JP5183766B2 - ヘアキャッチャー - Google Patents

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Description

本発明は、排水トラップに設けられるヘアキャッチャーに関する。
浴室の排水トラップには、毛髪を主とするごみ等の異物を排水中から捕集するヘアキャッチャーが着脱可能に設けられている。また、ヘアキャッチャー外で発生させた渦流をヘアキャッチャー内に導入して異物をまとめるようにすることも行われている。
特許文献1には、漏斗型封水筒に設置する深型ヘアキャッチャー内に渦巻き水流を発生させる様に深型ヘアキャッチャーの外側に水向案内部を設けた排水口が記載されている。図8の(a)は漏斗型封水筒902及び水向案内部903を断面視して同文献に記載された排水口を示す側面図であり、同図(b)は水向案内部913を一体化したヘアキャッチャー911を示す側面図であり、同図(c)は漏斗型封水筒902及び水向案内部918を断面視して同文献に記載された排水口を示す側面図である。
同図(a)の排水口は、封水筒902に排水量調節部品904を取り付けて封水筒902の穴径を小さくすることにより、水向案内部903による右回転の渦巻き水流を封水筒902内、すなわち、ヘアキャッチャー901外で発生させている。これにより、ヘアキャッチャー901内に渦巻き水流が発生するとされている。同排水口は、洗い場からの排水がヘアキャッチャー901全体に流入し、全排水が排水量調節部品904を通って少しずつ流下することになる。
また、同図(b)の排水口は、ヘアキャッチャー911の外側面に水向案内部913を一体形成あるいは着脱可能に形成している。同排水口も、水向案内部913による右回転の渦巻き水流をヘアキャッチャー911外で発生させ、この渦巻き水流をヘアキャッチャー911内に導入している。
さらに、同図(c)の排水口は、ヘアキャッチャー916の上部位置に水向案内部918を配置している。
特許文献2には、排水桝の立面に設けた吐水口から浴槽排水を吐出するようにした排水構造が記載されている。図8(d)は、同文献に記載された排水構造を示す斜視図である。この排水構造は、排水桝923の底面923aの流入口924に対してヘアキャッチャー925が水平に取り付けられ、吐水口921からの浴槽排水の吐出方向が流入口924の中心を向いていない。このため、吐水口921から吐出された浴槽排水は、渦を描いて流入口924へ向かい、ヘアキャッチャー925を通過する。
特許文献3には、キッチンのシンクに設けられた排水トラップが記載されている。図8(e)は、同文献に記載された排水トラップ930を示す垂直断面図である。排水トラップ930は、水受椀部931aや封水椀部931bや外周流路部931cを有するトラップ本体931、封水椀部931b内に挿入された防臭筒932、水受椀部931a内に配置された網かご933、水受椀部931aの上面開口を蓋う蓋体934、を備えている。外周流路部931cや防臭筒932や蓋体934には、封水椀部931b内で一方向に回転する渦流が水流により発生するように排水を案内する排水案内手段が設けられている。シンクから排水トラップ930へ流れる排水は、封水椀部931b内で渦流が発生するように蓋体934で案内され、網かご933を通過する。
特開2007−198130号公報 特開2007−46424号公報 特開2007−120021号公報
図8(a)に示す排水口は、洗い場からの排水が全て排水量調節部品904を通過するため、排水能力が制限される。このため、同排水口は、浴槽から湯が溢れたとき等、一度に大量の排水が生じたときに十分に排出されないことがある。同図(b)(c)に示すヘアキャッチャー911を排水口に用いても、同様である。
また、同図(a)(b)に示すヘアキャッチャー901,911は、外側に水向案内部903,913が設けられているため、封水筒902内で渦巻き水流を発生させるためには封水筒902の形状を水向案内部903,913の形状に合わせなければならない。
さらに、同図(a)〜(c)に示すヘアキャッチャー901,911,916は、洗い場からの全排水がヘアキャッチャー全体に流入するため、ヘアキャッチャー全体に毛髪等が付着し、ヘアキャッチャーから毛髪等を除去し難かったり、ヘアキャッチャーが目詰まりしたりすることがある。
図8(d)に示す排水構造は、渦流を発生させるために浴槽排水が必要であり、かつ、浴槽排水を吐出する吐水口921を排水桝923に形成する必要がある。また、ヘアキャッチャー925が水平に配置され、排水がヘアキャッチャー925上で保水されず速やかにヘアキャッチャー925全体を通過するようにされているため、毛髪等がヘアキャッチャー全体に絡み付きやすい。このため、ヘアキャッチャーから毛髪等を除去し難かったり、ヘアキャッチャーが目詰まりしたりすることがある。
図8(e)に示す排水トラップ930は、浴室ではなくキッチンに設けられるため、ヘアキャッチャーではなく網かご933を用いている。また、排水が網かご933内で保水されず速やかに網かご933全体を通過するようにされているため、仮に毛髪等が流された場合には、その毛髪等が網かご全体に絡み付きやすい。このため、網かごから毛髪等を除去し難かったり、網かごが目詰まりしたりすることがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、捕集した毛髪等を容易に除去することができ、安定した排水能力を得ることが可能なヘアキャッチャーの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、排水トラップに対して着脱可能に設けられるヘアキャッチャーであって、底部に上方へ凸とされた凸部を有する凹状とされ、流入した排水を保水する保水部と、該保水部の上部から延出し、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる上部排水流出部と、前記保水部内における前記凸部の最上部から水平方向へずれた位置に向けて洗い場からの排水を前記保水部へ導く排水導入部とを備えることを特徴とする。
すなわち、洗い場からの排水は、排水導入部により保水部内における凸部の最上部から水平方向へずれた位置に向かって凹状の保水部へ導かれ、該保水部で保水される。また、保水部に入りきらない排水は、保水部の上部から延出した上部排水流出部から流出する。ここで、保水部に入りきらない排水は、単に上部排水流出部からオーバーフローする訳ではなく、毛髪の流出が抑止されながら上部排水流出部から流出する。
保水部内に溜まった排水の中では、毛髪等が浮遊して集まり、毛髪等が集まった状態で保水部内に残存する。また、凹状の保水部へ導かれる排水が凸部の最上部から水平方向へずれた位置に向かうことにより保水部内で排水の旋回流が生じ易く、保水部内に凸部があることにより保水部へ導かれる排水が旋回流を打ち消す方向へ流入し難いので、保水部内で毛髪等がまとまり易い。従って、捕集した毛髪等を容易に除去することができる性能、すなわち、良好な毛髪除去性を得ることができる。
また、洗い場からの排水が保水部へ導かれるので、上部排水流出部の閉塞が抑止される。従って、安定した排水能力を得ることができる。
さらに、上述した良好な毛髪除去性及び安定した排水能力は、ヘアキャッチャー単独の構造のみで得られる。
各請求項に係る発明において、上記ヘアキャッチャーには、毛髪以外の異物も捕集するものも含まれる。また、上記ヘアキャッチャーには、浴室の排水トラップに用いられるヘアキャッチャーの他、洗面化粧台の排水トラップに用いられるヘアキャッチャー、理容店や美容室の排水トラップに用いられるヘアキャッチャー、等も含まれる。
上記排水は、毛髪を含む水とする。
洗い場からの排水には、洗い場から排水桝内に落ちた後にヘアキャッチャー内へ流れ込む排水が含まれる。
上記凸部の凸とされた形状には、膨出した形状や突出した形状等が含まれる。
排水中の毛髪の流出を抑止する上記上部排水流出部は、全ての毛髪を止めなくても良い。すなわち、抑止は、全てを止めることに限定されない。
上記保水部が排水を保水することには、排水を一時的に保水することが含まれる。ここで、保水部が排水を一時的に保水することは、保水部内で排水が流出しながらも一時的に排水が溜まった状態にさせることを意味する。
上記凹状の保水部は排水を受けて保水する形状であればよく、該保水部の形状には椀状、半球状、上下逆の円錐状、上下逆の角錐状、等の底部に上方へ凸とされた凸部を有する形状が含まれる。
また、前記上部排水流出部は、前記保水部に入りきらない排水を流出させる孔を有し、前記排水導入部は、前記上部排水流出部の外縁と前記保水部の上部とを繋ぐとともに前記上部排水流出部の孔同士で挟まれた位置で洗い場からの排水を前記保水部へ通す流入部と、該流入部へ洗い場からの排水を通す流入口を設けて前記孔が存在する前記上部排水流出部の外側に配置されるとともに前記流入部上の排水が前記保水部内における前記凸部の最上部から水平方向へずれた位置に向かうように前記流入口側の縁部が前記保水部の方へ曲げられた立壁部とを有してもよい。
すなわち、ヘアキャッチャーに流入する洗い場からの排水は、立壁部により上部排水流出部の孔へ流入し難くされ、流入口から流入部を通って保水部内における凸部の最上部から水平方向へずれた位置に向かい、該保水部で保水される。
さらに、前記保水部は、排水中の毛髪の流出を抑止しながら排水を流出させる下部排水流出部を下部に有し、流入した排水を一時的に保水しながら該排水を前記下部排水流出部から流出させてもよい。
すなわち、保水部内で一時的に溜まった排水の中では、毛髪等が浮遊して集まり、保水部から排水が抜けたときに毛髪等が集まった状態で保水部内に残存する。保水部の底部に凸部が設けられているので、集まった毛髪等が凸部に支えられ、該毛髪等と保水部底部との接触面積が減少し、毛髪等を捨てる際に保水部の内側面から毛髪等が離れやすい。
なお、上記排水が毛髪を含む水であるので、下部排水流出部や上部排水流出部は、毛髪を含む水が流出する部位を意味する。排水中の毛髪の流出を抑止する上記下部排水流出部は、全ての毛髪を止めなくても良い。
上記保水部が排水を一時的に保水することは、保水部内で排水が流出しながらも一時的に排水が溜まった状態にさせることを意味する。従って、保水部内での排水の滞留時間は、有限の時間である。中で毛髪が浮遊しながら保水部内に存在する排水の状態は、保水部内に一時的に保水されている状態に含まれる。
保水部内の排水の旋回流は保水部内に存在する排水が回転する流れをいい、保水部に流入した排水が下部排水流出部等から流出するまでの回転数に制限は無い。また、旋回流の仮想の回転軸の向きは、鉛直方向でもよいし、水平方向でもよいし、鉛直方向や水平方向から斜めにずれた方向でもよい。
なお、上記ヘアキャッチャーを有する排水トラップの発明や、上記ヘアキャッチャーを有する浴室の発明も、上述した作用、効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、良好な毛髪除去性及び安定した排水能力を得ることが可能なヘアキャッチャーを提供することができる。
請求項2に係る発明では、排水中の毛髪の流出を抑止しながら保水部に入りきらない排水を孔群から流出させる上部排水流出部を備えるヘアキャッチャーを提供することができる。
請求項3に係る発明では、流入部を挟む上部排水流出部の孔群同士の間隔が孔群の孔同士の間隔よりも広くされたヘアキャッチャーを提供することができる。
ヘアキャッチャーを設けた排水トラップを示す垂直断面図。 図1に示す排水トラップの分解斜視図。 締め付けフランジ及び封水筒の上面を示す平面図。 図1に示すヘアキャッチャーの外観を示す斜視図。 図1に示すヘアキャッチャーを上から見て示す平面図。 図1に示すヘアキャッチャーを図5のA2−A2の位置で断面視して示す垂直断面図。 図1に示すヘアキャッチャーの側面図及び垂直断面図。 排水トラップの従来例を示す図。
(1)ヘアキャッチャーの構成:
図1は本発明の一実施形態に係るヘアキャッチャー10を設けた浴室用の排水トラップ1を示す垂直断面図、図2は排水トラップ1の分解斜視図、図3は締め付けフランジ140及び封水筒150を上から見て示す図、図4,5はヘアキャッチャー10の外観を示す図、図6はヘアキャッチャー10を図5のA2−A2の位置から見て示す垂直断面図、図7(a)はヘアキャッチャー10を図5のA1方向から見て示す側面図、図7(b)(c)はヘアキャッチャー10を図5のA2−A2の位置から見て示す垂直断面図である。
浴室は、図示しないシャワーや給湯栓等が設けられた洗い場W1が浴槽B1の外側に設けられ、この洗い場W1の床材110の一部が凹んで排水桝112が形成されている。この排水桝112は、下側の開口部に向かって略水平方向に内側へ延出したフランジ部113を有し、上側の開口部にカバー120を着脱することができるようにされている。排水トラップ1は、排水桝112に取り付けられ、カバー120と床材110との隙間CL1から排水桝112へ流入した排水を通過させる。本排水トラップ1は、カバー120、トラップ本体130、締め付けフランジ140、封水筒150、及びヘアキャッチャー10を備える。
排水桝112の四隅には、図2に示すように、カバー120を載置するための洗い場側段部114a,114a及び浴槽側段部114b,114bが形成されている。カバー120の浴槽側縁部120aには、洗い場側へ凹んだ手かけ部122が形成されている。
図1に示すように、トラップ本体130は、上部が開口し、浴槽側の側壁130aの下部に水平方向へ突出した接続口131が形成され、該接続口131に対向する側壁130bに水平方向へ突出した排出口132が形成されている。接続口131は、接続管を介して浴槽の防水パンに接続されている。トラップ本体130内では、側壁130a,130bの上縁部に封水面Sが形成され、この封水面Sの下側に封水筒150の下部が差し込まれる。また、トラップ本体130の上縁部には径方向内側へ延出したフランジ部133が形成され、このフランジ部133の内周面にねじ部133aが形成されている。
締め付けフランジ140は、図1及び図3(a)に示すように、トラップ本体のねじ部133aと螺合するねじ部141aを外周面に有する円筒部141と、この円筒部141の上縁部で径方向外側へ延出した上側フランジ部142と、円筒部141の下縁部で径方向内側へ延出した下側フランジ部143とを備える略環状に形成されている。円筒部141の内周面には、90°間隔で4箇所に上下2つの突起141bが形成されている。床材のフランジ部113の先端部にパッキン144を取り付け、このパッキン144をトラップ本体のフランジ部133とで挟むようにして該フランジ部133に締め付けフランジ140を螺入すると、床材のフランジ部113とトラップ本体130とを互いに固定することができる。
封水筒150は、図1及び図3(b)に示すように、筒状の本体部151と、この本体部151の上縁部から径方向外側へ延出したフランジ部152とを有する形状に形成されている。フランジ部152の外縁部には、90°間隔で4箇所に切欠152aが形成されている。各切欠152aを締め付けフランジの突起141bに合わせて締め付けフランジ140の開口部に封水筒の本体部151を挿入し、封水筒のフランジ部152を締め付けフランジの下側フランジ部143に接触させて回転させることにより、トラップ本体130内の所定位置に封水筒150が固定される。ここで、封水筒150の下端とトラップ本体130の底面との間に隙間が設けられている。
ヘアキャッチャー10は、図4〜図7に示す一時保水部(保水部)20と上部排水流出部30と排水導入部40を備え、排水から毛髪等のごみを捕集する。本ヘアキャッチャー10は、凸部の最上部24aを通る鉛直線を中心として2回回転対称な形状とされている。なお、本明細書において、2回回転対称とは、一つの立体図形を一定軸のまわりに180°回転移動させて初めて同じ立体図形になる性質をいうものとする。
一時保水部20は、上部が開口し下方へ凹んだ凹状に形成され、流入した排水を保水する。本実施形態の一時保水部20は、半球の底に上方へ凸とされた凸部24を有する凹状とされている。凸部24を含む一時保水部20下部には、排水中の毛髪等の流出を抑止しながら排水を略下方へ流出させる水抜き孔23が複数形成されている。これらの水抜き孔23が設けられた一時保水部20下部は、本発明にいう下部排水流出部22となっている。排水を流出させる下部排水流出部22が凹状の一時保水部20の下部に存在することにより、一時保水部20内で一時的に保水される排水に渦流が発生し易くなっている。
一方、一時保水部20における下部排水流出部22の周囲は、水抜き孔の無い壁部21とされ、外側に向かって膨出しながら斜めに立ち上がっている。従って、一時保水部20は、流入した排水を一時的に保水しながら該排水を下部排水流出部22から流出させる。一時保水部が略半球状に形成されているので、一時保水部内で排水が旋回流になり易くなり、毛髪等をまとめて捨て易くすることができる。
凸部24は、最上部24aが一時保水部20の上縁部21aよりも低くされ、一時保水部20の底部から上方へなだらかに膨出している。本実施形態の水抜き孔23は、凸部の最上部24aから一時保水部20の最下部20aを越えて凸部24の周囲にまで複数設けられている。ヘアキャッチャー10が凸部の最上部24aを通る鉛直線を中心として2回回転対称であるので、図6に示すように仮想の水平面HP1に投影するとき、凸部の最上部24aは下部排水流出部22の平面図形の重心CE1と一致する。
ここで、ヘアキャッチャー10を仮想の水平面HP1に投影した平面図形は図5の平面図に相当し、下部排水流出部22の平面図形(水抜き孔23に相当する部分も含まれる)は同図の22で表される二点鎖線で囲まれた図形に相当する。この平面図形は、水抜き孔23に相当する部分を含むものとする。下部排水流出部22の平面図形の重心CE1は、幾何学やシミュレーションで求めることができ、単位面積当たりの重量が均一な板を水抜き孔23の無い下部排水流出部22の形状に切り取って釣り合う点、すなわち、質量中心を探す試験を行うことによっても求めることができる。
凸部24と一時保水部壁部21との水平方向の間は、人の指が入るような間隔が設けられている。これにより、ヘアキャッチャー10を洗浄する際に一時保水部の最下部20aまで容易に洗浄することができる。
下部排水流出部22の最大の排水流出流量Qd(リットル/分)は、排水中の毛髪が浮遊する程度に洗い場W1からの排水が一時保水部20内で一時的に溜まる流量が好ましい。ここで、最大の排水流出流量Qdは、一時保水部20内に排水が上縁部21aまで溜まっているように連続して排水を導入したときに下部排水流出部22から流出する排水の流出流量とする。また、洗い場で使用するシャワーの平均吐水流量Qs(リットル/分)よりもQdを小さくすると、平均的な吐水流量で洗い場のシャワーを使用したときに洗い場の排水が一時保水部20内で一時的に溜まるので好ましい。一方、一時保水部20で一時的に保水される排水の滞留時間Tを数秒〜十数秒程度(例えば5〜15秒)とするようにQdを設定すると、洗い場使用後速やかに一時保水部20から排水が抜けて毛髪等を除去する作業を行うことができるので好ましい。
なお、上記排水流出流量Qdを大きくするには、水抜き孔23の開口面積を大きくしたり、水抜き孔23の数を多くしたりして、水抜き孔23の総開口面積(個々の水抜き孔の開口面積を総和した面積)を大きくすればよい。むろん、Qdを小さくするには、水抜き孔23の総開口面積を小さくすればよい。このようにして、下部排水流出部22を所望の排水流出流量にすることができる。
上部排水流出部30は、一時保水部20を取り囲むように設けられ、一時保水部20の上部(上縁部21a)から外側に向かって斜めに上がるように延出している。この上部排水流出部30には、排水中の毛髪の流出を抑止しながら一時保水部20に入りきらない排水を流出させる排水流出孔群31,31が複数形成されている。各排水流出孔群31は、毛髪の流出を抑止しながら排水を流出させる孔32が複数集合して構成されている。上部排水流出部30は一時保水部20に入りきらない排水を流出させるため、上部排水流出部30の最大の排水流出流量Qu(リットル/分)が下部排水流出部22の最大排水流出流量Qd(リットル/分)よりも大きくなるようにしている。ここで、最大の排水流出流量Quは、排水が排水桝112内で上部排水流出部30の外縁(外縁部30a)の位置まで溜まっているように連続して排水を導入したときに上部排水流出部30から流出する排水の流出流量とする。むろん、Quを大きくするには孔32の総開口面積を大きくすればよく、Quを小さくするには孔32の総開口面積を小さくすればよい。このようにして、上部排水流出部30を所望の排水流出流量にすることができる。
本実施形態の上部排水流出部30は、排水桝112の中で容積をできるだけ大きくするため、一時保水部20の上部よりも緩やかな傾斜で外側へ延出している。
排水導入部40は、洗い場W1からの排水を上部排水流出部30ではなく、一時保水部20へ導く。本実施形態の排水導入部40は、流入部60と立壁部50を有し、図5に示すように一時保水部20内で左回り(一方向)に回転する旋回流が発生するように洗い場W1からの排水を直接、一時保水部20内に導入する。なお、一時保水部内で旋回流が一方向に回転するとは、一時保水部内の旋回流が左回りのみであること、一時保水部内の旋回流が右回りのみであること等、一時保水部内の旋回流の回転方向が一つであることを意味するものとする。
流入部60は、排水流出孔群31,31同士で挟まれた位置(孔32同士で挟まれた位置)で上部排水流出部の外縁部30aと一時保水部の上縁部21aとを繋ぎ、洗い場W1からの排水を流入口56から一時保水部20へ通す。この流入部60を挟む排水流出孔群31,31同士の間隔は、各排水流出孔群31を構成する孔32同士の間隔よりも広くされている。ここで、排水流出孔群同士の間隔は一方の排水流出孔群31と他方の排水流出孔群31との間の最短距離をいい、孔同士の間隔は排水流出孔群31内の一つの孔32と隣接する孔32との間の最短距離をいうものとする。排水流出孔群31,31同士の間隔が広いので、排水は、上部排水流出部30からほとんど流出せずに流入部60上を流入口56から一時保水部20へ流れる。
本実施形態の流入部60は、上部排水流出部30と略同一面内で一時保水部20を挟む二箇所に設けられ、流入口56から一時保水部上縁部21aに向かって下がっている。
立壁部50は、洗い場W1からの排水を通す流入口56を設けて排水流出孔群31(孔32)が存在する上部排水流出部30の外側に配置されている。従って、立壁部50は、排水流出孔群31に直接排水が流れ込むことを抑止し、排水を流入口56だけから一時保水部20へ流入させるガイド機能を有する。
本実施形態の立壁部50は、各排水流出孔群31,31の外側に存在する第一の分割立壁部52及び第二の分割立壁部54から構成されている。両分割立壁部52,54は、上部排水流出部30を取り囲むように上部排水流出部の外縁部30aから上方へ延出している。立壁部50があることにより、毛髪等を含む洗い場W1からの排水が直接上部排水流出部30に入らないようになっており、毛髪等による上部排水流出部30の目詰まりを抑止することができる。
各分割立壁部52,54の流入口56側の縁部(区画部53,55)は、排水流出孔群31(上部排水流出部30)と流入部60とを区画するように一時保水部20の方へ曲げられている。これらの区画部53,55は、各分割立壁部52,54において旋回流の回転方向D1の下流側に設けられ、流入部60上の排水が一時保水部20内における凸部の最上部24a、すなわち、仮想の水平面に投影された下部排水流出部の平面図形の重心CE1から水平方向へずれた位置に向かうように配置されている。本実施形態の区画部53,55の向きは、一時保水部壁部21の内周面に沿う向きとされている。
なお、重心CE1から水平方向へずれた位置に向かうとは、図5に示す流入部60,60の排水の流れ方向D13,D13のように、ヘアキャッチャー10を上から見たときに重心CE1を通らない方向に向かうことを意味するものとする。
以上より、排水導入部40は、洗い場W1から排水桝112内に流入した排水を立壁部50の外側から流入口56,56へ流入させ、流入部60,60に沿って凸部の最上部24aから水平方向へずれた位置に向けて一時保水部20へ導く。これにより、流入部60,60上の排水が凸部の最上部24aから水平方向へずれた位置に向かうので、一時保水部20内で排水の旋回流が生じ易い。また、一時保水部20内に凸部24があるので、流入部60,60上の排水が一時保水部20内の旋回流を打ち消す方向へ流入し難い。
さらに、ヘアキャッチャー10が凸部の最上部24aを通る鉛直線を中心として2回回転対称であるので、流入部60,60上を流れてきた排水が180°反対の方向から一時保水部20内へ流入する。これにより、一時保水部内で排水が旋回流になり易くなり、毛髪等をまとめて捨て易くすることができる。
なお、流入部が一箇所しかないと、排水桝内に流入する排水の流れの向きによって一時保水部内で良好な旋回流が生じないことがある。一方、流入部が三箇所以上あると、流入部から一時保水部へ流入する排水の流れ同士がぶつかることにより一時保水部内で良好な旋回流が生じないことがある。本ヘアキャッチャーは、一時保水部を挟んで流入部が二箇所にあるので、一時保水部内で排水が旋回流になり易い。
ところで、図6に示すように、凸部の最上部24aを通る鉛直面で切断した断面における上部排水流出部30の傾きG1(%)は、同断面における流入部60の傾きG2(%)とほぼ同じである。一方、同断面における一時保水部壁部21の上部の傾きG3(%)は、上部排水流出部や流入部の傾きG1,G2よりも大きくされている。
なお、傾きG1%,G2%,G3%は、水平方向の距離Dh1(mm),Dh2(mm),Dh3(mm)に対する鉛直方向の距離をDv1(mm),Dv2(mm),Dv3(mm)として、
G1 = (Dv1/Dh1)×100 (%)
G2 = (Dv2/Dh2)×100 (%)
G3 = (Dv3/Dh3)×100 (%)
で表されるものとする。ここで、傾きを表すDh1,Dh2,Dh3は正の数、Dv1,Dv2,Dv3は0以上の数とする。
石鹸やシャンプー等に由来する泡を水面に有する排水がヘアキャッチャーの孔から流出していくとき、ヘアキャッチャー上面の勾配が急であると、泡が排出されにくい。一方、ヘアキャッチャー上面が水平であると、泡は排出され易くなるものの、毛髪等がヘアキャッチャー上面全体に付着して目詰まりすることがある。
本ヘアキャッチャー10は、上部排水流出部30に傾きを設けることにより毛髪等を凹状の一時保水部20へ集め、上部排水流出部の傾きG1を水平に近くすることにより泡の排出性能を高めている。これにより、本ヘアキャッチャー10は、凹状の一時保水部20で毛髪等の異物を集めながら排水の水面にある泡を容易に上部排水流出部30から排出することができる。
また、泡を素早く排出するためには各孔32の開口面積が大きい方がよいため、各孔32の開口面積は一時保水部の各水抜き孔23の開口面積よりも大きくしている。
なお、ヘアキャッチャー10は、上部排水流出部の外縁部30aから下方へ延出した下方延出部42を有し、締め付けフランジ140に対して下方延出部42が取り付けられるようにされている。図4と図7(a)に示すように、下方延出部42の下部外側面には、90°間隔で4箇所に溝43が形成されている。また、下方延出部42の下縁部45には、各溝43に繋がる切欠部44が90°間隔で形成されている。各切欠部44を締め付けフランジの突起141bに合わせて締め付けフランジ140の開口部にヘアキャッチャー10の下部を挿入し、上下の突起141b間に下方延出部の下縁部45を挿入するようにヘアキャッチャー10を回転させることにより、ヘアキャッチャー10が封水筒150の上部に取り付けられる。これにより、ヘアキャッチャー10が排水桝112内の所定位置に固定される。
むろん、90°間隔とされた締め付けフランジ突起141b及び溝43により、締め付けフランジ140に取り付けられるヘアキャッチャー10の向きを90°単位で変えることができる。また、締め付けフランジの開口部が上面視円形であり、ヘアキャッチャーの下部が下面視円形であるので、締め付けフランジ及びヘアキャッチャーの取付部を変更することにより締め付けフランジに対してヘアキャッチャーを取り付ける向きを360°全ての向きに変更可能である。
ところで、ヘアキャッチャー10は、熱可塑性樹脂といった樹脂材料、ステンレスといった金属材料、これらの組み合わせ、等、種々の材質とすることができ、樹脂材料や金属材料の成形品等を用いることができる。
本ヘアキャッチャー10を設けた排水トラップ1は、例えば、床材フランジ部113の先端部にパッキン144を取り付け、トラップ本体のフランジ部133に締め付けフランジ140を螺入して床材フランジ部113とトラップ本体130とを互いに固定し、封水筒150を締め付けフランジ140に取り付け、ヘアキャッチャー10を締め付けフランジ140に取り付け、排水桝の段部114にカバー120を載置することにより、形成される。
(2)ヘアキャッチャーの作用、効果:
次に、本ヘアキャッチャー10の作用、効果を説明する。
洗い場W1で生じた排水は、カバー120の周囲から排水桝112に流入するが、分割立壁部52,54により排水流出孔群31,31に直接流れ込むことが抑止され、流入口56,56からヘアキャッチャー10内に流入する。流入口56,56から流入した排水は、傾きG2を有する流入部60,60上を区画部53,55に案内されて一時保水部20内における凸部の最上部24a(重心CE1)から水平方向へずれた位置に向かって速度を上げる。このため、少ない排水量でも効果的に旋回流を発生させることができる。なお、排水が流入部60,60に隣接する孔32の上を通過することもあるが、このような排水は僅かである。
流入部60,60を流れてきた排水は、凸部の最上部24aから水平方向へずれた位置に向かって凹状の一時保水部20に流入する。図5には、流入部60,60から一時保水部20内に流入する排水の流れD13,D13を矢印で示している。該排水は、一時保水部20で一時的に保水されながら左回りに旋回し、下部排水流出部22から下方へ流出する。排水が一時保水部壁部21の内周面に沿う方向へ流入するので、旋回流は下部排水流出部22を通り鉛直に向いた仮想の回転軸AX1を中心とするような渦流となる。一時保水部20内で一時的に溜まった排水の渦流の中で、図7(b)に示すように毛髪H1等の異物が浮遊しながら旋回して集まり、下部排水流出部22からの毛髪H1等の流出が抑止される。むろん、下部排水流出部22から毛髪H1等が流出しようとしても、複数の水抜き孔23を形成した下部排水流出部22に引っ掛かることにより毛髪H1等の流出が抑止される。
また、一時保水部20内に凸部24があることにより一時保水部20へ導かれる排水が旋回流を打ち消す方向へ流入し難いので、一時保水部20内で毛髪H1等がまとまり易い。
また、下部排水流出部22の排水流出流量を超える排水が一時保水部20に流入すると、排水は、一時保水部20に入りきらず上縁部21aを超え、上部排水流出部30から流出する。排水に泡が生じている場合には、緩やかな傾きG1を有する上部排水流出部の排水流出孔群31から泡が排出される。図7(b)は、排水が上縁部21aを超えて位置L1にまで上昇していることを示している。このとき、下部排水流出部22から流出した排水が封水面Sまで流れ方向D14へ落下するとともに、上部排水流出部30から流出した排水が封水面Sまで流れ方向D15へ落下する。ここで、一時保水部20内の排水中の毛髪等は集まって浮遊し旋回しているため、上部排水流出部の孔32から流出しようとする毛髪等は少ない。また、上部排水流出部30から毛髪H1等が流出しようとしても、複数の孔32が形成された上部排水流出部30に引っ掛かることにより毛髪H1等の流出が抑止される。従って、上部排水流出部30は、従来のヘアキャッチャーに設けられたオーバーフロー用の開口部のように毛髪等が流出してしまう開口部とは異なる。
一時保水部20に排水が流入しなくなると、毛髪H1等が浮遊して集まった排水が下部排水流出部22から流出し、図7(c)に示すように毛髪H1等がまとまった状態で一時保水部20内に残存する。ここで、一時保水部20の底部に凸部24が設けられているので、集まった毛髪H1等が凸部24に支えられ、該毛髪等と一時保水部底部との接触面積が少ない。捕集した毛髪等を捨てる際には、排水桝112からカバー120を取り外した後にヘアキャッチャー10を締め付けフランジ140から取り外して裏返す作業をすればよい。毛髪等がまとまった状態で一時保水部20内に存在するので、上下逆にされた一時保水部20から毛髪等が容易に落下する。また、凸部24に支えられた毛髪H1等と一時保水部20底部との接触面積が少ないので、毛髪等を捨てる際に一時保水部20の内側面から毛髪等が離れやすい。従って、ヘアキャッチャーから容易に毛髪等を除去することができる。
図8(d)に示した従来例のように排水が速やかにヘアキャッチャーを通過するようにされていると毛髪等がヘアキャッチャーに絡み付いて毛髪等を除去し難くなるが、本ヘアキャッチャー10は、一時保水部の孔が少なく、排水が徐々に下部排水流出部22を通過するので、毛髪等が一時保水部に絡み付かず、良好な毛髪除去性を得ることができ、清掃し易い。
また、図8(a)〜(d)に示した従来例のように洗い場からの全排水が一度にヘアキャッチャー全体を通過すると毛髪等がヘアキャッチャー全体に付着して目詰まりし易くなるが、本ヘアキャッチャー10は、排水流出孔群31に直接排水が流れ込まないので、上部排水流出部30の閉塞を抑止して安定した排水能力を得ることができる。
さらに、図8(a)〜(d)に示した従来例では封水筒や排水桝等を特別な構造にすることより渦流を発生させる必要があるが、本ヘアキャッチャー10は、上述した良好な毛髪除去性及び安定した排水能力をヘアキャッチャー単独の構造のみで得ることができる。特に、図8(a)〜(c)に示した従来例では洗い場からの排水が全て排水量調節部品904を通過することにより排水能力が制限されるが、本ヘアキャッチャー10によると、封水筒の排水能力を制限する必要が無いので、安定した排水能力が得られる。また、図8(d)に示した従来例では渦流を発生させるために浴槽排水が必要であるが、本ヘアキャッチャー10は、浴槽排水を用いず洗い場シャワー等の洗い場からの排水だけで良好な毛髪除去性を得ることができる。
従って、本ヘアキャッチャー10によると、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、良好な毛髪除去性及び良好な清掃性並びに安定した排水能力を得ることが可能となる。むろん、これらの性能は、既存の排水トラップからヘアキャッチャーのみを交換することにより得られることになる。従って、排水トラップを安価にすることが可能になる。
また、本ヘアキャッチャー10は、締め付けフランジ140の内径とほぼ同じ外径のコンパクトな大きさで上述した良好な毛髪除去性及び清掃性並びに安定した排水能力を得ることができる。
なお、洗い場から流入する排水が少ないときには一時保水部20内で旋回流が生じないこともあるが、この場合でも一時保水部20内で一時的に溜まった排水の中で毛髪等が浮遊して集まり、下部排水流出部22からの毛髪等の流出が抑止される。むろん、流入する排水が一時保水部20に一時的に保水されない程度に少ないときであっても、複数の水抜き孔23を形成した下部排水流出部22により毛髪等の流出が抑止され、下部排水流出部22から排水が徐々に流出するので毛髪等の絡み付きによる毛髪除去性の低下が抑止される。
(3)変形例:
本発明のヘアキャッチャーは、種々の変形例が考えられる。
ヘアキャッチャーを構成する各部は、全て一体化されていてもよいし、独立した部材で構成されてもよい。
洗い場からの排水を一時保水部へ通す流入口は、立壁部に設けられる隙間以外にも、これらの部位に設けられる開口等でもよい。
上記下部排水流出部や上記上部排水流出部は、複数の孔で形成する以外にも、繊維や針金等を編んで形成した網で構成したり、複数のスリットで形成したりすることが可能である。
上記上部排水流出部の外側に配置される立壁部は、鉛直方向に延出した形状以外にも、鉛直方向からずれた方向に延出した形状等でもよい。
一時保水部の底部に設けられる凸部の上方へ凸とされた形状には、上方へ膨出した形状のみならず、上方へ突出した形状、上方へ延出した形状、等も含まれる。
一時保水部の底部に設けられる凸部の最上部は、下部排水流出部の平面図形の重心からずれていてもよい。
一時保水部の底部には、上述した凸部が複数設けられてもよい。
一時保水部の水抜き孔は、凸部全体にわたって設けられるのみならず、一時保水部の最下部のみ等、凸部の周囲にのみ設けられてもよい。
上部排水流出部に設けられる排水流出孔群は、複数のみならず、単数でもよい。上部排水流出部に一つのみ排水流出孔群が設けられる場合、該排水流出孔群が一時保水部の周りの一周近くにわたって配置され、該排水流出孔群の右回り方向の縁部と該排水流出孔群の左回り方向の縁部とで挟まれた位置に流入部が設けられてもよい。この場合の流入部も、上部排水流出部の排水流出孔群同士で挟まれた位置で上部排水流出部の外縁と一時保水部の上部とを繋ぐ部位となる。
上部排水流出部には、上記排水流出孔群の代わりに、単一の孔で構成される排水流出孔が設けられてもよい。従って、上部排水流出部に設けられる孔は、複数のみならず、単数でもよい。
上記排水導入部が一時保水部内に発生させる旋回流は、上述した実施形態とは逆の右回りでもよい。また、旋回流の回転軸AX1の向きは、鉛直方向から斜めにずれた方向でもよく、水平方向でもよい。
上記排水導入部が一時保水部内へ排水を導く方向は、一時保水部壁部の内周面に沿う方向以外とすることができる。例えば、排水を導く方向を下部排水流出部に向かう方向とすると、一時保水部内で水平に向いた回転軸を中心とするような旋回流が発生すると考えられる。この場合も、一時保水部内で毛髪等が浮遊しながら旋回して集まり、毛髪等がまとまった状態で一時保水部内に残存して、良好な毛髪除去性を得ることができると考えられる。
上記一時保水部が上下逆の角錐の形状、又は、上下逆の角錐の頂点及び稜線を丸くしたような形状である場合、上記排水導入部は一時保水部壁部の水平断面の辺に沿った方向へ洗い場からの排水を導いてもよい。
上記排水導入部が旋回流を発生させないように洗い場からの排水を一時保水部へ導く場合でも、一時保水部内で一時的に溜まった排水の中で毛髪等が浮遊して集まり、下部排水流出部から排水が抜け落ちたときに毛髪等が集まった状態で一時保水部内に残存する。従って、良好な毛髪除去性及び安定した排水能力を得る効果が得られる。
排水トラップを構成する締め付けフランジ等の部材にヘアキャッチャーを取り付ける操作を行うための把手等の部位を有するヘアキャッチャーも、本発明の作用、効果を奏する。
また、流入した排水を保水する凹状の保水部は、上述した下部排水流出部を有する一時保水部のみならず、下部排水流出部22の無い保水部でもよい。下部排水流出部が無い場合、保水部20に流入した排水は、全て上部排水流出部30から流出することになる。ここで、毛髪の比重が1.2〜1.3程度と水の比重よりも大きいため、保水部20の中で毛髪には沈む力が加わる。これにより、保水部20に入りきらない排水が上部排水流出部30から流出する際に流出しようとする毛髪は少ない。また、毛髪が上部排水流出部30へ移動しても、排水は単に上部排水流出部30からオーバーフローする訳ではなく、上部排水流出部30で毛髪の流出が抑止される。
一方、毛髪が細長いため、保水部20内に溜まった排水の中で毛髪に加わる沈む力よりも排水の流れの影響の方が大きく、保水部20内で毛髪が浮遊する。これにより、保水部20内で毛髪等が集まり、毛髪等が集まった状態で保水部20内に残存する。従って、捕集した毛髪等を容易に除去することができる。
また、洗い場からの排水が保水部20へ導かれるので、上部排水流出部30の閉塞が抑止され、安定した排水能力を得ることができる。
なお、本発明を適用可能な洗い場は、浴室の洗い場以外にも、洗面化粧台の排水トラップに繋がる洗面台、理容店や美容室の排水トラップに繋がる洗面台、等でもよい。
また、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
1…排水トラップ、
10…ヘアキャッチャー、
20…一時保水部(保水部)、20a…最下部、
21…壁部、21a…上縁部、
22…下部排水流出部、23…水抜き孔、
24…凸部、24a…最上部、
30…上部排水流出部、31…排水流出孔群(孔群)、32…孔、
40…排水導入部、
50…立壁部、
52…第一の分割立壁部、53…区画部、
54…第二の分割立壁部、55…区画部、
56…流入口、
60…流入部、
110…床材、112…排水桝、120…カバー、
130…トラップ本体、140…締め付けフランジ、150…封水筒、
AX1…仮想の回転軸、B1…浴槽、
CE1…下部排水流出部の平面図形の重心、
D1…旋回流の回転方向、
D13〜D15…排水の流れ方向、
H1…毛髪、S…封水面、W1…洗い場、

Claims (3)

  1. 排水トラップに対して着脱可能に設けられるヘアキャッチャーであって、
    底部に上方へ凸とされた凸部を有する凹状とされ、流入した排水を保水する保水部と、
    該保水部の上部から延出し、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる上部排水流出部と、
    前記保水部内における前記凸部の最上部から水平方向へずれた位置に向けて洗い場からの排水を前記保水部へ導く排水導入部とを備えることを特徴とするヘアキャッチャー。
  2. 前記上部排水流出部は、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる孔群を有することを特徴とする請求項1に記載のヘアキャッチャー。
  3. 前記排水導入部は、前記上部排水流出部の外縁と前記保水部の上部とを繋ぐとともに前記上部排水流出部の孔群同士で挟まれた位置で洗い場からの排水を前記保水部へ通す流入部を有し、
    前記流入部を挟む前記上部排水流出部の孔群同士の間隔が前記孔群の孔同士の間隔よりも広くされていることを特徴とする請求項2に記載のヘアキャッチャー。
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