JP5191208B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるシートベルト装置に関し、特に、快適性及び操作性に優れたシートベルト装置に関する。
自動車等の車両には、一般に、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置し左右の肩部を有する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。かかるシートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトと、車両シート内に埋め込まれるとともにシートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、車両のBピラー(センターピラー)に設けられたガイドアンカーと、腰掛部のドア側の下面部に配置されたベルトアンカーと、腰掛部の車内側の側面部に配置されたバックルと、シートベルトに摺動可能に配置されたトングと、を有し、前記シートベルトは、一端が前記リトラクタに接続され、他端が前記ガイドアンカーに掛け回されて前記ベルトアンカーに接続され、前記ガイドアンカーと前記ベルトアンカーの間に前記トングが配置されている。そして、腰掛部に着座した乗員が、前記トングを引っ張って前記シートベルトを引き出し、前記トングを前記バックルに嵌めることによって前記シートベルトを装着する。
ここで、Bピラー(センターピラー)は、前部座席と後部座席の間に設けられた車体構造物であるため、車両シートの背もたれ部と隣接した位置又は背もたれ部よりも車両前後方向の後方側の位置に配置されている。したがって、Bピラー(センターピラー)に設けられたガイドアンカーも車両シートの背もたれ部と隣接した位置又は背もたれ部よりも車両前後方向の後方側の位置に配置されている。また、シートベルト装着前のシートベルトはリトラクタにより巻き取られているため、シートベルト装着前のトングも車両シートの背もたれ部と隣接した位置又は背もたれ部よりも車両前後方向の後方側の位置に配置された状態になっている。したがって、腰掛部に着座した乗員がシートベルトを装着する時には、トングを引っ張るために上体を捻らなければならず、操作性が悪いという問題があった。また、上体を捻ることが苦手な乗員(例えば、高齢者や妊婦等)に対しては不快感を与える原因にもなっていた。
かかる問題点を解決する手段として、例えば、特許文献1に記載されたようなシートベルト装着補助装置が提案されている。特許文献1に記載されたシートベルト装着補助装置は、駆動モータにより駆動される装着補助アームに設けられた挟掴部を備えており、挟掴部がシートバック(背もたれ部)よりも前方となる補助位置と補助位置よりも後方となる格納位置との間で装着補助アームを移動させるように駆動モータを制御している。
特開2007−45189号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたシートベルト装着補助装置では、装着補助アームが乗員の乗降を妨害しないように、背もたれ部よりも前方となる補助位置と補助位置よりも後方となる格納位置との間で装着補助アームを移動させるようにしている。したがって、シートベルトを装着しようとする乗員は、装着補助アームが格納位置から補助位置に移動するまで待たなければならない。また、装着補助アームが補助位置から格納位置に移動するまでの間に乗員が降車しようとする場合には、装着補助アームが邪魔となるため、乗員は、装着補助アームが補助位置から格納位置に移動するまで待たなければならない。このように乗員が思い通りに即座に行動できないことは、乗員に対して不快感を与える原因となってしまう。
本発明は、上述の課題に鑑み創案された発明であり、操作性及び快適性に優れたシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、前記背もたれ部の車内側の肩部に接続された固定端部と前記背もたれ部よりも前方に突出した自由端部と前記固定端部から前記自由端部に向かって形成された筒部とを有するガイド部材と、前記腰掛部の車内側の側面部近傍に配置されたアンカーと、前記腰掛部のドア側の側面部近傍に配置されたバックルと、前記車両シートに設けられるとともにシートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、該リトラクタに一端が接続され他端が前記ガイド部材の筒部を通って前記アンカーに接続されたシートベルトと、該シートベルトの前記ガイド部材の自由端部と前記アンカーの間に配置されたトングと、を有し、前記シートベルトを引き出して前記トングを前記バックルに接続することにより前記車両シートに乗員を拘束する、ことを特徴とするシートベルト装置が提供される。ここで、前記ガイド部材の自由端部は、前記背もたれ部に寄り掛かった状態の乗員の肩よりも前方に突出していることが好ましい。また、前記ガイド部材の乗員と接触する部分は、前記シートベルトの幅よりも広く形成されていてもよい。
また、前記ガイド部材は、前記ガイド部材の剛性を担保する表皮部と、該表皮部の乗員と接触する側に配置された緩衝部とを有するように構成してもよい。この場合、前記ガイド部材の筒部は、前記緩衝部、前記表皮部又は前記表皮部と前記緩衝部の間のいずれかに形成される。さらに、前記シートベルト装置は、前記緩衝部を構成する又は前記緩衝部に内蔵されたエアバッグと前記車両シートに内蔵されるとともに前記エアバッグにガスを供給するインフレータとを有していてもよいし、前記表皮部の表面上に膨張展開されるエアバッグと前記車両シートに内蔵されるとともに前記エアバッグにガスを供給するインフレータとを有していてもよい。
また、前記ガイド部材の固定端部は、前記車両シートに回動可能に接続されていてもよい。さらに、前記ガイド部材の固定端部は、ドア側から車内側に回動する方向に付勢されていてもよい。また、前記バックルを、前記トング接続前は乗員の着座位置よりも前方に配置し、前記トング接続後は乗員の着座位置よりも後方に移動させるバックル駆動装置を備えていてもよい。
また、本発明によれば、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、前記背もたれ部の車内側の肩部に接続された固定端部と前記背もたれ部よりも前方に突出した自由端部と前記固定端部から前記自由端部に向かって形成された筒部とを有するガイド部材と、前記腰掛部のドア側の側面部近傍に配置されたバックルと、前記車両シートに設けられるとともにシートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、該リトラクタに一端が接続され他端が前記ガイド部材の筒部を通って車内に解放されたシートベルトと、該シートベルトの開放端部に接続されたトングと、を有し、前記シートベルトを引き出して前記トングを前記バックルに接続することにより前記車両シートに乗員を拘束する、ことを特徴とするシートベルト装置が提供される。
また、前記シートベルト装置は、前記腰掛部又は前記背もたれ部下部に配置され、乗員の腰部又は太腿部を拘束する第二拘束具を有していてもよい。かかる第二拘束具は、例えば、乗員の腰部又は大腿部上に配置可能かつ前記車両シートの側面部近傍に退避可能なパッドと、該パッドを車両の前後方向にスライド可能かつ乗員に押付可能に支持するパッド支持装置と、から構成される。
上述した本発明のシートベルト装置によれば、背もたれ部よりも前方に突出したガイド部材を設けたことにより、腰掛部に着座した乗員がシートベルトを装着する時に、トングを引っ張るために上体を捻る必要がなく、操作性及び快適性を向上させることができる。また、ガイド部材を車内側に配置したことにより、ガイド部材が乗降の妨げにならず、常時トングを背もたれ部よりも前方の位置に配置しておくことができ、乗員の思い通りのタイミングでシートベルトを装着することができ、操作性及び快適性を向上させることができる。さらに、ガイド部材を車内側に配置したことにより、側突時・前突時・斜突時等の場合に、ドア側から車内側に向かう方向に乗員を移動させようとする力に対して、拘束力を向上させることができる。なお、ガイド部材の先端(自由端部)を乗員の肩部よりも前方に配置することにより、より容易にシートベルトを装着することができ、操作性及び快適性をより向上させることができる。また、ガイド部材の乗員と接触する部分の幅をシートベルトの幅よりも広くすることにより、乗員に対する接触面圧を低減させることができ、拘束性能を向上させることができる。
また、ガイド部材に表皮部を設けることにより、ガイド部材の先端(自由端部)を乗員の肩部よりも前方に配置するための剛性を担保することができる。さらに、このガイド部材の剛性は、シートベルト装着時にシートベルトを乗員から離間させる方向の力を働かせるため、シートベルトの締め付け感を低減することができ、快適性を向上させることができる。また、ガイド部材に緩衝部を設けることにより、シートベルト装着時の締め付け感をより低減することができ、快適性をより向上させることができる。さらに、緩衝部にエアバッグを採用することにより衝突時等における拘束性能をより向上させることができ、表皮部にエアバッグを採用することにより衝突時等における衝撃吸収力を向上させることができる。また、ガイド部材の固定端部を回動可能にしたことにより、容易にトングをバックルに嵌めることができる。さらに、固定端部をドア側から車内側に回動する方向に付勢したことにより、シートベルトを解除した場合にガイド部材が自動的に正面を向くようにすることができ、操作性をより向上させることができる。また、バックル駆動装置を備えた場合には、乗員の着座位置よりも前方にバックルが配置されているため、上体を捻ることなく容易にトングをバックルに接続することができ、操作性を向上させることができる。さらに、トングをバックルに接続するとバックルが後方側に移動するため、シートベルトを乗員に密着させることができ、拘束性能を向上させることができる。
また、本発明のシートベルト装置は、いわゆる3点式シートベルトに替えて2点式シートベルトにも適用することができ、2点式シートベルト装置においても上述した効果と同等の効果を奏する。さらに、本発明のシートベルト装置は、2点式シートベルトに加えて、乗員の腰部又は大腿部を拘束する第二拘束具を設けることにより、3点式シートベルトと同等以上の拘束性能を発揮することができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図8を用いて説明する。ここで、図1は、車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した状態を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。
図1に示したシートベルト装置は、乗員1が着座する腰掛部2aと乗員1の背面に位置する背もたれ部2bとを備えた車両シート2に乗員1を拘束するシートベルト装置であり、背もたれ部2bの車内側の肩部2cに接続された固定端部3aと背もたれ部2bよりも前方に突出した自由端部3bと固定端部3aから自由端部3bに向かって形成された筒部3cとを有するガイド部材3と、腰掛部2aの車内側の側面部近傍に配置されたアンカー4と、腰掛部2aのドア側の側面部近傍に配置されたバックル5と、車両シート2に設けられるとともにシートベルト7の巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタ6と、リトラクタ6に一端が接続され他端がガイド部材3の筒部3cを通ってアンカー4に接続されたシートベルト7と、シートベルト7のガイド部材3の自由端部3bとアンカー4の間に配置されたトング8と、から構成されている。
前記ガイド部材3は、図1(A)に示すように、その自由端部3bが背もたれ部2bに寄り掛かった状態の乗員1の肩よりも前方に突出する形状をなしている。かかるガイド部材3を設けることにより、シートベルト7又はトング8を乗員1の肩よりも前方に配置することができ、乗員1は上体を捻らずに容易にシートベルト7又はトング8を掴むことができる。ここで、図2は、ガイド部材3の説明図であり、(A)は上面図、(B)は裏面図、(C)は断面図、(D)は伸縮部を備えたガイド部材の上面図、(E)はエアバッグ機構を備えたガイド部材の断面図を示している。
図2(A)〜(C)に示すように、ガイド部材3は、剛性を担保する表皮部21と、表皮部21の乗員1と接触する側(裏側)に配置された緩衝部22とを有する。表皮部21は、例えば、樹脂等の素材により構成され、自由端部3bが撓み過ぎない程度の剛性とシートベルト7の装着時に乗員1に違和感を与えない程度の可撓性を有する。この表皮部21の剛性は、シートベルト7の装着時にシートベルト7を乗員から離間させる方向の力を働かせるため、シートベルト7の締め付け感を低減する機能も発揮する。また、表皮部21の固定端部3a側は、車両シート2の肩部2cへの接続時及びシートベルト7の装着時に邪魔にならないように幅が狭く形成されており、表皮部21の自由端部3b側の乗員と接触する部分は、乗員1に対する接触面圧を低減して乗員1の拘束性能を向上させるために、シートベルト7よりも幅が広く形成されている。また、表皮部21の固定端部3a側には、車両シート2に固定するための留め孔21aが形成されている。
ガイド部材3の緩衝部22は、弾力性のあるクッション材やゴム材等の素材により構成され、表皮部21の裏側に縫合部22a及び22bにより縫い付けられている。また、緩衝部22は、乗員1への触感がよい素材(例えば、ウレタン等)で構成してもよいし、表面に触感がよい素材(例えば、ベロア、ベルベット、皮革等)を縫い付けるようにしてもよい。ここで、縫合部22aは、主に表皮部21と緩衝部22を連結するための縫合部であり、縫合部22bは主に表皮部21と緩衝部22の間にシートベルト7を通すための筒部3cを形成するための縫合部である。なお、表皮部21の縫合部22a及び22bに対応する位置には縫合糸を通すための縫合孔が形成されている。また、表皮部21と緩衝部22とは、接着剤やリベット等の固定手段により連結するようにしてもよい。なお、筒部3cは、表皮部21と緩衝部22との間に形成する場合に限られるものではなく、表皮部21や緩衝部22を加工して表皮部又は緩衝部22に形成するようにしてもよい。
また、ガイド部材3の表皮部21には、図2(D)に示すように、固定端部3a側に伸縮部23を設けるようにしてもよい。ここでは、伸縮部23として蛇腹機構を採用している。かかる伸縮部23を設けることにより、シートベルト7の装着時にガイド部材3をシートベルト7の動きに追従させることができる。なお、伸縮部23は、蛇腹機構に限られず、スライド機構や伸縮素材を用いた機構で構成するようにしてもよい。
また、ガイド部材3の緩衝部22には、図2(E)に示すように、エアバッグ機構を設けるようにしてもよい。ここで、エアバッグ機構は、緩衝部22内に折り畳まれて収納されたエアバッグ24と、車両シート2に内蔵されたインフレータ25と、インフレータ25からエアバッグ24にガスを供給する送給路26と、から構成されている。インフレータ25は、図示しないECU(電子制御ユニット)に接続されており、ECUからの点火電流により点火され、インフレータ25内部に格納された薬剤を燃焼させてガスを発生させ、エアバッグ24に送給路26を介してガスを供給する。ガスが供給されたエアバッグ24は、緩衝部22内で膨張を開始し、緩衝部22を突き破って一点鎖線で示したように膨張展開する。なお、エアバッグ24は、緩衝部22の筒部3c側に縫い付けられて固定されている。また、緩衝部22そのものをエアバッグで形成するようにしてもよい。さらに、インフレータ25に替えて又は加えてエアポンプを設けて、シートベルト7の装着時における乗員1とシートベルト7の隙間を緩衝部22で埋めるように制御するエアクッション機能を持たせるようにしてもよい。
次に、ガイド部材3の固定構造について説明する。ここで、図3は、ガイド部材3の固定構造を示す部品展開図である。図3に示すように、ガイド部材3の固定構造は、車両シート2に固定される固定台31と、固定台31の略中心部に配置された固定軸32と、固定軸32に挿通されるとともに固定台31及びガイド部材3に接続されるコイルばね33と、ガイド部材3を固定台31に封じ込める蓋部材34と、蓋部材34を固定するキャップ35とから構成されている。
固定台31は、車両シート2の肩部2c上にボルト等で固定されるか、車両シート2内に埋め込まれて固定される。また、固定台31の外周部には、コイルばね33の鉤部33aを係止するための係止孔31aが形成されている。さらに、固定台31の外周部には、ガイド部材3の設置空間及び回動空間を確保するための切欠部31bが形成されている。固定軸32は、固定台31の底部に立設されており、先端部にはキャップ35を螺合するためのネジが切られている。コイルばね33は、固定軸32に挿通されて固定台31内に収容される。また、コイルばね33の一端には、鉤部33aが形成されており、鉤部33aを係止孔31aに挿通して係止させることによって、コイルばね33が固定台31に接続される。また、コイルばね33の他端は、ガイド部材3の表皮部21の裏側に固定される。なお、ガイド部材3の表皮部21には、コイルばね33の他端を挿通するための係止穴が形成されている。ガイド部材3は、コイルばね33が接続された状態で留め孔21aを固定軸32に挿通することによって固定台31に接続される。その後、蓋部材34が固定軸32に挿通され、キャップ35が固定軸32の先端に螺合され、各部品が固定台31に固定される。かかるガイド部材3の固定構造によれば、コイルばね33の作用により、ドア側から車内側に向かう方向(付勢方向)にガイド部材3を付勢することができるとともに、車内側からドア側に向かう方向(回動方向)にガイド部材3を回動させることができる。したがって、シートベルト7の装着時には、シートベルト7の移動に伴ってガイド部材3を回動させることができ、円滑にシートベルト7を装着することができる。また、シートベルト7を解除した時には、ガイド部材3を自動的に前方に向いた状態にすることができる。
前記アンカー4は、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用することができる。例えば、図1に示すように、アンカー4は、シートベルト7に接続される締結部4aと、締結部4aを車両シート2に固定するための固定部4bと、固定部4bを車両シート2に固定する固定具4cとから構成されている。また、シートベルト7の先端に固定金具を接続し、固定金具を車両シート2に固定するようにしてもよい。従来のシートベルト装置では、アンカーは車両シートのドア側に設けられるのが一般的であるが、本発明のシートベルト装置では、アンカー4は車両シート2の車内側に設けられている。
前記バックル5は、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用することができる。従来のシートベルト装置では、バックルは車両シートの車内側に設けられるのが一般的であるが、本発明のシートベルト装置では、バックル5は車両シート2のドア側に設けられている。また、バックル5は、車両の前後方向に手動又は自動でスライドできるように接続されていてもよいし、上下方向に手動又は自動で回動できるように接続されていてもよい。さらに、図示しないが、バックル5を車両シート2に沿って前後方向にスライドさせるバックル駆動装置を設けるようにしてもよい。バックル駆動装置は、例えば、バックル5に接続されたエアシリンダやモータ駆動される歯車機構等により構成されており、バックルセンサのON/OFF信号を受信するECU(電子制御ユニット)に接続されて制御されている。そして、バックル駆動装置は、トング8をバックル5に接続していない時(バックルOFF時)には、バックル5を乗員1の着座位置よりも前方に配置し、トング8をバックル5に接続している時(バックルON時)には、バックル5を乗員1の着座位置よりも後方側に移動させる。かかるバックル駆動装置を設けることにより、上体を捻ることなく容易にトングをバックルに接続することができ、操作性を向上させることができるとともに、シートベルト装着時にシートベルトを乗員に密着させることができ、拘束性能を向上させることができる。
前記リトラクタ6は、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用することができる。例えば、ばね式のリトラクタ、ばねとモータを併用したリトラクタ、モータ式のリトラクタ等、種々のものを選択して使用することができる。従来のシートベルト装置では、リトラクタは車両シートのドア側に設けられるのが一般的であるが、本発明のシートベルト装置では、リトラクタ6は車両シート2の車内側に設けられている。なお、図1では、リトラクタ6を車両シート2の背もたれ部2bに埋め込んだ状態を図示したが、背もたれ部2bの背面や側面部に設けてもよいし、腰掛部2aに埋め込んでもよいし、腰掛部2aの下面に設けるようにしてもよい。
前記シートベルト7は、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用することができる。従来のシートベルト装置では、シートベルトは車両シートのドア側に配置されており、ドア側からシートベルトを引き出して車内側のバックルに嵌め込むのが一般的である。しかし、本発明のシートベルト装置では、シートベルト7は車両シート2の車内側に配置されており、車内側からシートベルト7を引き出してドア側のバックル5に嵌め込むように構成されている。
前記トング8は、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用することができる。図1に示すように、トング8は、シートベルト7を通すための挿通孔を有し、ガイド部材3の自由端部3bとアンカー4の間のシートベルト7に通されて配置されている。トング8にシートベルト7を単に通すだけの場合、トング8はアンカー4寄りに滑り落ちてしまうため、トング8の自重を支えることができる程度の力でシートベルト7に止めておくことができるようにしておいた方が好ましい。例えば、トング8の挿通孔に棒部材を配置し、シートベルト7を棒部材に掛け回すようにした構造が考えられる。
続いて、本発明のシートベルト装置の作用について説明する。ここで、図4は、本発明のシートベルト装置の作用を説明する正面図であり、(A)はシートベルト装着前、(B)はシートベルト装着後を示している。
図4(A)に示すように、乗員1は、ドア側から車内に入り、車両シート2の腰掛部2aに着座する。このとき、ガイド部材3は、車両シート2の車内側に配置されており、図3に示したコイルばね33の作用により前方に向いた状態になっている。したがって、ガイド部材3が、乗員1の乗車動作に邪魔になることはない。また、ガイド部材3は、乗員1が腰掛部2に着座したとき、図1(A)に示したように、シートベルト7は乗員1の肩よりも前方に突出した状態になっている。したがって、乗員1は、シートベルト7を装着しようとする時に、上体を捻ることなく腕を動かすだけで容易にシートベルト7又はトング8を掴むことができる。そして、乗員1がシートベルト7を引き出してトング8をバックル5に嵌めることによって、図4(B)に示すように、シートベルト7の装着が完了する。このとき、ガイド部材3は、シートベルト7の引き出しに追従して回動又は変形し、乗員1の胸部を覆う状態に配置される。また、ガイド部材3の剛性により、シートベルト7を乗員から離間させる方向に力が働き、シートベルト7の締め付け感が低減される。さらに、ガイド部材3の裏側には緩衝部22が設けられているため、ガイド部材3が乗員と接触する状態になったとしても乗員1に違和感を与えることはない。また、シートベルト7を解除する時は、乗員1がトング8をバックル5から取り外せばよい。解除されたシートベルト7は、リトラクタ6の作用により巻き取られ、図4(A)に示した状態に自動的に戻る。したがって、乗員1がドア側から降車する場合にもガイド部材3が邪魔になることはない。なお、バックル駆動装置を設けた場合には、図4(A)の状態では、バックル5は乗員1の着座位置よりも前方に配置されており、状態を捻ることなく容易にトング8をバックル5に接続することができる。また、図4(B)の状態では、バックル5は乗員の着座位置よりも後方に移動されており、主に乗員1の腰部の保持力を向上させて拘束性能を向上させることができる。
次に、本発明のシートベルト装置の第二実施形態について説明する。ここで、図5は、本発明のシートベルト装置の第二実施形態を示す図であり、(A)は装着前の側面図、(B)は装着後の正面図、(C)は第二拘束具のパッド断面図、(D)はエアクッション機能を有するパッドの断面図である。なお、図5(B)において、腰掛部2aの一部を切り欠いて図示している。
図5に示したシートベルト装置は、乗員1が着座する腰掛部2aと乗員1の背面に位置する背もたれ部2bとを備えた車両シート2に乗員1を拘束するシートベルト装置であり、背もたれ部2bの車内側の肩部2cに接続された固定端部3aと背もたれ部2bよりも前方に突出した自由端部3bと固定端部3aから自由端部3bに向かって形成された筒部3cとを有するガイド部材3と、腰掛部2aのドア側の側面部近傍に配置されたバックル5と、車両シート2に設けられるとともにシートベルト7の巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタ6と、リトラクタ6に一端が接続され他端がガイド部材3の筒部3cを通って車内に解放されたシートベルト7と、シートベルト7の開放端部に接続されたトング8と、腰掛部2aに配置されて乗員1の腰部又は太腿部を拘束する第二拘束具50と、から構成されている。
かかるシートベルト装置の第二実施形態は、図1〜図4に示した実施形態からアンカー4を除去して、3点式シートベルトを2点式シートベルトに変更するとともに、第二拘束具50を追加したものである。2点式シートベルトの構造については、アンカー4を除去した点及びシートベルト7の先端(開放端部)にトング8を接続した点を除いて、上述した3点式シートベルト構造と同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。以下、第二拘束具50について説明する。なお、車両の種類、車両を使用する場所、車両を使用する国等の条件によっては、2点式シートベルトのみで十分な拘束性能を発揮できる場合があり、そのような場合には、第二拘束具50は必ずしも設ける必要はない。
図5(A)及び(B)に示した第二拘束具50は、乗員1の腰部又は大腿部上に配置可能かつ車両シート2の腰掛部2aの側面部に退避可能なパッド51と、パッド51を車両の前後方向にスライド可能かつ乗員1に押付可能に支持するパッド支持装置52と、を有している。
前記パッド51は、図5(B)及び(C)に示したように、パッド支持装置52に接続された下部プレート51aと、下部プレート51aにスライド可能に接続された上部プレート51bと、から構成されている。下部プレート51a及び上部プレート51bは、図5(B)に示すように、車両シート2の幅方向の外側に向かって膨らむように湾曲した形状をなしている。これは、上部プレート51bを乗員1に押し付けた時に、下部プレート51aの下端が車両シート2の幅方向の外側に向かって移動する距離を少なくするためである。また、図5(B)及び(C)に示すように、下部プレート51aは、先端部の両端にピニオン51cが回転可能に設けられている。一方、上部プレート51bは、内部に下部プレート51aを挿通可能な空間が形成されており、その段差部にはピニオン51cと噛み合うラック51dが形成されている。なお、上部プレート51bの乗員1と接触する部分にはクッション材やゴム材等の緩衝材51eが設けられている。
前記パッド支持装置52は、腰掛部2a内に配置されたレール52aと、レール52a上に配置された台車52bと、台車52b上に固定されたエアシリンダ52cと、台車52b上に固定されたパッド支持部材52dと、から構成されている。レール52aは、車両の前後方向に延びており、台車52bを車両の前後方向に移動できるようになっている。台車52bは、下部にレール52a上を滑る車輪又はスライダを備え、上部にエアシリンダ52c、パッド支持部材52dの順に下から固定されている。したがって、台車52bがレール52a上を移動すると、エアシリンダ52c及びパッド支持部材52dも一緒に移動することとなる。エアシリンダ52cは、車両シート2の幅方向外方に向かってロッドを伸縮することができるように台車52b上に固定されている。エアシリンダ52cを駆動させてロッドを延伸させると、ロッドはパッド51の下部プレート51aと接触するように配置されている。なお、エアシリンダ52cのロッドは、図5(A)に示す腰掛部2aに形成された長孔2dから車内側に突出している。パッド支持部材52dは、留め部材を介して台車52b上に固定された棒部材であり、先端部分にヒンジ部を有し、ヒンジ部で屈曲可能に構成されている。また、パッド支持部材52dの先端は、図5(A)に示す腰掛部2aに形成された長孔2eから車内側に突出し、パッド51の下部プレート51aに接続されている。したがって、エアシリンダ52cによりパッド51の下部プレート51aを押圧すると、下部プレート51aはパッド支持部材52dのヒンジ部を中心に回動し、それに伴って上部プレート51bを乗員1に押し付けることができる。
上述した第二拘束具50の装着方法について説明する。図5(A)に示したように、車両シート2の腰掛部2aに着座した乗員1は、パッド51を掴んで第二拘束具50を任意の位置(例えば、破線で示した位置)にスライドさせる。その後、図5(B)に破線で示したように、パッド51の上部プレート51bをスライドさせる。上部プレート51bを所定の位置までスライドさせると図示しないセンサが反応し、台車52bをレール52a上に固定するとともに、エアシリンダ52cを駆動させる。エアシリンダ52cが駆動するとエアシリンダ52cのロッドが延伸し、先端が下部プレート51aを押圧する。押圧された下部プレート51aは、図5(B)に実線で示したように、パッド支持部材52dのヒンジ部を中心に回動し、上部プレート51bを乗員1に押し付ける。エアシリンダ52cに所定の負荷がかかるとエアシリンダ52cは停止し、下部プレート51aを押圧した状態を維持する。かかる第二拘束具50の作用により、乗員1は車両シート2に拘束される。なお、シートベルト7の装着は、第二拘束具50の装着前に行ってもよいし、第二拘束具50の装着後に行ってもよい。第二拘束具50を解除する場合には、上部プレート51bをスライドさせるだけでよい。上部プレート51bを所定の位置までスライドさせると図示しないセンサが反応し、台車52の固定を解除するとともに、エアシリンダ52cのロッドを退縮させる。エアシリンダ52cのロッドが退縮されると、下部プレート51aはパッド支持部材52dのヒンジ部を中心に自由に回動することができ、図5(B)の破線の位置に移動される。最終的に、上部プレート51bが下部プレート51a上に収納され、図5(A)に実線で示した初期状態に戻すことができる。
また、前記パッド51は、図5(C)に図示した形状に限られず、図5(D)に示すように、エアクッション機能を備えたものを採用してもよい。図5(D)に図示したパッド51は、上部プレート51bの一面が開放された略コ字状の形状しており、凹部に形成された段差部にラック51dが形成されている。凹部の底部にはエアバッグ51fが配置されており、エアバッグ51fは腰掛部2a内に配置された図示しないエアポンプに接続されている。そして、第二拘束具50の装着時に、上部プレート51bを所定の位置までスライドさせると図示しないセンサが反応し、エアポンプからエアバッグ51f内に空気が供給され、エアバッグ51fが破線で示したように膨張するようになっている。逆に、第二拘束具50の解除時に、上部プレート51bを所定の位置までスライドさせると図示しないセンサが反応し、エアポンプによりエアバッグ51f内の空気を抜くようになっている。さらに、パッド51にエアバッグ機能を設けるようにしてもよい。図5(C)に示したパッド51の場合には、緩衝材51eの内部に折り畳んだエアバッグを収納し、エアバッグにガスを供給するインフレータを下部プレート51a又は腰掛部2a内に配置するようにすればよい。また、図5(D)に示したパッド51の場合には、エアバッグ51fにガスを供給するインフレータを下部プレート51a又は腰掛部2a内に配置するようにすればよい。
次に、本発明のシートベルト装置の第三実施形態について説明する。ここで、図6は、本発明のシートベルト装置の第三実施形態を示す図であり、(A)は装着前の側面図、(B)は装着後の正面図である。なお、図6(B)において、腰掛部2aの一部を切り欠いて図示している。図6に示したシートベルト装置は、図5に示したシートベルト装置の第二実施形態と第二拘束具の構造が異なるだけであるので、以下、図6に図示した第二拘束具60について説明する。
図6(A)及び(B)に示した第二拘束具60は、乗員1の腰部又は大腿部上に配置可能かつ車両シート2の腰掛部2aの側面部に退避可能なパッド61と、パッド61を車両の前後方向にスライド可能かつ乗員1に押付可能に支持するパッド支持装置62と、を有している。なお、パッド支持装置62は、図5に示したパッド支持装置52と同じ構造であるため、重複した説明を省略する。
前記パッド61は、パッド支持装置62に接続された下部プレート61aと、下部プレート61aに対して回動可能に接続された上部プレート61bと、から構成されている。下部プレート61a及び上部プレート61bは、図6(B)に示すように、平板状に形成されており、ヒンジ部61cを介して連結されている。ヒンジ部61cは、ラチェット機構又はストッパ機構を有し、上部プレート61bの屈曲状態を維持可能かつ解除可能に構成されている。また、上部プレート61bの乗員1と接触する部分にはクッション材やゴム材等の緩衝材61dが設けられている。なお、パッド支持装置62のパッド支持部材52dと下部プレート61aとを連結するヒンジ部は、図6(A)に示したようにパッド61を立てる方向と、図6(B)に示したようにパッド61を乗員1側に接近させる方向の2方向に回動できる部品(例えば、ユニバーサルジョイント等)により構成されている。
上述した第二拘束具60の装着方法について説明する。図6(A)に示したように、車両シート2の腰掛部2aに着座した乗員1は、パッド61を掴んで第二拘束具60を任意の位置にスライドさせる。その後、図6(A)に破線で示したように、パッド61を車両の底面に対して略垂直に立てるように回動させる。パッド61が所定の角度まで回動されると図示しないセンサが反応し、台車62bをレール62a上に固定する。さらに、乗員1は上部プレート61bを腰部又は大腿部に近づけるように回動させる。上部プレート61bが下部プレート61aに対して所定の角度だけ回動されると図示しないセンサが反応し、エアシリンダ62cを駆動させる。エアシリンダ62cが駆動するとエアシリンダ62cのロッドが延伸し、先端が下部プレート61aを押圧する。押圧された下部プレート61aは、図6(B)に実線で示したように、パッド支持部材62dのヒンジ部を中心に回動し、上部プレート61bを乗員1に押し付ける。エアシリンダ62cに所定の負荷がかかるとエアシリンダ62cは停止し、下部プレート61aを押圧した状態を維持する。かかる第二拘束具60の作用により、乗員1は車両シート2に拘束される。なお、シートベルト7の装着は、第二拘束具60の装着前に行ってもよいし、第二拘束具60の装着後に行ってもよい。第二拘束具60を解除する場合には、上部プレート61bを乗員1から離れるように回動させるだけでよい。上部プレート61bを所定の角度だけ回動させると図示しないセンサが反応し、エアシリンダ52cのロッドを退縮させる。さらに、パッド61を車両の底面に対して所定の角度だけ回動させると図示しないセンサが反応し、台車62の固定を解除するようになっている。最終的に、パッド61は腰掛部2aの側面部に収納され、図6(A)に実線で示した初期状態に戻すことができる。
次に、本発明のシートベルト装置の第四実施形態について説明する。ここで、図7は、本発明のシートベルト装置の第四実施形態を示す図であり、(A)は装着前の側面図、(B)は装着後の正面図である。図7に示したシートベルト装置は、図5に示したシートベルト装置の第二実施形態と第二拘束具の構造が異なるだけであるので、以下、図7に図示した第二拘束具70について説明する。
図7(A)及び(B)に示した第二拘束具70は、乗員1の腰部又は大腿部上に配置可能かつ車両シート2の背もたれ部2bの側面部近傍に退避可能なパッド71と、パッド71を車両の前後方向にスライド可能かつ乗員1に押付可能に支持するパッド支持装置72と、を有している。
前記パッド支持装置72は、モータ付のエアシリンダにより構成されており、エアシリンダ機能によりロッド72aを車両の前後方向に伸縮させることができ、モータ機能によりロッド72aを軸中心に回動させることができるようになっている。ロッド72aは、先端が略垂直に屈曲した略L字状に形成されている。このロッド72aの屈曲された先端部がパッド71を構成している。パッド71の乗員1と接触する部分にはクッション材やゴム材等の緩衝材71aが設けられている。なお、ロッド72aは略L字状に限られるものではなく、略J字状であってもよい。
上述した第二拘束具70の装着方法について説明する。図7(A)に示したように、車両シート2の腰掛部2aに乗員1が着座すると図示しないセンサが反応し、図7(A)に破線で示したように、ロッド72aを延伸してパッド71を車両の前方方向に移動させる。パッド71が乗員1の腹部を通過した位置まで移動すると、図示しないセンサが反応し、ロッド72aの延伸を停止させる。ロッド72aが停止すると、パッド支持装置72のモータが作動し、図7(B)に実線で示したように、パッド71を乗員1に近づける方向に回動させる。そして、モータに所定の負荷がかかるとモータは停止する。この状態でロッド72aを退縮させて、パッド71を乗員1に密着させるようにしてもよい。この場合、エアシリンダに所定の負荷が発生した場合にロッド72aの退縮を停止させるようにすればよい。かかる第二拘束具70の作用により、乗員1は車両シート2に拘束される。なお、シートベルト7の装着は、第二拘束具70の装着前に行ってもよいし、第二拘束具70の装着後に行ってもよい。第二拘束具70を解除する場合には、ロッド72aを回動させて、パッド71を図7(B)に破線で示した位置に移動させ、その後、ロッド72aを退縮させる。最終的に、パッド71は背もたれ部2bの側面部近傍に収納され、図7(A)に実線で示した状態にすることができる。
次に、本発明のシートベルト装置の第五実施形態について説明する。ここで、図8は、本発明のシートベルト装置の第五実施形態を示す図であり、(A)はガイド部材の側面断面図、(B)は第五実施形態の第一変形例を示すガイド部材の側面断面図、(C)は第五実施形態の第二変形例を示すガイド部材の側面断面図である。
図8(A)〜(C)に示す第五実施形態及びその変形例は、図2に示したガイド部材3の表皮部21の表面上に膨張展開されるエアバッグ81と、車両シート2に内蔵されるとともにエアバッグ81にガスを供給するインフレータ82と、を有するエアバッグ機構を付設したことを特徴とする。かかるエアバッグ機構を付設することにより、車両の衝突検知時や衝突予測時に表皮部21の上部にエアバッグ81を膨張展開させることができるため、乗員1の頭部に対する衝撃吸収力を向上させることができ、特に、車両の側突時に効果的に作用する。なお、各図において図示していないシートベルト装置の他の構成については、本発明の第一実施形態〜第四実施形態に示したものを適宜使用することができる。
図8(A)に示す第五実施形態のエアバッグ機構は、表皮部21の表面に膨張展開されるエアバッグ81と、車両シート2に内蔵されるインフレータ82と、インフレータ82からエアバッグ81にガスを供給する送給路83と、から構成されており、エアバッグ81は、ガイド部材3の固定端部3a近傍に配置されたケーシング84内の折り畳まれて収納されている。ケーシング84は、例えば、樹脂製のボックスであり、表皮部21の表面に固定されている。ケーシング84を表皮部21の表面に固定することにより、ガイド部材3の移動に合わせてエアバッグ81の突出方向を変更させることができる。また、ケーシング84の前面(突出口)には、エアバッグ81を突出し易くするための薄肉溝(テアライン)が形成されている。また、ケーシング84の大きさは、例えば、図示するように固定台31も含むように形成してもよいし、固定台31の前方に配置するようにしてもよいし、固定台31とケーシング84を一体成形品で構成してもよい。エアバッグ81は、ケーシング84に形成された収容部に直接折り畳んで収納してもよいし、リテーナに収納してからケーシング84に収容してもよい。また、エアバッグ81の折り畳み方法は、図示したように蛇腹折りとロール折りを組み合わせてもよいし、蛇腹折り、ロール折り、内折りのみでもよい。インフレータ82は、図示しないECU(電子制御ユニット)に接続されており、ECUからの点火電流により点火され、インフレータ82内部に格納された薬剤を燃焼させてガスを発生させ、エアバッグ81に送給路83を介してガスを供給する。ガスが供給されたエアバッグ81は、ケーシング84から突出して一点鎖線で示すように膨張展開される。
図8(B)に示す第五実施形態の第一変形例は、エアバッグ81を表皮部21の表面に直接配置したものである。ここで使用されるエアバッグ81は、伸縮可能な素材により構成された膨張体であり、通常時は平板状の形状を維持し、内部にガスが供給されると一点鎖線で示すように膨張される。エアバッグ81は、ボルト等の固定具により表皮部21に固定してもよいし、縫合により固定してもよいし、接着剤により固定してもよい。また、送給路83は、ガイド部材3の留め孔21aを通してエアバッグ81に接続してもよいし、図8(A)に示したようにガイド部材3の後ろ側から接続するようにしてもよい。なお、エアバッグ81を通常のエアバッグ素材により構成し、エアバッグ81を収容するパッドを表皮部21の表面に固定するようにしてもよい。この場合、パッドを伸縮可能な素材で形成してエアバッグ81を内部で膨張させるようにしてもよいし、パッドを突き破ってエアバッグ81を膨張展開させるようにしてもよい。
図8(C)に示す第五実施形態の第二変形例は、エアバッグ81をガイド部材3の内部に収納したものである。ガイド部材3の内部には、エアバッグ81を収容する収容空間21bが形成されており、収容空間21bの内部にエアバッグ81が収納されている。また、表皮部21の収容空間21bに相当する位置の裏面には、エアバッグ81を突出し易くするための薄肉溝(テアライン)が形成されている。また、表皮部21の裏面(緩衝部22側の面)は、図示しないが、蓋部材等により収容空間21bを開閉可能に構成されており、エアバッグ81を収納できるようになっている。かかるエアバッグ機構であっても、エアバッグ81にガスを供給すると、一点鎖線で示すようにエアバッグ81を膨張展開させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明は助手席や後部座席のシートベルト装置にも適用することができる、緩衝部22に替えてシートベルト7を案内可能な環状の支持部材をガイド部材3の裏側に設けるようにしてもよい、第二拘束具の解除はバックルセンサのバックルOFF信号に基づいて行ってもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した状態を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 ガイド部材3の説明図であり、(A)は上面図、(B)は裏面図、(C)は断面図、(D)は伸縮部を備えたガイド部材の上面図、(E)はエアバッグ機構を備えたガイド部材の断面図を示している。 ガイド部材3の固定方法を示す部品展開図である。 本発明のシートベルト装置の作用を説明する正面図であり、(A)はシートベルト装着前、(B)はシートベルト装着後を示している。 本発明のシートベルト装置の第二実施形態を示す図であり、(A)は装着前の側面図、(B)は装着後の正面図、(C)は第二拘束具のパッド断面図、(D)はエアクッション機能を有するパッドの断面図である。 本発明のシートベルト装置の第三実施形態を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 本発明のシートベルト装置の第四実施形態を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 本発明のシートベルト装置の第五実施形態を示す図であり、(A)はガイド部材の側面断面図、(B)は第五実施形態の第一変形例を示すガイド部材の側面断面図、(C)は第五実施形態の第二変形例を示すガイド部材の側面断面図である。
符号の説明
1 乗員
2 車両シート
2a 腰掛部
2b 背もたれ部
2c 肩部
2d,2e 長孔
3 ガイド部材
3a 固定端部
3b 自由端部
3c 筒部
4 アンカー
4a 締結部
4b 固定部
4c 固定具
5 バックル
6 リトラクタ
7 シートベルト
8 トング
21 表皮部
21a 留め孔
21b 収容空間
22 緩衝部
22a,22b 縫合部
23 伸縮部
24,81 エアバッグ
25,82 インフレータ
26,83 送給路
31 固定台
31a 係止孔
31b 切欠部
32 固定軸
33 コイルばね
33a 鉤部
34 蓋部材
35 キャップ
50,60,70 第二拘束具
51,61,71 パッド
51a,61a 下部プレート
51b,61b 上部プレート
51c ピニオン
51d ラック
51e,61d,71a 緩衝材
51f エアバッグ
52,62,72 パッド支持装置
52a,62a レール
52b,62b 台車
52c,62c エアシリンダ
52d,62d パッド支持部材
61c ヒンジ部
72a ロッド
84 ケーシング

Claims (13)

  1. 乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、
    前記背もたれ部の車内側の肩部に接続された固定端部と前記背もたれ部よりも前方に突出した自由端部と前記固定端部から前記自由端部に向かって形成された筒部とを有するガイド部材と、前記腰掛部の車内側の側面部近傍に配置されたアンカーと、前記腰掛部のドア側の側面部近傍に配置されたバックルと、前記車両シートに設けられるとともにシートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、該リトラクタに一端が接続され他端が前記ガイド部材の筒部を通って前記アンカーに接続されたシートベルトと、該シートベルトの前記ガイド部材の自由端部と前記アンカーの間に配置されたトングと、を有し、前記シートベルトを引き出して前記トングを前記バックルに接続することにより前記車両シートに乗員を拘束する、ことを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記ガイド部材の自由端部は、前記背もたれ部に寄り掛かった状態の乗員の肩よりも前方に突出している、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記ガイド部材の乗員と接触する部分は、前記シートベルトの幅よりも広く形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  4. 前記ガイド部材は、前記ガイド部材の剛性を担保する表皮部と、該表皮部の乗員と接触する側に配置された緩衝部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  5. 前記ガイド部材の筒部は、前記緩衝部、前記表皮部又は前記表皮部と前記緩衝部の間のいずれかに形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  6. 前記緩衝部を構成する又は前記緩衝部に内蔵されたエアバッグと、前記車両シートに内蔵されるとともに前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、を有することを特徴とする請求項4に記載のシートベルト装置。
  7. 前記表皮部の表面上に膨張展開されるエアバッグと、前記車両シートに内蔵されるとともに前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、を有することを特徴とする請求項4に記載のシートベルト装置。
  8. 前記ガイド部材の固定端部は、前記車両シートに回動可能に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  9. 前記ガイド部材の固定端部は、ドア側から車内側に回動する方向に付勢されている、ことを特徴とする請求項8に記載のシートベルト装置。
  10. 前記バックルを、前記トング接続前は乗員の着座位置よりも前方に配置し、前記トング接続後は乗員の着座位置よりも後方に移動させるバックル駆動装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  11. 乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、
    前記背もたれ部の車内側の肩部に接続された固定端部と前記背もたれ部よりも前方に突出した自由端部と前記固定端部から前記自由端部に向かって形成された筒部とを有するガイド部材と、前記腰掛部のドア側の側面部近傍に配置されたバックルと、前記車両シートに設けられるとともにシートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、該リトラクタに一端が接続され他端が前記ガイド部材の筒部を通って車内に解放されたシートベルトと、該シートベルトの開放端部に接続されたトングと、を有し、前記シートベルトを引き出して前記トングを前記バックルに接続することにより前記車両シートに乗員を拘束する、ことを特徴とするシートベルト装置。
  12. 前記腰掛部又は前記背もたれ部に配置され、乗員の腰部又は太腿部を拘束する第二拘束具を有する、ことを特徴とする請求項11に記載のシートベルト装置。
  13. 前記第二拘束具は、乗員の腰部又は大腿部上に配置可能かつ前記車両シートの側面部近傍に退避可能なパッドと、該パッドを車両の前後方向にスライド可能かつ乗員に押付可能に支持するパッド支持装置と、を有することを特徴とする請求項12に記載のシートベルト装置。
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