JP2009166774A - 車両用乗員拘束装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小容量のエアバッグを用いて乗員を効果的に拘束することができる車両用乗員拘束装置を得る。
【解決手段】車両用乗員拘束装置10は、シートクッション12の側縁12Aに沿った非使用位置と、シートクッション12に着座した乗員Pの腹部Aに対する車両前後方向の前方に離間して位置する使用位置との間で移動可能な可動拘束装置18を備える。可動拘束装置18には、該可動拘束装置18が使用位置に位置する状態でガス供給を受けて乗員の腹部に向けて展開される第1エアバッグ28と、該可動拘束装置18が使用位置に位置する状態で車両前後方向の前方でかつ車両上下方向の上方に向けて展開される第2エアバッグ30とが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートに着座した乗員を該車両用シートに拘束するための車両用乗員拘束装置に関する。
エアバッグを収納した装置本体を、インストルメントパネル又はフロントシートに近い不使用位置と、インストルメントパネルとフロントシートとの略中間位置である使用位置との間で移動可能にした構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−2190号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術では、車両の前面衝突時に乗員の頭部を保護するためには大容量のエアバッグ、インフレータが必要であった。
本発明は、上記事実を考慮して、小容量のエアバッグを用いて乗員を効果的に拘束することができる車両用乗員拘束装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、シートクッションの側縁に沿った非使用位置と、前記シートクッションに着座した乗員の腹部に対する車両前後方向の前方に離間して位置する使用位置との間で移動可能に、長手方向の一端が車体に支持された可動体と、前記可動体に設けられ、該可動体が使用位置に位置する状態でガス供給を受けて前記乗員の腹部に向けて展開される第1エアバッグと、前記可動体に設けられ、該可動体が使用位置に位置する状態でガス供給を受けて車両前後方向の前方でかつ車両上下方向の上方に向けて展開される第2エアバッグと、を備えている。
請求項1記載の車両用乗員拘束装置では、非使用位置に位置する可動体は、シートクッションの側縁に沿って位置され、すなわち、その長手方向がシートクッションの側縁に略一致され、乗員の着座、乗降を許容する。使用位置に位置する可動体はシートクッションへの着座乗員の腹部に対する前方に該腹部から離間して位置する。この可導体が使用位置に位置する状態で、例えば、車両が前面衝突に至ると、第1エアバッグ、第2エアバッグにそれぞれガスが供給される。すると、第1エアバッグは、可動体から乗員の腹部に向けて展開される。これにより、乗員の車両前後方向の前方への移動が抑制される。一方、第2エアバッグは、可動体から前上方に向けて展開される。この第2エアバッグにより、例えば、乗員の頭部がステアリングホイール、インストルメントパネル等の乗員の前方に位置する車両部品に接触することが抑制される。
ここで、本車両用乗員拘束装置では、第1エアバッグが乗員の腹部に向けて展開されるため、換言すれば、乗員のシートへの拘束方向に第1エアバッグが展開されるため、小容量の第1エアバッグによって乗員のシートへの高い拘束性能を得ることができる。また、第2エアバッグが斜め前上方に展開されるので、腹部において拘束された乗員の上体、頭部を小容量の第2エアバッグにて効果的に保護することができる。
このように、請求項1記載の車両用乗員拘束装置では、小容量のエアバッグを用いて乗員を効果的に拘束することができる。なお、可動体の長手方向一端が支持される車体には、車室内構造物(例えばセンタコンソール等)、シート(シートクッション)、サイドドア等が含まれる。
請求項2記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1記載の車両用乗員拘束装置において、前記可動体の使用位置は、該可動体から前記第1エアバッグの展開方向に沿った乗員の腹部までの距離が、該可動体から前記第2エアバッグの展開方向に沿った車内部品までの距離よりも小さくなるように設定されている。
請求項2記載の車両用乗員拘束装置では、使用位置に位置する可動体は、例えばステアリングホイールやインストルメントパネル等の車体部品よりも、乗員の腹部に近接して位置する。このため、第1エアバッグの展開完了までの時間を短かくすることが容易である。したがって、第1エアバッグの展開によって、例えば前面衝突の初期に乗員を効果的に拘束し、該乗員の前方への移動を効果的に抑制することが可能である。
請求項3記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1又は請求項2記載の車両用乗員拘束装置において、前記第1エアバッグの容量は、前記第2エアバッグの容量よりも小容量に設定されている。
請求項3記載の車両用乗員拘束装置では、第1エアバッグが第2エアバッグよりも小容量であるため、第1エアバッグの展開完了までの時間を短かくすることが容易である。これにより、第1エアバッグによって、例えば前面衝突の初期に乗員を効果的に拘束し、該乗員の前方への移動を効果的に抑制することが可能である。
請求項4記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置において、前記可動体は、前記使用位置に位置する場合に車両上下方向の下方及び車両前後方向の後方を共に向いて開口し前記第1エアバッグが折り畳み状態で収納された第1室と、前記使用位置に位置する場合に車両上下方向の上方及び車両前後方向の前方を共に向いて開口し前記第2エアバッグが折り畳み状態で収納された第2室とを有する本体と、前記本体の第1室及び第2室の開口部を閉止し、前記第1エアバッグ、第2エアバッグの展開圧によって第1室及び第2室の開口部を閉止状態が解除されるカバー部と、を含んで構成されている。
請求項4記載の車両用乗員拘束装置では、可動体の本体に設けられた第1室、第2室に第1エアバッグ、第2エアバッグが収納されている。第1エアバッグ、第2エアバッグにガスが供給されると、これらのエアバッグの展開圧によって、第1室、第2室を閉止していたカバー部が破断(破壊)、変形、移動等されることで、該第1エアバッグ、第2エアバッグは、可動体の外部に展開される。なお、カバー部は、本体に一体に形成されても良く、本体とは別部材として構成されても良い。
請求項5記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項4記載の車両用乗員拘束装置において、前記可動体の本体は、軟質材料にて構成されており、前記可動体のカバー部は、前記第1エアバッグ、第2エアバッグの展開圧によって破断可能なティア部を有する軟質材料にて構成されている。
請求項5記載の車両用乗員拘束装置では、可動体の本体及びカバーがそれぞれ軟質材料にて構成されているので、該可動体が乗員に接触した場合に柔軟な感触が得られる。なお、本体は、例えばウレタン等の保形性を有する軟質材料にて構成され、カバーは、保形成を有する軟質材料又は布状等の保形性を有しない軟質材料にて構成される。
請求項6記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項4又は請求項5記載の車両用乗員拘束装置において、前記第1エアバッグ、第2エアバッグにガスを供給するためのインフレータが、前記可動体の本体における長手方向に直交する断面視で中央部に配置されている。
請求項6記載の車両用乗員拘束装置では、後下方に展開される第1エアバッグ、前上方に展開される第2エアバッグにガスを供給するインフレータが、本体の略中央部に配置されているので、該インフレータから第1エアバッグ、第2エアバッグに良好にガスを供給することができる。
請求項7記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置において、前記可動体を前記非使用位置、前記使用位置に保持するための保持手段をさらに備えた。
請求項7記載の車両用乗員拘束装置では、可動体は、保持手段によって、例えばシートクッションへの着座時等(乗降時)には該着座の邪魔にならない非使用位置に保持され、使用時(車両運転時)には第1エアバッグ、第2エアバッグが所要の方向に展開される使用位置に保持される。これにより、可動体が不用意に(意図せず)使用位置又は非使用位置から移動してしまうことが抑制される。
請求項8記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1〜請求項7の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置において、前記使用位置に位置する前記可動体が該使用位置に対し車両前後方向の前側に移動されることを抑制する移動抑制手段をさらに備えた。
請求項8記載の車両用乗員拘束装置では、移動抑制手段を備えたので、例えば車両の前面衝突(特に、激しい衝突)の際に、可動体が乗員の慣性によって車両前後方向の前方に動くことが抑制される。移動抑制手段としては、例えば、使用位置に位置する可動体を車両前後方向の前側から支持する支持状態と、該可動体の非使用位置へ移動を許容する移動許容状態とに切り替え得る支持部材を用いることができる。また例えば、可動体における長手方向他端(車体に支持された一端に対する反対側の端部)側をサイドドア等の車体に対し着脱可能な着脱構造を移動抑制手段として用いることができる。
請求項9記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置において、前記可動体における長手方向他端を車体に対し取り外し可能に接続するための接続手段と、車両上下方向の下端側が前記可動体の長手方向他端側に連結されると共に、車両上下方向の上端側がシート幅方向における前記可動体の長手方向一端が位置する側でシートバックの肩部に支持された乗員拘束用のウエビングと、をさらに備えた。
請求項9記載の車両用乗員拘束装置では、使用位置に位置する可動体の長手方向他端が接続手段を介して車体に接続された状態で、ウエビングが乗員のシート幅方向一方側の腰部から該シート幅方向他方側の肩部にかけて装着される(乗員の上体の前方で非接触で位置する場合を含む)。このウエビングにより、例えば車両の前面衝突の際に乗員の上体が車両前後方向の前方に移動されることが効果的に抑制される。また、可動体が非使用位置に位置する状態では、可動体の長手方向他端に連結されたウエビングの下端がシートバックに対し車両前側に位置するので、シートバックとウエビングとの間に肩を入れるスペースが確保され、ウエビングの装着性が良好である。なお、ウエビングの上端側は、例えばシートバックの肩部で折り返されることで該肩部に支持される構成であっても良く、また例えば、肩部に設けられたリトラクタにて連結されて該肩部に支持される構成であっても良い。
請求項10記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項9記載の車両用乗員拘束装置において、前記第1エアバッグ、第2エアバッグにガスを供給するためのインフレータが、前記可動体の外側であって該可動体の長手方向一端側に配置されており、前記インフレータと前記第1エアバッグ、第2エアバッグとが可撓性の導管にて連通されている。
請求項10記載の車両用乗員拘束装置では、インフレータが可動体の外側に配置されているので、可動体の寸法形状に対する制約が少なくなる。したがって例えば、可動体を小型化することが可能である。
請求項11記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項9記載の車両用乗員拘束装置において、前記第1エアバッグ、第2エアバッグにガスを供給するためのインフレータが、前記可動体の外側であって該可動体の長手方向他端側に配置されており、前記インフレータと前記第1エアバッグ、第2エアバッグとが可撓性の導管及び前記接続手段を介して連通されている。
請求項11記載の車両用乗員拘束装置では、インフレータが可動体の外側に配置されているので、可動体の寸法形状に対する制約が少なくなる。したがって例えば、可動体を小型化することが可能である。
以上説明したように本発明に係る車両用乗員拘束装置は、小容量のエアバッグを用いて乗員を効果的に拘束することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10について、図1〜図6に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印Wは、それぞれ車両用乗員拘束装置10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向を示しており、これらは車両用乗員拘束装置10が適用された車両用シート11の前方向、上方向、幅方向に略一致している。
図1には、車両用乗員拘束装置10が適用された車室内部が平面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シート11は、車両前後方向の前方に向けて設けられ、着座部を成すシートクッション12と、該シートクッション12の後端部に下端部が接続されバックレストを成すシートバック14と、シートバック14の上端に設けられたヘッドレスト16とを主要部として構成されている。車両用シート11は、例えば、運転席又は助手席(図1は、運転席を例示)とされ、車体における車幅方向の中央部に対し該車幅方向の一方側にオフセットして配置されている。
車両用乗員拘束装置10は、後述する如く車両の前面衝突時等に車両用シート11の着座乗員Pを拘束するための可動拘束装置18を備えている。可動拘束装置18は、図1に実線にて示される如く、乗員Pの腹部に対する車両前後方向の前側で車幅方向に略沿って位置する(長手方向を車幅方向に略一致させる)位置が使用位置とされている。この可動拘束装置18は、シートクッション12の側縁部12Aに沿って位置する非使用位置と、上記した使用位置との間を移動可能とされている。
図2(A)に示される如く、可動拘束装置18は、本発明における可動体を構成する可動部本体20と、該可動部本体20をカバー部としてのカバー部材22とを有する。なお、図2(A)、図2(B)に示す各方向は、可動拘束装置18が使用位置に位置する場合の方向を示している。そして、可動部本体20には、使用位置で車両上下方向の下方でかつ車両前後方向の後方を向いて開口する第1室としての第1エアバッグ収容室24と、使用位置で車両上下方向の上方でかつ車両前後方向の前方を向いて開口する第2室としての第2エアバッグ収容室26とが形成されており、これら第1エアバッグ収容室24、第2エアバッグ収容室26の開口部がカバー部材22にて閉止されている。
第1エアバッグ収容室24には、図2(B)に示される如くガス供給を受けて車両上下方向の下方でかつ車両前後方向の後方に向けて展開(膨張)される第1エアバッグ28が、図2(A)に示される如く折り畳み状態で収容されている。また、第2エアバッグ収容室26には、図2(B)に示される如くガス供給を受けて車両上下方向の上方でかつ車両前後方向の前方に向けて展開(膨張)される第2エアバッグ30が、図2(A)に示される如く折り畳み状態で収容されている。
すなわち、図5及び図6に示される如く、可動拘束装置18の使用位置でガス供給を受けた第1エアバッグ28は、乗員Pの腹部Aに向けて展開されるようになっている。また、可動拘束装置18の使用位置でガス供給を受けた第2エアバッグ30は、乗員Pの頭部Hの前方に位置する車両部品に向けて展開されるようになっている。より具体的には、運転席に適用された車両用乗員拘束装置10では、図5に示される如く第2エアバッグ30がステアリングホイール32に向けて展開されるようになっており、助手席に適用された車両用乗員拘束装置10では、図6に示される如く第2エアバッグ30がインストルメントパネル33に向けて展開されるようになっている。
なお、可動拘束装置18の使用位置は、該可動拘束装置18がステアリングホイール32、インストルメントパネル33よりも腹部Aに近接される位置として設定されている。この実施形態では、可動拘束装置18の使用位置は、可動拘束装置18が乗員Pの腹部Aに対する車両前後方向の前側でかつ車両上下方向の上側で、該腹部Aに対し非接触で近接した位置とされている。この可動拘束装置18の可動構造については後述する。これらにより、車両用乗員拘束装置10では、第1エアバッグ28の容量は、第2エアバッグ30の容量と比較して小容量(低容量)とされている。
また、カバー部材22における第1エアバッグ収容室24、第2エアバッグ収容室26を覆う部分の周縁部、又は中央部には、第1エアバッグ28、30の展開圧により破断されるティア部22Aが形成されている。これにより、ガス供給を受けた第1エアバッグ28、第2エアバッグ30は、展開されつつカバー部材22をティア部22Aにおいて破断し、可動部本体20の外部で展開されるようになっている。
このカバー部材22は、例えば樹脂材等の軟質材料にて構成されている。なお、カバー部材22は、織物や編物等の布状材にて構成しても良い。この場合、例えば、ティア部22Aは、第1エアバッグ28、第2エアバッグ30の展開圧で破断される制御縫製(ティアシーム)として構成することができる。また、可動部本体20は、例えばウレタンフォーム等の軟質材料にて構成されている。これらにより、可動拘束装置18は、軽量で、ソフトな触感を与える構成とされている。
さらに、略筒状を成す可動部本体20内における第1エアバッグ収容室24と第2エアバッグ収容室26との間、より具体的には略円形断面の可動部本体20の中心部には、第1エアバッグ28、第2エアバッグ30にガスを供給するためのインフレータ34が設けられている。インフレータ34は、第1エアバッグ28へのガス供給用のものと、第2エアバッグ30へのガス供給用のものとを独立して設けても良いが、この実施形態では、共通のインフレータ34が作動にて第1エアバッグ28、第2エアバッグ30にガスが供給される構成とされている。
このインフレータ34は、図示しない制御手段としてのECUに電気的に接続されており、ECUが前突検知用センサからの信号に基づいて車両の前面衝突が生じた又は予測されると判断した場合に、該ECUによって作動されガスを発生するようになっている。この実施形態では、ECUは、可動拘束装置18の位置を検知するための位置センサ(スイッチ)から、可動拘束装置18が使用位置に位置することに対応する信号が入力されていることを条件に、インフレータ34を作動させるようになっている。
以上説明した可動拘束装置18は、図1に示される如く、使用位置で乗員P(シートバック14)側に凹となるように湾曲して形成されている。この可動拘束装置18は、その長手方向の一端部(この実施形態では、使用位置で車幅方向内側に位置する端部)は、ヒンジ部36を介して車両に対し回転可能に支持されている。具体的には、ヒンジ部36は、車両上下方向に沿った支軸36Aと、一端側が支軸36Aに回転自在に支持されると共に他端側が可動拘束装置18の長手方向の一端部に固定されたヒンジアーム36Bとを備えて構成されている。
これにより、可動拘束装置18は、支軸36A周りに略水平面に沿って回転することによって、使用位置と非使用位置との間での移動が可能とされている。ヒンジ部36は、シートクッション12の後端部に対する車幅方向内側に配置されている。このため、非使用位置に位置する可動拘束装置18は、乗員Pの乗降、着座の邪魔にならない構成とされている。
また、車両用乗員拘束装置10では、非使用位置に位置する可動拘束装置18は、図1に想像線にて示される如く、運転席(車両用シート11)と助手席(図示しない車両用シート11)との間に設けられたセンタコンソール(コンソールボックス)38に格納されるようになっている。この実施形態では、図3に示される如く、センタコンソール38には車両用シート11側に向けて(車幅方向外向きに)開口した格納凹部40が形成されており、非使用位置に位置する可動拘束装置18が格納凹部40内に格納されるようになっている。
この可動拘束装置18は、車両用シート11に着座した乗員Pによって手動で非使用位置から使用位置に移動され、また降車する際に乗員Pによって手動で使用位置から非使用位置に移動されるようになっている。図1に想像線にて示される如く、非使用位置に位置する可動拘束装置18の先端部18Aは、上記の通り湾曲されていることにより、格納凹部40の外側に突出しており、乗員Pが容易に把持することができるようになっている。
さらに、可動拘束装置18は、上記の通り湾曲されていることによって、直線的に形成されている構成と比較してヒンジ部36を車両前後方向の後方側に配置することができ、所定長さ(乗員Pの左右幅に略対応する長さ)を有する構成において、非使用位置での先端部18Aが乗員Pに把持されやすい位置に位置されるようになっている。換言すれば、可動拘束装置18は、湾曲されてヒンジ部36が比較的車両前後方向の後方側に配置されることで、車両前後方向におけるセンタコンソール38の設置範囲内で格納される構成とされている。
また、図1に示される如く、車両用乗員拘束装置10は、可動拘束装置18を使用位置又は非使用位置に保持するための保持手段としての保持構造42を備えている。具体的には、図4(A)及び図4(B)に示される如く、保持構造42は、センタコンソール38の格納凹部40内におけるヒンジ部36の周りに設けられており、ヒンジアーム36Bが使用位置を超えて非使用位置と反対側(矢印R1方向)に回転することを禁止する使用位置ストッパ44と、ヒンジアーム36Bが非使用位置を超えて使用位置と反対側(矢印R2方向)に回転することを禁止する非使用位置ストッパ46とを有する。したがって、車両用乗員拘束装置10では、ヒンジアーム36Bすなわち可動拘束装置18の回転が、使用位置ストッパ44、非使用位置ストッパ46によって制限されている。
また、保持構造42は、格納凹部40の底面40Aから突設され、使用位置に位置するヒンジアーム36Bに対する非使用位置側に近接して位置する節度凸部48を有する。これにより、可動拘束装置18が使用位置と非使用位置との間で移動するために、ヒンジアーム36Bが節度凸部48を乗り越えるための所定の荷重が要求される構成とされている。このため、使用位置に位置する可動拘束装置18は、該使用位置に保持される(不用意に非使用位置側に移動されない)ようになっている。また、ヒンジアーム36Bが節度凸部48を乗り越えることにより、所定の節度感が得られる構成である。
さらに、保持構造42は、格納凹部40の底面40Aから突設され、非使用位置に位置するヒンジアーム36Bに対する使用位置側に近接して位置する節度凸部50を有する。これにより、可動拘束装置18が使用位置と非使用位置との間で移動するために、ヒンジアーム36Bが節度凸部50を乗り越えるための所定の荷重が要求される構成とされている。このため、非使用位置に位置する可動拘束装置18は、該非使用位置に保持される(不用意に使用位置側に移動されない)ようになっている。また、ヒンジアーム36Bが節度凸部50を乗り越えることにより、所定の節度感が得られる構成である。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用乗員拘束装置10が適用された車両では、車両用シート11に着座した乗員Pは、非使用位置に位置されている可動拘束装置18の先端部18Aを把持し又は手指を掛けて、該可動拘束装置18を矢印R1方向に回転させる。この回転に伴って可動拘束装置18に固定されたヒンジアーム36Bが節度凸部48を乗り越えると、可動拘束装置18は、使用位置に至り、使用位置ストッパ44及び節度凸部48にてヒンジアーム36Bの支軸36A周りの回転が規制されて使用位置に保持される。この使用位置で、可動拘束装置18は乗員Pに対し非接触とされているので、該可動拘束装置18が乗員Pに圧迫感を与えることがなく、装着性が良好である。
一方、乗員Pは、降車等の際には、可動拘束装置18を前方に押して矢印R2方向に回転させる。この回転に伴って可動拘束装置18に固定されたヒンジアーム36Bが節度凸部50を乗り越えると、可動拘束装置18は、非使用位置に至り、非使用位置ストッパ46及び節度凸部50にてヒンジアーム36Bの支軸36A周りの回転が規制されて非使用位置に保持される。
可動拘束装置18を使用位置にした状態で、適用された車両が前面衝突に至るか又は前面衝突が予測されると、ECUがインフレータ34を作動させる。すると、インフレータ34により発生されたガスが第1エアバッグ28、第2エアバッグ30に供給され、該第1エアバッグ28、第2エアバッグ30が展開される。
すなわち、運転席においては、図5に示される如く、第1エアバッグ28が乗員Pの腹部Aに向けて展開され、該第1エアバッグ28にて乗員Pの腰部(腹部)が車両用シート11に拘束されて乗員の車両前後方向の前方への移動が抑制される。また、第2エアバッグ30がステアリングホイール32に向けて展開され、乗員Pの頭部Hがステアリングホイール32に接触することが防止又は効果的に抑制される。また、助手席においては、図6に示される如く、第1エアバッグ28が乗員Pの腹部Aに向けて展開され、該第1エアバッグ28にて乗員Pの腰部(腹部)が車両用シート11に拘束されて乗員の車両前後方向の前方への移動が抑制される。また、第2エアバッグ30がインストルメントパネル33に向けて展開され、乗員Pの頭部Hがインストルメントパネル33に接触することが防止又は効果的に抑制される。
ここで、車両用乗員拘束装置10では、乗員Pの腹部Aに近接した使用位置に位置する可動拘束装置18から該腹部Aに向けて展開される第1エアバッグ28にて乗員Pを車両用シート11に拘束する構成であるため、小容量の第1エアバッグ28にて乗員Pの前方への移動を効果的に抑制することができる。また、車両用乗員拘束装置10では、第2エアバッグ30は主に乗員Pの頭部Hを保護する位置に展開すれば足りるので、第2エアバッグ30は、例えばステアリングホイール32やインストルメントパネル33に設けられる通常の前突用のエアバッグと比較して小容量に構成することができる。
そして、車両用乗員拘束装置10では、第1エアバッグ28による乗員拘束の反力が第2エアバッグ30とステアリングホイール32又はインストルメントパネル33との接触によって支持されるので、該第1バッグ28及び第2バッグ30を展開させるだけで、上記の通り所要の乗員拘束性能を得ることができる。したがって、車両用乗員拘束装置10は、第1エアバッグ28と第2エアバッグ30との容量の和(インフレータ34の容量)についても、例えばステアリングホイール32やインストルメントパネル33に設けられる通常の前突用のエアバッグ(乗員Pの上体と、ステアリングホイール32、インストルメントパネル33、及びウインドシールドガラスとの間の空間の大部分を占有するように展開されるエアバッグ)と比較して、小容量に構成することができる。
また、車両用乗員拘束装置10では、可動拘束装置18を使用位置に保持するための保持構造42を有するため、可動拘束装置18が使用中に不用意に使用位置から移動してしまうことが抑制され、車両の前面衝突の際には、適正な位置から適正な方向に第1エアバッグ28、第2エアバッグ30を展開させることができる。
さらに、車両用乗員拘束装置10では、インフレータ34が可動部本体20の中央部に配置されているため、第1エアバッグ28、第2エアバッグ30に直接的に(直線的な経路で)ガスを供給することができる。これにより、第1エアバッグ28、第2エアバッグ30を短時間で展開させることができ、乗員拘束性の向上に寄与する。
またさらに、車両用乗員拘束装置10では、可動拘束装置18を構成する可動部本体20、カバー部材22が軟質材料より成り、比較的硬質のインフレータ34がカバー部材22の中央部に配置されているので、可動拘束装置18を全体的にソフトな触感を与える構成とすることができる。このため、可動拘束装置18の使用性(使用位置と非使用位置との間で移動させる際の取り扱い性)が良好である。
なお、第1の実施形態では、節度凸部48によって可動拘束装置18を使用位置に保持する保持構造42を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、節度凸部48に代えて又は節度凸部48に加えて、ヒンジアーム36Bを使用位置でロックする移動抑制手段としてのロック手段を設けた構成としても良い。この構成では、第1エアバッグ28による乗員Pの拘束反力をロック手段にて支持することができる。このため、例えば第2エアバッグ30に対し小容量の第1エアバッグ28をより短時間で(第2エアバッグ30よりも早く)展開させて、前面衝突初期における乗員Pの前方への移動を効果的に抑制することが可能になる。特に、使用位置に位置する可動拘束装置18は、ステアリングホイール32又はインストルメントパネル33よりも乗員Pの腹部Aに近接して位置するので、第1エアバッグ28による前面衝突初期における乗員Pの拘束性能を向上させやすい。なお、上記のロック手段は、使用位置への移動に伴って該使用位置で可動拘束装置18をロックするものであっても良く、前面衝突が検知又は予測された場合に可動拘束装置18を使用位置でロックするものであっても良い。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記した第1の実施形態又は前出の構成の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明、図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
図7には、本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置60が平面図にて示されおり、図8には、車両用乗員拘束装置60が斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、車両用乗員拘束装置60は、使用位置に位置する可動拘束装置18が非使用位置側(車両前後方向の前方)に移動されることを防止するための移動抑制手段としての支持機構62を備える点で、第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10とは異なる。
具体的には、支持機構62は、図7に実線にて示される如く、可動拘束装置18をヒンジ部36から離間した位置において車両前後方向の前側から支持するための支持ロッド64を備えている。支持ロッド64の一端は、可動拘束装置18におけるヒンジ部36から離間した位置に、ヒンジ66を介して略水平面に沿って回転自在に連結されている。支持ロッド64の他端は、図9(A)及び図9(B)に示される如く、格納凹部40内に車両前後方向に沿って配置されたスライドレール68にスライド可能に支持されたスライダ70に、ヒンジ66を介して略水平面に沿って回転自在に連結されている。これにより、支持機構62では、支持ロッド64を設けた構成において、可動拘束装置18の使用位置と非使用位置との間の移動を許容する構成とされている。
そして、支持機構62は、図7及び図8に示される如く、支持ロッド64を使用位置でロックするためのロック部72を備えている。図10に拡大して示される如く、ロック部72は、支持ロッド64に固定されたボディ74と、ボディ74に対し車両上下方向に沿って進退可能に設けられ図示しないスプリングの付勢力にてボディ74から上方に突出されたロックピン76と、格納凹部40の上壁40Bに形成され支持ロッド64が使用位置に位置するときにロックピン76が入り込むロック孔78と、ボディ74に設けられ乗員Pの押圧操作によりロックピン76をボディ74内に退避させるためのロック解除ボタン80とを主要部として構成されている。
これにより、支持機構62では、可動拘束装置18が使用位置に至ると、スプリングの付勢力でロックピン76がロック孔78に入り込み、支持ロッド64すなわち可動拘束装置18の使用位置からの移動が禁止されるようになっている。このロックを解除する際には、ロック解除ボタン80を押圧操作しつつロックピン76がロック孔78から位置ずれするまで可動拘束装置18を移動させることで、ロック部72によるロックが解除される構成である。
また、図示は省略するが、可動拘束装置18を構成する可動部本体20の中央部には、該可動拘束装置18の剛性を確保するための骨格部材が挿入されている。骨格部材は、例えば金属や繊維強化樹脂等より構成されており、ヒンジアーム36B、ヒンジ66がそれぞれ固定されている。なお、インフレータ34のハウジングを骨格部材の少なくとも一部として利用しても良い。車両用乗員拘束装置60の他の構成は、車両用乗員拘束装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置60によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用乗員拘束装置60では、支持機構62を備えるため、第1エアバッグ28による乗員Pの拘束反力を支持機構62にて支持することができる。このため、例えば第2エアバッグ30に対し小容量の第1エアバッグ28をより短時間で(第2エアバッグ30よりも早く)展開させて、前面衝突初期における乗員Pの前方への移動を効果的に抑制することが可能になる。特に、使用位置に位置する可動拘束装置18は、ステアリングホイール32又はインストルメントパネル33よりも乗員Pの腹部Aに近接して位置するので、第1エアバッグ28による前面衝突初期における乗員Pの拘束性能を向上させやすい。
また特に、支持機構62は、使用位置に位置する可動拘束装置18におけるヒンジ部36から離間した位置を支持ロッド64にて支持する構成であるため、例えば激しい前面衝突の際の乗員Pの慣性力によって、可動拘束装置18が車両前後方向の前方へ移動することが効果的に抑制される。また、可動拘束装置18は、その内部に設けた骨格部材により、変形が抑制され、第1エアバッグ28、第2エアバッグ30を適正な方向に展開させることができる。
(第3の実施形態)
図11には、本発明の第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置90が斜視図にて示されている。この図に示される如く、車両用乗員拘束装置90は、乗員Pの上体を拘束するためのウエビング92を備える点で、第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10とは異なる。また、車両用乗員拘束装置90は、移動抑制手段、接続手段としてのバックル装置94を備える点で、車両用乗員拘束装置10とは異なる。以下、具体的に説明する。
ウエビング92は、その一端(下端)が可動拘束装置18の先端部18Aに接続されており、その他端側がシートバック14における車幅方向内側(図11では図示を省略したヒンジ部36設置側)の肩部に設けられたショルダガイド96にて折り返されてシートバック14に設けられたリトラクタ98に引き出し巻き取り可能に接続されている。この実施形態では、リトラクタ98は、シートバック14内における肩部の近傍に配置されている。なお、リトラクタ98を可動拘束装置18の先端部18Aに設けた構成としても良い。
バックル装置94は、可動拘束装置18の先端部18Aに設けられたタングプレート100と、該タングプレート100の着脱が可能とされたバックル102とを備えている。また、この実施形態では、バックル102は、リトラクタ104及びウエビング106を介して、シートクッション12の後端部におけるシート幅方向でヒンジ部36の設置側とは反対側の側部に支持されている。すなわち、バックル102は、一端側がリトラクタ104に引き出し巻き取り可能に接続されたウエビング106の他端に接続されている。
また、車両用乗員拘束装置90では、インフレータ34が可動拘束装置18の外側に配置されている。この実施形態では、インフレータ34は、センタコンソール38内(格納凹部40の下方等)に配置され、フレキシブルチューブ(可撓性の導管)108を介して第1エアバッグ28、第2エアバッグ30にガス供給可能に連通されている。このように内部にインフレータ34を備えず、かつ使用位置でヒンジ部36及びバックル装置94によって両端が車体に支持される可動拘束装置18は、車両用乗員拘束装置10、60の可動拘束装置18と比較して柔軟に構成されている。
以上説明した車両用乗員拘束装置90では、使用の際に乗員は、可動拘束装置18を非使用位置から使用位置に移動し、さらにリトラクタ104からウエビング106を引き出しつつバックル102をタングプレート100に近接し、該タングプレート100をバックル102に結合する。これにより、可動拘束装置18は、長手方向両端が車体に支持された装着状態とされる。この装着状態では、ウエビング92は、乗員Pのシート幅方向一方側の肩部からシート幅方向他方側の腰部にかけて、軽度に接触されつつ又は非接触で装着される構成である。車両用乗員拘束装置90の他の構成は、車両用乗員拘束装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置90によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用乗員拘束装置90では、バックル装置94を備えるため、第1エアバッグ28による乗員Pの拘束反力をヒンジ部36及びバックル装置94にて支持することができる。このため、例えば第2エアバッグ30に対し小容量の第1エアバッグ28をより短時間で(第2エアバッグ30よりも早く)展開させて、前面衝突初期における乗員Pの前方への移動を効果的に抑制することが可能になる。特に、使用位置に位置する可動拘束装置18は、ステアリングホイール32又はインストルメントパネル33よりも乗員Pの腹部Aに近接して位置するので、第1エアバッグ28による前面衝突初期における乗員Pの拘束性能を向上させやすい。
また特に、支持機構62は、使用位置に位置する可動拘束装置18を長手方向の両端で支持する構成であるため、例えば激しい前面衝突の際の乗員Pの慣性力によって、可動拘束装置18が車両前後方向の前方へ移動することが効果的に抑制される。
さらに、車両用乗員拘束装置90では、ウエビング92を備えるため、車両の前面衝突の際には、第1エアバッグ28及びウエビング92によって乗員Pの前方への移動を一層効果的に抑制することができる。なお、リトラクタ98は、前面衝突が検知又は予測された場合にウエビング92を強制的に巻き取るプリテンショナを備えることが望ましく、衝撃吸収過程でウエビング92の引き出し(乗員Pの前方への移動)を許容するフォースリミッタを設けることが一層望ましい。また、リトラクタがプリテンショナやフォースリミッタを有する構成に代えて、又は該構成と共に、ガス供給により膨張される膨張部をウエビング92に設けた構成としても良い。
またさらに、車両用乗員拘束装置90では、乗員Pの着座前(可動拘束装置18、ウエビング92の装着前)の状態で、図12に示される如く、シートバック14とウエビング92との間にスペースSが形成される。このため、乗員Pは、シートバック14とウエビング92との間に容易に肩を入れることができ、可動拘束装置18、ウエビング92を容易に装着することができる。
(第4の実施形態)
図13には、本発明の第4の実施形態に係る車両用乗員拘束装置110が斜視図にて示されている。この図に示される如く、車両用乗員拘束装置110は、可動拘束装置18の車幅方向内端部がヒンジ部36に代えてリトラクタ112及び図示しないウエビングを介してセンタコンソール38(車体)に支持されると共に、インフレータ34がシートクッション12に対するバックル102側に配置された点で、第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置90とは異なる。
具体的には、センタコンソール38の格納凹部40の後端部には、リトラクタ112が配置されており、一端がリトラクタ112に引き出し巻き取り可能に接続された図示しないウエビングの他端が可動拘束装置18に接続されている。一方、バックル102は、ステー114を介してシートクッション12の側部に支持されている。インフレータ34は、このバックル102の近傍に配置されており、バックル装置94、可動拘束装置18内のフレキシブルチューブ(可撓性の導管)116を介して第1エアバッグ28、第2エアバッグ30にガス供給可能に連通されている。車両用乗員拘束装置110の他の構成は、車両用乗員拘束装置90の対応する構成と同じである。
したがって、第4の実施形態に係る車両用乗員拘束装置110によっても、基本的に第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置90(車両用乗員拘束装置10)と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用乗員拘束装置110では、リトラクタ112からウエビングを引き出しつつタングプレート100をバックル102に結合させる構成であるため、該タングプレート100のバックル102への結合位置が乗員Pに対し一定となり、装着性が良好である。
なお、上記した各実施形態では、非使用位置で可動拘束装置18がセンタコンソール38の格納凹部40内に格納される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、非使用位置に位置する可動拘束装置18は、車両上下方向の上側にも開口された格納凹部40に格納されても良く、シートクッション12とセンタコンソール38との間に格納されても良い。
また、上記した各実施形態では、非使用位置で可動拘束装置18がシートクッション12における車幅方向内側の側縁部12Aに沿って配置された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、非使用位置で可動拘束装置18が車幅方向外側(乗降側)の側縁部12Aに沿って配置される構成としても良い。したがって、可動拘束装置18の車体に対する支持部位は、センタコンソール38に限定されることもなく、シートクッション12やサイドドア等としても良い。
さらに、上記した第1〜第3の実施形態では、可動拘束装置18がヒンジ部36を介して車体に回転自在に支持された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、紐状、帯状、鎖状等の部材を介して車体に支持されるようにしても良い。
またさらに、上記した第2〜第4の実施形態では、移動抑制手段として支持機構62、バックル装置94を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、可動拘束装置18の先端部18A(タングプレート100)をサイドドア(に設けたバックル102)に結合することで、該可動拘束装置18の車両前後方向の前方への移動を抑制するようにしても良い。
また、上記した各実施形態では、可動拘束装置18が軟質材料より成る可動部本体20、カバー部材22を有して構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、可動部本体20、カバー部材22の少なくとも一方は、比較的硬質の材料にて構成されても良い。また、本発明は、カバー部材22が可動部本体20とは別体である構成に限定されることはなく、例えば、カバー部材22が可動部本体20の一部として構成されても良い。
さらに、上記した各実施形態では、車両用乗員拘束装置10、60、90、110が運転席又は助手席に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、後席(2列目や3列目のシート)に車両用乗員拘束装置10等を適用しても良い。
本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を構成する可動拘束装置を示す図であって、(A)は非作動時における長手方向との直交面に沿った切断面を示す斜視図、(B)は第1、第3バックの展開状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を構成する可動拘束装置の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を構成する保持構造を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を運転席に適用した場合の作動状態を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を助手席に適用した場合の作動状態を模式的に示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を構成する可動拘束装置の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を構成する装置支持機構の車体側の連結部を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は図9(A)の9B−9B線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を構成するロック部の斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置における乗員装着前の状態を示す側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用乗員拘束装置を示す斜視図である。
符号の説明
10 車両用乗員拘束装置
12 シートクッション
18 可動拘束装置(可動体)
20 可動部本体(本体、可動体)
22 カバー部材(カバー部、可動体)
22A ティア部
24 第1バッグ収容室(第1室)
26 バッグ収容室(第1室)
28 第1エアバッグ
30 第2エアバッグ
32 ステアリングホイール(車内部品)
33 インストルメントパネル(車内部品)
34 インフレータ
38 センタコンソール(車体)
42 保持構造(保持手段)
60・90・110 車両用乗員拘束装置
62 支持機構(移動抑制手段)
92 ウエビング
94 バックル装置(移動抑制手段、接続手段)
108・116 フレキシブルチューブ

Claims (11)

  1. シートクッションの側縁に沿った非使用位置と、前記シートクッションに着座した乗員の腹部に対する車両前後方向の前方に離間して位置する使用位置との間で移動可能に、長手方向の一端が車体に支持された可動体と、
    前記可動体に設けられ、該可動体が使用位置に位置する状態でガス供給を受けて前記乗員の腹部に向けて展開される第1エアバッグと、
    前記可動体に設けられ、該可動体が使用位置に位置する状態でガス供給を受けて車両前後方向の前方でかつ車両上下方向の上方に向けて展開される第2エアバッグと、
    を備えた車両用乗員拘束装置。
  2. 前記可動体の使用位置は、該可動体から前記第1エアバッグの展開方向に沿った乗員の腹部までの距離が、該可動体から前記第2エアバッグの展開方向に沿った車内部品までの距離よりも小さくなるように設定されている請求項1記載の車両用乗員拘束装置。
  3. 前記第1エアバッグの容量は、前記第2エアバッグの容量よりも小容量に設定されている請求項1又は請求項2記載の車両用乗員拘束装置。
  4. 前記可動体は、
    前記使用位置に位置する場合に車両上下方向の下方及び車両前後方向の後方を共に向いて開口し前記第1エアバッグが折り畳み状態で収納された第1室と、前記使用位置に位置する場合に車両上下方向の上方及び車両前後方向の前方を共に向いて開口し前記第2エアバッグが折り畳み状態で収納された第2室とを有する本体と、
    前記本体の第1室及び第2室の開口部を閉止し、前記第1エアバッグ、第2エアバッグの展開圧によって第1室及び第2室の開口部を閉止状態が解除されるカバー部と、
    を含んで構成されている請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置。
  5. 前記可動体の本体は、軟質材料にて構成されており、
    前記可動体のカバー部は、前記第1エアバッグ、第2エアバッグの展開圧によって破断可能なティア部を有する軟質材料にて構成されている請求項4記載の車両用乗員拘束装置。
  6. 前記第1エアバッグ、第2エアバッグにガスを供給するためのインフレータが、前記可動体の本体における長手方向に直交する断面視で中央部に配置されている請求項4又は請求項5記載の車両用乗員拘束装置。
  7. 前記可動体を前記非使用位置、前記使用位置に保持するための保持手段をさらに備えた請求項1〜請求項6の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置。
  8. 前記使用位置に位置する前記可動体が該使用位置に対し車両前後方向の前側に移動されることを抑制する移動抑制手段をさらに備えた請求項1〜請求項7の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置。
  9. 前記可動体における長手方向他端を車体に対し取り外し可能に接続するための接続手段と、
    車両上下方向の下端側が前記可動体の長手方向他端側に連結されると共に、車両上下方向の上端側がシート幅方向における前記可動体の長手方向一端が位置する側でシートバックの肩部に支持された乗員拘束用のウエビングと、
    をさらに備えた請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置。
  10. 前記第1エアバッグ、第2エアバッグにガスを供給するためのインフレータが、前記可動体の外側であって該可動体の長手方向一端側に配置されており、
    前記インフレータと前記第1エアバッグ、第2エアバッグとが可撓性の導管にて連通されている請求項9記載の車両用乗員拘束装置。
  11. 前記第1エアバッグ、第2エアバッグにガスを供給するためのインフレータが、前記可動体の外側であって該可動体の長手方向他端側に配置されており、
    前記インフレータと前記第1エアバッグ、第2エアバッグとが可撓性の導管及び前記接続手段を介して連通されている請求項9記載の車両用乗員拘束装置。
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