JP5185068B2 - 水溶性カロテノイド組成物 - Google Patents

水溶性カロテノイド組成物 Download PDF

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Description

本発明は、カロテノイドに水溶性を付与した経時的に分解しにくい組成物に関し、詳しくは、カロテノイドを極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖及び/又はアミノ酸を溶解した水溶液とを混合し、乾燥することを特徴とする水溶性カロテノイド組成物に関する。
カロテノイドは、藻類や緑色植物、酵母やキノコ、細菌などが産生する黄色や赤色、紫色をした物質であり、C40H56の基本構造を持つテトラテルペノイドである。ニンジンやカボチャなどに多く含まれるβ―カロテンやトマトに含まれるリコピンなどのカロテン類、ルテインやゼアキサンチン、アスタキサンチンなどのキサントフィル類がある。これらのカロテノイドは二重結合を多く含み、抗酸化効果が高いことが知られており、さらに近年は、抗がん作用、抗炎症作用など様々や効能が確認され、化粧品や食品に応用されている。
しかし、一般に、カロテノイドは水に難溶であることや、光や熱によって分解されやすく、経時的に不安定であることから、用途や配合量が限定されるという問題があり、カロテノイドの安定性や水溶性の向上が求められている。
これまでに、油溶性物質の水溶性付与の方法としては、脂肪酸エステル類等の界面活性剤を用いた可溶化法(特許文献1)等が開示されており、医薬品や食品業界で広く利用されている。
特開2004−339086
また、カロテノイドの安定化法として、いくつかの発明がなされ、シクロデキストリンを用いた安定化法(特許文献2)や澱粉と酵素を用いた安定化組成物(特許文献3)などが開示されている。
特開2002−348275 特開2005−239953
しかし、これらの発明において、カロテノイドは、可溶化できる場合もあるものの、経時的に分解してしまい、不安定なため、十分な効果を発揮できない点や、シクロデキストリンや酵素が高価であり、操作も非常に煩雑である点など、実用上の問題点があった。
かかる状況を鑑み、発明者らは、より安価で、より経時的に分解しにくい安定な水溶性カロテノイド組成物を提供し、これを用いた医薬品、化粧品、食品を提供することを目的としている。
本願発明者らは、上記課題の解決に向け、鋭意検討した結果、カロテノイドを極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖及び/又はアミノ酸を溶解した水溶液とを混合し、乾燥することにより、経時的に分解しにくい安定な水溶性カロテノイド組成物を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)カロテノイドを極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖及び/又はアミノ酸を溶解した水溶液とを混合し、乾燥することを特徴とする水溶性カロテノイド組成物。
(2)カロテノイドが、α―カロテン、β―カロテン、γ―カロテン、δ―カロテン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン及びカンタキサンチンから一種又は二種以上選ばれることを特徴とする請求項1記載の水溶性カロテノイド組成物。
(3)単糖が、アルドースであることを特徴とする請求項1記載の水溶性カロテノイド組成物。
(4)アミノ酸が、塩基性アミノ酸であることを特徴とする請求項1記載の水溶性カロテノイド組成物。
(5)極性有機溶媒がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及びアセトンから一種又は二種以上選ばれることを特徴とする請求項1記載の水溶性カロテノイド組成物。
(6)請求項1〜5いずれか記載の水溶性カロテノイド組成物を含有することを特徴とする医薬品、化粧品又は食品。
(7)カロテノイドを極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖及び/又はアミノ酸を溶解した水溶液とを混合し、乾燥することを特徴とする水溶性カロテノイド組成物の製造方法。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるカロテノイドは、微生物、植物及び/または動物より得られる天然のものを用いても良く、また化学合成したものを用いても良い。例えば、α―カロテン、β―カロテン、γ―カロテン、δ―カロテン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン及びカンタキサンチンが挙げられる。その配合量は、水溶性カロテノイド組成物全量に対し、0.001〜20重量%が良く、好ましくは0.1〜10重量%が良い。
また、本発明に用いる極性有機溶媒としては、特に限定されない。ここでいう極性有機溶媒とは、誘電率(化学便覧 応用化学編 丸善株式会社参照)が6以上の有機溶媒を指し、例えば、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドが挙げられる。好ましくは誘電率20以上の溶媒である低級アルコール類、ケトン類、アセトニトリルがよく、特に好ましくは、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリルがよい。また、これらの溶媒は、一種でも二種以上を混合して用いても良い。
本発明に用いる単糖は、例えば、グルコース、ガラクトース、リボース、アラビノース、マンノース等のアルドースや、フルクトース、キシルロース等のケトースが挙げられる。好ましくはアルドースが良い。また、これらの単糖は、一種でも二種以上を混合して用いても良い。配合量としては、カロテノイドの重量に対し、等量〜50倍量が好ましく、特に好ましくは等量〜10倍量が良い。
本発明に用いるアミノ酸は、例えば、セリンやトレオニン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸やグルタミン酸などの酸性アミノ酸、リジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸、バリンやロイシン等の疎水性アミノ酸が挙げられる。好ましくは中性アミノ酸や塩基性アミノ酸がよく、特に好ましくは塩基性アミノ酸がよい。また、これらのアミノ酸は、一種でも二種以上を混合して用いても良い。配合量としては、カロテノイドの重量に対し、等量〜50倍量が好ましく、特に好ましくは等量〜10倍量が良い。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
本発明の水溶性カロテノイド組成物の製造法としては、カロテノイドを極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖及び/又はアミノ酸を溶解した水溶液とを混合し、乾燥する方法であれば、特に限定されない。溶液の混合順序は問わず、乾燥法としては、例えば、凍結乾燥法やスプレードライ法が挙げられる。また、混合した溶液をそのまま乾燥しても良く、濃縮してから乾燥しても良い。
本発明の水溶性カロテノイド組成物を医薬品に用いる場合には、経口または非経口で投与することができる。経口用の剤形としては、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投薬形態、あるいは、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態が挙げられ、非経口の剤形としては、注射剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤、軟膏剤、坐剤の形態が挙げられる。水溶性カロテノイド組成物の配合量は使用目的や剤型によって適宜選択できるが、一般的には製剤の全量に対し、0.001〜20重量%が良く、好ましくは0.01〜10%が良い。0.001%未満では十分な効果は望みにくい。20%を越えて配合した場合、効果の増強は認められにくく不経済である。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
本発明の水溶性カロテノイド組成物を化粧品に用いる場合には、化粧水、クリ−ム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、パップ剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデ−ション、打粉、口紅等が挙げられる。水溶性カロテノイド組成物の配合量は使用目的や剤型によって適宜選択できるが、一般的には製剤の全量に対し、0.001〜20重量%が良く、好ましくは0.01〜10%が良い。0.001%未満では十分な効果は望みにくい。20%を越えて配合した場合、効果の増強は認められにくく不経済である。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。また、化粧品には医薬部外品も含むものとする。
本発明の水溶性カロテノイド組成物を食品に用いる場合には、飲料、ガム、チョコレート、キャンディー、麺、パン、ケーキ、ビスケット、缶詰、レトルト食品、畜肉食品、水産練食品、マーガリン、バター、マヨネーズ、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉末剤、トローチ等の通常の食品の形態が挙げられる。水溶性カロテノイド組成物の配合量は使用目的や剤型によって適宜選択できるが、一般的には製剤の全量に対し、0.001〜20重量%が良く、好ましくは0.01〜10%が良い。0.001%未満では十分な効果は望みにくい。20%を越えて配合した場合、効果の増強は認められにくく不経済である。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。また、食品には、特定保健用食品や栄養機能食品などの保健機能食品や医薬部外品も含むものとする。
本発明の水溶性カロテノイド組成物は、水溶性が高く、経時的に分解しにくい安定なカロテノイド組成物である。
本発明の医薬品、化粧品又は食品には、発明の効果を損なわない範囲において、生薬、ビタミン、ミネラル等の他に、乳糖、デンプン、セルロース、マルチトール、デキストリン等の賦形剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、ゼラチン、プルラン、シェラック等の被膜剤、小麦胚芽油、米胚芽油、シリコーン油等の油脂類、ミツロウ、米糠ロウ、カルナウバロウ等のワックス類、ショ糖、ブドウ糖、果糖、ステビア、サッカリン、スクラロース等の甘味料、並びにクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等の酸味料、グリセリン、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の保湿剤、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ベントナイト等の増粘剤、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等を適宜配合することができる。生薬としては、高麗人参、アメリカ人参、田七人参、霊芝、プロポリス、アガリクス、ブルーベリー、イチョウ葉及びその抽出物等が挙げられる。ビタミンとしては、ビタミンD、K等の油溶性ビタミン、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン等の水溶性ビタミンが挙げられる。
次に、本発明を実施するための最良の形態として実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に示す(%)は重量(%)を示す。
以下に、アスタキサンチン、リコピン又はβ‐カロテンを用いた水溶性組成物の製造例を示す。
製造例1A グルコースを用いたアスタキサンチンの水溶性組成物の調製
アスタキサンチン(シグマ製)50mgを50mLのエタノールに溶解しろ過して、アスタキサンチンのエタノール溶液を得た。次に、グルコース500mgを500mLの精製水に溶解し、ろ過してグルコース水溶液を得た。
上記両溶液を混合し、1/5量まで濃縮した後、凍結乾燥し、アスタキサンチンの水溶性組成物499mgを得た。
製造例1B ガラクトースを用いたアスタキサンチンの水溶性組成物の調製
アスタキサンチン(シグマ製)50mgを50mLのメタノールに溶解しろ過して、アスタキサンチンのメタノール溶液を得た。次に、ガラクトース500mgを500mLの精製水に溶解し、ろ過してガラクトース水溶液を得た。
上記両溶液を混合し、1/5量まで濃縮した後、凍結乾燥し、アスタキサンチンの水溶性組成物497mgを得た
比較例1〜4 他の糖質含有水溶性組成物
製造例1Aの水溶性組成物の調製において、グルコースをスクロースに変えたもの(比較例1)、デキストリンに変えたもの(比較例2)、デンプンに変えたもの(比較例3)、糖質として何も添加しないもの(比較例4)を調製した。
製造例2A アルギニンを用いたリコピンの水溶性組成物の調製
リコピン(シグマ製)50mgを50mLのエタノールに溶解し、ろ過してリコピンのエタノール溶液を得た。次に、アルギニン500mgを500mLの精製水に溶解し、ろ過してアルギニン水溶液を得た。
上記両溶液を混合し、1/5量まで濃縮した後、凍結乾燥し、リコピンの水溶性組成物496mgを得た。
製造例2B セリンを用いたリコピンの水溶性組成物の調製
リコピン(シグマ製)50mgを50mLのアセトンに溶解し、ろ過してリコピンのアセトン溶液を得た。次に、セリン500mgを500mLの精製水に溶解し、ろ過してセリン水溶液を得た。
上記両溶液を混合し、1/5量まで濃縮した後、凍結乾燥し、リコピンの水溶性組成物492mgを得た。
製造例2C アラニンを用いたリコピンの水溶性組成物の調製
リコピン(シグマ製)50mgを50mLのメタノールに溶解し、ろ過してリコピンのメタノール溶液を得た。次に、アラニン500mgを500mLの精製水に溶解し、ろ過してアラニン水溶液を得た。
上記両溶液を混合し、1/5量まで濃縮した後、凍結乾燥し、リコピンの水溶性組成物490mgを得た。
製造例3A リジンを用いたβ−カロテンの水溶性組成物の調製
β−カロテン(シグマ製)50mgを50mLのアセトンに溶解し、ろ過してβ−カロテンのアセトン溶液を得た。次に、リジン500mgを500mLの精製水に溶解し、ろ過し、リジン水溶液を得た。
上記両溶液を混合し、1/5量まで濃縮した後、凍結乾燥し、β−カロテンの水溶性組成物494mgを得た。
製造例3B アスパラギン酸を用いたβ−カロテンの水溶性組成物の調製
β−カロテン(シグマ製)50mgを50mLのエタノールに溶解し、ろ過してβ−カロテンのエタノール溶液を得た。次に、アスパラギン酸500mgを500mLの精製水に溶解し、ろ過し、アスパラギン酸水溶液を得た。
上記両溶液を混合し、1/5量まで濃縮した後、凍結乾燥し、β−カロテンの水溶性組成物495mgを得た。
比較例5 他のアミノ酸含有水溶性組成物
製造例3Aのリジンを除いて調製したものを比較例5とした。
処方例1 化粧水
処方 配合量(%)
1. アスタキサンチンの水溶性組成物(製造例1A) 0.1
2. 1,3−ブチレングリコール 8.0
3. グリセリン 2.0
4. キサンタンガム 0.02
5. クエン酸 0.01
6. クエン酸ナトリウム 0.1
7. エタノール 5.0
8. パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9. ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
<製法>
成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し、濾過して製品とする。
処方例2 クリーム
処方 配合量(%)
1. β−カロテンの水溶性組成物(製造例3A) 0.05
2. スクワラン 5.5
3. オリーブ油 3.0
4. ステアリン酸 2.0
5. ミツロウ 2.0
6. ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7. ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8. ベヘニルアルコール 1.5
9. モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 適量
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水にて全量を100とする
<製法>
成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
処方例3 乳液
処方 配合量(%)
1. アスタキサンチンの水溶性組成物(製造例1B) 0.5
2. スクワラン 5.0
3. オリーブ油 5.0
4. ホホバ油 5.0
5. セタノール 1.5
6. モノステアリン酸グリセリン 2.0
7. ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8. ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
(20E.O.) 2.0
9. 香料 適量
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
<製法>
成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
処方例4 錠菓
処方 配合量(%)
1.アスタキサンチンの水溶性組成物(製造例1A) 2.0
2.砂糖 78.8
3.グルコース 19.0
4.ショ糖脂肪酸エステル 0.2
<製法>
成分1〜3に70%エタノールを適量加えて練和し、押出し造粒した後に乾燥して顆粒を得る。成分4を加えて打錠成形し、1gの錠菓を得る。
処方例5 顆粒剤
処方 配合量(%)
1.β−カロテンの水溶性組成物(製造例3B) 4.0
2.乳糖 81.0
3.セルロース 15.0
<製法>
成分1〜3に70%エタノールを適量加えて練和して押出し造粒し、乾燥して顆粒剤を得る。
処方例6 キャンディー
処方 配合量(%)
1.リコピンの水溶性組成物(製造例2B) 1.0
2.マルチトール 70.0
3.デンプン糖化物 29.0
<製法>
成分1〜3を120〜170℃で加熱溶解し、金型にて固化させ、3gの飴を得る。
処方例7 飲料
処方 配合量(%)
1.リコピンの水溶性組成物(製造例2A) 0.2
2.ショ糖 6.0
3.クエン酸 0.75
4.香料 適量
5.精製水にて全量を100とする。
<製法>
成分5に成分1〜4を加え、撹拌溶解して濾過し、加熱殺菌して100gとし、これを50gガラス瓶に充填する。
処方例8 ゲル剤
処方 配合量(%)
1. β−カロテンの水溶性組成物(製造例3B) 1.0
2. エタノール 5.0
3. パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4. ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5. 香料 適量
6. 1,3−ブチレングリコール 5.0
7. グリセリン 5.0
8. キサンタンガム 0.1
9. カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
<製法>
成分2〜5と、成分1及び6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
処方例9 浴用剤
処方 配合量(%)
1.リコピンの水溶性組成物(製造例2C) 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
<製法>
成分1〜5を均一に混合し、製品とする。
試験例1 糖質含有水溶性組成物の安定性試験
製造例1A、1B及び比較例1〜4の水溶性カロテノイド組成物各50mgを50mLの精製水に溶解し、0.45μmのセルロースアセテート製メンブレンフィルター(アドバンテック東洋社製)を用いてろ過した後、HPLCを用いてアスタキサンチンの含有量を測定した。これを溶解アスタキサンチンの含有量とする。
グルコースを用いたときの溶解アスタキサンチンの含有量を100とし、これに対する種々の糖を用いたときの溶解アスタキサンチンの含有量の相対値を算出した。溶解アスタキサンチンの相対値は値が小さいほど水への溶解性が低いことを示している。
また、それぞれのサンプルを40℃、75%RHにおいて保存し、1週間及び1ヶ月経過後の溶解アスタキサンチンの含有量を調製直後と同様にHPLCにて測定した。調製直後を残存率100%とし、1週間及び1ヶ月経過後の残存率を算出した。
試験結果を表1に示した。その結果、単糖を含む組成物は、比較例より高い水溶性と安定性を示した。特にグルコースを用いて調製した組成物(製造例1A)は、非常に安定であり、アスタキサンチンの水中における安定性向上効果が認められた。
試験例2 アミノ酸含有水溶性組成物の安定性試験
製造例2A、2B、2C、製造例3A、3B及び比較例5の水溶性カロテノイド組成物50mgを50mLの精製水に溶解し、試験例1と同様にHPLCを用いて溶解カロテノイドの含有量(リコピンは製造例2Aを100とし、β−カロテンは製造例3Aを100とした相対値)及び残存率を算出した。
試験結果を表2に示した。その結果、アミノ酸を含む組成物(製造例2A〜2C及び製造例3A、3B)は、比較例より高い水溶性と安定性を示した。特に、アルギニンやリジンを用いて調製した組成物(製造例2A〜2C及び製造例3A、3B)においては、非常に安定であり、カロテノイドの水中における安定性向上効果が認められた。
試験例3 カロテノイド水溶性組成物含有製剤の安定性試験
処方例1の化粧水をガラス瓶に封入し、6ヶ月間の安定性試験を実施した。サンプルを40℃、75%RHにおいて保存し、1、3及び6ヵ月後の性状の変化を確認し、試験例1と同様にHPLCを用いて溶解アスタキサンチンの残存率(%)を測定した。
試験結果を表3に示した。その結果、6ヶ月経過後にも化粧水の色や匂いなどの性状に変化はなく、また、アスタキサンチンの含有量に大きな変化が確認されなかった。よって、本発明のカロテノイド水溶性組成物を含有する化粧水は高い安定性を示した。
本発明のカロテノイドの水溶性組成物は、水溶性が高く、経時的に分解しにくいため、医薬品、化粧品や食品に対して経時的に安定にカロテノイドを配合することができる。

Claims (7)

  1. カロテノイドを極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖のみ又はアミノ酸のみを溶解した水溶液とを混合し、凍結乾燥法又はスプレードライ法により乾燥することを特徴とする水溶性カロテノイド組成物であって、単糖の配合量がカロテノイドの重量に対して1〜10倍量、アミノ酸の配合量がカロテノイドの重量に対して1〜10倍量である水溶性カロテノイド組成物
  2. カロテノイドがα―カロテン、β―カロテン、γ―カロテン、δ―カロテン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン及びカンタキサンチンから一種又は二種以上選ばれることを特徴とする請求項1記載の水溶性カロテノイド組成物。
  3. 単糖が、アルドースであることを特徴とする請求項1又は2記載の水溶性カロテノイド組成物。
  4. アミノ酸が、塩基性アミノ酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水溶性カロテノイド組成物。
  5. 極性有機溶媒がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及びアセトンから一種又は二種以上選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水溶性カロテノイド組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の水溶性カロテノイド組成物を含有することを特徴とする医薬品、化粧品又は食品。
  7. カロテノイドを極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖のみ又はアミノ酸のみを溶解した水溶液とを混合し、凍結乾燥法又はスプレードライ法により乾燥することを特徴とする水溶性カロテノイド組成物の製造方法であって、単糖の配合量がカロテノイドの重量に対して1〜10倍量、アミノ酸の配合量がカロテノイドの重量に対して1〜10倍量である水溶性カロテノイド組成物の製造方法

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