JP2006010302A - 全熱交換器及び加湿装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透湿膜の両側における水蒸気分圧差にかかわらず、水分移動を行うことができる全熱交換器及び加湿装置を提供する。
【解決手段】 全熱交換器1は、屋内空気RAと屋外空気OAとの間で顕熱交換及び潜熱交換を行う全熱交換器であり、プロトン交換膜からなる固体電解質膜21と固体電解質膜21の両側に配置された正極22及び負極23とを有する全熱交換素子2を、正極22同士又は負極23同士が対向するように間隔を空けて複数配置することによって、屋内空気RA及び屋外空気OAがそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路5、6が交互に形成されている。この全熱交換器1は、正極22と負極23との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜21内の水分子を移動させることによって、第1流路5内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与することが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】 全熱交換器1は、屋内空気RAと屋外空気OAとの間で顕熱交換及び潜熱交換を行う全熱交換器であり、プロトン交換膜からなる固体電解質膜21と固体電解質膜21の両側に配置された正極22及び負極23とを有する全熱交換素子2を、正極22同士又は負極23同士が対向するように間隔を空けて複数配置することによって、屋内空気RA及び屋外空気OAがそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路5、6が交互に形成されている。この全熱交換器1は、正極22と負極23との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜21内の水分子を移動させることによって、第1流路5内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与することが可能である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、全熱交換器及び加湿装置に関する。
従来より、加湿装置として、吸着剤や吸湿剤を用いたものがよく用いられている。例えば、吸着剤を用いた加湿装置として、ゼオライト等の水分吸着剤を有する吸湿エレメントに空気を通過させて空気(例えば、屋外の空気)中の水分を吸湿させた後、水分を吸湿した吸湿エレメントに加湿しようとする空気(例えば、屋内に供給される空気)をヒーターにより加熱した後に通過させて、吸湿エレメントに吸湿された水分を脱離させることによって、空気を加湿するものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、上述のような吸着剤ではなく、ハロゲン化リチウム等の吸湿剤を塗布・含浸させた素材を吸湿エレメントとして用いたものもある。
また、従来より、全熱交換器として、吸湿剤が塗布されて透湿性を有する板状素材や素材自身が透湿性を有する板状素材(以下、透湿膜とする)からなる全熱交換素子を用いて、屋内の空気と屋外の空気とが通過する流路を形成し、屋内の空気と屋外の空気との間で顕熱及び潜熱の熱交換を行うものがある(特許文献2参照。)。
特開2003−38929号公報
特開平11−108409号公報
上述の加湿装置においては、吸着剤や吸湿剤を有する吸湿エレメントから水分を脱離させるためのヒーターが必要であり、また、吸湿エレメントが回転式の場合には、吸湿エレメントを回転駆動するためのモーターが必要となる。
また、上述の全熱交換器においては、透湿膜を用いているため、透湿膜の両側における空気中の水蒸気分圧の差に応じて潜熱交換としての水分移動が行われることになる。具体的には、水蒸気分圧の高い空気から水蒸気分圧の低い空気への水分移動は行うことができるが、水蒸気分圧が同程度の空気同士の水分移動や水蒸気分圧の低い空気から水蒸気分圧の高い空気への水分移動は行うことができない。このため、全熱交換器においては、潜熱交換量、すなわち、水分移動量の制御を行うことはできない。
また、上述の全熱交換器においては、透湿膜を用いているため、透湿膜の両側における空気中の水蒸気分圧の差に応じて潜熱交換としての水分移動が行われることになる。具体的には、水蒸気分圧の高い空気から水蒸気分圧の低い空気への水分移動は行うことができるが、水蒸気分圧が同程度の空気同士の水分移動や水蒸気分圧の低い空気から水蒸気分圧の高い空気への水分移動は行うことができない。このため、全熱交換器においては、潜熱交換量、すなわち、水分移動量の制御を行うことはできない。
さらに、透湿膜を用いて加湿装置を構成する場合には、吸湿エレメントから水分を脱離させるためのヒーターや吸湿エレメントを回転駆動するためのモーターは不要になるが、水蒸気分圧が同程度の空気同士の水分移動や水蒸気分圧の低い空気から水蒸気分圧の高い空気への水分移動は行うことができないため、加湿量が制限されてしまい、必要な加湿量が得られない場合もある。
本発明の課題は、透湿膜の両側における水蒸気分圧差にかかわらず、透湿膜内の水分移動を行うことができる全熱交換器及び加湿装置を提供することにある。
第1の発明にかかる全熱交換器は、2つの空気流の間で顕熱交換及び潜熱交換を行う全熱交換器であって、イオン導電性物質からなる固体電解質膜と固体電解質膜の両側に配置された正極及び負極とを有する全熱交換素子を、正極同士又は負極同士が対向するように間隔を空けて複数配置することによって、2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路が交互に形成されている。この全熱交換器は、正極と負極との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することが可能である。
この全熱交換器では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜と、この固体電解質膜の両側に配置された正極及び負極とからなる素材を全熱交換素子として使用している。ここで、固体電解質膜としては、陽イオン導電性物質又は陰イオン導電性物質を使用することが可能である。例えば、陽イオン導電性物質からなる固体電解質膜の一つとしてのプロトン交換膜を用いた場合の全熱交換器の作用について説明する。
まず、全熱交換器の第1流路及び第2流路に2つの空気流を流すと、2つの空気流中に含まれる水分が全熱交換素子の固体電解質膜に吸湿されて、全熱交換素子が電解セルを構成することになる。この状態において、全熱交換素子の正極と負極との間に電圧を印加すると、正極及び負極において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、全熱交換素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、全熱交換素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
このため、全熱交換素子の正極側を流れる空気流の流路を第1流路とし、全熱交換素子の負極側を流れる空気流の流路を第2流路とすると、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することとなり、第1流路内を流れる空気流と第2流路内を流れる空気流との間の温度差に応じて顕熱交換を行うとともに、第1流路内を流れる空気流を除湿し、かつ、第2流路内を流れる空気流を加湿する潜熱交換を行うことができる。しかも、上述の電極反応は、全熱交換素子の正極と負極との間に印加される電圧値や正極と負極との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1流路内を流れる空気流の水蒸気分圧が第2流路内を流れる空気流の水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することができる。
このように、この全熱交換器では、電気浸透現象を利用して全熱交換素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、全熱交換素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず全熱交換素子内の水分移動を行うことが可能になり、全熱交換素子における2つの空気流間の潜熱交換量、すなわち、水分移動量を制御することが可能となる。
尚、固体電解質膜として陰イオン導電性物質を使用する場合には、固体電解質膜内における水分子の移動が負極側から正極側に向かって移動することになるが、上述の陽イオン導電性物質を使用する場合と同様な作用効果が得られる。
第2の発明にかかる全熱交換器は、2つの空気流の間で顕熱交換及び潜熱交換を行う全熱交換器であって、複数の全熱交換素子と、第1スペーサー部材と、第2スペーサー部材とを備えている。複数の全熱交換素子は、2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路が交互に形成されるように間隔を空けて配置されており、イオン導電性物質からなる固体電解質膜を有している。第1スペーサー部材は、各第1流路を挟んで対向する各1対の全熱交換素子の両方に接触するように配置されており、各1対の全熱交換素子の間隔を保持するとともに、正極及び負極の一方の機能を有している。第2スペーサー部材は、各第2流路を挟んで対向する各1対の全熱交換素子の両方に接触するように配置されており、各1対の全熱交換素子の間隔を保持するとともに、正極及び負極の他方の機能を有している。この全熱交換器は、第1スペーサー部材と第2スペーサー部材との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することが可能である。
第2の発明にかかる全熱交換器は、2つの空気流の間で顕熱交換及び潜熱交換を行う全熱交換器であって、複数の全熱交換素子と、第1スペーサー部材と、第2スペーサー部材とを備えている。複数の全熱交換素子は、2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路が交互に形成されるように間隔を空けて配置されており、イオン導電性物質からなる固体電解質膜を有している。第1スペーサー部材は、各第1流路を挟んで対向する各1対の全熱交換素子の両方に接触するように配置されており、各1対の全熱交換素子の間隔を保持するとともに、正極及び負極の一方の機能を有している。第2スペーサー部材は、各第2流路を挟んで対向する各1対の全熱交換素子の両方に接触するように配置されており、各1対の全熱交換素子の間隔を保持するとともに、正極及び負極の他方の機能を有している。この全熱交換器は、第1スペーサー部材と第2スペーサー部材との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することが可能である。
この全熱交換器では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜を全熱交換素子として使用し、これらの全熱交換素子の両側に2つの空気流を流す第1及び第2流路を形成するための第1及び第2スペーサー部材を正極及び負極として使用している。ここで、固体電解質膜としては、陽イオン導電性物質又は陰イオン導電性物質を使用することが可能である。また、第1及び第2スペーサー部材としては、電気化学的に安定な導電性の高い素材が使用される。例えば、陽イオン導電性物質からなる固体電解質膜の一つとしてのプロトン交換膜を用いた場合の全熱交換器の作用について説明する。
まず、全熱交換器の第1流路及び第2流路に2つの空気流を流すと、2つの空気流中に含まれる水分が全熱交換素子の固体電解質膜に吸湿されて、全熱交換素子、第1及び第2スペーサー部材が電解セルを構成することになる。この状態において、正極として機能する第1及び第2スペーサー部材の一方(以下、正極とする)と負極として機能する第1及び第2スペーサー部材の他方(以下、負極とする)との間に電圧を印加すると、正極及び負極において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、全熱交換素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、全熱交換素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
このため、全熱交換素子の正極側を流れる空気流の流路を第1流路とし、全熱交換素子の負極側を流れる空気流の流路を第2流路とすると、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することとなり、第1流路内を流れる空気流と第2流路内を流れる空気流との間の温度差に応じて顕熱交換を行うとともに、第1流路内を流れる空気流を除湿し、かつ、第2流路内を流れる空気流を加湿する潜熱交換を行うことができる。しかも、上述の電極反応は、正極と負極との間(すなわち、第1スペーサー部材と第2スペーサー部材との間)に印加される電圧値や正極と負極との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1流路内を流れる空気流の水蒸気分圧が第2流路内を流れる空気流の水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することができる。
このように、この全熱交換器では、電気浸透現象を利用して全熱交換素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、全熱交換素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず全熱交換素子内の水分移動を行うことが可能になり、全熱交換素子における2つの空気流間の潜熱交換量、すなわち、水分移動量を制御することが可能となる。しかも、複数の全熱交換素子間に配置される第1及び第2スペーサー部材が固体電解質膜の両側に電圧を印加するための正極及び負極を兼ねているため、全熱交換器を構成する部品点数を少なくすることができる。
尚、固体電解質膜として陰イオン導電性物質を使用する場合には、固体電解質膜内における水分子の移動が負極側から正極側に向かって移動することになるが、上述の陽イオン導電性物質を使用する場合と同様な作用効果が得られる。
第3の発明にかかる全熱交換器は、第1又は第2の発明にかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を膜状に形成したものである。
第3の発明にかかる全熱交換器は、第1又は第2の発明にかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を膜状に形成したものである。
この全熱交換器では、イオン導電性物質として、層状粘土鉱物を原料としたプロトン導電性物質を用い、このようなプロトン導電性物質を膜状に形成したものを固体電解質膜として採用している。このようなプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜は、比較的安価に製造することができる。
しかも、このようなプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜では、膜間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、膜内の水分子を移動させる作用だけでなく、ウイルス、細菌や臭い成分等を分子ふるい効果によって、膜内のウイルス、細菌や臭い成分等を移動させにくくする作用が得られる。これにより、全熱交換器において、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与する際に、ウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分が同時に移動するのを抑えることができ、例えば、室内における臭気発生等の問題を防ぐことができる。
しかも、このようなプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜では、膜間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、膜内の水分子を移動させる作用だけでなく、ウイルス、細菌や臭い成分等を分子ふるい効果によって、膜内のウイルス、細菌や臭い成分等を移動させにくくする作用が得られる。これにより、全熱交換器において、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与する際に、ウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分が同時に移動するのを抑えることができ、例えば、室内における臭気発生等の問題を防ぐことができる。
このように、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜は、比較的安価に製造することができるとともに、屋内における臭気発生等の問題も防ぐことができる。
第4の発明にかかる全熱交換器は、第3の発明にかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、プロトンを発生させるための触媒を担持している。
第4の発明にかかる全熱交換器は、第3の発明にかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、プロトンを発生させるための触媒を担持している。
この全熱交換器では、固体電解質膜がプロトンを発生させるための触媒を担持しているため、正極における電極反応を促進することができる。
第5の発明にかかる全熱交換器は、第3又は第4の発明にかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、プロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持している。
第5の発明にかかる全熱交換器は、第3又は第4の発明にかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、プロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持している。
この全熱交換器では、固体電解質膜がプロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持しているため、負極における電極反応を促進することができる。
第6の発明にかかる全熱交換器は、第3〜第5の発明のいずれかにかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有している。
この全熱交換器では、固体電解質膜が吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、膜内における水分子の移動速度や移動量を制御することができる。
第6の発明にかかる全熱交換器は、第3〜第5の発明のいずれかにかかる全熱交換器において、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有している。
この全熱交換器では、固体電解質膜が吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、膜内における水分子の移動速度や移動量を制御することができる。
例えば、正極側に低湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、低湿度用膜とする)を配置し、この低湿度用膜の負極側に高湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、高湿度用膜とする)を配置することにより多層化した場合には、正極側の流路が低湿度の環境であっても、水分が低湿度用膜の膜内に導入されやすくなる。そして、低湿度用膜内に導入された水分は、電気浸透現象を利用して多量の水分を吸湿することができる高湿度用膜に移動し、負極側の流路を流れる空気流に付与されることになる。すなわち、固体電解質膜を吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造にすることによって、膜内における水分子の移動速度や移動量を大きくすることができる。そうすると、膜内における水分子の移動速度や移動量に比べて、膜内におけるウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分の移動速度や移動量が相対的に小さくなるため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
第7の発明にかかる加湿装置は、イオン導電性物質からなる固体電解質膜と固体電解質膜の両側に配置された正極及び負極とを有する加湿素子を、正極同士又は負極同士が対向するように間隔を空けて複数配置することによって、2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路が交互に形成された吸湿エレメントを備えている。この加湿装置は、正極と負極との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与し、第2流路内を流れる空気流を加湿する。
この加湿装置では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜と、この固体電解質膜の両側に配置された正極及び負極とからなる素材を加湿素子として使用した吸湿エレメントを備えている。ここで、固体電解質膜としては、陽イオン導電性物質又は陰イオン導電性物質を使用することが可能である。例えば、陽イオン導電性物質からなる固体電解質膜の一つとしてのプロトン交換膜を用いた場合の加湿装置の作用について説明する。
まず、加湿装置の第1流路及び第2流路に2つの空気流を流すと、2つの空気流中に含まれる水分が加湿素子の固体電解質膜に吸湿されて、加湿素子が電解セルを構成することになる。この状態において、加湿素子の正極と負極との間に電圧を印加すると、正極及び負極において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、加湿素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、加湿素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
このため、加湿素子の正極側を流れる空気流の流路を第1流路とし、加湿素子の負極側を流れる空気流の流路を第2流路とすると、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与して、第2流路内を流れる空気流を加湿することができる。しかも、上述の電極反応は、加湿素子の正極と負極との間に印加される電圧値や正極と負極との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1流路内を流れる空気流の水蒸気分圧が第2流路内を流れる空気流の水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与して、加湿することができる。
このように、この加湿装置では、電気浸透現象を利用して加湿素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。また、従来の吸着剤や吸湿剤を含む吸湿エレメントを備えた加湿装置において必要とされていた吸湿エレメントから水分を脱離させるためのヒーターや回転式の吸湿エレメントを回転駆動するためのモーターが不要となる。
尚、固体電解質膜として陰イオン導電性物質を使用する場合には、固体電解質膜内における水分子の移動が負極側から正極側に向かって移動することになるが、上述の陽イオン導電性物質を使用する場合と同様な作用効果が得られる。
第8の発明にかかる加湿装置は、複数の加湿素子と、第1スペーサー部材と、第2スペーサー部材とを有する吸湿エレメントを備えている。複数の加湿素子は、2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路が交互に形成されるように間隔を空けて配置されており、イオン導電性物質からなる固体電解質膜を有している。第1スペーサー部材は、各第1流路を挟んで対向する各1対の加湿素子の両方に接触するように配置されており、各1対の加湿素子の間隔を保持するとともに正極及び負極の一方の機能を有している。第2スペーサー部材は、各第2流路を挟んで対向する各1対の加湿素子の両方に接触するように配置されており、各1対の加湿素子の間隔を保持するとともに正極及び負極の他方の機能を有している。この加湿装置は、第1スペーサー部材と第2スペーサー部材との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与し、第2流路内を流れる空気流を加湿する。
第8の発明にかかる加湿装置は、複数の加湿素子と、第1スペーサー部材と、第2スペーサー部材とを有する吸湿エレメントを備えている。複数の加湿素子は、2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路が交互に形成されるように間隔を空けて配置されており、イオン導電性物質からなる固体電解質膜を有している。第1スペーサー部材は、各第1流路を挟んで対向する各1対の加湿素子の両方に接触するように配置されており、各1対の加湿素子の間隔を保持するとともに正極及び負極の一方の機能を有している。第2スペーサー部材は、各第2流路を挟んで対向する各1対の加湿素子の両方に接触するように配置されており、各1対の加湿素子の間隔を保持するとともに正極及び負極の他方の機能を有している。この加湿装置は、第1スペーサー部材と第2スペーサー部材との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与し、第2流路内を流れる空気流を加湿する。
この加湿装置では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜を加湿素子として使用し、これらの加湿素子の両側に2つの空気流を流す第1及び第2流路を形成するための第1及び第2スペーサー部材を正極及び負極として使用した吸湿エレメントを備えている。ここで、固体電解質膜としては、陽イオン導電性物質又は陰イオン導電性物質を使用することが可能である。また、第1及び第2スペーサー部材としては、電気化学的に安定な導電性の高い素材が使用される。例えば、陽イオン導電性物質からなる固体電解質膜の一つとしてのプロトン交換膜を用いた場合の加湿装置の作用について説明する。
まず、加湿装置の第1流路及び第2流路に2つの空気流を流すと、2つの空気流中に含まれる水分が加湿素子の固体電解質膜に吸湿されて、加湿素子、第1及び第2スペーサー部材が電解セルを構成することになる。この状態において、正極として機能する第1及び第2スペーサー部材の一方(以下、正極とする)と負極として機能する第1及び第2スペーサー部材の他方(以下、負極とする)との間に電圧を印加すると、正極及び負極において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、加湿素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、加湿素子の負極側を流れる空気流に付与されることになる。
このため、加湿素子の正極側を流れる空気流の流路を第1流路とし、加湿素子の負極側を流れる空気流の流路を第2流路とすると、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することとなり、第1流路内を流れる空気流と第2流路内を流れる空気流との間の温度差に応じて顕熱交換を行うとともに、第1流路内を流れる空気流を除湿し、かつ、第2流路内を流れる空気流を加湿する潜熱交換を行うことができる。しかも、上述の電極反応は、正極と負極との間(すなわち、第1スペーサー部材と第2スペーサー部材との間)に印加される電圧値や正極と負極との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1流路内を流れる空気流の水蒸気分圧が第2流路内を流れる空気流の水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、第2流路内を流れる空気流に付与することができる。
このように、この加湿装置では、電気浸透現象を利用して加湿素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。また、従来の吸着剤や吸湿剤を含む吸湿エレメントを有する加湿装置において必要とされていた吸湿エレメントから水分を脱離させるためのヒーターや回転式の吸湿エレメントを回転駆動するためのモーターが不要となる。しかも、複数の加湿素子間に配置される第1及び第2スペーサー部材が固体電解質膜の両側に電圧を印加するための正極及び負極を兼ねているため、加湿装置を構成する部品点数を少なくすることができる。
尚、固体電解質膜として陰イオン導電性物質を使用する場合には、固体電解質膜内における水分子の移動が負極側から正極側に向かって移動することになるが、上述の陽イオン導電性物質を使用する場合と同様な作用効果が得られる。
第9の発明にかかる加湿装置は、イオン導電性物質からなる固体電解質膜と固体電解質膜の両側に配置された正極及び負極とを有する加湿素子をケーシング内に配置することによって、正極及び負極の一方側に形成され加湿源としての水分が供給される第1空間と、正極及び負極の他方側に形成され被加湿対象としての空気が流れる第2空間とが形成されている。この加湿装置は、正極と負極との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1空間内の水分を、第2空間内を流れる空気に付与し、第2空間内を流れる空気を加湿する。
第9の発明にかかる加湿装置は、イオン導電性物質からなる固体電解質膜と固体電解質膜の両側に配置された正極及び負極とを有する加湿素子をケーシング内に配置することによって、正極及び負極の一方側に形成され加湿源としての水分が供給される第1空間と、正極及び負極の他方側に形成され被加湿対象としての空気が流れる第2空間とが形成されている。この加湿装置は、正極と負極との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、第1空間内の水分を、第2空間内を流れる空気に付与し、第2空間内を流れる空気を加湿する。
この加湿装置では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜と、この固体電解質膜の両側に配置された正極及び負極とからなる素材を加湿素子として使用している。ここで、固体電解質膜としては、陽イオン導電性物質又は陰イオン導電性物質を使用することが可能である。例えば、陽イオン導電性物質からなる固体電解質膜の一つとしてのプロトン交換膜を用いた場合の加湿装置の作用について説明する。
まず、加湿装置の第1空間の加湿源としての水分を加湿素子の固体電解質膜に吸湿させて、加湿素子からなる電解セルを構成する。ここで、プロトン交換膜を固体電解質膜として使用する場合には、正極を固体電解質膜の第1空間側に配置し、負極を固体電解質膜の第2空間側に配置する。この状態において、第2空間に被加湿対象としての空気を流しつつ、加湿素子の正極と負極との間に電圧を印加すると、正極及び負極において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、加湿素子の負極側を流れる空気流、すなわち、第2空間を流れる被加湿対象の空気流に付与されることとなり、第2空間を流れる被加湿対象の空気流を加湿することができる。しかも、上述の電極反応は、加湿素子の正極と負極との間に印加される電圧値や正極と負極との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1空間内の加湿源としての水分の供給量が少なく、第1空間内における水蒸気分圧が第2空間内を流れる空気流の水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1空間内の水分を、第2空間内を流れる空気流に付与して、加湿することができる。
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極においては水素イオン(H+)が生成し、負極においては水が生成することになる。また、正極と負極との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に電場が発生しているため、正極において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられて固体電解質膜内を負極側に移動することになる(以下、電気浸透現象とする)。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜の負極側に移動した水は、負極における電極反応によって生成した水とともに、加湿素子の負極側を流れる空気流、すなわち、第2空間を流れる被加湿対象の空気流に付与されることとなり、第2空間を流れる被加湿対象の空気流を加湿することができる。しかも、上述の電極反応は、加湿素子の正極と負極との間に印加される電圧値や正極と負極との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1空間内の加湿源としての水分の供給量が少なく、第1空間内における水蒸気分圧が第2空間内を流れる空気流の水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1空間内の水分を、第2空間内を流れる空気流に付与して、加湿することができる。
このように、この加湿装置では、電気浸透現象を利用して加湿素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。
尚、固体電解質膜として陰イオン導電性物質を使用する場合には、固体電解質膜内における水分子の移動が負極側から正極側に向かって移動することになるが、上述の陽イオン導電性物質を使用する場合と同様な作用効果が得られる。
尚、固体電解質膜として陰イオン導電性物質を使用する場合には、固体電解質膜内における水分子の移動が負極側から正極側に向かって移動することになるが、上述の陽イオン導電性物質を使用する場合と同様な作用効果が得られる。
第10の発明にかかる加湿装置は、第7〜第9の発明のいずれかにかかる加湿装置において、固体電解質膜が、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を膜状に形成したものである。
この加湿装置では、イオン導電性物質として、層状粘土鉱物を原料としたプロトン導電性物質を用い、このようなプロトン導電性物質を膜状に形成したものを固体電解質膜として採用している。このようなプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜は、比較的安価に製造することができる。
この加湿装置では、イオン導電性物質として、層状粘土鉱物を原料としたプロトン導電性物質を用い、このようなプロトン導電性物質を膜状に形成したものを固体電解質膜として採用している。このようなプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜は、比較的安価に製造することができる。
しかも、このようなプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜では、膜間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、膜内の水分子を移動させる作用だけでなく、ウイルス、細菌や臭い成分等を分子ふるい効果によって、膜内のウイルス、細菌や臭い成分等を移動させにくくする作用が得られる。これにより、全熱交換器において、第1流路内を流れる空気流に含まれる水分又は第1空間内の加湿源として供給される水分を、第2流路内を流れる空気流又は第2空間内を流れる空気流に付与する際に、ウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分が同時に移動するのを抑えることができ、例えば、屋内における臭気発生等の問題を防ぐことができる。
このように、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜は、比較的安価に製造することができるとともに、室内における臭気発生等の問題も防ぐことができる。
第11の発明にかかる加湿装置は、第10の発明にかかる加湿装置において、固体電解質膜が、プロトンを発生させるための触媒を担持している。
第11の発明にかかる加湿装置は、第10の発明にかかる加湿装置において、固体電解質膜が、プロトンを発生させるための触媒を担持している。
この加湿装置では、固体電解質膜がプロトンを発生させるための触媒を担持しているため、正極における電極反応を促進することができる。
第12の発明にかかる加湿装置は、第10又は第11の発明にかかる加湿装置において、固体電解質膜が、プロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持している。
第12の発明にかかる加湿装置は、第10又は第11の発明にかかる加湿装置において、固体電解質膜が、プロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持している。
この加湿装置では、固体電解質膜がプロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持しているため、負極における電極反応を促進することができる。
第13の発明にかかる加湿装置は、第10〜第12の発明のいずれかにかかる加湿装置において、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有している。
この加湿装置では、固体電解質膜が吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、膜内における水分子の移動速度や移動量を制御することができる。
第13の発明にかかる加湿装置は、第10〜第12の発明のいずれかにかかる加湿装置において、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有している。
この加湿装置では、固体電解質膜が吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、膜内における水分子の移動速度や移動量を制御することができる。
例えば、正極側に低湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、低湿度用膜とする)を配置し、この低湿度用膜の負極側に高湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、高湿度用膜とする)を配置することにより多層化した場合には、正極側の流路が低湿度の環境であっても、水分が低湿度用膜の膜内に導入されやすくなる。そして、低湿度用膜内に導入された水分は、電気浸透現象を利用して多量の水分を吸湿することができる高湿度用膜に移動し、負極側の流路を流れる空気流に付与されることになる。すなわち、固体電解質膜を吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造にすることによって、膜内における水分子の移動速度や移動量を大きくすることができる。そうすると、膜内における水分子の移動速度や移動量に比べて、膜内におけるウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分の移動速度や移動量が相対的に小さくなるため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、電気浸透現象を利用して全熱交換素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、全熱交換素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず全熱交換素子内の水分移動を行うことが可能になり、全熱交換素子における2つの空気流間の潜熱交換量、すなわち、水分移動量を制御することが可能となる。
第1の発明では、電気浸透現象を利用して全熱交換素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、全熱交換素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず全熱交換素子内の水分移動を行うことが可能になり、全熱交換素子における2つの空気流間の潜熱交換量、すなわち、水分移動量を制御することが可能となる。
第2の発明では、電気浸透現象を利用して全熱交換素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、全熱交換素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず全熱交換素子内の水分移動を行うことが可能になり、全熱交換素子における2つの空気流間の潜熱交換量、すなわち、水分移動量を制御することが可能となる。しかも、複数の全熱交換素子間に配置される第1及び第2スペーサー部材が固体電解質膜の両側に電圧を印加するための正極及び負極を兼ねているため、全熱交換器を構成する部品点数を少なくすることができる。
第3の発明では、固体電解質膜を比較的安価に製造することができるとともに、室内における臭気発生等の問題も防ぐことができる。
第4の発明では、正極における電極反応を促進することができる。
第5の発明では、負極における電極反応を促進することができる。
第6の発明では、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
第4の発明では、正極における電極反応を促進することができる。
第5の発明では、負極における電極反応を促進することができる。
第6の発明では、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
第7の発明では、電気浸透現象を利用して加湿素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。また、従来の吸着剤や吸湿剤を含む吸湿エレメントを有する加湿装置において必要とされていた吸湿エレメントから水分を脱離させるためのヒーターや回転式の吸湿エレメントを回転駆動するためのモーターが不要となる。
第8の発明では、電気浸透現象を利用して加湿素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。また、従来の吸着剤や吸湿剤を含む吸湿エレメントを有する加湿装置において必要とされていた吸湿エレメントから水分を脱離させるためのヒーターや回転式の吸湿エレメントを回転駆動するためのモーターが不要となる。しかも、複数の加湿素子間に配置される第1及び第2スペーサー部材が固体電解質膜の両側に電圧を印加するための正極及び負極を兼ねているため、加湿装置を構成する部品点数を少なくすることができる。
第9の発明では、電気浸透現象を利用して加湿素子の固体電解質膜内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子の固体電解質膜の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。
第10の発明では、固体電解質膜を比較的安価に製造することができるとともに、室内における臭気発生等の問題も防ぐことができる。
第10の発明では、固体電解質膜を比較的安価に製造することができるとともに、室内における臭気発生等の問題も防ぐことができる。
第11の発明では、正極における電極反応を促進することができる。
第12の発明では、負極における電極反応を促進することができる。
第13の発明では、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
第12の発明では、負極における電極反応を促進することができる。
第13の発明では、固体電解質膜が、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有しているため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる全熱交換器及び加湿装置の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
(1)全熱交換器の構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる全熱交換器1の要部を示す斜視図である。
[第1実施形態]
(1)全熱交換器の構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる全熱交換器1の要部を示す斜視図である。
全熱交換器1は、2つの空気流(例えば、屋内空気RAと屋外空気OA)の間で顕熱交換及び潜熱交換を行う機器であり、主として、複数の全熱交換素子2と、複数の第1及び第2スペーサー部材3、4とを備えている。複数の全熱交換素子2は、平板状の部材であり、屋内空気RAが流れる複数の第1流路5と屋外空気OAが流れる複数の第2流路6とが交互に形成されるように間隔を空けて配置されている。第1スペーサー部材3は、波板状の部材であり、各第1流路5を挟んで対向する各1対の全熱交換素子2の両方に接触するように配置されて、各1対の全熱交換素子2の間隔を保持している。第2スペーサー部材4は、第1スペーサー部材3と同様の波板状の部材であり、各第2流路6を挟んで対向する各1対の全熱交換素子2の両方に接触するように配置されて、各1対の全熱交換素子2の間隔を保持している。本実施形態において、第1スペーサー部材3と第2スペーサー部材とは、第1流路5と第2流路6とが互い直交するように配置されており、屋内空気RAと屋外空気OAとが互いに交差する方向に流れるようになっている。このように、全熱交換器1には、複数の全熱交換素子2と第1及びスペーサー部材3、4を複数積層することによって、屋内空気RAが流れる複数の第1流路5と、屋外空気OAが流れる複数の第2流路6とが交互に形成されている。
図2は、全熱交換器の一部を模式的に示した断面図である。複数の全熱交換素子2は、本実施形態において、イオン導電性物質からなる平板状の固体電解質膜21と、固体電解質膜21の両側に配置された正極22及び負極23とを有している。第1流路5を形成する1対の全熱交換素子2は、正極22同士が第1流路5を挟んで対向するように配置されている。そして、第2流路6を形成する1対の全熱交換素子2は、負極23同士が第2流路6を挟んで対向するように配置されている。固体電解質膜21としては、陽イオン導電性物質や陰イオン導電性物質を使用することが可能であるが、本実施形態において、陽イオン導電性物質であるプロトン交換膜が使用されている。プロトン交換膜の例としては、デュポン社製のNAFION膜(登録商標)等が挙げられる。正極22及び負極23は、電気化学的に安定な導電性の高い素材が使用されており、例えば、金網状の素材を接着やプレス加工により固体電解質膜21の表面に接合されている。正極22及び負極23の素材としては、例えば、ステンレス、カーボンや白金等を使用することができる。また、正極22及び負極23は、メッキや蒸着等によって固体電解質膜21の表面に接合されていてもよい。そして、正極22及び負極23は、直流電源7に接続されており、直流電圧を印加できるように構成されている。
(2)全熱交換器の動作
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態の全熱交換器1の動作について説明する。ここで、図3は、全熱交換素子2における電極反応及び電気浸透現象を説明する図である。
まず、全熱交換器1の第1流路5及び第2流路6にそれぞれ屋内空気RA及び屋外空気OAを流すと(図3の矢印A及び矢印B参照)、屋内空気RA及び屋外空気OA中に含まれる水分が全熱交換素子2の固体電解質膜21に吸湿されて、全熱交換素子2が電解セルを構成することになる。この状態において、全熱交換素子2の正極22と負極23との間に直流電源7を用いて直流電圧を印加すると、正極22及び負極23において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態の全熱交換器1の動作について説明する。ここで、図3は、全熱交換素子2における電極反応及び電気浸透現象を説明する図である。
まず、全熱交換器1の第1流路5及び第2流路6にそれぞれ屋内空気RA及び屋外空気OAを流すと(図3の矢印A及び矢印B参照)、屋内空気RA及び屋外空気OA中に含まれる水分が全熱交換素子2の固体電解質膜21に吸湿されて、全熱交換素子2が電解セルを構成することになる。この状態において、全熱交換素子2の正極22と負極23との間に直流電源7を用いて直流電圧を印加すると、正極22及び負極23において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極22においては水素イオン(H+)が生成し(図3の矢印C参照)、負極23においては水が生成することになる(図3の矢印D参照)。また、正極22と負極23との間に直流電圧を印加することによって、固体電解質膜21に電場が発生しているため、正極22において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる(図3の矢印E参照)。この際、固体電解質膜21に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられる電気浸透現象が生じて、固体電解質膜21内を負極23側に移動することになる。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜21の負極23側に移動した水は、負極23における電極反応によって生成した水とともに、全熱交換素子2の負極23側を流れる屋外空気OAに付与されることになる(図2の水の移動を示す矢印を参照)。
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極22においては水素イオン(H+)が生成し(図3の矢印C参照)、負極23においては水が生成することになる(図3の矢印D参照)。また、正極22と負極23との間に直流電圧を印加することによって、固体電解質膜21に電場が発生しているため、正極22において生成した水素イオンが固体電解質膜内を正極側から負極側に向かって移動することになる(図3の矢印E参照)。この際、固体電解質膜21に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられる電気浸透現象が生じて、固体電解質膜21内を負極23側に移動することになる。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜21の負極23側に移動した水は、負極23における電極反応によって生成した水とともに、全熱交換素子2の負極23側を流れる屋外空気OAに付与されることになる(図2の水の移動を示す矢印を参照)。
このように、本実施形態の全熱交換器1では、第1流路5内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与することとなり、第1流路5内を流れる屋内空気RAと第2流路6内を流れる屋外空気OAとの間の温度差に応じて顕熱交換を行うとともに、第1流路5内を流れる屋内空気RAを除湿して排出空気EAとして屋外に排出し、かつ、第2流路6内を流れる屋外空気OAを加湿する潜熱交換を行って、供給空気SAとして屋内に供給することができる。しかも、上述の電極反応は、全熱交換素子2の正極22と負極23との間に印加される電圧値や正極22と負極23との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1流路5内を流れる屋内空気RAの水蒸気分圧が第2流路6内を流れる屋外空気OAの水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1流路5内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与することができる。
また、この全熱交換器1において、正極と負極とが逆になるように、すなわち、正極22を負極として機能させ、負極23を正極として機能させるように、直流電源7から正極22と負極23との間に直流電圧を印加することによって、第2流路6内を流れる屋外空気OAに含まれる水分を、第1流路5内を流れる屋内空気RAに付与し、除湿された屋外空気OAを供給空気SAとして屋内に供給することもできる。
(3)全熱交換器の特徴
本実施形態の全熱交換器1には、以下のような特徴がある。
本実施形態の全熱交換器1では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜21と、この固体電解質膜21の両側に配置された正極22及び負極23とからなる素材を全熱交換素子2として使用しているため、電気浸透現象を利用して全熱交換素子2の固体電解質膜21内の水分移動を電気的に制御することができる。このため、全熱交換素子2の固体電解質膜21の両側の水蒸気分圧差にかかわらず全熱交換素子2内の水分移動を行うことが可能になり、全熱交換素子2における屋外空気OAと屋内空気RAとの間の潜熱交換量、すなわち、水分移動量を制御することが可能となっている。
本実施形態の全熱交換器1には、以下のような特徴がある。
本実施形態の全熱交換器1では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜21と、この固体電解質膜21の両側に配置された正極22及び負極23とからなる素材を全熱交換素子2として使用しているため、電気浸透現象を利用して全熱交換素子2の固体電解質膜21内の水分移動を電気的に制御することができる。このため、全熱交換素子2の固体電解質膜21の両側の水蒸気分圧差にかかわらず全熱交換素子2内の水分移動を行うことが可能になり、全熱交換素子2における屋外空気OAと屋内空気RAとの間の潜熱交換量、すなわち、水分移動量を制御することが可能となっている。
(4)変形例1
図4は、第1実施形態の変形例1にかかる全熱交換器101の一部を模式的に示した断面図である。
全熱交換器101は、上述の全熱交換器1と異なり、全熱交換素子102の両側に屋外空気OA及び屋内空気RAを流す第1及び第2流路5、6を形成するための第1及び第2スペーサー部材103、104を正極及び負極として使用し、全熱交換素子102の固体電解質膜21の両側には正極及び負極が接合されていない構造になっている。
図4は、第1実施形態の変形例1にかかる全熱交換器101の一部を模式的に示した断面図である。
全熱交換器101は、上述の全熱交換器1と異なり、全熱交換素子102の両側に屋外空気OA及び屋内空気RAを流す第1及び第2流路5、6を形成するための第1及び第2スペーサー部材103、104を正極及び負極として使用し、全熱交換素子102の固体電解質膜21の両側には正極及び負極が接合されていない構造になっている。
このため、全熱交換器101の第1流路5及び第2流路6にそれぞれ屋内空気RA及び屋外空気OAを流すと(図4の矢印A及び矢印B参照)、屋内空気RA及び屋外空気OA中に含まれる水分が全熱交換素子102の固体電解質膜21に吸湿されて、固体電解質膜21のみからなる全熱交換素子102、第1及び第2スペーサー部材103、104が電解セルを構成することになる。そして、第1スペーサー部材103を正極とし第2スペーサー部材104を負極として、直流電源7を用いて第1及び第2スペーサー部材103、104間に直流電圧を印加することによって、上述の全熱交換器1と同様な電極反応と電気浸透現象を生じさせることが可能である。
このように、本変形例の全熱交換器101においても、上述の全熱交換器1と同様、第1流路5内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与することとなり、第1流路5内を流れる屋内空気RAと第2流路6内を流れる屋外空気OAとの間の温度差に応じて顕熱交換を行うとともに、第1流路5内を流れる屋内空気RAを除湿して排出空気EAとして屋外に排出し、かつ、第2流路6内を流れる屋外空気OAを加湿する潜熱交換を行って、供給空気SAとして屋内に供給することができる。
しかも、本変形例の全熱交換器101では、複数の全熱交換素子102間に配置される第1及び第2スペーサー部材103、104が固体電解質膜21の両側に電圧を印加するための正極及び負極を兼ねているため、全熱交換器101を構成する部品点数を少なくすることができる。
また、第1及び第2スペーサー部材103、104として、ステンレスや白金等の金属製の素材を使用することによって、熱伝導性能が向上した伝熱フィンとして機能させることができるため、全熱交換器101の顕熱交換性能も向上させることができる。
また、第1及び第2スペーサー部材103、104として、ステンレスや白金等の金属製の素材を使用することによって、熱伝導性能が向上した伝熱フィンとして機能させることができるため、全熱交換器101の顕熱交換性能も向上させることができる。
(5)変形例2
上述の本実施形態及びその変形例1における全熱交換器1、101では、固体電解質膜21の例として、NAFION膜(登録商標)のようなプロトン導電性を有するフッ素系電解質膜を挙げているが、このようなフッ素系電解質膜は、非常に高価である。
これに対して、固体電解質膜21として、比較的安価な層状粘土鉱物を原料としたプロトン導電性物質を用い、このようなプロトン導電性物質を膜状に形成したものを使用することが考えられる。ここで、層状粘土鉱物としては、天然モンモリナイロナイト、スメクタイト、カオリナイト、パイロフェライト、バーミキュライト、酸性白土、ハイドロタルサイト等を使用することができる。そして、このような層状粘土鉱物にアルミニウムイオン等のイオン種を付与することでプロトン導電性を持たせるようにしている。
上述の本実施形態及びその変形例1における全熱交換器1、101では、固体電解質膜21の例として、NAFION膜(登録商標)のようなプロトン導電性を有するフッ素系電解質膜を挙げているが、このようなフッ素系電解質膜は、非常に高価である。
これに対して、固体電解質膜21として、比較的安価な層状粘土鉱物を原料としたプロトン導電性物質を用い、このようなプロトン導電性物質を膜状に形成したものを使用することが考えられる。ここで、層状粘土鉱物としては、天然モンモリナイロナイト、スメクタイト、カオリナイト、パイロフェライト、バーミキュライト、酸性白土、ハイドロタルサイト等を使用することができる。そして、このような層状粘土鉱物にアルミニウムイオン等のイオン種を付与することでプロトン導電性を持たせるようにしている。
このようなプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜を、全熱交換器1、101における全熱交換素子2、102の固体電解質膜21として使用すると、層状粘土鉱物が分子ふるい効果を有しているため、膜間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、膜内の水分子を移動させる作用だけでなく、ウイルス、細菌や臭い成分等を分子ふるい効果によって、膜内のウイルス、細菌や臭い成分等を移動させにくくする作用が得られる。
これにより、全熱交換器1、101において、第1流路5内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与する際に、ウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分が同時に移動するのを抑えることができ、屋内における臭気発生等の問題を防ぐことができる。
このように、全熱交換器1、101における全熱交換素子2、102の固体電解質膜21として、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜を使用することによって、比較的安価に製造することができるとともに、屋内における臭気発生等の問題も防ぐことができる。
このように、全熱交換器1、101における全熱交換素子2、102の固体電解質膜21として、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜を使用することによって、比較的安価に製造することができるとともに、屋内における臭気発生等の問題も防ぐことができる。
また、上述のプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜にプロトンを発生させるための触媒やプロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持させることによって、本実施形態においては、正極22や負極23における電極反応を促進したり、変形例1においては、正極としての第1スペーサー部材103や負極としての第2スペーサー部材104における電極反応を促進するようにしてもよい。ここで、触媒としては、白金を担持したカーボン粉等を用いることができる。
また、上述のプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜は、層状粘土鉱物の種類等によって吸湿性が異なる。そこで、このような特性を利用して、吸湿性の異なる複数の固体電解質膜を多層化することによって、全熱交換器1、101における全熱交換素子2、102の固体電解質膜21を構成して、膜内における水分子の移動速度や移動量を制御するようにしてもよい。
例えば、図5に示されるように、本実施形態の全熱交換器1における全熱交換素子2の固体電解質膜21を、その正極22側の部分を構成する低湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、低湿度用膜21aとする)と、この低湿度用膜21aの負極23側の部分を構成する高湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、高湿度用膜21bとする)とから構成することにより多層化した場合には、正極22側の第1流路5を流れる屋内空気RAが低湿度の環境であっても、水分が低湿度用膜21aの膜内に導入されやすくなる。そして、低湿度用膜21a内に導入された水分は、電気浸透現象を利用して多量の水分を吸湿することができる高湿度用膜21bに移動し、負極23側の第2流路6を流れる屋外空気OAに付与されることになる。すなわち、固体電解質膜21を吸湿性の異なる複数(本変形例では2層であるが、これに限定されない)の膜を多層化した構造にすることによって、膜内における水分子の移動速度や移動量を大きくすることができる(図6参照)。
そうすると、固体電解質膜21内における水分子の移動速度や移動量に比べて、固体電解質膜21内におけるウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分の移動速度や移動量が相対的に小さくなるため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
尚、固体電解質膜21の多層化については、本実施形態の変形例1の全熱交換器101においても適用可能であり、全熱交換器1と同様の作用効果を得ることができる。
尚、固体電解質膜21の多層化については、本実施形態の変形例1の全熱交換器101においても適用可能であり、全熱交換器1と同様の作用効果を得ることができる。
[第2実施形態]
(1)空気調和装置の概略構成
図5は、本発明の第2実施形態にかかる加湿ユニット205が採用された空気調和装置201の概略構成を示す図である。
この空気調和装置201は、室内の壁面Uなどに取り付けられる室内ユニット203と、室外に設置される室外ユニット202とに分かれて構成されている。室外ユニット202は、室外冷媒ユニット204と、加湿ユニット205とを備えている。室内ユニット203と室外ユニット202とは、冷媒配管206を介して両ユニットの冷媒回路同士が接続されている。また、室内ユニット203と室外ユニット202とは、加湿ユニット205からの供給空気を室内ユニット203側に供給するときに使用される給気管207によって接続されている。尚、本実施形態において、加湿ユニット205は室外冷媒ユニット204の上側に重ねられるように配置されている。また、給気管207は、加湿ユニット205に接続されており、室内の壁面Uを貫通して室内ユニット203に接続されている。
(1)空気調和装置の概略構成
図5は、本発明の第2実施形態にかかる加湿ユニット205が採用された空気調和装置201の概略構成を示す図である。
この空気調和装置201は、室内の壁面Uなどに取り付けられる室内ユニット203と、室外に設置される室外ユニット202とに分かれて構成されている。室外ユニット202は、室外冷媒ユニット204と、加湿ユニット205とを備えている。室内ユニット203と室外ユニット202とは、冷媒配管206を介して両ユニットの冷媒回路同士が接続されている。また、室内ユニット203と室外ユニット202とは、加湿ユニット205からの供給空気を室内ユニット203側に供給するときに使用される給気管207によって接続されている。尚、本実施形態において、加湿ユニット205は室外冷媒ユニット204の上側に重ねられるように配置されている。また、給気管207は、加湿ユニット205に接続されており、室内の壁面Uを貫通して室内ユニット203に接続されている。
室内ユニット203には、室内熱交換器231が設けられている。この室内熱交換器231は、冷媒配管206を介して室外冷媒ユニット204から供給される冷媒と、室内ファン232によって室内ユニット203内に吸入される屋内空気との間で熱交換を行う。この室内ファン232は、屋内空気を室内ユニット203内に吸入させるとともに、室内熱交換器231内を流れる冷媒との間で熱交換を行った後の空気を室内に吹き出す。さらに、室内ユニット203内には、給気管207の管端部が挿入されており、加湿ユニット205から供給される加湿空気が室内ユニット203内に一旦吹き出された後、屋内から吸入された空気とともに、屋内に吹き出されるようになっている。
室外冷媒ユニット204には、主として、圧縮機(図示せず)、四路切換弁(図示せず)、室外熱交換器241及び電動膨張弁(図示せず)が接続されることによって構成された冷媒回路を備えている。室外熱交換器241は、室外冷媒ユニット204の背面及び側面に近接するように配置されている。また、室外冷媒ユニット204内には、室外熱交換器231で熱交換された後の空気を外部に排出するために、室外冷媒ユニット204の背面及び側面から空気を内部に取り込んで前面に向かって吹き出す室外ファン242が設けられている。
(2)加湿ユニットの構成、動作及び特徴
加湿ユニット205は、室外冷媒ユニット204の上側に位置するユニットケーシングを備えており、その内部に、全熱交換器タイプの吸湿エレメント251が設けられている。吸湿エレメント251は、上述の第1実施形態にかかる全熱交換器1(図1及び図2参照)と同じ構造を有しており、その第1流路5が第1空気吸入口254と空気排出口255とを連通するように、そして、第2流路6が第2空気吸入口256と空気供給口257とを連通するように、ユニットケーシング内に配置されている。すなわち、本実施形態において、吸湿エレメント251は、図1における屋内空気RAの代わりに第1空気吸入口254から第1流路5内に屋外空気OAが流入する点が、第1実施形態の全熱交換器1と異なっている。そして、第1空気吸入口254から空気排出口255までの空気流路には、吸湿ファン252が設置されている。また、第2空気吸入口256から空気供給口257までの空気流路には、加湿ファン253が設置されている。これにより、加湿ユニット205は、吸湿エレメント251の第1流路5に屋外空気OAを流した後に排出空気EAとして屋外に排出でき、吸湿エレメント251の第2流路6に屋外空気OAを流した後に給気管207を介して供給空気SAとして屋内に供給できるようになっている。
加湿ユニット205は、室外冷媒ユニット204の上側に位置するユニットケーシングを備えており、その内部に、全熱交換器タイプの吸湿エレメント251が設けられている。吸湿エレメント251は、上述の第1実施形態にかかる全熱交換器1(図1及び図2参照)と同じ構造を有しており、その第1流路5が第1空気吸入口254と空気排出口255とを連通するように、そして、第2流路6が第2空気吸入口256と空気供給口257とを連通するように、ユニットケーシング内に配置されている。すなわち、本実施形態において、吸湿エレメント251は、図1における屋内空気RAの代わりに第1空気吸入口254から第1流路5内に屋外空気OAが流入する点が、第1実施形態の全熱交換器1と異なっている。そして、第1空気吸入口254から空気排出口255までの空気流路には、吸湿ファン252が設置されている。また、第2空気吸入口256から空気供給口257までの空気流路には、加湿ファン253が設置されている。これにより、加湿ユニット205は、吸湿エレメント251の第1流路5に屋外空気OAを流した後に排出空気EAとして屋外に排出でき、吸湿エレメント251の第2流路6に屋外空気OAを流した後に給気管207を介して供給空気SAとして屋内に供給できるようになっている。
このため、吸湿ファン252及び加湿ファン253を駆動することによって吸湿エレメント251の第1流路5及び第2流路6の両方に屋外空気OAを流すと、屋外空気OA中に含まれる水分が加湿素子としての全熱交換素子2の固体電解質膜21に吸湿されて、第1実施形態の全熱交換器1と同様、全熱交換素子2が電解セルを構成することになる(図2及び図3参照)。この状態において、全熱交換素子2の正極22と負極23との間に直流電源7を用いて直流電圧を印加すると、第1実施形態の全熱交換器1と同様な電極反応と電気浸透現象を生じさせることができて、第1流路5内を流れる屋外空気OAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与して、第2流路6内を流れる屋外空気OAを加湿することができる。しかも、上述の電極反応は、全熱交換素子2の正極22と負極23との間に印加される電圧値や正極22と負極23との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、この場合のように、第1流路5及び第2流路6の両方に屋外空気OAを流す場合(すなわち、水蒸気分圧に差がない場合)であっても、第1流路5内を流れる屋外空気OAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与して加湿し、給気管207及び室内ユニット203を介して屋内に供給することができる。
このように、この加湿ユニット205では、イオン導電性物質からなる固体電解質膜21と、この固体電解質膜21の両側に配置された正極22及び負極23とからなる素材を加湿素子として使用した吸湿エレメント251を備えているため、電気浸透現象を利用して加湿素子の固体電解質膜21内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子の固体電解質膜21の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。
また、従来の吸着剤や吸湿剤を含む吸湿エレメントを有する加湿ユニットにおいて必要とされていた吸湿エレメントから水分を脱離させるためのヒーターや回転式の吸湿エレメントを回転駆動するためのモーターが不要となるため、加湿ユニット205のサイズを小さくすることができる。
(3)変形例1
上述の加湿ユニット205では、第1実施形態の全熱交換器1と同じ構造を有する吸湿エレメント251を採用しているが、第1実施形態の変形例の全熱交換器101(図1及び図4参照)と同じ構造を有する吸湿エレメント351を採用した加湿ユニット305としてもよい。
(3)変形例1
上述の加湿ユニット205では、第1実施形態の全熱交換器1と同じ構造を有する吸湿エレメント251を採用しているが、第1実施形態の変形例の全熱交換器101(図1及び図4参照)と同じ構造を有する吸湿エレメント351を採用した加湿ユニット305としてもよい。
本変形例の加湿ユニット305においても、上述の加湿ユニット205と同様の作用効果が得られる。また、本変形例の加湿ユニット305では、複数の加湿素子としての全熱交換素子102間に配置される第1及び第2スペーサー部材103、104が固体電解質膜21の両側に電圧を印加するための正極及び負極を兼ねているため、吸湿エレメント351を構成する部品点数を少なくすることができる。
(4)変形例2
上述の本実施形態及びその変形例1における加湿ユニット205、305においても、第1実施形態の変形例2における固体電解質膜21と同様に、吸湿エレメント251、351を構成する固体電解質膜21として、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜を使用してもよい。
上述の本実施形態及びその変形例1における加湿ユニット205、305においても、第1実施形態の変形例2における固体電解質膜21と同様に、吸湿エレメント251、351を構成する固体電解質膜21として、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜を使用してもよい。
この場合においても、加湿ユニット205、305において、第1流路5内を流れる屋外空気OAに含まれる水分を、第2流路6内を流れる屋外空気OAに付与する際に、ウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分が同時に移動するのを抑えることができ、屋内における臭気発生等の問題を防ぐことができる。
また、上述のプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜にプロトンを発生させるための触媒やプロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持させることによって、本実施形態においては、正極22や負極23における電極反応を促進したり、変形例1においては、正極としての第1スペーサー部材103や負極としての第2スペーサー部材104における電極反応を促進するようにしてもよい。
また、上述のプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜にプロトンを発生させるための触媒やプロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持させることによって、本実施形態においては、正極22や負極23における電極反応を促進したり、変形例1においては、正極としての第1スペーサー部材103や負極としての第2スペーサー部材104における電極反応を促進するようにしてもよい。
また、図5に示されるように、本実施形態の加湿ユニット205における加湿素子としての全熱交換素子2の固体電解質膜21を、その正極22側の部分を構成する低湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、低湿度用膜21aとする)と、この低湿度用膜21aの負極23側の部分を構成する高湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、高湿度用膜21bとする)とから構成することにより多層化した場合には、正極22側の第1流路5を流れる屋外空気OAが低湿度の環境であっても、水分が低湿度用膜21aの膜内に導入されやすくなる。そして、低湿度用膜21a内に導入された水分は、電気浸透現象を利用して多量の水分を吸湿することができる高湿度用膜21bに移動し、負極23側の第2流路6を流れる屋外空気OAに付与されることになる。すなわち、固体電解質膜21を吸湿性の異なる複数(本変形例では2層であるが、これに限定されない)の膜を多層化した構造にすることによって、膜内における水分子の移動速度や移動量を大きくすることができる(図6参照)。
そうすると、固体電解質膜21内における水分子の移動速度や移動量に比べて、固体電解質膜21内におけるウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分の移動速度や移動量が相対的に小さくなるため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
尚、固体電解質膜21の多層化については、本実施形態の変形例1の加湿ユニット305においても適用可能であり、加湿ユニット205と同様の作用効果を得ることができる。
尚、固体電解質膜21の多層化については、本実施形態の変形例1の加湿ユニット305においても適用可能であり、加湿ユニット205と同様の作用効果を得ることができる。
[第3実施形態]
(1)加湿ユニットの構成
図6は、本発明の第3実施形態にかかる加湿ユニット401の概略構成を示す図である。
加湿ユニット401は、屋内に配置されて使用される給水式の加湿ユニットであり、主として、各種機器を収納するユニットケーシング403と、ユニットケーシング403内に配置されたイオン導電性物質からなる平板状の固体電解質膜421と固体電解質膜421の両側に配置された正極422及び負極423とを有する加湿素子402とを備えている。固体電解質膜421としては、陽イオン導電性物質や陰イオン導電性物質を使用することが可能であるが、上述の実施形態と同様、陽イオン導電性物質であるプロトン交換膜が使用されている。ユニットケーシング403内には、加湿素子402の正極422側に第1空間405が形成されている。この第1空間405内には、水タンク404が配置されており、加湿源としての水分が供給されるようになっている。また、ユニットケーシング403内には、加湿素子402の負極423側に第2空間406が形成されている。この第2空間406内には、送風ファン407が配置されており、被加湿対象としての屋内空気RAを第2空間406内に吸入し、加湿素子402の負極423側に接触させた後に再び屋内に供給空気SAとして供給できるようになっている。
(1)加湿ユニットの構成
図6は、本発明の第3実施形態にかかる加湿ユニット401の概略構成を示す図である。
加湿ユニット401は、屋内に配置されて使用される給水式の加湿ユニットであり、主として、各種機器を収納するユニットケーシング403と、ユニットケーシング403内に配置されたイオン導電性物質からなる平板状の固体電解質膜421と固体電解質膜421の両側に配置された正極422及び負極423とを有する加湿素子402とを備えている。固体電解質膜421としては、陽イオン導電性物質や陰イオン導電性物質を使用することが可能であるが、上述の実施形態と同様、陽イオン導電性物質であるプロトン交換膜が使用されている。ユニットケーシング403内には、加湿素子402の正極422側に第1空間405が形成されている。この第1空間405内には、水タンク404が配置されており、加湿源としての水分が供給されるようになっている。また、ユニットケーシング403内には、加湿素子402の負極423側に第2空間406が形成されている。この第2空間406内には、送風ファン407が配置されており、被加湿対象としての屋内空気RAを第2空間406内に吸入し、加湿素子402の負極423側に接触させた後に再び屋内に供給空気SAとして供給できるようになっている。
(2)加湿ユニットの動作及び特徴
次に、本実施形態の加湿ユニット401の動作及び特徴について説明する。
まず、加湿ユニット401の第1空間405の加湿源としての水分を加湿素子402の固体電解質膜421に吸湿させて、加湿素子402からなる電解セルを構成する。この状態において、加湿素子402の正極422と負極423との間に直流電源408を用いて直流電圧を印加すると、正極422及び負極423において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
次に、本実施形態の加湿ユニット401の動作及び特徴について説明する。
まず、加湿ユニット401の第1空間405の加湿源としての水分を加湿素子402の固体電解質膜421に吸湿させて、加湿素子402からなる電解セルを構成する。この状態において、加湿素子402の正極422と負極423との間に直流電源408を用いて直流電圧を印加すると、正極422及び負極423において、それぞれ、以下の電極反応が起こる。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e- (正極)
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極422においては水素イオン(H+)が生成し、負極423においては水が生成することになる。また、正極422と負極423との間に直流電圧を印加することによって、固体電解質膜421に電場が発生しているため、正極422において生成した水素イオンが固体電解質膜421内を正極422側から負極423側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜421に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられる電気浸透現象が生じて、固体電解質膜421内を負極423側に移動することになる。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜421の負極423側に移動した水は、負極423における電極反応によって生成した水とともに、送風ファン407によって加湿素子402の負極423側の第2空間406を流れる屋内空気RAに付与されることとなり、第2空間406を流れる屋内空気RAを加湿し、供給空気SAとして屋内に供給することができる。しかも、上述の電極反応は、加湿素子402の正極422と負極423との間に印加される電圧値や正極422と負極423との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1空間405内の加湿源としての水分の供給量が少なく、第1空間405内における水蒸気分圧が第2空間406内を流れる屋内空気RAに含まれる水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1空間405内の水分を、第2空間406内を流れる屋内空気RAに付与して、加湿することができる。
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (負極)
このような電極反応によって、正極422においては水素イオン(H+)が生成し、負極423においては水が生成することになる。また、正極422と負極423との間に直流電圧を印加することによって、固体電解質膜421に電場が発生しているため、正極422において生成した水素イオンが固体電解質膜421内を正極422側から負極423側に向かって移動することになる。この際、固体電解質膜421に吸湿された水分子が水素イオンの移動に引きずられる電気浸透現象が生じて、固体電解質膜421内を負極423側に移動することになる。そして、電気浸透現象によって固体電解質膜421の負極423側に移動した水は、負極423における電極反応によって生成した水とともに、送風ファン407によって加湿素子402の負極423側の第2空間406を流れる屋内空気RAに付与されることとなり、第2空間406を流れる屋内空気RAを加湿し、供給空気SAとして屋内に供給することができる。しかも、上述の電極反応は、加湿素子402の正極422と負極423との間に印加される電圧値や正極422と負極423との間を流れる電流値を制御することによって、反応速度を可変することができるため、例えば、第1空間405内の加湿源としての水分の供給量が少なく、第1空間405内における水蒸気分圧が第2空間406内を流れる屋内空気RAに含まれる水蒸気分圧よりも低い場合であっても、第1空間405内の水分を、第2空間406内を流れる屋内空気RAに付与して、加湿することができる。
このように、この加湿ユニット401では、電気浸透現象を利用して加湿素子402の固体電解質膜421内の水分移動を電気的に制御することができるため、加湿素子402の固体電解質膜421の両側の水蒸気分圧差にかかわらず加湿素子402内の水分移動を行うことが可能になり、十分な加湿量を得ることが可能となる。
また、この加湿ユニット401において、正極と負極とが逆になるように、すなわち、正極422を負極として機能させ、負極423を正極として機能させるように、直流電源408から正極422と負極423との間に直流電圧を印加することによって、第2空間406内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を第1空間405内に放出して水タンク404に溜めるとともに、水分の放出により除湿された屋内空気RAを供給空気SAとして屋内に供給することも可能である。
また、この加湿ユニット401において、正極と負極とが逆になるように、すなわち、正極422を負極として機能させ、負極423を正極として機能させるように、直流電源408から正極422と負極423との間に直流電圧を印加することによって、第2空間406内を流れる屋内空気RAに含まれる水分を第1空間405内に放出して水タンク404に溜めるとともに、水分の放出により除湿された屋内空気RAを供給空気SAとして屋内に供給することも可能である。
(3)変形例
上述の本実施形態における加湿ユニット401においても、第1実施形態の変形例2や第2実施形態の変形例2における固体電解質膜21と同様に、加湿素子402を構成する固体電解質膜421として、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜を使用してもよい。
上述の本実施形態における加湿ユニット401においても、第1実施形態の変形例2や第2実施形態の変形例2における固体電解質膜21と同様に、加湿素子402を構成する固体電解質膜421として、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜を使用してもよい。
この場合においても、加湿ユニット401において、第1空間405内の水分を、第2空間406内を流れる屋内空気RAに付与する際に、第1空間405内のウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分が同時に移動するのを抑えることができ、屋内における臭気発生等の問題を防ぐことができる。
また、上述のプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜にプロトンを発生させるための触媒やプロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持させることによって、本実施形態においては、正極422や負極423における電極反応を促進するようにしてもよい。
また、上述のプロトン導電性を有する層状粘土鉱物を原料とした固体電解質膜にプロトンを発生させるための触媒やプロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持させることによって、本実施形態においては、正極422や負極423における電極反応を促進するようにしてもよい。
また、図5に示されるように、本実施形態の加湿ユニット401における加湿素子402の固体電解質膜421を、その正極422側の部分を構成する低湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、低湿度用膜421aとする)と、この低湿度用膜421aの負極423側の部分を構成する高湿度の環境において吸湿性の高い膜(以下、高湿度用膜421bとする)とから構成することにより多層化した場合には、正極422側の第1空間405内が低湿度の環境であっても、水分が低湿度用膜421aの膜内に導入されやすくなる。そして、低湿度用膜421a内に導入された水分は、電気浸透現象を利用して多量の水分を吸湿することができる高湿度用膜421bに移動し、負極423側の第2空間406を流れる屋内空気RAに付与されることになる。すなわち、固体電解質膜21を吸湿性の異なる複数(本変形例では2層であるが、これに限定されない)の膜を多層化した構造にすることによって、膜内における水分子の移動速度や移動量を大きくすることができる(図6参照)。
そうすると、固体電解質膜421内における水分子の移動速度や移動量に比べて、固体電解質膜421内におけるウイルス、細菌や臭い成分等の不要な成分の移動速度や移動量が相対的に小さくなるため、層状粘土鉱物が有する分子ふるい効果をさらに効率的に発揮させることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記第1〜第3実施形態の全熱交換器及び加湿ユニットにおいて、固体電解質膜として陽イオン導電性物質の代わりに陰イオン導電性物質を使用することも可能である。この場合には、固体電解質膜内における水分子の移動が負極側から正極側に向かって移動するという違いはあるが、全熱交換性能や加湿性能については、陽イオン導電性物質を使用する場合と同様な効果が得られる。
本発明を利用すれば、透湿膜の両側における水蒸気分圧差にかかわらず、透湿膜内の水分移動を行うことができる全熱交換器及び加湿装置を提供することができる。
1、101 全熱交換器
2、102、402 全熱交換素子、加湿素子
5 第1流路
6 第2流路
21 固体電解質膜
22、422 正極
23、423 負極
103 第1スペーサー部材
104 第2スペーサー部材
251、351 吸湿エレメント
205、305、401 加湿ユニット
405 第1空間
406 第2空間
OA 屋外空気
RA 屋内空気
2、102、402 全熱交換素子、加湿素子
5 第1流路
6 第2流路
21 固体電解質膜
22、422 正極
23、423 負極
103 第1スペーサー部材
104 第2スペーサー部材
251、351 吸湿エレメント
205、305、401 加湿ユニット
405 第1空間
406 第2空間
OA 屋外空気
RA 屋内空気
Claims (13)
- 2つの空気流(RA、OA)の間で顕熱交換及び潜熱交換を行う全熱交換器であって、
イオン導電性物質からなる固体電解質膜(21)と前記固体電解質膜の両側に配置された正極(22)及び負極(23)とを有する全熱交換素子(2)を、前記正極同士又は前記負極同士が対向するように間隔を空けて複数配置することによって、前記2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路(5、6)が交互に形成されており、
前記正極と前記負極との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、前記固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、前記第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、前記第2流路内を流れる空気流に付与することが可能である、
全熱交換器(1)。 - 2つの空気流(RA、OA)の間で顕熱交換及び潜熱交換を行う全熱交換器であって、
前記2つの空気流がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路(5、6)が交互に形成されるように間隔を空けて配置されており、イオン導電性物質からなる固体電解質膜(21)を有する複数の全熱交換素子(102)と、
前記各第1流路を挟んで対向する前記各1対の全熱交換素子の両方に接触するように配置されており、前記各1対の全熱交換素子の間隔を保持するとともに、正極及び負極の一方の機能を有する複数の第1スペーサー部材(103)と、
前記各第2流路を挟んで対向する前記各1対の全熱交換素子の両方に接触するように配置されており、前記各1対の全熱交換素子の間隔を保持するとともに、正極及び負極の他方の機能を有する複数の第2スペーサー部材(104)とを備え、
前記第1スペーサー部材と前記第2スペーサー部材との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、前記固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、前記第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、前記第2流路内を流れる空気流に付与することが可能である、
全熱交換器(101)。 - 前記固体電解質膜(21)は、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を膜状に形成したものである、請求項1又は2に記載の全熱交換器(1、101)。
- 前記固体電解質膜(21)は、プロトンを発生させるための触媒を担持している、請求項3に記載の全熱交換器(1、101)。
- 前記固体電解質膜(21)は、プロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持している、請求項3又は4に記載の全熱交換器(1、101)。
- 前記固体電解質膜(21)は、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有している、請求項3〜5のいずれかに記載の全熱交換器(1、101)。
- イオン導電性物質からなる固体電解質膜(21)と前記固体電解質膜の両側に配置された正極(22)及び負極(23)とを有する加湿素子(2)を、前記正極同士又は前記負極同士が対向するように間隔を空けて複数配置することによって、2つの空気流(OA、OA)がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路(5、6)が交互に形成された吸湿エレメント(251)を備え、
前記正極と前記負極との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、前記固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、前記第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、前記第2流路内を流れる空気流に付与し、前記第2流路内を流れる空気流を加湿する、
加湿装置(205)。 - 2つの空気流(OA、OA)がそれぞれ流れる複数の第1及び第2流路(5、6)が交互に形成されるように間隔を空けて配置されておりイオン導電性物質からなる固体電解質膜(21)を有する複数の加湿素子(102)と、前記各第1流路を挟んで対向する前記各1対の加湿素子の両方に接触するように配置されており前記各1対の加湿素子の間隔を保持するとともに正極及び負極の一方の機能を有する複数の第1スペーサー部材(103)と、前記各第2流路を挟んで対向する前記各1対の加湿素子の両方に接触するように配置されており、前記各1対の加湿素子の間隔を保持するとともに、正極及び負極の他方の機能を有する複数の第2スペーサー部材(104)とを有する吸湿エレメント(351)を備え、
前記第1スペーサー部材と前記第2スペーサー部材との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、前記固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、前記第1流路内を流れる空気流に含まれる水分を、前記第2流路内を流れる空気流に付与し、前記第2流路内を流れる空気流を加湿する、
加湿装置(305)。 - イオン導電性物質からなる固体電解質膜(421)と前記固体電解質膜の両側に配置された正極(422)及び負極(423)とを有する加湿素子(402)を、ケーシング(403)内に配置することによって、前記正極及び前記負極の一方側に形成され加湿源としての水分が供給される第1空間(405)と、前記正極及び前記負極の他方側に形成され被加湿対象としての空気(RA)が流れる第2空間(406)とが形成されており、
前記正極と前記負極との間に電圧を印加することにより生じる電気浸透現象を利用して、前記固体電解質膜内の水分子を移動させることによって、前記第1空間内の水分を、前記第2空間内を流れる空気に付与し、前記第2空間内を流れる空気を加湿する、
加湿装置(401)。 - 前記固体電解質膜(21、421)は、プロトン導電性を有する層状粘土鉱物を膜状に形成したものである、請求項7〜9のいずれかに記載の加湿装置(205、305、401)。
- 前記固体電解質膜(21、421)は、プロトンを発生させるための触媒を担持している、請求項10に記載の加湿装置(205、305、401)。
- 前記固体電解質膜(21、421)は、プロトンと酸素とを反応させて水を生成するための触媒を担持している、請求項10又は11に記載の加湿装置(205、305、401)。
- 前記固体電解質膜(21、421)は、吸湿性の異なる複数の膜を多層化した構造を有している、請求項10〜12のいずれかに記載の加湿装置(205、305、401)。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2005
- 2005-03-07 JP JP2005061794A patent/JP2006010302A/ja active Pending
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