JP5188223B2 - 塗膜形成剤および塗膜 - Google Patents

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Description

本発明はポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂と称す。)を用いた塗膜形成剤に関するものであり、詳しくは、製膜安定性に優れた塗膜形成剤に関するものである。
従来、PVA樹脂と、アルコキシシランおよびシランカップリング剤を含有する組成物からゾル‐ゲル法によって、バリア性積層フィルムを得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記技術はまず、アルコキシシランを有機溶媒中、少量の水と触媒により加水分解させる(該加水分解物は同時に一部脱水縮合する)。次いで、かかる加水分解生成物(および/または縮合物)とPVA樹脂水溶液とを混合し、塗工液を得る。そして、かかる塗工液を基材フィルムに塗布し、溶媒を除去して塗膜を得るものである。
上記のようにゾル−ゲル法では一般的に金属アルコキシドが使用され、その溶媒としては有機溶媒(例えばアルコール類)が使用されるが、一般的にPVA系樹脂と有機溶媒とは相性が悪いため、有機溶媒を含むアルコキシシランの加水分解生成物溶液とPVA系樹脂水溶液とを混合すると、ゲル状物などの不純物が析出して系が不均一となり、製膜安定性に問題があった。特に、工業的に製造する場合には厳密なコントロールを要し、品質管理が煩雑であり、製品の規格ぶれが大きく再現性に乏しいという問題があった。
特開平4−345841号公報
本発明では、上記問題点を踏まえ、製膜安定性に優れた塗膜形成剤、およびそれから得られた塗膜を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、PVA系樹脂として、特定の構造を有するPVA系樹脂(B)を用いることで、PVA系樹脂とシランアルコキシドの加水分解生成物(A)との親和性が格段に向上した結果、本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)と、アルコール、水、下記の一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有することを特徴とする塗膜形成剤に存する。
Figure 0005188223
通常、一般的なPVA系樹脂はアルコールと相溶性が悪いため、水/アルコール溶媒に
おいてアルコール含量が比較的多い場合(例えば、25重量%以上)に、不溶物が積出す
る傾向があった。これに対して本発明で用いる、前記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(B)は、変性基の影響により、水/アルコール混合液中においてPVA系樹脂の結晶が成長し難く且つ水分子を水和する力が強いためか、本発明の塗膜形成剤は系中にアルコールを比較的多量に含んでいても1,2‐ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(B)が安定に溶解しており、ゲルなどの沈殿物や析出物を生じ難い傾向がある。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これら
の内容に特定されるものではない。
シランアルコキシドの加水分解生成物(A)について>
本発明で用いるシランアルコキシドの加水分解生成物(A)とは、シランアルコキシドを加水分解した生成物である。通常、シランアルコキシドは加水分解するとアルコキシ基が水酸基に置換される。かかる生成物は、生成物分子間で脱水縮合反応する性質を有するため、通常、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)には加水分解生成物が脱水縮合した縮合物を含有する。
上記シランアルコキシドは、ゾル−ゲル法に用いられる公知一般のシランアルコキシドであり、具体的にはケイ素原子にアルコキシ基が少なくとも1つ結合している化合物である。反応速度が比較的遅く、加水分解反応制御がしやすい点から、好ましくはケイ素である。
さらに、アルコキシ基とは、通常メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10の脂肪族アルコキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基等の炭素数6〜15の芳香族アルコキシ基である。加水分解反応制御がしやすい点から、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族アルコキシ基、特に好ましくは炭素数1〜4の脂肪族アルコキシ基である。
また、上記シランアルコキシドは、上記アルコキシ基以外の他の官能基を有していてもよい。例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基やベンジル基等のアリール基、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基(及びその誘導体)、ビニル基、アリル基等を有していてもよい。中でも好ましくは炭素数1〜4のアルキル基および炭素数6〜10のアリール基である
さらに、シランアルコキシドとして、例えば具体的にはモノアルコキシシラン、ジ
アルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランが挙げられる。
具体的には、ビニルジメチルエトキシシランなどのモノアルコキシシラン;ジメチルジ
メトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシラン;ジアリールジアルコキシシラン;
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]
プロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ジアルコキシシラン;3−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有ジアルコキシシラン;3−(メタ
)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有ジアル
コキシシラン;ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のアル
ケニル基含有ジアルコキシシラン;3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロ
ピルエチルジエトキシシランなどのエポキシ基含有ジアルコキシシラン類などのジアルコ
キシシランが挙げられる。
また、トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどのアルキルトリアルコキシシ
ラン類、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのアリールトリ
アルコキシシラン類、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−[N−(2−アミノエ
チル)アミノ]エチルトリメトキシシラン等のアミノ基含有トリアルコキシシラン;3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有トリアルコキシシラン;ビ
ニルトリメトキシシラン等のアルケニル基含有トリアルコキシシラン;2−(メタ)アク
リロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラ
ン等の(メタ)アクリロイル基含有トリアルコキシシラン;(グリシジルオキシアルキル
)トリアルコキシシラン(例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
エトキシシランなどのエポキシ基含有トリアルコキシシラン;γ−イソシアノプロピルト
リメトキシシラン、γ−イソシアノプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基
を有するトリアルコキシシラン;等のトリアルコキシシランが挙げられる。
さらに、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テ
トラブトキシシランなどのテトラアルコキシシランが挙げられる。
これらの中でも市場入手性の点から、特に好ましくはトリアルコキシシランおよびテトラアルコキシシランであり、殊に好ましくは炭素数1〜4の脂肪族アルコキシ基を有するトリアルコキシシランおよびテトラアルコキシシランである。
尚、これらのシランアルコキシドは2種以上を同時に用いてもよい。
上記のシランアルコキシドは、溶媒に溶解して加水分解する。
溶媒としては、通常メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の脂肪族
低級アルコール類が用いられる。
シランアルコキシドは、溶媒100重量部に対し通常30〜1500重量部、好ましくは50〜1000重量部である。かかる量が少なすぎた場合は加水分解反応が進行し難くなる傾向があり、多すぎた場合は加水分解反応速度が大きくなり、得られる塗膜の分子構造が3次元化し、低密度となる傾向がある。
シランアルコキシドを加水分解(および/または縮合)させるためには、触媒および水を用いる。
かかる触媒とは、通常、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸等の無機酸触媒またはアンモニア等の塩基触媒が挙げられる。緻密な構造制御の点から好ましくは無機酸触媒である。
かかる触媒の量は、全シランアルコキシドのアルコキシ基の総モル量に対して通常0.001〜0.3モル%、好ましくは0.002〜0.2モル%、特に好ましくは0.003〜0.1モル%であるである。かかる量が少なすぎた場合、加水分解反応が進行しにくくなる傾向があり、多すぎた場合、加水分解反応速度が大きくなり得られる塗膜においてポーラスな構造(3次元ネットワーク化して密度の低い構造)が形成されやすく、塗膜のガスバリア性が低下する傾向がある。
また、水の量はシランアルコキシドに対して通常0.8〜2モル%、好ましくは1〜1.5モル%である。かかる量が少なすぎた場合、加水分解反応が進行しにくくなり、多すぎた場合、加水分解反応速度が大きくなり得られる塗膜においてポーラスな構造が形成されやすく、塗膜のガスバリア性に劣る傾向がある。
触媒と水をシランアルコキシドの溶液に配合するには、通常触媒と水を混合した混合物を一括して配合するが、別々に加えてもよい。
シランアルコキシドの加水分解(および/または縮合)反応は、比較的低温で行なうことが好ましい。かかる温度は通常10〜80℃である。かかる温度が高すぎた場合、加水分解反応速度が大きくなり得られる塗膜においてポーラスな構造が形成されやすく、塗膜のガスバリア性に劣る傾向があり、低すぎた場合、反応が進行しにくくなるという傾向がある。反応は通常攪拌しながら行なう。
また、反応時間はスケールにより異なるが、通常1〜150時間、好ましくは1〜10
0時間である。かかる時間が長すぎた場合、高粘度化あるいはゲル化し塗工液の塗工性が
低下する傾向があり、短すぎた場合、反応が不十分となり塗膜のガスバリア性が低下する
傾向がある。
上記したように、シランアルコキシドは添加された水によって加水分解され、生成した加水分解物は部分的に縮合する。また、加水分解により、対応するアルコールが生成する。
かかる縮合物は分岐状、直鎖状等があるが、直鎖状であるほど形成される塗膜の構造が緻密化される傾向がある。
上記のシランアルコキシドのうち、最も好ましいものを用いた場合に得られる加水分解縮合物の一態様を以下に示す。
Figure 0005188223
[式中、nは通常1〜20の整数であり、Riは炭素数1〜4の脂肪族アルキル基もし
くは水素原子であり、Riiは炭素数1〜4の脂肪族アルコキシ基もしくは水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数6〜10のアリール基である。]
このようにしてシランアルコキシドの加水分解生成物(A)(および縮合物)の溶液が得られる。本発明においてはかかる溶液をそのまま用いることが好ましい。場合によっては脱液し、得られたシランアルコキシドの加水分解生成物(A)(および縮合物)を後述する変性PVA系樹脂(B)溶液に配合したり、脱液したものを再度溶媒に溶解して用いてもよい。
(本発明で用いる(B)成分)
本発明では、以上のようにして得られたシランアルコキシドの加水分解生成物(A)と下記の一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(B)を用いるものであり、かかる特定の変性PVAを用いることを特徴とする。かかるPVA系樹脂とは、ビニルエステルモノマーと、下記の一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位となるモノマーを共重合して加水分解(ケン化)して得られるものである。
Figure 0005188223
(本発明で用いる(B)成分の構造含有量、調整法)
本発明におけるPVA系樹脂(B)の組成は特に限定するものではない。
上記構造単位(1)のPVA系樹脂(B)中の含有量は通常0.01〜20モル%、好ましくは1〜15モル%、特に好ましくは3〜12モル%、である。かかる含有量が少なすぎると安定な塗膜形成剤が得られにくい傾向があり、多すぎると塗膜のガスバリア性が低下するという傾向にある。
また、かかる構造単位の含有量を調整するために、構造単位(1)の含有量が異なる少なくとも2種のPVA系樹脂(B)をブレンドして調整することも可能であり、そのうちの少なくとも1種が構造単位(1)を含有しないPVA系樹脂であっても構わない。
このようにして側鎖1,2−グリコール結合量が調整されたPVA系樹脂に関しては、
側鎖1,2−グリコール結合量は重量平均で算出しても差し支えなく、正確には1H−N
MRの測定結果より、側鎖1,2−グリコール結合量を算出することができる。
さらに、PVA系樹脂(B)成分のケン化度は滴定法(JIS K6726)で測定し
た値で通常85〜100モル%、好ましくは90〜100モル%、特に好ましくは98〜
100%である。ケン化度が低すぎると塗膜のガスバリア性が低下する傾向がある。
PVA系樹脂(B)成分の重合度は水溶液粘度測定法(JIS K6726)で測定し
た値で通常100〜4000、好ましくは300〜3500、特に好ましくは500〜2
800である。重合度が低すぎると塗膜にクラックが生じやすくなり、高すぎると粘度が
高くなりすぎて作業性が低下する傾向がある
本発明における最も好ましいPVA系樹脂(B)の構造は、下記構造式(1a)で示される構造単位を含むものが好ましい。
Figure 0005188223
そして、PVA系樹脂(B)の最も好ましい組成は、上記構造単位(1a)が3〜12
モル%、およびビニルアルコール由来の構造単位、および残部が酢酸ビニル由来のビニル
アセトキシ構造単位からなり、ケン化度98〜100%、重合度500〜2800である
ものである。
((B)成分の製造法)
本発明で用いられるPVA系樹脂(B)の製造方法については特に限定されないが、最も好ましい構造である構造単位(1)を含有するPVA系樹脂(B)を例とすると、[1]コモノマーとして3,4−ジオール−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−オール−1−ブテン、4−アシロキシ−3−オール−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン等を用い、これらとビニルエステル系モノマーと共重合して共重合体を得、次いでこれをケン化する方法、あるいは、[2]コモノマーとしてビニルエチレンカーボネート等を用いてこれらとビニルエステル系モノマーと共重合して共重合体を得、次いでこれをケン化、脱炭酸する方法、あるいは、[3]コモノマーとして2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン等を用い、これらとビニルエステル系モノマーと共重合して共重合体を得、次いでケン化、脱アセタール化する方法等が挙げられる。
なかでも、重合が良好に進行し、1,2−ジオール構造単位をPVA中に均一に導入しやすく、変性量が7〜8モル%以上と多くなってもケン化前ポリ酢酸ビニルペーストが重合溶媒中で析出することが無いという製造時の利点や、得られたPVAを溶融成形する際の問題点が少ない点、さらには最終的なフィルムの特性から、製造方法[1]の方法を採用することが好ましく、特に好ましくは、共重合反応性に優れる点で3,4−ジアシロキシ−1−ブテンとビニルエステル系モノマーを共重合して得られた共重合体をケン化する方法である。さらには3,4−ジアシロキシ−1−ブテンとして、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを用いることが好ましい。また、これらの前記モノマーの混合物を用いてもよい。
なお、ビニルエステル系モノマーとして酢酸ビニルを用い、これと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを共重合させた際の各モノマーの反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.710、r(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.701、であり、これは後述のビニルエチレンカーボネートの場合の、r(酢酸ビニル)=0.85、r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4、と比較して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが酢酸ビニルとの共重合反応性に優れることを示すものである。
また、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの連鎖移動定数は、Cx(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.003(65℃)であり、ビニルエチレンカーボネートの場合の、Cx(ビニルエチレンカーボネート)=0.005(65℃)や、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソランの場合のCx(2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン)=0.023(65℃)と比較して、重合の阻害要因となって重合度が上がりにくくなったり、重合速度低下の原因となることがないことを示すものである。
また、かかる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、その共重合体をケン化する際に発生する副生物が主構造単位である酢酸ビニル構造単位に由来するものと同一であり、その後処理に特別な装置や工程を設ける必要がない点も、工業的に大きな利点である。また、少量の不純物として3,4−ジアセトキシ−1−ブタンや1,4−ジアセトキシ−1−ブテン、1,4−ジアセトキシ−1−ブタン等を含んでいても良い。
なお、3,4−ジオール−1−ブテンは、イーストマンケミカル社から、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは工業生産用ではイーストマンケミカル社、試薬レベルではアクロス社の製品を市場から入手することができる。また、1,4―ブタンジオール製造工程中の副生成物として得られる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを利用することも出来る。
上記[2]および[3]の製法により製造された1,2−ジオール構造単位を有するPVAは、ケン化度が低い場合や、脱炭酸が不充分な場合には、側鎖にカーボネート環およびジオキソラン環が残存し、得られる塗膜の構造が緻密性に欠けガスバリア性に劣る場合があるためこれに留意して使用する必要がある。
(ビニルエステル系モノマー)
上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、トリフロロ酢酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルである。経済的な点から、特に好ましくは酢酸ビニルが用いられる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
なお、共重合する際の上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位となるモノマーの重量割合は、前述した所望の導入量に合わせて決定すればよい。また、場合によっては、共重合時に本発明の効果を阻害しない範囲(例えば50モル%以下)にて共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合してもよい。
また、重合終了時にはラジカル重合において用いられる公知の重合禁止剤を反応系内に添加することが好ましく、かかる重合禁止剤としては、例えばm−ジニトロベンゼン、アスコルビン酸、ベンゾキノン、α−メチルスチレンの二量体、p−メトキシフェノール、ソルビン酸等が挙げられる。
このようにして得られた共重合体は、次いでケン化され、固液分離して得られた樹脂を乾燥することにより、上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(B)が得られる。
従って、本発明におけるPVA系樹脂(B)は、部分的に未ケン化のコモノマー由来の構造をとりうる。
それ以外の部分は、ビニルアルコール構造単位および、残存したビニルエステル由来のアシルオキシ基含有構造単位(および少量の共重合可能なエチレン性不飽和単量体構造単位)である。
なお、本発明におけるケン化度とは、滴定法(JIS K6726)で測定した値であり、ビニルエステル系モノマーのエステル部分と、前記1,2−ジオール構造単位に対応するコモノマーのアシルオキシ部やカーボネート部、アセタール部の総量の水酸基への変化率(モル%)を意味している。
また、本発明で使用されるPVA系(B)樹脂は、構造単位(1)を含有するPVA系樹脂と、これと異なる他のPVA系樹脂のブレンド物であってもよく、他のPVA系樹脂としては、構造単位が異なるもの、ケン化度が異なるもの、分子量が異なるものなどを挙げることができる。
本発明におけるシランアルコキシドの加水分解生成物(A)と変性PVA系樹脂(B)の配合比は、変性PVA系樹脂(B)の重量に対する、金属アルコキシドの加水分解生成物(A)が有する金属の量(金属モル数換算)にて0.005〜0.12モル/g、好ましくは0.008〜0.06モル/g、特に好ましくは0.012〜0.04モル/gである。
かかる値が小さすぎた場合は得られた塗膜の強度が低下する傾向があり、大きすぎた場合は耐水性不足によってガスバリア性が低下する傾向がある。
<塗膜形成剤の製造方法>
本発明の塗膜形成剤は、通常、あらかじめ上記のシランアルコキシドの加水分解生成物(A)の溶液と、特定の変性PVA系樹脂(B)溶液を用意し、両溶液を混合することにより得られる。場合によって、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)の溶液に特定の変性PVA系樹脂(B)を含有させたり、逆に特定の変性PVA系樹脂(B)の溶液にシランアルコキシドの加水分解生成物(A)を含有させてもよい。
特定の変性PVA系樹脂(B)溶液の溶媒は通常水であるが、本願発明の効果を損なわない範囲(例えば25重量%以下)にてメタノール、エタノール等炭素数1〜4の低級アルコールや、アセトン等の有機溶媒を含有していてもよい。
本発明においては、特定の変性PVA系樹脂(B)を用いることにより、PVA系樹脂溶液とシランアルコキシドの加水分解生成物(A)溶液を配合したときにゲル状物が析出したり不純物が発生したりして系が不均一となることがないため、製膜安定性に優れるという効果を有する。
本発明の塗膜形成剤の総量に対する、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)および特定の変性PVA系樹脂(B)の量((A)+(B)の量)は、仕込み量に換算して通常1〜40重量%、好ましくは5〜40重量%である。かかる値が大きすぎた場合、粘度が高すぎて塗工時の厚み制御性が低下する傾向があり、小さすぎた場合、溶媒が多量となり乾燥に時間がかかる傾向がある。
また、塗膜形成剤における溶媒は通常、炭素数1〜4の脂肪族アルコールと水の混合溶媒となり、溶媒中の炭素数1〜4のアルコールの量は通常0.1〜70重量%、好ましくは3〜60重量%、特に好ましくは25〜55重量%である。かかる値が大きすぎた場合、安定な塗膜形成剤が得られない。
通常、一般的なPVA系樹脂はアルコールと相溶性が悪いため、水/アルコール溶媒においてアルコール含量が比較的多い場合(例えば、25重量%以上)に、不溶物が積出する傾向があった。これに対して本発明で用いる側鎖1,2−グリコール変性PVA系樹脂(B)は、変性基の影響により、水/アルコール混合液中においてPVA系樹脂の結晶が成長し難いため、本発明の塗膜形成剤は系中にアルコールを比較的多量に含んでいても、ゲルなどの沈殿物や析出物を生じ難い傾向がある。
本発明の塗膜形成剤において、(A)成分と(B)成分を混合した後の攪拌時間は、通常8時間〜80時間、好ましくは12時間〜60時間である。かかる時間が短すぎた場合は塗膜形成剤の均一性が低下する傾向があり、長すぎた場合は生産効率が低下する傾向がある。
<塗膜の製造方法>
本発明の塗膜形成剤を基材上に塗布した後、溶媒を除去することにより塗膜が得られる。
かかる基材は通常、熱可塑性樹脂で構成されたフィルムであり。かかる樹脂としては、通常ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマーなどのポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80重量%以上のプロピレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリアルキレンナフタレート;液晶性ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6/66、ポリアミド66/610、ポリアミドMXDなど)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体など)、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリイミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなど)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンスルフィドなど)、セルロース系樹脂(セルロースエステル系樹脂、セロハンなど)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリパラキシレン、ポリアクリロニトリル等が挙げられ、これらの種々の樹脂の構成成分を含む共重合体などが例示される。好ましくはポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびナイロン系樹脂であり、特に好ましくはポリエステル系樹脂である。
これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。また、基材は単層であってもよく、複数の層で構成された積層フィルムおよびそれらの延伸フィルムであってもよい
基材には、必要に応じて、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、可塑剤、耐衝撃改良剤、補強剤、着色剤、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤、滑剤(例えば、シリカ系微粉末、アルミナ系微粉末などの無機滑剤、ポリエチレン系微粉末、アクリル系微粉末などの有機滑剤など)、炭化水素系重合体(スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、クマロンインデン樹脂などのクマロン樹脂、フェノール樹脂、ロジン又はその誘導体やそれらの水添樹脂など)、ワックス類(高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸又はその塩、高級脂肪酸エステル、鉱物系、植物系などの天然ワックス、ポリエチレンなどの合成ワックスなど)などを添加してもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、基材の表面には、コロナ放電やグロー放電などの放電処理、クロム酸処理などの酸処理、焔処理などの表面処理を施してもよい
基材の厚みは、包装適性、機械的強度、可撓性などを考慮して適宜選択でき、通常0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmである。
本発明の塗膜形成剤の塗布方法としては、通常、公知の方法、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ノズルコーティング法、ダイコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、カーテンコーティング法、フローコーティング法、スクリーン印刷、グラビア印刷、曲面印刷などの各種印刷法、これらを組み合わせた方法などが採用できる。
塗布後、溶媒を除去して塗膜が得られる。
溶媒除去工程は特に限定されず公知の方法を採用すればよい。例えば常温自然乾燥や加熱乾燥があり、加熱温度は通常40〜200℃、好ましくは60〜180℃、さらに好ましくは80〜150℃である。乾燥時間は通常通常0.5秒〜20時間、好ましくは1分〜15時間である。
乾燥後の塗膜の厚みは、通常0.05〜20μm、好ましくは0.1〜15μmである。かかる厚みが高すぎた場合、塗膜のクラックが発生し易くなる。
本発明の塗膜形成剤から得られる塗膜は、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)およびそれが縮合してできたポリマー及び/またはオリゴマー、及び側鎖に1,2−グリコールを有するPVA系樹脂を含有するものであり、これらの成分が互いに反応および/または相互作用することにより、ガスバリア性を発揮するものであると推測される。
以上のように本発明の塗膜形成剤により、塗膜を得ることができる。本発明の塗膜形成剤は、特定の変性PVA系樹脂(B)を用いることにより、シランアルコキシドの加水分解生成物および/または縮合物(A)を配合した場合でもゲル状物が析出したり不純物が発生したりして系が不均一とならないため、製膜安定性に優れる。
本発明の塗膜形成剤は、特定の変性PVA系樹脂(B)を用いることにより、シランアルコキシドの加水分解生成物および/または縮合物(A)を配合した場合でもゲル状物が析出したり不純物が発生したりして系が不均一とならないため、製膜安定性に優れる。
また、本発明の塗膜形成剤から得られる塗膜はガスバリア性に優れるため、該塗膜を有する積層フィルムは食品包装用フィルムや液晶表示素子の基盤などの電子部材関連材料として有用である。
実施例1
シランアルコキシドの加水分解物(A)>
テトラエトキシシラン75部、エタノール75部、2Nの塩酸5.5部(テトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランのエトキシド基の総モルに対して塩酸が0.007モル%)、水4.7部を配合し、80℃で1時間撹拌した(水の量はテトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランに対して1.4モル%)。次いでフェニルエトキシシラン7.5部を加えて撹拌した(A液)。
<変性PVA系樹脂(B)>
上記(1a)構造単位を6モル%(1H−NMRにて測定)含有し、滴定法(JIS K6726)で測定したケン化度99.7モル%、水溶液粘度測定法(JIS K6726)で測定した重合度1300のPVA樹脂を用い、水に溶解して10重量%濃度の樹脂水溶液を得た(B液)。
上記のシランアルコキシドの加水分解生成物の溶液(A液)と上記1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂の溶液(B液)165部を混合した。
このとき、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)と変性PVA系樹脂(B)の比は、変性PVA系樹脂(B)の重量に対する、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)が有するシランの量(シランのモル数換算)にて0.02モル/gであった。
かかる溶液を、24時間攪拌して塗膜形成剤を得た。次いで、コロナ処理されたPET(25μm)上にバーコーターを用いて該溶液をコートし、150℃で5分間乾燥させたところ、塗膜の厚みが4μmの透明で良好な積層体が得られた。
実施例2
シランアルコキシドの加水分解物(A)>
テトラエトキシシラン60部、エタノール60部、2Nの塩酸4.5部(テトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランのエトキシド基の総モルに対して塩酸が0.007モル%)、水3.7部を配合し、80℃で1時間撹拌した(水の量はテトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランに対して1.4モル%)。次いでフェニルエトキシシラン6部を加えて撹拌した(A液)。
<変性PVA系樹脂(B)>
上記(1a)構造単位を6モル%(1H−NMRにて測定)含有し、滴定法(JIS K6726)で測定したケン化度99.7モル%、水溶液粘度測定法(JIS K6726)で測定した重合度1300のPVA樹脂を用い、水に溶解して10重量%濃度の樹脂水溶液を得た(B液)。
上記のシランアルコキシドの加水分解生成物の溶液(A液)と上記1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂の溶液(B液)132部を混合した。
このとき、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)と変性PVA系樹脂(B)の比は、変性PVA系樹脂(B)の重量に対する、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)が有するシランの量(シランモル数換算)にて0.02モル/gであった。
かかる溶液を、24時間攪拌して塗膜形成剤を得、以下の評価を行なった。
<評価>
塗膜形成剤の溶液に、ゲルなどの析出物の有無が無いか目視で観察した。その後予め秤量しておいた金網(#400のSUS金網)でろ過し、該金網を2Lの水で洗浄後、乾燥させ(105℃、3時間)、該金網に残った残渣を測定して、ゲルなどの析出物を算出した。
比較例1
実施例2において、PVA系樹脂を、通常の未変性PVA(滴定法(JIS K6726)で測定したケン化度99モル%、水溶液粘度測定法(JIS K6726)で測定した重合度重合度1300)とした以外は同様にして、同様の評価を行なった。
結果を表1に示す。
Figure 0005188223
*初期仕込み量から、反応により生成するアルコール量を加味し、アルコール含有量の最大値を下記式により算出した。
(初期仕込アルコールの重量+シランアルコキシドのアルコキシド基が全て完全に加水分された場合に発生するアルコールの重量)/(初期仕込アルコール量+シランアルコキシドのアルコキシド基が全て完全に加水分解された場合に発生するアルコール量+B液中の水量)×100
通常のPVA系樹脂を用いた比較例1では、塗膜形成剤の溶媒中のアルコール量が多かったためか、目視でもゲル状物が観察され、検出された不溶分としては150ppmと多量であった。このような量では、塗膜に不溶分が混入し、ガスバリア性が不足することは明らかである。
これに対して、側鎖に1,2−グリコール結合を有する変性PVA系樹脂(B)を用いた場合は、溶媒中のアルコール量が同量であるにもかかわらず、目視ではゲル状物は観察されず、検出された不溶分としては15ppmと微量であった。このような微量(例えば不溶分が20ppm以下)では、塗膜に不溶分が混入したとしても、ガスバリア性の低下度は問題にならない程度である。
従って、本願発明の、側鎖に1,2−グリコール結合を有する変性PVA系樹脂(B)を用いることに対する優位性は明らかである。
本発明の塗膜形成剤により、ガスバリア性の塗膜を得ることができる。本発明の塗膜形成剤は、特定の変性PVA系樹脂(B)を用いることにより、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)を配合した場合でもゲル状物が析出したり不純物が発生したりして系が不均一とならないため、製膜安定性に優れる。

Claims (5)

  1. シランアルコキシドの加水分解生成物(A)と、下記の一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有し、ポリビニルアルコール系樹脂(B)の重量に対する、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)が有するシランの量(シランのモル数換算)が、0.005モル/g〜0.12モル/gである塗膜形成剤。
    Figure 0005188223
  2. 上記化合物(A)が、シランアルコキシドを水の存在下にて加水分解させたものであることを特徴とする請求項1記載の塗膜形成剤。
  3. 上記シランアルコキシドの加水分解生成物(A)の溶液と、上記ポリビニルアルコール系樹脂(B)の溶液を配合することを特徴とする請求項1又は2記載の途膜形成剤の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載の塗膜形成剤から得られた塗膜。
  5. 基材の少なくとも片面に請求項4記載の塗膜を積層させることにより得られる積層体。
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