JP5188223B2 - 塗膜形成剤および塗膜 - Google Patents
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Description
上記技術はまず、アルコキシシランを有機溶媒中、少量の水と触媒により加水分解させる(該加水分解物は同時に一部脱水縮合する)。次いで、かかる加水分解生成物(および/または縮合物)とPVA樹脂水溶液とを混合し、塗工液を得る。そして、かかる塗工液を基材フィルムに塗布し、溶媒を除去して塗膜を得るものである。
おいてアルコール含量が比較的多い場合(例えば、25重量%以上)に、不溶物が積出す
る傾向があった。これに対して本発明で用いる、前記一般式(1a)で表される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(B)は、変性基の影響により、水/アルコール混合液中においてPVA系樹脂の結晶が成長し難く且つ水分子を水和する力が強いためか、本発明の塗膜形成剤は系中にアルコールを比較的多量に含んでいても1,2‐ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(B)が安定に溶解しており、ゲルなどの沈殿物や析出物を生じ難い傾向がある。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これら
の内容に特定されるものではない。
本発明で用いるシランアルコキシドの加水分解生成物(A)とは、シランアルコキシドを加水分解した生成物である。通常、シランアルコキシドは加水分解するとアルコキシ基が水酸基に置換される。かかる生成物は、生成物分子間で脱水縮合反応する性質を有するため、通常、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)には加水分解生成物が脱水縮合した縮合物を含有する。
さらに、アルコキシ基とは、通常メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10の脂肪族アルコキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基等の炭素数6〜15の芳香族アルコキシ基である。加水分解反応制御がしやすい点から、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族アルコキシ基、特に好ましくは炭素数1〜4の脂肪族アルコキシ基である。
アルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランが挙げられる。
具体的には、ビニルジメチルエトキシシランなどのモノアルコキシシラン;ジメチルジ
メトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシラン;ジアリールジアルコキシシラン;
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]
プロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ジアルコキシシラン;3−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有ジアルコキシシラン;3−(メタ
)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有ジアル
コキシシラン;ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のアル
ケニル基含有ジアルコキシシラン;3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロ
ピルエチルジエトキシシランなどのエポキシ基含有ジアルコキシシラン類などのジアルコ
キシシランが挙げられる。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどのアルキルトリアルコキシシ
ラン類、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのアリールトリ
アルコキシシラン類、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−[N−(2−アミノエ
チル)アミノ]エチルトリメトキシシラン等のアミノ基含有トリアルコキシシラン;3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有トリアルコキシシラン;ビ
ニルトリメトキシシラン等のアルケニル基含有トリアルコキシシラン;2−(メタ)アク
リロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラ
ン等の(メタ)アクリロイル基含有トリアルコキシシラン;(グリシジルオキシアルキル
)トリアルコキシシラン(例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
エトキシシランなどのエポキシ基含有トリアルコキシシラン;γ−イソシアノプロピルト
リメトキシシラン、γ−イソシアノプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基
を有するトリアルコキシシラン;等のトリアルコキシシランが挙げられる。
トラブトキシシランなどのテトラアルコキシシランが挙げられる。
尚、これらのシランアルコキシドは2種以上を同時に用いてもよい。
溶媒としては、通常メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の脂肪族
低級アルコール類が用いられる。
シランアルコキシドは、溶媒100重量部に対し通常30〜1500重量部、好ましくは50〜1000重量部である。かかる量が少なすぎた場合は加水分解反応が進行し難くなる傾向があり、多すぎた場合は加水分解反応速度が大きくなり、得られる塗膜の分子構造が3次元化し、低密度となる傾向がある。
かかる触媒とは、通常、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸等の無機酸触媒またはアンモニア等の塩基触媒が挙げられる。緻密な構造制御の点から好ましくは無機酸触媒である。
また、水の量はシランアルコキシドに対して通常0.8〜2モル%、好ましくは1〜1.5モル%である。かかる量が少なすぎた場合、加水分解反応が進行しにくくなり、多すぎた場合、加水分解反応速度が大きくなり得られる塗膜においてポーラスな構造が形成されやすく、塗膜のガスバリア性に劣る傾向がある。
0時間である。かかる時間が長すぎた場合、高粘度化あるいはゲル化し塗工液の塗工性が
低下する傾向があり、短すぎた場合、反応が不十分となり塗膜のガスバリア性が低下する
傾向がある。
かかる縮合物は分岐状、直鎖状等があるが、直鎖状であるほど形成される塗膜の構造が緻密化される傾向がある。
上記のシランアルコキシドのうち、最も好ましいものを用いた場合に得られる加水分解縮合物の一態様を以下に示す。
くは水素原子であり、Riiは炭素数1〜4の脂肪族アルコキシ基もしくは水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数6〜10のアリール基である。]
本発明では、以上のようにして得られたシランアルコキシドの加水分解生成物(A)と下記の一般式(1a)で表される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(B)を用いるものであり、かかる特定の変性PVAを用いることを特徴とする。かかるPVA系樹脂とは、ビニルエステルモノマーと、下記の一般式(1a)で表される1,2−ジオール構造単位となるモノマーを共重合して加水分解(ケン化)して得られるものである。
本発明におけるPVA系樹脂(B)の組成は特に限定するものではない。
上記構造単位(1a)のPVA系樹脂(B)中の含有量は通常0.01〜20モル%、好ましくは1〜15モル%、特に好ましくは3〜12モル%、である。かかる含有量が少なすぎると安定な塗膜形成剤が得られにくい傾向があり、多すぎると塗膜のガスバリア性が低下するという傾向にある。
また、かかる構造単位の含有量を調整するために、構造単位(1a)の含有量が異なる少なくとも2種のPVA系樹脂(B)をブレンドして調整することも可能であり、そのうちの少なくとも1種が構造単位(1a)を含有しないPVA系樹脂であっても構わない。
側鎖1,2−グリコール結合量は重量平均で算出しても差し支えなく、正確には1H−N
MRの測定結果より、側鎖1,2−グリコール結合量を算出することができる。
た値で通常85〜100モル%、好ましくは90〜100モル%、特に好ましくは98〜
100%である。ケン化度が低すぎると塗膜のガスバリア性が低下する傾向がある。
た値で通常100〜4000、好ましくは300〜3500、特に好ましくは500〜2
800である。重合度が低すぎると塗膜にクラックが生じやすくなり、高すぎると粘度が
高くなりすぎて作業性が低下する傾向がある。
モル%、およびビニルアルコール由来の構造単位、および残部が酢酸ビニル由来のビニル
アセトキシ構造単位からなり、ケン化度98〜100%、重合度500〜2800である
ものである。
本発明で用いられるPVA系樹脂(B)の製造方法については特に限定されないが、最も好ましい構造である構造単位(1a)を含有するPVA系樹脂(B)を例とすると、[1]コモノマーとして3,4−ジオール−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−オール−1−ブテン、4−アシロキシ−3−オール−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン等を用い、これらとビニルエステル系モノマーと共重合して共重合体を得、次いでこれをケン化する方法、あるいは、[2]コモノマーとしてビニルエチレンカーボネート等を用いてこれらとビニルエステル系モノマーと共重合して共重合体を得、次いでこれをケン化、脱炭酸する方法、あるいは、[3]コモノマーとして2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン等を用い、これらとビニルエステル系モノマーと共重合して共重合体を得、次いでケン化、脱アセタール化する方法等が挙げられる。
また、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの連鎖移動定数は、Cx(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.003(65℃)であり、ビニルエチレンカーボネートの場合の、Cx(ビニルエチレンカーボネート)=0.005(65℃)や、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソランの場合のCx(2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン)=0.023(65℃)と比較して、重合の阻害要因となって重合度が上がりにくくなったり、重合速度低下の原因となることがないことを示すものである。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、トリフロロ酢酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルである。経済的な点から、特に好ましくは酢酸ビニルが用いられる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
それ以外の部分は、ビニルアルコール構造単位および、残存したビニルエステル由来のアシルオキシ基含有構造単位(および少量の共重合可能なエチレン性不飽和単量体構造単位)である。
なお、本発明におけるケン化度とは、滴定法(JIS K6726)で測定した値であり、ビニルエステル系モノマーのエステル部分と、前記1,2−ジオール構造単位に対応するコモノマーのアシルオキシ部やカーボネート部、アセタール部の総量の水酸基への変化率(モル%)を意味している。
かかる値が小さすぎた場合は得られた塗膜の強度が低下する傾向があり、大きすぎた場合は耐水性不足によってガスバリア性が低下する傾向がある。
本発明の塗膜形成剤は、通常、あらかじめ上記のシランアルコキシドの加水分解生成物(A)の溶液と、特定の変性PVA系樹脂(B)溶液を用意し、両溶液を混合することにより得られる。場合によって、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)の溶液に特定の変性PVA系樹脂(B)を含有させたり、逆に特定の変性PVA系樹脂(B)の溶液にシランアルコキシドの加水分解生成物(A)を含有させてもよい。
通常、一般的なPVA系樹脂はアルコールと相溶性が悪いため、水/アルコール溶媒においてアルコール含量が比較的多い場合(例えば、25重量%以上)に、不溶物が積出する傾向があった。これに対して本発明で用いる側鎖1,2−グリコール変性PVA系樹脂(B)は、変性基の影響により、水/アルコール混合液中においてPVA系樹脂の結晶が成長し難いため、本発明の塗膜形成剤は系中にアルコールを比較的多量に含んでいても、ゲルなどの沈殿物や析出物を生じ難い傾向がある。
本発明の塗膜形成剤を基材上に塗布した後、溶媒を除去することにより塗膜が得られる。
かかる基材は通常、熱可塑性樹脂で構成されたフィルムであり。かかる樹脂としては、通常ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマーなどのポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80重量%以上のプロピレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリアルキレンナフタレート;液晶性ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6/66、ポリアミド66/610、ポリアミドMXDなど)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体など)、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリイミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなど)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンスルフィドなど)、セルロース系樹脂(セルロースエステル系樹脂、セロハンなど)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリパラキシレン、ポリアクリロニトリル等が挙げられ、これらの種々の樹脂の構成成分を含む共重合体などが例示される。好ましくはポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびナイロン系樹脂であり、特に好ましくはポリエステル系樹脂である。
これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。また、基材は単層であってもよく、複数の層で構成された積層フィルムおよびそれらの延伸フィルムであってもよい
溶媒除去工程は特に限定されず公知の方法を採用すればよい。例えば常温自然乾燥や加熱乾燥があり、加熱温度は通常40〜200℃、好ましくは60〜180℃、さらに好ましくは80〜150℃である。乾燥時間は通常通常0.5秒〜20時間、好ましくは1分〜15時間である。
<シランアルコキシドの加水分解物(A)>
テトラエトキシシラン75部、エタノール75部、2Nの塩酸5.5部(テトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランのエトキシド基の総モルに対して塩酸が0.007モル%)、水4.7部を配合し、80℃で1時間撹拌した(水の量はテトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランに対して1.4モル%)。次いでフェニルエトキシシラン7.5部を加えて撹拌した(A液)。
<変性PVA系樹脂(B)>
上記(1a)構造単位を6モル%(1H−NMRにて測定)含有し、滴定法(JIS K6726)で測定したケン化度99.7モル%、水溶液粘度測定法(JIS K6726)で測定した重合度1300のPVA樹脂を用い、水に溶解して10重量%濃度の樹脂水溶液を得た(B液)。
このとき、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)と変性PVA系樹脂(B)の比は、変性PVA系樹脂(B)の重量に対する、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)が有するシランの量(シランのモル数換算)にて0.02モル/gであった。
かかる溶液を、24時間攪拌して塗膜形成剤を得た。次いで、コロナ処理されたPET(25μm)上にバーコーターを用いて該溶液をコートし、150℃で5分間乾燥させたところ、塗膜の厚みが4μmの透明で良好な積層体が得られた。
<シランアルコキシドの加水分解物(A)>
テトラエトキシシラン60部、エタノール60部、2Nの塩酸4.5部(テトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランのエトキシド基の総モルに対して塩酸が0.007モル%)、水3.7部を配合し、80℃で1時間撹拌した(水の量はテトラエトキシシラン及び後に加えるフェニルエトキシシランに対して1.4モル%)。次いでフェニルエトキシシラン6部を加えて撹拌した(A液)。
<変性PVA系樹脂(B)>
上記(1a)構造単位を6モル%(1H−NMRにて測定)含有し、滴定法(JIS K6726)で測定したケン化度99.7モル%、水溶液粘度測定法(JIS K6726)で測定した重合度1300のPVA樹脂を用い、水に溶解して10重量%濃度の樹脂水溶液を得た(B液)。
このとき、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)と変性PVA系樹脂(B)の比は、変性PVA系樹脂(B)の重量に対する、シランアルコキシドの加水分解生成物(A)が有するシランの量(シランモル数換算)にて0.02モル/gであった。
かかる溶液を、24時間攪拌して塗膜形成剤を得、以下の評価を行なった。
塗膜形成剤の溶液に、ゲルなどの析出物の有無が無いか目視で観察した。その後予め秤量しておいた金網(#400のSUS金網)でろ過し、該金網を2Lの水で洗浄後、乾燥させ(105℃、3時間)、該金網に残った残渣を測定して、ゲルなどの析出物を算出した。
実施例2において、PVA系樹脂を、通常の未変性PVA(滴定法(JIS K6726)で測定したケン化度99モル%、水溶液粘度測定法(JIS K6726)で測定した重合度重合度1300)とした以外は同様にして、同様の評価を行なった。
結果を表1に示す。
(初期仕込アルコールの重量+シランアルコキシドのアルコキシド基が全て完全に加水分された場合に発生するアルコールの重量)/(初期仕込アルコール量+シランアルコキシドのアルコキシド基が全て完全に加水分解された場合に発生するアルコール量+B液中の水量)×100
これに対して、側鎖に1,2−グリコール結合を有する変性PVA系樹脂(B)を用いた場合は、溶媒中のアルコール量が同量であるにもかかわらず、目視ではゲル状物は観察されず、検出された不溶分としては15ppmと微量であった。このような微量(例えば不溶分が20ppm以下)では、塗膜に不溶分が混入したとしても、ガスバリア性の低下度は問題にならない程度である。
従って、本願発明の、側鎖に1,2−グリコール結合を有する変性PVA系樹脂(B)を用いることに対する優位性は明らかである。
Claims (5)
- 上記化合物(A)が、シランアルコキシドを水の存在下にて加水分解させたものであることを特徴とする請求項1記載の塗膜形成剤。
- 上記シランアルコキシドの加水分解生成物(A)の溶液と、上記ポリビニルアルコール系樹脂(B)の溶液を配合することを特徴とする請求項1又は2記載の途膜形成剤の製造方法。
- 請求項1又は2記載の塗膜形成剤から得られた塗膜。
- 基材の少なくとも片面に請求項4記載の塗膜を積層させることにより得られる積層体。
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