以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態の内視鏡システムを示す図である。このうち、図1,図2は本実施形態の内視鏡システムを内視鏡として使用する際の状態を示す図である。図3,図4は本実施形態の内視鏡システムを術部観察用のテレビジョンカメラとして使用する際の状態を示す図である。
詳しくは、図1は、本実施形態の内視鏡システムを内視鏡として使用する際の全体構成の概略を示す概略構成図である。図2は、図1の内視鏡システムにおける内視鏡ユニットを取り出してその一部を断面で示す要部拡大断面図である。図3は、図1の内視鏡システムを術部観察用のテレビジョンカメラとして用いる際の全体構成の概略を示す概略構成図である。図4は、図3におけるカメラユニットを取り出してその一部を断面で示す要部拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡システム1は、内部に撮像素子11a(図2参照)等を具備する撮像装置であるカメラヘッド11及びこのカメラヘッド11に連結されるカメラアダプター12とからなる撮像手段と、このカメラアダプター12に連結される内視鏡13と、この内視鏡13に接続されるライトガイド14と、上記カメラヘッド11,カメラアダプター12,内視鏡13のそれぞれが連結されて一体とされた状態の構成ユニットを所定の空間に固定保持するホルダー部15と、このホルダー部15を所定の方向に移動自在に保持するし所定部位に固定するレール部16と、このレール部16を固定保持すると共に被検者が載置されるベッド17と、カメラヘッド11の制御を行なうカメラコントロールユニット(以下、CCUという)22と、ライトガイド14の他端が接続され照明光を出射する照明光源である光源装置23と、内視鏡13により取り込まれカメラヘッド11により電気信号に変換された観察像を表示する表示装置であるモニター24と、上記CCU22,光源装置23,モニター24等の構成機器を載置するトロリー21等によって、主に構成されている。
図1,図2に示すように、本実施形態の内視鏡システム1における内視鏡13は、体腔内に挿入される細長の挿入部13aと、この挿入部13aの基端側に連結される基端部13bとによって構成されている。
挿入部13aには、対物光学系やリレー光学系等が内蔵されている(いずれも図示せず)。また、基端部13bには、接眼レンズ13cが内蔵されている。
そして、基端部13bには、接眼レンズ13cを透過した光束により形成される光学像が出射する光学像出射部13dが、接眼レンズ13cの後方に向けて開口している。
これにより、挿入部13aの先端部の対物光学系により形成される被検体の像、即ち挿入部13aを介して導光される被検体からの光は、リレー光学系を介して基端部13bの接眼レンズ13cへと伝達され、この接眼レンズ13cを透過した後、当該接眼レンズ13cの後方に向けて出射して所定の位置に結像するようになっている。
また、挿入部13aの基端側の外周面上の所定の部位には、照明光出射手段であるライトガイド14からの照明光を導光するための照明光入射部であるライトガイド接続部(以下、LG接続部という)13eが外部に向けて延出している。このLG接続部13eには、ライトガイド14の一端部に形成される照明光出射部14aが着脱自在に接続されるようになっている。そのために、ライトガイド14の照明光出射部14aの近傍には、LG接続部13eを確実に装着するための第2の接続部である第2取付部14bが形成されている。
つまり、この第2の接続部である第2取付部14bは、ライトガイド14(照明光出射手段)に設けられ、照明光出射部14aが出射する照明光がLG接続部13e(照明光入射部)に入射可能に内視鏡13のLG接続部13eをライトガイド14(照明光出射手段)に装着するためのものである。
これにより、LG接続部13eに対してライトガイド14の第2取付部14bを嵌合させることで、内視鏡13に対してライトガイド14を装着し、両者を接続することができるようになっている。
そして、両者を接続した状態にすると、ライトガイド14の照明光出射部14aからの照明光は、LG接続部13eに対して出射され、内視鏡13の挿入部13a内のリレー光学系へと入射するようになっている。
一方、ライトガイド14の他端部は、後述するトロリー21に載置される光源装置23に接続されている。これにより、当該光源装置23から出射される照明光は、ライトガイド14,LG接続部13eを介して内視鏡13へと供給され、さらに内視鏡13の挿入部13a内を挿通するリレー光学系(図示せず)を介して当該挿入部13aの先端部まで導かれた後、その先端面から前方に向けて出射して、当該照明光が所望の観察部位(術部)A1(図1,図2参照)を照明するようになっている。
内視鏡13の基端部13bには、カメラアダプター12の一端(先端側)が着脱自在に連結されるようになっている。そのために、内視鏡13の基端部13bの光学像出射部13d近傍には、カメラ接続部13fが形成されている。
このカメラ接続部13fは、内視鏡13の対物光学系やリレー光学系等を介して光学像出射部13dから出射する被検体からの光束を後述する撮像素子11aで撮像し得るように、当該内視鏡13を撮像手段の一部を構成するカメラアダプター12の一端に対して装着するためのものである。つまり、このカメラ接続部13fは、カメラアダプター12の本体部に設けられる第1の接続部である第1取付部12a(後述する)に対して嵌合し、また任意に着脱自在に形成されている。
カメラアダプター12は、図2に示すように略円筒形状の本体部を有して形成されている。この本体部の一端(先端側)には、上記第1の接続部である第1取付部12aが設けられている一方、同本体部の他端(基端側)にはカメラ取付部12cが設けられている。
また、カメラアダプター12の本体部の内部には、内視鏡13の基端部13bの接眼レンズ13cからの光束を透過させて、さらに後方に配設される撮像素子11a(後述する)に向けて出射させ、所定の位置(撮像素子11aの受光面)に結像させるための結像レンズ12dが配設されている。そのために、内視鏡13の接眼レンズ13cとカメラアダプター12の結像レンズ12dとは、それぞれの光軸が略一致するように同軸上に配設されている。さらに、その光軸は、撮像素子11aの受光面に対して略直交する方向であって、かつ撮像素子11aの受光面の略中心部を通るように設定されている。
上述の第1取付部12aには、第1固定部材12bが配設されている。この第1固定部材12bは、カメラアダプター12の軸方向に対して直交する方向に第1取付部12aを貫通するように配設されている。ここで、カメラアダプター12の軸方向とは、結像レンズ12dを透過して撮像素子11aの受光面に入射する光束の光軸に沿う方向をいう。
第1固定部材12bは、例えば雄ネジによって形成されており、これに対応させて、第1取付部12aの所定の部位には、その軸方向に対して直交する方向に当該第1取付部12aを貫通する雌ネジが形成されている。そして、第1固定部材12bの雄ネジ部は、第1取付部12aの雌ネジ部に螺合するようになっている。
また、カメラアダプター12の第1取付部12aと内視鏡13の基端部13bのカメラ接続部13fとを図2に示すように嵌合状態としたとき、上記雌ネジ部の開口部に対向する部位であって、カメラ接続部13fの外周面上には、断面が略V字形状の係合周溝13hが形成されている。
したがって、カメラアダプター12の第1取付部12aに対して内視鏡13のカメラ接続部13fを嵌合させた状態において、第1固定部材12bを第1取付部12aの雌ネジ部に螺合させて、これを締め付け方向に回転させると、当該第1固定部材12bの先端は、第1取付部12aを貫通してカメラ接続部13fの外周面の係合周溝13hに嵌合するようになっている。これにより、内視鏡13は、カメラアダプター12から引き抜くことができない状態となる。よって、内視鏡13は、カメラアダプター12に対して固設されることになる。なお、第1固定部材12bの先端形状は、これに嵌合する係合周溝13hの断面形状に合わせて、その断面が略V字形状となっている。これにより、両者を嵌合状態としたとき、カメラアダプター12と内視鏡13との相対的な位置決めがなされるようになっている。
また、両者が固定状態にあるときに、第1固定部材12bを緩める方向に回転させると、第1固定部材12bの先端とカメラ接続部13fの係合周溝13hとの嵌合状態が解除されることになる。したがって、この状態において、カメラアダプター12から内視鏡13を引き抜くと、カメラアダプター12と内視鏡13との連結状態を解除することができる。よって、これにより、内視鏡13をカメラアダプター12から取り外すことができる。
カメラアダプター12の本体部の他端(基端側)には、カメラヘッド11が光学的に着脱自在に連結されるようになっている。そのために、カメラヘッド11の一端(先端側)には、接続部11bが形成されている。そして、この接続部11bに対してカメラアダプター12の本体部のカメラ取付部12cが嵌合するようになっている。
この場合において、接続部11bの内周面には、断面が略V字形状からなり内側に向けて突設する係合凸部11eが形成されている。これに対応させて、カメラ取付部12cの外周面には、断面が略V字形状からなる係合溝部12eが形成されている。
接続部11bとカメラ取付部12cとを嵌合させる際には、接続部11bに対してカメラ取付部12cを嵌合させて、当該カメラ取付部12cを押し進めていく。すると、カメラ取付部12cの先端縁部が係合凸部11eに当接する。ここからさらにカメラヘッド11に対してカメラアダプター12を押し進める方向への力量を加えると、接続部11bは若干外方に向けてたわむことにより当該接続部11bの開口側が押し広げられる。これにより、カメラ取付部12cを押し進めることができることになる。そして、係合凸部11eと係合溝部12eとが係合すると接続部11bのたわみは解消される。この位置で、カメラヘッド11とカメラアダプター12との相対的な位置決めがなされる。同時に、両者の嵌合状態が所定の力量で保持されるようになっている。
また、カメラヘッド11の接続部11bには、第2固定部材11dが配設されている。この第2固定部材11dは、上述の第1固定部材12bと略同様の構成からなり、例えば雄ネジによって形成されている。これに対応させて、接続部11bの所定の部位には、その軸方向に対して直交する方向に当該接続部11bを貫通する雌ネジが設けられている。そして、第2固定部材11dの雄ネジ部は、接続部11bの雌ネジ部に螺合するようになっている。
したがって、カメラヘッド11の接続部11bに対してカメラアダプター12のカメラ取付部12cを嵌合させた状態において、第2固定部材11dを接続部11bの雌ネジ部に螺合させ、これを締め付け方向に回転させると、当該第2固定部材11dの先端は、接続部11bを介してカメラ取付部12cの外周面に当接するようになっている。これにより、カメラヘッド11に対してカメラアダプター12を固定することができるようになっている。また、両者が固定状態にあるときに、第2固定部材11dを緩める方向に回転させて、第2固定部材11dの先端とカメラ取付部12cの外周面との当接状態を解除することで、カメラヘッド11に対するカメラアダプター12の連結を解除することができ、これによって、カメラヘッド11からカメラアダプター12を取り外すことができるようになっている。
カメラヘッド11は、ケーブル11cを介してトロリー21に載置されるCCU22に接続されている。このCCU22には、同トロリー21に載置されるモニター24が接続されている。
これにより、内視鏡13によって取り込まれた観察像は、カメラアダプター12を介してカメラヘッド11に入力される。入力された観察像は、カメラヘッド11によって光電変換処理がなされて所定の形態の電気信号に変換される。カメラヘッド11により生成された電気信号は、ケーブル11cを介してCCU22へと伝送される。これを受けて、CCU22は、表示用の映像信号を生成して、これをモニター24へと伝送する。これを受けて、モニター24は、当該映像信号に基づく観察像を表示するようになっている。
なお、カメラヘッド11とカメラアダプター12と内視鏡13とライトガイド14とを一体に連結したユニット(以下、内視鏡ユニットという)は、ホルダー部15の先端に配設される保持部15aによって保持されるようになっている。
ホルダー部15は、複数の支持アーム部材と、これら支持アーム部材を連結し上下方向又は左右方向に回動自在に形成される関節部材等からなるリンク機構を用いて構成されている。
ホルダー部15の保持部15aには、その基端部近傍にアームロック解除スイッチ15bが配設されている。このアームロック解除スイッチ15bは、ホルダー部15の支持アームの状態をロック状態とロック解除状態に切り換えるスイッチである。
術者は、支持アームの状態をロック解除状態としてから、ホルダー部15の保持部15a及びこれに保持されるユニット(内視鏡ユニット又は後述するカメラユニット)を空間上の所望する位置に任意に配置させることができるようになっている。そして、その位置を保持するためにアームロック解除スイッチ15bによって支持アームの状態をロック状態にすることで、ホルダー部15の保持部15a及びこれに保持される同ユニットを、所望する空間的位置に固定保持させることができるようになっている。
なお、このホルダー部15については、本発明に直接関わりのない部分であるので、その構成についての詳細説明は省略する。
このように構成される本実施形態の内視鏡システム1において、内視鏡13はカメラアダプター12に対して着脱自在となっているのは上述した通りである。
つまり、本実施形態の内視鏡システム1では、カメラアダプター12と内視鏡13との連結を解除すると共に、内視鏡13とライトガイド14との接続を解除することで、同カメラアダプター12から内視鏡13を完全に取り外すことができるようになっている。
この状態とすることで、本内視鏡システム1においては、カメラヘッド11及びカメラアダプター12により構成される撮像手段を、術部観察用のテレビジョンカメラ(TVカメラ)として使用することができるようになっている。
この場合において、ライトガイド14の照明光を所望の観察部位、即ち上記撮像手段による撮像領域に向けて照射し得るようにすれば至便である。
そこで、本実施形態の内視鏡システム1においては、ライトガイド14を固定保持すると共に、このライトガイド14から出射される照明光を撮像手段による撮像領域D1(図4参照)に向けて導く照明光学系であり照明光路変更光学系であるプリズム18f(後述する。図4参照)を備えたアダプタである照明用アダプター18を有して構成している。そして、この照明用アダプター18は、撮像手段に対して着脱自在に構成されていて、上記内視鏡13に代えて当該照明用アダプター18を装着することができるようになっている。
この照明用アダプター18は、上記内視鏡13に代えてカメラアダプター12に装着されるものであって、カメラアダプター12に対しては、上記内視鏡13と同じ部位に、上記内視鏡13と同様の着脱手段によって装着され得るように構成されている。
また、この照明用アダプター18には、ライトガイド14が所定の部位に接続固定されるようになっている。この場合において、当該照明用アダプター18とライトガイド14との接続は、上記内視鏡13とカメラアダプター12との着脱手段、または当該照明用アダプター18とカメラアダプター12との着脱手段と同様の構成からなる着脱手段によって行なわれるようになっている(詳細は後述する)。
このように、カメラヘッド11及びカメラアダプター12からなる撮像手段に対して、ライトガイド14が接続された照明用アダプター18を装着することで構成されるユニット(以下、カメラユニットという)は、術部観察用のTVカメラとして使用することができるようになっている。
この場合における当該カメラユニット、即ちカメラヘッド11とカメラアダプター12と照明用アダプター18とライトガイド14とからなるユニットの構成について、図3,図4を用いて以下に説明する。
この照明用アダプター18は、図4に示すように内部に貫通孔18cを有する略円筒形状の本体部18aと、この本体部18aから外部に向けて突設される突出部18bとによって形成されている。
照明用アダプター18の本体部18aに穿設される貫通孔18cの一方の開口近傍には、当該照明用アダプター18とカメラアダプター12とを連結するための第1のアダプタ接続部である第1アダプタ接続部18dが形成されている。
この第1アダプタ接続部18dは、カメラアダプター12の第1取付部12a(第1の接続部)に対して嵌合し得るように、上述の内視鏡13のカメラ接続部13fと略同形状に形成されている。また、第1アダプタ接続部18dの外周面上には、上述の内視鏡13のカメラ接続部13fの係合周溝13hと同形状の係合周溝18hが形成されている。
したがって、照明用アダプター18とカメラアダプター12との取り付けは、同カメラアダプター12に対して上記内視鏡13を着脱するための着脱手段、即ち上述の第1固定部材12bを用いて同様に行なうことができるようになっている。
即ち、第1取付部12aと第1アダプタ接続部18dとを固定するには、まず、第1取付部12aに対して第1アダプタ接続部18dを嵌合させた状態とする。この状態において、第1固定部材12bを第1取付部12aの雌ネジ部に螺合させて、これを締め付け方向に回転させる。すると、当該第1固定部材12bの先端は、第1取付部12aを貫通して第1アダプタ接続部18dの係合周溝18hに嵌合するようになっている。これにより、照明用アダプター18は、カメラアダプター12から引き抜くことができない状態となる。よって、照明用アダプター18は、カメラアダプター12に対して固設されることになる。なお、第1取付部12aの先端形状は、これに嵌合する係合周溝13hの断面形状に合わせて、その断面が略V字形状となっている。これにより、両者を嵌合状態としたとき、カメラアダプター12と内視鏡13との相対的な位置決めがなされるようになっている。
また、両者が固定状態にあるときに、第1固定部材12bを緩める方向に回転させると、第1固定部材12bの先端と第1アダプタ接続部18dの係合周溝18hとの嵌合状態が解除されることになる。したがって、この状態において、カメラアダプター12から照明用アダプター18を引き抜くと、カメラアダプター12と照明用アダプター18との連結状態を解除することができる。よって、これにより、照明用アダプター18をカメラアダプター12から取り外すことができる。
一方、照明用アダプター18の第1アダプタ接続部18dをカメラアダプター12の第1取付部12aに対して装着した状態では、図4に示すように貫通孔18cは、カメラアダプター12の結像レンズ12dの光軸O1に沿う方向に配置されるようになっている。これにより、貫通孔18cは、撮像手段(カメラヘッド11及びカメラアダプター12)による観察部位、例えば図4に示す観察部位(術部)A2から入射する光束を通過させ、同光束を阻害せずにカメラアダプター12の結像レンズ12dへと入射する光路を形成している。
他方、照明用アダプター18の突出部18bの先端側には、当該照明用アダプター18とライトガイド14とを接続するための第2のアダプタ接続部である第2アダプタ接続部18eが設けられている。
この第2アダプタ接続部18eは、ライトガイド14の第2取付部14b(第2の接続部)を嵌合させて固設し得るように、カメラアダプター12と内視鏡13又は照明用アダプター18との間の着脱手段と同様の着脱手段を有して形成されている。
即ち、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eには、固定ネジ18nが配設されている。この固定ネジ18nは、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eの軸方向に対して直交する方向に第2アダプタ接続部18eを貫通するように配設されている。ここで、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eの軸方向とは、当該第2アダプタ接続部18eに対してライトガイド14が装着されたときに、当該ライトガイド14から出射する光束の光軸O2のうち照明光出射部14aからプリズム18fに入射する間の光軸に沿う方向をいう(図4参照)。
固定ネジ18nは、例えば雄ネジによって形成されており、これに対応させて、第2アダプタ接続部18eの所定の部位には、その軸方向に対して直交する方向に当該第2アダプタ接続部18eを貫通する雌ネジが形成されている。そして、固定ネジ18nの雄ネジ部は、第2アダプタ接続部18eの雌ネジ部に螺合するようになっている。
また、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eとライトガイド14の第2取付部14bとを図4に示すように嵌合状態としたとき、上記雌ネジ部の開口部に対向する部位であって、第2取付部14bの外周面上に、断面が略V字形状の係合周溝14hが形成されている。
したがって、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eに対してライトガイド14の第2取付部14bを嵌合させた状態において、固定ネジ18nを第2アダプタ接続部18eの雌ネジ部に螺合させて、これを締め付け方向に回転させると、当該固定ネジ18nの先端は、第2アダプタ接続部18eを貫通して第2取付部14bの外周面の係合周溝14hに嵌合するようになっている。これにより、ライトガイド14は、照明用アダプター18から引き抜くことができない状態となる。よって、ライトガイド14は、照明用アダプター18に対して固設されることになる。なお、固定ネジ18nの先端形状は、これに嵌合する係合周溝14hの断面形状に合わせて、その断面が略V字形状となっている。これにより、両者を嵌合状態としたとき、照明用アダプター18とライトガイド14との相対的な位置決めがなされるようになっている。
また、両者が固定状態にあるときに、固定ネジ18nを緩める方向に回転させると、固定ネジ18nの先端と第2取付部14bの係合周溝14hとの嵌合状態が解除されることになる。したがって、この状態において、照明用アダプター18からライトガイド14を引き抜くと、照明用アダプター18とライトガイド14との連結状態を解除することができる。よって、これにより、ライトガイド14を照明用アダプター18から取り外すことができる。
照明用アダプター18の突出部18bの内部には、当該照明用アダプター18に接続されるライトガイド14から出射される照明光を所望の方向に導く照明光路変更光学系であるプリズム18fが内蔵されている。
このプリズム18fは、ライトガイド14からの照明光を入射させる入射面と、この入射面から入射した照明光を受けて所定の方向へと反射させることにより当該照明光の光軸O2(図4参照)を折り曲げる反射面と、この反射面により反射された照明光を所定の方向に出射する出射面とを備えた光学プリズム等によって形成されている。
また、照明用アダプター18の突出部18bの内部においては、プリズム18fの入射面とライトガイド14の照明光出射部14aとの間であって、当該照明光出射部14aから出射する照明光の光軸O2に沿う部位に所定の空間が設けられている。この空間は、照明光が入射面に向けて入射し得るように設けられるものであり、当該照明光の光路を形成している。
また、プリズム18fの出射面に対向する側の部位であって、照明用アダプター18の底面側の所定の部位には、出射開口18gが設けられている。そして、照明用アダプター18の突出部18bの内部においては、出射開口18gと前記出射面との間であって、当該出射面から出射する照明光の光軸O2に沿う部位に所定の空間が設けられている。この空間は、照明光が出射面から外部に向けて出射し得るように設けられるものであり、当該照明光の光路を形成している。
このように、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eに対してライトガイド14の第2取付部14b(第2の接続部)を接続した状態では、図4に示すようにライトガイド14は、照明用アダプター18に対して確実に固定支持されるようになっている。これと同時に、両者(照明用アダプター18及びライトガイド14)が接続された状態においては、ライトガイド14から出射される照明光は、照明用アダプター18内の光路及びプリズム18fを介して出射開口18gから出射するようになっている。
この場合において、照明用アダプター18に入射した照明光は、プリズム18fによって光軸O2が所定の方向に折り曲げられて、出射開口18gから出射した後、同照明光は、カメラヘッド11及びカメラアダプター12による撮像領域D1である観察部位に向けて出射するようになっている。これにより、当該観察部位、即ち撮像を所望する被検体上の所定の部位(術部表面)A2を確実に照明することができるようになっている。
なお、プリズム18fの反射面は、入射面から入射する照明光が出射面を介して撮像手段による撮像領域D1に向けて出射するように設定されている。
つまり、光軸O1と光軸O2が所定の部位、例えば撮像領域D1の略中央部近傍、例えば図4の符号A2で示す観察部位(術部表面)にて交差するように設定されている。これにより照明光の照明領域D2と撮像領域D1とを重ねることができるので、所望の観察部位を確実に照明することができるようになっている。
換言すれば、照明用アダプター18は、カメラアダプター12を介して連結されるカメラヘッド11の撮像光軸の中心に対して、照明用アダプター18に接続されるライトガイド14の照明光軸の中心が略一致するように、同ライトガイド14からの照明光を導びき、かつその状態を維持すべくライトガイド14を固定保持する構成部材となっている。
このように構成される本実施形態の内視鏡システム1を使用する際の作用の概略は次の通りである。
まず、図3,図4に示す状態、即ち撮像手段(カメラヘッド11及びカメラアダプター12)に対して、ライトガイド14を接続した照明用アダプター18を装着してなるカメラユニットを、術部観察用のTVカメラとして使用して、手術前の切開処置等を行なう。
この場合において、術者は図4に示す当該カメラユニットを被検体上の所望の部位(術部表面近傍)を照明し観察し得る空間的位置に配置する。そのために、まず、術者は、アームロック解除スイッチ15bを操作してホルダー部15のロック状態を解除して移動可能状態とする。そして、ホルダー部15の保持部15aに保持される当該カメラユニットを任意に移動させて所望の空間的位置に配置する。アームロック解除スイッチ15bを再度操作して、ホルダー部15をロック状態にする。これにより、当該カメラユニットは、所望の空間的位置に固定保持される。
この状態で、CCU22及び光源装置23等を起動させると、当該カメラユニットにおけるカメラヘッド11による撮像動作が開始し、光源装置23による照明光は、ライトガイド14から照明用アダプター18を介して所望の部位、即ち図3,図4の観察部位(術部表面)A2を照射する。これにより、モニター24には、当該部位A2を中心とする所定の撮像範囲の画像が表示される。術者は、このモニター24に表示される画像を見ながら、術前処理等を行なう。
術前処理等が終了すると、次に、術者は内視鏡13を用いる手術を行なう。
そのために、まず、術者は図3,図4に示す状態のカメラユニットから照明用アダプター18を取り外して、これに代えて内視鏡13をカメラアダプター12に装着することで図1,図2に示す内視鏡ユニットの形態に切り換える。
カメラユニットから照明用アダプター18を取り外すには、第1固定部材12bを緩める操作を行なった後、カメラアダプター12から照明用アダプター18を、例えば引き抜く操作を行なう。
また、照明用アダプター18からライトガイド14を取り外し、このライトガイド14を内視鏡13に接続する。照明用アダプター18からライトガイド14を取り外すには、固定ネジ18nを緩める操作を行なった後、照明アダプター18からライトガイド14を例えば引き抜く操作を行なう。
そして、照明用アダプター18に代えて内視鏡13をカメラアダプター12に対して装着し、第1固定部材12bを締め付ける方向に操作する。次いで、ライトガイド14を内視鏡13のLG接続部13eに嵌合させて装着する。
このようにして、図1,図2に示す状態の内視鏡ユニットが形成される。
次に、術者は、アームロック解除スイッチ15bを操作して、ホルダー部15のロック状態を解除する。そして、内視鏡ユニットの内視鏡13を、術部A1に向けて移動させ、被検体の体腔内部に挿入部13aを挿入する。このとき、モニター24には、内視鏡13による内視鏡画像が表示される。術者は、このモニター24に表示される内視鏡画像を見ながら所定の手術処置等を行なう。
所定の手術処置等が終了したら、術者は、切開部位の縫合処置等を行なう。そのために、再度内視鏡ユニットをカメラユニットの形態に切り換える。内視鏡ユニットから内視鏡13を取り外すには、第1固定部材12bを緩める等の各所定の操作を行なう。これは、上述のカメラユニットから照明用アダプター18を取り外すのと略同様の手順となる。
また、内視鏡13からライトガイド14を取り外し、このライトガイド14を照明用アダプター18に接続する。内視鏡13からライトガイド14を取り外すには、内視鏡13のLG接続部13eとライトガイド14の第2取付部14b(第2の接続部)との嵌合状態を解除する操作、例えば引き抜き操作等によって行なう。
次いで、照明用アダプター18をカメラアダプター12に装着し、第1固定部材12bを締めつける等の操作によって照明用アダプター18を固定状態とする。また、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eに対してライトガイド14の第2取付部14b(第2の接続部)を接続し、固定ネジ18nを締め付ける操作を行なう。
このような手順によって、図3,図4に示す状態のカメラユニットが形成される。
この状態において、カメラユニットを用いて撮像動作を開始する。このとき、ライトガイド14からの照明光は、照明用アダプター18を介して所定の観察部位A2(図3,図4)を照射する。モニター24には、当該部位A2を中心とする所定の撮像範囲の画像が表示される。術者は、このモニター24に表示される画像を見ながら、切開部位の縫合処置等を行なう。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、カメラアダプター12の第1取付部12aと内視鏡13のカメラ接続部13f(図1,図2参照)との間、又は同第1取付部12aと照明用アダプター18の第1アダプタ接続部18d(図3,図4参照)との間を、第1固定部材12bが介在することによって、カメラアダプター12に対して内視鏡13又は照明用アダプター18のいずれかを着脱自在に配設し得るように構成している。
そして、カメラアダプター12と内視鏡13とを接続した状態(図1,図2に示す状態)においては、ライトガイド14は内視鏡13のLG接続部13eに対して接続される一方、カメラアダプター12と照明用アダプター18とを接続した状態(図3,図4に示す状態)においては、ライトガイド14は照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eに対して接続される。
これにより、図1,図2に示す状態において、カメラアダプター12から内視鏡13を取り外すと共に内視鏡13からライトガイド14を取り外した後、同カメラアダプター12の第1取付部12a(第1の接続部)に対して同じ着脱手段(第1固定部材12b)を用いて照明用アダプター18の第1アダプタ接続部18dに対して接続することができる。
さらに、照明用アダプター18の第2アダプタ接続部18eに対して、ライトガイド14の第2取付部14bを、当該照明用アダプター18とカメラアダプター12との間の同様の着脱手段を用いて接続することで、図3,図4に示す状態にすることができる。
したがって、これにより、撮像手段(カメラヘッド11及びカメラアダプター12)に対して内視鏡13を接続したときには、内視鏡装置として使用することができる一方、撮像手段(11,12)から内視鏡13を取り外して、同じ撮像手段(11,12)に対して照明用アダプター18を接続したときには、術部観察用のTVカメラとして使用することができる。
この場合において、照明用アダプター18に接続されるライトガイド14から出射される照明光の光軸O2を、カメラアダプター12の結像レンズ12dの光軸O1に対して所定の部位で交差するように設定したので、撮像手段による撮像領域の範囲内を常に明るく照明することができると同時に、良好な視野を確保することが容易にできる。
(第2の実施形態)
ところで、近年においては、立体映像によって術部の3D(three dimension)観察を行なうことができるように、左右一対の撮像光学系を有して構成される立体映像観察装置が実用化されている。
次に、説明する本発明の第2の実施形態の内視鏡システムは、これを術部観察用のTVカメラとして用いる際に、3D観察を行ない得るように構成した場合の例示である。
図5は、本発明の第2の実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。
本実施形態の構成は、基本的には上述の第1の実施形態の内視鏡システムと略同様であって、カメラユニットを構成する照明用アダプターの構成及びその周辺が若干異なるのみである。即ち、図5に示すように、照明用アダプター18Aの内部に3D観察用光学系31(31a,31b,31c,31d)を有している点が主に異なる。
したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略し、異なる部位についてのみ以下に説明する。
本実施形態の内視鏡システムにおいて用いられるカメラユニットを構成する部材のうち照明用アダプター18Aは、図5に示すように、3D観察用光学系31を内蔵している。
3D観察用光学系31は、対物光学系である対物レンズ31aと、偏光三角プリズム31bと、偏光ハーフプリズム31cと、偏光シャッター31d等によって構成されるものである。
偏光三角プリズム31bと偏光ハーフプリズム31cとは、対物レンズ31aからの少なくとも2本の異なる光束を異なる方向に偏光させる偏光手段である。
また、偏光ハーフプリズム31cは、少なくとも2本の異なる光束を同一光路に導く光学系である。例えば、偏光ハーフプリズム31cは、図5に示すように対物レンズ31aからの光束と、偏光三角プリズム31bからの光束と、の2本の異なる光束を、撮像素子11aの側へ向かう同一光路に導いている。
偏光シャッター31dは、偏光状態の異なる少なくとも2本の光束、即ち偏光ハーフプリズム31cで同一光路に導かれた2本の光束のそれぞれを交互に透過させる偏光光束透過手段である。
この構成により、右眼用の観察像は、対物レンズ31a,偏光三角プリズム31b,偏光ハーフプリズム31cを介して偏光シャッター31dへと入射した後、カメラアダプター12の結像レンズ12dを透過し、カメラヘッド11の撮像素子11aの受光面上に結像するようになっている。
また、左眼用の観察像は、対物レンズ31a,偏光ハーフプリズム31cを介して偏光シャッター31dへと入射する。その後は、右眼用観察像と同様に結像レンズ12dを介して撮像素子11aの受光面上に結像するようになっている。
偏光シャッター31dは、右眼用の観察像を形成する光線O3(図5参照)のみを通過させる状態と、左眼用の観察像を形成する光線O4のみを通過させる状態とを切り換えることができるように構成されている。
また、本実施形態においては、照明用アダプター18A及びカメラアダプター12Aのそれぞれには、接続端子32,33が配設されている。これらの接続端子32,33は、カメラアダプター12Aに対して照明用アダプター18Aが装着された状態、即ちカメラユニットの形態が構成されたときに互いに接触状態になることで、両者(12A,18A)を電気的に接続するものである。そして、カメラアダプター12側の接続端子33は、ケーブル11cを介してCCU22(図1参照)と電気的に接続されている。
したがって、カメラアダプター12Aに対して照明用アダプター18Aを正規の位置に装着し、接続端子32,33を電気的に接続した状態とすると、カメラユニットとCCU22とが電気的に接続された状態となる。
また、特に図示していないが、CCU22には、偏光シャッター31dを駆動する駆動回路が設けられている。この駆動回路によって偏光シャッター31dを作動させることにより、右眼用の画像と左眼用の画像とを撮像素子11aの受光面上に交互に結像させることができるようになっている。
CCU22は、この駆動回路による偏光シャッター31dの切り換え駆動に同期させて撮像素子11aの駆動制御を行なうことにより、右眼用の画像と左眼用の画像とを交互に撮像するようになっている。
これに対応させて、本実施形態においては、モニター24(図1参照)は、3D観察に対応した3D用表示装置が適用される。
したがって、CCU22は、上述のようにして撮像され取得された右眼用の画像信号と左眼用の画像信号についての各種の信号処理を実行することによって、表示用の画像信号を生成し、これをモニター24に向けて出力するようになっている。
これを受けて3D用表示装置としてのモニター24は、右眼用の画像と左眼用の画像とを表示する。これにより、術部の3D観察を行なうことができるようになっている。
その他の構成については、上述の第1の実施形態と同様である。また、カメラアダプター12Aと照明用アダプター18Aとの着脱手段については、第1固定部材12bと、係合周溝18hとによって、上述の第1の実施形態と全く同様に構成されている。
したがって、カメラユニットの形態にある状態から内視鏡ユニットの形態に組み換える場合の作用、即ちカメラアダプター12Aから照明用アダプター18Aを取り外し同カメラアダプター12Aに対して内視鏡13を取り付ける手順や、照明用アダプター18Aからライトガイド14を取り外して内視鏡13に取り付ける際の手順等については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
以上説明したように上記第2の実施形態においては、上述の第1の実施形態と同様である。また、これに加えて、本実施形態では、照明用アダプター18Aの内部に対物レンズ31a,偏光三角プリズム31b,偏光ハーフプリズム31c,偏光シャッター31d等を具備することによって、カメラユニットの形態で使用する場合には、術部の観察像についての立体観察を容易に行なうことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
本実施形態の内視鏡システムは、これを術部観察用のTVカメラとして用いる際の撮像領域とライトガイド(14)による照明光の照明領域とを略一致させ得るようにした構成の一例である。
図6は、本発明の第3の実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。
本実施形態の構成は、基本的には上述の第1の実施形態の内視鏡システムと略同様であって、カメラユニットを構成する照明用アダプターの構成が異なるのみである。即ち、図6に示すように、上述の第1の実施形態における照明用アダプター18に対して、本実施形態における照明用アダプター18Bは、その内部に設けられる照明光学系に照明範囲を絞る集光手段である集光レンズ34を含んで具備している点が異なるのみである。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略し、異なる部位についてのみ以下に説明する。
上述したように、本実施形態の内視鏡システムにおいて用いられるカメラユニットを構成する部材のうち照明用アダプター18Bは、その内部に照明範囲を絞る集光手段である集光レンズ34を有して構成されている。
この集光レンズ34は、当該照明用アダプター18Bの第2アダプタ接続部18eに接続された状態にあるライトガイド14の照明光出射部14aとプリズム18fの入射面との間に形成される光路上に配置され、そのレンズ面が上記プリズム18fの入射面に対向するように、かつ照明光出射部14aに対向するように配設されている。
これにより、ライトガイド14の照明光出射部14aから出射される照明光は、当該集光レンズ34によって集光された後、プリズム18fを介して出射開口18gから射出し所定の照明領域D1(図6参照)を照明するようになっている。
この場合において、照明領域D1は、集光レンズ34によって撮像領域D1と略一致するように設定されている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と全く同様である。
以上説明したように、上記第3の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、照明用アダプター18Bにおいては、所望の照明領域を照明し得るようにライトガイド14から出射する照明光束を所定の範囲に集光させる集光レンズ34をさらに備えて構成したので、本内視鏡システムをカメラユニットの形態で使用する際には、照明領域と撮像領域とを略一致するように設定することができる。これによって、所望の部位の照明をより効率的に行なうことができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
本実施形態の内視鏡システムは、カメラヘッド及びカメラアダプターからなる撮像手段に焦点調節機能と変倍機能とを備えて構成した場合の一例である。
図7,図8,図9は、本発明の第4の実施形態を示し、図7,図8は、本実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。このうち、図7は、観察部位までの距離(WD1)が長い場合の例を図示している。また、図8は、観察部位までの距離(WD2)が図7の場合(WD1)よりも短い場合の例を図示している。図9は、本実施形態の内視鏡システムにおける内視鏡ユニットの概略構成を示す図である。なお、図9においては一部を断面で示している。
本実施形態の構成は、基本的には上述の第1の実施形態の内視鏡システムと略同様であるが、撮像手段の焦点調節機能と変倍機能とを具備するための構成、即ちカメラアダプター12Cの内部構成と、照明用アダプター18Cの内部構成が若干異なる。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略し、異なる部位についてのみ以下に説明する。
上述したように、本実施形態の内視鏡システムにおいて用いられる撮像手段を構成する部材のうちカメラアダプター12Cは、その内部に焦点調節機能を実現するフォーカス調整機構36と、変倍機能を実現するズーム機構37とを具備して構成されている。
カメラアダプター12Cは、上述の第1の実施形態のものと同様に図7に示すように略円筒形状の本体部を有して形成されている。この本体部の一端(先端側)には、第1の接続部である第1取付部12aが、同本体部の他端(基端側)にはカメラ取付部12cが設けられている。
カメラアダプター12Cの本体部の内部には、フォーカス調整機構36と、変倍機能を実現するズーム機構37と、結像レンズ12d等が配設されている。
フォーカス調整機構36は、光軸O1上において焦点調節のために同光軸O1に沿う方向に移動自在に配設されるフォーカスレンズ36aと、このフォーカスレンズ36aを光軸O1に沿う方向に移動させるためのフォーカスレンズ移動機構の一部を構成するラック36fを具備し同フォーカスレンズ36aを固定保持するフォーカスレンズ移動枠36bと、このフォーカスレンズ移動枠36bのラック36fに噛合して同フォーカスレンズ移動機構の一部を構成するフォーカス歯車36cと、このフォーカス歯車36cを回動自在に軸支するフォーカスダイヤル回転軸36eと、このフォーカスダイヤル回転軸36eの他端側の同軸上に設けられカメラアダプター12Cの本体部の外部に配設されるフォーカスダイヤル36d等によって主に構成されている。
この構成により、フォーカスダイヤル36dが図7の矢印R1方向、即ちフォーカスダイヤル回転軸36e周りに回動させられると、これに伴ってフォーカス歯車36cが同方向に回動する。すると、このフォーカス歯車36cの回動力は、フォーカス歯車36cに噛合するラック36fに伝達される。これにより、ラック36fは、フォーカスレンズ移動枠36bを図7に示す矢印Y1に沿う方向、即ち光軸O1に沿う方向へと移動させる。この移動に伴って、同フォーカスレンズ移動枠36bに固定保持されているフォーカスレンズ36aは同方向、即ち光軸O1に沿う方向(矢印Y1方向)に移動するようになっている。この場合のフォーカスレンズ36aの移動量や移動方向は、フォーカスダイヤル36dの回転量や回転方向により設定することができる。したがって、使用者(術者)は、フォーカスダイヤル36dを任意に操作することによって、撮像手段による観察画像もしくは内視鏡画像の焦点調節をおこなうことができるようになっている。
ズーム機構37は、ズーム光学系の一部を構成する第1群ズームレンズ37aと、同様にズーム光学系の一部を構成する第2群ズームレンズ37bと、この第2群ズームレンズ37bを固定保持するズームレンズ移動枠37cと、ズームレンズ移動機構の一部を構成するガイドピン37dと、このガイドピン37dの移動をガイドするガイド溝37eaを内部に有するズームダイヤル37e等によって主に構成されている。
第1群ズームレンズ37aは、ズーム光学系の一部を構成し光軸O1上にあって当該カメラアダプター12Cの内部における固定部に固設されている。
第2群ズームレンズ37bは、同様にズーム光学系の一部を構成し光軸O1上にあって焦点調節のために同光軸O1に沿う方向に移動自在に配設されている。
ズームレンズ移動枠37cは、第2群ズームレンズ37bを固定保持しつつ、当該カメラアダプター12Cの内部空間において、光軸O1に沿う方向に移動自在に配設されている。
ガイドピン37dは、ズームレンズ移動枠37cに対して外方に向けて植設される軸状の部材からなり、当該カメラアダプター12Cの本体部の周面上に形成されるカム溝12kに係合している。即ち、ガイドピン37dとカム溝12kとは、第2群ズームレンズ37bを光軸O1に沿う方向(図7の矢印Y2方向)に移動させるためのズームレンズ移動機構を構成している。
ズームダイヤル37eは、当該カメラアダプター12Cの本体部の外周面に沿って回動自在に配置されている。このズームダイヤル37eの内側部には、ガイド溝37eaが形成されている。このガイド溝37eaには、上述のガイドピン37dの先端部が保持されている。
このような構成により、術者がズームダイヤル37eをカメラアダプター12Cの本体部の外周面に沿う方向に回動させると、この回動に伴って同ズームダイヤル37eは、ガイド溝37eaを介してガイドピン37dをガイドして同方向に回動させる。
当該ガイドピン37dは、カメラアダプター12Cの本体部のカム溝12kに係合しているので、同カム溝12kに沿って移動する。この移動により、ガイドピン37dは、図7の矢印Y2方向、即ち光軸O1に沿う方向へとズームレンズ移動枠37cを移動させるようになっている。
なお、カメラアダプター12C内に配置される上記各光学系、即ちフォーカスレンズ36aと、第1群ズームレンズ37aと、第2群ズームレンズ37bと、結像レンズ12dとのそれぞれは、同一軸上、即ち光軸O1上に配置されている。
そして、カメラアダプター12Cと後述する照明用アダプター18Cとが連結された状態(図7の状態)では、カメラアダプター12Cの側の各光学系(36a,37a,37b,12d)の光軸O1と、照明用アダプター18Cの貫通孔18cの中心軸とは、略一致するように構成されている。
また、カメラアダプター12Cと内視鏡13とが連結された状態(図9の状態)では、カメラアダプター12Cの側の各光学系(36a,37a,37b,12d)の光軸と、内視鏡13の接眼レンズ13cの光軸とは、同一軸上、即ち光軸O1上に略一致するように構成されている。
ここで、光軸O1は、撮像素子11aの受光面に対して略直交する方向であって、当該撮像素子11aの受光面の略中心部を通るように設定されているのは、上述の第1の実施形態と同様である。
その他の構成、即ち本カメラアダプター12Cとカメラヘッド11や照明用アダプター18C又は内視鏡13との連結手段等については、上述の第1の実施形態と同様である。
次に、カメラユニットの一部を構成する照明用アダプター18Cは、図7に示すように上述の第1の実施形態におけるプリズム18fに代えて、照明光反射手段である可動ミラー等からなる照明位置調整機構35を具備して構成されている。
この照明位置調整機構35は、照明用アダプター18Cの突出部18bの内部に設けられており、当該照明用アダプター18Cに接続されるライトガイド14の照明光出射部14aから出射された照明光の光路を変更して出射開口18gへと出射させるのに際して、出射角度を任意に変更し照明方向を調整し得るようにすることで、照明光を所定の範囲内における所望の方向へと出射するための照明光路変更光学系である。その詳細構成は、次のようになっている。
即ち、照明位置調整機構35は、ライトガイド14からの照明光を受けて所定の方向へと反射させることにより当該照明光の光軸O2(図7参照)を折り曲げて同照明光の光路を変更する反射ミラー35aと、この反射ミラー35aを固定保持するミラー移動枠35bと、このミラー移動枠35bを回動自在に軸支するミラー回転軸35cと、上記ミラー移動枠35bの裏面側に連設されて同ミラー移動枠35bを任意に回動させる照明位置調整レバー35d等によって主に構成されている。
照明位置調整機構35は、照明用アダプター18Cに対してライトガイド14が接続された状態(図7の状態)において、照明光出射部14aに対向する部位に形成される照明用アダプター18Cの突出部18bの内部空間、即ち照明光出射部14aから出射される照明光の光路上に配設されている。
この場合において、ミラー回転軸35cは、照明光出射部14aから出射される照明光の光軸O2に対して直交する方向に沿うように、照明用アダプター18Cの内部固定部材(特に図示せず)に対して軸支されている。
このミラー回転軸35cには、ミラー移動枠35bが、同ミラー回転軸35cを回動中心として回動自在に配設されている。
このミラー移動枠35bの一方の面上には、反射ミラー35aが一体に固設されている。
この反射ミラー35aは、図7に示す状態、即ち照明用アダプター18Cに対してライトガイド14が接続された状態において、その反射面が照明光出射部14a及び出射開口18gのそれぞれに向くように、ミラー移動枠35bの面上に配置されている。
つまり、反射ミラー35aは、その断面が、照明光出射部14aから出射される照明光の光軸O2に対して傾くように配置されている。これにより、照明光出射部14aからの照明光は、反射ミラー35aの反射面によって出射開口18gに向けて反射されるようになっている。
この場合において、光軸O2に対する反射ミラー35aの傾斜角度は、照明位置調整レバー35dによって、所定の範囲内において任意に変更することができるようになっている。
即ち、ミラー移動枠35bには、その裏面より外方に向けて照明位置調整レバー35dが突出するように一体に配設されている。そして、この照明位置調整レバー35dの先端部は、照明用アダプター18Cの突出部18bの外部に露出するように設定されている。これにより、照明位置調整レバー35dの先端部近傍は、照明光を所望の部位に照射し得るように位置調整を行なうための操作部材としての役目をする。
この場合において、照明用アダプター18Cの突出部18bには、照明位置調整レバー35dの先端を貫通させて、外部に露出させるための孔(特に図示せず)が形成されている。この孔は、照明位置調整レバー35dを、図7に示す矢印R2方向に傾倒自在にガイドし、かつその可動範囲を規制するために、所定の長さ寸法を有する長孔状に形成されている。
なお、照明位置調整レバー35dの可動範囲は、上述したように照明用アダプター18Cの突出部18bに形成される長孔の長手方向の寸法によって規制されている。この長孔の長手方向の寸法は、光軸O2に対する反射ミラー35aの傾斜角度を規制するものでもある。ここで、照明位置調整レバー35dの可動範囲としては、照明光出射部14aから出射し反射ミラー35aの反射面によって反射した後の照明光が、出射開口18gから確実に出射し得る際の反射ミラー35aの傾斜角度を保持する範囲内に設定される。
その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
このように構成される本実施形態の内視鏡システムにおいて、撮像手段と照明用アダプター18Cとを連結してカメラユニットの形態で使用する際の作用は、次のようになる。
まず、図7に示す状態は、カメラユニットから符号WD1で示すだけの距離(ワーキングディスタンス。観察距離)を有する部位にある観察部位(術部)A2を観察する場合を示している。
この状態において観察を行なう際には、まず、術者は、所望する観察部位(術部)A2を中心とする所定の領域を撮像し得るようにカメラユニットの位置を固定する。
カメラユニットの位置が設定されたら、照明光が所望する撮像領域を適正に照明するように、即ち撮像手段(観察系)の光軸O1と照明光の光軸O2とが観察部位(術部)A2にて交差する状態となるように、照明位置調整機構35を用いて光軸O2の観察部位(術部)A2の面に対する入射角度E1(図7参照)を設定する。
即ち、術者は、照明位置調整レバー35dの先端部近傍を摘まんで、これを図7の矢印R2に沿う方向に傾倒させる。すると、これに従動してミラー移動枠35b及びミラー移動枠35bは、ミラー回転軸35cを回動中心として光軸O2に対して傾く方向に回動する。
このとき、照明光出射部14aからの照明光は、反射ミラー35aの反射面により反射した後、出射開口18gに向けて出射している。この照明光の光軸O2が、図7に示す状態、即ち所望する観察部位(術部)A2に向けて出射するように、照明位置調整レバー35dの傾倒量を調整する。
所望する撮像領域を照明光が適切に照明し得るように調整ができたら、続いて、術者は、ズームダイヤル37eを適宜、所定方向に回動させることにより所望の撮像倍率に設定する。また、フォーカスダイヤル36dを適宜、所定方向に回動させることにより焦点調節操作を行なう。この場合において、術者は、モニター24に表示される観察画像を見ながら、変倍操作及び焦点調節の各操作を行なう。
この図7に示す状態から図8に示す状態へと、カメラユニットの設定変更を行なう際の作用を説明する。図8に示す状態は、カメラユニットから符号WD2で示すだけの距離を有する部位にある観察部位(術部)A2を観察する場合を示している。ここで、距離WD2は、上述の図7に示す距離WD1より短い場合(WD1>WD2)を例示している。
まず、術者は、アームロック解除スイッチ15bを操作して、ホルダー部15のロック状態を解除した後、図7の状態(距離WD1)にあるカメラユニットを、図8の状態(距離WD2)にまで移動させる。そして、その位置でアームロック解除スイッチ15bを操作して、ホルダー部15のロック状態にし、カメラユニットを空間上における所定の位置に固定する。
続いて、上述したのと同様の手順によって、照明光の軸調整と変倍設定と焦点調節設定を行なう。ここで、照明光の軸調整を行なうのに際しては、次のように行なう。
図8に示す状態においては、距離WD2が図7に示す場合の距離WD1よりも短くなるように設定されている。そのため、照明光の光軸O2の観察部位(術部)A2の面に対する入射角度E2は、上述の図7の状態よりも小となる(E1>E2)。
そのために、図7の状態から照明位置調整レバー35dを図8に示す矢印R2aに沿う方向に傾倒させることになる。これにより、反射ミラー35aは、ミラー回転軸35cを回動中心として図8において時計方向へと回動する。こうして、撮像手段の光軸O1と照明光の光軸O2とが観察部位(術部)A2にて交差する状態となるように調整する。
一方、本実施形態の内視鏡システムにおいて、図7,図8に示すカメラユニットの形態から照明用アダプター18Cを取り外し、この照明用アダプター18Cからライトガイド14を取り外す際の作用や、撮像手段に対して内視鏡13を取り付け、この内視鏡13にライトガイド14を接続して内視鏡ユニットの形態(図9参照)を構成させる際の作用については、上述の第1の実施形態と全く同様の手順で行なう。
以上説明したように上記第4の実施形態によれば、反射ミラー35aを照明光の光軸O2に対して傾く方向に回動自在に配置したことにより、照明光の光路を任意に設定することができ、よって照明光の照射位置を所望の部位に設定することができるので、カメラユニットの形態で使用する場合において、当該カメラユニットと観察部位となる術部A2との間の距離WDを変更した場合にも、常に撮像手段の光軸O1と所望の観察部位(術部)A2との交点に対して照明光の光軸O2を略一致させるように調整することができる。したがって、これによりカメラユニットと観察部位(術部)との距離WDに関らず、常に所望の観察部位に向けて効率的な照明を行なうことができる。
また、フォーカスダイヤル36dの回転操作方向を含む面と、ズームダイヤル37eの回転操作方向を含む面とを、互いに略直交する方向となるように、両ダイヤル36d,37eの配置を工夫している。
つまり、ズームダイヤル37eとフォーカスダイヤル36dの各操作方向を異なる回転操作方向とし、この場合において、より微妙な操作を必要とするフォーカスダイヤル36dを撮像手段の光軸O1に沿う方向を含む面と同じ面内で回転操作させるように構成している。これにより、観察像の表示調整を詳細に行なうことができ、よって操作性の向上に寄与することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
図10,図11は、本発明の第5の実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。このうち、図10は、観察部位までの距離(WD1)が長い場合の例を図示している。また、図11は、観察部位までの距離(WD2)が図10の場合(WD1)よりも短い場合の例を図示している。
本実施形態の内視鏡システムは、上述の第4の実施形態と略同様の構成からなるものである。これに加えて、本実施形態においては、照明用アダプター18Dに対して上述の第3の実施形態と同様に集光レンズ34aを設けると共に、この集光レンズ34aを可動させる照明領域調整機構38を備えることで、照明領域と撮像領域とを略一致させることができるようになっている。したがって、上述の第4の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略し、異なる部位についてのみ以下に説明する。
撮像手段による撮像領域は、カメラユニットと観察部位との距離や、撮像手段の観察倍率によって変化するようになっている。そこで、照明用アダプター18Dを介して所望の観察部位へと出射されるライトガイド14からの照明光の照明領域は、撮像手段による撮像領域に略一致しているのが望ましい。
本実施形態の内視鏡システムにおける照明用アダプター18Dは、集光レンズ34aを照明光の光軸O2に沿う方向に稼動させることで照明光の照明領域を調整する照明領域調整機構38を具備して構成される。
照明領域調整機構38は、ライトガイド14の照明光出射部14aに対向する位置に配置され集光領域調節のために同ライトガイド14からの照明光の光軸O2に沿う方向(図10の矢印X1に沿う方向)に移動自在に配設される集光レンズ34aと、この集光レンズ34aを光軸O2に沿う方向に移動させるための集光レンズ移動機構の一部を構成するラック38fを具備し同集光レンズ38aを固定保持する集光レンズ移動枠38bと、この集光レンズ移動枠38bのラック38fに噛合して同集光レンズ移動機構の一部を構成する集光領域調整歯車38cと、この集光領域調整歯車38cを回動自在に軸支する集光領域調整ダイヤル回転軸38eと、この集光領域調整ダイヤル回転軸38eの他端側の同軸上に設けられ照明用アダプター18Dの突出部18bの外部に配設される集光領域調整ダイヤル38d等によって主に構成されている。
この構成により、集光領域調整ダイヤル38dが図10の矢印R3方向、即ち集光領域調整ダイヤル回転軸38e周りに回動させられると、これに伴って集光領域調整歯車38cが同方向に回動する。すると、この集光領域調整歯車38cの回動力は、集光領域調整歯車38cに噛合するラック38fに伝達される。これにより、ラック38fは、集光レンズ移動枠38bを図10に示す矢印X1に沿う方向、即ち光軸O2に沿う方向へと移動させる。この移動に伴って、同集光レンズ移動枠38bに固定保持されている集光レンズ34aは同方向、即ち光軸O2に沿う方向(矢印X1方向)に移動するようになっている。この場合の集光レンズ34aの移動量や移動方向は、集光領域調整ダイヤル38dの回転量や回転方向により設定することができる。したがって、使用者(術者)は、集光領域調整ダイヤル38dを任意に操作することによって、撮像手段による撮像領域とライトガイド14による照明光の照明領域とを略一致させるように調整することができるようになっている。
その他の構成については、上述の第4の実施形態と全く同様である。
このように構成される本実施形態の内視鏡システムにおいて、撮像手段と照明用アダプター18Dとを連結してカメラユニットの形態で使用する際の作用は、次のようになる。
まず、図10に示す状態は、カメラユニットから符号WD1で示すだけの距離(ワーキングディスタンス。観察距離)を有する部位にある観察部位(術部)A2を観察する場合を示している。
この状態において観察を行なう際には、まず、術者は、所望する観察部位(術部)A2を中心とする所定の領域を撮像し得るようにカメラユニットの位置を固定する。そして、上述の第4の実施形態と同様の手順により、ズームダイヤル37eの回動操作による所望の撮像倍率の設定や、フォーカスダイヤル36dの回動操作による焦点調節操作や、照明位置調整機構35を用いて撮像手段の光軸O1と照明光の光軸O2とを略一致させるように設定する。
次いで、照明領域調整機構38を用いて、所望の撮像領域を適正に照明し得るように撮像領域と照明領域とが略一致するように照明領域の調整を行なう。
即ち、術者は、集光領域調整ダイヤル38dを図7の矢印R3に沿う方向に回動させる。すると、これに従動して集光領域調整歯車38cは同方向に回動する。この集光領域調整歯車38cの回動力はラック38fに伝達される。これにより、集光レンズ移動枠38b及び集光レンズ34aは、図10に示す矢印X1に沿う方向(光軸O2に沿う方向)に移動する。
術者は、集光領域調整ダイヤル38dの回転量や回転方向を任意に回動操作することで、集光レンズ34aの移動量や移動方向を設定し、よって、所望の照明領域D3(図10参照)を設定する。
このように、使用者(術者)は、集光領域調整ダイヤル38dを任意に操作して、撮像手段による撮像領域とライトガイド14による照明光の照明領域とを、図10に示す符号D3のように略一致させる調整を行なう。
なお、これらの設定操作は、モニター24に表示される観察画像を見ながら行なう。
次に、この図10に示す状態から図11に示す状態へと、カメラユニットの設定変更を行なう際の作用を説明する。図10に示す状態は、カメラユニットから符号WD2で示すだけの距離を有する部位にある観察部位(術部)A2を観察する場合を示している。ここで、距離WD2は、上述の図10に示す距離WD1より短い場合(WD1>WD2)を例示している。
まず、術者は、アームロック解除スイッチ15bを操作して、ホルダー部15のロック状態を解除した後、図10の状態(距離WD1)にあるカメラユニットを、図11の状態(距離WD2)にまで移動させる。そして、その位置でアームロック解除スイッチ15bを操作して、ホルダー部15のロック状態にし、カメラユニットを空間上における所定の位置に固定する。
続いて、上述したのと同様の手順によって、照明光の軸調整と照明領域の調整と変倍設定と焦点調節設定等の各設定等を行なう。なお、この場合における照明領域の調整は、撮像領域と照明領域とを、図11に示す符号D4のように略一致させる調整である。
一方、本実施形態の内視鏡システムにおいて、図10,図11に示すカメラユニットの形態から照明用アダプター18Dを取り外し、この照明用アダプター18Dからライトガイド14を取り外す際の作用や、撮像手段に対して内視鏡13を取り付け、この内視鏡13にライトガイド14を接続して内視鏡ユニットの形態(特に図示せず。なお図9参照)を構成させる際の作用については、上述の第1の実施形態と全く同様の手順で行なう。
以上説明したように上記第5の実施形態によれば、上述の第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施形態においては、照明用アダプター18Dに集光レンズ34aを設け、この集光レンズ34aを光軸O2に沿う方向に移動自在とする照明領域調整機構38を具備して構成している。これにより、カメラユニットの形態で使用する場合において、当該カメラユニットと観察部位となる術部A2との間の距離WDを変更したり、撮像倍率を変更した場合にも、常に撮像手段による撮像領域と所望の観察部位(術部)A2を含む照明領域とを略一致させるように調整することができる。したがって、これによりカメラユニットと観察部位(術部)との距離WDや撮影倍率に関らず、常に所望の観察部位を含む撮像領域に対して効率的な照明を行なうことができる。
上述の各実施形態においては、ライトガイド14を照明用アダプター(18,18A,18B,18C,18D)及び内視鏡(13)のそれぞれに対して着脱自在に構成している。撮像手段と照明用アダプター(18,18A,18B,18C,18D)とを連結させてカメラユニットの形態で使用するときには、ライトガイド14は照明用アダプター(18,18A,18B,18C,18D)に接続する。また、撮像手段と内視鏡(13)とを連結させて内視鏡ユニットとして使用するときには、ライトガイド14は内視鏡(13)に接続するように構成される。
これに対して、ライトガイド14とカメラアダプター(12,12A,12C)とを一体に構成することが考えられる。このような構成とすれば、カメラユニットの形態と内視鏡ユニットの形態との間で切り換えを行なう際には、照明用アダプターの着脱と内視鏡の着脱を行なうのみでよいので至便である。この場合の例を、本発明の第6の実施形態として、以下に説明する。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
図12,図13は、本発明の第6の実施形態を示し、このうち図12は、本実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。図13は、本実施形態の内視鏡システムにおける内視鏡ユニットの概略構成を示す縦断面図である。
本実施形態の内視鏡システムは、上述の第1の実施形態及び第4の実施形態と基本的には同様の構成からなる。本実施形態においては、上述したようにライトガイド14とカメラアダプター12Eとを一体に構成すると共に、これに対応させた内部構成を有する照明用アダプター18Eによって構成している点が異なる。したがって、上述の第1,第4の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略し、異なる部位についてのみ以下に説明する。
本実施形態におけるカメラユニットを構成する撮像手段のうちカメラアダプター12Eは、図12に示すように、その本体部の先端側の外周縁部近傍には、ライトガイド保持部12Egが外方に向けて突設されている。このライトガイド保持部12Egの内部には、当該カメラアダプター12Eの本体部を通る光軸O1に沿う方向に貫通路12Ehが形成されている。この貫通路12Eh内にライトガイド14が挿通している。
ライトガイド14の先端側には、照明用アダプター18Eの第2アダプタ接続部18eとの接続部であり、また内視鏡13のLG接続部13eとの接続部となる第2取付部14b(第2の接続部)が形成されている。この第2取付部14bの先端面は、照明光が出射する照明光出射部14aとなっている。
照明用アダプター18Eには、カメラアダプター12Eに対して連結する際に係合する二つの接続部、即ち当該カメラアダプター12E側の第1取付部12a(第1の接続部)に対応する接続部18aaと、同カメラアダプター12E側の第2取付部14b(第2の接続部)に対応する第2アダプタ接続部18eとが形成されている。
この二つの接続部(18aa,18e)のうち接続部18aaの内側には、貫通孔18cが形成されている。そして、当該照明用アダプター18Eがカメラアダプター12Eに接続されたときには、当該貫通孔18cは、カメラアダプター12Eの光路に連設されるようになっており、撮像手段の光軸O1を中心とする光路を形成している。
第2アダプタ接続部18eの内側は、これに接続されるライトガイド14からの照明光を通過させる光路18jが形成されていて、当該光路18jは、上記貫通孔18cと連通している。
照明用アダプター18Eの内部には、ライトガイド14からの照明光の光軸O2を折り曲げる光学プリズム等からなる三角プリズム39と、この三角プリズム39からの照明光を観察部位に向けて反射する半透過鏡等からなるハーフミラー40が、それぞれ所定の部位に配設されている。
このうち、三角プリズム39は、照明用アダプター18Eの内部において上記光路18j上に配設されている。この三角プリズム39は、照明用アダプター18Eとカメラアダプター12Eとを連結状態にしたときに、カメラアダプター12E側のライトガイド14の照明光出射部14aに対向する位置に配設されている。そして、この三角プリズム39は、上記照明光出射部14aに対向して配置され同照明光出射部14aからの照明光が入射する入射面39aと、この入射面39aに対して角度略45度傾けて形成され同入射面39aから入射した照明光束を反射させる反射面39bと、この反射面39bに対して角度略45度傾けて形成され同反射面39bで反射した照明光を出射する出射面39cとを有して形成されている。
この構成により、照明光出射部14aから当該三角プリズム39に向けて出射された照明光は、入射面39aより入射して、反射面39bで反射されることにより、光軸O2が角度略90度折り曲げられて、出射面39cから出射するようになっている。
また、ハーフミラー40は、照明光の光軸O2上において上記三角プリズム39の出射面39cに対向する位置であって、かつ撮像手段の光軸O1上に配設されている。このハーフミラー40は、照明用アダプター18Eの内部における固定部18Ekによって固設されている。
この場合において、当該ハーフミラー40は、撮像手段の光軸O1に対して角度略45度傾けて配置されている。そして、同ハーフミラー40の反射面は、観察部位の側に向けて配置されている。これと同時に、当該ハーフミラー40の反射面は、照明光の光軸O2に対しても角度略45度傾けて配置されている。そして、同ハーフミラー40の反射面は、三角プリズム39の出射面39cに向けて配置されている。
したがって、この構成により、ハーフミラー40は、三角プリズム39の出射面39cから出射される照明光を受けて、観察部位の側に向けて反射するようになっている。これと同時に、当該ハーフミラー40は、観察部位からの光束(観察部位の観察対象物によって反射してカメラユニット側に向けて入射する光束)を透過させることにより、当該カメラユニットの撮像手段(の撮像素子11a)の側へと向かう撮像用光束を妨げないようになっている。
一方、図13に示すように、本実施形態におけるカメラアダプター12Eに対して内視鏡13を連結して内視鏡ユニットとして使用する際には、カメラアダプター12Eの第1取付部12a(第1の接続部)に対して内視鏡13のカメラ接続部13fとを接続すると共に、同カメラアダプター12Eの第2取付部14b(第2の接続部)に対して内視鏡13のLG接続部13eを接続する。
なお、本実施形態において適用される内視鏡13は、上述の第1の実施形態と同様のものを適用し得る。したがって、その構成の詳述は省略する。
また、本実施形態においては、ライトガイド14とカメラアダプター12Eとを一体に構成し、ライトガイド14からの照明光を、光軸O2上に固定された三角プリズム39及びハーフミラー40によって、光軸O1と重なるように導いているので、上述の第4の実施形態における照明位置調整機構35を不要としている。
その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態または第4の実施形態と略同様である。
以上説明したように上記第6の実施形態によれば、上述の第1,第4の実施形態と略同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施形態によれば、ライトガイド14とカメラアダプター12Eとを一体に構成したことにより、カメラユニットの形態と内視鏡ユニットの形態とに切り換える際には、照明用アダプター18Eの着脱と内視鏡13の着脱を行なうのみでよい。したがって、操作性の向上に寄与することができる。
また、ライトガイド14からの照明光を撮像手段の光軸O1と同軸上に導くようにしたので、常に適切な照明をおこなうことができる。また、例えば、観察部位が深い穴形状であるような場合にも、撮像方向と同方向から照明を行なうことになるので、陰が形成されることもなく効率的な照明を得ることができる。
ところで、上述の各実施形態においては、カメラアダプター(12,12A,12C,12E)と照明用アダプター(18,18A,18B,18C,18D)とを着脱自在に構成している。これにより、カメラアダプター(12,12A,12C,12E)に対して照明用アダプター(18,18A,18B,18C,18D)を連結させてカメラユニットの形態とする一方、このカメラユニットから照明用アダプター(18,18A,18B,18C,18D)を取り外した後、これに代えて、内視鏡(13)を取り付けることで内視鏡ユニットの形態とすることができるように構成している。
これに対して、上述のカメラアダプター(12,12A,12C)と照明用アダプター(18,18A,18B,18C,18D)とを一体に構成したカメラユニットとすることが考えられる。このような構成とすれば、カメラユニットの形態と内視鏡ユニットの形態との間で切り換えを行なう際には、カメラユニットに対して内視鏡の着脱を行なうのみでよいので至便である。この場合の例を、本発明の第7,第8,第9の実施形態として、以下に説明する。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
図14,図15は、本発明の第7の実施形態を示し、このうち図14は、本実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。図15は、本実施形態の内視鏡システムにおける内視鏡ユニットの概略構成を示す縦断面図である。
本実施形態の内視鏡システムは、上述の第1の実施形態と基本的には同様の構成からなる。本実施形態においては、上述したようにカメラアダプターに相当する本体部12Fと照明用アダプターに相当する照明保持部18Fとを一体に構成したカメラ照明用アダプター41を有し、内視鏡ユニットとして使用する際には、カメラ照明用アダプター41に対して内視鏡13Fを連結する構成としている点が異なる。したがって、上述の第1,第4の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略し、異なる部位についてのみ以下に説明する。また、本実施形態の発明思想としては、上述の第6の実施形態と略同様である。
本実施形態においては、撮像素子11aを有するカメラヘッド11と、本体部12F及び照明保持部18Fとからなるカメラ照明用アダプター41とによって撮像手段が構成される。そして、カメラヘッド11とカメラ照明用アダプター41とを連結した形態の撮像手段が、そのままの状態で、上述の各実施形態におけるカメラユニットとして機能するようになっている。
カメラ照明用アダプター41は、図14,図15に示すように、上述の第1の実施形態におけるカメラアダプター12と照明用アダプター18とを連結した場合と全く同様の形状及び構成となるように、本体部12Fと照明保持部18Fとのそれぞれが構成され、両者は一体に形成されている。
本体部12Fは、内部に貫通孔11fを有する円筒形状からなり、内部に結像レンズ12dを備えて構成されている。貫通孔11fは、その先端側の開口から入射する観察部位からの光束を通過させる光路を形成するものである。つまり、貫通孔11fは、カメラ照明用アダプター41とカメラヘッド11とが連結状態とされたとき、観察部位からの光束を撮像素子11aへと入射させるための光路を構成している。結像レンズ12dは、貫通孔11fの光路上に固設されている。結像レンズ12dは、観察部位からの光束を透過させて、観察部位の光学像を撮像素子11aの受光面上に結像させる役目をしている。したがって、貫通孔11fには、撮像手段の光軸O1が通っている。
照明保持部18Fは、本体部12Fの先端側の外周縁部近傍から外方に向けて突設されている。照明保持部18Fは、ライトガイド保持部として機能するものである。したがって、照明保持部18Fの端部には、ライトガイド14の一端部が連結固定されている。照明保持部18Fの内部には、照明光路変更光学系であるプリズム18fが配置されている。
このプリズム18fの入射面は、ライトガイド14の照明光出射部14aに対向する部位に配置されている。プリズム18fの出射面は、照明保持部18Fの底面部に形成される出射開口18gに対向する部位に配置されている。そして、プリズム18fの入射面とライトガイド14の照明光出射部14aとの間と、プリズム18fの出射面と照明保持部18Fの出射開口18gとの間とのそれぞれに、照明光路が形成されている。したがって、ライトガイド14からの照明光は、照明光出射部14aから出射した後、プリズム18fの入射面に入射する。プリズム18fの入射面へと入射した照明光は、プリズム18fの反射面で光軸O2が折り曲げられてプリズム18fの出射面へと反射する。プリズム18fの出射面へと出射した照明光は、照明保持部18Fの出射開口18gから外部へ出射して、観察部位を照明するようになっている。
一方、本実施形態においては、図14に示す形態のカメラユニット(撮像手段)に対して内視鏡13Fを連結することができるようになっている。
即ち、この場合には、図15に示すようにカメラ照明用アダプター41の照明保持部18Fの貫通孔11fの先端側開口に対して内視鏡13Fの基端部13bのカメラ接続部13fを係合させる。この状態で、第1固定部材12bを締め付ける方向に操作する。これにより、当該第1固定部材12bの先端をカメラ接続部13fの係合周溝13hに係合させる。この第1固定部材12bによる内視鏡13Fの固定手順は、上述の第1の実施形態において、カメラアダプター12と内視鏡13とを連結固定する際の手順と同様である。
また、照明保持部18Fの出射開口18gに対して内視鏡13のLG接続部13eを係合させて接続する。これにより、内視鏡ユニットが構成される。
なお、内視鏡13Fの基端部のカメラ接続部13fの内部には、接眼レンズ13cが固設されている。カメラ照明用アダプター41に対して内視鏡13Fを連結した状態では、カメラヘッド11の撮像素子11aと、カメラ照明用アダプター41側の結像レンズ12dと、内視鏡13Fの接眼レンズ13cとは、同一軸上に配置されるようになっている。これにより、内視鏡13Fの接眼レンズ13cにより形成される内視鏡観察像は、結像レンズ12dを介して撮像素子11aの受光面上に再結像される。
このように、本実施形態においては、カメラヘッド11とカメラ照明用アダプター41とを連結した形態の撮像手段をカメラユニットとして使用することができる。これに対して、内視鏡13Fの基端部13bの一部(カメラ接続部13f)とLG接続部13eとを、カメラ照明用アダプター41の所定の部位(照明保持部18Fの出射開口18g)に接続するだけで、内視鏡ユニットの形態に切り換わる。
その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態または第4の実施形態と略同様である。
以上説明したように上記第7の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施形態では、上述の各実施形態におけるカメラアダプターの構成に相当する本体部12Fと、上述の各実施形態における照明用アダプターの構成に相当する照明保持部18Fとを一体に形成したカメラ照明用アダプター41を備えて構成している。このため、カメラ照明用アダプター41とカメラヘッド11とが連結してなる撮像手段を、そのままの形態でカメラユニットとして使用することができる。
このカメラユニット(撮像手段)におけるカメラ照明用アダプター41の所定の部位のそれぞれに対して、内視鏡13Fの基端部13bとLG接続部13eとをそれぞれ接続固定するだけで、内視鏡ユニットの形態に切り換えることができる。
さらにまた、この内視鏡ユニットからカメラユニットの形態にするには、内視鏡13F(基端部13bとLG接続部13e)を取り外すだけでよい。したがって、カメラユニットに対して内視鏡13Fを着脱するのみで、容易にかつ確実に各ユニットの形態に切り換えることができ、操作性の向上に寄与することができる。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
図16,図17は、本発明の第8の実施形態を示し、このうち図16は、本実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。図17は、本実施形態の内視鏡システムにおける内視鏡ユニットの概略構成を示す縦断面図である。
本実施形態の内視鏡システムは、上述の第4の実施形態と基本的には同様の構成からなる。本実施形態においては、図16に示すようにカメラアダプターに相当する本体部12Gと照明用アダプターに相当する照明保持部18Gとを一体に構成したカメラ照明用アダプター41Aを有し、内視鏡ユニットとして使用する際には、図17に示すようにカメラ照明用アダプター41Aに対して内視鏡13Gを連結する構成としている。
本実施形態の発明思想は、上述の第7の実施形態と全く同様である。したがって、上述の第1,第4の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略する。
本実施形態においては、撮像素子11aを有するカメラヘッド11と、本体部12G及び照明保持部18Gとからなるカメラ照明用アダプター41Aとによって撮像手段が構成される。そして、カメラヘッド11とカメラ照明用アダプター41Aとを連結した形態の撮像手段が、そのままの状態で、上述の各実施形態におけるカメラユニットとして機能するようになっている。
カメラ照明用アダプター41Aは、図16,図17に示すように、上述の第4の実施形態におけるカメラアダプター12Cと照明用アダプター18Cとを連結した場合と全く同様の形状及び構成となるように、本体部12Gと照明保持部18Gとのそれぞれが構成され、両者は一体に形成されている。
ここで、本体部12Gの内部構成は上述の第4の実施形態におけるカメラアダプター12Cと全く同様であり、照明保持部18Gの内部構成は、上述の第4の実施形態における照明用アダプター18Cと全く同様である。
そして、このカメラ照明用アダプター41Aに対しては、上述の第7の実施形態と同様に第1固定部材12bを用いて内視鏡13Gを連結することができるようになっている(図17参照)。
この場合において、カメラ照明用アダプター41Aの照明保持部18Gの貫通孔11fの先端側開口に対して内視鏡13Gの基端部13bのカメラ接続部13fを係合させる。そして、第1固定部材12bを締め付ける方向に操作することにより、当該第1固定部材12bの先端をカメラ接続部13fの係合周溝13hに係合させる。これにより、内視鏡13Gはカメラ照明用アダプター41Aに対して固設される。
また、照明保持部18Gの出射開口18gに対して内視鏡13のLG接続部13eを係合させて接続する。これにより、内視鏡ユニットが構成される。
その他の構成及び作用は、上述の第1,第4または第7の実施形態と略同様である。
以上説明したように上記第8の実施形態によれば、上述の第1,第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて本実施形態は、上述の第4の実施形態におけるカメラアダプター12Cと同形状同機能を有する本体部12Gと、同第4の実施形態における照明用アダプター18Cと同形状同機能を有する照明保持部18Gとを一体構成としたカメラ照明用アダプター41Aを適用することで、上述の第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
図18,図19は、本発明の第9の実施形態を示し、このうち図18は、本実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。図19は、本実施形態の内視鏡システムにおける内視鏡ユニットの概略構成を示す縦断面図である。
本実施形態の内視鏡システムは、上述の第6の実施形態と基本的には同様の構成からなる。本実施形態においては、図18に示すようにカメラアダプターに相当する本体部12Hと照明用アダプターに相当する照明保持部18Hとを一体に構成したカメラ照明用アダプター41Hを有し、内視鏡ユニットとして使用する際には、図19に示すようにカメラ照明用アダプター41Hに対して内視鏡13Hを連結する構成としている。
本実施形態の発明思想は、上述の第6,第7の実施形態と同様である。したがって、上述の第1,第4,第6の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略する。
本実施形態においては、撮像素子11aを有するカメラヘッド11と、本体部12H及び照明保持部18Hとからなるカメラ照明用アダプター41Hとによって撮像手段が構成される。そして、カメラヘッド11とカメラ照明用アダプター41Hとを連結した形態の撮像手段が、そのままの状態で、上述の各実施形態におけるカメラユニットとして機能するようになっている。
カメラ照明用アダプター41Hは、図18,図19に示すように、上述の第6の実施形態におけるカメラアダプター12Eと照明用アダプター18Eとを連結した場合と全く同様の形状及び構成となるように、本体部12Hと照明保持部18Hとのそれぞれが構成され、両者は一体に形成されている。
ここで、本体部12Hの内部構成は上述の第6の実施形態におけるカメラアダプター12Eと全く同様であり、本体部12Hの外周縁部にライトガイド保持部12Egを具備している点も同様である。また、照明保持部18Hの内部構成は、上述の第6の実施形態における照明用アダプター18Cと全く同様である。
そして、このカメラ照明用アダプター41Hに対しては、上述の第7,第8の実施形態と同様に第1固定部材12bを用いて内視鏡13Hを連結することができるようになっている(図19参照)。
この場合において、カメラ照明用アダプター41Hの照明保持部18Hの貫通孔11fの先端側開口に対して内視鏡13Hの基端部13bのカメラ接続部13fが係合する。この状態で、第1固定部材12bを締め付ける方向に操作することによって、当該第1固定部材12bの先端をカメラ接続部13fの係合周溝13hに係合させる。これにより、内視鏡13Hはカメラ照明用アダプター41Hに対して固設される。
なお、本実施形態では、上述の第6の実施形態と同様に、本体部12Hに対してライトガイド保持部12Egが一体に形成されている。つまり、ライトガイド14は、本体部12Hに一体に配設されている。このことから、ライトガイド14に関する着脱を不要としている。したがって、カメラ照明用アダプター41Hに対して内視鏡13を着脱するのみで、カメラユニットの形態と内視鏡ユニットの形態との切り換えを行なうことができるようになっている。
また、これに対応して、本実施形態において適用される内視鏡13Hは、LG接続部13eが設けられていないタイプのものとなっている。そのために、本実施形態においては、カメラ照明用アダプター41Hに対して内視鏡13Hを装着したときには、ライトガイド14からの照明光は、三角プリズム39とハーフミラー40とによって、その光軸O2が折り曲げられて撮像手段の光軸O1と重なる位置に導かれる。つまり、本実施形態において、ライトガイド14からの照明光は、内視鏡13Hのリレー光学系や対物光学系等の内視鏡像観察用の光学系を介して観察部位を照明するようになっている。したがって、本実施形態に適用される内視鏡13Hにおいては、照明光を伝達するためのライトガイドファイバ束等の手段を排して構成されている。
その他の構成及び作用は、上述の第1,第4,第6または第7の実施形態と略同様である。
以上説明したように上記第9の実施形態によれば、上述の第1,第4,第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて本実施形態は、上述の第6の実施形態におけるカメラアダプター12Eと同形状同機能を有する本体部12Hと、同第6の実施形態における照明用アダプター18Eと同形状同機能を有する照明保持部18Hとを一体構成としたカメラ照明用アダプター41Hを適用することで、上述の第7,第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、ライトガイド14をカメラ照明用アダプター41Hに対して一体構成としている。内視鏡ユニットとして使用する際には、内視鏡13Hの観察用の光学系を介してライトガイド14からの照明光を観察部位まで伝達するようにしたので、内視鏡13Hから照明光伝達手段を排して構成することができる。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態の内視鏡システムについて、以下に説明する。
図20,図21は、本発明の第10の実施形態を示し、このうち図20は、本実施形態の内視鏡システムにおけるカメラユニットの概略構成を示す縦断面図である。図21は、本実施形態の内視鏡システムにおける内視鏡ユニットの概略構成を示す縦断面図である。
本実施形態の内視鏡システムは、上述の第2の実施形態と基本的には同様の構成からなる。本実施形態においては、図20に示すようにカメラアダプターに相当する本体部12Kと照明用アダプターに相当する照明保持部18Kとを一体に構成したカメラ照明用アダプター41Cを有し、内視鏡ユニットとして使用する際には、図21に示すようにカメラ照明用アダプター41Cに対して内視鏡13Kを連結する構成としている。
本実施形態の発明思想は、上述の第6,第7,第8の実施形態と同様である。したがって、上述の第1,第2の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細説明は省略する。
本実施形態においては、撮像素子11aを有するカメラヘッド11と、本体部12K及び照明保持部18Kとからなるカメラ照明用アダプター41Cとによって撮像手段が構成される。そして、カメラヘッド11とカメラ照明用アダプター41Cとを連結した形態の撮像手段が、そのままの状態で、上述の各実施形態におけるカメラユニットとして機能するようになっている。
カメラ照明用アダプター41Cは、図20,図21に示すように、上述の第2の実施形態におけるカメラアダプター12Aと照明用アダプター18Aとを連結した場合と全く同様の形状及び構成となるように、本体部12Kと照明保持部18Kとのそれぞれが構成され、両者は一体に形成されている。
ここで、本体部12Kの内部構成は上述の第2の実施形態におけるカメラアダプター12Aと全く同様に構成されている。また、照明保持部18Kの内部構成は、上述の第2の実施形態における照明用アダプター18Cと全く同様に、3D観察用光学系31や照明光路変更光学系であるプリズム18fを具備している。
そして、このカメラ照明用アダプター41Cに対しては、上述の第7,第8,第9の各実施形態と同様に第1固定部材12bを用いて内視鏡13Kを連結することができるようになっている(図21参照)。
この場合において、カメラ照明用アダプター41Cの照明保持部18Kの貫通孔11fの先端側開口に対して内視鏡13Kの基端部13bのカメラ接続部13fが係合する。この状態で、第1固定部材12bを締め付ける方向に操作して、当該第1固定部材12bの先端をカメラ接続部13fの係合周溝13hに係合させる。これにより、内視鏡13Kはカメラ照明用アダプター41Cに対して固設される。
また、カメラ照明用アダプター41Cに一体に配設されるライトガイド14の照明光を内視鏡13Kへと導くためには、照明保持部18Kの出射開口18gに対して当該内視鏡13KのLG接続部13eを接続する。
なお、内視鏡ユニットとして使用する際には、左眼用の観察像のみを撮像素子11aへと導くようにしている。したがって、内視鏡観察画像は、通常の2D画像を扱うようにしている。
その他の構成及び作用は、上述の第2または第7,図8の実施形態等と略同様である。
以上説明したように上記第10の実施形態によれば、上述の第2の実施形態と同様の効果、即ち3D観察を行なうことができる。これに加えて本実施形態は、上述の第2の実施形態におけるカメラアダプター12Aと同形状同機能を有する本体部12Kと、同第2の実施形態における照明用アダプター18Aと同形状同機能を有する照明保持部18Kとを一体構成としたカメラ照明用アダプター41Cを適用することで、上述の第7,第8,第9の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述の各実施形態においては、例えばカメラアダプター(12)に対して、内視鏡(13)と照明用アダプター(18)とのいずれが装着されている状態であるかを識別するための識別手段や状態検出手段を、両者の連結部位近傍に具備するような構成も考えられる。この場合において、例えば、その検出結果は、ケーブル11c等を介してCCU22へと伝達され、モニター24によって確認することができるように、表示が行なわれるようにする。
このような構成により、術者はモニター24を目視により確認することで、内視鏡システムがどのような状態にあるのかを容易にかつ迅速に確認することができる。したがって、操作性の向上に寄与することができる。