点N95における特性としては、図4のW4N5の波形が得られる。
同様に、図3の接続点N91、N92、N93、N94、N96の特性には、図4のW4N1、W4N2、W4N3、W4N4、W4N6の波形が対応する。これらの波形から明白なように、反射信号による波形の歪は抑制されない。
加えて、従来技術においては、伝播遅延を等しくする事が出来ず、高速伝送においてはその伝播遅延のズレが大きな制約となる。
特許文献1に開示された技術について、図3乃至図7に基づいて、より詳細に説明する。
図3は特許文献1の技術における伝送回路の回路図である。IC21〜IC26は、それぞれドライバとレシーバとを内蔵するICである。SL21〜SL26はバス上の信号を伝送するプリント基板上の伝送線路である。R21〜R26は抵抗器である。
次に、従来技術における基本回路の動作について説明する。まず、バスを介したデータの伝送において、バスに接続されたIC21〜IC26のいずれか1つのドライバ・レシーバを内蔵するプロセッサを含む各種集積回路(以降はICとする)がバスを駆動する。そのときにバスに現れる信号を他のICが受信する点に関しては図1の従来例の動作と同様である。
また、特許文献1発明に係わるすべての実施形態の説明におけるレシーバは、従来例で説明したと同様に入力インピーダンスが高く、信号伝送上の影響が少ないため、この部分での波形歪みは無視できるものとする。
図4は、特許文献1における伝送回路の伝播特性グラフである。この伝播特性グラフにおける特徴的な点は、バスをループ状にするとともに、各IC間を結ぶ伝送線路の間に各々抵抗器を直列に挿入し、その抵抗器の片側は伝送線路を経由させずに各ドライバ・レシーバに直接接続するようにしたことである。例えば、IC25がバスを駆動して信号を送出する場合について、等価的に回路を書き直すと図5に示すようになる。
図5は、特許文献1における伝送回路の動作を説明するための回路図である。この回路図において、IC25のドライバがバスを駆動した瞬間には、出力に一番近い伝送線路SL24の左端および抵抗器R25経由伝送線路SL25の左端が負荷となる。そして、図中の点線矢印で示したような、伝送線路SL24左端を出発点とした左回りの信号伝送経路、および点線矢印と反対方向の抵抗器R25を出発点とした右回りの信号伝送経路が構成される。図5に示した左回りの信号伝送経路をさらに書き直すと、図6に示すような等価回路が得られる。
図6は、特許文献1における伝送回路に相当する等価回路図である。この等価回路図において、IC25のドライバはまず伝送線路SL24の左端を駆動し、SL24を伝送した信号は抵抗器R24を経由して、次に伝送線路SL23に到達する。さらに、抵抗器R23、伝送線路SL22、抵抗器R22、伝送線路SL21、抵抗器R21、伝送線路SL26、抵抗器R26、伝送線路SL25、R25の順で信号が伝送される。抵抗器R25において、伝送線路SL25と反対側に接続されているのは図5における信号源IC25の出力であるが、図6ではIC25の出力が“L”である場合について等価的に図6(a)の回路3で示し、またIC25の出力が“H”である場合を等価的に図6(b)の回路4で示してある。すなわち、IC25の出力が“L”である場合には、終端抵抗R25が小インピーダンスrを経由してグランドに接続されたものとして考えることができる。また、IC25の出力が“H”のときは小インピーダンスrを経由して“H”のときの電圧レベルVH に接続されたものとして考えることができる。したがって、抵抗器R25は信号源IC25の出力と同一電圧レベルで終端されることになるので無駄な消費電流は流れない。そして、IC25の出力インピーダンスrを十分小さくしておけば、抵抗器R25が終端抵抗として作用して反射を抑えることができる。すなわち、交流的にはグランドおよび電源と同電位とみなすことができ、終端抵抗として動作して反射成分の発生が抑えられるのである。一方、図5における点線矢印とは逆向きとなる右回りの信号伝送線路をさらに等価回路として書き直すと、図7に示す回路が得られる。
図7は、特許文献1における伝送回路に相当する等価回路図である。この等価回路図から明らかなように、IC25のドライバの出力に接続されている抵抗器R25が伝送線路SL25をドライブする際の送端抵抗として作用して、反射を減らす働きをしている。なお、この高速バス内の抵抗器R21〜R26は、すべて直流的には同一電圧レベルであるため無駄な消費電流が流れることはない。
特開平11−45138号公報
電子機器内の、バス接続において、高速なデータ伝送を実現する為には、伝送回路網での反射抑制が重要である。特許文献1に開示された技術では、上述したように反射を抑制し、更に一般的な終端抵抗を用いない事により、直流電力抑制が実現されると説明している。
しかし、特許文献1の技術は、説明に反して反射を抑制出来ていない。特許文献1の技術における具体的な例では、その特性が図4に示す波形を示す。多重反射による棚が論理スレショルド付近に多く発生しており、反射を抑制するどころか、実際には多重反射だらけとなっている。
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による伝送回路は、信号を入出力する複数のデバイス(DEV1〜DEV12)同士を接続するための、1つのリング状に接続された複数の伝送線路(T12〜T61)を具備する。複数の伝送線路(T12〜T61)のそれぞれにおける伝播遅延時間は、全て同一の所定値である。複数の伝送線路(T12〜T61)のそれぞれにおける伝送線路インピーダンスは、全て同一の所定値である。複数のデバイス(DEV1〜DEV12)における出力インピーダンスは、伝送線路インピーダンスの所定値の半分以下である。複数のデバイス(DEV1〜DEV12)に含まれる任意のデバイス(DEV1〜DEV12)から出力される信号が、複数のデバイス(DEV1〜DEV12)に含まれる任意のデバイス以外の全て(DEV1〜DEV12)に伝達される際に、信号の電圧における所定の閾値を同時に超える。
本発明による伝送方法は、1つのリング状に接続された複数の伝送線路(T12〜T61)を具備する伝送回路を介して、信号を入出力する複数のデバイス(DEV1〜DEV12)同士を接続する伝送方法である。この伝送方法は、(a)複数のデバイス(DEV1〜DEV12)に含まれる任意のデバイス(DEV1〜DEV12)から、伝送回路に、信号を供給するステップと、(b)信号を、伝送回路を伝播するステップと、(c)信号を、複数のデバイス(DEV1〜DEV12)に含まれる任意のデバイス以外の全てに供給するステップとを具備する。ステップ(c)は、(c−1)複数のデバイス(DEV1〜DEV12)に含まれる任意のデバイス(DEV1〜DEV12)以外の全てにおいて、伝達する信号の電圧における閾値を同時に超えさせるステップを具備する。
本発明の伝送回路は、リング状に接続された複数の伝送線路を具備する。本発明の伝送回路は、各伝送線路同士の接続点に半導体集積回路を接続することで、複数のデバイス同士を接続するためのバスとして動作するものである。
本発明の伝送回路では、各伝送線路のインピーダンスを全て同じにする。また、本発明の伝送回路に接続されたデバイスにおいて駆動するドライバの出力インピーダンスを、各伝送線路のインピーダンスの半分にする。さらに、リング状伝送回路における右回りと左回りとの間の信号伝播遅延の時間差を、駆動するドライバからの出力信号の立ち上がり時間と立ち下がり時間とよりも小さいか等しいかにする。
その結果、本発明の伝送回路は、次のような特徴を実現する。すなわち、受信側デバイスにおいて、論理スレショルド近傍で論理値が反転させ得るほど大きな反射は発生しない。なお、そのように大きな反射がしたとしても、送信側デバイスにおいてのみであって、問題は無い。また、全ての受信側デバイスは、信号を同一のタイミングで受信することが可能となる。さらに、本発明の伝送回路は終端抵抗を必要としないので、直流電力も抑制される。
添付図面を参照して、本発明による伝送回路と、この伝送回路を用いる伝送方法とを実施するための最良の形態を以下に説明する。
(第1の実施形態)
図8は、本発明の第1の実施形態における伝送回路の回路図である。この伝送回路は、6つの伝送線路T12、T23、T31、T1、T2、T3を具備する。
伝送線路T12の両端の一方は、伝送線路T23の両端の一方と、伝送線路T2の両端の一方とに接続されている。伝送線路T23の両端のもう一方は、伝送線路T31の両端の一方と、伝送線路T3の両端の一方とに接続されている。伝送線路T31の両端のもう一方は、伝送線路T12の両端のもう一方と、伝送線路T1の両端の一方とに接続されている。
伝送線路T1の両端のもう一方を、接続点N11と呼ぶ。接続点N11には、第1のデバイスDEV1が接続されている。同じく、伝送線路T2の両端のもう一方を、接続点N12と呼ぶ。接続点N12には、第2のデバイスDEV2が接続されている。同じく、伝送線路T3の両端のもう一方を、接続点N13と呼ぶ。接続点N13には、第3のデバイスDEV3が接続されている。
第1〜第3のデバイスDEV1、DEV2、DEV3は、それぞれ、信号を出力するためのドライバと、信号を受信するためのレシーバとを具備する半導体集積回路である。ただし、この構成は必ずしも本発明の本質に関係するとは限らず、ドライバまたはレシーバを具備しないデバイスがあっても良い。
このように、3つの伝送線路T12、T23、T31は、3つのデバイスを接続するための、リング状のバスを構成している。
この例では、第1のデバイスDEV1と、第2のデバイスDEV2と、2つの伝送線路T1、T2とが、同一のSiPパッケージSIP1に搭載されている。ただし、この構成は本発明の本質とは関係無く、本発明はこの構成に限定されない。
3つの伝送線路T12、T23、T31において、伝送線路インピーダンスは等しく、また、伝送遅延も等しい。
3つのデバイスDEV1、DEV2、DEV3のそれぞれにおいて、ドライバの出力インピーダンスは、3つの伝送線路T12、T23、T31の伝送線路インピーダンスの半分である。
この伝送回路の動作について説明する。ここでは、第1のデバイスDEV1のドライバが信号を出力し、この信号が第2のデバイスDEV2と第3のデバイスDEV3とに伝播する場合を考える。
なお、この伝送回路はリング状であるので、信号が回転する方向を定義する。すなわち、第1のデバイスDEV1から、第2のデバイスDEV2、第3のデバイスDEV3、の順番に信号が伝播する方向を、右回り、と呼ぶ。同じく、第1のデバイスDEV1から、第3のデバイスDEV3、第2のデバイスDEV2、の順番に信号が伝播する方向を、左回り、と呼ぶ。
また、この伝送回路における特性の例として、以下のように定める。3つの伝送線路T12、T23、T31のそれぞれにおいては、伝送線路インピーダンスを50Ωとし、伝播遅延を250psとする。3つの伝送線路T1、T2、T3のそれぞれにおいては、伝送線路インピーダンスを50Ωとし、伝播遅延を20psとする。3つのデバイスDEV1、DEV2、DEV3のそれぞれにおいては、ドライバの出力インピーダンスを25Ωとし、ドライバの信号の立ち上がり時間と立ち下がり時間を250psとし、デバイスの端子容量を1pFとする。
図9は、本発明の第1の実施形態における伝送回路の、接続点N11における伝播特性グラフである。この伝播特性グラフは、3本の波形を示す。横軸は時間を示し、単位はナノ秒である。縦軸は、各波形の信号電圧を示し、単位はボルトである。
接続点N11において、伝送線路T1を経由して接続される2つの伝送線路T12、T31は、それぞれ伝送線路インピーダンスが50Ωである。伝送線路T1から見ると、2つの伝送線路T12、T31は平行に接続されている。したがって、伝送線路T1から見た、2つの伝送線路T12、T31の等価的なインピーダンスは、25Ωとなる。
この等価インピーダンスが25Ωであるのに対して、第1のデバイスDEV1の出力インピーダンスも同じ25Ωである。したがって、ドライバからの信号が立ち上がる時の出力レベルは、1Vを抵抗分圧した0.5Vとなる。
なお、伝播経路が25Ωで整合されている中において、伝送線路T1のみ50Ωにしている。この理由は、次のとおりである。最初の出力レベルにおいて、伝送線路T1の伝播遅延である20psだけ高いレベルを出したい。しかし、第1のデバイスDEV1の端子容量による伝送線路インピーダンスの低下がある。
また、3つの伝送線路T12、T23、T31で構成されるリング状の伝送線路から見ると、伝送線路T1は分岐した形に見える。このため、伝送線路T1は等価的に寄生容量と見なされる。伝送線路T1が寄生容量として見える事により、信号の劣化が発生する。この劣化を抑制する上でも、伝送線路T1の伝送線路インピーダンスは、25Ωより高いことが望ましい。
図10は、本発明の第1の実施形態における伝送回路の、接続点N11における特性を示す詳細な伝播特性グラフである。この伝播特性グラフは、4本の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸は、各波形の信号電圧を示すが、重なり合う4本の波形の視認性を高める目的で、2本の縦軸が用いられている。すなわち、第1の波形W1N1には左側の縦軸が、第2〜第4の波形W1N1R、W1N1TL、W1N1TRには右側の縦軸が、それぞれ対応する。なお、右側の縦軸は、左側の縦軸よりも1V分だけ上にずれているが、左右の縦軸におけるスケールは同じである。
図10における波形W1N1は、図9における波形W1N1と全く同じである。この波形W1N1は「反射波」、「右回りの通過波」、「左回りの通過波」に分解可能である。ここで、波形W1N1Rは反射波に、波形W1N1TRは右回りの通過波に、波形W1N1TLは左回りの通過波にそれぞれ対応する。
まず、反射波W1N1Rは、前述の通り最初の信号レベルは0.5Vとなる。次に、反射波W1N1Rは、伝送線路T12と伝送線路T31とに分かれて伝播する。反射波W1N1Rが右回りの方向に伝播すると、伝送線路T2と、第2のデバイスDEV2とが、分岐する形に見えて、等価的には寄生容量に見える。童謡に、反射波W1N1Rが左回りの方向に伝播すると、伝送線路T3と、第3のデバイスDEV3とが、分岐する形に見えて、等価的には寄生容量に見える。いずれの場合も、等価インピーダンスの低下が生じる。具体的には、0.5Vからの低下が、反射波の波形におけるくぼみとして、2つの伝送線路T12,T31の伝播遅延の2倍にあたる500ps後に現れている。
次に、右回りの通過波W1N1TRと、左回りの通過波W1N1TLとは、リング状の伝送回路網を1周する。その結果、接続点N11において観測される反射波W1N1Rの波形と同様な波形が、750ps後に観測される。つまり2つの通過波W1N1TR、W1N1TLは、全く同じ波形となる。
反射波W1N1Rに750ps後から右回りの通過波W1N1TRと左回りの通過波W1N1TLが重ね合わされる(全てが加算される)形となり、W1N1となる。
その結果、W1N1の波形は、0.5Vから、750ps後にはフルスイングに近いレベルまで、上昇する。
図11は、本発明の第1の実施形態による伝送回路の、2つの接続点N12、N13における信号の時間変化を説明するための詳細な伝播特性グラフである。言い換えれば、図11は、図8のリング状伝送回路を、信号が右回りと左回りとで伝播した後に、2つの接続点N12、N13において、どのように重ね合わされるかを説明するための波形図である。
この波形図は、4本の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸は、各波形の信号電圧を示すが、重なり合う4本の波形の視認性を高める目的で、2本の縦軸が用いられている。すなわち、第1〜第2の波形W1N2、W1N3には左側の縦軸が、第3〜第4の波形W1N2T、W1N3Tには右側の縦軸が、それぞれ対応する。なお、右側の縦軸は、左側の縦軸よりも1V分だけ上にずれているが、左右の縦軸におけるスケールは同じである。
W1N2と、W1N3とは、それぞれ、接続点N12と、接続点N13とにおける特性である。なお、図11における2つの波形W1N2、W1N3は、それぞれ、図9における2つの波形W1N2、W1N3と同じである。
波形W1N2は、接続点N12における「右回りの通過波」と、同じく「左回りの通過波」とに分解可能である。ここで、右回りの通過波と、左回りの通過波とは、それぞれ、波形W1N2Tと、波形W1N3Tとに対応する。
同様に、波形W1N3を接続点N13における「右回りの通過波」と、同じく「左回りの通過波」とに分解しても2つの波形が得られる。しかし、これら2つの波形は、2つの波形W1N2T、波形W1N3Tとそれぞれ同じである。これは、伝送回路がリング状で、信号を出力する接続点N11から見て、接続点N12と接続点N13とが対称的な関係にあるからである。したがって、ここでは、接続点N12と接続点N13との特性について、前者を代表として選択して説明を続ける。
まず、接続点N12における右回りの通過波W1N3Tは、図10での波形W1N1Rが、接続点N11から3つの伝送線路T1、T12、T2を通過して伝播したものである。したがって、通過する全ての伝送線路における伝送線路遅延の合計値である290psだけずれた、波形W1N1Rと同じ波形が観測される。なお、290psは、伝送線路T1の20psと、伝送線路T12の250psと、伝送線路T2の20psとの合計である。
次に、接続点N12における左回りの通過波W1N2Tは、図10での波形W1N1Rが、接続点N11から4つの伝送線路T1、T31、T23、T2を通過して伝播したものである。したがって、信号が通過する全ての伝送線路における伝送線路遅延の合計値である540psだけずれた、波形W1N1Rと同じ波形が観測される。なお、540psは、伝送線路T1の20psと、伝送線路T31の250psと、伝送線路T23の250psと、伝送線路T2の20psとの合計である。
前述したように、右回りの通過波W1N3Tは、波形W1N1Rから290ps後にずれて立ち上がる。また、左回りの通過波W1N2Tは波形W1N1Rから540ps後にずれて立ち上がる。波形W1N3Tと、波形W1N2Tとが重ね合わされて、すなわち全てが加算されて、波形W1N2が得られる。
ここで、W1N2Tが立ち上がり終えたその時に、W1N3Tが立ち上がり始める。したがって、重ね合わされた波形W1N2は、0Vからフルスイングに近いレベルまで上昇する。
もう一度、具体的な数字を用いて説明しなおす。信号が出力されて250ps後に、右回りの通過波W1N2Tが立ち上がり終える。合成される右回りの通過波W1N2Tと、左回りの通過波W1N2Tとの時間差は、右回りと左回りとでの伝播遅延の差であり、250psとなる。ここで、250psは、540psと290psとの差である。つまり、波形の立ち上がり時間とT23の伝播遅延とが等しい。その結果、右回りの通過波W1N2Tの立ち上がりと、左回りの通過波W1N2Tの立ち上がりとが連続して、波形W1N2の波形が得られる。
接続点N12の特性にて、重ね合わせにおける「波形の立ち上がり時間」と「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」の関係について説明を加える。
まず、「波形の立ち上がり時間」が250psであり、「右回りの通過波と左回りの通過波の時間差」が300psである場合を説明する。すなわち、「波形の立ち上がり時間」よりも「右回りの通過波と左回りの通過波の時間差」の方が大きい場合を説明する。
右回りの通過波W1N2Tが250psで立ち上がり終えた後、右回りの通過波と左回りの通過波の時間差の300psまで、左回りの通過波W1N2Tは立ち上がらない。その狭間となる50psの間は、信号の電圧は0.5V付近に留まる。
つまり、論理スレショルド付近の0.5V付近で棚が出来てしまう。これは、誤って論理を反転させてしまう危険性が高まることを意味している。
次に、「波形の立ち上がり時間」が250psであり、「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」が200psである場合を説明する。すなわち、「波形の立ち上がり時間」よりも「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」の方が小さい場合を説明する。
右回りの通過波W1N2Tが250psで立ち上がり終える前の、右回りの通過波と左回りの通過波との時間差である200psの時点で、左回りの通過波W1N2Tが立ち上がる。その重なりとなる50psの間は、合算した変化となる為、波形の立ち上がる傾きが2倍となる。
つまり、論理スレショルド付近ではより急峻な立ち上がりとなり、論理を反転させてしまう心配が無い。
接続点N12の特性にて、重ね合わせにおける「波形の立ち上がり時間」と「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」との関係について繰返す。「波形の立ち上がり時間」より「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」が大きいと棚が発生する。また、「波形の立ち上がり時間」より「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」が小さいと棚が発生しない。
この棚は、論理スレショルド付近に生じる為、論理を反転させてしまう危険がある。しかし、棚と言う程ではないゆがみ程度で、論理反転が生じないレベルであれば、問題は無い。
ここまで説明したように、本発明の第1の実施形態によって、公知技術の問題点が解決される理由は、大きく3つある。
まず、リング状伝送回路から抵抗を排除したことによって、重反射を抑制した。
また、リング状伝送回路の伝送インピーダンスと、ドライバの出力インピーダンスとにおいて、問題解決の条件を見出した。
さらに、「波形の立ち上がり/立下り時間」と「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」との関係において、問題解決の条件を見出した。
最初に、リング状伝送回路網から抵抗を排除し、重反射を抑制した点を以下に説明する。
従来技術では、図3に示す接続点デバイスDEV5から見た場合、2つのパスはデバイスDEV5から見た等価インピーダンスが異なる。
まず、伝送線路T45、抵抗R45の方向に向かう左回りパスは、伝送線路が先にあるので等価的に50Ωとして見え、一方、抵抗R56、伝送線路T56の方向に向かう右回りパスは、抵抗が先にあるので等価的に100Ωと見える。
つまり伝播においては、各接続点での等価インピーダンスが、「伝送線路が先で抵抗が後」の場合は50Ω、「抵抗が先で伝送線路が後」の場合は100Ωと違い、ミスマッチとなる為、接続点毎に反射、減衰が繰返されながら伝播する。
一方、本発明の第1の実施形態では、図8に示す伝送線路T12、T23、T31でリング状に接続された伝送回路網において、伝播では全て50Ωでマッチングしている。
つまり、本発明の第1の実施形態では、マッチングがとれた状態を構成しているため、ミスマッチによる多重反射を抑制出来る。
次に、リング状伝送回路の伝送インピーダンスとドライバの出力インピーダンスに問題解決の条件を見出した点について、以下に説明する。
従来技術では、図3に示すデバイスDEV5から見た場合、2つのパスはデバイスDEV5から見た等価インピーダンスが異なる。
まず、伝送線路T45、抵抗R45の方向に向かう左回りパスは、伝送線路が先にあるので等価的に50Ωとして見える。
一方、抵抗R56、伝送線路T56の方向に向かう右回りパスは、抵抗が先にあるので等価的に100Ωと見える。
つまり、デバイスDEV5のドライバのインピーダンス50Ωに対し、接続点N95から見た合成の等価インピーダンスは、約33.3Ωとなり、ミスマッチとなる。
一方、本発明の第1の実施形態では、図8に示すデバイスDEV1から見た場合のマッチングが取れている。すなわち、デバイスDEV1のドライバの出力インピーダンスが25Ωである。これに対して、伝送線路T1を経由して接続される伝送線路T12と伝送線路T31とは、伝送線路インピーダンスが50Ωである。ここで、伝送線路T1から、伝送線路T12と伝送線路T31とを見ると、両伝送線路は並列に接続された形となる。したがって、両伝送線路の等価的なインピーダンスは25Ωであり、ドライバの出力インピーダンスである25Ωとマッチングしている。
最後に、「出力信号の立ち上がり/立下り時間」と、「右回りの波形と左回りの波形の重ね合わせタイミング」との関係に問題解決の条件を見出した点について以下に説明する。
本発明の実施形態1に示す通り、「波形の立ち上がり時間」より「右回りの伝播遅延と左回りの伝播遅延の時間差」を小さくした。この事により、右回りの通過波と左回りの通過波の合成で反射の様な棚が発生しない波形を提供する。
(第2の実施形態)
図12は、本発明の第2の実施形態における伝送回路の回路図である。この伝送回路は、6つの伝送線路T12、T23、T34、T45、T56、T61と、6つのデバイスDEV1、DEV2、DEV3、DEV4、DEV5、DEV6と、6つの接続点N51、N52、N53、N54、N55、N56とを具備している。なお、伝送線路、デバイス、接続点は、同じ数であることが好ましいが、この数は6に限定されない。
伝送線路T12の両端の一方は、接続点N52において、デバイスDEV2と、伝送線路T23の両端の一方とに接続されている。伝送線路T23の両端のもう一方は、接続点N53において、デバイスDEV3と、伝送線路T34の両端の一方とに接続されている。伝送線路T34の両端のもう一方は、接続点N54において、デバイスDEV4と、伝送線路T45の両端の一方とに接続されている。伝送線路T45の両端のもう一方は、接続点N55において、デバイスDEV5と、伝送線路T56の両端の一方とに接続されている。伝送線路T56の両端のもう一方は、接続点N56において、デバイスDEV6と、伝送線路T61の両端の一方とに接続されている。伝送線路T61の両端のもう一方は、接続点N51において、デバイスDEV1と、伝送線路T12の両端のもう一方とに接続されている。
6つの伝送線路T12〜T61は、リング状の伝送回路を構成し、6つのデバイスDEV1〜DEV6を接続するためのバスとして動作する。
6つの伝送線路T12〜T61の伝送線路インピーダンスは、全て同じである。
6つのデバイスDEV1〜DEV6のそれぞれは、信号を出力するためのドライバと、信号を入力するためのレシーバとを内蔵する半導体集積回路である。
6つのデバイスDEV1〜DEV6のそれぞれにおいて、ドライバの出力インピーダンスは、6つの伝送線路T12〜T61における伝送線路インピーダンスの半分である。
6つのデバイスDEV1〜DEV6のそれぞれにおいて、ドライバの立ち上がり時間と立ち下がり時間は等しく、また、6つの伝送線路T12〜T61における伝版遅延の合計値に等しい。
デバイスDEV5のドライバから信号を出力して他の5つのデバイスDEV1、DEV2、DEV3、DEV4、DEV6に伝播する場合の、この伝送回路の動作について説明する。
図12の伝送回路において、デバイス5のドライバから出力された信号が、デバイスDEV4、デバイスDEV3、…の順番に伝播する方向を、左回りと呼ぶ。同様に、デバイスDEV6、デバイスDEV1、…の順番に伝播する方向を、右回りと呼ぶ。
図13は、本発明の第2の実施形態による伝送回路の動作特性を説明するための伝播特性グラフである。この伝播特性グラフは、6つの波形W2N1、W2N2、W2N3、W2N4、W2N5、W2N6を示す。6つの波形W2N1、W2N2、W2N3、W2N4、W2N5、W2N6は、それぞれ、6つの接続点N51、N52、N53、N54、N55、N56に対応する。横軸は、時間の経過を示す。縦軸は、各波形の信号電圧を示す。
図13の波形図は、図12の伝送回路における構成要素の回路定数が以下のとおりの時に得られるものである。すなわち、6つの伝送線路T12、T23、T34、T45、T56、T61のそれぞれにおいて、伝送線路インピーダンスは50Ωであり、伝播遅延は250psである。6つのデバイスDEV1、DEV2、DEV3、DEV4、DEV5、DEV6のそれぞれのドライバにおいて、出力インピーダンスは25Ωであり、信号の立ち上がり時間および立ち下がり時間は1500psである。6つのデバイスDEV1、DEV2、DEV3、DEV4、DEV5、DEV6のそれぞれにおいて、端子容量は1pFである。
接続点N55に接続される伝送線路T45と伝送線路T56は、それぞれ伝送線路インピーダンスが50Ωである。したがって、接続点N55から伝送線路T45と伝送線路T56を見ると、並列に接続された形となり、等価的なインピーダンスは25Ωとなる。
この等価インピーダンスが25Ωであるのに対して、デバイスDEV5の出力インピーダンスも同じ25Ωである。したがって、立ち上がり時の出力レベルは、1Vを抵抗分圧した0.5Vとなる。
以上により、接続点N55における信号波形W2N5の説明が可能となる。すなわち、デバイスDEV5のドライバから出力される信号は、時刻1nsに0Vから立ち上がり始めると、立ち上がり時間1500psをかけて、出力レベル0.5に到達する。
この、立ち上がった信号は、リング状の伝送回路を左回りに一周し、同時に右回りにも一周し、接続点N55に戻る。このとき、信号が一周する間に1500psが経過している。なお、この1500psは、各伝送線路に対応する遅延時間250psの6倍の値である。この値は、左回りでも右回りでも同じである
したがって、左回りに一周した信号と、右回りに一周した信号とは、出力開始から1500ps後に、接続点N55において0.5Vで安定している出力信号に重なる。
言い換えると、出力開始から1500ps後の接続点N55において、0.5Vで安定している出力信号に、伝送回路を伝播して左右両方向から一周した2つの信号が合成される。
その結果、出力開始の1500ps後から、さらに1500psをかけて、接続点N55の信号電圧は0.5Vから1.0Vまで上昇する。
しかし、図13における波形W2N5には、実際には、0.5V付近で棚が生じている。これは、伝送回路に接続されたデバイスDEV1、DEV2、DEV3、DEV4、DEV6の端子容量が寄生素子となり、伝送線路インピーダンスと、伝送線路遅延(=伝播遅延)とに影響を与えているためである。
この影響として、まず、伝送線路インピーダンスが低下する。つまり、立ち上がり時の出力レベルが0.5Vより低下する傾向がある。また、伝播遅延は増加する。つまり、右回りパスと左回りパスでそれぞれ伝播した2つの波形が合成される開始時間である1500psの値が、より大きくなる傾向がある。その結果、接続点N55における3つの信号の合成開始が遅れ、棚が多少生じている。
次に、伝播された信号を受ける側となるデバイスDEV6、DEV1、DEV2、DEV3、DEV4の動作について説明する。ただし、5つのデバイスの代表として、デバイスDEV6の接続点N56の波形W2N6について説明する。
ここで、伝播される信号は、先にデバイスDEV5の立ち上がり波形で説明した、立ち上がりの出力レベルが0.5V、立ち上がり時間が1500psの波形である。
この伝播される信号が、デバイスDEV5からデバイスDEV6に伝播する場合、伝播遅延の小さい右回りのパスを通った波形が先に伝播し、その後に左回りのパスで伝播した波形が到達して、右回りの波形に合成される。
接続点56における、右回りのパスでの伝播遅延は、伝送線路T56の伝播遅延だけであり、接続点55における信号出力開始から250ps後に立ち上がる。
左回りのパスでの伝播遅延は、5つの伝送線路T45、T34、T23、T12、T61の伝播遅延の合計となり、1250psとなる。なお、1250psは、各伝送線路の伝播遅延である250psの、5倍の値である。
つまり、まず、接続点N55の信号が立ち上がり始めた250ps後、接続点N56の波形が、0.5Vまで1500psの立ち上がり時間で立ち上がり始める。この立ち上がりの途中、接続点N55の信号が立ち上がり始めて1250ps後の時点で、左回りのパスから伝播される波形が、接続点N56の波形に合成される。この合成は、立ち上がりの変化への、更なる立ち上がりの変化の合成である。このため、1250ps時点から立ち上がり波形の傾きが2倍の特性、つまり立ち上がり時間が750ps時と同じ傾きに変化する。
以上、波形W2N6について説明した。同様に、図13の4つの波形W2N1、W2N2、W2N3、W2N4は、それぞれ、図12の4つの接続点N51、N52、N53、N54の特性に対応する。
以上の説明より、図12の伝送回路における伝播特性は、図13に示す波形の通りとなる。このように、信号を受ける側となる5つのデバイスDEV6、DEV1、DEV2、DEV3、DEV4がそれぞれ入力する信号は、論理スレショルドである0.5V付近において、全く同一の波形になり、すなわち、立ち上がり変化が同一となる。
ここまで、本発明の第2の実施形態について説明した。第2の実施形態は、第1の実施形態の改良版である。すなわち、「出力信号の立ち上がり/立下り時間を、リング状に構成された伝送回路網の1周分と同じ時間に設定」した。この意義は、バスに4つ以上のデバイスを接続した際に発生する問題を解決する点にある。
本発明の第1の実施形態に示す3つのデバイスを接続した場合と、同じく第2の実施形態に示す4つ以上のデバイスを接続した場合とを比べる。こうすることによって、バスに4つ以上のデバイスを接続した際に生じる伝播遅延起因の問題点を以下に説明する。
第1の実施形態における図8において、デバイスDEV1から2つのデバイスDEV2、DEV3へ信号を伝える場合を考える。
デバイスDEV1からデバイスDEV2への伝播遅延は、伝送線路T1、T12、T2の伝播遅延を合計した290psとなる。なお、290psは、伝送線路T1の20psと、伝送線路T12の250psと、伝送線路T2の20psとの合計である。
デバイスDEV1からデバイスDEV3への伝播遅延は、伝送線路T1、T31、T3の伝播遅延を合計した290psとなる。なお、290psは、伝送線路T1の20psと、伝送線路T31の250psと、伝送線路T3の20psとの合計である。
つまり、伝播遅延が等しく、伝播する波形も同じ特性になる。デバイスDEV2からデバイスDEV3、DEV1に信号を伝える場合も、デバイスDEV3からデバイスDEV1、DEV2に信号を伝える場合も同様となる。したがって、問題は何も生じない。
しかし、バスに4つ以上のデバイスを接続した際は、信号を伝える相手デバイスまでの伝播遅延を等しくする事は出来ない。このことを寄り具体的に説明する。
本発明の第2の実施形態を示す図12において、デバイスDEV5から5つのデバイスDEV1、DEV2、DEV3、DEV4、DEV6へ信号を伝える場合を考える。この場合、デバイスDEV5からデバイスDEV6への伝播遅延は、伝送線路T56の伝播遅延250psとなる。
デバイスDEV5からデバイスDEV1への伝播遅延は、伝送線路T56、T61の伝播遅延を合計した500psとなる。なお、500psは、伝送線路T56の250psと、伝送線路T61の250psとの合計である。
デバイスDEV5からデバイスDEV2への伝播遅延は、伝送線路T56、T61、T12の伝播遅延を合計した750psとなる。なお、750psは、伝送線路T56の250psと、伝送線路T61の250psと、伝送線路T12の250psとの合計である。
デバイスDEV5からデバイスDEV3への伝播遅延は、伝送線路T45、T34の伝播遅延を合計した500psとなる。なお、500psは、伝送線路T45の250psと、伝送線路T34の250psとの合計である。
デバイスDEV5からデバイスDEV4への伝播遅延は、伝送線路T45の伝播遅延250psとなる。
つまり、伝播遅延がデバイスにより異なり、その伝播遅延のズレが高速伝送において大きな制約となってしまう問題が生じる。
この「バスに4つ以上のデバイスを接続した際に生じる問題」を解決するために、本発明の第2の実施形態では、出力信号の立ち上がり/立下り時間をリング状に構成された伝送回路網の1周分と同じ時間に設定する。こうする事で、0.4Vから0.6Vの間は全てのデバイスで、タイミングも形も同じ波形とする事が可能である。
(第3の実施形態)
図14は、本発明の第3の実施形態における伝送回路の回路図である。この伝送回路は、本発明の第2の実施形態における伝送回路に、さらに6つのデバイスDEV7、DEV8、DEV9、DEV10、DEV11、DEV12を追加したものに等しい。6つのデバイスDEV7、DEV8、DEV9、DEV10、DEV11、DEV12は、それぞれ、6つの接続点N51、N52、N53、N54、N55、N56に接続されている。すなわち、1つの接続点に2つのデバイスが接続されている。
なお、デバイスの総数12と、接続点の総数6と、伝送線路の総数6とは、あくまでも一例であって、これらの値に限定されない。
この伝送回路のその他の構成は、本発明の第2の実施形態における伝送回路と同じであるので、説明を省略する。ただし、実現での回路定数においては、実施例2で説明した通り、バスに接続されたデバイスの寄生容量による伝送路インピーダンスと伝送線路遅延(=伝播遅延)とへの影響がある。したがって、その影響による棚の発生が抑制されるように、立ち上がりおよび立下り時間を増やす調整をする必要がある。
また、この伝送回路の動作および作用効果は、本発明の第2の実施形態における伝送回路と同じであるので、説明を省略する。
(第4の実施形態)
図15は、本発明の第4の実施形態における伝送回路の回路図である。この伝送回路は、本発明の第2の実施形態における伝送回路に、6つの抵抗器r12、r23、r34、r45、r56、r61を追加したものに等しい。すなわち、2つの伝送線路T12、T23を接続する接続点N52と、デバイスDEV2との間に、抵抗器r23が接続されている。同様に、2つの伝送線路T23、T34を接続する接続点N53と、デバイスDEV3との間に、抵抗器r34が接続されている。2つの伝送線路T34、T45を接続する接続点N54と、デバイスDEV4との間に、抵抗器r45が接続されている。2つの伝送線路T45、T56を接続する接続点N55と、デバイスDEV5との間に、抵抗器r56が接続されている。2つの伝送線路T56、T61を接続する接続点N56と、デバイスDEV6との間に、抵抗器r61が接続されている。2つの伝送線路T61、T12を接続する接続点N51と、デバイスDEV1との間に、抵抗器r12が接続されている。
ここで、6つの抵抗器r12、r23、r34、r45、r56、r61の抵抗値は、全て同じである。
各抵抗器の抵抗値と、各デバイスのドライバにおける出力インピーダンスと、各伝送線路の伝送線路インピーダンスとの関係は、次のとおりである。すなわち、各抵抗器の抵抗値と、駆動するドライバの出力インピーダンスとの合計は、リング状となる伝送回路の伝送路インピーダンスの半分と同等もしくはそれ以下である。
なお、デバイスの総数6と、接続点の総数6と、伝送線路の総数6と、抵抗器の総数6とは、同じ数であることが好ましいが、あくまでも一例であって、この値に限定されない。
この伝送回路のその他の構成は、本発明の第2の実施形態における伝送回路と同じであるので、説明を省略する。
また、この伝送回路の動作および作用効果は、本発明の第2の実施形態における伝送回路と同じであるので、説明を省略する。
(第5の実施形態)
図16は、本発明の第5の実施形態における伝送回路の回路図である。この回路図は、本発明の第2の実施形態における伝送回路に、6つの抵抗器r1、r2、r3、r4、r5、r6を追加したものに等しい。この伝送回路では、接続点N51と、抵抗器r1と、伝送線路T12と、接続点N52と、抵抗器r2と、伝送線路T23と、接続点N53と、抵抗器r3と、伝送線路T34と、接続点N54と、抵抗器r4と、伝送線路T45と、接続点N55と、抵抗器r5と、伝送線路T56と、接続点N56と、抵抗器r6と、伝送線路T61とが、この順番に接続されており、さらに、伝送線路T61が接続点N51に接続されていることでこの伝送回路はループ状になっている。ちなみに、ここまでは、従来技術として前述した図3の伝送回路と同じである。
抵抗器r1、r2、r3、r4、r5、r6は、伝送線路インピーダンスに対し、著しく小さい抵抗値とする。つまり抵抗器r1、r2、r3、r4、r5、r6の抵抗値を、伝送線路T12、T23、T34、T45、T56、T61の伝送線路インピーダンスに対し、終端とした時に反射を抑制出来ない程度に小さい抵抗値とする。
具体的な値の例として、ここでは、伝送線路T12、T23、T34、T45、T56、T61の伝送線路インピーダンスが50Ωであった場合、抵抗器r1、r2、r3、r4、r5、r6の抵抗値を0.1Ωとする。ちなみに、図3の従来技術による伝送回路では、各抵抗器の抵抗値を各伝送線路の伝送線路インピーダンスと同等の値としていた。
これにより、従来例で生じていた右回りのパスと左回りのパスのミスマッチは著しく抑制される。
より具体的に説明する。図3の従来技術において、リング状に接続された伝送線路の各接続点での等価インピーダンスは、「伝送線路が先で抵抗が後」の場合は50Ωであり、「抵抗が先で伝送線路が後」の場合は100Ωである。つまり、大きなミスマッチを生じている。これに対して、本発明の本実施形態では、リング状に接続された伝送線路の各接続点での等価インピーダンスは、「伝送線路が先で抵抗が後」の場合は50Ωであり、「抵抗が先で伝送線路が後」の場合は50.1Ωである。つまり、大きなミスマッチを生じない。
なお、デバイスの総数6と、接続点の総数6と、伝送線路の総数6と、抵抗器の総数6とは、同じ数であることが好ましいが、あくまでも一例であって、この値に限定されない。
この伝送回路のその他の構成は、本発明の第2の実施形態における伝送回路と同じであるので、説明を省略する。
ここまで複数の実施形態について説明したとおり、実装技術の高密度化が進むに伴い、伝送線路チューニングの難易度が上がる中、本発明はその高密度化のデメリットをメリットに出来るものである。伝送線路長が短くなると、本発明の有効範囲が広がると言える。
本発明の伝送回路の構成によれば、ミスマッチによる多重反射を抑制出来る。
また、リング状伝送回路の伝送インピーダンスとドライバの出力インピーダンスのマッチングがとれたシステムが構成できる。
さらに、「出力信号の立ち上がり/立下り時間」と、伝送線路を伝播する信号の「右回りの波形と左回りの波形の重ね合わせタイミング」の重ね合わさった波形に、歪みが生じない。
これまで説明した複数の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、自由に組み合わせることが可能である。
図1は、一般的な従来技術による伝送回路の回路図である。 図2は、一般的な従来技術による伝送回路が動作した際における伝播特性グラフである。 図3は特許文献1における伝送回路の回路図である。 図4は、特許文献1における伝送回路の伝播特性グラフである。 図5は、特許文献1における伝送回路の動作を説明するための回路図である。 図6は、特許文献1における伝送回路に相当する等価回路図である。 図7は、特許文献1における伝送回路に相当する等価回路図である。 図8は、本発明の第1の実施形態における伝送回路の回路図である。 図9は、本発明の第1の実施形態における伝送回路の、接続点N11における伝播特性グラフである。 図10は、本発明の第1の実施形態における伝送回路の、接続点N11における特性を示す詳細な伝播特性グラフである。 図11は、本発明の第1の実施形態による伝送回路の、2つの接続点N12、N13における信号の時間変化を説明するための詳細な伝播特性グラフである。 図12は、本発明の第2の実施形態における伝送回路の回路図である。 図13は、本発明の第2の実施形態による伝送回路の動作特性を説明するための伝播特性グラフである。 図14は、本発明の第3の実施形態における伝送回路の回路図である。 図15は、本発明の第4の実施形態における伝送回路の回路図である。 図16は、本発明の第5の実施形態による伝送回路の回路図である。
符号の説明
D ドライバ
DEV1〜DEV12 デバイス
IC21〜IC26 集積回路
N11〜N13 接続点
N51〜N56 接続点
N71〜N73 接続点
N91〜N96 接続点
R レシーバ
r 抵抗器
r1、r2、r3、r4、r5、r6 抵抗器
r12、r23、r34、r45、r56、r61 抵抗器
R21〜R26 抵抗器
RT1、RT2 抵抗器
SL21〜SL26 伝送線路
T1〜T3 伝送線路
T12、T23、T34、T45、T56、T61 伝送線路
VH 電源
VT1、VT2 電源

Claims (12)

  1. 信号を入出力する複数のデバイス同士を接続するための、1つのリング状に接続された複数の伝送線路
    を具備し、
    前記複数の伝送線路のそれぞれにおける伝播遅延時間は、全て同一の所定値であり、
    前記複数の伝送線路のそれぞれにおける伝送線路インピーダンスは、全て同一の所定値であり、
    前記複数のデバイスにおける出力インピーダンスは、前記伝送線路インピーダンスの所定値の半分以下であり、
    前記複数のデバイスに含まれる任意のデバイスから出力される信号が、前記複数のデバイスに含まれる前記任意のデバイス以外の全てに伝達される際に、前記信号の電圧における所定の閾値を同時に超える
    伝送回路。
  2. 請求項1に記載の伝送回路において、
    前記1つのリング状に接続された複数の伝送線路は、3つであり、
    前記複数のデバイスに含まれる任意の2つのデバイス間において、信号が前記伝送回路を、時計回りまたは反時計回りのうちの一方の方向で伝播する際の第1の伝播遅延と、もう一方の方向で伝播する際の第2の伝播遅延との時間差は、前記複数のデバイスが出力する信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間と同等以下である
    伝送回路。
  3. 請求項1に記載の伝送回路において、
    前記リング状に接続された複数の伝送線路は、4つ以上であり、
    前記伝播遅延時間の、前記1つのリング状に接続された全ての伝送線路おける合計値は、前記所定のデバイスが出力する信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間と同等以下である
    伝送回路。
  4. 請求項1または3に記載の伝送回路において、
    前記複数の伝送線路間における同一の接続点に、前記複数のデバイスが2個以上接続されている
    伝送回路。
  5. 請求項1、3、4のいずれかに記載の伝送回路において、
    抵抗値が同一の所定値である複数の抵抗器
    をさらに具備し、
    前記複数のデバイスは、前記複数の抵抗器を介して前記複数の伝送線路に接続されており、
    前記所定の抵抗値と、前記複数のデバイスの出力インピーダンスとの合計は、前記1つのリング状となる伝送回路の伝送路インピーダンスの半分と同等以下である
    伝送回路。
  6. 請求項1、3、4のいずれかに記載の伝送回路において、
    抵抗値が同一の所定値である複数の抵抗器
    をさらに具備し、
    前記複数の伝送線路は、前記複数の抵抗器を介して前記1つのリング状に接続されており、
    前記所定の抵抗値は、前記伝送回路を1本の線状にして、かつ、前記所定の抵抗値を有する抵抗器で前記1本の線状の伝送回路を終端した場合に、反射を抑制出来ない程度に小さい値である
    伝送回路。
  7. 1つのリング状に接続された複数の伝送線路を具備する伝送回路を介して、信号を入出力する複数のデバイス同士を接続する伝送方法であって、
    (a)前記複数のデバイスに含まれる任意のデバイスから、前記伝送回路に、信号を供給するステップと、
    (b)前記信号を、前記伝送回路を伝播するステップと、
    (c)前記信号を、前記複数のデバイスに含まれる前記任意のデバイス以外の全てに供給するステップと
    を具備し、
    前記ステップ(c)は、
    (c−1)前記複数のデバイスに含まれる前記任意のデバイス以外の全てにおいて、前記伝達する信号の電圧における所定の閾値を同時に超えさせるステップ
    を具備する
    伝送方法。
  8. 請求項7に記載の伝送方法において、
    前記1つのリング状に接続された複数の伝送線路は、3つであり、
    前記ステップ(b)は、
    (b−1)前記信号を、前記伝送回路の、時計回りまたは反時計回りのうちの一方の方向に、第1の伝播遅延を経て、別のデバイスまで伝播するステップと、
    (b−2)前記信号を、前記伝送回路のもう一方の方向に、第2の伝播遅延を経て、前記別のデバイスまで伝播するステップと
    を具備し、
    前記第1の伝播遅延と、前記第2の伝播遅延との時間差は、前記複数のデバイスが出力する信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間と同等以下である
    伝送方法。
  9. 請求項7に記載の伝送方法において、
    前記リング状に接続された複数の伝送線路は、4つ以上であり、
    前記ステップ(b)は、
    (b−3)前記信号を、前記伝送回路を一周して、前記信号を出力した任意のデバイスまで伝播するステップ
    を具備し、
    前記信号が前記伝送回路を一周するのに要する伝播遅延時間は、前記所定のデバイスが出力する信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間と同等以下である
    伝送方法。
  10. 請求項7または9に記載の伝送方法において、
    前記ステップ(c)は、
    (c−2)前記信号を、前記複数の伝送線路間における同一の接続点に接続された2個以上のデバイスに伝播するステップ
    を具備する
    伝送方法。
  11. 請求項7、9、10のいずれかに記載の伝送方法において、
    前記ステップ(c)は、
    (c−3)前記信号を、前記複数の伝送線路と前記複数のデバイスとの間に接続された複数の抵抗器を介して、前記複数のデバイスまで伝播するステップ
    を具備し、
    前記複数の抵抗器の抵抗値は、全て同一の所定値であり、
    前記所定の抵抗値は、前記伝送回路を1本の線状にして、かつ、前記所定の抵抗値を有する抵抗器で前記1本の線状の伝送回路を終端した場合に、反射を抑制出来ない程度に小さい値である
    伝送方法。
  12. 請求項7、9、10のいずれかに記載の伝送方法において、
    前記ステップ(b)は、
    (b−4)前記信号を、前記複数の伝送線路の間に接続された複数の抵抗器を介して伝播するステップ
    を具備し、
    前記複数の抵抗器の抵抗値は、全て同一の所定値であり、
    前記所定の抵抗値は、前記伝送回路を1本の線状にして、かつ、前記所定の抵抗値を有する抵抗器で前記1本の線状の伝送回路を終端した場合に、反射を抑制出来ない程度に小さい値である
    伝送方法。
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