JP5157170B2 - 加湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水中あるいは空気中の微生物を除菌できる簡易な構造の加湿装置に関する。
従来の加湿装置は、外部の空気を吸入し、加湿装置内部の水を蒸発させ、吸入した空気とともに水蒸気を加湿装置外に放出する構成であった。この加湿装置内部に滞留する水においては、大腸菌および黄色ブドウ球菌などの微生物の増殖が認められることがあった。極端に長時間放置し続ければ、微生物の増殖に伴って腐敗臭が発生する可能性が考えられた。そのため、加湿装置内部における微生物の増殖の抑制、および除菌に関する技術が強く要望されていた。
たとえば特許文献1記載の従来の加湿装置は、図13から図15に示すように、本体またはカバーに設けられた吸気口100aおよび吹出口100bを有しており、本体の内部には、給水タンク101から供給された水を受ける水槽102、水槽102内の水を加熱するための加熱筒103、および加熱筒103を囲みつつ水槽102内の水を吸い上げる吸水体104(加湿フィルタ)を有している。
そして、吸気口100aから送風機105を経て吹出口100bまで風路が形成されており、送風機105によって、吸気口100aからの空気とともに、吸水体104から気化した水蒸気が、吹出口100bから放出される。これによって、室内の加湿が行われる。給水タンク101からの水は、水槽102に供給され、水槽102内のいずれかの部分に、抗菌作用を有する物質を溶出させる一対の電極106が設けられている。そして、両電極間に電気を流すとともに所定の周期で極性を切り替えることによって、抗菌性の程度を変化させている。
また、特許文献2には、電力を使用しないで除菌することのできる加湿装置が示されている。水供給部と、少なくとも一部が水に浸されるように配置された加湿フィルタおよび空気を加湿フィルタを介して送る送風手段を含む加湿機構と、間隙を設けて設置された酸化還元電位の異なる第1の電極および第2の電極、ならびに第1の電極および第2の電極を短絡させる短絡部を具備する除菌装置とを有し、第1の電極の酸化還元電位が第2の電極の酸化還元電位より高く、少なくとも第1の電極および第2の電極が水に接する位置に配置されている。
加湿装置の水に含まれる微生物は一定の電荷を有しているため、前記第1の電極から前記第2の電極に向けて微生物が移動し、電極間の水中から微生物を物理的に排除できることが示されている。さらに、第2の電極の表面に集積した微生物は、第2の電極表面から溶出する金属イオンの影響により増殖能を失って不活化することが示されている。
特開2002−89895号公報 特開2004−93108号公報
特許文献1の加湿装置では、微生物の増殖抑制に電極106を用いた通電制御を行う必要があり、装置の構成が複雑となるという課題があった。また、消費電力も大きくなるという問題があった。また、装置に電力が供給されない状態で放置された場合には微生物が増殖してしまうという課題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、電力を使用しないで除菌できるメリットをもっているが、第1の電極と第2の電極とが短絡しないように間隔をあけて配置する必要があるため、加湿装置の水槽内に除菌装置のスペースを確保する必要があり、さらなる省スペース化が求められていた。
本発明は上記課題を解決するため、電力を使用せず、コンパクトな構造の除菌方法によって微生物の増殖を抑制できる加湿装置を提供することを目的としている。
本発明の加湿装置は上記目的を達成するために、請求項1に記載の通り、通風路を有する本体と、前記通風路内に空気を送る送風手段と、加湿構造体と、前記加湿構造体に水を供給する水供給手段とを有する加湿装置において、前記通風路を帯電しにくくし、前記本体を構成する少なくとも水に接する部分に、樹脂に導電性の炭素材料と金属とを分散させた除菌材料を有し、前記導電性の炭素材料と前記金属の間に電位差を生じるようにし、電位がかかっている部分の間隔が微生物の大きさよりも大きく、微生物を前記除菌材料の表面に集め殺菌することを特徴とする。
また、本発明の加湿装置は、金属の粒子径が微生物の大きさより大きいことを特徴とする。
また、本発明の加湿装置は、金属の粒子径が50μm〜10μmであることを特徴とする。
本発明によれば、通風路が帯電しにくくなるため、帯電によるほこりや空気中の微生物の付着を軽減することができる。電力を使用せず、コンパクトな構造の除菌方法によって水中あるいは空気中の微生物の増殖を抑制できる加湿装置を提供することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の加湿装置10はたとえば図1および図2に示す通り、通風路11を有する本体と、前記通風路11内に空気を送る送風手段としてのファン12と、空気が通過できる空隙を有する加湿構造体13と、加湿構造体13に水を供給する水供給手段としての水槽14とを有する加湿装置において、本体を構成する少なくとも水に接する部分に、樹脂に導電性の炭素材料と金属とを分散させた除菌材料15を有することを特徴としたものである。水槽14には水16が蓄えられており、加湿構造体13は水16を吸収して常に湿った状態に保たれているため、ファン12によって本体内へ取り入れられた乾燥空気は加湿構造体13に接触することによって加湿され、下流側へ湿った空気が供給される。水16が減少した際には、給水タンク17から給水が行われる。
図3に示すように、除菌材料15は、樹脂18に導電性の炭素材料としてのカーボン19と金属20を分散させてなり、水槽14の表面に塗布されている。ここで導電性の炭素材料としてのカーボン19と金属20は、その一部が樹脂18の表面に露出する形で分散している。カーボン19と金属20の作用によって、水槽14に混入した雑菌としての微生物21は、除菌材料15の表面に集められ殺菌されるため、水16を常に清潔な状態に保つことができる。本構成においては導電性の炭素材料と金属によって前記の除菌効果が得られるため、参考文献1のように微生物の増殖抑制のため通電する必要がなく、省エネルギーにできるという効果を有する。また、通電回路や制御機構も不要で装置を簡略化できるという作用を有する。また、樹脂に導電性の炭素材料と金属を分散させた構造であるため、水槽表面に除菌材料を塗布する、あるいは水槽を成型する際に樹脂ペレットに導電性の炭素材料と金属を混合して金型成型するだけで除菌効果が得られ、参考文献2のように除菌装置のスペースを確保する必要がなく、コンパクトな構成にすることができるという作用を有する。また、樹脂成型あるいは塗装によって、金属板よりも自由な形状に除菌部位を構成することができるという効果を有する。また、除菌部位を別部材として構成することにより、長期間使用して性能が低下した場合に、除菌部位のみを交換して除菌効果を回復させることができるという作用を有する。
除菌の作用にはまだはっきりとわからない点も多いが、以下のような理由を考えている。水に含まれる微生物はその表面電荷として一定の電荷を有しているため、水中に電場を与えるとその電場の向きに応じて移動する作用が生まれる。本発明のように、水に接する部分に金属粉末とカーボンを樹脂に分散することにより、(a)金属の電荷分離をカーボンが補助するような役割を果たして抗菌作用をもった金属イオンが速やかに溶出する働き、(b)元素の違う金属材料がランダムに樹脂表面に現れることによって局所的な電位差が生まれ発生した微弱電流の作用によって金属の表面に帯電した微生物が集められる働き、(c)金属を樹脂に埋没させることによって金属表面に酸化皮膜を形成しにくくなる働き、(d)金属を微粒子化して単位重量あたりの表面積を増やす働き、などが相乗的に働いて除菌作用を発揮していると思われる。したがって、本発明の加湿装置においては、導電性の炭素材料と金属の間に電位差を生じるようにしたことが特徴となっている。
加湿構造体としては、より多量の水分を保持させて効率よく空気を加湿することができれば特に制約はなく、綿、レーヨン、ナイロンなどの繊維や、樹脂含浸紙、ケイ酸マグネシウム、アルミナなどの無機繊維あるいはムライト、コージェライトなどのセラミックが利用できる。加湿構造体は空気が通過できる連通した通気路があれば、内部まで空気がはいるため加湿性能が向上する。形状は、たとえば、繊維状、網状、ビーズ状、スリット状、ストロー状、板状、ハニカム状、スポンジ状、発泡形状などあらゆる形状が利用できる。
水供給手段は、水を供給することができれば特に形状に制約はなく、水槽14以外にも水を噴霧するノズルや上部から水を散水する水タンクなどが利用できる。
導電性の炭素材料と金属の間に電位差を生じるようにしたことにより、除菌材料が水中の帯電物質を引き寄せることができるという作用を有する。水道水にはCa、Mgなどの陽性イオン物質やCl、NO3などの陰性イオン物質などが含まれており、除菌材料が形成する微小な電場によってこれらの帯電物質が除菌材料の表面に吸い寄せられ低減される。また、水中でマイナスに帯電している菌類やカビ胞子などを捕集することができるという作用を有する。
本発明の加湿装置において、金属が酸化還元電位の異なる2種類以上の金属であってもよい。前記のように局所的な電位差の働きが除菌作用に有効に働いていると思われる。酸化還元電位の異なる2種類以上の材料を用いることにより、導電性の炭素材料と金属の間だけでなく、第一の金属と第二の金属の間にも電位差を生じさせ、除菌効果を向上させることができる。金属としては、Au、Pt、Ag、Cu、Pb、Ni、Sb、Co、W、Fe、Sn、Cr、Zn、V、Al、Ti、Zr、Mg、Kまたはこれらの合金などが挙げられる。特にAg、Cu、Znは金属自体の抗菌性が強いため好ましい。また、Fe、Zn、Alは比較的安価で安全なものとして利用しやすい。2種類以上の金属の選択としては用途と寿命と経済性を考慮すれば特に制限されるものではないが、水の電気分解開始電圧である1.2V付近では電極から水素の発生が生じ、電極の腐食が進みやすいため好ましくない。
金属の形状としては、粉末および/または繊維状であることが好ましい。粉末の場合、樹脂に導電性の炭素材料と金属を分散させる際に、分散性がよく加工しやすいという効果を得ることができる。また、繊維状にくらべて均一な状態を得やすいため、色むらや凹凸の抑制など外観上の利点がある。繊維状の場合は、分散した際に導電性の炭素材料あるいは繊維同士の接点が多くなり、樹脂表面に局所的な電位差が発生する場所を多くすることができる。また、繊維がフィラーとしての役割を果たすことにより、樹脂の強度を向上させることができる。用途に応じて粉末と繊維の混合や、異種金属の混合を行ってもなんら問題はない。
また、金属が亜鉛であることを特徴としたものであり、亜鉛は抗菌性をもつ金属であるため、除菌されて表面に凝集した微生物を殺菌するという作用を有する。また、殺菌性をもった亜鉛イオンを水中に放出することにより、殺菌性を持った水を得ることができるという作用を有する。
金属の粒子径は除去しようとする微生物の大きさよりも大きいことが望ましい。電位差によって微生物を集めるためには、少なくとも電位がかかっている部分の間隔が微生物の大きさよりも大きい必要がある。粒子径が小さい場合でも複数の粒子が連なって間隔をあけた状態で電位が発生することが考えられるが、確率的には高くないと予想される。十分な距離を確保するためには雑菌として平均的な微生物の大きさである1μmより十分大きい10μm以上であることが好ましい。形状が繊維状である場合には太さではなく長さ方向について前記の条件であればよい。
また、酸化還元電位の異なる2種類以上の金属の粒子径比が1〜8であれば、導電材料や他金属粒子との接触効率が良いために、高い除菌性能を得ることができる。ここで金属の粒子径比は、大きな粒子/小さな粒子の長さ比率である。
また、金属が抗菌性をもつことを特徴とするものであり、除菌されて表面に凝集した微生物を金属の抗菌性によって殺菌するという作用を有する。抗菌性の金属としてはAg、Cu、Zn、Niなどが挙げられる。
また、金属の配合比率は酸化還元電位の低い金属が多いことを特徴としたものである。酸化還元電位の異なる2種類以上の金属が電位差を生じた状態で水と接触すると、酸化還元電位の低いほうの金属が水に溶出する。溶出した金属は微生物に作用して除菌効果を発揮する。ここで酸化還元電位の高いほうの金属は溶出しにくいため、長期間使用するためには溶出量の多い酸化還元電位の低いほうの金属の配合比率を多くしたほうがよい。
導電性の炭素材料としては、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンマイクロコイル、カーボンナノコイル、不飽和結合をもつ導電性ポリマーなどが挙げられる。黒鉛とカーボンブラックはもっとも一般的に用いられる導電性の炭素材料であり、経済性が高い。また、導電性塗料として樹脂エマルジョンとカーボンを混合したものが市販されており、容易に入手可能である。炭素繊維、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンマイクロコイル、カーボンナノコイルなどは樹脂の強度向上や軽量化や電磁波対策などの目的で樹脂に添加されることが多いが、その導電性を利用して本発明の除菌効果を得ることができる。また、電極として開発が進められている導電性ポリマーも、同様に除菌効果を得ることができる。
炭素材料は、粉を使用する際には、あらかじめ粉砕しておくと混合が容易になる。また、炭素材料を分散した液体を用いるとさらに混合が容易である。このとき、樹脂を溶解もしくは分散させる溶媒が水系であれば、界面活性剤を用いて水に分散させたカーボンブラックなどを使用すると良い。樹脂を溶解もしくは分散させる溶媒が有機溶剤系であれば、樹脂エマルジョンとカーボンがあらかじめ混合された市販の導電性塗料を用いても良い。有機溶剤系の材料を使用した場合、揮発性に優れるため、材料の成形・乾燥が容易になる。
導電性の炭素材料は、除菌材料中の金属粉の総量に対して配合比率で0.02%以上であることが好ましい。これによって除菌材料中に電位差を生じ、より高い電気的誘引効果を得ることができるために、十分な除菌性能を得ることができる。
樹脂としては、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテル、アクリル、エポキシ、ポリウレタン、ポリカーボネート、シリコーンなどの樹脂、もしくはこれらを含有する樹脂が挙げられる。除菌材料中の総固形分に対する配合比率が7%以上になるように樹脂を配合すれば、材料どうし、および材料塗布面との十分な密着性が得られる。ただし、35%を超えると、密着性や強度は良好であるものの、金属と導電性材料との導通が阻害されるために、除菌性能が低下してくる。除菌材料に混合する樹脂量としては、配合比率7%以上の範囲で、除菌性能と密着性、強度のバランスによって任意に選択すればよい。また、樹脂が溶媒に溶解もしくは分散可能であれば、除菌材料の粘度を調整することが容易であり、扱いやすくなる。
また、樹脂に、少なくとも導電性の炭素材料と金属とを分散させた除菌材料を本体に塗布した除菌処理部を備えたことを特徴としたものであり、除菌材料を表面に塗布するという簡単な加工方法によって除菌作用を得ることができる。除菌作用を発揮するのは樹脂の表面に露出している部分だけであり、加湿装置を構成する本体樹脂中に導電性の炭素材料と金属を混合する方法に比べて少ない量で効果を発揮させることができるという作用を有する。
また、除菌材料の色が有色であることを特徴としたものであり、本体樹脂と別の色、たとえば黒鉛の配合を多くして黒色に着色した除菌材料を塗布することにより、除菌作用をもつ部位を容易に視認することができるという効果を有する。また、金属本来の色、たとえば亜鉛なら灰色や銀色を生かした着色も可能である。また、視認が容易なため、塗布むらによる加工不良や傷等の発生を簡単に確認することができるという作用を有する。
また、本体を構成する樹脂に導電性の炭素材料を分散混合させ、その表面に樹脂と金属粉末からなる除菌処理部を形成したことを特徴としたものであり、樹脂に導電性の炭素材料を混合することによって通風路が帯電しにくくなるため、帯電によるほこりや空気中の微生物の付着を軽減することができるという作用を有する。さらに、本体を構成する少なくとも水に接する部分には、樹脂と金属粉末からなる除菌材料を塗布あるいは接着することによって除菌処理部を形成することができ、微生物の繁殖やぬめりの発生を抑制する効果を得ることができる。
また、除菌処理部の表面電気抵抗が107Ω/□以下であることを特徴としたものである。表面電気抵抗が高すぎると絶縁皮膜となって、電場の強さが低下するため、除菌作用が低下するため好ましくない。また、表面電気抵抗を低くすることによって、帯電によるほこりや空気中の微生物の付着を軽減することができるという作用を有する。
樹脂に導電性の炭素材料と金属とを分散させた除菌材料を、基材に担持し、除菌部材を作成すれば、これを水槽を構成する少なくとも水に接する部分に配置することによって水槽内の水における微生物の繁殖やぬめりの発生を抑制することができる。基材としては、フィルム形状のもの、たとえばPETシートなどを使用した場合、多様な形状の水槽にも貼り付けることにより除菌効果を得ることができる。
また、基材が発泡形状であることを特徴としたものであり、たとえば発泡ウレタンなどを使用した場合、水と除菌材料との接触面積を増やすことができるために、菌と除菌材料との接触効率が高くなり、除菌効率が高くなるという作用を有する。また、発泡形状では、目の細かいほうが表面積が大きいために高効率となる。
また、除菌部材を加湿構造体の下部に備えたことを特徴としたものであり、加湿構造体に衝突した空気中の微生物が、その後、重力の作用によって沈降してくる際に効率的に除菌することができるという作用を有する。
また、水槽を構成する少なくとも水に接する部分に、樹脂に導電性の炭素材料と金属とを分散させた除菌材料を有し、前記水槽が本体から着脱自在であることを特徴としたものであり、本体にほこりや微生物の死骸が堆積してよごれた場合に水槽のみを着脱して洗浄することができ、メンテナンス性を向上させることができる。たとえば図1あるいは図2に示すように、加湿装置10と水槽14をそれぞれ別個に形成しておき、加湿装置10の側面に開口部を設けることにより、水槽14が着脱可能となる。水槽14の水を保持する底部に除菌材料を配置しておくと、重力によって微生物が沈降する作用も働くため効率がよい。
また、加湿構造体が、空気中の菌をろ過捕集するとともに、水供給手段から得た水を気化させるようにしたことを特徴とするものであり、空気を加湿すると同時に空気中の微粒子に含まれる微生物をろ過捕集して、下流側に清潔な加湿空気を提供することができるという作用を有する。このような構成にするためには、加湿構造体をハニカム形状あるいは発泡体形状にするとよく、低圧損でありながら通気性がよく空中の微粒子の捕集性能に優れた加湿構造体を得ることができる。
また、加湿構造体が、空気中の微生物をろ過捕集するとともに、加湿構造体に捕集した微生物を水で脱離させることを特徴とするものである。たとえば、加湿構造体にノズルから水を散布する構成の加湿装置の場合には、加湿構造体表面に捕集された微生物が洗い流され、除菌材料と接触することによって除菌されるため、加湿構造体の表面を清潔な状態に保つことができるという作用を得ることができる。また、図4に示すように、加湿構造体13を円筒形にした場合には、円筒の一部が水没する状態で回転させることによって、加湿構造体表面に捕集された微生物が洗い流され、除菌材料15と接触することによって除菌されるため加湿構造体の表面を清潔な状態に保つことができるという作用を得ることができる。
また、加湿構造体が樹脂に導電性の炭素材料と金属とを分散させた除菌材料を含むことを特徴としたものである。加湿構造体自体が樹脂に導電性の炭素材料と金属を分散させた除菌材料を含むため、表面に捕集された空気中の微生物がその場で除菌されるという作用を得ることができる。これは加湿構造体に、少なくとも導電性の炭素材料と、金属と、塗料に溶解可能でかつ乾燥後に親水性を示す樹脂とを含む除菌材料を塗布することによって容易に得ることができる。親水性を示す樹脂としては、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルなどの親水基を有する樹脂エマルジョンが挙げられる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明は、以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
(1)金属として平均粒子径50μmの亜鉛粉末と、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶剤に分散させたもの)とを、亜鉛とカーボンの重量比が11:5になる割合でよく混練してペースト状にし、除菌材料を作成した。作成した除菌材料をPETフィルム上に塗り広げて、100℃で1時間乾燥させることによって除菌フィルムZnを作成した。
(2)金属を75〜150μmの銅粉末に変更した以外は(1)と同様の方法で除菌フィルムCuを作成した。
(3)金属の代わりに金属酸化物である0.1〜0.3μmのTiO2粉末を添加した以外は(1)と同様の方法で、比較用フィルムTiO2を作成した。
(4)金属を混合せず、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶剤に分散させたもの)をPETフィルム上に塗り広げて、一晩乾燥させることによって比較用フィルムCを作成した。
前記(1)〜(4)の方法で作成したフィルムをそれぞれ直径85mm(約57cm2)の円形に切り取り、塗料の塗布面が上向きになるようにプラスチックシャーレ内に置いた。
精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)が105(cfu/ml)になるように添加した菌液を作成した。菌液をそれぞれ20mlずつプラスチックシャーレに入れ、一定時間ごとに0.1mlの液を採取して培養することにより、菌数の変化を比較した。なお、紫外線の殺菌作用を防ぐため、実験はシャーレを遮光して行った。
結果を図5に示す。金属を添加した除菌フィルムでは菌数の減少が見られ、除菌効果があるといえる。特にCuを添加したフィルムでその効果が強くみられた。一方、比較用フィルムCでは菌数の減少はわずかであり、除菌フィルムとは明らかに効果の差がみられた。金属酸化物である比較用フィルムTiO2では、比較用フィルムCよりも若干菌数が少なくTiO2粒子への吸着作用があるものと思われるが、除菌作用があるとはいえない。
参考
銅や亜鉛などの金属が抗菌作用を持つことは一般的に知られている。樹脂に抗菌性をもつ金属を添加した場合には、添加量に応じて抗菌作用が変化するものと思われる。抗菌性金属の添加量と抗菌作用の関係を調べるため、導電性の炭素材料であるカーボンと樹脂の量を一定にして、金属の添加量を変化させたサンプルを作成した。除菌材料の粘度とかさ高さを制御するために、実施例1で抗菌性を持たないことを確認したTiOを混合して、金属とTiO量をあわせた量を一定に制御した。(抗菌性金属+TiO)とカーボンの重量比は11:5である。
作成したフィルムをそれぞれ直径85mm(約57cm2)の円形に切り取り、塗料の塗布面が上向きになるようにプラスチックシャーレ内に置いた。
精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)が105(cfu/ml)になるように添加した菌液を作成した。菌液をそれぞれ20mlずつプラスチックシャーレに入れ、一定時間ごとに0.1mlの液を採取して培養することにより、菌数の変化を比較した。なお、紫外線の殺菌作用を防ぐため、実験はシャーレを遮光して行った。
4時間後の残存菌数と金属添加量の関係を図6に示す。横軸は抗菌性金属/(抗菌性金属+TiO2)×100で示し、0%は抗菌性金属なしの場合である。Cu、Znのどちらの場合でも、添加量が増えるほど残存菌数は減少し除菌作用が強くなっていることがわかる。最も良い除菌が得られたのは抗菌性金属100%の場合、つまり抗菌性金属とカーボンの重量比が11:5のときであった。また、CuとZnでは、Cuの方が少量の添加で除菌効果が得られることがわかった。
参考
精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)を添加した菌液を作成した。30cm(金属面としては裏表合わせて60cm)になるように作成した2枚の金属板を電気的に接合してプラスチックシャーレに入れた。金属板は銅と銅の組み合わせ、および銅と亜鉛の組み合わせとした。菌液をそれぞれプラスチックシャーレに入れ、一定時間ごとに0.1mlの液を採取して培養することにより、菌数の変化を比較した。
結果を図7に示す。銅と銅の組み合わせでも銅の抗菌作用によって菌数の減少が見られたが、6時間という尺度では金属を入れないブランクと比べて大きな差は出ていない。一方、銅−亜鉛では6時間後に大きな菌数の減少が見られた。ここから、酸化還元電位のことなる導電性材料を電気的に接合すると、高い除菌作用が得られることがわかる。
金属板の場合、菌数の減少は測定開始から約3時間までは比較的ゆるやかであり、初期から一定の菌数減少がみられた図4の結果とは異なる傾向を示している。この理由はまだはっきりとはわからないが、おそらく、金属板の場合、抗菌作用をもった金属イオンが水中に溶け出して有効に作用する濃度に達するまでに時間がかかるのに対し、実施例1のように金属粉末とカーボンを樹脂に分散したサンプルでは、(a)金属の電荷分離をカーボンが補助するような役割を果たして抗菌作用をもった金属イオンが速やかに溶出する働き、(b)元素の違う金属材料がランダムに表面に現れることによって局所的な電位差が生まれ発生した微弱電流の作用によって金属の表面に帯電した菌が集められる働き、(c)金属を樹脂に埋没させることによって表面に酸化皮膜を形成しにくくなる働き、(d)金属を微粒子化して単位重量あたりの表面積を増やす働き、などが相乗的に働いているためだと思われる。
参考
銅板と亜鉛板をスライドグラス上にのせ、顕微鏡の視野に入る間隔で配置した。精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)を添加し、約10cfu/ml程度の菌液を、銅板と亜鉛板に触れるようにスライドグラス上に0.2ml滴下した。ただちに顕微鏡で観察したところ、大腸菌は亜鉛板側に移動して凝集した。このことから、イオン化傾向の異なる材料を電気的に接合すると、菌液中の大腸菌が除菌されることがわかった。
2枚の亜鉛板を使って同様な実験を行ったところ、大腸菌は通常の運動状態でありどちらかの金属に誘引される様子は見られなかった。
参考
(1)金属として平均粒子径50μmの亜鉛粉末と、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶剤に分散させたもの)とを、亜鉛とカーボンの重量比が11:5になる割合でよく混練してペースト状にし、除菌材料を作成した。作成した除菌材料を直径85mm(約57cm)の円形に成型したPETフィルム上に塗り広げて、60℃で2時間乾燥させることによって除菌板Aを作成した。
(2)金属として75〜150μmの銅粉末と、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶剤に分散させたもの)とを、銅:カーボンの重量比が11:5になる割合でよく混練してペースト状にし、除菌材料を作成した。作成した除菌材料をPETフィルム上に塗り広げて、60℃で2時間乾燥させることによって除菌板Bを作成した。
(3)金属として平均粒子径50μmの亜鉛粉末と、75〜150μmの銅粉末と、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶剤に分散させたもの)とを、亜鉛:銅:カーボンの重量比が10:1:5になる割合でよく混練してペースト状にし、除菌材料を作成した。作成した除菌材料をPETフィルム上に塗り広げて、60℃で2時間乾燥させることによって除菌板Cを作成した。
(4)亜鉛を96%、アクリル樹脂を4%含有する塗料をPETフィルム上に塗り広げて、60℃で2時間乾燥させることによって比較板A作成した。
(5)亜鉛を83%、アルミニウムを5%、アクリル樹脂を12%含有する塗料をPETフィルム上に塗り広げて、60℃で2時間乾燥させることによって比較板Bを作成した。
(6)何も処理せずに、比較板Cを作成した。
前記(1)〜(6)の方法で作成した鉄板を、除菌材料の塗布面が上向きになるようにプラスチックシャーレ内に置いた。
精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)が約105(cfu/ml)になるように添加した菌液を作成した。菌液をそれぞれ20mlずつプラスチックシャーレに入れ、一定時間ごとに0.1mlの液を採取して培養することにより、菌数の変化を比較した。所定時間経過後の菌数を初期の菌数で割って規格化した値を菌の残存比として縦軸にとり、横軸に経過時間を表した結果を図8に示す。除菌板A、B、Cでは菌数が減少し、除菌されていることがわかった。除菌板AとBではZnを添加したAほうが除菌速度が速かった。銅と亜鉛を添加した除菌板Cは特に1時間後の菌数減少が顕著であった。
市販の防錆塗料を塗布した比較板Aはわずかに菌数の減少が観察された。比較板B、Cでは菌数はほとんど変化せず、除菌効果が働いていないことがわかった。
作成した除菌板および比較板の表面電気抵抗を測定した結果を表1に示す。
Figure 0005157170
比較板A、Bでは表面抵抗が非常に高く、導電性を有していないことがわかる。一方、除菌板A、B、Cでは表面抵抗が低く導電性を有している。図8の結果と対比してみると、導電性を有している除菌板A、B、Cでは除菌性能があり、導電性を有していない比較板A、Bおよびなにも処理していない比較板Cでは除菌性能が低いことがわかった。
また、樹脂の種類を任意に選択した、その他のサンプルにおいても、同様に表面抵抗値を測定したところ、表2に示すような値が得られ、除菌処理部の表面電気抵抗は107Ω/□以下であることが好ましいといえる。
Figure 0005157170
参考
参考で作成した除菌板Cをスライドグラス上にのせ、顕微鏡の視野に入る位置に配置した。精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)を添加し、約10cfu/ml程度の菌液を、除菌板Cに触れるようにスライドグラス上に0.2ml滴下した。ただちに顕微鏡で観察したところ、大腸菌は除菌板Cの特定の位置に偏在して移動し、凝集した。除菌板Cは亜鉛と銅と導電性カーボンが混在しており、どの位置に各材料が塗布されているか確認することはできなかった。大腸菌の大きさ(約2μm)に比べて、亜鉛と銅の大きさは十分に大きく(50〜150μm)、実施例2の結果と合わせて考えると、おそらく亜鉛が高濃度に存在する位置に菌が凝集しているものと思われた。
参考
平均粒子径0.3μm〜150μmから、粒子径を任意に選んだ亜鉛および銅粉末と、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶剤に分散させたもの)とを、金属粉末とカーボン塗料の重量比が11:5になる割合でよく混練してペースト状にし、7種類のペースト状除菌材料を作成した。作成した除菌材料をPETフィルム上に塗り広げて、100℃で1時間乾燥させることによって除菌フィルムを作成した。これらの除菌フィルムをそれぞれ直径85mm(約57cm)の円形に切り取り、塗料の塗布面が上向きになるようにプラスチックシャーレ内に置いた。
精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)が105(cfu/ml)になるように添加した菌液を作成した。菌液をそれぞれ20mlずつプラスチックシャーレに入れ、3時間後に0.1mlの液を採取して培養することにより、初期に対する菌数の変化を除菌スピードとして比較した。ここでの除菌スピードとは菌数の減衰速度を、初期に対する除菌率で現したものであり、除菌スピードが速いほど除菌性能が優れると言える。なお、紫外線の殺菌作用を防ぐため、実験はシャーレを遮光して行った。
結果を図9に示す。亜鉛と銅の粒子径が異なる場合は、グラフ横軸における亜鉛/銅サイズ比が1から離れていくが、亜鉛/銅サイズ比が0.1以下もしくは8以上になる領域、すなわち、亜鉛と銅の粒子径比が0.1以下もしくは8以上であるときには、粒子径差が少ないときに比べて除菌スピードが遅く、3時間後の除菌率が99%を下回ることがわかった。すなわちこれは、同じ重量の金属粉が含まれていても、二種類の金属の粒子径が近く粒子径差が少ない場合に比べて、粒子径差が大きいときは導電材料や他金属粒子との接触効率が悪くなるためと考えられる。
参考
平均粒子径50μmの亜鉛粉末と、75〜150μmの銅粉末と、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶媒に分散させたもの)とをよく混練して、金属粉末の総量に対するカーボン量を変動させた4種類のペースト状除菌材料を作成した。作成した除菌材料をPETフィルム上に塗り広げて、100℃で1時間乾燥させることによって除菌フィルムを作成した。これらの除菌フィルムをそれぞれ直径85mm(約57cm)の円形に切り取り、塗料の塗布面が上向きになるようにプラスチックシャーレ内に置いた。
参考同様、精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)が10(cfu/ml)になるように添加した菌液を作成した。菌液をそれぞれ20mlずつプラスチックシャーレに入れ、3時間後の初期に対する菌数の変化を、除菌スピードとして比較した。なお、紫外線の殺菌作用を防ぐため、実験はシャーレを遮光して行った。
結果を図10に示す。金属粉の総重量に対するカーボン量が、配合比率0.02%以上存在するとき、除菌スピードはほぼ同じ値が得られる。すなわち、導電性の炭素材料と金属との間に十分な電位差が生じて除菌材料として良く機能するためには、0.02%のカーボン量があれば良いと考えられる。
参考
平均粒子径50μmの亜鉛粉末と、75〜150μmの銅粉末と、カーボン粉末とアクリル樹脂エマルジョンとを、金属粉末とカーボンの重量比を一定にし、アクリル樹脂の量を任意の割合で変動させた6種類のペースト状除菌材料を作成した。作成した除菌材料をPETフィルム上に塗り広げて、100℃で1時間乾燥させることによって除菌フィルムを作成した。これらの除菌フィルムをそれぞれ直径85mm(約57cm)の円形に切り取り、塗料の塗布面が上向きになるようにプラスチックシャーレ内に置いた。
参考同様、精製水で400倍に希釈した普通ブイヨン培地に、大腸菌 (Esherichia coli、IFO3972)が10(cfu/ml)になるように添加した菌液を作成した。菌液をそれぞれ20mlずつプラスチックシャーレに入れ、3時間後の初期に対する菌数の変化を除菌スピードとして比較した。なお、紫外線の殺菌作用を防ぐため、実験はシャーレを遮光して行った。
結果を図11に示す。樹脂量が総固形分に対する配合比率7%〜35%の範囲において、除菌フィルムは良好な除菌性能を呈した。樹脂が7%より少ない場合は、除菌性能が低下するだけでなく、金属やカーボンとフィルムとの密着性も低下する。また、樹脂量が35%を超えると、密着性は良好であり、十分な強度は得られるものの、金属と導電性材料との導通阻害になるために、除菌性能が低下した。樹脂としては、アクリル以外にも、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ、ポリウレタン、ポリカーボネートなどが挙げられる。
参考
平均粒子径50μmの亜鉛粉末と、75〜150μmの銅粉末と、市販の導電性カーボン塗料(導電性のカーボンとポリエステル樹脂を溶剤に分散させたもの)とを、亜鉛と銅とカーボンの重量比が10:1:5になる割合でよく混練してペースト状にし、除菌材料を作成した。作成した除菌材料をPETフィルム上に塗り広げて、100℃で1時間乾燥させることによって除菌フィルムを作成した。同様にスポンジ状のフィルタに塗布して100℃で1時間乾燥させることによって除菌フィルタを作成した。
市販の加湿装置の、加湿フィルタの下部に、作成した除菌フィルムを配置し、給水タンクに水を入れた後、除菌フィルムの周囲から水を採取し培養して水中菌数を測定した。加湿装置の運転を開始し、渇水になるまで連続運転した。翌朝、除菌フィルムの周囲から残留水を採取し、培養して水中菌数を測定した。その後、給水タンクに水をいれて運転を開始し、以下同様の方法で除菌フィルタを配置したもの、および除菌部材を入れないものを比較として14日間、水中の菌数の変化を測定した。
図12に示すように、除菌フィルムなしでは数日で菌数が増加していき、4日目以降は106(cfu/ml)以上の高い菌数を継続して示した。一方、除菌フィルムを入れた場合には、なしの場合と比較して明らかに菌数の増加が少なくなり、除菌の作用が確認できた。菌数が10以下にならなかったのは、除菌フィルムの面積が小さく能力が不足したこと、および空気中から継続的に浮遊微生物が混入するためであると思われる。また、除菌フィルタを搭載したものは14日間運転しても菌は検出されなかった。
本発明の加湿装置では、電力を使用せず、コンパクトな構造の除菌方法によって微生物の増殖を抑制できる加湿装置を提供することができ、家庭用加湿装置、業務用加湿装置、あるいは空気調和装置などへの展開用途が期待できる。
本発明の実施の形態1の正面からみた加湿装置の概略断面図 同側面からみた加湿装置の概略断面図 同水槽の概略断面図 同加湿装置の概略断面図 本発明の実施例1のフィルムを構成する材料と除菌効果の関係を示す図 本発明の参考の抗菌性金属の添加量と除菌効果の関係を示す図 本発明の参考の金属の組み合わせと除菌効果の関係を示す図 本発明の参考の菌の残存比と経過時間の関係を示すグラフ加湿装置内の菌数の変化を示す図 本発明の参考の金属の粒子径と除菌スピードの関係を示す図 本発明の参考のカーボン量と除菌スピードの関係を示す図 本発明の参考の樹脂混合量と除菌スピードの関係を示す図 本発明の参考の加湿装置内の菌数の変化を示す図 従来例の加湿装置の概略斜視図 従来例の加湿装置の内部構造を説明するための概略斜視図 従来例の加湿装置の内部構造を説明するための概略斜視図
符号の説明
10 加湿装置
11 通風路
12 ファン
13 加湿構造体
14 水槽
15 除菌材料
16 水
17 給水タンク
18 樹脂
19 カーボン
20 金属
21 微生物
100a 吸気口
100b 吹出口
101 給水タンク
102 水槽
103 加熱筒
104 吸水体
105 送風機
106 電極

Claims (3)

  1. 通風路を有する本体と、前記通風路内に空気を送る送風手段と、加湿構造体と、前記加湿構造体に水を供給する水供給手段とを有する加湿装置において、
    前記通風路を帯電しにくくし、
    前記本体を構成する少なくとも水に接する部分に、樹脂に導電性の炭素材料と金属とを分散させた除菌材料を有し、
    前記導電性の炭素材料と前記金属の間に電位差を生じるようにし、
    電位がかかっている部分の間隔が微生物の大きさよりも大きく、微生物を前記除菌材料の表面に集め殺菌することを特徴とする加湿装置。
  2. 金属が粉末状で、金属の粒子径が微生物の大きさより大きいことを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
  3. 金属の粒子径が50μm〜150μmであることを特徴とする請求項2記載の加湿装置。
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