以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機という)に適用した実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、本複写機を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成手段たる画像形成部1と、白紙供給装置40と、原稿読取装置50とを備えている。原稿読取装置50は、画像形成部1の上に固定された原稿読取ユニットたるスキャナ150と、これに支持される原稿搬送ユニットたるADF51とを有している。
白紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセットから転写紙を送り出す送出ローラ43、送り出された転写紙を分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、画像形成部1の給紙路37に転写紙を搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、給紙カセット内の転写紙を画像形成部1内の給紙路37内に給紙する。
図2は、画像形成部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。画像形成手段としての画像形成部1は、光書込装置2や、K,Y,M,C色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成部1本体に対して着脱可能になっている。ブラック用のプロセスユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の1次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置15なども有している。本複写機では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。同図に示すように、プロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置23、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュウ8、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ12は、ドクタブレード14との対向位置からスリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ13表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。なお、現像装置6として、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
ドラムクリーニング装置15としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュウ20上に落下する。回収スクリュウ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡されたトナーを現像装置15に送ってリサイクルする。
除電ランプ22は、光照射によって感光体4を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置23によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。なお、帯電装置23としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いている。感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。この転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と2次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの2次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ31には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。
この2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されており、ローラ間に挟み込んだ転写紙を中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙に一括2次転写され、転写紙の白色と相まってフルカラー画像となる。2次転写ニップを通過した転写紙は、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、2次転写ニップで転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置によって掻き取り除去される。
定着装置34に搬送された転写紙は、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外へと排出される。
先に示した図1において、紙搬送ユニット22および定着装置34の下には、スイッチバック装置36が配設されている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙が、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び2次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150は、固定読取部や移動読取部152を有している。移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された図示しない第2コンタクトガラスの直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。
一方、固定読取部は、スキャナ150の内部に配設された第1面固定読取部151と、ADF51内に配設された図示しない第2面固定読取部とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する第1面固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された図示しない第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、後述するADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第1面を走査する。また、第2面固定読取部は、第1面固定読取部151を通過した後の原稿MSの第2面を走査する。
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、原稿MSを搬送するための搬送ユニット98、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。図4に示すように、スキャナ150に固定された蝶番159によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第1コンタクトガラス154や第2コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADFによる搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図4に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第2コンタクトガラス155上に載せた後、ADFを閉じる。そして、スキャナ150の図1に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第1面固定読取部151やADF51内の第2面固定読取部に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、コピースタートボタン158を押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に搬送ユニット54内に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第1面固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第1面の画像がスキャナ150の第1面固定読取部151によって読み取られる。
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図である。また、図6は、ADF51及びスキャナ150の電気回路の一部を示すブロック図である。ADF51は、原稿セット部A、分離給送部B、レジスト部C、ターン部D、第1読取搬送部E、第2読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。
図6に示すように、ADF51は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等からなるコントローラ64を有しており、これによって各種の機器やセンサを制御することができる。このコントローラ64には、レジストセンサ65、原稿セットセンサ63、排紙センサ61、突き当てセンサ72、原稿幅センサ73、読取入口センサ67、給紙適正位置センサ59などが接続されている。また、第2固定読取部95、ピックアップモータ56、給紙モータ76、読取モータ77、排紙モータ78、底板上昇モータ79なども接続されている。また、スキャナ150の各機器の制御を司る本体制御部200なども接続されている。スキャナ150は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等からなる本体制御部200を有しており、これにより、スキャナ150内部の図示しない各種機器やセンサを制御することができる。また、I/F202によってADF(51)のコントローラ64と接続されており、コントローラ64を介して、ADF51内の各種機器やセンサを間接的に制御することもできる。
図5において、原稿セット部Aは、原稿MSの束がセットされる原稿載置台53等を有している。また、分離給送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。また、レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出すものである。また、ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させるものである。また、第1読取搬送部Eは、第1コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第1コンタクトガラス154の下方で図示しないスキャナの内部に配設されている第1面固定読取部151に原稿MSの第1面を読み取らせるものである。また、第2読取搬送部Fは、第2固定読取部95の下で原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第2面を第2固定読取部95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、原稿スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
原稿MSは、原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能な可動原稿テーブル54の上に原稿先端部が載せられるとともに、原稿後端側が原稿載置台53の上に載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向(図紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれ図示しないサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置が調整される。このようにしてセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル54の上方で揺動可能に配設されたレバー部材62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサ63が原稿MSのセットを検知して、検知信号をコントローラ64に送信する。そして、この検知信号は、コントローラ64からI/F202を介して本体制御部200に送られる。
原稿載置台53には、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサ又はアクチュエーター・タイプのセンサからなる第1長さセンサ57、第2長さセンサ58が保持されている。これら長さセンサにより、原稿MSの搬送方向の長さが検知される。
可動原稿テーブル54の上に載置された原稿MSの束の上方には、カム機構によって上下方向(図中矢印c,d方向)に移動可能に支持されるピックアップローラ80が配設されている。このカム機構は、ピックアップモータ56によって駆動することで、ピックアップローラ80を上下移動させることが可能である。ピックアップローラ80が上昇移動すると、それに伴って可動原稿テーブル54が図中矢印a方向に揺動して、ピックアップローラ80が原稿MSの束における一番上の原稿MSに当接する。更に可動原稿テーブル54が上昇すると、やがて給紙適正位置センサ59によって可動原稿テーブル54の上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップモータ56が停止するとともに、可動原稿テーブル54の上昇が停止する。
複写機の本体に設けられたテンキーやディスプレイ等からなる本体操作部201に対しては、操作者によって両面読取モードか、あるいは片面読取モードかを示す読取モード設定のためのキー操作や、コピースタートキーの押下操作などが行われる。コピースタートキーが押下されると、本体制御部200からI/F202を介してADF51のコントローラ64に原稿給紙信号が送信される。すると、ピックアップローラ80が給紙モータ76の正転によって回転駆動して、可動原稿テーブル54上の原稿MSを可動原稿テーブル54上から送り出す。
両面読取モードか、片面読取モードかの設定に際しては、可動原稿テーブル54上に載置された全ての原稿MSについて一括して両面、片面の設定を行うことが可能である。また、1枚目及び10枚目の原稿MSについては両面読取モードに設定する一方で、その他の原稿MSについては片面読取モードに設定するなどといった具合に、個々の原稿MSについてそれぞれ個別に読取モードを設定することも可能である。
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ76の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ76の正転によって図中時計回りに回転駆動されるリバースローラ85が当接している。当接部においては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、リバースローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは当接部に原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、ベルト又は原稿MSに連れ回る。但し、当接部に複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなることから、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、リバースローラ85によって給紙とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離される。
給紙ベルト84やリバースローラ85の働きによって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、突き当てセンサ72の直下を通過する際にその先端が検知される。このとき、ピックアップモータ56の駆動力を受けているピックアップローラ80がまだ回転駆動しているが、可動原稿テーブル54の下降によって原稿MSから離間するため、原稿MSは給紙ベルト84の無端移動力のみによって搬送される。そして、突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたタイミングから所定時間だけ給紙ベルト84の無端移動が継続して、原稿MSの先端がプルアウト駆動ローラ86とこれに当接しながら回転駆動するプルアウト従動ローラ87との当接部に突き当たる。原稿MSの先端が両ローラの当接部に突き当たった状態で、原稿MSの後端側が給紙方向に向けて送られることで、原稿MSは所定量だけ撓んだ状態になりながら、先端が当接部に位置決めされる。これにより、原稿MSのスキュー(傾き)が補正されて、原稿MSは給紙方向に沿った姿勢になる。
プルアウト従動ローラ87は、原稿MSのスキューを補正する役割の他に、スキューが補正された原稿MSを原稿搬送方向下流側の中間ローラ対66まで搬送する役割を担っており、給紙モータ76の逆転によって回転駆動される。給紙モータ76が逆転すると、プルアウト従動ローラ87と、互いに当接している中間ローラ対66における一方のローラとが回転を開始するとともに、給紙ベルト84の無端移動が停止する。また、このとき、ピックアップローラ80の回転も停止される。
プルアウト従動ローラ87から送り出された原稿MSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサ等からなる紙検知部を複数有しており、これら紙検知部は原稿幅方向(図紙面に直交する方向)に並んでいる。どの紙検知部が原稿MSを検知するのかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズが検知される。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサ72によって検知されてから、原稿MSの後端が突き当てセンサ72によって検知されなくなるまでのタイミングに基づいて検知される。
原稿幅センサ73によって幅方向のサイズが検知された原稿MSの先端は、ターン部Dに進入して、中間ローラ対66のローラ間の当接部に挟み込まれる。この中間ローラ対66による原稿MSの搬送速度は、後述する第1読取搬送部Eでの原稿MSの搬送速度よりも高速に設定されている。これにより、原稿MSを第1読取搬送部Eに送り込むまでの時間の短縮化が図られている。
ターン部D内を搬送される原稿MSの先端は、原稿先端が読取入口センサ67との対向位置を通過する。これによって原稿MSの先端が読取入口センサ67によって検知されると、その先端が搬送方向下流側の読取入口ローラ対(89と90との対)の位置まで搬送される間での間に、中間ローラ対66による原稿搬送速度が減速される。また、読取モータ77の回転駆動の開始に伴って、読取入口ローラ対(89,90)における一方のローラ、読取出口ローラ対92における一方のローラ、第2読取出口ローラ対92における一方のローラがそれぞれ回転駆動を開始する。
ターン部D内においては、原稿MSが中間ローラ対66と読取入口ローラ対(89、90)との間の湾曲搬送路で搬送される間に上下面が逆転されるとともに、搬送方向が折り返される。そして、読取入口ローラ対(89、90)のローラ間のニップを通過した原稿MSの先端は、レジストセンサ65の直下を通過する。このとき原稿MSの先端がレジストセンサ65によって検知されると、所定の搬送距離をかけながら原稿搬送速度が減速されていき、第1読取搬送部Eの手前で原稿MSの搬送が一時停止される。また、本体制御部200にI/F202を介してレジスト停止信号が送信される。
レジスト停止信号を受けた本体制御部200が読取開始信号を送信すると、コントローラ64の制御により、原稿MSの先端が第1読取搬送部E内に到達するまで、読取モータ77の回転が再開されて所定の搬送速度まで原稿MSの搬送速度が増速される。そして、読取モータ77のパルスカウントに基づいて算出された原稿MSの先端が第1面固定読取部151による読取位置に到達するタイミングで、コントローラ64から本体制御部200に対して原稿MSの第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第1面固定読取部151による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第1面が第1面固定読取部151によって読み取られる。
第1読取搬送部Eを通過した原稿MSは、後述の読取出口ローラ対92を経由した後、その先端が排紙センサ61によって検知される。片面読取モードが設定されている場合には、後述する第2固定読取部95による原稿MSの第2面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されると、排紙モータ78の正転駆動が開始されて、排紙ローラ対94における図中下側の排紙ローラが図中時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されてからの排紙モータパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ78の駆動速度が減速せしめられて、原稿MSが原稿スタック台55から飛び出さないような速度で排紙される。
一方、両面読取モードが設定されている場合には、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知された後、第2固定読取部95に到達するまでのタイミングが読取モータ77のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラ64から本体制御部200に対して原稿MSの第2面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第2固定読取部95による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第2面が第2固定読取部95によって読み取られる。
読取手段としての第2固定読取部95は、密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。第2固定読取部95との対向位置には、原稿MSを非読取面側(第1面側)から支持する原稿支持手段としての第2読取ローラ96が配設されている。この第2読取ローラ96は、第2固定読取部95による読取位置での原稿MSの浮きを防止するとともに、第2固定読取部95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。本複写機では、第2固定読取部95との対向位置で原稿を支持する原稿支持手段として、第2読取ローラ96を用いたが、ガイド板状のものを用いてもよい。
図7は、第2固定読取部95の電気回路の要部を示すブロック図である。同図に示すように、第2固定読取部95は、LEDアレイ、蛍光灯、あるいは冷陰極管などからなる光源部95aを有している。また、主走査方向(原稿幅方向に対応する方向)に並ぶ複数のセンサチップ95b、それぞれのセンサチップ95bに個別に接続された複数のOPアンプ回路95c、それぞれのOPアンプ回路95cに個別に接続された複数のA/Dコンバータ95eも有している。更には、画像処理部95f、フレームメモリ95g、出力制御回路95h、I/F回路95iなども有している。
センサチップ95bは、等倍密着イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものである。第2固定読取部95による読取位置に図示しない原稿が進入するのに先立って、コントローラ64から光源部95aに点灯ON信号が送られる。これにより、光源部95aが点灯し、その光を図示しない原稿の第2面に向けて照射する。原稿の第2面で反射した反射光は、複数のセンサチップ95bにおいて、集光レンズによって光電変換素子に集光されて画像情報として読み取られる。それぞれのセンサチップ95bで読み取られた画像情報は、OPアンプ回路95cによって増幅された後、A/Dコンバータ95eによってデジタル画像情報に変換される。これらデジタル画像情報は、画像処理部95fに入力されてシェーデイング補正などた施された後、フレームメモリ95gに一時記憶される。その後、出力制御回路95hによって本体制御部200に受入可能なデータ形式に変換された後、I/F回路95iを経由して本体制御部200に出力される。なお、コントローラ64からは原稿の先端が第2固定読取部95による読取位置に到達するタイミング(そのタイミング以降の画像データが有効データとして扱われる)を知らせるためのタイミング信号や光源の点灯信号、電源等が出力されるようになっている。
次に、本複写機における特徴的な構成について説明する。
図8は、第1面固定読取部151の周辺を示す拡大構成図であり、
図8に示すように、第1コンタクトガラス154と下流側ガイド部材たる掬い上げガイド部材156との間には、可撓性材料からなる可撓性ガイド部材251が設けられている。中間ガイド部材たる可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向上流側端部は、第1コンタクトガラス154の原稿搬送方向下流端に接着などの方法にて固定されている。可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流端は自由端となっており、掬い上げガイド部材のガイド面156b上に移動可能に載置されている。
図9は、掬い上げガイド部材156の斜視図である。図に示すように掬い上げガイド部材156の主走査線方向両端には、略コの字状の案内レール156aがそれぞれ設けられている。これら案内レール156aに可撓性ガイド部材251の主走査方向両端部が遊嵌している。これにより、可撓性ガイド部材251が、案内レール156aにより案内されて、掬い上げガイド部材のガイド面156bに沿って移動する。
また、可撓性ガイド部材251としては、導電性を有するのが好ましい。これは、可撓性ガイド部材251と原稿とが摺擦した際、可撓性ガイド部材251が摩擦帯電する場合がある。可撓性ガイド部材251が摩擦帯電すると、可撓性ガイド部材251に原稿を吸着させるような静電気力が働き、原稿搬送速度が低下するおそれがある。よって、可撓性ガイド部材251を導電性にすることによって、原稿との摺擦によって可撓性ガイド部材に移動してきた電荷が他の部材に流れ、可撓性ガイド部材が摩擦帯電するのを抑制することができ、原稿搬送速度の低下を抑制することができる。
図10は、第1面固定読取部151の周辺の分解斜視図である。
図10に示すように、板状の固定部材171に設けられた長方形状の窓枠を覆うように第1コンタクトガラス154が固定されている。固定部材171の主走査方向両端部付近には、それぞれ副走査方向に延びる長穴171bが形成されている。
スキャナ150のケーシングの主走査方向両端部には、それぞれ2本の位置決めピン150a、150bが設けられており、これら位置決めピン150a、150bが固定部材171の長穴171bに挿入される。これにより、第1コンタクトガラス154が、スキャナ150のケーシングに対して副走査方向に所定範囲スライド可能に固定される固定部材171は、スキャナ150の上面の第1面固定読取部151周辺を覆う蓋部材157に覆われている。蓋部材157には、第1面固定読取部151から発した光および原稿画像面から反射した反射光を通過させるための長方形状の通過穴157cが形成されており、通過穴157cよりも原稿搬送方向下流側に、原稿の先端を掬い上げるための掬い上げガイド部材156が形成されている。また、蓋部材157の主走査方向両端部付近には、上記位置決めピン150a、150bの先端が嵌合する位置決め穴157a、157bが形成されている。上記位置決めピン150a、150bの先端が蓋部材157の位置決め穴157a、157bに嵌合固定されることで、第1コンタクトガラス154が所定の範囲スライド可能にスキャナ150に固定される。
スキャナ150のケーシングには、第1コンタクトガラス154を往復移動させるためのコンタクトガラス移動手段たるガラス移動機構180が設けられている。
図11は、ガラス移動機構180の斜視図である。
ガラス移動機構180は、回転カム174、カム駆動モータ173、タイミングベルト176などを有している。回転カム174は、スキャナ150のケーシングに設けられた支持台150cに回転自在に支持されている。支持台150cには、不図示の貫通孔が設けられたおり、カム駆動モータ173のモータ軸173aをこの貫通孔に対して下方から上方に向けて貫通するようにして、カム駆動モータ173がスキャナ150のケーシングに固定されている。モータ軸173aと回転カム174とには、タイミングベルト176が張架されている。カム駆動モータ173には、ステッピングモータを用いた。
回転カム174には、駆動伝達ピン174aが設けられている。この駆動伝達ピン174aは、図10に示すように、固定部材171の主走査方向略中央部に設けられ、主走査方向に延びる長穴172に挿入される。また、回転カム174は、切欠き174bが形成されている。支持台150cには、ホームポジションセンサ175が固定されている。ホームポジションセンサ175は、透過型のセンサであり、発光部175aと受光部175bとが回転カム174を挟んで対向している。ホームポジションセンサ175は、回転カム174の切欠き174bが、ホームポジションセンサ175の発光部175aと受光部175bとの対向位置に来て、発光部175aの光を受光部175bが受信するとき、第1コンタクトガラス154がホームポジションにあることを検知する。本実施形態においては、第1コンタクトガラス可動範囲において、第1コンタクトガラス154が原稿搬送方向最下流に位置するとき切欠き174がホームポジションセンサ175と対向するよう構成されている。すなわち、第1コンタクトガラス可動範囲において、原稿搬送方向最下流の位置が、第1コンタクトガラス154のホームポジションとなっている。
本体制御部200の制御で、回転カム174に対し、カム駆動モータ173からタイミングベルト176を介して駆動伝達がなされると、回転カム174は、軸177を中心に回転する。回転カム174の回転駆動は、駆動伝達ピン174aから固定部材171の長穴172を介して固定部材171に駆動され、固定部材171は副走査方向(原稿搬送方向)に往復移動する。固定部材171が往復移動することによって、固定部材171に固定されている第1コンタクトガラス154が副走査方向に往復移動する。なお、上記ガラス移動機構180は、一例であり、例えば、ガラス移動機構180をラック&ピニオンで構成してもよい。また、特許文献2に記載のガラス移動機構を用いてもよい。
次に、第1コンタクトガラス154の移動制御について、図12を用いて説明する。なお、この図12においては、固定部材171に反射板175cを設け、ホームポジションセンサ175として反射型光センサを用い、ホームポジションセンサ175が反射板175cを検知することで、第1コンタクトガラス154のホームポジションを検知するものである。
まず、複写機本体のコピースタートキー158の押下操作などが行われると、本体制御部200は、カム駆動モータ173を駆動させて、回転カム174を回転させ、第1コンタクトガラス154を図12(a)に示すホームポジションの位置から図12(b)原稿搬送方向上流側の位置まで移動させる。このとき、可撓性ガイド部材251は、案内レール156aに案内されて、掬い上げガイド部材156のガイド面156bに沿って、第1コンタクトガラス154と一体となって原稿搬送方向上流側へ移動する。その結果、可撓性ガイド部材251は、掬い上げガイド部材156の原稿搬送方向上流端から引き出され、可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156から引き出された箇所は、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と略平行となっている。
また、可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156から引き出された部分は、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と同じ高さか、原稿搬送面よりも僅かに原稿搬送経路から離間するのが好ましい。これは、可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156から引き出された部分が、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面よりも原稿搬送路側にあった場合、可撓性ガイド部材251と第1コンタクトガラス154の原稿搬送面との段差部に原稿の先端が引っ掛かる虞があるからである。このため、本実施形態においては、可撓性ガイド部材251を、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面からy分原稿搬送経路に対して離れた箇所に接着している。
第1コンタクトガラス154が、図12(b)の位置まで移動したら、カム駆動モータ173を停止し、原稿先端が読取位置にくるタイミングまで待機する。そして、原稿先端が読取位置にくるタイミングでカム駆動モータ173の駆動を再開し、第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と同方向へ移動させる。具体的には、このときの第1コンタクトガラス154の移動速度は、第1、第2長さセンサ57、58で検知した原稿の副走査方向長さ、読取条件(倍率、カラー/白黒、読取画質)に応じて決定される。なお、移動速度は、原稿の副走査方向長さ、読取条件(倍率、カラー/白黒、読取画質)に基づいて、画像読取が終わったときに、第1コンタクトガラス154が、第1コンタクトガラス可動範囲の原稿搬送方向最下流(ホームポジション)に達するように設定される。また、搬送される原稿のサイズが不定形サイズの場合は、最も近い定形サイズのうち、搬送される原稿サイズよりも長さが長い定形サイズに対応する移動速度に設定するか、搬送される原稿サイズよりも長さが短い定形サイズに対応する移動速度に設定するかが選択可能となっている。
このように、原稿の先端が読取位置に達したタイミングで第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と同一方向へ移動させることで、常時、第1コンタクトガラス154の異なる位置で原稿画像の読取を行うことになる。その結果、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面にゴミなどの付着物や汚れがあっても、縦すじによる画像品質の低下を抑制することができる。また、このとき、可撓性ガイド部材251が第1コンタクトガラス154と一体となって原稿搬送方向と同一方向へ移動する。可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流端は自由端となっているため、可撓性ガイド部材251が原稿搬送方向と同一方向へ移動すると可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流側が、案内レール156aに案内されながら、掬い上げガイド部材156のガイド面156bを沿うようにして原稿搬送方向と同方向へ移動する。よって、原稿画像読取中においても、可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156から引き出された部分は、原稿搬送経路側へ大きく湾曲せず、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と略平行な状態を保つことができる。これにより、読取位置(図中A)において、原稿が第1コンタクトガラス154から浮き上がるのを抑制することができる。その結果、読取位置において、搬送原稿の読取面と第1面固定読取部151との距離が略一定の状態で原稿を搬送できるので、読取画像の品質劣化を抑制することができる。つまり、第1コンタクトガラス154を移動する際に可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流側は、掬い上げガイド部材156のガイド面156bに沿って移動するので、第1コンタクトガラス154の移動前(図12(a))の原稿読取位置A、搬送原稿の先端が掬い上げガイド部材のガイド面156bに当接する位置B、搬送ガイド部材97の搬送方向下流側端部の位置C、及び掬い上げガイド部材のガイド面156bの搬送方向下流側端部の位置Dの位置関係と、第1コンタクトガラス154の移動後(図12(b))の上記各位置A、B、C、Dの位置関係を略同一とすることができる。これは読取搬送中の搬送経路を一定に維持することができることを意味しており、その結果、上述のように読取位置における搬送原稿の読取面と第1面固定読取部151との距離が略一定の状態で原稿を搬送できるのである。又、可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流側は、掬い上げ部材156のガイド面156bに沿っているので、可撓性ガイド部材251によって、読取位置(図中A)を通過した原稿の先端がスムーズに図12のBの位置やCの位置を通過し、ジャムの発生や原稿搬送速度の低下を抑制することができる。
カム駆動モータ173であるステッピングモータが所定のステップ数分駆動すると第1コンタクトガラス154が、第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流に達する。この時にゲート信号が送信中であれば、送信終了(画像読取終了)まで停止し、送信が終了し、次の原稿がある場合は、図12(b)の位置へ第1コンタクトガラス154を移動させる。一方、ジョブ終了時には、第1コンタクトガラス154を図12(b)に示すホームポジションに戻す。なお、本実施形態においては、ステップ数に基づいて、第1コンタクトガラス154が、第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流にきたことを検知しているが、これに限られない。本実施形態においては、第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流の位置が、ホームポジションであるので、ホームポジションセンサ175の検知結果に基づいて、第1コンタクトガラス154が、第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流に達することを検知してもよい。
本実施形態においては、第1コンタクトガラス154のホームポジションを第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流にしており、ジョブ終了時には、第1コンタクトガラス154を第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流に位置させる。原稿搬送ユニットたるADF51が開かれると、読取ユニットたるスキャナ150側の第1読取搬送部E周辺が露出する。このとき、図12(b)に示すように、第1コンタクトガラス154が第1コンタクトガラスの可動範囲の原稿搬送方向最上流に位置していると、ユーザーが可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156から引き出された部分に触れる場合がある。可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156から引き出された部分は、何にも支持されていないため、触れられると、容易に変形してしまう。可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156から引き出された部分が変形した状態でADF51を閉じて、第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と同一方向に移動させたときこの変形した部分が案内レール156aに引っ掛かってしまうおそれがある。その結果、可撓性ガイド部材251の引っ掛かった部分よりも原稿搬送方向上流側の部分が、大きく湾曲して、原稿搬送経路を変動させたり、可撓性ガイド部材251が大きく変形して損傷したりするおそれがある。
一方、第1コンタクトガラス154のホームポジションを第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流にすることで、ADF51が開かれたとき、可撓性ガイド部材251のほとんどが掬い上げガイド部材156のガイド面156bに沿っている。よって、ユーザーが可撓性ガイド部材251に触れても、掬い上げガイド部材156のガイド面156bが押さえとなって、可撓性ガイド部材251の変形が抑制される。よって、画像読取時に第1コンタクトガラス154をスライドさせたとき、可撓性ガイド部材251は、スムーズに掬い上げガイド部材156から引き出される。よって、原稿搬送経路が変動したり、可撓性ガイド部材251が損傷したりするのを抑制することができる。
また、ジョブ終了時に、第1コンタクトガラス154をホームポジションに戻すことで、装置の電源が切られた状態でADF51があけられても、第1コンタクトガラス154を第1コンタクトガラス154の可動範囲の原稿搬送方向最下流に位置させることができ、上述した問題が起きることがない。また、原稿画像読取中に、ADF51が開けられたときも、第1コンタクトガラス154をホームポジションに戻すよう制御することで、確実に可撓性ガイド部材251の変形を抑制することができる。
また、可撓性ガイド部材251の長さが、掬い上げガイド部材156の原稿搬送方向上流端から頂点までの長さよりも長い場合、図13の点線で示すように、第1コンタクトガラス154がホームポジションに位置するときに、可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流側が、ADF51の下側ガイド部材99に乗り上げてしまう。このように、可撓性ガイド部材251の一部が、ADF51の下側ガイド部材99に乗り上げて、ADF51の内部に位置してしまうと、このADF51の内部に位置する部分がADF51の開閉動作の可動範囲に入ってしまう。その結果、ADF51を開いた際、可撓性ガイド部材251のADF51の内部に位置する部分がADF51により持ち上げられ、可撓性ガイド部材251の主走査方向端部が、案内レール156aから脱落したり、大きく変形して損傷したりする虞がある。このため、本実施形態においては、先の図9に示すように、掬い上げガイド部材156の頂点以降も案内レール156aで可撓性ガイド部材251が下方へ移動するようにガイドする。これにより、図13の実線で示すように、可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流側が、ADF51の下側ガイド部材99に乗り上げることがなくなり、可撓性ガイド部材251の主走査方向端部が、案内レール156aから脱落したり、大きく変形して損傷したりするのを抑制することができる。
次に、変形例について、説明する。
[変形例1]
図14は、変形例1の原稿読取装置50の第1面固定読取部151周辺を示す拡大構成図である。
図に示すように、この変形例1においては、第1コンタクトガラス154よりも原稿搬送方向下流側にレール253と、スライド部材254とを有している。スライド部材254は、レール253に原稿搬送方向スライド可能に支持されている。スライド部材254は、バネなどの不図示の加圧手段によって第1コンタクトガラス154側へ加圧されている。可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向上流端は、スライド部材254の第1コンタクトガラス154側端部と、第1コンタクトガラス154の原稿搬送方向下流端によって挟持固定されている。また、この変形例1の原稿読取装置50においては、蓋部材157の下面に清掃部材255が設けられている。この清掃部材255は、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面に対して接離可能に設けられている。
第1コンタクトガラス154がホームポジションにあるとき、清掃部材255は、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面から離間している。第1コンタクトガラス154が、ホームポジションから原稿搬送方向と逆方方向へ移動すると、スライド部材254が不図示の加圧手段の加圧力によって第1コンタクトガラス154に追随して原稿搬送方向と逆方向へ移動する。これにより、可撓性ガイド部材251の上流端が、第1コンタクトガラス154とスライド部材254とに挟持されながら、第1コンタクトガラス154と一体的に原稿搬送方向へ移動し、掬い上げガイド部材156から可撓性ガイド部材251が引き出される。そして、図14(a)に示すように、第1コンタクトガラス154が、第1コンタクトガラス可動範囲の原稿搬送方向最上流に位置したら、清掃部材255を第1コンタクトガラス154の原稿搬送面に当接させる。
次に、原稿の先端が読取位置を通過するタイミングで第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と同方向へ移動させる。すると、スライド部材254が、第1コンタクトガラス154に押されて、第1コンタクトガラス154と一体的に原稿搬送方向と同方向へ移動する。また、第1コンタクトガラス154とスライド部材254とに挟持された可撓性ガイド部材251も、第1コンタクトガラス154と一体的に原稿搬送方向と同方向へ移動する。
また、このとき、清掃部材255が、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と摺動して、原稿搬送面に付着したゴミなどを除去する。そして、図14(b)に示すように、第1コンタクトガラス154が、第1コンタクトガラス可動範囲の最下流(ホームポジション)まで移動すると、清掃部材255によって除去されたゴミが、第1コンタクトガラス154の原稿搬送方向上流端から、第1コンタクトガラス154の下方に設けられたゴミ収容部256へ落下する。第1コンタクトガラス154の移動が停止したら、清掃部材255を第1コンタクトガラス154の原稿搬送面から離間させる。
[変形例2]
次に、変形例2について、説明する。
図15は、変形例2の原稿読取装置50の第1面固定読取部151周辺を示す拡大構成図であり、図16は、第1コンタクトガラス154と、中間ガイド部材305と、掬い上げガイド部材156とを示す斜視図であり、図17は、図16の一部を拡大した図である。
この変形例2の画像読取装置50は、第1コンタクトガラス154と一体的に移動する中間ガイド部材305が、板状の部材で構成されている。中間ガイド部材305の掬い上げガイド部材156側には、複数の溝305bが設けられている。掬い上げガイド部材156の第1コンタクトガラス側端部には、複数の爪部156dが設けられている。これら爪部156dは、中間ガイド部材305の溝305bと対応して設けられている。
図15に示すように、爪部156dの先端は、中間ガイド部材305のガイド面305aよりも原稿搬送経路から離間した位置にある。そして、爪部156dの原稿搬送方向下流側は、中間ガイド部材305のガイド面305aよりも原稿搬送経路側になるよう、傾斜がつけられている。中間ガイド部材305のガイド面の305a高さは、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と同じか、原稿搬送面よりも僅かに原稿搬送経路から離間している。
読取位置を通過した原稿の先端は、中間ガイド部材305のガイド面305aに案内されながら、移動する。そして、原稿の先端は、爪部156dの原稿搬送方向下流側の中間ガイド部材305のガイド面305aと同じ高さの部分に当接して、爪部156dによって、上方へ掬い上げられる。掬い上げられた原稿の先端は、掬い上げガイド部材156のガイド面156bに案内されて、移動していく。このように構成しても、原稿の先端が掬い上げガイド部材156の第1コンタクトガラス側端部に突き当ることなく、スムーズに移動させることができる。また、中間ガイド部材305のガイド面305aは、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と平行なので、読取位置において、原稿が、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面から浮き上がることがない。よって、読取位置において、搬送原稿の読取面と第1面固定読取部151との距離が略一定の状態で原稿を搬送できるので、読取画像の劣化を抑制することができる。
なお、上記では、掬い上げガイド部材156の爪部156dを収容する部分を溝305bとしているが、切欠きとしてもよい。また、掬い上げガイド部材156の形状と、中間ガイド部材305の掬い上げガイド部材側の形状とを取り替えてもよい。すなわち、中間ガイド部材305の掬い上げガイド部材側を、ガイド面305aが形成された部分と切り欠きとで構成し、掬い上げガイド部材156の先端を爪部156dと溝とで構成する。そして、掬い上げガイド部材156の爪部156dは、中間ガイド部材305の切欠きに対応させ、溝を中間ガイド部材305のガイド面305aが形成された部分に対応させ、中間ガイド部材305のガイド面305aが溝上を往復移動するように構成するのである。
さらに、掬い上げガイド部材156の爪部156dは、一つでもよい。一例を示すと、中間ガイド部材305の主走査方向中央部に、主走査方向にある程度幅を有する溝305b(または切欠き)を一つ設け、掬い上げガイド部材156の第1コンタクトガラス側端部に中間ガイド部材305の溝305b(または切欠き)に対応する爪部156dを一つ設ける。この場合も、爪部156dの先端が、中間ガイド部材305の溝305b(または切り欠き)の主走査方向両側のガイド面305aよりも原稿搬送経路から離れており、爪部156dの原稿搬送方向下流側が、中間ガイド部材305のガイド面305aよりも原稿搬送経路側となるような傾斜面を設けることで、原稿の先端が、掬い上げガイド部材156に引っ掛かることなく、移動させることができる。
また、上記では、画像読取時に第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と同方向へ移動させているが、画像読取時に第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と逆方向へ移動させてもよい。逆方向へ移動させることで、搬送原稿に対する第1コンタクトガラスの相対速度が速くなり、より一層、縦すじが生じるのを抑制することができる。
以上、本実施形態の原稿読取装置50は、第1面固定読取部151へ原稿を搬送しながら、透明部材たる第1コンタクトガラス154上の読取位置で原稿画像の読み取りを行ういわゆるシートスルー方式の原稿読取装置50である。そして、本実施形態の原稿読取装置50は、透明部材たる第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向に往復移動するための移動手段たるガラス移動機構180を有し、制御手段たる本体制御部200は、原稿を搬送すると共にガラス移動機構180によって第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と同一方向に移動させながら、読取位置で画像読み取りを行なっている。これにより、常時、コンタクトガラスの異なる位置で原稿画像の読取を行うことになり、コンタクトガラス上にゴミなどの付着物や汚れがあっても、縦すじによる画像品質の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の原稿読取装置50は、第1コンタクトガラス154から第1コンタクトガラス154よりも原稿搬送方向下流に設けられた下流ガイド部材たる掬い上げガイド部材156まで、搬送原稿をガイドする中間ガイド部材を備えている。このように、中間ガイド部材たる可撓性ガイド部材251を設けることで、第1コンタクトガラス154から掬い上げガイド部材156へ原稿をスムーズに移動させることができる。これにより、ジャムが発生したり、原稿搬送速度が低下して、読取精度が低下したりするのを抑制することができる。
さらに、本実施形態の原稿読取装置50は、可撓性ガイド部材251は、読取位置において、搬送原稿の読取面と第1面固定読取部151との距離が略一定の状態で原稿を搬送できるように原稿をガイドしつつ、第1コンタクトガラス154と一体的に移動するので、読取画像の劣化を抑制することができる。また、掬い上げガイド部材156は、透明部材と一体的に移動しないので、掬い上げガイド部材156の原稿先端を掬い上げる位置と読取位置とが近接することはない。よって、読取位置で原稿が第1コンタクトガラス154から浮き上がることによる、読取画像の品質の低下を抑制することができる。
上記、可撓性ガイド部材251は、読取位置において、搬送原稿の読取面と第1面固定読取部151との距離が略一定の状態で原稿を搬送できるように原稿をガイドする具体的構成は、次のとおりである。すなわち、可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向上流端が第1コンタクトガラス154に当接し、可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流端が、掬い上げガイド部材156のガイド面上に移動可能に載置される。また、可撓性ガイド部材251が変形可能となっている。そして第1コンタクトガラス154が、原稿搬送方向と逆方向へ移動したとき、可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156のガイド面156bに載置された部分が、掬い上げガイド部156材のガイド面156bに沿うように変形しながら、掬い上げガイド部材156の原稿搬送方向下流端から引き出されるように、可撓性ガイド部材251が移動する構成である。
このように、可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流端が、掬い上げガイド部材156のガイド面上に移動可能に載置されることで、可撓性ガイド部材251全体が、第1コンタクトガラス154と一体的に移動することができる。よって、第1コンタクトガラス154が原稿搬送方向と同一方向へ移動して、可撓性ガイド部材251の第1コンタクトガラス側端部が、第1コンタクトガラス154によって原稿搬送方向と同一方向へ押されると、掬い上げガイド部材156上の可撓性ガイド部材251が、第1コンタクトガラス154によって押された分、ガイド面に沿って原稿搬送方向と同一方向へ移動する。その結果、可撓性ガイド部材251が途中で突出するように湾曲して原稿搬送経路が変動するのを抑制することができる。また、可撓性ガイド部材251が、突出するように湾曲するような無理な変形が抑制されるので、可撓性ガイド部材251の任意の場所に応力が集中して可撓性ガイド部材251が損傷するの抑制することができる。また、第1コンタクトガラス154を通過した原稿の先端が、掬い上げガイド部材156の先端に突き当ることなく掬い上げガイド部材156のガイド面へ搬送することができ、ジャムの発生や原稿搬送速度が低下を良好に抑制することができる。
また、第1コンタクトガラス154を原稿搬送方向と逆方向へ移動させたときは、可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156のガイド面156bに載置された部分が、掬い上げガイド部156材のガイド面156bに沿うように変形しながら、掬い上げガイド部材156の原稿搬送方向上流端から引き出される。掬い上げガイド部材156の原稿搬送方向上流端は、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面上を搬送されてきた原稿の先端を掬い上げるため、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と、ほぼ同一高さに設けられている。さらに、可撓性ガイド部材251は、変形可能となっている。よって、可撓性ガイド部材は、変形しながら掬い上げガイド部材156の上流端から第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と略平行に引き出される。その結果、可撓性ガイド部材251の掬い上げガイド部材156のガイド面と対向しない部分によって、搬送原稿が掬い上げられることがない。その結果、第1コンタクトガラスの副走査位置によって、読取位置における、原稿搬送経路の変化が僅かにすることができる。その結果、搬送原稿の読取面と第1面固定読取部151との距離が略一定の状態で原稿を搬送できるので、読取画像の品質の低下を抑制することができる。
また、可撓性ガイド部材251が、掬い上げガイド部材156の下流端から引き出される具体的な構成は、以下のとおりである。すなわち、可撓性ガイド部材251が、掬い上げガイド部材156のガイド面156bに沿って移動するよう案内する案内部材たる案内レール156aを設ける構成である。これにより、可撓性ガイド部材251を、掬い上げガイド部材156のガイド面に確実に沿わせることができる。また、可撓性ガイド部材251が、掬い上げガイド部材の下流端から引き出されるようになり、可撓性ガイド部材の掬い上げガイド部材と対向していない部分を、第1コンタクトガラス154の原稿搬送面と略平行にすることができる。
また、原稿搬送ユニットたるADF51が開状態のとき、第1コンタクトガラス可動範囲の原稿搬送方向下流側に第1コンタクトガラス154を位置させる。これにより、ADF51が開かれて可撓性ガイド部材251が露出した状態のとき、可撓性ガイド部材251のほとんど部分を掬い上げガイド部材156のガイド面に沿わせておくことができる。これにより、ユーザが、可撓性ガイド部材251に触れても、掬い上げガイド部材156のガイド面156bが押さえとなって、可撓性ガイド部材251の変形が抑制される。
また、画像読取動作終了後であるジョブ終了後、第1コンタクトガラス可動範囲の原稿搬送方向下流側へ第1コンタクトガラス154を移動させる。これにより、電源が切られた状態で、ADF51が開けられても、第1コンタクトガラス可動範囲の原稿搬送方向下流側に第1コンタクトガラス154を位置させることができる。よって、ADF51が開かれた状態のときにおける可撓性ガイド部材251の変形をより一層抑制することができる。
また、第1コンタクトガラス154が第1コンタクトガラス可動範囲の原稿搬送方向下流側に位置したとき、可撓性ガイド部材251の原稿搬送方向下流端が、ADF51の開閉動作の可動範囲外となるよう構成することによって、ADF51を開くときに、可撓性ガイド部材251が損傷するのを抑制することができる。
また、可撓性ガイド部材251として、導電性部材を用いることによって、可撓性ガイド部材251が、原稿との摺擦によって摩擦帯電するのを抑制することができ、静電吸着力によって、原稿搬送速度を低下させたり、ジャムが発生したりするのを抑制することができる。
また、本実施形態の複写機においては、上述した原稿読取装置50を備えているので、高品質な複写画像を得ることができる。