以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.内視鏡システムの構成例
2.支持アーム装置の構成例
3.斜視鏡の基本的構成
4.技術的課題
5.技術的特長
5.1.概略構成
5.2.第1の実施例
5.3.第2の実施例
5.4.変形例
6.応用例
6.1.応用例1:アームと連動した制御の一例
6.2.応用例2:斜視鏡を支持するアームの制御例
7.むすび
<<1.内視鏡システムの構成例>>
図1は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図1では、術者(医師)5067が、内視鏡手術システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001と、その他の術具5017と、内視鏡5001を支持する支持アーム装置5027と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5037と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5025a~5025dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5025a~5025dから、内視鏡5001の鏡筒5003や、その他の術具5017が患者5071の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5017として、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023が、患者5071の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5021は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5017はあくまで一例であり、術具5017としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体腔内の術部の画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5021や鉗子5023を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023は、手術中に、術者5067又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、ベース部5029から延伸するアーム部5031を備える。図示する例では、アーム部5031は、関節部5033a、5033b、5033c、及びリンク5035a、5035bから構成されており、アーム制御装置5045からの制御により駆動される。アーム部5031によって内視鏡5001が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5001の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5001は、先端から所定の長さの領域が患者5071の体腔内に挿入される鏡筒5003と、鏡筒5003の基端に接続されるカメラヘッド5005と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5003を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5001を図示しているが、内視鏡5001は、軟性の鏡筒5003を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5003の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5001には光源装置5043が接続されており、当該光源装置5043によって生成された光が、鏡筒5003の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5071の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5001は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5005の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5039に送信される。なお、カメラヘッド5005には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5005には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5003の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5039は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5001及び表示装置5041の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5039は、カメラヘッド5005から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5039は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5041に提供する。また、CCU5039は、カメラヘッド5005に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
表示装置5041は、CCU5039からの制御により、当該CCU5039によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5001が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5041としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5041として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5041が設けられてもよい。
光源装置5043は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5001に供給する。
アーム制御装置5045は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5027のアーム部5031の駆動を制御する。
入力装置5047は、内視鏡手術システム5000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5047を介して、内視鏡手術システム5000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、アーム部5031を駆動させる旨の指示や、内視鏡5001による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5021を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5047の種類は限定されず、入力装置5047は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5047としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5057及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5047としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5041の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5047は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5047は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5047は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5047が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5067)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5049は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5021の駆動を制御する。気腹装置5051は、内視鏡5001による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5071の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5019を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5053は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5055は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5000において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、基台であるベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、を備える。図示する例では、アーム部5031は、複数の関節部5033a、5033b、5033cと、関節部5033bによって連結される複数のリンク5035a、5035bと、から構成されているが、図1では、簡単のため、アーム部5031の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5031が所望の自由度を有するように、関節部5033a~5033c及びリンク5035a、5035bの形状、数及び配置、並びに関節部5033a~5033cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5031は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5031の可動範囲内において内視鏡5001を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5001の鏡筒5003を患者5071の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5033a~5033cにはアクチュエータが設けられており、関節部5033a~5033cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5045によって制御されることにより、各関節部5033a~5033cの回転角度が制御され、アーム部5031の駆動が制御される。これにより、内視鏡5001の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5045は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5031の駆動を制御することができる。
例えば、術者5067が、入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5045によってアーム部5031の駆動が適宜制御され、内視鏡5001の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5031の先端の内視鏡5001を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5031は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5045は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5031が移動するように、各関節部5033a~5033cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5031に触れながらアーム部5031を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5031を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5001を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5001が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5027を用いることにより、人手によらずに内視鏡5001の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5045は必ずしもカート5037に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5045は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5045は、支持アーム装置5027のアーム部5031の各関節部5033a~5033cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5045が互いに協働することにより、アーム部5031の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5043は、内視鏡5001に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5043は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5043において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5043は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5043は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5043は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図2を参照して、内視鏡5001のカメラヘッド5005及びCCU5039の機能についてより詳細に説明する。図2は、図1に示すカメラヘッド5005及びCCU5039の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照すると、カメラヘッド5005は、その機能として、レンズユニット5007と、撮像部5009と、駆動部5011と、通信部5013と、カメラヘッド制御部5015と、を有する。また、CCU5039は、その機能として、通信部5059と、画像処理部5061と、制御部5063と、を有する。カメラヘッド5005とCCU5039とは、伝送ケーブル5065によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5005の機能構成について説明する。レンズユニット5007は、鏡筒5003との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5003の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5005まで導光され、当該レンズユニット5007に入射する。レンズユニット5007は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5007は、撮像部5009の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5009は撮像素子によって構成され、レンズユニット5007の後段に配置される。レンズユニット5007を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5009によって生成された画像信号は、通信部5013に提供される。
撮像部5009を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5067は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5009を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5067は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5009が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5007も複数系統設けられる。
また、撮像部5009は、必ずしもカメラヘッド5005に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5009は、鏡筒5003の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5011は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5015からの制御により、レンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5009による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5013は、CCU5039との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5013は、撮像部5009から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5067が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5013には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信される。
また、通信部5013は、CCU5039から、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5013は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5015に提供する。なお、CCU5039からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5013には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5015に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5039の制御部5063によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5001に搭載される。
カメラヘッド制御部5015は、通信部5013を介して受信したCCU5039からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5005の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5009の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5011を介してレンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5015は、更に、鏡筒5003やカメラヘッド5005を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5007や撮像部5009等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5005について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5039の機能構成について説明する。通信部5059は、カメラヘッド5005との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5059は、カメラヘッド5005から、伝送ケーブル5065を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5059には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5059は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5061に提供する。
また、通信部5059は、カメラヘッド5005に対して、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5061は、カメラヘッド5005から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5061は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5061は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5061が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5061は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5063は、内視鏡5001による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5063は、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5063は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5001にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5063は、画像処理部5061による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5063は、画像処理部5061によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5041に表示させる。この際、制御部5063は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5063は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5021使用時のミスト等を認識することができる。制御部5063は、表示装置5041に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5067に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5005及びCCU5039を接続する伝送ケーブル5065は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5065を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5005とCCU5039との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5065を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5065によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の一例について説明した。なお、ここでは、一例として内視鏡手術システム5000について説明したが、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術は、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
<<2.支持アーム装置の構成例>>
次に、本開示に係る技術が適用され得る支持アーム装置の構成の一例について以下に説明する。以下に説明する支持アーム装置は、アーム部の先端に内視鏡を支持する支持アーム装置として構成された例であるが、本実施形態は係る例に限定されない。また、本開示の一実施形態に係る支持アーム装置が医療分野に適用された場合には、当該支持アーム装置は、医療用支持アーム装置として機能し得る。
図3は、本実施形態に係る支持アーム装置400の外観を示す概略図である。図3に示すように、本実施形態に係る支持アーム装置400は、ベース部410及びアーム部420を備える。ベース部410は支持アーム装置400の基台であり、ベース部410からアーム部420が延伸される。また、図3には図示しないが、ベース部410内には、支持アーム装置400を統合的に制御する制御部が設けられてもよく、アーム部420の駆動が当該制御部によって制御されてもよい。当該制御部は、例えばCPUやDSP等の各種の信号処理回路によって構成される。
アーム部420は、複数の能動関節部421a~421fと、複数のリンク422a~422fと、アーム部420の先端に設けられた先端ユニットとしての内視鏡装置423とを有する。
リンク422a~422fは略棒状の部材である。リンク422aの一端が能動関節部421aを介してベース部410と連結され、リンク422aの他端が能動関節部421bを介してリンク422bの一端と連結され、さらに、リンク422bの他端が能動関節部421cを介してリンク422cの一端と連結される。リンク422cの他端は受動スライド機構431を介してリンク422dに連結され、さらに、リンク422dの他端は受動関節部200を介してリンク422eの一端と連結される。リンク422eの他端は能動関節部421d,421eを介してリンク422fの一端と連結される。内視鏡装置423は、アーム部420の先端、すなわち、リンク422fの他端に、能動関節部421fを介して連結される。このように、ベース部410を支点として、複数のリンク422a~422fの端同士が、能動関節部421a~421f、受動スライド機構431及び受動関節部433によって互いに連結されることにより、ベース部410から延伸されるアーム形状が構成される。
かかるアーム部420のそれぞれの能動関節部421a~421fに設けられたアクチュエータが駆動制御されることにより、内視鏡装置423の位置及び姿勢が制御される。本実施形態において、内視鏡装置423は、その先端が施術部位である患者の体腔内に進入して施術部位の一部領域を撮影する。ただし、アーム部420の先端に設けられる先端ユニットは内視鏡装置423に限定されず、アーム部420の先端には先端ユニットとして各種の医療用器具が接続されてよい。このように、本実施形態に係る支持アーム装置400は、医療用器具を備えた医療用支持アーム装置として構成される。
ここで、以下では、図3に示すように座標軸を定義して支持アーム装置400の説明を行う。また、座標軸に合わせて、上下方向、前後方向、左右方向を定義する。すなわち、床面に設置されているベース部410に対する上下方向をz軸方向及び上下方向と定義する。また、z軸と互いに直交する方向であって、ベース部410からアーム部420が延伸されている方向(すなわち、ベース部410に対して内視鏡装置423が位置している方向)をy軸方向及び前後方向と定義する。さらに、y軸及びz軸と互いに直交する方向をx軸方向及び左右方向と定義する。
能動関節部421a~421fはリンク同士を互いに回動可能に連結する。能動関節部421a~421fはアクチュエータを有し、当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸に対して回転駆動される回転機構を有する。各能動関節部421a~421fにおける回転駆動をそれぞれ制御することにより、例えばアーム部420を伸ばしたり、縮めたり(折り畳んだり)といった、アーム部420の駆動を制御することができる。ここで、能動関節部421a~421fは、例えば公知の全身協調制御及び理想関節制御によってその駆動が制御され得る。上述したように、能動関節部421a~421fは回転機構を有するため、以下の説明において、能動関節部421a~421fの駆動制御とは、具体的には、能動関節部421a~421fの回転角度及び/又は発生トルク(能動関節部421a~421fが発生させるトルク)が制御されることを意味する。
受動スライド機構431は、受動形態変更機構の一態様であり、リンク422cとリンク422dとを所定方向に沿って互いに進退動可能に連結する。例えば受動スライド機構431は、リンク422cとリンク422dとを互いに直動可能に連結してもよい。ただし、リンク422cとリンク422dとの進退運動は直線運動に限られず、円弧状を成す方向への進退運動であってもよい。受動スライド機構431は、例えばユーザによって進退動の操作が行われ、リンク422cの一端側の能動関節部421cと受動関節部433との間の距離を可変とする。これにより、アーム部420の全体の形態が変化し得る。
受動関節部433は、受動形態変更機構の一態様であり、リンク422dとリンク422eとを互いに回動可能に連結する。受動関節部433は、例えばユーザによって回動の操作が行われ、リンク422dとリンク422eとの成す角度を可変とする。これにより、アーム部420の全体の形態が変化し得る。
なお、本明細書において、「アーム部の姿勢」とは、一つ又は複数のリンクを挟んで隣り合う能動関節部同士の間の距離が一定の状態で、制御部による能動関節部421a~421fに設けられたアクチュエータの駆動制御によって変化し得るアーム部の状態をいう。また、「アーム部の形態」とは、受動形態変更機構が操作されることに伴って、リンクを挟んで隣り合う能動関節部同士の間の距離や、隣り合う能動関節部の間をつなぐリンク同士の成す角度が変わることで変化し得るアーム部の状態をいう。
本実施形態に係る支持アーム装置400は、6つの能動関節部421a~421fを有し、アーム部420の駆動に関して6自由度が実現されている。つまり、支持アーム装置400の駆動制御は制御部による6つの能動関節部421a~421fの駆動制御により実現される一方、受動スライド機構431及び受動関節部433は、制御部による駆動制御の対象とはなっていない。
具体的には、図3に示すように、能動関節部421a,421d,421fは、接続されている各リンク422a,422eの長軸方向及び接続されている内視鏡装置423の撮影方向を回転軸方向とするように設けられている。能動関節部421b,421c,421eは、接続されている各リンク422a~422c,422e,422f及び内視鏡装置423の連結角度をy-z平面(y軸とz軸とで規定される平面)内において変更する方向であるx軸方向を回転軸方向とするように設けられている。このように、本実施形態においては、能動関節部421a,421d,421fは、いわゆるヨーイングを行う機能を有し、能動関節部421b,421c,421eは、いわゆるピッチングを行う機能を有する。
このようなアーム部420の構成を有することにより、本実施形態に係る支持アーム装置400ではアーム部420の駆動に対して6自由度が実現されるため、アーム部420の可動範囲内において内視鏡装置423を自由に移動させることができる。図3では、内視鏡装置423の移動可能範囲の一例として半球を図示している。半球の中心点RCM(遠隔運動中心)が内視鏡装置423によって撮影される施術部位の撮影中心であるとすれば、内視鏡装置423の撮影中心を半球の中心点に固定した状態で、内視鏡装置423を半球の球面上で移動させることにより、施術部位を様々な角度から撮影することができる。
以上、本開示に係る技術が適用され得る支持アーム装置の構成の一例について説明した。
<<3.斜視鏡の基本的構成>>
続いて、内視鏡の例として斜視鏡の基本的構成について説明する。
図4は、本開示の一実施形態に係る斜視鏡4100の構成を示す模式図である。図4に示すように、斜視鏡4100は、カメラヘッド4200の先端に装着されている。斜視鏡4100は図1及び図2で説明した鏡筒5003に対応し、カメラヘッド4200は、図1及び図2で説明したカメラヘッド5005に対応する。斜視鏡4100とカメラヘッド4200は互いに独立して回動可能とされている。斜視鏡4100とカメラヘッド4200の間には、各関節部5033a,5033b,5033cと同様にアクチュエータが設けられており、斜視鏡4100はアクチュエータの駆動によってカメラヘッド4200に対して回転する。これにより、後述する回転角θZが制御される。
斜視鏡4100は支持アーム装置5027によって支持される。支持アーム装置5027は、スコピストの代わりに斜視鏡4100を保持し、また術者や助手の操作によって斜視鏡4100を所望の部位が観察できるように移動させる機能を有する。
図5は、斜視鏡4100と直視鏡4150を対比して示す模式図である。直視鏡4150では、対物レンズの被写体への向き(C1)と直視鏡4150の長手方向(C2)は一致する。一方、斜視鏡4100では、対物レンズの被写体への向き(C1)は、斜視鏡4100の長手方向(C2)に対して所定の角度φを有している。
以上、内視鏡の例として斜視鏡の基本的構成について説明した。
<<4.技術的課題>>
続いて、内視鏡や顕微鏡等のような医療用撮像装置の技術的課題について以下に説明する。
内視鏡や顕微鏡等のような医療用光学機器においては、カメラヘッドと光学系とが1対1もしくは種類別に最適化されて設計されている場合が少なくない。このような機器を使用する場合には、例えば、光学系として硬性鏡を使用する場合には硬性鏡用のカメラヘッドを使用し、光学系として顕微鏡を使用する場合には顕微鏡用のカメラヘッドを使用する等のように、手技に応じて使用する機器を変える必要が生じ得る。このように手技に応じて使用する機器を変えるような状況下では、医療従事者は、各機器の操作方法を個別に習得する必要が生じ、各機器の操作方法の習得に要する時間が増大する場合がある。また、手技に応じて個別に機器が異なるため、メンテナンスや準備に係る労力、保管場所、及び購入コスト等が機器の種類に応じて増大し、医療従事者への負担となり得る。
また、医療用光学機器の用途に応じて使い方が異なるような場合がある。具体的な一例として、硬性鏡として斜視鏡が使用される場合が挙げられる。この場合には、例えば、斜視鏡を回して視野展開を行うために、カメラヘッドに対して硬性鏡(斜視鏡)が取り付けられる向きが変更されるように、当該カメラヘッドに対して当該硬性鏡を回転させる操作が求められる。
ここで、医療用光学機器の用途に応じた使い方の一例として、硬性鏡として斜視鏡が使用される場合に着目して、医療用撮像装置の構成の一例とあわせてより具体的に説明する。例えば、図6は、比較例1に係る医療用撮像装置の構成の一例について説明するための説明図であり、硬性鏡として斜視鏡が使用される場合の概略的な構成の一例について示している。なお、図6に示す例では、説明をよりわかりやすくするために、カメラヘッドや内視鏡(斜視鏡)の形状やサイズについては模式的に示している。
図6に示すように、比較例1に係る医療用撮像装置800は、カメラヘッド801と、硬性鏡809と、アダプタ807とを含む。
カメラヘッド801は、撮像素子803を含み、当該撮像素子803の撮像方向には開口部が設けられており、当該開口部からカメラヘッド801内に入射した光が当該撮像素子803に結像する。また、カメラヘッド801は、撮像素子803の前段に撮像光学系805(例えば、結像光学系等)が設けられていてもよい。この場合には、上記開口部からカメラヘッド801内に入射した光が、撮像光学系805を介して撮像素子803に結像する。
硬性鏡809は、鏡筒813と、当該鏡筒813を支持するベース部811とを含む。鏡筒813には、当該鏡筒813が延伸する方向(即ち、円筒状の部分の軸方向)に延伸するように撮像光学系815及び光源供給系817が設けられている。また、硬性鏡809は、アダプタ807を介して当該カメラヘッド801に着脱可能に構成されている。具体的には、硬性鏡809は、ベース部811のうち鏡筒813が支持された側とは逆側の端部(以下、「後方端部」とも称する)が、カメラヘッド801の撮像素子803の前段に位置するように、アダプタ807を介して当該カメラヘッド801に装着される。また、このとき硬性鏡809は、カメラヘッド801に装着された場合に、当該カメラヘッド801に対して、鏡筒813が延伸する方向を回転軸として回転可能に支持される。
撮像光学系815は、観察対象の患部の像を取得するための1以上の光学系に相当し、鏡筒813とベース部811とを、当該鏡筒813が延伸する方向に貫通するように設けられる。なお、図6に示す例では、撮像光学系815を筒状の形状として示しているが、これはあくまで当該撮像光学系815を模式的に示したものであり、必ずしも当該撮像光学系815の構成を限定するものではない。具体的な一例として、鏡筒813が延伸する方向に鏡筒813とベース部811とを貫通するように開口部が設けられ、当該開口部内に1以上の光学系(例えば、対物レンズ等)が設けられることで撮像光学系815が構成されていてもよい。このような構成の基で、鏡筒813の先端から撮像光学系815の内部に入射した光は、当該撮像光学系815を介してベース部811の後方端部から出射する。即ち、カメラヘッド801に対して硬性鏡809が装着されることで、撮像光学系815を導光された光は、アダプタ807を介してカメラヘッド801内に入射し、撮像光学系805を介して撮像素子803に結像されることとなる。
光源供給系817は、所謂ライトガイドに相当し、光源装置(例えば、図1に示す光源装置5043)からの光を患部まで導光させる。光源供給系818は、例えば、光ファイバや1以上のレンズ等のような各種光学系により構成され得る。なお、図6に示す例では、光源供給系817を筒状の形状として示しているが、これはあくまで当該光源供給系817を模式的に示したものであり、必ずしも当該光源供給系817の構成を限定するものではない。即ち、光源供給系818は、少なくとも一部が光ファイバとして構成されていてもよいし、少なくとも一部が1以上のレンズ等により構成されていてもよい。
なお、医療用撮像装置800においては、カメラヘッド801側に光源供給系が設けられていない。そのため、硬性鏡809に対して、カメラヘッド801とは個別に、ライトガイドケーブル等の光源供給系819が装着されている。即ち、光源供給系819は、光源装置に接続された端部とは逆側の端部が、ベース部811のうちのカメラヘッド801が装着される後方側の端部とは異なる位置において、当該ベース部811に接続される。例えば、図6に示す例では、ベース部811に対して、鏡筒813が延伸する方向を軸とした場合の半径方向に突出するように接続部が設けられ、当該接続部に光源供給系819が接続されている。
以上のような構成の基で、医療用撮像装置800においては、撮像素子803、撮像光学系805、及び撮像光学系815は、それぞれの光軸が硬性鏡809の回転軸と略一致するように配設される。これにより、医療用撮像装置800においては、カメラヘッド801に対して硬性鏡809を回転させた場合においても、撮像光学系815により取得された患部の像を撮像素子803に結像させることが可能な状態が維持される。
一方で、図6に示す医療用撮像装置800は、光源供給系819がカメラヘッド801を介さずに硬性鏡809に別途接続されるため、当該光源供給系819の接続部が、当該硬性鏡809から回転軸に対する半径方向に突出する構成となる。そのため、カメラヘッド801に対して硬性鏡809を回転させた場合に、上記接続部や、当該接続部からさらに延伸するように接続された光源供給系819により、術者による医療用撮像装置800の取り回し(例えば、硬性鏡809を回転させる操作)が阻害される場合がある。
このような問題を解決するための方法として、例えば、撮像光学系に加えて光源供給系についても、カメラヘッド側からアダプタを介して硬性鏡に接続する方法が考えられる。例えば、図7は、比較例2に係る医療用撮像装置の構成の一例について説明するための説明図であり、撮像光学系に加えて光源供給系についても、カメラヘッド側からアダプタを介して硬性鏡に接続する場合の概略的な構成の一例について示している。なお、図7に示す例では、説明をよりわかりやすくするために、カメラヘッドや内視鏡の形状やサイズについては模式的に示している。
図7に示すように、比較例2に係る医療用撮像装置830は、カメラヘッド831と、硬性鏡841と、アダプタ839とを含む。なお、カメラヘッド831、硬性鏡841、及びアダプタ839は、図6に示す医療用撮像装置800におけるカメラヘッド801、硬性鏡809、及びアダプタ807に相当する。一方で、図7に示す医療用撮像装置830は、カメラヘッド831及び硬性鏡841それぞれに設けられた撮像光学系及び光源供給系の構成が、図6を参照して説明した医療用撮像装置800と異なる。そこで、以降では、比較例2に係る医療用撮像装置830の構成について、特に、図6に示す医療用撮像装置800と異なる部分に着目して説明し、当該医療用撮像装置800と実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
図7に示すように、カメラヘッド831は、撮像素子833と、当該撮像素子833の前段に設けられた撮像光学系835と、に加えて、光源供給系837を含む。光源供給系837は、カメラヘッド831にアダプタ839を介して装着される硬性鏡841の延伸方向(換言すると、硬性鏡841の回転軸)に沿って、カメラヘッド831を貫通するように設けられている。なお、カメラヘッド831においては、光源供給系837の設置スペースを確保するために、撮像素子833及び撮像光学系835の設置位置が図6に示すカメラヘッド801と異なる。具体的には、図7に示すカメラヘッド831においては、撮像素子833及び撮像光学系835それぞれの光軸が、硬性鏡841の回転軸から当該回転軸に対する半径方向に離間するように、当該撮像素子833及び当該撮像光学系835が設置されている。同様に、光源供給系837についても、当該光源供給系837の光軸が、硬性鏡841の回転軸から当該回転軸に対する半径方向に離間するように設置されている。
上述のようなカメラヘッドの831の構成に基づき、硬性鏡841においても、撮像光学系843及び光源供給系845が設けられている。即ち、図7に示す医療用撮像装置830においては、カメラヘッド831に対して硬性鏡841が装着された場合に、撮像素子833の前段に撮像光学系843が位置するように、硬性鏡841に当該撮像光学系843が設けられている。同様に、カメラヘッド831に対して硬性鏡841が装着された場合に、光源供給系837の前段に光源供給系845が位置するように、硬性鏡841に当該光源供給系845が設けられている。このような構成により、医療用撮像装置830は、硬性鏡841に対してカメラヘッド831とは個別に、光源供給系を接続するための接続部を設ける必要がなくなる。
しかしながら、図7に示す医療用撮像装置830は、カメラヘッド831に対して硬性鏡841を回転可能とすることが困難である。例えば、図8は、比較例2に係る医療用撮像装置830の他の一態様について説明するための説明図であり、カメラヘッド831に対して硬性鏡841を回転させた場合の概略的な構成の一例を示している。
前述したように、比較例2に係る医療用撮像装置830は、撮像素子833及び光源供給系837それぞれの光軸と、硬性鏡841の回転軸とが一致していない。そのため、カメラヘッド831に対して硬性鏡841を回転させた場合に、図8に示すように、撮像素子833の前段に撮像光学系843が位置する状態を保持することが困難となる。即ち、この場合には、当該撮像光学系843により取得された患部の像を、当該撮像素子833に結像させることが困難となる。同様に、カメラヘッド831に対して硬性鏡841を回転させた場合に、光源供給系837の後段に光源供給系845が位置する状態を保持することが困難となる。即ち、光源供給系837により導光された光源装置からの光を、光源供給系845を介して患部まで導光させることが困難となる。なお、撮像素子833及び光源供給系837のうち一方については、光軸が回転軸と一致するように配設することも可能である。しかしながら、その場合においても、他方については光軸と回転軸とが一致しないこととなるため、依然としてカメラヘッド831に対して硬性鏡841を回転可能とすることが困難であることに変わりはない。
即ち、図7に示す医療用撮像装置830は、硬性鏡841の鏡筒が延伸する方向を軸として当該硬性鏡841を回転させるためには、カメラヘッド831とともに当該硬性鏡841を一体的に回転させる必要がある。そのため、医療用撮像装置830は、図6に示す医療用撮像装置800のように、カメラヘッド801に対して硬性鏡809を回転させる場合に比べて、当該医療用撮像装置800の場合とは別の要因により操作性が悪化する可能性もある。また、医療用撮像装置830では、カメラヘッド831自体を回転させることにより、撮像素子833もあわせて回転することとなり、術者のハンドアイコーディネイト(即ち、手の感覚と目の感覚(視覚)との協調)を維持することが困難となる場合もある。
以上のような状況を鑑み、本開示では、内視鏡や顕微鏡等の医療用光学機器を利用して患部を観察可能とする医療用撮像装置において、当該患部の観察に係る操作性をより向上させることが可能な技術の一例について提案する。また、本開示では、手技に応じて使用する機器(例えば、医療用光学機器)を変えるような状況下においても、少なくとも一部の構成(例えば、カメラヘッド)を共通化することで、医療従事者への操作方法の取得に係る負担、メンテナンスや準備に係る労力、保管場所、及び購入コスト等をより低減可能とする技術の一例について提案する。
<<5.技術的特長>>
以下に、本開示の一実施形態に係る医療用撮像装置の技術的特徴について説明する。
<5.1.概略構成>
まず、本開示の一実施形態に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例について説明する。例えば、図9及び図10は、本実施形態に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例について説明するための説明図である。なお、図9及び図10に示す例では、医療用光学機器として硬性鏡(内視鏡)を適用した場合の一例について示している。また、図9及び図10では、本実施形態に係る医療用撮像装置の特徴をよりわかりやすくするために、カメラヘッドや内視鏡(斜視鏡)の形状やサイズについては模式的に示している。
まず、図9を参照して、本実施形態に係る医療用撮像装置100の概略的な構成の一例について説明する。図9に示すように、本実施形態に係る医療用撮像装置100は、カメラヘッド101と、硬性鏡131と、アダプタ121とを含む。
カメラヘッド101は、支持部103と、ベース部105と、駆動部107とを含む。
支持部103は、撮像素子109と、光源供給系113とを支持する。より具体的な一例として、図9に示す例では、支持部103の筐体内に、撮像素子109及び光源供給系113が内蔵されている。なお、以降の説明では、便宜上、カメラヘッドに支持された撮像素子(例えば、図9に示す撮像素子109)の撮像方向(即ち、図9の右方向)を「前方」とも称し、当該撮像方向とは逆側の方向(即ち、図9の左方向)を「後方」とも称する。また、撮像素子109が、「撮像部」の一例に相当する。
支持部103は、撮像素子109の前段に開口部が設けられており、当該開口部から支持部103内に入射した光が当該撮像素子109に結像する。また、支持部103は、撮像素子109の前段(前方)に撮像光学系111が位置するように、上記開口部内に当該撮像光学系111を支持してもよい。この場合には、上記開口部から支持部103内に入射した光が、撮像光学系111を介して撮像素子109に結像する。また、光源供給系113は、後方から前方に向けて支持部103内を貫通するように当該支持部103に支持される。
また、支持部103は、硬性鏡131が撮像素子109及び光源供給系113の前方に位置するように、アダプタ121を介して当該硬性鏡131を着脱可能に構成されている。
光源供給系113は、所謂ライトガイドに相当し、光源装置(例えば、図1に示す光源装置5043)からの光を、支持部103の前方に装着される硬性鏡131まで導光させる。光源供給系113は、例えば、光ファイバや、1以上の光学系等により構成され得る。
ベース部105は、カメラヘッド101が支持アーム装置に装着された場合に、当該カメラヘッド101のうちアーム部に接続される部分(換言すると、アーム部に支持される部分)に相当する。ベース部105は、駆動部107を介して支持部103を支持する。このとき、支持部103の後方端部側(即ち、撮像素子109の撮像方向とは逆側の端部側)が、ベース部105の前方端部側に支持される。また、駆動部107は、後方から前方に向けて延伸する軸C10(即ち、撮像素子109の撮像方向に延伸する回転軸)を中心に、ベース部105に対して支持部103を相対的に回転させる。なお、このとき上記軸C10と、撮像素子109の光軸と、は必ずしも一致していなくてもよい。即ち、撮像素子109の光軸が、上記軸C10から当該軸C10に対する半径方向に離間するように、撮像素子109が設置されていてもよい。同様に、上記軸C10と、光源供給系113の光軸と、は必ずしも一致していなくてもよい。なお、ベース部105の前方側の端部(即ち、支持部103を支持する端部)が「第1の端部」の一例に相当し、支持部103の後方側の端部(即ち、ベース部105に支持される端部)が「第2の端部」の一例に相当する。
このような構成の基で、撮像素子109に対して電力を供給するための信号線が、ベース部105の後方から前方に向けて延伸するように、当該ベース部105内に支持される。そして、当該信号線は、支持部103の後方端部を介して撮像素子109に対して電気的に接続される。また、当該信号線は、支持部103内において一部が分岐し、支持部103の前方に装着される硬性鏡131に対して電力を供給できるように構成されていてもよい。また、上記信号線と同様に、撮像素子109による撮像結果に応じた画像信号を、所定の出力先(例えば、図1に示すCCU5039等)に伝送するための信号線が設けられていてもよい。また、上記信号線と同様に、カメラヘッド101の外部(例えば、図1に示すCCU5039等)から、撮像素子109の動作を制御するための制御信号を当該撮像素子109に伝送するための信号線が設けられていてもよい。なお、撮像素子109に対して電力を供給するための信号線と、上記画像信号を伝送するための信号線と、上記制御信号を伝送するための信号線と、が共通化されていてもよい。そこで、以降の説明では、一例として、撮像素子109に対して電力を供給するための信号線と、上記画像信号を伝送するための信号線と、上記制御信号を伝送するための信号線と、が共通化されているものとして説明する。
また、光源装置から光を導光させる光源供給系についても、上記信号線と同様に、ベース部105の後方から前方に向けて延伸するように、当該ベース部105内に支持される。なお、ベース部105内に支持される光源供給系は、支持部103に支持される光源供給系113と一体的に構成されていてもよい。また、他の一例として、ベース部105内に支持される光源供給系が、支持部103に支持される光源供給系113とは別に設けられていてもよい。なお、この場合においても、ベース部105内に支持される光源供給系を介して導光された光は、その後、支持部103に支持される光源供給系113に入射し、当該光源供給系113を介して硬性鏡131に導光される。
硬性鏡131は、鏡筒135と、当該鏡筒135を支持するベース部133とを含む。鏡筒135は、ベース部133の前方側の端部から前方に向けて延伸するように当該ベース部133に支持される。鏡筒135には、当該鏡筒135が延伸する方向(即ち、円筒状の部分の軸方向)に延伸するように撮像光学系137及び光源供給系139が設けられている。また、硬性鏡131は、アダプタ121を介して当該カメラヘッド101の支持部103に着脱可能に構成されている。具体的には、硬性鏡131は、ベース部133のうち鏡筒135が支持された側とは逆側の端部(即ち、後方側の端部)が、支持部103に支持された撮像素子109の前段に位置するように、アダプタ121を介して当該支持部103に装着される。
撮像光学系137は、観察対象の患部の像を取得するための1以上の光学系に相当し、鏡筒135とベース部133とを、当該鏡筒135が延伸する方向(即ち、前後)に貫通するように設けられる。なお、図9に示す例では、撮像光学系137を筒状の形状として示しているが、これはあくまで当該撮像光学系137を模式的に示したものであり、必ずしも当該撮像光学系137の構成を限定するものではない。具体的な一例として、鏡筒135が延伸する方向に鏡筒135とベース部133とを貫通するように開口部が設けられ、当該開口部内に1以上の光学系(例えば、対物レンズ等)が設けられることで撮像光学系137が構成されていてもよい。このような構成の基で、鏡筒135の先端から撮像光学系137の内部に入射した光は、当該撮像光学系137を介してベース部133の後方側の端部から出射する。即ち、カメラヘッド101に対して硬性鏡131が装着されることで、撮像光学系137を導光された光は、アダプタ121を介してカメラヘッド101内に入射し、撮像光学系111を介して撮像素子109に結像されることとなる。
光源供給系139は、所謂ライトガイドに相当し、光源装置からの光を患部まで導光させる。光源供給系139は、例えば、光ファイバや1以上のレンズ等のような各種光学系により構成され得る。光源供給系139は、鏡筒135とベース部133とを、当該鏡筒135が延伸する方向(即ち、前後)に貫通するように設けられる。即ち、カメラヘッド101に対して硬性鏡131が装着されることで、カメラヘッド101側の光源供給系113を介して導光された光源装置からの光は、アダプタ121を介して光源供給系139に入射し、当該光源供給系139を介して導光されたうえで鏡筒135の先端から患部に向けて出射する。
次いで、図10を参照して、軸C10を中心としてベース部105に対して支持部103を相対的に回転させた場合における医療用撮像装置100の各部の動きについて説明する。この場合には、支持部103の回転に伴い、図10に示すように、当該支持部103に支持された撮像素子109と光源供給系113とが、上記軸C10を中心として一体的に回転することとなる。また、支持部103に対してアダプタ121を介して硬性鏡131が装着されている場合には、支持部103の回転に伴い、図10に示すように、当該硬性鏡131が、上記軸C10を中心として当該支持部103と一体的に回転することとなる。即ち、ベース部105に対して支持部103を回転させた場合においても、撮像素子109の前段に撮像光学系137が位置し、かつ光源供給系113の後段に光源供給系139が位置する状態を保持することが可能となる。
なお、ベース部105に対して支持部103を回転させた場合においても、撮像素子109への電力の供給、当該撮像素子109から所定の出力先への画像信号の伝送、及び、患部に向けた鏡筒135を介した光源からの光の導光が可能な状態が保持される。これらを実現するための構成については、詳細を別途後述する。
また、本実施形態に係る医療用撮像装置100は、術者のハンドアイコーディネイトを維持するための仕組みが設けられていてもよい。例えば、図11は、本実施形態に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例について説明するための説明図であり、術者のハンドアイコーディネイトを維持するための概略的な仕組みの一例について示している。
図10に示すように、軸C10を中心としてベース部105に対して支持部103を回転させると、当該当該支持部103に支持された撮像素子109も一体的に回転することとなり、当該撮像素子109の姿勢が変化する。具体的な一例として、支持部103を180度回転させた場合には、回転前後において撮像素子109の天地が反転することとなる。このような状況を鑑み、医療用撮像装置100では、カメラヘッド101の姿勢、特に、支持部103の回転に応じた撮像素子109の姿勢を検知し、当該検知結果に応じて、当該撮像素子109による撮像結果に応じた画像V11を回転補正する。例えば、図11に示す例では、支持部103の回転に伴い天地が反転した画像V11aを、当該支持部103の回転量に応じて回転補正することで、天地の反転が補正された画像V11bを出力している。
なお、支持部103の回転に応じた撮像素子109の姿勢の検知については、例えば、エンコーダ、加速度センサ、ジャイロセンサ等のような各種センサを利用することで実現可能である。また、当該姿勢を検知する上記各種センサや、当該各種センサによる検知結果を利用して当該姿勢を検出するユニット(例えば、プロセッサ等)が、「姿勢検出部」の一例に相当する。また、上記補正を行う主体は特に限定されない。具体的な一例として、カメラヘッド内の制御ユニット(例えば、CPU等)が、上記補正を行う機能を有していてもよい。また、他の一例として、CCU等の外部の装置の画像処理部により、上記補正が行われてもよい。CCU等の外部装置が上記補正を行う場合には、回転に応じた撮像素子109の姿勢の検知結果がカメラヘッド側から当該外部装置へ伝送され、当該外部装置で画像V11の回転補正が行われる。また、他の一例として、手術映像のIP伝送を行うIPコンバータが画像処理機能を備える場合には、当該IPコンバータで回転補正を行ってもよい。なお、上記補正を行う主体が、「補正部」の一例に相当する。
以上、図9~図11を参照して、本開示の一実施形態に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例について説明した。
<5.2.第1の実施例>
続いて、本開示の一実施形態に係る医療用撮像装置の第1の実施例について説明する。第1の実施例では、本実施形態に係る医療用撮像装置の詳細な構造の一例として、カメラヘッドに対して医療用光学機器として硬性鏡が装着される場合に着目し、当該カメラヘッド及び硬性鏡それぞれのより詳細な構造の一例について説明する。
例えば、図12及び図13は、第1の実施例に係る医療用撮像装置の構造の一例について説明するための説明図であり、カメラヘッドに対して医療用光学機器として硬性鏡が装着された場合における当該医療用撮像装置の外観を示している。具体的には、図12は、第1の実施例に係る医療用撮像装置の斜視図を示している。また、図13は、第1の実施例に係る医療用撮像装置の側面図を示している。
なお、以降では、便宜上、特に説明が無い限りは、医療用撮像装置の前後方向(換言すると、カメラヘッドに設けられた撮像素子の撮像方向)をz方向と称し、当該z方向に直交する方向をx方向及びy方向とする。即ち、カメラヘッドに対して、前方に向けて直線上に延伸するように形成された鏡筒を有する硬性鏡が接続された場合には、当該硬性鏡の鏡筒が延伸する方向は、z方向に略一致することとなる。
図12及び図13において、図9及び図10と同様の符号が付された構成は、図9及び図10に示す例と同様の構成を示している。なお、図12及び図13に示す例では、アダプタ121の明示的な図示を省略しているが、図9及び図10に示す例と同様に、カメラヘッド101は、当該アダプタ121を介して、硬性鏡131等の医療用光学機器を着脱可能に構成されていてもよい。また、図13に示す軸C11は、図9及び図10に示す軸C10に相当する。
支持部103及びベース部105のそれぞれは、筐体が略円筒状に形成されている。また、支持部103は、略円筒状の筐体の軸方向(z方向)の一方の端部側(後方の端部側)が、ベース部105の略円筒状の筐体の軸方向(z方向)の一方の端部側(前方の端部側)に、当該軸(即ち、図13に示す中心軸C11)を中心として回転可能に支持される。また、ベース部105が支持部103を支持する部分には、駆動部107が介在し、当該駆動部107が駆動することで、軸C11を中心としてベース部105に対して支持部103が相対的に回転する。また、ベース部105の側面には、駆動部107の駆動を操作するための操作部115が設けられている。即ち、術者により操作部115が操作されることで駆動部107が駆動し、当該駆動部107の駆動に伴い、支持部103が軸C11を中心に回転する。
硬性鏡131は、ベース部133の後方側の端部が、支持部103の前方側の端部(即ち、ベース部105とは逆側の端部)に装着される。硬性鏡131の鏡筒135は、略円筒状に形成され、当該円筒の軸が前方に向けて延伸するように、ベース部133の前方側の端部(即ち、上記後方側の端部とは逆側の端部)側に支持される。
ここで、図14及び図15を参照して、第1の実施例に係る医療用撮像装置100の内部構造について概要を説明する。図14及び図15は、第1の実施例に係る医療用撮像装置100の内部構造の一例について説明するための説明図であり、図12及び図13に示す医療用撮像装置100を、図13に示す軸C11を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。
前述したように、硬性鏡131の鏡筒135には、当該鏡筒135が延伸する方向に延伸するように撮像光学系137及び光源供給系139が設けられている。具体的には、撮像光学系137及び光源供給系139のそれぞれは、鏡筒135とベース部133とを、当該鏡筒135が延伸する方向(即ち、前後)に貫通するように設けられる。また、撮像光学系137の一部として、被写体に焦点を合わせるための光学系1311(例えば、AF(Auto Focus)制御を実現するための光学系)が設けられていてもよい。例えば、図15に示す例では、ベース部133内に光学系1311が設けられている。
カメラヘッド101の内部には、前方から後方に向けて延伸するように光源供給系113が支持される。具体的には、支持部103の前方側の端部には光源供給系113の端部が露出している。また、当該光源供給系113は、支持部103の前方側から後方側(換言すると、軸C11が延伸する方向)に向けて延伸し、支持部103の後方側の端部から当該支持部103の外部にさらに延伸する。光源供給系113のうち支持部103の外部に延伸した部分は、ベース部105内を前方側から後方側に向けて(即ち、軸C11に沿って)貫通するように延伸し、一部がベース部105の後方側の端部から当該ベース部105の外部(即ち、カメラヘッド101の外部)に露出する。なお、光源供給系113のうち、カメラヘッド101の後方側の端部から露出した部分が、例えば、光源装置、または当該光源装置に接続された他の光源供給系に接続される。
また、支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、光源供給系113のうち支持部103の前方側の端部に露出した部分は、硬性鏡131のベース部133の後方端部側に露出した光源供給系139の端部と対向する。即ち、光源供給系113の後段に光源供給系139が位置することとなる。これにより、光源装置から出射されて光源供給系113を介して導光された光は、ベース部133の後方端部側から光源供給系139内に入射し、当該光源供給系139を介して導光されたうえで鏡筒135の先端から患部に向けて出射する。
カメラヘッド101の支持部103は、内部に撮像素子109が支持されており、当該撮像素子109の前方が開口している。なお、本実施例においては、撮像素子109の撮像面の中心がxy平面上において軸C11と略一致するように、当該撮像素子109が支持されている。また、支持部103は、撮像素子109の前段(前方)に撮像光学系111が位置するように、当該撮像光学系111を上記開口内に支持してもよい。支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、上記開口は、硬性鏡131のベース部133の後方端部側に露出した撮像光学系137の端部と対向する。即ち、撮像素子109の前段に撮像光学系137が位置することとなる。これにより、撮像光学系137により導光された光は、上記開口からカメラヘッド101内に入射し、撮像光学系111を介して撮像素子109に結像されることとなる。
撮像素子109には、外部の装置(電源装置等)から電力を供給するための信号線が接続されている。具体的には、信号線1001が、ベース部105の後方から前方に向けて延伸するように、当該ベース部105内に支持されており、支持部103の後方側の端部を介して当該支持部103内に延伸した部分(以下、「信号線1003」とも称する)が撮像素子109に電気的に接続される。
また、信号線1001は、信号線1003とは別に一部が分岐し、分岐した部分(以下、「信号線1005」とも称する)を介して、支持部103の前方に装着される硬性鏡131に対して電力を供給できるように構成されていてもよい。また、信号線1001は、撮像素子109による撮像結果に応じた画像信号を、カメラヘッド101の外部(例えば、CCU等)に伝送するための信号線として利用されてもよい。また、信号線1001は、外部の装置(例えば、CCU等)からカメラヘッド101を操作するための制御信号を、当該カメラヘッド101に伝送するための信号線として利用されてもよい。
以上、図12~図15を参照して、第1の実施例に係る医療用撮像装置100の構成(構造)について概要を説明した。
(カメラヘッド)
続いて、図16~図20を参照して、第1の実施例に係るカメラヘッド101の構成(構造)についてさらに詳しく説明する。図16~図18は、第1の実施例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの構造の一例について説明するための説明図である。具体的には、図16は、第1の実施例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの斜視図を示している。また、図17は、第1の実施例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの側面図を示している。また、図18は、第1の実施例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの背面図を示している。また、図19及び図20は、第1の実施例に係る医療用撮像装置の内部構造の一例について説明するための説明図であり、図16~図18に示すカメラヘッド101を、図17に示す軸C11を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。なお、図17及び図20に示す軸C11は、図15に示す軸C11に相当する。また、図16~図20において、図12~図15と同様の符号が付された構成は、図12~図15に示す例と同様の構成を示しているため詳細な説明は省略する。
図16~図18に示すように、支持部103の前方側の端部には着脱部1009が設けられている。着脱部1009は、当該端部に対して硬性鏡131のベース部133を着脱可能とするための構成である。具体的な一例として、図16~図18に示す例では、着脱部1009は、所謂三つ爪バヨネットとして構成されている。即ち、この場合には、着脱部1009は、支持部103の前方側の端部に対して、硬性鏡131のベース部133の後方側の端部をバヨネット結合させるための係合爪や、当該係合爪と嵌合する溝等として構成され得る。なお、支持部103に対して硬性鏡131のベース部133が着脱可能であれば、着脱部1009の構成は特に限定されない。
支持部103の前方側の端部には、当該端部に対して装着された硬性鏡131が当該支持部103から脱落しないようにロックするためのロック機構1113が設けられている。例えば、図16~図18に示す例では、ロック機構1113としてロックピンが設けられている。当該ロックピンは、硬性鏡131のベース部133の後方側の端部に設けられた凹部と嵌合することで、軸C11を中心として支持部103に対する硬性鏡131の相対的な回転を抑制する。即ち、支持部103に対して装着された硬性鏡131を取り外すための動作が抑制されるため、支持部103からの硬性鏡131の脱落を防止することが可能となる。なお、ロック機構1113の構成については、着脱部1009の構成(換言すると、支持部103に対する硬性鏡131の着脱方法)に応じて適宜変更されてもよい。
支持部103の側面には、ロック機構1113によるロックされた状態を解除するための操作部1111が設けられている。具体的な一例として、術者により操作部1111が操作されると、支持部103の前方側の端部から前方に向けて突出したロックピン(ロック機構1113)が後方に向けてスライドすることで収納され、当該ロックピンが上記凹部と嵌合した状態が解除される。これにより、軸C11を中心として支持部103に対して硬性鏡131を相対的に回転させることが可能となるため、支持部103に装着された硬性鏡131を当該支持部103から取り外すことが可能となる。
参照符号1131は、撮像光学系111の入射面を示している。即ち、撮像素子109や撮像光学系111が内部に収容される開口は、支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、入射面1131が、当該硬性鏡131のベース部133の後方側の端部に露出した撮像光学系137の端部と対向するように設けられている。これにより、硬性鏡131の撮像光学系137を導光された光が、入射面1131を介して撮像光学系111内(換言すると、支持部103内)に入射し、当該撮像光学系111を介して当該支持部103内に支持された撮像素子109に結像する。
参照符号1133は、光源供給系113の出射面を示している。即ち、光源供給系113は、支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、出射面1133が、当該硬性鏡131のベース部133の後方端部側に露出した光源供給系139の端部と対向するように配設されている。これにより、光源装置から出射されて光源供給系113を介して導光された光は、出射面1133から支持部103の外部に出射され、その後、ベース部133の後方端部側から光源供給系139内に入射し、当該光源供給系139を介して導光されたうえで鏡筒135の先端から患部に向けて出射する。
参照符号1007は、カメラヘッド101に対して供給された電力の一部を、当該カメラヘッド101の支持部103に装着された硬性鏡131に供給するための端子である。端子1007は、支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、当該硬性鏡131のベース部133の後方側の端部(以下、「端部1121」とも称する)に設けられた他の端子と電気的に接続される。これにより、カメラヘッド101に対して供給された電力の一部を、端子1007を介して硬性鏡131に供給することが可能となる。
また、端子1007は、カメラヘッド101に対して装着された医療用光学機器(例えば、硬性鏡131)との間で情報を送受信するための端子(インタフェース)が含まれていてもよい。このような構成により、例えば、カメラヘッド101に対して装着された医療用光学機器から、当該医療用光学機器に保持された情報(例えば、当該医療用光学機器に関する情報)がカメラヘッド101に通知されることで、カメラヘッド101が、自身に装着された医療用光学機器や、当該医療用光学機器に関する情報を認識することも可能となる。
また、上記構成により、例えば、医療用光学機器に関する情報の認識結果がカメラヘッド101から支持アーム装置にフィードバックされることで、当該支持アーム装置が、カメラヘッド101に装着された医療用光学機器に応じて、アーム部の制御を変更することも可能である。特に、カメラヘッド101に対して装着され得る医療用光学機器は、硬性鏡や顕微鏡等のように多岐にわたり、医療用光学機器ごとに重量や装着時の重心の位置等が変化し得る。このような状況下においても、支持アーム装置は、カメラヘッド101に装着された医療用光学機器の認識結果を利用することで、重力補償のために必要な関節のトルクを制御する等のようなアームの関節の駆動を、当該医療用光学機器に応じて制御することが可能となる。
なお、医療用光学機器からカメラヘッド101に通知される情報は特に限定されない。例えば、医療用光学機器の仕様(各種パラメータ)に関する情報が、当該医療用光学機器からカメラヘッド101に通知されてもよい。また、他の一例として、医療用光学機器を識別するための識別情報が当該医療用光学機器からカメラヘッド101に通知されてもよい。この場合には、例えば、各医療用光学機器の識別情報と、当該医療用光学機器に関する各種情報と、が関連付けられたデータ(テーブル)を所定の記憶領域に保持しておくとよい。これにより、医療用光学機器から取得された識別情報に基づき、当該データから、当該医療用光学機器に関する各種情報を読み出すことが可能となる。
なお、上記データが保持される記憶領域については、医療用光学機器に関する情報を利用する装置(例えば、カメラヘッド101や支持アーム装置)が読み出し可能であれば特に限定されない。具体的な一例として、当該データが、カメラヘッド101や支持アーム装置の記憶領域に保持されていてもよい。また、他の一例として、当該データが、医療用光学機器に関する情報を利用する装置に対してネットワークを介して接続されたサーバ等の外部装置に保持されていてもよい。
続いて、軸C11を中心として、ベース部105に対して支持部103を相対的に回転可能とするための構造の一例についてより詳細に説明する。
図19及び図20に示すように、ベース部105は、筐体が軸C11に沿う開口1117を有する中空状に形成されている。また、支持部103の後方端部側には、軸C11に沿う開口1119を有する略円筒状の凸部1118が、中心軸が当該軸C11と略一致するように形成されている。なお、開口1117及び1119のそれぞれは、中心軸が軸C11と略一致する略円筒状に形成されている。換言すると、ベース部105の筐体には、中心軸が軸C11と略一致する円柱状の中空部分が形成されている。また、当該凸部1118は、軸C11に対する動径方向の幅が、開口1117の当該動径方向の幅よりも短くなるように形成されている。このような構成の基で、開口1119が形成された支持部103側の凸部1118が、ベース部105側の開口1117に嵌合することで、当該ベース部105に対して軸C11を中心として支持部103が回転可能に支持される。また、このとき凸部1118の開口1119は、支持部103の開口1117と軸C11に沿って連接する。
また、ベース部105側には駆動部107が設けられており、当該駆動部107が、支持部103の凸部1118に対して軸C11を中心とした円周方向にトルクを加える。これにより、当該軸C11を中心として、ベース部105に対して支持部103が相対的に回転する。上記動作を実現するための構成として、例えば、図19及び図20に示す例では、駆動部107は、リング状の超音波モータ1115を備えている。もちろん、上記動作を実現することが可能であれば、駆動部107の構成は必ずしも限定されない。
このような構成の基で、光源供給系113及び信号線1001のそれぞれは、一部が互いに連接する開口1117及び1119内に位置するように支持される。また、ベース部105の端部1121には開口1123が設けられており、光源供給系113及び信号線1001それぞれのうち後方に向けて延伸する部分は、当該開口1123からベース部105の外部に露出し、カメラヘッド101の後方に向けてさらに延伸する。例えば、図19及び図20に示す例では、開口1123は、中心軸が軸C11と略一致する略円筒状に形成されている。即ち、光源供給系113及び信号線1001のそれぞれは、ベース部105の中空部分(換言すると、開口1119)を軸C11に沿って貫通するように支持される。
なお、開口1123については、ベース部105の端部1121において、当該ベース部105に対して光源供給系113及び信号線1001が固定されない程度の幅を有するように形成されるとよい。このような構成により、ベース部105に対して支持部103が回転したとしても、ベース部105の中空部分という限られたスペースで、光源供給系113と信号線1001の束によりが生じ、ひいては、光源供給系113や信号線1001が断線する事態を防止することが可能となる。
以上、図16~図20を参照して、第1の実施例に係るカメラヘッド101の構成(構造)についてさらに詳しく説明した。
(硬性鏡)
続いて、図21~図26を参照して、本開示の一実施形態に係るカメラヘッド(例えば、上述した第1の実施例に係るカメラヘッド101)に装着される医療用光学機器の一例として、硬性鏡131の構造についてさらに詳しく説明する。図21~図24は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される硬性鏡の構造の一例について説明するための説明図である。具体的には、図21は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される硬性鏡を斜め前から見た場合の斜視図を示している。また、図22は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される硬性鏡の側面図を示している。また、図23は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される硬性鏡を斜め後ろから見た場合の斜視図を示している。また、図24は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される硬性鏡の背面図を示している。また、図25及び図26は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される硬性鏡の内部構造の一例について説明するための説明図であり、図21~図24に示す硬性鏡131を、図22に示す軸C11を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。なお、図21、図22、図25、及び図26に示す軸C11は、図13及び図15に示す軸C11に相当する。また、図21~図26において、図12~図15と同様の符号が付された構成は、図12~図15に示す例と同様の構成を示しているため詳細な説明は省略する。
前述したように、硬性鏡131は、鏡筒135と、当該鏡筒135を支持するベース部133とを含む。鏡筒135は、ベース部133の前方側の端部から前方に向けて延伸するように当該ベース部133に支持される。このとき、図21及び図22に示すように、鏡筒135の軸(即ち、円筒状の部分の軸)が軸C11と略一致するように、ベース部133に対して当該鏡筒135が支持される。このような構成により、カメラヘッド101の支持部103に対して硬性鏡131が装着された状態で、軸C11を中心として当該支持部103が回転した場合に、鏡筒135の軸がぶれずに、当該鏡筒135が支持部103と一体的に回転することとなる。
図21~図24に示すように、ベース部133の後方側の端部には、カメラヘッド101の支持部103の前方側の端部に対して当該ベース部133を着脱可能とするための構成として着脱部1317が設けられている。なお、着脱部1317の構成は、カメラヘッド101側の着脱部1009の構成に応じて決定される。即ち、着脱部1009と着脱部1317とがバヨネット結合するように当該着脱部1009及び1317が構成されている場合には、着脱部1009及び1317のうち、一方が当該バヨネット結合のための係合爪として構成され、他方が当該係合爪と嵌合する溝等として構成され得る。もちろん、着脱部1009と同様に、支持部103に対して硬性鏡131のベース部133が着脱可能であれば、着脱部1317の構成は特に限定されない。
ベース部133の後方側の端部には、カメラヘッド101の支持部103の前方側の端部に対して硬性鏡131が装着された場合に、当該硬性鏡131が当該支持部103から脱落しないようにロックするためのロック機構1325が設けられている。ロック機構1325は、例えば、カメラヘッド101側のロック機構1113と嵌合することで、軸C11を中心として支持部103に対する硬性鏡131の相対的な回転を抑制する。より具体的な一例として、カメラヘッド101側のロック機構1113がロックピンとして構成されている場合には、硬性鏡131側のロック機構1325は、当該ロックピンが嵌合する凹部として構成され得る。もちろん、ロック機構1325側がロックピンとして構成されていてもよい。この場合には、ロック機構1113側が、当該ロックピンが嵌合する凹部として構成されることとなる。また、硬性鏡131が支持部103から脱落しないようにロックすることが可能であれば、ロック機構1113及び1325の構成は特に限定されない。
また、ベース部133の側面のうち、ロック機構1325の近傍に相当する位置には、当該ロック機構1325の位置を示すマーカ1315が設けられていてもよい。
前述したように、硬性鏡131のベース部133の後方側の端部には、当該硬性鏡131の鏡筒135内に設けられた撮像光学系137の一方の端部が露出している。例えば、図23及び図24に示す参照符号1321は、当該撮像光学系137の当該端部(出射面)を示している。即ち、撮像光学系137は、カメラヘッド101の支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、上記出射面1321が、カメラヘッド101側の入射面1131と対向するように設けられている。これにより、硬性鏡131の撮像光学系137を導光された光が、入射面1131を介して撮像光学系111内(換言すると、支持部103内)に入射し、当該撮像光学系111を介して当該支持部103内に支持された撮像素子109に結像する。
また、硬性鏡131のベース部133の後方端部側には、当該硬性鏡131の鏡筒135内に設けられた光源供給系139の一方の端部が露出している。例えば、図23及び図24に示す参照符号1323は、当該光源供給系139の当該端部(入射面)を示している。即ち、光源供給系139は、カメラヘッド101の支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、上記入射面1323が、カメラヘッド101側の出射面1133と対向するように設けられている。これにより、光源供給系113を導光された光は、出射面1133から支持部103の外部に出射され、その後、ベース部133の後方端部側から光源供給系139内に入射し、当該光源供給系139を介して導光されたうえで鏡筒135の先端から患部に向けて出射する。
参照符号1319は、硬性鏡131がカメラヘッド101側から電力の供給を受けるための端子である。端子1319は、カメラヘッド101の支持部103に対して硬性鏡131が装着された場合に、カメラヘッド101側の端子1007に対して当該端子1319が電気的に接続可能な位置に配設されている。
また、前述したように、撮像光学系137の一部として、被写体に焦点を合わせるための光学系1311が設けられていてもよい。例えば、図25及び図26に示す例では、ベース部133内に光学系1311が設けられている。また、光学系1311のうち少なくとも一部の光学系は、所謂AF制御により光軸に沿って位置がシフトするように構成されていてもよい。この場合には、例えば、上記端子1319を介してカメラヘッド101側から供給された電力によりモータ等の駆動部を駆動させることで、上記AF制御が実現されてもよい。
以上、図21~図26を参照して、本開示の一実施形態に係るカメラヘッドに装着される医療用光学機器の一例として、硬性鏡131の構造についてさらに詳しく説明した。
上述の通り、第1の実施例に係る医療用撮像装置100のカメラヘッド101は、撮像素子109及び光源供給系113が支持部103に支持され、軸C11を中心としてベース部105に対して当該支持部103が相対的に回転する。これにより、撮像素子109及び光源供給系113が一体的に回転する。また、支持部103の前方に対して硬性鏡131が装着されている場合には、硬性鏡131についても、支持部103と一体的に回転することとなる。これにより、ベース部105に対して支持部103が相対的に回転した場合においても、撮像素子109の前段に硬性鏡131側の撮像光学系137が位置し、かつ、光源供給系113の後段に硬性鏡131側の光源供給系139が位置する状態が維持される。また、上記のような構成により、光源からの光を導光するライトガイドを、カメラヘッド101の後方から当該光源に向けて延伸するように設けることが可能となる。これにより、例えば、図6を参照して説明した比較例1に係る医療用撮像装置800のように、医療用光学機器に対して光源供給系を接続するための接続部を別途設ける必要がなくなる。そのため、本実施形態に係る医療用撮像装置100は、比較例1に係る医療用撮像装置800に比べて、術者による取り回しが容易となり、ひいては操作性が向上する。
<5.3.第2の実施例>
続いて、本開示の一実施形態に係る医療用撮像装置の第2の実施例について説明する。本実施形態に係る医療用撮像装置では、カメラヘッドに対して装着される医療用光学機器が硬性鏡のみには限定されず、用途に応じた多様な医療用光学機器を当該カメラヘッドに対して選択的に装着することが可能である。そこで、第2の実施例では、硬性鏡以外の他の医療用光学機器として顕微鏡が使用される場合に着目して、本実施形態に係る医療用撮像装置の構造(特に、カメラヘッドに対して装着される顕微鏡の構造)の一例について説明する。
まず、第2の実施例に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例として、図27を参照して、医療用光学機器として顕微鏡を適用した場合における、本実施形態に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例について説明する。図27は、第2の実施例に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例について説明するための説明図である。なお、以降の説明では、便宜上、第2の実施例に係る医療用撮像装置を、上記実施形態や他の実施例に係る医療用撮像装置と区別するために、「医療用撮像装置150」と称する場合がある。
図27に示すように、第2の実施例に係る医療用撮像装置150は、カメラヘッド101と、顕微鏡151と、アダプタ121とを含む。なお、カメラヘッド101及びアダプタ121の構成については、図9及び図10を参照して説明した医療用撮像装置100の場合と同様のため、詳細な説明は省略する。また、図27に示す軸C10は、図9及び図10に示す軸C10に相当する。
顕微鏡151は、後方から前方に向けて延伸する鏡筒153を有している。鏡筒153には、当該鏡筒153が延伸する方向(即ち、略円筒状の部分の軸方向)に延伸するように撮像光学系155及び光源供給系157が設けられている。なお、撮像光学系155及び光源供給系157は、前述した硬性鏡131における撮像光学系137及び光源供給系139に相当する。また、顕微鏡151は、アダプタ121を介してカメラヘッド101の支持部103に着脱可能に構成されている。具体的には、顕微鏡151は、後方側の端部が、支持部103の前方(換言すると、支持部103に支持された撮像素子109の前段)に位置するように、アダプタ121を介して当該支持部103に装着される。
撮像光学系155は、観察対象の患部の像を取得するための1以上の光学系に相当し、鏡筒153を当該鏡筒153が延伸する方向(即ち、前後)に貫通するように設けられる。なお、図27に示す例では、撮像光学系155を筒状の形状として示しているが、これはあくまで当該撮像光学系155を模式的に示したものであり、必ずしも当該撮像光学系155の構成を限定するものではない。具体的な一例として、鏡筒153が延伸する方向に鏡筒153を貫通するように開口部が設けられ、当該開口部内に1以上の光学系(例えば、対物レンズ等)が設けられることで撮像光学系155が構成されていてもよい。このような構成の基で、鏡筒153の前方の端部側に位置する撮像光学系155の端部1517から当該撮像光学系155の内部に入射した光は、当該撮像光学系155を介して鏡筒153の後方側の端部から出射する。即ち、カメラヘッド101に対して顕微鏡151が装着されることで、撮像光学系155を導光された光は、アダプタ121を介してカメラヘッド101内に入射し、撮像光学系111を介して撮像素子109に結像されることとなる。
光源供給系157は、所謂ライトガイドに相当し、光源装置からの光を患部まで導光させる。光源供給系157は、例えば、光ファイバや1以上のレンズ等のような各種光学系により構成され得る。光源供給系157は、鏡筒153を当該鏡筒153が延伸する方向(即ち、前後)に貫通するように設けられる。即ち、カメラヘッド101に対して顕微鏡151が装着されることで、カメラヘッド101側の光源供給系113を介して導光された光源装置からの光は、アダプタ121を介して光源供給系157に入射する。そして、光源供給系157を介して導光された光は、鏡筒153の前方側の端部に位置する光源供給系157の端部1519から患部に向けて出射する。
また、図27を参照して前述したように、軸C10を中心としてベース部105に対して支持部103を回転させた場合には、支持部103の回転に伴い、当該支持部103に支持された撮像素子109と光源供給系113とが、上記軸C10を中心として一体的に回転する。このとき、支持部103に対してアダプタ121を介して顕微鏡151が装着されている場合には、支持部103の回転に伴い、当該顕微鏡151が、上記軸C10を中心として当該支持部103と一体的に回転することとなる。即ち、ベース部105に対して支持部103を回転させた場合においても、撮像素子109の前段に撮像光学系155が位置し、かつ光源供給系113の後段に光源供給系157が位置する状態を保持することが可能となる。
以上、第2の実施例に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例として、図27を参照して、医療用光学機器として顕微鏡を適用した場合における、本実施形態に係る医療用撮像装置の概略的な構成の一例について説明した。
続いて、図28~図31を参照して、第2の実施例に係る医療用撮像装置の構造の一例について概要を説明する。なお、カメラヘッド101の構造については、第1の実施例に係る医療用撮像装置100と同様のため詳細な説明は省略し、主に顕微鏡151の構造について説明する。
まず、図28及び図29を参照して、第2の実施例に係る医療用撮像装置の構造について主に外観に着目して概要を説明する。図28及び図29は、第2の実施例に係る医療用撮像装置の構造の一例について説明するための説明図であり、カメラヘッドに対して医療用光学機器として顕微鏡が装着された場合における当該医療用撮像装置の外観を示している。具体的には、図28は、第2の実施例に係る医療用撮像装置の斜視図を示している。また、図29は、第2の実施例に係る医療用撮像装置の側面図を示している。
図28及び図29において、図27と同様の符号が付された構成は、図27に示す例と同様の構成を示している。なお、図28及び図29に示す例では、アダプタ121の明示的な図示を省略している。
図28及び図29に示すように、顕微鏡151は、鏡筒153の後方側の端部が、カメラヘッド101の支持部103の前方側の端部(即ち、ベース部105とは逆側の端部)に装着される。顕微鏡151の鏡筒153は、略円筒状に形成され、カメラヘッド101に対して当該顕微鏡151が装着された場合に、当該略円筒状の部分の軸が前方に向けて延伸するように、当該カメラヘッド101の支持部103に支持される。なお、図29に示す軸C15は、図27に示す軸C10に相当する。
また、顕微鏡151は、前方側の端部に対して、所望のフィルタ1515を着脱可能に構成されていてもよい。具体的には、フィルタ1515が装着された場合には、撮像光学系155の前方側の端部1517と、光源供給系157の前方側の端部1519と、のそれぞれの前方に当該フィルタ1515が保持される。そのため、例えば、鏡筒153の前方から撮像光学系155の内部に入射する光は、当該撮像光学系155の前段に保持されたフィルタ1515により制限されることとなる。このような構成により、例えば、フィルタ1515として、観察対象に応じて所定の波長帯の光のみを透過させるフィルタ等を装着することで、医療用撮像装置150を、蛍光観察等のような所謂特殊光観察に使用することも可能となる。
また、顕微鏡151は、ズーム機能を備えていてもよい。この場合には、顕微鏡151は、焦点距離(換言すると、ズーム倍率)を制御するための操作部1513が設けられていてもよい。例えば、図28及び図29に示す例では、鏡筒153の側面に当該操作部1513が設けられている。なお、ズーム機能のための操作部1513に限らず、顕微鏡151に特有の機能を実現するための入力インタフェースについては、当該顕微鏡151側に設けられていてもよい。これは、顕微鏡151に限らず、他の医療用光学機器についても同様である。
次いで、図30及び図31を参照して、第2の実施例に係る医療用撮像装置150の内部構造について概要を説明する。図30及び図31は、第2の実施例に係る医療用撮像装置150の内部構造の一例について説明するための説明図であり、図28及び図29に示す医療用撮像装置150を、図29に示す軸C15を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。
前述したように、顕微鏡151の鏡筒153には、当該鏡筒153が延伸する方向(即ち、前後)に延伸するように撮像光学系155及び光源供給系157が設けられている。具体的には、撮像光学系155及び光源供給系157のそれぞれは、鏡筒153を当該鏡筒153が延伸する方向(即ち、前後)に貫通するように設けられる。
撮像光学系155は、被写体に焦点を合せるための光学系(例えば、AF制御を実現するための光学系)を含んでもよい。また、顕微鏡151がズーム機能を有している場合には、撮像光学系155は、焦点距離(換言すると、ズーム倍率)を制御するための光学系を含んでもよい。また、顕微鏡151がズーム機能を有している場合には、光源供給系157の一部として、当該光源供給系157により導光されて外部に出射される光(以下、単に「出射光」とも称する)の照射範囲を制御するためのズーム光学系1521が設けられていてもよい。例えば、図30及び図31には、光源供給系157の前方端部側に、ズーム光学系1521として、出射光の照射範囲を制御するための1以上のレンズが設けられている。なお、ズーム光学系1521は、例えば、撮像光学系155の焦点距離(ズーム倍率)の制御に連動して出射光の範囲が制御されるように、少なくとも一部の光学系の位置が光軸に沿ってシフトするように制御されてもよい。
以上、図28~図31を参照して、第2の実施例に係る医療用撮像装置の構造の一例について概要を説明した。
(顕微鏡)
続いて、図32~図36を参照して、本開示の一実施形態に係るカメラヘッドに装着される医療用光学機器の一例として、顕微鏡151の構造についてさらに詳しく説明する。図32~図36は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される顕微鏡の構造の一例について説明するための説明図である。具体的には、図32は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される顕微鏡を斜め前から見た場合の斜視図を示している。また、図33は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される顕微鏡の側面図を示している。また、図34は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される顕微鏡を斜め後ろから見た場合の斜視図を示している。また、図35及び図36は、本実施形態に係るカメラヘッドに装着される顕微鏡の内部構造の一例について説明するための説明図であり、図32~図34に示す顕微鏡151を、図33に示す軸C15を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。なお、図32、図33、図35及び図36に示す軸C15は、図29及び図31に示す軸C15に相当する。また、図32~図36において、図28~図31と同様の符号が付された構成は、図28~図31に示す例と同様の構成を示しているため詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るカメラヘッド101は、医療用光学機器として、上記顕微鏡151や前述した硬性鏡131等を選択的に装着することが可能である。そのため、顕微鏡151のうち、カメラヘッド101の前方側の端部に対して装着される後方側の端部の構造は、図21~図26を参照して前述した硬性鏡131と共通化されている。
具体的には、図32~図34に示すように、鏡筒153の後方側の端部には、カメラヘッド101の支持部103の前方側の端部に対して当該鏡筒153を着脱可能とするための構成として着脱部1527が設けられている。着脱部1527は、前述した硬性鏡131における着脱部1317と同様の構造を有する。
鏡筒153の後方側の端部には、カメラヘッド101の支持部103の前方側の端部に対して顕微鏡151が装着された場合に、当該顕微鏡151が当該支持部103から脱落しないようにロックするためのロック機構1535が設けられている。ロック機構1535は、前述した硬性鏡131におけるロック機構1325と同様の構造を有する。即ち、ロック機構1535は、例えば、カメラヘッド101側のロック機構1113と嵌合することで、軸C15を中心として支持部103に対する顕微鏡151の相対的な回転を抑制する。また、鏡筒153の側面のうち、ロック機構1535の近傍に相当する位置には、当該ロック機構1535の位置を示すマーカ1525が設けられていてもよい。
また、図34~図36に示すように、顕微鏡151の鏡筒153の後方端部側には、当該顕微鏡151の鏡筒153内に設けられた撮像光学系155の一方の端部が露出している。例えば、参照符号1531は、当該撮像光学系155の当該端部(出射面)を示している。即ち、撮像光学系155は、カメラヘッド101の支持部103に対して顕微鏡151が装着された場合に、上記出射面1531が、カメラヘッド101側の入射面1131と対向するように設けられている。これにより、顕微鏡151の撮像光学系155を導光された光が、入射面1131を介して撮像光学系111内(換言すると、支持部103内)に入射し、当該撮像光学系111を介して当該支持部103内に支持された撮像素子109に結像する。
また、顕微鏡151の鏡筒153の後方端部側には、当該顕微鏡151の鏡筒153内に設けられた光源供給系157の一方の端部が露出している。例えば、参照符号1529は、当該光源供給系157の当該端部(入射面)を示している。即ち、光源供給系157は、カメラヘッド101の支持部103に対して顕微鏡151が装着された場合に、上記入射面1529が、カメラヘッド101側の出射面1133と対向するように設けられている。これにより、光源供給系113を導光された光は、出射面1133から支持部103の外部に出射され、その後、鏡筒153の後方端部側から光源供給系157内に入射し、当該光源供給系157を介して導光されたうえで鏡筒153の前方側の端部から患部に向けて出射する。
また、参照符号1533は、顕微鏡151がカメラヘッド101側から電力の供給を受けるための端子である。端子1533は、カメラヘッド101の支持部103に対して顕微鏡151が装着された場合に、カメラヘッド101側の端子1007に対して当該端子1533が電気的に接続可能な位置に配設されている。なお、顕微鏡151においてAF制御やズーム制御を行うための電力は、例えば、上記端子1533を介してカメラヘッド101側から供給されてもよい。具体的な一例として、上記端子1533を介してカメラヘッド101側から供給された電力によりモータ等の駆動部を駆動させることで、撮像光学系155を構成する少なくとも一部の光学系(レンズ等)を光軸に沿ってシフトさせることで、上記AF制御や上記ズーム制御が実現されてもよい。これは、撮像光学系155の焦点距離(ズーム倍率)を制御する場合や、光源供給系157からの出射光の照射範囲を制御する場合についても同様である。
以上、図32~図36を参照して、本開示の一実施形態に係るカメラヘッドに装着される医療用光学機器の一例として、顕微鏡151の構造についてさらに詳しく説明した。
<5.4.変形例>
続いて、本開示の一実施形態に係る医療用撮像装置の変形例として、カメラヘッドの構造の他の一例について説明する。
まず、図37を参照して、変形例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの構成(構造)の一例について概要を説明する。図37は、変形例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの構成の一例について概要を説明するための説明図であり、当該カメラヘッドの側面図を示している。なお、以降の説明では、変形例に係るカメラヘッドを、上述した実施形態に係るカメラヘッド101と区別するために、「カメラヘッド201」と称する場合がある。
図37に示すように、カメラヘッド201は、支持部203と、ベース部205と、駆動部207とを含む。支持部203、ベース部205、及び駆動部207は、図16~図20を参照して前述したカメラヘッド101における、支持部103、ベース部105、及び駆動部207に相当する。また、軸C21は、前述したカメラヘッド101における軸C11に相当する。
支持部203及びベース部205のそれぞれは、筐体が略円筒状に形成されている。なお、以降の説明では、便宜上、支持部203及びベース部205それぞれの筐体を区別して説明する場合には、支持部203側の筐体を「筐体2031」と称し、ベース部205側の筐体を「筐体2051」と称する。また、ベース部205は、筐体2051が軸C21に沿う開口2117を有する中空状に形成されている。なお、開口2117は、中心軸が軸C21と略一致する略円筒状に形成されている。換言すると、ベース部205の筐体2051には、中心軸が軸C21と略一致する円柱状の中空部分が形成されている。
支持部203は、略円筒状の筐体2031の軸方向(z方向)の一方の端部側(後方の端部側)が、ベース部205の略円筒状の筐体2051の軸方向(z方向)の一方の端部側(前方の端部側)に、当該軸(即ち、図37に示す中心軸C21)を中心として回転可能に支持される。また、ベース部205が支持部203を支持する部分には、駆動部207が介在し、当該駆動部207が駆動することで、軸C21を中心としてベース部205に対して支持部203が相対的に回転する。また、ベース部205の側面には、駆動部207の駆動を操作するための操作部215が設けられている。即ち、術者により操作部215が操作されることで駆動部207が駆動し、当該駆動部207の駆動に伴い、支持部203が軸C21を中心に回転する。
支持部203は、前方側の端部(即ち、ベース部205とは逆側の端部)に対して、前述した硬性鏡131(図21~図26参照)や顕微鏡151(図32~図36参照)等の医療用光学機器を着脱可能に構成されている。なお、支持部203に対して上記医療用光学機器を着脱可能とするための構造については、前述したカメラヘッド101の支持部103と同様のため詳細な説明は省略する。
次いで、図38を参照して、変形例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの内部構造の一例について概要を説明する。図38は、変形例に係る医療用撮像装置のカメラヘッドの内部構成の一例について概要を説明するための説明図であり、図37に示すカメラヘッド201を、図37に示す軸C21を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。
カメラヘッド201の内部には、前方から後方に向けて延伸するように光源供給系213が支持される。なお、変形例に係るカメラヘッド201においては、上記光源供給系213のうち、支持部203側に支持される部分と、ベース部205側に支持される部分とが物理的に分離されている。そこで、以降の説明では、便宜上、上記光源供給系213のうち、支持部203側に支持される部分を「光源供給系213a」とも称し、ベース部205側に支持される部分を「光源供給系213b」とも称する。また、光源供給系213a及び213bを特に区別しない場合には、単に「光源供給系213」と称する場合がある。なお、支持部203側に支持される光源供給系213aが「第1の光源供給系」の一例に相当し、ベース部205側に支持される光源供給系213bが「第2の光源供給系」の一例に相当する。
光源供給系213aは、支持部203を前方側から後方側(換言すると、軸C21が延伸する方向)に向けて貫通するように延伸している。また、光源供給系213bは、筐体2051の中空部分(即ち、開口2117内)において後方に向けて(換言すると、軸C21に沿って)延伸するように支持される。具体的には、図38に示すように、光源供給系213bは、ベース部205を前方側から後方側(換言すると、軸C21が延伸する方向)に向けて貫通するように延伸し、一部がベース部205の筐体2051の後方側の端部2121に設けられた開口2123から当該筐体2051の外部(即ち、カメラヘッド201の外部)に露出する。図38に示す例では、開口2123は、中心軸が軸C21と略一致する略円筒状に形成されている。なお、光源供給系213bのうち、カメラヘッド201の後方側の端部2121に設けられた開口2123から後方に向けて露出した部分が、例えば、光源装置、または当該光源装置に接続された他の光源供給系に接続される。このような構成の基で、ベース部205に対して支持部203が回転した場合においても、光源供給系213aの後方側の端部と、光源供給系213bの前方側の端部と、が対向した状態が維持されるように、光源供給系213a及び213bが支持される。
具体的には、光源供給系213aは、支持部203の後方側の端部において、当該光源供給系213aの後方側の端部の中心軸が軸C21(即ち、回転軸)と略一致するように配設される。また、光源供給系213bは、ベース部205の前方側の端部において、当該光源供給系213bの前方側の端部の中心軸が軸C21(即ち、回転軸)と略一致するように配設される。このような構成とすることで、ベース部205に対して支持部203が回転した場合においても、光源供給系213aの後方側の端部と、光源供給系213bの前方側の端部とのそれぞれの位置が軸C21上(即ち、回転軸上)に位置する状態が維持される。即ち、ベース部205に対して支持部203が回転した場合においても、光源供給系213aの後方側の端部と、光源供給系213bの前方側の端部と、が対向した状態が維持される。これにより、ベース部205に対して支持部203が回転した場合においても、光源装置から光源供給系213bを介して導光された光を、光源供給系213aに入射させることが可能となる。
また、支持部203の前方側の端部には光源供給系213aの前方側の端部が露出している。なお、以降の説明では、便宜上、当該端部を「出射面2133」とも称する。即ち、光源装置から出射されて光源供給系213を介して導光された光は、出射面2133からカメラヘッド201の外部(換言すると、支持部103の外部)に出射される。
支持部203は、筐体2031の内部に撮像素子209が支持されており、当該撮像素子209の前方が開口している。なお、本変形例においては、撮像素子209の撮像面の中心がxy平面上において軸C21と略一致するように、当該撮像素子209が支持されている。また、支持部203は、撮像素子209の前段(前方)に撮像光学系211が位置するように、当該撮像光学系111を上記開口部内に支持してもよい。支持部203に対して前述した硬性鏡131が装着された場合に、上記開口は、硬性鏡131のベース部133の後方端部側に露出した撮像光学系137の端部と対向する。即ち、撮像素子209の前段に撮像光学系137が位置することとなる。これにより、撮像光学系137により導光された光は、上記開口からカメラヘッド201内に入射し、撮像光学系211を介して撮像素子209に結像されることとなる。なお、このような構成は、上記硬性鏡131のみに限らず、顕微鏡151等のような本実施形態に係る医療用撮像装置のカメラヘッドに対して着脱可能に構成された医療用光学機器についても同様である。
また、撮像素子209には、外部の装置(電源装置等)から電力を供給するための信号線が接続されている。具体的には、支持部203は、後方側の端部に端子2005が露出しており、筐体2031内に当該端子2005から前方に向けて延伸するように信号線2007が設けられている。端子2005は、ベース部205の前方側の端部に露出した端子2003と電気的に接続される。端子2003には、中空状に形成されたベース部205の筐体2051内(例えば、開口2117内)において、支持部203の前方側に露出した部分とは逆側に信号線2001が電気的に接続されている。信号線2001は、筐体2051の中空部分(即ち、開口2117内)において端子2003に接続された部分から後方に向けて(換言すると、軸C21に沿って)延伸するように支持される。そして、信号線2001は、筐体2051の後方側の端部2021に設けられた開口2123から当該筐体2051の外部に露出して、カメラヘッド201の後方に向けてさらに延伸する。なお、信号線2001のうち、カメラヘッド201の後方に向けてさらに延伸する部分が、外部の装置に電気的に接続される。また、信号線2007は、信号線2009及び2011に分岐し、信号線2009が撮像素子209に対して電気的に接続される。これにより、外部の装置(電源装置等)から上記信号線2001、2007、及び2009を介して撮像素子209に電力を供給することが可能となる。なお、支持部203側に支持される信号線2007及び2009が「第1の信号線」の一例に相当し、ベース部205側に支持される信号線2001が「第2の信号線」の一例に相当する。また、信号線2007の後方側の端部、または当該端部が接続された端子2005が「第5の端部」の一例に相当する。また、端子2003に接続される信号線2001の前方側の端部が「第6の端部」の一例に相当する。
また、信号線2011は、支持部203の前方側の端部に露出した端子2013に電気的に接続される。当該端子2013は、前述したカメラヘッド101における端子1007に相当する。これにより、外部の装置(電源装置等)から上記信号線2001、2007、及び2011を介して、支持部203の前方側の端部に装着される医療用光学機器に対して電力を供給することが可能となる。
なお、ベース部205に対して支持部203が回転した場合においても、支持部203側の端子2005と、ベース部205側の端子2003との間の電気的な接続関係が維持される。このように、端子2005と端子2003との間の電気的な接続関係を維持するための仕組みの詳細については別途後述する。
駆動部207は、ベース部205側のピニオンギア2017及びモータ2015と、支持部203側のギア2019とにより構成される。図37に示すように、ベース部205の前方側の端部には、ピニオンギア2017と、当該ピニオンギア2017を回転させるモータ2015とが支持されている。このとき、ピニオンギア2017は、回転軸が、軸C21から半径方向に離間し、かつ当該軸C21と略平行となるように支持される。また、支持部203は、後方側の端部において、略円筒状の筐体2031の側面の一部が内側面を有するように後方に向けて延伸しており、当該内周面に沿ってギア2019(内歯車)が形成されている。ピニオンギア2017とギア2019とは嵌合しており、モータ2015の駆動によりピニオンギア2017が回転することで、軸C21を中心としてベース部205に対して支持部203が相対的に回転する。なお、上記した駆動部207の構成はあくまで一例であり、軸C21を中心としてベース部205に対して支持部203が相対的に回転させることが可能であれば、駆動部207の構成は特に限定されない。具体的な一例として、駆動部207は、前述したカメラヘッド101の駆動部107と同様に、リング状の超音波モータを備えていてもよい。
ここで、図39~図42を参照して、支持部203の構造のうち、特に、後方側の端部の構造についてより詳しく説明する。図39及び図40は、変形例に係るカメラヘッドの支持部の構造の一例について説明するための説明図であり、当該支持部の外観を示している。具体的には、図39は、変形例に係るカメラヘッドの支持部の側面図を示している。また、図40は、変形例に係るカメラヘッドの支持部を斜め後方から見た斜視図を示している。また、図41及び図42は、変形例に係るカメラヘッドの支持部の内部構造の一例について説明するための説明図であり、図39及び図40に示す支持部203を、図39に示す軸C21を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。なお、図39及び図41に示す軸C21は、図37及び図39に示す軸C21に相当する。また、図39~図42において、図37及び図38と同様の符号が付された構成は、図37及び図38に示す例と同様の構成を示しているため詳細な説明は省略する。
図39及び図40に示すように、支持部203の後方側の端部には、軸C21に沿って延伸するように略円筒状の凸部2113が、中心軸が当該軸C21と略一致するように形成されている。なお、当該凸部1118は、軸C21に対する動径方向の幅が、筐体2031の当該動径方向の幅よりも短くなるように形成されている。また、前述したように、支持部203は、後方側の端部において、略円筒状の筐体2031の側面の一部が内側面を有するように後方に向けて延伸しており、当該内周面に沿ってギア2019が形成されている。
また、図39~図42に示すように、凸部2113の後方側の端部には、光源供給系213aの後方側の端部(以下、「入射面2135」とも称する)と、端子2005の一部とが露出している。なお、前述したように、光源供給系213aは、支持部203の後方側の端部において、当該光源供給系213aの後方側の端部の中心軸が軸C21(即ち、回転軸)と略一致するように配設される。即ち、xy平面上において、入射面2135の中心の位置は、軸C21の位置と略一致することとなる。また、図39~図42に示すように、端子2005は、凸部2113の後方側の端部において、軸C21から半径方向に離間した位置に配設される。なお、光源供給系213aの後方側の端部(即ち、入射面2135)が、「第3の端部」の一例に相当する。
続いて、図43~図46を参照して、ベース部205の構造のうち、特に、前方側の端部の構造についてより詳しく説明する。図43及び図44は、変形例に係るカメラヘッドのベース部の構造の一例について説明するための説明図であり、当該ベース部の外観を示している。具体的には、図43は、変形例に係るカメラヘッドのベース部を斜め前から見た斜視図を示している。また、図44は、変形例に係るカメラヘッドのベース部の側面図を示している。また、図45及び図46は、変形例に係るカメラヘッドの支持部の内部構造の一例について説明するための説明図であり、図43及び図44に示すベース部205を、図44に示す軸C21を含むyz平面で切断した場合の断面が示されている。なお、図44及び図46に示す軸C21は、図37及び図39に示す軸C21に相当する。また、図43~図46において、図37及び図38と同様の符号が付された構成は、図37及び図38に示す例と同様の構成を示しているため詳細な説明は省略する。
図43、図45、及び図46に示すように、ベース部205の前方側の端部には、軸C21に沿って延伸するように略円筒状に形成された開口を有する凹部2053が、当該開口の中心軸が当該軸C21と略一致するように形成されている。なお、凹部2053は、開口の動径方向の幅(即ち、軸C21に対する動径方向の幅)が、筐体2051の当該動径方向の幅よりも短くなるように形成されている。また、ピニオンギア2017は、ベース部205の前方側の端部において、凹部2053とは異なる位置に位置するように支持される。即ち、ピニオンギア2017は、軸C21を中心として凹部2053よりも外側に位置することとなる。
また、凹部2053は、内径が、支持部203側に設けられた凸部2113の外径よりもわずかに広くなるように形成されている、このような構成の基で、凹部2053に対して凸部2113が嵌合することで、ベース部205に対して軸C21を中心として支持部203が回転可能に支持される。また、凹部2053に対して凸部2113が嵌合した場合には、ピニオンギア2017と、支持部203側に設けられたギア2019とが嵌合する。このような構成により、ベース部205に対して支持部203が支持された状態で、モータ2015の駆動によりピニオンギア2017が回転することで、軸C21を中心としてベース部205に対して支持部203が相対的に回転する。
また、図45及び図46に示すように、凹部2053の開口と、筐体2051の中空部分(即ち、開口2117)と、は連接しておらず、当該凹部2053には、xy方向に延伸するように形成された底部2055が設けられている。なお、凹部2053の開口の深さ(z方向の幅)は、当該凹部2053に対して凸部2013が嵌合した場合に、当該凸部2113の後方側の端部が底部2055に当接するように調整されている。
底部2055には、光源供給系213bの前方側の端部(以下、「出射面2137」とも称する)と、端子2003の一部とが露出している。なお、前述したように、光源供給系213bは、ベース部205の前方側の端部において、当該光源供給系213bの前方側の端部の中心軸が軸C21(即ち、回転軸)と略一致するように配設される。即ち、xy平面上において、出射面2137の中心の位置は、軸C21の位置と略一致することとなる。このような構成により、凹部2053に対して凸部2113が嵌合した場合には、底部2055に露出した出射面2137と、凸部2113の後方側の端部に露出した入射面2135と、が対向した状態となる。また、出射面2137における光源供給系213bの中心軸と、入射面2135における光源供給系213aの中心軸と、のそれぞれが、軸C21と略一致する。そのため、軸C21を中心としてベース部205に対して支持部203が相対的に回転した場合においても、出射面2137と入射面2135とが対向した状態が維持される。なお、光源供給系213bの前方側の端部(即ち、出射面2137)が、「第4の端部」の一例に相当する。
また、図45及び図46に示すように、端子2003は、底面2055において、軸C21から半径方向に離間した位置に配設される。また、図45に示すように、端子2003は、底面2055に露出した部分が、軸C21を中心として円周方向に延伸するリング状に形成されている。このとき、軸C21と端子2003とが半径方向に離間した距離は、凸部2113の後方側の端部において当該軸C21と端子2005とが半径方向に離間した距離と略等しい。このような構成により、凹部2053に対して凸部2113が嵌合した場合には、底面2055に露出した端子2003の少なくとも一部(例えば、円周方向の一部)に対して、凸部2113の後方側の端部に露出した端子2005が当接する。即ち、互いに当接した端子2003及び端子2005を介して、ベース部205側に支持された信号線2001と、支持部203側に支持された信号線2007(ひいては、信号線2009及び2011)と、が電気的に接続される。また、上述した構成により、軸C21を中心としてベース部205に対して支持部203が相対的に回転した場合においても、底面2055に露出した端子2003の少なくとも一部に対して、凸部2113の後方側の端部に露出した端子2005が当接した状態が維持される。即ち、端子2003と端子2005との間の電気的な接続関係が維持されることとなる。
なお、上述した例では、端子2003がリング状に形成されている場合の一例について説明したが、端子2003及び2005のうち少なくとも一方がリング状に形成されていれば、必ずしも端子2003及び2005の構成は上述した例のみには限定されない。即ち、端子2005側がリング状に形成され、当該端子2005の円周方向の一部に対して端子2003が当接するように、端子2003及び2005が構成されていてもよい。また、端子2003及び2005の双方がリング状に形成されていてもよい。
以上のような構成により、変形例に係るカメラヘッド201においては、軸C21を中心としてベース部205に対して支持部203が相対的に回転したとしても、ベース部205側の光源供給系213b及び信号線2001が連動して回転しない。即ち、ベース部205に対して支持部203が回転したとしても、光源供給系213bと信号線2001との束によりが生じないこととなる。そのため、変形例に係るカメラヘッド201においては、軸C21を中心としたベース部205に対する支持部203の相対的な回転に対して、物理的な制限が実質的に生じないこととなる。
以上、本開示の一実施形態に係る医療用撮像装置の変形例として、図37~図46を参照して、カメラヘッドの構造の他の一例について説明した。
<<6.応用例>>
続いて、本実施形態に係る医療用撮像装置の応用例について説明する。
<6.1.応用例1:アームと連動した制御の一例>
まず、応用例1として、本実施形態に係る医療用撮像装置を支持アーム装置に装着した場合に、当該医療用撮像装置の制御と、アーム部の制御とを連動させる場合の一例について説明する。なお、以降の説明では、支持アーム装置400のアーム部420に対して本実施形態に係る医療用撮像装置が装着されるものとする。
例えば、図47は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第1の応用例の一態様について説明するための説明図である。具体的には、図47は、カメラヘッド101に対して固定フォーカスの顕微鏡151が装着された医療用撮像装置150をアーム部420で保持した場合における、アーム部420の制御の一例を模式的に示している。図47において、参照符号150a及び150bは、医療用撮像装置150により被写体4300を異なる方向から撮像した場合における、各方向に対応する当該医療用撮像装置150の位置を模式的に示している。
図47に示す例では、被写体4300に対して医療用撮像装置150を相対的に移動させた場合に、当該医療用撮像装置150の撮像範囲内に被写体4300が位置するように、当該医療用撮像装置150を支持するアーム部420の動きが制限される。また、このとき、顕微鏡151と被写体4300との間の距離が、当該顕微鏡151が被写体4300に合焦する距離に維持されるように、アーム部420の動きが制限されている。このような制御により、顕微鏡151が被写体4300に合焦した状態を維持しながら、当該被写体4300に対して医療用撮像装置150を相対的に移動させる(例えば、ピボット運動させる)ことが可能となる。
このような場合において、アーム部420の動きに応じて、カメラヘッド101におけるベース部105に対する支持部103の相対的な回転(即ち、像素子109及び光源供給系113の回転)が制御されてもよい。これにより、例えば、アーム部420の動きに応じて被写体4300に対する医療用撮像装置150の相対位置が変化した場合においても、ハンドアイコーディネイトが維持されるように、支持部103に支持された撮像素子109の姿勢を制御することも可能となる。
また、図48は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第1の応用例の他の一態様について説明するための説明図である。図48は、カメラヘッド101に対してフォーカス制御が可能な顕微鏡151が装着された医療用撮像装置150をアーム部420で保持した場合における、アーム部420の制御の一例を模式的に示している。図48において、参照符号150a及び150cは、医療用撮像装置150により被写体4300を異なる方向から撮像した場合における、各方向に対応する当該医療用撮像装置150の位置を模式的に示している。
図48に示す例においても、被写体4300に対して医療用撮像装置150を相対的に移動させた場合に、当該医療用撮像装置150の撮像範囲内に被写体4300が位置するように、当該医療用撮像装置150を支持するアーム部420の動きが制限される。一方で、図48に示す例では、AF制御等により顕微鏡151が合焦する距離を制御することが可能である。そのため、図47に示す例とは異なり、顕微鏡151と被写体4300との間の距離が変わったとしても、当該顕微鏡151の焦点距離を制御することで、顕微鏡151が被写体4300に合焦した状態を維持することが可能である。即ち、図48に示す例では、アーム部420の動きに応じて顕微鏡151と被写体4300との間の距離が変化した場合に、当該顕微鏡151の焦点距離が制御されることで、顕微鏡151が被写体4300に合焦した状態を維持される。
なお、このような場合においても、図47に示す例と同様に、アーム部420の動きに応じて、カメラヘッド101におけるベース部105に対する支持部103の相対的な回転(即ち、像素子109及び光源供給系113の回転)が制御されてもよい。
また、図49は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第1の応用例の他の一態様について説明するための説明図である。図49は、カメラヘッド101に対して硬性鏡131が装着された医療用撮像装置100をアーム部420で保持した場合における、アーム部420の制御の一例を模式的に示している。図49において、参照符号100a、100b、及び100cは、硬性鏡131がトロッカを介して体腔内に挿入された状態で、体腔内を異なる方向から撮像した場合における、各方向に対応する医療用撮像装置100の位置及び姿勢を模式的に示している。また、図49において、参照符号N11は、トロッカが保持された位置(以下、「トロッカ点」とも称する)を模式的に示している。
図49に示す例では、硬性鏡131の位置や姿勢が変化するように医療用撮像装置100を移動させた場合においても、トロッカ点N11の位置(即ち、硬性鏡131の鏡筒135が挿入された挿入口の位置)が維持されるように、アーム部420の動きが制限されている。
このような場合においても、図47に示す例と同様に、アーム部420の動きに応じて、カメラヘッド101におけるベース部105に対する支持部103の相対的な回転(即ち、像素子109及び光源供給系113の回転)が制御されてもよい。
以上、応用例1として、図47~図49を参照して、本実施形態に係る医療用撮像装置を支持アーム装置に装着した場合に、当該医療用撮像装置の制御と、アーム部の制御とを連動させる場合の一例について説明した。
<6.2.応用例2:斜視鏡を支持するアームの制御例>
続いて、応用例2として、カメラヘッド101に装着される硬性鏡131として斜視鏡を利用する場合において、ハンドアイコーディネイトの維持を可能とする技術の一例について説明する。
まず、斜視鏡の使用方法と動作について説明する。図50は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第2の応用例について説明するための説明図であり、斜視鏡の動作を説明するための図である。図50を参照すると、斜視鏡光軸C1は、硬性鏡軸C2に対して傾斜している。また、図50を参照すると、内視鏡装置423はカメラヘッドCHを有している。
ここで、スコピストは手術中に、斜視鏡の回転操作に伴い、術者のハンドアイコーディネイトを維持するため、カメラヘッドCHを回転させ、モニタ画面の調整を行う。そして、スコピストがカメラヘッドCHを回転させると、硬性鏡軸C2周りにアーム動特性が変化する。モニタ上の表示画面は、斜視鏡光軸C1周りに回転を行う。図50には、硬性鏡軸C2周りの回転角度がqiとして示され、斜視鏡光軸C1周りの回転角度がqi+1として示されている。
第2の応用例に係る医療用撮像装置は、上記斜視鏡ユニットを、複数の連動リンクとしてモデル化して制御を行う。例えば、図51は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第2の応用例について説明するための説明図であり、図50に示すような硬性鏡軸C2周りの動作および斜視鏡光軸C1周りの動作の特性をモデル化した場合の一例を示している。図51を参照すると、各リンクにおける回転角度が示されている。なお、複数の連動リンクのモデル化に際し、当該複数の連動リンクには、実リンクと仮想リンクとが含まれていてもよい。例えば、図50及び図51に示す例の場合には、硬性鏡軸C2が実リンク(実回転リンク)の軸の一例に相当し、斜視鏡光軸C1が仮想リンク(仮想回転リンク)の軸の一例に相当する。
また、第2の応用例に係る医療用撮像装置は、連動リンクと相対運動空間を用いた拡張により、統一的に全身協調制御を行う。関節空間には、実回転軸と仮想回転軸が考慮される。実回転軸と仮想回転軸は、アーム構成に依らない。また、運動目的には、デカルト空間に加え、相対運動空間が考慮される。デカルト空間の運動目的を変えることで、様々な動作が可能となる。
例えば、図52及び図53は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第2の応用例について説明するための説明図であり、全身協調制御の拡張を6軸アームおよび斜視鏡ユニットに適用した場合における各リンク構成の例を示す図である。
続いて、仮想リンクの設定について説明する。仮想リンクの設定については、例えば、支持アーム装置400の動作を制御する制御部により行われる。そこで、以降の説明では、便宜上、当該制御部を「制御部300」とも称する。
制御部300は、仮想リンクの例としての仮想回転リンクを設定する仮想リンク設定部として機能し得る。例えば、制御部300は、仮想リンクの距離および向きの少なくともいずれか一方を設定することによって仮想リンクを設定する。
制御部300は、アームの実回転リンク先端と、斜視鏡光軸C1上に存在する任意の点及び上記点間を結ぶ線を基準に定義された座標系に基づき仮想回転リンクをモデル化し、全身協調制御を用いる。これによって、アームのハードウェア構成に依存せずに、仮想回転リンク座標系における姿勢固定や、術中であればスコープ挿入位置となるトロッカ点の位置を維持しながら仮想回転リンク先端にある任意点方向への視点固定などの運動目的の実現が可能となる。
制御部300は、接続されるスコープ仕様や、空間上の任意の点に基づいて仮想回転リンクを設定することが可能である。
スコープ仕様は、スコープの斜視角、寸法、フォーカス距離のうち少なくともいずれか一つを含み得る。あるいは、スコープ仕様は、スコープの軸の位置を含んでもよい(スコープの軸に関する情報は、実回転リンクの設定に利用され得る)。これにより、スコープ仕様に応じた運動目的の切り替えも可能となる。
なお、上記では、スコープが斜視鏡である場合を主に想定した。しかし、上記したように、スコープ仕様に基づきスコープの斜視角を任意に変更可能である。したがって、スコープは、直視鏡であってもよいし、側視鏡であってもよい。
一般に、斜視鏡スコープの体内挿入量を変更するズーム操作や、斜視鏡視野方向を変えるスコープ回転操作といったユースケースにおいては、斜視鏡光軸方向を考慮せずにアーム実回転リンク情報だけを基準にその操作を行った場合、観察対象物をカメラ中心に捉え続けることは難しい。
これに対し、観察対象物を先端とした仮想回転リンクをモデル化することで、アーム実回転リンクとその先に接続される仮想回転リンクとの接続関係(斜視鏡の場合斜視角に相当)を維持したまま、仮想回転リンク先端注視動作を運動目的として与えるとよい。すなわち、制御部300は、斜視角可変型の斜視鏡のズーム操作または回転操作に基づいて、仮想回転リンクを動的に更新するとよい。かかる例について、図54および図55を参照しながら説明する。
図54は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第2の応用例について説明するための説明図であり、斜視角可変型の斜視鏡のズーム操作を考慮した仮想回転リンクの更新について説明するための図である。図54を参照すると、斜視角可変型の斜視鏡4100と観察対象物4300とが示されている。例えば、図54に示されるように、制御部300は、ズーム操作が行われた場合、仮想回転リンクの距離および向きを変更することによって(図54に示されるように、拡大操作の場合には、仮想回転リンクの距離を短くし、仮想回転リンクの向きをスコープ軸に対して大きく傾けることによって)、観察対象物4300がカメラ中心に捉えられ、運動目的が実現され得る。
図55は、本実施形態に係る医療用撮像装置の第2の応用例について説明するための説明図であり、斜視角可変型の斜視鏡の回転操作を考慮した仮想回転リンクの更新について説明するための図である。図55を参照すると、斜視角可変型の斜視鏡4100と観察対象物4300とが示されている。例えば、図55に示されるように、制御部300は、回転操作が行われた場合、図55に示されるように、仮想回転リンクの距離を一定にすることによって)、観察対象物4300がカメラ中心に捉えられ、運動目的が実現され得る。
また、上述した仮想リンクの設定に係る技術を、本実施形態に係る医療用撮像装置の利用を前提として適用することも可能である。具体的には、前述したカメラヘッド101において、駆動部107の駆動によりベース部105に対して支持部103が相対的に回転する部分を、実回転リンクとしてみなして、仮想リンク(仮想回転リンク)の設定が行われればよい。
以上、応用例2として、図50~図55を参照して、カメラヘッド101に装着される硬性鏡131として斜視鏡を利用する場合において、ハンドアイコーディネイトの維持を可能とする技術の一例について説明する。
<<7.むすび>>
以上説明したように、本実施形態に係る医療用撮像装置は、患部の像を撮像する撮像部と、光源からの光が上記患部に投光されるように当該光を導光させる光源供給系と、上記撮像部と上記光源供給系とを支持する支持部と、駆動部とを備える。また、駆動部は、上記撮像部の撮像方向に延伸する軸を中心として、当該撮像部と上記光源供給系とが一体的に回転するように上記支持部を回転させる。
以上のような構成により、例えば、撮像部の前段に対して撮像光学系(例えば、硬性鏡等の医療用光学機器)を別途装着した場合においても、撮像部の前段に対して撮像光学系が位置する状態が維持されたまま当該撮像部及び当該撮像光学系を一体的に回転させることが可能となる。即ち、支持部を回転させた場合においても、撮像部の前段に撮像光学系が位置する状態が維持される。これは、支持部に支持された光源供給系の後段に対して、別途光源供給系(即ち、医療用光学機器に設けられた光源供給系)を別途装着した場合についても同様である。
また、上記のような構成により、光源からの光を導光するライトガイドを、医療用撮像装置の後方から当該光源に向けて延伸するように設けることが可能となる。これにより、例えば、硬性鏡等の医療用光学機器に対して上記ライトガイドを接続するための接続部を別途設ける必要がなくなり、シンプルな構成となる。そのため、本実施形態に係る医療用撮像装置は、医療用光学機器に対してライトガイドを接続するための接続部が設けられている場合に比べて、術者による当該医療用撮像装置の取り回しが容易となり、ひいては操作性が向上する。
また、本実施形態に係る医療用撮像装置は、支持部の回転に応じて、撮像部により撮像された画像が回転補正されるように制御することも可能である。これにより、本実施形態に係る医療用撮像装置は、術者のハンドアイコーディネイトの維持をより好適な態様で実現することが可能となる。
また、本実施形態に係る医療用撮像装置は、支持部(換言すると、カメラヘッド)に対して、硬性鏡や顕微鏡等の医療用光学機器を選択的に装着することが可能である。また、このとき、装着する医療用光学機器に応じて、別途ライトガイドを当該医療用光学機器に接続する等の作業が不要となる。即ち、術者は、用途や手技に応じた医療用光学機器を支持部に装着すればよく、手術のたびに機器をテーラーメードで準備するような煩雑な作業が不要となる。また、支持部に対して装着する医療用光学機器を選択的に切り替えることで多様な手技に利用することが可能となるため、手技ごとに機器を個別に保持する必要がなくなり、機器の稼働率の向上、保管場所の削減、及び低コスト化等の効果を期待することも可能となる。また、術者は、複数の機器について操作方法を習得する必要がなくなるため、当該術者の負担を軽減することも可能となる。
なお、上述した例では、カメラヘッドに対して内視鏡(硬性鏡)や顕微鏡等の医療用光学機器が着脱可能に構成されている場合の一例について説明したが、必ずしも本実施形態に係る医療用撮像装置の構成を限定するものではない。即ち、ベース部に対して支持部が相対的に回転することで、当該支持部に支持された撮像素子と光源供給系とが一体的に回転すれば、カメラヘッドと医療用光学機器とが一体的に構成されていてもよい。また、上記では、本実施形態に係る医療用撮像装置の一例として、アーム部により支持されるカメラヘッドの構成の一例について説明したが、必ずしも本実施形態に係る技術の適用先を限定するものではない。即ち、撮像素子と光源供給系とが一体的に構成されることで1つのユニットが構成されれば、上述した本開示に係る技術を適用することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
患部の像を撮像する撮像部と、
光源からの光が前記患部に投光されるように当該光を導光させる光源供給系と、
前記撮像部と前記光源供給系とを支持する支持部と、
前記撮像部の撮像方向に延伸する軸を中心として、当該撮像部と前記光源供給系が回転するように前記支持部を回転させる駆動部と、
を備える、医療用撮像装置。
(2)
前記支持部は、前記撮像部に対して前記患部の像を取得する撮像光学系を着脱可能に構成され、
前記撮像部は、前記撮像光学系により取得された前記患部の像を撮像する、
前記(1)に記載の医療用撮像装置。
(3)
前記支持部の姿勢を検出する姿勢検出部を備える、前記(1)または(2)に記載の医療用撮像装置。
(4)
前記姿勢の検出結果に応じて、前記撮像部による撮像結果に応じた前記患部の画像の向きを補正する補正部を備える、前記(3)に記載の医療用撮像装置。
(5)
前記姿勢の検出結果に応じた情報と、前記患部の画像と、が他の装置に送信される、前記(3)に記載の医療用撮像装置。
(6)
前記軸に沿う開口部を有する中空状に構成され、前記支持部を支持するベース部を備え、
前記駆動部は、前記ベース部に対して前記支持部を相対的に回転させ、
前記ベース部の中空部分に、前記撮像部に電力を供給するための信号線と、前記光源からの光を導光させる光源供給系と、が前記軸に沿って延伸するように配設される、
前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の医療用撮像装置。
(7)
前記支持部に支持された前記光源供給系は、
導光された光が出射される出射端とは逆側に延伸する部分が、前記ベース部の前記中空部分を前記軸に沿って貫通するように支持される、
前記(6)に記載の医療用撮像装置。
(8)
前記撮像部に接続された当該撮像部に電力を供給するための信号線は、
前記撮像部に接続された端部とは逆側に延伸する部分が、前記ベース部の前記中空部分を前記軸に沿って貫通するように支持される、
前記(6)または(7)に記載の医療用撮像装置。
(9)
前記光源供給系として、前記支持部に支持された第1の光源供給系と、前記ベース部に支持された第2の光源供給系と、を含み、
前記第1の光源供給系及び前記第2の光源供給系は、それぞれが延伸する方向の端部が対向するように支持される、
前記(6)に記載の医療用撮像装置。
(10)
前記信号線として、前記支持部に支持された第1の信号線と、前記ベース部に支持された第2の信号線と、を含み、
前記第1の信号線及び前記第2の信号線は、それぞれが延伸する方向の端部が電気的に接続される、
前記(6)または(9)に記載の医療用撮像装置。
(11)
前記第1の信号線及び前記第2の信号線それぞれの前記端部のうち、一方が前記軸を中心に円周方向に延伸するように形成された電極に電気的に接続され、他方が前記電極の少なくとも一部と当接する、
前記(10)に記載の医療用撮像装置。
(12)
前記支持部及び前記ベース部のそれぞれは、前記軸を中心軸とした略円筒状の筐体を有し、
前記駆動部は、前記中心軸を中心として、前記支持部の筐体を、当該筐体の円周方向に、前記ベース部の筐体に対して相対的に回転させる、
前記(6)~(11)のいずれか一項に記載の医療用撮像装置。
(13)
前記駆動部は、リング状の超音波モータを含む、前記(12)に記載の医療用撮像装置。
(14)
患者の体腔内に挿入される鏡筒を含む内視鏡部を備え、
前記撮像部は、前記内視鏡部により取得された前記患部の像を撮像する、
前記(1)~(13)のいずれか一項に記載の医療用撮像装置。
(15)
前記患部の拡大像を取得する顕微鏡部を備え、
前記撮像部は、前記顕微鏡部により取得された前記拡大像を撮像する、
前記(1)~(13)のいずれか一項に記載の医療用撮像装置。
(16)
医療用撮像装置と、
前記医療用撮像装置を支持するアーム部と、
前記アーム部の姿勢を制御する制御部と、
を備え、
前記医療用撮像装置は、
患部の画像を撮像する撮像部と、
光源からの光が前記患部に投光されるように当該光を導光させる光源供給系と、
前記撮像部と前記光源供給系とを支持する支持部と、
前記撮像部の撮像方向に延伸する軸を中心として、当該撮像部と前記光源供給系が回転するように前記支持部を回転させる駆動部と、
を備える、
医療用観察システム。
(17)
前記駆動部は、前記アーム部の姿勢に応じて、前記支持部を回転させる、前記(16)に記載の医療用観察システム。
(18)
前記支持部は、前記撮像部に対して前記患部の像を取得する撮像光学系を着脱可能に構成され、
前記駆動部は、前記支持部に装着された前記撮像光学系と、前記アーム部の姿勢と、に応じて、前記支持部を回転させる、
前記(17)に記載の医療用観察システム。
(19)
前記駆動部は、前記撮像光学系として斜視鏡が装着された場合に、当該斜視鏡の斜視角と、前記アーム部の姿勢と、に応じて、前記支持部を回転させる、前記(18)に記載の医療用観察システム。
(20)
前記制御部は、前記患部と前記医療用撮像装置との間の位置関係に応じて、前記アーム部の姿勢を制御し、
前記駆動部は、前記アーム部の姿勢に応じて、前記支持部を回転させる、
前記(17)または(18)に記載の医療用観察システム。
(21)
前記制御部は、前記医療用撮像装置の位置が変化した場合においても前記撮像部の撮像範囲内に前記患部が位置する状態が維持されるように、前記アーム部の運動を制限する、前記(20)に記載の医療用観察システム。
(22)
前記制御部は、前記医療用撮像装置の位置が変化した場合においても前記撮像部と前記患部との間の距離が維持されるように、前記アーム部の運動を制限する、前記(21)に記載の医療用観察システム。
(23)
前記医療用撮像装置は、患者の体腔内に挿入される鏡筒を含む内視鏡部を備え、
前記制御部は、前記医療用撮像装置の位置が変化した場合においても前記体腔内への前記鏡筒の挿入口の位置が維持されるように、前記アーム部の運動を制限する、
前記(17)または(18)に記載の医療用観察システム。