JP7159579B2 - 医療用保持装置、及び医療用アームシステム - Google Patents

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Description

本開示は、医療用保持装置、医療用アームシステム、及びドレープ装着機構に関する。
従来、例えば下記の特許文献1には、内視鏡操作システム及び内視鏡操作プログラムに関し、撮像部及びベーンモータが回転軸線の回りに回動可能とされた構成が記載されている(段落0037)。
国際公開第2014/155725号
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、内視鏡の先端に1つの回転自由度しかなく、カメラ天地を保持した状態で斜視鏡を軸周りに回転させる斜視回転動作に対応していない。
そこで、カメラヘッドと斜視鏡などの医療用光学機器を光軸周りに独立して回転できるようにすることが求められていた。
本開示によれば、術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転可能に支持する回転機構と、を備える、医療用保持装置が提供される。
また、本開示によれば、術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転させる第2のアクチュエータと、を有する、保持ユニットと、前記保持ユニットが先端に固定された支持アームと、を備える、医療用アームシステムが提供される。
また、本開示によれば、術中の被写体像を取得するための医療用光学機器に連結され、前記医療用光学機器の光軸を中心として前記医療用光学機器とともに回転するドレープ装着部、を備える、ドレープ装着機構が提供される。
以上説明したように本開示によれば、カメラヘッドと斜視鏡などの医療用光学機器を光軸周りに独立して回転することが可能となる
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る医療用保持装置を搭載した医療用支持アーム装置500を示す模式図である。 医療用保持装置の構成を示す断面図である。 2つのアクチュエータの構成を説明するための断面図である。 図1に示した構成から、カメラヘッド側と内視鏡側の構成を除き、医療用保持装置100に関連する主要構成のみを示した状態を示す模式図である。 医療用保持装置とカメラヘッドとの接続部の具体的な構成を示す模式図である。 医療用保持装置とカメラヘッドとの接続部の具体的な構成を示す模式図である。 内視鏡側に設けられるドレープ装着機構の構成を示す模式図である。 ドレープ装着機構を境に、清潔域、不潔域の切り分けを行った状態を示す模式図である。 ドレープ装着機構と医療用保持装置との連結方法の例を示す概略断面図である。 ドレープ装着機構と医療用保持装置との連結方法の例を示す概略断面図である。 内視鏡を固定するための構造を示す模式図である。 一般的な内視鏡の脱着部の機構であるカム機構の例を示す模式図である。 一般的な内視鏡の脱着部の機構であるカム機構の例を示す模式図である。 一般的な内視鏡の脱着部の機構であるカム機構の例を示す模式図である。 カメラヘッド・スコープ非連動オールフリーモードを示す模式図である。 カメラヘッド・スコープ連動オールフリーモードを示す模式図である。 スコープ回転制御とカメラヘッドオールフリーモードの組み合わせを示す模式図である。 カメラヘッド回転制御モードを示す模式図である。 カメラヘッド天地制御モードを示す模式図である。 スコープ回転制御モードを示す模式図である。 内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。 図16に示すカメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図 本開示の実施の形態に係る医療用支持アーム装置の構成例を示す斜視図である。 医療支持アーム装置の構成例を示すブロック図である。 医療用保持装置が1つのアクチュエータを備える場合の医療用保持装置を示す模式図である。 図20に示す医療用保持装置100の回転軸が重力方向に対して傾くように配置した状態を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
2.医療用保持装置の全体構成例
3.医療用保持装置の具体的構成例
4.カメラヘッドとの接続部の構成例
5.ドレープ装着機構の構成例
6.アーム側への接続構造
7.内視鏡の固定構造
8.医療用保持装置を用いた具体的な制御の例
8.1.オールフリー操作モード
8.2.スコープ固定・カメラヘッド回転操作モード
8.3.カメラヘッド固定・スコープ回転操作モード
9.応用例
10.医療用支持アーム装置の具体的構成例
11.内視鏡側のアクチュエータのみを設けた構成例
1.概要
支持アーム装置に装着される一般的な内視鏡(硬性鏡)は、先端の自由度が1自由度であり、カメラヘッドと内視鏡を分離して回転することはできない。直視鏡の場合はカメラヘッドと内視鏡を分離してそれぞれを回転させる必要は生じないが、斜視鏡の場合は、斜視鏡を軸中心に回転させると、回り込んだ視野や上下左右の周辺視野を得ることが可能である。一方、斜視鏡を軸中心に回転させた場合、カメラヘッドが斜視鏡とともに回転すると、重力の方向が画面上で傾いてしまい、視覚に対応した手の操作を的確に行うこと(以下、ハンドアイコーディネーションとも称する)ができなくなる。本実施形態では、内視鏡とカメラヘッドを接続する医療用保持装置を設け、内視鏡とカメラヘッドを相対的に回転できるようにすることで、特に斜視鏡を用いた場合にハンドアイコーディネーションを保ちつつ、視野を広げることができるようにする。
2.医療用保持装置の全体構成例
図1は、本開示の一実施形態に係る医療用保持装置(保持ユニット)100を搭載した医療用支持アーム装置500を示す模式図である。医療用支持アーム装置500は、手術用ベッドに取り付けるためのクランプ部510を有し、クランプ部510を介して手術用ベッドに取り付けられる。医療用保持装置100は、医療用支持アーム装置500の先端に装着され、医療用支持アーム装置500の先端で硬性鏡(例えば、斜視鏡)などの内視鏡300を保持する。また、医療用保持装置100は、内視鏡300の反対側でカメラヘッド200を保持する。つまり、医療用保持装置100は、内視鏡300とカメラヘッド200を装着して両者を接続する機能を有する。カメラヘッド200は、内視鏡300が捉えた被写体像を撮像する。なお、医療用保持装置100は、外視鏡(エクゾスコープ)、医療用顕微鏡、など、内視鏡300以外の医療用光学機器を保持するものであっても良い。医療用支持アーム装置500の構成については、後述する。
3.医療用保持装置の具体的構成例
次に、図2を参照して、本実施形態に係る医療用保持装置100の構成について説明する。図2は、医療用保持装置100の構成を示す断面図である。医療用保持装置100は、2つのアクチュエータ110,120、レンズ鏡筒140、レンズ鏡筒140に装着されたレンズ(不図示)を備え、カメラヘッド200と内視鏡300の2自由度を確保してカメラヘッド200と内視鏡300を連結するアダプタとして機能する。2つのアクチュエータ110,120は、いずれも中空、扁平形状とされており、これにより、全体としての省スペース化を実現することができる。
図3は、2つのアクチュエータ110,120の構成を説明するための断面図である。2つのアクチュエータ110,120はユニット化されており、リング型超音波モータと磁気式エンコーダ(マグネットとIC)を搭載している。なお、アクチュエータの種類は特に限定されるものではなく、超音波モータ以外から構成されていても良いが、中空、扁平であることが望ましい。また、アクチュエータは、カメラヘッド200と内視鏡300を連結するため、内部に光学系、またはカメラ等を配置可能であることが望ましい。例えば、モータと減速機を組み合わせることでアクチュエータを構成することもできる。
2つのアクチュエータ110,120の構成は基本的に同じであるため、ここではアクチュエータ120の構成について説明する。図3に示すように、アクチュエータ120は、ステータ123、ロータ122、出力部124、ベアリング部126、磁気式エンコーダを構成する円環状のマグネット128とセンサ130、を有して構成されている。ステータ123の超音波振動により、ステータ123に対してロータ122が回転し、ロータ122に固定された出力部124が回転する。
ステータ123は、固定枠121に固定されている。固定枠121にはベアリング部126が固定されている。出力部124は、ベアリング部126により回転可能に支持されている。
円環状のマグネット128は出力部124の外周に装着され、出力部124とともに回転する。マグネット128の回転に応じて、マグネット128の位置に応じた信号がセンサ130により検出され、これにより出力部124の回転位置が検出される。なお、出力部124の回転位置を検出する構成は、これに限定されるものではない。
出力部124は、円筒状の中空形状とされ、出力部124の中にレンズ鏡筒140が挿入されている。レンズ鏡筒140は、アクチュエータ110の出力部124に対して固定され、アクチュエータ110の出力部124とともに回転する。レンズ鏡筒140に配置されたレンズは、カメラヘッド200と内視鏡300の間で光学系を延長する機能と、カメラヘッド200への光学系の接続機能を有する。レンズは、カメラヘッド200または内視鏡300に合わせて取り替えが可能なように構成されていても良い。
図1に示すように、2つのアクチュエータ110,120のいずれも、固定枠121が医療用保持装置100のフレーム150に対して固定される。フレーム150は、医療用支持アーム装置500の先端に装着される。アクチュエータ110は、カメラヘッド200側に設けられ、ステータ123に対して回転するレンズ鏡筒140の先端には、内視鏡アダプタ210を介してカメラヘッド200が装着される。
一方、アクチュエータ120は、内視鏡300側に設けられ、ステータ123に対して回転するアクチュエータ120の出力部124とレンズ鏡筒140との間には、所定の空間が設けられている。従って、アクチュエータ120の出力部124に対して、レンズ鏡筒140は自由に回転することができる。
アクチュエータ120の出力部124には、アダプタ160が固定され、アダプタ160には回転機構付きのドレープ装着機構が装着されている。ドレープ装着機構には、内視鏡300のカメラヘッド200側の端部が装着されている。ドレープ装着機構のドレープ装着部600には、清潔域と不潔域を切り分けるドレープが装着される。なお、ドレープ装着機構を使用しない場合は、アクチュエータ120の出力部124には、アダプタ160を介して内視鏡300が直接装着されても良い。また、アクチュエータ120の出力部124とアダプタ160は一体に構成されていても良い。
以上のように構成された医療用保持装置100によれば、カメラヘッド200側に設けられたアクチュエータ110を駆動することで、出力部124に固定されたレンズ鏡筒140が回転し、レンズ鏡筒140とともに内視鏡アダプタ210及びカメラヘッド200が回転する。従って、フレーム150に対してカメラヘッド200を回転することができる。
また、内視鏡300側に設けられたアクチュエータ120を駆動することで、出力部124とともにアダプタ160及びドレープ装着部600が回転し、ドレープ装着部600に装着された内視鏡300がドレープ装着部600と一体的に回転する。従って、フレーム150に対して内視鏡300を回転することができる。
図4は、図1に示した構成から、カメラヘッド200側と内視鏡300側の構成を除き、医療用保持装置100に関連する主要構成のみを示した状態を示す模式図である。フレーム150の形状を任意に変更することで、様々な医療用支持アーム装置500へ搭載することが可能である。
4.カメラヘッドとの接続部の構成例
図5A及び図5Bは、医療用保持装置100とカメラヘッド200との接続部の具体的な構成を示す模式図である。図5Aは、内視鏡アダプタ210を備えるカメラヘッド200を示す模式図である。内視鏡アダプタ210を備えるカメラヘッド200は、通常は内視鏡アダプタ210の部分が内視鏡300に直接装着されるが、本実施形態では、カメラヘッド200と内視鏡300の間に医療用保持装置100を装着するため、内視鏡アダプタ210は医療用保持装置100のレンズ鏡筒140に装着される。このため、レンズ鏡筒140の先端には、内視鏡アダプタ210と連結可能なマウント部が設けられている。
図5Bは、ネジ式のCマウントを備えるカメラヘッド200を医療用保持装置100に連結する場合を示す模式図である。Cマウントを備えるカメラヘッド200は、ネジの締結によりレンズ鏡筒140に装着される。このため、レンズ鏡筒140の先端には、Cマウントの雄ネジが設けられている。
5.ドレープ装着機構の構成例
図6Aは、内視鏡300側に設けられるドレープ装着機構の構成を示す模式図である。本実施形態において、ドレープ装着機構は回転機構を備えている。内視鏡300側のアクチュエータ120の出力部124には、アダプタ160が固定され、アダプタ160には、ドレープ装着部600が装着されている。ドレープ装着部600には、内視鏡300のカメラヘッド200側の端部が装着される凹部602が設けられ、ドレープ装着部600の外周には、フランジ604が設けられている。内視鏡300の先端は、凹部602に挿入され、プレート620が挿入されることによって、ドレープ装着部600と連結される。これにより、内視鏡300は、ドレープ装着部600と一体となって回転する。凹部602と内視鏡300の先端との間には、液体侵入防止のためのOリング630が挿入されている。
フランジ604の外周は、Oリング640を介して固定部材650に設けられた孔652に装着されている。Oリング640は、液体侵入防止のため、またドレープ装着部600のフランジ604を固定部材650に対して摺動させるために設けられている。固定部材650は、例えば医療用保持装置100のフレーム150と連結され、カメラヘッド200又は内視鏡300とともに回転することはない。
以上のような構成により、内視鏡300側に設けられたアクチュエータ120を駆動することで、フレーム150に対してアダプタ160が回転し、アダプタ160とともにドレープ装着部600及び内視鏡300が回転する。一方、固定部材650は回転することなく固定されている。この際、ドレープ装着部600と固定部材650の間に摺動のためのOリング640が設けられているため、ドレープ装着部600は固定部材650に対して摺動しながら回転する。Oリング640を設けたことにより、固定部材650に対してドレープ装着部600が回転した際に、固定部材650とドレープ装着部600の間から液体が侵入することを抑止できる。
従って、ドレープ装着部600は、固定部材650に対して回転可能な機構を有しつつ、医療用保持装置100側への液体等の侵入は遮断する。これにより、図6Bに示すように、ドレープ装着部600を境に、清潔域、不潔域の切り分けを行うことができる。図6Bでは、太線で示す境界Bを境に清潔域、不潔域が分離されている。
また、内視鏡300は、Oリング630を介してドレープ装着部600と連結されるため、内視鏡300とドレープ装着部600との隙間から液体が侵入することも抑止できる。
なお、ドレープ装着部600を回転可能な機構とするため、図6ではOリング640を摺動させた例を示しているが、Oリング640の代わりに密閉式のベアリングを使用しても良い。また、例えば油膜などで液体の侵入を防ぐことができれば、固定部材650に対してドレープ装着部600を直接摺動させても良い。
6.アーム側への接続構造
図7A及び図7Bは、ドレープ装着部600と医療用保持装置100との連結方法の例を示す概略断面図である。図7Aは、ドレープ装着部600を汎用的な内視鏡に接続可能にした場合を示している。また、図7Bは、ドレープ装着部600を医療用保持装置100に対応した専用設計とした場合を示している。
図7Aに示す構成の場合、アダプタ160とドレープ装着部600との連結が汎用性のある既製品と同様に行われる。従って、ドレープ装着部600を使用しない場合は、内視鏡300を直接アダプタ160に装着することが可能となる。換言すれば、ドレープ装着部600のアダプタ160への接続構造と、内視鏡300のドレープ装着部600への接続構造は、同一である。
一方、図7Bに示す構成の場合、ドレープ装着部600を医療用保持装置100に対応した専用設計としているため、ドレープ装着部600及びアダプタ160の光軸方向の厚さを十分に薄くすることができ、更なる小型化を達成できる。
7.内視鏡の固定構造
図8は、内視鏡300を固定するための構造を示す模式図である。内視鏡300を固定する方法に関しては、様々な方法が周知であり、特に限定されるものではない。図8は、図6等に示したプレート620を用いる方法である。プレート620には内視鏡300の先端のフランジ302に対応した長孔622が設けられており、図8の上下方向の長孔622の幅は、水平方向の位置に応じて異なっている。より具体的には、図8の左側に行くほど上下方向の長孔622の幅は狭くなっている。フランジ302を長孔622に挿入し、プレート620を矢印A方向にスライドさせることで、長穴622の縁がフランジ302に係合し、内視鏡300をドレープ装着部600に対して固定できる。
また、図9A、図9B、図9Cは、一般的な内視鏡の脱着部310の機構であるカム機構の例を示す模式図である。上述した医療用保持装置100とドレープ装着部600との連結、医療用保持装置100と内視鏡300との連結において、カム機構を用いることでワンタッチの脱着を実現できる。図9Aでは、脱着部310の内周にリブ312が突出している。図9Bに示すように、図9Aに示す状態から脱着部310の外周を回転すると、リブ312が外側へ退避する。従って、図9Aに示す状態で、脱着部310に装着される相手部材のフランジをリブ312とリブ312の奥の壁面314との間に係合させることで、相手部材と脱着部310は連結される。一方、図9Bに示す状態でリブ312を外側に退避させると、リブ312と相手部材のフランジとの係合が外れ、脱着部310を相手部材から外すことができる。
図9Cは、リブ312が内側に突出した状態を示している。リブ312を駆動する機構は、脱着部310の外周の回転に伴って回転するカムを設け、リブ312に設けられたカムフォロアをカムに係合させるなどの一般的な手法で実現できる。なお、脱着部310の機構は、内視鏡300と医療用保持装置100の連結部のみならず、カメラヘッド200と医療用保持装置100の連結部に適用することができる。
8.医療用保持装置を用いた具体的な制御の例
関節角度及び関節トルクに応じた2つのアクチュエータ制御の同時制御により、本実施形態では、斜視鏡操作モードとして、オールフリー操作モード、スコープ固定・カメラヘッド回転操作モード、カメラヘッド固定・スコープ回転操作モードの3つのモードで制御を行うことができる。
8.1.オールフリー操作モード
オールフリー操作モードでは、内視鏡把持アームを無負荷に近い状態で、手でダイレクト操作して自由な視野展開を可能にする。オールフリーモードにおける無負荷状態は、搭載するアクチュエータ種類によりその実現方法が異なる。医療用支持アーム装置500の関節にトルクセンサレスの超音波モータを搭載した場合は、駆動電圧印加状態での位相差0制御により、ステータとロータ間の摩擦及び起動トルクを最小にすることで、無負荷状態を実現する。各関節にトルクセンサ付力制御型アクチュエータを搭載した場合は、トルクセンサで検出した外力をキャンセルする方向へアクチュエータの回転制御を行う0トルク制御により、無負荷状態を実現する。医療用保持装置100においては、アクチュエータ110,120に搭載された超音波モータに駆動電圧を印加した状態で位相差0制御を行うことで、オールフリー操作モードによる無負荷状態を実現する。
本実施形態では、オールフリー操作モードにおいて、2つのアクチュエータ110,120の連動制御方法の切り換えにより、図10~図12に示す3種類のダイレクト操作のバリエーションに対応する。
図10は、カメラヘッド・スコープ非連動オールフリーモードを示す模式図である。このモードでは、カメラヘッド200の回転軸及び内視鏡300の回転軸に対して独立してオールフリー操作モードによる制御を行うことで、両手を使ったダイレクト操作により、カメラヘッド200の位置及び内視鏡300の位置の同時位置決め操作が可能となる。2つのアクチュエータ110,120のそれぞれを、駆動電圧印加状態で位相差0制御することで、カメラヘッド200と内視鏡300のそれぞれを手で操作することが可能である。カメラヘッド200と内視鏡300の回転軸は、共に無負荷状態とされる。
図11は、カメラヘッド・スコープ連動オールフリーモードを示す模式図である。このモードでは、カメラヘッド200の回転軸に対してオールフリー操作モードによる制御を行い、内視鏡300の回転軸に対してカメラヘッド200の回転角に応じた連動位置制御を行う。これにより、カメラヘッド200の片手把持操作のみでカメラヘッド200及び内視鏡300のダイレクト回転操作が可能となる。この場合、アクチュエータ110を、駆動電圧印加状態で位相差0制御することで、カメラヘッド200をオールフリー操作モードで制御できる。この際、アクチュエータ110のエンコーダでアクチュエータ110の回転角が検出できるため、内視鏡300を駆動するアクチュエータ110は、アクチュエータ110の回転角に応じて駆動される。これにより、カメラヘッド200のオールフリー操作モードによる動きに対して、内視鏡300の動きを連動できる。カメラヘッド200の回転軸は無負荷とされ、内視鏡300の回転軸はカメラヘッド300と連動する。
図12は、スコープ回転制御とカメラヘッドオールフリーモードの組み合わせを示す模式図である。このモードでは、カメラヘッド200の回転軸に対してオールフリー制御を行い、内視鏡300の回転軸は他のインプットデバイスによる回転操作により独立した位置制御を実現する。例えば、内視鏡300の回転は、後述する制御装置350の入力部359に入力された指示値に基づいて制御される。入力部359はインプットデバイスに相当する。カメラヘッド200の回転軸は無負荷とされ、内視鏡300の回転軸はカメラヘッド200に対して独立回転する。
8.2.スコープ固定・カメラヘッド回転操作モード
スコープ固定・カメラヘッド回転操作モードは、医療用支持アーム装置500の位置決め後に、内視鏡300の視野を維持した状態でカメラヘッド200の回転を可能にするものである。スコープ固定・カメラヘッド回転操作モードは、内視鏡300の回転軸の位置固定制御と、アクチュエータの種類及び以下の各モードに応じたカメラヘッド200の回転軸の制御により実現される。以下のいずれのモードにおいても、内視鏡300の回転は固定される。内視鏡300の回転の固定は、超音波モータからなるアクチュエータ120への通電を停止することにより行うことができる。スコープ固定・カメラヘッド回転操作モードは、カメラヘッド200の回転の実現手段が異なる2種類の回転操作バリエーションに対応する。
図13は、カメラヘッド回転制御モードを示す模式図である。このモードでは、カメラヘッド200の回転軸に対するオールフリーによるダイレクト操作、あるいは他のインプットデバイスによる回転操作により、カメラヘッド200の回転を実現する。カメラヘッド200の回転軸は無負荷又はインプットデバイスにより回転制御され、内視鏡300の回転軸は固定される。
図14は、カメラヘッド天地制御モードを示す模式図である。このモードでは、カメラヘッド200の回転軸の角度とアーム姿勢から算出した天地方向にカメラヘッド200を回転する。カメラヘッド天地制御モード中にオペレータ(術者または手術サポートスタッフ)による回転操作は不要である。カメラヘッド200の回転軸は、医療用支持アーム装置500の姿勢から重力方向を計算し、重力方向に追従するようにカメラヘッド200を回転する。内視鏡300の回転軸は固定される。なお、重力方向は、医療用支持アーム装置500の姿勢から算出するのみならず、ジャイロセンサ等のセンサから求めても良い。
8.3.カメラヘッド固定・スコープ回転操作モード
カメラヘッド固定・スコープ回転操作モードは、医療用支持アーム装置500の位置決め後に、カメラヘッド200の位置を維持した状態で内視鏡300の回転方向のみの視野展開を可能にするものである。カメラヘッド固定・スコープ回転操作モードは、カメラヘッド200の回転軸の位置固定制御と、アクチュエータの種類及び操作手段に応じた内視鏡300の回転軸の制御により実現する。カメラヘッド固定・スコープ回転操作モードにおいて、カメラヘッド200の回転は固定される。カメラヘッド200の回転の固定は、超音波モータからなるアクチュエータ110への通電を停止することにより行うことができる。
図15は、スコープ回転制御モードを示す模式図である。このモードでは、内視鏡300の回転軸に対するオールフリーによるダイレクト操作、あるいは他のインプットデバイスによる回転操作により、内視鏡300の回転を実現する。
9.応用例
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。以下に示す支持アーム装置5027は、図1に示した医療用支持アーム装置500に対応する。
図16は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図16では、術者(医師)5067が、内視鏡手術システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001と、その他の術具5017と、内視鏡5001を支持する支持アーム装置5027と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5037と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5025a~5025dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5025a~5025dから、内視鏡5001の鏡筒5003や、その他の術具5017が患者5071の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5017として、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023が、患者5071の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5021は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5017はあくまで一例であり、術具5017としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体腔内の術部の画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5021や鉗子5023を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023は、手術中に、術者5067又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、ベース部5029から延伸するアーム部5031を備える。図示する例では、アーム部5031は、関節部5033a、5033b、5033c、及びリンク5035a、5035bから構成されており、アーム制御装置5045からの制御により駆動される。アーム部5031によって内視鏡5001が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5001の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5001は、先端から所定の長さの領域が患者5071の体腔内に挿入される鏡筒5003と、鏡筒5003の基端に接続されるカメラヘッド5005と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5003を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5001を図示しているが、内視鏡5001は、軟性の鏡筒5003を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5003の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5001には光源装置5043が接続されており、当該光源装置5043によって生成された光が、鏡筒5003の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5071の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5001は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5005の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5039に送信される。なお、カメラヘッド5005には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5005には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5003の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5039は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5001及び表示装置5041の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5039は、カメラヘッド5005から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5039は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5041に提供する。また、CCU5039は、カメラヘッド5005に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
表示装置5041は、CCU5039からの制御により、当該CCU5039によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5001が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5041としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5041として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5041が設けられてもよい。
光源装置5043は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5001に供給する。
アーム制御装置5045は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5027のアーム部5031の駆動を制御する。
入力装置5047は、内視鏡手術システム5000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5047を介して、内視鏡手術システム5000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、アーム部5031を駆動させる旨の指示や、内視鏡5001による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5021を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5047の種類は限定されず、入力装置5047は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5047としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5057及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5047としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5041の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5047は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5047は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5047は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5047が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5067)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5049は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5021の駆動を制御する。気腹装置5051は、内視鏡5001による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5071の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5019を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5053は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5055は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5000において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、基台であるベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、を備える。図示する例では、アーム部5031は、複数の関節部5033a、5033b、5033cと、関節部5033bによって連結される複数のリンク5035a、5035bと、から構成されているが、図16では、簡単のため、アーム部5031の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5031が所望の自由度を有するように、関節部5033a~5033c及びリンク5035a、5035bの形状、数及び配置、並びに関節部5033a~5033cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5031は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5031の可動範囲内において内視鏡5001を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5001の鏡筒5003を患者5071の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5033a~5033cにはアクチュエータが設けられており、関節部5033a~5033cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5045によって制御されることにより、各関節部5033a~5033cの回転角度が制御され、アーム部5031の駆動が制御される。これにより、内視鏡5001の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5045は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5031の駆動を制御することができる。
例えば、術者5067が、入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5045によってアーム部5031の駆動が適宜制御され、内視鏡5001の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5031の先端の内視鏡5001を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5031は、手術室内または手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5045は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5031が移動するように、各関節部5033a~5033cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5031に触れながらアーム部5031を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5031を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5001を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5001が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5027を用いることにより、人手によらずに内視鏡5001の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5045は必ずしもカート5037に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5045は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5045は、支持アーム装置5027のアーム部5031の各関節部5033a~5033cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5045が互いに協働することにより、アーム部5031の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5043は、内視鏡5001に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5043は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5043において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5043は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5043は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5043は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図17を参照して、内視鏡5001のカメラヘッド5005及びCCU5039の機能についてより詳細に説明する。図17は、図16に示すカメラヘッド5005及びCCU5039の機能構成の一例を示すブロック図である。
図17を参照すると、カメラヘッド5005は、その機能として、レンズユニット5007と、撮像部5009と、駆動部5011と、通信部5013と、カメラヘッド制御部5015と、を有する。また、CCU5039は、その機能として、通信部5059と、画像処理部5061と、制御部5063と、を有する。カメラヘッド5005とCCU5039とは、伝送ケーブル5065によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5005の機能構成について説明する。レンズユニット5007は、鏡筒5003との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5003の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5005まで導光され、当該レンズユニット5007に入射する。レンズユニット5007は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5007は、撮像部5009の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5009は撮像素子によって構成され、レンズユニット5007の後段に配置される。レンズユニット5007を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5009によって生成された画像信号は、通信部5013に提供される。
撮像部5009を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5067は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5009を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5067は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5009が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5007も複数系統設けられる。
また、撮像部5009は、必ずしもカメラヘッド5005に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5009は、鏡筒5003の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5011は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5015からの制御により、レンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5009による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5013は、CCU5039との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5013は、撮像部5009から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5067が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5013には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信される。
また、通信部5013は、CCU5039から、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5013は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5015に提供する。なお、CCU5039からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5013には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5015に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5039の制御部5063によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5001に搭載される。
カメラヘッド制御部5015は、通信部5013を介して受信したCCU5039からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5005の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5009の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5011を介してレンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5015は、更に、鏡筒5003やカメラヘッド5005を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5007や撮像部5009等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5005について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5039の機能構成について説明する。通信部5059は、カメラヘッド5005との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5059は、カメラヘッド5005から、伝送ケーブル5065を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5059には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5059は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5061に提供する。
また、通信部5059は、カメラヘッド5005に対して、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5061は、カメラヘッド5005から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5061は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5061は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5061が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5061は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5063は、内視鏡5001による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5063は、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5063は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5001にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5063は、画像処理部5061による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5063は、画像処理部5061によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5041に表示させる。この際、制御部5063は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5063は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5021使用時のミスト等を認識することができる。制御部5063は、表示装置5041に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5067に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5005及びCCU5039を接続する伝送ケーブル5065は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5065を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5005とCCU5039との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5065を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5065によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の一例について説明した。なお、ここでは、一例として内視鏡手術システム5000について説明したが、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術は、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
10.医療用支持アーム装置の具体的構成例
次に、本開示の実施の形態に係る医療用支持アーム装置の具体的構成例について詳細に説明する。以下に説明する支持アーム装置は、アーム部の先端に内視鏡を支持する支持アーム装置として構成された例であるが、本実施形態は係る例に限定されない。
まず、図18を参照して、本実施形態に係る支持アーム装置400の概略構成について説明する。図18は、本実施形態に係る支持アーム装置400の外観を示す概略図である。
本実施形態に係る支持アーム装置400は、ベース部410及びアーム部420を備える。ベース部410は支持アーム装置400の基台であり、ベース部410からアーム部420が延伸される。また、図18には図示しないが、ベース部410内には、支持アーム装置400を統合的に制御する制御部が設けられてもよく、アーム部420の駆動が当該制御部によって制御されてもよい。当該制御部は、例えばCPUやDSP等の各種の信号処理回路によって構成される。
アーム部420は、複数の能動関節部421a~421fと、複数のリンク422a~422fと、アーム部420の先端に設けられた先端ユニットとしての内視鏡装置423とを有する。
リンク422a~422fは略棒状の部材である。リンク422aの一端が能動関節部421aを介してベース部410と連結され、リンク422aの他端が能動関節部421bを介してリンク422bの一端と連結され、さらに、リンク422bの他端が能動関節部421cを介してリンク422cの一端と連結される。リンク422cの他端は受動スライド機構100を介してリンク422dに連結され、さらに、リンク422dの他端は受動関節部200を介してリンク422eの一端と連結される。リンク422eの他端は能動関節部421d,421eを介してリンク422fの一端と連結される。内視鏡装置423は、アーム部420の先端、すなわち、リンク422fの他端に、能動関節部421fを介して連結される。このように、ベース部410を支点として、複数のリンク422a~422fの端同士が、能動関節部421a~421f、受動スライド機構100及び受動関節部200によって互いに連結されることにより、ベース部410から延伸されるアーム形状が構成される。
かかるアーム部420のそれぞれの能動関節部421a~421fに設けられたアクチュエータが駆動制御されることにより、内視鏡装置423の位置及び姿勢が制御される。本実施形態において、内視鏡装置423は、その先端が施術部位である患者の体腔内に進入して施術部位の一部領域を撮影する。ただし、アーム部420の先端に設けられる先端ユニットは内視鏡装置423に限定されず、アーム部420の先端には先端ユニットとして各種の医療用器具が接続されてよい。このように、本実施形態に係る支持アーム装置400は、医療用器具を備えた医療用支持アーム装置として構成される。
ここで、以下では、図18に示すように座標軸を定義して支持アーム装置400の説明を行う。また、座標軸に合わせて、上下方向、前後方向、左右方向を定義する。すなわち、床面に設置されているベース部410に対する上下方向をz軸方向及び上下方向と定義する。また、z軸と互いに直交する方向であって、ベース部410からアーム部420が延伸されている方向(すなわち、ベース部410に対して内視鏡装置423が位置している方向)をy軸方向及び前後方向と定義する。さらに、y軸及びz軸と互いに直交する方向をx軸方向及び左右方向と定義する。
能動関節部421a~421fはリンク同士を互いに回動可能に連結する。能動関節部421a~421fはアクチュエータを有し、当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸に対して回転駆動される回転機構を有する。各能動関節部421a~421fにおける回転駆動をそれぞれ制御することにより、例えばアーム部420を伸ばしたり、縮めたり(折り畳んだり)といった、アーム部420の駆動を制御することができる。ここで、能動関節部421a~421fは、例えば公知の全身協調制御及び理想関節制御によってその駆動が制御され得る。上述したように、能動関節部421a~421fは回転機構を有するため、以下の説明において、能動関節部421a~421fの駆動制御とは、具体的には、能動関節部421a~421fの回転角度及び/又は発生トルク(能動関節部421a~421fが発生させるトルク)が制御されることを意味する。
受動スライド機構100は、受動形態変更機構の一態様であり、リンク422cとリンク422dとを所定方向に沿って互いに進退動可能に連結する。例えば受動スライド機構100は、リンク422cとリンク422dとを互いに直動可能に連結してもよい。ただし、リンク422cとリンク422dとの進退運動は直線運動に限られず、円弧状を成す方向への進退運動であってもよい。受動スライド機構100は、例えばユーザによって進退動の操作が行われ、リンク422cの一端側の能動関節部421cと受動関節部200との間の距離を可変とする。これにより、アーム部420の全体の形態が変化し得る。受動スライド機構100の構成の詳細は後述する。
受動関節部200は、受動形態変更機構の一態様であり、リンク422dとリンク422eとを互いに回動可能に連結する。受動関節部200は、例えばユーザによって回動の操作が行われ、リンク422dとリンク422eとの成す角度を可変とする。これにより、アーム部420の全体の形態が変化し得る。受動関節部200の構成の詳細は後述する。
なお、本明細書において、「アーム部の姿勢」とは、一つ又は複数のリンクを挟んで隣り合う能動関節部同士の間の距離が一定の状態で、制御部による能動関節部421a~421fに設けられたアクチュエータの駆動制御によって変化し得るアーム部の状態をいう。また、「アーム部の形態」とは、受動形態変更機構が操作されることに伴って、リンクを挟んで隣り合う能動関節部同士の間の距離や、隣り合う能動関節部の間をつなぐリンク同士の成す角度が変わることで変化し得るアーム部の状態をいう。
本実施形態に係る支持アーム装置400は、6つの能動関節部421a~421fを有し、アーム部420の駆動に関して6自由度が実現されている。つまり、支持アーム装置400の駆動制御は制御部による6つの能動関節部421a~421fの駆動制御により実現される一方、受動スライド機構100及び受動関節部200は、制御部による駆動制御の対象とはなっていない。
具体的には、図18に示すように、能動関節部421a,421d,421fは、接続されている各リンク422a,422eの長軸方向及び接続されている内視鏡装置423の撮影方向を回転軸方向とするように設けられている。能動関節部421b,421c,421eは、接続されている各リンク422a~422c,422e,422f及び内視鏡装置423の連結角度をy-z平面(y軸とz軸とで規定される平面)内において変更する方向であるx軸方向を回転軸方向とするように設けられている。このように、本実施形態においては、能動関節部421a,421d,421fは、いわゆるヨーイングを行う機能を有し、能動関節部421b,421c,421eは、いわゆるピッチングを行う機能を有する。
このようなアーム部420の構成を有することにより、本実施形態に係る支持アーム装置400ではアーム部420の駆動に対して6自由度が実現されるため、アーム部420の可動範囲内において内視鏡装置423を自由に移動させることができる。図18では、内視鏡装置423の移動可能範囲の一例として半球を図示している。半球の中心点RCM(遠隔運動中心)が内視鏡装置423によって撮影される施術部位の撮影中心であるとすれば、内視鏡装置423の撮影中心を半球の中心点に固定した状態で、内視鏡装置423を半球の球面上で移動させることにより、施術部位を様々な角度から撮影することができる。
ここまで、本実施形態に係る支持アーム装置400の構成について説明した。以下、本実施形態に係る支持アーム装置400におけるアーム部420の駆動制御、すなわち、能動関節部421a~421fに設けられたアクチュエータ430の回転駆動を制御するための制御装置の構成例について説明する。
図19は、制御装置350を含む支持アーム装置400の全体構成例を示すブロック図である。制御装置350は、制御部351と記憶部357と入力部359とを備える。
制御部351は、例えばCPUやDSP等の各種の信号処理回路によって構成される。制御部351は、制御装置350を統合的に制御するとともに、支持アーム装置400におけるアーム部420の駆動を制御するための各種の演算を行う。具体的に、制御部351は、全身協調制御部353と理想関節制御部355とを有する。全身協調制御部353は、支持アーム装置400のアーム部420の能動関節部421a~421fに設けられたアクチュエータ430を駆動制御するために、全身協調制御における各種の演算を行う。理想関節制御部355は、外乱の影響を補正することにより全身協調制御に対する理想的な応答を実現する理想関節制御における各種の演算を行う。記憶部357は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶素子であってもよく、あるいは、半導体メモリ、ハードディスク、外付けの記憶装置であってよい。
入力部359は、ユーザが制御部351に対して支持アーム装置400の駆動制御に関する情報や命令等を入力するための入力インタフェースである。入力部359は、例えばレバー、ペダル等のユーザが操作する操作手段を有し、当該レバー、ペダル等の操作に応じて、アーム部420の各構成部材の位置や速度等が、瞬時的な運動目的として設定されてもよい。かかる入力部359は、例えばレバーやペダルの他、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン及びスイッチ等のユーザが操作する操作手段を有してもよい。
また、制御装置350により制御されるアーム部420は、能動関節部421を備える。能動関節部421(421a~421f)は、リンク422a~422f及び内視鏡装置423を接続又は支持するための支持部材等、アーム部420の駆動に必要な各種の構成を有する。ここまでの説明及び以下の説明において、アーム部420の関節部の駆動とは、能動関節部421a~421fにおけるアクチュエータ430の駆動を意味していてもよい。
能動関節部421は、トルクセンサ428、エンコーダ427及びアクチュエータ430を備える。なお、図19では、アクチュエータ430とエンコーダ427及びトルクセンサ428とが分離して図示されているが、エンコーダ427及びトルクセンサ428はアクチュエータ430に含まれて構成されてもよい。
アクチュエータ430は、モータと、モータドライバと、減速機と、から構成される。アクチュエータ430は、例えば力制御に対応するアクチュエータである。アクチュエータ430では、モータの回転が減速機によって所定の減速比で減速され、出力軸を介して後段の他の部材に伝達されることにより、当該他の部材が駆動されることとなる。
モータは、回転駆動力を生み出す駆動機構である。モータは、モータドライバからの制御により、制御部からのトルク指令値に対応するトルクを発生するように駆動される。モータとしては、例えばブラシレスモータが用いられる。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、モータとしては各種の公知の種類のモータが用いられてよい。
モータドライバは、モータに電流を供給することによりモータを回転駆動させるドライバ回路(ドライバIC(Integrated Circuit))であり、モータに供給する電流量を調整することにより、モータの回転数を制御することができる。モータドライバは、制御部からのトルク指令値τに対応する電流をモータに供給することにより、当該モータを駆動させる。
また、モータドライバは、モータに供給する電流量を調整することにより、アクチュエータ430の回転運動における粘性抵抗係数を調整することができる。これにより、アクチュエータ430における回転運動、すなわち、能動関節部421a~421fにおける回転運動に対して、所定の抵抗を負荷することが可能となる。例えば、能動関節部421a~421fを、外部から加えられる力に対して回転しやすい状態(すなわち、アーム部420を手動で移動しやすい状態)にすることもできるし、逆に、外部から加えられる力に対して回転し難い状態(すなわち、アーム部420を手動で移動し難い状態)にすることもできる。上述したオールフリーモードは、能動関節部421a~421fを、外部から加えられる力に対して回転しやすい状態にすることで実現される。
モータの回転軸(駆動軸)には、減速機が連結される。減速機は、連結されたモータの回転軸の回転速度(すなわち、入力軸の回転速度)を、所定の減速比で減速させて出力軸に伝達する。本実施形態では、減速機の構成は特定のものに限定されず、減速機としては各種の公知の種類の減速機が用いられてよい。ただし、減速機としては、例えばハーモニックドライブ(登録商標)等の、高精度に減速比が設定可能なものが用いられることが好ましい。また、減速機の減速比は、アクチュエータ430の用途に応じて適宜設定され得る。例えば、本実施形態のように、アクチュエータ430が支持アーム装置400の能動関節部421a~421fに適用される場合であれば、1:100程度の減速比を有する減速機が好適に用いられ得る。
エンコーダ427は、入力軸の回転角度(すなわち、モータの回転軸の回転角度)を検出する。エンコーダ427によって検出された入力軸の回転数と、減速機の減速比と、に基づいて、能動関節部421a~421fの回転角度、回転角速度及び回転角加速度等の情報を得ることができる。エンコーダ427としては、例えば磁気式エンコーダ、光学式エンコーダ等の各種の公知のロータリエンコーダが用いられてよい。なお、エンコーダ427は、アクチュエータ430の入力軸にのみ設けられてもよいし、減速機よりも後段に、アクチュエータ430の出力軸の回転角度等を検出するためのエンコーダが更に設けられてもよい。
トルクセンサ428は、アクチュエータ430の出力軸に接続され、アクチュエータ430に作用するトルクを検出する。トルクセンサ428は、アクチュエータ430によって出力されるトルク(発生トルク)を検出する。また、トルクセンサ428は、アクチュエータ430に外部から加えられる外トルクも検出することができる。
以上、能動関節部421の構成について説明した。ここで、本実施形態では、アーム部420の動作が力制御によって制御される。当該力制御においては、支持アーム装置400では、各アクチュエータ430に設けられたエンコーダ427及びトルクセンサ428によって、各能動関節部421a~421fの回転角度、及び各能動関節部421a~421fに作用するトルクがそれぞれ検出される。このとき、トルクセンサ428によって検出される各能動関節部421a~421fに作用するトルクには、アーム部420及び/又は内視鏡装置423に作用する力も含まれ得る。
また、エンコーダ427によって検出された回転角度、及びトルクセンサ428によって検出されたトルク値に基づいて、現在のアーム部420の状態(位置、速度等)が取得され得る。支持アーム装置400では、取得されたアーム部420の状態(アーム状態)に基づいて、アーム部420が所望の運動目的を実行するために必要な、各能動関節部421a~421fに設けられたアクチュエータ430が発生すべきトルクが算出され、当該トルクを制御値として各能動関節部421a~421fのアクチュエータ430が駆動されることになる。
なお、アクチュエータ430としては、一般的に力制御によってその動作が制御される各種の装置において用いられている、各種の公知のアクチュエータを用いることができる。例えば、アクチュエータ430としては、本願出願人による先行特許出願である特開2009-269102号公報や特開2011-209099号公報等に記載のものを好適に用いることができる。
本実施形態に係る支持アーム装置400において、アクチュエータ430、及びアクチュエータを構成する各部品の構成は上記の構成に限定されず、他の構成であってもよい。
11.内視鏡側のアクチュエータのみを設けた構成例
以上の説明では、2つのアクチュエータ110,120を備える医療用保持装置100について説明した。一方、医療用保持装置100は、1つのアクチュエータのみを備えていても良い。この場合、カメラヘッド200に対して内視鏡300を回転させるための回転機構とアクチュエータを少なくとも1つ搭載し、カメラヘッド200に対する内視鏡300の回転を実現する。
図20は、医療用保持装置100が1つのアクチュエータを備える場合の医療用保持装置100を示す模式図である。図20に示す例では、図2に示した2つのアクチュエータ110,120のうち、アクチュエータ120のみが設けられている。また、図20に示す例では、図2に示したアクチュエータ110の全ての構成は設けられていないが、アクチュエータ110の構成のうち、ステータ123とロータ122以外の構成が設けられている。具体的には、図2に示したアクチュエータ110構成のうち、固定枠121、出力部124、ベアリング部126が設けられている。このため、出力部124はベアリング部126により固定枠121に対して自由に回転可能に支持されており、これにより、カメラヘッド200を自由に回転させる回転機構が実現されている。
従って、図20に示す医療用保持装置100の構成によれば、図2に示す医療用保持装置100と同様に、内視鏡300側に設けられたアクチュエータ120を駆動することで、出力部124とともにアダプタ160及びドレープ装着部600が回転し、ドレープ装着部600に装着された内視鏡300がドレープ装着部600と一体的に回転する。これにより、フレーム150に対して内視鏡300を回転することができる。
一方、図20に示す医療用保持装置100の構成によれば、図2に示す医療用保持装置100とは異なり、カメラヘッド200側のアクチュエータ110の構成のうち、ステータ123とロータ122が設けられていない。このため、出力部124はベアリング部126により固定枠121に対して自由に回転可能であり、出力部124に固定されたレンズ鏡筒140も固定枠121に対して自由に回転可能である。従って、フレーム150に対して、レンズ鏡筒140、内視鏡アダプタ210及びカメラヘッド200が自由に回転できる。これにより、フレーム150に対してカメラヘッド200を自由に回転することができるため、例えば、術者がカメラヘッド200を手で回転させることにより、カメラヘッド200によって撮影される画像の天地の方向を自由に変化させることができる。
また、カメラヘッド200の天地方向の制御に関しては、カメラヘッド200を保持する出力部124、内視鏡アダプタ210などの部材に対し、回転軸(カメラヘッド200の光軸)に対してずらした位置に錘を取り付け、錘の自重でカメラヘッド200の天地方向を制御することができる。なお、錘の取り付け位置を回転軸からずらした位置にすることは必須ではなく、例えば、重心が回転軸からずれている錘を回転軸上に取り付けて天地方向を制御してもよい。すなわち、錘の重心が回転軸上からずれていることで重力方向に錘が回転し、カメラヘッド200の天地方向を制御することができる。
図21は、図20に示す医療用保持装置100の回転軸が重力方向に対して傾くように配置した状態を示す模式図である。図21に示すように、図2に示したアクチュエータ110に対応する出力部124には、錘700が取り付けられている。図21において、矢印A1の方向は重力方向であり、矢印A2の方向はカメラヘッド200の天地方向である。錘700の自重で出力部124が回転し、錘700が重力方向に下がることにより、出力部124、内視鏡アダプタ210、カメラヘッド200が一体に回転し、錘700が最下点に位置すると、カメラヘッド200の天地方向が重力方向と一致する。これにより、カメラヘッド200をフレーム150に対して回転させるアクチュエータ110を設けることなく、カメラヘッド200の天地方向を重力方向に制御することができる。なお、回転軸に対する錘700の位置をカメラヘッド200の天地方向とずらすことで、錘700が最下点に位置したときのカメラヘッド200の角度は任意に設定できる。
また、図20に示す医療用保持装置100では、図2に示すアクチュエータ110の構成のうち、ステータ123とロータ122以外の構成が設けられている。このため、図3に示した、磁気式エンコーダを構成する円環状のマグネット128とセンサ130が設けられている。従って、マグネット128の回転に応じて、マグネット128の位置に応じた信号がセンサ130により検出され、これにより出力部124の回転位置が検出される。
このため、磁気式エンコーダによって検出される出力部124の回転位置に基づいて、カメラヘッド200の回転位置を取得することができ、カメラヘッド200の天地方向を取得することができる。そして、カメラヘッド200の天地方向が判ると、カメラヘッド200により撮像された画像を画像処理することで、撮像画像の天地方向が正しくなるように表示することができる。この場合に、図17に示す画像処理部5061は、磁気式エンコーダによって検出される出力部124の回転位置に基づいて、カメラヘッド200により撮像された画像の画像処理を行う。例えば、カメラヘッド200の天地方向が出力部124の回転位置(=0)に対応する場合において、磁気式エンコーダによって検出される出力部124の回転位置が30°であれば、撮像画像を画像処理により30°だけ回転させる。これにより、撮像画像の天地方向が正しくなるように補正することができ、撮像画像の天地方向を最適化することができる。
以上のように、図20に示す医療用保持装置100によれば、1つのアクチュエータ120を搭載することで、アクチュエータ120の駆動によりフレーム150に対して内視鏡300を回転することができる。また、カメラヘッド200側では、フレーム150に対してカメラヘッド200を自由に回転することができる。これにより、医療用保持装置100をより簡素な構成とすることができ、製造コストを低減することができる。
更に、カメラヘッド200の天地方向の制御については、錘700を取り付けることにより、またはカメラヘッド200の回転位置を検出して画像処理を行うことにより、天地方向を最適に制御することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、カメラヘッド200と内視鏡300を独立して回転させることが可能となる。これにより、例えばカメラヘッド200の天地を保持した状態での内視鏡300の回転を実現することも可能となる。また、ドレープ装着部600を用いて清潔域の担保が可能になり、斜視鏡を用いた内視鏡下外科手術に医療用保持機構を搭載した医療用アームの適応を実現することができる。
また、回転機構付きのドレープ装着部600を設けたことにより、内視鏡300を回転させた際のドレープの絡み付きを抑制することができ、360°以上の自由な内視鏡300の回転を実現することが可能となる。
また、内視鏡300の回転対応の医療用保持装置100を医療の現場に導入することにより、現場での稼働率を向上することができ、人からの置き換えで人員削減が可能となる。更に、操作が難しいとされる斜視鏡回転作業を機械が人の代わりに実現することも想定できる。また、汎用的な医療用カメラ、内視鏡への対応で内視鏡ホルダーの経済性を向上することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1) 術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、
前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転可能に支持する回転機構と、
を備える、医療用保持装置。
(2) 前記カメラヘッドを光軸中心に回転させる第2のアクチュエータを備える、前記(1)に記載の医療用保持装置。
(3) 前記カメラヘッドの光軸からずれた位置に重心を持つ錘を備え、
前記錘の自重により、前記回転機構を介して前記カメラヘッドが光軸中心に回転する、前記(1)に記載の医療用保持装置。
(4) 前記回転機構は、前記カメラヘッドの回転位置を検出するエンコーダを含み、
前記カメラヘッドにより撮像された撮像画像の天地方向が、前記エンコーダにより検出された前記回転位置に応じて、画像処理により最適化される、前記(1)に記載の医療用保持装置。
(5) 前記医療用光学機器は、硬性鏡である、前記(1)~(4)のいずれかに記載の医療用保持装置。
(6) 前記硬性鏡は、斜視鏡である、前記(5)に記載の医療用保持装置。
(7) 前記第1のアクチュエータは、フレームに固定されるステータと、前記ステータにより回転されて前記医療用光学機器と一体に回転するロータとを有する、前記(1)~(6)のいずれかに記載の医療用保持装置。
(8) 前記第2のアクチュエータは、フレームに固定されるステータと、前記ステータにより回転されて前記カメラヘッドと一体に回転するロータとを有する、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(9) 前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータは中空形状であり、前記医療用光学機器の光軸と前記カメラヘッドの光軸が前記中空形状の内部を通る、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(10) 前記中空形状の内部にレンズ鏡筒を備える、前記(9)に記載の医療用保持装置。
(11) 前記第2のアクチュエータの駆動により前記レンズ鏡筒と前記カメラヘッドが一体に回転する、前記(10)に記載の医療用保持装置。
(12) 清潔域と不潔域を切り分けるドレープ装着部を備え、
前記医療用光学機器は、前記第1のアクチュエータの駆動力を出力する出力部に対して前記ドレープ装着部を介して連結され、前記出力部及び前記ドレープ装着部とともに回転する、前記(1)~(11)のいずれかに記載の医療用保持装置。
(13) 前記ドレープ装着部は、前記医療用光学機器の光軸を中心軸とする円形の外形を有し、
前記ドレープ装着部の外形は固定部材に嵌合し、前記ドレープ装着部は前記固定部材に対して回転する、前記(12)に記載の医療用保持装置。
(14) 前記ドレープ装着部の外形と前記固定部材との間にOリングが挿入された、前記(13)に記載の医療用保持装置。
(15) 前記ドレープ装着部、前記固定部材、及び前記Oリングにより清潔域と不潔域を分離する、前記(14)に記載の医療用保持装置。
(16) 前記第2のアクチュエータの駆動力を出力する出力部に前記カメラヘッドを脱着可能な脱着部を備える、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(17) 前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを支持し、医療用支持アーム装置の先端に装着されるフレームを備える、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(18) 前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータは、リング状の超音波モータから構成される、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(19) 前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータは、無負荷状態で駆動される、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(20) 前記第1のアクチュエータは前記第2のアクチュエータに連動して回転する、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(21) 前記第1のアクチュエータの駆動は固定され、前記第2のアクチュエータは前記カメラヘッドの画像の天地を制御する、請求項(2)に記載の医療用保持装置。
(22) 前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータの一方の駆動が固定され、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータの他方は無負荷状態で駆動される、前記(2)に記載の医療用保持装置。
(23) 術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転させる第2のアクチュエータと、を有する、保持ユニットと、
前記保持ユニットが先端に固定された支持アームと、
を備える、医療用アームシステム。
(24) 術中の被写体像を取得するための医療用光学機器に連結され、前記医療用光学機器の光軸を中心として前記医療用光学機器とともに回転するドレープ装着部、
を備える、ドレープ装着機構。
(25) 前記ドレープ装着部は、前記医療用光学機器の光軸を中心軸とする円形の外形を有し、
前記ドレープ装着部の外形は固定部材に嵌合し、前記ドレープ装着部は前記固定部材に対して回転する、前記(24)に記載のドレープ装着機構。
(26) 前記ドレープ装着部の外形と前記固定部材との間にOリングが挿入された、前記(25)に記載のドレープ装着機構。
(27) 前記ドレープ装着部、前記固定部材、及び前記Oリングにより清潔域と不潔域を分離する、前記(26)に記載のドレープ装着機構。
100 医療用保持装置
110,120 アクチュエータ
122 ロータ
123 ステータ
140 レンズ鏡筒
150 フレーム
200 カメラヘッド
300 内視鏡
500 医療用支持アーム装置
600 ドレープ装着部
640 Oリング
700 錘

Claims (13)

  1. 術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、
    前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転可能に支持する回転機構と、
    前記カメラヘッドを光軸中心に回転させる第2のアクチュエータと、
    を備え
    前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータは中空形状であり、前記医療用光学機器の光軸と前記カメラヘッドの光軸が前記中空形状の内部を通り、
    前記中空形状の内部にレンズ鏡筒を備え、
    前記第2のアクチュエータの駆動により前記レンズ鏡筒と前記カメラヘッドが一体に回転する、
    医療用保持装置。
  2. 前記回転機構は、前記カメラヘッドの回転位置を検出するエンコーダを含み、
    前記カメラヘッドにより撮像された撮像画像の天地方向が、前記エンコーダにより検出された前記回転位置に応じて、画像処理により最適化される、請求項1に記載の医療用保持装置。
  3. 前記医療用光学機器は、硬性鏡である、請求項1又は2に記載の医療用保持装置。
  4. 前記硬性鏡は、斜視鏡である、請求項に記載の医療用保持装置。
  5. 前記第1のアクチュエータは、フレームに固定されるステータと、前記ステータにより回転されて前記医療用光学機器と一体に回転するロータとを有する、請求項1から4のいずれか一つに記載の医療用保持装置。
  6. 前記第2のアクチュエータは、フレームに固定されるステータと、前記ステータにより回転されて前記カメラヘッドと一体に回転するロータとを有する、請求項1から5のいずれか一つに記載の医療用保持装置。
  7. 清潔域と不潔域を切り分けるドレープ装着部を備え、
    前記医療用光学機器は、前記第1のアクチュエータの駆動力を出力する出力部に対して前記ドレープ装着部を介して連結され、前記出力部及び前記ドレープ装着部とともに回転する、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用保持装置。
  8. 前記ドレープ装着部は、前記医療用光学機器の光軸を中心軸とする円形の外形を有し、
    前記ドレープ装着部の外形は固定部材に嵌合し、前記ドレープ装着部は前記固定部材に対して回転する、請求項に記載の医療用保持装置。
  9. 前記ドレープ装着部の外形と前記固定部材との間にOリングが挿入された、請求項に記載の医療用保持装置。
  10. 前記ドレープ装着部、前記固定部材、及び前記Oリングにより清潔域と不潔域を分離する、請求項に記載の医療用保持装置。
  11. 術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、
    前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転可能に支持する回転機構と、
    前記カメラヘッドを光軸中心に回転させる第2のアクチュエータと、
    を備え、
    前記第1のアクチュエータの駆動は固定され、前記第2のアクチュエータは前記カメラヘッドの画像の天地を制御する、医療用保持装置。
  12. 術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転可能に支持する回転機構と、前記カメラヘッドを光軸中心に回転させる第2のアクチュエータと、を有する、保持ユニットと、
    前記保持ユニットが先端に固定された支持アームと、
    を備え、
    前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータは中空形状であり、前記医療用光学機器の光軸と前記カメラヘッドの光軸が前記中空形状の内部を通り、
    前記中空形状の内部にレンズ鏡筒を備え、
    前記第2のアクチュエータの駆動により前記レンズ鏡筒と前記カメラヘッドが一体に回転する、医療用アームシステム。
  13. 術中の被写体像を取得するための医療用光学機器を光軸中心に回転させる第1のアクチュエータと、前記医療用光学機器を通して前記被写体像を撮像するカメラヘッドを光軸中心に回転可能に支持する回転機構と、前記カメラヘッドを光軸中心に回転させる第2のアクチュエータと、を有する、保持ユニットと、
    前記保持ユニットが先端に固定された支持アームと、
    を備え、
    前記第1のアクチュエータの駆動は固定され、前記第2のアクチュエータは前記カメラヘッドの画像の天地を制御する、医療用アームシステム。
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