JP5398085B2 - ヘアキャッチャー - Google Patents

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Description

本発明は、排水トラップに設けられるヘアキャッチャーに関する。
浴室の排水トラップには、毛髪を主とするごみ等の異物を排水中から捕集するヘアキャッチャーが着脱可能に設けられている。また、ヘアキャッチャー外で発生させた渦流をヘアキャッチャー内に導入して異物をまとめるようにすることも行われている。
特許文献1には、漏斗型封水筒に設置する深型ヘアキャッチャー内に渦巻き水流を発生させる様に深型ヘアキャッチャーの外側に水向案内部を設けた排水口が記載されている。図16の(a)は漏斗型封水筒902及び水向案内部903を断面視して同文献に記載された排水口を示す側面図であり、同図(b)は水向案内部913を一体化したヘアキャッチャー911を示す側面図であり、同図(c)は漏斗型封水筒902及び水向案内部918を断面視して同文献に記載された排水口を示す側面図である。
同図(a)の排水口は、封水筒902に排水量調節部品904を取り付けて封水筒902の穴径を小さくすることにより、水向案内部903による右回転の渦巻き水流を封水筒902内、すなわち、ヘアキャッチャー901外で発生させている。これにより、ヘアキャッチャー901内に渦巻き水流が発生するとされている。同排水口は、洗い場からの排水がヘアキャッチャー901全体に流入し、全排水が排水量調節部品904を通って少しずつ流下することになる。
また、同図(b)の排水口は、ヘアキャッチャー911の外側面に水向案内部913を一体形成あるいは着脱可能に形成している。同排水口も、水向案内部913による右回転の渦巻き水流をヘアキャッチャー911外で発生させ、この渦巻き水流をヘアキャッチャー911内に導入している。
さらに、同図(c)の排水口は、ヘアキャッチャー916の上部位置に水向案内部918を配置している。
特許文献2には、排水桝の立面に設けた吐水口から浴槽排水を吐出するようにした排水構造が記載されている。図16(d)は、同文献に記載された排水構造を示す斜視図である。この排水構造は、排水桝923の底面923aの流入口924に対してヘアキャッチャー925が水平に取り付けられ、吐水口921からの浴槽排水の吐出方向が流入口924の中心を向いていない。このため、吐水口921から吐出された浴槽排水は、渦を描いて流入口924へ向かい、ヘアキャッチャー925を通過する。
特許文献3には、キッチンのシンクに設けられた排水トラップが記載されている。図16(e)は、同文献に記載された排水トラップ930を示す垂直断面図である。排水トラップ930は、水受椀部931aや封水椀部931bや外周流路部931cを有するトラップ本体931、封水椀部931b内に挿入された防臭筒932、水受椀部931a内に配置された網かご933、水受椀部931aの上面開口を蓋う蓋体934、を備えている。外周流路部931cや防臭筒932や蓋体934には、封水椀部931b内で一方向に回転する渦流が水流により発生するように排水を案内する排水案内手段が設けられている。シンクから排水トラップ930へ流れる排水は、封水椀部931b内で渦流が発生するように蓋体934で案内され、網かご933を通過する。
特開2007−198130号公報 特開2007−46424号公報 特開2007−120021号公報
図16(a)に示す排水口は、洗い場からの排水が全て排水量調節部品904を通過するため、排水能力が制限される。このため、同排水口は、浴槽から湯が溢れたとき等、一度に大量の排水が生じたときに十分に排出されないことがある。同図(b)(c)に示すヘアキャッチャー911を排水口に用いても、同様である。
また、同図(a)(b)に示すヘアキャッチャー901,911は、外側に水向案内部903,913が設けられているため、封水筒902内で渦巻き水流を発生させるためには封水筒902の形状を水向案内部903,913の形状に合わせなければならない。
さらに、同図(a)〜(c)に示すヘアキャッチャー901,911,916は、洗い場からの全排水がヘアキャッチャー全体に流入するため、ヘアキャッチャー全体に毛髪等が付着し、ヘアキャッチャーから毛髪等を除去し難かったり、ヘアキャッチャーが目詰まりしたりすることがある。
図16(d)に示す排水構造は、渦流を発生させるために浴槽排水が必要であり、かつ、浴槽排水を吐出する吐水口921を排水桝923に形成する必要がある。また、ヘアキャッチャー925が水平に配置され、排水がヘアキャッチャー925上で保水されず速やかにヘアキャッチャー925全体を通過するようにされているため、毛髪等がヘアキャッチャー全体に絡み付きやすい。このため、ヘアキャッチャーから毛髪等を除去し難かったり、ヘアキャッチャーが目詰まりしたりすることがある。
図16(e)に示す排水トラップ930は、浴室ではなくキッチンに設けられるため、ヘアキャッチャーではなく網かご933を用いている。また、排水が網かご933内で保水されず速やかに網かご933全体を通過するようにされているため、仮に毛髪等が流された場合には、その毛髪等が網かご全体に絡み付きやすい。このため、網かごから毛髪等を除去し難かったり、網かごが目詰まりしたりすることがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、捕集した毛髪等を容易に除去することができ、安定した排水能力を得ることが可能なヘアキャッチャーの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、排水トラップに対して着脱可能に設けられるヘアキャッチャーであって、流入した排水を保水する凹状の保水部と、該保水部の上部から延出し、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる上部排水流出部と、洗い場からの排水を前記保水部へ導く排水導入部とを備え、前記上部排水流出部は、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる孔群を有し、前記排水導入部は、前記上部排水流出部の外縁と前記保水部の上部とを繋ぐとともに前記上部排水流出部の孔群同士で挟まれた位置で洗い場からの排水を前記保水部へ通す流入部を有することを特徴とする。
すなわち、洗い場からの排水は、上部排水流出部の外縁と保水部の上部とを繋ぐとともに上部排水流出部の孔群同士で挟まれた位置で洗い場からの排水を保水部へ通す流入部を有する排水導入部により凹状の保水部へ導かれ、該保水部で保水される。また、保水部に入りきらない排水は、保水部の上部から延出した上部排水流出部の孔群から流出する。ここで、保水部に入りきらない排水は、単に上部排水流出部の孔群からオーバーフローする訳ではなく、毛髪の流出が抑止されながら上部排水流出部の孔群から流出する。
保水部内に溜まった排水の中では、毛髪等が浮遊して集まり、毛髪等が集まった状態で保水部内に残存する。従って、捕集した毛髪等を容易に除去することができる性能、すなわち、良好な毛髪除去性を得ることができる。
また、上記流入部を有する排水導入部により洗い場からの排水が保水部へ導かれるので、上部排水流出部の孔群の閉塞が抑止される。従って、安定した排水能力を得ることができる。
さらに、上述した良好な毛髪除去性及び安定した排水能力は、ヘアキャッチャー単独の構造のみで得られる。
各請求項に係る発明において、上記ヘアキャッチャーには、毛髪以外の異物も捕集するものも含まれる。また、上記ヘアキャッチャーには、浴室の排水トラップに用いられるヘアキャッチャーの他、洗面化粧台の排水トラップに用いられるヘアキャッチャー、理容店や美容室の排水トラップに用いられるヘアキャッチャー、等も含まれる。
上記排水は、毛髪を含む水とする。
洗い場からの排水には、洗い場から排水桝内に落ちた後にヘアキャッチャー内へ流れ込む排水が含まれる。
排水中の毛髪の流出を抑止する上記上部排水流出部は、全ての毛髪を止めなくても良い。すなわち、抑止は、全てを止めることに限定されない。
上記保水部が排水を保水することには、排水を一時的に保水することが含まれる。ここで、保水部が排水を一時的に保水することは、保水部内で排水が流出しながらも一時的に排水が溜まった状態にさせることを意味する。
上記凹状の保水部は排水を受けて保水する形状であればよく、該保水部の形状には椀状、半球状、上下逆の円錐状、上下逆の角錐状、等の形状が含まれる。また、これらの形状の底部に上方へ突出したり膨出したりした部位が設けられた形状の保水部も、上記凹状の保水部に含まれる。
また、上記目的を達成するため、排水トラップに設けられるヘアキャッチャーは、
流入した排水を保水する凹状の保水部と、
該保水部の上部から延出し、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる孔を有する上部排水流出部と、
該上部排水流出部の外縁と前記保水部の上部とを繋ぐとともに前記上部排水流出部の孔同士で挟まれた位置で洗い場からの排水を前記保水部へ通す流入部と、
該流入部へ洗い場からの排水を通す流入口を設けて前記孔が存在する前記上部排水流出部の外側に配置された立壁部とを備えるヘアキャッチャーでもよい。
すなわち、ヘアキャッチャーに流入する洗い場からの排水は、立壁部により上部排水流出部の孔へ流入し難くされ、流入口から流入部を通って凹状の保水部へ流入し、該保水部で保水される。また、保水部に入りきらない排水は、保水部の上部から延出した上部排水流出部から流出する。ここで、保水部に入りきらない排水は、単に上部排水流出部からオーバーフローする訳ではなく、毛髪の流出が抑止されながら上部排水流出部から流出する。
保水部内に溜まった排水の中では、毛髪等が浮遊して集まり、毛髪等が集まった状態で保水部内に残存する。従って、捕集した毛髪等を容易に除去することができる性能、すなわち、良好な毛髪除去性を得ることができる。
また、洗い場からの排水が流入部を経て保水部へ通されるので、上部排水流出部の閉塞が抑止される。従って、安定した排水能力を得ることができる。
さらに、上述した良好な毛髪除去性及び安定した排水能力は、ヘアキャッチャー単独の構造のみで得られる。
さらに、上記目的を達成するため、排水トラップに設けられるヘアキャッチャーは、
排水中の毛髪の流出を抑止しながら排水を流出させる下部排水流出部を下部に有し、流入した排水を一時的に保水しながら該排水を前記下部排水流出部から流出させる凹状の一時保水部と、
該一時保水部の上部から延出し、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記一時保水部に入りきらない排水を流出させる上部排水流出部と、
洗い場からの排水を前記一時保水部へ導く排水導入部とを備えるヘアキャッチャーでもよい。
すなわち、洗い場からの排水は、排水導入部により凹状の一時保水部へ導かれ、該一時保水部で一時的に保水されながら下部排水流出部から流出する。このとき、排水中の毛髪の流出が抑止される。また、一時保水部に入りきらない排水は、一時保水部の上部から延出した上部排水流出部から流出する。ここで、一時保水部に入りきらない排水は、単に上部排水流出部からオーバーフローする訳ではなく、毛髪の流出が抑止されながら上部排水流出部から流出する。
一時保水部内で一時的に溜まった排水の中では、毛髪等が浮遊して集まる。この一時保水部から排水が抜けると、毛髪等が集まった状態で一時保水部内に残存する。従って、捕集した毛髪等を容易に除去することができる性能、すなわち、良好な毛髪除去性を得ることができる。
また、洗い場からの排水が一時保水部へ導かれるので、上部排水流出部の閉塞が抑止される。従って、安定した排水能力を得ることができる。
さらに、上述した良好な毛髪除去性及び安定した排水能力は、ヘアキャッチャー単独の構造のみで得られる。
各請求項に係る発明において、上記排水が毛髪を含む水であるので、下部排水流出部や上部排水流出部は、毛髪を含む水が流出する部位を意味する。
排水中の毛髪の流出を抑止する上記下部排水流出部や上記上部排水流出部は、全ての毛髪を止めなくても良い。すなわち、抑止は、全てを止めることに限定されない。
上記一時保水部が排水を一時的に保水することは、一時保水部内で排水が流出しながらも一時的に排水が溜まった状態にさせることを意味する。従って、一時保水部内での排水の滞留時間は、有限の時間である。中で毛髪が浮遊しながら一時保水部内に存在する排水の状態は、一時保水部内に一時的に保水されている状態に含まれる。
上記凹状の一時保水部は排水を受けて一時的に保水する形状であればよく、該一時保水部の形状には椀状、半球状、上下逆の円錐状、上下逆の角錐状、等の形状が含まれる。また、これらの形状の底部に上方へ突出したり膨出したりした部位が設けられた形状の一時保水部も、上記凹状の一時保水部に含まれる。
上記排水導入部は、前記保水部内で一方向に回転する旋回流が発生するように洗い場からの排水を前記保水部へ導いてもよい。すると、排水の旋回流により保水部内で毛髪等がまとまるので、毛髪除去性が向上する。
上記旋回流は、保水部内に存在する排水が回転する流れをいい、保水部に流入した排水が下部排水流出部等から流出するまでの回転数に制限は無い。また、旋回流の仮想の回転軸の向きは、鉛直方向でもよいし、水平方向でもよいし、鉛直方向や水平方向から斜めにずれた方向でもよい。
なお、上記ヘアキャッチャーを有する排水トラップの発明や、上記ヘアキャッチャーを有する浴室の発明も、上述した作用、効果を奏する。
発明によれば、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、良好な毛髪除去性及び安定した排水能力を得ることが可能なヘアキャッチャーを提供することができる
第一の実施形態に係るヘアキャッチャーを設けた排水トラップを示す垂直断面図。 図1に示す排水トラップの分解斜視図。 図1に示すヘアキャッチャーの外観を示す斜視図。 図1に示すヘアキャッチャーを上から見て示す平面図。 図1に示すヘアキャッチャーの側面図及び垂直断面図。 締め付けフランジ、封水筒及び第二の実施形態に係るヘアキャッチャーの上面を示す平面図。 第二の実施形態に係るヘアキャッチャーを設けた排水トラップを示す垂直断面図。 図7に示す排水トラップの要部を示す斜視図。 図7に示すヘアキャッチャーの側面図及び垂直断面図。 変形例に係るヘアキャッチャーの垂直断面図。 第三の実施形態に係るヘアキャッチャーを設けた排水トラップを示す垂直断面図。 図11に示すヘアキャッチャーの外観を示す斜視図。 図11に示すヘアキャッチャーを上から見て示す平面図。 図11に示すヘアキャッチャーを図13のA6−A6の位置で断面視して示す垂直断面図。 図11に示すヘアキャッチャーの側面図及び垂直断面図。 排水トラップの従来例を示す図。
(1)第一の実施形態:
図1は本発明の第一の実施形態に係るヘアキャッチャー10を設けた浴室用の排水トラップ1を示す垂直断面図、図2は排水トラップ1の分解斜視図、図3,4はヘアキャッチャー10の外観を示す図、図5(a)はヘアキャッチャー10を図3のA1方向から見て示す側面図、図5(b)(c)はヘアキャッチャー10を図3のA2−A2の位置から見て示す垂直断面図である。また、図6(a)(b)は、第一及び第二の実施形態に用いられる締め付けフランジ140及び封水筒150を上から見て示している。
浴室は、図示しないシャワーや給湯栓等が設けられた洗い場W1が浴槽B1の外側に設けられ、この洗い場W1の床材110の一部が凹んで排水桝112が形成されている。この排水桝112は、下側の開口部に向かって略水平方向に内側へ延出したフランジ部113を有し、上側の開口部にカバー120を着脱することができるようにされている。排水トラップ1は、排水桝112に取り付けられ、カバー120と床材110との隙間CL1から排水桝112へ流入した排水を通過させる。本排水トラップ1は、カバー120、トラップ本体130、締め付けフランジ140、封水筒150、及びヘアキャッチャー10を備える。
排水桝112の四隅には、図2に示すように、ヘアキャッチャー10及びカバー120を載置するための洗い場側段部114a,114a及び浴槽側段部114b,114bが形成されている。カバー120の浴槽側縁部120aには、洗い場側へ凹んだ手かけ部122が形成されている。
図1に示すように、トラップ本体130は、上部が開口し、浴槽側の側壁130aの下部に水平方向へ突出した接続口131が形成され、該接続口131に対向する側壁130bに水平方向へ突出した排出口132が形成されている。接続口131は、接続管を介して浴槽の防水パンに接続されている。トラップ本体130内では、側壁130a,130bの上縁部に封水面Sが形成され、この封水面Sの下側に封水筒150の下部が差し込まれる。また、トラップ本体130の上縁部には径方向内側へ延出したフランジ部133が形成され、このフランジ部133の内周面にねじ部133aが形成されている。
締め付けフランジ140は、図1及び図6(a)に示すように、トラップ本体のねじ部133aと螺合するねじ部141aを外周面に有する円筒部141と、この円筒部141の上縁部で径方向外側へ延出した上側フランジ部142と、円筒部141の下縁部で径方向内側へ延出した下側フランジ部143とを備える略環状に形成されている。円筒部141の内周面には、90°間隔で4箇所に上下2つの突起141bが形成されている。床材のフランジ部113の先端部にパッキン144を取り付け、このパッキン144をトラップ本体のフランジ部133とで挟むようにして該フランジ部133に締め付けフランジ140を螺入すると、床材のフランジ部113とトラップ本体130とを互いに固定することができる。
封水筒150は、図1及び図6(b)に示すように、筒状の本体部151と、この本体部151の上縁部から径方向外側へ延出したフランジ部152とを有する形状に形成されている。フランジ部152の外縁部には、90°間隔で4箇所に切欠152aが形成されている。各切欠152aを締め付けフランジの突起141bに合わせて締め付けフランジ140の開口部に封水筒の本体部151を挿入し、封水筒のフランジ部152を締め付けフランジの下側フランジ部143に接触させて回転させることにより、トラップ本体130内の所定位置に封水筒150が固定される。ここで、封水筒150の下端とトラップ本体130の底面との間に隙間が設けられている。
ヘアキャッチャー10は、図1〜図5に示す一時保水部(保水部)20と上部排水流出部30と排水導入部40を備え、排水から毛髪等のごみを捕集する。
一時保水部20は、上部が開口し下方へ凹んだ凹状に形成され、流入した排水を保水する。本実施形態の一時保水部20は、四隅に段部114を有する排水桝112の中で容積をできるだけ大きくするため、上下逆の四角錐の頂点及び稜線を丸くしたような形状としてある。この四角錐の頂点近傍となる一時保水部20下部には、排水中の毛髪等の流出を抑止しながら排水を略下方へ流出させる水抜き孔23が複数形成されている。これらの水抜き孔23が設けられた一時保水部20下部は、本発明にいう下部排水流出部22となっている。排水を流出させる下部排水流出部22が凹状の一時保水部20の下部に存在することにより、一時保水部20内で一時的に保水される排水に渦流が発生し易くなっている。
一方、一時保水部20における下部排水流出部22の周囲は、水抜き孔の無い壁部21とされ、外側に向かって斜めに立ち上がっている。従って、一時保水部20は、流入した排水を一時的に保水しながら該排水を下部排水流出部22から流出させる。
下部排水流出部22の最大の排水流出流量Qd(リットル/分)は、排水中の毛髪が浮遊する程度に洗い場W1からの排水が一時保水部20内で一時的に溜まる流量が好ましい。ここで、最大の排水流出流量Qdは、一時保水部20内に排水が上縁部21aまで溜まっているように連続して排水を導入したときに下部排水流出部22から流出する排水の流出流量とする。また、洗い場で使用するシャワーの平均吐水流量Qs(リットル/分)よりもQdを小さくすると、平均的な吐水流量で洗い場のシャワーを使用したときに洗い場の排水が一時保水部20内で一時的に溜まるので好ましい。一方、一時保水部20で一時的に保水される排水の滞留時間Tを数秒〜十数秒程度(例えば5〜15秒)とするようにQdを設定すると、洗い場使用後速やかに一時保水部20から排水が抜けて毛髪等を除去する作業を行うことができるので好ましい。
なお、上記排水流出流量Qdを大きくするには、水抜き孔23の開口面積を大きくしたり、水抜き孔23の数を多くしたりして、水抜き孔23の総開口面積(個々の水抜き孔の開口面積を総和した面積)を大きくすればよい。むろん、Qdを小さくするには、水抜き孔23の総開口面積を小さくすればよい。このようにして、下部排水流出部22を所望の排水流出流量にすることができる。
上部排水流出部30は、一時保水部20の上部(上縁部21a)から外側に向かって斜めに上がるように延出している。この上部排水流出部30には、排水中の毛髪の流出を抑止しながら排水を流出させる孔32が複数形成されている。上部排水流出部30は一時保水部20に入りきらない排水を流出させるため、上部排水流出部30の最大の排水流出流量Qu(リットル/分)が下部排水流出部22の最大排水流出流量Qd(リットル/分)よりも大きくなるようにしている。ここで、最大の排水流出流量Quは、排水が上部排水流出部30の外縁部30aの最も低い位置まで溜まっているように連続して排水を導入したときに上部排水流出部30から流出する排水の流出流量とする。むろん、Quを大きくするには孔32の総開口面積を大きくすればよく、Quを小さくするには孔32の総開口面積を小さくすればよい。このようにして、上部排水流出部30を所望の排水流出流量にすることができる。
本実施形態の上部排水流出部30は、排水桝112の中で容積をできるだけ大きくするため、一時保水部20の上部よりも緩やかな傾斜で外側へ延出している。
排水導入部40は、洗い場W1からの排水を上部排水流出部30ではなく、一時保水部20へ導く。本実施形態の排水導入部40は、立壁部50と傾斜部60とフランジ部70を有し、一時保水部20内で左回り(一方向)に回転する旋回流が発生するように洗い場W1からの排水を直接、一時保水部20内に導入する。なお、一時保水部内で旋回流が一方向に回転するとは、一時保水部内の旋回流が左回りのみであること、一時保水部内の旋回流が右回りのみであること等、一時保水部内の旋回流の回転方向が一つであることを意味するものとする。
立壁部50は、洗い場W1からの排水を通す流入口56を洗い場W1側に設け浴槽側を離間させて上部排水流出部30の外側に配置された第一の分割立壁部52及び第二の分割立壁部54から構成されている。洗い場W1からの排水の多くは洗い場W1側から排水桝112に流入するので、ヘアキャッチャー10上の流入口56は洗い場W1からの排水の多くが流れ込む位置に設けられていることになる。両分割立壁部52,54は、上部排水流出部30を囲むように上部排水流出部30の外縁部30aから上方へ延出している。立壁部50があることにより、毛髪等を含む洗い場W1側からの排水が直接上部排水流出部30に入らないようになっており、毛髪等による上部排水流出部30の目詰まりを抑止することができる。
傾斜部60は、流入口56を通って立壁部50の外側から一時保水部壁部21の内周面に沿う方向に向かって、すなわち、一時保水部20内において仮想の水平面HP1に投影された下部排水流出部22の平面図形の重心CE1から水平方向へずれた位置に向かって下がっている。
ここで、ヘアキャッチャー10を仮想の水平面HP1に投影した平面図形は図4の平面図に相当し、下部排水流出部22の平面図形(水抜き孔23に相当する部分も含まれる)は同図の22で表される二点鎖線で囲まれた図形に相当する。この平面図形は、水抜き孔23に相当する部分を含むものとする。下部排水流出部22の平面図形の重心CE1は、幾何学やシミュレーションで求めることができ、単位面積当たりの重量が均一な板を水抜き孔23の無い下部排水流出部22の形状に切り取って釣り合う点、すなわち、質量中心を探す試験を行うことによっても求めることができる。
仮想の水平面に投影された下部排水流出部の平面図形の重心CE1から水平方向へずれた位置に向かうとは、図4に示す傾斜部60の排水の流れ方向D13のように、ヘアキャッチャー10を上から見たときに重心CE1を通らない方向に向かうことを意味するものとする。
また、排水の流れ方向D13の向きは傾斜部60において最も傾斜した向きであり、この向きが傾斜部60の下がる向きであるものとする。本実施形態の傾斜部60が下がる向きは、排水が流れていく方向に見たときに下部排水流出部22から右側とされている。
フランジ部70は、上部排水流出部の外縁部30aから外方へ延出し、立壁部50の外側で洗い場W1からの排水を受けて傾斜部60へ案内する。本実施形態のフランジ部70は、主に第一の分割立壁部52の外側となる第一の領域72と、主に第二の分割立壁部54の外側となる第二の領域74と、これらの領域72,74の境界部分で一段上がって洗い場側段部114a,114aに載置される隅部76,77とに区分することができる。第一の領域72と第二の領域74は、浴槽側を離間させ、ともに流入口56へ繋がっている。第一の領域72は、右回りに少しずつ下がり、一時保水部20内の旋回流の回転方向D1とほぼ同じ回転方向へ排水を案内する。第二の領域74は、洗い場側に向かって少しずつ下がり、浴槽側から流入口56へ排水を案内する。隅部76,77は、第一の領域72上を流れる排水を右回りに誘導したり、第二の領域74上を流れてきた排水を流入口56へ誘導したりする機能も有する。
なお、カバー120を取り外す際に手かけ部122に手を掛け易くするため、ヘアキャッチャー10は、浴槽側に立壁部50が設けられていない領域があり、上部排水流出部30の浴槽側縁部30bがヘアキャッチャー自体の浴槽側縁部に繋がった形状とされている。ここで、洗い場W1からの排水の多くは洗い場W1側から排水桝112に流入するので、フランジ部70上から傾斜部60を経由して一時保水部20に流入する排水に比べてヘアキャッチャー10の浴槽側縁部から上部排水流出部30へ直接流入する排水は少ない。
以上より、排水導入部40は、フランジ部70により洗い場W1からの排水を主に傾斜部60へ案内し、該排水を立壁部50の外側から傾斜部60に沿って仮想の水平面に投影された下部排水流出部の平面図形の重心CE1(以下、下部排水流出部の重心CE1と記載)から水平方向へずれた位置に向けて一時保水部20へ導く。
ところで、ヘアキャッチャー10は、熱可塑性樹脂といった樹脂材料、ステンレスといった金属材料、これらの組み合わせ、等、種々の材質とすることができ、樹脂材料や金属材料の成形品等を用いることができる。
本ヘアキャッチャー10を設けた排水トラップ1は、例えば、床材フランジ部113の先端部にパッキン144を取り付け、トラップ本体のフランジ部133に締め付けフランジ140を螺入して床材フランジ部113とトラップ本体130とを互いに固定し、封水筒150を締め付けフランジ140に取り付け、ヘアキャッチャー10を排水桝段部114に載置し、該ヘアキャッチャー10の隅部にカバー120を載置することにより、形成される。
次に、本ヘアキャッチャー10の作用、効果を説明する。
洗い場W1で生じた排水は、カバー120の周囲から排水桝112に流入し、主にヘアキャッチャーフランジ部70上へ流下する。ここで、図4の左側にある隅部76に流下した排水は第一の領域72へ流れ、同図の右側にある隅部77に流下した排水は領域72,74の下流部から速やかに傾斜部60へ流れる。第一の領域72上の排水は、第一の分割立壁部52に沿って左回りに案内された後、傾斜部60へ流れる。第二の領域74上の排水は、第二の分割立壁部54に沿って洗い場W1側へ案内された後、傾斜部60へ流れる。ここで、図4に示す排水の流れ方向D13に沿った傾斜部60の傾斜が排水の流れ方向D11,D12に沿った領域72,74の傾斜よりも大きいので、傾斜部60に流入した排水は一時保水部20内に向かって速度を上げる。このため、少ない排水量でも効果的に旋回流を発生させることができる。また、第二の領域74上の排水は一時保水部内の旋回流の回転方向D1と逆方向から案内されるが、傾斜部60で該旋回流を減衰させにくい方向へ向きが変えられる。
傾斜部60を流下した排水は、下部排水流出部22の重心CE1から水平方向へずれた位置に向かって凹状の一時保水部20に流入し、該一時保水部20で一時的に保水されながら左回りに旋回し、下部排水流出部22から下方へ流出する。排水が一時保水部壁部21の内周面に沿う方向へ流入するので、旋回流は下部排水流出部22を通り鉛直に向いた仮想の回転軸AX1を中心とするような渦流となる。一時保水部20内で一時的に溜まった排水の渦流の中で、図5(b)に示すように毛髪H1等の異物が浮遊しながら旋回して集まり、下部排水流出部22からの毛髪H1等の流出が抑止される。むろん、下部排水流出部22から毛髪H1等が流出しようとしても、複数の水抜き孔23を形成した下部排水流出部22に引っ掛かることにより毛髪H1等の流出が抑止される。
また、下部排水流出部22の排水流出流量を超える排水が一時保水部20に流入すると、排水は、一時保水部20に入りきらず上縁部21aを超え、上部排水流出部30から流出する。図5(b)は、排水が上縁部21aを超えて位置L1にまで上昇していることを示している。このとき、下部排水流出部22から流出した排水が封水面Sまで流れ方向D14へ落下するとともに、上部排水流出部30から流出した排水が封水面Sまで流れ方向D15へ落下する。ここで、一時保水部20内の排水中の毛髪等は集まって浮遊し旋回しているため、上部排水流出部の孔32から流出しようとする毛髪等は少ない。また、上部排水流出部30から毛髪H1等が流出しようとしても、複数の孔32が形成された上部排水流出部30に引っ掛かることにより毛髪H1等の流出が抑止される。従って、上部排水流出部30は、従来のヘアキャッチャーに設けられたオーバーフロー用の開口部のように毛髪等が流出してしまう開口部とは異なる。
一時保水部20に排水が流入しなくなると、毛髪H1等が浮遊して集まった排水が下部排水流出部22から流出し、図5(c)に示すように毛髪H1等がまとまった状態で一時保水部20内に残存する。捕集した毛髪等を捨てる際には、排水桝112からカバー120を取り外した後にヘアキャッチャー10を取り外して裏返す作業をすればよい。毛髪等がまとまった状態で一時保水部20内に存在するので、上下逆にされた一時保水部20から毛髪等が容易に落下する。
図16(d)に示した従来例のように排水が速やかにヘアキャッチャーを通過するようにされていると毛髪等がヘアキャッチャーに絡み付いて毛髪等を除去し難くなるが、本ヘアキャッチャー10は、一時保水部の孔が少なく、排水が徐々に下部排水流出部22を通過するので、毛髪等が一時保水部に絡み付かず、良好な毛髪除去性を得ることができ、清掃し易い。
また、図16(a)〜(d)に示した従来例のように洗い場からの全排水が一度にヘアキャッチャー全体を通過すると毛髪等がヘアキャッチャー全体に付着して目詰まりし易くなるが、本ヘアキャッチャー10は、上部排水流出部30に直接排水が流れ込まないので、上部排水流出部30の閉塞を抑止して安定した排水能力を得ることができる。
さらに、図16(a)〜(d)に示した従来例では封水筒や排水桝等を特別な構造にすることより渦流を発生させる必要があるが、本ヘアキャッチャー10は、上述した良好な毛髪除去性及び安定した排水能力をヘアキャッチャー単独の構造のみで得ることができる。特に、図16(a)〜(c)に示した従来例では洗い場からの排水が全て排水量調節部品904を通過することにより排水能力が制限されるが、本ヘアキャッチャー10によると、封水筒の排水能力を制限する必要が無いので、安定した排水能力が得られる。また、図16(d)に示した従来例では渦流を発生させるために浴槽排水が必要であるが、本ヘアキャッチャー10は、浴槽排水を用いず洗い場シャワー等の洗い場からの排水だけで良好な毛髪除去性を得ることができる。
従って、本ヘアキャッチャー10によると、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、良好な毛髪除去性及び良好な清掃性並びに安定した排水能力を得ることが可能となる。むろん、これらの性能は、既存の排水トラップからヘアキャッチャーのみを交換することにより得られることになる。従って、排水トラップを安価にすることが可能になる。
本実施形態から把握される本発明の付加的な側面の一つとして、前記排水導入部は、洗い場からの排水を通す流入口を設けて前記上部排水流出部の外側に配置された立壁部と、前記流入口を通って前記立壁部の外側から前記一時保水部内において仮想の水平面に投影された前記下部排水流出部の平面図形の重心から水平方向へずれた位置に向かって下がった傾斜部とを有し、洗い場からの排水を前記立壁部の外側から前記傾斜部に沿って前記一時保水部へ導くことが挙げられる。本側面によれば、洗い場からの排水が一時保水部内における下部排水流出部から水平方向へずれた位置に導かれて旋回流となるので、毛髪除去性を向上させることができる。
なお、洗い場から流入する排水が少ないときには一時保水部20内で旋回流が生じないこともあるが、この場合でも一時保水部20内で一時的に溜まった排水の中で毛髪等が浮遊して集まり、下部排水流出部22からの毛髪等の流出が抑止される。むろん、流入する排水が一時保水部20に一時的に保水されない程度に少ないときであっても、複数の水抜き孔23を形成した下部排水流出部22により毛髪等の流出が抑止され、下部排水流出部22から排水が徐々に流出するので毛髪等の絡み付きによる毛髪除去性の低下が抑止される。
(2)第二の実施形態:
図6(c)は本発明の第二の実施形態に係るヘアキャッチャー210を上から見て示す平面図、図7はヘアキャッチャー210を設けた浴室用の排水トラップ1を示す垂直断面図、図8はヘアキャッチャー210を設けた排水トラップ1の要部を示す斜視図、図9(a)はヘアキャッチャー210を図6(c)のA3方向から見て示す側面図、図9(b)(c)はヘアキャッチャー210を図6(c)のA4−A4の位置から見て示す垂直断面図である。ヘアキャッチャー210以外の排水トラップ1の構成は第一の実施形態と同じであるので、ヘアキャッチャー210以外の説明を省略する。
ヘアキャッチャー210は、一時保水部(保水部)220と上部排水流出部230と排水導入部240を備え、排水から毛髪等のごみを捕集する。
一時保水部220は、上下逆の円錐の頂点を丸くしたような凹状に形成され、流入した排水を保水する。この円錐の頂点近傍となる一時保水部220下部には、複数の水抜き孔223が形成され、排水中の毛髪等の流出を抑止しながら排水を略下方へ流出させる下部排水流出部222とされている。一時保水部220における下部排水流出部222の周囲は、水抜き孔の無い壁部221とされ、外側に向かって斜めに立ち上がっている。
上部排水流出部230は、洗い場W1からの排水を通す流入口256を設けて一時保水部220の上部(上縁部221a)から上方へ延出している。この上部排水流出部230には、排水中の毛髪の流出を抑止しながら排水を流出させる孔232が複数形成されている。上部排水流出部230は一時保水部220に入りきらない排水を流出させるため、上部排水流出部230の最大排水流出流量Quが下部排水流出部222の最大排水流出流量Qdよりも大きくなるようにしている。ここで、最大排水流出流量Quは、排水が排水桝112内で上部排水流出部230の上縁部230aの位置まで溜まっているように連続して排水を導入したときに上部排水流出部230から流出する排水の流出流量とする。
下部排水流出部222や上部排水流出部230の最大排水流出流量Qd,Quは、第一の実施形態と同様にして設定することができる。
排水導入部240は、第二の立壁部250と傾斜部260と案内部270を有し、一時保水部220内で左回りに回転する旋回流が発生するように洗い場W1からの排水を直接、一時保水部220へ導く。
第二の立壁部250は、上部排水流出部の上縁部230aから該上部排水流出部230の外側へ曲げられて水平方向外側へ若干延出した水平延出部252と、この水平延出部252の外縁部から下方へ向かう方向へ延出した下方延出部254とを有する形状とされている。図6(c)と図9(a)に示すように、下方延出部254の下部外側面には、90°間隔で4箇所に凸部242が形成されている。各凸部242を締め付けフランジの突起141bに合わせて締め付けフランジ140の開口部にヘアキャッチャー210の下部を挿入し、上下の突起141b間に凸部242を挿入するようにヘアキャッチャー210を回転させることにより、第二の立壁部250が封水筒の上部に取り付けられる。これにより、ヘアキャッチャー210が排水桝112内の所定位置に固定される。
また、第二の立壁部250は、流入口256の部分で上部排水流出部230に繋がっている。
なお、90°間隔とされた締め付けフランジ突起141b及び排水導入部凸部242により、締め付けフランジ140に取り付けられるヘアキャッチャー210の向きを90°単位で変えることができる。むろん、締め付けフランジの開口部が上面視円形であり、ヘアキャッチャーの下部が下面視円形であるので、締め付けフランジ及びヘアキャッチャーの取付部を変更することにより締め付けフランジに対してヘアキャッチャーを取り付ける向きを360°全ての向きに変更可能である。
傾斜部260は、流入口256を通って第二の立壁部250の外側から一時保水部壁部221の内周面に沿う方向に向かって下がっている。
案内部270は、図6(c)に示すように、流入口256の左側で第二の立壁部250の外側に設けられており、右回りに少しずつ下がって一時保水部220内の旋回流の回転方向D2とほぼ同じ回転方向へ排水を案内する。図6(c)に示す排水の流れ方向D23に沿った傾斜部260の傾斜は、排水の流れ方向D22に沿った案内部270の傾斜よりも大きくしてある。
以上より、排水導入部240は、洗い場W1から排水桝112内に流入した排水の一部を案内部270により傾斜部260へ案内し、排水桝112内の排水を第二の立壁部250の外側から傾斜部260に沿って仮想の水平面HP2に投影された下部排水流出部222の平面図形の重心CE2から水平方向へずれた位置に向けて一時保水部220へ導く。
次に、本ヘアキャッチャー210の作用、効果を説明する。
洗い場W1から排水桝112内に流入した排水は、一部が案内部270上で傾斜部260へ案内され、傾斜部260上で一時保水部220内に向かって速度を上げる。該排水は、下部排水流出部222の重心CE2から水平方向へずれた位置に向かって凹状の一時保水部220に流入し、下部排水流出部222を通り鉛直に向いた仮想の回転軸AX2を中心とするような左回りの旋回流が生じ、下部排水流出部222から下方へ流出する。一時保水部220内で一時的に溜まった排水の渦流の中で、図9(b)に示すように毛髪H1等の異物が浮遊しながら旋回して集まり、下部排水流出部222からの毛髪H1等の流出が抑止される。また、下部排水流出部222の排水流出流量を超える排水が一時保水部220に流入すると、排水は、一時保水部220に入りきらず、毛髪H1等の流出が抑止されながら上部排水流出部230から流出する。図9(b)は、排水が上縁部221aを超えて位置L2にまで上昇していることを示している。このとき、下部排水流出部222から流出した排水が流れ方向D24へ落下するとともに、上部排水流出部230から流出した排水が流れ方向D25へ落下する。一時保水部220内の排水中の毛髪等は集まって浮遊し旋回しているため、上部排水流出部の孔232から流出しようとする毛髪等は少ない。
一時保水部220に排水が流入しなくなると、毛髪H1等が浮遊して集まった排水が下部排水流出部222から流出し、図9(c)に示すように毛髪H1等がまとまった状態で一時保水部220内に残存する。また、本ヘアキャッチャー210は、上部排水流出部230に直接排水が流れ込まない。さらに、本ヘアキャッチャー210は、締め付けフランジ140の内径とほぼ同じ外径のコンパクトな大きさで上述した良好な毛髪除去性及び清掃性並びに安定した排水能力を得ることができる。
従って、本ヘアキャッチャー210によると、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、コンパクトな大きさで良好な毛髪除去性及び良好な清掃性並びに安定した排水能力を得ることが可能となる。
本実施形態から把握される本発明の付加的な側面の一つとして、前記上部排水流出部が洗い場からの排水を通す流入口を設けて前記一時保水部から上方へ延出し、前記排水導入部は、前記上部排水流出部の上縁部から該上部排水流出部の外側へ曲げられて下方へ向かう方向へ延出して前記排水トラップの封水筒の上部に取り付けられるとともに前記流入口の部分で前記上部排水流出部に繋がった第二の立壁部と、前記流入口を通って前記第二の立壁部の外側から前記一時保水部内において仮想の水平面に投影された前記下部排水流出部の平面図形の重心から水平方向へずれた位置に向かって下がった傾斜部とを有し、洗い場からの排水を前記第二の立壁部の外側から前記傾斜部に沿って前記一時保水部へ導くことが挙げられる。本側面によれば、毛髪除去性を向上させることができるとともに、ヘアキャッチャーをコンパクトにすることができる。
なお、図10(a)に示すヘアキャッチャー310や同図(b)に示すヘアキャッチャー410のように、一時保水部320,420の底に上方へ突出した凸部324,424が設けられてもよい。これらの一時保水部320,420は、凸部324,424の周囲に複数の水抜き孔323,423を有する下部排水流出部322,422が設けられている。これらの変形例でも、一時保水部内で一時的に溜まった排水の中で毛髪等が浮遊して集まり、毛髪等がまとまった状態で一時保水部内に残存して、良好な毛髪除去性及び安定した排水能力を得る効果が得られる。
さらに、一時保水部の底に設けられる凸部は、上方へ膨出した部位等でもよい。
(3)第三の実施形態:
図11は本発明の第三の実施形態に係るヘアキャッチャー510を設けた浴室用の排水トラップ1を示す垂直断面図、図12,13はヘアキャッチャー510の外観を示す図、図14はヘアキャッチャー510を図13のA6−A6の位置から見て示す垂直断面図、図15(a)はヘアキャッチャー510を図13のA5方向から見て示す側面図、図15(b)(c)はヘアキャッチャー510を図13のA6−A6の位置から見て示す垂直断面図である。
ヘアキャッチャー510は、一時保水部(保水部)520と上部排水流出部530と排水導入部540を備え、排水から毛髪等のごみを捕集する。本ヘアキャッチャー510は、凸部の最上部524aを通る鉛直線を中心として2回回転対称な形状とされている。なお、本明細書において、2回回転対称とは、一つの立体図形を一定軸のまわりに180°回転移動させて初めて同じ立体図形になる性質をいうものとする。
一時保水部520は、半球の底に上方へ凸とされた凸部524を有する凹状に形成され、流入した排水を保水する。一時保水部が略半球状に形成されているので、一時保水部内で排水が旋回流になり易くなり、毛髪等をまとめて捨て易くすることができる。
凸部524を含む一時保水部520下部は、複数の水抜き孔523が形成され、排水中の毛髪等の流出を抑止しながら排水を略下方へ流出させる下部排水流出部522とされている。一時保水部520における下部排水流出部522の周囲は、水抜き孔の無い壁部521とされ、外側に向かって膨出しながら斜めに立ち上がっている。凸部524は、最上部524aが一時保水部520の上縁部521aよりも低くされ、一時保水部520の底部から上方へなだらかに膨出している。本実施形態の水抜き孔523は、凸部の最上部524aから一時保水部520の最下部520aを越えて凸部524の周囲にまで複数設けられている。
上部排水流出部530は、一時保水部520を取り囲むように設けられ、一時保水部の上部(上縁部521a)から外側に向かって斜めに上がるように延出している。この上部排水流出部530には、排水中の毛髪の流出を抑止しながら一時保水部520に入りきらない排水を流出させる排水流出孔群531,531が複数形成されている。各排水流出孔群531は、毛髪の流出を抑止しながら排水を流出させる孔532が複数集合して構成されている。上部排水流出部530は一時保水部520に入りきらない排水を流出させるため、上部排水流出部530の最大排水流出流量Quが下部排水流出部522の最大排水流出流量Qdよりも大きくなるようにしている。ここで、最大排水流出流量Quは、排水が排水桝112内で上部排水流出部530の外縁(外縁部530a)の位置まで溜まっているように連続して排水を導入したときに上部排水流出部530から流出する排水の流出流量とする。
下部排水流出部522や上部排水流出部530の最大排水流出流量Qd,Quは、第一の実施形態と同様にして設定することができる。
排水導入部540は、流入部560と立壁部550を有し、図13に示すように一時保水部520内で左回りに回転する旋回流が発生するように洗い場W1からの排水を直接、一時保水部520へ導く。
流入部560は、排水流出孔群531,531同士で挟まれた位置(孔532同士で挟まれた位置)で上部排水流出部の外縁部530aと一時保水部の上縁部521aとを繋ぎ、洗い場W1からの排水を流入口556から一時保水部520へ通す。この流入部560を挟む排水流出孔群531,531同士の間隔は、各排水流出孔群531を構成する孔532同士の間隔よりも広くされている。ここで、排水流出孔群同士の間隔は一方の排水流出孔群531と他方の排水流出孔群531との間の最短距離をいい、孔同士の間隔は排水流出孔群531内の一つの孔532と隣接する孔532との間の最短距離をいうものとする。排水流出孔群531,531同士の間隔が広いので、排水は、上部排水流出部530からほとんど流出せずに流入部560上を流入口556から一時保水部520へ流れる。
本実施形態の流入部560は、上部排水流出部530と略同一面内で一時保水部520を挟む二箇所に設けられ、流入口556から一時保水部上縁部521aに向かって下がっている。
立壁部550は、洗い場からの排水を流入部560へ通す流入口556を設けて排水流出孔群531(孔532)が存在する上部排水流出部530の外側に配置されている。従って、立壁部550は、排水流出孔群531に直接排水が流れ込むことを抑止し、排水を流入口556だけから一時保水部520へ流入させるガイド機能を有する。
本実施形態の立壁部550は、各排水流出孔群531,531の外側に存在する第一の分割立壁部552及び第二の分割立壁部554から構成されている。両分割立壁部52,54は、上部排水流出部30を取り囲むように上部排水流出部の外縁部30aから上方へ延出している。各分割立壁部552,554の流入口556側の縁部(区画部553,555)は、排水流出孔群531(上部排水流出部530)と流入部560とを区画するように一時保水部520の方へ曲げられている。これらの区画部553,555は、各分割立壁部552,554において旋回流の回転方向D5の下流側に設けられ、流入部560上の排水が一時保水部520内における凸部の最上部524aから水平方向へずれた位置に向かうように配置されている。本実施形態の区画部553,555の向きは、一時保水部壁部521の内周面に沿う向きとされている。
以上より、排水導入部540は、洗い場W1から排水桝112内に流入した排水を立壁部550の外側から流入口556,556へ流入させ、流入部560,560に沿って凸部の最上部524aから水平方向へずれた位置に向けて一時保水部520へ導く。これにより、流入部560上の排水が凸部の最上部524aから水平方向へずれた位置に向かうので、一時保水部520内で排水の旋回流が生じ易い。また、一時保水部520内に凸部524があるので、流入部560上の排水が一時保水部520内の旋回流を打ち消す方向へ流入し難い。
ヘアキャッチャー510が凸部の最上部524aを通る鉛直線を中心として2回回転対称であるので、図14に示すように仮想の水平面HP5に投影したときの凸部の最上部524aは、下部排水流出部522の平面図形の重心CE5と一致する。そして、流入部560,560上を流れてきた排水が180°反対の方向から一時保水部520内へ流入するので、一時保水部内で排水が旋回流になり易くなり、毛髪等をまとめて捨て易くすることができる。
なお、流入部が一箇所しかないと、排水桝内に流入する排水の流れの向きによって一時保水部内で良好な旋回流が生じないことがある。一方、流入部が三箇所以上あると、流入部から一時保水部へ流入する排水の流れ同士がぶつかることにより一時保水部内で良好な旋回流が生じないことがある。本ヘアキャッチャーは、一時保水部を挟んで流入部が二箇所にあるので、一時保水部内で排水が旋回流になり易い。
ところで、図14に示すように、凸部の最上部524aを通る鉛直面で切断した断面における上部排水流出部530の傾きG1(%)は、同断面における流入部560の傾きG2(%)とほぼ同じである。一方、同断面における一時保水部壁部521の上部の傾きG3(%)は、上部排水流出部や流入部の傾きG1,G2よりも大きくされている。
なお、傾きG1%,G2%,G3%は、水平方向の距離Dh1(mm),Dh2(mm),Dh3(mm)に対する鉛直方向の距離をDv1(mm),Dv2(mm),Dv3(mm)として、
G1 = (Dv1/Dh1)×100 (%)
G2 = (Dv2/Dh2)×100 (%)
G3 = (Dv3/Dh3)×100 (%)
で表されるものとする。ここで、傾きを表すDh1,Dh2,Dh3は正の数、Dv1,Dv2,Dv3は0以上の数とする。
石鹸やシャンプー等に由来する泡を水面に有する排水がヘアキャッチャーの孔から流出していくとき、ヘアキャッチャー上面の勾配が急であると、泡が排出されにくい。一方、ヘアキャッチャー上面が水平であると、泡は排出され易くなるものの、毛髪等がヘアキャッチャー上面全体に付着して目詰まりすることがある。
本ヘアキャッチャー510は、上部排水流出部530に傾きを設けることにより毛髪等を凹状の一時保水部520へ集め、上部排水流出部の傾きG1を水平に近くすることにより泡の排出性能を高めている。これにより、本ヘアキャッチャー510は、凹状の一時保水部520で毛髪等の異物を集めながら排水の水面にある泡を容易に上部排水流出部530から排出することができる。
また、泡を素早く排出するためには各孔532の開口面積が大きい方がよいため、各孔532の開口面積は一時保水部の各水抜き孔523の開口面積よりも大きくしている。
なお、ヘアキャッチャー510は、上部排水流出部の外縁部530aから下方へ延出した下方延出部542を有し、締め付けフランジ140に対して下方延出部542が取り付けられるようにされている。図12と図15(a)に示すように、下方延出部542の下部外側面には、90°間隔で4箇所に溝543が形成されている。また、下方延出部542の下縁部545には、各溝543に繋がる切欠部544が90°間隔で形成されている。各切欠部544を締め付けフランジの突起141bに合わせて締め付けフランジ140の開口部にヘアキャッチャー510の下部を挿入し、上下の突起141b間に下方延出部の下縁部545を挿入するようにヘアキャッチャー510を回転させることにより、ヘアキャッチャー510が封水筒150の上部に取り付けられる。これにより、ヘアキャッチャー510が排水桝112内の所定位置に固定される。
むろん、90°間隔とされた締め付けフランジ突起141b及び溝543により、締め付けフランジ140に取り付けられるヘアキャッチャー510の向きを90°単位で変えることができる。また、締め付けフランジの開口部が上面視円形であり、ヘアキャッチャーの下部が下面視円形であるので、締め付けフランジ及びヘアキャッチャーの取付部を変更することにより締め付けフランジに対してヘアキャッチャーを取り付ける向きを360°全ての向きに変更可能である。
次に、本ヘアキャッチャー510の作用、効果を説明する。
洗い場W1から排水桝112内に流入した排水は、分割立壁部552,554により排水流出孔群531,531に直接流れ込むことが抑止され、流入口556,556からヘアキャッチャー510内に流入する。流入口556,556から流入した排水は、傾きG2を有する流入部560,560上を区画部553,555に案内されて一時保水部520内における凸部の最上部524a(重心CE5)から水平方向へずれた位置に向かって速度を上げる。なお、排水が流入部560,560に隣接する孔532の上を通過することもあるが、このような排水は僅かである。
流入部560,560を流れてきた排水は、凸部の最上部524aから水平方向へずれた位置に向かって凹状の一時保水部520に流入する。図13には、流入部560,560から一時保水部520内に流入する排水の流れD53,D53を矢印で示している。排水が一時保水部520に流入すると、下部排水流出部522を通り鉛直に向いた仮想の回転軸AX5を中心とするような左回りの旋回流が生じ、排水が下部排水流出部522から下方へ流出する。一時保水部520内で一時的に溜まった排水の渦流の中で、図15(b)に示すように毛髪H1等の異物が浮遊しながら旋回して集まり、下部排水流出部522からの毛髪H1等の流出が抑止される。
また、一時保水部520内に凸部524があることにより一時保水部520へ導かれる排水が旋回流を打ち消す方向へ流入し難いので、一時保水部520内で毛髪等がまとまり易い。
また、下部排水流出部522の排水流出流量を超える排水が一時保水部520に流入すると、排水は、一時保水部520に入りきらず、毛髪H1等の流出が抑止されながら上部排水流出部530から流出する。排水に泡が生じている場合には、緩やかな傾きG1を有する上部排水流出部の排水流出孔群531から泡が排出される。図15(b)は、排水が上縁部521aを超えて位置L5にまで上昇していることを示している。このとき、下部排水流出部522から流出した排水が流れ方向D54へ落下するとともに、排水流出孔群531から流出した排水が流れ方向D55へ落下する。一時保水部520内の排水中の毛髪等は集まって浮遊し旋回しているため、上部排水流出部の孔532から流出しようとする毛髪等は少ない。
一時保水部520に排水が流入しなくなると、毛髪H1等が浮遊して集まった排水が下部排水流出部522から流出し、図15(c)に示すように毛髪H1等がまとまった状態で一時保水部520内に残存する。従って、ヘアキャッチャー510を裏返すと、上下逆にされた一時保水部520から毛髪等が容易に落下する。さらに、一時保水部の孔が少ないので、毛髪等が一時保水部に絡み付かず、容易に毛髪等を除去することができる。
また、本ヘアキャッチャー510は、排水流出孔群531に直接排水が流れ込み難い。
さらに、本ヘアキャッチャー510は、締め付けフランジ140の内径とほぼ同じ外径のコンパクトな大きさで上述した良好な毛髪除去性及び清掃性並びに安定した排水能力を得ることができる。
従って、本ヘアキャッチャー510によると、ヘアキャッチャーを設ける排水トラップに特別な構造を設ける必要が無く、コンパクトな大きさで良好な毛髪除去性及び良好な清掃性並びに安定した排水能力を得ることが可能となる。
なお、一時保水部の底部に設けられる凸部の凸とされた形状には、膨出した形状や突出した形状等が含まれる。
一時保水部の底部に設けられる凸部の最上部は、下部排水流出部の平面図形の重心からずれていてもよい。
一時保水部の底部には、上述した凸部が複数設けられてもよい。
一時保水部の水抜き孔は、凸部全体にわたって設けられるのみならず、一時保水部の最下部のみ等、凸部の周囲にのみ設けられてもよい。
上部排水流出部に設けられる排水流出孔群は、複数のみならず、単数でもよい。上部排水流出部に一つのみ排水流出孔群が設けられる場合、該排水流出孔群が一時保水部の周りの一周近くにわたって配置され、該排水流出孔群の右回り方向の縁部と該排水流出孔群の左回り方向の縁部とで挟まれた位置に流入部が設けられてもよい。この場合の流入部も、上部排水流出部の排水流出孔群同士で挟まれた位置で上部排水流出部の外縁と一時保水部の上部とを繋ぐ部位となる。
上部排水流出部には、上記排水流出孔群の代わりに、単一の孔で構成される排水流出孔が設けられてもよい。従って、上部排水流出部に設けられる孔は、複数のみならず、単数でもよい。
(3)変形例:
本発明のヘアキャッチャーは、種々の変形例が考えられる。
ヘアキャッチャーを構成する各部は、全て一体化されていてもよいし、独立した部材で構成されてもよい。
洗い場及び浴槽に対するヘアキャッチャーの向きは、上述した実施形態に限定されず、例えば、鉛直に向いた仮想の回転軸AX1,AX2,AX5を中心として360°全ての向きに変更可能である。従って、洗い場からの排水を一時保水部へ通す流入口は、第一及び第二の実施形態のように洗い場側に配置される以外にも、浴槽側に配置されてもよいし、洗い場側と浴槽側との中間的な位置等に配置されてもよい。
洗い場からの排水を一時保水部へ通す流入口は、立壁部(50,550)や第二の立壁部(250)や上部排水流出部(230)に設けられる隙間以外にも、これらの部位に設けられる開口等でもよい。
上記下部排水流出部や上記上部排水流出部は、複数の孔で形成する以外にも、繊維や針金等を編んで形成した網で構成したり、複数のスリットで形成したりすることが可能である。
上記上部排水流出部の外側に配置される立壁部や第二の立壁部は、鉛直方向に延出した形状以外にも、鉛直方向からずれた方向に延出した形状等でもよい。
上記排水導入部が一時保水部内に発生させる旋回流は、上述した実施形態とは逆の右回りでもよい。また、旋回流の回転軸AX1,AX2,AX5の向きは、鉛直方向から斜めにずれた方向でもよく、水平方向でもよい。
上記排水導入部が一時保水部内へ排水を導く方向は、一時保水部壁部の内周面に沿う方向以外とすることができる。例えば、排水を導く方向を下部排水流出部に向かう方向とすると、一時保水部内で水平に向いた回転軸を中心とするような旋回流が発生すると考えられる。この場合も、一時保水部内で毛髪等が浮遊しながら旋回して集まり、毛髪等がまとまった状態で一時保水部内に残存して、良好な毛髪除去性を得ることができると考えられる。
上記一時保水部が上下逆の角錐の形状、又は、上下逆の角錐の頂点及び稜線を丸くしたような形状である場合、上記排水導入部は一時保水部壁部の水平断面の辺に沿った方向へ洗い場からの排水を導いてもよい。
上記排水導入部が旋回流を発生させないように洗い場からの排水を一時保水部へ導く場合でも、一時保水部内で一時的に溜まった排水の中で毛髪等が浮遊して集まり、下部排水流出部から排水が抜け落ちたときに毛髪等が集まった状態で一時保水部内に残存する。従って、良好な毛髪除去性及び安定した排水能力を得る効果が得られる。
上記排水導入部が洗い場からの排水を一時保水部へ導けば本発明の基本的な効果が得られるので、第一の実施形態のフランジ部70や第二の実施形態の案内部270を有していないヘアキャッチャー等も、本発明の作用、効果を奏する。むろん、排水トラップを構成する締め付けフランジ等の部材にヘアキャッチャーを取り付ける操作を行うための把手等の部位を有するヘアキャッチャーも、本発明の作用、効果を奏する。
また、流入した排水を保水する凹状の保水部は、上述した下部排水流出部を有する一時保水部のみならず、下部排水流出部(22,222,522)の無い保水部でもよい。下部排水流出部が無い場合、保水部(20,220,520)に流入した排水は、全て上部排水流出部(30,230,530)から流出することになる。ここで、毛髪の比重が1.2〜1.3程度と水の比重よりも大きいため、保水部の中で毛髪には沈む力が加わる。これにより、保水部に入りきらない排水が上部排水流出部から流出する際に流出しようとする毛髪は少ない。また、毛髪が上部排水流出部へ移動しても、排水は単に上部排水流出部からオーバーフローする訳ではなく、上部排水流出部で毛髪の流出が抑止される。
一方、毛髪が細長いため、保水部内に溜まった排水の中で毛髪に加わる沈む力よりも排水の流れの影響の方が大きく、保水部内で毛髪が浮遊する。これにより、保水部内で毛髪等が集まり、毛髪等が集まった状態で保水部内に残存する。従って、捕集した毛髪等を容易に除去することができる。
また、洗い場からの排水が保水部へ導かれるので、上部排水流出部の閉塞が抑止され、安定した排水能力を得ることができる。
なお、本発明を適用可能な洗い場は、浴室の洗い場以外にも、洗面化粧台の排水トラップに繋がる洗面台、理容店や美容室の排水トラップに繋がる洗面台、等でもよい。
また、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
1…排水トラップ、
10,210,310,410,510…ヘアキャッチャー、
20,220,520…一時保水部(保水部)、
21,221,521…壁部、21a,221a,521a…上縁部、
22,222,522…下部排水流出部、23,223,523…水抜き孔、
30,230,530…上部排水流出部、32,232,532…孔、
40,240,540…排水導入部、
50,550…立壁部、
52,552…第一の分割立壁部、54,554…第二の分割立壁部、
56,256,556…流入口、
60,260…傾斜部、
70…フランジ部、72…第一の領域、74…第二の領域、76,77…隅部、
110…床材、112…排水桝、120…カバー、
130…トラップ本体、140…締め付けフランジ、150…封水筒、
250…第二の立壁部、252…水平延出部、254…下方延出部、
270…案内部、
324,424,524…凸部、
520a…一時保水部の最下部、524a…凸部の最上部、
530a…外縁部(上部排水流出部の外縁)、
531…排水流出孔群(孔群)、
553,555…区画部、
560…流入部、
AX1,AX2,AX5…仮想の回転軸、B1…浴槽、
CE1,CE2,CE5…下部排水流出部の平面図形の重心、
D1,D2,D5…旋回流の回転方向、
D11〜D15,D22〜D25,D53〜D55…排水の流れ方向、
H1…毛髪、S…封水面、W1…洗い場、

Claims (2)

  1. 排水トラップに対して着脱可能に設けられるヘアキャッチャーであって、
    流入した排水を保水する凹状の保水部と、
    該保水部の上部から延出し、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる上部排水流出部と、
    洗い場からの排水を前記保水部へ導く排水導入部とを備え
    前記上部排水流出部は、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる孔群を有し、
    前記排水導入部は、前記上部排水流出部の外縁と前記保水部の上部とを繋ぐとともに前記上部排水流出部の孔群同士で挟まれた位置で洗い場からの排水を前記保水部へ通す流入部を有することを特徴とするヘアキャッチャー。
  2. 排水トラップに対して着脱可能に設けられるヘアキャッチャーであって、
    流入した排水を保水する凹状の保水部と、
    該保水部の上部から延出し、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる上部排水流出部と、
    洗い場からの排水を前記保水部へ導く排水導入部とを備え、
    前記上部排水流出部は、排水中の毛髪の流出を抑止しながら前記保水部に入りきらない排水を流出させる孔群を有し、
    前記排水導入部は、前記上部排水流出部の外縁と前記保水部の上部とを繋ぐとともに前記上部排水流出部の孔群同士で挟まれた位置で洗い場からの排水を前記保水部へ通す流入部を有し、
    前記流入部を挟む前記上部排水流出部の孔群同士の間隔が前記孔群の孔同士の間隔よりも広くされていることを特徴とするヘアキャッチャー。
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