JP2014064261A - 画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイド部及び白色基準部の両方を併せ持つ読取手段の対向部材としてDカット形状のローラ部材を採用したものよりも製造コストを抑制することを課題とする。
【解決手段】第二固定読取部95に対向配置されるガイド板96の板面には、原稿MSの被読取面が第二固定読取部の読取面95aに接するように原稿をガイドするガイド部96Bと、読取画像の補正基準となる白色基準部961とが備わっており、ガイド板は、原稿読取時には、ガイド部が原稿をガイドするガイド位置に位置するとともに白色基準部が原稿に接触しない退避位置に位置するようなガイド状態となり、白色基準読取時には、白色基準部が読取面に接する白色基準読取位置に位置するような白色基準読取状態となるように、回動軸962を中心に回動する。
【選択図】図12

Description

本発明は、原稿の画像を読み取るスキャナ等の画像読取装置、及び、これを備えた複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
従来、スキャナ等の画像読取装置、又は、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に搭載される画像読取装置として、原稿を搬送しながら読取手段で読み取るシートスルー方式を採用するものが知られている。読取手段としては、例えば、CCD(Coupled Device Image Sensor)やCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。シートスルー方式の代表的な構成は、読取手段による原稿読取位置において、読取手段に対向配置される対向部材を備えている。これにより、原稿は、その被読取面を読取手段の読取面に略密着させた状態で原稿読取位置を通過することができる。1パス同時両面読取方式の自動原稿搬送装置(ADF)では、読取手段として、省スペース化が可能なCISなどの等倍センサが採用されることが多い。等倍センサは、焦点深度が浅いことから、原稿の被読取面を読取手段の読取面に略密着させた状態で原稿読取位置を通過させることが、特に重要である。
また、画像読取装置は、原稿読取の開始前または連続読取の合間に、白色補正の基準となる白色基準部を読取手段で読み取って、その読み取り結果を基準として原稿の読取画像を補正しながら原稿読取を行うシェーディング補正が広く行われている。このようなシェーディング補正を正確に行うためには、原稿を読み取るときの読取手段と原稿の被読取面との距離と、白色基準部を読み取るときの読取手段と白色基準部との距離との違いをなるべく少なくすることが望まれる。
特許文献1には、原稿読取位置に配置される対向部材として、回転中心から外周表面までの距離が異なる部分を有する対向ローラを採用する画像読取装置が開示されている。この画像読取装置における対向ローラの代表的構成は、いわゆるDカット形状のものである。この対向ローラは、原稿読取時には、そのDカット面が読取手段に対向するような回転角度で停止し、原稿の搬送をガイドするガイド部として機能する。原稿は、原稿読取位置を通過する際、読取手段の読取面と対向ローラのDカット面との間に形成される微小な搬送ギャップを通過し、読取手段の読取面に原稿を略密着させた状態とすることができる。一方、白色基準部を読み取る際には、対向ローラの非Dカット面が読取手段に対向するような回転角度で停止し、白色基準部として機能する。対向ローラの回転中心から外周曲面部分(非Dカット面)までの距離は、その回転中心から読取手段の読取面までの距離と略等しくなるように設定されている。よって、このような非Dカット面を白色基準部として用いることで、正確なシェーディング補正を行うことが可能となっている。
しかも、上記特許文献1に記載の画像読取装置によれば、原稿読取時に、白色基準部となる対向ローラの非Dカット面が原稿に接触しないので、白色基準部に原稿の汚れや紙粉等が付着し難い。そのため、原稿の汚れや紙粉が白色基準部に付着することによるシェーディング補正の精度悪化が抑制される。
ところが、上記特許文献1に記載の画像読取装置において、ガイド部として利用されるDカット面は、原稿読取時に、読取手段の読取面と対向して所定の微小ギャップを形成する必要があり、読取手段の読取面に対する高い位置精度が要求される。また、白色基準部として利用される非Dカット面も、白色基準部の読取時に、非Dカット面と読取手段との距離が、原稿読取時における原稿の被読取面と読取手段との距離と高い精度で一致させることが要求される。このような要求を満たす対向ローラは、そのローラ形状に高い精度が要求されることになり、製造コストを高騰させる要因となるという問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ガイド部及び白色基準部の両方を併せ持つ対向部材としてDカット形状のローラ部材を採用したものよりも製造コストを抑制しやすい画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、搬送される原稿の画像を読み取る読取手段と、上記読取手段による原稿読取位置で該読取手段に対向配置された対向部材とを有し、上記対向部材は、上記原稿読取位置を通過する原稿の被読取面が上記読取手段の読取面に接する又は該読取面と微小距離だけ離間するように、該原稿における被読取面の反対面をガイドするガイド部、及び、該読取手段による読取画像の補正基準となる白色基準部を備えている画像読取装置において、上記対向部材は、板状部材で構成され、上記読取手段に対向する側の板面に上記ガイド部と上記白色基準部とが形成されたものであり、原稿読取時には、上記ガイド部が原稿の上記反対面をガイドするガイド位置に位置するとともに上記白色基準部が原稿に接触しない退避位置に位置するようなガイド状態となり、白色基準読取時には、該白色基準部が上記読取手段の読取面に接する又は該読取面と微小距離だけ離間する白色基準読取位置に位置するような白色基準読取状態となるように、上記対向部材の状態を変化させる状態変化手段を設けたことを特徴とする。
本発明においては、読取手段に対向配置される対向部材が板状部材で構成されている。板状部材の板面にガイド部及び白色基準部を高い精度で形成する方が、ローラ部材の外周面にガイド部及び白色基準部を形成する場合よりも、その製造が容易であり、低コストでの製造が可能である。よって、本発明によれば、ガイド部及び白色基準部の両方を併せ持つ対向部材としてDカット形状のローラ部材を採用したものよりも製造コストを抑制しやすいという優れた効果が得られる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。 同複写機における画像形成部の一部を拡大して示す部分構成図である。 同画像形成部における4つのプロセスユニットからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。 同複写機のスキャナ及びADFを示す斜視図である。 同ADFの要部構成を同スキャナの上部とともに示す拡大構成図である。 同ADFの電気回路の一部を示すブロック図である。 固定画像読取部の電気回路の一部を示すブロック図である。 白色基準読取時における第二固定読取部と白色基準部との距離と、原稿読取時における第二固定読取部と原稿との距離との違いが、読取画像に及ぼす影響を説明するための概略構成図である。 白色基準部の読取時のシェーディングデータと、一様な画像濃度をもった原稿の読取時の原稿画像データとについて、主走査方向の分布の一例を表したグラフである。 白色基準部の読取時のシェーディングデータと、一様な画像濃度をもった原稿の読取時の原稿画像データとについて、主走査方向の分布の他の例を表したグラフである。 第二読取搬送部の概略構成を示す拡大図である。 (a)及び(b)は、ガイド板の状態変化(動き)を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は、ガイド状態から白色基準読取状態へのガイド板の状態変化を不正手段の付勢力によって実現する場合のガイド板の状態変化(動き)を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は、ガイド板の状態がガイド状態であるか白色基準読取状態であるかを検知するガイド板状態検知センサを設けた場合のガイド板の状態変化(動き)を説明するための説明図である。 (a)は、変形例1に係るガイド板がホームポジション(白色基準読取状態)にあるときの説明図である。(b)は、このときの孔部による回動軸の軸支状態を示す説明図である。 (a)は、変形例1に係るガイド板が白色基準読取状態のまま平行移動したときの説明図である。(b)は、このときの孔部による回動軸の軸支状態を示す説明図である。 (a)は、変形例1に係るガイド板がガイド状態であるときの説明図である。(b)は、このときの孔部による回動軸の軸支状態を示す説明図である。 変形例1に係るガイド板の他の構成例を示す説明図である。 (a)〜(c)は、変形例1に係るガイド板の更に他の構成例を示す説明図である。 (a)〜(c)は、変形例2におけるガイド板及びガイド板の状態を変化させる機構を説明するための説明図である。 変形例3における第二読取搬送部Fの概略構成を示す拡大図である。 変形例3において、白色ローラを取り外した状態のガイド板の斜視図である。 白色ローラが取り付けられるガイド板の先端部の断面図である。 (a)〜(c)は、本変形例3におけるガイド板の動きを説明するための説明図である。 読取出口ローラ対の駆動源を利用して同白色ローラを回転駆動させる駆動系の一例を示す模式図である。
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式の複写機に適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機500の基本的な構成について説明する。
図1は、複写機500を示す概略構成図である。
この複写機は、画像形成部1と、シート供給装置40と、画像読取装置としての画像読取ユニット50とを備えている。画像読取ユニット50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持される原稿自動搬送装置(ADF)51とを有している。
シート供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つのシート供給カセット42、シート供給カセット42から記録シートを送り出す記録シート送出ローラ43、送り出された記録シートを分離してシート供給路44に供給する記録シート分離ローラ45等を有している。また、画像形成部1の搬送路としての本体側シート供給路37に、シート状部材としての記録シートを搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、シート供給カセット42内の記録シートを画像形成部1内の本体側シート供給路37内に給紙する。
画像形成部1は、光書込装置2や、黒、イエロー、マゼンタ、シアン(K、Y、M、C)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,3Y,3M,3C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、本体側シート供給路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,4Y,4M,4Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,4Y,4M,4Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
図2は、画像形成部1の内部構成の一部を拡大して示す部分構成図である。
図3は、4つのプロセスユニット3K,3Y,3M,3Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。
4つのプロセスユニット3K,3Y,3M,3Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図3においては各符号に付すK、Y、M、Cという添字を省略している。
プロセスユニット3K,3Y,3M,3Cは、それぞれ、感光体とその周囲に配設された各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成部1本体に対して着脱可能になっている。一つのプロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。複写機500では、4つのプロセスユニット3K,3Y,3M,3Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュー8、これらスクリュー間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ13は、ドクタブレード14との対向位置から現像スリーブ12の回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ12上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ12表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ12表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、磁気ブラシを形成し、現像スリーブ12に担持され現像領域を通過した二成分現像剤は、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。現像装置6としては、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
ドラムクリーニング装置15としては、弾性体からなるクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュー20上に落下する。回収スクリュー20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡された回収トナーを現像装置6に送ってリサイクルする。
除電ランプ22は、光照射によって感光体4の表面を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。複写機500では、帯電装置5として帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いているが、感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,3Y,3M,3Cの感光体4K,4Y,4M,4Cには、これまで説明してきたプロセスによってK、Y、M、Cトー像が形成される。
4つのプロセスユニット3K,3Y,3M,3Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。転写ユニット24は、複数のローラによって張架している中間転写ベルト25を、感光体4K,4Y,4M,4Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,4Y,4M,4Cと、中間転写ベルト25とが当接するK、Y、M、C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ26K,26Y,26M,26Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,4Y,4M,4Cに向けて押圧している。これら一次転写ローラ26K,26Y,26M,26Cには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4K,4Y,4M,4C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの二次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
この二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されている。また、レジストローラ対33のレジストニップの入口付近には、図示しないレジストローラセンサが配設されている。シート供給装置40からレジストローラ対33に向けて搬送されてくる記録シートPは、その先端が不図示のレジストローラセンサに検知された所定時間後に記録シートPの搬送が一時停止し、レジストローラ対33のレジストニップに先端を突き当てる。この結果、記録シートPの姿勢が修正され、画像形成との同期をとる準備が整う。
記録シートPの先願がレジストニップに突き当たると、レジストローラ対33は、記録シートPを中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングでローラ回転駆動を再開して、記録シートPを二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって記録シートPに一括二次転写され、記録シートPの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過した記録シートPは、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト25のおもて面には、二次転写ニップで記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
定着装置34に搬送された記録シートPは、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外の排紙トレイ501へと排出される。
先に示した図1において、紙搬送ユニット28および定着装置34の下には、記録シート反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。これにより、両面プリントを行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた記録シートPの搬送経路が、切換爪によってスイッチバック装置36側に切り換えられ、そこで反転されて再び二次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ501上に排紙される。
画像形成部1のレジストローラ対33に対しては、シート供給装置40から送り出された記録シートが送り込まれる他、画像形成部1の側壁に開閉可能に設けられた手差しトレイ38から送り出された記録シートが送り込まれることもある。
図4は、本実施形態におけるスキャナ150及びADF51を示す斜視図である。
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150やこれの上に取り付けられたADF51からなる画像読取ユニット50は、固定読取部や移動読取部152を有している。移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第二コンタクトガラス155の直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス155上に載置された図示しない原稿MSの下面で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ150に固定された画像読取センサ153で受光する。
一方、画像読取ユニット50は固定読取部として、スキャナ150の内部に配設された第一固定読取部151と、ADF51内に配設された後述する第二固定読取部95とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する第一固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第一コンタクトガラス154の直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス154上を通過する際に、光源から発した光を原稿MSの第一面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第一面を走査する。また、第二固定読取部95は、第一固定読取部151を通過した後の原稿MSの第二面を走査する。
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、シートである原稿MSを搬送するための原稿搬送部54、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。図4に示すように、台座部であるスキャナ150に固定されたヒンジ機構を構成する蝶番159によって上下方向に回動可能に支持されている。そして、その回動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第一コンタクトガラス154や第二コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じたブック原稿などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADF51による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図5に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第二コンタクトガラス155上に載せた後、ADF51を閉じる。そして、スキャナ150の図2に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第一固定読取部151やADF51内の第二固定読取部95に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、操作部108のコピースタートボタン158を押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に原稿搬送部54内に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第一固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第一面の画像がスキャナ150の第一固定読取部151によって読み取られる。
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図である。
ADF51は、原稿載置部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部D、第一読取搬送部E、第二読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。本実施形態に係るADF51の原稿搬送部54は、分離搬送部Bの下流側の後端検知手段M1による検知位置から、読取入口ローラ対90までの原稿MSが搬送される経路を構成する部分である。
原稿載置部Aは、原稿MSの第一面が上方となるように原稿MSの束がセットされる原稿載置台53等を有している。分離搬送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出すものである。ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させて、原稿MSの第一面を下方に向けるものである。第一読取搬送部Eは、第一コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第一コンタクトガラス154の下方からスキャナ150の内部に配設されている第一固定読取部151に原稿MSの第一面を読み取らせるものである。第二読取搬送部Fは、第二固定読取部95の下方に配置されたガイド板96によって原稿MSを支持しながら、原稿MSの第二面を第二固定読取部95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、原稿スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
図6は、ADF51の電気回路の一部を示すブロック図である。
ADF51のコントローラ100は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成され、各種の演算処理や、制御プログラムの実行を行うことができる。このコントローラ100には、各モータ101〜105、113〜114、各種センサ部、固定画像読取部300(第一固定読取部151または第二固定読取部95)等が接続されている。
図7は、固定画像読取部300の電気回路の一部を示すブロック図である。
固定画像読取部300は、光源部200、センサチップ201、画像処理部204、フレームメモリ205、出力制御回路206、I/F回路207等を有している。光源部200は、例えば、LEDアレイ、蛍光灯、あるいは冷陰極管などから構成される。また、センサチップ201は、主走査方向(原稿幅方向に対応する方向)に並ぶ複数のセンサチップで構成され、それぞれのセンサチップに個別に接続された複数のOPアンプ回路202、それぞれのOPアンプ回路202に個別に接続された複数のA/Dコンバータ203も有している。センサチップ201は、等倍密着イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものである。
固定画像読取部300による読取位置に原稿MSが進入するのに先立って、コントローラ100から光源部200に点灯ON信号が送られる。これにより、光源部200が点灯し、その光を原稿MSの第2面に向けて照射する。原稿の第2面で反射した反射光は、複数のセンサチップ201において、集光レンズによって光電変換素子に集光されて画像情報として読み取られる。それぞれのセンサチップ201で読み取られた画像情報は、OPアンプ回路202によって増幅された後、A/Dコンバータ203によってデジタル画像情報に変換される。これらデジタル画像情報は、画像処理部204に入力されてシェーディング補正などが施された後、フレームメモリ205に一時記憶される。その後、出力制御回路206によって本体制御部111に受入可能なデータ形式に変換された後、I/F回路107を経由して本体制御部111に出力される。なお、コントローラ100からは原稿の先端が固定画像読取部300による読取位置に到達するタイミング(そのタイミング以降の画像データが有効データとして扱われる)を知らせるためのタイミング信号や光源の点灯信号、電源等が出力されるようになっている。
先に示した図5において、画像の読み取りが行われる原稿MSは、原稿先端部を支持し原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能な可動原稿テーブル53bと、原稿後端側を支持する固定原稿テーブル53aとから構成される原稿載置台53上に、第一面が上向きとなるように載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向(原稿MSの搬送方向に直交する方向で、図紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれ図示しないサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置決めがなされる。
このようにして原稿載置台53にセットされた原稿MSは、可動原稿テーブル53bの上方で揺動可能に配設されたレバー部材であるセットフィラー62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサ63が原稿MSのセットを検知して、検知信号をコントローラ100に送信する。そして、この検知信号は、コントローラ100からインターフェイス回路(以下「I/F」という。)107を介して画像読取ユニット50の本体制御部111に送信される。
また、固定原稿テーブル53aには、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサ又は原稿一枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサからなる複数の長さ検知センサ57,58が配置されている。これらの長さ検知センサ57,58による検知結果に基づいて、原稿MSの搬送方向の長さの概略が判定される。
可動原稿テーブル53bの上方にはピックアップローラ80が配置されている。
可動原稿テーブル53bは、底板昇降モータ105の駆動により、駆動するカム機構によって図中矢印c、d方向に揺動する。原稿MSが原稿載置台53にセットされたことをセットフィラー62や原稿セットセンサ63で検知すると、コントローラ100は底板昇降モータ105を正転させて束状の原稿MSの最上面がピックアップローラ80と接触するように可動原稿テーブル53bを上昇させる。
送出手段としてのピックアップローラ80は、ピックアップ昇降モータ101によって駆動するカム機構により、図中矢印c、d方向に移動可能となっている。また、ピックアップローラ80は、可動原稿テーブル53bが上昇して可動原稿テーブル53b上の原稿MSの上面により押されて図中矢印c方向に上がる。これをテーブル上昇センサ59で検知することにより、原稿上面レベルの上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップ昇降モータ101が停止するとともに底板昇降モータ105が停止する。なお、テーブル上昇センサ59としては、ピックアップローラ80を移動可能に保持するピックアップホルダーの被検部材を検知することで、原稿上面レベルの上限までの上昇を間接的に検知するものを用いた。この構成のものに代えて、原稿上面レベルを直接的に検知するものを設けてもよい。
操作部108より、両面モードか片面モードかをキー押下により指定した後に、コピースタートボタン158が押下され、本体制御部111からI/F107を介してADF51のコントローラ100に原稿給紙信号が送信される。これにより、給紙モータ102が駆動してピックアップローラ80が回転駆動し、原稿載置台53上の数枚(理想的には1枚)の原稿MSを原稿載置部Aから送り出す。ピックアップローラ80の回転方向は、最上位の原稿MSを給紙口48に搬送する方向である。ここで、両面モードか片面モードかを設定する際、原稿載置台53上にセットされたすべての原稿MSに対して同じように設定しても良いし、1枚目、2枚目、・・・n枚目のそれぞれの原稿に対して異なる設定をしても良い。例えば、全10枚の原稿中、1枚目と10枚目は両面モード、その他は片面モードのように設定してもよい。
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離手段としての分離搬送部Bに進入して、給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ102の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ102の正転によって図中時計回りに回転駆動されるリバースローラ85が当接している。この当接部においては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、リバースローラ85の表面は、給紙方向とは逆方向に移動しようとするが、リバースローラ85の駆動伝達部には不図示のトルクリミッターが設けられており、給紙方向に向かう力がトルクリミッターのトルクよりも大きいとリバースローラ85は給紙方向に表面移動するように回転する。リバースローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接して分離ニップを形成しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは分離ニップに原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、給紙ベルト84又は原稿MSに連れ回る。但し、当接部に複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているため、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、リバースローラ85によって給紙方向とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離される。これにより、重送が防止される。
給紙ベルト84やリバースローラ85の作用によって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、給紙ベルト84によって更に送られ、突き当てセンサ72によって先端が検知されつつ、更に進んで停止しているプルアウトローラ対86に突き当たる。その後、突き当てセンサ72による先端の検知から所定時間だけ給紙モータ102を駆動させて、停止する。これにより、原稿MSが突き当てセンサ72による検知位置から所定量定められた距離だけ送られ、結果的には、原稿MSがプルアウトローラ対86に所定量の撓みをもって押し当てられた状態で給紙ベルト84による原稿MSの搬送が停止する。そして、突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたときに、ピックアップ昇降モータ101を回転させることでピックアップローラ80を原稿MSの上面から退避させ原稿MSを給紙ベルト84の搬送力のみで送る。これにより、原稿MSの先端は、プルアウトローラ対86の上下のローラによって形成されるニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
プルアウトローラ対86は、上述したように、スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿MSを中間ローラ対66まで搬送するためのローラ対で、プルアウトモータ113により2つのローラのうちの一方が駆動される。
プルアウトローラ対86によって送り出された原稿MSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサ等からなる紙検知センサを原稿幅方向(図紙面に直交する方向)に複数個並べたセンサであり、どの紙検知センサが原稿MSを検知するかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズを検知する。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサ72によって検知されてから、原稿MSが突き当てセンサ72によって検知されなくなる(原稿MSの後端が通過する)までのタイミングに基づいてモータパルスから検知する。
プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の駆動によって搬送される原稿MSは、中間ローラ対66及び読取入口ローラ対90によって搬送されるターン部Dに進入する。
中間ローラ対66はプルアウトローラ対86の駆動源であるプルアウトモータ113と、読取入口ローラ対90の駆動源である読取入口モータ114との両方のモータから駆動が伝達される構成となっている。そして、2つのモータのうち、回転速度が速くなる側のモータの駆動によって回転速度が決まる機構を備えている。
画像読取ユニット50では、プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の回転駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿MSが搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定しており、原稿MSを第一読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮が図られている。このとき、中間ローラ対66はプルアウトモータ113を駆動源として回転する。
原稿MSの先端が読取入口センサ67により検出されると、読取入口ローラ対90の上下のローラによって形成されるニップに原稿MSの先端が進入する前に、原稿MSの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度と同速にするために、プルアウトモータ113の減速を開始する。これと同時に、読取入口モータ114及び読取モータ103を正転駆動する。読取入口モータ114を正転駆動することで読取入口ローラ対90が搬送方向に回転駆動し、読取モータ103を正転駆動することで読取出口ローラ対92及び第二読取出口ローラ対93が搬送方向にそれぞれ駆動する。
ターン部Dから第一読取搬送部Eに向かう原稿MSの先端をレジストセンサ65で検知すると、コントローラ100は、所定の時間をかけて各モータの駆動を減速することで、原稿MSの搬送速度を所定の搬送距離をかけて減速する。そして、コントローラ100は、第一固定読取部151による第一読取位置400の手前で原稿MSを一時停止するように制御すると共に、本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。続いて、コントローラ100が本体制御部111より読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿MSの原稿先端が第一読取位置400に到達するまでに、原稿MSの搬送速度が所定の搬送速度に立ち上がるように、読取入口モータ114及び読取モータ103の駆動を制御する。これにより、原稿MSは搬送速度が増速されつつ、第一読取位置400に向かって搬送される。そして、読取入口モータ114のパルスカウントに基づいて算出された原稿MSの先端が第一読取位置400に到達するタイミングで、コントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第一面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第一読取位置400を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第一面が第一固定読取部151によって読み取られる。
第一読取搬送部Eを通過した原稿MSは、読取出口ローラ対92のニップを通過した後、その先端が排紙センサ61によって検知され、さらに、その後、第二読取搬送部Fを通過して排紙部Gへと搬送される。
原稿MSの片面(第一面)のみを読み取る場合には、第二固定読取部95による原稿MSの第二面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿の先端が検知されると、排紙モータ104の正転駆動が開始されて、排紙ローラ対94における図中上側の排紙ローラが図中反時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されてからの排紙モータ104のパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ104の駆動速度が減速せしめられて、原稿MSが原稿スタック台55から飛び出さないような速度で排紙されるように制御される。
一方、原稿MSの両面(第一面及び第二面)を読み取る場合には、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知された後、第二固定読取部95に到達するまでのタイミングが読取モータ103のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第二面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第二固定読取部95による第二読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第二面が第二固定読取部95によって読み取られる。
読取手段としての第二固定読取部95は、密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。また、原稿MSが通過する搬送路を挟んで第二固定読取部95に対向する位置には、原稿MSにおける被読取面(第二面)の反対面(第一面)をガイドするガイド部を備えた対向部材としてのガイド板96が配設されている。このガイド板96は、第二固定読取部95による第二読取位置での原稿MSの浮きを抑えるガイド部と、第二固定読取部95におけるシェーディングデータを取得するための白色基準部とを備えている。
一般に、CISのような等倍結像系の光学系では、光路が短く、光源からの光の集光度が高いため、原稿MSが読取面から浮いて第二固定読取部95と原稿MSとの距離変化に応じた出力レベルの変化が大きい。ここでは、第二固定読取部95と原稿MSとの距離に応じた出力レベルの変化量を、照明深度特性と定義する。固定された第二固定読取部95の原稿読取位置を原稿が通過している間に原稿画像を読み取るシートスルー方式の場合、第二固定読取部95とこれに原稿読取位置で対向するガイド板96との間に、最大紙厚の原稿が通るだけの微小隙間をあける必要がある。最大紙厚が厚い仕様の装置ほど、この微小隙間を大きくする必要がある。
一方、第二固定読取部95によって読み取られる白基準データ生成用の白色基準部は、少なくとも白色基準読取時には第二固定読取部95の原稿読取位置に対向配置される。白色基準部の読取結果に基づくシェーディング補正を正確に行うには、原稿読取時における第二固定読取部95と原稿MSとの距離と、白色基準読取時における第二固定読取部95と白色基準部との距離とをなるべく同じにすることが望まれる。しかしながら、第二固定読取部95とガイド板96との間の微小隙間を原稿MSが通過する際、原稿MSのばたつきが発生して、原稿MSと第二固定読取部95との距離が変動する場合がある。この場合、第二固定読取部95と白色基準部との距離は一定であるのに対し、原稿MSと第二固定読取部95との距離が変動することになるので、両者の距離を同じにすることが難しい。
図8は、白色基準読取時における第二固定読取部95と白色基準部との距離と、原稿読取時における第二固定読取部95と原稿MSとの距離との違いが、読取画像に及ぼす影響を説明するための概略構成図である。
第二固定読取部95の光源951から照射される光は、ガラス952を透過して、ガイド板96の白色基準部961又は原稿MSに照射される。その拡散光は、SLA(セルホックレンズアレー)953を介してセンサ基板954のセンサICで受光され、光電変換されてアナログ画像信号として出力される。
白色基準部961は、ガラス952の外面(読取面)から距離Aだけ離れた箇所で第二固定読取部95に読み取られる。一方、原稿MSは、ガラス952の外面(読取面)から距離Bだけ離れた箇所で第二固定読取部95に読み取られる。この場合、白色基準部961の読取時における距離Aと原稿MSの読取時における距離Bが異なることになる。
白色基準部961の読取結果を用いたシェーディング補正は、光源のムラやセンサ感度ムラを含む読取画像データから、そのようなムラの影響を軽減するための処理であり、例えば、下記式(1)の演算処理により行われる。下記式(1)中、「Dout」はシェーディング後の出力画像データであり、「Din」は原稿読取時の画像データ(原稿画像データ)であり、「Dsh」は白色基準部読取時の画像データ(シェーディングデータ)であり、「Bk」は黒レベル(光が入らない時の画像データレベル)である。
Dout=(Din−Bk)/(Dsh−Bk)×(2n−1) ・・・(1)
図9は、白色基準部961の読取時のシェーディングデータDshと、一様な画像濃度をもった原稿の読取時の原稿画像データDinとについて、主走査方向の分布の一例を表したグラフである。
図10は、白色基準部961の読取時のシェーディングデータDshと、一様な画像濃度をもった原稿の読取時の原稿画像データDinとについて、主走査方向の分布の他の例を表したグラフである。
主走査方向における全画素位置で、シェーディングデータDshと原稿画像データDinとの出力比率が同じであれば、図9に示すように、シェーディング補正後の画像データDoutは主走査方向で一定の画像データが出力される。
しかしながら、図10に示すように、主走査方向中央付近において、照明深度特性にバラツキが発生している場合、主走査方向中央付近とそれ以外の部分との間で、シェーディングデータDshの取得時における読取距離Aと原稿画像データDinの取得時における読取距離Bとの違いによる読み取りレベルの差が生じる。この場合、一様な画像濃度の原稿を読み取った場合でも、シェーディング補正後の画像データDoutは主走査方向で一定にならない。この状況は副走査方向において連続するため、読取画像上に縦スジとなって現れる。
図11は、第二読取搬送部Fの概略構成を示す拡大図である。
本実施形態において、第二固定読取部95に対向配置されているガイド板96は、その原稿搬送方向上流側端部が状態変化手段としての回動軸962に回動自在に支持されている。このガイド板96の原稿搬送方向下流側部分には、第二固定読取部95の読取面に接触する接触面が形成されており、その接触面上に白色基準部961としての白色平面が形成されている。
図12(a)及び(b)は、ガイド板の状態変化(動き)を説明するための説明図である。
ガイド板96は、支持端部96Cの主走査方向両端面から主走査方向外側へ突出するように回動軸962を有し、その回動軸962が図示しない本体側板に設けられた孔部に挿入されて回動自在に軸支されている。ガイド板96は、この支持端部96Cから第二固定読取部95の原稿読取位置に向けて斜めに延びるガイド部96Bを有する。このガイド部96Bの先には、白色基準部961が形成された先端部96Aが連続している。ガイド部96Bのガイド面(原稿搬送方向上流側に向いた面)と先端部96Aの白色基準部961の面とのなす角度は180°よりも大きくなるように形成されている。本実施形態のガイド板96は、ガイド部96Bが白色基準部961よりも原稿搬送方向上流側に位置している。
本実施形態のガイド板96は、回動軸962を中心とした重量バランスにより、図12(a)に示すように、その先端部96Aの白色基準部961が第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態(白色基準読取状態)に維持される。このとき、白色基準部961である白色平面が第二固定読取部95の読取面95aに実質的に密着するように構成されている。
一方、ガイド板96の状態が白色基準読取状態であるときに、原稿MSは読取出口ローラ対92から搬送力を得て原稿読取位置に向けて進行してくると、原稿MSの先端がガイド板96のガイド部96Bのガイド面に衝突する。その衝突後、原稿MSの先端はガイド面の傾斜に沿って第二固定読取部95の読取面95aに向けて移動するとともに、ガイド板96は原稿MSに押し込まれて回動軸962を中心に図中時計回り方向へ僅かに回動する。これにより、第二固定読取部95の読取面95aとガイド板96との間に微小間隙が形成され、その微小間隙に原稿MSの先端が入り込む。
ガイド板96はその重量バランスにより図中反時計回り方向へ回動する付勢力が働いており、微小間隙に入り込んだ原稿MSは、ガイド板96におけるガイド部96Bの先端(先端部96Aとの境目付近)で、第二固定読取部95の読取面95a側へ押圧する。ガイド部96Bの先端が原稿MSを押圧する位置は、図12(b)に示すように、原稿読取位置に対して原稿搬送方向上流側に位置している。そして、原稿MSは原稿読取位置に対して鉛直方向下方から上方に向かって搬送されてくる。このようにして搬送されてくる原稿MSに対し、ガイド部96Bの先端が原稿読取位置の原稿搬送方向上流側で原稿MSを押圧することで、原稿読取位置に対向する原稿MSの部分は第二固定読取部95の読取面95aに押し付けられ、密着する。
このように、本実施形態では、ガイド板96によって搬送ガイドされる原稿MSの読取時における原稿の被読取面(第二面)と第二固定読取部95の読取面95aとの距離は実質的にゼロとなる。一方、本実施形態では、ガイド板96の状態が白色基準読取状態であるとき、上述したように、ガイド板96の白色基準部961と第二固定読取部95の読取面95aとの距離も実質的にゼロである。したがって、本実施形態では、両者の距離の違いがなく、シェーディング補正を正確に行うことが可能である。
ガイド部96Bの先端箇所を原稿MSの後端が抜けると、ガイド板96は、重量バランスにより、図中反時計回りに回動し、先端部96Aの白色基準部961が第二固定読取部95の読取面95aに接触する白色基準読取状態となる。本実施形態では、原稿MSが画像読取位置に存在しない所定のタイミングで、第二固定読取部95により白色基準部961を読み取り、シェーディングデータDshで得て、シェーディング補正処理を行う。本実施形態においては、このようなタイミングにおいては、常に、先端部96Aの白色基準部961が第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態となっており、正確なシェーディング補正が可能である。
しかも、図12(b)に示すように、原稿MSが原稿読取位置を通過する際におけるガイド板96の状態(ガイド状態)では、ガイド板96の白色基準部961が原稿MSに接触しない位置(退避位置)に位置する。よって、白色基準部961に原稿MSの汚れや紙粉等が付着し難く、白色基準部に汚れや紙粉が付着することによるシェーディング補正の精度悪化も抑制される。
更に、本実施形態では、ガイド板96の状態は、ガイド板96が原稿MSに押し込まれることで白色基準読取状態からガイド状態へ変化(回動)し、また、原稿が抜けた後はガイド板96の重量バランスによりガイド状態から白色基準読取状態へ変化(回動)する。したがって、電動モータやソレノイドなどの駆動源からの駆動力を用いることなく、ガイド板96の状態を変化させることができる。その結果、安価で、かつ、低重量の製品開発が可能となっている。
なお、本実施形態では、ガイド状態から白色基準読取状態へのガイド板96の状態変化を、ガイド板96の重量バランスによって実現しているが、例えば、図13に示すように、付勢手段により、ガイド板96を図中反時計回り方向へ回動するように付勢する構成としてもよい。この場合でも、付勢手段としてバネあるいはスプリング等を用いることで、駆動源を追加する必要が無く、安価で、かつ、低重量の製品開発が可能である。
また、本実施形態では、原稿MSが画像読取位置に存在しないタイミングでは、常に、ガイド板96が重量バランスにより白色基準読取状態となるように構成されているが、何らかの原因でガイド板96が白色基準読取状態にならないこともあり得る。よって、図14に示すように、ガイド板96の状態がガイド状態であるか白色基準読取状態であるかを検知する状態検知手段としてのガイド板状態検知センサ964を設けてもよい。図14の例では、ガイド板状態検知センサ964として反射型光センサを用い、ガイド板96の一部965を検知対象として監視することで、ガイド板96がガイド状態であるか白色基準読取状態であるかを検知する。
このようなガイド板状態検知センサ964を設けることで、例えば、原稿MSの先端が原稿読取位置を過ぎている時期になっても、ガイド板96がガイド状態にならずに白色基準読取状態のままである場合には、原稿搬送を停止するというような処理が可能となる。異物の引っかかり等が原因でガイド板96が適切に回動できない状態になることがあり、そのような場合には、原稿MSの先端がガイド板96に堰き止められてジャムが発生することがある。ガイド板状態検知センサ964を設けることで、このようなジャムの発生をいち早く認識することが可能となり、ガイド板状態検知センサ964の検知結果に基づいて上記のような処理が可能となることで、ジャムによるダメージを最小限に抑えることができる。
また、このようなガイド板状態検知センサ964を設けることで、例えば、ガイド板96がガイド状態を継続する時間が、原稿MSの搬送方向長さや原稿搬送速度等に応じて予め把握される時間よりも長い場合には、原稿搬送を停止するというような処理が可能となる。この場合、原稿MSの先端が原稿読取位置を通過してから原稿MSの後端が原稿読取位置を通過るまでの間にジャムが発生し、ガイド板96と第二固定読取部95の読取面95aとの間にジャムした原稿が留まっている可能性が高い。ガイド板状態検知センサ964を設けることで、このようなジャムの発生を迅速に認識することが可能となり、ガイド板状態検知センサ964の検知結果に基づいて上記のような処理が可能となることで、ジャムによるダメージを最小限に抑えることができる。
また、本実施形態では、排紙センサ61が原稿MSの先端を検知したタイミングに基づいて、第二固定読取部95の読取動作の開始タイミングが制御されているが、上述したガイド板状態検知センサ964を設ける場合には、このガイド板状態検知センサ964の検知タイミングに基づいて第二固定読取部95の読取動作の開始タイミングを制御してもよい。すなわち、ガイド板状態検知センサ964によりガイド板96の状態が白色基準読取状態からガイド状態へ変化したことを検知したタイミングから規定時間が経過した後に、第二固定読取部95の読取動作を開始するように制御してもよい。
また、本実施形態では、排紙センサ61が原稿MSの先端を検知したタイミングに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算され、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ104の駆動速度を減速させる制御を行っている。上述したガイド板状態検知センサ964を設ける場合には、このガイド板状態検知センサ964の検知タイミングに基づいて排紙モータ104の駆動速度を減速させるタイミングを制御してもよい。すなわち、ガイド板状態検知センサ964によりガイド板96の状態がガイド状態から白色基準読取状態へ変化したことを検知したタイミングから規定時間が経過した後に、排紙モータ104の駆動速度を減速させるように制御してもよい。
〔変形例1〕
次に、上記実施形態におけるガイド板96及びガイド板96の状態を変化させる機構の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
シェーディングデータDshを取得する際、上記実施形態の構成では、第二固定読取部95と対向する箇所は常に白色基準部961の同一箇所である。そのため、その箇所に汚れ等が付着したとき、その汚れがシェーディング補正の誤差に与える影響は大きい。本変形例1は、第二固定読取部95と対向する白色基準部961の箇所に汚れ等が付着しても、その汚れがシェーディング補正の誤差に与える影響を小さくするものである。
図15〜図17は、本変形例1におけるガイド板96の動きを説明するための説明図である。
本変形例1において、ガイド板96の回動軸962を回動自在に軸支する本体側板の孔部965は、図15(b)に示すように、第二固定読取部95の読取面95aに沿って長尺な長孔部965Aと、その長孔部965Aの長手方向一端部に設けられる円形部965Bとを備えている。一方、この孔部965に軸支されるガイド板96の回動軸962は、その外周部に互いに平行な2つのガイド平面を備えており、図16(b)に示すように、回動軸962が回動を規制された状態で、長孔部965Aに沿ってスライド移動可能になっている。そして、この回動軸962が長孔部965Aの一端部に形成されている円形部965Bに進入すると、図17(b)に示すように、回動軸962は回動可能な状態になる。
本変形例1のガイド板96の回動軸962を中心とした重量バランスにより、図15(b)に示すように、ガイド板96の回動軸962は、孔部965の長孔部965Aの他端部(円形部965Bが形成されていない端部)に位置した状態に維持される。これにより、図15(a)に示すように、ガイド板96の先端部96Aの白色基準部961は、第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態(白色基準読取状態)に維持される。
一方、ガイド板96の状態が白色基準読取状態であるときに、原稿MSは読取出口ローラ対92から搬送力を得て原稿読取位置に向けて進行してくると、原稿MSの先端がガイド板96のガイド部96Bのガイド面に衝突する。その衝突後、原稿MSの先端はガイド面の傾斜に沿って第二固定読取部95の読取面95aに向けて移動するとともに、ガイド板96は原稿MSの先端に押されて、回動軸962が孔部965の長孔部965Aに沿ってスライド移動する。これにより、図16(a)に示すように、ガイド板96の白色基準部961は第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態のまま、その読取面95aに沿って平行移動する。
この平行移動により、第二固定読取部95には、平行移動の前後で、白色基準部961の異なる箇所が対向することになる。よって、この平行移動中に又は平行移動の前後のタイミングで、第二固定読取部95により、第二固定読取部95の読取面95aに接触している白色基準部961を読み取ることで、白色基準部961の複数箇所についてのシェーディングデータDshを取得することができる。このような複数のシェーディングデータDshを用いてシェーディング補正を行うことで、一部のシェーディングデータDshが白色基準部961の汚れ等の影響を受けたものであっても、その汚れがシェーディング補正の誤差に与える影響を小さくすることが可能となる。
ガイド板96は原稿MSの先端に押されて回動軸962が孔部965の円形部965Bまでスライド移動すると、その後、ガイド板96は、図17(a)に示すように、原稿MSの先端の更なる押し込みによって、回動軸962を中心に図中時計回り方向へ僅かに回動する。これにより、第二固定読取部95の読取面95aとガイド板96との間に微小間隙が形成され、その微小間隙に原稿MSの先端が入り込む。
ガイド板96はその重量バランスにより図中反時計回り方向へ回動する付勢力が働いており、微小間隙に入り込んだ原稿MSは、ガイド板96におけるガイド部96Bの先端(先端部96Aとの境目付近)で、第二固定読取部95の読取面95a側へ押圧する。これにより、上記実施形態と同様、原稿読取位置に対向する原稿MSの部分が第二固定読取部95の読取面95aに押し付けられ、密着する。
ガイド部96Bの先端箇所を原稿MSの後端が抜けると、ガイド板96の重量バランスにより、その回動軸962が円形部965B内を図中反時計回りに回動し、ガイド板96は、その先端部96Aの白色基準部961が第二固定読取部95の読取面95aに接触する白色基準読取状態となる。そして、ガイド板96の重量バランスにより、回動軸962が孔部965の長孔部965Aに沿って、円形部965Bから離れる方向へスライド移動する。これにより、ガイド板96の白色基準部961は第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態のまま、その読取面95aに沿って平行移動する。その結果、ガイド板96の先端部96Aの白色基準部961は、図15(a)に示すように、第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態(白色基準読取状態)に維持される。
本変形例1において、ガイド板96が白色基準読取状態であるときのガイド板96の平行移動は、ガイド板96が原稿MSに押し込まれる力、及び、ガイド板96の重量バランスによる力の作用で実現している。したがって、電動モータやソレノイドなどの駆動源からの駆動力を用いることなく、ガイド板96の平行移動を実現できており、安価で、かつ、低重量の製品開発が可能となっている。ただし、この場合、白色基準部961を読み取る時期が制限されてしまうという問題がある。よって、ソレノイドなどの駆動源からの駆動力によりガイド板96を平行移動させる構成としてもよい。この場合、原稿MSが画像読取位置に存在しないタイミングで駆動源を制御することで、比較的自由なタイミングで白色基準部961の読み取りを実行することができる。
また、本変形例1では、ガイド状態から白色基準読取状態へのガイド板96の状態変化(白色基準読取状態中のガイド板96の平行移動も含む。)を、ガイド板96の重量バランスによって実現しているが、例えば、図18に示すように、付勢手段の付勢力を利用して、ガイド板96の回動と平行移動を実現する構成としてもよい。この場合でも、図18に示す例では、付勢手段として、ガイド板96を平行移動させる付勢力を付与する引張スプリング966と、ガイド板96を回動させる付勢力を付与するトーションスプリング967とを用いている。これにより、ガイド部96Bの先端箇所を原稿MSの後端が抜けたとき、トーションスプリング967の付勢力により、ガイド板96の回動軸962が円形部965B内を図中反時計回りに回動する。その後、引張スプリング966の付勢力により、その回動軸962が孔部965の長孔部965Aに沿って、円形部965Bから離れる方向へスライド移動し、ガイド板96は平行移動する。そして、引張スプリング966の付勢力により、回動軸962が孔部965の長孔部965Aの他端部に留まる位置(ホームポジション)に、ガイド板96が維持される
また、本変形例1において、図19に示すように、ガイド板96がホームポジションに位置するか否かを検知する状態検知手段としてのホームポジションセンサ968を設けてもよい。図19の例では、ホームポジションセンサ968として反射型光センサを用い、ガイド板96の一部(支持端部96C)を検知対象として監視することで、ガイド板96がホームポジションであるか否かを検知する。このホームポジションセンサ968の検知結果は、上記実施形態のガイド板状態検知センサ964の検知結果と同じように利用できる。
例えば、ホームポジションセンサ968の検知結果を利用して、ジャムの発生を認識して原稿搬送を停止させる制御を行ったり、第二固定読取部95の読取動作の開始タイミングを制御したり、排紙モータ104の駆動速度の減速タイミングを制御したりすることができる。
〔変形例2〕
次に、上記実施形態におけるガイド板96及びガイド板96の状態を変化させる機構の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2のガイド板96は、ガイド部96Bと白色基準部961とが原稿搬送方向に沿うように並んで配置されており、白色基準部961よりもガイド部96Bが原稿搬送方向上流側に位置している。本変形例2では、ガイド板96を第二固定読取部95の読取面95aに沿って変位させることにより、ガイド状態と白色基準読取状態との間でガイド板96の状態を変化させる。
図20(a)〜(c)は、本変形例2におけるガイド板96及びガイド板96の状態を変化させる機構を説明するための説明図である。
本変形例2においては、上記実施形態や上記変形例1のように、ガイド板96を回動させるための回動軸962を備えていない。本変形例2のガイド板96は、その支持端部96Cが、スライドレール970によってスライド可能に支持されている。支持端部96Cがスライドレール970に沿ってスライド移動することにより、ガイド板96は第二固定読取部95の読取面95aに沿って変位する。
本変形例2のガイド板96は、付勢手段である押しバネ969の付勢力により、図20(a)に示すように、ガイド板96の支持端部96Cがスライドレール970の一端部側(図中左側)に押し込められ、その状態に維持される。このとき、ガイド板96の先端部96Aの白色基準部961は、第二固定読取部95の読取面95aに接触した白色基準読取状態となる。
一方、ガイド板96の状態が白色基準読取状態であるときに、原稿MSは読取出口ローラ対92から搬送力を得て原稿読取位置に向けて進行してくると、原稿MSの先端がガイド板96のガイド部96Bのガイド面に衝突する。その衝突後、原稿MSの先端はガイド面の傾斜に沿って第二固定読取部95の読取面95aに向けて移動するとともに、ガイド板96は原稿MSの先端に押され、押しバネ969の付勢力に抗して、その支持端部96Cがスライドレール970に沿ってスライド移動する。これにより、図20(b)に示すように、ガイド板96は、その白色基準部961を第二固定読取部95の読取面95aに接触させた状態のまま、その読取面95aに沿って平行移動する。
この平行移動により、第二固定読取部95には、平行移動の前後で、白色基準部961の異なる箇所が対向することになる。よって、上記変形例1の場合と同様、この平行移動中に又は平行移動の前後のタイミングで、第二固定読取部95により、第二固定読取部95の読取面95aに接触している白色基準部961を読み取ることで、白色基準部961の複数箇所についてのシェーディングデータDshを取得することができる。このような複数のシェーディングデータDshを用いてシェーディング補正を行うことで、一部のシェーディングデータDshが白色基準部961の汚れ等の影響を受けたものであっても、その汚れがシェーディング補正の誤差に与える影響を小さくすることが可能となる。
ガイド板96が原稿MSの先端に押され、押しバネ969の付勢力に抗して、更に第二固定読取部95の読取面95aに沿って平行移動すると、ガイド板96の白色基準部961はその読取面95aとの対向位置から外れる。そして、支持端部96Cがスライドレール970の他端部までスライド移動すると、ガイド板96は、ガイド状態となり、図20(c)に示すように、第二固定読取部95の読取面95aとガイド板96との間に微小間隙が形成され、その微小間隙に原稿MSの先端が入り込む。
また、支持端部96Cがスライドレール970の他端部までスライド移動すると、図20(c)に示すように、ガイド板96の白色基準部961は、第二固定読取部95の読取面95aから離間して、第二固定読取部95の原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側の退避位置に位置決めされる。この退避位置に位置することで、白色基準部961は原稿に接触しないので、原稿の接触による汚れ等が白色基準部961に付着しにくい。
特に、本変形例2では、退避位置が、第二固定読取部95の原稿読取位置よりも原稿搬送方向下流側に位置する原稿下ガイド97の下方に位置している。そのため、この退避位置に位置する白色基準部961への原稿の接触は、この原稿下ガイド97によって遮断され、原稿の接触による汚れ等が白色基準部961に、より付着しにくい構成となっている。
ガイド状態であるガイド板96には、押しバネ969により、第二固定読取部95の読取面95aに沿って読取面95aに近づく方向(図中左側)への付勢力が働いている。そのため、微小間隙に入り込んだ原稿MSは、ガイド板96におけるガイド部96Bの先端(先端部96Aとの境目付近)で、第二固定読取部95の読取面95a側へ押圧する。これにより、上記実施形態と同様、原稿読取位置に対向する原稿MSの部分が第二固定読取部95の読取面95aに押し付けられ、密着する。
ガイド部96Bの先端箇所を原稿MSの後端が抜けると、押しバネ969の付勢力により、ガイド板96の支持端部96Cは、スライドレール970に沿ってスライド移動する。これにより、ガイド板96は、第二固定読取部95の読取面95aに沿って平行移動する。この平行移動中、ガイド板96の白色基準部961は第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態のまま、その読取面95aに沿って平行移動する。その結果、ガイド板96の先端部96Aの白色基準部961は、第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態(白色基準読取状態)に維持される。
本変形例2において、ガイド板96の平行移動は、ガイド板96が原稿MSに押し込まれる力、及び、押しバネ969の付勢力の作用で実現している。したがって、電動モータやソレノイドなどの駆動源からの駆動力を用いることなく、ガイド板96の平行移動を実現できており、安価で、かつ、低重量の製品開発が可能となっている。ただし、この場合、白色基準部961を読み取る時期が制限されてしまうという問題がある。よって、ソレノイドなどの駆動源からの駆動力によりガイド板96を平行移動させる構成としてもよい。この場合、原稿MSが画像読取位置に存在しないタイミングで駆動源を制御することで、比較的自由なタイミングで白色基準部961の読み取りを実行することができる。
また、本変形例2においては、図20に示すように、ガイド板96がホームポジションに位置するか否かを検知する状態検知手段としてのホームポジションセンサ968を設けてもよい。図20の例では、ホームポジションセンサ968として反射型光センサを用い、ガイド板96の一部(支持端部96C)を検知対象として監視することで、ガイド板96がホームポジションであるか否かを検知する。このホームポジションセンサ968の検知結果は、上記実施形態のガイド板状態検知センサ964の検知結果と同じように利用できる。例えば、ホームポジションセンサ968の検知結果を利用して、ジャムの発生を認識して原稿搬送を停止させる制御を行ったり、第二固定読取部95の読取動作の開始タイミングを制御したり、排紙モータ104の駆動速度の減速タイミングを制御したりすることができる。
〔変形例3〕
次に、上記実施形態におけるガイド板96の更なる変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図21は、本変形例3における第二読取搬送部Fの概略構成を示す拡大図である。
上述した実施形態では、ガイド板96に設けられた白色基準部961が白色平面で構成されているが、本変形例3の白色基準部は、ガイド板96に設けられる白色ローラ963の外周面で構成される。第二固定読取部95に対向配置されている本変形例3のガイド板96も、支持端部96Cの主走査方向両端面から主走査方向外側へ突出するように回動軸962を有し、その回動軸962が図示しない本体側板に設けられた孔部に挿入されて回動自在に軸支されている。ガイド板96は、この支持端部96Cから第二固定読取部95の原稿読取位置に向けて斜めに延びるガイド部96Bを有する。このガイド部96Bの先に、白色ローラ963が取り付けられた先端部96Aが連続している。
図22は、本変形例3において、白色ローラ963を取り外した状態のガイド板96の斜視図である。
図23は、白色ローラ963が取り付けられるガイド板96の先端部96Aの断面図である。
本変形例3においては、白色ローラ963の回転軸963aの両端は、ガイド板96の先端部96Aに形成された軸受け穴96Dに回転自在に支持される。このとき、白色ローラ963の外周面における周方向一部分は、図23に示すように、ガイド板96の先端部96Aに形成された開口部96Eから第二固定読取部95側に突出する。これにより、白色ローラ963の外周面が第二固定読取部95の読取面に接触可能となっている。
図24(a)〜(c)は、本変形例3におけるガイド板の動きを説明するための説明図である。
本変形例3のガイド板96も、回動軸962を中心とした重量バランスにより、図24(a)に示すように、その先端部96Aに取り付けられた白色ローラ963の外周面が第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態(白色基準読取状態)に維持される。このとき、白色ローラ963の外周面(白色基準部)が第二固定読取部95の読取面95aに実質的に密着するように構成されている。
一方、ガイド板96の状態が白色基準読取状態であるときに、原稿MSは読取出口ローラ対92から搬送力を得て原稿読取位置に向けて進行してくると、原稿MSの先端がガイド板96のガイド部96Bのガイド面に衝突する。その衝突後、原稿MSの先端はガイド面の傾斜に沿って第二固定読取部95の読取面95aに向けて移動するとともに、ガイド板96は原稿MSに押し込まれて回動軸962を中心に図中時計回り方向へ僅かに回動する。これにより、第二固定読取部95の読取面95aとガイド板96との間に微小間隙が形成され、その微小間隙に原稿MSの先端が入り込む。
ガイド板96は、上述した実施形態の構成と同様、その重量バランスにより図中反時計回り方向へ回動する付勢力が働いており、微小間隙に入り込んだ原稿MSは、ガイド板96におけるガイド部96Bの先端(先端部96Aとの境目付近)で、第二固定読取部95の読取面95a側へ押圧する。ガイド部96Bの先端が原稿MSを押圧する位置は、図24(b)に示すように、原稿読取位置に対して原稿搬送方向上流側に位置している。そして、原稿MSは原稿読取位置に対して鉛直方向下方から上方に向かって搬送されてくる。このようにして搬送されてくる原稿MSに対し、ガイド部96Bの先端が原稿読取位置の原稿搬送方向上流側で原稿MSを押圧することで、原稿読取位置に対向する原稿MSの部分は第二固定読取部95の読取面95aに押し付けられ、密着する。
このように、本変形例3においても、ガイド板96によって搬送ガイドされる原稿MSの読取時における原稿の被読取面(第二面)と第二固定読取部95の読取面95aとの距離は実質的にゼロとなる。また、本変形例3でも、ガイド板96の状態が白色基準読取状態であるとき、上述したように、ガイド板96の白色ローラ963と第二固定読取部95の読取面95aとの距離も実質的にゼロである。したがって、本実施形態では、両者の距離の違いがなく、シェーディング補正を正確に行うことが可能である。
また、本変形例3においては、安定したシェーディング補正を実現するために、白色ローラ963をシェーディング補正時には、図24(c)に示すように、回転駆動させる構成としている。本変形例3では、この白色ローラ963の駆動源としては、他の部材の回転駆動のために用いられている駆動源を利用する。具体的には、例えば、白色ローラ963よりも原稿搬送方向上流側に配置された読取出口ローラ対92の駆動源を利用する。
図25は、読取出口ローラ対92の駆動源を利用して白色ローラ963を回転駆動させる駆動系の一例を示す模式図である。
読取出口ローラ対92は、駆動ローラ92aとこれに接触する従動ローラ92bとから構成されており、この従動ローラ92bの回転軸に、ギヤ98Aが固定されている。このギヤ98Aは、従動ローラ92bの回転と一体的に回転する。一方、ガイド板96の回動軸962には、ギヤ98Bが回転自在に取り付けられている。このギヤ98Bは、ガイド板96の回動軸962とは独立して回転する。これらのギヤ98A,98Bには無端状のベルト99Aが掛け渡されている。
また、ガイド板96の回動軸962には、ギヤ98Cも回転自在に取り付けられている。このギヤ96Cは、ギヤ98Bと一体的に回転し、ガイド板96の回動軸962とは独立して回転する。また、白色ローラ963の回転軸963aには、ギヤ98Dが固定されている。このギヤ98Dは、白色ローラ963の回転と一体的に回転する。これらのギヤ98C,98Dには無端状のベルト99Bが掛け渡されている。
図示しない駆動源によって読取出口ローラ対92の駆動ローラ92aが回転駆動すると、これに連れ回る従動ローラ96bが回転し、その回転軸に固定されたギヤ98Aが回転する。これにより、ベルト99Aを介して、ギヤ98B及びギヤ98Cがガイド板96の回動軸962とは独立して回転する。そして、ギヤ98Cが回転駆動することで、ベルト99Bを介して、ギヤ98Dが回転駆動し、これにより白色ローラ963が回転駆動する。
本変形例3では、ガイド板96の回動軸962に取り付けたギヤ98B,98Cを介して、読取出口ローラ対92の駆動力を白色ローラ963に伝達する構成を採用している。これにより、ガイド板96が回動軸962を中心に回動して、白色ローラ963の位置が変わっても、ベルト99Aを張架する2つのギヤ98A,98Bの距離、及び、ベルト99Bを張架する2つのギヤ98C,98Dの距離が変化しない。したがって、白色ローラ963の駆動伝達機構を簡素化することができ、他の部材の回転駆動のために用いられている駆動源を利用して白色ローラ963を回転駆動させる場合には、好適である。
本変形例3において、ガイド部96Bの先端箇所を原稿MSの後端が抜けると、ガイド板96は、重量バランスにより、図中反時計回りに回動し、先端部96Aの白色ローラ963が第二固定読取部95の読取面95aに接触する白色基準読取状態となる。本変形例3でも、原稿MSが画像読取位置に存在しない所定のタイミングで、第二固定読取部95により白色ローラ963を読み取り、シェーディングデータDshで得て、シェーディング補正処理を行う。本実施形態においては、このようなタイミングにおいては、常に、先端部96Aの白色ローラ963が第二固定読取部95の読取面95aに接触した状態となっており、正確なシェーディング補正が可能である。
しかも、図24(b)に示すように、原稿MSが原稿読取位置を通過する際におけるガイド板96の状態(ガイド状態)では、ガイド板96の白色ローラ963が原稿MSに接触しない位置(退避位置)に位置する。よって、白色ローラ963に原稿MSの汚れや紙粉等が付着し難く、白色ローラ963に汚れや紙粉が付着することによるシェーディング補正の精度悪化も抑制される。
更に、本変形例3では、シェーディング補正時に白色ローラ963を回転駆動させるため、白色ローラ963の外周面の一部に汚れや紙粉が付着していても、その影響を軽減させることが可能である。
しかも、本変形例3では、白色ローラ963の駆動源として他の部材の駆動源を利用するので、シェーディング補正時に白色ローラ963を回転駆動させるための専用の駆動源が必要なくなる。これに対し、上記特許文献1に開示のDカット面を有する対向ローラは、原稿搬送時とシェーディング補正時とで対向ローラの回転角度を変更するための駆動源が必要であるところ、原稿搬送時には対向ローラの回転を停止させておく必要があるため、他の部材の駆動源(特に搬送部材の駆動源)を利用することができず、専用の駆動源が必要となる。よって、本変形例3によれば、上記特許文献1に開示のDカット面を有する対向ローラの構成と比較して、コストダウンと消費電力削減の点で有利である。
なお、本変形例3において、白色ローラ963に替えて、白色ベルトを採用してもよい。
また、本変形例3の構成を、上述した他の変形例などと組み合わせてもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
搬送される原稿MSの画像を読み取る第二固定読取部95等の読取手段と、上記読取手段による原稿読取位置で該読取手段に対向配置されたガイド板96等の対向部材とを有し、上記対向部材は、上記原稿読取位置を通過する原稿の被読取面(第二面)が上記読取手段の読取面95aに接する又は該読取面と微小距離だけ離間するように、該原稿における被読取面の反対面(第一面)をガイドするガイド部96B、及び、該読取手段による読取画像の補正基準となる白色基準部961を備えている画像読取装置において、上記対向部材は、板状部材で構成され、上記読取手段に対向する側の板面に上記ガイド部96Bと上記白色基準部961とが形成されたものであり、原稿読取時には、上記ガイド部96Bが原稿の上記反対面をガイドするガイド位置に位置するとともに上記白色基準部961が原稿に接触しない退避位置に位置するようなガイド状態となり、白色基準読取時には、該白色基準部961が上記読取手段の読取面95aに接する又は該読取面と微小距離だけ離間する白色基準読取位置に位置するような白色基準読取状態となるように、上記対向部材の状態を変化させる回動軸962、孔部965、支持端部96C及びスライドレール970等の状態変化手段を設けたことを特徴とする。
これによれば、読取手段に対向配置される対向部材が板状部材で構成されているので、ガイド部及び白色基準部の両方を併せ持つ対向部材としてDカット形状のローラ部材を採用したものよりも、製造コストを抑制しやすい。
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記状態変化手段は、電動モータやソレノイド等の駆動源からの駆動力を用いることなく、上記原稿読取位置に原稿が存在しないときには、上記対向部材の状態を上記白色基準読取状態に維持するとともに、該原稿読取位置へ進入する原稿MSの動きによって該対向部材の状態を該白色基準読取状態から上記ガイド状態へ変化させ、かつ、該原稿の後端が該原稿読取位置を通過するまでは該対向部材の状態を該ガイド状態に維持するものであることを特徴とする。
これによれば、駆動源を設ける場合よりも、安価で、かつ、低重量の製品開発が可能となる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、上記対向部材の状態が上記ガイド状態であるか上記白色基準読取状態であるかを検知するガイド板状態検知センサ964やホームポジションセンサ968等の状態検知手段を有することを特徴とする。
これによれば、対向部材の状態を正確に把握することができ、対向部材の状態が予定とは異なる状態になることによる各種不具合に対処することが可能となる。
(態様D)
上記態様Cにおいて、上記状態検知手段が上記ガイド状態であることを継続的に検知した時間が予め決められた搬送不良判断時間を超えた場合、原稿の搬送不良を示す搬送不良情報を出力するコントローラ100等の搬送不良情報出力手段を有することを特徴とする。
これによれば、異物の引っかかり等が原因で対向部材が適切に状態変化できない状況になって、原稿MSのジャムが発生しても、これをいち早く認識して原稿搬送を停止させることが可能となり、ジャムによるダメージを最小限に抑えることが可能となる。
(態様E)
上記態様C又はDにおいて、上記読取手段は、上記状態検知手段が上記ガイド状態であることを検知し始めてから予め決められた読取開始時間が経過したら、原稿画像の読み取りを開始することを特徴とする。
これによれば、読取手段の読取開始タイミングを把握するための原稿検知センサを状態検知手段とは別個に設ける必要がなくなるので、構成の簡素化が可能となる。
(態様F)
上記態様C〜Eのいずれかの態様において、上記状態検知手段が上記白色基準読取状態であることを検知し始めてから予め決められた排紙減速時間が経過したら、上記読取手段で読み取った原稿の搬送速度を減速させるための排紙減速情報を出力するコントローラ100等の排紙減速情報出力手段を有することを特徴とする。
これによれば、原稿の搬送速度を減速させるタイミングを把握するための原稿検知センサを状態検知手段とは別個に設ける必要がなくなるので、構成の簡素化が可能となる。
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、上記状態変化手段は、上記対向部材の状態が上記白色基準読取状態であるとき、上記白色基準部が上記読取手段の読取面に接し又は該読取面と微小距離だけ離間した状態で、該白色基準部が該読取手段の読取面に沿って移動するように、該対向部材を変位させることを特徴とする。
これによれば、上記変形例1や2で説明したように、白色基準部961の複数箇所についてのシェーディングデータDshを取得することが可能となり、複数のシェーディングデータDshを用いてシェーディング補正を行うことが可能となる。これにより、一部のシェーディングデータDshが白色基準部961の汚れ等の影響を受けたものであっても、その汚れがシェーディング補正の誤差に与える影響を小さくすることが可能となる。
(態様H)
上記態様Gにおいて、上記状態変化手段は、駆動源からの駆動力を用いることなく、上記原稿読取位置へ進入する原稿MSの動きによって、上記白色基準部961が上記読取手段の読取面95aに沿って移動するように、上記対向部材を変位させるものであることを特徴とする。
これによれば、駆動源を設ける場合よりも、安価で、かつ、低重量の製品開発が可能となる。
(態様I)
上記態様A〜Hのいずれかの態様において、上記対向部材は、上記ガイド部と上記白色基準部とが原稿搬送方向に沿うように並んで配置されており、上記状態変化手段は、上記対向部材を上記読取手段の読取面に沿って変位させることにより、上記ガイド状態と上記白色基準読取状態との間で該対向部材の状態を変化させるものであることを特徴とする。
これによれば、対向部材の状態を変化させる状態変化手段として、対向部材を回動させる機構を採用する場合よりも、簡易な構成を実現できる。特に、上記態様Gと組み合わせることで、この状態変化手段により対向部材を読取手段の読取面に沿って変位させることで、ガイド状態と白色基準読取状態との間で対向部材の状態を変化させるだけでなく、白色基準部961の複数箇所についてのシェーディングデータDshを取得するために対向部材を読取手段の読取面に沿って変位させることもできる。
(態様J)
原稿を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る画像読取部と、該画像読取部で読み取られた原稿画像データに基づき、画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置において、上記画像読取部として、上記態様A〜Iのいずれかの態様に係る画像読取装置を用いることを特徴とする。
これによれば、製造コストを抑制しつつ、適切にシェーディング補正された読取画像に基づく画像形成を行うことができる。
1 画像形成部
50 画像読取ユニット
92 読取出口ローラ対
95 第二固定読取部
95a 読取面
96 ガイド板
96A 先端部
96B ガイド部
96C 支持端部
97 原稿下ガイド
98A,98B,98C,98D ギヤ
99A,99B ベルト
100 コントローラ
150 スキャナ
951 光源
952 ガラス
954 センサ基板
961 白色基準部
962 回動軸
963 白色ローラ
964 ガイド板状態検知センサ
965 孔部
965A 長孔部
965B 円形部
966 引張スプリング
967 トーションスプリング
968 ホームポジションセンサ
969 押しバネ
970 スライドレール
特開2011−30174号公報

Claims (10)

  1. 搬送される原稿の画像を読み取る読取手段と、
    上記読取手段による原稿読取位置で該読取手段に対向配置された対向部材とを有し、
    上記対向部材は、上記原稿読取位置を通過する原稿の被読取面が上記読取手段の読取面に接する又は該読取面と微小距離だけ離間するように、該原稿における被読取面の反対面をガイドするガイド部、及び、該読取手段による読取画像の補正基準となる白色基準部を備えている画像読取装置において、
    上記対向部材は、板状部材で構成され、上記読取手段に対向する側の板面に上記ガイド部と上記白色基準部とが形成されたものであり、
    原稿読取時には、上記ガイド部が原稿の上記反対面をガイドするガイド位置に位置するとともに上記白色基準部が原稿に接触しない退避位置に位置するようなガイド状態となり、白色基準読取時には、該白色基準部が上記読取手段の読取面に接する又は該読取面と微小距離だけ離間する白色基準読取位置に位置するような白色基準読取状態となるように、上記対向部材の状態を変化させる状態変化手段を設けたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 請求項1の画像読取装置において、
    上記状態変化手段は、駆動源からの駆動力を用いることなく、上記原稿読取位置に原稿が存在しないときには、上記対向部材の状態を上記白色基準読取状態に維持するとともに、該原稿読取位置へ進入する原稿の動きによって該対向部材の状態を該白色基準読取状態から上記ガイド状態へ変化させ、かつ、該原稿の後端が該原稿読取位置を通過するまでは該対向部材の状態を該ガイド状態に維持するものであることを特徴とする画像読取装置。
  3. 請求項2の画像読取装置において、
    上記対向部材の状態が上記ガイド状態であるか上記白色基準読取状態であるかを検知する状態検知手段を有することを特徴とする画像読取装置。
  4. 請求項3の画像読取装置において、
    上記状態検知手段が上記ガイド状態であることを継続的に検知した時間が予め決められた搬送不良判断時間を超えた場合、原稿の搬送不良を示す搬送不良情報を出力する搬送不良情報出力手段を有することを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項3又は4の画像読取装置において、
    上記読取手段は、上記状態検知手段が上記ガイド状態であることを検知し始めてから予め決められた読取開始時間が経過したら、原稿画像の読み取りを開始することを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置において、
    上記状態検知手段が上記白色基準読取状態であることを検知し始めてから予め決められた排紙減速時間が経過したら、上記読取手段で読み取った原稿の搬送速度を減速させるための排紙減速情報を出力する排紙減速情報出力手段を有することを特徴とする画像読取装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像読取装置において、
    上記状態変化手段は、上記対向部材の状態が上記白色基準読取状態であるとき、上記白色基準部が上記読取手段の読取面に接し又は該読取面と微小距離だけ離間した状態で、該白色基準部が該読取手段の読取面に沿って移動するように、該対向部材を変位させることを特徴とする画像読取装置。
  8. 請求項7の画像読取装置において、
    上記状態変化手段は、駆動源からの駆動力を用いることなく、上記原稿読取位置へ進入する原稿の動きによって、上記白色基準部が上記読取手段の読取面に沿って移動するように、上記対向部材を変位させるものであることを特徴とする画像読取装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置において、
    上記対向部材は、上記ガイド部と上記白色基準部とが原稿搬送方向に沿うように並んで配置されており、
    上記状態変化手段は、上記対向部材を上記読取手段の読取面に沿って変位させることにより、上記ガイド状態と上記白色基準読取状態との間で該対向部材の状態を変化させるものであることを特徴とする画像読取装置。
  10. 原稿を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取る画像読取部と、該画像読取部で読み取られた原稿画像データに基づき、画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置において、
    上記画像読取部として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017098774A (ja) * 2015-11-25 2017-06-01 株式会社リコー 画像読取装置、画像形成装置、画像の読取方法
JP2018111599A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 金▲宝▼電子工業股▲ふん▼有限公司 スキャン装置及びその給紙モジュール
JP2020028030A (ja) * 2018-08-11 2020-02-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置

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