JP2009154745A - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

車両用シートベルト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009154745A
JP2009154745A JP2007336053A JP2007336053A JP2009154745A JP 2009154745 A JP2009154745 A JP 2009154745A JP 2007336053 A JP2007336053 A JP 2007336053A JP 2007336053 A JP2007336053 A JP 2007336053A JP 2009154745 A JP2009154745 A JP 2009154745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
webbing
pair
guide
shoulder
seat belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007336053A
Other languages
English (en)
Inventor
Mutsumi Haraoka
睦 原岡
Takuya Nezaki
琢也 根崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007336053A priority Critical patent/JP2009154745A/ja
Publication of JP2009154745A publication Critical patent/JP2009154745A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

【課題】乗員に対するウエビングの装着及び装着解除を容易に行うことができる車両用シートベルト装置を得る
【解決手段】車両用シートベルト装置10は、ウエビング12が巻き掛けられたウエビングガイド部20Aが着座者の肩よりも上でかつ肩幅よりも外側に位置させる第1位置と、ウエビングガイド部20Aが着座者の肩幅内で肩よりも前方に位置する第2位置との2位置を取り得るショルダウエビングガイド20を備える。車両用シート11への着座前には、ショルダウエビングガイド20は第1位置に位置され、車両用シート11に着座されるとショルダウエビングガイド20はモータアクチュエータ32にて第1位置に変位される。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも衝突時にシートに着座した乗員を該シートに拘束するための車両用シートベルト装置に関する。
シートバックの肩部に配設されたベルトガイドが、シートベルトが乗員を拘束し得る正規位置と、正規位置に対する後方の開放位置との間で旋回可能にシートバックに支持されて構成された4点式の車両用シートベルト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、3点式又は4点式の車両用シートベルト装置による装着性や乗員拘束性について、種々の工夫がされている(例えば、特許文献2〜6参照)。
特開平1−49053号公報 特開2000−16238号公報 特開2004−247007号公報 特開2004−34837号公報 特開2007−191107号公報 特開2007−191108号公報
しかしながら、特許文献に示される如き従来の技術では、単にベルトガイドの車体上下方向に沿った軸周りの回転に伴って、リトラクタによる巻取力が作用しているシートベルトを乗員に対し着脱させる構成であるため、着脱時にシートベルトが乗員に引っ掛かることが懸念され、使用性のさらなる改善が望まれる。
本発明は、上記事実を考慮して、乗員に対するウエビングの装着及び装着解除を容易に行うことができる車両用シートベルト装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、シートバックの幅方向両端側でそれぞれ車両上下方向に沿って延び、着座者を拘束するための一対のウエビングと、前記一対のウエビングにおける着座者に装着される装着長さを調整し得るウエビング長さ調整手段と、前記一対のウエビングにおける長手方向の中間部同士を解除可能に結合するための結合手段と、前記シートバックの幅方向両端側に対する車両上下方向の上側にそれぞれ設けられ、前記ウエビングの長手方向一端側が係止され又は巻き掛けられたウエビングガイド部をそれぞれ有し、それぞれの前記ウエビングガイド部が着座者の肩よりも上方でかつ該着座者の肩幅の外側に位置される第1位置と、前記ウエビングガイドが着座者の肩幅内でかつ該着座者の肩よりも車両前後方向の前方に位置される第2位置とをとり得る一対のショルダウエビングガイドと、非着座状態で前記一対のショルダウエビングガイドをそれぞれの第1位置に位置させ、着座状態で前記一対のショルダウエビングガイドをそれぞれの第2位置に位置させるためのガイド駆動手段と、を備えている。
請求項1記載の車両用シートベルト装置では、結合手段が一対のウエビングの中間部を結合した状態で、一対のウエビングにおける結合手段よりも上側部分が着座者の肩部を拘束するショルダウエビングとされ、一対のウエビングにおける結合手段よりも下側(左右両側)部分がラップウエビングとされる。ウエビングの装着長さは、ウエビング長さ調整手段により適宜調整される(装着長さの変化がウエビング長さ調整手段により吸収される)。
この車両用シートベルト装置では、着座前には、一対のショルダウエビングガイドがそれぞれ第1位置に位置されて、各ウエビングガイド部が着座者の肩よりも上方でかつ該着座者の肩幅の外側に位置する格納状態とされる。この格納状態から着座状態に至ると、ガイド駆動手段によって、一対のショルダウエビングガイドがそれぞれ第2位置に位置されて、各ウエビングガイド部が着座者の肩幅内でかつ該着座者の肩の前方に位置される。すなわち、この第1位置から第2位置へのショルダウエビングガイドの動作に伴って、一対のウエビングは、着座者に干渉しない非装着位置から着座者の肩前方に位置する装着準備位置へ移動される。
ここで、車両用シートベルト装置では、ショルダウエビングガイドが着座者の肩の前方までウエビングをガイドするので、上記したウエビングの非装着位置から装着準備位置までの移動に伴いウエビングが着座者に接触することが抑制又は防止される。このため、ウエビングは、着座者による補助動作に頼ることなくスムースに装着準備位置に移動される。これにより、車両用シートベルト装置では、着座者は、結合手段を結合することで一対のウエビングを容易に装着することができる。また、ショルダウエビングガイドの第2位置から第1位置への移動に伴って、ウエビングは、上記は逆の動作で着座者に接触することが抑制又は防止されつつ格納状態に復帰される。
このように、請求項1記載の車両用シートベルト装置では、乗員に対するウエビングの装着及び装着解除を容易に行うことができる。
請求項2記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項1記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のショルダウエビングガイドは、それぞれの前記ウエビングガイド部が前記シートバックに対するシート幅方向外側に位置されるように前記第1位置が設定されている。
請求項2記載の車両用シートベルト装置では、第1位置をとる各ショルダウエビングガイドのウエビングガイド部がシートバックに対しシート幅方向の外側に位置するため、ウエビングの着座者への接触が一層生じ難い。
請求項3記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項2記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のショルダウエビングガイドの少なくとも一方は、それぞれの前記ウエビングガイド部が前記シートバックの上端部の前面又はヘッドレストの前面よりも車両前後方向の後方に位置されるように前記第1位置が設定されている。
請求項3記載の車両用シートベルト装置では、第1位置をとる各ショルダウエビングガイドのウエビングガイド部がシートバック上端部の前面又はヘッドレストの前面よりも後方に位置するため、換言すれば、ウエビングの露出部分が主にシートバックの側方又はその後方に位置され着座面側に殆ど突出しないため、非装着位置に位置するウエビングが乗降(着座)の邪魔になり難い。
請求項4記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のショルダウエビングガイドの少なくとも一方は、前記一対のウエビングが車幅方向を向くように前記第1位置が設定されている。
請求項4記載の車両用シートベルト装置では、第1位置をとる各ショルダウエビングガイドのウエビングガイド部が、シートバックの側方又はその後方で車幅方向を向くので、非装着状態のウエビングをコンパクトに格納することができる。
請求項5記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項4記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のショルダウエビングガイドの少なくとも一方を駆動するための前記ガイド駆動手段は、該ショルダウエビングガイドにおける前記ウエビングガイド部と反対側の端部を前記シートバックに対し起立、倒伏し得るように支持する第1回転支持部と、前記第1回転支持部を前記シートバックの上面に沿って回転し得るように支持する第2回転支持部と、を含んで構成されている。
請求項5記載の車両用シートベルト装置では、ショルダウエビングガイドの第1回転支持部に対する起立、倒伏方向の回転と、第1回転支持部の第2支持部すなわちシートバック上面(略水平面)に対する回転とを組み合わせることで、ショルダウエビングガイドは、ウエビングを車幅方向に向かせる第1位置と、ウエビングを着座者の肩に対向させる第2位置とをとり得る。また、シートバックにショルダウエビングガイドを設けたので、シートの車両前後位置やシートバックのリクライニング角等に依らず、適正な第1位置及び第2位置を設定しやすい。
請求項6記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のショルダウエビングガイドは、長手方向の一端側に前記ウエビングガイド部が設けられて構成されており、前記ガイド駆動手段は、前記一対のショルダウエビングガイドの長手方向他端側をそれぞれ前記シートバックに対し少なくとも所定の軸周りに回転させることで、該一対のショルダウエビングガイドの前記第1位置と第2位置とを切り替えるように、該一対のショルダウエビングガイドと前記シートバックとの間に設けられている。
請求項6記載の車両用シートベルト装置では、各ショルダウエビングガイドは、長手方向他端側おいてシートバックに対し所定の軸周りに回転(角変位)する動作を含む動作によって、その位置が第1位置と第2位置とで切り替えられる。シートバックにショルダウエビングガイドを設けたので、シートの車両前後位置やシートバックのリクライニング角等に依らず、適正な第1位置及び第2位置を設定しやすい。
請求項7記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第1位置と第2位置との間を移動するための駆動力を生じるモータを含んで構成されている。
請求項7記載の車両用シートベルト装置では、モータの動力により一対のショルダウエビングガイドを第1位置と第2位置との間で変位させるため、所望のタイミングで一対のショルダウエビングガイドの位置を切り替えたり、切り替え位置(第1位置、第2位値)を複数設定したりすることが可能になる。
請求項8記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項7記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、シートへの乗員の着座を直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第1位置から第2位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている。
請求項8記載の車両用シートベルト装置では、シートへの乗員の着座を直接的又は間接的に検知した場合、制御手段は、モータを制御して一対のショルダウエビングガイドを第1位置から第2位置に切り替えさせる。これにより、自動的にウエビングの装着の補助を行うことができる。なお、制御手段は、例えば、着座検知手段から入力されたシートへの着座に対応する信号に基づいて、シートへの乗員の着座を直接的に検知することができ、また例えば、ドア開閉検知手段から入力されたドア閉信号に基づいて、シートへの乗員の着座を間接的に検知する構成とすることができる。
請求項9記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項7又は請求項8記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、前記結合手段による結合が解除されたことを直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第2位置から第1位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている。
請求項9記載の車両用シートベルト装置では、前記結合手段による結合が解除されたことを直接的又は間接的に検知した場合、制御手段は、モータを制御して一対のショルダウエビングガイドを第2位置から第1位置に切り替えさせる。これにより、自動的にウエビングの装着解除の補助を行うことができる。なお、制御手段は、例えば、結合解除検知手段から入力された結合手段による結合解除に対応する信号に基づいて、結合手段による結合が解除されたことを直接的に検知することができ、また例えば、ドア開閉検知手段から入力されたドア開信号に基づいて、結合手段による結合が解除されたことを間接的に検知することができる。
請求項10記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項1〜請求項9の何れか1項記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のウエビングに設けられた前記結合手段の構成部品が前記シートバックの側部に位置される第1位置と、前記結合手段の構成部品が前記シートバックの前面よりも車両前後方向の前側に位置される第2位置とをそれぞれとり得る一対のラップウエビングガイドをさらに備え、前記ガイド駆動手段は、非着座状態では前記一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドをそれぞれの第1位置に位置させ、着座状態では前記一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドをそれぞれの第2位置に位置させるように構成されている。
請求項10記載の車両用シートベルト装置では、着座前には、一対のラップウエビングガイドがそれぞれ第1位置に位置されて、各ウエビングにおける結合手段(の構成部品)はシートバックの幅方向外側に位置する。このため、ラップウエビングガイド及び結合手段は、乗降(着座)の邪魔になり難い。特に、ショルダウエビングガイドのウエビングガイド部が第1位置でシートバックの幅方向外側に位置する構成(請求項2に従属する構成)では、ウエビング(露出部分)のほぼ全体がシートバックの幅方向外側に位置するので、乗降が容易になる。
そして、着座に至ると、ラップウエビングガイドがそれぞれ第1位置から第2位置に切り替えられることで、結合手段がシートバックの下端部の前面よりも前方に位置されるので、着座者は、左右の結合手段を容易に掴んで結合することができる。なお、結合手段は、ウエビングの長手方向における位置が不変であるように該ウエビングに取り付けられても良く、ウエビングの長手方向における位置が可変であるように該ウエビングに取り付けられても良い。
請求項11記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項10記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、前記一対のラップウエビングガイドを前記シートクッションに対し車幅方向に沿った軸周りに回転させることで、該一対のラップウエビングガイドの前記第1位置と第2位置とを切り替えるように構成されている。
請求項11記載の車両用シートベルト装置では、各ラップウエビングガイドは、シートクッションの幅方向外側において、該シートクッションに対し車幅方向に沿った軸周りに回転(角変位)することで、その位置が第1位置と第2位置とで切り替えられる。シートクッションにラップウエビングガイドを設けたので、シートの車両前後位置やシートバックのリクライニング角等に依らず、適正な第1位置及び第2位置を設定しやすい。
請求項12記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項10又は請求項11記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、前記一対のショルダウエビングガイド及び一対のラップウエビングガイドがそれぞれの前記第1位置と第2位置との間を移動するための駆動力を生じるモータを含んで構成されている。
請求項12記載の車両用シートベルト装置では、モータにより一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドをそれぞれの第1位置と第2位置との間で変位させるため、所望のタイミングで一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドの位置を切り替えたり、切り替え位置(第1位置、第2位値)を複数設定したりすることが可能になる。
請求項13記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項12記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、シートへの乗員の着座を直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第1位置から第2位置に切り替えられると共に前記一対のラップウエビングガイドが前記第1位置から第2位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている。
請求項13記載の車両用シートベルト装置では、シートへの乗員の着座を直接的又は間接的に検知した場合、制御手段は、モータを制御して一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドをそれぞれの第1位置から第2位置に切り替えさせる。これにより、自動的にウエビングの装着の補助を行うことができる。なお、制御手段は、例えば、着座検知手段から入力されたシートへの着座に対応する信号に基づいて、シートへの乗員の着座を直接的に検知することができ、また例えば、ドア開閉検知手段から入力されたドア閉信号に基づいて、シートへの乗員の着座を間接的に検知する構成とすることができる。
請求項14記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項12又は請求項13記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、前記結合手段による結合が解除されたことを直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第2位置から第1位置に切り替えられると共に前記一対のラップウエビングガイドが前記第2位置から第1位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている。
請求項14記載の車両用シートベルト装置では、前記結合手段による結合が解除されたことを直接的又は間接的に検知した場合、制御手段は、モータを制御して一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドをそれぞれの第2位置から第1位置に切り替えさせる。これにより、自動的にウエビングの装着の補助を行うことができる。なお、制御手段は、例えば、結合解除検知手段から入力された結合手段による結合解除に対応する信号に基づいて、結合手段による結合が解除されたことを直接的に検知することができ、また例えば、ドア開閉検知手段から入力されたドア開信号に基づいて、結合手段による結合が解除されたことを間接的に検知することができる。
請求項15記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項12〜請求項14の何れか1項記載の車両用シートベルト装置において、前記ガイド駆動手段は、少なくともシートバックに対し車幅方向の同じ側に位置する前記ショルダウエビングガイドとラップウエビングガイドとでそれぞれの前記第1位置と第2位置との間の動作を連動させる連動手段をさらに備え、前記モータは、前記ショルダウエビングガイド、ラップウエビングガイド及び連動手段の何れかに駆動力を付与する。
請求項15記載の車両用シートベルト装置では、ガイド駆動手段が連動手段を含むため、制御手段にてモータが作動されると、モータ駆動力は、ショルダウエビングガイド、ラップウエビングガイドのそれぞれに伝達される。これにより、一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドは、それぞれの第1位置から第2位置へ、又はそれぞれの第2位置から第1位置へ切り替えられる。
請求項16記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項10〜請求項15の何れか1項記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のラップウエビングガイドは、前記結合手段の非結合状態で該結合手段の構成部品を保持するための保持部をそれぞれ有する。
請求項16記載の車両用シートベルト装置では、結合手段の非結合状態で該結合手段の一方側の構成部品、他方側の構成部品がそれぞれラップウエビングガイドに保持されているので、該ラップウエビングガイドが第2位置に位置する状態で、結合手段の各構成部品は着座者に対する所定位置に位置される。このため、着座者は、左右の結合手段を一層容易に掴んで結合することができる。すなわち、本車両用シートベルト装置では、ウエビングの装着性の向上に寄与する。
請求項17記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、請求項1〜請求項16の何れか1項記載の車両用シートベルト装置において、前記一対のウエビングにおける前記結合手段よりも車体上下方向の上側部分に、インフレータからのガス供給により膨張される膨張部が設けられている。
請求項17記載の車両用シートベルト装置では、一対のウエビングングにおける結合手段に対する上側(ショルダウエビングガイド側)に設けられた膨張部は、車両衝突等の際に膨張され、着座者の保護に寄与する。そして、本車両用シートベルト装置では、シートバックに対し第1位置から第2位置に移動し得るショルダウエビングガイドを備えるため、ウエビングの装着、装着解除によるウエビング露出部分の長さの変化が少ない。すなわち、ウエビング長さ調整手段によるウエビング長さの調整代(例えば巻取量)が小さいので、膨張部を広い範囲に設定することができる。このため、本車両用シートベルト装置では、車両衝突の際の乗員保護性の向上を図ることが可能である。
請求項18記載の発明に係る車両用シートベルト装置は、シートバックの幅方向両端側でそれぞれ車両上下方向に沿って延び、乗員を拘束するための一対のウエビングと、前記一対のウエビングにおける車両上下方向の上端側を引き出し可能に巻き取る巻取装置と、前記一対のウエビングにおける長手方向の中間部同士を解除可能に結合するための結合手段と、シートバックの幅方向両端側における車両上下方向の上側に所定の軸周りに回転可能に支持されると共に、前記結合手段に対する車両上下方向の上側で前記ウエビングが巻き掛けられたウエビングガイド部をそれぞれ有し、前記所定の軸廻りの回転によって、それぞれの前記ウエビングガイド部が前記シートバックの上端部に対し車両上下方向上側に位置される第1位置と、前記ウエビングガイドが前記第1位置に対する車両上下方向の下側でかつ車両前後方向の前方に位置される第2位置とをそれぞれとり得る一対のショルダウエビングガイドと、前記一対のウエビングにおける前記結合手段よりも車体上下方向の上側部分に設けられ、インフレータからのガス供給により膨張される膨張部と、を備えている。
請求項18記載の車両用シートベルト装置では、結合手段が一対のウエビングの中間部を結合した状態で、一対のウエビングにおける結合手段よりも上側部分が着座者の肩部を拘束するショルダウエビングとされ、一対のウエビングにおける結合手段よりも下側(左右両側)部分がラップウエビングとされる。ウエビングの装着長さは、巻取装置により適宜調整される(装着長さの変化が巻取装置により吸収される)。また、本車両用シートベルト装置では、一対のウエビングングにおける結合手段に対する上側(ショルダウエビングガイド側)に設けられた膨張部は、車両衝突等の際に膨張され、着座者の保護に寄与する。
この車両用シートベルト装置では、ウエビングの非装着時にはショルダウエビングガイドを第1位置に位置させてウエビングの格納状態とし、ウエビングの装着時にショルダウエビングガイドを第2位置に位置させることができる。この第1位置から第2位置への切り替えに伴ってウエビングガイド部すなわちウエビングの巻き掛け部は相対的に後上方から前下方に移動するため、巻取装置からのウエビング引き出し量を小さく抑えながら、ウエビングの格納状態と装着状態とを切り替えることができる。換言すれば、ウエビングの格納状態と装着状態とで、該ウエビングの露出長さの差が小さい。このため、本車両用シートベルト装置では、膨張部をウエビング長手方向の広い範囲に設定することができ、車両衝突の際の乗員保護性の向上を図ることが可能である。
以上説明したように本発明に係る車両用シートベルト装置は、乗員に対するウエビングの装着及び装着解除を容易に行うことができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用シートベルト装置10について、図1〜図3に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印Wは、それぞれ車両用シートベルト装置10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向を示しており、これらは車両用シートベルト装置10が適用された車両用シート11の前方向、上方向、幅方向に略一致している。
図1(A)には、非着座状態における車両用シート11、車両用シートベルト装置10が正面図にて示されており、図1(B)には、非着座状態における車両用シート11、車両用シートベルト装置10が側面図にて示されている。また、図2(A)には、着座状態における車両用シート11、車両用シートベルト装置10が正面図にて示されており、図2(B)には、着座状態における車両用シート11、車両用シートベルト装置10が側面図にて示されている。
これらの図に示される如く、車両用シートベルト装置10は、左右一対のウエビング12備えている。各ウエビング12は、図1(A)に示される如く、非着座状態で露出されている部分が車両上下方向に沿って延在されている。各ウエビング12は、それぞれの下端側がウエビング長さ調整手段としての下側リトラクタ14に巻き取り引き出し可能に巻き取られている。下側リトラクタ14は、車両用シート11を構成するシートバック16の下端部に位置するシートクッション18の後端部における幅方向両端にそれぞれ設けられており、左右対応する方のウエビング12を車両前後方向に沿った巻取軸周りに巻き取っている。すなわち、左右一対のウエビング12における露出部分の下端部は、常に車両用シートベルト装置10(シートバック16)の幅方向外側に位置されるようになっている。
一方、左右一対のウエビング12の上端側は、それぞれ後に詳述するショルダウエビングガイド20にて折り返され、シートバック16内に設けられたウエビング長さ調整手段としての上側リトラクタ22に巻き取り引き出し可能に巻き取られている。上側リトラクタ22は、左右一対のウエビング12に対応して左右一対設けられており、左右対応する方のウエビング12を車幅方向に対し上下方向に若干傾斜された巻取軸周りに巻き取っている。これにより、この実施形態では、下側リトラクタ14と上側リトラクタ22とで、本発明におけるウエビング長さ調整手段を構成している。
また、車両用シートベルト装置10は、左右のウエビング12の長手方向中間部同士を結合するための結合手段としてのバックル装置24を備えている。バックル装置24は、一方のウエビング12の長手方向中間部に設けられたバックル26と、該バックル26に着脱可能なタングプレート28とを主要部として構成されている。ウエビング12の上下にそれぞれ下側リトラクタ14、上側リトラクタ22が設けられている車両用シートベルト装置10では、バックル26、タングプレート28は、対応するウエビング12の中間部に長手方向に相対変位しないように短いベルト片30を介して取り付けられている。 さらに、車両用シートベルト装置10は、左右一対のショルダウエビングガイド20を備えている。図3に示される如く、ショルダウエビングガイド20は、左右一対のウエビング12に対応して左右一対設けられており、図3に示される如く、左右対応する方のウエビング12を挿通させた扁平筒状に形成されている。ショルダウエビングガイド20は、例えば樹脂材にて構成されている。
各ショルダウエビングガイド20は、それぞれ非着座状態での車両上下方向の下端部が、ガイド駆動手段を構成するモータアクチュエータ32を介してシートバック16の上端に回動可能に支持されている。一方、ショルダウエビングガイド20におけるモータアクチュエータ32側と反対側の端部は、それぞれ挿通されたウエビング12が折り返される(巻き掛けられる)ウエビングガイド部20Aとされている。
そして、ショルダウエビングガイド20は、モータアクチュエータ32の駆動軸周りに回動することで、図1(A)及び図1(B)に示される第1位置として格納位置と、図2(A)及び図2(B)に示される第2位置としての装着準備位置(ウエビング装着位置)とをとり得る構成とされている。
具体的には、図1(A)及び図1(B)に示される如く、格納位置をとるショルダウエビングガイド20の姿勢は、シートバック16の上端部16Aに対し起立されると共に、ウエビングガイド部20Aが車両上下方向の下端部20B(モータアクチュエータ32)側よりもシート幅方向外側に位置されるように正面視で傾斜された姿勢とされている。この実施形態では、格納位置をとる各ショルダウエビングガイド20のウエビングガイド部20Aは、それぞれシートバック16の幅方向の外側に位置している。したがって、ショルダウエビングガイド20が格納位置をとる場合、ウエビング12の露出部分は、全体として正面視でシートバック16の幅方向外側に配置されるようになっている。
さらに、図1(B)に示される如く、格納位置をとる各ショルダウエビングガイド20のウエビングガイド部20Aは、シートバック16の上端部における前面16B、ヘッドレスト34の前面34Aよりも車両前後方向の後側に配置されている。したがって、ショルダウエビングガイド20が格納位置をとる場合に、ウエビング12の露出部分は、側面視で略全体としてシートバック16の厚み範囲にオーバラップするように位置する構成とされている。
以上により、車両用シートベルト装置10では、各ショルダウエビングガイド20がそれぞれの格納位置をとる場合には、左右のウエビング12がそれぞれシートバック16及びヘッドレスト34の側方に位置される構成とされている(図1(A)では、バックル26、タングプレート28を可視化するため、これらシートバック16の前側に図示しているが、実際は、これらについても図1(B)に示される如くシートバック16の側方に配置される)。また、この実施形態では、シートバック16の上端部16Aの幅は、想定される着座者Pの肩幅よりも大とされている。したがって、各ショルダウエビングガイド20がそれぞれの格納位置をとる場合には、左右のウエビング12がそれぞれ着座者Pの肩幅の外側に位置される構成とされている。これらにより、車両用シートベルト装置10では、各ショルダウエビングガイド20がそれぞれの格納位置をとる場合には、着座スペース、乗降スペースにウエビング12が位置されない構成とされている。
一方、図2(A)及び図2(B)に示される如く、装着準備位置をとるショルダウエビングガイド20の姿勢は、シートバック16の上端部16Aに対し倒伏され、ウエビングガイド部20Aが正面視で着座者Pの肩幅の範囲内に位置されると共に、ウエビングガイド部20Aが側面視で着座者Pの肩よりも車両前後方向の前方に位置される姿勢とされている。また、この姿勢では、ウエビングガイド部20Aは着座者Pの肩よりも車両上下方向の上側に位置されている。
これにより、車両用シートベルト装置10では、各ショルダウエビングガイド20が装着準備位置をとる場合に、シートバック16の前面(上端部における前面16Bを含む)とウエビング12との間に着座者Pの肩(上体)を入れるスペースが形成される構成である。そして、車両用シートベルト装置10は、このスペースに着座者Pの肩が入った状態でバックル装置24のバックル26とタングプレート28とを結合すると、図2(A)及び図2(B)に示される如く、ウエビング12が着座者Pに装着された装着とされる構成である。
この装着状態では、ウエビング12におけるバックル装置24(ベルト片30を介したバックル26、タングプレート28の取付部位)よりも車両上下方向の上側部分が主にショルダウエビング12Aとされ、ショルダウエビング12Aよりも下側部分とバックル装置24とで構成される左右の下側リトラクタ14を繋ぐ(シート幅方向に延在される)部分が主にラップウエビング12Bとされている。この装着状態では、ショルダウエビング12Aは主に上側リトラクタ22に巻き取られて着座者Pの胸部を含む上体に対し軽度に密着され、ラップウエビング12Bは主に下側リトラクタ14に巻き取られて着座者Pの腰部に対し軽度に密着されるようになっている。
以上説明した如き格納位置と装着準備位置とをとるため、モータアクチュエータ32の駆動軸線は、シート幅方向に対し車両上下方向及び車両前後方向の少なくとも一方側に傾斜された方向(シート幅方向外端が内端に対し下側又は前側に位置する傾斜方向)に沿って延在されている(図示省略)。このモータアクチュエータ32は、左右のショルダウエビングガイド20(ウエビング12)に各一つ設けられている。各モータアクチュエータ32は、それぞれ給電されてトルクを生じる正逆回転可能なモータとモータの回転を減速(トルクを増幅)する減速ギヤとを含んで構成されており、例えば、正転してショルダウエビングガイド20を格納位置から装着準備位置に変位させ、逆転してショルダウエビングガイド20を装着準備位置から格納位置に変位させる構成とされている。
さらに、車両用シートベルト装置10は、モータアクチュエータ32とで本発明におけるガイド駆動手段の主要部を成す制御手段としてのECU36を備えている。ECU36は、着座検知手段としての着座センサ38、モータアクチュエータ32のそれぞれに電気的に接続されている。そして、ECU36は、着座センサ38から車両用シート11に着座者Pが着座したことに対応する信号が入力された場合、各ショルダウエビングガイド20が格納位置から装着準備位置に変位されるようにモータアクチュエータ32を正転させる制御を行うようになっている。
また、車両用シートベルト装置10では、ECU36は、バックル装置24(バックル26)に内蔵され少なくとも該バックル装置24の結合解除に応じた信号を出力するバックルセンサにも電気的に接続されている。そして、ECU36は、バックル装置24のバックルセンサから該バックル装置24の結合が解除されたことに対応する信号が入力された場合、各ショルダウエビングガイド20が装着準備位置から格納位置に変位されるようにモータアクチュエータ32を逆転させる制御を行うようになっている。
以上説明した車両用シートベルト装置10は、運転席、助手席、後席(2列目又は3列目以降)の各車両用シート11に適用することができる。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用シートベルト装置10では、適用された車両用シート11への乗員の非着座状態では、左右一対のショルダウエビングガイド20は、図1(A)及び図1(B)に示される如く、それぞれの格納位置に位置されている。このため、左右のウエビング12は、それぞれの露出部分がシートバック16の側方(着座した場合の着座者Pの肩幅の外側)に位置されている。この状態から車両用シート11に乗員が着座すると、着座センサ38からECU36に着座に対応する信号が入力される。
この信号が入力されたECU36は、モータアクチュエータ32を所定量だけ正転させる。すると、左右のショルダウエビングガイド20は、それぞれの装着準備位置に移動される。このショルダウエビングガイド20の格納位置から装着準備位置への移動に伴って、ウエビングガイド部20Aは、着座者P(乗員)の肩幅の外側でかつ肩の上後側から、着座者Pの肩幅の範囲内でかつ肩の上前側に回り込むように変位される。
このため、車両用シートベルト装置10では、ウエビングガイド部20Aで折り返された(露出部分の上端がウエビングガイド部20Aに支持された)ウエビング12露出部分の上部は、着座者Pの肩幅の外側でかつ上後側から着座者Pの肩の前方に変位される。そして、このような装着準備状態から着座者Pがバックル装置24のバックル26とタングプレート28とを結合すると、図2(A)及び図2(B)に示される如く、ウエビング12が着座者Pに適正に装着される。すなわち、ショルダウエビング12Aが着座者Pの上体を主に拘束し、ラップウエビング12Bが着座者Pの腰部を主に拘束する装着状態とされる。
一方、着座者Pがバックル装置24の結合を解除すると、バックル装置24のバックルセンサからバックル解除信号がECU36に入力される。この信号が入力された場合、すなわち着座者Pの降車意思が推定される場合、ECU36は、モータアクチュエータ32を所定量だけ逆転させる。すると、左右のショルダウエビングガイド20は、それぞれの装着準備位置から格納位置に復帰される。このショルダウエビングガイド20の装着準備位置から格納位置への移動に伴って、ウエビングガイド部20Aは、着座者Pの肩幅の範囲内でかつ肩の上前側から着座者P(乗員)の肩幅の外側でかつ肩の上後側に変位される。これにより、着座者Pによるウエビング12の装着が解除される。
ここで、車両用シートベルト装置10では、着座者Pの肩幅の外側でかつ肩の上側にウエビングガイド部20Aが位置される格納位置と、着座者Pの肩幅の範囲内でかつ肩の上前側にウエビングガイド部20Aが位置される装着準備位置とをとり得るショルダウエビングガイド20を備えるため、ウエビング12を着座者Pの着座スペースの外側から該着座者Pの肩の前に移動させることができる。すなわち、着座者Pに干渉させる(引掛ける)ことなくウエビング12を肩の前に移動させることができ、また着座者Pに干渉させる(引掛ける)ことなくウエビング12を肩の前からシートバック16の側方の格納位置に退避させることができる。
そして、車両用シートベルト装置10では、着座者Pの着座を着座センサ38にて検知した場合にECU36が左右のショルダウエビングガイド20をそれぞれの格納位置から装着準備位置に自動的に移動させるので、着座者Pがウエビング12に触れることなく装着準備が行われ、該着座者は、バックル装置24を結合するだけで、容易にウエビング12を装着することができる。
さらに、車両用シートベルト装置10では、バックル装置24の結合解除をバックルセンサにて検知した場合にECU36が左右のショルダウエビングガイド20をそれぞれの装着準備位置から格納位置に移動させるので、バックル装置24の結合解除後は着座者Pがウエビング12に触れることなくウエビング12の装着が自動的に解除される。
またここで、車両用シートベルト装置10では、左右のショルダウエビングガイド20が格納位置に位置する場合に、各ウエビングガイド部20Aすなわちウエビング12がシートバック16の上端部における前面16B、ヘッドレスト34の前面34Aよりも車両前後方向の後側に位置するので、車両用シート11への着座前、ウエビング12の装着解除後には、乗員の乗降スペースからウエビング12が退避されている。したがって、車両用シートベルト装置10では、ウエビング12やショルダウエビングガイド20により乗員の乗降を邪魔することがない。
さらに、車両用シートベルト装置10では、ショルダウエビングガイド20を駆動するためのガイド駆動部がモータアクチュエータ32とECU36とを含んで構成されているので、所要のタイミングでショルダウエビングガイド20を格納位置と装着準備位置との間で変位させることができる。また、車両用シートベルト装置10では、ガイド駆動部がモータアクチュエータ32とECU36とを含んで構成されているので、複数の装着準備位置(ベルトパス)を設定することができる。このため、例えば、シートポジションと共に登録された乗員(体格等)毎のデータに基づいて装着準備位置を設定したり、撮像画像に基づき乗員の体格やシートポジション等に応じた適切な装着準備位置を設定したりすることができる。
また、車両用シートベルト装置10では、使用位置をとるショルダウエビングガイド20のウエビングガイド部20Aが着座者Pの肩の前方に位置するため、ウエビング12が着座者Pの肩に巻き付けられることがない。すなわち、ウエビング12が着座者Pの背面側から広い範囲に亘り該着座者Pの上体に密着されることがないので、着座者Pのウエビング12による圧迫感(巻き付き感)が小さい。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記した第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明、図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
図4(A)には、本発明の第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置40が図1(A)に対応する正面図にて示されており、図4(B)には、車両用シートベルト装置40が図1(B)に対応する側面図にて示されている。これらの図に示される如く、車両用シートベルト装置40は、ウエビング12を車幅(シート幅)方向に向ける格納位置をショルダウエビングガイド20にとらせるガイド駆動機構42を備える点で、ショルダウエビングガイド20を所定の駆動軸周りに回転させるモータアクチュエータ32を備えた車両用シートベルト装置10とは異なる。図示は省略するが、車両用シートベルト装置40における着座者Pによるウエビング12の装着状態は、図2(A)及び図2(B)に示す状態とほぼ同じである。
以下、ガイド駆動機構42について具体的に説明する。図5に示される如く、ガイド駆動機構42は、シートバック16の上端部(上面)16Aに固定されたベースガイド44を備えている。ベースガイド44は、ウエビング12を挿通可能な平面視で略円環状に形成されており、上面に形成された傘歯44Aを有する。このベースガイド44の傘歯44Aには、ガイドギヤ46が噛み合わされている。
ガイドギヤ46は、ベースガイド44の周方向に180°離間して一対設けられており、一対のガイドギヤ46は、それぞれスティフナ48と一体に回転されるように結合されている。この実施形態では、各ガイドギヤ46は、回り止め形状の軸46Aがスティフナ48の端部に形成された軸孔に嵌合されることで、それぞれスティフナ48と一体に回転される構成である。この回り止め形状の軸の嵌合に代えて、溶接等の接合手段を用いても良い。
スティフナ48は、ショルダウエビングガイド20の内面側に固着されている。したがって、車両用シートベルト装置40では、ショルダウエビングガイド20は、スティフナ48と共に一対のガイドギヤ46と一体に回転する構成とされている。スティフナ48におけるショルダウエビングガイド20のウエビングガイド部20A側と反対側の端部には、ギヤ48Aが形成されている。また、この実施形態では、一対のガイドギヤ46は、ロッド50にて互いに同軸的に連結されている。ロッド50は、ベースガイド44を挿通されたウエビング12の折り返し(巻き掛け)部を構成する。
さらに、ガイド駆動機構42は、各ガイドギヤ46がベースガイド44の傘歯44Aに噛み合わされた状態を維持するためのギヤ保持部材52を備えている。ギヤ保持部材52は、ガイドギヤ46毎に設けられており、ベースガイド44に対し周方向にスライド(摺動)可能に支持されつつ、ベースガイド44の軸線方向の該ベースガイド44に対するガイドギヤ46の接離を規制する構成とされている。ギヤ保持部材52は、例えば、ベースガイド44を上側から覆う本体52Aと、ベースガイド44の下面側に入り込んだ係合片52Bとが一体化されることで構成される。
また、ガイド駆動機構42は、モータ54を備えている。モータ54は、一方のギヤ保持部材52に固定されると共に、その出力ギヤ54Aがスティフナ48に形成されたギヤ48Aに噛み合わされている。これにより、ガイド駆動機構42では、モータ54が作動されると、スティフナ48がショルダウエビングガイド20と共に各ガイドギヤ46の軸線廻りに回動される。この回動に伴い各ガイドギヤ46は、自軸周りに回動しつつ噛み合っている傘歯44A(ベースガイド44)の周方向に沿って公転される。
以上により、車両用シートベルト装置40では、図6(A)及び図7(A)に示される如く、ウエビングガイド部20Aが車両前後方向に沿うことでウエビング12を車幅方向に向ける格納位置と、図6(B)及び図7(B)に示される如く車両用シートベルト装置10と同様の装着準備位置とをショルダウエビングガイド20にとらせることができる構成である。車両用シートベルト装置40では、例えば、モータ54の正転によりショルダウエビングガイド20を格納位置から装着準備位置に変位させ、モータ54の逆転によりショルダウエビングガイド20を装着準備位置から格納位置に変位させる構成とされている。
そして、図示は省略するが、ガイド駆動機構42のモータ54は、ECU36にて車両用シートベルト装置10のモータアクチュエータ32と同様に正転又は逆転されるようになっている。以上説明したガイド駆動機構42では、一対のガイドギヤ46、スティフナ48が本発明の第1回転支持部に相当し、一対のガイドギヤ46とベースガイド44とが第2回転支持部に相当する。車両用シートベルト装置40の他の構成は、車両用シートベルト装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置40によっても、第1の実施形態に係る車両用シートベルト装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用シートベルト装置40では、図6(A)及び図7(A)に示される如く、格納位置をとるショルダウエビングガイド20がシート幅方向外側を向くため、格納状態のウエビング12は、図4(A)及び図4(B)に示される如くシート幅方向外側(例えばセンタピラーやリヤピラー)に向けられる。このため、車両用シートベルト装置40では、コンパクトにウエビング12を格納することができる。これにより、例えば車両用シート11とピラーや隣のシートとの間隔が小さい車両においても、本発明を適用することができる。また、格納状態のウエビング12が車両前後方向を向くことがないので、見栄えが良く、また視界も確保されやすい。
(第3の実施形態)
図8(A)には、本発明の第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置60が図1(A)に対応する正面図にて示されており、図8(B)には、車両用シートベルト装置60が図1(B)に対応する側面図にて示されている。また、図9(A)には、車両用シートベルト装置60が図2(A)に対応する正面図にて示されており、図9(B)には、車両用シートベルト装置60が図2(B)に対応する側面図にて示されている。
これらの図に示される如く、車両用シートベルト装置60は、ラップウエビング12Bの一部を覆う左右一対のラップウエビングガイド(ブーツ)62をさらに備える点で、ラップウエビングガイド62を有しない車両用シートベルト装置10とは異なる。また、車両用シートベルト装置60は、図10に示される如く、各ウエビング12の下端がアンカ部材64を介して車両用シート11(の図示しないシートフレーム)に結合されている点で、下側リトラクタ14を備える車両用シートベルト装置10とは異なる。
ラップウエビングガイド62は、格納状態のウエビング12下部の厚み方向(シート幅方向)に扁平の扁平筒状に形成されており、内部に格納状態のウエビング12の下部すなわちラップウエビング12Bの構成部分を挿通させている。このラップウエビングガイド62は、図10に示される如く、その下端62Aの近傍において、車両用シート11に対しモータアクチュエータ66を介してシート幅方向に沿う軸線周りに回転可能に該車両用シート11のシートフレームに支持されている。
そして、ラップウエビングガイド62は、モータアクチュエータ66の駆動軸周りに回動することで、図8(A)及び図8(B)に示される第1位置としての格納位置と、図9(A)及び図9(B)に示される第2位置としての装着準備位置(ウエビング装着位置)とをとり得る構成とされている。
具体的には、図8(A)及び図8(B)に示される如く、格納位置をとるラップウエビングガイド62の姿勢は、シートバック16の側面に沿った起立姿勢(やや後傾姿勢)とされている。すなわち、格納位置をとる各ラップウエビングガイド62のウエビングガイド部は、それぞれシートバック16の幅方向の外側で、かつシートバック16の下端部における前面16Cよりも車両前後方向の後側に配置されている。一方、図9(A)及び図9(B)に示される如く、装着準備位置をとるラップウエビングガイド62の姿勢は、下端62Aよりも上端62Bが車両前後方向の前側に位置される前傾姿勢とされている。
また、下側リトラクタ14を備えない車両用シートベルト装置60では、バックル装置24を構成するバックル26、タングプレート28がそれぞれスリップジョイント68を介して内部にウエビング12の長手方にスライド可能に取り付けられている。これにより、車両用シートベルト装置60では、上側リトラクタ22からウエビング12を引き出しつつバックル26とタングプレート28とを結合させることができるようになっている。
これらバックル26、タングプレート28は、対応するラップウエビングガイド62の上端62Bにより、格納状態における車両上下方向の位置が維持される構成とされている。そして、車両用シートベルト装置60では、ラップウエビングガイド62が装着準備位置に位置された場合、バックル26、タングプレート28が着座者Pの手で容易に把持することができる位置に至る構成とされている。
また、以上説明したラップウエビングガイド62は、例えば樹脂材にて構成され、偏平方向への可撓性を有する構成とされている。したがって、バックル装置24のバックル26とタングプレート28とを結合した装着状態では、図9(A)に示される如く、ラップウエビングガイド62は、着座者P側に撓んでラップウエビング12Bの一部を構成するようになっている。
さらに、車両用シートベルト装置60は、モータアクチュエータ32及びモータアクチュエータ66とで本発明におけるガイド駆動手段の主要部を成す制御手段としてのECU70を備えている。ECU70は、図10に示される如く、着座センサ38、バックル装置24のバックルセンサ、モータアクチュエータ32、及びモータアクチュエータ66のそれぞれに電気的に接続されている。
そして、ECU70は、着座センサ38から車両用シート11に着座者Pが着座したことに対応する信号が入力された場合、各ショルダウエビングガイド20が格納位置から装着準備位置に変位されると共に、各ラップウエビングガイド62が格納位置から装着準備位置に変位されるようにモータアクチュエータ32、モータアクチュエータ66をそれぞれ正転させる制御を行うようになっている。また、ECU70は、バックル装置24のバックルセンサから該バックル装置24の結合が解除されたことに対応する信号が入力された場合、各ショルダウエビングガイド20が装着準備位置から格納位置に変位されると共に、各ラップウエビングガイド62が装着準備位置から格納位置に変位されるようにモータアクチュエータ32、モータアクチュエータ66をそれぞれ逆転させる制御を行うようになっている。
次に、第3の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用シートベルト装置60では、適用された車両用シート11への乗員の非着座状態では、左右一対のショルダウエビングガイド20は、図8(A)及び図8(B)に示される如く、それぞれの格納位置に位置されている。このため、左右のウエビング12は、それぞれの露出部分がシートバック16の側方(着座した場合の着座者Pの肩幅の外側)に位置されている。この状態から車両用シート11に乗員が着座すると、着座センサ38からECU70に着座に対応する信号が入力される。
この信号が入力されたECU70は、モータアクチュエータ32及びモータアクチュエータ66をそれぞれの所定量だけ正転させる。すると、左右のショルダウエビングガイド20は、それぞれの装着準備位置に移動する。このショルダウエビングガイド20の格納位置から装着準備位置への移動に伴って、ウエビングガイド部20Aは、着座者P(乗員)の肩幅の外側でかつ肩の上後側から、着座者Pの肩幅の範囲内でかつ肩の上前側に回り込むように変位される。このため、車両用シートベルト装置60では、ウエビングガイド部20Aで折り返された(露出部分の上端がウエビングガイド部20Aに支持された)ウエビング12の露出部分の上部は、着座者Pの肩幅の外側でかつ上後側から着座者Pの肩の前方に変位される。
また、ラップウエビングガイド62は、格納位置から前傾され、該ラップウエビングガイド62の上端62B近傍に保持されたバックル26、タングプレート28が着座者Pの腰部に対し側面視で前上方に至る。そして、このバックル26とタングプレート28とを着座者Pが結合すると、図9(A)及び図9(B)に示される如く、ウエビング12が着座者Pに適正に装着される。すなわち、ショルダウエビング12Aが着座者Pの上体を主に拘束し、ラップウエビング12Bが着座者Pの腰部を主に拘束する装着状態とされる。
一方、着座者Pがバックル装置24の結合を解除すると、バックル装置24のバックルセンサからバックル解除信号がECU70に入力される。また、各ラップウエビングガイド62は、自らの復元力でラップウエビング12Bを構成する湾曲状態から復帰し、バックル26、タングプレート28を車両用シート11の幅方向外側に移動させる。
バックルセンサからの信号が入力された場合、すなわち着座者Pの降車意思が推定される場合、ECU36は、モータアクチュエータ32及びモータアクチュエータ66をそれぞれの所定量だけ逆転させる。すると、左右のショルダウエビングガイド20は、それぞれの装着準備位置から格納位置に復帰され、左右のラップウエビングガイド62は、それぞれの装着準備位置から格納位置に復帰される。このショルダウエビングガイド20の装着準備位置から格納位置への移動に伴って、ウエビングガイド部20Aは、着座者Pの肩幅の範囲内でかつ肩の上前側から着座者P(乗員)の肩幅の外側でかつ肩の上後側に変位される。これにより、着座者Pによるウエビング12の装着が解除される。
ここで、車両用シートベルト装置60では、着座者Pの肩幅の外側でかつ肩の上側にウエビングガイド部20Aが位置される格納位置と、着座者Pの肩幅の範囲内でかつ肩の上前側にウエビングガイド部20Aが位置される装着準備位置とをとり得るショルダウエビングガイド20を備えるため、ウエビング12を着座者Pの着座スペースの外側から該着座者Pの肩の前に移動させることができる。すなわち、着座者Pに干渉させる(引掛ける)ことなくウエビング12を肩の前に移動させることができ、また着座者Pに干渉させる(引掛ける)ことなくウエビング12を肩の前からシートバック16の側方に退避させることができる。
そして、車両用シートベルト装置60では、着座者Pの着座を着座センサ38にて検知した場合にECU70が左右のショルダウエビングガイド20をそれぞれの格納位置から装着準備位置に自動的に移動させるので、着座者Pがウエビング12に触れることなく装着準備が行われ、該着座者は、バックル装置24を結合するだけで、容易にウエビング12を装着することができる。また、車両用シートベルト装置60では、使用位置をとるショルダウエビングガイド20のウエビングガイド部20Aが着座者Pの肩の前方に位置するため、ウエビング12が着座者Pの肩に巻き付けられることがない。すなわち、ウエビング12が着座者Pの背面側から広い範囲に亘り該着座者Pの上体に密着されることがないので、着座者Pのウエビング12による圧迫感(巻き付き感)が小さい。
さらに、車両用シートベルト装置60では、バックル装置24の結合解除をバックルセンサにて検知した場合にECU70が左右のショルダウエビングガイド20をそれぞれの装着準備位置から格納位置に移動させるので、バックル装置24の結合解除後は着座者Pがウエビング12に触れることなくウエビング12の装着が自動的に解除される。
またここで、車両用シートベルト装置60では、左右のショルダウエビングガイド20が格納位置に位置する場合に、各ウエビングガイド部20Aすなわちウエビング12がシートバック16の上端部における前面16B、ヘッドレスト34の前面34Aよりも車両前後方向の後側に位置するので、車両用シート11への着座前、ウエビング12の装着解除後には、乗員の乗降スペースからウエビング12が退避される。したがって、車両用シートベルト装置60では、ウエビング12やショルダウエビングガイド20により乗員の乗降を邪魔することがない。
さらにここで、車両用シートベルト装置60では、上記の格納位置と装着準備位置とをとり得るラップウエビングガイド62を備えるため、着座に伴って着座者Pに対しバックル26、タングプレート28を把持しやすい位置に移動させることができる。このため、着座者Pは、一層容易にウエビング12を装着することが可能になる。
また、車両用シートベルト装置60では、ショルダウエビングガイド20及びラップウエビングガイド62を駆動するためのガイド駆動部がモータアクチュエータ32、66とECU70とを含んで構成されているので、所要のタイミングでショルダウエビングガイド20、ラップウエビングガイド62をそれぞれの格納位置と装着準備位置との間で変位させることができる。また、車両用シートベルト装置60では、ガイド駆動部がモータアクチュエータ32、66とECU70とを含んで構成されているので、複数の装着準備位置(ベルトパス)を設定することができる。このため、例えば、シートポジションと共に登録された乗員(体格等)毎のデータに基づいて装着準備位置を設定したり、撮像画像に基づき乗員の体格やシートポジション等に応じた適切な装着準備位置を設定したりすることができる。
なお、第3の実施形態では、車両用シートベルト装置60がモータアクチュエータ32とモータアクチュエータ66とを備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図11に示される如く、ラップウエビングガイド62の回転軸72とモータアクチュエータ32の駆動軸とに無端ベルト74を巻き掛け、モータアクチュエータ32の駆動力によりショルダウエビングガイド20及びラップウエビングガイド62を共に駆動するようにしても良い。図11の例では、連動手段として「8」の字状の無端ベルト74が用いられており、ラップウエビングガイド62の回転軸72に回転角度比(ギヤ比)を調整すると共に、ショルダウエビングガイド20とラップウエビングガイド62との回転方向を合わせるための図示しないアイドラギヤ等が介在されている。この構成では、シート幅方向の同じ側に配置されたショルダウエビングガイド20とラップウエビングガイド62とを共通のモータアクチュエータ32で駆動することができる。すなわち、用いるモータ数を削減してコスト低減を図ることができる。なお、共通のモータとしてラップウエビングガイド62を駆動するモータアクチュエータ66を採用しても良く、直接的には無端ベルト74に駆動力を付与するモータを採用しても良いことはいうまでもない。
(第4の実施形態)
図12(A)には、本発明の第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置80が図30に対応する側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シートベルト装置80は、ラップウエビングガイド62とモータアクチュエータ66との間にリンク機構82が介在されている点で、ラップウエビングガイド62がモータアクチュエータ66にて直接的に回転駆動される車両用シートベルト装置60とは異なる。
リンク機構82は、一端がモータアクチュエータ66にて回転駆動される第1リンク84と、第1リンク84の他端にリンクピン86を介して回転(相対角変位)自在に連結された第2リンク88と、第1リンク84に対する第2リンク88の回転を規制するためのストッパ90とを主要部として構成されている。図12(B)にも示される如く、このリンク機構82の第2リンク88は、ラップウエビングガイド62と互いの長手方向を略一致させた状態で該ラップウエビングガイド62に固定されている。
車両用シートベルト装置80では、図12(A)に示される如く、モータアクチュエータ66に対しリンクピン86が車両前後方向の後方に位置されるように第1リンク84が略水平な姿勢をとる状態で、ラップウエビングガイド62が格納位置に位置されるように構成されている。ラップウエビングガイド62の装着準備位置については、ECU70に代えて設けられたECU92による制御と共に後述する。
なお、図12の例では、車両用シートベルト装置80は、アンカ部材64に代えて下側リトラクタ14を備えている。この下側リトラクタ14に代えてアンカ部材64を有する構成としても良い。また、この実施形態では、バックル装置24のバックルセンサは、バックル26とタングプレート28とが結合されたことに対応する信号をもECU92に出力するように構成されている。
次に、車両用シートベルト装置80の作用における主に車両用シートベルト装置60の作用とは異なる部分を説明する。すなわち、主にモータアクチュエータ66の作動によるラップウエビングガイド62の動作を説明し、モータアクチュエータ32の作動によるショルダウエビングガイド20の動作(ECU92によるモータアクチュエータ66の制御)は、車両用シートベルト装置60と同様であるため説明を省略する。
上記構成の車両用シートベルト装置80では、着座センサ38から着座に対応する信号が入力されたECU92は、モータアクチュエータ66を所定量だけ正転させる。すると、第1リンク84が図13(A)に示す格納位置から矢印A方向に回転し、第2リンク88は、上方に押し上げられながら第1リンク84との成す角を広げるように第1リンク84に対し相対回転される。
そして、第1リンク84に設けられたストッパ90が第2リンク88に係合されると、第2リンク88は第1リンク84と一体的に矢印A方向に回動される。これにより、第2リンク88に固定されたラップウエビングガイド62は、図13(B)に示される装着準備位置の1つであるバックル結合準備位置に至る。このバックル結合準備位置は、車両用シートベルト装置60における装着準備位置よりも、バックル26、タングプレート28を車両前後方向の前方に位置させる位置とされている。
この時点でショルダウエビングガイド20の動作により着座者Pの肩前方にウエビング12が位置されており、着座者Pは、バックル26及びタングプレート28を把持して該バックル26とタングプレート28とを結合させる。すると、バックル装置24のバックルセンサからは、バックル装置24の結合に応じた信号が出力され、この信号が入力されたECU92は、モータアクチュエータ66を別途所定量だけ逆転させる。この別途所定量は、ラップウエビングガイド62を格納位置からバックル結合準備位置まで移動する際の正転量よりも小さく設定されている。
これにより、車両用シートベルト装置80では、第1リンク84がリンクピン86を介して第2リンク88を引っ張りつつ矢印Aとは逆の矢印B方向に回動し、ラップウエビングガイド62は、図13(C)に示される如く、装着準備位置から装着位置に至る。ラップウエビングガイド62が装着位置に位置する状態では、ラップウエビング12Bが着座者Pの腰部に適正に装着されると共に、ショルダウエビング12Aが着座者Pの上体に適正に装着される(ショルダウエビング12Aについて図示省略)。
なお、バックル装置24の結合が着座者Pにより解除されると、車両用シートベルト装置60と同様に、ウエビング12(ショルダウエビングガイド20、ラップウエビングガイド62、リンク機構82)は、格納位置に復帰される。車両用シートベルト装置80の他の構成、他の作用効果は、車両用シートベルト装置60の対応する構成、作用効果と同じである。
したがって、第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置80によっても、基本的に第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置60と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用シートベルト装置80では、ラップウエビングガイド62が装着位置に至る前に、バックル結合準備位置に至るため、着座に伴って着座者Pに対しバックル26、タングプレート28を一層把持しやすい位置に移動させることができる。このため、着座者Pは、より一層容易にウエビング12を装着することが可能になる。そして、車両用シートベルト装置80では、モータアクチュエータ66からラップウエビングガイド62の距離を第1リンク84と第2リンク88との相対角で設定し得るリンク機構82を用いることで、上記したバックル結合準備位置を設定することが実現された。
なお、第4の実施形態では、第1リンク84と第2リンク88との相対回転がストッパ90にて規制される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ストッパ90と共に又はストッパ90に代えて、第2リンク88を第1リンク84に対し所定方向に付勢するスプリング等にて第1リンク84と第2リンク88との相対回転が規制される構成としても良い。また例えば、下側リトラクタ14を備えない構成においては、ラップウエビングガイド62を装着位置側に付勢するためのスプリングを、第2リンク88(ラップウエビングガイド62)又は第1リンク84に設けた構成としても良い。この構成では、例えば、ウエビング12の下端を第2リンク88に連結した構成とすることも可能である。
(第5の実施形態)
図14には、本発明の第5の実施形態に係る車両用シートベルト装置100が図10に対応する側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シートベルト装置100は、左右のウエビング12におけるバックル26、タングプレート28とショルダウエビングガイド20との間にガス供給を受けて膨張する膨張部102がそれぞれ設けられたエアベルト装置とされている点で、第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置60とは異なる。また、この実施形態では、各ラップウエビングガイド62内にもガス供給を受けて膨張する膨張部104が設けられている。
各膨張部102は、例えばウエビング12を構成するカバー内に図示しない袋部が折り畳み状態で内蔵されて構成されており、袋部はショルダウエビングガイド20内に設けられたガス供給装置としてのインフレータ106とチューブ108を介して連通されている。これにより、膨張部102は、インフレータ106が作動されると、該インフレータ106からのガス供給を受けた袋部がカバーのティア部を破断して、図15(A)、図15(B)に示される如く着座者Pの胸部を含む部分の前方で膨張、展開される構成とされている。
膨張部104は、ラップウエビングガイド62内に折り畳み状態で内蔵された袋部として構成されており、ラップウエビングガイド62内に設けられたガス供給装置としてのインフレータ110と連通されている。この実施形態におけるラップウエビングガイド62は、図示しないティア部を有し、膨張部104の膨張に伴いティア部において破断されることで該膨張部104の展開を許容するようになっている。これにより、膨張部104は、インフレータ110が作動されると、該インフレータ106からのガス供給を受けた袋部がカバーのティア部を破断して、図15(A)、図15(B)に示される如く着座者Pの腰部の車幅方向両側で膨張、展開される構成とされている。
また、車両用シートベルト装置100では、インフレータ106、110は、ECU112に電気的に接続されている。ECU112は、ウエビング12の装着、装着解除に関しては、車両用シートベルト装置60を構成するECU70と同様の制御を行う構成とされている。また、ECU112は、車両の前面衝突を検知(予測)するための前突センサ114、側面衝突を検知(予測)するための側突センサ116と電気的に接続されている。さらに、この実施形態では、バックル装置24のバックルセンサは、バックル26とタングプレート28とが結合状態であることに対応する信号をもECU112に出力するように構成されている。ECU112は、これら前突センサ114、側突センサ116、バックルセンサからの信号に応じてインフレータ106、110を制御する構成とされている。
具体的には、ECU112は、バックル装置24のバックルセンサからバックル装置24が結合状態であることに応じた信号が入力されている状態、すなわち着座者Pがウエビング12を装着している状態で、前突センサ114から前面衝突(が不可避であること)を検知したことに応じた信号が入力されると、インフレータ106を作動させる。これにより、インフレータ106が発生したガスが膨張部102に供給され、該膨張部102が着座者Pの胸部の前方で膨張、展開される。これにより、前面衝突の際に着座者Pの特に胸部がより効果的に保護される。
また、ECU112は、バックル装置24のバックルセンサからバックル装置24が結合状態であることに応じた信号が入力されている状態、すなわち着座者Pがウエビング12を装着している状態で、側突センサ116から側面衝突(が不可避であること)を検知したことに応じた信号が入力されると、インフレータ110を作動させる。これにより、インフレータ110が発生したガスが膨張部104に供給され、該膨張部104が着座者Pの腰部の側方で膨張、展開される。これにより、前面衝突の際に着座者Pの特に腰部がより効果的に保護される。
車両用シートベルト装置100における他の構成、作用効果は、車両用シートベルト装置60の対応する構成、作用効果と同じである。したがって、車両用シートベルト装置100では、上記した衝突時の作用効果を除き、車両用シートベルト装置60と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。そして、車両用シートベルト装置100では、ウエビング12の装着、装着解除に伴い格納位置と装着準備位置との間を移動するショルダウエビングガイド20を備えるため、ウエビング12の装着状態と非装着状態とでウエビング12の露出部分の長さの変化(巻取装置としての上側リトラクタ22に対する巻き取り巻き出し量)が少ない。したがって、上側リトラクタ22にて巻き取り難い膨張部102を、ウエビング12の長手方向における広い範囲に亘って設けることができ、膨張部102(エアベルト)による着座者Pの保護性能が向上する。
なお、第5の実施形態では、車両用シートベルト装置60に膨張部102、104、インフレータ106、110等を付加した如き例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、車両用シートベルト装置80に膨張部102、104、インフレータ106、110等を付加した如き構成としても良く、また例えば、車両用シートベルト装置10、40に膨張部102、インフレータ106等を付加した如き構成としても良い。後者の構成において、ウエビング12におけるラップウエビング12Bを構成する部分にさらに膨張部104、インフレータ106を付加した如き構成とすることも可能である。また、第5の実施形態を含む上記各実施形態において、膨張部102を有せず膨張部104を有する構成としても良い。
また、第5の実施形態では、インフレータ106、110をそれぞれ独立して設けた例を示したが、本発明これに限定されず、例えば、膨張部102と膨張部104とが共通のインフレータからガス供給を受ける構成としても良い。
さらに、第5の実施形態では、前突時にインフレータ106が作動され、側突時にインフレータ110が作動された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、前突時及び側突時にインフレータ106、110が共に作動される(図15に示す如く膨張部102、膨張部104が共に展開される)ように構成しても良い。
またさらに、膨張部102を備えた車両用シートベルト装置100においては、ショルダウエビングガイド20が上記した如く着座者Pの肩幅の外側に各ウエビングガイド部20Aを位置させる格納位置、着座者Pの肩前方に各ウエビングガイド部20Aを位置させる装着準備位置をとり得る例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、膨張部102、インフレータ106を備えた構成においては、ショルダウエビングガイド20が単に車幅方向に沿った軸線周りに回転する構成(ショルダウエビングガイド20が肩幅の範囲内で動作する構成)とても良い。
(第6の実施形態)
図16には、本発明の第6の実施形態に係る車両用シートベルト装置120の上部が一部透視してみた正面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シートベルト装置120は、ヘッドレスト34に設けられたショルダウエビングガイド20を備える点で、シートバック16の上端部16Aに設けられたショルダウエビングガイド20を備える上記各実施形態とは異なる。
車両用シートベルト装置120では、ヘッドレスト34内には、ガイド駆動機構を構成するモータ122と、シート幅方向に長手とされモータ122により回転駆動される回転軸124とが配設されている。回転軸124の両端は、それぞれボールジョイント126を介して、該回転軸124の長手方向に対し傾斜配置されたガイド駆動軸128に連結されている。各ガイド駆動軸128は、ヘッドレスト34に設けられた軸受130にて回転軸124に対する傾斜角が維持されつつ、ボールジョイント126を介して回転軸124の回転が伝達される構成とされている。各ガイド駆動軸128は、対応するショルダウエビングガイド20に一体的に回転するように連結(固定)されている。
これにより、車両用シートベルト装置120では、モータ122の正逆転により、左右のショルダウエビングガイド20がそれぞれの格納位置と装着準備位置との間で変位されるようになっている。このモータ122は、ECU36、70、92、112の何れかによって制御される構成である。車両用シートベルト装置120に対応する構成は、車両用シートベルト装置10、40、60、80、100の何れかの対応する構成と同じである。したがって、第6の実施形態に係る120によっても、基本的に車両用シートベルト装置10、40、60、80、100の何れかと同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用シートベルト装置120では、ヘッドレスト34にモータ122を設けたので、共通のモータ122によって左右のショルダウエビングガイド20を駆動することができる。
(第7の実施形態)
図17(A)には、本発明の第7の実施形態に係る車両用シートベルト装置140が図8(A)に対応する正面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シートベルト装置140は、ラップウエビングガイド62に代えて、先端部にバックル26、タングプレート28を保持し得るラップウエビングガイド142を備える点で、第3の実施形態とは異なる。
図17(B)に示される如く、バックル26(タングプレート28)は、ベルト片30を介してウエビング12に接続されている。バックル26におけるベルト片30との接続部分は、バックル26のバックル本体144よりも幅狭で薄肉の金属プレート部145とされている。そして、図17(B)及び図17(C)に示される如く、ラップウエビングガイド142の開口端は、保持部としてのプレート受け入れ部146とされ、金属プレート部145を入り込ませる(遊嵌させる)と共にバックル本体144が入り込めないように寸法形状が決められている。
また、車両用シートベルト装置140では、各ウエビング12に対しそれぞれ上側リトラクタ22と下側リトラクタ14とを共に備えており、下側リトラクタ14の巻き取り力(ばね力)が上側リトラクタ22の巻き取り力(ばね力)よりも大とされている。これにより、車両用シートベルト装置140では、バックル装置24の非結合(ウエビング12の非装着)状態でウエビング12は、バックル26の金属プレート部145がラップウエビングガイド142のプレート受け入れ部146に入り込まされるようにウエビング12が下側リトラクタ14に巻き取られるようになっている。したがって、バックル装置24の非結合状態では、図17(C)に示される如く、バックル26のバックル本体144の端面144Aがラップウエビングガイド142の開口端面142に突き当てられ、下側リトラクタ14の巻き取り力に抗するようになっている。
拡大図の図示は省略するが、タングプレート28についてもタングプレート本体148が金属プレート部145を介してベルト片30に接続されており、バックル装置24の非結合状態では、金属プレート部145がプレート受け入れ部146に入り込まされると共に、タングプレート28のタングプレート本体148の端面がラップウエビングガイド142の開口端面142に突き当てられ、下側リトラクタ14の巻き取り力に抗するようになっている。
以上により、車両用シートベルト装置140では、図17(A)に示される如く、ウエビング12の非装着状態では、バックル26(のバックル本体144)、タングプレート28(のタングプレート本体148)が、下側リトラクタ14の巻き取り力によって、格納位置、装着準備位置に位置するラップウエビングガイド142の上端で所定の姿勢で保持されるようになっている。この保持姿勢は、バックル26、タングプレート28が起立された起立姿勢とされており、着座者Pによるバックル26、タングプレート28の把持が容易になる構成とされている。車両用シートベルト装置140の他の構成は、車両用シートベルト装置60の対応する構成と同じである。
したがって、第7の実施形態に係る車両用シートベルト装置140によっても、基本的に第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置60と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用シートベルト装置140では、着座者Pによるウエビング12の非装着状態でバックル26、タングプレート28がラップウエビングガイド142に保持されて起立姿勢をとるため、着座に伴ってラップウエビングガイド142が格納位置から結合準備位置に移動されることで、バックル26、タングプレート28は、着座者Pに把持しやすい位置に移動されると共に、該把持しやすい位置(範囲)で所定の姿勢(起立姿勢)に保持される。このため、着座者Pは、より一層容易にウエビング12を装着することが可能になり、着座者Pによるウエビング12の装着性の一層の向上に寄与する。なお、第7の実施形態では、ベルト片30に接続された金属プレート部145をラップウエビングガイド142のプレート受け入れ部146に入り込ませてバックル26、タングプレート28を起立姿勢で保持させる例を示したが、例えば、スリップジョイント68をラップウエビングガイド142のプレート受け入れ部146に入り込ませてバックル26、タングプレート28を起立姿勢で保持させる構成としても良い。
なお、上記した各実施形態では、ショルダウエビングガイド20がシートバック16の上端部16A又はヘッドレスト34すなわち車両用シート11の構成部分に設けられた例を示したが、例えば、車両に対する位置が固定されたシートにあっては、ショルダウエビングガイド20を車体側に設けた構成とすることも可能である。したがって例えば、ショルダウエビングガイド20をルーフやリヤパッケージトレイ等に設けても良い。
また、上記した各実施形態では、左右のウエビング12に対応して2つの上側リトラクタ22を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図18に示される如く、左右のウエビング12の上端側を略「Y」字状に合流(分岐)させた合流部135を形成することで、上側リトラクタ22を1つにすることができる。また、下側リトラクタ14を備える構成においては、上側リトラクタ22を設けない構成としても良い。この構成では、左右のウエビング12の上端は、対応するウエビングガイド部20Aに係止すれば良い。
さらに、上記した各実施形態では、モータアクチュエータ32、モータ54、モータアクチュエータ66、モータ122の動力でショルダウエビングガイド20、ラップウエビングガイド62を駆動する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、着座に伴う着座者Pからの押圧荷重や強制変位によって駆動される可動部(パッシブな可動部)として、ショルダウエビングガイド20、ラップウエビングガイド62を駆動するためのガイド駆動機構を構成しても良い。
さらにまた、上記した各実施形態では、格納位置に位置するウエビングガイド部20Aがシートバック16の側部(シートバック16の前面16Bよりも車両前後方向の後側)に位置する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、格納位置に位置するウエビングガイド部20Aがシートバック16の前面よりも車両前後方向の前側に位置する構成としても良い。この構成は、例えば、独立シートにおける乗降口と反対側の側部に位置するショルダウエビングガイド20やベンチシートに適用されるショルダウエビングガイド20に採用することができる。
また、上記した各実施形態では、着座センサ38、バックル装置24のバックルセンサの出力信号に応じてモータアクチュエータ32、モータアクチュエータ66、モータ122の作動タイミングを制御する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、下側リトラクタ14又は上側リトラクタ22からのウエビング12の引き出しに応じた信号を、車両用シート11への着座者Pの着座に応じた信号として用いても良く、他のセンサや撮像手段等からの信号に基づいて車両用シート11への着座者Pの着座を検知するようにしても良い。同様に、着座者Pによるバックル装置24の結合は、例えば、下側リトラクタ14又は上側リトラクタ22の巻取限までのウエビング12の巻取検知等、他の信号に基づいて検知するようにしても良い。
さらに、着座センサ38、バックル装置24のバックルセンサに代えて、既存のフロントドア開閉検知手段(カーテシスイッチ)の信号を用いて乗員の着座やバックル装置24の結合・解除を間接的に検出するようにしても良い。すなわち、フロントドアの閉信号を用いて乗員が着座したとみなし、ショルダウエビングガイド20及びラップウエビングガイド62の少なくとも一方を第1位置から第2位置へ駆動し、また、フロントドアの開信号を用いてバックル装置24の結合が解除されたものとみなし、ショルダウエビングガイド20及びラップウエビングガイド62の少なくとも一方を第2位置から第1位置へ駆動するように構成しても良い。
本発明の第1の実施形態に係る車両用シートベルト装置における適用されたシートへの非着座状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用シートベルト装置における適用されたシートへの着座状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構造を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置における適用されたシートへの非着座状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置を構成するガイド駆動機構の分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置を構成するショルダウエビングガイド及びガイド駆動機構を示す図であって、(A)は格納位置を示す斜視図、(B)は装着準備位置を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置を構成するショルダウエビングガイド及びガイド駆動機構を示す図であって、(A)は格納位置を示す平面図、(B)は装着準備位置を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置における適用されたシートへの非着座状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置における適用されたシートへの着座状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構造を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係る車両用シートベルト装置の概略構造を示す側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構造を示す図であって、(A)は側面図、(B)は正面側から要部を見た断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるラップウエビングガイドの位置を示す図であって、(A)は格納位置を示す側面図、(B)はバックル結合準備位置を示す側面図、(C)は装着位置を示す側面図である。概略構造を示す側面図である。 本発明の第5の実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構造を示す側面図である。 本発明の第5の実施形態に係る車両用シートベルト装置における適用されたシートにおけるエアベルト展開状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第6の実施形態に係る車両用シートベルト装置の要部を模式的に示す正面図である。 本発明の第7の実施形態に係る車両用シートベルト装置を示す図であって、(A)は正面図、(B)は要部を拡大して示す斜視図、(C)は要部を拡大して示す側面図である。 本発明の各実施形態に係る車両用シートベルト装置の上側リトラクタ22の数に係る変形例を示す正面図である。
符号の説明
10 車両用シートベルト装置
12 ウエビング
14 下側リトラクタ(ウエビング長さ調整手段)
16 シートバック
20 ショルダウエビングガイド
20A ウエビングガイド部
22 上側リトラクタ(ウエビング長さ調整手段)
24 バックル装置(結合手段、結合解除検知手段)
26 バックル(結合手段の構成部品)
28 タングプレート(結合手段の構成部品)
32 モータアクチュエータ(ガイド駆動手段、モータ)
36 ECU(ガイド駆動手段、制御手段)
38 着座センサ(着座検知手段)
40・60・80・100・120・140 車両用シートベルト装置
42 ガイド駆動機構(ガイド駆動手段)
44 ベースガイド(第2回転支持部)
46 ガイドギヤ(第1回転支持部、第2回転支持部)
48 スティフナ(第1回転支持部)
54 モータ
62・142 ラップウエビングガイド
66 モータアクチュエータ(ガイド駆動手段)
70・92・112 ECU(ガイド駆動手段、制御手段)
74 無端ベルト(連動手段)
82 リンク機構(ガイド駆動手段)
92 ECU
102 膨張部
106 インフレータ
122 モータ(ガイド駆動手段)
124 回転軸(ガイド駆動手段)
126 ボールジョイント(ガイド駆動手段)
128 ガイド駆動軸(ガイド駆動手段)
130 軸受(ガイド駆動手段)
146 プレート受け入れ部(保持部)

Claims (18)

  1. シートバックの幅方向両端側でそれぞれ車両上下方向に沿って延び、着座者を拘束するための一対のウエビングと、
    前記一対のウエビングにおける着座者に装着される装着長さを調整し得るウエビング長さ調整手段と、
    前記一対のウエビングにおける長手方向の中間部同士を解除可能に結合するための結合手段と、
    前記シートバックの幅方向両端側に対する車両上下方向の上側にそれぞれ設けられ、前記ウエビングの長手方向一端側が係止され又は巻き掛けられたウエビングガイド部をそれぞれ有し、それぞれの前記ウエビングガイド部が着座者の肩よりも上方でかつ該着座者の肩幅の外側に位置される第1位置と、前記ウエビングガイドが着座者の肩幅内でかつ該着座者の肩よりも車両前後方向の前方に位置される第2位置とをとり得る一対のショルダウエビングガイドと、
    非着座状態で前記一対のショルダウエビングガイドをそれぞれの第1位置に位置させ、着座状態で前記一対のショルダウエビングガイドをそれぞれの第2位置に位置させるためのガイド駆動手段と、
    を備えた車両用シートベルト装置。
  2. 前記一対のショルダウエビングガイドは、それぞれの前記ウエビングガイド部が前記シートバックに対するシート幅方向外側に位置されるように前記第1位置が設定されている請求項1記載の車両用シートベルト装置。
  3. 前記一対のショルダウエビングガイドの少なくとも一方は、それぞれの前記ウエビングガイド部が前記シートバックの上端部の前面又はヘッドレストの前面よりも車両前後方向の後方に位置されるように前記第1位置が設定されている請求項2記載の車両用シートベルト装置。
  4. 前記一対のショルダウエビングガイドの少なくとも一方は、前記一対のウエビングが車幅方向を向くように前記第1位置が設定されている請求項3記載の車両用シートベルト装置。
  5. 前記一対のショルダウエビングガイドの少なくとも一方を駆動するための前記ガイド駆動手段は、
    前記ショルダウエビングガイドにおける前記ウエビングガイド部と反対側の端部を前記シートバックに対し起立、倒伏し得るように支持する第1回転支持部と、
    前記第1回転支持部を前記シートバックの上面に沿って回転し得るように支持する第2回転支持部と、
    を含んで構成されている請求項4記載の車両用シートベルト装置。
  6. 前記一対のショルダウエビングガイドは、長手方向の一端側に前記ウエビングガイド部が設けられて構成されており、
    前記ガイド駆動手段は、前記一対のショルダウエビングガイドの長手方向他端側をそれぞれ前記シートバックに対し少なくとも所定の軸周りに回転させることで、該一対のショルダウエビングガイドの前記第1位置と第2位置とを切り替えるように、該一対のショルダウエビングガイドと前記シートバックとの間に設けられている請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用シートベルト装置。
  7. 前記ガイド駆動手段は、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第1位置と第2位置との間を移動するための駆動力を生じるモータを含んで構成されている請求項1〜請求項6の何れか1項記載の車両用シートベルト装置。
  8. 前記ガイド駆動手段は、シートへの乗員の着座を直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第1位置から第2位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている請求項7記載の車両用シートベルト装置。
  9. 前記ガイド駆動手段は、前記結合手段による結合が解除されたことを直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第2位置から第1位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている請求項7又は請求項8記載の車両用シートベルト装置。
  10. 前記一対のウエビングに設けられた前記結合手段の構成部品が前記シートバックの側部に位置される第1位置と、前記結合手段の構成部品が前記シートバックの前面よりも車両前後方向の前側に位置される第2位置とをそれぞれとり得る一対のラップウエビングガイドをさらに備え、
    前記ガイド駆動手段は、非着座状態では前記一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドをそれぞれの第1位置に位置させ、着座状態では前記一対のショルダウエビングガイド及びラップウエビングガイドをそれぞれの第2位置に位置させるように構成されている請求項1〜請求項9の何れか1項記載の車両用シートベルト装置。
  11. 前記ガイド駆動手段は、前記一対のラップウエビングガイドを前記シートクッションに対し車幅方向に沿った軸周りに回転させることで、該一対のラップウエビングガイドの前記第1位置と第2位置とを切り替えるように構成されている請求項10記載の車両用シートベルト装置。
  12. 前記ガイド駆動手段は、前記一対のショルダウエビングガイド及び一対のラップウエビングガイドがそれぞれの前記第1位置と第2位置との間を移動するための駆動力を生じるモータを含んで構成されている請求項10又は請求項11記載の車両用シートベルト装置。
  13. 前記ガイド駆動手段は、シートへの乗員の着座を直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第1位置から第2位置に切り替えられると共に前記一対のラップウエビングガイドが前記第1位置から第2位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている請求項12記載の車両用シートベルト装置。
  14. 前記ガイド駆動手段は、前記結合手段による結合が解除されたことを直接的又は間接的に検知した場合に、前記一対のショルダウエビングガイドが前記第2位置から第1位置に切り替えられると共に前記一対のラップウエビングガイドが前記第2位置から第1位置に切り替えられるように前記モータを制御する制御手段をさらに含んで構成されている請求項12又は請求項13記載の車両用シートベルト装置。
  15. 前記ガイド駆動手段は、
    少なくともシートバックに対し車幅方向の同じ側に位置する前記ショルダウエビングガイドとラップウエビングガイドとでそれぞれの前記第1位置と第2位置との間の動作を連動させる連動手段をさらに備え、
    前記モータは、前記ショルダウエビングガイド、ラップウエビングガイド及び連動手段の何れかに駆動力を付与する請求項12〜請求項14の何れか1項記載の車両用シートベルト装置。
  16. 前記一対のラップウエビングガイドは、前記結合手段の非結合状態で該結合手段の構成部品を保持するための保持部をそれぞれ有する請求項10〜請求項15の何れか1項記載の車両用シートベルト装置。
  17. 前記一対のウエビングにおける前記結合手段よりも車体上下方向の上側部分に、インフレータからのガス供給により膨張される膨張部が設けられている請求項1〜請求項16の何れか1項記載の車両用シートベルト装置。
  18. シートバックの幅方向両端側でそれぞれ車両上下方向に沿って延び、乗員を拘束するための一対のウエビングと、
    前記シートバックに設けられ前記一対のウエビングにおける車両上下方向の上端側を引き出し可能に巻き取る巻取装置と、
    前記一対のウエビングにおける長手方向の中間部同士を解除可能に結合するための結合手段と、
    シートバックの幅方向両端側における車両上下方向の上側に所定の軸周りに回転可能に支持されると共に、前記結合手段に対する車両上下方向の上側で前記ウエビングが巻き掛けられたウエビングガイド部をそれぞれ有し、前記所定の軸廻りの回転によって、それぞれの前記ウエビングガイド部が前記シートバックの上端部に対し車両上下方向上側に位置される第1位置と、前記ウエビングガイドが前記第1位置に対する車両上下方向の下側でかつ車両前後方向の前方に位置される第2位置とをそれぞれとり得る一対のショルダウエビングガイドと、
    前記一対のウエビングにおける前記結合手段よりも車体上下方向の上側部分に設けられ、インフレータからのガス供給により膨張される膨張部と、
    を備えた車両用シートベルト装置。
JP2007336053A 2007-12-27 2007-12-27 車両用シートベルト装置 Pending JP2009154745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007336053A JP2009154745A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 車両用シートベルト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007336053A JP2009154745A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 車両用シートベルト装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009154745A true JP2009154745A (ja) 2009-07-16

Family

ID=40959221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007336053A Pending JP2009154745A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 車両用シートベルト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009154745A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507295A (ja) * 2009-10-13 2013-03-04 ヨン パク,ナン 自動車用シートベルト
US9783155B2 (en) 2015-08-25 2017-10-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle seat belt device and occupant protection system
WO2018101019A1 (ja) * 2016-12-01 2018-06-07 オートリブ ディベロップメント エービー シートベルト装置及び、これを用いた車両用シート
CN114559896A (zh) * 2022-03-24 2022-05-31 安徽工程大学 一种智能驾驶汽车辅助系统
CN115366841A (zh) * 2022-09-02 2022-11-22 浙江吉利控股集团有限公司 安全带的控制方法、安全带织带递送机构及车辆
US20230166685A1 (en) * 2021-11-26 2023-06-01 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Motor vehicle

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507295A (ja) * 2009-10-13 2013-03-04 ヨン パク,ナン 自動車用シートベルト
US9783155B2 (en) 2015-08-25 2017-10-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle seat belt device and occupant protection system
WO2018101019A1 (ja) * 2016-12-01 2018-06-07 オートリブ ディベロップメント エービー シートベルト装置及び、これを用いた車両用シート
JPWO2018101019A1 (ja) * 2016-12-01 2019-10-17 オートリブ ディベロップメント エービー シートベルト装置及び、これを用いた車両用シート
US20230166685A1 (en) * 2021-11-26 2023-06-01 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Motor vehicle
US11872953B2 (en) * 2021-11-26 2024-01-16 Dr. Ing. H. C. F. Porsche Ag Motor vehicle
CN114559896A (zh) * 2022-03-24 2022-05-31 安徽工程大学 一种智能驾驶汽车辅助系统
CN114559896B (zh) * 2022-03-24 2023-05-05 安徽工程大学 一种智能驾驶汽车辅助系统
CN115366841A (zh) * 2022-09-02 2022-11-22 浙江吉利控股集团有限公司 安全带的控制方法、安全带织带递送机构及车辆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6269619B2 (ja) 車両用シートベルト装置及び乗員保護装置
US8016318B2 (en) Vehicle occupant restraint apparatus
JP4569684B2 (ja) 車両用乗員拘束装置
JP3460526B2 (ja) エアベルト装置
CN110861550B (zh) 车辆用座椅
JP5286765B2 (ja) 乗員拘束装置
JP2009154745A (ja) 車両用シートベルト装置
JP2009006913A (ja) 車両用シート
JP4986808B2 (ja) シートベルト装置
JP5307748B2 (ja) プリテンショナ
JP2009096233A (ja) シートベルト装置
JP2010105544A (ja) 乗員拘束装置
JP5191208B2 (ja) シートベルト装置
JP5952680B2 (ja) エアバッグ装置
JP4581942B2 (ja) 乗員拘束装置
JP2013112221A (ja) 車両用乗員拘束装置
JP2010058744A (ja) 車両用乗員拘束装置
JP2010058722A (ja) 車両用乗員拘束装置
JP5704058B2 (ja) 車両用乗員拘束装置及びその制御方法
JP5307749B2 (ja) プリテンショナ
JP2007125937A (ja) 車両用エアベルト装置
JP7254757B2 (ja) 乗員拘束装置
JP2007210436A (ja) 車両用エアベルト装置
JP2011168134A (ja) 乗員保護装置
WO2023199762A1 (ja) シートベルト装置