JP2007131619A - コエンザイムq10含有活性組成物 - Google Patents

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峯村  剛
Shigehira Kuriyama
重平 栗山
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光宏 阪本
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Abstract

【課題】コエンザイムQ10の水性液体への分散性を改善し、良好な吸収性を有し、効率よくコエンザイムQ10を摂取することができ、しかも安全性の高いコエンザイムQ10含有組成物を提供する。
【解決手段】コエンザイムQ10、ポリグリセリンモノミリステートおよび5〜70質量%のポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有する、コエンザイムQ10含有組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、コエンザイムQ10の吸収性が改善されたコエンザイムQ10含有組成物、該組成物を水性液体に分散してなる水中油型乳化物、ならびに該組成物または乳化物を含有してなる食品、化粧料および飼料に関する。
コエンザイムQ10は、ユビデカレノンまたは補酵素Q10として知られる高等動物に存在する補酵素Qの1種(分子式C59H90O4、分子量 863.36)である。コエンザイムQ10は、補酵素として生物活性をもつだけでなく、酸素利用効率を改善させる作用を有するビタミン様作用物質として知られている。このため、コエンザイムQ10は、鬱血組織に作用するほか、生体膜の安定化や抗酸化などの作用を有すると考えられている。臨床的には狭心症、心不全、虚血性心疾患、筋ジストロフィーの症状改善に薬理効果が認められている。また、基礎治療施行中の軽度および中等度の鬱血性心不全症状の治療薬として有効であること、本態性高血圧症および歯周病疾患の治療、ならびに制癌剤や向精神薬の副作用予防などにも有効であることが報告されている。このようにコエンザイムQ10は高い生理活性を有し、且つ生体内に存在する安全性の高い物質である。
しかし、コエンザイムQ10は融点の低い親油性固体でありエーテルなどには高い溶解性を示すが、水に難溶性である。このため、コエンザイムQ10は経口投与における吸収性が非常に低いという問題がある。また、コエンザイムQ10は不安定であり、光などによって分解してヒドロキノン体やユビクロメノールなどを生成するという問題がある。
これまで、コエンザイムQ10を分散・乳化させて、経口投与における吸収性の問題を解決する試みが提案されている。非イオン界面活性剤として多く用いられている、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルなどが吸収性の改善のために用いられたが、安全性などの問題が指摘されている。また、例えば、特許文献1には、安全性の高いポリグリセリン脂肪酸エステルであるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルの混合物中に、コエンザイムQ10を分散・乳化することが提案されているが、満足できるものではなく、さらなる改良が望まれている。
一方、ビタミンB1誘導体は、脚気、神経痛、筋肉痛、中枢神経障害、末梢神経炎、末梢神経麻痺、心筋代謝障害、胃腸運動機能障害などの症状の治療や、激しい肉体疲労の回復に対して有効であることが知られている。また、ビタミンCとして知られるアスコルビン酸は、抗酸化作用、コラーゲン合成促進作用の他に、免疫機能の増強作用、ストレスや疲労などの症状軽減や予防作用、コレステロールの胆汁酸への変換作用を有していることが知られており、医薬やサプリメント、化粧料などに用いられている。
特許第3534199号
本発明の課題は、コエンザイムQ10の水性液体への分散性を改善し、良好な吸収性を有し、効率よくコエンザイムQ10を摂取することができ、しかも安全性の高いコエンザイムQ10含有組成物を提供することである。さらにコエンザイムQ10含有組成物を含有し、コエンザイムQ10の吸収性が改善された食品、化粧料および飼料を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリグリセリンモノミリステートおよび特定の比率のポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの混合物が、極めて良好な乳化力を示すことを見出した。そして、コエンザイムQ10、ポリグリセリンモノミリステートおよび特定の比率のポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含む組成物から水中油型乳化物を形成すると、コエンザイムQ10が良好に分散すること、また、該組成物または水中油型乳化物を摂取した際には、コエンザイムQ10の吸収性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1)コエンザイムQ10、ポリグリセリンモノミリステートおよび5〜70質量%のポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有する、コエンザイムQ10含有組成物。
(2)さらに、ビタミンB群およびビタミンCから選択される水溶性ビタミンを1種以上含有する、(1)記載のコエンザイムQ10含有組成物。
(3)さらに、脂溶性ビタミンを含有する、(1)または(2)記載のコエンザイムQ10含有組成物。
(4)液状またはカプセルの形態である、(1)〜(3)のいずれかに記載のコエンザイムQ10含有組成物。
(5)固体状の形態である、(1)〜(3)のいずれかに記載のコエンザイムQ10含有組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のコエンザイムQ10含有組成物を水性液体に分散してなる水中油型乳化物。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載のコエンザイムQ10含有組成物、または(6)記載の水中油型乳化物を含有する食品、化粧料または飼料。
本発明によれば、極めて高い乳化力を有し、しかも安全性の高いコエンザイムQ10含有組成物が提供される。本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、水性液体に溶解または分散させると、均一な微粒子として分散し安定に存在するため、コエンザイムQ10を効率よく吸収させることができる。また、食品、化粧料および飼料などにも容易に適用することができる。しかも安全性が高く呈味性にも優れているため、健常者のみならず、高齢者や嚥下困難者でも容易に継続して摂取することが可能である。
このため、本発明のコエンザイムQ10含有組成物、その水中油型分散物および該組成物を含有する食品、化粧料および飼料は非常に有用性が高い。
本発明は、コエンザイムQ10を水性液体に分散させるための界面活性剤として、ポリグリセリンモノミリステートおよびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを用いることを特徴とする。本発明の組成物においては、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが、組成物中5〜70質量%の量、好ましくは10〜50質量%の量で含まれる。
本発明において用いられるポリグリセリンモノミリステートは、ポリグリセリンとミリスチン酸とのモノエステルを指す。ポリグリセリンは特に限定されないが、水酸基価から算出される平均重合度が、通常2〜15、好ましくは4〜10のポリグリセリンを使用するとよい。水酸基から算出される平均重合度(n)とは、末端分析法によって算出される値であり、次の(式1)及び(式2)から算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
前記水酸基価とは、エステル化物中に含まれる水酸基数の大小の指標となる値であり、1gのエステル化物に含まれる遊離の水酸基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいい、水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、1996年度版」に準じて算出される。
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、リシノール酸分子中の水酸基とカルボキシル基をあらかじめリシノール酸同士で一部分縮合させた縮合物(縮合リシノール酸)とポリグリセリンとのエステルをさす。ここで、ポリグリセリンとしては、上記と同様のものを使用できる。縮合リシノール酸は、リシノール酸を加熱して重縮合反応させることにより得られる混合物であり、平均重合度が2〜10のもの、好ましくは平均重合度が3〜6のものを用いるとよい。こうしたポリグリセリン縮合リシノール酸エステルとしては、例えば、市販製品である、SYグリスターCRS−75、SYグリスターCR−310、SYグリスターCR−500(阪本薬品工業)などが挙げられる。ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、例えば、ヒマシ油から分解・精製したヒマシ油脂肪酸(リシノール酸約90%を含有)に少量のアルカリを添加して窒素ガス気流下に180〜210℃で加熱し、1つの脂肪酸分子のアルキル基中の水酸基を他の脂肪酸分子のカルボキシル基とエステル化させ、さらに同様に他の脂肪酸分子と反応させて高分子の脂肪酸とし、これに精製ポリグリセリンを仕込み、窒素ガス気流下に180〜210℃でエステル化することにより製造することもできる。
本発明では、粘性の高いポリグリセリンモノミリステートおよびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを用いるため、適宜油脂類を配合して、流動性を増してもよい。そのような油脂としては、合成油脂、植物性油脂、動物性油脂およびこれらの混合物などいずれも使用できるが、食用油、特に天然動植物性油を使用するのが好ましい。植物性油脂としては、例えば、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、胚芽油、ごま油、コーン油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油などが挙げられる。動物性油脂としては、例えば、EPA、DHA、牛脂、鶏脂、豚脂、羊脂、さば油、たら油などが挙げられる。あるいは、中鎖脂肪酸トリグリセリド、炭素数4〜22の脂肪酸のモノ、ジおよびトリエステルも使用できる。これらの油脂は、安全性の観点から好ましく、単独で用いても、複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、好ましくは、コエンザイムQ10を0.1〜60質量%、好ましくは5〜20質量%、ポリグリセリンモノミリステートを5〜90質量%、好ましくは20〜70質量%含有し、必要に応じて油脂を10〜70質量%、好ましくは20〜60質量%含有する。
また、本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、水性液体に分散することにより水中油型乳化物とすることができるため、さらに脂溶性ビタミン類および水溶性ビタミン類を添加することができる。
本発明において用いられる水溶性ビタミン類は、ビタミンB群およびビタミンCから選択される1種以上である。ビタミンB群には、ビタミンB1、ビタミンB1誘導体、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB13、さらにナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸などの各種ビタミンB複合体が包含される。
ビタミンB1誘導体には、チアミンまたはその塩、チアミンジスルフィド、フルスルチアミンまたはその塩、ジセチアミン、ビスブチチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、チアミンモノフォスフェートジスルフィド、シコチアミン、オクトチアミン、プロスルチアミンなどのビタミンB1の生理活性を有する全ての化合物が包含される。
本発明において用いられる脂溶性ビタミン類は、ビタミンA、ビタミンDまたはその誘導体、ビタミンE、ビタミンKおよびβカロチンから選択される1種以上である。
水溶性ビタミンおよび脂溶性ビタミンの量は、一般的には組成物中、それぞれ0.001〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜10質量%である。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物の調製方法は特に制限されないが、例えば、脂溶性であるコエンザイムQ10を、ポリグリセリンモノミリステート、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよび必要に応じて油脂を加えた混合物にあらかじめ溶融し、撹拌、分散して、液状の形態の組成物を調製することができる。混合物の撹拌・分散においては、例えば高圧ホモジナイザーを使用して、微細に分散させてもよく、これにより均一で、且つ微細なエマルジョンを形成させることができる。これらの工程は、コエンザイムQ10の融点より高い温度、例えば約35〜90℃、好ましくは50〜70℃で実施する。ビタミンなどを添加する場合は、上記混合物を30℃以下に冷却し、ビタミンを添加した後、室温以下で均一に分散させればよい。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物を、カプセルの形態とする場合、例えば、上記液状の形態の組成物を用い、常法に従ってカプセルを製造することができる。カプセルの基材は特定のものに限定されるものでなく、一般的に使用されているアルカリ処理ゼラチンや酸処理ゼラチン等を用いることが好ましいが、プルラン、カラギナン、デンプンなどの植物性原料皮膜を用いても何ら問題ない。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物、特に上記の液状の形態の組成物は、水性液体に添加し、撹拌する事で、容易に水性液体中に分散・乳化することができ、安定性および吸収性の高い、優れたコエンザイムQ10を含有する水中油型乳化物とすることができる。水性液体は、水を主成分とする液体であれば、特に制限されないが、好ましくは水を50質量%以上、より好ましくは80質量%以上含む。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物を、水性液体に分散する場合には、水溶性物質などをさらに添加してもよい。水溶性物質としては、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、アラビアガム、カゼイン、デキストリン、カルメロースナトリウム(CMCナトリウム)、D−マンニット、プルラン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ならびにコーンファイバー、デンプン、グアーガムおよびペクチン等の植物由来の水溶性多糖類等が挙げられ、これらの中から選択される少なくとも1種類の水溶性物質を用いるのが好ましい。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物および水中油型乳化物には、コエンザイムQ10の安定性を高める目的で有機酸を添加してもよい。有機酸としては、例えばクエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ酸および酒石酸などが挙げられ、好ましくはリンゴ酸、酒石酸またはこれらの混合物を添加する。有機酸の添加量は、コエンザイムQ10含有組成物の質量に基づき、0.1〜30質量%の範囲であり、好ましくは1〜20質量%である。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物を、固体状の形態とする場合、その調製方法は特に制限されないが、例えば、上記液状の形態のコエンザイムQ10含有組成物を一旦水性液体に分散させ、その後、このコエンザイムQ10を含有する水性分散液を乾燥等の工程に付すことより水分を除去し、固体状の形態のコエンザイムQ10含有組成物を得ることができる。上記液状の形態のコエンザイムQ10含有組成物を水性液体に分散させることで、安定性および吸収性の高い、優れたコエンザイムQ10含有水中油型乳化物が提供されるが、これを乾燥して固体状の形態とすることで、取り扱いが簡便な組成物を提供することができる。また、この固体状の組成物を水性液体に溶解すると、速やかに溶解または分散することから、安定なコエンザイムQ10を含有する水中油型乳化物を容易に再生することができる。
あるいは、上記液状の形態のコエンザイムQ10含有組成物を水性液体に分散させ、賦形剤に吸着または担持させることにより、固体状の形態、例えば粉末状の形態とすることもできる。ここで賦形剤は、水性液体に分散させた本発明のコエンザイムQ10含有組成物を吸着または担持しうる賦形剤であれば、いずれのものも使用可能であるが、例えば粉末乳糖、微結晶セルロース、β−サイクロデキストリン、糖(単糖類、少糖類、多糖類等、具体的には、デンプン、デキストリン、酵素分解デキストリンなど)、微粒二酸化珪素、糖アルコール等が挙げられる。これらの賦形剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
賦形剤を適宜選択することにより、固体状の形態のコエンザイムQ10含有組成物の機能性・特性を変化させることができる。例えば賦形剤としてソルビトール、デキストリンまたはマンニトールを用いると、水性液体への溶解性をさらに高めることができる。乳糖、コーンスターチ、ソルビトールまたは結晶セルロースを用いると、塑性変形能を有した直接打錠可能な固体状の形態のコエンザイムQ10含有組成物が得られる。また、チュアブル錠、錠剤、時溶解型の錠剤、発泡錠等も適宜調製することができる。
固体化、例えば粉末化する方法としては、例えば、必要に応じ加熱した上昇気流により賦形剤の少なくとも一部を流動化した流動層中に、水性液体に分散させた本発明のコエンザイムQ10含有組成物を噴霧して、次いで乾燥させることからなる流動層造粒法を使用できる。あるいは、賦形剤の少なくとも一部が撹拌翼等により撹拌された層に、水性液体に分散させた本発明のコエンザイムQ10含有組成物を滴下または噴霧等により添加することからなる撹拌造粒法等も使用できる。
また、本発明のコエンザイムQ10含有組成物を水性液体に分散させ、噴霧乾燥法により水分を除去し、得られた乾燥粉末を上述の賦形剤と物理的に混合し、所望により造粒して、固体状、特に粉末または顆粒状のコエンザイムQ10含有組成物を調製することができる。
本発明はまた、上記コエンザイムQ10含有組成物または水中油型乳化物を含有する食品、化粧料および飼料に関する。本発明の食品には、健康食品や機能性食品も包含される。具体的には、粉剤、タブレット、細粒、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、流動食等の各種形態の食品が挙げられる。このような形態の食品は、上記のように製造されたコエンザイムQ10含有組成物または水中油型乳化物に適当な賦形剤(例えば、でん粉、加工でん粉、乳糖、ブドウ糖、水等)を加えた後、慣用の手段を用いて製造することができる。さらに、本発明の食品は、スープ類、ジュース類、乳飲料、ココア飲料、茶飲料、ゼリー状飲料などの液状食品、プリン、ヨーグルトなどの半固形食品、パン、菓子、うどんなどの麺類、クッキー、チョコレート、キャンディ、せんべいなどの菓子、ふりかけ、バター、ジャムなどのスプレッド類、水性液体に分散させて飲料とするための粉末状飲料等の形態もとりうる。本発明の化粧料の形態としては、シャンプー、洗顔剤、歯磨き、ボディシャンプーなどの洗浄を目的とするもの;コールドクリーム、バニシングクリームなどのクリーム状化粧料;乳液、化粧水などの基礎化粧料;仕上げ化粧料;パーマネントウエーブ、整髪料、ヘアーリッキド、ヘアーリンスなどの頭髪用化粧料などが挙げられる。本発明の飼料としては、上記コエンザイムQ10含有組成物または水中油型乳化物を、飼料添加物として、特に粒状の飼料の上に適用または噴霧したものなどが挙げられる。
本発明の食品、化粧料および飼料におけるコエンザイムQ10の含量は、その形態、所望すべき摂取量に応じて適宜決められるが、粉剤や顆粒剤などの場合には、一般的には0.1〜60質量%の範囲であり、好ましくは0.5〜25質量%程度である。液剤や飲料の場合には0.001〜10質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜1質量%程度である。なお、コエンザイムQ10の1日当たりの摂取量は、年齢、体重や健康状態により異なるが通常、成人で5〜300mg、好ましくは10〜100mg程度である。
本発明の食品および飼料には、さらにビタミンA、ビタミンEおよびβカロチンなどの脂溶性ビタミン類、ビタミンB群およびビタミンCなどの水溶性ビタミン類、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛および酵母などのミネラル含有物、L−カルニチン、クレアチン、α―リポ酸、グルタチオン、青汁、コラーゲン、にんじん、大豆イソフラボン、ペプチド、アミノ酸、にんにく、レシチン、ロイヤルゼリー、プロポリス、グルコサミン、食物繊維、グルタチオン、セラミド、植物ステロール、EPA、DHA、ヒアルロン酸、α−リノレイン酸、リコピン、ルテイン、多価不飽和脂肪酸、各種タンパク質ならびに糖質などあらゆる栄養素または栄養食品素材を添加・配合してもよい。その他に適宜、糖質やタンパク質などを添加してもよい。また、風味をよくするための種々の添加剤(例えば呈味成分、フレーバーおよび甘味料等)、ならびに分散剤および乳化剤等の安定剤を配合してもよい。本発明の食品は、健康食品や機能性食品として、一日当たりの摂取量が管理できる形とするのが望ましい。
本発明の化粧料にも同様に、さらにビタミンA、ビタミンEおよびβカロチンなどの脂溶性ビタミン類、ビタミンB群およびビタミンCなどの水溶性ビタミン類、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛および酵母などのミネラル含有物等を配合しうる。
本発明の食品、化粧料および飼料において、水溶性ビタミンおよび脂溶性ビタミンを配合する場合、その量はその形態、配合するビタミンの種類、所望すべき摂取量に応じて適宜決められるが、粉剤や顆粒剤などの場合には、一般的にはそれぞれ0.001〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜10質量%程度である。液剤や飲料の場合にはそれぞれ0.0001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.001〜1質量%程度である。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 コエンザイムQ10含有組成物の製造
以下の組成のコエンザイムQ10含有組成物を製造した。
Figure 2007131619
製造方法:
コエンザイムQ10 30g、ヘキサグリセリンモノミリステート(SYグリスターMM−500:阪本薬品工業製)80g、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(SYグリスターCRS−75:阪本薬品工業製)80g、中鎖脂肪酸トリグリセリド 110gをとり、約50℃に加熱して、均一になるように撹拌溶解し、その後室温まで温度を下げ、均一な組成物300gを得た。この組成物を用い、通常の軟カプセル剤の製法によりオーバル6番を用い、1カプセル内容量300mg、皮膜重量約155mgの条件でソフトカプセルを製造した。
実施例2
実施例1において、ヘキサグリセリンモノミリステートに代えてデカグリセリンモノミリステート(SYグリスターMM−750:阪本薬品工業製)を用いる以外は、実施例1と同様にしてソフトカプセルを製造した。
Figure 2007131619
実施例3
以下の組成で、実施例1と同様の方法にて製造した。
Figure 2007131619
実施例4
以下の組成で、実施例1と同様の方法にて製造した。
Figure 2007131619
実施例5
以下の組成で、実施例1と同様の方法にて製造した。
Figure 2007131619
実施例6
以下の組成で、実施例1と同様の方法にて製造した。ただし、ビタミンB1、B2、B6は、混合物の温度を30℃以下にしてから投入し、均一分散した。
Figure 2007131619
比較例1
以下の組成で、実施例1と同様の方法にて製造した。
Figure 2007131619
比較例2
以下の組成で、実施例1と同様の方法にて製造した。
Figure 2007131619
実施例7 分散性試験
実施例1〜3および比較例1〜2で調製したカプセル化する前の各組成物1gを、水100mlに入れ、1分間軽くスターラーで撹拌分散させ、分散液に含まれる粒子の平均粒径をレーザー回折・散乱法式粒度分布測定装置(MICROTRAC FRA;日機装社製)を用いて測定した。また、水への分散しやすさを目視で観察し評価した。得られた結果を下記の表9に示す。分散しやすさは、下記の基準により評価した。
(−:良好に分散する、+:分散に時間を要する、++:分散にかなりの時間を要する)
Figure 2007131619
表9の結果から、比較例の組成物に比べ、実施例1〜3の組成物は水に対する分散性が非常によく、粒子の平均粒子径も小さいことがわかる。
実施例8 コエンザイムQ10の吸収性試験
実施例1および比較例1のコエンザイムQ10含有カプセルを用いて吸収性試験を行った。具体的には、各1群3頭(雄)のビーグル犬に、1頭当たりそれぞれ90mg/dogの投与量(3カプセル投与)を単回強制投与した。投与後24時間まで一定時間ごとに血液を採取して血漿中のコエンザイムQ10濃度の経時推移を調査した。
コエンザイムQ10の測定はHPLCを用い下記の条件で行った。
カラム:Nucleosil 5C18 4.6mm*25cm
移動相:エタノール:アセトニトリル(55:45)
流速: 1ml/min
検出器:紫外分光光度計(275nm)
温度:35℃
注入量:5μL
得られたコエンザイムQ10の血中濃度から、薬物動態パラメーターとして、最高血中薬物濃度、最高血中薬物濃度に到達するまでの時間および血中薬物濃度−時間曲線下面積を求めた。その結果を下記の表10に示す。
Figure 2007131619
Cmax(μg/ml):最高血中薬物濃度
tmax(hr):最高血中薬物濃度に到達するまでの時間
AUC(0→t)(μg・hr/ml):血中薬物濃度-時間曲線下面積
以上の結果から、実施例の組成物では、経口投与しても確実にしかも高濃度にコエンザイムQ10が生体内に吸収されることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. コエンザイムQ10、ポリグリセリンモノミリステートおよび5〜70質量%のポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有する、コエンザイムQ10含有組成物。
  2. さらに、ビタミンB群およびビタミンCから選択される水溶性ビタミンを1種以上含有する、請求項1記載のコエンザイムQ10含有組成物。
  3. さらに、脂溶性ビタミンを含有する、請求項1または2記載のコエンザイムQ10含有組成物。
  4. 液状またはカプセルの形態である、請求項1〜3のいずれか1項記載のコエンザイムQ10含有組成物。
  5. 固体状の形態である、請求項1〜3のいずれか1項記載のコエンザイムQ10含有組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のコエンザイムQ10含有組成物を水性液体に分散してなる水中油型乳化物。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載のコエンザイムQ10含有組成物、または請求項6記載の水中油型乳化物を含有する食品、化粧料または飼料。
JP2006278658A 2005-10-14 2006-10-12 コエンザイムq10含有活性組成物 Pending JP2007131619A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010030963A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Kowa Co 消化管運動賦活調整剤
JP2011132176A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Ajinomoto Co Inc 乳化組成物
JP2013188219A (ja) * 2007-06-21 2013-09-26 Kaneka Corp 機能性家畜生産品およびその製造方法
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