JP5186226B2 - 水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加湿器において水を蒸発させたり加熱する装置や多量の水を通過させる配水管におけるスケール(水垢)の付着や雑菌の繁殖を効果的に抑制できる水処理装置に関する。
水道水などのミネラルが溶解している水を用いる装置においては、水に接触する部分に水中のミネラルが徐々に析出してスケールが付着することになる。特に、水を蒸発させる加湿器や、水を加熱するボイラーなどにおいて顕著である。スケールが付着すると、水の流れが滞ったり、熱の伝導性が低下するなどの不都合があることから、定期的に付着したスケールを除去することが性能維持の目的のためには重要であった。
しかしながら、定期的にスケールの除去を行うことは煩雑であり、その負担の低減が求められていた。従来、スケールの付着を防止する技術としては、溶解している金属イオンを除去する目的で陽イオン交換樹脂に水を通過させる技術が開示されていた(特許文献1)。
特開平11−201508号公報
しかしながら、陽イオン交換樹脂は水中の金属イオン(陽イオン)を交換する作用には優れるものの、一定量の陽イオンを交換すると、その後の陽イオン交換作用は発揮できなかった。再度、陽イオン交換作用を発揮させるには陽イオン交換樹脂を再生したり、新しい陽イオン交換樹脂に交換したりして、再度陽イオンを交換できるようにする必要があった。この操作は簡単に行うことができるものではなかった。結局、従来技術においてはスケールの付着を抑制できるものの、代わりに陽イオン交換樹脂の交換乃至再生を行うことが必要になり、性能を維持するための操作が煩雑であることには大きな進展はなかった。
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、スケールの付着を効果的に抑制できる水処理装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に記載の水処理装置は、被処理水が内部に貯留乃至通過する処理空間を区画する処理槽本体と、前記処理空間内に少なくとも一部が配設され前記被処理水に浸漬される一対の処理電極と、前記一対の処理電極に電圧を印加する電圧印加手段と、をもつ処理手段を有する水処理装置であって、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は表面の少なくとも一部が導電性セラミックスから形成されることを特徴とする。
そして(A)前記処理空間内に配設され前記被処理水に一部が浸漬される吸水性部材と前記吸水性部材の少なくとも残部に空気を接触乃至通過させる送風手段とを有し、前記一方の処理電極は前記吸水性部材の前記被処理水に接触する表面を被覆し、且つ、前記他方の電極は前記吸水部材には接触しないことを特徴とするか、又は、(B)前記処理空間内の前記被処理水内に出し入れ可能であって表面に付着する前記被処理水を蒸発できる保水部材と前記被処理水内に前記保水部材を出し入れする駆動手段と前記被処理水の外に位置する前記保水部材に空気を接触乃至通過させる送風手段とを有し、前記一方の処理電極は前記保水部材の表面を被覆し、且つ、前記他方の電極は前記保水部材には接触しないことを特徴とする。
更に、前記電圧印加手段は直流電源であり、前記一方の処理電極を陽極、他方の電極を負極とする通常運転を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の水処理装置は、請求項1又は2に記載の水処理装置において、前記吸水性部材は多孔質部材又は網目状部材であることを特徴とする。
請求項に記載の水処理装置は、請求項1〜のいずれか1項に記載の水処理装置において、前記電圧印加手段は直流電源であり、一方の電極を陰極、他方の電極を陽極とする通常運転状態と一方の電極を陽極、他方の電極を負極とする洗浄運転状態とを切り替える運転状態切替部をもつことを特徴とする。
請求項に記載の水処理装置は、請求項1〜のいずれか1項に記載の水処理装置において、前記処理電極が前記被処理水に接触する表面の一部が銅から形成される抗菌部をもつことを特徴とする。
請求項に記載の水処理装置は、請求項1〜のいずれか1項に記載の水処理装置において、前記導電性セラミックスは導電性炭素材料であることを特徴とする。特に前記導電性炭素材料はグラファイトであることが望ましい。
請求項1に記載の水処理装置においては、少なくとも一方の電極を導電性セラミックスから構成することで、被処理水中から析出するスケールが電極表面に付着することを抑制できる。導電性セラミックスは被処理水から析出したスケールとの親和性が低く、一方の電極の表面から簡単にスケールを除去することができるので処理電極の再生の手間が殆どない。また、導電性セラミックスは被処理水中で電圧を印加しても被処理水中に溶解し難いことによりスケールの除去効果を向上する目的で処理電極に高い電圧を印加しても処理電極の寿命は長いままであり、電極寿命を飛躍的に延ばすことができる。つまり、一般的な金属を処理電極に採用した場合においては水が電気分解されるような電圧を印加した場合に電気分解にて生成した生成物により表面が腐食され電極の耐久性が著しく低下したが、導電性セラミックスから処理電極を形成することで高い耐久性が実現できた。
以上説明したように、導電性セラミックスを採用した処理電極はスケールが強固に付着することなく、且つ、電圧印加による処理電極の腐食を効果的に抑制できることで、耐久性の高いものになった。従って、水道水などの被処理水の処理を長期間にわたり継続的に行うことができる。なお、一方の電極の表面のうちの少なくとも一部が導電性セラミックスにて形成されることで、その導電性セラミックスにて形成された表面におけるスケールの付着や電極の溶解が抑制でき本発明の効果を発揮することができるが、被処理水に接触する部分のできるだけ多くの部分(好ましくは被処理水に接触する部分のすべて)について導電性炭素材料にて形成することが望ましい。また、一方の電極のみならず、他方の電極についても導電性セラミックスにて形成することが望ましい。
更に、吸水部材とその吸水部材に空気を送出する送風手段とをもつことで、雰囲気中に水分を供給することができるいわゆる加湿器としての機能を付与することができる。加湿器は吸水部材の表面から水を蒸発させるので、吸水部材の表面に被処理水由来のスケールが付着することは必至である。加湿器において水分を蒸発させる部材である吸水部材にスケールが析出すると加湿器の性能が大きく低下する。本水処理装置は吸水部材の表面に導電性セラミックスを被覆して前述の一方の電極を吸水部材の被処理水が接触する表面に形成し、電圧を印加することで積極的に被処理水由来のスケールの付着を抑制することができる。
本発明の水処理装置について以下詳細に説明する。本発明の水処理装置は装置内でのスケールの付着を抑制する装置である。例えば、加湿器、加湿空気清浄器などに適用される。加湿器などは被処理水の蒸発に伴い析出するスケールの発生が問題になる。また、処理電極に電圧を印加することにより、付随的な効果として被処理水中の微生物の繁殖を抑制できる。加湿器においては水中における微生物の発生が考えられるので被処理水中の微生物の繁殖を抑制したり殺菌を行ったりすることが望ましい。本水処理装置は、これらの装置の内部に組み込んだりすることができる。特に本水処理装置は加湿器としての機能を付与することができるので、そのまま加湿器として使用可能である。
(第1形態)
本水処理装置は処理槽本体と処理電極と電圧印加手段とを有する。以下、本水処理装置自身が加湿器としての機能を発揮可能な場合と、それ以外の場合とに場合分けして説明を行う。
参考:加湿器としての機能無し)
処理槽本体は被処理水が処理空間を区画する部材である。処理空間は内部に被処理水が貯留乃至通過することの他は特に限定されない。被処理水が貯留される処理空間としては、ある被処理水に対して処理を行う場合に全部の被処理水を貯留する大きさをもつ処理空間が挙げられる。つまり、被処理水の全部を貯留する容器をそのまま処理空間とする場合が挙げられる。また、被処理水の全部を貯留する容器の一部分を区画して処理空間を形成しても良い。つまり、処理空間が他の空間と連通するものであっても良い。被処理水が通過する処理空間としては被処理水を貯留する容器や被処理水の供給源から被処理水が必要な装置に供給するまでの途中の配水管の一部を処理空間とするものである。
処理電極は処理空間内にて被処理水中に浸漬される一対の電極である。一対の処理電極に電圧を印加することでカルシウムイオンなどのスケールの原因になる金属イオンの除去を行う。処理電極はその少なくとも一部が処理空間内に配設されているものであればよい。処理電極の形状も特に限定されず、板状体、棒状体などの一般的な形状はもちろん、処理空間の壁面の形状をそのまま採用することなどができる。なお、表面の状態は平滑である方が付着させたスケールなどを簡単に除去できるので好ましい。
一対の処理電極の間隔は特に限定しないが、カルシウムイオンなどの除去効果や、微生物の繁殖抑制効果、殺菌効果を向上する観点からはできるだけ狭い方がよい。例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、10mmなどが選択できる。被処理水の処理量を増加するために一対の処理電極を複数組配設することもできる。一対の処理電極は電圧印加手段により電位差が形成される。一対の処理電極のうちの一方の電極は表面の少なくとも一部が導電性炭素材料から形成される。他方の電極についても導電性セラミックスにて形成することが望ましいが、一般的な金属製の電極を採用することもできる。金属製の電極を採用する場合には表面を白金や金などでメッキすることで耐久性が向上できる。更に、一対の処理電極はその表面の一部分に銅から形成された抗菌部をもつことができる。抗菌部からは処理電極に印加された電圧により銅イオンが溶出して抗菌性を発揮する。
他方の電極も導電性セラミックスにて形成することが望ましい。ここで、望ましくは被処理水中に浸漬されて被処理水に接触する表面はすべて導電性セラミックスにて形成されることが望ましい。また、一方の電極の表面はすべて導電性セラミックスにて形成されることが望ましい。また、表面のみならず、内部にわたって導電性セラミックスにて形成されることもできる。
表面を導電性セラミックスにて形成する方法は特に限定しない。例えば、成形された導電性セラミックスをそのまま処理電極として用いたり、微粒子状の導電性セラミックスを何らかのビヒクルに分散させた塗料として金属などから形成された電極の表面に塗布することで形成することができる。塗布は塗料中に電極を浸漬したり、一般的な印刷(スクリーン印刷など)などの手法により行うことができる。
導電性セラミックスとしては導電性炭素材料、炭化ケイ素、炭化窒素、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ジルコニウム(導電性を付与したもの)、金属粉末や金属繊維をセラミックス(アルミナ、チタン酸アルミニウム、ジルコニア、コージライトなど)中に分散させたもの(傾斜セラミックスなど)などが例示できる。特に、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン及び導電性ダイヤモンドからなる群から選択される導電性炭素材料から選択される1種又は2種以上であることが望ましい。導電性ダイヤモンドは窒素、ホウ素、リンなどを含有させて導電性を付与したダイヤモンドである。更にはグラファイトを採用することが望ましい。導電性セラミックスとしては導電性もたないセラミックス(不定形炭素、不純物がドーピングされていないダイヤモンドなどの炭素材料、シリカ、アルミナなど)が混合されていても全体として導電性をもつ場合には採用可能である。
電圧印加手段は一対の処理電極に対して電圧を印加する手段である。印加するのは直流を採用し、一方の電極を陰極、他方の電極を陽極にすることで、被処理水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのスケールの原因になる陽イオンは一方の電極(陰極)に引き寄せられ表面にて析出し、被処理水中から除去される。被処理水中の微生物は、その表面がマイナスに帯電しているので、他方の電極(陽極)に引き寄せられて除去され、その表面で不活性化(殺菌)される。印加される電圧の大きさは特に限定しない。例えば、5V、10V、15V、20V、30Vなどの値から選択できる。
電圧印加手段はこのような通常状態の他、印加する電圧の極性を反転する洗浄状態を電極の表面にスケールが在る程度付着する毎に行う運転状態切替部をもつことが望ましい。印加する電圧の極性を切り替えることで、析出したスケールは陽極となった一方の電極の表面から自然に剥がれ落ちることになる。
このように一対の処理電極の表面にそれぞれスケールや微生物が付着して除去されることで、処理後の被処理水中にはスケールの原因になる陽イオンの量が減少し、また、微生物の量も減少して、その後に被処理水を用いる装置において微生物やスケールが原因になる不具合の発生が抑制される。
なお、本水処理装置は加湿器としての機能を自身が発揮することを想定していないが、加湿器内に配設して加湿器内で用いる水を被処理水として処理する装置として用いることができることは言うまでもない。
(加湿器としての機能有り:加湿器として水を蒸発させる部材である吸水部材や保水部材の表面に処理電極を形成した形態)
上述の加湿器としての機能をもたない構成及び作用と異なる部分について説明を行う。
加湿器は被処理水を吸水して蒸発させる吸水性部材や、表面に付着した被処理水を蒸発させる保水部材をもつ。吸水性部材や保水部材はその少なくとも一部が処理空間中の被処理水中に浸漬される。
そして、吸水性部材や保水部材に空気を接触乃至通過させる送風手段をもつ。吸水性部材としては被処理水に対するある程度の親和性をもつ材料から形成される多孔質体からなる多孔質性部材や不織布や網目状部材などが挙げられる。これらの材料から形成された吸水性部材の一部を被処理水中に浸漬することで、被処理水が吸い上げられ、その表面から空気中に水分が蒸発する。
保水部材は被処理水の中に出し入れ可能であって表面に付着する被処理水を蒸発できる
手段である。保水部材を被処理水中に入れすることで表面に被処理水が付着させ、その後、保水部材を被処理水中から出してその付着した被処理水を空気中にて蒸発させる。保水部材や吸水部材の形状としては網目状板状体や板状体を丸めて円筒状にした部材や、可撓性をもつ網目状の帯状部材の短辺同士を接続した輪状の部材、円板状の部材が例示できる。これらの部材を回転させるなどしてその表面を水で濡らすことにより、その表面から水を蒸発させる。吸水部材は自身が吸水性をもち水を吸い上げることができるから、その一部分を水に浸漬する形態を採用しても良い。その場合に空気に接触する表面積を大きくするためにハニカム形状などの比表面積が大きく、空気の流れを妨げ難い形状を採用することができる。保水部材は吸水部材とは異なり、自身が吸水性をもつことは必須ではないが吸水性部材から構成することもできる。保水部材としては吸水性をもたない材料を採用し、表面を平滑にすることでスケールの付着が更に抑制できる。保水部材を被処理水中に出し入れするために駆動手段を設ける。
送風手段は吸水性部材や保水部材の少なくとも残部(被処理水に浸漬していない部分)に空気を接触乃至通過させることで、その部分に存在する被処理水を蒸発させる。一般的なファン(シロッコファンなど)が例示できる。
被処理水を蒸発させるときに何も処理を行わない場合には溶解している陽イオンが析出してスケールを形成する。そのために、加湿器を使用すると、徐々に吸水部材や保水部材の表面にスケールが付着し、加湿性能が低下することになる。
そこで、吸水性部材や保水部材の表面(特に被処理水に接触する表面:被処理水に接触する表面の少なくとも一部でも充分な効果を発揮する)に一方の処理電極を形成する。一方の処理電極の形成法方法としては、導電性炭素材料にて吸水性部材や保水部材を被覆する方法が挙げられる。例えば、前述した塗料を調製した後、吸水性部材や保水部材の表面に塗布することで形成できる。多孔質性部材からなる吸水性部材や網目状部材などに一方の処理電極を形成する目的で塗料を塗布する際には内部にわたって塗料を浸透させ、内部においても塗料にて被覆されることが望ましいが、表面近傍にのみ塗料が塗布され、表面近傍のみに導電性炭素材料から形成される一方の処理電極が形成されても良い。表面近傍のみであっても処理電極が形成されていることで、表面近傍から内部に水が浸透する前に、表面に形成された処理電極においてスケールの原因になる陽イオンの接近が阻止できるからである。
電圧印加手段は一方の処理電極側を陽極とするようにすることが望ましい。一方の処理電極は、表面に対してスケールが付着することが望ましくない吸水性部材や保水部材の表面に形成されているので、一方の処理電極を陽極にすることで被処理水中の陽イオンが電気的な斥力により遠ざけられることにより、吸水性部材や保水部材の表面におけるスケールの析出が大幅に減少する。印加する電圧の大きさは特に限定しない。処理電極の表面にスケールが付着することを抑制する目的のみの観点からは5V、10Vなどの低い値が選択可能である。なお、処理電極に電圧を印加する方法としては金属製の電極を吸水部材などに接触させることで行うことができる。配置する場所としては特に限定(被処理水中に浸漬する部位やしない部位)しないが、特に被処理水中に浸漬されない部位に配置することで電極の腐食が抑制される。浸漬する部位に配置したときにはその少なくとも一部を銅から形成することで抗菌部とすることもできる。
(第2形態)
本形態の水処理装置は処理槽本体と蒸発部材と水供給手段と送風手段とその他必要な部材とを有する。本実施形態の水処理装置は特に説明しない同名の部材(処理槽本体、送風手段、被処理水など)については先述した第1実施形態における加湿機能付きの水処理装置に準ずる部材を採用している。
蒸発部材は第1実施形態における保水部材及び吸水部材と類似の部材である。表面に付着した被処理水や、内部に吸水した被処理水をその表面から蒸発させる部材である。蒸発部材は全体として空気が流通可能な多孔質、網目状などの形態とすることが望ましい。蒸発部材は一枚の板状の部材とする形態の他、複数枚の板状体を所定の隙間を介して重ねた形態を採用することもできる。
蒸発部材は処理槽本体の処理空間の上方などに配置し、その表面に付着した被処理水が処理空間内に流れ落ちる構成を採用することができる。また、流れ落ちる被処理水を処理空間とは独立して貯留する貯留手段を設けることもできる。
蒸発部材は処理電極と対電極とセパレータとを有する。蒸発部材としてはこれらの部材以外にも蒸発部材の機械的強度を向上するための心材を有することができる。心材の表面に、処理電極、対電極、セパレータなどを形成することにより蒸発部材を構成できる。心材を構成する材料としては一般的なセラミックス、高分子材料(ポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂など。以下同じ)などが例示できる。
処理電極は蒸発部材の表面のうち被処理水が付着する部分について概ね隙間なく覆う(望ましくは完全に隙間なく覆う状態である)と共に、導電性セラミックスから形成される透水性をもつ層状の部材である。この処理電極にはスケールが付着し難いため、長期の被処理水との接触によってもスケールの付着が進行せず耐久性に優れた水処理装置を提供できる所以である。処理電極としては透水性を付与するために多孔質としたり、孔を形成したり、透水性をもつ材料を含有させたりすること以外は前述の第1実施形態にて説明した構成をそのまま採用することが可能である。なお、ここでいう透水性をもつとは処理電極自身が透水性をもつ場合はもちろん、孔や切れ目などを形成することにより、処理電極の内側にまで被処理水が浸透できれば十分である。つまり、被処理水が浸透可能な部分が処理電極が覆っている表面中でどの程度の面積をもつかは特に限定しない。但し、処理電極の全面にわたって透水性をもつような構成(処理電極を多孔質とする構成や、処理電極の全面にわたって孔を形成するような構成など)を採用することが望ましい。表面に導電性セラミックスからなる処理電極を形成する方法は特に限定されず、第1形態にて説明した方法などが採用できる。
対電極は処理電極の内側であって、蒸発部材の表面に直接露出することがない部材である。蒸発部材の表面に付着した被処理水は処理電極を通過した後に対電極に到達する。対電極は処理電極に採用する導電性セラミックスよりもイオン化傾向が大きい導電性材料から形成される。対電極の形態は特に限定されないが、浸透した被処理水との接触面積を大きくできる微粒子状や多孔質状とすることが望ましい。微粒子状などの形態を採用する場合には、親水性や透水性が高い材料からなるバインダにて微粒子間を結合することもできる。対電極としては銅、銀、白金、金などから形成でき、特に安価な銅から形成されることが望ましい。
セパレータは処理電極と対電極との間を電気的に絶縁した上で、被処理水の通過は許容する部材である。例えば、絶縁材料から形成される多孔質体が例示できる。絶縁材料としてはセラミックスや高分子材料などが挙げられる。
蒸発部材を形成する方法を例示すると、高分子材料から形成される不織布の表層部や、高分子材料などから形成された心材の表面に、銅粉末を適正なバインダを用いて付着させて対電極を形成した後、その表面に多孔体からなる薄膜を付着させてセパレータとしたり、絶縁材料(ポリマーなど)からなる粉末を適正なバインダにて付着させてセパレータとする。そのように形成したセパレータの上に導電性セラミックスからなる微粒子を適正なバインダ中に分散させて塗布することにより表面に導電性セラミックスからなる処理電極が形成できる。
更に蒸発部材を回転乃至揺動させる蒸発部材駆動手段をもつことができる。蒸発部材を回転乃至揺動することにより、蒸発部材の表面に付着した被処理水を重力により均等に分散させることが可能になる。特に蒸発部材の形状を円筒状、円盤状などとした上でその円盤又は円筒の軸を回転中心として回転させることができる。蒸発部材を回転させる方法はモータなどにより行うことができる他、後述する水供給手段により供給する被処理水の力を用いて回転させることもできる。
水供給手段は蒸発部材の表面に対して被処理水を供給して接触させる手段であり、ポンプなどの機械的な作用により被処理水をくみ上げて蒸発部材に送出する手段や、蒸発部材を処理空間内の被処理水中に浸漬する手段などがある。特に被処理水中に浸漬させながら蒸発部材を回転させる(前述の蒸発部材駆動手段にて行う)構成を採用することが望ましい。
水供給手段として被処理水をくみ上げて蒸発部材に送出する手段を採用する場合には、被処理水を送出する送出口をもつことができる。この送出口は送出口移動手段により移動させることができる。送出口の移動は蒸発部材の表面に満遍なく被処理水が付着するように行うことが望ましい。例えば、蒸発部材表面を順次走査するように送出口の相対位置を変化させることができる。
(その他)
蒸発部材としては表面を導電性セラミックスにて構成しただけの構成を採用することもできる。導電性セラミックスとしてはグラファイトなど先に説明したものをそのまま採用できる。
以下の実施例において本願発明の水処理装置が作用効果を発揮する原理を実験に基づき説明する。従って、その構成は必ずしも本発明の必須の構成要素をすべて有するものでは無く、発明の説明に必要な構成要素のみから成り立つ場合もある。
・カルシウム除去能力の測定
縦横が20mm×50mm、40mm×50mm、60mm×50mm、そして80mm×50mmであって、厚み5mmのグラファイトプレートをそれぞれ2枚ずつ用意し、同じ大きさのグラファイトプレートを厚み方向に隙間が1mmの間隔で固定して一対の処理電極を構成した。
処理槽本体としての5Lビーカ中に硬度が約5.5mg/Lである被処理水としての水道水を4L入れ、それ中にそれぞれの一対の処理電極を浸漬させた。被処理水はスターラにて毎分50〜60回転させて撹拌した。
直流20Vを60分間印加した。処理終了直前の電流値を測定し、その電流値を平均的に流れる電流の大きさとして消費電流を算出した。
試験前後の水を原子吸光法にて分析して、カルシウム含有量を測定しカルシウム含有量を算出した。
それぞれ処理電極の電極面積(20mm×50mmの処理電極では100mm2とした)とカルシウム除去率((処理前濃度−処理後濃度)÷処理前濃度)から単位面積・単位時間あたりのカルシウム除去能力を算出した。結果を表1(カルシウム除去能力)及び表2(消費電力)に示す。なお、陽極としてチタン基材に白金メッキを行った電極を用いた場合についての電流値と消費電力についても同条件にて測定し併せて表2に示す。
Figure 0005186226
Figure 0005186226
表1より明らかなように、電極面積が大きくなるにつれてカルシウム除去能力も高くなることが分かった。なお、単位面積あたりのカルシウム除去能力は電極面積によらず概ね同程度であった。また、表2より明らかなように、消費電力は電極面積が大きくなるにつれて大きくなった。
・電極寿命の測定
(1)約8Lの容量を持つ処理槽本体としてのプラスチック製容器中に8Lの被処理水を入れた。100mm×50mm、厚み5mmのグラファイトプレートを2枚用意し、厚み方向に隙間が1mmの間隔で固定して一対の処理電極を構成した。
この一対の処理電極を処理槽本体内の被処理水中に長手方向に90mmだけ浸漬し、スターラで撹拌しながら直流20Vを累計時間が6、12、18、24時間になるように6時間ずつ印加した。それぞれ6時間毎の終了直前の水温、電流値を記録した。処理前後の被処理水中のカルシウム濃度を原子吸光法にて測定した。
処理電極の乾燥質量を測定した後(運転後の質量)、再度、同条件にて、この一対の処理電極を処理槽本体内の被処理水(8L)中に長手方向に90mmだけ浸漬し、スターラで撹拌しながら直流20Vを10分間印加した。この場合に、電圧の印加の極性を反転させて通電を行い、処理電極表面に付着したスケールなどを除去した後、電極の乾燥質量を測定し(洗浄後の質量)、試験前における質量から減少した質量を陽極及び陰極のそれぞれについて算出した。この操作を累積時間が24時間になるまで繰り返した。結果を表3に示す。
Figure 0005186226
表3より明らかなように、負極の処理電極には殆ど質量の変化が認められないが、陽極の処理電極には明らかな質量減少が認められた。すなわち、グラファイトは負極に採用した場合には質量減少は起きないが、正極では質量減少が起きうることが分かった。なお、詳細は示さないが、印加電圧を10V下げた以外は同条件にて行った試験によると、有意な質量減少は観測されなかった。つまり、印加電圧の値によっては陽極であっても質量減少が問題にならないことが分かった。
(2)陽極の処理電極をチタン製の基材の表面に白金をメッキしたプレートを用い、そう試験累計時間を54時間とした以外は同様の条件で試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005186226
表4より明らかなように、陽極に白金メッキを施した電極を採用することにより、陽極については質量減少が無くなったが、陰極において僅かに質量減少が認められた。この原因の1つとして、白金メッキ電極を用いた場合に極性を反転させたときの電流特性の変化が考えられる。具体的には、陽陰極を双方共にグラファイトから形成していたときには電位を逆転させたときに、最初は電流値が小さかったものがその後に多きくなって安定していたが、陽極として白金メッキ電極を採用することで、電位を逆転した最初には電流値が3A程度と大きな値から1.6A程度で安定化するように変化し、全体として電位の逆転状態における反応がより多く進行したことが一因であると考えられる。陽極側の電極がグラファイトである場合には電極の消耗が認められることは表3の結果からも明らかであり、過剰に反応が進行するようになったことが原因であると考えられる。従って、電位を逆転させて洗浄を行う時間を短くして適正な洗浄時間を探索することにより陰極の消耗を最低限に抑えることができるものと考えられる。なお、陽極にはスケールが付着し難いので、白金メッキ電極を採用しても、試験時間の経過に伴う大きな問題の発生は認められなかった。ここで、処理電極として、グラファイト以外にもチタン、白金メッキしたチタン、銅などを検討したが、グラファイトがカルシウム除去能力及び付着したスケールの除去のしやすさの観点から好ましいものであった。
本発明の水処理装置を実際に加湿器に適用したときの性能を評価した。
・加湿器の構成
加湿器は市販品(型番:EV−CB50、ハイブリッド式、象印マホービン製)を改造して用いた。60mm×50mm×5mmのプレート状の処理電極を2枚、厚み方向に1mmの間隔で対向させて一対の処理電極とした。この一対の処理電極を加湿器の吸水性部材に水を供給する供給路の途中に配設した。加湿器の吸水性部材はコルゲート状に加工した不織布を重ね合わせて形成したハニカム体であり、厚み方向(ハニカムの細孔が形成される方向)に空気を流通させることで吸水した水を蒸発させる部材である。フィルターとしての機能も付与されている。
・試験方法
6時間の加湿運転を行った後、18時間の乾燥操作を行う操作を1サイクルとして減少する水の量から蒸発量を測定した。加湿運転は25℃、ドライモードに設定したエアコンを運転する約200m3の部屋にて連続運転を行った。乾燥操作は50℃の恒温槽中で吸水部材に対して5m3/分の風量で空気を送風することで行った。使用した水は市販のミネラルウォータ(商品名:ヴァットヴィレール、Ca含有量:222mg/L、浜松市における水道水の約4.4倍、Mg含有量:1.8mg)を用いた。
加湿器を2台用意し、1台は7サイクル毎に処理電極に印加する極性を逆転させて処理電極を洗浄した。更に、一対の処理電極をもたない加湿器を用意して比較例の加湿器とした。なお、一対の処理電極への電圧の印加は加湿運転を行う6時間のうち最初の3時間行った。結果を図1に示す。なお、加湿量を500mL/時間を100としたときのサイクル毎の相対値を示している。
図1より明らかなように、本実施例の加湿器は比較例の加湿器と比べ、長期間にわたって高い加湿性能を維持することができた。特に、洗浄を行った場合には、洗浄を行う7サイクル毎に加湿性能も再生していることが分かり、高い性能が維持できることが分かった。
加湿器としての機能をもつ本発明の水処理装置の性能を評価した。
・加湿器の構成
加湿器は市販品(型番:EV−CB50、ハイブリッド式、象印マホービン製)を改造して用いた。加湿器の吸水性部材(加湿フィルタ)の表面にグラファイトを展着した。グラファイトの展着はグラファイトの微粉末をアクリル系やウレタン系樹脂のエマルジョンと共に水中にに分散させた分散液中に市販品の吸水部材(フィルタ)を浸漬・乾燥することで行った。その後、吸水部材の上部に吸水部材の横幅及び厚みに相当する大きさの銅板(陽極側)を配設させた。水中にグラファイト板からなる陰極を配置した。
・試験方法
6時間の加湿運転を行った後、18時間の乾燥操作を行う操作を1サイクルとして減少する水の量から蒸発量を測定した。加湿運転は25℃、ドライモードに設定したエアコンを運転する約200m3の部屋にて連続運転を行った。乾燥操作は50℃の恒温槽中で吸水部材に対して5m3/分の風量で空気を送風することで行った。使用した水は市販のミネラルウォータ(商品名:ヴァットヴィレール、Ca含有量:222mg/L、浜松市における水道水の約4.4倍、Mg含有量:1.8mg)を用いた。加湿器は2台用意し、一対の処理電極への電圧の印加は1台目を10V、2台目を20Vとした。結果を図2に示す。なお、加湿量を500mL/時間を100としたときのサイクル毎の相対値を示している。また、所定サイクル毎に加湿運転後、吸水部材をブラシにて軽く洗浄した後に乾燥操作を行い質量を測定した。この結果を表5に示す。
Figure 0005186226
図2より明らかなように、本実施例の加湿器は比較例の加湿器と比べ、長期間にわたって高い加湿性能を維持することができた。このことは表5にて明らかなように、フィルタの質量変化が実施例よりも比較例の方が大きいことからも明らかである。加湿性能は処理電極に印加する電圧の値を20Vとしたものの方が10Vの場合よりも長期間にわたり維持されることが分かった。
実施例3にて用いた加湿器における吸水性部材を用いて殺菌効果を判定した。実施例3の吸水部材の上部に銅製の電極を付けた。吸水部材の下部を水中に浸漬しながら、グラファイトプレートを対極として10V、20V、30Vの電圧を印加し、30分後、60分後における試験水中の細菌の量を評価した。吸水部材を陽極、グラファイトプレートを陰極とした。試験に用いる水は市水を一晩放置したものを用いた。一晩放置することで、水中に添加されていた塩素は殆ど除去された。
細菌の量は、試験水を2mL採取し直径4cmの円形の寒天培地上にて25℃、相対湿度85%、72時間培養した後の様子を目視で観察することで行った。評価は×、△、○の大きく三段階にて行い、何も処理しない試験水の評価を×とした。結果を表6に示す。
Figure 0005186226
表6より明らかなように、印加電圧10V、20V、30Vのすべての電圧において30分間の印加時間で殺菌効果が認められた。なお、10V、20V、30Vと電圧が大きくなるにつれて、評価△と同じであっても残存する微生物の量は減少した。また、電圧が20V及び30Vの場合には30分間の印加と比べて、60分間の印加では明らかに残存する細菌の量が減少した。特に電圧が30Vのときには60分間でほぼ細菌は死滅した。試験水中には銅イオンは溶け出さない条件を選択し、試験水中の塩素イオンも除去して行ったこの試験の結果から、殺菌効果は純水に電圧を印加したことによることが明らかになった。
蒸発部材としての円板状のフィルターを作成した。円板状のフィルターは、不織布からなる心材の表層部に銅粉末をポリエステル樹脂からなるバインダーにて添着させて対電極を形成した後、そのバインダーを単独で塗布してセパレータを形成し、更に、導電性セラミックスとしてのグラファイト粉末をバインダー中に分散させた状態で塗布することにより処理電極を形成した。処理電極は円板状のフィルターの全面を覆っていた。
図3に示すように、製造した円板状のフィルターAに対し、水道水を50mLを付着させた。水道水の付着は円板状のフィルターAの広がり方向が水平になるように行った。
付着させた水道水は図3(a)に示すようなスポットS1を形成した。その後、フィルターAの広がり方向が上下方向になるように放置すると、このスポットS1は時間の経過と共に、スポットS2、スポットS3のように、下方に向けて徐々に大きく拡がっていった。この条件下において、表面と内部の対電極との間の起電力を測定した。起電力を測定する部位は水道水を最初に付着させたスポットS1の中央付近に固定した。結果を表7及び図4に示す。
また、フィルターAの表面に水道水を付着させるまでは同じように操作を行った後、放置する際に、フィルターAを回転させたときの起電力を同様にして測定した。回転条件としては1回転に要する時間で規定し、10秒間で1回転、20秒間で1回転、30秒間で1回転の3つの条件を採用した。この結果についても表7及び図4に合わせて示す。
Figure 0005186226
表7及び図4より明らかなように、本実施例のフィルターは外部からの電圧の印加がなくても電位が生起していることが分かった。また、円板状のフィルターを回転させることによって、起電力の低下が抑制されていることが分かった。特に回転速度を大きくすることで起電力の低下を抑制できることが分かった。これはフィルターを回転させることにより、フィルター表面に付着する水道水(被処理水)の量が均等になったためであると考えられる。試験後の各フィルターを目視にて観察したところ、フィルターの回転速度が速くなるにつれて表面に付着している被処理水の量も均等化していることが観察された。
また、処理電極における電位の発生は静電気の寄与も考えられる。すなわち、低湿度雰囲気下でフィルターを回転していることから、静電気によりフィルターやその周辺の機器が帯電することが考えられ、その帯電した静電気はフィルターの表面に形成した処理電極に電位を生じさせていると思われる。そのため、回転速度が速いフィルターの方が、より多くの静電気がフィルターの回転に起因して生じることになり、処理電極が高い電位を示しているものと考えられる。
実施例5にて評価した円板状のフィルターを用いた水処理装置について評価を行った。この水処理装置は加湿器としての機能をもつ。
・加湿器の構成
実施例5にて用いたフィルターを用いた。本加湿器はこのフィルターは回転させながら水が供給される構成を有していた。フィルターは90秒間にて1回転するようにした。被処理水(ミネラルウォータ:ヴァットヴィレール:Ca硬度222mg/L:水酸化バリウムを添加することにより予め硫黄分を沈殿除去したもの)は1.5mL/分でフィルターの表面に送出した。比較例としてフィルターに処理電極及び対電極を形成していない以外は同じ構成をもつ加湿器について同じ試験を行った。フィルターへは送風手段としてのファンにて一面側から空気を送風した。
・試験方法
加湿運転を行いながら、加湿性能の推移を評価した。加湿性能は加湿量(質量基準)にて評価し、初期性能を100としたときの相対値にて評価した。具体的に評価する時間は運転開始後、表8に示す時間経過後に評価を行った。
加湿能力の評価を3回行う毎にフィルターの洗浄を行った。フィルターの洗浄は一面側を上にしてフィルターを完全に水道水中に浸漬した後、1箇所あたり5往復になるように手で軽くこすり洗いを行った。洗浄後、乾燥機中にて乾燥を行った。乾燥操作は50℃の恒温槽中でフィルターに対して5m3/分の風量で空気を送風することで行った。結果を表8及び図5に示す。
Figure 0005186226
表8及び図5より明らかなように、本実施例の加湿器は比較例の加湿器と比べ、長期間にわたって高い加湿性能を維持することができた。特に、比較例の加湿器においては洗浄を繰り返すことにより加湿性能が大幅に低下しているのに対して本実施例の加湿器においては繰り返し洗浄を行っても加湿性能は殆ど変化しなかった。これは比較例の加湿器におけるフィルターが内部にまでスケールが付着して今回の洗浄操作では十分に洗浄できなかったのに対して実施例の加湿器においては今回の洗浄操作にて簡単にスケールの洗浄ができたことに起因するものと考えられる。実際の洗浄操作において実施例と比較例とのフィルターについてスケールの付着の様子を観察すると、実施例のフィルターには目立ったスケールの付着は認められないことからも、実施例のフィルターへのスケール付着が十分に抑制されていることが裏付けられる。
同様の試験条件において、実施例及び比較例の加湿器を連続運転させたときのフィルター質量変化を測定した。連続運転は1日あたり6時間運転を行うことを繰り返した。結果を表9及び図6に示す。
Figure 0005186226
表9及び図6から明らかなように、実施例の加湿器のフィルターの質量には大きな変化が認められないのに対し、比較例の加湿器のフィルターは運転日数が増加するに従って、フィルター質量も増加していることが分かった。つまり、実施例のフィルターは比較例のフィルターと比較してスケールの付着防止効果が発揮されていることが分かった。
本実施例における加湿器の加湿能力の経時変化を示したグラフである。 本実施例における加湿器の加湿能力の経時変化を示したグラフである。 実施例5及び6における加湿器に用いたフィルターの外観概略図である。 本実施例における加湿器のフィルターにおける起電力の経時変化を示したグラフである。 本実施例における加湿器の加湿能力の経時変化を示したグラフである。 本実施例における加湿器のフィルター質量の経時変化を示したグラフである。

Claims (6)

  1. 被処理水が内部に貯留乃至通過する処理空間を区画する処理槽本体と、前記処理空間内に少なくとも一部が配設され前記被処理水に浸漬される一対の処理電極と、前記一対の処理電極に電圧を印加する電圧印加手段と、をもつ処理手段を有する水処理装置であって、
    前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は表面の少なくとも一部が導電性セラミックスから形成され
    前記処理空間内に配設され前記被処理水に一部が浸漬される吸水性部材と前記吸水性部材の少なくとも残部に空気を接触乃至通過させる送風手段とを有し、
    前記一方の処理電極は前記吸水性部材の前記被処理水に接触する表面を被覆し、
    前記他方の電極は前記吸水部材には接触せず、
    前記電圧印加手段は直流電源であり、
    前記一方の処理電極を陽極、他方の電極を負極とする通常運転を行うことを特徴とする水処理装置。
  2. 被処理水が内部に貯留乃至通過する処理空間を区画する処理槽本体と、前記処理空間内に少なくとも一部が配設され前記被処理水に浸漬される一対の処理電極と、前記一対の処理電極に電圧を印加する電圧印加手段と、をもつ処理手段を有する水処理装置であって、
    前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は表面の少なくとも一部が導電性セラミックスから形成され
    前記処理空間内の前記被処理水内に出し入れ可能であって表面に付着する前記被処理水を蒸発できる保水部材と前記被処理水内に前記保水部材を出し入れする駆動手段と前記被処理水の外に位置する前記保水部材に空気を接触乃至通過させる送風手段とを有し、
    前記一方の処理電極は前記保水部材の表面を被覆し、
    前記他方の電極は前記保水部材には接触せず、
    前記電圧印加手段は直流電源であり、
    前記一方の処理電極を陽極、他方の電極を負極とする通常運転を行うことを特徴とする水処理装置。
  3. 前記吸水性部材は多孔質部材又は網目状部材である請求項1又は2に記載の水処理装置。
  4. 前記電圧印加手段は直流電源であり、
    一方の電極を負極、他方の電極を陽極とする通常運転状態と一方の電極を陽極、他方の電極を負極とする洗浄運転状態とを切り替える運転状態切替部をもつ請求項1〜のいずれか1項に記載の水処理装置。
  5. 前記処理電極が前記被処理水に接触する表面の一部が銅から形成される抗菌部をもつ請求項1〜のいずれか1項に記載の水処理装置。
  6. 前記導電性セラミックスは導電性炭素材料である請求項1〜のいずれか1項に記載の水処理装置。
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