JP2010143422A - 側面衝突用頭部拘束装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の頭部と胴体の動きの差を従来に比べて低減でき、しかも側突時の衝突形態による乗員の挙動の違いに対応できる(すなわち、CTC側突にもポール側突にも対応できる)側面衝突用頭部拘束装置の提供。
【解決手段】側面衝突用頭部拘束装置10は、3点式シートベルト装置20によって拘束されている乗員Pの頭部を展開時に車幅方向外側から拘束する頭部拘束部材32を有する。頭部拘束部材32は、展開時に、乗員Pの頭部の車幅方向外側の側方に位置しショルダベルト部21bの上部に固定されるエアバッグ下部32aと、エアバッグ下部32aの上側に位置しエアバッグ下部32aより車幅方向の厚みが大きいエアバッグ上部32bと、を備えており、側突時の車体変形によるショルダベルト部21bの引き出し動作に連動して車幅方向内側かつ下方へ移動可能とされている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、側面衝突時の衝突形態による乗員の挙動の違いに対応できる側面衝突用頭部拘束装置に関する。
側面衝突の形態として、つぎの2つの衝突形態がある。
1.CTC(カーツーカー)側突形態
側方から車に衝突される衝突形態であり、側突初期に、被衝突車両の車体下部のみが車幅方向内側に変形してシート下部(シートバックの下部、シートクッション)が押され、シートベルトによって拘束されている乗員の腰部(胴体)がシートと共に車幅方向内側に移動し、衝突後期に、慣性で元の位置に停まろうとする乗員の頭部がシートと共に移動する胴体によって車幅方向内側に引かれて車幅方向内側に移動する衝突形態。側突初期に乗員の腰部高さ(胴体)の変形のみが大きい衝突形態。
2.ポール側突形態
車両のスピンを伴って電柱や立木へ自ら側面で衝突し、車体上部から下部までが車幅方向内側に同程度変形する衝突形態であり、乗員が慣性で衝突側に向かって移動する衝突形態。乗員の胴体と頭部が同じ挙動を示す衝突形態。
特許文献1は、側突時にショルダベルトアンカの上方に位置するベルト部分を膨張させることで、乗員の頭部を拘束可能とした側面衝突用頭部拘束装置を開示している。
また、特許文献2は、中空略円筒形状で内側をショルダベルト部が挿通しておりショルダベルト部に対し摺動可能とされた頭部拘束部材(エアバッグ)を有しており、側突時に頭部拘束部材をショルダベルト部に沿って展開膨張させることで乗員の頭部を拘束可能とした側面衝突用頭部拘束装置を開示している。
特許文献1および特許文献2に開示された側面衝突用頭部拘束装置は、展開後にバッグ位置を車幅方向内側に変えることができる構造になっていない。
側突時、頭部傷害リスクを低減する方法の1つに、頭部と胴体の動きの差(車幅方向の相対速度)の低減がある。しかし、側突の形態によって(CTC側突かポール側突かによって)乗員の挙動が異なるので、展開後にバッグ位置を車幅方向内側に変えることができる構造になっていない特許文献1および2に開示された技術では、CTC側突初期で乗員の胴体のみが車幅方向内側に移動するときに(乗員の頭部が慣性で元の位置に停まっているときに)、積極的に乗員の頭部を車幅方向内側に移動させることが困難である。また、CTC側突後期で乗員の頭部がエアバッグから遠ざかったときに、頭部を衝突側からエアバッグで十分に拘束することが困難である。そのため、頭部と胴体との動きの差を低減することが難しい。
なお、ポール側突時は、乗員の胴体と頭部が同じ挙動を示しながら慣性で衝突側に向かって移動するので、従来の拘束装置で特に問題は生じない。
特開平06−064493号公報 特開2000−142303号公報
本発明の目的は、衝突形態によらず乗員の頭部と胴体の動きの差を従来に比べて低減できる(すなわち、CTC側突にもポール側突にも対応できる)側面衝突用頭部拘束装置を提供することにある。
(1) 本発明の側面衝突用頭部拘束装置は、シートベルト装置を装着している乗員の頭部を展開時に車幅方向外側から拘束する頭部拘束部材を有する。
シートベルト装置は、装着時に、ラップベルト部と車幅方向外側上部のショルダベルトアンカから車幅方向内側かつ下方に延びるショルダベルト部とを備えるシートベルトと、乗員が着座するシートクッションの車幅方向内側面またはその近傍に配置されシートクッションに対して固定されるバックルと、シートベルトにシートベルトの長手方向に移動可能に設けられバックルに係合するタングプレートと、を備えている。
頭部拘束部材は、展開時に、乗員の頭部の車幅方向外側の側方に位置しショルダベルト部の上部に固定されるエアバッグ下部と、エアバッグ下部の上側に位置しエアバッグ下部より車幅方向の厚みが大きいエアバッグ上部と、を備えている。
上記(1)の側面衝突用頭部拘束装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(a)CTC側突時、車体変形によりシート下部が車幅方向内側に押されてシートが車幅方向内側に移動すると、シートクッションに対して固定されるバックルが車幅方向内側に移動する。バックルが車幅方向内側に移動するため、バックルに係合しているタングプレートも車幅方向内側に移動し、ショルダベルト部が車幅方向内側かつ下方に引き出される。ショルダベルト部が引き出されると、頭部拘束部材のエアバッグ下部がショルダベルト部の上部に固定されているため、エアバッグ下部がショルダベルト部の動きに連動して車幅方向内側かつ下方に移動する。その結果、エアバッグ下部の上側に位置しエアバッグ下部より車幅方向の厚みが大きいエアバッグ上部が乗員の頭部の車幅方向外側の側方に移動し、エアバッグ上部で乗員の頭部を車幅方向外側から拘束できる。そのため、CTC側突初期で乗員の胴体のみが車幅方向内側に移動するときに(乗員の頭部が慣性で元の位置に停まっているときに)積極的に乗員の頭部をエアバッグ上部で車幅方向内側に移動させることができる。また、CTC側突後期に車幅方向内側に移動する乗員の頭部を頭部拘束部材で車幅方向外側から拘束できる。よって、CTC側突時、乗員の胴体と頭部の動きの差を少なくし頭部傷害を低減できる。
(b)また、ポール側突時、車体が車幅方向内側に変形することによりシートが車幅方向内側に移動し、シートクッションに対して固定されるバックルが車幅方向内側に移動し、バックルに係合しているタングプレートも車幅方向内側に移動する。そのとき、車体上部から下部までが車幅方向内側に同程度変形するため、ショルダベルトアンカも車幅方向内側へ移動する。そのため、ショルダベルト部は、引き出されず、車幅方向内側に移動するだけである。そのため、頭部拘束部材は姿勢を保ったまま車幅方向内側へ平行移動する。その結果、エアバッグ下部が乗員の頭部の車幅方向外側の側方に位置し続け、エアバッグ下部で乗員の頭部を車幅方向外側から拘束できる。そのため、ポール側突時に、頭部拘束部材で乗員の頭部を車幅方向内側に拘束しすぎることを抑制でき、乗員の頚部が頭部拘束部材によって曲げられてしまうことを抑制できる。
上記(a)、(b)より、側突時の衝突形態の乗員の挙動の違いに対応して乗員の頭部と胴体の動きの差を従来に比べて少なくできる。
以下に、本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置(以下、単に拘束装置ともいう)を、図1〜図8を参照して、説明する。なお、図中UPは上方を示し、FRは車両前方を示し、INは車幅方向内側を示し、OUTは車幅方向外側を示す。また、図は、右ハンドル車における運転席用として拘束装置が設けられている場合を示しているが、拘束装置は右ハンドル車、左ハンドル車を問わず、運転席用、助手席用、後部座席用のいずれであってもよい。
本発明実施例の拘束装置10は、図1に示すように、シート1に着席しておりシートベルト装置20を装着している乗員Pの頭部を、車幅方向外側から拘束(保護)するために設けられる。
シート1は、乗員Pが着座するシートクッション1aと、シートクッション1aの車両後側端部に配置され乗員Pの背もたれとして利用されるシートバック1bと、シートバック1bの上部に設けられ乗員Pの頭部を車両後側から支持するヘッドレスト1cと、を備えている。
シートベルト装置20は、3点式のシートベルト装置である。シートベルト装置20は、装着時に乗員Pを拘束する。シートベルト装置20は、シートベルト21と、バックル22と、タングプレート23と、リトラクタ24(図7参照)と、を備える。
シートベルト21は、1本のウエビングで構成されている。シートベルト21は、シートベルト装置20の装着時に、乗員Pの腰前に位置するラップベルト部21aと、乗員上体に対し車幅方向外側上部のショルダベルトアンカ25から車幅方向内側かつ下方に延び乗員Pの胸前に位置するショルダベルト部21bと、を備える。
シートベルト21は、図7に示すように、車両のピラー2内に固定して配置されるリトラクタ24に長手方向一端部で繋がれている。
リトラクタ24には、図示略のプリテンショナとフォースリミッタが設けられている。プリテンショナが設けられているため、衝突を感知した際に自動的にリトラクタ24によってシートベルト21を巻き取ることで、シートベルト21による乗員Pの拘束開始を早めることができる。また、フォースリミッタが設けられているため、衝突によりシートベルト21に所定の張力以上の張力がかかった際にそれ以上の張力がシートベルト21に発生しないようにシートベルト21の拘束を緩めることで、シートベルト21から乗員Pにかかる負荷を低減できる。
シートベルト21は、リトラクタ24からピラー2内を上方に延び、シート1に着席している乗員Pまたはシートバック1bより上方のピラー2部位に固定して設けられるショルダベルトアンカ(スリップジョイント)25を経由して車室内に延びる。
バックル22は、図1に示すように、シートクッション1aの車幅方向内側面またはその近傍に配置される。バックル22は、シートクッション1aに、鉄板、ウエビングまたはワイヤを介して固定される。
タングプレート23は、バックル22に係脱可能である。タングプレート23は、シートベルト21にシートベルト21の長手方向に移動可能に(摺動可能に)設けられる。タングプレート23は、シートベルト装置20の装着時、ラップベルト部21aの車幅方向内側端部とショルダベルト部21bの車幅方向内側端部かつ下端部との境部に位置する。なお、ラップベルト部21aの車幅方向外側端部は、車体に固定されている。
乗員Pは、リトラクタ24に巻き取られているシートベルト21を車両幅方向内側かつ下方に引き出して、タングプレート23をバックル22に係合させることで、シートベルト装置20を装着する。
拘束装置10は、図7に示すように、ケース31と、頭部拘束部材32と、インフレータ33と、ロック34と、を有する。
ケース31は、ショルダベルトアンカ25の近傍でピラー2に取付けられる。ただし、ケース31は、ショルダベルトアンカ25に取付けられていてもよい。ケース31は、車幅方向に2分割された構成になっており、ピラー2に固定して取付けられる固定側ケース31aと、固定側ケース31aの車幅方向内側に位置し固定側ケース31aに着脱可能に取付けられる可動側ケース31bと、からなる。固定側ケース31aと可動側ケース31bとでケース31内に1つの空間を形成している。
ケース31内をシートベルト21(ショルダベルト部21b)が挿通している。ショルダベルトアンカ25から車室内に延びるシートベルト21(ショルダベルト部21b)は、固定側ケース31aの車幅方向外側の側壁に設けられる孔からケース31内に進入し、固定側ケース31a内を通って可動側ケース31b内に入り、可動側ケース31bの底壁(下壁)に設けられる孔からケース31の外に出ている。
頭部拘束部材32は、たとえばエアバッグからなる。頭部拘束部材32は、非展開時、ケース31内に折り畳まれた状態で収容(格納)されている。頭部拘束部材32は、インフレータ33からのガスによって展開膨張する。頭部拘束部材32は、展開時、シートベルト装置20を装着している乗員Pの頭部を、車幅方向外側から拘束する。頭部拘束部材32は、1つの袋体で構成されており、内部に頭部拘束部材32を前後または上下に分ける仕切り壁等は設けられていない。
頭部拘束部材32は、図1に示すように、展開時、エアバッグ下部32aと、エアバッグ下部32aの上側に位置するエアバッグ上部32bと、を備えている。
エアバッグ下部32aは、展開時、図6に示すように、乗員Pの頭部の車幅方向外側の側方に位置し、成人男性(AM50)の頭部重心G1及び小柄女性(AF05)の頭部重心G2を車両外側から覆う。成人男性及び小柄女性の頭部重心G1,G2を覆うのは、乗員Pの頭部を車幅方向外側から拘束する場合、頭部を重心G1,G2で支持するのが、頭部にモーメントを加えず安定するからである。エアバッグ下部32aの展開時における車両前側端は、乗員Pの頭部の重心G1,G2より車両前方にあり、エアバッグ下部32aの展開時における車両後側端は、乗員(AM50)Pの頭部より後方にある。
エアバッグ下部32aは、展開時、図4に示すように、乗員Pの肩より上方で乗員(AM50)Pの頭部の上端より下方にある。エアバッグ下部32aが乗員Pの肩より上方にあるため、頭部拘束部材32が展開するときのはずみでエアバッグ下部32aが乗員Pの肩より下方に展開してしまいエアバッグ下部32aで乗員Pの頭部を拘束できなくなることを抑制できる。
エアバッグ上部32bは、展開時、乗員(AM50)Pの頭部の上端以上の位置にある。エアバッグ上部32bの展開時における車両前側端は、乗員Pの頭部の重心G1,G2より車両前方にあり、エアバッグ上部32bの展開時における車両後側端は、乗員(AM50)Pの頭部より後方にある。
エアバッグ上部32bの展開時における車幅方向の厚み(最大厚)W2は、エアバッグ下部32aの展開時における車幅方向の厚み(最大厚)W1より、たとえば2倍程度広くなっており、頭部拘束部材32に上下方向で厚みの差が設けられている。
インフレータ33は、図7に示すように、たとえば車両のルーフサイドレール3内に固定して配置される。ただし、ケース31内にインフレータ33を配置(収容)するための空間を確保できる場合には、頭部拘束部材32との距離が近くなるため、ケース31内に配置されることが望ましい。インフレータ33と頭部拘束部材32とは、可撓性のあるチューブ33aで接続されている。インフレータ33は、図示略の側突検地センサまたはプリクラッシュセンサ(側突予知センサ)により側突が検知または予知されて、側突検知センサまたはプリクラッシュセンサからの信号を受けたときに、ガスを頭部拘束部材32に供給する。
ロック34は、頭部拘束部材32の非展開時には、エアバッグ下部32aとショルダベルト部21bの上部(ショルダベルト部21bのうち乗員Pの車幅方向外側の肩より上方の部分)とを固定せず、頭部拘束部材32の展開時に、エアバッグ下部32aとショルダベルト部21bの上部とを固定するために設けられる。
ロック34は、頭部拘束部材32の非展開時、頭部拘束部材32とともにケース31内に配置される。
ロック34は、図8に示すように、一端部(上端部)で頭部拘束部材32に固定されるストラップ34aと、ストラップ34aの他端部(下端部)に固定されるロール34bと、頭部拘束部材32の非展開時にはロール34bと間隔を隔てて配置され頭部拘束部材32の展開時には頭部拘束部材32の展開圧でロール34bに押し付けられる傘部34cと、を備える。
ロール34bと傘部34cとの間をシートベルト21(ショルダベルト部21b)が挿通している。図7に示すように、固定側ケース31aの車幅方向外側の側壁に設けられる孔からケース31内に進入したシートベルト21は、固定側ケース31a内を通って可動側ケース31b内に入った後、ロール34bと傘部34cとの間を通って、可動側ケース31bの底壁(下壁)に設けられる孔からケース31の外に出ている。
ここで、本発明実施例の作動を説明する。
(A)通常時(頭部拘束部材32が展開していないとき)
可動側ケース31bは固定側ケース31aに取付けられている。頭部拘束部材32とロック34は、ともにケース31内に位置する。
ロール34bと傘部34cとが互いに間隔を隔てて配置されており、ロール34bと傘部34cとの間を通るシートベルト21が、ロック34によってシートベルト21の長手方向の移動を妨げられることは無い。そのため、ロック34はかかっておらず、ロック34によってエアバッグ下部32aとショルダベルト部21bの上部とは固定されていない。
(B)インフレータ33からのガスで頭部拘束部材32が展開するとき
頭部拘束部材32の展開圧で傘部34cがロール34bに押し付けられ、傘部34cおよびロール34bとシートベルト21bとの間に比較的大きな摩擦力が発生する。そのため、ロック34とシートベルト21との相対動が不能とされ(ロック34のロックがかかり)、エアバッグ下部32aとショルダベルト部21bの上部とがロック34により固定される。
また、頭部拘束部材32の展開圧により、可動側ケース31bが固定側ケース31aから外れてケース31が開き、図1に示すように、頭部拘束部材32が展開する。
頭部拘束部材32が展開完了したとき、エアバッグ下部32aは、乗員Pの頭部の車幅方向外側の側方に位置し、エアバッグ上部32bは、エアバッグ下部32aの上側で乗員Pの頭部の上端以上の位置にある。
(C1)CTC側突時
図2に示すように、車体変形によりシート1の下部が車幅方向内側に押されてシート1が車幅方向内側に移動し、シートクッション1aに対して固定されるバックル22が車幅方向内側に移動する。バックル22が車幅方向内側に移動するため、バックル22に係合しているタングプレート23も車幅方向内側に移動し、ショルダベルト部21bが車幅方向内側かつ下方に引き出される。ショルダベルト部21bが引き出されると、エアバッグ下部32aがロック34によりショルダベルト部21bの上部に固定されているため、エアバッグ下部32aがショルダベルト部21bの動きに連動して車幅方向内側かつ下方に移動する(引っ張り下ろされる)。その結果、エアバッグ下部32aの上側に位置しエアバッグ下部32aより車幅方向の厚みが大きいエアバッグ上部32bがエアバッグ下部32aによって引っ張られて乗員Pの頭部の車幅方向外側の側方に移動する。
(C2)ポール側突時
図3に示すように、車体が車幅方向内側に変形することによりシート1が車幅方向内側に移動し、シートクッション1aに対して固定されるバックル22が車幅方向内側に移動し、バックル22に係合しているタングプレート23も車幅方向内側に移動する。そのとき、車体上部から下部までが車幅方向内側に同程度変形するため、ショルダベルトアンカ25も車幅方向内側へ移動する。そのため、ショルダベルト部21bは、引き出されないか又はCTC側突時に比べて無視できる程度しか引き出されず、車幅方向内側に移動するだけである。そのため、頭部拘束部材32は姿勢を保ったまま車幅方向内側へ平行移動(略平行移動を含む)する。その結果、エアバッグ下部32aが乗員Pの頭部の車幅方向外側の側方に位置し続け、エアバッグ上部32bがエアバッグ下部32aの上側で乗員Pの頭部の上端以上の位置に位置し続ける。
つぎに、本発明実施例の作用・効果を説明する。
本発明実施例では、(a)CTC側突時には(側突時の車体変形によりショルダベルト部21bが車幅方向内側かつ下方に引き出されるときには)、エアバッグ下部32aがショルダベルト部21bの動きに連動して車幅方向内側かつ下方に移動し、エアバッグ下部32aより車幅方向の厚みが大きいエアバッグ上部32bが乗員Pの頭部の車幅方向外側の側方に移動する。そのため、エアバッグ上部32bで乗員Pの頭部を車幅方向外側から拘束できる。そのため、CTC側突初期で乗員Pの胴体のみが車幅方向内側に移動するときに(乗員Pの頭部が慣性で元の位置に停まっているときに)積極的に乗員Pの頭部をエアバッグ上部32bで車幅方向内側に移動させることができる。また、CTC側突後期に車幅方向内側に移動する乗員Pの頭部をエアバッグ上部32bで車幅方向外側から拘束できる。よって、CTC側突時、乗員Pの胴体と頭部の動きの差を少なくし頭部傷害を低減できる。
また、(b)ポール側突時には(側突時の車体変形でショルダベルト部21bが車幅方向内側かつ下方に引き出されないときには)、頭部拘束部材32は姿勢を保ったまま車幅方向内側へ平行移動するだけであり、エアバッグ下部32aが乗員Pの頭部の車幅方向外側の側方に位置し続け、エアバッグ上部32bがエアバッグ下部32aの上側で乗員Pの頭部の上端以上の位置に位置し続ける。そのため、エアバッグ下部32aで乗員Pの頭部を車幅方向外側から拘束できる。そのため、ポール側突時に、頭部拘束部材32で(エアバッグ上部32bで)乗員Pの頭部を車幅方向内側に拘束しすぎることを抑制でき、乗員Pの頚部が頭部拘束部材32によって曲げられてしまうことを抑制できる。
上記(a)、(b)より、1つの拘束装置10を用いるだけで、側突時の衝突形態の乗員Pの挙動の違いに対応して乗員Pの頭部と胴体の動きの差を従来に比べて少なくできる。
頭部拘束部材32とロック34が頭部拘束部材32の非展開時にケース31内に収容されているため、頭部拘束部材32の非展開時、拘束装置10をコンパクトにできる。そのため、拘束装置10で乗員Pの乗降性を阻害することを抑制できる。
ロック34が、頭部拘束部材32の非展開時、エアバッグ下部32aとショルダベルト部21bの上部とを固定しないため、拘束装置10が設けられていてもシートベルト装置20の装着・装着解除を阻害することを抑制できる。
本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置とその近傍の、頭部拘束部材が展開したときの正面図である。 本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置とその近傍の、CTC側突時の正面図である。 本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置とその近傍の、ポール側突時の正面図である。 本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置の頭部拘束部材と乗員との関係を示す正面図である。 本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置の、頭部拘束部材の上下方向(Z)対車幅方向の幅(厚み)を示すグラフである。 本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置の展開エリアを示す側面図である。 本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置とその近傍の、頭部拘束部材が展開していないときの正面透視模式図である。 本発明実施例の側面衝突用頭部拘束装置の、頭部拘束部材が展開していないときのロックの斜視図である。
符号の説明
1 シート
1a シートクッション
1b シートバック
1c ヘッドレスト
2 ピラー
3 ルーフサイドレール
10 拘束装置
20 シートベルト装置
21 シートベルト
21a ラップベルト部
21b ショルダベルト部
22 バックル
23 タングプレート
24 リトラクタ
25 ショルダベルトアンカ
31 ケース
31a 固定側ケース
31b 可動側ケース
32 頭部拘束部材
32a エアバッグ下部
32b エアバッグ上部
33 インフレータ
33a チューブ
34 ロック
34a ストラップ
34b ロール
34c 傘部
P 乗員
G1 成人男性(AM50)の頭部重心
G2 小柄女性(AF05)の頭部重心
W1 エアバッグ下部の展開時における車幅方向の幅(最大幅)
W2 エアバッグ上部の展開時における車幅方向の幅(最大幅)

Claims (1)

  1. シートベルト装置によって拘束されている乗員の頭部を展開時に車幅方向外側から拘束する頭部拘束部材を有し、
    前記シートベルト装置は、装着時に、ラップベルト部と車幅方向外側上部から車幅方向内側かつ下方に延びるショルダベルト部とを備えるシートベルトと、乗員が着座するシートクッションの車幅方向内側面またはその近傍に配置され該シートクッションに対して固定されるバックルと、前記シートベルトに該シートベルトの長手方向に移動可能に設けられ前記バックルに係合するタングプレートと、を備えており、
    前記頭部拘束部材は、展開時に、乗員の頭部の車幅方向外側の側方に位置し前記ショルダベルト部の上部に固定されるエアバッグ下部と、該エアバッグ下部の上側に位置し該エアバッグ下部より車幅方向の厚みが大きいエアバッグ上部と、を備えている、側面衝突用頭部拘束装置。
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