JP5244751B2 - 車両用乗員拘束装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルトに膨張部が設けられた車両用乗員拘束装置に関する。
シートバックの肩部の後方に配置したショルダアンカでシートベルトを折り返し、該ショルダアンカの真下に配置されたリトラクタでシートベルトを巻き取るようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、シートバックの肩部に、シートベルトに設けた膨張部を通すベルトガイドを設けた技術が知られている(例えば、特許文献2〜5参照)。
特開2007−022437号公報 特表2001−521462号公報 特表2002−527282号公報 特開2007−210436号公報 特開2007−210432号公報
ところで、シートベルトは、その一般部であるウエビングに対し厚肉で幅広とされる膨張部がショルダアンカやベルトガイドに巻き掛けられると、乗員による装着の際に引き出し抵抗が大きくなりやすい。一方、リトラクタの配置には制約がある。例えば、車両によっては、ショルダアンカの真下に十分な間隔を隔ててリトラクタを搭載するスペースを確保することができない場合や、荷室内をショルダベルト(ウエビング)が通って荷室の使用空間が制限されてしまう場合がある。
本発明は、シートベルトの巻取装置からの引き出し抵抗を小さく抑えつつ、車両への搭載スペースを小さくすることができる車両用乗員拘束装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、車両用シートに着座した乗員を拘束するためのシートベルトと、前記シートベルトにおける乗員の上体を拘束する部分の少なくとも長手方向の一部に設けられ、又は前記シートベルトにおける乗員の上体を拘束する部分の少なくとも長手方向の一部を構成し、ガスの供給を受けて膨張される膨張部と、前記車両用シートのシートバックの肩部に設けられ、前記シートベルトにおける前記膨張部の幅方向の位置を規制するベルト案内部材と、前記ベルト案内部材に対する車両後方前記シートベルトが車両前方側に折り返されるように巻き掛けられ、かつ前記シートベルトが乗員に装着されない状態で、該シートベルトにおける前記膨張部の設定部分が巻き掛けられない車両前後方向の位置に配置された巻き掛け部材と、車両前後方向において前記ベルト案内部材と巻き掛け部材との間に配置され、前記シートベルトを引き出し可能に巻き取る巻取装置と、を備えている。
請求項1記載の車両用乗員拘束装置では、乗員が上体拘束用のシートベルトを装着する際には、該シートベルトにおける巻取装置に巻き取られている部分を該巻取装置から引き出し、これを係止具等により車両用シート又は車体に係止することで、シートベルトが乗員に装着される。この装着状態で、例えば車両の衝突が生じると、膨張部が膨張されて乗員が保護される。この際、ベルト案内部材は膨張部が適正な位置又は姿勢で膨張することに寄与する。
ここで、本車両用乗員拘束装置では、巻取装置と比べ小型の巻き掛け部材にてシートベルトが車両前方に折り返されているため、巻き掛け部材を経ることなく直接的に巻取装置がシートベルトを巻き取る構成と比較して、シートバックのベルト案内部材から後方にまっすぐ延びる膨張部の長さを長く設定することができる。このため、膨張部が巻き掛け部材に巻き掛けられないか、又は巻き掛け部材を通過する膨張部の長さが短く設定され、シートベルトの引き出し抵抗が抑えられる。また、巻取装置が車両前後方向において(側面視で)ベルト案内部材と巻き掛け部材との間に配置されるので、シートバックと巻き掛け部材との間の空間を利用して巻取装置を配置することができる。
このように、請求項1記載の車両用乗員拘束装置では、シートベルトの巻取装置からの引き出し抵抗を小さく抑えつつ、車両への搭載スペースを小さくすることができる。
また、本車両用乗員拘束装置では、乗員によるシートベルトの非装着によりシートベルトが巻取装置に巻き取られた状態で、シートベルトの膨張部が巻き掛け部材に巻き掛けられることがないので、換言すれば、シートベルトを引き出す全過程でシートベルトの膨張部が巻き掛け部材に巻き掛けられることがないので、シートベルトの引き出し抵抗が抑制される。なお、膨張部の端部は、巻き掛け部材に対し非接触であっても良く、曲げが生じない態様で巻き掛け部材に接触しても良い。
請求項記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項記載の車両用乗員拘束装置において、前記シートベルトは、前記巻取装置に巻き取られるウエビングと、該ウエビングと前記膨張部と間で該ウエビングが補強されて成る被補強部とを有し、前記被補強部は、前記シートベルトが乗員に装着されない状態で、前記巻き掛け部材に対する前記ベルト案内部材側に配置されるか、又は前記巻き掛け部材に巻き掛けられると共に前記巻取装置に巻き取られない範囲に設定されている。
請求項記載の車両用乗員拘束装置では、シートベルトの一般部であるウエビングと膨張部との間に被補強部が設けられた構成において、膨張部に対し剛性の低い(曲がりやすい)被補強部は、乗員によるシートベルトの非装着によりシートベルトが巻取装置に巻き取られた状態で、巻き掛け部材に巻き掛けられないベルト案内部材側の位置に位置し、又は巻き掛け部材に巻き掛けられるものの巻取装置には巻き取られない位置に位置される。このため、被補強部を有する構成において、前者は被補強部が巻き掛け部材に巻き掛けられるものと比較して、後者は被補強部が巻取装置に巻きとられるものと比較して、シートベルトの引き出し抵抗が抑制される。
以上説明したように本発明に係る車両用乗員拘束装置は、シートベルトの巻取装置からの引き出し抵抗を小さく抑えつつ、車両への搭載スペースを小さくすることができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係るエアベルト装置の概略全体構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るエアベルト装置を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエアベルト装置において乗員がシートベルトを装着した状態を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエアベルト装置において、エアベルトの膨張展開状態で乗員がシートベルトにより拘束された状態を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエアベルト装置を構成するシートベルトの経路を拡大して示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエアベルト装置を構成するシートベルトの経路を拡大して示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るエアベルト装置を構成するエアベルトの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るエアベルト装置を模式的に示す側面図である。
本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置としてのエアベルト装置10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印IN、矢印OUTは、それぞれエアベルト装置10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の内側、外側を示しており、これらはエアベルト装置10が適用された車両用シート11の前方向、上方向、シート幅方向の一方側(右側)、他方側(左側)に略一致している。
図1には、車両用シート11に適用されたエアベルト装置10の非使用状態(非装着状態)が斜視図にて示されている。また、図2には、エアベルト装置10の非使用状態が模式的な側面図にて示されている。これらの図に示される如く、エアベルト装置10は、シートベルト12の一端側(後述するウエビング32)を引き出し可能に巻き取る巻取装置としてのリトラクタ14を備えている。
詳細は後述するが、リトラクタ14は、車両用シート11を構成するシートバック16に対する車両前後方向の後方に配置されており、この実施形態では車体としてのアッパバックパネル15に固定されている。なお、この実施形態に係る車両用シート11は、2座の車両の運転席若しくは助手席、又は後席シートとされる。シートベルト12の他端側は、車両用シート11を構成するシートクッション18の後部側方に配置されたアンカ19を介して該車両用シート11に支持されている。
この非使用状態で、シートベルト12は、車両用シート11における車幅方向外側(乗降口側)の端部でシートバック16の前面に沿って車両上下方向に延在されており、該シートバック16の前面に沿う部分の上下方向における略中間部にはタングプレート20が設けられている。タングプレート20は、車両用シート11の幅方向反対側に配置されたバックル22に係脱可能とされている。
このエアベルト装置10では、タングプレート20をバックル22に係止することで、シートバック16の肩部からタングプレート20にかけてのショルダベルト部12Aが乗員の上体に斜めに掛け渡されるようになっている。この状態でシートベルト12は、図3に示される如くショルダベルト部12Aにおいて着座乗員Pの上体を拘束すると共に、タングプレート20からアンカにかけてのラップベルト部12Bが着座乗員Pの腰部を拘束するようになっている。
したがって、エアベルト装置10は、3点式のシートベルト装置をベースとしたエアベルト装置とされている。この実施形態では、ショルダベルト部12Aが乗員の上体拘束用のシートベルトに相当する。また、上記の通りリトラクタ14がシートバック16の後方に配置されたエアベルト装置10では、車両用シート11の着座乗員Pによる装着状態のシートベルト12は、シートバック16の肩部16A上を通されるようになっている。この実施形態では、シートベルト12は、シートバック16の肩部16Aに設けられた後述するベルト案内部材としてのベルトガイド24にて該シートバック16に対する位置が規制されている。
そして、シートベルト12におけるショルダベルト部12Aを含む少なくとも一部は、図示しないインフレータからガス供給を受けて膨張、展開される膨張ベルト部としてのエアベルト25として構成されている。エアベルト25は、車両用シート11の着座乗員Pによるシートベルト12の装着状態で、少なくともベルトガイド24に通される主に該シートバック16の車両後方に位置する部分、及びショルダベルト部12Aのほぼ全長に亘る部分に設定されている。
エアベルト25について補足すると、図7に例示される如く、エアベルト25は、ベルト本体としてのカバー26と、カバー26の内側に設けられた保護布27と、保護布27の内側に設けられた伸縮可能な強度保持部材であるメッシュウエビング28と、メッシュウエビング28の内側に折り畳み状態で設けられたエアバッグ30とを主要部として構成されている。
このエアベルト25は、インフレータからガス供給を受けてエアバッグ30が膨張されることで、全体として図4に示される如く膨張、展開されるようになっている。図示は省略するが、この実施形態におけるインフレータは、シートクッション18におけるバックル22側に設けられており、フレキシブルホース、バックル22、タングプレート20を介してエアベルト25(エアバッグ30)にガスを供給するようになっている。このインフレータは、例えば車両の前面衝突(の不可避)及び側面衝突(の不可避)が検出又は予測された場合に、図示しないECUによって作動され、エアバッグ30にガスを供給するようになっている。
また、この実施形態では、エアベルト25は、ベルトガイド24によって車幅方向への膨張、展開が規制されて車両上下方向に大きく膨張、展開されるようになっている。具体的には、ベルトガイド24は、初期状態では図1に示される如く略三角形の枠状(環状)を成しており、シートベルト12の肩部16Aに対する位置ずれを抑制する構成とされている。ベルトガイド24は、そのシート幅方向(車幅方向)外側部分が、肩部16Aに固定されたベース部24Aに対し下端のヒンジ24B回りに回動な可動アーム24Cとされている。可動アーム24Cは、その先端がベルトガイド24のシート幅方向内側を成す固定アーム24Dの先端に係止されており、ベルトガイド24は全体として上記の枠状に保持されている。この可動アーム24Cは、エアベルト25の膨張、展開圧を受けて、その先端が固定アーム24Dから車幅方向に離間する方向にヒンジ24B回りに所定角度だけ回動し、次いで、図示しないストッパによりそれ以上の回動が禁止される構成とされている。
このため、ベルトガイド24は、上記の如く回動された可動アーム24Cと固定アーム24Dとでエアベルト25のシート幅方向への膨張を抑制し、かつ可動アーム24Cと固定アーム24Dとの間からエアベルト25の車両上方への膨張、展開を許容する構成とされている。これにより、エアベルト25は、図4に示す如く、乗員Pの頭部Hに対する車幅方向外側で膨張、展開される構成である。
シートベルト12におけるエアベルト25以外の部分を成すウエビング32は、縫製等によってエアベルト25を構成する少なくともメッシュウエビング28、エアバッグ30の長手方向端部に縫製等により接合されている。上記の如く構成されたエアベルト25は、ウエビング32に対し厚肉でかつ幅広とされている。この実施形態におけるリトラクタ14は、シートベルト12におけるウエビング32のみを引き出し可能に巻き取る構成とされている。
そして、エアベルト装置10は、シートバック16に対する車両後方でシートベルト12を車両前側に折り返すための巻き掛け部材としてのショルダアンカ34を備えている。図2〜図4に示される如く、ショルダアンカ34は、シートベルト12が巻き掛けられる巻き掛け部35と、巻き掛け部35の後方に延びて車体に固定される固定部36とを有して構成されている。ショルダアンカ34は、その固定部36において車室の後端部近傍で締結等によって車体に固定されている。
このショルダアンカ34に巻き掛けられて車両前側に折り返された12は、側面視で(車両前後方向において)該ショルダアンカ34とベルトガイド24との間に配置されたリトラクタ14に引き出し可能に巻き取られている。リトラクタ14は、少なくとも車両前後方向、上下方向においてショルダアンカ34よりも大型の部品であり、アッパバックパネル15における車両前端側(シートバック16の背面側)に固定されている。アッパバックパネル15の下方は、車室Cとは区画された荷室又はマフラ等が配置される床下空間等の空間Rとされている。
この実施形態では、図5及び図6に示される如く、ショルダアンカ34は、ベルトガイド24のほぼ真後に配置されており、リトラクタ14は、ベルトガイド24及びショルダアンカ34に対し車幅方向外側にオフセットして配置されている。また、図2及び図6に示される如く、ショルダアンカ34の巻き掛け部35は、ベルトガイド24のベース部24Aに対し車両上下方向の若干下側に配置されており、リトラクタ14はショルダアンカ34に対し車両上下方向の下側に配置に配置されている。
また、エアベルト装置10では、図2に示される非使用状態すなわちリトラクタ14の全巻取状態でエアベルト25がショルダアンカ34の巻き掛け部35に巻き掛けられないように、ショルダアンカ34の配置が決められている。この実施形態では、エアベルト25は、そのショルダアンカ34側の端部(以下、後端25Aという)に巻き掛けによる曲げが生じない態様で、ショルダアンカ34の巻き掛け部35に接触(突き当て)又は近接する構成とされている。
これにより、シートベルト12は、エアベルト25におけるベルトガイド24からショルダアンカ34にかけての部分において、乗員Pによる装着のための装着ストローク及び乗員Pの拘束時のエネルギ吸収(シートベルト12の所要の抵抗を伴う引出し)ストロークの和以上となる長さが確保されている。
以上により、エアベルト装置10では、シートベルト12におけるエアベルト25よりもリトラクタ14側部分を構成する相対的に低剛性であるウエビング32が、ショルダアンカ34の巻き掛け部35に巻き掛けられて折り返され、リトラクタ14に至る構成とされている。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成のエアベルト装置10では、車両用シート11の着座乗員Pが、リトラクタ14からシートベルト12を引き出しつつタングプレート20をバックル22に係止することで、図3に模式的に示される如くショルダベルト部12Aが着座乗員Pの上体を拘束すると共に、ラップベルト部12Bが着座乗員Pの腰部を拘束する。
車両の前面衝突が検出又は予測されると、ECUがインフレータを作動させる。すると、エアベルト25のエアバッグ30には、図示しないフレキシブルホース、バックル22、タングプレート20を通じてインフレータからガスが供給される。これにより、乗員Pはエアベルト装置10が適用された車両の前面衝突に対し保護される。
すなわち、インフレータからのガス供給を受けたエアベルト25は、図4に示される如く、所定の形状に膨張、展開される。これにより、乗員Pは、車両用シート11に押し付けられ、車両前方への移動が抑制される。さらに、衝突の慣性で着座乗員Pが車両前方に移動されると、リトラクタ14は図示しないエネルギ吸収部材(トーションバー等)の変形に伴う拘束荷重を付与しつつシートベルト12の引き出しを許容する。これにより、シートベルト12(エアベルト25)はリトラクタ14から引き出され、衝突エネルギが吸収される。エネルギ吸収の際にリトラクタ14により許容されるシートベルト12の最大引き出し量に至ると、それ以上のシートベルト12の引き出しが禁止される。
一方、車両の側面衝突が検出又は予測されると、ECUがインフレータを作動させる。すると、エアベルト25のエアバッグ30には、図示しないフレキシブルホース、バックル22、タングプレート20を通じてインフレータからガスが供給される。これにより、乗員Pはエアベルト装置10が適用された車両の側面衝突に対し保護される。
すなわち、インフレータからのガス供給を受けたエアベルト25は、図4に示される如く、所定の形状に膨張、展開される。このエアベルト25は、その膨張、展開に伴って可動アーム24Cが回動してベルトガイド24の上方を開放させ、該ベルトガイド24によって車幅方向への膨張を抑制されながら乗員Pの頭部Hの側方で車両上下方向に大きく展開される(ベルトガイド24、エアベルト25の各展開の態様自体は、上記した前面衝突時も同じ)。これにより、前面衝突に対し乗員Pの特に頭部Hが良好に保護される。
ここで、本エアベルト装置10では、シートベルト12がショルダアンカ34の巻き掛け部35に巻き掛けられて折り返され、該ショルダアンカ34とベルトガイド24との間にリトラクタ14が配置されている。このため、シートベルト12を折り返すことなくリトラクタ14に巻き取る構成と比較して、シートベルト12におけるシートバック16の後方でまっすぐに伸びる部分の長さを長く設定することができる。
例えば、シートベルト12を折り返すことなくリトラクタ14に巻き取る比較例では、リトラクタ14の大きさの分(ショルダアンカ34との大きさの差分)だけ、シートベルト12におけるベルトガイド24から車両後方にまっすぐに伸びる分長さが短くなる。換言すれば、この比較例においてシートベルト12がまっすぐに伸びる範囲でエアベルト25の装着ストローク及びエネルギ吸収ストロークを確保しようとすると、図2に想像線にて示す如くリトラクタ100が車体Bに干渉してしまう。これに対してエアベルト装置10では、上記の通りシートベルト12が相対的に小型のショルダアンカ34に巻き掛けられて折り返される構成であるため、リトラクタ14を車体Bに干渉させることなく、シートベルト12がまっすぐに伸びる範囲でエアベルト25の装着ストローク及びエネルギ吸収ストロークを確保することができる。
そして、エアベルト装置10では、ショルダアンカ34に巻き掛けられる部分がウエビング32であるため、エアベルト25がショルダアンカ34に巻き掛けられる構成と比較して、シートベルト12をリトラクタ14から引き出すのに伴う引き出し抵抗が小さく抑えられる。
さらに、エアベルト装置10では、リトラクタ14が車両前後方向において(側面視で)ベルトガイド24とショルダアンカ34との間に配置されるので、車両におけるシートバック16とショルダアンカ34との間の空間を利用してリトラクタ14を配置することができる。この点を補足すると、例えばエアベルト25をショルダアンカに巻き掛ける構成では、該エアベルト25が車両前側に折り返されるように巻き掛けると引き出し抵抗が過大になるので、エアベルト25は、せいぜい車両下向きに折り曲がるようにショルダアンカに巻き掛けられることとなり、リトラクタ14をシートバック16とショルダアンカ34との間の空間を利用して配置することができない。
これに対し本エアベルト装置10では、シートベルト12が常にウエビング32においてショルダアンカ34に巻き掛けられるので、上記の通りシートベルト12を車両前側に折り返してベルトガイド24とショルダアンカ34との間におけるアッパバックパネル15の上側にリトラクタ14を配置することができる。すなわち、本エアベルト装置10では、ショルダアンカ34にてシートベルト12を車両前側に折り返すことで、シートベルト12を車両下側に折り返す構成と比較してリトラクタ14を車両上側(高さ方向の高い位置)に配置することができる。これにより、エアベルト装置10では、シートベルト12のリトラクタ14からの引き出し性の確保と荷室等の空間Rの容量、使い勝手の確保とを両立することができる。
このように、第1の実施形態に係るエアベルト装置10は、シートベルト12のリトラクタ14からの引き出し抵抗を小さく抑えつつ、車両への搭載スペースをコンパクトにすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るエアベルト装置50について、図8に基づいて説明する。図8には、エアベルト装置50の概略全体構成が図2に対応する側面図にて示されている。この図に示される如くエアベルト装置50は、エアベルト25とウエビング32との間にウエビング32が補強されて成る被補強部52が設けられている点で、第1の実施形態に係るエアベルト装置10とは異なる。
被補強部52は、例えばウエビング32に補強用のウエビングを重ね合わせて縫製する等により、ウエビング32に対し高強度、高剛性に構成されている。この実施形態では、被補強部52は、ウエビング32を覆うようにリトラクタ14側に延長されたメッシュウエビング28を該ウエビング32に縫製して構成されている。被補強部52は、他の構造(延長されたメッシュウエビング28単独である場合を含む)にて構成されても良い。
そして、エアベルト装置50では、被補強部52がショルダアンカ34の巻き掛け部35に巻き掛けられている。また、被補強部52は、シートベルト12におけるリトラクタ14への全巻取状態で該リトラクタ14に巻き取られない範囲に設定されている。エアベルト装置50における他の部分は、図示しない部分を含め、エアベルト装置10の対応する部分と同様に構成されている。
したがって、第2の実施形態に係るエアベルト装置50によっても基本的に第1の実施形態に係るエアベルト装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
ここで、エアベルト装置50では、被補強部52がショルダアンカ34に巻き掛かっている範囲では、シートベルト12の引き出しの際の引き出し抵抗はエアベルト装置10よりも大きくなるものの、エアベルト25がショルダアンカに巻き掛かる構成との比較では、シートベルト12の引き出しの際の引き出し抵抗は十分に小さい。また、リトラクタ14は厚肉の被補強部52を巻き取ることがないので、リトラクタ14が大型化されることもない。
このように、第2の実施形態に係るエアベルト装置10は、シートベルト12のリトラクタ14からの引き出し抵抗を小さく抑えつつ、車両への搭載スペースをコンパクトにすることができる。
なお、上記した各実施形態では、3点式シートベルト装置をベースにしたエアベルト装置に本発明が適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、左右一対のシートベルトの中間部をタングプレート、バックル22で連結する4点式のシートベルト装置をベースとしたエアベルト装置に本発明を適用しても良い。
また、上記した実施形態では、可動アーム24Cが固定アーム24Dに対しシート幅方向に離間するベルトガイド24を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ベース部24Aに相当する部分を有しない車両下向きに開口する「U」字状のベルトガイドを備えた構成としても良い。この構成において、エアベルト25の膨張、展開に伴ってベルトガイドがシートバック16の肩部16Aに支持されたまま車両上方にリフトアップされるように構成すれば、ベルトガイド24と同様にエアベルト25のシート幅方向の展開規制と、車両上方への膨張、展開の促進効果とを果たすことができる。
さらに、上記した実施形態では、シートベルト12におけるショルダベルト部12Aを構成する部分にエアベルト25が設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ラップベルト部12Bを構成する部分にもエアベルト25が設けられた構成としても良い。
またさらに、上記した実施形態では、ショルダアンカ34の巻き掛け部35がシートベルト12(ウエビング32、被補強部52)と摺動する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、巻き掛け部35をシートベルト12の引き出し巻き取りに伴い回転するローラ等で構成しても良い。
10 エアベルト装置
11 車両用シート
12 シートベルト
14 リトラクタ(巻取装置)
16 シートバック
16A 肩部
24 ベルトガイド(ベルト案内部材)
25 エアベルト(膨張部)
32 ウエビング
34 ショルダアンカ(巻き掛け部財)
50 エアベルト装置
52 被補強部

Claims (2)

  1. 車両用シートに着座した乗員を拘束するためのシートベルトと、
    前記シートベルトにおける乗員の上体を拘束する部分の少なくとも長手方向の一部に設けられ、又は前記シートベルトにおける乗員の上体を拘束する部分の少なくとも長手方向の一部を構成し、ガスの供給を受けて膨張される膨張部と、
    前記車両用シートのシートバックの肩部に設けられ、前記シートベルトにおける前記膨張部の幅方向の位置を規制するベルト案内部材と、
    前記ベルト案内部材に対する車両後方前記シートベルトが車両前方側に折り返されるように巻き掛けられ、かつ前記シートベルトが乗員に装着されない状態で、該シートベルトにおける前記膨張部の設定部分が巻き掛けられない車両前後方向の位置に配置された巻き掛け部材と、
    車両前後方向において前記ベルト案内部材と巻き掛け部材との間に配置され、前記シートベルトを引き出し可能に巻き取る巻取装置と、
    を備えた車両用乗員拘束装置。
  2. 前記シートベルトは、前記巻取装置に巻き取られるウエビングと、該ウエビングと前記膨張部と間で該ウエビングが補強されて成る被補強部とを有し、
    前記被補強部は、前記シートベルトが乗員に装着されない状態で、前記巻き掛け部材に対する前記ベルト案内部材側に配置されるか、又は前記巻き掛け部材に巻き掛けられると共に前記巻取装置に巻き取られない範囲に設定されている請求項1記載の車両用乗員拘束装置。
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